(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】流体管で使用するためのモジュール型ヒータアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 53/38 20180101AFI20250106BHJP
H05B 3/40 20060101ALI20250106BHJP
F16L 59/20 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
F16L53/38
H05B3/40 A
F16L59/20
(21)【出願番号】P 2022576028
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 US2021037174
(87)【国際公開番号】W WO2021252993
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2024-05-31
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502137880
【氏名又は名称】ワトロー エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】オース, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】エリス, エリック
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-503966(JP,A)
【文献】特開平10-047581(JP,A)
【文献】特開2004-349196(JP,A)
【文献】特開2020-024924(JP,A)
【文献】特開2006-020869(JP,A)
【文献】実開昭60-033785(JP,U)
【文献】特表2012-514846(JP,A)
【文献】中国実用新案第206861080(CN,U)
【文献】中国実用新案第208479974(CN,U)
【文献】特開昭52-120429(JP,A)
【文献】特公昭41-002839(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276267(US,A1)
【文献】中国実用新案第211450024(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 53/38
H05B 3/40
F16L 59/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管システムのためのモジュール型ヒータアセンブリであって、
流体管システムの
第1の管と第2の管を含む複数の管に沿って配置された複数の抵抗ヒータと、
前記複数の抵抗ヒータのそれぞれの周りに配置された複数の断熱部材と、
前記第1の管と前記第2の管を連結して外側の幾何学的形状を画定するようにされたフィッティングの周りに配置された断熱ブロックと、
を備え、
前記断熱ブロックは、
前記第1の管の軸方向に対して垂直
な主要面と、
前記主要面に対して垂直な側壁と、
前記フィッティングの前記外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定し、
前記第1の管の前記軸方向に延び、且つ
前記主要面を通って延びる中央凹部と、
周囲開口部であって、当該周囲開口部に挿入された前記第2の管の挿入部の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定し、前記中央凹部に開口して、
前記断熱ブロックの前記側壁を通って前記第2の管の軸方向に延びる周囲開口部と、
を備え、
前記断熱ブロックの前記側壁が、前記断熱ブロックの前記側壁を半分に分割して前記断熱ブロックが前記フィッティングの周りに取り付けられて自動的に固定されるようにするスリットを画定している、モジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項2】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状が四角である、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項3】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状が弧状である、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項4】
前記内側の幾何学的形状が円筒を有する、請求項3に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項5】
前記中央凹部が閉塞している、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項6】
前記中央凹部が、
前記主要面と前記主要面の反対側の面とを通るようにして、前記断熱ブロックの厚さ全体を通って延びている、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項7】
前記周囲開口部の前記内側の幾何学的形状が弧状である、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項8】
前記内側の幾何学的形状が円筒を有する、請求項7に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項9】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状が、間隔をあけて対向した平面を画定している、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項10】
