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特許7612713無線通信システムにおいてDAPSハンドオーバー設定時にLBT失敗指示子を処理する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてDAPSハンドオーバー設定時にLBT失敗指示子を処理する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/02 20090101AFI20250106BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20250106BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20250106BHJP
   H04W 72/54 20230101ALI20250106BHJP
【FI】
H04W36/02
H04W16/14
H04W56/00 130
H04W72/54 110
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022564473
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2021004989
(87)【国際公開番号】W WO2021215814
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0048450
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055488
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒュク・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】アニル・アギワル
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/136458(WO,A2)
【文献】Qualcomm Incorporated,Discussion regarding NR-U handover[online],3GPP TSG RAN WG4 #94_e R4-2002132,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_94_e/Docs/R4-2002132.zip>,2020年02月14日,[検索日 2024.11.26]
【文献】Ericsson,Open issues for user plane aspects of DAPS handover[online],3GPP TSG RAN WG2 #109bis-e R2-2002590,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_109bis-e/Docs/R2-2002590.zip>,2020年04月09日,[検索日 2024.11.26]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムで端末によって行われる方法において、
ソース基地局から、前記ソース基地局に対する一貫した(consistent)上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを受信する段階と、
前記ソース基地局から、ターゲット基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを受信し、前記第2メッセージは同期再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報、及び少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを設定する第3情報を含む、段階と、
前記ハンドオーバーに関連した手続きを行う間、前記第1情報に基づいて前記ソース基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗を検出する段階と、
前記第3情報及び前記検出に基づき、前記ソース基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信を中断する段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記ソース基地局との連結を解除する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ソース基地局と関連した全てのDRBのうち少なくとも1つのDRBは、前記第3情報に基づいて前記少なくとも1つのDAPSベアラーとして設定され、
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局で用いられる端末の識別子及び前記ハンドオーバーのために用いられるタイマーの長さ情報を含み、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージは、RRC(radio resource control)シグナリングによって受信される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局と関連したCFRA(contention free random access)のための設定をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
タイマーが動作中である場合、前記ターゲット基地局に対する一貫した上りリンクLBT失敗の確認が省略される、請求項3記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムでソース基地局によって行われる方法において、
端末に、前記ソース基地局に対する一貫した(consistent)上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを送信する段階と、
前記端末に、ターゲット基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを送信し、前記第2メッセージは同期再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報、及び少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを設定する第3情報を含む、段階と、を含み、
前記ソース基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗は、前記ハンドオーバーに関連した手続きを行う間、前記第1情報に基づいて検出され、前記検出に対する応答として、前記ソース基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信が中断される、方法。
【請求項7】
前記端末との連結は解除される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ソース基地局と関連した全てのDRBのうち少なくとも1つのDRBは、前記第3情報に基づいて前記少なくとも1つのDAPSベアラーとして設定され、
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局で用いられる端末の識別子及び前記ハンドオーバーのために用いられるタイマーの長さ情報を含み、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージは、RRC(radio resource control)シグナリングによって受信される、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局と関連したCFRA(contention free random access)のための設定をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムの端末において、前記端末は、
送受信機と、
制御部と、を含み、前記制御部は、
ソース基地局から、前記ソース基地局に対する一貫した(consistent)上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを受信し、
前記ソース基地局から、ターゲット基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを受信し、前記第2メッセージは同期再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報、及び少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを設定する第3情報を含み、
前記ハンドオーバーに関連した手続きを行う間、前記第1情報に基づいて前記ソース基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗を検出し、
前記第3情報及び前記検出に基づき、前記ソース基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信を中断するよう設定された、端末。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ソース基地局との連結を解除するようさらに設定された、請求項10記載の端末。
【請求項12】
前記ソース基地局と関連した全てのDRBのうち少なくとも1つのDRBは、前記第3情報に基づいて前記少なくとも1つのDAPSベアラーとして設定され、
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局で用いられる端末の識別子及び前記ハンドオーバーのために用いられるタイマーの長さ情報を含み、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージは、RRC(radio resource control)シグナリングによって受信される、請求項10記載の端末。
【請求項13】
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局と関連したCFRA(contention free random access)のための設定をさらに含む、請求項12記載の端末。
【請求項14】
タイマーが動作中である場合、前記ターゲット基地局に対する一貫した上りリンクLBT失敗の確認が省略される、請求項12記載の端末。
【請求項15】
無線通信システムのソース基地局において、前記ソース基地局は、
送受信機と、
制御部と、を含み、前記制御部は、
