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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】カプセルを製造するための機械
(51)【国際特許分類】
   B65B 29/02 20060101AFI20250106BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
B65B29/02
B65B1/30 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022507571
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 IB2020056567
(87)【国際公開番号】W WO2021024051
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】102019000013965
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】594073646
【氏名又は名称】イ.エンメ.ア.インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】バルディーニ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】リボラ,サウロ
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0233152(US,A1)
【文献】特表2015-509894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 29/02
B65B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するための機械であって、
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するためにそれぞれの所定の処理時間でそれぞれの処理を実行するように構成された複数の処理ステーション(2)と、
前記複数の処理ステーション(2)を通って延びる処理経路に沿って前記カプセル(C)を搬送するように構成された移動手段(3)と、
前記複数の処理ステーション(2)に沿って前記移動手段(3)を移動させるための、前記移動手段(3)と通信する制御ユニット(100)と、を備え、
前記移動手段(3)は、複数のユニット(4)と、前記処理経路に沿って延びる少なくとも1つのガイドレール(5)とを備え、
各ユニット(4)は、前記ガイドレール(5)と共にリニアタイプモータを規定し、
各ユニット(4)は、前記少なくとも1つのガイドレール(5)と磁気的に相互作用し、
前記複数の処理ステーションが、第1の処理時間(T1)を有する第1の処理ステーション(2a、2b、2c、2e)と、前記第1の処理時間(T1)よりも大きい第2の処理時間(T2)を有する第2の処理ステーション(2d)と、を備え、
前記制御ユニット(100)は、第1の所定の数の前記ユニット(4)を前記第1の処理ステーション(2a、2b、2c、2e)に供給し、第2の所定の数の前記ユニット(4)を前記第2の処理ステーション(2d)に供給するように、互いに独立して前記複数のユニット(4)を作動させるようにプログラムされており、
前記第2の所定の前記ユニット(4)の数は、前記第1の所定の前記ユニット(4)の数よりも大きく、
前記複数のユニット(4)の各々は、カップ形状を有する少なくとも1つのカプセル本体を収容するように構成され、
前記第1の処理ステーションは、前記粉末状の製品(R)をドージングして前記少なくとも1つのカプセル本体に前記粉末状の製品(R)を充填するためのドージングおよび充填ステーションを備え、前記第2の処理ステーションは、前記少なくとも1つのカプセル本体に閉鎖蓋を密封するための密封ステーションを備える、機械。
【請求項2】
前記ドージングおよび充填ステーションは、前記第1の処理時間(T1)に等しい処理時間を有し、前記密封ステーションは、前記第2の処理時間(T2)に等しい処理時間を有する、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記制御ユニット(100)は、前記第2の処理ステーション(2d)に、前記第1の処理ステーション(2a、2b、2c、2e)に供給される前記ユニット(4)の数の2倍の数のユニット(4)を供給するように、前記移動手段(3)を制御するように構成される、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記処理経路に対して前記第2の処理ステーションの上流に、処理されていない少なくとも1つのユニット(4)を収容するように構成された第1のバッファゾーンが存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記処理経路に対して前記第2の処理ステーションの下流且つ少なくとも第1の処理ステーション(2a、2b、2c、2e)の上流に、処理されていない少なくとも1つのユニット(4)を収容するための第2のバッファゾーンが存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
