(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10D 84/80 20250101AFI20250106BHJP
H10D 1/47 20250101ALI20250106BHJP
H10D 30/65 20250101ALI20250106BHJP
【FI】
H01L27/06 102A
H01L27/04 P
H01L29/78 301D
(21)【出願番号】P 2021154693
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 香奈子
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-187271(JP,A)
【文献】特開2015-050386(JP,A)
【文献】特開2020-074479(JP,A)
【文献】特開2018-056342(JP,A)
【文献】特開2010-245281(JP,A)
【文献】特開2005-150712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0219872(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/822
H01L 21/8234
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する基板と、
前記基板中の前記第1面に接する領域において前記第1面に沿って第1領域を囲む絶縁体と、
前記第1領域中に設けられ、前記基板の前記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含んだ第1素子と、
前記第1領域中で前記基板の前記第1面の上方に設けられ、前記ゲート電極に含まれる材料と同じ材料を含み、前記第1抵抗率と異なる第2抵抗率を有
し、前記第1面に沿って前記ゲート電極を連続的に又は間隔を有しつつ囲むように延びる第1導電体と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1導電体は、前記第1面の上方から見て前記第1領域の縁と前記第1素子との間に位置する、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ゲート電極及び前記第1導電体は、少なくとも一部が同一方向に延びる、
請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1導電体は、前記ゲート電極に含まれる不純物と異なる不純物を含むか、前記ゲート電極に含まれる不純物の濃度と異なる濃度の不純物を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート電極は、第1割合でシリサイドを含み、
前記第1導電体は、前記第1割合より低い第2割合でシリサイドを含む、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1面を有する基板と、
前記基板中の前記第1面に接する領域において前記第1面に沿って第1領域を囲む絶縁体と、
前記第1領域中に設けられ、前記基板の前記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含んだ第1素子と、
前記第1領域中で前記基板の前記第1面の上方に設けられ、前記ゲート電極に含まれる材料と同じ材料を含み、前記第1素子を囲む第1導電体と、
前記第1導電体の上面上の第1絶縁体と、
前記第1絶縁体上の第2導電体と、
を備える半導体装置。
【請求項7】
前記第1絶縁体及び前記第2導電体は、前記第1素子を囲む、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1領域の外側の第2領域中で前記基板の上方に設けられ、前記ゲート電極の材料と同じ材料を含む第3導電体と、
前記第3導電体の上方に設けられ、前記第2導電体に含まれる材料と同じ材料を含む第4導電体と、
を含んだ第2素子をさらに備え、
前記第1素子と、前記第2素子は前記半導体装置に混載されている、
請求項6又は請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2導電体は、前記第4導電体と異なる種類又は濃度の不純物を含む、
請求項8に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、回路を構成するトランジスタ及び抵抗素子を含む。トランジスタ及び抵抗素子は、素子領域内に形成される。各素子領域は、素子分離絶縁体により囲まれた領域である。一般に、各素子は、別々の素子領域に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
面積が縮小された半導体装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による半導体装置は、第1面を有する基板と、絶縁体と、第1素子と、第1導電体と、を含む。上記絶縁体は、上記基板中の上記第1面に接する領域において上記第1面に沿って第1領域を囲む。上記第1素子は、上記第1領域中に設けられ、上記基板の上記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含む。上記第1導電体は、上記第1領域中で上記基板の上記第1面の上方に設けられ、上記ゲート電極に含まれる材料と同じ材料を含み、上記第1抵抗率と異なる第2抵抗率を有し、前記第1面に沿って前記ゲート電極を連続的に又は間隔を有しつつ囲むように延びる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
【
図2】
図2は、第1実施形態の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図3】
