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特許7612323マルチ出力ゲートドライバシステムにおいて静的にゲートをクランプする方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】マルチ出力ゲートドライバシステムにおいて静的にゲートをクランプする方法
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/0812 20060101AFI20250106BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20250106BHJP
   H03K 17/08 20060101ALN20250106BHJP
   H03K 17/16 20060101ALN20250106BHJP
   H03K 17/567 20060101ALN20250106BHJP
【FI】
H03K17/0812
H02M1/08 A
H03K17/08 Z
H03K17/16 F
H03K17/567
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019191728
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2020068528
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】16/166,953
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516153409
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ オーストリア アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies Austria AG
【住所又は居所原語表記】Siemensstr. 2, A-9500 Villach, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シモーネ ファッブロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング フランク
(72)【発明者】
【氏名】カール ノアリング
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-232347(JP,A)
【文献】特開2017-188977(JP,A)
【文献】再公表特許第2014/097485(JP,A1)
【文献】特開2004-088892(JP,A)
【文献】特開2017-175780(JP,A)
【文献】米国特許第06832356(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00-17/70
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチ出力ゲートドライバシステムであって、前記マルチ出力ゲートドライバシステムは、
ゲートノードを有するパワーデバイスと、
入力端を有するとともに、第1のゲート抵抗を含む第1の電流経路を介して前記ゲートノードに結合された、前記パワーデバイスの能動的なオンオフ切り替えを行うための出力端を有する第1のドライバと、
入力端を有するとともに、前記第1の電流経路とは別の第2の電流経路を介して前記ゲートノードに結合された出力端を有する第2のドライバであって、オン状態、オフ状態および高インピーダンス状態のうちの1つで動作するように構成される第2のドライバと、
前記第2のドライバの前記出力端に結合された第1の入力端、前記パワーデバイスの切り替えオンの過渡が経過したときのゲートノード電圧に対応する第1の基準電圧に結合された第2の入力端および出力端を有する第1の比較器と、
前記第2のドライバの前記出力端に結合された第1の入力端、前記パワーデバイスの切り替えオフの過渡が経過したときのゲートノード電圧に対応する第2の基準電圧に結合された第2の入力端および出力端を有する第2の比較器と、
前記パワーデバイスのオンオフ切り替えのための制御信号を受信する第1の入力端、前記第1の比較器の前記出力端および前記第2の比較器の前記出力端に結合された第2の入力端、前記第1のドライバの前記入力端に結合された第1の出力端ならびに前記第2のドライバの前記入力端に結合された第2の出力端を有する論理回路と、
前記第2のドライバの前記出力端と、前記パワーデバイスの前記ゲートノードと、の間に結合され、前記第1のゲート抵抗と同じ値を有する第2のゲート抵抗と、
を含み、
前記論理回路の前記第2の入力端の信号は、前記第2のドライバの前記出力端が前記第1の基準電圧に達したかもしくは上回ったか否か、または、前記第2のドライバの前記出力端が前記第2の基準電圧に達したかもしくは下回ったか否かを示し、
前記第2のドライバの前記出力端は、前記論理回路の前記第2の出力端の信号に応答して、正の電圧レールもしくは負の電圧レールのいずれかへ相応にクランプされるように構成されており、
前記論理回路は、前記パワーデバイスの切り替えオンおよび切り替えオンの過渡の間にのみ、前記第2のドライバを高インピーダンス状態で動作させるように構成されている、
マルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項2】
前記第2のドライバは、ターンオン動作モードおよびターンオフ動作モード双方の間、クランプされるように構成されている、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項3】
前記第2のドライバは、ターンオン動作モード中はクランプされ、ターンオフ動作モード中は能動的な切り替えを行うように構成されている、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項4】
前記第2のドライバは、ターンオフ動作モード中はクランプされ、ターンオン動作モード中は能動的な切り替えを行うように構成されている、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項5】
前記第2のドライバは、前記論理回路が受信した付加的な制御信号に応答してクランプされるかまたは能動的な切り替えを行うように構成されている、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項6】
前記第1の比較器および前記第2の比較器は、入力フィルタまたは出力フィルタの少なくとも一方を含む、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項7】
前記第1のゲート抵抗は、前記第1のドライバの前記出力端と、前記パワーデバイスの前記ゲートノードと、の間に結合されている、
請求項1記載のマルチ出力ゲートドライバシステム。
【請求項8】
第1のゲートドライバおよび第2のゲートドライバを含むマルチ出力ゲートドライバシステムを動作させる方法であって、前記第1のゲートドライバの出力端は、第1のゲート抵抗を含む第1の電流経路を介してパワーデバイスのゲートノードに結合され、第2のドライバの出力端は、前記第1の電流経路とは別の第2の電流経路を介して前記ゲートノードに結合され、前記第2のドライバは、活動状態、不活動状態および高インピーダンス状態のうちの1つで動作するように構成され、前記方法は、
前記第2のドライバを高インピーダンス状態で動作させる間、前記第1のゲートドライバの出力端によって前記パワーデバイスをターンオンするステップと、
前記第2のゲートドライバの出力端の電圧を測定して、前記第2のゲートドライバの出力端の前記電圧が第1の基準電圧より大きいか否かを判別するステップであって、前記第1の基準電圧は、前記パワーデバイスの切り替えオンの過渡が経過したときのゲートノード電圧に対応するステップと、
第1の動作モードにおいて前記第2のゲートドライバの出力端の前記電圧を第1のクランプ電圧へクランプするステップと、
前記第2のドライバを高インピーダンス状態で動作させる間、前記第1のゲートドライバの出力端によって前記パワーデバイスをターンオフするステップと、
前記第2のゲートドライバの出力端の電圧を測定して、前記第2のゲートドライバの出力端の前記電圧が第2の基準電圧より小さいか否かを判別するステップであって、前記第2の基準電圧は、前記パワーデバイスの切り替えオフの過渡が経過したときのゲートノード電圧に対応するステップと、
第2の動作モードにおいて前記第2のゲートドライバの出力端の前記電圧を第2のクランプ電圧へクランプするステップと、
前記第2のゲートドライバと前記パワーデバイスとの間に、前記第1のゲート抵抗と同じ値を有する第2のゲート抵抗を結合するステップと、
を含み、
前記パワーデバイスをターンオンするステップおよび前記パワーデバイスをターンオフするステップの間にのみ、前記第2のドライバは、高インピーダンス状態で動作する、
方法。
【請求項9】
前記第2のゲートドライバは、前記第1の動作モードでは、前記第1のゲートドライバに対して遅延される、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記第2のゲートドライバは、前記第2の動作モードでは、前記第1のゲートドライバに対して遅延される、
請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記方法はさらに、前記第1の動作モードにおいて、第1の比較器および第2の比較器により、前記第2のゲートドライバの前記出力端を測定するステップを含む、
請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記方法はさらに、前記第2の動作モードにおいて、第1の比較器および第2の比較器により、前記第2のゲートドライバの前記出力端を測定するステップを含む、
請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記方法はさらに、前記第1のゲートドライバと前記パワーデバイスとの間に前記第1のゲート抵抗を結合するステップを含む、
