(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】医療用拡張器、並びに医療的拡張のためのシステム、方法、及びキット
(51)【国際特許分類】
A61M 29/00 20060101AFI20250106BHJP
A61B 17/34 20060101ALI20250106BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20250106BHJP
【FI】
A61M29/00
A61B17/34
A61B5/287
(21)【出願番号】P 2021578182
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 IB2020056759
(87)【国際公開番号】W WO2021014316
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-07-05
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、ガレス
(72)【発明者】
【氏名】ウルバンスキ、ジョン ポール
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/165277(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0089691(US,A1)
【文献】特表2002-532164(JP,A)
【文献】特表2018-525055(JP,A)
【文献】特表2017-512569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 29/00
A61M 25/06
A61B 17/34
A61B 18/14
A61B 5/287
A61B 5/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用拡張器であって、
近位端部分、対向する遠位端部分、及び前記近位端部分から前記遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する前記細長い部材と、
前記遠位端部分における拡張先端部であって、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる
近位片を含み、前記第2の端部が、遠位に面する肩部表面を含み、前記近位片が、首部を含み、前記拡張先端部が、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる遠位片を含み、前記首部が、前記遠位に面する肩部表面から前記遠位片の前記第2の端部まで遠位に延在する、拡張先端部と、
前記拡張先端部に関連付けられた少なくとも第1の
環状の電極
であって、一定の断面領域を有し、前記首部上に受容されて前記遠位に面する肩部表面に当接し、前記近位片の前記第2の端部、前記第1の環状の電極、及び前記遠位片の前記第1の端部が、同じ直径を有する、第1の環状の電極と、
前記第1の
環状の電極に電気的に接続され、かつ電気解剖学的マッピングシステムと電気的に接続するために前記第1の
環状の電極から前記近位端部分に向かって近位に延在する電気伝導体と、を備える、医療用拡張器。
【請求項2】
前記第1の
環状の電極が、前記
遠位片の前記第1の端部と前記
近位片の前記第2の端部との間に位置付けられている、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項3】
前記拡張先端部が、先端部周方向の外側表面、先端部周方向の内側表面、及び前記先端部周方向の内側表面と前記先端部周方向の外側表面との間に延在する先端部側壁を有し、前記電気伝導体が、前記
第1の環状の電極から前記先端部側壁を通って前記ルーメン内へと延在する、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項4】
前記細長い部材が、周方向の外側表面、周方向の内側表面、及び前記周方向の内側表面と前記周方向の外側表面との間の前記細長い部材の長さに沿って延在する側壁を有し、前記電気伝導体が、前記側壁に埋め込まれ、前記
第1の環状の電極から前記近位端部分まで延在する、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項5】
前記周方向の外側表面が、その中に画定されて、前記第1の
環状の電極から前記近位端部分まで延在する長手方向の溝を有し、前記電気伝導体が、前記長手方向の溝内に着座している、請求項
4に記載の医療用拡張器。
【請求項6】
前記細長い部材が、前記周方向の外側表面を画定する外側チューブと、前記外側チューブ内にあって前記周方向の内側表面を画定する内部ライナーと、を備え、前記電気伝導体が、前記外側チューブと前記内部ライナーとの間に位置付けられている、請求項
4に記載の医療用拡張器。
【請求項7】
前記電気伝導体が、管状編組である、請求項
6に記載の医療用拡張器。
【請求項8】
前記第1の
環状の電極が、前記細長い部材から取り外し可能である、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項9】