端末に、前記ソース基地局に対する一貫した(consistent)上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを送信し、
前記端末に、ターゲット基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを送信し、前記第2メッセージは同期再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報、及び少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを設定する第3情報を含み、
前記ソース基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗は、前記ハンドオーバーに関連した手続きを行う間、前記第1情報に基づいて検出され、前記検出に対する応答として、前記ソース基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信が中断される、よう設定された、ソース基地局。
【請求項16】
前記端末との連結は解除される、請求項15記載のソース基地局。
【請求項17】
前記ソース基地局と関連した全てのDRBのうち少なくとも1つのDRBは、前記第3情報に基づいて前記少なくとも1つのDAPSベアラーとして設定され、
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局で用いられる端末の識別子及び前記ハンドオーバーのために用いられるタイマーの長さ情報を含み、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージは、RRC(radio resource control)シグナリングによって受信される、請求項15記載のソース基地局。
【請求項18】
前記同期再設定のための前記第2情報は、前記ターゲット基地局と関連したCFRA(contention free random access)のための設定をさらに含む、請求項17記載のソース基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線通信システムにおいて、より具体的には3GPP(登録商標)5G NR(new radio)技術を非免許帯域で用いる場合に、DAPS(dual active protocol stack)ハンドオーバー(handover;HO)が設定されてソース基地局及びターゲット基地局と同時に通信をしながらハンドオーバーする間に上りリンクLBT(listen-before-talk)失敗(LBT failure)を感知し復旧する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4G通信システムの商用化の以来、増加の一途にある無線データトラフィック需要を満たすために、改善された5G通信システム又はpre-5G通信システムを開発するための努力がなされている。このような理由で、5G通信システム又はpre-5G通信システムは4Gネットワーク以後(Beyond 4G Network)通信システム又はLTEシステム以後(Post LTE)システムと呼ばれている。高いデータ送信率を達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(例えば、60ギガ(60GHz)帯域のような)での具現が考慮されている。超高周波帯域での電波の経路損失緩和及び電波の伝達距離増加のために、5G通信システムでは、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO)、全次元多重入出力(Full Dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビーム形成(analog beam-forming)、及び大規模アンテナ(large scale antenna)技術が論議されている。また、システムのネットワーク改善のために、5G通信システムでは、進化した小型セル、改善された小型セル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network:cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、機器間通信(Device to Device communication:D2D)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協力通信(cooperative communication)、CoMP(Coordinated Multi-Points)、及び受信干渉除去(interference cancellation)などの技術開発がなされている。その他にも、5Gシステムでは、進歩したコーディング変調(Advanced Coding Modulation:ACM)方式であるFQAM(Hybrid FSK and QAM Modulation)及びSWSC(Sliding Window Superposition Coding)と、進歩した接続技術であるFBMC(Filter Bank Multi Carrier)、NOMA(non-orthogonal multiple access)、及びSCMA(sparse code multiple access)などが開発されている。
【0003】
一方、インターネットは、人間が情報を生成して消費する人間中心の連結網から、モノなどの分散された構成要素の間で情報をやり取りして処理するIoT(Internet of Things、モノのインターネット)網へと進化しつつある。クラウドサーバーなどとの連結を用いたビッグデータ(Big data)処理技術などがIoT技術に結合したIoE(Internet of Everything)技術も台頭している。IoTを具現するためには、センシング技術、有無線通信及びネットワークインフラ、サービスインターフェース技術、及び保安技術のような技術要素が要求され、最近ではモノ間の連結のためのセンサーネットワーク(sensor network)、モノの通信(Machine to Machine,M2M)、MTC(Machine Type Communication)などの技術が研究されている。IoT環境では、連結されたモノ間で生成されたデータを収集、分析して人間の生活に新しい価値を創出する知能型IT(Internet Technology)サービスを提供することが可能である。IoTは、既存のIT(information technology)技術と様々な産業との融合及び複合によってスマートホーム、スマートビル、スマートシティ、スマートカー或いはコネクテッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマート家電、先端医療サービスなどの分野に応用可能である。
【0004】
そこで、5G通信システムをIoT網に適用するための様々な試みがなされている。例えば、センサーネットワーク(sensor network)、モノの通信(Machine to Machine,M2M)、MTC(Machine Type Communication)などの技術が、5G通信技術であるビームフォーミング、MIMO及びアレイアンテナなどの技法によって具現されている。前述したビッグデータ処理技術としてクラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN)が適用されることも、5G技術及びIoT技術の融合の一例であるといえよう。
【0005】
上の情報は、本開示の理解を助けるための背景情報としてのみ提供される。上の内容のいずれにも、本開示と関連して先行技術として適用可能であるかに対する決定又は主張がなされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DAPSハンドオーバー時に、非免許帯域において他の機器の干渉による上りリンク送信失敗の問題を処理する方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面は、少なくとも上に言及された問題及び/又は欠点を扱い、少なくとも下に説明される利点を提供する。したがって、本開示の一側面は、DAPSハンドオーバー中に非免許帯域において他の装置の干渉による上りリンク送信失敗の問題を処理する方法を提供する。
【0008】
本開示によれば、通信システムにおいて端末によって行われる方法は、第1基地局から、前記第1基地局に対する一貫した上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを受信する段階;前記第1基地局から、同期化による再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報を含む、第2基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを受信する段階;及び、少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを構成する第3情報が前記第2メッセージに含まれ、前記第1情報に基づいて、前記第1基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗の指示(indication)が、前記ハンドオーバーに関連した手続を行う間に識別される場合に、前記第1基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信を中断する段階を含むことができる。
【0009】
本開示によれば、通信システムにおいて第1基地局によって行われる方法は、端末に、前記第1基地局に対する一貫した上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを送信する段階;及び、前記端末に、同期化による再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報を含む、第2基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを送信する段階を含み、少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを構成する第3情報が前記第2メッセージに含まれ、前記第1情報に基づいて、前記第1基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗の指示(indication)が、前記ハンドオーバーに関連した手続が行われる間に識別される場合に、前記第1基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信が中断されてよい。
