IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の特許一覧

特許7612367情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム
<>
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図1
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図2
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図3
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図4
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図5
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図6
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図7
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図8
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図9
  • 特許-情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20250106BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20250106BHJP
【FI】
G16H20/30
G16H10/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020168718
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060943
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 圭子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏成
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-207589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサによって取得された第1のユーザの身体に関する情報を基に、前記第1のユーザの活動量を計算する計算部と、
各時限にタスクが割り当てられた時間割表の時限のうち、前記計算部によって計算された活動量の実績値に対応する時限のいずれかに運動量が多い所定のタスクが割り当てられていない場合、第1の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定し、前記時間割表の時限のうち、前記実績値に対応する時限に前記所定のタスクが割り当てられている場合、前記第1の基準値より大きい第2の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記判定部によって差分が閾値以上であると判定された場合、第2のユーザが所持する端末に、基準が満たされていないことを通知する通知部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
情報提装置によって実行される情報提供方法であって、
センサによって取得された第1のユーザの身体に関する情報を基に、前記第1のユーザの活動量を計算する計算工程と、
各時限にタスクが割り当てられた時間割表の時限のうち、前記計算工程によって計算された活動量の実績値に対応する時限のいずれかに運動量が多い所定のタスクが割り当てられていない場合、第1の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定し、前記時間割表の時限のうち、前記実績値に対応する時限に前記所定のタスクが割り当てられている場合、前記第1の基準値より大きい第2の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の情報提供装置として機能させるための情報提供プログラム。
【請求項5】
自宅に滞在する第1のユーザの身体に関する情報を取得するセンサと、第2のユーザが所持する端末と、前記センサ及び前記端末とネットワークで接続された情報提供装置と、を備えた情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
前記センサによって取得された前記第1のユーザの身体に関する情報を基に、前記第1のユーザの活動量を計算する計算部と、
各時限にタスクが割り当てられた時間割表の時限のうち、前記計算部によって計算された活動量の実績値に対応する時限のいずれかに運動量が多い所定のタスクが割り当てられていない場合、第1の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定し、前記時間割表の時限のうち、前記実績値に対応する時限に前記所定のタスクが割り当てられている場合、前記第1の基準値より大きい第2の基準値と前記実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって差分が閾値以上であると判定された場合、前記端末に、基準が満たされていないことを通知する通知部と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェアラブルセンサから取得したバイタルデータをサーバで分析し、ユーザの健康状態を管理する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-128822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術には、ユーザのスケジュールを考慮した健康状態の把握が困難な場合があるという問題がある。