前記ガイドレール(5)は、前記処理経路に沿って前記複数の処理ステーション(2)に配置された外向きセクション(6)と、戻りセクション(7)と、を有する閉じた経路を規定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
前記移動手段(3)は、
前記複数のユニット(4)のための外向きセクション(6)を規定する第1のガイドレール(5a)であって、前記処理経路に沿って前記複数の処理ステーション(2)に配置される第1のガイドレール(5a)と、
前記複数のユニット(4)のための戻りセクション(7)を規定する第2のガイドレール(5b)と、
前記複数のユニット(4)を前記第1のガイドレール(5a)から前記第2のガイドレール(52)に、および前記第2のガイドレール(52)から前記第1のガイドレール(5a)に移動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータ装置(8)と、を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアクチュエータ装置(8)が、前記処理経路の初期セクションに配置された第1のロボットアーム(8a)と、前記処理経路の最終セクションに配置された第2のロボットアーム(8b)とを備える、請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記戻りセクション(6)は前記外向きセクション(6)の下に配置される、請求項6または7に記載の機械。
【請求項10】
前記複数のユニット(4)の各々は、複数の前記カプセル本体を収容するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の機械。
【請求項11】
粉末状の製品(R)を収容するカプセル(C)を製造するための方法であって、
一連のユニット(4)を、各ユニット(4)と共にリニアモータを規定するガイドレール(5)によって複数の処理ステーション(2)を通って延びる処理経路に沿って相互に独立した態様で搬送するステップであって、各ユニット(4)がカップ形状を有する少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように構成された、ステップと、
第1の処理ステーション(2a)において、少なくとも1つのカプセル本体を前記一連のユニット(4)の1つに配置するステップと、
第2の処理ステーション(2b)において、前記粉末状の製品(R)をドージングし、前記少なくとも1つのカプセル本体に前記粉末状の製品(R)を充填するステップと、
第3の処理ステーション(2c)において、閉鎖蓋を作成して、前記閉鎖蓋を前記粉末状の製品(R)で充填された前記少なくとも1つのカプセル本体に適用するステップと、
第4の処理ステーション(2d)において、前記少なくとも1つのカプセル本体に前記閉鎖蓋を密封するステップと、を含み、
前記第4の処理ステーション(2d)に供給されるユニット(4)の数は、前記第2の処理ステーション(2b)に供給されるユニット(4)の数よりも大きい、方法。
【請求項12】
前記複数の処理ステーション(2)の各々で処理を受けるユニット(4)の数が、前記複数の処理ステーション(2)の少なくとも別の1つの処理ステーション(2)で異なる処理を受けるユニット(4)の数とは異なり、当該処理ステーション(2)の所定の処理時間の関数として決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理経路の最終セクションで各カプセル本体を前記複数のユニット(4)から取り外すステップと、
前記複数のユニット(4)を前記処理経路の前記最終セクションから初期セクションに戻すステップと、を含む請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
第5の処理ステーション(2)において、前記カプセル本体の内側にインサート(I)を挿入するステップと、
第6の処理ステーション(2e)において、前記カプセル本体を計量するステップと、のうちの少なくとも一方のステップをさらに含む請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記インサート(I)はフィルタ材料で作られている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用(特に飲料用)の調製物の用量を収容する使い捨て容器、例えば、コーヒー、茶または他の抽出用の調製物のためのポッドまたはカプセルのパッケージングの技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための機械および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特に抽出飲料用の使い捨てカプセルおよびポッドの普及は、これらのタイプの製品の使用の単純さ、利便性および速度のおかげで継続的に拡大しており、当該製品は、職場環境での使用の効率および速度について特に高く評価されており、家庭環境でもますます使用されている。