【0010】
本開示によれば、通信システムの端末は、送受信部;及び、前記送受信部と連結された制御部を含み、前記制御部は、第1基地局から、前記第1基地局に対する一貫した上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを受信し;前記第1基地局から、同期化による再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報を含む、第2基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを受信し;及び、少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを構成する第3情報が前記第2メッセージに含まれ、前記第1情報に基づいて、前記第1基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗の指示(indication)が、前記ハンドオーバーに関連した手続を行う間に識別される場合に、前記第1基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信を中断するように設定されてよい。
【0011】
本開示によれば、通信システムの第1基地局は、送受信部;及び、前記送受信部と連結された制御部を含み、前記制御部は、端末に、前記第1基地局に対する一貫した上りリンクLBT(listen before talk)失敗の検出に用いられる第1情報を含む第1メッセージを送信し;及び、前記端末に、同期化による再設定(reconfiguration with sync)のための第2情報を含む、第2基地局へのハンドオーバーのための第2メッセージを送信するように設定されてよく、ここで、少なくとも1つのDAPS(dual active protocol stack)ベアラーを構成する第3情報が前記第2メッセージに含まれ、前記第1情報に基づいて、前記第1基地局に対する前記一貫した上りリンクLBT失敗の指示(indication)が、前記ハンドオーバーに関連した手続が行われる間に識別される場合に、前記第1基地局と関連した全てのDRB(data radio bearer)のデータ通信が中断される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、非免許帯域においてDAPSハンドオーバー時にLBT障害発生による遅延を減少させることができる。
【0013】
本開示の他の側面、利点及び格別な特徴は、添付の図面と共に本開示の様々な実施例を掲示する次の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。
【0014】
本開示の一実施例の上述の及び他の側面、特徴及び利点は、添付の図面と共になされる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の説明のために参照されるNRシステムの構造を示す図である。
図2】本開示の説明のために参照されるLTE及びNRシステムにおいて無線プロトコル構造を示す図である。
図3】NRシステムにおいてビーム(beam)ベースの通信時に下りリンク及び上りリンクチャネルフレーム構造の例示図である。
図4】端末が基地局に競合ベースの4段階ランダムアクセスを行う手続を示す図である。
図5】LBT Type 1を説明する図である。
図6】LBT Type 2を説明する図である。
図7】端末が上りリンクLBT失敗問題を感知する場合に端末と基地局間の手続を示す図である。
図8A】ハンドオーバーを行う過程でDAPS(dual active protocol stack)を用いる過程を説明する図である。
図8B】ハンドオーバーを行う過程でDAPS(dual active protocol stack)を用いる過程を説明する図である。
図9】端末がDAPSハンドオーバー中にLBT失敗が感知された場合の端末の動作順序を示す図である。
図10】本開示の実施例に係る無線通信システムにおいて端末のブロック構成を示す図である。
図11】本開示の実施例に係る無線通信システムにおいて基地局のブロック構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面中、同一の参照番号は、同一又は類似の要素、特徴及び構造を示すために使われてよい。
【0017】
添付の図面を参照した次の説明は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されたような本開示内容の様々な実施態様の包括的な理解を助けるために提供される。ここには理解を助けるための様々な特定細部事項が含まれているが、これは単なる例示的なものとして見なされるべきである。したがって、本技術分野における通常の知識を有する者は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく本明細書に記述の様々な実施例の様々な変更及び修正が可能であることが認識できよう。また、明瞭さと簡潔さのために周知の機能及び構成に関する説明は省略されてよい。
【0018】
下記の説明及び特許請求の範囲に使われている用語及び単語は、辞書的な意味に限定されるものではなく、本発明の明確で且つ一貫した理解を可能にするために発明者が単に使用したものである。したがって、本発明の様々な実施例に関する次の説明は、添付する特許請求の範囲及びその均等物によって定義されたような本発明を制限するためのものではなく、単に例示の目的で提供されるということが当業者に明らかであろう。
【0019】
単数の表現は、文脈において明白に指示しない限り、複数の指示対象も含むものと理解すべきである。したがって、例えば、「構成要素表面」に対する言及は、その表面のうち1つ以上に対する言及を含む。
【0020】
以下の説明で使われる接続ノード(node)を識別するための用語、網客体(network entity)を表す用語、メッセージを表す用語、網客体間のインターフェースを表す用語、様々な識別情報を表す用語などは、説明の便宜のために例示されたものである。したがって、本開示が後述の用語に限定されるものではなく、同等な技術的意味を有する対象を表す別の用語が使われてもよい。
【0021】
以下、説明の便宜のために、本開示は、現存する通信標準のうち、3GPP(3rd Generation Partnership Project)団体で定義する最新の標準であるLTE及びNR規格で定義している用語及び名称を使う。ただし、本開示がそれらの用語及び名称によって限定されるものではなく、他の規格にしたがうシステムにも同一に適用されてよい。特に、本開示は、3GPP/NR(5世代移動通信標準)に適用可能である。
【0022】
図1は、本開示の説明のために参照されるNRシステムの構造を示す図である。
【0023】
図1を参照すると、前記無線通信システムは、複数の基地局(1-05)(1-10)(1-15)(1-20)、AMF(access and mobility management function)(1-25)、及びUPF(user plane function)(1-30)から構成される。ユーザ端末(user equipment;以下、UE又は端末)(1-35)は、基地局(1-05)(1-10)(1-15)(1-20)及びUPF(1-30)を介して外部ネットワークに接続する。
【0024】
前記基地局(1-05)(1-10)(1-15)(1-20)は、セルラー網の接続ノードであり、網に接続する端末に無線接続を提供する。すなわち、前記基地局(1-05)(1-10)(1-15)(1-20)は、ユーザのトラフィックをサービスするために、端末のバッファー状態、可用送信電力状態、チャネル状態などの状態情報をまとめてスケジュールし、前記端末とコア網(CN,core network;特に、NRのCNを5GCと称する。)間に連結を支援する。一方、通信において実際ユーザデータの送信と関連したユーザ平面(user plane,UP)と、連結管理などのような制御平面(control plane,CP)を区分して構成でき、同図で、gNB(1-05)(1-20)は、NR技術で定義したUP及びCP技術を用い、ng-eNB(1-10)(1-15)はたとえ5GCと連結されてはいるものの、LTE技術で定義したUP及びCP技術を用いる。
【0025】
前記AMF/SMF(1-25)は、端末に対する移動性管理機能に加えて、各種の制御機能を担当する装置であり、複数の基地局と連結され、UPF(1-30)は、データ送信を提供する一種のゲートウェイ装置である。
【0026】
図2は、本開示の説明のために参照されるLTE及びNRシステムにおいて無線プロトコル構造を示す図である。
【0027】
図2を参照すると、LTEシステムの無線プロトコルは、端末とENBにおいてそれぞれ、PDCP(packet data convergence protocol)(2-05)(2-40)、RLC(radio link control)(2-10)(2-35)、MAC(medium access control)(2-15)(2-30)からなる。PDCP(packet data convergence protocol)(2-05)(2-40)は、IPヘッダー圧縮/復元などの動作を担当し、無線リンク制御(radio link control;以下、RLCという。)(2-10)(2-35)は、PDCP PDU(packet data unit)を適切なサイズに再構成する。MAC(2-15)(2-30)は、1つの端末に構成された複数のRLC層装置と連結され、RLC PDUをMAC PDUに多重化し、MAC PDUからRLC PDUを逆多重化する動作を行う。物理層(2-20)(2-25)は、上位層データをチャネルコーディング及び変調し、OFDMシンボルとして無線チャネルで送信するか、無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを復調しチャネルデコーディングして上位層に伝達する働きをする。また、物理層においても追加の誤り訂正のために、HARQ(Hybrid ARQ)を用いており、受信端では、送信端から送ったパケットの受信有無を1ビットで送信する。これをHARQ ACK/NACK情報という。アップリンクデータ送信に対する下りリンクHARQ ACK/NACK情報は、LTEではPHICH(physical hybrid-ARQ indicator channel)のような物理チャネルを介して送信され、NRでは、下りリンク/上りリンクリソース割り当てなどが送信されるチャネルであるPDCCH(physical dedicated control channel)で当該端末のスケジューリング情報を用いて、再送信が必要であるか或いは新しい送信をすべきかが判断できる。これは、NRでは非同期HARQを適用するわけである。下りリンクデータ送信に対するアップリンクHARQ ACK/NACK情報は、PUCCH(physical uplink control channel)やPUSCH(physical uplink shared channel)のような物理チャネルを介して送信されてよい。前記PUCCHは一般に、後述するPCellの上りリンクで送信されるが、基地局は、端末が支援する場合、当該端末に、後述するSCellでさらに送信してもよく、これをPUCCH SCellと呼ぶ。