図3は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を示す。
【
図4】
図4は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を示す。
【
図5】
図5は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を示す。
【
図6】
図6は、第1実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図7】
図7は、第1実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図8】
図8は、第1実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図9】
図9は、第2実施形態の半導体装置の平面構造を示す。
【
図10】
図10は、第2実施形態の半導体装置の素子領域の平面構造を示す。
【
図11】
図11は、第2実施形態の半導体装置の一部の断面を示す。
【
図12】
図12は、第2実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図13】
図13は、第2実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図14】
図14は、第3実施形態の半導体装置の素子領域の平面構造を示す。
【
図15】
図15は、第3実施形態の半導体装置の素子領域の断面を示す。
【
図16】
図16は、第3実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【
図17】
図17は、第3実施形態の変形例の半導体装置の素子領域中の構成要素の平面構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素は同一の参照符号を付され、繰返しの説明は省略される場合がある。略同一の機能及び構成を有する複数の構成要素が相互に区別されるために、参照符号の末尾にさらなる数字又は文字が付される場合がある。或る実施形態と後続の実施形態のそれぞれでの略同一の機能及び構成を有する構成要素についても、後続の実施形態での構成要素の参照符号の末尾にさらなる数字又は文字が付加されることにより、先行する実施形態での構成要素と区別される。例えば、第2実施形態での或る具体的な構成要素Aは、構成要素Abと称され得る。或る構成要素について記述される点以外の点については、先行する実施形態での略同一の機能及び構成を有する構成要素について記述される点が全て適用される。
【0008】
各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定しない。
【0009】
図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なり得る。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0010】
以下、xyz直交座標系が用いられて、実施形態が記述される。
【0011】
1.第1実施形態
1.1.構造(構成)
図1は、第1実施形態の半導体装置の平面構造を示し、z軸に沿って上方から観察された場合のxy面に沿った構造を示す。半導体装置1は、例えば、四角形状の半導体チップであり、半導体の基板21(図示せず)に形成されている。半導体装置1は、素子領域3を含む。素子領域3は、例えば、四角形状を有する。素子領域3は、素子分離絶縁体4により囲まれている。
【0012】
素子分離絶縁体4は、STI(Shallow Trench Isolation)によって、基板の中に形成されている。素子分離絶縁体4は、基板21の表面を含んだ領域に設けられている。素子分離絶縁体4は、
図5に示される後述の絶縁体31と同じ断面構造を有する。
【0013】
素子領域3中には、素子5及び導電体7が形成されている。素子5は、半導体チップに形成されるどのような素子であってもよい。素子5の例は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を含む。
【0014】
導電体7は、素子領域3の縁と面し、素子領域3の縁に沿って延びる。すなわち、導電体7は、素子領域3の4つの辺に沿う4つの直線部分を有する。
【0015】
図2は、第1実施形態の半導体装置1の素子領域3中の構成要素の平面構造の例を示す。
図2は、z軸に沿って上方から観察された場合のxy面に沿った構造を示す。
図2は、素子5がMOSFETである例を示す。以下、素子5は、トランジスタ5と称される場合がある。
図2は、素子領域3のいくつかの構成要素のみを示す。
【0016】
図2に示されるように、半導体装置1は、導電体7、及び導電体11を含む。導電体11は、トランジスタ5の一部を構成し、トランジスタ5のゲート電極として機能する。トランジスタ5の構造の例は、後にさらに記述される。導電体11は、以下、ゲート電極11と称される場合がある。
【0017】
導電体11は、xy面に沿って格子の形状を有する。すなわち、複数の部分11A及び2つの部分11Bを含む。部分11Aは、直線形状を有し、y軸に沿って延び、x軸に沿って間隔を有して並ぶ。部分11Bは、x軸に沿って延びる。一方の部分11Bは、部分11Aのそれぞれの上端と接続されている。他方の部分11Bは、部分11Aのそれぞれの下端と接続されている。導電体11は、例えば、キャリアの導入によって導電性を有するポリシリコンを含むか、そのようなポリシリコンから実質的になる。本明細書及び特許請求の範囲において、或る構成要素が或る材料から「実質的になる」又は「実質的に構成される」との記載は、構成要素に意図せぬ不純物が含まれることを許容することを意味するために使用されている。
【0018】
導電体11は、全体、又はz軸に沿って上側の表面を含む領域においてシリサイド(金属シリサイド)を含んでいてもよい。
【0019】