【0004】
したがって、需要の高まりにより、特に完成品の製造に必要な処理時間の短縮に関して、製造プロセスを継続的に最適化する必要がある。
【0005】
従来技術の製造プラントでは、製造中のカプセルは、一連の処理ステーションを通って移動し、一連の処理ステーションの各々は、例えば、カプセル内への製品の挿入、さらなる要素の導入、閉鎖カバーの適用などの、特定の手順を実行するように設計されている。
【0006】
実行され得る様々な可能な処理プロセスから、それらの各々が他のプロセスの時間と必ずしも一致しない特定の時間を必要とし得ることは明らかである。したがって、カプセルを製造するために設計された機械の内部には、カプセルの処理に他のステーションよりも時間がかかるステーションが存在することは避けられない。
【0007】
上記は、より遅いステーションが特定の数のカプセルを処理する時間に、より速いステーションがより多くのカプセルを処理することを意味し、したがって、カプセルを受け取りすぎるより遅いステーションへの送り込みでボトルネックが発生するので、製造速度が低下する、または停止状態で待機している間に少なすぎるカプセルを受け取るより速いステーションに辛うじて必要条件を満たす供給を生成するので、機械時間、つまり生産性が無駄になる。
【発明の概要】
【0008】
この文脈において、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上記の欠点の少なくともいくつかを克服する、カプセルを製造するための機械および方法を提案することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、ステーションが処理できる正確な数のカプセルの各ステーションへの供給をいつでも保証するように、様々なステーションを通過する処理経路に沿ってカプセルを移動させる処理をより効率的にさせることができる、カプセルを製造するための機械および方法を提供することである。
【0010】
示された技術的目的および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、カプセルを製造するための機械および方法によって実質的に達成される。
【0011】
本発明は、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための機械であって、粉末状の製品を収容するカプセルをそれぞれの所定の処理時間で製造するためのそれぞれの処理を実行するように構成された複数の処理ステーションと、複数の処理ステーションを通って延びる処理経路に沿ってカプセルを搬送するように構成された移動手段とを備える、機械を説明する。
【0012】
移動手段は、各々が少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計された複数のユニットと、処理経路に沿って延び且つ各ユニットと共にリニアタイプモータを規定する少なくとも1つのガイドレールとを備える。
【0013】
有利なことに、各ユニットとガイドレールとの間に存在する特定のタイプのカップリングは、個々のユニットが効率的に且つ互いに独立して移動することを可能にする。
【0014】
本発明はまた、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための方法であって、一連のユニットを相互に独立した態様で搬送することを含み、一連のユニットの各々は、各ユニットと共にリニアタイプモータを規定するガイドレールを使用して、複数の処理ステーションを通って延びる処理経路に沿って少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計されている、方法に関する。
【0015】
好ましくは、方法はまた、
第1の処理ステーションにおいて少なくとも1つのカプセル本体をユニットに配置することと、
第2の処理ステーションにおいて粉末状の製品をドージングして粉末状の製品を少なくとも1つのカプセル本体に挿入することと、
第3の処理ステーションにおいて閉鎖カバーを作成して閉鎖カバーをカプセル本体に適用することと、
第4の処理ステーションにおいてカプセル本体に閉鎖蓋を密封することと、を含む。
【0016】
有利なことに、本明細書の方法に記載されるステップは、カプセルを個々の処理ステーションに供給する処理を最適化することを可能にし、ボトルネックの発生を防ぎ、各処理ステーションには、当該処理ステーションが処理可能な正確な数のカプセルが供給されることをいつでも保証し、機械時間を無駄にすることなく高品質基準を維持し、つまり、生産性を最大化する。
【0017】
参照のために本明細書に組み込まれる従属請求項は、本発明の異なる実施形態に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、添付の図面に示されるように、カプセルを製造するための機械の好ましいが非排他的な実施形態を参照して、以下の非限定的な説明においてより明白である。