【0028】
同図に示してはいないが、端末と基地局のPDCP層の上位にはそれぞれRRC(radio resource control)層が存在し、前記RRC層は、無線リソース制御のために接続、測定関連設定制御メッセージを交換することができる。
【0029】
一方、前記PHY層は、1個或いは複数個の周波数/搬送波からなってよく、複数個の周波数を同時に設定して用いる技術を、搬送波集成技術(carrier aggregation;以下、CAと称する。)という。CA技術は、端末(或いは、user equipment,UE)と基地局(E-UTRAN NodeB,eNB)間の通信のために1つの搬送波のみを用いていたが、主搬送波と1個或いは複数個の副次搬送波をさらに用いることにより、副次搬送波の個数分だけ送信量を画期的に増やすことができる。一方、LTEでは、主搬送波を用いる基地局内のセルを主セル或いはPCell(primary cell)と称し、副次搬送波を用いる基地局内のセルを副セル或いはSCell(secondary cell)と称する。
【0030】
図3は、NRシステムにおいてビーム(beam)ベースの通信時に下りリンク及び上りリンクチャネルフレーム構造の例示図である。
【0031】
図3で、基地局(3-01)は、より広いカバレッジ或いは強い信号を送信するために、信号をビームの形態で送信する(3-11)(3-13)(3-15)(3-17)。したがって、セル内の端末(3-03)は、基地局の送信する特定ビーム(この例示図面ではビーム#1(3-13))を用いてデータを送受信しなければならない。
【0032】
一方、端末が基地局に連結されているか否かによって、端末の状態を休眠モード(RRC_IDLE)と連結モード(RRC_CONNECTED)の状態に分ける。したがって、休眠モード状態にある端末の位置は、基地局にとって分からない。
【0033】
仮に休眠モード状態の端末が連結モード状態に遷移しようとする場合、端末は、基地局の送信する同期化ブロック(synchronization signal block,SSB)(3-21)(3-23)(3-25)(3-27)を受信する。このSSBは、基地局の設定した周期によって周期的に送信されるSSB信号であり、それぞれのSSBは、主同期信号(primary synchronization signal,PSS)(3-41)、副同期信号(secondary synchronization signal,SSS)(3-43)、物理放送チャネル(physical broadcast channel,PBCH)に分けられる。
【0034】
この例示図面では各ビーム別にSSBが送信されるシナリオを仮定した。例えば、SSB#0(3-21)は、ビーム#0(3-11)を用いて送信し、SSB#1(3-23)は、ビーム#1(3-13)を用いて送信し、SSB#2(3-25)は、ビーム#2(3-15)を用いて送信し、SSB#3(3-27)は、ビーム#3(3-17)を用いて送信する場合を仮定した。この例示図面では休眠モードの端末がビーム#1に位置する状況を仮定したが、連結モードの端末がランダムアクセスを行う場合にも、端末はランダムアクセスを行う時点に受信されるSSBを選択する。
【0035】
したがって、同図では、ビーム#1で送信されるSSB #1を受信する。前記SSB #1を受信すると、端末は、PSS、SSSによって基地局の物理識別子(physical cell identifier,PCI)を取得し、PBCHを受信することによって、現在受信したSSBの識別子(すなわち、#1)、及び現在SSBを受信した位置が10msフレーム内でどの位置であるかに加えて、10.24秒の周期を有するSFN(system frame number)内でどのSFNにあるかが把握できる。また、前記PBCH内にはMIB(master information block)が含まれ、このMIBは、より詳細なセルの設定情報を放送するSIB1(system information block type 1)をどの位置で受信できるかを知らせる。SIB1を受信すると、端末は、当該基地局が送信する総SSBの個数が分かり、連結モード状態に遷移するためにランダムアクセスを行うことができる(より正確には、上りリンク同期化のために特殊に設計された物理信号であるプリアンブルを送信できる)PRACHオケージョン(physical random access channel occasion)の位置(この例示図面では、1msごとに割り当てられるシナリオを仮定:(3-30)から(3-39)まで)が把握できる。のみならず、前記情報に基づいて前記PRACHオケージョンのうちどのPRACHオケージョンがどのSSBインデックスにマップされるかが分かる。例えば、この例示図面では1msごとに割り当てられるシナリオを仮定し、また、PRACHオケージョン当たりに1/2個のSSBが割り当てられる(すなわち、SSB当たりに2個のPRACHオケージョンがある。)シナリオを仮定した。したがって、SFN値によって始まるPRACHオケージョンの開始からSSB別にそれぞれ2個ずつPRACHオケージョンが割り当てられるシナリオを示した。すなわち、(3-30)(3-31)はSSB#0のために割り当てられ、(3-32)(3-33)はSSB#1のために割り当てられるなどのシナリオである。全SSBへの設定後には、再び、最初のSSBのためにPRACHオケージョンが割り当てられる(3-38)(3-39)。
【0036】
したがって、端末は、SSB#1のためのPRACHオケージョン(3-32)(3-33)の位置を確認し、これによって、SSB#1に対応するPRACHオケージョン(3-32)(3-33)のうち、現在時点で最も早いPRACHオケージョンでランダムアクセスプリアンブルを送信する(例えば(3-32))。基地局はプリアンブルを(3-32)のPRACHオケージョンで受信したので、当該端末がSSB#1を選択してプリアンブルを送信したという事実がわかり、これによって、続くランダムアクセス時に当該ビームを通じてデータを送受信することができる。
【0037】
一方、連結状態の端末が、ハンドオーバーなどの理由で現在(ソース)基地局から目的(ターゲット)基地局に移動をする場合にも、端末はターゲット基地局にランダムアクセスを行い、上記のようにSSBを選択してランダムアクセスプリアンブルを送信する動作を行う。のみならず、ハンドオーバーする場合に、ソース基地局からターゲット基地局に移動するようにハンドオーバー命令が端末に送信され、このとき、前記メッセージには、ターゲット基地局でランダムアクセス時に使用できるようにターゲット基地局のSSB別に当該端末専用(dedicated)ランダムアクセスプリアンブル識別子が含まれてよい。このとき、基地局は(端末の現在位置などによって)全てのビームに対して専用ランダムアクセスプリアンブル識別子を割り当てるわけではなく、このため、一部のSSBには専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられないことがある(例えば、ビーム#2、#3にのみ専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられる)。仮に、端末がプリアンブル送信のために選択したSSBに専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられていないと、端末は、競合ベースのランダムアクセスプリアンブルを任意に選択してランダムアクセスを行うことができる。例えば、同図で、端末が最初には専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられていないビーム#1に位置してランダムアクセスを行ったが、失敗した後には再度、ランダムアクセスプリアンブル送信時に、専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられたビーム#3に位置して専用プリアンブル送信をするシナリオが可能である。ランダムアクセス、すなわち、1つのランダムアクセス手続においても、プリアンブル再送信が発生すると、各プリアンブル送信の度に、選択したSSBに専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられているか否かによって、競合ベースのランダムアクセス手続又は非競合ベースのランダムアクセス手続が行われてよい。
【0038】
図4は、端末が基地局に競合ベースの4段階ランダムアクセスを行う手続を示す図である。
【0039】
図4は、端末が基地局に初期接続、再接続、ハンドオーバー、その他にランダムアクセスが必要な様々な場合に行う競合ベースの4段階のランダムアクセス手続を示す図である。
【0040】
端末(4-01)は基地局(4-03)への接続のために、前述した図3によってPRACHを選択し、ランダムアクセスプリアンブルを当該PRACHで送信する(4-11)。前記PRACHリソースで1つ以上の端末が同時にランダムアクセスプリアンブルを送信する場合も発生し得る。前記PRACHリソースは、1サブフレームに亘っていてもよく、或いは1サブフレーム内の一部のシンボルのみが用いられてもよい。前記PRACHリソースに関する情報は、基地局のブロードキャストするシステム情報内に含まれてよく、よって、端末はどの時間周波数リソースでプリアンブルを送信しなければならないかが分かる。また、前記ランダムアクセスプリアンブルは、基地局と完全に同期する前に送信しても基地局にとって受信可能に特定のシーケンスに該当し、標準によって複数個のプリアンブル識別子(index)が存在してよい。仮に複数個のプリアンブル識別子が存在する場合、前記端末が送信するプリアンブルは、端末がランダムに選択したものであってもよく、或いは、基地局が指定した特定プリアンブルであってもよい。
【0041】