例えば、あらかじめスケジュールとして定められた運動の計画が適切に実施されることによりユーザの健康が維持される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、情報提供装置は、センサによって取得された第1のユーザの身体に関する情報を基に、前記第1のユーザの活動量を計算する計算部と、前記計算部によって計算された活動量が、前記第1のユーザのスケジュールを基に定められた基準を満たしているか否かを判定する判定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザのスケジュールを考慮した健康状態の把握が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態の情報提供システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態の情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、時間割マスタのデータの例を示す図である。
図4図4は、活動種別マスタのデータの例を示す図である。
図5図5は、活動量ログのデータの例を示す図である。
図6図6は、端末に表示される画面の例を示す図である。
図7図7は、端末に表示される画面の例を示す図である。
図8図8は、端末に表示される画面の例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態の情報提供装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、情報提供プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び情報提供システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0009】
[第1の実施形態の構成]
まず、図1を用いて、第1の実施形態の情報提供システムの構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置10、端末20及び通信装置30を有する。例えば、情報提供装置10は、クラウド又はエッジによって実現されるサーバである。情報提供装置10は、ネットワークNを介して端末20及び通信装置30カメラ31と接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0010】
通信装置30は、ユーザU1が滞在している建物に備えられており、カメラ31及びウェアラブルデバイス32と、有線又は無線によりデータ通信可能に接続されている。通信装置30は、例えばスマートフォン及びIoT(Internet of Things)ゲートウェイ等である。また、端末20は、例えばスマートフォンであり、ユーザU2によって所持されているものとする。また、カメラ31及びウェアラブルデバイス32は、センサの一例である。
【0011】
カメラ31は、ユーザU1を撮影して得られた画像を、通信装置30を介して情報提供装置10に送信する。また、ウェアラブルデバイス32は、ユーザU1によって装着されるスマートウォッチ及びスマートウェア等であり、ユーザU1から取得したバイタルデータ等を、通信装置30を介して情報提供装置10に送信する。
【0012】
情報提供装置10は、あらかじめ記憶している情報、及び通信装置30から受け取った各種データを基に生成した情報を端末20に提供する。例えば、情報提供装置10は、ユーザU1の運動状況、スケジュール、バイタルデータ等を提供する。
【0013】
図2を用いて、情報提供装置10の構成を説明する。図2は、第1の実施形態の情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、インタフェース部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0014】
インタフェース部11は、データの入力及び出力のためのインタフェースである。例えば、インタフェース部11はNIC(Network Interface Card)である。また、インタフェース部11は、マウスやキーボード等の入力装置、及びディスプレイ等の出力装置と接続されていてもよい。
【0015】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、情報提供装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。また、記憶部12は、時間割マスタ121、活動種別マスタ122及び活動量ログ123を記憶する。
【0016】
図3は、時間割マスタのデータの例を示す図である。時間割マスタ121は、学校で使用される、各時限に授業が割り当てられた時間割表に相当する。また、時間割マスタ121は、スケジュールの一例である。図3に示すように、時間割マスタ121には、曜日ごとの1時限目から6時限目までの授業及び課外活動の種目が格納される。図3の例では、月曜日の1時限目の授業が「国語」であることが示されている。また、図3の例では、火曜日の課外活動の種目が「サッカー」であることが示されている。
【0017】
図4は、活動種別マスタのデータの例を示す図である。図4に示すように、活動種別マスタ122には、活動種別ごとの活動量の増減量が格納される。活動量の増減量は、後述する活動量の基準値の計算に用いられる。図4の例では、活動種別「体育」の増減量が「+7」であることが示されている。また、図4の例では、活動種別「昼寝」の増減量が「-2」であることが示されている。
【0018】