請求項8記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、マルチ出力ゲートドライバシステムにおいて静的にゲートをクランプするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲートドライバは、電力増幅器であって、付加的な回路、例えばレベルシフタも含むことができる。ゲートドライバは、関連するコントローラICから低電力の入力信号を受け取り、ハイパワートランジスタ、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(“IGBT”)またはパワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(“MOSFET”)のゲートに対する高電流の駆動入力信号を形成する。典型的には、ゲートドライバの単一の出力端が、パワートランジスタの単一のゲートノードの駆動に用いられる。時に応じて、2つの出力端が、ハイサイドのパワートランジスタおよびローサイドのパワートランジスタの駆動に使用されることもある。ゲートドライバは、クランプ機能を提供するための1つもしくは複数の専用の出力端を有することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
マルチ出力ゲートドライバシステムは、ゲートノードを有するパワーデバイスと、入力端およびゲートノードに結合された出力端を有する第1のドライバと、入力端およびゲートノードに結合された出力端を有する第2のドライバと、第2のドライバの出力端に結合された第1の入力端、第1の基準電圧に結合された第2の入力端および出力端を有する第1の比較器と、第2のドライバの出力端に結合された第1の入力端、第2の基準電圧に結合された第2の入力端および出力端を有する第2の比較器と、制御信号を受信する入力端、第1のドライバの入力端に結合された第1の出力端および第2のドライバの入力端に結合された第2の出力端を有する論理回路と、を含む。
【0004】
本発明およびその利点のより完全な理解のため、添付の図を参照しつつ、これに即して以下の説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】ON状態およびOFF状態の動作条件に関連する電圧比較器を含むマルチ出力ゲートドライバシステムの一実施形態の概略図、ならびにゲートドライバシステムで使用されるゲート抵抗の代替構成の概略図である。
図1B図1Aのマルチ出力ゲートドライバシステムに関連する論理テーブルである。
図2A】第2の出力端をクランプのみに用いる、マルチ出力ゲートドライバシステムの別の実施形態の概略図である。
図2B図2Aのマルチ出力ゲートドライバシステムに関連する論理テーブルである。
図3A】第2の出力端をOFF状態中のソースおよびクランプに用いる、マルチ出力ゲートドライバシステムの別の実施形態の概略図である。
図3B図3Aのマルチ出力ゲートドライバシステムに関連する論理テーブルである。
図4図1から図3に示したマルチ出力ゲートドライバシステムに関連する時間図である。
図5】パワーデバイスのゲート抵抗の規定値に対するターンオン動作条件およびターンオフ動作条件でのコレクタ電流の関数としての、パワーデバイスのコレクタ電圧の変化量対時間(dv/dt)のグラフである。
図6】それぞれ電流をシンク可能およびソース可能な2つの出力端を有するマルチ出力ゲートドライバ集積回路(IC)を含む、マルチ出力ゲートドライバシステムの一実施形態の概略図である。
図7図6に示したものに類似しているが、ターンオフ条件中に第2の出力端の不活動化を生じさせるための直列ダイオードを含む、マルチ出力ゲートドライバシステムの一実施形態の概略図である。
図8】一実施形態による、規定されたdv/dt目標値でのパワーデバイスの駆動のためにマルチ出力ゲートドライバICで使用される制御スキーマの図である。
図9図6のマルチ出力ゲートドライバシステムに関連する論理テーブルである。
図10図9に示したテーブルに対応する時間図である。
図11】入力端に印加される論理条件に応じて、ゲートドライバICの第2の出力端が予め設定されたもしくはプログラミング可能な遅延量を用いて切り替え可能であるかまたは第1の出力端に対して対抗的に切り替え可能である、マルチ出力ゲートドライバシステムの概略図である。
図12】ゲートドライバICの第2の出力端がパワーデバイスのゲートの電圧レベルの検出のための比較器を用いて動作可能である、マルチ出力ゲートドライバシステムの概略図である。
図13】それぞれ単一の出力端を有する3個以上のドライバを示した、マルチ出力ゲートドライバシステムの概略図である。
図14】それぞれ別個のシンク出力端とソース出力端とを有する3個以上のドライバを示した、マルチ出力ゲートドライバシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態によれば、ゲートドライバは、1つの動作モードにおいて、双方ともにゲート電圧を駆動されるパワートランジスタに印加する2つ以上の独立もしくは非独立の制御可能出力端を有することができる。出力端のそれぞれは、ターンオンおよびターンオフに対して独立に使用されるゲート抵抗を有することができる。個々の出力端は、専用の負荷条件または温度条件または他の動作条件に応じて活動化可能である。活動化される出力端(並列切り替え)が多くなるにつれ、駆動されるパワートランジスタ(時に応じて「スイッチ」または「デバイス」とも称される)はより高速に切り替え可能となる。その結果、当該ゲートドライバおよび当該スイッチを含む相応のコンバータまたはインバータの切替速度も増大可能である。切替損失とEMIまたは安全動作領域との間の良好なトレードオフも達成可能である。
【0007】