前記周囲開口部の前記内側の幾何学的形状が、間隔をあけて対向した弧状面を画定している、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項11】
前記断熱ブロックが傾斜した端面を有する、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項12】
前記断熱ブロックが円形断面を有する、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項13】
前記断熱ブロックがD形状断面を有する、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項14】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状と前記周囲開口部の前記内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方
の内側に配置された断熱材料を
更に有する、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項15】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状と前記周囲開口部の前記内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方に近接して配置された少なくとも1つのヒータをさらに備える、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項16】
前記中央凹部の前記内側の幾何学的形状と前記周囲開口部の前記内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方に近接して配置された少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサが温度センサである、請求項16に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項18】
前記複数の断熱部材のそれぞれが柔軟な円筒形発泡体を備える、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項19】
前記柔軟な円筒形発泡体の少なくとも1つがその長さに沿ったスリットを画定している、請求項18に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項20】
前記複数の抵抗ヒータがシリコーンゴムヒータである、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項21】
前記中央凹部及び前記周囲開口部が内部空洞を画定し、前記内部空洞は前記断熱ブロックの少なくとも2つの側面に開口している、請求項1に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【請求項22】
前記内部空洞が、前記断熱ブロックの3つの側面に開口してT形状を画定している、請求項21に記載のモジュール型ヒータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年6月12日に出願された米国仮特許出願第63/038,420号の優先権とその利益を主張する。上記出願の開示は参照によりここに包含される。
【0002】
本開示は、流体管を加熱するためのヒータアセンブリに関し、より詳細には、そのような加熱された流体管のための改善された断熱構造を備えたヒータアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
この欄での記載は、単に本開示に関連する背景情報を提供するものであり、必ずしも従来技術を構成しない。
【0004】
例えば油井又は貯水池などの供給源からの、とりわけ、オイル、ガス、及び水などの流体の供給には、そのような流体を管などによって移送することが必要となる。管内の流体は、管内での流体の自由な又は制限されない流れを維持するために、ある温度又はその温度以上に維持することが必要となる場合がある。流体は、管の周りに取り付けられた、ヒートトレースタイプなどの電気ヒータによって加熱されるようにできる。通常、周囲環境への熱損失を低減するために、管及び電気ヒータの周りに断熱ジャケットが取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、複数の管をそれらの長さに沿って連結するために、又は管をある角度をなすように連結するために、フィッティングが使用される。管の部分がフィッティングで連結される場合、それらフィッティングの周りの断熱構造は、通常、特注設計され、それにより製造コストが増加する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この欄は、本開示の概要を提供するが、その全範囲又はその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0007】
本開示の一態様においては、流体管システムのためのモジュール型ヒータアセンブリが提供され、該モジュール型ヒータアセンブリは、流体管システムの管に沿って配置された複数の抵抗ヒータと、複数の抵抗ヒータのそれぞれの周りに配置された複数の断熱部材と、フィッティングの周りに配置された少なくとも1つ断熱ブロックと、を備える。フィッティングは、流体管システムの管の少なくとも2つの隣接部分を連結して外側の幾何学的形状を画定するようにされている。断熱ブロックは、中央凹部及び周囲開口部を有する。中央凹部は、フィッティングの外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定する。中央凹部は、管の少なくとも2つの隣接部分のうちの1つの軸方向に延びる。周囲開口部は、管の少なくとも2つの隣接部分のうちの別の1つの外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定する。周囲開口部は、中央凹部に開口し且つ中央凹部に対して第2の方向に延びる。周囲開口部は、断熱ブロックの側壁を通って延び、管の前記少なくとも2つの隣接部分のうちの別の1つと軸方向で整列する。
