(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】光ファイバに光を導くこと
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20250106BHJP
【FI】
G02B6/26
(21)【出願番号】P 2022574523
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021035519
(87)【国際公開番号】W WO2021247754
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ギフォード,ダウン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】フロガット,マーク イー.
(72)【発明者】
【氏名】サンボーン,エリック イー.
(72)【発明者】
【氏名】チルダーズ,ブルックス
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-310104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0063607(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110632714(CN,A)
【文献】特表2002-519710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコア光ファイバに光を導くためのシステムであって、前記マルチコア光ファイバは複数のコアを有し、前記システムは
:
複数の光路を規定するように構成された作動可能な光学要素であって、前記複数の光路は、前記作動可能な光学要素に延び、さらに前記マルチコア光ファイバ
の端部に延びる、作動可能な光学要素と;
照明で前記マルチコア光ファイバの前記端部を照明するように構成された照明光源であって、前記照明の少なくとも一部は第1の光を形成するように前記マルチコア光ファイバから反射または散乱するように構成される、照明光源と;
第2の光を形成するよう前記第1の光の少なくとも一部をコリメートするように構成された対物要素と;
集束要素であって、前記集束要素の焦点面に前記マルチコア光ファイバの前記端部の像を形成するように、前記第2の光を集束するように構成される、集束要素と;
前記集束要素の前記焦点面に配置され、前記像を感知するように構成されたイメージングアレイと;
プロセッサであって:
前記像内の指定された特徴の前記像内の位置を決定し、
前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて、前記複数の光路の各光路を前記複数のコアの対応するコアと同時に位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させる、
ように構成された、プロセッサと;
前記複数の光路
の各光路について、前記光路に前記対応するコアに結合するように、前記光路に沿って光ビームを導くように構成された少なくとも1つの光源
であって、前記照明は、前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの波長とは異なる波長を有する、少なくとも1つの光源と;を有する、
システム。
【請求項2】
前記プロセッサは:
前記像内の前記指定された特徴の前記位置と前記像内の所定のターゲット位置との間のオフセットを決定すること;および
前記オフセットを減少させるように前記作動可能な光学要素を作動させること;
により、前記複数の光路の各光路を前記対応するコアと同時に位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記指定された特徴は、前記マルチコア光ファイバの前記端部の周縁であり;
前記複数のコアの各対応するコアは、前記マルチコア光ファイバの前記周縁に対して所定のコア位置に配置され;
前記プロセッサは:
前記複数の光路の各光路について、前記対応するコアの前記所定のコア位置への前記光路の位置合わせを引き起こすことによって、
前記複数の光路の各光路を前記対応するコアと同時に位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の光を集束する前に前記第2の光の少なくとも一部を前記光路から離れて導くように構成されたダイクロイックミラー
をさらに有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記作動可能な光学要素は、旋回可能なミラーを含み;
前記プロセッサは
、前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて前記光路をステアリングするために前記旋回可能なミラーを旋回させるこ
とによって、前記対応するコアと前記複数の光路の各光路を位置合わせするために、前記作動可能な光学要素を作動させるように構成され;
前記複数の光路の各光路は、固定部分および可動部分を含み、前記固定部分は、前記少なくとも1つの光源と前記旋回可能なミラーとの間に延び、前記可動部分は、前記旋回可能なミラーと前記マルチコア光ファイバの前記端部との間に延びる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源はソース光ファイバを含み;
前記複数の光路の各光路について、前記光路は、前記光ビームから
の少なくとも一部
の光が、前記マルチコア光ファイバの長さから反射し、前記ソース光ファイバのコアに結合するように前記光路に沿って伝播するように構成されるように、前記ソース光ファイバの前記コアから前記作動可能な光学要素に延びることによって、前記作動可能な光学要素に延びる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
マルチコア光ファイバに光を導くためのシステムであって、前記マルチコア光ファイバは複数のコアを有し、前記システムは:
前記マルチコア光ファイバの端部の像を形成するように構成されたイメージング光学系と;
複数の光路を規定するように構成された作動可能な光学要素であって、前記複数の光路は、前記作動可能な光学要素に延び、さらに前記マルチコア光ファイバの前記端部に延びる、作動可能な光学要素と;
プロセッサであって:
前記像内の指定された特徴の前記像内の位置を決定し、
前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて、前記複数の光路の各光路を前記複数のコアの対応するコアと同時に位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させる、
ように構成された、プロセッサと;
前記複数の光路の各光路について、前記光路に前記対応するコアに結合するように、前記光路に沿って光ビームを導くように構成された少なくとも1つの光源であって、前記少なくとも1つの光源はソース光ファイバを含み;前記複数の光路の各光路について、前記光路は、前記光ビームからの少なくとも一部の光が、前記マルチコア光ファイバの長さから反射し、前記ソース光ファイバのコアに結合するように前記光路に沿って伝播するように構成されるように、前記ソース光ファイバの前記コアから前記作動可能な光学要素に延びることによって、前記作動可能な光学要素に延びる、少なくとも1つの光源と;
第1の照明で前記マルチコア光ファイバを照明するように構成された第1の照明光源であって、前記第1の照明は、前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの波長と異なる第1の波長を有し、前記第1の照明の少なくとも一部は第1の光を形成するように前記マルチコア光ファイバから反射または散乱するように構成される、第1の照明光源と;
第2の光を形成するよう前記第1の光の少なくとも一部をコリメートするように構成された対物要素と;
第2の照明で前記ソース光ファイバを照明するように構成された第2の照明光源であって、前記第2の照明は、前記第1の波長とは異なり且つ前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの波長とは異なる第2の波長を有し、前記第2の照明の少なくとも一部は、第3の光を形成するように前記ソース光ファイバから反射または散乱するように構成される、第2の照明光源と;
第4の光を形成するように前記第3の光の少なくとも一部をコリメートするように構成されたソース対物要素と;
第5の光を形成するように前記第2の光と前記第4の光を重ね合わせるように構成されたダイクロイックミラーおよびリフレクタと;
集束要素の焦点面に前記像を形成するように前記第5の光を集束する集束要素と;
前記集束要素の前記焦点面に配置され、前記像を感知するように構成されたイメージングアレイと;をさらに有する、
システム。
【請求項8】
前記対物要素は、さらに、前記マルチコア光ファイバの前記端部に近接した焦点面に少なくとも1つの焦点を形成するように前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの少なくとも1つの光ビームを集束するように構成さ
れ;
前記システムはさらに:
前記少なくとも1つの焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の長手方向の分離を検出するように構成された長手方向位置センサと;
前記長手方向の分離を減少させるように前記少なくとも1つの焦点を長手方向に位置決めするように構成された長手方向位置調整装置と;をさらに有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
マルチコア光ファイバに光を導くためのシステムであって、前記マルチコア光ファイバは複数のコアを有し、前記システムは:
前記マルチコア光ファイバの端部の像を形成するように構成されたイメージング光学系と;
複数の光路を規定するように構成された作動可能な光学要素であって、前記複数の光路は、前記作動可能な光学要素に延び、さらに前記マルチコア光ファイバの前記端部に延びる、作動可能な光学要素と;
プロセッサであって:
前記像内の指定された特徴の前記像内の位置を決定し、
前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて、前記複数の光路の各光路を前記複数のコアの対応するコアと同時に位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させる、
ように構成された、プロセッサと;
前記複数の光路の各光路について、前記光路に前記対応するコアに結合するように、前記光路に沿って光ビームを導くように構成された少なくとも1つの光源と;
前記マルチコア光ファイバの前記端部に近接した焦点面に少なくとも1つの焦点を形成するように前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの少なくとも1つの光ビームを集束するように構成された集束要素と;
前記少なくとも1つの焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の長手方向の分離を検出するように構成された長手方向位置センサと;