前記細長い部材に取り付けられ、かつ前記第1の
環状の電極から離間された第2の電極を更に備える、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項10】
前記
第1の環状の電極が、放射線不透過性である、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項11】
前記
第1の環状の電極が、白金イリジウムを含む、請求項
10に記載の医療用拡張器。
【請求項12】
前記
第1の環状の電極が、エコー発生プロファイルを有する、請求項1に記載の医療用拡張器。
【請求項13】
前記
第1の環状の電極が、コイルを備える、請求項
12に記載の医療用拡張器。
【請求項14】
医療用穿孔システムのための部品キットであって、前記部品キットが、
近位端部分、対向する遠位端部分、及び前記近位端部分から前記遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する前記細長い部材
と、
前記遠位端部分における拡張先端部であって、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる
近位片を含み、前記第2の端部が、遠位に面する肩部表面を含み、前記近位片が、首部を含み、前記拡張先端部が、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる遠位片を含み、前記首部が、前記遠位に面する肩部表面から前記遠位片の前記第2の端部まで遠位に延在する、拡張先端部と、
前記拡張先端部に関連付けられた少なくとも第1の
環状の電極
であって、一定の断面領域を有し、前記首部上に受容されて前記遠位に面する肩部表面に当接し、前記近位片の前記第2の端部、前記第1の環状の電極、及び前記遠位片の前記第1の端部が、同じ直径を有する、第1の環状の電極と、
前記第1の
環状の電極に電気的に接続され、かつ電気解剖学的マッピングシステムと電気的に接続するために前記第1の
環状の電極から前記近位端部分まで近位に延在する電気伝導体と、
を備える、医療用拡張器と、
前記医療用拡張器を受容するためのシースと、
前記ルーメン内に受容可能な穿孔装置と、を備える、部品キット。
【請求項15】
少なくとも第2の電極を更に備え、前記第2の電極が、前記シースに固定されている、請求項
14に記載の部品キット。
【請求項16】
少なくとも第2の電極を更に備え、前記第2の電極が、前記細長い部材に固定されている、請求項
14に記載の部品キット。
【請求項17】
少なくとも第2の電極を更に備え、前記第2の電極が、前記穿孔装置に固定されている、請求項
14に記載の部品キット。
【請求項18】
医療用拡張システムであって、
近位端部分、対向する遠位端部分、及び前記近位端部分から前記遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する前記細長い部材
と、
前記遠位端部分における拡張先端部であって、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる
近位片を含み、前記第2の端部が、遠位に面する肩部表面を含み、前記近位片が、首部を含み、前記拡張先端部が、拡大された断面領域の第1の端部を有して、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる遠位片を含み、前記首部が、前記遠位に面する肩部表面から前記遠位片の前記第2の端部まで遠位に延在する、拡張先端部と、
前記拡張先端部に関連付けられた少なくとも第1の
環状の電極
であって、一定の断面領域を有し、前記首部上に受容されて前記遠位に面する肩部表面に当接し、前記近位片の前記第2の端部、前記第1の環状の電極、及び前記遠位片の前記第1の端部が、同じ直径を有する、第1の環状の電極と、
前記第1の
環状の電極に電気的に接続され、かつ前記第1の
環状の電極から前記近位端部分まで近位に延在する電気伝導体と、
を備える、医療用拡張器と、
前記電気伝導体に電気的に接続可能であり、前記
第1の環状の電極から電気解剖学的マッピング信号を受信して、前記電気解剖学的マッピング信号に基づいて前記拡張先端部の位置を決定するように構成された電気解剖学的マッピングシステムと、を備える、医療用拡張システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、医療的拡張、例えば、心臓組織における外科的に作成された穿孔の拡張に関する。より具体的には、本文書は、医療用拡張器、並びに関連するシステム、方法、及びキットに関する。
【発明の概要】
【0002】
以下の概要は、発明を実施するための形態の種々の態様へと読者に紹介することを意図しているが、いかなる発明も定義したり又はその範囲を定めたりするものではない。
【0003】
いくつかの態様によれば、医療用拡張器は、近位端部分、対向する遠位端部分、及び近位端部分から遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する細長い部材を含む。拡張先端部は、遠位端部分にある。拡張先端部は、拡大された断面領域の第1の端部を有し、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に向かって先細になる。少なくとも第1の電極は、拡張先端部に関連付けられている。電気伝導体は、第1の電極に電気的に接続され、電気解剖学的マッピングシステムと電気的に接続するために、第1の電極から近位端部分に向かって近位に延在する。