導電体7は、素子領域3の縁に沿って延び、導電体11を囲む。より具体的には、導電体7は、4つの部分7Aを含む。1つの部分7Aは、x軸に沿って延び、素子領域3の下端に沿う。1つの部分7Aは、x軸に沿って延び、素子領域3の上端に沿う。1つの部分7Aは、y軸に沿って延び、素子領域3の右端に沿う。1つの部分7Aは、y軸に沿って延び、素子領域3の左端に沿う。素子領域の3の隣り合う2つの辺にそれぞれ沿う2つの部分7Aは、互いに接続されている。又は、素子領域の3の隣り合う2つの辺にそれぞれ沿う2つの部分7Aは、導電体7の部分7Bによって接続されていてもよい。
図1は、そのような例を示す。各部分7Bは、素子領域3の角を含む領域中に位置し、x軸に沿って延びる1つの部分7Aとy軸に沿って延びる1つの部分7Aとを接続する。部分7Bは、例えば、x軸及びy軸と交わり、例えば、x軸に対して45度の角度を有する。
【0020】
導電体7は、導電体11の部分11Aが設けられる領域と、その外側で導電体11(特に部分11A)が設けられない領域の境界に位置する。導電体7は、以下の目的で設けられている。すなわち、導電体11の部分11Aが密集する領域での部分11Aの密度と、素子領域3の外側での部分11Aの密度と、に大きな差がある。この差は、2つの領域の境界において、部分11Aを形成するためのプロセスに影響を与える。このことは、最も外側の部分11Aの形状が他の部分11Aの形状を大きく異ならせ得る。導電体7は、このような、複数の部分11Aの形状が互いに大きく異なり得ることを緩和できる。
【0021】
導電体7は、導電体11と同じ材料に由来し、或る材料の一部に由来する。すなわち、導電体7及び導電体11は、或る材料の部分的な除去によって形成された材料をベースと形成されている。導電体11がポリシリコンを含むかポリシリコンから実質的になる例に基づくと、導電体7はポリシリコンを含むか、ポリシリコンから実質的になる。
【0022】
一方、導電体7は、導電体11の抵抗率(又は導電率)と異なる抵抗を有する。本明細書及び特許請求の範囲において、或る構成要素が有する「抵抗率」は、この構成要素の平均的な抵抗率であり、又は、構成要素の或る一部の抵抗率であってもよい。
【0023】
導電体7は、導電体11の抵抗率と異なる抵抗率を有するために、導電体11に含まれるキャリア(不純物)の種類と異なる種類のキャリアを含む。加えて(又は)、導電体7は、導電体11の抵抗率と異なる抵抗率を有するために、導電体11に含まれるキャリアの量と異なる量のキャリアを含む。例えば、導電体7に含まれる或るキャリアの濃度は、導電体11に含まれる同じキャリアの濃度より低い。或る構成要素のキャリアの濃度は、この構成要素の平均的な濃度であってもよいし、或る部分での濃度であってもよい。加えて(又は)、導電体11の抵抗率と異なる抵抗率を有するために、導電体7は、導電体11に占めるシリサイドの割合と異なる割合でシリサイドを含む。例えば、導電体7のシリサイドの割合は、導電体11のシリサイドの割合より低く、例えば、ゼロである。或る構成要素のシリサイドの割合は、この構成要素の平均的な濃度であってもよいし、或る部分での濃度であってもよい。
【0024】
導電体7は、抵抗(抵抗素子又は抵抗要素)として使用されることが可能である。その目的で、導電体7は、導電体11と異なる抵抗率を有するように抵抗率を調整されている。具体的には、導電体7は、導電体7が抵抗として使用される回路において望まれる大きさの抵抗を有することを可能にする量及び(又は)種類のキャリアを含み、また(又は)、シリサイドの割合を有する。以下、導電体7は、抵抗7と称される場合がある。
【0025】
抵抗7は、半導体装置1で使用される任意の抵抗として使用されることが可能である。抵抗7は、例えば、トランジスタ5とともに回路を構成し、トランジスタ5の近くのノードと接続される抵抗として使用されることが可能である。そのような抵抗の使用の形態の例は、トランジスタ5と抵抗7がESD(ElectroStatic Discharge)保護回路の一部を構成するケースでの抵抗である。具体的には、抵抗7は、トランジスタ5のゲートとソースとの間に接続される抵抗として使用され得る。又は、抵抗7は、トランジスタ5のプルダウン用の抵抗として使用されることが可能である。具体的には、抵抗7は、トランジスタ5のソースとグランドの間に接続され得る。
【0026】
図3に示されるように、抵抗としての使用のために、導電体7は、少なくとも2か所において、互いに独立した2つの導電体とそれぞれ接する。
図3は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を示す。
図3は、導電体7が、上面において2つのコンタクトプラグCP1及びCP2と接している例を示す。導電体7のうちの、少なくともコンタクトプラグCP1とCP2の間の部分が抵抗として機能できる。
【0027】
図4は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を概略的に示し、
図2のIV-IV線に沿った断面を示す。
図4では、図が不要に複雑になることを避ける等の目的で、基板21の内部の構成要素を含むいくつかの構成要素が省略されている。
図4に示されるように、例えばシリコンの基板21のz軸上で上側の表面(上面)の上方に、導電体11(導電体11の部分11A)、及び抵抗7(抵抗7の部分7A)が設けられている。
図4は、ゲート電極11の上面を含む一部(上部)がシリサイド12を含むとともに、抵抗7がシリサイドを含まない例を示す。
【0028】
図5は、第1実施形態の半導体装置の一部の断面を示し、
図2のV-V線に沿った断面を示す。
図2は素子5がトランジスタである例に基づき、
