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特許7612358蒸着マスク、それを用いたディスプレイ装置の製造方法、及びディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】蒸着マスク、それを用いたディスプレイ装置の製造方法、及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/40 20060101AFI20250106BHJP
   C23C 14/04 20060101ALI20250106BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250106BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250106BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20250106BHJP
【FI】
G09F9/40 301
C23C14/04 A
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K59/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020144436
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2021086148
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0153544
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンク
(72)【発明者】
【氏名】ムン ユンミン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110265461(CN,A)
【文献】特開2018-083985(JP,A)
【文献】特開2005-182005(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0089485(US,A1)
【文献】特開2010-230797(JP,A)
【文献】特開2016-167378(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0233986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/40
C23C 14/04
G09F 9/00
G09F 9/30
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部を定義するメインフレームと、
平面上で、前記メインフレームの一側から外部に向かって延び、互いに離隔されて、第2開口部を定義する複数のリブと、
前記第2開口部を横切って、前記複数のリブを連結する複数のブリッジと、を含み、
前記複数のブリッジと、前記複数のリブとは、同じ上面をなし、前記複数のブリッジそれぞれの厚さは、前記リブそれぞれの厚さよりも薄いことを特徴とする蒸着マスク。
【請求項2】
前記複数のブリッジそれぞれにおいて、前記ブリッジの長手方向と垂直な断面の形状は、逆三角形であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク。
【請求項3】
前記複数のブリッジそれぞれにおいて、前記ブリッジの長手方向と垂直な方向に沿った前記ブリッジの幅は、前記ブリッジの厚さよりも小さく、前記リブの厚さと、前記ブリッジの厚さとの差は、前記ブリッジの幅の0.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク。
【請求項4】
前記第2開口部と隣接した前記メインフレームの領域は、前記複数のブリッジと同じ形状を有することを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスク。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に設けられた第1画素を含む第1表示領域と、
前記基板上に設けられた第2画素を含み、前記第1表示領域とは異なる解像度を有する第2表示領域と、を含み、
前記第1画素と前記第2画素とは、一体的に形成された一つの共通電極を含み、
前記共通電極は、前記第1表示領域と対応するメイン共通電極と、前記メイン共通電極から、前記第2表示領域に延び、互いに離隔された複数の延長部と、を含み、
前記複数の延長部それぞれは、前記第2画素の間において、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第1領域を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項6】
前記共通電極は、前記メイン共通電極と、前記複数の延長部との連結部位に、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第2領域をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1領域は、前記延長部のうち対応する延長部を横切ることを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第2表示領域には、前記複数の延長部の間で、透過部が定義され、