【0008】
一変形形態では、中央凹部の内側の幾何学的形状は、四角、又は円筒などの弧状である。中央凹部は、閉塞(ブラインド)しているか、又は断熱ブロックの厚さ全体を通って延びるようにできる。周囲開口部の内側の幾何学的形状は、円筒などの弧状である。
【0009】
他の特徴では、中央凹部の内側の幾何学的形状又は周囲開口部の内側の幾何学的形状が、間隔をあけて対向した平面、又は間隔をあけて対向した弧状面を画定する。断熱ブロックは、傾斜した端面を有するか、又は円形断面を有するようにできる。一変形形態では、断熱ブロックはD形状断面を有するようにできる。中央凹部の内側の幾何学的形状と周囲開口部の内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方が、断熱材料を有する。複数の抵抗ヒータは、シリコーンゴムヒータである。複数の断熱部材のそれぞれが、柔軟な円筒形発泡体を有する。柔軟な円筒形発泡体の少なくとも1つが、その長さに沿ったスリットを画定している。
【0010】
別の変形形態においては、モジュール型ヒータアセンブリは、中央凹部の内側の幾何学的形状と周囲開口部の内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方に近接して配置された少なくとも1つのヒータと、中央凹部の内側の幾何学的形状と周囲開口部の内側の幾何学的形状とのうちの少なくとも一方に近接して配置された少なくとも1つのセンサと、をさらに備える。一態様においては、少なくとも1つのセンサは温度センサである。
【0011】
さらに別の変形形態においては、中央凹部及び周囲開口部が内部空洞を画定し、この内部空洞は断熱ブロックの少なくとも2つの側面に開口している。内部空洞は、断熱ブロックの3つの側面に開口してT形状を画定している。
【0012】
適用可能なさらなる分野が、ここに提供された記載から明らかになるであろう。記載及び特定の例は、説明のみの目的を意図されており、本開示の範囲を制限することは意図されていないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示がよく理解されるように、その様々な形態が例を用いて添付図面を参照して説明される。
【0014】
【
図1】本開示の教示に従って構成された、流体管システムの周りに取り付けられたモジュール型ヒータアセンブリの斜視図である。
【0015】
【
図2】
図1のモジュール型ヒータアセンブリの断熱ブロックの斜視図である。
【0016】
【
図3A】
図1のモジュール型ヒータアセンブリの細長い部分の斜視図である。
【0017】
【0018】
【
図4】
図1のモジュール型ヒータシステムによって取り囲まれた流体管システムの斜視図である。
【0019】
【
図5】本開示の教示に従って構成された、流体管システムの周りに取り付けられたモジュール型ヒータアセンブリの一変形形態の斜視図である。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【
図7】
図6Aの部分Bに示された断熱ブロックの斜視断面図であり、断熱ブロックの閉鎖端面の反対側から見た図である。
【0025】
【
図8】本開示の教示に従って構成された、流体管システムの周りに取り付けられた別の変形形態のモジュール型ヒータアセンブリの斜視図である。
【0026】
【
図9】本開示の教示に従って構成された、流体管システムの周りに取り付けられた別の変形形態のモジュール型ヒータアセンブリの斜視図である。
【0027】
図10Aから
図10Fは、概して、中央凹部及び周囲開口部によって画定されたティー(「T」)形状の様々な内部空洞を有する断熱ブロックの斜視図である。
【0028】
【
図10A】四角/長方形の中央凹部と、円筒形の周囲開口部とを有する断熱ブロックを示す。
【0029】
【
図10B】四角/長方形の中央凹部と、間隔をあけて対向した湾曲面によって画定された周囲開口部と、を有する断熱ブロックを示す。
【0030】
【
図10C】四角/長方形中央凹部と、間隔をあけて対向した平面によって画定された周囲開口部と、を有する断熱ブロックを示す。
【0031】
【
図10D】円筒形の中央凹部と、円筒形の周囲開口部とを有する断熱ブロックを示す。
【0032】
【
図10E】円筒形の中央凹部と、間隔をあけて対向した湾曲面によって画定された周囲開口部と、を有する断熱ブロックを示す。
【0033】
【
図10F】円筒形の中央凹部と、間隔をあけて対向した平面によって画定された周囲開口部と、を有する断熱ブロックを示す。
【0034】
【
図11A】本開示の教示に従って構成された、別の変形形態の斜断熱ブロックの視図であり、断熱ブロックはD形状の外形を有し、内部空洞が断熱ブロックの3つの側面を通って開口して概してティー(「T」)状の内部空洞を画定している。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【
図12A】本開示の教示に従って構成された、さらに別の変形形態の断熱部材の斜視図であり、断熱ブロックはD形状の外形を有し、内部空洞は断熱ブロックの2つの側面のみを通って開口して概して「L」状の内部空洞を画定している。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【