デュアル出力ゲートドライバで、2つの出力端のうち一方のみが動作する場合、他方の出力端は高インピーダンス状態に維持可能である。しかし、第2の出力端の高インピーダンス動作は、パワートランジスタに関する2つの欠点、すなわち
1.パワートランジスタが、OFF状態におけるdv/dtイベント中、寄生ターンオンにより敏感となること、
2.ON状態におけるハイサイドクランプの強度が比較的弱いこと、
を有する。
【0008】
ゆえに、マルチ出力ゲートドライバシステムの実施形態によれば、第2の出力端が、負のゲート電圧へのクランプを行うOFF状態と正のゲート電圧へのクランプを行うON状態との双方を支援する。クランプとは、関連するドライバ段、回路または1つもしくは複数の出力FETの活動化をいう。クランプハイとは、関連するドライバのソース段を活動化することをいう。クランプローとは、関連するドライバのシンク段を活動化することをいう。
【0009】
マルチ出力ゲートドライバシステムは、駆動されるトランジスタの電流および電圧の切替過渡特性が経過した時点のレベルに第1の出力端のゲート電圧が達すると直ちに、第1の出力端の状態を第2の出力端へ複製する。当該機能は、例えば、後に詳述する、瞬時ゲート電圧を監視する電圧比較器によって構成可能である。パワートランジスタのゲート電圧がパワートランジスタのゲート‐エミッタ閾値またはゲート‐ソース閾値よりも低い場合、ゲートは負のゲート電圧へクランプ可能である。同様に、ゲート電圧が正のレールに近い場合、ゲートは正のレール電圧へクランプ可能である。ただし、第2の出力端は、ゲート電圧が変化するたびに不活動状態となる。
【0010】
図1Aには、マルチ出力ゲートドライバシステム100の概略図が示されており、当該システム100は、ゲートノードを有するパワーデバイス108と、入力端およびゲートノードに結合された出力端OUT1を有する第1のドライバ104と、入力端およびゲートノードに結合された出力端OUT2を有する第2のドライバ102と、第2のドライバ102の出力端に結合された正の入力端、第1の基準電圧VONに結合された負の入力端および出力端を有する第1の比較器CP1と、第2のドライバ102の出力端に結合された負の入力端、第2の基準電圧VOFFに結合された正の入力端および出力端を有する第2の比較器CP2と、パワーデバイスのオンオフ切り替えのための制御信号を受信する第1の入力端、第1の比較器CP1の出力端および第2の比較器CP2の出力端に結合された第2の入力端、第1のドライバ104の入力端に結合された第1の出力端112ならびに第2のドライバ102の入力端に結合された第2の出力端110を有する論理回路106と、を含む。図1Aでは、論理回路106は、ハードウェアまたはソフトウェアとして構成可能である。少なくとも2つの入力信号、すなわちパワーデバイス108の状態を変更するオン‐オフ信号と、比較器CP1,CP2の出力端に関連する信号と、が論理回路106によって受信される。論理回路106が使用する論理関数に依存して、例えば使用される出力端の数に応じた“n”ビット幅の入力バスを構成することができる。例えば、図1Aの実施形態では、入力バスの2ビット幅が、2つの異なる入力信号に対応して使用可能である。論理回路106およびマルチ出力ゲートドライバシステム100全体の動作を以下に詳述する。
【0011】
ゲートドライバ102,104、比較器CP1,CP2および論理回路106を含むゲートドライバ回路116は、他の回路、例えばマイクロプロセッサならびに一実施形態での他の回路を含む単一の集積回路として構成可能である。他の実施形態では、離散的な要素もしくは複数の集積回路またはこれらの組み合わせも使用可能である。
【0012】
図1Aでは、2つのゲート抵抗Rg1,Rg2が使用されている。ゲート抵抗Rg1は、ドライバ104の出力端とパワーデバイス108のゲートノードとの間に結合されている。ゲート抵抗Rg2は、ドライバ102の出力端とパワーデバイス108のゲートノードとの間に結合されている。同じ値もしくは異なる値を有する個別の抵抗素子を、ゲート抵抗Rg1,Rg2に対して使用可能である。なお、代替の並列抵抗回路114も、種々の動作モードの適合化のために使用可能である。並列抵抗回路114では、第1の抵抗RgoffにダイオードDが直列に組み合わされることが示されている。第1の抵抗およびダイオードは、第2の抵抗Rgonに対して並列に配置されている。並列抵抗回路114内の第1の抵抗および第2の抵抗は、一実施形態では、異なる値を有しうる。当該ケースでは、並列抵抗回路114は、パワーデバイス108のゲートからの電流がシンクするまたはソースする際に、異なる値を有する。ダイオードDは、(抵抗Rgonに接続された)ソース電流に対する個別の端子と(抵抗Rgoffに接続された)シンク電流に対する個別の端子とを有する実施形態が使用される場合、省略可能である。こうした実施形態は図14に示されている。
【0013】
各比較器CP1,CP2の入力端および/または出力端のフィルタは任意である。適切なフィルタ配置は例えば図13図14に示されており、後に詳述する。
【0014】