前記透過部には、前記共通電極が設けられないことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第2表示領域の解像度は、前記第1表示領域の解像度よりも低いことを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第2表示領域と重畳する位置に設けられ、外部の信号を感知するコンポーネントをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1画素と前記第2画素それぞれは、薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタと電気的に接続された有機電界発光素子を含み、
前記第2表示領域において、前記薄膜トランジスタと前記基板との間に、遮断層がさらに設けられることを特徴とする請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記基板上には、第1バッファ層及び第2バッファ層がさらに設けられ、
前記遮断層は、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置されることを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記薄膜トランジスタの活性層は、シリコン物質を含有し、
前記第1バッファ層は、シリコン窒化物を含み、前記第2バッファ層は、シリコン酸化物を含むことを特徴とする請求項12に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記第2表示領域には、前記複数の延長部の間で、透過部が設けられ、
前記透過部には、前記共通電極が設けられず、
前記薄膜トランジスタと前記有機電界発光素子との間に設けられた平坦化層、及び前記平坦化層上に設けられ、前記有機電界発光素子の画素電極のエッジを覆って、発光領域を定義する画素定義膜をさらに含み、
前記透過部と重畳する位置では、前記平坦化層及び前記画素定義膜は設けられていないことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
同じ単位面積当たりで、前記第2表示領域に設けられた前記第2画素の数は、前記第1表示領域に設けられた前記第1画素の数よりも少ないことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
基板と蒸着マスクとを密着させ、
前記蒸着マスクを介して、前記基板上に一体型の共通電極を形成すること、を含み、
前記蒸着マスクは、
第1開口部を定義するメインフレームと、
平面上で、前記メインフレームの一側から外部に向かって突出し、互いに離隔されて、第2開口部を定義する複数のリブと、
前記第2開口部を横切って、前記複数のリブを連結して、前記複数のリブの位置を固定し、前記リブよりも薄い厚さを有する複数のブリッジと、を含み、
前記共通電極は、前記第1開口部を介して蒸着されるメイン共通電極と、前記複数のリブの間の第2開口部を介して蒸着される複数の延長部と、を含み、
前記複数の延長部は、前記ブリッジが配置された位置において、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第1領域を含むように形成されることを特徴とするディスプレイ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸着マスク、それを用いたディスプレイ装置の製造方法、及びディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、その用途が多様になっている。また、表示装置の厚さが薄くなって、重さが軽くなり、その使用の範囲が広くなっている。
【0003】
表示装置が様々な用途に使用されるにつれて、表示装置は様々な形状を有するように設計され、かつ表示装置と組み合わる又は関連付けられる機能が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国登録特許第10-0982021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、蒸着マスク、それを用いたディスプレイ装置の製造方法、及びディスプレイ装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、第1開口部を定義するメインフレームと、平面上で、前記メインフレームの一側から外部に向かって延び、互いに離隔されて、第2開口部を定義する複数のリブと、前記第2開口部を横切って、前記複数のリブを連結する複数のブリッジと、を含み、前記複数のブリッジと、前記複数のリブとは、同じ上面をなし、前記複数のブリッジそれぞれの厚さは、前記リブそれぞれの厚さよりも薄い蒸着マスクが提供される。
【0007】
本実施形態において、前記複数のブリッジそれぞれにおいて、前記ブリッジの長手方向と垂直な断面の形状は、逆三角形であってもよい。
【0008】
本実施形態において、前記複数のブリッジそれぞれにおいて、前記ブリッジの長手方向と垂直な方向に沿った前記ブリッジの幅は、前記ブリッジの厚さよりも小さく、前記リブの厚さと、前記ブリッジの厚さとの差は、前記ブリッジの幅の0.5倍以上であってもよい。
【0009】