図5は、活動量ログのデータの例を示す図である。図5に示すように、活動量ログ123には、日付、曜日、開始時刻及び終了時刻によって表される期間ごとの、活動量の基準値と実績値が格納される。
【0019】
ここでは、一例として、スケジュールが小中学校の時間割であるものとして説明しているため、タスクは主に日中帯に配置されている。一方で、タスクは日中帯に限られず、24時間のうちのどの時間帯に配置されてもよい。例えば、本実施形態を夜勤員に適用する場合、深夜帯にもタスクが配置される場合がある。
【0020】
制御部13は、情報提供装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部13は、計算部131、判定部132、生成部133及び通知部134を有する。
【0021】
計算部131は、センサによって取得されたユーザU1の身体に関する情報を基に、ユーザU1の活動量を計算する。ユーザU1は第1のユーザの一例である。また、本実施形態においては、カメラ31及びウェアラブルデバイス32がセンサに相当する。例えば、計算部131は、カメラ31によって撮影されたユーザU1の静止画像又は動画像を基に動きを推定し、活動量を計算する。また、例えば、計算部131は、ウェアラブルデバイス32によって取得されたユーザU1のバイタルデータの変動を基に活動量を計算する。なお、活動量は、運動状況を定量的に表したものであればよく、例えばMETsであってもよい(参考文献:国立健康・栄養研究所、『身体活動のメッツ(METs)表』、URL:https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf)。
【0022】
判定部132は、計算部131によって計算された活動量が、ユーザU1のスケジュールを基に定められた基準を満たしているか否かを判定する。ここで、計算部131によって計算された活動量を実績値と呼ぶ。一方、ユーザU1のスケジュールを基に定められる活動量を基準値と呼ぶ。
【0023】
例えば、判定部132は、実績値が基準値と等しい場合、又は実績値が基準値を基に定められる範囲内にある場合、運動状況を「良好」と判定する。また、例えば、判定部132は、実績値が基準値未満である場合、又は実績値が基準値を基に定められる範囲の下限未満である場合、運動状況を「不足」と判定する。また、例えば、判定部132は、実績値が基準値を超えている場合、又は実績値が基準値を基に定められる範囲の上限を越えている場合、運動状況を「過剰」と判定する。
【0024】
生成部133は、端末20に送信するためのデータを生成する。例えば、生成部133は、端末20に表示させる画面を生成する。また、生成部133は、活動量の基準値及び実績値等から、所定期間の運動状況を俯瞰的に把握可能なレポートを生成してもよい。
【0025】
通知部134は、判定部132によって基準が満たされていないと判定された場合、第2のユーザが所持する端末に、基準が満たされていないことを通知する。例えば、判定部132が前述の基準に従ってユーザU1の運動状況を「不足」と判定した場合、通知部134は、ユーザU1の運動状況が「不足」であることを端末20に通知する。その際、端末20は、アラートとともにユーザU1の運動状況に関する所定の情報を出力する。
【0026】
データ及び表示される画面の例を用いて、情報提供システム1の処理を具体的に説明する。ここでは、時間割表がユーザU1のスケジュールに相当するものとする。この場合、判定部132は、計算部131によって計算された活動量の実績値と、各時限にタスクが割り当てられた時間割表を基に定められた活動量の基準値との差分が条件を満たしているか否かを判定する。例えば、タスクは学校の授業である。
【0027】
図6図7及び図8は、端末に表示される画面の例を示す図である。例えば、図6に示すように、画面20aには、運動状況表示領域201、時間割表示領域202、バイタルデータ表示領域203、運動レポート表示領域204等の領域が含まれる。
【0028】
運動状況表示領域201には、ユーザU1の運動状況の判定結果、及び実施中又は実施済みの運動に関する情報が表示される。時間割表示領域202には、時間割マスタ121に記憶されている時間割表が表示される。バイタルデータ表示領域203には、センサによって取得されたユーザU1の心拍数、体温、血圧等のバイタルデータが表示される。バイタルデータは、ウェアラブルデバイス32によって取得されたものであってもよいし、カメラ31によって撮影された画像を基に推定されたものであってもよい。運動レポート表示領域204には、生成部133によって生成される、所定期間の運動状況を俯瞰的に把握可能なレポートが表示される。運動レポート表示領域204に表示されるレポートは、ユーザの操作等に応じて、時間別、日別、月別等を切り替え可能であってもよい。
【0029】
図6は、運動状況が「良好」である場合の画面の例である。図6に示すように、画面20aの運動状況表示領域201には、ユーザU1の運動状況が「良好」であることが示されている。また、画面20aの運動状況表示領域201には、ユーザU1が実施している運動が「ラジオ体操」であることが、アイコン又は画像とともに示されている。また、時間割表示領域202には、今週の時間割が表示されている。また、運動レポート表示領域204には、当日の各時間帯の活動量の基準値(予定)と実績値(実績)のグラフが表示されている。ここでは、今週及び当日は、それぞれ画面を表示中の日時を含む週及び日を意味するものとする。
【0030】
ここで、判定部132は、運動レポート表示領域204に表示中のグラフの破線で囲まれた区間の活動量の基準値及び実績値を基に、運動状況を判定する。例えば、判定部132は、区間ごとの各値の合計値又は移動平均を基に判定を行う。ただし、区間の設定方法は図示のものに限定されない。また、日付や時間帯によって区間の長さは異なっていてもよい。
【0031】
