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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/844 20230101AFI20250106BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250106BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 50/858 20230101ALI20250106BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20250106BHJP
【FI】
H10K50/844
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/30 309
H10K77/10
H10K59/123
H10K59/131
H10K50/84
H10K50/858
H10K59/35
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022207588
(22)【出願日】2022-12-23
(65)【公開番号】P2023099327
(43)【公開日】2023-07-12
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192487
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0151938
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ジョンモ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ユリ
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-134153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0127231(US,A1)
【文献】特開2021-107918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/844
G09F 9/30
H10K 77/10
H10K 59/123
H10K 59/131
H10K 50/84
H10K 50/858
H10K 59/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配置される表示領域、前記表示領域の一方側から延びて曲げられたベンディング領域及び前記ベンディング領域から延びる第1非表示領域を備える非表示領域を含む基板、
前記基板上で前記複数の画素それぞれに対応して配置される複数のトランジスタ及び複数の発光素子、
前記複数の発光素子上に配置され、第1無機封止層、有機封止層及び第2無機封止層を含む封止部、
前記第1非表示領域に配置され、前記表示領域に信号を伝達するデータ駆動部を含み、
前記基板は前記ベンディング領域で曲げられて前記第1非表示領域は前記表示領域の下に配置され、
前記第1無機封止層は、前記データ駆動部と重畳する第1領域、及び前記第1領域を除く領域であり、前記第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含む、表示装置。
【請求項2】
前記第1領域の面積は、前記第2領域の面積より小さい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1領域の面積は、前記表示領域の面積の25%以下である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1領域の屈折率は、1.85~2.00である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1領域の面積は、前記データ駆動部の面積より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1領域と前記第2領域は別個の層に構成されて前記第1領域と前記第2領域との間には界面が存在する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
映像が表示される表示領域、前記表示領域を囲む非表示領域及び前記非表示領域から延びたベンディング領域を含む表示パネル、
前記表示領域に配置される複数の発光素子、
前記複数の発光素子上に配置される第1無機封止層、
前記第1無機封止層上に配置される有機封止層、
前記有機封止層上に配置される第2無機封止層、及び
前記ベンディング領域と連結されて前記表示パネルの背面に配置され、前記表示パネルに信号を伝達するデータ駆動部を含み、
前記第1無機封止層は、前記データ駆動部と対応して配置される第1領域及び前記第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含む、表示装置。
【請求項8】
前記第1領域は、前記表示領域の面積の25%以下の面積で配置される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1領域は、1.85~2.00の屈折率を有する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1領域と前記第2領域はそれぞれ別に配置され、
前記第1領域と前記第2領域との間には界面が存在する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1領域は、前記データ駆動部の大きさより大きな面積に配置される、請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳細には、青色発光素子の寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、本格的な情報化時代に入るに伴い、電気的情報信号を視覚的に表示する表示装置分野が急速に発展しており、様々な表示装置に対して、薄型化、軽量化及び低消費電力化等の性能を開発させるための研究が続いている。
【0003】