図1】本発明による機械および/または方法を使用して処理することができるカプセルを示す。
図2】可能な実施形態によるカプセルを製造するための機械を示す。
図3】さらなる可能な実施形態によるカプセルを製造するための機械を示す。
図4A-4F】本発明によるカプセルを製造するための方法のいくつかの可能な実行ステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面において、数字1は概して、粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造するための機械を示し、当該機械は、以下に単に機械1として示される。
【0020】
本発明による機械は、複数の処理ステーション2と、様々な処理ステーション2を介した処理の間にカプセル「C」を搬送するように構成された移動手段3とを備える。
【0021】
例として、カプセル「C」は、金属材料、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金を成形することによって作られたカプセル本体を備えてもよい。
【0022】
(非限定的な例としてカプセルを示す)図1に見られるように、カプセル「C」は、実質的に円錐台形な中空の回転固体の形状を有してもよく、底部に配置された頂部(vertex)とわずかなテーパとを有し、円形のベース「B」によって底部で閉じられ、上部に円形の開口部「A」を備え、水平に横たわる円形クラウンによって規定されるエッジ壁「P」を備える。
【0023】
より一般的に言えば、本発明は、図示されていないタイプであっても、任意のタイプのカプセルに適用可能であることに留意されたい。
【0024】
1つまたは複数のインサート「I」をカプセル「C」の内部に挿入することもできる。
【0025】
一般に、複数の処理ステーション2は、それぞれの所定の処理時間で粉末状の製品「R」を収容するカプセル「C」を製造することを目的としたそれぞれの処理を実行するように構成される。
【0026】
言い換えれば、各処理ステーション2は、相対的な処理時間によって特徴付けられ、これは、少なくとも1つの他の処理ステーション2の処理時間とは異なる可能性があり、当該処理ステーション2が実行するように設計された処理の持続時間を特定し、したがって、カプセル「C」が正しく処理されるために保持される必要がある時間を特定する。
【0027】
例えば、機械1は複数の処理ステーション2を備えてもよく、複数の処理ステーション2は、カプセル本体をそれぞれのユニット4に供給するように構成された供給ステーションと、粉末状の製品「R」がドーズされ且つカプセル本体の内部に導入されるドージングおよび充填ステーションと、閉鎖カバーを作るためのステーションと、カバーがカプセル本体に安定して固定される密封ステーションと、の少なくとも1つを含む。
【0028】
複数の処理ステーション2はまた、定性的チェックが、製造されたまたは製造中のカプセル「C」に対して実行され得る少なくとも1つの計量ステーション、および/または、例えばフィルタリング材料で作られたインサートなどのインサート「I」をカプセル本体に適用するように構成された少なくとも1つの挿入ステーションを備えてもよい。
【0029】
他方、移動手段3は、複数の処理ステーション2を通って延びる処理経路に沿ってカプセル「C」を搬送するように構成されている。
【0030】
換言すれば、処理経路は、各カプセル「C」が様々な処理ステーション2に、または様々な処理ステーション2の内部に搬送され、当該処理ステーションがカプセルに対して作用することを可能にするように、機械1において延びる。
【0031】
構造的に、移動手段3は、各々が少なくとも1つのカプセル本体「C」を受け入れるように設計された複数のユニット4と、処理経路に沿って延びる少なくとも1つのガイドレール5とを備える。
【0032】
特に、各ユニット4は、ガイドレール5と共にリニアタイプモータを形成している。
【0033】
第1の実施形態によれば、ガイドレール5は、モータの固定子を規定し、それは、例えば、磁化可能な一連の電気素子(電磁石)で作ることができ、一方、各ユニット4は1つまたは複数の磁石(永久磁石)を備える。
【0034】
ガイドレール5の磁化可能な一連の電気素子(電磁石)は、ファラデーの法則に従って、誘導磁場に反発することによって作用する電流をユニット4の磁石に誘導する磁場を生成するように構成される。
【0035】
代替の実施形態によれば、ガイドレール5は、例えば、リング、ソレノイド、または単純な金属片などの一連の固定導電素子で作られてもよく、一方、各ユニット4は、ファラデーの法則に従って、誘導磁場に反発することによって作用する電流をガイドレール5の導体に誘導する磁場を生成するように構成された1つまたは複数の電磁石を含む。
【0036】
この相互作用は、処理経路に沿ってユニット4を動かすことを可能にする力を生成する。
【0037】