図2を参照して記述されるようにトランジスタ5は、MOSFETである限り、どのような構造を有していてもよい。そのようなトランジスタ5の例は、DMOS(Double Diffused Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)、LDMOS(Laterally Disused Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)、DEMOS(Drain Extended Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)、EDMOS(Extended Drain Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)を含む。
図5は、例として、トランジスタ5がLDMOSであるケースを示す。
【0029】
図5に示されるように、半導体装置1は、シリコン等の半導体の基板21を含む。基板21は、p型を有する。p型の構成要素及び領域は、p型のキャリアを含む。p型の構成要素又は領域は、n型不純物およびp型不純物の両方を含んでいる場合、n型不純物の濃度より高いp型不純物の濃度を有する。
【0030】
基板21の上面を含む領域にn型のディープウェル又は不純物領域(ディープnウェル)22が形成されている。ディープnウェル22の上面を含む領域にp型のウェル又は不純物領域(pウェル)23が設けられている。n型の構成要素及び領域は、n型のキャリアを含む。n型の構成要素又は領域は、n型不純物およびp型不純物の両方を含んでいる場合、p型不純物の濃度より高いn型不純物の濃度を有する。
【0031】
ディープnウェル22の上面を含む領域にn型のドリフト領域(不純物領域)24が設けられている。n型ドリフト領域24は、pウェル23と接していてもよい。
【0032】
ディープnウェル22の上面を含む領域にn型のウェル(不純物領域)25が設けられている。nウェル25は、n型ドリフト領域24よりもpウェル23から遠くに位置する。nウェル25は、n型ドリフト領域24と接する。
【0033】
ディープnウェル22の上面を含む領域に、絶縁体(絶縁体層)31が設けられている。絶縁体31の一部は、nウェル25の上面を含む領域に位置する。
【0034】
pウェル23の表面を含む領域は、トランジスタ5のボディー領域として機能する。ボディー領域のうちの、上面を含む領域はチャネル領域として機能する。チャネル領域は、トランジスタ5がオンしている間にチャネルが形成される領域である。
【0035】
pウェル23の上面を含む領域に、n+型ソース領域34が設けられている。導電型を示す「n」または「p」の上付き文字「+」および「-」は、相対的なキャリア濃度を示す。例えば、p+型の領域は、p型の領域より高いキャリア濃度を有する。キャリア濃度は、当該キャリア濃度を有する領域が、p型不純物及びn型不純物の両方を含んでいる場合、n型不純物によって相殺される分のp型不純物を除いたp型不純物の濃度を指す。n型についても同様であり、p型不純物についての記述の中の「n」と「p」を置換した記述が、n型についての記述として当てはまる。n+型ソース領域34の表面上にシリサイド19が設けられている。
【0036】
n型ドリフト領域24及びnウェル25の上面を含む領域に絶縁体36が設けられている。絶縁体36は、n型ドリフト領域24及びnウェル25に亘って広がる。絶縁体36の底面は、n型ドリフト領域24の底面と重ならず、よって、絶縁体36の下方にn型ドリフト領域24の一部が位置する。絶縁体36のx軸に沿って並ぶ2つの縁のうち、nウェル25から遠い方の縁は、n型ドリフト領域24の2つの縁のうちのnウェル25から遠い方の縁と重ならない。
【0037】
nウェル25の上面を含む領域に、n+型ドレイン領域37が設けられている。n+型ドレイン領域37の表面上にシリサイド19が設けられている。
【0038】
基板21の上面上、すなわち、ディープnウェル22の上面上に、絶縁体38が設けられている。絶縁体38は、pウェル23、n型ドリフト領域24、及びnウェル25の上面上に位置する。絶縁体38の一部は、トランジスタ5のゲート絶縁体として機能する。
【0039】
絶縁体38の上面の一部にゲート電極11が設けられている。ゲート電極11は、x軸に沿って延び、少なくとも、pウェル23の上方の領域と、絶縁体36の上方の領域とに亘って連続して設けられている。ゲート電極11の上部は、シリサイド12を含む。絶縁体38のうちのゲート電極11の下方の部分は、トランジスタ5のゲート絶縁体として機能する。
【0040】
ゲート電極11のx軸に沿って並ぶ2つの側面は、側壁絶縁体42により覆われている。側壁絶縁体42の一部は、pウェル23の上方に位置する。
【0041】
1.2.利点(効果)
第1実施形態によれば、以下に記述されるように、必要な面積を抑制された半導体装置1が提供されることが可能である。
【0042】
参考及び比較のための半導体装置100が簡単に記述される。半導体装置100は、半導体装置1と同じく、回路の実現のために抵抗を要する。抵抗は、素子領域3と別の素子領域中に形成される。各素子領域は、周囲を素子分離絶縁体で囲まれている必要がある。このため、素子領域の形成は、素子領域の面積だけでなく素子分離絶縁体の形成のための領域も必要とし、素子領域の数が多いことは、素子領域と素子分離絶縁体のための領域のための大きな面積を必要とする。
【0043】
半導体装置100は、第1実施形態の半導体装置1の導電体7に代えて、ダミーゲート電極101を含む。ダミーゲート電極101は、導電体7と同じ構造を有し、導電体7と同じく、ゲート電極11の形成の際の形状のばらつき抑制する。一方、ダミーゲート電極101は、導電体7と異なり、ゲート電極11と同じ抵抗率を有する。すなわち、ゲート電極11と異なる性質を付与されていない。よって、ダミーゲート電極101は、半導体装置100の製造の間のみ機能を有し、半導体装置100の完成後には機能を奏さない。そこで、ダミーゲート電極101の活用の余地がある。
【0044】