代表的な表示装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device;LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display device;FED)、電気湿潤表示装置(Electro-Wetting Display device;EWD)及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device;OLED)等が挙げられる。
【0004】
この中で、有機発光表示装置を含む表示装置である電界発光表示装置は、自己発光型表示装置であって、液晶表示装置とは異なり別途の光源が不要であり、軽量薄型に製造が可能である。また、電界発光表示装置は、低電圧駆動により消費電力の側面で有利であるだけではなく、色相具現、応答速度、視野角(viewing angle)、明暗対比(Contrast Ratio;CR)にも優れており、多様な分野で活用が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、青色発光素子の寿命を向上させることで、ピンキッシュ(Pinkish)またはイエローイシュ(Yellowish)のような色変化不良を改善できる表示装置を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、発光効率が低下する領域を最小限に限定して青色発光素子の寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる表示装置を提供することである。
【0007】
本発明の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る表示装置は、複数の画素が配置される表示領域、前記表示領域の一方側から延びて曲げられたベンディング領域及び前記ベンディング領域から延びる第1非表示領域を備える非表示領域を含む基板、基板上で複数の画素それぞれに対応して配置される複数のトランジスタ及び複数の発光素子、複数の発光素子上に配置され、第1無機封止層、有機封止層及び第2無機封止層を含む封止部、第1非表示領域に配置され、表示領域に信号を伝達するデータ駆動部を含み、基板はベンディング領域で曲げられて第1非表示領域は表示領域の下に配置され、第1無機封止層は、データ駆動部と重畳する第1領域、及び第1領域を除く領域であり、第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含むことができる。
【0009】
本発明の他の実施例に係る表示装置は、映像が表示される表示領域、表示領域を囲む非表示領域及び非表示領域から延びたベンディング領域を含む表示パネル、表示領域に配置される複数の発光素子、複数の発光素子上に配置される第1無機封止層、第1無機封止層上に配置される有機封止層、有機封止層上に配置される第2無機封止層、及びベンディング領域と連結されて表示パネルの背面に配置され、表示パネルに信号を伝達するデータ駆動部を含み、第1無機封止層は、データ駆動部と対応して配置される第1領域及び第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含むことができる。
【0010】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、第1無機封止層の屈折率を高めて高温環境に脆弱な青色発光素子の寿命を向上させることができる。
【0012】
本発明は、他の色相の発光素子と青色発光素子の寿命差を補完することで、ピンキッシュまたはイエローイシュのような色変化不良を改善できる。
【0013】
本発明は、第1無機封止層の屈折率を上昇させた領域をデータ駆動部と重畳する領域に制限することで発光素子の発光効率が低下することを最小化することができる。
【0014】
本発明に係る効果は、以上において例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本発明内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】本発明の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。
図1b】本発明の一実施例に係る表示装置の第1無機封止層の平面図である。
図2a図1aのII-II’に沿った断面図である。
図2b】本発明の一実施例に係る表示装置のベンディング時の断面図である。
図3図1のIII-III’に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る表示装置と比較例の表示装置の青色発光素子の効率寿命をシミュレーションしたグラフである。
図5a】本発明の他の実施例に係る表示装置の一つの画素の拡大平面図である。
図5b図5aのVb-Vb’に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に制限されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0017】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、面積、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に制限されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0018】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0019】
素子または層が他の素子または層の「上(on)」と称されるものは、他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をいずれも含む。
【0020】
また、第1、第2等が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。従って、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0021】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0022】
図面で示された各構成の面積及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本発明は、示された構成の面積及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0023】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施してもよい。