前記プリアンブルを基地局が受信した場合、それに対するランダムアクセス応答(random access reponse;以下、RARと称する。)メッセージを端末に送信する(4-21)。前記RARメッセージには、前記(4-11)段階で用いられたプリアンブルの識別子情報と上りリンク送信タイミング補正情報、以降の段階(すなわち、(4-31)段階)で用いる上りリンクリソース割り当て情報及び臨時端末識別子情報のうち少なくとも1つが含まれてよい。前記プリアンブルの識別子情報は、例えば(4-11)段階で複数個の端末が互いに異なるプリアンブルを送信してランダムアクセスを試みる場合に、前記RARメッセージがどのプリアンブルに対する応答メッセージであるかを知らせるために送信される。前記上りリンクリソース割り当て情報は、(4-31)段階で端末が用いるリソースの詳細情報であり、リソースの物理的位置及びサイズ、送信時に用いる変調及びコーディング方法(modulation and coding scheme,MCS)、送信時の電力調整情報のうち少なくとも1つが含まれてよい。前記臨時端末識別子情報は、仮にプリアンブルを送信した端末が初期接続をする場合に、端末は基地局との通信のために基地局から割り当てた識別子を保有しておらず、よって、基地局との通信に用いるように端末に送信される値である。
【0042】
前記RARメッセージは、前記プリアンブルを送信して所定の時間以後から始めて所定の期間内に送信される必要があり、この期間を「RARウィンドウ」という。前記RARウィンドウは、最初のプリアンブルを送信して所定の時間が過ぎた時点からRARウィンドウが始まる。前記所定の時間は、サブフレーム単位(1ms)或いはそれよりも小さい値を有してよい。また、RARウィンドウの長さは、基地局のブロードキャストするシステム情報メッセージ内で、基地局が各PRACHリソース別に或いは1つ以上のPRACHリソースセット(set)別に設定する所定の値であってよい。
【0043】
一方、前記RARメッセージが送信されるとき、基地局はPDCCHを介して当該RARメッセージをスケジュールし、当該スケジューリング情報は、RA-RNTI(random access-radio network temporary identifier)によってスクランブルされる。前記RA-RNTIは、前記(4-11)メッセージを送信するために用いたPRACHリソースとマップされ、特定PRACHリソースでプリアンブルを送信した端末は、当該RA-RNTIに基づいてPDCCH受信を試み、対応するRARメッセージがあるか否か判断する。すなわち、仮に、前記RARメッセージが、この例示図面のように、端末が(4-11)段階で送信したプリアンブルに対する応答である場合、このRARメッセージスケジューリング情報に用いられたRA-RNTIは、当該(4-11)送信に関する情報を含む。そのために、RA-RNTIは、プリアンブルが送信された時間リソース又は周波数リソース情報などに基づいて決定されてよく、例えば、下記の式で計算されてよい:
【0044】
[数1]
RA-RNTI = 1 + s_id + 14 × t_id + 14 × 80 × f_id + 14 × 80 × 8 × ul_carrier_id
【0045】
このとき、前記s_idは、前記(4-11)段階で送信したプリアンブル送信が始まった最初のOFDMシンボルに対応するインデックスであり、0≦s_id<14(すなわち、1スロット内の最大OFDM個数)値を有する。また、t_idは、前記(4-11)段階で送信したプリアンブル送信が始まった最初のスロットに対応するインデックスであり、0≦t_id<80(すなわち、1システムフレーム(10ms)内の最大スロット個数)値を有する。また、前記f_idは、前記(4-11)段階で送信したプリアンブルが、周波数上で何番目のPRACHリソースで送信されたかを示し、これは0≦f_id<8(すなわち、同一時間内に周波数上の最大PRACH個数)値を有する。また、前記ul_carrier_idは、1つのセルに対して上りリンクで2つの搬送波を用いる場合に、基本上りリンク(normal uplink,NUL)で前記プリアンブルを送信したか(この場合、0)、付加上りリンク(supplementary uplink,SUL)で前記プリアンブルを送信したか(この場合、1)を区分するための因子である。
【0046】
前記RARメッセージを受信した端末は、前記RARメッセージに割り当てられたリソースに、前述した様々な目的によって異なるメッセージを送信する(4-31)。この例示図面で3番目に送信されるメッセージは、Msg3とも呼ぶ(すなわち、(4-11)或いは(4-13)段階のプリアンブルをMsg1、(4-21)段階のRARをMsg2とも呼ぶ。)端末が送信する前記Msg3の例示としては、初期接続の場合に、RRC層のメッセージであるRRCConnectionRequestメッセージを送信し、再接続の場合に、RRCConnectionReestablishmentRequestメッセージを送信し、ハンドオーバー時には、RRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージが送信される。或いは、リソース要請のためのバッファー状態報告(Buffer Status Report,BSR)メッセージなどが送信されてもよい。
【0047】
その後、端末は、仮に初期送信であれば(すなわち、Msg3に、端末に既に割り当てられた基地局識別子情報が含まれていない場合など)、競争解消メッセージを基地局から受信する(4-41)。前記競争解消メッセージは、端末がMsg3で送信した内容がそのまま含まれており、仮に(4-11)又は(4-13)段階で同一のプリアンブルを選択した複数個の端末がある場合にも、どの端末に対する応答であるかを知らせることができる。
【0048】
一方、前記RAR或いはPDCCHを介してMsg3送信のために割り当てられる上りリンクが終わる時点(例えば、当該上りリンク後の最初OFDMシンボル)で競合解消タイマー(ra-ContentionResolutionTimer)を起動或いは再起動する。したがって、端末は、前記前記タイマーが満了するまで基地局からMsg4受信を試みて、仮にタイマーが満了するまでMsg4が受信されない場合、端末は競合解消に失敗したと判断し、プリアンブルを再送信する。
【0049】
一方、前述した5Gシステムは、非免許帯域で動作させるシナリオを考慮できる。非免許帯域とは、当該周波数において規制許容内で別の免許無しで誰でも自由に使用可能な周波数帯域を意味できる。例えば、2.4GHz或いは5GHz帯域などがあり、無線LAN及びブルートゥース(登録商標)などが当該周波数を用いて通信を行う。
【0050】
仮に前記非免許帯域で通信を行うためには、各国別に定められた規制にしたがってデータを送受信しなければならない。さらにいうと、前記規制にしたがって、通信機器が非免許帯域で送信をする前に、通信機器が、当該非免許帯域が他の通信機器によって占有されているかを「聞いて」把握し、空いていると判断される場合に「送信」を行わなければならない。このように、聞いて、空いている時に送信する方式を、LBT(Listen-Before-Talk)という。国及び非免許帯域別に前記LBTを行うべき規制が定められており、通信機器は、このような規制にしたがって、非免許帯域で通信する時にLBTを行う必要がある。
【0051】
前記LBTには、大きく、Type 1とType 2の種類がある。
【0052】
図5は、LBT Type 1を説明する図である。
【0053】
LBT Type 1は、送信前に、他の周辺機器が送信するかを聞く時間をランダムに定め、当該ランダムな時間の間にチャネルが空いている時に送信する方法である。このとき、固定された時間(T)でまず聞き、チャネルが空いている場合、再びランダムな時間(N)でチャネルが空いているかを判断する。
【0054】
この時、トラフィックの優先順位及び重要度などによって、前記T及びNの値をどのように決定するかを差等的に決定でき、本実施例では、総4個の差等的な等級を例に挙げた。前記等級を、チャネル接続優先順位等級(channel access priority class,CAPC)という。
【0055】
また、前記CAPCによって、T=16+m*9(μs)の時間長を有し、N=random(0,CW)*9(μs)を有し、CW値はCWmin,pから始めるが、送信に失敗する度に増え、最大CWmax,pの値を有する。例えば、CAPCが3である方式を用いてLBTを行う場合に、Tは、16+3*9=43μsの長さを有し、Nは、初期送信では、0から15の間のランダム値を選択し、仮に、例えば7を選択した場合、Nは7*9=63μsになり、通信機器は106μsの間にチャネルが空いている時にデータ(Data)を送信する。
【0056】
【表1】
【0057】
仮に前記の例示において(Nのために7を選択した場合)、チャネルが空いているか否かを判断する中間に(例えば、前記7のうち3だけが過ぎ、4だけが残った場合に)チャネルが他の機器によって占有されたと判断した場合(すなわち、受信した信号強度(RSSI)が所定の臨界値以上である場合)に、端末は、当該チャネル占有が終わるまで待った後、さらにTだけ待った後、前記残った4だけの時間の間にチャネルが空いているか否かを判断して送信を行う。前記表から分かるように、CAPCが低いLBT方式が、高い優先順位のトラフィックを送信する時に用いられてよい
【0058】
図6は、LBT Type 2を説明する図である。
【0059】
図6を参照すると、LBT Type 2は、送信前に他の周辺機器が送信するかを聞く時間が固定されており、したがって、当該固定された時間の間にチャネルが空いている時に直ちに送信する方法である。すなわち、この例示図面で、通信機器が、送信が必要な時にTshort(=T+T)間の固定された時間の間にチャネルを聞き(センシングし)、空いていると判断されると、直ちにデータを送信する方式である。これは、優先順位が非常に高い信号を送信する時に利用できるLBT方式である。したがって、図4で前述したランダムアクセスプリアンブル(図4の(4-11))及び前述したPUCCHなどは重要度の高い信号であり、よって、このLBT方式を用いて送信することができる。
【0060】
図7は、端末が上りリンクLBT失敗問題を感知する時の端末と基地局間の手続を示す図である。
【0061】
同図で、端末(7-01)は、非免許帯域で動作する基地局(7-03)に接続してRRC連結状態(RRC_CONNECTED)にある状況を仮定する。前記RRC連結状態で端末は基地局とデータ送受信を行うことができる。また、端末は基地局から、後述する上りリンクLBT問題検出と関連したパラメータの設定を、RRCReconfigurationメッセージ或いはSIB(システム情報)メッセージによって受信することができる。
【0062】
したがって、端末は、基地局からPDCCHを介して上りリンクリソースのスケジューリングを受けるか(7-13)、或いはランダムアクセス実行、PUCCHの送信、設定された上りリンクリソース(configured uplink grant)でのデータ送信などのために上りリンク送信を行うことができる。
【0063】
前述したように、非免許帯域でデータを送信する場合に、端末はLBT動作を行わなければならず、いかなる形態のLBTを行うべきかは、PDCCHに当該上りリンクリソース割り当て別に、或いは前記RRCメッセージ内に各論理チャネル別に設定され、実際に送信されるデータの属した論理チャネルのうち最も高い(或いは、最も低い)優先順位の設定によってLBTを行うことができる。