【0004】
いくつかの実施例では、第1の電極は、拡張先端部の第1の端部と拡張先端部の第2の端部との間に位置付けられる。いくつかの実施例では、第1の電極は、拡張先端部の第1の端部の近位に位置付けられる。
【0005】
いくつかの実施例では、拡張先端部は、その中に画定された周方向の溝を有する先端部周方向の外側表面を有し、電極は環状であり、溝内に着座している。
【0006】
いくつかの実施例では、拡張先端部は、先端部周方向の外側表面、先端部周方向の内側表面、及び先端部周方向の内側表面と先端部周方向の外側表面との間に延在する先端部側壁を有し、電気伝導体は、電極から先端部側壁を通ってルーメン内へと延在する。
【0007】
いくつかの実施例では、細長い部材は、周方向の外側表面、周方向の内側表面、及び周方向の内側表面と周方向の外側表面との間の細長い部材の長さに沿って延在する側壁を有し、電気伝導体は、側壁に埋め込まれ、電極から近位端部分まで延在する。周方向の外側表面は、その中に画定され、第1の電極から近位端部分まで延在する長手方向の溝を有し得、電気伝導体は、長手方向の溝内に着座し得る。あるいは、細長い部材は、周方向の外側表面を画定する外側チューブと、外側チューブ内の内部ライナーと、を含み得、周方向の内側表面を画定し、電気伝導体は、外側チューブと内部ライナーとの間に位置付けられ得る。電気伝導体は、管状編組であり得る。
【0008】
いくつかの実施例では、第1の電極は、細長い部材から取り外し可能である。
【0009】
いくつかの実施例では、医療用拡張器は、細長い部材に取り付けられ、かつ第1の電極から離間された第2の電極を更に含む。
【0010】
いくつかの実施例では、拡張先端部は、遠位に面する肩部表面及び肩部表面から遠位に延在する首部を有する近位部品を含み、電極は環状であり、首部上で受容されて肩部表面に隣接し、拡張先端部は、電極から遠位に首部上で受容され、かつ電極に隣接する遠位部品を更に含む。
【0011】
いくつかの実施例では、電極は放射線不透過性である。いくつかの実施例では、電極は、白金イリジウムを含む。
【0012】
いくつかの実施例では、電極は、エコー発生プロファイルを有する。いくつかの実施例では、電極は、コイルを含む。
【0013】
いくつかの態様によれば、医療用穿孔システムのための部品のキットは、医療用拡張器、シース、及び穿孔装置を含む。医療用拡張器は、近位端部分、対向する遠位端部分、及び近位端部分から遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する細長い部材を有する。医療用拡張器は、遠位端部分で拡張先端部を更に有し、拡張先端部は、拡大された断面領域の第1の端部を有し、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に先細りになる。医療用拡張器は、拡張先端部と関連付けられた少なくとも第1の電極と、第1の電極に電気的に接続され、かつ電気解剖学的マッピングシステムと電気的に接続するために第1の電極から近位端部まで近位に延在する電気伝導体と、を更に有する。シースは、医療用拡張器を受容するためのものである。穿孔装置は、ルーメン内に受容可能である。
【0014】
いくつかの実施例では、部品のキットは、少なくとも第2の電極を更に含む。第2の電極は、シースに固定され得る、又は細長い部材に固定され得る、又は穿孔装置に固定され得る。
【0015】
いくつかの態様によれば、医療用拡張システムは、医療用拡張器及び電気解剖学的マッピングシステムを含む。医療用拡張器は、近位端部分、対向する遠位端部分、及び近位端部分から遠位端部分まで細長い部材を通って延在するルーメンを有する細長い部材を含む。拡張先端部は、遠位端部分にある。拡張先端部は、拡大された断面領域の第1の端部を有し、減少した断面領域の第2の端部へと遠位方向に向かって先細になる。少なくとも第1の電極は、拡張先端部と関連付けられ、電気伝導体は、第1の電極に電気的に接続され、第1の電極から近位端部分まで近位に延在する。電気解剖学的マッピングシステムは、電気伝導体に電気的に接続可能であり、電極から電気解剖学的マッピング信号を受信し、電気解剖学的マッピング信号に基づいて拡張先端部の位置を決定するように構成されている。
【0016】
いくつかの態様によれば、医療的拡張のための方法は、a.医療用拡張器の拡張先端部を第1の標的解剖学的位置に向かって前進させることと、b.拡張先端部と関連付けられた電極から第1の電気解剖学的マッピング信号を受信することと、c.第1の電気解剖学的マッピング信号に基づいて、第1の標的解剖学的位置に対する拡張先端部の第1の位置を決定することと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、工程c.の後、本方法は、d.医療用拡張器から穿孔装置を前進させ、穿孔装置を使用して第1の標的解剖学的位置に穿孔を作成することを更に含む。
【0018】