前記長手方向の分離を減少させるように前記少なくとも1つの焦点を長手方向に位置決めするように構成された長手方向位置調整装置と;を有し、
前記長手方向位置センサは、反射光を受けるように構成されたバイプリズムを含み、前記反射光は、前記マルチコア光ファイバの前記端部から反射され、前記バイプリズムはさらに、前記像内の前記指定された特徴が前記像内の対応する複製特徴を有するように、前記反射光の反対側の半分の間にくさび角を与えるように構成され、前記プロセッサはさらに、前記指定された特徴と前記対応する複製特徴との間の間隔に少なくとも部分的に基づいて、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離を決定するように構成される;または
前記長手方向位置センサは、前記反射光を受けるように構成されたスプリットフィールドダイクロイックフィルタを含み、前記反射光は、前記マルチコア光ファイバの前記端部から反射され、複数の波長を有し、前記スプリットフィールドダイクロイックフィルタは、前記像内の前記指定された特徴が異なる波長において前記像内で対応する重複特徴を有するように構成され、前記プロセッサはさらに、前記指定された特徴と前記対応する複製特徴との間の間隔に少なくとも部分的に基づいて、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離を決定するように構成される;または
前記長手方向位置センサは、前記反射光を受けるように構成された色収差レンズを含み、前記反射光は、前記マルチコア光ファイバの前記端部から反射され、複数の波長を有し、前記色収差レンズは、前記像内の前記指定された特徴が異なる波長において前記像内で対応する重複特徴を有するように構成され、前記プロセッサはさらに、少なくとも部分的に、前記像内の前記指定された特徴のサイズおよび前記像内の前記対応する複製特徴のサイズから、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離を決定するように構成される;または
前記長手方向位置調整装置は、前記光路に配置された可変焦点レンズを含み、前記プロセッサはさらに、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離に基づいて、前記マルチコア光ファイバの前記端部に前記焦点を位置決めするように前記少なくとも1つの光ビームのコリメーションを可変焦点レンズに調整させるように構成される;または
前記長手方向位置調整装置は、前記光路を前記マルチコア光ファイバの前記端部に導くように構成された作動可能な対物レンズを含み、前記プロセッサはさらに、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離に基づいて、前記マルチコア光ファイバの前記端部に前記焦点を位置決めするように前記作動可能な対物レンズを移動させるように構成される、
システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光源は複数の光源を含み;
前記複数の光源の各光源は、複数のシングルコアファイバのうちの1つのシングルコアファイバを含み;
前記システムはさらに、前記複数の光路に拡大を与えるように構成された拡大光学系を含み、前記拡大は、前記マルチコア光ファイバの前記複数のコアの隣接するコア間の間隔と前記複数のシングルコアファイバの隣接するコア間の間隔との比に等しい、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
マルチコア光ファイバに光を導くようにシステムを動作させる方法であって、前記マルチコア光ファイバは複数のコアを有し、前記システムは、
照明光源、対物要素、集束要素、前記集束要素の焦点面のイメージングアレイ、プロセッサ、および作動可能な光学要素を有し、前記作動可能な光学要素は複数の光路を規定し、前記複数の光路の各光路は、前記作動可能な光学要素に延び、さらに前記マルチコア光ファイバの端部に延び、前記方法は:
前記照明光源を用いて、照明の少なくとも一部が第1の光を形成するように前記マルチコア光ファイバから反射または散乱するように前記照明で前記マルチコア光ファイバの前記端部を照明することと;
前記対物要素を用いて、第2の光を形成するよう前記第1の光の少なくとも一部をコリメートすることと;
前記集束要素を用いて、前記マルチコア光ファイバの
前記端部の像を
形成するように前記第2の光を集束することと;
前記イメージングアレイを用いて前記像を感知することと;
前記プロセッサを用いて、前記像内の指定された特徴の前記像内の位置
を決定することと;
前記プロセッサを用いて、前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて、前記複数の光路の各光路を前記複数のコアの対応するコアと同時に位置合わせするように、前記作動可能な光学要素を作動させることと;
少なくとも1つの光源を用いて、前記複数の光路の各光路について、前記光路について前記対応するコアに結合するように前記光路に沿って光ビームを導くこと
であって、前記照明は前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの波長とは異なる波長を有する、導くことと;を含む、
方法。
【請求項12】
前記複数の光路の各光路を前記対応するコアと同時に位置合わせするように、前記作動可能な光学要素を作動させることは:
前記像内の前記指定された特徴の前記位置と前記像内の所定のターゲット位置との間のオフセットを、前記プロセッサを用いて、決定することと;
前記プロセッサを用いて、前記オフセットが減少するように前記作動可能な光学要素を作動させることと;を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ダイクロイックミラーを用いて、
前記集束要素の前記焦点面に前記第2の光を集束する前に前記第2の光の少なくとも一部を前記光路から離れて導くこ
と;をさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
長手方向位置センサによって、焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の長手方向の分離を検出することと;
前記長手方向の分離を減らすように、長手方向位置調整装置を用いて、前記焦点を調節することと;をさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記長手方向位置調整装置はさらに、前記像内に複製特徴を作成するように構成され、前記方法は、さらに、前記プロセッサによって、前記指定された特徴と前記複製特徴の間の間隔またはサイズの違いに少なくとも部分的に基づいて、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離を決定することを含む;または
前記長手方向位置調整装置は、前記光路内に配置された可変焦点レンズを含み、前記方法は、さらに、前記プロセッサによって、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離に基づいて、前記マルチコア光ファイバの前記端部に前記焦点を位置決めするように、前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの少なくとも1つの光ビームのコリメーションを前記可変焦点レンズに調整させることを含む;または
前記長手方向位置調整装置は、前記光路を前記マルチコア光ファイバの前記端部に導くように構成された作動可能な対物レンズを含み、前記方法はさらに、前記プロセッサによって、前記焦点と前記マルチコア光ファイバの前記端部との間の前記長手方向の分離に基づいて、前記マルチコア光ファイバの前記端部に前記焦点を位置決めするように前記作動可能な対物レンズを移動させることを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数のコアを有するマルチコア光ファイバに光を導くシステムのプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに動作を実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体であって、前記システムは
:
作動可能な光学要素であって、前記作動可能な光学要素に延び、さらに前記マルチコア光ファイバの端部に延びる複数の光路を規定する作動可能な光学要素
と;
照明で前記マルチコア光ファイバの前記端部を照明するように構成された照明光源であって、前記照明の少なくとも一部は第1の光を形成するように前記マルチコア光ファイバから反射または散乱するように構成される、照明光源と;
第2の光を形成するよう前記第1の光の少なくとも一部をコリメートするように構成された対物要素と;
集束要素であって、前記集束要素の焦点面に前記マルチコア光ファイバの前記端部の像を形成するように、前記第2の光を集束するように構成される、集束要素と;
前記集束要素の前記焦点面に配置され、前記像を感知するように構成されたイメージングアレイと;
前記複数の光路の各光路について、前記光路に対応するコアに結合するように、前記光路に沿って光ビームを導くように構成された少なくとも1つの光源であって、前記照明は、前記少なくとも1つの光源によって導かれる前記光ビームの波長とは異なる波長を有する、少なくとも1つの光源と;を有し、
前記動作は
:
前記像から、前記像内の指定された特徴の前記像内の位置を決定することと;
前記像内の前記指定された特徴の前記位置に基づいて、前記複数の光路を前記複数のコアの
前記対応するコアに位置合わせするように前記作動可能な光学要素を作動させることと
;を含む、
コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
複数のコアを有するマルチコア光ファイバに光を導くシステムのプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに請求項11乃至15のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、参照によりその全体が組み込まれる2020年6月3日出願の米国仮出願番号63/034,277の利益を主張する。
【0002】
本開示は、光ファイバに光を導く(direct)ことができる光学システムに関する。
【背景技術】
【0003】
光学システムは、シングルモードファイバなどの光ファイバを使用することがある。シングルモードファイバのコアに対する光ビームのずれは、コアへのビームの結合効率を低下させ、光学システムの損失を増大させることがある。
【発明の概要】
【0004】
一例として、システムは光ファイバに光を導くことができる。このシステムは、イメージング光学系(imaging optics)、作動可能な(actuatable)光学要素(optical element)、プロセッサ、および光源を有する。イメージング光学系は、光ファイバの端部の像(image)を形成するように構成される。作動可能な光学要素は、作動可能な光学要素に延び、さらに光ファイバの端部に延びる光路を規定するように構成される。プロセッサは、像内の指定された特徴の像内の位置を決定するように構成される。プロセッサはさらに、像内の指定された特徴の位置に基づいて、光路を光ファイバのコアに位置合わせする(align)ように作動可能な光学要素を作動させるように構成される。光源は、光ファイバのコアに結合するように光路に沿って光ビームを導くように構成される。