図13】D形状の外形を有する断熱ブロックの正面図であり、断熱ブロックの内部空洞の内側に配置された断熱材料、電気ヒータ、及び温度センサが示されている。
【0043】
【
図14】
図1と同様な流体管システムの周りに取り付けられたモジュール型ヒータアセンブリの斜視図であるが、
図11Aから
図11Bに示されたD形状の外形を有する断熱ブロックを使用している点で異なっている。
【0044】
ここで説明された図面は、説明目的のみのためのものであり、本開示の範囲を如何なるかたちでも限定することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の説明は、実際上、単に例示であり、本開示、応用、又は使用を制限することを意図していない。図面を通して、対応する符号は同様な又は対応する部品及び特徴を示していることが理解されるべきである。
【0046】
図1及び
図2には、本開示の教示に従って構成されたモジュール型ヒータアセンブリ10が示されている。モジュール型ヒータアセンブリ10は、流体管システム12の管に沿って配置されて流体管システム12を加熱する複数の電気ヒータ17(
図3Bにはその一つが示されている)と、加熱された流体管システム12を断熱する断熱構造(以下により詳細に説明する)とを備える。概して、流体管システム12は、処理ガス又は処理液などの、動作中にモジュール型ヒータアセンブリ10によって加熱されることになる様々な流体を搬送する。一形態においては、モジュール型ヒータアセンブリ10は、半導体加工システム(図示しない)のための流体管システム12内に含まれるガスを加熱するためのモジュール型のシリコーンゴムガスラインヒータアセンブリである。
【0047】
概して、流体管システム12は、複数のフィッティング22によって連結されて用途/要求に応じた複数の構成を画定する複数の管18、20、21(
図4に示され、
図1には管21のみが示されている)を有する。
【0048】
図1に明確に示されるように、モジュール型ヒータアセンブリ10は、管18、20、21を取り囲む複数の細長い部分14(
図1には2つだけが示されている)と、フィッティング22の周りに配置された複数の断熱ブロック16(
図1には1つだけが示されている)とを有する。断熱ブロック16は、フィッティング22を断熱し、また随意的にフィッティング22の周りに電気ヒータに取り付けられている場合にはフィッティング22に対する加熱をもたらすことができる。
【0049】
図3A及び
図3Bには、細長い部分14のうちの一つの一部が詳細に示されている。細長い部分14のそれぞれが、管状構造を有する断熱部材40と、断熱部材40の内面に配置された電気ヒータ17とを有する。一形態においては、電気ヒータ17は抵抗ヒータである。断熱部材40は、柔軟な円筒形の発泡体/スポンジ体であり、その長さに沿って延びるスリット42を画定し、断熱部材40が流体管システム12の管18、20、21の周りに容易に取り付けられて流体管システム12の管18、20、21の周りに自動的に固定されるようにする。電気ヒータ17は、断熱部材40の内面に取り付けられて、一体ユニットを形成する。電気ヒータ17は、ヒートトレース、加熱フォイル、シリコーンゴムヒータなどの任意のタイプの加熱手段とすることができ、断熱部材40の内面に任意の手段で取り付けられるようにできる。一形態においては、電気ヒータ17は、薄くて、軽く、そして柔軟であるシリコーンゴムヒータであり、スペースが限られている用途によく適合する。シリコーンゴムヒータは、シリコーン系接着材などの接着材によって断熱部材40の内面に容易に取り付けることができる。断熱部材40は、断熱材料で形成されており、シリコーン系材料を含むことができる。断熱構造はさらに、断熱部材40の周りに巻かれてスナップ又はフック・アンド・ループ(すなわち、ベルクロ(登録商標))41などの機械的手段によって定位置に保持された断熱ジャケット15(
図1)を備えることができる。同様に、断熱ブロック16も図示のように断熱ジャケット15を備えることができる。
【0050】
図4に示すように、管システム12は、第1の管18と、第2の管20と、第1の管18を第2の管20に連結して直角部を形成するフィッティング22とを備える。流体管システム12は、第1の管18及び第2の管20にフィッティング22によって連結されて第1の管18の長さ方向に沿って延びる第3の管21(破線で示されている)を随意的に備えることができる。第3の管21は、第1の管18と同じ直径のものとすることもできるし、又は異なる直径のものとすることもできる。流体管システム12は、複数のフィッティング22を備える。フィッティング22の1つは、隣接した2つの管を連結して直線ラインを形成するために、又は
図4に示すような直角などの角度を画定するために使用することができる。フィッティング22の別の1つは、
図1に示すように隣接した3つの管を連結するために使用することができる。
図1の例示的な例では、隣接した3つの管がフィッティング22によって連結されてT構造を画定する。本開示の教示は、任意の数の管及びフィッティング、並びに、180度の角度(又は換言すれば、例えばより小さい又はより大きい直径への移行の際の管の直線部分)を含む如何なる角度での管とフィッティングとの接続にも適用することができる。また、フィッティング22は、
図4に示すような四角のブロック形状を有する必要は必ずしもない。代わりに、フィッティング22は、90度又は任意の角度でのエルボーフィッティング、又は接続される管に応じてスリーウェイフィッティングとすることができる。
【0051】
図4と共に再び
図1を参照して、細長い部分14は、管状構造を有し、第1の管18、第2の管20、及び第3の管21の周りに取り付けられている。