いくつかの実施例では、本方法は、拡張先端部に対する穿孔装置の位置を決定することを更に含む。
【0019】
いくつかの実施例では、工程d.の後、本方法は、e.穿孔を拡張するために、穿孔を通して電極及び拡張先端部を前進させることを更に含む。
【0020】
いくつかの実施例では、工程e.の後又はその最中に、本方法は、f.電極から、第2の電気解剖学的マッピング信号を受信することと、g.第2の電気解剖学的マッピング信号に基づいて、第1の標的解剖学的位置に対する拡張先端部の第2の位置を決定することと、を更に含む。いくつかの実施例では、第1の標的解剖学的位置は、心房中隔である。
【0021】
いくつかの実施例では、本方法は、左心房壁に対する拡張先端部の位置を決定することを更に含む。
【0022】
いくつかの実施例では、工程a.は、拡張器をシース内に位置付け、拡張器及びシースを第1の標的解剖学的位置に向かって前進させることを含み、本方法は、シースの先端部に対する拡張先端部の位置を決定することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面は、本開示の物品、方法、及び装置の例を説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。図面において、
【0024】
【
図1】例示的な外科用穿孔システムの斜視図である。
【0025】
【
図2】
図1の外科用穿孔システムの拡張器の斜視図である。
【0026】
【
図3A】
図2の拡張器の拡張先端部の拡大図である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【
図7】別の例示的な外科用穿孔システムのシース、拡張器、及び穿孔装置の部分斜視図である。
【0040】
【
図8】経中隔穿孔の作成及び拡張のための例示的な方法の第1の工程を示す概略図である。
【0041】
【
図9】
図8の経中隔穿孔を作成及び拡張するための例示的な方法の第2の工程を示す概略図である。
【0042】
【
図10】
図8の経中隔穿孔を作成及び拡張するための例示的な方法の第3の工程を示す概略図である。
【0043】
【
図11】
図8の経中隔穿孔を作成及び拡張するための例示的な方法の第4の工程を示す概略図である。
【0044】
【
図12】
図8の経中隔穿孔を作成及び拡張するための例示的な方法の第5の工程を示す概略図である。及び
【0045】
【
図13】
図8の経中隔穿孔を作成及び拡張するための例示的な方法の第2の工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
特許請求される主題の実施形態の実施例を提供するために、種々の装置又はプロセス又は構成を以下に記載する。以下に記載される実施例はいかなる請求項をも限定するものではなく、また任意の請求は、以下に記載されるものとは異なるプロセス又は装置又は構成を網羅する場合がある。特許請求の範囲は、以下に記載された任意の1つの装置若しくはプロセス若しくは構成の全ての特徴、又は以下に記載された装置若しくはプロセス若しくは構成の複数又は全てに共通の特徴を有する装置あるいはプロセスあるいは構成に限定されるものではない。以下に記載された装置又はプロセス又は構成は、本特許出願の発行によって付与される任意の排他的な権利の実施形態ではないことが可能である。排他的な権限が本特許出願の発行によって付与されていない以下に記載された任意の主題は、別の保護文書、例えば、継続特許出願の主題である場合があり、出願人、発明者又は所有者は、本文書におけるその開示によって、このような主題を放棄、棄権、又は公共に供することを意図しない。
【0047】
一般に、本明細書に開示されるのは、外科用穿孔などの解剖学的開口部の拡張に使用され得る医療用拡張器(本明細書では単に「拡張器」とも呼ばれる)である。例えば、拡張器は、経中隔穿孔手順で使用され得るが、ここで、穿孔は、所望により無線周波数穿孔装置を使用して心臓の心房中隔に作成され、次に、拡張器を使用して拡張される。このような手順は、例えば、医療処置のために、左心房へのアクセスを得るように実行され得る。
【0048】
一般に、本明細書に開示された拡張器は、本体内の拡張器の先端部(本明細書では「拡張先端部」とも呼ばれる)の位置、又はその他の外科手術ツールに対する(例えば、穿孔装置に対する、又は拡張器が収容されているシースに対する)拡張器の先端部の位置の非蛍光的視覚化及び判定を可能にするように構成されている。より具体的には、本明細書に開示された拡張器は、その先端部に関連付けられた少なくとも1つの電極を含み得る。電極は、電気解剖学的マッピング(EAM)電極であり得る。EAM電極は、EAMシステムに接続され得るが、これは、EAM信号を(直接又はパッドを介して、のどちらかで)EAM電極へ、及びEAM電極から通信し得、またEAM電極から受信したEAM信号に基づいて、EAM電極の位置を決定し得、したがって、身体内で拡張器の先端部の位置、又はその他の外科手術ツールに対する拡張器の先端部の位置を決定し得る。これは、例えば、拡張器先端部を視覚化して、先端部が標的組織に対して適切に位置付けられているかどうかをユーザが判定することを可能にする、穿孔の前に穿孔装置が拡張器内に覆われていることをユーザが確認することを可能にする、及び/又は拡張先端部が非標的組織から十分に離間していることをユーザが確認することを可能にする。