【0005】
別の例では、方法は、光ファイバに光を導くようにシステムを動作させるためのものである。このシステムは、イメージング光学系、プロセッサ、および作動可能な光学要素を有する。作動可能な光学要素は光路を定め、その光路は作動可能な光学要素まで延び、さらに光ファイバの端部まで延びる。この方法は:イメージング光学系を用いて、光ファイバの端部の像を生成すること;プロセッサを用いて、像内の指定された特徴の像内の位置を決定すること;プロセッサを用いて、像内の指定された特徴の位置に基づいて、光路を光ファイバのコアに位置合わせするように作動可能な光学要素を作動させること;光ファイバのコアに結合する(couple)ように光路に沿って光ビームを導くこと;を含む。
【0006】
別の例では、コンピュータ可読媒体が、光ファイバに光を導くシステムのプロセッサによって実行されるとき、プロセッサに上記またはこの説明の他の場所で説明されている方法などの動作を実行させることができる命令を格納する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】光ファイバに光を導くシステムを含む装置の一例の概略図を示す。
【0008】
【
図2】
図1のシステムでの使用に適した、ファイババンドルとして構成された光源の一例の端面図を示す。
【0009】
【
図3】
図1のシステムの一部の一例の平面図を示しており、ここでは、対物要素が対物ミラーとして構成される。
【0010】
【
図4】
図1のシステムでの使用に適した長手方向位置センサ要素の一例の平面図を示す。
【0011】
【
図5】
図1のシステムでの使用に適した長手方向位置センサ要素の別の例の上面図を示す。
【0012】
【
図6】
図1のシステムでの使用に適した長手方向位置センサ要素の別の一例の上面図を示す。
【0013】
【
図7】
図1のシステムにおける長手方向位置調整装置要素の平面図を示す。
【0014】
【
図8】
図1のシステムでの使用に適した長手方向位置調整装置要素の一例の平面図を示す。
【0015】
【
図9】光ファイバに光を導くようにシステムを動作させる方法の一例のフローチャートを示す。
【0016】
【
図10】光ファイバに光を導くようにシステムを動作させる別の方法の一例のフローチャートを示す。
【0017】
対応する参照文字は、複数の図にわたって対応する部分を示す。図面内の要素は、必ずしもスケールに合わせて描画されるとは限らない。図面に示された構成は単なる例であり、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一例では、システムは光ファイバに光を導くことができる。イメージング光学系が、光ファイバの端部の像を形成することができる。作動可能な光学要素は、作動可能な光学要素に延び、さらに光ファイバの端部に延びる光路を規定することができる。プロセッサが、像内の指定された特徴(specified feature)の像内の位置を決定することができる。プロセッサは、像内の指定された特徴の位置に基づいて、光路を光ファイバのコアに合わせるように、作動可能な光学要素を動作させることができる。光源が、光ファイバのコアに結合させるように光路に沿って光ビームを案内することができる。
【0019】
システムは、光ファイバの端部の像内の特徴を識別し、その後、光ファイバのコアに光路をアクティブに位置合わせするためにその特徴の位置を使用することができる。アクティブなアライメント(alignment(位置合わせ))により、システムは、光ファイバのコアに対する光ビームのアライメントの堅牢性を向上させることができる。アライメントの向上した堅牢性は、製造公差、機械的ホルダーの取り付けにおける非理想性などによるなどの、光ファイバの物理的なミスアライメント(misalignment(位置ずれ))によるミスアライメントを補償するのに役立つことができる。その結果、システムは、この技術を利用しない他の同一システムと比較して、光ファイバのコアへのビームのより高い結合効率を達成することができる。
【0020】
さらに、さまざまな例では、アクティブなアライメントをシステムの使用ごとに1または複数回実行することができる。アクティブなアライメントは、システムの使用前および/または使用中に実行することができる。具体的な例として、動作中に1または複数回実行されるアクティブなアライメントは、光学システムが動作している間にアライメントを改善または維持するのに役立つことができる。たとえば、動作中、光学システムは、移動、温度変化、物理的な衝撃もしくは振動(気流によって引き起こされるなど)、および/またはアライメントに影響を与えるその他の環境または物理的な変化を受けることがある。システムは、ミスアライメントの決定に応じて定期的に、またはリアルタイムで環境若しくは物理的変化を補償することができ、光学システムが使用している間に十分に高い結合を向上または維持するのに役立つことができる。用語「十分に高い」は、システムが設計されているパフォーマンスレベル(例えば、解像度、精度、電力消費などについて)でシステムを機能させることができる十分な結合を示すために本明細書では使用される。
【0021】
さらに、このシステムは、光ファイバの端部に直接接触することなく、十分に高い結合効率を達成するのに役立つことができる。このシステムは、光ファイバへの光路の非接触アラインメントが使用するため、システムは、光ファイバの端部の汚れ、物理的な摩耗などを減らすのに役立つことができる。
【0022】
以下に示すシステムからの1つ以上の特徴を組み込むことができる光学システムの一例は、光ファイバベースのひずみ、温度、または形状センシングシステムである。具体的な例として、光学システムは、光をマルチコア光ファイバに結合させ、要素の空間内の3次元位置をリアルタイムまたはほぼリアルタイムで感知する。別の具体例として、光システムは、光をマルチコア光ファイバに結合し、光ファイバの3次元形状をリアルタイムまたはほぼリアルタイムで感知する。
【0023】
さらに、光学システムの例は、医療システムまたは非医療システムを含むことができる。医療システムの例は、手術システムを含む診断や治療に使用されるものを含むことができる。医療システムの例では、以下に説明するシステムは、1つ以上の医療処置の過程でセンシング光ファイバに入る光の十分高い結合効率(または複数の結合効率)を確立および/または維持するのに役立つように、1つまたは複数の光源とセンシング光ファイバの1つまたは複数のコアとの間の光路に配置されることができる。これは、以下で詳しく説明するシステムの使用例の1つにすぎない。他の使用も可能である。
【0024】
図1は、光ファイバに光を導くシステム100を含む装置1の一例の概略図を示す。システム100は、光ファイバの端部の像内の特徴を識別し、次いで光路を光ファイバのコアに能動的に位置合わせするためにその特徴の位置を使用することができるため、システムは、光ファイバのコアへの光ビームの相対的に堅牢なアライメントを達成することができる。
【0025】
コントローラ10は、様々な光学および電子コンポーネントを含むことができる。医療用途では、コントローラ10は複数の処置に使用および再利用できる1つの主要な機器として構成できる。光ファイバの3次元の向きまたは形状を感知することなどの形状感知に向けた用途のために、コントローラ10は、インタロゲータ(interrogator)12を含むことができる。インタロゲータ12は、光をファイバに導き、ファイバから戻ってくる光を分析することができる。インタロゲータ12は、光ファイバの3次元位置を決定するために、光周波数領域反射率測定法(OFDR)のような技術を使用することができる。
【0026】
いくつかの例では、機器の一部が、交換可能な要素として構成されることができ、この要素は、処置の一部またはいくつかの処置のために使用されることができる、または、1つまたは複数の処置全体に使用され、その後破棄されることができる。交換可能な要素は、カテーテル14を含むことができ、このカテーテルは、カテーテル14の長さの少なくとも一部に沿って延びるセンシング光ファイバ16を含むことができる。医療の例では、カテーテル14およびセンシング光ファイバ16は、使用前に清潔な環境で、または臨床的に必要な場合は滅菌環境で維持または再処理することができる。
【0027】
以下に詳述するシステム100は、光ファイバ16をコントローラ10に光学的に接続するためにアクティブアライメントを使用することができる。光学的に接続されているとき、インタロゲータ12は、(システム100を通して)光をセンシング光ファイバ16に導き、(これもまたシステム100も通して)センシング光ファイバ16の長さに沿った場所から反射された光を受信し、センシング光ファイバ16のひずみ、温度、またはその他の物理情報を決定するために(OFDRによってなど)反射光を分析することができる。形状センシングアプリケーションの場合、インタロゲータ12は、センシング光ファイバ16の3次元位置または形状を決定するように構成される。わかりやすくするために、以下の説明では、センシング光ファイバ16を光ファイバ108と呼ぶことにする。光ファイバ108は、センシング光ファイバ16を含み得る、または、オプションで、センシング光ファイバ16の近位端部に結合されたファイバの別個の部分を含むことができることが理解される。以下の光ファイバ108への参照は、これらのケースの1つまたは両方を含むことができる。
【0028】
コントローラ10は、システム100への入力として光を提供できるマルチコアファイバまたは複数のシングルモードファイバなどのファイバ接続部(fiber connection)18を含むことができる。複数のシングルモードファイバは、この文書ではシングルモードファイバのバンドルまたはファイババンドルと呼ぶこともできるが、複数のシングルモードファイバが、バンドルに、リニアアレイに配置等されてもよい。システム100は、センシング光ファイバ16に結合するようにシステム100内の様々な要素を通ってファイバ接続部18によって提供される光を導くことができる。センシング光ファイバ16の長さに沿った場所から反射された光は、システム100に戻ることができ、システム100内のさまざまな要素を介して伝播することができ、ファイバ接続部18を介して伝播することができ、コントローラ10内のインタロゲータ12によって処理されることができる。システム100は、様々な要素を通して光の一部を1つまたは複数の検出器に導くことができる。検出器は1つまたは複数の制御信号を生成することができる。システム100は、光ファイバ108に入る光の結合効率を向上させるために、1つまたは複数の制御信号を使用してシステム内の1つまたは複数の作動可能な要素を制御することができる。
【0029】
コントローラ10は電気接続部20を含むことができ、この電気接続部は、システム100に電力を供給することができる。コントローラ10内にまたはシステム100内に配置されることができるプロセッサ114は、システム100内の1つまたは複数の検出器から制御信号を受信し、結合効率を改善するためにシステム100内の1つまたは複数の作動可能な要素を駆動することができる。
【0030】
