(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】トレーニングシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 26/00 20060101AFI20250106BHJP
【FI】
A63B26/00
(21)【出願番号】P 2021182344
(22)【出願日】2021-11-09
【審査請求日】2024-10-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)行為1 ▲1▼配布日 令和3年5月6日 ▲2▼配布場所 東急電鉄二子玉川駅付近 (2)行為2 ▲1▼配布日 令和3年5月20日 ▲2▼配布場所 東急電鉄二子玉川駅付近 (3)行為3 ▲1▼発行日 令和3年5月28日 ▲2▼刊行物 リビング新聞 東京版・田園都市線版 (4)行為4 ▲1▼発行日 令和3年5月28日 ▲2▼刊行物 シティリビング (5)行為5 ▲1▼公開日 令和3年5月31日 ▲2▼公開場所 東急電鉄二子玉川駅構内 (6)行為6 ▲1▼公開日 令和3年6月2日 ▲2▼公開場所 コナミスポーツクラブ二子玉川館内 (7)行為7 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年4月26日 ▲2▼ウェブサイトのURL https://www.konami.com/sportsclub/pilatesmirror/ (8)行為8 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年5月13日 ▲2▼ウェブサイトのURL https://www.konami.com/sportsclub/corporate/press/2021/05/13/ (9)行為9 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (A1) 令和3年5月26日 (A2) 令和3年6月15日 (A3)、(A4)令和3年6月11日 (A5) 令和3年6月10日 ▲2▼ウェブサイトのURL (A1)https://gaooblog.com/2021/05/26/pilatesmirror/ (A2)https://crea.bunshun.jp/articles/-/31409 (A3)https://nikotama.keizai.biz/headline/1513/ (A4)https://twitter.com/nikokei (A5)https://www.facebook.com/nikokei (10)行為10 ▲1▼発行日 令和3年7月1日 ▲2▼刊行物 月刊レジャー産業資料 (11)行為11 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年7月1日 ▲2▼ウェブサイトのURL https://www.konami.com/videonews/movie_view.html?movie_url=6261828582001
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (12)行為12 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年8月5日 ▲2▼ウェブサイトのURL https://img.konami.com/ir/ja/ir-data/statements/2021/ja0805_aff363.pdf(13)行為13 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (B1)~(B4)令和3年8月30日 (B5)、(B6)令和3年9月6日 (B7)令和3年9月7日(B8)令和3年9月8日 (B9)、(B10)令和3年9月9日 ▲2▼ウェブサイトのURL (B1)https://www.instagram.com/pilates_mirror (B2)https://www.instagram.com/p/CTMIjLNFKwK/ (B3)https://www.facebook.com/Pilates-Mirror-10911138482658 (B4)https://twitter.com/pilates_mirror (B5) https://www.instagram.com/p/CTeP-X8J1no/?utm_source=ig_web_copy_link (B6) https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=114263000992007&id=105655095186131 (B7)https://twitter.com/pilates_mirror/status/1435097185809428488?s=20 (B8) https://www.instagram.com/p/CTjf1_5JNya/?utm_source=ig_web_copy_link (B9)https://fb.watch/9aMRiT6COg/(B10) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1435814646284361736?s=20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (13)行為13 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (B11)~(B13)令和3年9月13日 (B14)~(B16)令和3年9月17日 (B17)~(B19)令和3年9月24日 (B20)令和3年9月29日 ▲2▼ウェブサイトのURL (B11) https://www.instagram.com/p/CTwNtvupU4g/?utm_source=ig_web_copy_link (B12)https://fb.watch/9aMSBtJMhb/ (B13) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1437317305625579522?s=20 (B14)https://www.instagram.com/p/CT6rz2ZJUh4/?utm_source=ig_web_copy_link (B15)https://fb.watch/9aMIv2oasO/ (B16) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1438789833422512133?s=20 (B17) https://www.instagram.com/p/CUMviRVFzz4/?utm_source=ig_web_copy_link (B18)https://fb.watch/9aMWOSBTnX/ (B19)https://twitter.com/pilates_mirror/status/1441326544715141120?s=20 (B20) https://www.instagram.com/p/CUbFbwBDnhf/?utm_source=ig_web_copy_link
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (13)行為13 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (B21)、(B22)令和3年9月30日 (B23)~(B25)令和3年10月6日 (B26)~(B28)令和3年10月15日(B29)、(B30)令和3年10月25日 (B31)、(B32)令和3年10月29日 (B33)~(B35)令和3年11月4日 ▲2▼ウェブサイトのURL (B21)https://fb.watch/9aMXMuWy92/ (B22) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1443349878541852681?s=20 (B23) https://www.instagram.com/p/CUrm2UAJBZt/?utm_source=ig_web_copy_link (B24)https://fb.watch/9aMYAO0-m5/ (B25) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1445675195776176134?s=20 (B26) https://www.instagram.com/p/CVCyAlXgAR1/?utm_source=ig_web_copy_link (B27) https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=124560316628942&id=105655095186131 (B28) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1448936684599463936?s=20 (B29) https://www.instagram.com/p/CVch9mCM0kn/?utm_source=ig_web_copy_link
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (13)行為13 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (B30)令和3年10月25日 (B31)、(B32)令和3年10月29日 (B33)~(B35)令和3年11月4日 ▲2▼ウェブサイトのURL (B30)https://fb.watch/9aN3VogT5O/ (B31) https://www.instagram.com/p/CVm1L6CskBU/?utm_source=ig_web_copy_link (B32) https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=128266129591694&id=105655095186131 (B33) https://www.instagram.com/p/CV2R_9Ivhu_/?utm_source=ig_web_copy_link (B34)https://fb.watch/9aN61rDKEK/ (B35) https://twitter.com/pilates_mirror/status/1456184445443182593?s=20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (14)行為14 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 (C1) 令和3年5月2日 (C2)、(C3)令和3年5月4日 (C4) 令和3年5月17日 ▲2▼ウェブサイトのURL (C1) https://www.instagram.com/p/COXPoPbAvEv/?utm_source=ig_web_copy_link (C2) https://www.instagram.com/p/COcy91fg-WI/?utm_source=ig_web_copy_link (C3) https://www.instagram.com/p/COc4QvbACOd/?utm_source=ig_web_copy_link (C4) https://www.instagram.com/reel/CO9CSYTgGep/?utm_source=ig_web_copy_link (15)行為15 ▲1▼公開日 令和3年4月28日▲2▼施工場所 PilatesMirror二子玉川(東京都世田谷区玉川2丁目27-10) (16)行為16 ▲1▼公開日 令和3年5月13日 ▲2▼公開場所 PilatesMirror二子玉川(東京都世田谷区玉川2丁目27-10) (17)行為17 ▲1▼発行日 令和3年10月25日 ▲2▼刊行物 月刊NEXT 2021 November No.175 (18)行為18 ▲1▼配布日 令和3年9月22日▲2▼配布場所 東京都世田谷区 (19)行為19 ▲1▼配布日 令和3年9月22日 ▲2▼配布場所 東京都世田谷区、神奈川県川崎市 (20)行為20 ▲1▼公開日 令和3年9月22日 ▲2▼公開場所 東急電鉄二子玉川駅構内 (21)行為21 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年6月24日▲2▼ウェブサイトのURL https://img.konami.com/ir/ja/ir-data/groupreport/2021_3/pdf/all.pdf (22)行為22 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和3年11月4日▲2▼ウェブサイトのURL https://img.konami.com/ir/ja/ir-data/statements/2021/ja1104_4s6fdy.pdf
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000136158
【氏名又は名称】コナミスポーツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕二
(72)【発明者】
【氏名】服部 菜里
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-150545(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2066001(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0215393(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00 - 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置
し、ユーザが仰向けの状態でトレーニングを行うことのできるトレーニング機器と、
前記トレーニング機器の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡とを備え、
前記鏡の鏡面部を、前記トレーニング機器に対向させ
、
前記トレーニング機器の平面視における長手方向の前記鏡の長さは、前記長手方向の前記トレーニング機器の長さより短いことを特徴とする、
トレーニングシステム。
【請求項2】
前記トレーニング機器は、フレームと、前記
長手方向に対してスライド可能に設けたスライド板とを備え、
前記トレーニングは、前記ユーザが前記スライド板と共にスライド方向に移動し、
前記鏡は、前記スライド板のスライド方向の長さを、前記フレームにおける前記スライド方向の長さよりも短くし、かつ、前記スライド板の最大スライド長よりも長くしたことを特徴とする、
請求項1に記載のトレーニングシステム。
【請求項3】
前記トレーニング機器の平面視における短手方向からの側面視において、前記鏡の前記長手方向における中心位置と、前記トレーニング機器の前記長手方向における中心位置とが、前記長手方向において略一致する、請求項1または2に記載のトレーニングシステム。
【請求項4】
前記トレーニング機器は、前記ユーザが仰向けの状態で横たわり、足をかけるフットバーを具備し、
前記トレーニング機器の平面視における短手方向からの側面視において、前記鏡の前記長手方向における中心位置は、前記トレーニング機器の前記長手方向における中心位置から、前記長手方向において前記フットバー側にある、請求項1または2に記載のトレーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツジムなどの施設内には、トレーニングしているユーザ自身の姿を映すための鏡が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピラティス等のエクササイズでは、仰向けの状態でトレーニングすることがあるが、仰向けの状態になると、自分の姿を鏡で見ることが難しくなる。そのため、正しい姿勢でトレーニングできていないことがあり、このような場合に十分なトレーニング効果が得られないという課題があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて行われたものであり、その目的は、効果的なトレーニングを支援することのできるトレーニングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、床面に設置するトレーニング機器と、前記トレーニング機器の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡とを備え、前記鏡の鏡面部を、前記トレーニング機器に対向させたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、トレーニング機器の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡の鏡面部を、トレーニング機器に対向させて設置しているので、仰向けの状態でトレーニングしているユーザ自身の姿を鏡面部に映すことができる。したがって、ユーザが仰向けの状態でも、効果的なトレーニングを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】トレーニング施設の全体を示す説明図である。