【0064】
したがって、端末が上りリンク送信時にLBT失敗によって送信を行うことができない場合に、端末は、LBT失敗感知のためのタイマー(lbt-FailureDetectionTimer)を起動させる。前記タイマーの長さは、前記RRCReconfigurationメッセージ或いはSIBメッセージによって設定されてよい。また、LBT失敗の度に(7-19)(7-21)、所定のカウンターを増加させ、タイマーを再起動する(7-17)。これは、前記タイマーの駆動中に、前記カウンターが、基地局が前記RRCReconfiguration或いはSIBメッセージによって設定した値(lbt-FailureInstanceMaxCount)に到達すると、端末がUL LBT問題が深刻であることを認知し、追加の動作を行うようにするためである。
【0065】
その後、タイマーが満了するまで、基地局が設定した値(例えば、4回)の失敗が発生しなかった場合、端末は、上りリンクLBT問題がそれ以上発生しないと判断し、前記カウンターを0に設定する(7-23)。
【0066】
また、他の例示として、端末が上りリンク送信時にLBT失敗によって送信を行うことができない場合(7-37)、タイマーを駆動させる(7-31)。その後、端末が上りリンク送信をさらに試みたが、続けてUL LBT問題によって送信に失敗し、失敗した回数が基地局が設定した回数(例えば、4回)分だけ発生した場合に、端末は、上りリンク送信に問題がある程度に上りリンクLBT問題が発生したことを認知し、当該問題を復旧するための追加の手続を行う(7-45)。前記追加の手続には、LBT failure MAC CEを送信する手続、及びSpCellである場合に、LBT失敗が発生していない他のSpCell内の他の帯域幅(bandwidth part,BWP)にスイッチするか、全てのBWPでLBT失敗が発生した場合に、端末のMAC層が上位層(RRC)に当該事実を知らせ、端末の上位層にして無線連結失敗(radio link failure,RLF)を宣言させることが含まれてよい。無線連結失敗が宣言されると、端末は、周辺のセルのうち、最も信号の強いセルを選択し、再び連結を再確立するように試みる(connection re-establishment)。
【0067】
図8A及び図8Bは、ハンドオーバーを行う過程でDAPS(dual active protocol stack)を用いる過程を説明する図である。
【0068】
一般のハンドオーバーを行うとき、端末は、前記ハンドオーバー設定情報を受信する際にソースセルとのデータ送受信を中止し、前記ハンドオーバー過程に成功した後にターゲットセルとデータ送受信を始める。したがって、前記データ送受信ができない時間区間である割り込み時間(interruption time)が発生する。一方、端末が二重の活性プロトコルスタック(active protocol stack)を持っていれば、前記時間区間でソースセルとのデータ送受信をそのまま保持できる。本開示では、前記のような端末能力を考慮したハンドオーバーをDAPSハンドオーバーと称する。DAPSハンドオーバーが設定されると、端末は、DAPS動作が設定されたデータベアラーに属したデータに限って、ソースセルとターゲットセルから同時に下りリンクデータ受信が可能である。前記ベアラー(bearer)は論理的なデータ通路であり、データ種類によって異なる複数個のベアラーを基地局が設定でき、複数個のデータベアラーがある場合、基地局がベアラー別にDAPSを設定することができる。ただし、ソースセルとターゲットセルへの同時上りリンクデータ送信は、端末送信電力不足、信号干渉などの理由で、所定の条件を満たす時にのみ可能であってよい。例えば、端末複雑度を最小化するために、DAPSハンドオーバーが行われる間に、上りリンクデータ送信は1つのリンクのみ可能であり、データ送信がなされる上りリンクを特定時点でソースセルからターゲットセルにスイッチすることもできる。
【0069】
主要特定時点ごとに、ソースセル及びターゲットセルと対応する前記二重のプロトコルスタック(protocol stack)の活性状態と端末動作は異なる。
【0070】
図8Aを参照すると、ハンドオーバーが行われる前(8-05)に、端末はソースセルと対応するプロトコルスタックのみを用いる。
【0071】
DAPSハンドオーバー設定情報が端末に提供され、ターゲットセルにRACHが行われる前(8-10)に、端末は、RRCReconfigurationメッセージでDAPSハンドオーバー設定情報が提供されると、ターゲットセルと対応するプロトコルスタックを構成する。しかし、前記端末は依然として、ソースセルと対応するプロトコルスタックのみを用いる。一方、前記ターゲットセルと対応するプロトコルスタックは非活性状態であっても構わない。
【0072】
RACH実行区間で(8-15)、RACH動作が始まると、ターゲットセルと対応するプロトコルスタックにおいて少なくともPHY層とMAC層が活性化され、前記RACH動作を行う。この時、端末は、前記ソースセルとデータ送受信を相変らず保持する。
【0073】
8-20以後の段階は、図8Bで説明する。
【0074】
端末がターゲットセルにHO成功完了メッセージ(すなわち、RRC層のRRCReconfigurationCompleteメッセージ)を送信する時点(8-20)になると、前記端末は、ターゲットセルと対応するプロトコルスタックにおいて少なくともPHY層、MAC層、RLC層、PDCP層の一部機能が活性化され、シグナリング無線ベアラー(Signaling radio bearer)を介して送信される前記HO成功完了メッセージを処理できなければならない。前記端末は、少なくとも前記HO成功完了メッセージをターゲットセルに送信するまではソースセルに上りリンクデータを送信することができる。
【0075】
端末は、ターゲットセルからRARを受信した後(8-25)、前記二重の活性プロトコルスタックを全て活性化させる。前記端末は、RAR受信後に特定時点が渡来するまでソースセルとデータ送受信を保持する。一方、前記端末が前記ソースセルと下りリンクデータ受信を保持できる時点と上りリンクデータ送信を保持できる時点は異なることがある。前記端末は、HO成功完了メッセージをターゲットセルに送信するまでソースセルに上りリンクデータを送信できるが、下りリンクデータ受信はその後にも可能である。
【0076】
端末がソースセルを解除した後(8-30)、ソースセルと対応するプロトコルスタックも解除する。その後には、端末はターゲットセルと対応するプロトコルスタックのみを用いる。
【0077】
図9は、端末がDAPSハンドオーバー中にLBT失敗が感知された場合の端末の動作順序を示す図である。
【0078】
同図で、端末は、非免許帯域で動作する基地局に接続してRRC連結状態にある状況を仮定する。前記RRC連結状態で、端末は基地局とデータ送受信を行うことができる。端末は基地局から、後述する上りリンクLBT問題検出と関連したパラメータの設定を、RRCReconfigurationメッセージ或いはSIB(システム情報)メッセージによって受信することができる(9-03)。
【0079】
その後、端末は、基地局から、他の基地局に移動するハンドオーバーが命令されてよい(9-05)。前記ハンドオーバー命令は、RRC層のRRCReconfigurationメッセージ内にreconfigurationWithSyncフィールドが含まれている場合を意味できる。前記reconfigurationWithSyncフィールド内には、ターゲット基地局で用いる端末の識別子情報、及びハンドオーバー失敗を感知するために用いられるタイマー(T304)の長さ情報などが含まれてよい。また、ハンドオーバー手続のためにターゲット基地局に接続時に、ランダムアクセス手続の間に使用できる専用リソース(前述した専用ランダムアクセスプリアンブル)に関する情報も選択的に含まれてよい。
【0080】
一方、ハンドオーバー中に遅延を減らすために、基地局は端末に、前述したDAPS HOを指示できる。前記DAPS HOは、端末に設定されたデータベアラーのうち、daps-Configフィールドをtrueに設定したベアラーがある場合に限って実行される(9-07)。端末が非免許帯域で動作する場合に、或いはLBT失敗感知及び復旧関連設定が端末に設定された場合には、基地局が端末にDAPS HOを設定しないようにすることもできる。これは、基本的に非免許帯域での動作は、様々な理由で遅延が発生し得るだけに、ハンドオーバー遅延を減らすために用いられる前記DAPS HOのような機能を敢えて非免許帯域で使用することを防ぐためである。しかし、それにも拘わらず、本実施例ではハンドオーバー遅延を減らすためにDAPSハンドオーバーが設定される場合を仮定できる。
【0081】
したがって、仮にLBT失敗感知が設定された状態で、前記RRCReconfigurationメッセージ内にDAPS HO関連設定情報が含まれた場合には、端末は、ソース基地局とターゲット基地局でのLBT失敗感知による追加動作を行う(9-11)。
【0082】
例えば、DAPSハンドオーバー中にソース基地局で図7に記載の手続によって連続のLBT失敗が感知された場合に、端末は、ソース基地局とDAPS設定されたデータベアラーに対する送信を留保させ(suspend)、ソース基地局との連結を解除することができる。
【0083】
これを3GPPのRRC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのRRC規格の手続から変更された内容である。)。
【0084】
【表2】
【0085】
一方、ターゲット基地局でもDAPSハンドオーバー中にLBT失敗が発生することがある。したがって、ターゲット基地局で図7に記載の手続によって連続のLBT失敗が感知された場合、端末が利用可能な方法として下記のような方法を挙げることができる。
【0086】
第1の方法は、DAPS HO中にはターゲット基地局でのLBT失敗が感知されても無視し、一般ハンドオーバー失敗感知のために用いられるT304の満了を待つ方法である。
【0087】