【0024】
以下においては、図面を参照して、本発明について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る表示装置の概略的な平面図である。図1においては、説明の便宜のために、表示装置100の多様な構成要素のうち基板110、パッド部PAD、データ駆動部DD及び第1無機封止層141だけを示した。
【0026】
図1を参照すると、基板110は、表示領域AA及び非表示領域NAを含む。
【0027】
基板110は、表示装置100の様々な構成要素を支持するためのベース部材であり、絶縁物質で構成され得る。例えば、基板110は、ガラスまたはポリイミド等のようなプラスチック物質で構成され得る。
【0028】
表示領域AAは、画像を表示する領域であり、複数の画素Pが配置される。表示領域AAの複数の画素Pには、映像を表示するための発光素子及び発光素子を駆動するための駆動部が配置され得る。例えば、表示装置100が有機発光表示装置である場合、発光素子は、アノード、有機層及びカソードを含む有機発光素子であってよい。駆動部は、有機発光素子を駆動するための電源配線、ゲート配線、データ配線、トランジスタ、ストレージキャパシタ等のような多様な構成要素からなり得る。以下においては、説明の便宜のために、表示装置100が有機発光表示装置であると仮定するが、表示装置100は、有機発光表示装置に制限されるものではない。
【0029】
一方、表示領域AAの複数の画素Pそれぞれは、互いに異なる色を発光する3個以上のサブ画素を含むことができる。例えば、複数の画素Pそれぞれは、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素を含むことができる。そして、複数の画素Pそれぞれに配置される発光素子及びトランジスタは、赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素それぞれに対応して配置され得る。ただし、複数の画素Pそれぞれは、白色サブ画素をさらに含んでもよく、これに制限しない。一方、複数の画素Pに配置される赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素についての具体的な説明は、図5a乃至図5bを参照して後述する。
【0030】
非表示領域NAは、画像が表示されない領域であり、表示領域AAの表示素子を駆動するための多様な配線及び回路等が配置される。例えば、非表示領域NAには、データ駆動部DD、ゲート駆動部、リンク配線、パッド部PAD等が配置され得る。
【0031】
非表示領域NAは、表示領域AAから延びた領域であってよいが、これに制限されず、表示領域AAを囲む領域であってもよい。
【0032】
非表示領域NAは、第1非表示領域NA1、ベンディング領域BA及び第2非表示領域NA2を含む。第2非表示領域NA2は、表示領域AAから延びた領域である。ベンディング領域BAは、第2非表示領域NA2から延びた領域であり、曲げられ得る。第1非表示領域NA1は、ベンディング領域BAから延びた領域である。
【0033】
第1非表示領域NA1は、データ駆動部DD、パッド部PAD等が配置され得る。パッド部PADには、各種の信号配線やPCBと連結されるパッドが配置される。パッド部PADには、電源供給パッド、データパッド、ゲートパッド等が配置され得る。
【0034】
データ駆動部DDは、別途のPCB基板に実装または連結されてパッド部PADを通して表示パネルと連結される形態であるか、パッド部PADと表示領域AAとの間にCOP(Chip On Panel)形態に実装または連結され得る。データ駆動部DDは、少なくとも一つのソースドライブIC(Integrated Circuit)を含む。少なくとも一つのソースドライブICは、タイミングコントローラからデジタルビデオデータとソースタイミング制御信号の供給を受ける。少なくとも一つのソースドライブICは、ソースタイミング制御信号に応答してデジタルビデオデータをガンマ電圧に変換してデータ電圧を生成し、データ電圧を表示領域AAのデータ配線を通して供給する。
【0035】
ベンディング領域BAは、複数のベンディングパターンが配置される。ベンディング領域BAは、最終製品上で曲げられる領域であり、ベンディング領域BAが曲げられることでベンディング領域BAに配置されたベンディングパターンに集中する応力によるクラックが発生し得る。そこで、ベンディングパターンは、クラックを最小化するために特定形状のパターンになされ得る。例えば、ベンディングパターンは、ダイヤモンド形状、菱形状、ジグザグ形状、円形状のうち少なくとも一つの形状を有する導電パターンが繰り返して配置されたパターンであってよい。ベンディングパターンは、上述した形状の他にもベンディングパターンに集中した応力及びクラックを最小化するための他の形状であってよく、これに制限されない。
【0036】
第2非表示領域NA2は、ベンディング領域BAと表示領域AAとの間の領域であり、電源リンク配線、データリンク配線等のリンク配線が配置され得る。即ち、駆動部から出力された信号を表示領域AAに伝達できる役割を果たす。第2非表示領域NA2は、基板110が離型コーナー領域を含む場合、基板110及び表示領域AAの形状に対応する形状を有し得る。
【0037】
一方、図1aにおいては、基板110上に第1無機封止層141が配置され、第1無機封止層141が第1領域141R1及び第2領域141R2を含むものと示したが、第1無機封止層141の第1領域141R1及び第2領域141R2については、図1b乃至図3を参照してより詳細に後述する。
【0038】
まず、表示装置100の複数の画素Pについてのより詳細な説明のために図1b乃至図3を参照する。
【0039】
図1bは、本発明の一実施例に係る表示装置の第1無機封止層の平面図である。図2aは、図1のIIa-IIa’に沿った断面図である。図2bは、本発明の一実施例に係る表示装置のベンディング(曲げ)時の断面図である。図3は、図1のIII-III’に沿った断面図である。図1bにおいては、説明の便宜のために、表示装置の多様な構成要素のうち第1無機封止層141だけを示した。
【0040】
まず、図2a及び図2bを参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、ベンディング領域BAが曲げられることで、データ駆動部DDが表示領域AAの下に配置され得る。具体的に、第1非表示領域NA1に配置され、表示領域AAに信号を伝達するデータ駆動部DDが配置された第1非表示領域NA1がベンディング領域BAで曲げられることで、第1非表示領域NA1及びデータ駆動部DDは、表示領域AAの下に配置され得る。