第1実施形態の半導体装置1は、導電体7を含む。導電体7は、半導体装置1の製造の間は、ゲート電極11の形成の際のゲート電極11の形状のばらつき抑制を1つの目的として設けられ、ゲート電極11の形成後は機能を有さず、トランジスタ5の機能及び特性に影響しない。一方、導電体7は、ダミーゲート電極101と異なり、ゲート電極11と異なる抵抗率を有するように抵抗率を調整されている。抵抗率の調整によって、導電体7は、望まれる大きさの抵抗を有することが可能である。よって、導電体7が、半導体装置1中の回路の抵抗として使用されることが可能である。半導体装置1の製造の間でのみ役割を担う構成要素が半導体装置1の完成後にも使用されることにより、トランジスタ5の形成及び特性に影響を与えることなく、素子領域3中に抵抗が形成されることが可能である。このことは、トランジスタ5と抵抗を1つの素子領域3に集約されることを意味し、半導体装置100のように素子領域3とは別の素子領域に抵抗が形成される場合よりも、半導体装置1の面積のうちの抵抗の形成に必要な領域を削減する。
【0045】
1.3.変形例
導電体7は、素子領域3の縁の全体に亘っていなくてもよい。さらに、導電体7は、独立した複数の部分を含んでいてもよい。
図6乃至
図8は、そのような例を示し、第1実施形態の変形例の半導体装置1の素子領域3中の構成要素の平面構造の例を示す。
図6乃至
図8は、
図2と同じ領域を示す。
【0046】
図6に示されるように、導電体7に代えて導電体7bが設けられている。導電体7bは、導電体7と同じく、素子領域3の縁に沿って延び、トランジスタ5を囲む。導電体7bは、部分7C及び部分7Dからなる。部分7Cは、形状を除いて、導電体7と同じである。すなわち、部分7Cは、導電体7と同じく、導電体11と異なる抵抗率を有するように抵抗率を調整されている。すなわち、導電体7は、部分的に、導電体11と異なる抵抗率を有するように抵抗率を調整されている。部分7Cは、導電体7と同じく、望まれる大きさの抵抗を有することを可能にする種類及び(又は)濃度のキャリアを含み、また(又は)、シリサイドの割合を有する。部分7Cは、導電体7と同じく、抵抗として使用されることが可能である。
【0047】
一方、部分7Dは、導電体11と実質的に同じ抵抗率を有し、すなわち、抵抗率を調整されていない。このため、部分7Dは、例えば、導電体11と同じ種類及び実質的に同じ濃度のキャリアを含み、また(又は)上部においてシリサイドを含む。本明細書及び特許請求の範囲において「実質的に同じ」は、同じであることを意図されているものの、製造のばらつき等に起因して不可避的に生じる違いを許容することを意味する。
【0048】
部分7Cは、導電体7bのうちの任意の部分を占めることが可能である。すなわち、部分7Cは、部分7Cが求められる大きさの抵抗を有するサイズを有する。
図6は、各部分7Cが、導電体7のうちの素子領域3の縁に沿う4つの直線部分の一部を占める例を示す。すなわち、1つの部分7Cは、導電体7のうちの素子領域3の右辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分7Cは、導電体7のうちの素子領域3の左辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分7Cは、導電体7のうちの素子領域3の上辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分7Cは、導電体7のうちの素子領域3の下辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。各部分7Dは、素子領域3の角を含む領域に位置する。
【0049】
部分7Cのサイズの調整を通じて、部分7Cによって実現される抵抗の大きさが調整されることが可能である。
【0050】
図6は、部分7Cが、素子領域3の縁の全ての辺に沿う位置に設けられる例を示す。変形例は、この形態に限られない。例えば、部分7Cは、4つの直線部分のうちの1つ、2つ、又は3つのみに位置することが可能である。部分7Cは、4つの直線部分のいずれに位置していてもよい。例えば、部分7Cは、y軸に沿って上側の直線部分と下側の直線部分だけに位置することが可能である。又は、部分7Cは、y軸に沿って左側の直線部分と右側の直線部分だけに位置することが可能である。
【0051】
図7に示されるように、部分7Dが設けられなくてもよい。
【0052】
図8に示されるように、部分7C及び部分7Dが独立していてもよい。例えば、部分7Dは直線形状を有し、y軸に沿って延び、素子領域3の左辺とトランジスタ5との間、及び(又は)素子領域3の右辺とトランジスタ5との間に位置する。部分7Cは、x軸に沿って延び、素子領域3の上辺とトランジスタ5との間、及び(又は)素子領域3の下辺とトランジスタ5との間に位置する。
【0053】
2.第2実施形態
第2実施形態は、抵抗として機能する導電体の構造の点で、第1実施形態と異なる。
【0054】
2.1.構造(構成)
図9は、第2実施形態の半導体装置の平面構造を示し、z軸に沿って上方から観察された場合のxy面に沿った構造を示す。第2実施形態の半導体装置1bは、導電体15を含む。導電体15は、導電体7と同じく、素子領域3の縁と面し、素子領域3の縁に沿って延びる。
【0055】
半導体装置1bは、キャパシタ8をさらに含む。キャパシタ8は、トランジスタ5が形成される素子領域3とは別の素子領域中に形成される。また、キャパシタ8は、必ずしもキャパシタに限られず、例えば2層の導電体(例えば、ポリシリコン)を有する別素子として設けられ、半導体装置1bに混載されていてもよい。
【0056】
図10は、第2実施形態の半導体装置1bの素子領域3中の構成要素の平面構造の例を示す。
図10は、z軸に沿って上方から観察された場合のxy面に沿った構造を示す。
図10は、素子領域3のいくつかの構成要素のみを示す。
【0057】