【0049】
ここで
図1を参照すると、例示的な外科用穿孔システム100が示されている。外科用穿孔システム100は、拡張器102、EAM信号発生器106を含むEAMシステム104、及び(例えば3以上の)EAMパッド108のセット(そのうちの2つのみが
図1に示される)、シース110、その遠位先端部に穿孔電極113を有する放射線発生器(RF)穿孔装置112、及びRF発生器114、及び接地パッド116を含む。シース110、RF穿孔装置112、RF発生器114、及び接地パッド116は、本明細書で詳細に記載され得ず、所望により、Baylis Medical Company,Inc.(Montreal,Canada)によって販売されているもの、例えば、NRG(登録商標)Transseptal Platform、又はSupracross(登録商標)Transseptal Platformの商品名であるものであり得る。更に、代替的な実施例では、RF穿孔装置の代わりに、機械的穿孔装置などの別の種類の穿孔装置を使用し得る。所望により、外科用穿孔システム100の部品の一部又は全部は、組み立てられた状態又は組み立てられていない状態のいずれかで、キット内で一緒に販売又は提供され得る。
【0050】
ここで
図2を参照すると、拡張器102は、示される実施例でより詳細に示されており、拡張器102は、一般に、使用中に外科医などのユーザに向けられている近位端部分120を有する細長い部材118と、一般に、使用中に患者の標的位置に向けられている対向する遠位端部分122と、を含む。細長い部材118は、近位端部分120と遠位端部分122との間で長手方向に、かつ周方向の外側表面126と周方向の内側表面128との間で半径方向に延在する側壁124を含む(
図3B及び
図3Cに示される)。周方向の内側表面128は、近位端部分120から遠位端部分122まで細長い部材118を通って延在するルーメン130(
図3B及び
図3Cに示される)を画定する。使用中、ルーメン130は、RF穿孔装置112を受容し得る。
【0051】
細長い部材は、高密度ポリエチレン(HDPE)などのプラスチックを含むがこれらに限定されない種々の材料から作製され得る。
【0052】
更に
図2を参照すると、図示の実施例では、ハンドル132は、近位端部分120に取り付けられている。ハンドル132は、種々の外部装置に接続するための種々のハブ及び/又はポート及び/又は接続点(図示せず)を含み得る。
【0053】
更に
図2を参照すると、拡張器102は、遠位端部分122において拡張先端部134を含む。拡張先端部134は、
図3A~
図3Cにより詳細に示されている。示される実施例では、拡張先端部134は、第1の端部136と、第1の端部136から遠位に離間された第2の端部138と、を含む。拡張先端部134は、第1の端部136から第2の端部138まで進む断面領域で先細になり、その結果、第1の端部136は、第2の端部138に対して拡大された断面領域を有し、第2の端部138は、第1の端部136に対して減少した断面領域を有する。拡張先端部134が開口部を通過すると、断面領域の拡大が開口部を拡張する。
【0054】
示される実施例では、拡張先端部134の第2の端部138は、拡張器102の遠位端140を形成する。代替的な実施例(図示せず)では、拡張先端部は、拡張器の遠位端から近位に離間され得る。
【0055】
図3A~
図3Cを更に参照すると、示される実施例では、拡張先端134は、拡張先端部134の第1の端部136と拡張先端部134の第2の端部138との間で長手方向に延在し、拡張先端部134の周方向の外側表面144(本明細書では「先端部周方向の外側表面」とも呼ばれる)と、拡張先端部134の周方向の内側表面146(本明細書では「先端部周方向の内側表面」とも呼ばれる)との間で半径方向に延在する、側壁142(本明細書では「先端部側壁」とも呼ばれる)を有する。先端部側壁142、先端部周方向の外側表面144、及び先端部周方向の内側表面146は、それぞれ、細長い部材118の側壁124、細長い部材118の周方向の外側表面126、及び細長い部材118の周方向の内側表面128の一部を形成する。
【0056】
更に
図3A~
図3Cを参照すると、拡張器は、拡張先端部134と関連付けられたEAM電極148を更に含む。上記のように、EAM電極148は、拡張先端部134の位置、例えば、体内の拡張先端部134の位置、又は外科用穿孔システム100のその他の部分に対する拡張先端部134の位置を決定することを可能にし得る。EAM電極148は、例えば環状であり得、ステンレス鋼又は白金イリジウムで作製され得るか、又はそれを含み得る。いくつかの実施例では、EAM電極は、追加的に放射線不透過性であり得、所望する場合、蛍光透視法を使用して電極の視覚化を可能にし得る。更なる実施例では、EAM電極は、所望する場合、超音波を使用して電極の視覚化を可能にし得るエコー発生プロファイルを有し得る。例えば、EAM電極は、コイルを含み得る。いくつかの実施例では、EAM電極148は、導電性塗料で作製され得る。
【0057】