動作中、システム100内のイメージング光学系は、光ファイバ108の端部106の像104を形成することができる。旋回可能なミラー(pivotable mirror)などの作動可能な光学要素110は、作動可能な光学要素110に延び、光ファイバ108が存在する場合は光ファイバ108の端部106にさらに延びる光路112を規定することができる。プロセッサ114は、像104内の、光ファイバ108の端部106の周縁(circumferential edge)など、指定された特徴の像104内の位置を決定することができる。プロセッサ114はシステム100と一緒に配置されているように示されているが、プロセッサ114は代替的にコントローラ10と一緒に配置することができることが理解される。プロセッサ114は、像104内の指定された特徴の位置に基づいて、作動可能な光学要素110を、光路112を光ファイバ108のコア116に位置合わせするように作動させることができる。
【0031】
光路112は、光ファイバ接続部18と光ファイバ108との間の光学要素から光学要素に延びる幾何学的構造(geometrical construct)である。具体的には、光路の一方の端は光ファイバ接続部18にあり、もう一方の端は光ファイバ108が存在する場合は光ファイバ108にある。光路112は、システム100の動作中に光学コンポーネントによって曲げられる、並進される、回転される、またはその他の方法で位置合わせされることができる。システム100の動作中、光ビーム120は、光路112に沿って光学要素から光学要素へと伝搬するように導かれ、その結果光ビーム120は光路112に従う。光ビーム120が存在する場合および光ビーム120が存在しない場合の両方で、光路112をリダイレクトできることを明確にすることは有益である。光ファイバ108が複数のコアを含む構成の場合、システム100は、光ファイバ108のそれぞれのコアに向かって伝播する複数の光路112を含むことができる。
【0032】
光源118が、光ファイバ108のコア116に結合するように光路112に沿って光ビーム120を導くことができる。いくつかの例では、コントローラ10は、発光ダイオードまたはレーザーダイオードなどの1つまたは複数の光発生要素と、光発生要素からの光をファイバ接続部18内の1つまたは複数のファイバの1つまたは複数のコアに導くことができるレンズなどの1つまたは複数の光結合要素とを含むことができる。
図1の構成では、光源118は、ファイバ接続部18の遠位端、またはファイバ接続部18の遠位端に結合された、ある長さのファイバを含むことができる。わかりやすくするために、ファイバ接続部18のファイバは、次の説明ではソース光ファイバ138と呼ばれる。ソース光ファイバ138は、ファイバ接続部18と同じであり得る、または、オプションで、ファイバ接続部18の遠位端に結合されたファイバの別個の部分を含むことができることが理解される。
【0033】
光ファイバ108がシングルコア116を含む例では、ソース光ファイバ138は単一のコア140を含むことができる。光ファイバ108が複数のコア116を含む例では、ソース光ファイバ138も複数のコア140を含むことができる。マルチコア140は、光ファイバ108のマルチコアのパターンに似たパターンで配置することができる。具体的な例として、ソース光ファイバ138および光ファイバ108は各々、ファイバの周縁の中心を囲む六角形パターンに配置された6つのコアを含むことができる。動作中、システム100は、ソース光ファイバ138の複数のコア140からの光を、光ファイバ108の複数のコアに同時に導くことができる。
【0034】
光ファイバ108が複数のコア116を含む例では、ファイバ接続部18のマルチコアファイバの複数のコアから光を受信することの代替が、ファイババンドル内のファイバまたはファイバのリニアアレイなど、複数のシングルコアファイバのコアから光を受信することである。いくつかの例では、光ファイバ108はマルチコア光ファイバであることができる。光ファイバ108のコア116は、マルチコア光ファイバの複数のコアの第1コアであることができる。光路112は、作動可能な光学要素110によって定められる複数の光路のうち、第1の光路であることができる。複数の光路の各光路は、作動可能な光学要素110に延び、さらにマルチコア光ファイバの端部106に延びることができる。プロセッサ114は、複数の光路をマルチコア光ファイバの複数のコアに同時に位置合わせするように作動可能な光学要素110を作動させることにより、光路112をコア116に位置合わせするように作動可能な光学要素110を作動させることができる。光源118は、複数の光源のうちの第1の光源であることができる。複数の光源の各光源は、マルチコア光ファイバの複数のコアの対応するコアに結合するように複数の光路の対応する光路に沿って対応する光ビームを導くことができる。
【0035】
図2は、
図1のシステム100での使用に適した、ファイババンドル200として構成された光源118の例の端面図を示している。ファイババンドル200は、複数のシングルモードファイバ202、204、206、208、210、および212を含む。複数のこれらのシングルモードファイバは、それぞれ対応するコア216、218、220、222、224、および226を含む。複数のシングルモードファイバは、コア228を有する中央ファイバ214を囲む。この例では、複数のシングルモードファイバ202、204、206、208、210、および212は、中央のファイバ214を囲む正六角形のパターンで配置されている。ファイババンドル200は、同様の形状の六角形パターンに配置された複数のコアを有する光ファイバ108の光源118として使用するのに適している。
図2のファイババンドル200は、ファイババンドルの一例に過ぎず;他のファイバの配置も可能である。システム100はさらに、複数の光路に拡大を与えることができる拡大光学系を含むことができる。拡大は、マルチコア光ファイバの複数のコアの隣接するコア間の間隔と複数のシングルコア光ファイバの隣接するコア間の間隔との比に、1%、5%、10%、20%などの公差内で等しいまたは実質的に等しいことができる。拡大光学系は、光ビーム120を形成するために光源118から出てくる光をコリメートすることができるソース対物要素148(後述)と、光ファイバ108に結合するために光ビーム120を集束することができる対物要素122(後述)とを含むことができる。ソース対物要素148と対物要素122の焦点距離の比は、光源118の複数のシングルコアファイバの隣接するコア間の間隔に対する光ファイバ108のマルチコア光ファイバの複数のコアの隣接するコア間の間隔の比と等しいか、または実質的に等しいように選択されることができる。
【0036】
図1に戻ると、いくつかの例では、プロセッサ114は、少なくとも次の2つの動作を使用することによって、光路112をコア116に位置合わせするように作動可能な光学要素110を作動させることができる。第1に、プロセッサ114は、像104内の指定された特徴の位置と、像104内の所定のターゲット位置との間のオフセットを決定することができる。第2に、プロセッサ114は、オフセットを減少させるように作動可能な光学要素110を作動させることができる。プロセッサ114は、オプションで、動作中にコア116への十分に高い結合効率を維持するのを助けるために、システム100の動作中にこれらの2つの動作を繰り返すことができる。たとえば、プロセッサ114は、指定された特徴(光ファイバ108の円周の中心など)の像104内のピクセル位置(例えば、xとyのような直交する位置座標のセット)を決定し、決定されたピクセル位置を、よく位置合わせされた光ファイバ108に対応する指定されたピクセル位置(例えば、ルックアップテーブルまたは他の適切なメモリに保存された値のセットなど)と比較し、指定されたピクセル位置と一致するように決定されたピクセル位置を移動させるために作動可能な光学要素110を作動させることができる。
【0037】
いくつかの例では、指定された特徴は、光ファイバ108の端部106の周縁の一部またはすべてを含むことができる。コア116は、光ファイバ108の周縁に対して、所定のコア位置に配置することができる。プロセッサ114は、所定のコア位置に光路112を位置合わせさせることにより、光路112をコア116に位置合わせするように作動可能な光学要素110を作動させることができる。例えば、光ファイバ108がシングルコアファイバである構成の場合、コア116は光ファイバ108の周縁の中央に配置することができる。光ファイバ108がマルチコアファイバ(例えば、単一のクラッドが互いに離間された複数のコアを囲んでいるファイバ)である構成の場合、コア116は、光ファイバ108の周縁に対して指定された位置に配置することができる。例えば、光ファイバ108は、4つのコアを含むことができ、中心コアは周縁の中央に位置し、3つのコアは中心コアを中心とする正三角形の角に位置する。別の例として、光ファイバ108は、光ファイバ108の周縁の中心を囲む六角形のパターンに配置された6個のコアを含むことができる(例えば、コアは、60度、約60度、または1度、2度、5度、または他の適切な値の公差内で60度だけ方位角方向に離間して正六角形の角に配置することができる)。さらに別の例として、光ファイバ108は、周縁の中心に位置する中心コアと、中心コアを中心とする正六角形の角に位置する6個のコアとを備えた、7個のコアを含むことができる。その他の適切なマルチコア構成も使用できる。
【0038】
光ファイバ108が複数のコアを含む構成の場合、光ファイバ108の周囲は、部分的に平坦化された縁、ノッチ、突起、またはコアの方位角位置を機械的または光学的に示すことができるその他の特徴など、オプションの方位角位置特定特徴部(azimuthal locating feature)を含むことができる。たとえば、光ファイバ108は、光ファイバ108の長さに沿って延びるロッド(コアではない)を含むことができる。このようなロッドは、光ファイバ108の端部106の像104において明るいドット(例えば、点を囲む領域よりも明るい)または暗いドット(例えば、点を囲む領域よりも暗い)として表示される場合がある。いくつかの例では、方位角位置特定特徴部は、接続要素の機械的特徴であることができる。例えば、光ファイバ108は、フェルール(ferrule)および標準の光コネクタに保持されることができる。コネクタが製造されると、光ファイバ108の特定のコアが照射されて、特定のコアを標準の光コネクタのキーに位置合わせすることができる。
【0039】
光ファイバ108の端部106の周縁に加えてまたはその代わりに、他の指定された特徴を使用することもできる。たとえば、この特徴は、像104内の光ファイバ108のコア116の外観を含むことができる。照明構成によっては、コア116は像104内の暗いスポット(dark spot)として現れることがあり、これは、コア116を囲む領域よりもより(たとえば、強度または輝度が)暗く現れることがある。他の照明構成では、コア116は、像104内の明るいしスポット(bright spot)として現れることがあり、これはコア116を囲む領域よりも明るく(例えば、より強い強度や明るさで)現れることがある。画像内の明るいスポットおよび/または暗いスポットから直接コア116を識別することは、複数のコアを持つマルチコアファイバでも使用することができる。
【0040】
システム100は、オプションで照明光源130をさらに含むことができる。照明光源130は、光ファイバ108を照明(illumination)132で照らすことができる。照明132は、光ビーム120の波長とは異なる波長を有することができる。具体的な例として、光の波長は1550nm、照明132の波長は400nmから700nmの間などの可視スペクトルにあることができる。他の波長の値も使用することができる。