【0041】
このとき、第1無機封止層141の第1領域141R1は、データ駆動部DDと重畳するように配置される。ただし、これについての具体的な説明は後述する。
【0042】
次に、図3を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100は、トップエミッション(top emission)方式の表示装置であり、基板110、バッファ層111、トランジスタ120、ゲート絶縁層112、層間絶縁層113、パッシベーション層114、第1平坦化層115、連結電極190、第2平坦化層116、バンク117、発光素子130及び封止部140を含むことができる。このとき、トランジスタ120及び発光素子130は、表示部DPと称され得る。即ち、表示部DPは、トランジスタ120及び発光素子130を含むことができる。
【0043】
基板110は、表示装置100の多様な構成要素を支持することができる。基板110は、ガラス、またはフレキシビリティ(flexibility)を有するプラスチック物質からなり得る。基板110がプラスチック物質からなる場合、例えば、ポリイミド(PI)からなってもよい。
【0044】
バッファ層111は、基板110上に配置され得る。バッファ層111は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層またはこれらの多重層になされ得る。バッファ層111は、バッファ層111上に形成される層と基板110間の接着力を向上させ、基板110から流出されるアルカリ成分等を遮断する役割等を果たすことができる。
【0045】
トランジスタ120は、バッファ層111上に配置され得る。トランジスタ120は、アクティブ層121、ゲート電極124、ソース電極122及びドレイン電極123を含むことができる。ここで、画素回路の設計によって、ソース電極122がドレイン電極になり得、ドレイン電極123がソース電極になり得る。バッファ層111上には、トランジスタ120のアクティブ層121が配置され得る。
【0046】
アクティブ層121は、ポリシリコン、非晶質シリコン、酸化物半導体等のような多様な物質からなり得る。アクティブ層121は、トランジスタ120の駆動時、チャネルが形成されるチャネル領域、チャネル領域の両側のソース領域及びドレイン領域を含むことができる。ソース領域は、ソース電極122と連結されたアクティブ層121の部分を意味し、ドレイン領域は、ドレイン電極123と連結されたアクティブ層121の部分を意味する。
【0047】
トランジスタ120のアクティブ層121上にゲート絶縁層112が配置され得る。ゲート絶縁層112は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層またはこれらの多重層に構成され得る。ゲート絶縁層112には、トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123それぞれがトランジスタ120のアクティブ層121のソース領域及びドレイン領域それぞれに連結されるためのコンタクトホールが形成され得る。
【0048】
ゲート絶縁層112上にトランジスタ120のゲート電極124が配置され得る。ゲート電極124は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、ニッケル(Ni)、及びネオジム(Nd)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層に形成され得る。ゲート電極124は、トランジスタ120のアクティブ層121のチャネル領域と重畳されるようにゲート絶縁層112上に形成され得る。
【0049】
ゲート絶縁層112及びゲート電極124上に層間絶縁層113が配置され得る。層間絶縁層113は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層またはこれらの多重層に構成され得る。層間絶縁層113には、トランジスタ120のアクティブ層121のソース領域及びドレイン領域を露出させるためのコンタクトホールが形成され得る。
【0050】
層間絶縁層113上には、トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123が配置され得る。
【0051】
トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123は、ゲート絶縁層112及び層間絶縁層113に形成されたコンタクトホールを通してトランジスタ120のアクティブ層121と連結され得る。従って、トランジスタ120のソース電極122は、ゲート絶縁層112及び層間絶縁層113に形成されたコンタクトホールを通してアクティブ層121のソース領域と連結され得る。そして、トランジスタ120のドレイン電極123は、ゲート絶縁層112及び層間絶縁層113に形成されたコンタクトホールを通してアクティブ層121のドレイン領域と連結され得る。
【0052】
トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123は、同じ工程により形成され得る。そして、トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123は、同じ物質で形成され得る。トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層に形成され得る。
【0053】
ソース電極122及びドレイン電極123上にソース電極122及びドレイン電極123を保護するためのパッシベーション層114が配置され得る。パッシベーション層114は、パッシベーション層114の下部の構成を保護するための絶縁層である。例えば、パッシベーション層114は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層に構成され得るが、これに制限されない。また、パッシベーション層114は、実施例によって省略されてもよい。
【0054】