第2の方法は、DAPS HO中にターゲット基地局でのLBT失敗が感知される場合に、端末はハンドオーバーに失敗したと見なし、ハンドオーバー失敗が発生した時に行う動作(すなわち、T304が満了するまでハンドオーバーが完了しない場合に行う動作)をあらかじめ行う。ハンドオーバーに失敗した時に行う動作には、ハンドオーバーのために設定された専用ランダムアクセスリソースを解除し、端末の設定を、以前ソース基地局から設定された設定に戻し、RRC連結再確立手続(RRC connection re-establishment)を行うことを含む。RRC連結再確立手続では、周辺に接続可能なセル選択手続を行い、当該選択したセルにランダムアクセスによってRRC連結再確立手続を行う(RRCReestablishmentRequestメッセージ送信を含む。)。前記RRC連結再確立手続を行う時に、端末は基地局に報告する連結失敗情報があることを、RRCReestablishmentCompleteメッセージ内にconnEstFailInfoAvailableフィールドを含めて知らせることができる。したがって、基地局が当該情報を取得するために、端末に、UEInformationRequestメッセージ内にrlf-ReportReqをtrueに設定して当該情報を要請すると、端末は基地局に、以前に発生したRLFに関する詳細内容を、UEInformationResponseメッセージ内にrlf-Reportフィールドを用いて報告する。この時、端末はハンドオーバー時に問題が発生したので、前記rlf-Reportフィールド内に連結失敗原因(connectionFailureType)をハンドオーバー失敗の発生(hof)として報告できる。また、詳細ハンドオーバー失敗原因(hof-Cause)として、LBT失敗によってハンドオーバーに失敗したことを知らせることができる(lbt-Failure)。或いは、LBT失敗した場合に、連結失敗がハンドオーバー失敗によって発生したにもかかわらず、ハンドオーバー失敗によって発生したものではなく、RLFによって発生したと知らせることができ(すなわち、connectionFailureTypeフィールドをrlfに設定)、この場合、RLF原因(rlf-Cause)に対して、LBT失敗によってRLFが発生したことを知らせることができる(lbt-Failure)。
【0088】
これを3GPPのRRC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのRRC規格手続の規格から変更された内容である。)。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4A】
【表4B】
【表4C】
【0091】
仮に、上記のように、ターゲット基地局でLBT失敗が発生する場合、端末が連結再設定のためにセル選択を行う時に、当該ターゲット基地局を除く他のセルを選択することによって、同じ問題が再発生することを防止できる。一方、仮にLBT失敗感知が設定された状態で、前記RRCReconfigurationメッセージ内DAPS HO関連設定情報が含まれていない場合には、端末は、ターゲット基地局でのLBT失敗感知による追加動作のみを行う(9-13)。したがって、ターゲット基地局で図7に記載の手続によって連続のLBT失敗が感知された場合、端末はターゲット基地局でのLBT失敗が感知されても無視し、一般ハンドオーバー失敗感知のために用いられるT304の満了を待つことができる。すなわち、T304の駆動中には、連続のLBT失敗が感知されてもこれを無視し、追加の動作を取らなくてよい。
【0092】
これを3GPPのRRC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのRRC規格の手続から変更された内容である。)。
【0093】
【表5】
【0094】
一方、前記RRC規格の手続上では、dapsが設定されていない場合に(すなわち、1>else:以下)一般ハンドオーバーを実行中である場合(すなわち、ハンドオーバー実行中にLBT失敗発生)とハンドオーバー実行中でない場合(すなわち、ある基地局と通信中にLBT失敗発生)の両方を含む。したがって、前記両方の場合の動作を差別化できる。例えば、ハンドオーバー実行中でない場合(すなわち、基地局からハンドオーバー命令を受けてT304が始まった場合)には、端末は、LBT失敗感知後に、ハンドオーバーに失敗したと見なし、T304の満了まで待たずに、ハンドオーバー失敗が発生した時に行う動作(すなわち、T304が満了するまでハンドオーバーが完了しなかった場合に行う動作)をあらかじめ行う。ハンドオーバーに失敗した時に行う動作には、ハンドオーバーのために設定された専用ランダムアクセスリソースを解除し、端末の設定を以前ソース基地局から設定された設定に戻し、RRC連結再確立手続(RRC connection re-establishment)を行うことを含む。RRC連結再確立手続では周辺に接続可能なセル選択手続を行い、当該選択したセルにランダムアクセスによってRRC連結再確立手続を行う(RRCReestablishmentRequestメッセージ送信を含む。)。これを3GPPのRRC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのRRC規格の手続から変更された内容である。)。
【0095】
【表6A】
【表6B】
【表6C】
【表6D】
【表6E】
【0096】
一方、前述した(9-11)手続及び(9-13)手続の両方とも、仮に端末がハンドオーバー中にターゲット基地局でLBT失敗が発生してもこれを無視しようとする場合、図7に記載のLBT失敗感知手続方法を変え、RRC層にそれを知らせなくてもよい。
【0097】
これに対する第1の方法は、端末のMAC層はハンドオーバー中(すなわち、T304駆動中;或いは、Reconfiguration with syncのためのランダムアクセス手続中)にはSpCellでのLBT失敗回数が臨界値に到達しても、連続のLBT失敗に対するトリガリングをせず、追加の手続を行わない方法である。
【0098】
これを3GPPのMAC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのMAC規格の手続から変更された内容である。)。
【0099】
【表7】
【0100】
第2の方法は、端末のMAC層はハンドオーバー中(すなわち、T304駆動中;或いは、Reconfiguration with syncのためのランダムアクセス手続中)には、SpCellでのLBT失敗回数が臨界値に到達する場合、連続のLBT失敗に対するトリガリングはするが、RRC層(上位層)にそれを知らせないことによって追加の手続を回避する方法である。
【0101】
これを3GPPのMAC規格の手続で表現すれば、次の通りである(下線の部分が既存3GPPのMAC規格の手続から変更された内容である。)。
【0102】
【表8】
【0103】
同図では記述していないが、さらに他の方法としては、物理層がハンドオーバー中にはMAC層にLBT failure indicationを送信しない方法を考慮してもよい。すなわち、前記MAC規格の例示手続において「1>if LBT failure indication has been received from lower layers:」手続が実行されないようにしてよい。
【0104】
前記手続によって、端末は、LBT失敗感知とDAPSが設定された場合にハンドオーバー手続を行うことができる。また、前述した実施例のいずれか1つのみが用いられてもよく、或いは複数の実施例が同時に適用されて用いられてもよい
【0105】
図10には、本開示の実施例に係る無線通信システムにおいて端末のブロック構成を示す。
【0106】
図10を参照すると、前記端末は、RF(Radio Frequency)処理部(10-10)、基底帯域(baseband)処理部(10-20)、記憶部(10-30)、制御部(10-40)を含む。
【0107】
前記RF処理部(10-10)は、信号の帯域変換、増幅など、無線チャネルを介して信号を送受信するための機能を果たす。すなわち、前記RF処理部(10-10)は、前記基底帯域処理部(10-20)から提供される基底帯域信号をRF帯域信号にアップコンバートした後、アンテナを介して送信し、前記アンテナを介して受信されるRF帯域信号を基底帯域信号にダウンコンバートする。例えば、前記RF処理部(10-10)は、送信フィルター、受信フィルター、増幅器、ミキサー(mixer)、オシレーター(oscillator)、DAC(digital to analog convertor)、ADC(analog to digital convertor)などを含むことができる。図10で、1つのアンテナが示されているが、前記端末は、複数のアンテナを備えてもよい。また、前記RF処理部(10-10)は、複数のRFチェーンを含むことができる。なお、前記RF処理部(10-10)はビームフォーミング(beamforming)を行うことができる。前記ビームフォーミングのために、前記RF処理部(10-10)は、複数のアンテナ又はアンテナ要素(element)を介して送受信される信号のそれぞれの位相及び大きさを調節することができる。
【0108】
前記基底帯域処理部(10-20)は、システムの物理層規格にしたがって基底帯域信号及びビット列間の変換機能を果たす。例えば、データ送信時に、前記基底帯域処理部(10-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成する。また、データ受信時に、前記基底帯域処理部(10-20)は、前記RF処理部(10-10)から提供される基底帯域信号を、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。例えば、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)方式による場合、データ送信時に、前記基底帯域処理部(10-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成し、前記複素シンボルを副搬送波にマップした後、IFFT(inverse fast Fourier transform)演算及びCP(cyclic prefix)挿入によってOFDMシンボルを構成する。また、データ受信時に、前記基底帯域処理部(10-20)は、前記RF処理部(10-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT(fast Fourier transform)演算によって副搬送波にマップされた信号を復元した後、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。
【0109】
前記基底帯域処理部(10-20)及び前記RF処理部(10-10)は、上述したように信号を送信及び受信する。このことから、前記基底帯域処理部(10-20)及び前記RF処理部(10-10)は、送信部、受信部、送受信部又は通信部と呼ぶことができる。さらに、前記基底帯域処理部(10-20)及び前記RF処理部(10-10)の少なくとも一方は、互いに異なる複数の無線接続技術を支援するために複数の通信モジュールを含むことができる。また、前記基底帯域処理部(10-20)及び前記RF処理部(10-10)の少なくとも一方は、互いに異なる周波数帯域の信号を処理するために互いに異なる通信モジュールを含むことができる。例えば、前記互いに異なる無線接続技術は、無線LAN(例えば、IEEE 802.11)、セルラー網(例えば、LTE)などを含むことができる。また、前記互いに異なる周波数帯域は、超高周波(SHF:super high frequency)(例えば、2.5GHz、5Ghz)帯域、mm波(millimeter wave)(例えば、60GHz)帯域を含むことができる。