【
図2】鏡とリフォーマーの関係を示す説明図である。
【
図3】天井を省略したトレーニング施設の説明図である。
【
図8】鏡面部3Aに映ったユーザを示す説明図である。
【
図9】
図4のC1-C1線から床側を見た説明図である。
【
図10】鏡面部3Aに映ったユーザを示す説明図である。
【
図11】鏡面部3Aを傾斜させた状態を示す説明図である。
【
図12】リフォーマーを4台並べた状態を示す図である。
【
図13】鏡面部3Aに映ったユーザを示す説明図である。
【
図14】
図4のB-B線から天井側を見た説明図である。
【
図15】
図4のC2-C2線から天井側を見た説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態のトレーニングシステムを図面に基づいて説明する。
図1は、トレーニングシステムの全体を示す説明図である。
図示するように、トレーニング施設の床面1には、4台のリフォーマー2を設置している。これらリフォーマー2は、ピラティスのトレーニングに用いるものであり、本発明のトレーニング機器に相当するものである。また、これらリフォーマー2を、
図3~
図8に示すように、一定の間隔をあけて設置している。そして、これらリフォーマー2の上方には、所定の間隔をあけて鏡3を設置している。
【0010】
上記リフォーマー2は、トレーニングするユーザの動作をサポートするものであり、
図1に示すように、フレーム4と、フレーム4の上部に移動可能に設けたスライド板5(キャリッジ)と、フレーム4の一端側に設けたフットバー6とを備えている。
上記スライド板5は、
図2に示すように、トレーニングするユーザが乗る部分であり、フレーム4の長手方向にスライド可能になっている。また、このスライド板5は、図示していないスプリングを介してフレーム4の両端に連結されており、スライド板5の移動に伴ってスプリングが伸びると、スプリングの弾性力によってもとの位置に戻るようになっている。
【0011】
なお、図中符号7はスライド板5に設けたヘッドレストであり、符号8はスライド板に設けたショルダーレストである。そして、スライド板5にユーザが仰向けの状態で横たわったときに、ユーザの頭をヘッドレスト7によって支持し、ユーザの肩をショルダーレスト8によって支持するようになっている。
【0012】
上記フットバー6は、ユーザが足等をかけるためのものであり、図示していない支持部を中心にフレーム4に対して回動可能に取り付けられている。そして、
図2に示すように、スライド板5に仰向けになったユーザの足が届く位置に調節可能になっている。
ユーザは、このようなリフォーマー2を利用して様々な姿勢でトレーニングを行う。例えば、
図2に示したように、スライド板5に仰向けの状態で横たわり、足をフットバー6にかけた状態で、ひざの屈伸運動を行う。ひざの屈伸運動に伴い、スライド板5がフレーム4の上をスライドし、ユーザの動作をサポートすることになる。
【0013】
上記したように、リフォーマー2の上方(鉛直方向)には、所定の間隔をあけて鏡3を設定しているが、この鏡3は長方形をしており、複数の接続部材9を介して天井面10に固定されている。なお、
図3は、天井面10を省略した説明図である。
図4~7に示すように、鏡3は平面鏡であり、鏡面部3Aが水平になるように設置されている。そして、鏡面部3Aをリフォーマー2に向けることによって、リフォーマー2が鏡面部3Aに映るようにしている。言い換えると、床面1に設置したリフォーマー2と、このリフォーマー2の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡3の鏡面部3Aとを対向させることによって、リフォーマー2を使ってトレーニングするユーザの姿が鏡面部3Aに映るようにしている。
【0014】
図8は、リフォーマー2を使ってトレーニングしているユーザの斜め後方の視点から見た状態を示す図である。ユーザは、
図2に示したように、リフォーマー2のスライド板5の上に仰向けになり、足をフットバー6にかけている。
図示するように、鏡3の鏡面部3Aには、仰向けの状態の自分の姿が映されているため、ユーザは、自分の姿を見ながらトレーニングすることができる。すなわち、ユーザは仰向けの姿勢でトレーニングしている最中であっても、自分の姿勢を容易に把握することができ、正しい姿勢でトレーニングすることで、十分なトレーニング効果を得ることができる。
【0015】
図4に示すように、鏡3は、複数の固定部材9を介して天井面10に固定することで、リフォーマー2の上方に鏡3を設置している。ただし、鏡3は、固定部材9を介さず、直接天井面10に固定してもよい。また、床面1、壁12、あるいはフレーム4から伸ばした支柱等を利用して、リフォーマー2の上方に鏡3を設置するようにしてもよい。ただし、トレーニングしているユーザの手や足が鏡3にぶつからないようにするため、鏡3とリフォーマー2との間隔は、一定の距離を確保する必要がある。言い換えると、鏡3は、リフォーマー2の上方に、所定の間隔をあけて設置する必要がある。所定の間隔とは、少なくともリフォーマー2を使ってトレーニングするユーザの手や足がぶつからないような距離以上である。
【0016】