したがって、有利には、各ユニット4は、独立して制御され得る。各ユニット4は、ガイドレール5と共に独立した且つ自律したリニアモータを規定し、当該リニアモータが、したがって、移動手段3の一部を形成する他のユニット4の動きによって制約されることなく移動することができるからである。
【0038】
図2に概略的に示される第1の可能な実施形態によれば、ガイドレール5は、処理経路に沿って複数の処理ステーション2に面する外向きセクション6および戻りセクション7を有する閉じた経路を規定する。
【0039】
好ましくは、戻りセクション7は、スペースの使用を最適化し、ガイドレールの全体寸法を減少させるように、前方セクション6の下に配置される。
【0040】
あるいは、戻りセクション7を前方セクション6と並べて、またはいずれの場合でも前方セクション6と同じ位置に配置することが可能である。
【0041】
このようにして、カプセル本体が機械1のすべての処理ステーション2を通過し、カプセル「C」を製造する処理が完了すると、それぞれのユニット4からカプセルを抽出して、当該ユニット4を機械1によって処理されるさらなるカプセル本体を受け入れることできる、処理経路の開始場所に戻すことが可能である。
【0042】
図3に概略的に示される第2の可能な実施形態によれば、移動手段3は、ユニット4の前方セクション6を規定する第1のガイドレール5aと、ユニット4の戻りセクション7を規定する第2のガイドレール5bとを備える。
【0043】
特に、第1のガイドレール5aは、処理経路に沿って複数のステーション2に配置され、第2のガイドレール5bは、第1のガイドレール5aに、好ましくはその下に、配置される。
【0044】
この場合もまた、第2のガイドレール5bを単に第1のガイドレール5aと並べて配置する、またはいずれの場合でも同じ位置に配置することにより、戻りセクション7を前方セクション6と並べて配置することが可能である。
【0045】
この態様によれば、移動手段3はまた、ユニット4を第1のガイドレール5aから第2のガイドレール5bに、および第2のガイドレール5bから第1のガイドレール5aに移動するように構成された少なくとも1つのアクチュエータ装置8を備える。
【0046】
特に、少なくとも1つのアクチュエータ装置8は、ユニット4が戻りセクションに沿って移動できるように、処理経路全体を通過したユニット4および機械1の一部を形成する様々な処理ステーション2のすべての処理を経たそのカプセル本体を第1のガイドレール5aから第2のガイドレール5bに移動させるように設計されている。
【0047】
少なくとも1つのアクチュエータ装置8はまた、前方セクションであって、これに沿ってユニット4が機械1のすべての様々な処理ステーションを通過する前方セクションにユニット4を供給するように、ユニット4を第2のガイドレール5bから第1のガイドレール5aに移動させるように構成される。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つのアクチュエータ装置8は、第1のガイドレール5aの初期セクションおよび第2のガイドレール5bの最終セクションと一致する処理経路の初期セクションに配置された第1のロボットアーム8aと、第1のガイドレール5aの最終セクションおよび第2のガイドレール5bの初期セクションと、前述の理由によって、一致する同処理経路の最終セクションに配置された第2のロボットアーム8bとを備える。
【0049】
特に、ロボットアーム8a、8bは、ユニット4に係合してユニット4を把持し、次にそれらを動かして一方のガイドレールから他方のガイドレールに移すことができるマニピュレータを備える。
【0050】
さらに、機械1は、各ユニット4に接続され且つ動作を制御するためにそれらに対して動作している制御ユニット100であって、例えば、それらの各々が生成することができる磁場(すなわち、それらに作用する磁場)を変調するために制御ユニット100を備える。
【0051】
本発明の一態様によれば、制御ユニット100は、各処理ステーション2にそれぞれの所定の数のユニット4を供給するように、それらに同時に同一の処理を受けさせることができるように、各ユニット4を作動させるように構成されている。
【0052】
換言すれば、制御ユニット100は、各処理ステーション2が、それが処理するように設計されたユニットの数を正確に受け取ることができるように、ユニット4の動きを制御する。
【0053】
特に、各処理ステーション2に供給される所定のユニット4の数は、特定の処理ステーション2の処理時間の関数として、および/またはそれが同時に処理できるカプセル「C」の数の関数として決定される。
【0054】
このように、各ステーションは、所与の時間間隔で作用できる正確な数のユニット4を入力として受け取り、ボトルネックの発生または機械時間の浪費を回避するので、処理プロセス全体を最適化することが可能である。
【0055】
例えば、制御ユニット100は、機械1の他の処理ステーション2の処理時間よりも長い処理時間を有する処理ステーション2に、他の各処理ステーション2に供給されるよりも多くのユニット4を供給するように構成されてもよい。
【0056】
したがって、より一般的に言えば、ユニット4は、様々な処理ステーション2の間でセクションに沿って可変速度で移動される。