図10に示されるように、導電体13は、第1実施形態の導電体7と同じ構造を有する。すなわち、導電体13は、4つの部分13A及び4つの部分13Bを含む。部分13A及び13Bは、導電体7の部分7A及び7Bとそれぞれ同じ構造を有し、導電体7の部分7A及び7Bと同じように配置されている。導電体13は、導電体7と同じく、導電体11の部分11Aのうちの最も外側の部分11Aの形状が他の部分11Aの形状と大きく異なり得ることを緩和し得る。すなわち、導電体13は、ダミーゲート電極として機能し得る。導電体13は、例えば、電気的にフローティングしており、半導体装置1中の電位を印加される構成要素と電気的に接続されておらず、半導体装置1の動作の間、電位を印可されない。以下、導電体13は、ダミーゲート電極13と称される場合がある。
【0058】
ダミーゲート電極13は、導電体11と同じ材料に由来し、或る材料の一部に由来する。すなわち、ダミーゲート電極13及び導電体11は、或る材料の部分的な除去によって形成された材料をベースとして形成されている。導電体11がポリシリコンを含むかポリシリコンから実質的になる例に基づくと、ダミーゲート電極13はポリシリコンを含むか、ポリシリコンから実質的になる。また、ダミーゲート電極13は、導電体11に含まれるキャリアと実質的に同じ種類及び(又は)量のキャリアを含む。また、ダミーゲート電極13は、導電体11と同様に、シリサイドを含んでも良いし、含まなくてもよい。ダミーゲート電極13がシリサイドを含む場合、ダミーゲート電極13のシリサイドの割合は、導電体11のシリサイドの割合と実質的に同じであってもよい。
【0059】
導電体15は、素子領域3の縁に沿って延び、ダミーゲート電極13の外縁に沿って延び、ダミーゲート電極13を囲む。より具体的には、導電体15は、4つの部分15A及び4つの部分15Bを含む。1つの部分15Aは、x軸に沿って延び、素子領域3の下端に沿う。1つの部分15Aは、x軸に沿って延び、素子領域3の上端に沿う。1つの部分15Aは、y軸に沿って延び、素子領域3の右端に沿う。1つの部分15Aは、y軸に沿って延び、素子領域3の左端に沿う。各部分15Bは、素子領域3の角を含む領域に位置し、x軸に沿って延びる1つの部分15Aとy軸に沿って延びる1つの部分15Aとに接続されている。部分15Bは、例えば、x軸及びy軸と交わり、例えば、x軸に対して45度の角度を有する。導電体15は、部分的に、ダミーゲート電極13の上面上に位置する。導電体15の構造及び位置は、後にさらに記述される。
【0060】
導電体15は、抵抗(抵抗素子又は抵抗要素)として使用されることが可能である。抵抗として使用される場合、導電体15は、導電体7と同じく、上面において、コンタクトプラグCP1及びCP2と接続される。以下、導電体15は、抵抗15と称される場合がある。抵抗15は、半導体装置1で使用される任意の抵抗として使用されることが可能である。抵抗15は、第1実施形態の抵抗7の用途と同じ用途で使用されることが可能である。
【0061】
図11は、第2実施形態の半導体装置の一部の断面を概略的に示し、
図10のXI-XI線に沿った断面を示す。
図11は、キャパシタ8の断面も示す。
図11に示されるように、基板21のz軸上で上側の表面(上面)の上方に、ゲート電極11(ゲート電極11の部分11A)、及びダミーゲート電極13(ダミーゲート電極13の部分13A)が設けられている。
図11では、図が不要に複雑になることを避ける等の目的で、基板4の内部の構成要素及びシリサイド12を含むいくつかの構成要素が省略されている。
【0062】
キャパシタ8は、導電体45、絶縁体46、及び導電体47を含む。導電体45は、基板21の上面上又は上方に位置する。導電体45、ゲート電極11、及びダミーゲート電極13は、同じ導電体に由来し、或る導電体の一部からなる。すなわち、導電体45、ゲート電極11、及びダミーゲート電極13は、或る導電体の部分的な除去によって形成される。よって、導電体45は、例えばポリシリコンを含むか、ポリシリコンから実質的になる。絶縁体46は、導電体45の上面上に位置する。導電体47は絶縁体46の上面上に位置する。
【0063】
ダミーゲート電極13の上面上の領域の一部から基板21の上面の上方の一部の領域に亘って絶縁体51が連続的に設けられている。絶縁体51は、xy面において、ダミーゲート電極13の外縁に沿って延び、ダミーゲート電極13を囲む。絶縁体51の内側の端は、ダミーゲート電極13の上面上に位置する。絶縁体51及び絶縁体46は、同じ絶縁体に由来し、或る絶縁体の一部からなる。すなわち、絶縁体46及び絶縁体51は、或る絶縁体の部分的な除去によって形成される。
【0064】
導電体15は、絶縁体51の上面上に設けられており、例えば、絶縁体51の上面を覆う。導電体15及び導電体47は、同じ導電体に由来し、或る導電体の一部からなる。すなわち、導電体15及び導電体47は、或る導電体の部分的な除去によって形成される。導電体15及び導電体47は、例えばポリシリコンを含むか、ポリシリコンから実質的になる。一方、導電体15は、抵抗として使用され、よって望まれる大きさの抵抗を有するために、導電体15は、導電体47と異なる抵抗率を有するように抵抗率を調整されることが可能である。具体的には、導電体15は、導電体15が抵抗として使用される回路において望まれる大きさの抵抗を有することを可能にする種類及び(又は)濃度のキャリアを含む。
【0065】
以上の構造によって、トランジスタ5は、絶縁体46を挟む1層目の導電体45及び2層目の導電体47を含んだキャパシタ8と、1つの半導体装置1bに混載されている。
【0066】
2.2.利点
第2実施形態の半導体装置1bは、ダミーゲート電極13の上面上から基板21の上面の上方に亘る導電体15を含む。導電体15は、抵抗として使用される。ダミーゲート電極13は、ゲート電極11の形成の際の形状のばらつき抑制を1つの目的として設けられ、ゲート電極11の形成後は機能を有さず、トランジスタ5の機能及び特性に影響しない。そのようなダミーゲート電極13の周囲の領域を有効に利用して導電体15が設けられ、導電体15が抵抗として使用される。このため、トランジスタ5の形成及び特性に影響を与えることなく、素子領域3中に抵抗が形成されることが可能である。このことは、トランジスタ5と抵抗を1つの素子領域3に集約されることを意味する。よって、第1実施形態と同じ利点を得らえる。