本実施形態において、前記第2開口部と隣接した前記メインフレームの領域は、前記複数のブリッジと同じ形状を有してもよい。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、基板と、前記基板上に設けられた第1画素を含む第1表示領域と、前記基板上に設けられた第2画素を含み、前記第1表示領域とは異なる解像度を有する第2表示領域と、を含み、前記第1画素と前記第2画素とは、一体的に形成された一つの共通電極を含み、前記共通電極は、前記第1表示領域に対応するメイン共通電極と、前記メイン共通電極から、前記第2表示領域に延び、互いに離隔された複数の延長部と、を含み、前記複数の延長部それぞれは、前記第2画素の間において、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第1領域を含む、ディスプレイ装置が提供される。
【0011】
本実施形態において、前記共通電極は、前記メイン共通電極と、前記複数の延長部との連結部位に、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第2領域をさらに含んでもよい。
【0012】
本実施形態において、前記第1領域は、前記延長部のうち対応する延長部を横切ってもよい。
【0013】
本実施形態において、前記第2表示領域には、前記複数の延長部の間で、透過部が定義され、前記透過部には、前記共通電極が設けられなくてもよい。
【0014】
本実施形態において、前記第2表示領域の解像度は、前記第1表示領域の解像度よりも低くてもよい。
【0015】
本実施形態において、前記第2表示領域と重畳する位置に設けられ、外部の信号を感知するコンポーネントをさらに含んでもよい。
【0016】
本実施形態において、前記第1画素と前記第2画素それぞれは、薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタと電気的に接続された有機電界発光素子を含み、前記第2表示領域において、前記薄膜トランジスタと前記基板との間に、遮断層がさらに設けられてもよい。
【0017】
本実施形態において、前記基板上には、第1バッファ層及び第2バッファ層がさらに設けられ、前記遮断層は、前記第1バッファ層と前記第2バッファ層との間に配置されてもよい。
【0018】
本実施形態において、前記薄膜トランジスタの活性層は、シリコン物質を含有し、前記第1バッファ層は、シリコン窒化物を含み、前記第2バッファ層は、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0019】
本実施形態において、前記薄膜トランジスタと前記有機電界発光素子との間に設けられた平坦化層、及び前記平坦化層上に設けられ、前記有機電界発光素子の画素電極のエッジを覆って、発光領域を定義する画素定義膜をさらに含み、前記透過部と重畳する位置では、前記平坦化層及び前記画素定義膜は設けられていなくてもよい。
【0020】
本実施形態において、同じ単位面積当たりで、前記第2表示領域に設けられた前記第2画素の数は、前記第1表示領域に設けられた前記第1画素の数よりも少なくてもよい。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態によれば、基板と蒸着マスクとを密着させ、前記蒸着マスクを介して、前記基板上に一体型の共通電極を形成すること、を含み、前記蒸着マスクは、第1開口部を定義するメインフレームと、平面上で、前記メインフレームの一側から外部に向かって突出し、互いに離隔されて、第2開口部を定義する複数のリブと、前記第2開口部を横切って、前記複数のリブを連結して、前記複数のリブの位置を固定し、前記リブよりも薄い厚さを有する複数のブリッジと、を含み、前記共通電極は、前記第1開口部を介して蒸着されるメイン共通電極と、前記複数のリブの間の第2開口部を介して蒸着される複数の延長部と、を含み、前記複数の延長部は、前記ブリッジが配置された位置において、前記メイン共通電極の厚さよりも薄い第1領域を含むように形成される、ディスプレイ装置の製造方法を開示する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態によれば、コンポーネントが配置される領域でも画像表示が可能であるように、表示領域が拡張されたディスプレイ装置を実現することができる。また、一回の蒸着により、主表示領域と、コンポーネントが配置される領域との全体に共通電極を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一例を概略的に示す斜視図である。
図2図1のA-A’断面及びB-B’断面の一例を概略的に示す断面図である。
図3図1のディスプレイ装置の製造過程の一部を概略的に示す斜視図である。
図4図3の蒸着マスクの一部を概略的に示す平面図である。
図5図2のディスプレイ装置の製造過程で使われる製造装置の一例を概略的に示す断面図である。
図6図4のII-II’断面の一例を概略的に示す断面図である。
図7図1のディスプレイ装置を概略的に示す平面図である。
図8図7のディスプレイ装置の共通電極の一部を概略的に示す平面図である。
図9図8のIV-IV’断面の一例を概略的に示す断面図である。
図10図4のVI-VI’断面の一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、様々な変更を加えることができ、色々な実施形態を有するところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明で詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に実現可能である。
【0025】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使われる。
【0026】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0027】