第1平坦化層115は、トランジスタ120及びパッシベーション層114上に配置され得る。図3に示されたように、第1平坦化層115には、ドレイン電極123を露出させるためのコンタクトホールが形成され得る。第1平坦化層115は、トランジスタ120の上部を平坦化するための有機物質層であってよい。例えば、第1平坦化層115は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)等の有機物質で形成され得る。しかし、これに限定されることはなく、第1平坦化層115は、トランジスタ120を保護するための無機物質層であってよい。例えば、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)等の無機物質で形成され得る。第1平坦化層115は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)の単一層またはこれらの多重層に構成され得る。
【0055】
連結電極190は、第1平坦化層115上に配置され得る。そして、連結電極190は、第1平坦化層115のコンタクトホールを通してトランジスタ120のドレイン電極123と連結され得る。連結電極190は、トランジスタ120と発光素子130を電気的に連結する役割を果たすことができる。例えば、連結電極190は、トランジスタ120のドレイン電極123と発光素子130の第1電極131を電気的に連結する役割を果たすことができる。連結電極190は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、ニッケル(Ni)、及びネオジム(Nd)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層に形成され得る。連結電極190は、トランジスタ120のソース電極122及びドレイン電極123と同じ物質で形成され得る。
【0056】
第2平坦化層116は、連結電極190及び第1平坦化層115上に配置され得る。そして、図3に示されたように、第2平坦化層116には、連結電極190を露出させるためのコンタクトホールが形成され得る。第2平坦化層116は、トランジスタ120の上部を平坦化するための有機物質層であってよい。例えば、第2平坦化層116は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、及びポリイミド樹脂(polyimide resin)等の有機物質で形成され得る。
【0057】
複数の画素Pそれぞれで、発光素子130は、第2平坦化層116上に配置され得る。発光素子130は、アノードである第1電極131、発光層132、及びカソードである第2電極133を含むことができる。発光素子130の第1電極131は、第2平坦化層116上に配置され得る。第1電極131は、第2平坦化層116に形成されたコンタクトホールを通して連結電極190と電気的に連結され得る。従って、発光素子130の第1電極131は、第2平坦化層116に形成されたコンタクトホールを通して連結電極190と連結されることで、トランジスタ120と電気的に連結され得る。
【0058】
アノードである第1電極131は、透明導電膜及び反射効率の高い不透明導電膜を含む多層構造に形成され得る。透明導電膜としては、インジウム-ティン-オキサイド(ITO)またはインジウム-ジンク-オキサイド(IZO)のような仕事関数値が比較的に大きな材質からなり得る。そして、不透明導電膜としては、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉛(Pb)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)またはこれらの合金を含む単層または多層構造になされ得る。例えば、第1電極131は、透明導電膜、不透明導電膜、及び透明導電膜が順次に積層された構造に形成され得る。しかし、これに限定されることはなく、透明導電膜及び不透明導電膜が順次に積層された構造にも形成され得る。
【0059】
第1電極131及び第2平坦化層116上には、バンク117が配置され得る。バンク117には、第1電極131を露出するための開口部が形成され得る。バンク117は、表示装置100の発光領域を定義できるので、画素定義膜ともいえる。
【0060】
第1電極131上には、発光層132が配置される。発光層132は、複数の有機物質層が積層されてなる有機層に配置される構成であってよい。
【0061】
具体的に、発光素子130の有機層は、第1電極131上に正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子ブロッキングレイヤー(EBL)、発光層(EML、132)、電子輸送層(ETL)及び電子注入層(EIL)の順に、または逆順に積層されて形成され得る。この他にも、有機層は、電荷生成層を挟んで対向する第1及び第2有機層を備えてもよい。この場合、第1及び第2有機層のいずれか一つの発光層は、青色光を生成し、第1及び第2有機層のうち残りの一つの発光層は、黄色-緑色光を生成することで、第1及び第2有機層を通して白色光が生成され得る。有機層で生成された白色光は、有機層の上部に位置するカラーフィルタに入射してカラー映像を具現できる。この他にも、別途のカラーフィルタなしに各有機層で各サブ画素に該当するカラー光を生成してカラー映像を具現することもできる。例えば、赤色サブ画素の有機層は赤色光を、緑色サブ画素の有機層は緑色光を、青色サブ画素の有機層は青色光を生成することもできる。
【0062】
発光層132上には、カソードである第2電極133がさらに配置され得る。表示装置100がトップエミッション方式の表示装置であるので、第2電極133は、非常に薄い厚さの金属物質からなるか、透明な導電性物質からなり得る。発光素子130の第2電極133は、発光層132を挟んで第1電極131と対向するように発光層132上に配置され得る。本発明の一実施例に係る表示装置100において、第2電極133は、カソード電極であってよい。第2電極133上には、水分浸透を抑制する封止部140がさらに配置され得る。
【0063】
封止部140は、第1無機封止層141、有機封止層142、及び第2無機封止層143を含むことができる。封止部140の第1無機封止層141は、第2電極133上に配置され得る。そして、有機封止層142は、第1無機封止層141上に配置され得る。また、第2無機封止層143は、有機封止層142上に配置され得る。封止部140の第1無機封止層141及び第2無機封止層143は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)等の無機物質で形成され得る。封止部140の有機封止層142は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、及びポリイミド樹脂(polyimide resin)等の有機物質で形成され得る。