図1において、第3の管21のための細長い部分14は、断熱ブロック16の内部空洞を示すために取り除かれている。細長い部分14の内径は、細長い部分14によって取り囲まれる管の外径と同じか又は僅かに小さくすることができる。一形態においては、細長い部分14は、約0.24インチ(6.096mm)から約0.51インチ(12.954mm)の間の内径を有することができる。細長い部分14は、同じ又は異なる長さを有することができ、管18、20の周りに取り付けられる。管の長さに応じて、同じ管の周りに複数の細長い部分14が取り付けられるようにできる。断熱ブロック16は、フィッティング22の周りに取り付けられて、フィッティング22を断熱する。電気ヒータ17は、用途及び要求に応じて、断熱ブロック16の内側に設けても設けなくてもよい。細長い部分14の断熱部材40と同様に、断熱ブロック16は、断熱材料から形成され、シリコーン系材料を含むことができる。断熱ブロック16は、1立方フィート当り4~16ポンド(64.07~256.3kg/m
3)の密度を有する。
【0052】
図2に示すように、断熱ブロック16は、概してパック状の構成を有し、中心軸X及び周囲面36を画定するパック本体30を有する。断熱ブロック16は、中心軸Xに沿って延びる中央凹部32と、断熱ブロック16の側壁及び周囲面36を通って延びる周囲開口部34とを画定する。周囲開口部34は、中央凹部32に開口して、Y軸に沿って中央凹部32から外側の周囲面36にまで延びており、Y軸は本開示のこの形態では中心軸Xに対して直角である。周囲開口部34は、Y方向に延びる管に軸方向で整列している。そのため、中央凹部32及び周囲開口部34は、一緒に概してティー(「T」)形状の内部空洞を画定して、管がT字形状を横切るようにできる。換言すれば、概してT形状の内部空洞は、3つの側面に開口して3つの管(例えば、第1、第2、及び第3の管18、20、21)を接続できるようにする。
【0053】
中央凹部32は、フィッティング22(
図1を参照)をその中に収容するようにされており、よってフィッティング22の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定するようにできる。中央凹部32は、複数の管の1つ(すなわち、
図1に示されたX方向に延びる管)の軸方向に延びる。周囲開口部34は、複数の管の別の1つ(すなわち、
図1に示されたY方向に延びる管)の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定する。より詳細には、中央凹部32の幾何学的形状は、この例では四角であるフィッティング22の幾何学的形状に一致する。例えば、中央凹部32は、フィッティング22の外形状と同じ寸法を有することができ、又は、製造上の公差を受け入れるため、及び断熱ブロック16がフィッティング22の周りに取り付けられるときの装着を容易にするために、フィッティング22の外形状よりも僅かに大きくして、0.030インチ(0.762mm)の隙間のような隙間をもたらすようにできる。周囲開口部34は、フィッティング22に接続された管を収容するようにされ、またこの例では円筒形である管の外側の幾何学的形状と一致する幾何学的形状も画定する。同様に、周囲開口部34は、管の外径と同じか、又は製造上の公差を受け入れるため及び装着を容易にするために0.030インチ(0.762)の隙間が断熱ブロック16と管の間に存在するように、僅かに大きい内径を有するようにできる。
【0054】
例えば、第1の管18及び第2の管20は、フィッティング22によって接続されて直角(又は本開示の他の形態では他の何れかの角度)を形成する。第1の管18は、断熱ブロック16の中心軸Xと平行な方向に延び、第2の管20は、周囲開口部34に配置されてY軸に沿って延びる。第3の管21は、第1の管18に接続されて、中央凹部32の他方の側に配置され、断熱ブロック16の中心軸Xに平行な方向に延びる。そのようにして、フィッティング22は、断熱ブロック16によって断熱される。またフィッティング22及び管18、20、21は概して標準的なサイズのものであるので、断熱ブロック16及び細長い部分14は、フィッティング22及び管18/20/21の標準的なサイズに適合する予め設計された構成で提供されて、モジュール型で低いコストの断熱システムを提供することができる。
【0055】
中央凹部32は四角形状を有することが示されているが、中央凹部32は、フィッティング22が中央凹部32内に配置可能である限りにおいて、フィッティング22の形状及びサイズに応じて如何なる形状及びサイズを有するようにすることもできる。周囲開口部34のサイズは、管の外径/サイズ、又は周囲開口部34に配置される管と電気ヒータの組み合せの外径/サイズに依存する。
【0056】
図5から
図7には、一変形形態のモジュール型ヒータアセンブリ50が示されている。モジュール型ヒータアセンブリ50は、断熱ブロック16’が、3つの側面ではなく、2つの側面のみに開口していて2つの管のみが接続可能となっていることを除いて、
図1のモジュール型ヒータアセンブリ10と同様な構造を有する。また、モジュール型ヒータアセンブリ50は、ヒータ及びセンサからのリード線54を通すことができる開口部/穴52を有する。
【0057】
図5は、一変形形態のモジュール型ヒータアセンブリ50の斜視図である。
図6A及び
図6Bはそれぞれ、
図5の部分Aの斜視図及び正面図である。
図6C及び
図6Dは、部分Aの異なる断面図である。
図7は、
図6Aの部分B(すなわち、断熱ブロック16’)の斜視図であり、断熱ブロック16’は断熱ブロック16’の閉鎖端面49とは反対の側面から見られている。
【0058】
電気ヒータ及び/又はセンサ(図示しない)が管システム12の周りに取り付けられている場合には、ヒータ/センサを外部電源又はコントローラ(図示しない)に接続するためにリード線54を設けること必要となる。モジュール型ヒータアセンブリ50は、リード線54を通すことができる複数の開口部/穴52を有する。より詳細には、細長い部分14は、図示のように開口部/穴52を有するが、本開示の範囲内に留まりながら開口部/穴52を断熱ブロック16’に設けることもできる。