動作中、制御設定に依存して、第2の出力端OUT2がゲート電圧の測定入力端として用いられる。これは、OUT2が不活動状態(高インピーダンス)に維持される、OUT1の過渡特性の後、適切な時間インターバル中に可能である。ターンオフ過渡特性のケースでは、OUT2は、ゲート電圧がCP2の比較器閾値(VOFF)を下回ると直ちに活動化される。ターンオン閾値のケースでは、OUT2は、ゲート電圧がCP1の比較器閾値(VON)を上回ると直ちに活動化される。全体的により低いゲート抵抗を得るべく、2つの出力端(OUT1,OUT2)がともに切り替えられるように制御が変更される場合、基本的に、2つのドライバ段のケースでは、監視を行う比較器は必要ない。2つの比較器CP1,CP2を用いない代替実施形態については、後に詳述する。ここでの実施形態では、測定は第2の出力端OUT2で行うことができる。3個以上のドライバ段が並列に使用される場合、測定は、他方の出力端(図1Aには示されていない)と共に能動的な切り替えを行った出力端で行わなければならない。代替的に、別個の測定ピンも使用可能である。
【0015】
図1Aに示したマルチ出力ゲートドライバシステム100の抵抗および電圧の範囲は、特定の用途に適合するように変化可能である。
【0016】
図1Bは、12個の論理状態を含む、図1Aの回路実施形態に対応する論理テーブルであり、ここでは、個々のIN,INF,OUT1,OUT2の論理状態が規定されている。付加的に、図1Aの回路実施形態の出力インピーダンスおよび動作状態も示されている。
【0017】
図1B図2B図3Bに関して、論理テーブル内のアスタリスクは任意の論理状態をいい、代替的に出力端OUT2はHiZ(高インピーダンス状態)に留まりうる。
【0018】
クランプ機能に関して、OUT2の電圧がOUT1の電圧に近いレベルに達するまで、OUT2出力端は、ON状態またはOFF状態に達しない。
【0019】
図2Aは、第2の出力端OUT2をゲートクランプとしてのみ用いる、マルチ出力ゲートドライバシステム200の別の実施形態の概略図である。ゲートドライバシステム200では、第1の出力端OUT1がON状態またはOFF状態のいずれかである定常状態に達した場合にのみ、第2の出力端OUT2が活動化される。したがって、第2のゲート抵抗は、ゲートドライバシステム200では必要ない。それ以外は、図2Aに示した番号付きの要素の全てが上述されている。
【0020】
図2Bは、12個の論理状態を含む、図2Aの回路実施形態に対応する論理テーブルであり、ここでは、個々のIN,INF,OUT1,OUT2の論理状態が規定されている。付加的に、図2Aの回路実施形態に対する出力インピーダンスおよび動作状態も示されている。
【0021】
図3Aは、OUT1に対して並列の抵抗Rg2を介して第2の出力端OUT2をゲート電流のソースに使用可能な、マルチ出力ゲートドライバシステム300の別の実施形態の概略図である。付加的に、第2の出力端OUT2は、OFF状態中、アクティブミラークランプピンとして使用可能である。もちろん、アクティブミラークランプの性能は、Rg2に対して並列の任意のダイオードによって低減されてしまうこともある。ダイオードは、ゲートドライバシステム300の抵抗Rg2に対して並列に示されている。それ以外は、図3Aに示した番号付きの要素の全てが上述されている。
【0022】
図3Bは、12個の論理状態を含む、図3Aの回路実施形態に対応する論理テーブルであり、ここでは、個々のIN,INF,OUT1,OUT2の論理状態が規定されている。付加的に、図3Aの回路実施形態に対する出力インピーダンスおよび動作状態(ならびに関連する制御設定)も示されている。
【0023】
図4に示した可能な時間図400は、ゲート電圧を監視する2つの比較器を用いた図1Aから図3Aの実施形態により得られ、ここでは、全体時間図404および拡大時間図402,406によって、さらに、比較器の動作の詳細および任意の安全時間遅延が示されている。一方の比較器または他方の比較器のいずれかが、ゲート電圧が各閾値電圧に達したこと(期間tTDONまたはtTDOFFがかかりうる)を検出した後、安全遅延tdclampHまたはTdclampLは、いずれかの比較器の決定が第2の出力端OUT2の活動化を判別する論理回路に送信される前に、終了する。
【0024】
時間図404には、双方の出力端(OUT1,OUT2)がOFF状態にあるとき、第1の出力端OUT1のみがON状態にあるとき、双方の出力端(OUT1,OUT2)がON状態にあるとき、第1の出力端OUT1のみがOFF状態にあり、その後双方の出力端(OUT1,OUT2)が再びOFF状態となるとき、という切り替えシーケンスの全体が示されている。時間図404の例では、制御設定が当該シーケンスを判別することが仮定されている。制御設定により、比較器の決定に依存してまたはこれから独立に、OUT1,OUT2のどの遷移が行われるべきかが判別される。
【0025】
時間図406には、さらに、OUT1,OUT2の波形を有するターンオンシーケンスの詳細と、比較器CP1からの出力信号(OUT_CP1および任意に遅延したOUT_CP1_DEL)とが示されている。差電圧VONは、ON状態中の最終ゲート電圧と比較器CP1のトリガ閾値との間の差を表す。
【0026】
時間図402にはさらに、OUT1,OUT2の波形と、比較器CP1からの出力信号(OUT_CP1および任意に遅延したOUT_CP1_DEL)と、を含む、ターンオフシーケンスの詳細が示されている。差電圧VOFFは、OFF状態中の最終ゲート電圧と比較器CP2のトリガ閾値との間の差を表す。代替的に、差電圧VOFFは、グラウンド(0V)と比較器CP2のトリガ閾値との間の差を表すこともできる。
【0027】
システム関連条件に応じて、第2の出力端OUT2は、比較器と任意の付加的な遅延とに依存してOUT1により切り替え可能であるか、またはOUT1に対して対抗的に切り替え可能であり、これにより図4に示した例としての時間図400とは異なる時間図が生じている。