【0041】
照明光源130を含む構成の場合、照明132の少なくとも一部は、第1の光を形成するように光ファイバ108から反射または散乱することができる。いくつかの例では、光ファイバ108の端部106で反射する照明132が第1の光を生成することができる。いくつかの例では、光ファイバ108の側部(side)に入り、光ファイバ108の端部106を出る照明が第1の光を形成することができる。
【0042】
対物要素122は、第2の光を形成するように第1の光の少なくとも一部をコリメートする(collimate)ことができる。
図1の構成などの、いくつかの例では、対物要素122は対物レンズを含むことができる。光路112は対物レンズを通って延びることができる。代替として、対物要素122は対物ミラーを含むことができる。
図3は、
図1のシステム100の一部の例の平面図を示しており、ここでは、対物要素122は対物ミラー302として構成されている。対物ミラー302は、放物線の部分を含む断面を有することができる。複数のミラー、複数のレンズ、または少なくとも1つのミラーと少なくとも1つのレンズの組み合わせを含む、対物要素122の他の構成も可能である。同様に、集束要素(focusing element)126は、集束レンズまたは集束ミラーの少なくとも1つを含むことができる。
【0043】
図1に戻ると、ダイクロイックミラー124が、第3の光を形成するために第2の光の少なくとも一部を光路112から離れて導くことができる。例えば、ダイクロイックミラー124は、1550nmを含む透過帯域の光を透過することができる。ダイクロイックミラー124は、可視スペクトルなど、照明132の波長を含む反射バンドで光を反射することができる。これは1つの数値例に過ぎない;他の波長および波長範囲を使用することもできる。
【0044】
図1の構成では、ダイクロイックミラー124は、比較的長い波長(オプションで1550nmなどの電磁スペクトルの赤外線部分の、形状センシングを実行するために使用されるものなど)を透過することができ、比較的短い波長(オプションで400nmから700nmの間のような電磁スペクトルの可視部分の、イメージング機能を実行するために使用されるものなど)を反射するロングパスダイクロイックミラーである。代替的には、ダイクロイックミラー124は、比較的短い波長(イメージング機能を実行するために使用されるものなど)を透過し、比較的長い波長(形状センシングを実行するために使用されるものなど)を反射することができる、ショートパスダイクロイックミラーであることができる。ロングパスフィルタをショートパスダイクロイックミラーに置き換えることは、光路112が
図1に現在示されているようにダイクロイックミラー124を透過するのではなく、ダイクロイックミラー124で反射するように、透過アームと反射アームを交換することを伴う。
【0045】
集束要素126は、集束要素126の焦点面に像104を形成するように第3の光を集束することができる。イメージングアレイ128が、集束要素126の焦点面に配置されることができ、像104を感知することができる。いくつかの例では、イメージング光学系は、対物要素122、ダイクロイックミラー124、集束要素126、およびイメージングアレイ128を含むことができる。プロセッサ114は、イメージングアレイ128から、像104に対応するアナログおよび/またはデジタル信号を受信することができる。その他の適切な構成を使用することもできる。
【0046】
図1の例では、作動可能な光学要素110は、旋回可能なミラーとして構成される。旋回可能なミラーは、2次元で旋回する(pivot)ことができる1つのミラー、各々が1次元で旋回することができる2つの分離ミラー、各々が1次元または2次元で旋回することができる複数のミラー、およびその他の適切な構成を含むことができる。
図1の構成では、旋回可能なミラーは、旋回点(pivot point)周りに旋回することができる反射ミラーと、旋回点周りに反射ミラーを旋回させることができるリニアアクチュエータ136を含むことができる。旋回可能なミラーは、
図1では1次元のみで旋回するように示されているが、一対のリニアアクチュエータ136を使用して、旋回可能なミラーが直交する2次元で旋回できることが理解されるだろう。プロセッサ114は、リニアアクチュエータ136を制御することができる。プロセッサ114は、像104内の指定された特徴の位置に基づいて光路112をステアリングする(steer(操縦する))ために旋回可能なミラーを旋回させることによって、光路112を光ファイバ108のコア116に位置合わせるために、作動可能な光学要素110を作動させることができる。
【0047】
光路112は、光源118と作動可能な光学要素110との間に延びる固定部分を含むことができる。光路112は、作動可能な光学要素110と光ファイバ108の端部106との間に延びる可動部分を含むことができる。システム100の動作中、光路112の可動部分は、空間内を移動できるが、光路112の固定部分は静止したままであり得る。
図1の構成では、ダイクロイックミラー124、集束要素126、およびイメージングアレイ128が光路112の固定部分に配置されている。他の構成を使用することもできる。
【0048】
いくつかの例では、作動可能な光学要素110は、テレセントリック(telecentric)であるように、光路112に配置することができる。テレセントリック構成の場合、旋回可能なミラーを旋回することは、光ファイバ108の端部106における光路112の角度の変化を生じることなく、光ファイバ108の端部106における光路112の横方向の並進を生じさせることができる。いくつかの例では、旋回可能なミラーを対物要素122の後方焦点面(または後焦点面)に配置することは、テレセントリック状態を作り出すことができる。
【0049】
図1の旋回可能なミラーは、適切な作動可能な光学要素110の一例にすぎない。他の適切な構成は、並進可能なレンズまたは並進可能なミラーなどの並進可能な光学要素を含むことができる。いくつかの例では、並進可能な光学要素は、対物要素122、完全なシステム100、および/または光ファイバ108を含むことができる。
【0050】
いくつかの例では、システム100は、産業用の例におけるクリーンルーム環境、滅菌性(sterility)を含む医療用の例における滅菌環境など、システム100が別の環境で動作することを可能にする機能を含むことができる。例えば、システム100が再利用可能であることができ(例えば、主要な機器であることができ)、光ファイバ108が交換可能であることができる(例えば、1回使用した後に廃棄されることができる、または、再処理されて複数回の使用の後に廃棄されることができる、または、不特定の使用回数に対して再処理されることができる)場合など、医療処置が実行される一部のアプリケーションでは、システム100はオプションで窓または光学面などのバリアを含むことができる。医療の例では、バリアは、滅菌性を必要としない特定の医療処置のために清潔な環境を提供するのに役立つ清潔さの要件(cleanliness requirements)を満たし得る、または、滅菌性を必要とする医療処置のために滅菌性を確保するのに役立つ滅菌要件を満たし得る。
【0051】
窓または光学面は、光ファイバ108に接触することなく、光ビーム120を光ファイバ108に通すことができ且つ光ファイバ108からの光を受け取ることができる。いくつかの例では、窓または光学面は、その後の処置で使用される光ファイバの汚染を避けるために、システム100の使用の間に簡単に清掃することができる。いくつかの例では、対物レンズなどの対物要素122は、システム100のバリアの一部を形成することができる。例えば、対物レンズは、平面凸とすることができ、平面側はオプションで滅菌バリアの一部を形成する。他の構成も使用することができる。前述のように、いくつかの例では、システム100によって形成されるバリアは、滅菌要件を満たしていないという点で、滅菌バリアではない場合がある。
【0052】
システム100は、オプションでさらに、光ファイバ108の端部106に近い光路112に配置されたフィールドアライニングレンズ(field aligning lens)134を含むことができる。このようなフィールドアライニングレンズ134は、光ファイバ108がシステム100の光学要素の中心軸から離れて配置される場合の結合効率を向上させることができる(例えば、軸外性能(off-axis performance))。フィールドアライニングレンズ134は、オプションで対物レンズ122と同じ焦点距離を有することができる。フィールドアライニングレンズ134は、オプションで対物レンズ122の直径より小さい直径(例えば、有効口径(clear aperture))を有することができる。フィールドアライニングレンズ134は、オプションで、対物レンズ122の開口数より小さい開口数(例えば、焦点距離で割った直径の半分)を有することができる。フィールドアライニングレンズ134は、オプションで、平凸レンズとして形成することができる。フィールドアライニングレンズ134は、オプションで、システム100の眼筋バリアの一部を形成する平面を有することができる。フィールドアライニングレンズ134は比較的安価なアイテムである可能性があるため、フィールドアライニングレンズ134は、オプションで、取り外される、再処理される、再利用される、および/または廃棄されることができる交換可能な(例えば、単回使用や多回使用など)要素として構成することができる。このような交換可能要素は、オプションで、光ファイバ108と一緒に、または、光ファイバ108から別個に、パッケージ化されることができる。
【0053】
いくつかの例では、システム100は、オプションで、光ファイバ108の1つまたは複数のコアから反射される光の量を監視することができる。例えば、位置センシングアプリケーションでは、システム100は光を光ファイバ108の1つまたは複数のコアに結合することができ、光は光ファイバ108の長さに沿った場所から様々な量で反射することができ、システム100は、光ファイバ108の3次元位置を決定するために、インタロゲータ12によって実行される光周波数領域反射率測定法(OFDR)などによって反射光を分析することができる。いくつかの例では、反射光の分析は、反射光の大きさまたは振幅を感知することを含むことができる。このような感知された大きさまたは振幅は、光ファイバ108に入る光の結合効率に対応することができる。システム100は、光ファイバ108からの反射光の感知された大きさまたは振幅を上げる(raise)、最大化、および/または最適化するために、作動可能な光学要素110を作動させることができる。いくつかの例では、システム100は、上述のイメージング技術と協調して感知された大きさまたは振幅を使用することができる。例えば、システム100は、イメージング技術を使用して、コア116の近くまたはそこで光路112の初期位置決めを行う(例えば、粗い位置合わせ手順(coarse alignment procedure)として)ことができ、検出された大きさまたは振幅を使用して、光路112をコア116に対してより正確に位置決めする(例えば、微調整手順として)ことができる。いくつかの例では、システム100は、上記のイメージング技術を使用することなく、感知された大きさまたは振幅を使用して光路112をコア116に対して位置決めすることができる。