【0057】
このようにして、所与の時間間隔において、より遅い処理ステーション2は、より速い処理ステーション2のカプセルの数に等しい数のカプセル「C」を処理することができる。
【0058】
したがって、より速い処理ステーション2では、カプセル「C」の処理は、主に順次に行われ、すなわち、それらは例えば一度に単一のユニット4を処理し、より遅いステーションでは、処理は主に並行して行われ、すなわち、それらは一度に複数のユニット4を処理し、処理ステーション4の特定の処理時間に比例して数を増加させる。
【0059】
有利なことに、本発明は、個々のユニット4(および、したがって、所定の数のカプセル「C」)を自律的に且つ特に効率的に移動させることができる、したがって、処理することができる正確な数のカプセル「C」を各処理ステーション2に選択的に供給することができる、カプセルを製造するための機械をユーザに提供することによって、従来技術の欠点を克服する予め設定された目的を達成する。
【0060】
これは、処理ステーション2への入口でのボトルネックの発生、または十分なカプセル「C」が所定の処理ステーション2に供給されない、それによって機械時間を浪費する状況の発生を防止する。
【0061】
本発明はまた、粉末状の製品を収容するカプセルを製造するための方法であって、好ましくは、上記のように製造された機械1を使用して実施することができる方法に関する。
【0062】
方法は、相互に独立した態様で一連のユニット4を搬送することを含み、一連のユニット4の各ユニット4は、少なくとも1つのカプセル本体を受け入れるように設計されている。
【0063】
特に、一連のユニットは、一連のユニット4の各々と共同してリニアタイプモータを規定するガイドレール5を使用して、複数の処理ステーション2を通って延びる処理経路に沿って運ばれる。
【0064】
次に、処理経路に沿って、一連のユニット4は、カプセル「C」を製造するためにカプセル本体を処理できるように、様々な処理ステーション2を通過させられる。
【0065】
特に、カプセル「C」の製造は、第1の処理ステーション2a内のユニット4に少なくとも1つのカプセル本体を配置することによって始まる。
【0066】
続いて、第2の処理ステーション2bにおいて、粉末状の製品「R」がドーズされ、少なくとも1つのカプセル本体が粉末状の製品「R」で満たされる。
【0067】
言い換えれば、第2の処理ステーション2bにおいて、それが含まなければならない製品は、正しい量の粉末状の製品「R」が使用されることを確実にするようにドーズされた後、カプセル本体の内部に導入される。
【0068】
一方、第3の処理ステーション2cでは、カプセル本体を閉じるためのカバーが作られ、それがカプセル本体に適用される。
【0069】
最後に、第4の処理ステーション2dにおいて、閉鎖蓋がカプセル本体に密封される。
【0070】
一実施形態によれば、カプセル本体を閉鎖するためのカバーの作製およびカプセル本体への適用、並びにカプセル本体へのカバーの関連する密封は、単一の(同一の)ステーションで起こり得ることに留意されたい。
【0071】
言い換えれば、この実施形態では、第3の処理ステーション2cおよび第4のステーション2dは、同一のステーションに共にグループ化され得る。
【0072】
方法はまた、特定の実施形態を必要とする特定のカプセル「C」を製造することを目的としたさらなる種々のステップを含んでもよい。
【0073】
例えば、方法は、添付の図面に示されていない第5の処理ステーションでカプセル本体内にインサート「I」、好ましくはフィルタ材料で作られたインサートを挿入するステップを含んでもよい。
【0074】
さらに、カプセル「C」が正しく製造され、製品が効果的に販売され得ることをチェックするために、正しい量の粉末状の製品がカプセル本体内に挿入されていること、またはその他の異常が発生していないこと(インサート、閉鎖カバーの適用の失敗、またはその誤った適用)をチェックするように、第6の処理ステーション2eにおいてカプセル本体を計量することが可能である。
【0075】
1つまたは複数の処理ステーション2が一致すること、したがって、1つまたは複数の動作が、一の動作と次の動作との間でユニット4を移動させる必要なしに実行されることも可能である。
【0076】
特に、計量が行われる第6のステーション2eは、その作業プロセスが、その終了時にすぐさま、正しく行われることをチェックするように、別の処理ステーション2の内部に形成されることが可能である。
【0077】
一般に、各処理ステーション2への入口に供給されるユニット4の数は、少なくとも別の処理ステーション2への入口に供給されるユニット4の数とは異なる。
【0078】
換言すれば、方法は、移動手段3を使用して、各処理ステーション2への入口に、所定の処理時間の関数として様々な処理ステーション2の間で異なる特定の数のユニット2を供給することを含む。
【0079】
特に、好ましくは、各処理ステーション2に供給されるユニットの数は、それぞれの処理時間の持続時間に正比例する。したがって、処理時間がより長いことを特徴とする処理ステーション2は、処理時間がより短いことを特徴とする処理ステーション2よりも多くのユニット4を入口で受け取ることになる。