図1は開口部/穴52及びリード線54を示していないが、開口部/穴52及びリード線54は、モジュール型ヒータアセンブリ10及び加熱された管システム12の温度をモニタ及び制御するために、
図1のモジュール型ヒータアセンブリ10に設けることもできる。
【0059】
図1は、XY平面に配置されてX方向及びY方向に延びる第1、第2、及び第3の管を示しており、一方で
図5は、XZ平面に配置されてX方向及びZ方向に延びる第1及び第2の管(第3の管はない)を示している。接続されている管の向きと数は異なるが、細長い部分14及び断熱ブロック16を備える同じモジュール型ヒータアセンブリを、この特定の流体管システムに適しているか又はそれに対して容易に適用することができる断熱ブロック16’を使用することによって、流体管システム12に対する加熱と断熱をもたらすために使用することができる。
図5及び
図6Aに明確に示されているように、断熱ブロック16’は、その中央凹部32が、1つだけの管がそこに挿入されるようにするように(すなわち、エルボーフィッティングのために)、閉鎖端面49を有する。T形状の内部空洞を有し、T形状のフィッティングのために3つの側面(閉鎖端面49にはない)に開口を有する断熱ブロック16を、
図5に示された流体管システムのために使用することもできることが理解される。しかしながら、断熱ブロック16’の閉鎖端面49は、フィッティングから周囲環境への熱損失を低減することができる。モジュール型ヒータアセンブリ10、50は、他の非直交方向の中でも特にX、Y、Zの全ての方向に延びる管を有する流体管システムに加熱及び断熱をもたらすために使用してもよいことが理解される。
【0060】
図8には、別の変形形態のモジュール型ヒータアセンブリ60が示されている。
図1及び
図5のモジュール型ヒータアセンブリ10、50と同様に、モジュール型ヒータアセンブリ60は、複数の細長い部分14及び複数の断熱ブロック16(1つだけが示されている)を備える。この形態では、第1及び第2の管がフィッティング(図示しない)によって連結されて、それらの長さに沿って整列されている。そのため、細長い部分14は、それらの長さに沿って整列されて、第1及び第2の管の周りに配置されている。1つの断熱ブロック16が、細長い部分14の隣接する2つの間に配置されて、フィッティングを断熱している。細長い部分14は、上述の通り、ヒータ又はセンサのリード線54を通すことができる穴を画定するようにできる。
【0061】
図9には、本開示の教示に従って構成された、別の変形形態のモジュール型ヒータアセンブリ70が示されている。モジュール型ヒータアセンブリ70は、細長い部分14と、断熱ブロック71とを備える。断熱ブロック71は、細長い部分14の端に取り付けられた第1の斜め継(マイター)部分72と、第1の斜め継部分72に取り付けられた第2の斜め継部分74とを備える。細長い部分14は、
図3A及び
図3Bに示された細長い部分14と同様な構造を有し、よってその説明は明確性のためにここでは省略する。第1及び第2の斜め継部分72、74は、斜め継部を形成するために斜め継(角度が付けられた)端面76、78を有する。第1の斜め継部分72及び第2の斜め継部分74は、細長い部分14の端に配置されて、隣接した管が接続された位置でジョイントの周りを断熱する。斜め継端面76、78は、接続される隣接した管によって画定される角度に適合する角度を有するようにすることができる。追加的に、
図2及び
図6Aの断熱ブロック16、16’と同様に、第1及び第2の斜め継部分72、74は、フィッティングが第1及び第2の斜め継部分72、74の内側に配置されるように、中央凹部32及び周囲開口部34(
図2)を画定するようにできる。
【0062】
第1の斜め継部分72又は第2の斜め継部分74は、本開示の範囲から逸脱することなく、隣接する細長い部分14と一体的に形成して一体部品にすることもできることが理解される。代替的に、第1の斜め継部分72及び第2の斜め継部分74は、別の斜め継部分と嵌合させないで、独立して断熱ブロックとして使用することもできる。
【0063】
図10Aから
図10Fに示すように、断熱ブロック16a、16b、16d、16e、16fは、異なる幾何学的形状のフィッティングを収容するための異なる内部空洞を有するようにできる。内部空洞のそれぞれは、概してT形状であり、異なる形状及び/又はサイズの、中央凹部32a、32b、32d、32e、32fと周囲開口部34a、34b、34c、34d、34e、34fを有する。
図10Aにおいては、断熱ブロック16aは、四角/長方形の中央凹部32aと、円筒形の周囲開口部34aを有する。
図10Bにおいては、断熱ブロック16bは、四角/長方形の中央凹部32bと、間隔をあけて対向した湾曲面によって画定された周囲開口部34bを有する。
図10Cにおいては、断熱ブロック16cは、四角/長方形の中央凹部32cと、間隔をあけて対向した平面によって画定された周囲開口部34cを有する。
図10Dにおいては、断熱ブロック16dは、円筒形の中央凹部32dと、円筒形の周囲開口部34dを有する。
図10Eにおいては、断熱ブロック16eは、円筒形の中央凹部32eと、間隔をあけて対向した湾曲面によって画定された周囲開口部34eを有する。
図10Fにおいては、断熱ブロック16fは、円筒形の中央凹部32fと、間隔をあけて対向した平面によって画定された周囲開口部34fを有する。
【0064】