【0054】
上で説明したように、システム100は、光ファイバ108を照射して、光ファイバ108の端部106の像104をキャプチャすることができる。光源118がソース光ファイバ138を含む構成の場合、システム100は、オプションで、ソース光ファイバ138の端部を照射し、追加の光学要素を含めて、ソース光ファイバ138の端部142のビュー(view)を像104内の光ファイバ108の端部106のビューに重ねることができる。(ソース光ファイバ138の端部142を照明することの代替手段として、またはそのような照明を行うことに加えて、コントローラ10は、ソース光ファイバ138の反対側の端部に照明を注入することができ、これは、ソース光ファイバ138に沿って伝播して、ソース光ファイバ138の端部142から出現することができる。イメージング用の照明は、形状感知用の光とは異なる波長を使用できるため、照明の注入は、コントローラ10で波長分割多重によって行うことができる。)2つのファイバの端部を同時に見ることを可能にすることは、システム100の組み立ておよび位置合わせ段階の間に追加情報を提供することができる。
【0055】
前述のように、130などの第1の照明光源は、132などの第1の照明で光ファイバ108を照明することができる。第1の照明132は、光ビーム120の波長とは異なる第1の波長を有することができる。第1の照明132の少なくとも一部は、第1の光を形成するように光ファイバ108から反射または散乱することができる。対物レンズや対物ミラーなどの対物要素122は、第2の光を形成するように第1の光の少なくとも一部をコリメートすることができる。第2の照明光源144は、ソース光ファイバ138を第2の照明146で照明することができる。第2の照明146は、第1の波長とは異なり且つ光ビーム120の波長とは異なる第2の波長を有することができ。第2の照明146の少なくとも一部は、第3の光を形成するようにソース光ファイバ138から反射または散乱することができる。ソース対物レンズまたはソース対物ミラーなどのソース対物要素148は、第4の光を形成するように第3の光の少なくとも一部をコリメートすることができる。124などのダイクロイックミラーと、再帰反射器または再帰反射プリズムなどリフレクタ150は、第5の光を形成するように第2の光と第4の光を重ね合わせることができる。
図1に示す構成では、ダイクロイックミラー124は、第4の光の少なくとも一部をリフレクタ150に向けて反射することができる。代替的には、ダイクロイックミラー124は、リフレクタ150に向かって第2の光の少なくとも一部を反射するように向き合わせされる(oriented)ことができる。126など集束要素は、集束要素126の焦点面に像104を形成するように第5の光を集束することができる。集束要素126の焦点面に位置する128などのイメージングアレイは、像104を感知することができる。ファイバの端部106、142は異なる波長の光でイメージングされることができるため、プロセッサ114は、オプションで、必要に応じて2つの重ね合わされたビューから情報を分離することができる。ファイバの端部106、142の重ね合わされたビューを形成することは、システム100の組み立ておよび/またはアライメント段階、および/またはシステム100の使用中に追加情報を提供することができる。たとえば、ファイバの端部は像104内で見ることができるため、像104を使用してファイバの端に汚れや損傷がないか確認できる。
【0056】
光路112は、1次元または2次元に広がる角度範囲内で光路112をリダイレクトすることができるオプションの第1の旋回可能な要素152を含むことができる。第1の旋回可能な要素152は、1、2、3、またはそれ以上の軸周りに制御可能に旋回することができる調整可能なマウントにミラーを含むことができる。旋回可能な要素が複数の軸周りに旋回される場合、軸は交差しても交差しなくてもよく、または互いに直交してもよく、または、ある他の角度だけ回転オフセットされてもよい。句「旋回可能な要素」は、例えば、先端/傾斜ステージに取り付けられたミラーなどの要素を含むことができるさまざまな「先端/傾斜要素」を含むことが意図される。先端/傾斜ステージは、通常、2つの直交しかつ交差する軸のそれぞれの周りに旋回できるが、他の構成も使用することができる。
図1の構成では、第1の旋回可能な要素152は、光路112が90度、または約90度だけ、名目上(nominally)リダイレクトされるように、45度、または約45度の公称入射角を有することができる。45度の入射角は入射角の一例に過ぎない;他の適切な入射角を使用することもできる。第1の旋回可能な要素152は、システム100の組み立てとアライメントの段階で追加の自由度を提供することができる。たとえば、光路112に第1の旋回可能な要素152を配置することは、ソース光ファイバ138上の多少の配置公差を緩和するのに役立ち、光路112内の他の光学要素の回転および/または変位を補正するのに役立つことができる。第1の旋回可能な要素152は、光源118とダイクロイックミラー124との間、ダイクロイックミラー124と作動可能な光学要素110との間、作動可能な光学要素110と光ファイバ108との間、または光路112に沿った任意のその他の適切な場所の光路112に配置することができる。
【0057】
光路112は、1次元または2次元に広がる角度範囲内で光路112をリダイレクトできるオプションの第2の旋回可能な要素154を含むことができる。第2の旋回可能な要素154は、第1の旋回可能な要素152と構造および機能が類似している場合がある。第2の旋回可能な要素154は、光源118とダイクロイックミラー124との間、ダイクロイックミラー124と作動可能な光学要素110との間、作動可能な光学要素110と光ファイバ108との間、または光路112に沿ったその他の適切な位置の光路112に配置することができる。第1の旋回可能な要素152と第2の旋回可能な要素154は、光路112に沿った異なる位置に配置することができる(例えば、光路112に沿って長手方向に分離することができる)。
図1では、第2の旋回可能な要素154は、それらの間に介在する光学要素を持たない第1の旋回可能な要素152に隣接しているように示されているが、第2の旋回可能な要素154は、ビームスプリッタの間、またはビームスプリッタと作動可能な光学要素110の間を含む、光路112に沿った任意の適切な位置に配置することができる。光路112に沿って分離された2つの旋回可能な要素を使用することは、システム100内の光学部品の組み立ておよびアライメントの間に役立つことができる。例えば、2つの長手方向に分離された旋回可能な要素を使用することは、光路112が、所望の位置に横方向に並進される(例えば、回転なしに動かされる)、または、固定された空間位置を維持しながら2次元的に回転されることを可能にすることができる。具体的な例として、2つの旋回可能な素子を使用することは、光路112が、レンズの光学性能を向上させるように、レンズの端ではなくレンズの中心を通ることを可能にすることができる。
【0058】
いくつかの例では、光ファイバ108とソース光ファイバ138が互いにほぼ平行(少なくとも数度以内)であることができるように、光路112をステアリングするために1つまたは複数の旋回可能な要素を使用することが有益な場合がある。ファイバをほぼ平行に向き合わせすることは、概して、通常は反対側からのファイバの挿入を必要とする一般的な物理的接触コネクタの使用と一致している。
図1の構成は、旋回可能な要素152または154の1つを削除し、追加の旋回可能な要素を追加し、ダイクロイックミラー124をロングパスフィルタではなくショートパスフィルタに変更し、その他の幾何学的な変更を加えることによって、この平行条件を達成するように変更することができる。
【0059】
これまでは、光路112を光ファイバ108のコア116に横方向に位置合わせすることに焦点が当てられてきた。具体的には、光ファイバ108の端部106の座標系(x、y、z)について、zが光路112の中心軸に対応する場合、上記の議論は、光路112をx次元およびy次元で位置合わせすることに向けられている。例えば、光ファイバ108の端部106の像104をキャプチャすることは、光ファイバ108上の1つまたは複数の特徴のx座標とy座標を提供することができ、システム100は、像104内の特徴に対して光路112をx次元とy次元上で能動的に位置合わせすることができる。
【0060】
いくつかの用途では、x次元とy次元の能動的なアライメント(位置合わせ)は、光ファイバ108への十分に高い結合を達成するのに十分な場合がある。これらの用途は、十分に高い結合を達成するために十分に正確であるので、光ファイバ108の端部106の機械的な配置に依存することができる。例えば、光ファイバ108は、許容差内の任意のz位置に対して、結合効率が十分に高くなるように、光ファイバ108の端部106を指定された平面(z方向)に指定された許容差内に位置決めすることができるクランプに嵌合し(fit into)得る。
【0061】
他の用途では、z方向の機械的配置は、十分に高い結合を達成するために適切に正確ではない場合がある。これらの用途のために、システム100はさらに、1つまたは複数の長手方向位置センサ要素を含むことができる。長手方向位置センサ要素は、光ビーム120の焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離(separation)(例えば、光路112に沿って測定した距離)を検出することができる。長手方向位置センサ要素は、光路112の固定部分の任意の適切な位置に配置されることができる。
【0062】
同様に、システム100はさらに1つまたは複数の長手方向位置調整要素を含むことができる。長手方向位置調整要素は、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を減らすように光ビーム120の焦点を長手方向に位置決めすることができる。長手方向位置調整要素は、光路112の固定部分の任意の適切な位置に配置することができる。いくつかの例では、長手方向位置調整要素は、長手方向位置センサ要素と光ファイバ108との間の光路112に配置することができる。
【0063】
図1の構成では、長手方向位置センサ要素は、ダイクロイックビームスプリッタ、50-50ビームスプリッタ、または別の適切なビーム分割素子などのビームスプリッタ156を含むことができる。
図1の構成では、ビームスプリッタ156は、光路112に沿って、ダイクロイックミラー124と光ファイバ108との間に配置することができる。代替的には、ダイクロイックミラー124は、光路112に沿ってビームスプリッタ156と光ファイバ108との間に配置することができる。ビームスプリッタ156を通過する透過パスと反射パスの機能を交換できる構成を含む、他の構成を使用することもできる。
【0064】
ビームスプリッタ156は、光ファイバ108の端部106から反射および/または散乱された光を受信することができる。ビームスプリッタ156は、反射光の一部をバイプリズム158、レンズ160、およびセンサ162に導くことができる。レンズ160は、センサ162に像164を形成するようにバイプリズム158から出た光を集束することができる。センサ162はプロセッサ114に結合することができる。