以下の実施形態において、“含む”または“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0028】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分上にあるという時、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0029】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張されたり縮小されたりする。例えば、図面に示された各構成要素の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に表されているので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0030】
ある実施形態が異なる形態で実現可能な場合、特定の工程順序は、述べられる順序と異なって行われることもある。例えば、連続して述べられる二つの工程が実質的に同時に行われてもよいし、述べられる順序と逆の順序で行われてもよい。
【0031】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明し、図面を参照して説明する。以下の説明において、同一のまたは対応する構成要素は、同じ図面符号を付与する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一例を概略的に示す斜視図である。
【0033】
図1を参照すると、ディスプレイ装置1の表示領域DAは、第1表示領域DA1と、第2表示領域DA2とを含む。第1表示領域DA1は、複数の第1画素Pmから放出される光を用いて、メインイメージを表示する主表示領域である。
【0034】
第2表示領域DA2は、基板100の下部に、光信号や音響信号を用いるセンサなどが配置される領域であって、第2表示領域DA2には、センサなどが外部の光信号及び/または音響信号を受信し、該センサなどから、それらの信号をディスプレイ装置1の外部に出力可能なように、透過部TAが備えられている。また、第2表示領域DA2には、複数の第2画素Paが配置されている。第2表示領域DA2は、第2画素Paから放出される光を用いて、イメージも提供する。但し、第2表示領域DA2には、透過部TAが配置されるため、第1表示領域DA1で提供されるイメージに比べて、解像度が低い。すなわち、同じ単位面積当たりでは、第2表示領域DA2に配置された第2画素Paの数は、第1表示領域DA1に配置された第1画素Pmの数に比べて少ない。
【0035】
以下では、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置1として、有機電界発光素子(有機EL)ディスプレイ装置を例として説明するが、無機ELディスプレイ装置、量子ドット発光ディスプレイ装置などのように、様々な方式のディスプレイ装置が本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置として使用することができる。
【0036】
図2は、図1のA-A’断面及びB-B’断面の一例を概略的に示す断面図である。
【0037】
図2に示すように、第1画素Pm及び第2画素Paは、基本的に同じ構造の有機電界発光素子OLEDと薄膜トランジスタTFTとを有し、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2での単位面積当たり配置の数にのみ差がある。
【0038】
まず、ディスプレイ装置1は、第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とを含む基板100、及び第2表示領域DA2と重畳する位置に配置されるコンポーネント300を備えている。
【0039】
コンポーネント300は、光や音響を用いる電子素子であってもよい。例えば、コンポーネント300は、赤外線センサのように、光を受光して用いるセンサ、光や音響を出力し、感知して、距離を測定するか、または指紋などを認識するセンサ、光を出力する小型ランプ、音を出力するスピーカ、撮像素子などであってもよい。光を用いる電子素子の場合、可視光、赤外線光、紫外線光など、様々な波長帯域の光を利用できることはいうまでもない。第2表示領域DA2に配置されたコンポーネント300は、複数であってもよい。例えば、コンポーネント300として、発光素子及び受光素子が、一つの第2表示領域DA2に共に備えられてもよい。また、一つのコンポーネント300に、発光部及び受光部が同時に備えられてもよい。
【0040】
基板100は、ガラスまたは高分子樹脂を含む。高分子樹脂は、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルロースアセテートプロピオネートなどを含んでもよい。高分子樹脂を含む基板100は、可撓性、回転性または屈曲性を有する。基板100は、前述した高分子樹脂を含む層と、無機層(図示せず)とを含む多層構造であってもよい。
【0041】
基板100上には、バッファ層111が設けられる。バッファ層111は、基板100の下部からの異物、湿気または外気の浸透を減少または遮断することができ、基板100上に平坦面を提供することができる。
【0042】
バッファ層111は、酸化物または窒化物のような無機物、有機物、または有機無機複合物を含み、無機物と有機物との単層または多層の構造で形成される。一例として、バッファ層111は、第1バッファ層111aと第2バッファ層111bとが積層された構造を有してもよく、この時、第1バッファ層111aと第2バッファ層111bとは、互いに異なる材質で形成されてもよい。例えば、第1バッファ層111aは、シリコン窒化物を含有し、例えば、SiNを含有してもよい。第2バッファ層111bは、シリコン酸化物を含有し、例えば、SiOを含有してもよい。