例えば、図5に示すように、2020/7/7(火)の11:00から18:00までの1時間ごとの活動量の基準値は、9、2、4、3、2、2、9であり、合計値は31である。一方で、2020/7/7(火)の11:00から18:00までの1時間ごとの活動量の実績値は、2、1、10、1、4、5、8であり、合計値は31である。2020/7/7(火)の11:00から18:00までの基準値の合計と実績値の合計が一致するので、判定部132は運動状況を「良好」と判定する。また、判定部132は、基準値の合計と実績値の合計が一致しない場合であっても、合計の差分が一定値以内であれば、判定部132は運動状況を「良好」と判定してもよい。
【0032】
図7は、運動状況が「過剰」である場合の画面の例である。図7に示すように、画面20bの運動状況表示領域201には、ユーザU1の運動状況が「過剰」であることが示されている。また、画面20bの運動状況表示領域201には、ユーザU1が実施している運動が「スクワット」であることが、アイコン又は画像とともに示されている。また、時間割表示領域202には、今週の時間割が表示されている。また、運動レポート表示領域204には、当日の各時間帯の活動量の基準値(予定)と実績値(実績)のグラフが表示されている。図7の例では、区間内の実績値の合計が基準値の合計を大きく上回っている。このため、判定部132は、運動状況を「過剰」と判定する。
【0033】
図8は、運動状況が「不足」である場合の画面の例である。図8に示すように、画面20cの運動状況表示領域201には、ユーザU1の運動状況が「不足」であることが示されている。また、画面20cの運動状況表示領域201には、ユーザU1が実施している運動が「安静」であることが、アイコン又は画像とともに示されている。また、時間割表示領域202には、今週の時間割が表示されている。また、運動レポート表示領域204には、当日の各時間帯の活動量の基準値(予定)と実績値(実績)のグラフが表示されている。図8の例では、区間内の実績値の合計が基準値の合計を大きく下回っている。このため、判定部132は、運動状況を「不足」と判定する。
【0034】
活動量の基準値の設定方法について説明する。まず、ベースとなる活動量が、就寝中の時間帯(例えば、22:00から翌日の7:00まで)は0、起床している時間帯(例えば、7:00から22:00まで)は2、のように定められているものとする。そして、時間割マスタ121を基に、各時間帯の活動量が加減される。
【0035】
例えば、2020/7/7(火)の11:00から12:00までの区間は火曜日の3時限目に相当し、時間割表では「体育」の授業が割り当てられている。「体育」の増減量は「+7」であるため、当該区間の基準値は、ベースとして定められている2に7を加えた9となる。
【0036】
運動量が多い所定のタスク(以下、高運動量タスク)が割り当てられている区間の基準値は大きくなる傾向があり、高運動量タスクよりも運動量が少ない他のタスクは、高運動量タスクに比べると基準値は小さいと考えられる。このため、基準値は、高運動量タスクが割り当てられているか否かによって決定されてもよい。この場合、判定部132は、実績値に対応する時間割表のいずれかの時限に高運動量タスクが割り当てられていない場合、ベースの基準値と実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定し、実績値に対応する時間割表のいずれかの時限に高運動量タスクが割り当てられている場合、ベースの基準値より大きい基準値と実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定する。なお、高運動量タスクには、体育の授業の他、サッカー教室等の運動系の課外活動等が含まれる。
【0037】
[第1の実施形態の処理]
図9は、第1の実施形態の情報提供装置の処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、まず、計算部131は、通信装置30からセンサ情報を取得する(ステップS101)。例えば、センサ情報は、カメラ31によって撮影される画像及びウェアラブルデバイス32によって取得されるバイタルデータである。次に、計算部131は、センサ情報を基に活動量の実績値を計算する(ステップS102)。
【0038】
ここで、情報提供装置10は、一定時間経過するか、又は端末20からの情報提供要求があるまでステップS101とステップS102を実行しつつ待機する(ステップS103、No)。そして、情報提供装置10は、一定時間経過した場合、又は端末20からの情報提供要求があった場合(ステップS103、Yes)、ステップS104へ進む。ここで、判定部132は、活動量の実績値と基準値との差分が適正範囲内であるか適正範囲外であるかを判定する(ステップS104)。
【0039】
活動量の実績値と基準値との差分が適正範囲内である場合(ステップS104、適正範囲内)、通知部134は、端末20に運動状況に関する情報をアラートなしで通知する(ステップS105)(例えば、運動状況が「良好」の場合に相当)。一方、活動量の実績値と基準値との差分が適正範囲外である場合(ステップS104、適正範囲外)、通知部134は、端末20に運動状況に関する情報をアラートとともに通知する(ステップS106)(例えば、運動状況が「不足」及び「過剰」の場合に相当)。
【0040】
ここで、アラートは、端末20に「不足」、「過剰」、「注意」、「警告」等の文字列を表示させるものであってもよいし、端末20にビープ音を出力させたり、ランプを点滅させたりするものであってもよい。
【0041】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、計算部131は、センサによって取得された第1のユーザの身体に関する情報を基に、第1のユーザの活動量を計算する。判定部132は、計算部131によって計算された活動量が、第1のユーザのスケジュールを基に定められた基準を満たしているか否かを判定する。このように、運動状況の判定基準は、ユーザのスケジュールを基に定められる。これにより、本実施形態によれば、ユーザのスケジュールを考慮した健康状態の把握が可能になる。