【0064】
また、図1a乃至図2bを参照すると、第1無機封止層141は、第1領域141R1及び第2領域141R2を含むことができる。
【0065】
第1領域141R1は、データ駆動部DDと重畳する領域であり、第1無機封止層141で屈折率が向上した領域であってよい。
【0066】
図1bを参照すると、第1領域141R1の面積は、第2領域141R2の面積より小さくてよい。第1領域141R1の面積は、表示領域AAの面積の25%以下であってよい。
【0067】
第2領域141R2は、第1無機封止層141で第1領域141R1を除く領域であり、前記第1領域141R1より低い屈折率を有し得る。即ち、第2領域141R2は、一般的な第1無機封止層141の屈折率を有し得る。
【0068】
例えば、一般的な第1無機封止層141である第2領域141R2の屈折率が1.84であるとき、第1領域141R1の屈折率は、1.85~2.00であってよい。好ましくは、第1領域141R1の屈折率は、1.89であってよい。
【0069】
第1領域141R1と第2領域141R2の形成方法は、例えば、第1領域141R1と第2領域141R2が別個の層に構成されてそれぞれパターニングされ得る。そこで、第1領域141R1と前記第2領域141R2との間には、界面が存在してもよいが、これに制限しない。
【0070】
図4は、本発明の一実施例に係る表示装置と比較例の表示装置の青色発光素子の効率寿命をシミュレーションしたグラフである。図4において、X軸は、青色サブ画素の青色発光層を発光した時間(h)であり、Y軸は、青色発光層の効率寿命(%)である。このとき、比較例の表示装置は、第1無機封止層に第1領域より屈折率の低い第2領域だけが配置された従来の表示装置である。
【0071】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141に屈折率が向上した第1領域141R1が配置されることで、青色発光層の効率寿命が向上し得る。
【0072】
具体的に、図4を参照すると、比較例の表示装置と比較して本発明の一実施例に係る表示装置100での青色発光素子、即ち、青色発光層の効率寿命がさらに高く測定されることが分かる。そこで、一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141に屈折率を向上させた第1領域141R1を配置することで、青色発光層の効率寿命が向上し得る。
【0073】
一方、このような結果は、第1無機封止層141の屈折率の変化によって光の経路が変わり、発光素子130の駆動時、最も脆弱な青色発光層の電子及び正孔の再結合領域(Recombination Zone)の最適な位置が移動するようになり、これによって青色発光層の効率寿命が増加するためであり得る。
【0074】
本発明の一実施例に係る表示装置100においては、青色発光素子の寿命を向上させることで、ピンキッシュ(Pinkish)またはイエローイシュ(Yellowish)のような色変化不良を改善できる。
【0075】
従来の表示装置においては、他の色相の発光素子と比較して相対的に低い寿命を有する青色発光素子によって、青色発光素子の寿命が最も早く尽きて表示装置にピンキッシュまたはイエローイシュのような色変化不良が発生し得た。
【0076】
そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141に屈折率の高い第1領域141R1を配置することで、光の経路を変化させ、そこで青色発光層の効率寿命を増加させることができる。これによって、高温環境に脆弱な青色発光素子の寿命を向上させることができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、青色発光素子の寿命を向上させることで、ピンキッシュ(Pinkish)またはイエローイシュ(Yellowish)のような色変化不良を改善できる。
【0077】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141の屈折率を上昇させた領域を最小限に限定して青色発光素子の寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる。
上述したように、第1無機封止層141の屈折率を増加させる場合、青色発光素子の寿命が向上して色変化不良が改善され得るが、増加した第1無機封止層141の屈折率によって、表示装置100全体的に配置される発光素子130の発光効率は減少し得る。
【0078】
そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141で屈折率を上昇させた第1領域141R1を表示装置100の駆動時に最も多くの発熱が発生する位置であるデータ駆動部DDと重畳するように配置することで、高温環境で特に脆弱な青色発光素子の寿命低下を改善すると同時に他の領域の発光効率は低下させなくて済む。このとき、第1領域141R1の面積は、データ駆動部DDによる高温環境が造成される領域を十分にカバーできるようにデータ駆動部DDの面積より大きくなり得る。具体的に、第1無機封止層141で屈折率を上昇させた第1領域141R1をデータ駆動部DDと重畳する表示領域AAの25%以下の面積の領域に制限することで、第1領域141R1が配置されない領域では発光素子130の発光効率が低下することを最小化することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、第1無機封止層141の屈折率を上昇させた領域を最小限に限定して青色発光素子の寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる。
【0079】
以下においては、図5a乃至図5bを参照して、本発明の他の実施例に係る表示装置500について説明する。
【0080】
図5aは、本発明の他の実施例に係る表示装置の一つの画素の拡大平面図である。図5bは、図5aのVb-Vb’に沿った断面図である。図5a及び図5bの表示装置500は、図1a乃至図4の表示装置100と比べて第1無機封止層541の第1領域541R1が配置された位置のみが異なるだけで、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。図5aにおいては、説明の便宜のために、表示装置500の一つの画素Pに配置される多様な構成要素のうち第1無機封止層541だけを示した。
【0081】