【0065】
バイプリズム158は、像164内の指定された特徴(光ファイバ108の周縁など)が像164内の対応する複製特徴(duplicate feature)を有するように、反射光の対向する半分(opposing halves)の間にくさび角(wedge angle)を与えることができる。プロセッサ114は、さらに、指定された特徴と対応する複製特徴との間の間隔に少なくとも部分的に基づいて、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を決定することができる。これらの構成では、間隔はフォーカス誤差信号(focus error signal)と見なすことができる。間隔は、システム100の初期組み立ておよび位置合わせの間に工場においてなど、システム100の初期構成で決定することができる指定された距離と比較することができる。間隔が指定された距離より小さい場合、焦点は光ファイバ108の外側など、光ファイバ108の端部106の一方の側にあることができる。間隔が指定された距離よりも大きい場合、焦点は、光ファイバ108内など、光ファイバ108の端部106の他方の側にあることができる。
【0066】
図1のバイプリズム構成は、長手方向位置センサ要素の構成の一例にすぎない。その他の適切な構成を
図4~6に示し、以下に説明する。
【0067】
図4は、
図1のシステム100での使用に適した長手方向位置センサ要素の例の上面図を示している。光路112のビームスプリッタ156は、スプリットフィールドダイクロイックフィルタ404、レンズ406、およびセンサ410に向かって光ファイバ108(
図1)の端部106(
図1)から反射および/または散乱された光ビーム120の光部分402を導く。スプリットフィールドダイクロイックフィルタ404の第1の半部404Aは、第1のスペクトルプロファイルを有することができる(例えば、第1の波長または第1の波長帯を通すことができる)。スプリットフィールドダイクロイックフィルタ404の第2の半部404Bは、第1のスペクトルプロファイルとは異なる第2のスペクトルプロファイルを有することができる(例えば、第1の波長とは異なる第2の波長または第1の波長帯とは異なる第2の波長帯を通すことができる)。光の部分402は、センサ410に像408を形成することができる。センサ410はプロセッサ114に結合することができる。
【0068】
光の部分402は複数の波長を有することができる。スプリットフィールドダイクロイックフィルタ404は、像408内の指定された特徴が、異なる波長において像408内に対応する複製特徴を有するように構成されることができる。プロセッサ114は、さらに、指定された特徴と対応する複製特徴との間の間隔に少なくとも部分的に基づいて、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を決定することができる。間隔は、前述のように、指定した距離と比較できる。
【0069】
図5は、
図1のシステム100での使用に適した長手方向位置センサ要素の別の例の上面図を示している。光路112のビームスプリッタ156は、光ファイバ108(
図1)の端部106(
図1)から反射および/または散乱された光ビーム120の光の部分502を、プログラマブルな開口、レンズ506、およびセンサ510を有する液晶オンシリコン(LCOS)デバイス504に導く。光の部分502は、センサ510に像508を形成することができる。センサ510はプロセッサ114に結合することができる。
【0070】
LCOSデバイス504は、時間多重化を使用して、
図1および4に示す要素によって達成される同様の分割効果を実現することができる。最初に、LCOSデバイス504の開口部の第1の半部504Aは反射することができ、LCOSデバイス504の開口部の第2の半部504Bは非反射であることができる。最初の間、プロセッサ114はセンサ510から第1の像を取得することができる。最初の後の2回目では、LCOSデバイス504の開口部の第1の半部504Aを非反射であることができ、LCOSデバイス504の開口部の第2の半部504Bは反射することができる。2回目の間に、プロセッサ114はセンサ510から第2の像を取得することができる。LCOSデバイス504は、第1の像内の指定された特徴が、第2の像内の対応する複製特徴を有するように構成されることができる。プロセッサ114は、さらに、指定された特徴と対応する複製特徴との間の間隔に少なくとも部分的に基づいて、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を決定することができる。間隔は、前述のように、指定した距離と比較できる。
【0071】
図6は、
図1のシステム100での使用に適した長手方向位置センサ要素の別の例の上面図を示している。光路112のビームスプリッタ156は、光ファイバ108(
図1)の端部106(
図1)から反射および/または散乱された光ビーム120の光の部分602を、色収差レンズ606およびセンサ610に導く。光の部分602は、センサ610に像608を形成することができる。センサ610はプロセッサ114に結合することができる。
【0072】
光の部分602は複数の波長を有することができる。色収差レンズ606は色収差を含んでいるため、色収差レンズ606は、1つの波長の光を第1の焦点面で第1の焦点に置くことができ、第2の波長(第1の波長とは異なる第2の波長)の光を第1の焦点面から離れた第2の焦点面で第2の焦点に置くことができる。通常、1より多い波長で動作するよく設計されたレンズのほとんどの場である色収差が存在しない場合、第1の焦点面と第2の焦点面は多くの場合一致しているか、ほぼ一致していることに留意されたい。
【0073】
色収差レンズ606は、像608内の指定された特徴が、異なる波長における像608内の対応する複製特徴を有するように構成することができる。プロセッサ114はさらに、少なくとも部分的に、像608内の指定された特徴のサイズと、像608内の対応する複製特徴のサイズから、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を決定することができる。さらに、または代替として、プロセッサ114は、像608に対して2次元高速フーリエ変換を実行することによってなど、像608を処理して、異なる波長での像608のシャープネス(sharpness)を評価することができる。異なる波長でのシャープネスは、焦点と光ファイバ108の端部106との間の長手方向の分離を決定するのに役立つことができる、および/または少なくとも長手方向の分離の兆候(sign)(例えば、ポジティブ(positive)またはネガティブ(negative))を決定するのに役立つことができる。
【0074】
図1の構成は、異なるビームスプリッタ(ダイクロイックミラー124およびビームスプリッタ156など)、異なる集束要素(集束要素126およびレンズ160など)、および異なるセンサ(イメージングアレイ128およびセンサ162など)を使用して、イメージング(ダイクロイックミラー124、集束要素126、イメージングアレイ128を使用するような)およびフォーカスセンシング(ビームスプリッタ156、レンズ160、およびセンサ162を使用するような)のタスクを実行する。代替として、タスクおよび要素は、単一のビームスプリッタ(ダイクロイックミラー124など)を使用することおよび集束要素126とイメージングアレイ128との間に位置するように長手方向位置センシング要素(
図1のバイプリズム、
図4のスプリットフィールドダイクロイックフィルタ、
図5のLCOSデバイス、または
図6の色収差レンズなど)を動かすことによってなど、組み合わせることができる。このような代替は、光ファイバ108の端部106が、ダイクロイックミラー124の反射帯域(または
図1のロングパスフィルタをショートパスフィルタに置き換えた場合は透過帯域)にすべて位置することができる3つの波長のような複数の波長で照射される場合に特に有効である。
【0075】
図7は、
図1のシステム100における長手方向位置調整装置要素の平面図を示す。
図1および
図7では、長手方向位置調整要素は可変焦点レンズ166を含むことができる。可変焦点レンズ166は、光路112の固定部など、光路112に配置することができる。プロセッサ114はさらに、焦点と光ファイバ108の端部106との間の(長手方向位置センサ要素によって決定される)長手方向の分離に基づいて、光ファイバ108の端部106に焦点を位置決めするように光ビーム120のコリメーション(collimation)を可変焦点レンズ166に調整させることができる。
【0076】
図8は、
図1のシステム100での使用に適した長手方向位置調整装置要素の例の平面図を示す。
図1および
図7の可変焦点レンズ166を使用する代わりに、システム100は、光ファイバ108の端部106に対して対物要素122を長手方向に位置決めするため、光ファイバ108の端部106に対してシステム100全体を長手方向に位置決めするため、システム100に対して光ファイバ108を長手方向に位置決めするため、またはシステム100と光ファイバ108の端部106との間の間隔を制御可能に変化させるためのリニアアクチュエータ802を含むことができる。プロセッサ114は、長手方向位置センサ要素によって決定される長手方向の分離に基づいて、リニアアクチュエータ802を制御することができる。リニアアクチュエータ802は、焦点と光ファイバ108の端部106との間の間隔を調整することができる。他の適切なアクチュエータおよびアクチュエータタイプを使用することもできる。
【0077】
長手方向位置センサ技術のいずれかまたはすべて(例えば、
図1のバイプリズム、
図4のスプリットフィールドダイクロイックフィルタ、
図5のLCOSデバイス、
図6の色収差レンズ、またはその他を使用するもの)は、長手方向位置調整技術のいずれかまたはすべて(例えば、
図1および
図7の可変焦点レンズ、
図1および
図7のリニアアクチュエータ、またはその他を使用するものなど)とともに使用することができる。さらに、長手方向位置センサ技術のいずれかまたはすべてと、長手方向位置調整技術のいずれかまたはすべては、対物要素の構成のいずれかまたはすべて(対物レンズまたは対物ミラーなど)、光ファイバの構成のいずれかまたはすべて(シングルコアまたはマルチコアなど)、光源の構成のいずれかまたはすべて(シングルコア光ファイバ、マルチコア光ファイバ、複数のシングルコア光ファイバ、その他など)、および旋回可能な要素の構成のいずれかまたはすべて(2つ含む、1つ省略して1つだけ含む、両方省略していずれも含まない、2つより多くを含むなど)とともに使用することができる。
【0078】
図9は、光ファイバに光を導くようにシステムを動作させる方法900の一例のフローチャートを示す。このシステムには、イメージング光学系、プロセッサ、および作動可能な光学要素を含むことができる。作動可能な光学要素は光路を規定することができる。光路は、作動可能な光学要素に延びることができ、さらに光ファイバの端部に延びることができる。方法900は、
図1のシステム100、または他の適切なシステムで実行することができる。
【0079】
動作902において、システムは、イメージング光学系を用いて、光ファイバの端部の像を生成することができる。
【0080】