【0028】
まとめると、図1から図3に示したマルチ出力ゲートドライバシステムの実施形態は、パワーデバイスのゲート電圧の改善されたOFF状態およびON状態のクランプを提供する。つまり、こうして、より厳密なゲート制御が支援され、寄生効果への敏感性が低減される。したがって、不活動状態の全ての出力端(デュアル出力の実施形態では1つ、またはマルチ出力の実施形態ではそれ以上)を、正のレール(ON状態)または負のレール(OFF状態)へのゲートクランプに使用することができる。
【0029】
ゲートを駆動する所定の抵抗Rgにより、パワートランジスタ、特にIGBTのドレイン/コレクタ電圧の変化率は、当該パワートランジスタがターンオンされたかまたはターンオフされたかに応じ、コレクタ電流の増大に対して反対の挙動を示す。ターンオン時には、ドレイン/コレクタdv/dtはコレクタ電流の増大につれて低下し、ターンオフ時には、ドレイン/コレクタdv/dtはコレクタ電流の増大につれて図5に示したように増大し、このことについては後に詳述する。例えば、グラフ500には、ターンオンモード502中のコレクタ電圧のdv/dtおよびターンオフモード504中のコレクタ電圧のdv/dtが示されている。dv/dtは、高dv/dt動作モードの領域および低dv/dt動作モード領域の双方の動作モードで示されていることに注意されたい。
【0030】
当該切り替え挙動により、各用途において、特に最大許容ドレイン/コレクタdv/dtが規定された駆動システムにおいて、きわめて高いドレイン/コレクタdv/dt値が得られる。一実施例によれば、2つの独立した出力端を有しかつ図6に示したような高いコレクタ電流で双方の出力端が並列に動作するゲート駆動回路が使用され、このことについては後に詳述するが、軽負荷時には、一方のドライバ出力端のみが使用され、他方の出力端はトライステートで維持される。
【0031】
より一定のドレイン/コレクタdv/dtを達成するために、増大する負荷電流でのターンオン時には、低下するゲート抵抗Rgが選択的にドレイン/コレクタdv/dtの増大に用いられ、一方、低下する負荷電流でのターンオフ時には、低下するゲート抵抗Rgが選択的にドレイン/コレクタdv/dtの増大に用いられる。
【0032】
図6には、ゲートノードを有するパワーデバイス108と、入力端およびゲートノードに結合された出力端OUT1を有する第1のドライバ104と、入力端およびゲートノードに結合された出力端OUT2を有する第2のドライバ102と、制御信号(オン‐オフ)を受信する入力端、第1のドライバ104の入力端に結合された第1の出力端112および第2のドライバ102の入力端に結合された第2の出力端110を有する論理回路106と、を含む、マルチ出力ゲートドライバシステム600の概略図600が示されている。
【0033】
高いドレイン/コレクタ電流でのゲート抵抗
Rgf<Rg ここでRgf=Rg||Rgf
を設定することにより、ドレイン/コレクタdv/dtは、EMIのためのdv/dtレベルを維持しながら、負荷範囲を通して低い切替損失を維持しつつ、低いドレイン/コレクタ電流においてゲート抵抗Rgで得られる値にきわめて近い値に設定可能である。
【0034】
このことは、有効ゲート抵抗が、図6に示したゲートドライバシステム600によって構成される、
Rgf=Rg||Rgf
となるように、第2のゲート駆動チャネルを活動化することによって実現可能である。ただし、高いドレイン/コレクタ電流に対する出力端OUT2のイネーブルによらないかぎり、パワートランジスタ108のターンオンおよびターンオフ双方に対するより低い有効ゲート抵抗をつねに設定することはできない。特に、ターンオフ時には、高いコレクタ電流での第2のゲート駆動チャネルOUT2の活動化は、むしろより高い、したがって望ましくないドレイン/コレクタdv/dtを生じさせる。高い負荷電流では、パワートランジスタ108のターンオン中のみドレイン/コレクタでのdv/dt最大値を増大すべく、より低いゲート抵抗が有益である。
【0035】
よって、ターンオンフェーズおよびターンオフフェーズの双方に対して第2の出力端OUT2が高いコレクタ電流の動作中活動化される制御ストラテジは、有効に使用できない。
【0036】
ドレイン/コレクタdv/dtの制限における最大の利益を得るためには、実施形態により、ターンオン時により低いゲート抵抗、ターンオフ時により高いゲート抵抗となるよう、ターンオンフェーズとターンオフフェーズとが分離され、対抗的に操作される。低dv/dt動作モードおよび高dv/dt動作モードが導入され、このことは例えば図8に関連して後にさらに詳述する。
【0037】
図7には、ダイオードDが第2のゲート抵抗Rgfに直列接続されている、マルチ出力ゲートドライバシステムの代替実施形態の概略図700が示されている。当該実施形態は、ダイオードDの追加を除き、図6に示した実施形態と同じである。図7に示した他の全ての要素は、図6に即して上で既に同定および説明されている。
【0038】
このように、高いドレイン/コレクタ電流の動作中の第2の出力端OUT2のシンク機能の不活動化は、図7に示したように直列ダイオードDをゲート抵抗Rgfに追加することによって実現可能である。ダイオードDを設けることで、ターンオフ中は端子OUT2への電流の流れが抑制されるが、ターンオン中の電流の流れは可能となる。