図には示されていないが、断熱ブロック16a、16b、16c、16d、16e、16fは、周囲開口部34a、34b、34c、34d、34e、34fの反対側の断熱ブロックの壁を通る第2の周囲開口部をさらに形成することによって、4つの側面に開口した内部空洞を提供するように変更することができることが理解される。種々の断熱ブロック16a、16b、16c、16d、16e、16fはまた、中央凹部32a、32b、32c、32d、32e、32fの一端に閉鎖端面を形成することによって、2つの側面のみに開口した内部空洞を提供するように変更することもできる。
【0065】
図11Aから
図11Dには、フィッティング22の周りに取り付けるための断熱ブロック80の変形形態が示されており、それはD形状の外形/断面と、概してティー(「T」)形状の内部空洞を画定するように3つの側面に開口した内部空洞82とを有する。より詳細には、断熱ブロック80は、それぞれD形状の周縁を有する相互に反対側の主要面84、86(すなわち、前面と後面)と、相互に反対側の主要面84、86のD形状の周縁を繋ぐ周囲面88とを有する。周囲面88は、D形状を協同で画定する、平面部88aと曲面部88bを有する。内部空洞82は、相互に反対側の主要面84、86を通って延びる中央凹部90と、中央凹部90に開口して断熱ブロック80の周囲面88、特に平面部88aを通って延びる周囲開口部92とを有する。換言すれば、中央凹部90は、相互に反対側の主要面84、86の間の距離である断熱ブロック80の厚さ全体を通って延びる。断熱ブロック80は、スリット94を画定している。スリット94は、周囲開口部92を画定している断熱ブロック80の部分を半分に分割して、断熱ブロック80が流体管システム12のフィッティング22の周りに容易に取り付けられて自動的に固定されるようにしている。
【0066】
中央凹部90は、フィッティング22の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定している。周囲開口部92は、周囲開口部92に挿入されてフィッティング22に接続された管の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定している。
図11Aから
図11Dに示す例示的な例においては、中央凹部の内側の幾何学的形状90は四角であり、周囲開口部92の内側の幾何学的形状は、弧状、特に円筒である。そのため、中央凹部の内側の幾何学的形状90は、間隔をあけて対向した平面を画定し、周囲開口部92の内側の幾何学的形状は間隔をあけて対向した(スリット94によって間隔をあけられた)弧状面を画定している。断熱ブロック80は、2つ又は3つの管を連結することができるフィッティング22を断熱する。T形状の内部空洞は、断熱ブロック80の内側へのアクセス、例えば、そこへの温度センサの取り付け、を容易にすることもできる。温度センサは、中央凹部90又は周囲開口部92に配置することができる。
【0067】
図12Aから
図12Dに示すように、別の変形形態の断熱ブロック80’は、内部空洞の構成を除いて、
図11Aから
図11Dの断熱ブロック80と構造的に同様である。そのため、同様な符号が同様な構成を指示するように使用されており、それらの詳細な説明は明確性のためにここでは省略する。
【0068】
同様に、断熱ブロック80’は、相互に反対側の主要面84’、86’と、周囲面88’とを有する。内部空洞82’は、断熱ブロック80’の2つの側面のみを通って開口して、概して「L」形状の内部空洞を画定している。内部空洞82’は、中央凹部90’と、中央凹部90’に開口して周囲面88’を通って延びる周囲開口部92’とを有する。
図11Aから
図11Dの中央凹部90’とは違って、中央凹部90’は、主要面84’、86’のうちの一方のみ(例えば、前面)を通って延びており、主要面84’、86’のうちの他方(例えば、後面)は閉鎖端面である。よって、中央凹部90’は、閉塞した(ブラインド)凹部である。断熱ブロック80’は、周囲開口部92’を取り囲んでいる断熱ブロック80’の部分を半分に分割して断熱ブロック80’が流体管システム12のフィッティング22の周りに容易に取り付けられて自動的に固定されるようにするスリット94’を画定している。
【0069】
同様に、中央凹部90’は、フィッティング22の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定している。周囲開口部92’は、周囲開口部92’に挿入されてフィッティング22に接続された管の外側の幾何学的形状に実質的に一致する内側の幾何学的形状を画定している。
図12Aから
図12Dに示された例示的な例では、中央凹部の内側の幾何学的形状90’は四角であり、周囲開口部92’の内側の幾何学的形状は、弧状、特に円筒である。
図12Aから
図12Dの閉鎖端面を有する断熱ブロック80’は、2つだけ管を連結するフィッティングに対して改善された断熱性をもたらす。
【0070】
図13に示すように、
図11Aから
図11D及び
図12Aから
図12Dに示された断熱ブロック80、80’はさらに、断熱ブロック80、80’の内部空洞82、82’を画定する内面に断熱材料95を有するようにして更なる断熱性をもたらすようにできる。一例として、断熱材料95は、中央凹部90、90’及び/又は周囲開口部92、92’の内側の幾何学的形状に付加されたコーティングとすることができる。コーティングは、RFコーティング、反射コーティング、エアロゲルコーティング、又は改善された断熱性をもたらす当該技術分野で知られている任意のコーティングとすることができる。随意的に、改善された熱制御及び熱モニタリングのために、1つ又は複数の電気ヒータ96及び/又は1つ又は複数の温度センサ98を内部空洞82、82’の中央凹部90、90’及び/又は周囲開口部92、92’に設けることができる。断熱材料95、電気ヒータ96、及び温度センサ98は、D形状の外形を備える断熱ブロック80、80’に関連して説明されているが、それらは、
図1から
図10に関連して既に説明した断熱ブロック16、16’、16a、16b、16c、16d、16e、16f、71、72、74の何れにおいても使用することができることが理解される。