上記のように、EAM電極148は、拡張先端部134と関連付けられている。用語「関連する」とは、EAM電極148が、直接的に(例えば、EAM電極148が拡張先端部134に直接取り付けられている場合)、又は間接的に(例えば、EAM電極148が拡張先端部134から離間しており、外挿が実行されて、EAM電極148の位置に基づいて拡張先端部134の位置を決定する場合)のいずれかで位置付けられて、拡張先端部134の位置を決定することを可能にすることを示す。
【0058】
示される実施例では、EAM電極148は環状であり、拡張先端部134の周囲に周方向に延在し、拡張先端部134の第1の端部136と拡張先端部134の第2の端部138との間に位置付けられている。代替的な実施例では(例えば、
図5A~5Dに示されるように)、EAM電極は、拡張先端部の近位又は拡張先端部の遠位に位置付けられ得る。このような実施例では、前述のように、EAM電極の位置に基づいて拡張先端部の位置を決定するために外挿が実行され得る。
【0059】
図3Cを参照すると、示される実施例では、拡張先端部134の周方向の外側表面144は、その中に画定された周方向の溝150を有し、EAM電極148は、溝150に着座している。EAM電極148は、接着、溶接、はんだ付け、及び/又は摩擦によってなどの、種々の方法で溝150内に固定され得る。更に、示される実施例では、EAM電極148は、拡張先端部134の先細り部と一致するように輪郭形成され、それによって、EAM電極148の外側表面は、拡張先端部134の周方向の外側表面144と同一平面にある。これは、例えば、スエージングによって達成され得る。これは、拡張先端部134が開口部を通過する際に、滑らかな移行を可能にし得る。
【0060】
示される実施例では、拡張先端部134は、一体型構造のものである。代替的な実施例では、
図4A~
図4Cを参照して以下に記載するように、拡張先端部は、組立構造のものであり得る。
【0061】
更に
図3A~
図3Cを参照すると、電気伝導体152は、EAM電極148に接続され、EAMシステム104のEAM信号発生器106(
図3A~
図3Cには図示せず)に接続するために、EAM電極148から細長い部材118の近位端部分120(
図3A~
図3Cには図示せず)に向かって近位に延在する。電気伝導体152は、EAM電極148とEAM信号発生器106とのその接続との間で電気的に絶縁されており、それによって、電気信号は、EAM電極148とEAMシステム104との間で通信され得る。例えば、電気伝導体152は、ポリイミド絶縁体の層を含み得る。
【0062】
EAM電極148に接続された電気伝導体152の端部は、本明細書では、電気導体152の「電極端部分154」(
図3Cに示される)と呼ばれてもよく、EAMシステム104に接続可能な電気伝導体152の端部は、本明細書では電気伝導体152の「システム端部分156」(
図1及び
図2に示される)と呼ばれてもよい。電気伝導体152のシステム端部156は、種々の方法でEAM信号発生器106に接続又は接続可能であってもよい。示される実施例では、コネクタ158は、システム端部156に取り付けられている。コネクタ158は、EAM信号発生器106のコネクタ160と嵌合可能である。あるいは、クリップ(例えば、ワニ口クリップ)を使用して、電気伝導体のシステム端部分をEAMシステム(図示せず)に接続してもよい。
【0063】
更に
図3A~
図3Cを参照すると、示される実施例では、電気伝導体152は、EAM電極148から先端部側壁142を通ってルーメン130内へと延在する。次に、電気伝導体152は、ルーメン130を通って細長い部材118の近位端部分120まで延在する。代替的な実施例では、以下に記載されるように、電気伝導体は、細長い部材の側壁内に埋め込まれ得る。
【0064】
前述のように、図示の実施例では、EAMシステム104は、EAM信号発生器106及び一対のEAMパッド108を含む。このようなシステムは、例えば、ブランド名ENSITE PRECISION(商標)及びCARTO(登録商標)で市販されており、本明細書で詳細には記載されていない。簡潔には、EAM信号発生器106からEAMパッド108へ、EAMパッド108からEAM電極148へ、及びEAM電極148からEAM信号発生器106へと戻る、電気信号の経路(又は逆の順番経路、即ち、EAM信号発生器106からEAM電極148へ、EAM電極148からEAMパッド108へ、及びEAMパッド108からEAM信号発生器106へと戻る経路)によって、EAM電極148を視覚化してよく、したがって、拡張先端部134の位置を決定し得る。
【0065】
示される実施例では、RF穿孔装置112の穿孔電極113を追加のEAM電極として使用することもできる。すなわち、拡張器102のEAM電極148と一緒に、RF穿孔装置112の穿孔電極113は、EAMシステム104に電気的に接続され得、それによって、その位置は、EAMシステム104によって決定され得る。
【0066】
ここで
図4A~
図4Cを参照すると、拡張先端部の代替的な実施例が示されている。
図4において、
図1~
図3のもののような特徴は、300によって増分される同様の参照番号で参照され得る。
図4の拡張先端部434は、
図1~