【0043】
このように、第1バッファ層111aがシリコン窒化物を含む場合、シリコン窒化物の形成時に水素が含まれていてもよい。これにより、バッファ層111上に形成される活性層1130のキャリア移動度が向上し、薄膜トランジスタTFTの電気的特性が向上する。また、活性層1130は、シリコン物質を含有して形成されてもよいが、この場合、シリコンを含有する活性層1130と、シリコン酸化物を含有する第2バッファ層111bとの界面接合特性が向上し、薄膜トランジスタTFTの電気的特性が向上する。
【0044】
バッファ層111上には、活性層1130、ゲート電極G、ソース電極S及びドレイン電極Dを含む薄膜トランジスタTFTが設けられる。以下では、活性層1130上にゲート電極Gが配置されたトップゲート型の薄膜トランジスタTFTを説明するが、薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極Gが活性層1130よりも下に位置するボトムゲート型であってもよい。
【0045】
バッファ層111上の活性層1130は、例えば、ポリシリコンを含む。活性層1130は、ゲート電極Gと重畳するチャネル領域と、チャネル領域の両側に配置され、チャネル領域よりも高濃度の不純物がドープされたソース領域及びドレイン領域とを含む。ここで、不純物は、N型不純物またはP型不純物である。他の実施形態において、活性層1130は、アモルファスシリコンを含んでもよいし、有機半導体物質を含んでもよい。さらに他の実施形態において、活性層1130は、酸化物半導体を含んでもよい。
【0046】
当該活性層1130上には、第1ゲート絶縁層112を挟んで、ゲート電極Gが配置される。ゲート電極Gは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含み、単層または多層で形成される。
【0047】
第1ゲート絶縁層112は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al)、チタン酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、ハフニウム酸化物(HfO)、亜鉛酸化物(ZnO)などを含む。
【0048】
ゲート電極Gを覆うように、第2ゲート絶縁層113が備えられる。第2ゲート絶縁層113は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al)、チタン酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、ハフニウム酸化物(HfO)、亜鉛酸化物(ZnO)などを含む。
【0049】
層間絶縁層115上には、ソース電極Sとドレイン電極Dとが配置される。ソース電極Sとドレイン電極Dとは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含む導電物質を含み、前記の材料を含む多層または単層で形成される。
【0050】
ソース電極S及びドレイン電極D上には、平坦化層117が設けられ、平坦化層117上には、有機電界発光素子OLEDが設けられる。有機電界発光素子OLEDは、薄膜トランジスタTFTと電気的に接続される。一例として、有機電界発光素子OLEDは、ドレイン電極Dと電気的に接続されてもよい。
【0051】
平坦化層117は、画素電極210が平坦に形成できるように、平坦な上面を有する。平坦化層117は、有機物質からなる膜が単層または多層で形成される。当該平坦化層117は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン(PS)のような一般の汎用高分子、フェノール類を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子及びそれらの混合物などを含む。平坦化層117は、無機物質を含んでもよい。このような平坦化層117は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、アルミニウム酸化物(Al)、チタン酸化物(TiO)、タンタル酸化物(Ta)、ハフニウム酸化物(HfO)、亜鉛酸化物(ZnO)などを含む。平坦化層117が無機物質で形成される場合、場合によって、CMP(化学的機械研磨)を行ってもよい。また、平坦化層117は、有機物質及び無機物質の両方を含むことも可能である。
【0052】
画素電極210は、(半)透光性電極または反射電極である。一部の実施形態において、画素電極210は、Ag,Mg,Al,Pt,Pd,Au,Ni,Nd,Ir,Cr及びそれらの化合物などで形成された反射膜と、反射膜上に形成された透明または半透明の電極層とを備える。透明または半透明の電極層は、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide:ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide:IZO)、亜鉛酸化物(zinc oxide:ZnO)、インジウム酸化物(indium oxide:In)、インジウムガリウム酸化物(indium gallium oxide:IGO)及びアルミニウム亜鉛酸化物(aluminum zinc oxide:AZO)を含むグループから選択された少なくとも一つ以上を含む。一部の実施形態において、画素電極210は、ITO/Ag/ITOが積層された積層構造を有してもよい。
【0053】