【0039】
さらなる実施形態では、各ドライバ102,104が独立に制御可能である。ただし、完全な独立制御は、システムソリューション全体をより複雑化する。
【0040】
実施形態によれば、出力端OUT1,OUT2に対するゲートドライバICそのものでの制御スキーマは、入力制御信号に基づく。一定のdv/dtを維持するための制御スキーマは、図8のグラフ800に示した規則にしたがう。第1のターンオンモード802中は、一方のゲート抵抗およびドライバのみが所望される。第2のターンオンモード804中は、双方のゲート抵抗およびドライバが所望される。逆に、第1のターンオフモード806中は、双方のゲート抵抗およびドライバが所望される。第2のターンオフモード808中は、一方のゲート抵抗およびドライバのみが所望される。
【0041】
論理回路106に対する技術的構成は、2つの制御信号(IN,INF)に基づいて出力端OUT1および/またはOUT2を活動化する単純論理回路である。論理回路106は、ハードウェア論理ゲートによって、または所望のソフトウェアとして構成可能である。論理回路106の入力端と出力端との関係を表す論理テーブルの一例が図9のテーブル900に示されている。付加的に、図6の回路実施形態に対する出力インピーダンスおよび動作状態も示されている。
【0042】
第1の論理状態中は、IN入力端およびINF入力端の双方がローであり、出力端OUT1,OUT2もローである。アスタリスクにより、OUT2出力端の任意の論理状態が示されており、所望の場合にはOUT2出力端はHiZ(高インピーダンス状態)に留まりうる点に注意されたい。OUT2に対する当該任意の論理状態は、テーブル900に示した論理状態1,3,4,6,7,8,10,11に属する。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはOFFである。
【0043】
第2の論理状態中は、IN入力端がローからハイへ遷移し、INF入力端がローであり、OUT1がローからハイへ遷移し、OUT2出力端がローからHiZへ遷移する。OUT1の出力インピーダンスはRgであり、OUT2の出力インピーダンスはHiZである。
【0044】
第3の論理状態中は、IN入力端がローであり、INF入力端がローからハイへ遷移し、出力端OUT1およびOUT2が論理ロー状態へ戻る。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはOFFである。
【0045】
第4の論理状態中は、IN入力端がハイであり、INF入力端がローである。出力端OUT1およびOUT2は双方ともハイであるが、OUT2は上で指摘したように高インピーダンス状態に留まりうる。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはONである。
【0046】
第5の論理状態中は、IN入力端が論理ハイから論理ローへ遷移し、INF入力端がローである。出力端OUT1およびOUT2は双方とも論理ハイから論理ローへ遷移する。OUT1,OUT2の出力インピーダンスは、RgおよびRgfの並列組み合わせである。
【0047】
第6の論理状態中は、IN入力端がハイであり、INF入力端が論理ローから論理ハイへ遷移する。出力端OUT1およびOUT2は双方ともハイである。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはONである。
【0048】
第7の論理状態中は、IN入力端がローであり、INF入力端がハイである。OUT1出力端はローであり、OUT2出力端はローまたは高インピーダンス状態である。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはOFFである。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはOFFである。
【0049】
第8の論理状態中は、IN入力端がローであり、INF入力端が論理ハイから論理ローへ遷移する。OUT1出力端はローであり、OUT2出力端はローまたは高インピーダンス状態である。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはOFFである。
【0050】
第9の論理状態中は、IN入力端が論理ローから論理ハイへ遷移し、INF入力端がハイである。出力端OUT1,OUT2は双方とも論理ローから論理ハイへ遷移する。OUT1,OUT2の出力インピーダンスは、RgおよびRgfの組み合わせである。
【0051】
第10の論理状態中は、全入力端および全出力端が論理ハイである。代替的に、OUT2出力端を高インピーダンス状態に維持することもできる。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはONである。
【0052】
第11の論理状態中は、IN入力端がハイであり、INF入力端が論理ハイから論理ローへ遷移する。双方の出力端OUT1,OUT2が論理ハイである。代替的に、OUT2出力端を高インピーダンス状態に維持することもできる。OUT1,OUT2の出力インピーダンスはONである。
【0053】
第12の論理状態中は、IN入力端が論理ハイから論理ローへ遷移し、INF入力端は論理ハイである。OUT1出力端は論理ハイから論理ローへ遷移し、OUT2出力端は論理ハイから高インピーダンス状態へ遷移する。OUT1の出力インピーダンスはOFFであり、OUT2の出力インピーダンスは高インピーダンス状態である。