図5a乃至図5bを参照すると、表示領域AAの複数の画素Pは、互いに異なる色を発光する3個以上のサブ画素をそれぞれ含む。具体的に、複数の画素Pは、赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG及び青色サブ画素SPBをそれぞれ含む。そして、発光素子130及びトランジスタ120は、赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG及び青色サブ画素SPBそれぞれに対応して配置され得る。
【0082】
図5aにおいては、表示装置500の一つの画素Pが赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG及び青色サブ画素SPBだけを含むものと示したが、一つの画素Pは、白色サブ画素をさらに含んでもよく、これに制限されない。また、図5aにおいては、赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG及び青色サブ画素SPBがいずれも矩形であり、並んで配置されたものと示したが、赤色サブ画素SPR、緑色サブ画素SPG及び青色サブ画素SPBの形状及び配置構造は、これに制限されない。
【0083】
図5bを参照すると、赤色サブ画素SPRには、赤色発光層132Rを含む赤色発光素子130Rが配置され、緑色サブ画素SPGには、緑色発光層132Gを含む緑色発光素子130Gが配置され、青色サブ画素SPBには、青色発光層132Bを含む青色発光素子130Bが配置される。そこで、赤色サブ画素SPRは、赤色光を発光するように構成され得、緑色サブ画素SPGは、緑色光を発光するように構成され得、青色サブ画素SPBは、青色光を発光するように構成され得る。
【0084】
図5bを参照すると、複数の発光素子130上に封止部540が配置される。封止部540は、第1無機封止層541、有機封止層142、及び第2無機封止層143を含むことができる。
【0085】
封止部540の第1無機封止層541は、複数の発光素子130の第2電極133上に配置され得る。そして、有機封止層142は、第1無機封止層541上に配置され得る。また、第2無機封止層143は、有機封止層142上に配置され得る。封止部540の第1無機封止層541及び第2無機封止層143は、窒化シリコン(SiNx)または酸化シリコン(SiOx)等の無機物質で形成され得る。封止部540の有機封止層142は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、及びポリイミド樹脂(polyimide resin)等の有機物質で形成され得る。
【0086】
第1無機封止層541は、第1領域541R1及び第2領域541R2を含むことができる。第1領域541R1の屈折率と第2領域541R2の屈折率は、互いに異なり得る。そして、第1領域は、一つの画素Pに配置された複数のサブ画素のうち一つのサブ画素と重畳するように配置され得る。
【0087】
具体的に、第1領域541R1は、青色サブ画素SPBと重畳する領域であり、第1無機封止層541で屈折率が増加した領域であってよい。第2領域541R2は、第1無機封止層541から第1領域541R1を除いた領域であり、第1領域541R1より低い屈折率を有し得る。即ち、第2領域541R2は、一般の第1無機封止層541の屈折率を有し得る。例えば、一般の第1無機封止層541である第2領域541R2の屈折率が1.84であるとき、第1領域541R1の屈折率は、1.85~2.00であってよい。さらに好ましくは、第1領域541R1の屈折率は、1.89であってよい。
【0088】
図5a及び図5bを参照すると、第1領域541R1は、青色サブ画素SPBと重畳するように配置される。そして、青色サブ画素と異なる色を発光する赤色サブ画素SPR及び緑色サブ画素SPGは、第1領域541R1を除いた領域である第2領域541R2と重畳するように配置される。即ち、第1領域541R1は、複数のサブ画素SPR、SPG、SPBのうち青色サブ画素SPBと重畳する領域にのみ配置され得る。
【0089】
第1領域541R1と第2領域541R2の形成方法は、例えば、第1領域541R1と第2領域541R2が別個の層に構成されてそれぞれパターニングされる方法により形成され得る。そこで、第1領域541R1と前記第2領域541R2との間には界面が存在してもよいが、第1領域541R1と第2領域541R2の形成方法は、これに制限されない。
【0090】
図5a及び図5bを参照すると、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の青色サブ画素SPBと重畳する領域に屈折率が増加した第1領域541R1が配置されることで、青色発光層132Bの効率寿命が向上し得る。
【0091】
具体的に、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、青色サブ画素SPBと重畳する領域の第1無機封止層541に屈折率が増加した第1領域541R1を配置して第1無機封止層541の屈折率が変化するにつれ光の経路もまた変化し得る。これによって、発光素子130の駆動時、最も脆弱な青色発光層132Bの電子及び正孔の再結合領域の最適な位置が移動するようになるので、青色発光層132Bの効率寿命もまた向上し得る。従って、本発明の他の実施例に係る表示装置500において第1無機封止層541の青色サブ画素SPBと重畳する領域に屈折率が増加した第1領域541R1が配置されることで、青色発光層132Bの効率寿命が向上し得る。
【0092】
本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の青色サブ画素SPBと重畳する領域のみ屈折率を増加させることで、ピンキッシュまたはイエローイシュのような色変化不良を改善できる。
【0093】
従来の表示装置においては、他の色相の発光素子と比べて相対的に低い寿命及び高温環境に脆弱な特性を有する青色発光素子によって、青色発光素子の寿命が最も早く尽きて表示装置にピンキッシュまたはイエローイシュのような色変化不良が発生する問題があった。
【0094】
そこで、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の青色サブ画素SPBと重畳する領域のみ屈折率の高い第1領域541R1を配置することで、光の経路を変化させて青色発光層132Bの効率寿命を増加させることができる。これによって、他の色相の発光素子130R、130Gと比べて相対的に低い寿命及び高温環境に脆弱な特性を有する青色発光素子130Bの寿命を向上させることができ、他の色相の発光素子130R、130Gと青色発光素子130Bの寿命差を補完できる。従って、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の青色サブ画素SPBと重畳する領域のみ屈折率を増加させることで、ピンキッシュまたはイエローイシュのような色変化不良を改善できる。