平坦化層117上には、画素定義膜119が設けられる。画素定義膜119は、画素に対応する開口、すなわち、少なくとも画素電極210の中央部を露出させる開口を有することにより、発光領域を定義する。また、画素定義膜119は、画素電極210のエッジと、共通電極230との間の距離を増加させることにより、それらの間でアークなどが生じることを防止することができる。画素定義膜119は、例えば、ポリイミドまたはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)のような有機物で形成される。
【0054】
中間層220は、低分子または高分子の物質を含む。低分子物質を含む場合、中間層220は、ホール注入層(Hole Injection Layer:HIL)、ホール輸送層(Hole Transport Layer:HTL)、発光層(Emission Layer:EML)、電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)、電子注入層(Electron Injection Layer:EIL)などが単一あるいは複合の構造で積層された構造を有し、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N-ジ-(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、トリス-8-ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始め、様々な有機物質を含む。かかる層は、真空蒸着法により形成されてもよい。
【0055】
中間層220が高分子物質を含む場合、中間層220は、ホール輸送層(HTL)及び発光層(EML)を含む構造を有する。この時、ホール輸送層は、ポリ(3,4-エチレンジヒドロキシチオフェン)(PEDOT)を含み、発光層は、ポリフェニレンビニレン(PPV)系及びポリフルオレン系などの高分子物質を含む。中間層220の構造は、前述したところに限定されるものではなく、様々な構造を有してもよい。例えば、中間層220をなす層のうち、少なくともいずれか一層は、複数の画素電極210にわたって一体に形成されてもよい。または、中間層220は、複数の画素電極210それぞれに対応するようにパターニングされた層を含んでもよい。
【0056】
共通電極230は、透光性電極または反射電極である。一部の実施形態において、共通電極230は、透明または半透明の電極であり、Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Ag,Mg及びそれらの化合物を含む、仕事関数の低い金属薄膜で形成される。共通電極230は、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2にわたって配置され、中間層220及び画素定義膜119の上部に設けられる。
【0057】
第2表示領域DA2の透過部TAは、コンポーネント300から出射された光信号及び/または音響信号が通過する領域であって、それを通じて精密な信号伝達のために、透過部TAには、共通電極230が形成されない。透過部TAに共通電極230を形成しない場合、形成した場合に比べて、約1.5倍以上向上した透過度を示す。このような特徴的構造の共通電極230を製造する製造過程については後述する。また、透過部TAには、透過度の向上のために、平坦化層117及び画素定義膜119が除去されてもよい。
【0058】
第2表示領域DA2には、第2画素Paと重畳する位置において、基板100と薄膜トランジスタTFTとの間に、遮断層BSMが設けられる。遮断層BSMは、隣接したコンポーネント300の光信号や音響信号により、薄膜トランジスタTFTが影響を受けないようする機能を行う。一例として、遮断層BSMは、第1バッファ層111aと第2バッファ層111bとの間に位置してもよい。
【0059】
図示していないが、共通電極230上には、少なくとも一層の無機封止層と、少なくとも一層の有機封止層とが積層された薄膜封止層が形成される。無機封止層は、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、亜鉛酸化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物のうち一つ以上の無機絶縁物を含み、有機封止層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ヘキサメチルジシロキサン、アクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸など)またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0060】
図3は、図1のディスプレイ装置の製造過程の一部を概略的に示す斜視図であり、図4は、図3の蒸着マスクの一部を概略的に示す平面図であり、図5は、図2のディスプレイ装置の製造過程で使われる製造装置の一例を概略的に示す断面図であり、図6は、図4のII-II’断面の一例を概略的に示す断面図である。
【0061】
図3は、基板100上に共通電極230(図7)を形成するための方法を示している。具体的には、蒸着マスク10と基板100とを密着した後、蒸着マスク10を介して、基板100上に共通電極230(図7)を形成する物質を蒸着する。一方、共通電極230(図7)は、一回の蒸着工程により、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2にわたって形成されるが、このために、蒸着マスク10は、第1表示領域DA1に対応する第1開口部12及び複数のリブ13を含む。