天井高が低い建物においては、鏡3を天井付近や天井面に直接固定することになるが、天井に梁等の凹凸があったり、天井に配管や照明などが固定されていたりすると、鏡3をリフォーマー2の上方に設置できないことがある。第1実施形態に係るトレーニングシステムでは、鏡3のサイズや形状、取り付け位置を工夫することによって、鏡3を設置する際の自由度を高めている。この点について以下に説明する。
【0017】
図9は、
図4のC1-C1線の位置から床面1側を見た説明である。図示するように、鏡3は、その短辺方向の長さDを、リフォーマー2のフレーム4の長手方向(Y方向)の長さEよりも短くしている。リフォーマー2のフレーム4の長手方向は、スライド板5がスライドする方向に一致し、鏡3の短辺方向も、スライド板5がスライドする方向に一致している。すなわち、スライド板5がスライドする方向における、リフォーマー2のフレーム4の長さEを、鏡3の長さDよりも短くしている。具体的には、鏡3の短辺方向の長さDを、フレーム4の長手方向の長さEの約半分にしている。
このように鏡3の短辺方向の長さDを短くすると、鏡3を設置するときに、天井の凹凸や照明等との干渉を避けやすくなる。つまり、鏡3のサイズを小さくすることで、天井側に設置する際の自由度を高め、リフォーマー2の上方に鏡3を設置しやすくしている。
【0018】
また、
図7に示すように、リフォーマー2に対向する鏡3の短辺方向の中心位置P1を、リフォーマー2の長手方向の中心位置P2にほぼ一致させている。このようにすると、鏡3がリフォーマー2のほぼ中央付近に設置されることになるので、鏡3の短辺方向の長さDが、リフォーマー2の長手方向の長さEより短くても、トレーニング中のユーザの姿は鏡面部3Aにほぼ映ることになる。
なお、鏡3の短辺方向の中心位置P1を、リフォーマー2のフットバー6側に多少ずらして設置してもよい。フットバー6側にずらすと、
図10に示すように、トレーニング中のユーザの下半身が鏡面部3Aに映りやすくなる。ピラティスでは下半身をトレーニングする頻度が高いので、トレーニングしている部位を効果的に鏡に映すことができる。
【0019】
上記したように、鏡3は、設置する際の自由度を高めるために、その短辺方向の長さDを短くしているが、短辺方向の長さDは、リフォーマー2のスライド板5がスライドするときの最大スライド長よりも長くすることが望ましい。つまり、鏡3の短辺方向の長さDは、リフォーマー2のフレーム4の長手方向の長さEよりも短く、かつ、スライド板5の最大スライド長よりも長くするとよい。例えば、鏡3の短辺方向の長さDを、スライド板5の最大スライド長よりも短くすると、リフォーマー2を使ってトレーニングしているユーザの部位が、鏡面部3Aに映りにくくなるが、スライド板5の最大スライド長よりも鏡3の短辺方向の長さDを長くしておけば、リフォーマー2を使ってトレーニングしているユーザの部位が映りにくいといった不都合を回避することができる。
【0020】
なお、
図10に示したように、鏡3をフットバー6側にずらして設置すると、
図13に示すように、トレーニング中、自分の顔が鏡面部3Aに映らないことがある。しかしながら、ピラティスでは、首よりも上の部位をトレーニングする頻度は低いので、顔が映らないことによる影響は少ない。
また、鏡3をフットバー6側にずらして設置すると、隣のリフォーマー2を使ってトレーニングしている他のユーザの顔が鏡面部3Aに映りにくくなる。他のユーザの顔が鏡面部3Aに映らなければ、他のユーザと視線が合うこともないので、自分のトレーニングに集中することができる。
【0021】
上記したように、鏡3の鏡面部3Aを水平に設置しているが、鏡面部3Aに多少の傾斜をつけてもよい。
図11に示す例は、鏡3の鏡面部3Aを、水平面に対して7度、傾斜させたものである。傾斜させる方向は、リフォーマー2のフットバー6に対向する方向に向かって高くなるように設定している。
このように鏡面部3Aに傾斜をつけると、脚などのトレーニング頻度の高い部位が鏡面部3Aに映りやすくなるので、ユーザはトレーニング中の姿勢を把握しやすくなる。また、鏡面部3Aに傾斜をつけると、水平方向の長さD1を、鏡面部3Aが水平の場合の長さDよりも短くすることができるので、天井面10に鏡3を設置するときの自由度をより高めることができる。
なお、本発明において「鏡の鏡面部をトレーニング機器に対向させる」とは、上記したように、鏡3の鏡面部3Aを水平に設置するだけでなく、多少の傾斜をつけて設置した状態も含む。リフォーマー2を利用して仰向けになってトレーニングするユーザが、自分の姿が鏡面部3Aに映るような状態が、鏡の鏡面部をトレーニング機器に対向させた状態である。
【0022】
図12は、
図4のA-A線から床面1側を見た図であるが、4台のリフォーマーは、その長手方向に直行する方向に並べている。そして、
図9に示すように、両端に設置しているリフォーマー2の側面を結ぶ長さL2よりも、鏡3の長手方向(X軸方向)の長さL1を長くしている。このようにしたのは、リフォーマー2同士の間隔を多少変更しても、各リフォーマー2の上方に鏡3が位置する状況に保つためである。すなわち、鏡3の鏡面部3Aを、リフォーマー2に対向させた状態を維持できるようにしている。したがって、例えば、トレーニングに参加する人数に応じてリフォーマーの台数を減らした場合であっても、鏡3を使ってトレーニングするユーザの姿を鏡で映すことができる。
なお、第1実施形態ではリフォーマーの台数が4台であるが、並べるリフォーマー2の台数は4台に限らない。例えば、3台以下でもよく、また、5台以上でもよい。
【0023】
図14は、
図4のB-B線から鏡3を見た図であり、
図15は、
図4のC2-C2線から天井面10を見た図である。第1実施形態では、1枚の鏡3を複数の固定部材9を介して天井面10に設置しているが、複数の鏡を結合することによって1つの鏡3としてもよい。