【0095】
また、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の屈折率を増加させた領域を最小限に限定して青色発光素子130Bの寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる。
【0096】
上述したように、第1無機封止層541の屈折率を増加させる場合、青色発光素子130Bの寿命が向上して色変化不良が改善され得るが、増加した第1無機封止層541の屈折率によって、表示装置500全体的に配置される発光素子130の発光効率は減少し得る。
【0097】
そこで、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541で屈折率を増加させた第1領域541R1を表示装置500の駆動時に他の色相の発光素子130と比べて相対的に低い寿命を有する青色発光素子130Bと重畳する領域にのみ配置することで、高温環境で特に脆弱で相対的に低い寿命を有する青色発光素子130Bの寿命低下を改善すると同時に他の領域の発光効率は低下させなくて済む。従って、本発明の他の実施例に係る表示装置500においては、第1無機封止層541の屈折率を増加させた領域を最小限に限定して青色発光素子130Bの寿命向上と同時に最適な発光効率を具現できる。
【0098】
本発明の多様な実施例に係る表示装置は、下記のように説明され得る。
【0099】
本発明の一実施例に係る表示装置は、複数の画素が配置される表示領域、前記表示領域の一方側から延びて曲げられたベンディング領域及び前記ベンディング領域から延びる第1非表示領域を備える非表示領域を含む基板、基板上で複数の画素それぞれに対応して配置される複数のトランジスタ及び複数の発光素子、複数の発光素子上に配置され、第1無機封止層、有機封止層及び第2無機封止層を含む封止部、第1非表示領域に配置され、表示領域に信号を伝達するデータ駆動部を含み、基板はベンディング領域で曲げられて第1非表示領域は表示領域の下に配置され、第1無機封止層は、データ駆動部と重畳する第1領域、及び第1領域を除く領域であり、第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含むことができる。
【0100】
本発明の他の特徴によれば、第1領域の面積は、第2領域の面積より小さくてよい。
【0101】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域の面積は、表示領域の面積の25%以下であってよい。
【0102】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域の屈折率は、1.85~2.00であってよい。
【0103】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域の面積は、データ駆動部の面積より大きくてよい。
【0104】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域と第2領域は別個の層に構成されて第1領域と第2領域との間には界面が存在し得る。
【0105】
本発明のまた他の特徴によれば、映像が表示される表示領域、表示領域を囲む非表示領域及び非表示領域から延びたベンディング領域を含む表示パネル、表示領域に配置される複数の発光素子、複数の発光素子上に配置される第1無機封止層、第1無機封止層上に配置される有機封止層、有機封止層上に配置される第2無機封止層、及びベンディング領域と連結されて表示パネルの背面に配置され、表示パネルに信号を伝達するデータ駆動部を含み、第1無機封止層は、データ駆動部と対応して配置される第1領域及び第1領域より低い屈折率を有する第2領域を含むことができる。
【0106】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域は、表示領域の面積の25%以下の面積で配置され得る。
【0107】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域は、1.85~2.00の屈折率を有し得る。
【0108】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域と第2領域はそれぞれ別に配置され、第1領域と第2領域との間には界面が存在し得る。
【0109】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域は、データ駆動部の大きさより大きな面積に配置され得る。
【0110】
本発明のまた他の特徴によれば、互いに異なる色を発光する3個以上のサブ画素をそれぞれ含む複数の画素が配置される表示領域及び表示領域を囲む非表示領域を含む基板、サブ画素それぞれに対応して配置される複数のトランジスタ及び複数の発光素子、及び複数の発光素子上に配置され、第1無機封止層、有機封止層及び第2無機封止層を含む封止部を含み、第1無機封止層は、互いに異なる色を発光する3個以上のサブ画素のいずれか一つのサブ画素と重畳する第1領域、及び第1領域を除いた領域であり、第1領域と異なる屈折率を有する第2領域を含むことができる。
【0111】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域と重畳するサブ画素は、青色を発光する青色サブ画素である。
【0112】
本発明のまた他の特徴によれば、青色サブ画素と異なる色を発光するサブ画素は、第1無機封止層の第2領域と重畳する。
【0113】
本発明のまた他の特徴によれば、第2領域の屈折率は、第1領域の屈折率より小さくてよい。
【0114】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域は、1.85~2.00の屈折率を有し得る。
【0115】
本発明のまた他の特徴によれば、第1領域と第2領域は、それぞれ別に配置され、第1領域と第2領域との間には、界面が存在し得る。
【0116】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b