【0062】
第1開口部12は、蒸着マスク10のメインフレーム11により定義され、複数のリブ13は、第2表示領域DA2に対応するように、平面上で、メインフレーム11の一側から外部に向かって突出する。
【0063】
複数のリブ13は、互いに離隔されており、図4に示したように、複数のリブ13の間には、第2開口部15が定義される。複数のリブ13は、透過部TA(図6)に対応するように位置することにより、結果として、透過部TA(図6)には、共通電極230(図7)が蒸着されない。
【0064】
これに対し、第2開口部15は、複数の第2画素Paと重畳する位置に設けられ、それによって、複数の第2画素Paに対応する位置に、共通電極230(図7)が蒸着される。この時、第2開口部15の幅は、複数の第2画素Paの幅よりも広く形成され、その結果、第2開口部15を介して蒸着される共通電極230(図7)は、複数の第2画素Paを覆うように形成される。ここで、第2画素Paの幅は、発光領域を定義するための画素定義膜119(図2)の開口の幅を意味する。したがって、共通電極230(図7)の形成過程中、蒸着マスク10と基板100との微細な整列誤差が発生しても、共通電極230(図7)の形成不良が生じることを防止することができる。
【0065】
一方、複数のリブ13は、ブリッジ14により互いに連結される。一例として、ブリッジ14は、第2開口部15を横切って、複数の第2画素Paの形成領域の間に位置する。ここで、ブリッジ14が第2開口部15を横切るということは、最短距離で第2開口部15を横切るということのみを意味するものではなく、複数の第2画素Paの位置に応じて、図4に示したように、ブリッジ14が直線状に斜めに第2開口部15を横切ることも含む。当該ブリッジ14は、一側に長く形成されたリブ13の位置を互いに固定させることにより、第2表示領域DA2において正確な位置に共通電極230(図7)が形成されるようにすることが可能である。
【0066】
かかる蒸着マスク10を用いた共通電極230(図7)の形成は、図5に示した製造装置400を用いて行われる。製造装置400は、チャンバー410、マスクアセンブリ420、第1支持部430、第2支持部440、蒸着源450、磁力生成部460、映像部470及び圧力調節部480を含む。
【0067】
チャンバー410は、内部に空間が形成され、チャンバー410の一部は開放されるように形成されてもよい。この時、チャンバー410の開放される部分には、開閉可能にゲートバルブ411が配置されてもよい。また、圧力調節部480は、チャンバー410と連結され、チャンバー410の内部の圧力を調節する。この時、圧力調節部480は、チャンバー410と連結される連結配管481と、連結配管481に配置されるポンプ482とを含む。
【0068】
マスクアセンブリ420は、マスクシート422と、マスクシート422と結合するマスクフレーム421とを含む。マスクシート422は、前述した蒸着マスク10を含む。一例として、マスクシート422は、蒸着マスク10を複数枚含んでもよい。マスクシート422は、引っ張られた状態でマスクフレーム421に固定される。
【0069】
第1支持部430には、基板100が載置される。第1支持部430は、基板100の位置を調節できる。例えば、第1支持部430は、UVWステージを含む。第2支持部440には、マスクアセンブリ420が載置される。第2支持部440は、第1支持部430と同様に、マスクアセンブリ420の位置を調節することが可能である。
【0070】
蒸着源450は、蒸着物質が収納された後、蒸着物質を気化させるか、または昇華させ、チャンバー410内に供給する。この時、蒸着源450は、内部にヒータを含んでもよく、ヒータの動作により、蒸着ソース450の内部の蒸着物質を加熱することにより、蒸着物質を溶融させるか、または昇華させる。
【0071】
映像部470は、チャンバー410に配置され、マスクアセンブリ420及び基板100の位置を撮影する。この時、映像部470は、マスクアセンブリ420及び基板100のうち少なくとも一つのアラインマークなどを撮影する。
【0072】
磁力生成部460は、チャンバー410に配置され、基板100とマスクアセンブリ420とを密着させる。この時、磁力生成部460は、磁力を生成する電磁石または永久磁石などを含む。一方、前述したように、蒸着マスク10は、一側に長く形成されたリブ13の位置を互いに固定させるブリッジ14を含むことにより、基板100とマスクアセンブリ420との密着時、リブ13の位置がずれることを防止することができ、その結果、第2表示領域DA2において、共通電極230(図7)が正確な位置に蒸着される。
【0073】
第2表示領域DA2において、共通電極230(図7)は、複数のリブ13の間の第2開口部15を介して蒸着されるが、前述したように、ブリッジ14は、第2開口部15を横切るように位置するため、第2開口部15を介して蒸着される共通電極230(図7)が、ブリッジ14により断線されないようにしなければならない。このために、図6に示したように、ブリッジ14とリブ13とが同じ上面をなし、ブリッジ14の厚さは、リブ13の厚さよりも薄い。すなわち、ブリッジ14の下部面が、共通電極230が蒸着される蒸着面から離隔されることにより、ブリッジ14の下部にも、共通電極230が蒸着され、第2表示領域DA2において、共通電極230(図7)は、ブリッジ14により断線されることなく、連続的に形成可能である。
【0074】