また、第1実施形態では、平面鏡を鏡3として用いているが、凸面鏡を鏡3として用いてもよい。凸面鏡は平面鏡に比べて広範囲を映すことができるので、鏡3をより小型化することが可能となる。
なお、鏡3はガラス製でも樹脂製でもよく、自分の姿を映すものであればその材質は問わない。また、鏡3の形状は長方形に限らず、楕円形でも多角形でもよく、正方形や円形でもよい。
【0024】
上記第1実施形態では、4台のリフォーマー2の上方に、1枚の鏡3を設置しているが、各リフォーマー2の上方に、個々のリフォーマー2を映すために必要十分な程度の大きさ、形状の、鏡を個別に設置してもよい。例えば、
図16に示すように、リフォーマー2の平面形状とほぼ同じ形状の鏡20を個別に設置してもよい。個別に鏡20を設置すれば、他のリフォーマー2を使ってトレーニングしている他のユーザが鏡面部20Aに映りこみにくくなるので、他のユーザの視線が気になって集中しにくいといった不都合を回避することができる。
【0025】
図17に示す第2実施形態は、鏡の代わりに天井側にカメラ15とモニター16とからなる表示手段Kを設置したものであり、その他の構成については第1実施形態と同様である。
上記カメラ15は、リフォーマー2を使ってトレーニングするユーザを映すためのものであり、その視線はリフォーマー2の方向を向いている。
上記モニター16は、その表示部が床面1側を向いた状態で設置されており、カメラ15によって撮影した映像を表示する機能を有している。そして、カメラ15で撮影した映像をモニター16の表示部に映すことによって、仰向けの姿勢でトレーニングするユーザが、自分の姿勢を確認できるようにしている。
【0026】
上記モニター16の表示部に表示される内容は、少なくともトレーニングしている部位が表示されていればよいが、ユーザの全身が表示されるようにしてもよい。また、確認したい部位を中止に拡大して表示してもよい。例えば、ユーザの声を入力する図示してないマイクを用意しておき、公知の音声認識技術を用いて、表示部に表示される部位の拡大や縮小を制御するようにしてもよい。
なお、上記表示手段Kとしては、カメラとモニターを有する機器であればどのようなものでもよく、例えば、画面サイズの大きいスマートフォンやタブレットでもよい。
また、モニターの代わりにプロジェクタを用意して、天井面1や天井側に設けたスクリーンに、カメラ15で撮影した映像を投影するようにしてもよい。
【0027】
以上に説明した第2実施形態に係るトレーニングシステムによれば、仰向けになってトレーニングしているときに、天井側に設置したモニターによって自分の姿勢を把握できるので、ユーザは正しい姿勢で運動することで、十分なトレーニング効果を得ることができる。
【0028】
上記第1、第2実施形態では、リフォーマー2をトレーニング機器の一例として説明したが、本発明のトレーニング機器はリフォーマー2に限らない。例えば、ヨガのトレーニングに用いるヨガマット等をトレーニング機器としてもよい。ヨガマットの上でユーザが仰向けの姿勢でトレーニングするときに、上方に設置された鏡等に自分の姿が映るので、ユーザは姿勢を確認しながらトレーニングすることができる。
【0029】
[付記]以上のような記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0030】
1)本発明の一態様に係るトレーニングシステムは、床面(1)に設置するトレーニング機器(2)と、前記トレーニング機器(2)の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡(3)とを備え、前記鏡の鏡面部(3A)を、前記トレーニング機器(2)に対向させたことを特徴とする。
【0031】
上記1)に記載の発明によれば、トレーニング機器の上方に所定の間隔をあけて設置した鏡の鏡面部を、トレーニング機器に対向させて設置しているので、仰向けの状態でトレーニングしているユーザ自身の姿を鏡面部に映すことができる。したがって、ユーザが仰向けの状態でも、効果的なトレーニングを支援することができる。
【0032】
2)本発明の一態様では、前記トレーニング機器(2)は、フレーム(4)と、前記フレームに対してスライド可能に設けたスライド板(5)とを備え、前記鏡(3)における、前記スライド板がスライドする方向の長さ(D)を、前記フレーム(4)における前記スライド方向の長さ(E)よりも短く、かつ、前記スライド板(5)の最大スライド長よりも長くしたことを特徴とする。
【0033】
上記2)に記載の発明によれば、鏡のサイズを小さくすることで、天井等に設置する際の自由度を高めつつ、スライド板を使ってトレーニングしているユーザの部位が映らないといった不都合を回避することができる。
【0034】
3)本発明の一態様に係るトレーニングシステムは、床面(1)に設置するトレーニング機器(2)と、前記トレーニング機器(2)の上方に設置した表示手段(K)とを備え、前記表示手段は、前記トレーニング機器を用いて仰向けの姿勢でトレーニングするユーザを撮影するカメラ(15)と、前記カメラによって撮影したユーザの姿を表示するモニター(16)とを備え、前記モニター(16)は、前記トレーニング機器を用いて仰向けの姿勢でトレーニングするユーザが、自身の姿が視認できる向きに設置したことを特徴とする。
【0035】
上記3)に記載の発明によれば、仰向けの姿勢でトレーニングしているときに、モニターによって自分の姿勢を把握できるので、ユーザは仰向けの姿勢でも効果的なトレーニングを行うことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 床面
2 リフォーマー
3 鏡
3A 鏡面部
4 フレーム
5 スライド板
9 固定部材
10 天井面
15 カメラ
16 モニター
20 鏡
20A 鏡面部
K 表示手段