【0067】
また、第1実施形態によれば、絶縁体51はキャパシタ8の絶縁体46と同じ絶縁体から形成され、導電体15はキャパシタ8の導電体47と同じ導電体から形成される。絶縁体51及び導電体47の成形は、絶縁体51及び導電体47が形成されるか否かに関わらず形成されるキャパシタ8の絶縁体46及び導電体47の成形のための工程によって行われることが可能である。よって、導電体15のキャリアの導入のための工程を除いて、絶縁体51及び導電体47の形成のための追加の工程は不要であり、絶縁体51及び導電体47が容易に形成されることが可能である
2.3.変形例
導電体15は、素子領域3の縁の全体に亘っていなくてもよい。さらに、導電体15は、独立した複数の部分を含んでいてもよい。
図12及び
図13は、そのような例を示し、第2実施形態の変形例の半導体装置1bの素子領域3中の構成要素の平面構造の例を示す。
図12及び
図13は、
図10と同じ領域を示す。
【0068】
図12に示されるように、導電体15に代えて導電体15bが設けられている。導電体15bは、導電体15と同じく、素子領域3の縁に沿って延び、トランジスタ5を囲む。導電体15bは、部分15C及び部分15Dからなる。部分15Cは、形状を除いて、導電体15と同じである。すなわち、部分15Cは、導電体15と同じく、望まれる大きさの抵抗を有することを可能にする種類及び(又は)濃度のキャリアを含み、また(又は)、シリサイドの割合を有する。部分15Cは、導電体15と同じく、抵抗として使用されることが可能である。
【0069】
一方、部分15Dは、導電体11と実質的に同じ抵抗率を有し、すなわち、抵抗率を調整されていない。このため、部分15Dは、例えば、導電体11と同じ種類及び実質的に同じ濃度のキャリアを含み、また(又は)上部においてシリサイドを含む。
【0070】
部分15Cは、導電体15bのうちの任意の部分を占めることが可能である。すなわち、部分15Cは、部分15Cが求められる大きさの抵抗を有するサイズを有する。
図12は、各部分15Cが、導電体15のうちの素子領域3の縁に沿う4つの直線部分の一部を占める例を示す。すなわち、1つの部分15Cは、導電体15のうちの素子領域3の右辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちの素子領域3の左辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちの素子領域3の上辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちの素子領域3の下辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。各部分15Dは、素子領域3の角を含む領域に位置する。
【0071】
導電体15の部分15Cのサイズの調整を通じて、部分15Cによって実現される抵抗の大きさが調整されることが可能である。
【0072】
図12は、部分15Cが、素子領域3の縁の全ての辺に沿う位置に設けられる例を示す。変形例は、この形態に限られない。例えば、部分15Cは、4つの直線部分の1つ、2つ、又は3つのみに位置することが可能である。部分15Cは、4つの直線部分のいずれに位置していてもよい。例えば、部分15Cは、y軸に沿って上側の直線部分と下側の直線部分だけに位置することが可能である。又は、部分15Cは、y軸に沿って左側の直線部分と右側の直線部分だけに位置することが可能である。
【0073】
図13に示されるように、部分15Dが設けられなくてもよい。
【0074】
3.第3実施形態
第3実施形態は、抵抗として機能する導電体の位置の点で、第2実施形態と異なる。
【0075】
3.1.構造(構成)
図14は、第3実施形態の半導体装置の平面構造を示し、z軸に沿って上方から観察された場合のxy面に沿った構造を示す。第3実施形態の半導体装置1cは、第2実施形態の半導体装置1bに類似し、第2実施形態の半導体装置1bと異なり、ダミーゲート電極13を含まない。
【0076】
導電体15は、第2実施形態でのダミーゲート電極13の周囲に代えて、ゲート電極11の外縁に沿う。
【0077】
図15は、第3実施形態の半導体装置の一部の断面を概略的に示し、
図14のXV-XV線に沿った断面を示す。
図15では、図が不要に複雑になることを避ける等の目的で、基板4の内部の構成要素及びシリサイド12を含むいくつかの構成要素が省略されている。
【0078】
図15に示されるように、絶縁体51は、ゲート電極11の外縁、すなわち、最も外側の部分11Aの上面上の領域の一部から基板21の上面の上方の一部の領域に亘る。絶縁体51は、ゲート電極11を囲む。絶縁体51の内側の端は、ゲート電極11の最も外側の部分11Aの上面上に位置する。導電体15は、絶縁体51の上面上に設けられており、例えば、絶縁体51の上面を覆う。
【0079】
3.2.利点
第3実施形態の半導体装置1cは、ゲート電極11の外縁の部分の上面の上方から基板21の上面の上方に亘る導電体15を含む。導電体15は、抵抗として使用される。よって、ダミーゲート電極13が設けられない場合であっても、導電体15が設けられることが可能である。よって、第2実施形態と同じ利点が得られる。
【0080】
3.3.変形例
導電体15は、素子領域3の縁の全体に亘っていなくてもよい。さらに、導電体15は、独立した複数の部分を含んでいてもよい。
図16及び
図17は、そのような例を示し、第2実施形態の変形例の半導体装置1bの素子領域3中の構成要素の平面構造の例を示す。
図16及び
図17は、
図14と同じ領域を示す。
【0081】
図16に示されるように、導電体15に代えて導電体15bが設けられている。導電体15bは、導電体15と同じく、素子領域3の縁に沿って延び、トランジスタ5を囲む。導電体15bは、部分15C及び部分15Dからなる。
【0082】
部分15Cは、導電体15bのうちの任意の部分を占めることが可能である。すなわち、部分15Cは、部分15Cが求められる大きさの抵抗を有するサイズを有する。