また、リブ13は、蒸着マスク10のメインフレーム11から突出した形状を有するので、メインフレーム11により、共通電極230(図7)が、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2で断線されることを防止しなければならない。このために、メインフレーム11では、第2開口部15と隣接した領域Pは、図6に示したブリッジ14と同じ形状を有する。すなわち、領域Pにおいて、メインフレーム11は、周辺よりも薄い厚さを有し、図4のII-II’断面及びIII-III’断面は、図6に示したように、同じ形状を有する。その結果、蒸着マスク10を使用して、共通電極230(図7)を蒸着する際、共通電極230(図7)が、第1表示領域DA1及び第2表示領域DA2で分離されることを防止することができる。
【0075】
図7は、図1のディスプレイ装置を概略的に示す平面図であり、図8は、図7のディスプレイ装置の共通電極の一部を概略的に示す平面図であり、図9は、図8のIV-IV’断面の一例を概略的に示す断面図である。
【0076】
まず、図7に示したように、表示領域DAは、解像度が互いに異なる第1表示領域DA1と第2表示領域DA2とを含み、共通電極230は、第1表示領域DA1に位置するメイン共通電極230aと、第2表示領域DA2に位置する複数の延長部230bとを含む。
【0077】
共通電極230は、前述した蒸着マスク10(図3)を用いて、一回の蒸着工程により形成され、それによって、メイン共通電極230aと複数の延長部230bとは、一体に形成される。したがって、第1画素Pmと第2画素Paとは、一体的に形成された一つの共通電極230を含む。
【0078】
第1表示領域DA1には、複数の第1画素Pmが稠密に配列され、メイン共通電極230aは、複数の第1画素Pmに対応して一体に形成される。
【0079】
第2表示領域DA2には、第2画素Paが第1画素Pmよりも粗く配置される。したがって、第2表示領域DA2の解像度は、第1表示領域DA1の解像度よりも低い。複数の延長部230bは、メイン共通電極230aから突出して延びることにより、それぞれ第2画素Paに対応する。
【0080】
一例として、図7では、複数の延長部230bがジグザグ状を有することを示しているが、延長部230bの形状は、第2画素Paの配置によって多様に変更することができる。一例として、第2画素Paの配置によって、複数の延長部230bは、直線状に形成されてもよいし、斜めに形成されてもよい。複数の延長部230bは、延びた方向と垂直な方向に互いに離隔されて、透過部TAを形成する。
【0081】
延長部230bは、それぞれ複数の第2画素Paをカバーするが、延長部230bの幅が、第2画素Paの幅よりも広い。ここで、第2画素Paの幅は、発光領域を定義するための画素定義膜119(図2)の開口の幅を意味する。また、延長部230bは、複数の第2画素Paの間で、メイン共通電極230aの厚さよりも薄い第1領域Gを含む。第1領域G1は、周辺に比べて、上面の位置がより低い凹状を有する。第1領域Gは、前述したブリッジ14(図4)が位置していた箇所に形成され、ブリッジ14(図4)と同じパターンを有する。すなわち、第1領域Gは、延長部230bを横切るようい設けられてもよい。
【0082】
前述したように、第2開口部15(図4)と隣接したメインフレームの領域P(図4)は、ブリッジ14(図4)と同じ形状を有するため、共通電極230は、メイン共通電極230aと延長部230bとの連結部位に、周辺の共通電極230よりも高さが低い第2領域Qをさらに含んでもよい。すなわち、図8のIV-IV’断面及びV-V’断面は、図9に示したように、同じ形状を有する。
【0083】
図10は、図4のVI-VI’断面の一例を概略的に示す断面図である。
【0084】
図10は、ブリッジ14の長手方向と垂直な断面形状を示している。前述したように、ブリッジ14の下面は、蒸着面から離隔されているため、ブリッジ14の下部にも、共通電極230(図7)が蒸着される。一方、共通電極230(図7)の蒸着時に、蒸着物質が斜めに入射ため、ブリッジ14の下部への蒸着効率を向上させるために、ブリッジ14の垂直断面の形状は、逆三角形であってもよい。但し、本発明は、それに限定されるものではなく、ブリッジ14は、様々な形状を有してもよい。
【0085】
また、ブリッジ14の下部への共通電極230(図2)の蒸着効率を向上させるために、ブリッジ14の厚さTが、ブリッジ14の幅Wよりも大きく、リブ13の厚さTと、ブリッジ14の厚さTとの差は、ブリッジ14の幅Wの0.5倍以上であってもよい。
【0086】
このように、本発明は、図面に示した一実施形態を参照して説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これらから様々な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まらなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば、表示関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 ディスプレイ装置
100 基板
111 バッファ層
111a 第1バッファ層
111b 第2バッファ層
112 第1ゲート絶縁層
113 第2ゲート絶縁層
115 層間絶縁層
117 平坦化層
119 画素定義膜
210 画素電極
220 中間層
230 共通電極
300 コンポーネント
1130 活性層
BSM 遮断層
D ドレイン電極
DA 表示領域
DA1 第1表示領域
DA2 第2表示領域
G ゲート電極
OLED 有機電界発光素子
Pa 第2画素
Pm 第1画素
S ソース電極
TA 透過部
TFT 薄膜トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10