動作904において、システムは、プロセッサを用いて、像内の指定された特徴の像内の位置を決定することができる。
【0081】
動作906において、システムは、プロセッサを用いて、作動可能な光学要素を像内の指定された特徴の位置に基づいて光路を光ファイバのコアに位置合わせするように作動させることができる。
【0082】
動作908において、システムは、光ファイバのコアに結合するように光路に沿って光ビームを導くことができる。
【0083】
いくつかの例では、方法900は、オプションで、プロセッサを用いて、像内の指定された特徴の位置と像内の所定のターゲット位置との間のオフセットを決定することをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、プロセッサを用いて、オフセットを減少させるように作動可能な光学要素を作動させることをさらに含むことができる。
【0084】
いくつかの例では、指定された特徴は、光ファイバの端部の周縁であることができる。コアは、光ファイバの周縁に対する所定のコア位置に配置されることができる。方法900は、オプションで、光路の所定のコア位置に位置合わせさせることにより光路をコアに整列させるように、プロセッサを用いて、作動可能な光学要素を作動させることをさらに含むことができる。
【0085】
いくつかの例では、方法900は、オプションで、光ビームの波長とは異なる波長を有する照明で光ファイバを照射することをさらに含むことができる。
【0086】
いくつかの例では、方法900は、オプションで、第1の光を形成するように光ファイバからの照明の少なくとも一部を反射または散乱させることをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、第2の光を形成するように第1の光の少なくとも一部を、イメージング光学系の対物要素を用いて、コリメートすることをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、イメージング光学系のダイクロイックミラーを用いて、第3の光を形成するように、少なくとも第2の光の一部を光路から離して導くことをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、イメージング光学系の集束要素を用いて、集束要素の焦点面で像を形成するように第3の光の集束させることをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、集束要素の焦点面に位置するイメージングアレイを用いて、像を感知する(センシングする)ことをさらに含むことができ
【0087】
いくつかの例では、方法900は、オプションで、焦点と光ファイバの端部との間の長手方向の分離を、長手方向位置センサによって検出することをさらに含むことができる。方法900は、オプションで、長手方向位置調整装置を用いて、長手方向の分離を減らすように焦点を位置決めすることをさらに含むことができる。
【0088】
いくつかの例では、長手方向位置調整装置は、さらに像内に複製特徴を作成することができる。方法900は、オプションで、プロセッサによって、少なくとも部分的に、指定された特徴と対応する複製特徴との間の間隔またはサイズ差に基づいて、焦点と光ファイバの端部との間の長手方向の分離を決定することをさらに含むことができる。
【0089】
いくつかの例では、長手方向位置調整装置は光路に配置された可変焦点レンズを含むことができる。方法900は、オプションで、プロセッサによって、焦点と光ファイバの端部との間の長手方向の分離に基づいて、可変焦点レンズを光ファイバの端部に焦点を位置決めするように光ビームのコリメーションを調整させることをさらに含むことができる。
【0090】
いくつかの例では、長手方向位置調整装置は、光路を光ファイバの端部に導くことができる作動可能な対物レンズを含むことができる。方法900は、オプションで、プロセッサによって、焦点と光ファイバの端部との間の長手方向の分離に基づいて、作動可能な対物レンズを、光ファイバの端部に焦点を位置決めするように移動させることをさらに含むことができる。
【0091】
図10は、光ファイバに光を導くようにシステムを動作させるための別の方法1000の一例のフローチャートを示す。光ファイバはコアを含むことができる。このシステムは、イメージング光学系、第1の作動可能な光学要素、および第2の作動可能な光学要素を含むことができる。方法1000は、
図1のシステム100、または他の適切なシステムで実行することができる。
【0092】
動作1002において、システムは、イメージング光学系を用いて、光ファイバの端部の第1の像を生成することができる。
【0093】
動作1004において、システムは、第1の像から、光ファイバの端部上のコアの2次元の横方向の位置を決定することができる。
【0094】
動作1006において、システムは、2次元の横方向の位置に基づいて、光路をコアに横方向に位置合わせするように第1の作動可能な光学要素を作動させることができる。方法1000は、光路がコアに十分に位置合わせされているとシステムが決定できるまで、必要に応じて動作1002から1006を繰り返すことができる。システムが動作1006を完了すると、光路はコアに対して横方向に位置合わせされている(例えば、光ファイバの端部で光路に直交するx-y平面において位置合わせされている)と見なされる。
【0095】
動作1008において、システムは、イメージング光学系を用いて、光ファイバの端部の第2の像を生成することができる。
【0096】
動作1010において、システムは、第2の像から、光ファイバの端部上のコアの長手方向位置を決定することができる。
【0097】
動作1012において、システムは、長手方向位置に基づいて、光ファイバの端部で光路を焦点に合わせるように第2の作動可能な光学要素を作動させることができる。方法1000は、焦点が光ファイバの端部に十分に近いとシステムが決定することができるまで、必要に応じて動作1008から1006を繰り返すことができる。システムが動作1012を完了すると、光路の焦点は、ファイバの端部に長手方向に位置合わせされている(例えば、光ファイバの端部において光路に平行なz方向に位置合わせされている)と見なされる。
【0098】
いくつかの例では、第1の作動可能な光学要素は旋回可能なミラーを含むことができる。方法1000は、オプションで、光ファイバのコアに結合するように光路に沿って光ビームを導くことをさらに含むことができる。方法1000は、オプションで、少なくとも以下の3つの動作を繰り返し実行することをさらに含むことができる。第1に、このシステムは、旋回可能なミラーの角度位置を2次元で振動させる(dither)ことができる。第2に、このシステムは、コアから反射された光の量を感知することができる。いくつかの例では、第2の動作は、システムに結合されているコントローラのインタロゲータによって実行されることができる。第3に、このシステムは、コアから反射される光の量を増やすように旋回可能なミラーの角度位置を調整することができる。
【0099】
いくつかの例では、システムに含まれるコントローラまたはプロセッサの少なくとも1つは、旋回可能なミラーの複数の角度位置(x、y)および/または複数の焦点位置(z)で測定を行い、角度位置および/または焦点位置の各々でコアから反射される光の量を測定し、1つまたは複数の曲線を測定された光の量に合わせ、旋回可能なミラーの角度位置および/または焦点調整(focus adjustment)を1つまたは複数の曲線の極大値に対応するように調整することができる。
【0100】
いくつかの例では、コントローラ10は、ミラーサーチパターンの各位置で、OFDRを使用して反射信号を測定することができる。さまざまなデータ処理技術が、どこが最適なファイバ結合が達成されるか(例えば、光ビーム120の焦点と光ファイバ108の端部106との間のどの分離が、光ファイバ108から戻る光の最大量を提供し、したがって、光ファイバ108への最高の結合効率を提供するか)を評価するために使用することができる。
【0101】
ある技術では、コントローラ10は生の周波数領域データの反射振幅を合計し、全体の反射振幅を報告することができる。このような技術は有効であるが、比較的大きなバックグラウンド信号を追加で除外することも可能である。以下で説明する技術は、これらの比較的大きなバックグラウンド信号を除外することができるため、結合効率測定の信号対雑音比を高めることができる。
【0102】
別の技術では、コントローラ10は、コアに格子を持つ光ファイバ108のセクションを表す、時間領域または光遅延領域の反射振幅のセクションを選択し、選択されたセクションにわたって合計することができる。たとえば、時間領域では、横軸がラウンドトリップ伝播時間に対応するため、光学的なインターフェイス(レンズや窓の面など、ガラスと空気の境界面など)から発生する反射が横軸に沿ってピークとして表示される。そのため、コントローラ10は、これらの光学的なインターフェイスから発生するピークを効果的に無視し、光ファイバ108の長さに沿った位置から反射される光から発生するデータを分析することができる。コントローラ10は、光ファイバ108の長さに沿った反射(複数可)から生じるデータの反射振幅を合計し、光ファイバ108の端部106または他の光学面からの反射(複数可)から生じるデータを除外することができる。どのデータをこの方法で使用するかを選択することは、コントローラ10に戻るすべての光を使用する場合と比較して、感度を高めることができる。たとえば、どのデータをこの方法で使用するかを選択することは、光が光ファイバ108に結合され、光ファイバ108の長さに沿って格子構造から反射されている場合にのみ、より高い信号(例えば、騒音レベル以上)を示すことができる。
【0103】
さらに別の技術では、コントローラ10は、格子が存在する時間領域で光ファイバ108領域全体を選択し、高速フーリエ変換などによってデータを周波数領域に変換し、格子が反射するスペクトル領域でのみ振幅を合計することができる。この方法で振幅データを処理することは、コネクタの反射やその他の光学的なインターフェイスから発生する可能性のある低レベルのブロードバンド反射振幅を削減または排除するのに役立ち得る。
【0104】
コンピュータ可読媒体が、光ファイバに光を導くシステムのプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに動作を実行させる命令を格納することができる。このシステムは、光路を規定する作動可能な光学要素を含むことができる。光路は、作動可能な光学要素に延びることができ、さらに光ファイバの端部に延びることができる。動作は、少なくとも次の4つの動作を含むことができる。第1に、システムは、イメージング光学系を用いて、光ファイバの端部の像を生成することができる。第2に、システムは、像から、像内の指定された特徴の像内の位置を決定することができる。第3に、システムは、像内の指定された特徴の位置に基づいて、光路を光ファイバのコアに位置合わせするように作動可能な光学要素を作動させることができる。第4に、システムは、光ファイバのコアに結合ように光路に沿って光ビームを導くことができる。
【0105】
本発明の様々な態様が、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本発明は、添付の請求項の全範囲内で完全な保護を受ける権利を有することが理解されるであろう。