【0110】
前記記憶部(10-30)は、前記端末の動作のための基本プログラム、応用プログラム、設定情報などのデータを記憶する。特に、前記記憶部(10-30)は、無線LAN接続技術を用いて無線通信を行う無線LANノードに関連した情報を記憶することができる。そして、前記記憶部(10-30)は、前記制御部(10-40)の要請に応じて、記憶されたデータを提供する。
【0111】
前記制御部(10-40)は、前記端末の動作全般を制御する。例えば、前記制御部(10-40)は、前記基底帯域処理部(10-20)及び前記RF処理部(10-10)を介して信号を送受信する。また、前記制御部(10-40)は、前記記憶部(10-40)にデータを記録し、読み取る。そのために、前記制御部(10-40)は少なくとも1つのプロセッサ(processor)を含むことができる。例えば、前記制御部(10-40)は、通信のための制御を行うCP(communication processor)及び応用プログラムなど、上位層を制御するAP(application processor)を含むことができる。本開示の実施例によって、前記制御部(10-40)は、多重連結モードで動作するための処理を行う多重連結処理部(10-42)を含む。例えば、前記制御部(10-40)は、前記端末が図5の端末の動作に示した手続を行うように制御できる。
【0112】
本開示の実施例に係る前記制御部(10-40)は、前述した方法でDAPS HO中にUL LBT問題を感知する場合にどのように動作するかを制御する。
【0113】
図11には、本開示の実施例に係る無線通信システムにおいて基地局のブロック構成を示す。
【0114】
同図に示すように、前記基地局は、RF処理部(11-10)、基底帯域処理部(11-20)、バックホール通信部(11-30)、記憶部(11-40)、制御部(11-50)を含んで構成される。
【0115】
前記RF処理部(11-10)は、信号の帯域変換、増幅など、無線チャネルを介して信号を送受信するための機能を果たす。すなわち、前記RF処理部(11-10)は、前記基底帯域処理部(11-20)から提供される基底帯域信号をRF帯域信号にアップコンバートした後、アンテナを介して送信し、前記アンテナを介して受信されるRF帯域信号を基底帯域信号にダウンコンバートする。例えば、前記RF処理部(11-10)は、送信フィルター、受信フィルター、増幅器、ミキサー、オシレーター、DAC、ADCなどを含むことができる。同図で、1つのアンテナを示しているが、前記第1接続ノードは複数のアンテナを備えてもよい。また、前記RF処理部(11-10)は、複数のRFチェーンを含むことができる。なお、前記RF処理部(11-10)はビームフォーミングを行うことができる。前記ビームフォーミングのために、前記RF処理部(11-10)は、複数のアンテナ又はアンテナ要素を介して送受信される信号のそれぞれの位相及び大きさを調節することができる。前記RF処理部は、1つ以上のレイヤを送信することによって下りMIMO動作を行うことができる。
【0116】
前記基底帯域処理部(11-20)は、第1無線接続技術の物理層規格にしたがって基底帯域信号及びビット列間の変換機能を果たす。例えば、データ送信時に、前記基底帯域処理部(11-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成する。また、データ受信時に、前記基底帯域処理部(11-20)は、前記RF処理部(11-10)から提供される基底帯域信号を、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。例えば、OFDM方式による場合、データ送信時に、前記基底帯域処理部(11-20)は、送信ビット列を符号化及び変調することによって複素シンボルを生成し、前記複素シンボルを副搬送波にマップした後、IFFT演算及びCP挿入によってOFDMシンボルを構成する。また、データ受信時に、前記基底帯域処理部(11-20)は、前記RF処理部(11-10)から提供される基底帯域信号をOFDMシンボル単位に分割し、FFT演算によって副搬送波にマップされた信号を復元した後、復調及び復号化によって受信ビット列を復元する。前記基底帯域処理部(11-20)及び前記RF処理部(11-10)は、上述したように信号を送信及び受信する。このことから、前記基底帯域処理部(11-20)及び前記RF処理部(11-10)は、送信部、受信部、送受信部、通信部又は無線通信部と呼ぶことができる。
【0117】
前記バックホール通信部(11-30)は、ネットワーク内の他のノードと通信を行うためのインターフェースを提供する。すなわち、前記バックホール通信部(11-30)は、前記主基地局から他のノード、例えば、補助基地局、コア網などに送信されるビット列を物理的信号に変換し、前記他のノードから受信される物理的信号をビット列に変換する。
【0118】
前記記憶部(11-40)は、前記主基地局の動作のための基本プログラム、応用プログラム、設定情報などのデータを記憶する。特に、前記記憶部(11-40)は、接続された端末に割り当てられたベアラーに関する情報、接続された端末から報告された測定結果などを記憶することができる。また、前記記憶部(11-40)は、端末に多重連結を提供するか或いは中断するかの判断基準になる情報を記憶することができる。そして、前記記憶部(11-40)は、前記制御部(11-50)の要請に応じて、記憶されたデータを提供する。
【0119】
前記制御部(11-50)は、前記主基地局の動作全般を制御する。例えば、前記制御部(11-50)は、前記基底帯域処理部(11-20)及び前記RF処理部(11-10)を介して又は前記バックホール通信部(11-30)を介して信号を送受信する。また、前記制御部(11-50)は、前記記憶部(11-40)にデータを記録し、読み取る。そのために、前記制御部(11-50)は少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
【0120】
本開示の請求項又は明細書に記載された実施例に係る方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せの形態で具現(implemented)されてよい。
【0121】
ソフトウェアとして具現する場合に、1つ以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を記憶するコンピュータ可読記憶媒体が提供されてよい。コンピュータ可読記憶媒体に記憶される1つ以上のプログラムは、電子装置(device)内の1つ以上のプロセッサによって実行可能に構成される(configured for execution)。1つ以上のプログラムは、電子装置にとって本開示の請求項又は明細書に記載の実施例による方法を実行するようにする命令語(instructions)を含む。
【0122】
このようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)は、ランダムアクセスメモリ(random access memory)、フラッシュ(flash)メモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ロム(ROM:Read Only Memory)、電気的削除可能プログラム可能ロム(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、磁気ディスク記憶装置(magnetic disc storage device)、コンパクトディスクロム(CD-ROM:Compact Disc-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD:Digital Versatile Discs)又は他の形態の光学記憶装置、マグネチックカセット(magnetic cassette)に記憶されてよい。又は、それらの一部又は全部の組合せで構成されたメモリに記憶されてよい。また、それぞれの構成メモリは複数個含まれてもよい。
【0123】
また、前記プログラムは、インターネット(Internet)、イントラネット(Intranet)、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wide LAN)、又はSAN(Storage Area Network)のような通信ネットワーク、又はこれらの組合せで構成された通信ネットワークを通じて接近(access)できる取り付け可能な(attachable)記憶装置(storage device)に記憶されてよい。このような記憶装置は、外部ポートを通じて、本開示の実施例を行う装置に接続することができる。また、通信ネットワーク上の別個の記憶装置が、本開示の実施例を行う装置に接続することもできる。
【0124】
上述した本開示の具体的な実施例において、本開示に含まれる構成要素は、提示された具体的な実施例によって単数又は複数で表現されている。ただし、単数又は複数の表現は、説明の便宜のために、提示した状況に応じて適宜選択されたものであり、本開示が単数又は複数の構成要素に限定されるものではなく、複数で表現された構成要素であっても単数で構成されてよく、単数で表現された構成要素であっても複数で構成されてよい。
【0125】
一方、本開示の方法を説明する図面において説明の順序が必ずしも実行順序と対応するわけではなく、先後関係が変更されてもよく、並列的に実行されてもよい。
【0126】
又は、本開示の方法を説明する図面は、本開示の本質を損ねない範囲内で、一部の構成要素が省略されてもよく、一部の構成要素のみを含んでもよい。
【0127】
本開示を、その様々な実施例を参照して図示及び説明したが、当業者であれば、添付する特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるよう本開示の思想及び範囲を逸脱することなく形態及び細部において様々な変形が可能であることが理解できよう。
【符号の説明】
【0128】
1-05,1-10,1-15,1-20 基地局
1-25 AMF
1-30 UPF
1-35 ユーザ端末
10-10 RF処理部
10-20 基底帯域処理部
10-30 記憶部
10-40 制御部
10-42 多重連結処理部
11-10 RF処理部
11-20 基底帯域処理部
11-30 バックホール通信部
11-40 記憶部
11-50 制御部
11-52 多重連結処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11