図3の拡張先端部134と類似している。しかしながら、拡張先端部434は、組立構造体である。具体的には、示される実施例では、拡張先端部434は、近位片462と、遠位片464と、を含む。近位片462は、遠位に面する肩部表面466を画定するように階段状になっており、肩部表面466から遠位に延在する首部468を有する。EAM電極448は環状であり、首部468上に受容され、肩部表面466に隣接する。遠位片464は、EAM電極448の遠位に首部468上に受容され、EAM電極448に隣接する。近位片462、EAM電極448、及び遠位片464は、接着及び/又は摩擦によるなど、種々の方法で一緒に固定され得る。
【0067】
ここで
図5A~
図5Dを参照すると、拡張先端部の別の代替的な実施例が示されている。
図5において、
図1~
図3のもののような特徴は、400によって増分される同様の参照番号で参照され得る。
図5の拡張先端部534は、
図1~
図3の拡張先端部134と類似している。しかしながら、電気伝導体552は、細長い部材518の側壁524に埋め込まれている。具体的には、細長い部材518の周方向の外側表面526は、その中に画定された長手方向溝570を有する。溝570は、EAM電極548から細長い部材518の近位端部分(図示せず)まで延在する。電気伝導体552は、溝570内に着座し、材料572のストリップ(例えば、プラスチック又は接着剤)は、溝570を電気伝導体552にわたって充填する。
【0068】
ここで
図6A~
図6Cを参照すると、拡張先端部の別の代替的な実施例が示されている。
図6において、
図1~
図3のもののような特徴は、500によって増分される同様の参照番号で参照され得る。
図6の拡張先端部634は、
図1~
図3の拡張器と類似している。しかしながら、細長い部材618は、周方向の外側表面626を画定する外側チューブ674と、周方向の内側表面628を画定する外側チューブ674内の内部ライナー676と、を含む。内部ライナー676は、例えば、ポリイミド又はポリテトラフルオロエチレンライナーであり得、外側チューブ674は、HDPEなどのプラスチックで作製され得る。
【0069】
図6の実施例では、電気伝導体652は、外側チューブ674と内部ライナー676との間に位置付けられた金属ワイヤの管状編組によって画定される。
【0070】
所望により、
図6の拡張器を製造するために、外側チューブ674、電気伝導体652、EAM電極648、及び内部ライナー676を一緒に組み立てることができ、EAM電極648は、EAM電極648と電気伝導体652との間の電気的な接続を形成するようにスエージされ得る。次に、外側チューブ674の材料を(例えば、熱の適用によって)再流動させて、外側チューブ674、電気伝導体652、及び内部ライナー676を接合し得る。次に、拡張先端部634の遠位片664をアセンブリに接合し得る。次に、電気伝導体652のシステム端部(図示せず)を、所望によりスカイビングによってEAMシステム104への接続のために露出させ得る。
【0071】
ここで
図7を参照すると、外科用穿孔システムの別の実施例が示されている。
図7において、
図1のもののような特徴は、600によって増分される同様の参照番号で参照され得る。
図7では、システム700の拡張器702、シース710、及びRF穿孔装置712のみが示されている。システム700の残りの部分は、
図1に示される部品と同じ、又は類似であり得る。
図7のシステム700は、追加のEAM電極を含む。具体的には、システム700は、
図1~
図3に関して上記のように、拡張先端部に関連付けられた第1のEAM電極748aを含む。更に、システムは、拡張器702上にありかつ第1のEAM電極748aから離間された第2のEAM電極748bと、シース710上の第3の748c、第4の748d、及び第5の748eのEAM電極と、RF穿孔装置712上の第6のEAM電極748fと、を含む。第2~第6のEAM電極(748b~748f)は、追加の電気伝導体(図示せず)を介してEAM信号発生器に接続可能である。追加のEAM電極の使用は、追加の位置データを決定することを可能にし得る。例えば、シース710の位置、又はシース710に対する拡張先端部734の位置を決定し得る。更に、追加の電極を提供することによって、シース又は拡張器の配向を決定し得る。例えば、シース及び拡張器のそれぞれに少なくとも2つの電極を提供することにより、装置が配向される方向の決定を可能にする。
【0072】
拡張器(図示せず)の更なる代替的な実施例では、EAM電極は、細長い部材から取り外し可能であり得る。例えば、拡張器の細長い部材は、標準的な拡張器(例えば、当技術分野で周知のもの)であり得る。電気伝導体に接続されたEAM電極は、細長い部材から分離され得る。例えば、EAM電極は、穿孔装置に固定され得る。EAM電極は、EAM電極が拡張器の遠位端にあるまで、細長い部材のルーメンを通って前進され得る。EAM電極が遠位端に到達するように前進されるべき程度が周知であるように、アセンブリを較正し得る。
【0073】
ここで
図8~
図13を参照すると、特に経中隔穿孔の作成及び拡張のための医療的拡張のための方法が説明され得る。より詳細に説明されるように、方法中の種々の点で、EAM電極及びEAMシステムは、拡張器の拡張先端部の位置を決定するために係合され得る、すなわち、EAM信号は、拡張器のEAM電極から受信され得、EAM信号に基づいて、拡張器の拡張先端部の位置が決定され、所望によりマッピングされ、追跡され得る。これは、手順の安全性を高め得る。