【0071】
図14には、D形状の外形を有する断熱ブロック80を備えるモジュール型ヒータアセンブリ100が示されており、それは流体管システム12の周りに取り付けられている。モジュール型ヒータアセンブリ100は、
図11Aから
図11Bに示されたD形状の外形を有する断熱ブロック80を使用していることを除いて、
図1のモジュール型ヒータアセンブリ10と構造的に同様である。フィッティング22が2つのみの管を角度をもって接続するために使用される場合には、
図12Aから
図12Bに示された閉鎖端面を有する断熱ブロック80’をモジュール型ヒータアセンブリ100において使用することもできることが理解される。図示のように、D形状の外形を有する断熱ブロックは、周囲開口部に挿入された管の部分(すなわち、断熱ブロック80のスリット94に近接して配置された管の部分)との改善された嵌合をもたらす。D形状の外形を有する断熱ブロックは、スリット94の上及び下により多くの材料を有し、管が周囲開口部92に挿入された後にスリット94の隙間をより容易に低減することができる。
【0072】
要するに、モジュール型ヒータアセンブリ10、50、60、70、100は、細長い部分14及び断熱ブロック16、16’、16a、16b、16c、16d、16e、16f、71、72、74、80、80’を含む、複数の加熱/断熱部分を備える。これらの加熱/断熱部分は、様々な長さとサイズを有することができ、また管システム12の構造及び管18、20、21のサイズに応じて様々な態様で組み合わせることができる。断熱ブロック16、16’、16a、16b、16c、16d、16e、16f、71、72、74、80、80’は、2つの側面、3つの側面、又は4つの側面に開口するか、又は中央凹部と様々な構成のフィッティングを収容するために中央凹部に様々な角度で開口した周囲開口部とを有する、種々の内部空洞を有するようにすることができる。そのため、本開示の教示によるモジュール型ヒータアセンブリは、適合した内部空洞を有する断熱ブロックを選択することによって、如何なるカスタムメイドの部品も無しで、流体管システム12に容易に適用することが可能となり、比較的に低コストの断熱構造を提供することが可能となる。
【0073】
別段の明示的な記載がなければ、機械的/熱的特性、組成割合、寸法及び/又は公差、又は他の特徴を指示する全ての数値は、本開示の範囲を説明するときの単語「約」又は「略」によって修正されるものとして理解されるであろう。この修正は、工業的実施、材料、製造、及び組立の公差、並びに性能試験を含む様々な理由に対して望ましい。
【0074】
ここでの使用において、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いた論理(A OR B OR C)を意味するものとして解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0075】
本願において、用語「制御部」及び/又は「モジュール」は、次のものを意味するか、その一部であるか、又はそれを備えるものである:特定用途向け集積回路(ASIC);デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合のディスクリート回路;デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合の集積回路;組合せ論理回路;フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA);コードを実行する(共用の、専用の、又はグループの)プロセッサ回路;プロセッサ回路によって実行されるコードを保存する(共用の、専用の、又はグループの)メモリ回路;上記の機能をもたらす他の適したハードウェアコンポーネント(例えば、熱流束データモジュールの一部としてのオペアンプ回路積分器);又はシステム・オン・チップなどの上記の幾つか又は全ての組合せ。
【0076】
用語「メモリ」は、用語「コンピュータ可読媒体」の一部である。用語「コンピュータ可読媒体」は、ここでの使用では、(搬送波のような)媒体を通って伝播する一時的な電気的又は電磁的信号を含まない。そのため、用語「コンピュータ可読媒体」は、有形で持続的であると見なされ得る。持続的で有形なコンピュータ可読s媒体の非限定的な例としては、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラム可能型読取り専用メモリ回路、又はマスク読取り専用回路など)、揮発性メモリ回路(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ回路、又はダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログ又はデジタルの磁気テープやハードディスクドライブなど)、及び光学記憶媒体(CD、DVD、又はブルーレイディスクなど)がある。
【0077】
本願に記載された機器及び方法は、コンピュータプログラムに埋め込まれた1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作られた専用コンピュータによって部分的に又は完全に実施されるようにできる。上述の機能ブロック、フローチャート構成要素、及び他の要素は、ソフトウェア仕様書として機能し、熟練した技術者又はプログラマーのルーティンワークによってコンピュータプログラムに翻訳することができる。
【0078】
本開示の記載は、実際上、単なる例示であり、よって、本開示の要旨から逸脱しない変形形態は本開示の範囲内にあるとされることが意図されている。そのような変形形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱したものとして見なされないものとする。