【0080】
さらに、各処理ステーション2で処理を受けるユニット4の数は、少なくとも1つの他の処理ステーション2で異なる処理を受けるユニット4の数とは異なってもよい。
【0081】
供給処理に関して説明されていることと同様に、所与の処理ステーション2内で所与の瞬間に処理を受けるユニット4の数は、それぞれの所定の処理時間の関数として確立される。
【0082】
換言すれば、より遅い処理ステーション2は、より多くの数のユニット2を同時に処理することによって処理時間の長い持続期間を相殺し、一方、より速い処理ステーション2は、例えば、一連のユニット4を順番に個別に処理する。
【0083】
(各ステーションのサイクル時間に基づいて)各処理ステーションで同時に処理されるユニット4がいくつあってもよいことに留意されたい。
【0084】
例えば、非限定的な例として、第2のステーション2bおよび第3のステーション2cは、それぞれ同時に2つのユニット4を処理することができ、一方、第4のステーション2dは、3つのユニットを処理することができる。
【0085】
製造プロセスが完了すると、方法は、製造されたばかりのカプセル「C」を、例えば、カプセル「C」をパッケージングするためのプロセスなど、下流のさらなるプロセスに供給することができるように、処理経路の最終セクションで、ユニット4から各カプセル本体を取り外すことを含む。
【0086】
次に、カプセル本体が抽出されたユニット4は、その後、処理経路の最終セクションから、好ましくは第1の処理ステーション2aに配置される初期セクションに運ばれる。
【0087】
図4A-4Fは、本発明による方法の可能な動作構成のいくつかの連続する時間間隔を概略的に示している。
【0088】
特に、図4A-4Bは各々、第1、第2、第3および第6の処理ステーション2a、2b、2c、2eが、示される時間間隔に等しい所定の処理時間でそれぞれの処理を実行することができる別個の連続する時間間隔を表す一方、閉鎖カバーがカプセル本体に密封されるステーションに対して提案された例に対応する第4の処理ステーション2dは、示される時間間隔の2倍に等しい所定の処理時間でその処理プロセスを実行することができる。
【0089】
図4Aでは、第1の3つの処理ステーション2a、2bおよび2cはそれぞれ、第1のユニット4a、第2のユニット4b、および第3のユニット4cであって、そこに含まれるカプセル本体の各々に作用する第1のユニット4a、第2のユニット4b、および第3のユニット4cを処理している。
【0090】
図4Bでは、第1のユニット4aは第4の処理ステーションの入口を待ち、第2および第3のユニット4b、4cは両方ともそれぞれの後続の処理ステーション2b、2cに供給され、第4のユニット4dが第1の処理ステーション2aの入口に供給される。
【0091】
図4Cでは、第1および第2のユニット4a、4bは、それらを処理するために他の処理ステーション2の2倍の時間がかかる第4の処理ステーション2dに供給され、同時に、第3および第4のユニット4c、4dは両方とも、それらが図4Bに示される状況にあったものに対して次の処理ステーション2b、2cに供給されている。
【0092】
図4Dでは、第4の処理ステーション4dは、第1および第2のユニット4a、4bを処理するためのプロセスを仕上げているのに対し、第3のユニット4cはその入口で待機しており、第4のユニット4dは第3の処理ステーション4cによって処理される。
【0093】
図4Eでは、第1および第2のユニット4a、4bが第4の処理ステーション2dから抽出され、それぞれ第6の処理ステーション4e内に移動され、その入口で待機し、一方、第3および第4のユニット4c、4dは、第4の処理ステーション2d内で同時に処理され始める。
【0094】
最後に、図4Fでは、第1のユニット4aが製造プロセスを完了しており、その結果、それぞれのカプセル本体を抽出することができ、その後、ユニット4aは処理経路の開始地点に移動されることになる。
【0095】
同時に、第2のユニット4bは第6の処理ステーション内で処理され、第3および第4のユニット4c、4dは第4の処理ステーション2d内で処理され終わる。
【0096】
別の態様によれば、前記処理経路に対して前記第2の処理ステーションの上流には、処理されていない少なくとも1つのユニット4を収容するように構成された第1のバッファゾーンが存在する。
【0097】
さらに別の態様によれば、前記処理経路に対して前記第2の処理ステーションの下流および少なくとも第1の処理ステーション2a、2b、2c、2eの上流には、処理されていない少なくとも1つのユニット4を収容するための第2のバッファゾーンが存在する。
【0098】
有利なことに、本発明は、特に様々な処理ステーション2の機械時間の使用に関して、利用可能な資源の管理を最適化することを可能にする、カプセルを製造するための方法をユーザに提供することによって、従来技術の欠点を克服する予め設定された目的を達成する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F