図1~
図3に示されるように、システム100及び拡張器102を参照することで、本方法は説明され得る。しかしながら、本方法は、システム100及び拡張器102で実行されることに限定されず、システム100及び拡張器102は、記載された方法に従って使用することに限定されない。
【0074】
図8を参照すると、ガイドワイヤ800は、大腿静脈を介して心臓802に向かって前進されて、上大静脈(SVC)804に「留まり」得る。
【0075】
図9を参照すると、シース110内の拡張器102、及び拡張先端部134がシース110から突出して延在する状態で、拡張器102及びシース110は、ガイドワイヤ800上でSVC804に向かって前進され得る。次に、ガイドワイヤ800を取り外すことができ、RF穿孔装置112(
図9には示されていない)は、RF穿孔装置112の穿孔電極113(
図9には示されていない)が拡張器102の遠位端140をちょうどよけるまで、拡張器102を介して前進し得る。
【0076】
前述のように、拡張器102のEAM電極148がEAMシステム104(
図8~
図13には示されていない)に接続されていることに加えて、RF穿孔装置112の穿孔電極113は、EAMシステム104に接続され得、追加のEAM電極として機能し得る。RF穿孔装置112が拡張器102を通って前進した後、穿孔電極113は拡張器102から露出されている、又は穿孔装置112の遠位先端部は拡張器102の遠位先端部と同一平面にあり、EAMシステム104を使用して穿孔装置112の位置決めを確認し得る。具体的には、EAMシステム104は係合でき、EAM電極148及び穿孔電極113から受信されたEAM信号に基づいて、拡張先端部134に対する穿孔電極113の位置を決定し得る。例えば、穿孔電極113が拡張先端部134から突出していることをEAMシステムが示す場合、穿孔電極113が拡張器102内へと遠位に前進され過ぎていると決定し得る。あるいは、穿孔電極113をEAMシステムによって検出することができない場合、穿孔電極113は、拡張先端部134内で覆われ、したがって、正しく位置決めされると結論付けることができる。更に、穿孔電極113及びEAM電極148の両方を提供することによって、2つの間の相対位置をマッピングして、組み合わされたアセンブリの配向の決定を可能にする場合がある。
【0077】
いくつかの実施例では、システム100は、穿孔電極113が拡張器102の遠位端140の遠位に前進する場合、警告を提供するように更に構成され得る。
【0078】
所望により、この時点で、解剖学的データが所望される場合、ユーザはCT又はMRIデータを照会し得る。
【0079】
ここで
図10を参照すると、EAM電極148及びEAMシステム104が、拡張先端部134及び穿孔電極113(
図10には示されていない)の位置を追跡するように係合された状態で、シース110、拡張器102、及び穿孔装置112は、標的解剖学的位置に向かって前進されて、拡張先端部134を標的位置に位置付け得る。標的解剖学的位置は、例えば、心房中隔808の卵円窩806であり得る。EAM電極148及びEAMシステム104を使用して、卵円窩806に対する拡張先端部134の位置決めを確認し得、また、穿孔電極113が拡張器102の遠位端140と同一平面にあることを確認し得る。
【0080】
図11を参照すると、次に、穿孔装置112は、拡張器102から係合して前進されて、心房中隔808に穿孔を作成し得る。
【0081】
図12を参照すると、拡張先端部134は、穿孔を拡張するために、穿孔を通って前進され得る。具体的には、拡張先端部134は、EAM電極148と共に、穿孔を通って前進され得る。拡張先端部134及びEAM電極148の前進の前、前進中、及び/又は前進の後に、EAM電極148及びEAMシステム104を係合して、拡張先端部134の位置を決定し得る。これは、穿孔が十分に拡張されていることを確実にするのに役立ち得るが、一方で、拡張先端部134が接触しないことにより非標的組織を損傷しない(例えば、左心房壁に対する拡張先端部の位置が視覚化され得る)ことを確実にすることに役立つ。
【0082】
穿孔の拡張に続いて、種々の手順を実行し得る。所望の時間に、
図13に示すように、拡張器102及びシース110を心臓802から引き抜き得る。所望により、引き抜き中に、EAM電極148及びEAMシステム104を係合して、拡張先端部134の位置を決定し得る。
【0083】
上記の説明は、1つ以上のプロセス又は装置又は構成の実施例を提供するが、その他のプロセス又は装置又は構成が、添付の特許請求の範囲の範囲内であり得ることが理解されよう。
【0084】
任意の技術、先行技術又はその他に関して(本特許、あるいは親特許、兄弟特許、若しくは子特許を含む任意の関連する特許出願又は特許において)以前に行なわれた、任意の補正、特徴決定、又はその他の表明が、本出願の本開示によって支持される任意の主題の棄権として解釈され得る範囲において、本出願人は、このような棄権を本明細書において取り消して撤回するものとする。出願人はまた、任意の親特許、兄弟特許、又は子特許を含む任意の関連する特許出願又は特許において、以前に考慮された任意の先行技術が再照会される必要があり得ることを、謹んで提起する。