【0042】
通知部134は、判定部132によって基準が満たされていないと判定された場合、第2のユーザが所持する端末に、基準が満たされていないことを通知する。これにより、第2のユーザは、第1のユーザと離れた場所にいる場合であっても、第2のユーザの運動状況を把握することができる。
【0043】
判定部132は、計算部131によって計算された活動量の実績値と、各時限にタスクが割り当てられた時間割表を基に定められた活動量の基準値との差分が条件を満たしているか否かを判定する。例えば、学校に通っている生徒は、時間割に従って生活をするため、適度に運動をすることになる。一方で、行政からの外出自粛要請等により、生徒が自宅待機をすることになった場合、運動が不足することが考えられる。本実施形態は、自宅待機中の生徒の運動不足の解消を支援することができる。
【0044】
判定部132は、実績値に対応する時間割表のいずれかの時限に運動量が多い所定のタスク(高運動量タスク)が割り当てられていない場合、第1の基準値と実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定し、実績値に対応する時間割表のいずれかの時限に高運動量タスクが割り当てられている場合、第1の基準値より大きい第2の基準値と実績値との差分が閾値以上であるか否かを判定する。特に体育の授業等の高運動量タスクは、通学している生徒の活動量に大きく寄与していると考えられる。本実施形態によれば、時間割に高運動量タスクが割り当てられている日に、自宅待機中の生徒が十分な運動を行うことを促すことができる。
【0045】
[その他の実施形態]
上記の実施形態では、ユーザU1の在宅中の運動の例として、ラジオ体操及びスクワットを挙げた。一方で、室内で行われる運動として、ウォーキング、つま先上げ下げ、かかと上げ下げ、膝伸ばし、膝まげ等も考えられる。計算部131は、センサ情報からユーザの動きがこれらのどの運動に近いかを判定し、判定した運動に対応付けられた活動量を計算結果とすることができる。
【0046】
従来、宅内無線回線(例えばWi-Fi)で使用される電波を使って人物のモーションキャプチャを行う技術が知られている(例えば、Aerial(https://aerial.ai/))。通信装置30は、そのようなモーションキャプチャの技術を使って、ユーザU1の動きに関する情報を取得し、取得した情報を情報提供装置10に送信してもよい。
【0047】
また、上記の実施形態では、活動量の基準値は時間割を基に設定されるものとして説明した。一方で、活動量の基準値は、ユーザの普段の生活において計測された活動量を基に設定されてもよい。
【0048】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0049】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0050】
[プログラム]
一実施形態として、情報提供装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の情報提供処理を実行する情報提供プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の情報提供プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を情報提供装置10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0051】
また、情報提供装置10は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の情報提供処理に関するサービスを提供する情報提供サーバ装置として実装することもできる。例えば、情報提供サーバ装置は、センサデータを入力とし、ユーザの運動状況の判定結果を出力とする情報提供サービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、情報提供サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の情報提供処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0052】
図10は、情報提供プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0053】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0054】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、情報提供装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、情報提供装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSDにより代替されてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0056】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 情報提供システム
10 情報提供装置
11 インタフェース部
12 記憶部
13 制御部
20 端末
20a、20b、20c 画面
30 通信装置
31 カメラ
32 ウェアラブルデバイス
121 時間割マスタ
122 活動種別マスタ
123 活動量ログ
131 計算部
132 判定部
133 生成部
134 通知部
201 運動状況表示領域
202 時間割表示領域
203 バイタルデータ表示領域
204 運動レポート表示領域
N ネットワーク
U1、U2 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10