【0054】
図10は、図9に示したテーブル1に対応する時間図1000である。INノード、INFノード、OUT1ノード、OUT2ノードに対応する個々の信号波形が示されている。IN波形の立上りエッジは時点1002で発生しており、INF波形の立上りエッジは時点1004で完全に切り替わっている。IN波形の立下りエッジは時点1006で発生しており、OUT2波形の立下りエッジは時点1008で完全に切り替わっている。時間インターバルtDTONおよびtDTOFF中、出力端OUT2はトライステートで(HiZまたは高インピーダンス状態に)維持されている。当該時間インターバル中、OUT2での電圧は出力端OUT1によって駆動されるパワースイッチのゲートでの電圧に追従する。OUT2がOUT1にしたがって切り替えられる場合、立上りエッジまたは立下りエッジはより迅速に形成される。こうした切り替えの挙動により、図10に示したOUT2波形の「傾斜」特徴が生じる。
【0055】
図11に示したように、時間遅延tDTONおよびtDTOFFは、論理回路において予め設定可能もしくはプログラミング可能であり、または図1から図3もしくは図12に示したように、閾値比較器によって検出可能な、パワースイッチのゲートで到達される特定の電圧レベルに依存しうる。
【0056】
例えば、図11には、論理回路106に結合された第1の入力端および第2の入力端と、第2のドライバ102に結合された出力端と、を有する遅延/タイマ回路118を含むマルチ出力ゲートドライバシステムの代替実施形態の概略図1100が示されている。それ以外で、図11に概略的に示されているのは、図6に示したものと実質的に同じであって上述した事柄である。
【0057】
図12には、別の例として、それぞれ入力端フィルタおよび/または出力端フィルタを含む第1の比較器CP1および第2の比較器CP2を含むマルチ出力ゲートドライバシステムの代替実施例の概略図1200が示されている。比較器CP1の正の入力端は第1のドライバ104の出力端に結合されており、比較器CP1の負の入力端は閾値電圧VONを介して第2のドライバ102の出力端に結合されており、比較器CP1の出力端は論理回路106の入力端に結合されている。比較器CP2の負の入力端は第1のドライバ104の出力端に結合されており、比較器CP2の正の入力端は閾値電圧VOFFを介して第2のドライバ102の出力端に結合されており、比較器CP2の出力端は論理回路106の入力端に結合されている。それ以外で、図12に概略的に示されているのは、図6に示したものと実質的に同じであって上述した事柄である。
【0058】
図13には、3個以上のドライバが明示されたマルチ出力ゲートドライバシステム1300の別の実施形態が示されている。例えば、ドライバ1304,1302A,1302B,1302Cが、それぞれ、出力端OUT1,OUT2,OUTn-1,OUTnを介して、ゲート抵抗Rg1,Rg2,Rgn-1,Rgnに結合されている。ゲート抵抗はさらに、パワーデバイス1308のゲートノードに結合されている。選択回路1312は、論理回路1306の制御のもとで、比較器CP1,CP2の入力端に結合されたドライバ出力端の1つを選択する。比較器CP1,CP2の出力端は、ローパスフィルタ1305を介して論理回路1306の入力端に結合されている。論理回路1306は“n”ビットのオン‐オフ信号を受け取る。マルチ出力ゲートドライバシステム1300の動作は、選択回路の動作および3個以上のドライバの明示的存在を除き、図1から図3に即して説明した実施形態と同様である。
【0059】
図14には、3個以上のドライバが明示されたマルチ出力ゲートドライバシステム1400の別の実施形態が示されている。例えば、ドライバ1404,1402A,1402B,1402Cが、それぞれ、出力端OUT_ON1,OUT_OFF1,OUT_ON2,OUT_OFF2,OUT_ONn-1,OUT_OFFn-1,OUT_ONn,OUT_OFFnを介して、ゲート抵抗Rgоn1,Rgоff1,Rgоn2,Rgоff2,Rgоn_n―1,Rgоff_n-1,Rgоn_n,Rgоff_nに結合されている。ゲート抵抗はさらに、パワーデバイス1408のゲートノードに結合されている。選択回路1412は、論理回路1406の制御のもとで、比較器CP1,CP2の入力端に結合されたドライバ出力端の1つを選択する。比較器CP1,CP2の出力端は、ローパスフィルタ1405を介して論理回路1406の入力端に結合されている。論理回路1406は“n”ビットのオン‐オフ信号を受け取る。マルチ出力ゲートドライバシステム1400の動作は、選択回路1412の動作および3個以上のドライバの明示的存在を除き、図1から図3に即して説明した実施形態と同様である。
【0060】
図示の実施形態に関連して本発明を説明したが、当該説明は、限定の意味に解されることを意図していない。当該説明を参照した当該分野の技術者には、本発明の図示の実施形態および他の実施形態の種々の修正および組み合わせが明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、こうした修正形態または実施形態の全てを包含することを意図している。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14