図16は、各部分15Cが、導電体15のうちのゲート電極11の外縁に沿う4つの直線部分の一部を占める例を示す。すなわち、1つの部分15Cは、導電体15のうちのゲート電極11の右辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちのゲート電極11の左辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちのゲート電極11の上辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。1つの部分15Cは、導電体15のうちのゲート電極11の下辺に沿う直線部分の中央を含む部分に位置する。
【0083】
図16は、部分15Cは、4つの直線部分の1つ、2つ、又は3つのみに位置することが可能である。部分15Cは、4つの直線部分のいずれに位置していてもよい。例えば、部分15Cは、y軸に沿って上側の直線部分と下側の直線部分だけに位置することが可能である。又は、部分15Cは、y軸に沿って左側の直線部分と右側の直線部分だけに位置することが可能である。
【0084】
図17に示されるように、部分15Dが設けられなくてもよい。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0086】
実施形態は、以下の態様を取り得る。
[1]
第1面を有する基板と、
前記基板中の前記第1面に接する領域において前記第1面に沿って第1領域を囲む絶縁体と、
前記第1領域中に設けられ、前記基板の前記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含んだ第1素子と、
前記第1領域中で前記基板の前記第1面の上方に設けられ、前記ゲート電極に含まれる材料と同じ材料を含み、前記第1抵抗率と異なる第2抵抗率を有する第1導電体と、
を備える半導体装置。
[2]
前記第1導電体は、前記第1面の上方から見て前記第1領域の縁と前記第1素子との間に位置する、
[1]に記載の半導体装置。
[3]
前記ゲート電極及び前記第1導電体は、少なくとも一部が同一方向に延びる、
[1]又は[2]に記載の半導体装置。
[4]
前記第1導電体は、前記第1素子を囲む、
[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の半導体装置。
[5]
前記第1導電体は、前記ゲート電極に含まれる不純物と異なる不純物を含むか、前記ゲート電極に含まれる不純物の濃度と異なる濃度の不純物を含む、
[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の半導体装置。
[6]
前記ゲート電極は、第1割合でシリサイドを含み、
前記第1導電体は、前記第1割合より低い第2割合でシリサイドを含む、
[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の半導体装置。
[7]
第1面を有する基板と、
前記基板中の前記第1面に接する領域において前記第1面に沿って第1領域を囲む絶縁体と、
前記第1領域中に設けられ、前記基板の前記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含んだ第1素子と、
前記第1領域中で前記基板の前記第1面の上方に設けられ、前記ゲート電極に含まれる材料と同じ材料を含み、前記第1素子を囲む第1導電体と、
前記第1導電体の上面上の第1絶縁体と、
前記第1絶縁体上の第2導電体と、
を備える半導体装置。
[8]
前記第1絶縁体及び前記第2導電体は、前記第1素子を囲む、
[7]に記載の半導体装置。
[9]
前記ゲート電極及び前記第1導電体は、同じ種類又は実質的に同じ濃度の不純物を含み、
前記第2導電体は、前記ゲート電極又は前記第1導電体と異なる種類又は濃度の不純物を含む、
[7]又は[8]に記載の半導体装置。
[10]
第1面を有する基板と、
前記第1領域中に設けられ、前記基板の前記第1面の上方に設けられるとともに第1抵抗率を有するゲート電極を含んだ第1素子と、
前記ゲート電極の外縁の部分の上面上の第1絶縁体と、
前記第1絶縁体上に設けられ、前記第1抵抗率と異なる第2抵抗率を有する第2導電体と、
を備える半導体装置。
[11]
前記ゲート電極は、間隔を有して並ぶ複数の第1部分及び前記複数の第1部分を接続する第2部分を含み、
前記ゲート電極の前記外縁の前記部分は、前記複数の第1部分のうちの最も端の第1部分、又は前記第2部分である、
[10]に記載の半導体装置。
[12]
前記第1領域の外側の第2領域中で前記基板の上方に設けられ、前記ゲート電極の材料と同じ材料を含む第3導電体と、
前記第3導電体の上方に設けられ、前記第2導電体に含まれる材料と同じ材料を含む第4導電体と、
を含んだ第2素子をさらに備え、
前記第1素子と、前記第2素子は前記半導体装置に混載されている、
[7]乃至[11]のいずれか1項に記載の半導体装置。
[13]
前記第2素子は、キャパシタであり、前記第3導電体上の第2絶縁体をさらに備え、
前記第4導電体は、前記第2絶縁体上に設けられている、
[12]に記載の半導体装置。
[14]
前記第2導電体は、前記第4導電体と異なる種類又は濃度の不純物を含む、
[12]に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0087】
1…半導体装置、3…素子領域、4…素子分離絶縁体、5…素子(トランジスタ)、7…導電体(抵抗)、8…キャパシタ、11…導電体(ゲート電極)、12…シリサイド、13…導電体(ダミーゲート電極)、15…導電体(抵抗)、19…シリサイド、21…基板、22…ディープnウェル、23…pウェル、24…n型ドリフト領域、25…nウェル、31…絶縁体、34…n+型ソース領域、36…絶縁体、37…n+型ドレイン領域、38…絶縁体、42…側壁絶縁体、45…導電体、46…絶縁体、47…導電体、51…絶縁体。