(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】プログラム、方法、HMD、及びシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20250106BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20250106BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20250106BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20250106BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20250106BHJP
【FI】
A63F13/80 B
A63F13/55
A63F13/52
A63F13/79 500
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2023190647
(22)【出願日】2023-11-08
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 勇人
(72)【発明者】
【氏名】林 揚恩
(72)【発明者】
【氏名】大場 直之
(72)【発明者】
【氏名】梶本 夢遥
(72)【発明者】
【氏名】屋島 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】ヒックリング 亜多夢
(72)【発明者】
【氏名】新井 正浩
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ シュバム
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0326457(US,A1)
【文献】特開2018-13936(JP,A)
【文献】特開2021-145888(JP,A)
【文献】特開2021-126406(JP,A)
【文献】特開2020-137553(JP,A)
【文献】特開2023-111560(JP,A)
【文献】海野 貴智,VRカードゲームのための実カード型インタフェースの提案,情報処理学会 シンポジウム エンタテインメントコンピューティングシンポジウム 2019 [online] ,日本,情報処理学会,2019年09月13日
【文献】デジモンカードゲームがアプリで遊べる!?新デジカティーチングアプリ!,YouTube [online][video],2020年03月29日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=Irb91rVbBlE>,主に5:04~5:23を参照。,[2024年11月19日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00-5/04
9/00-11/00
13/00-13/98
G06T 1/00
11/60ー13/80
17/05
19/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えて仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)に実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記仮想空間内において、前記HMDを装着する第1ユーザと、第2ユーザとの間で実施されるデジタルトレーディングカードゲームをプレイするフィールドを表示するステップと、
仮想空間内に、少なくとも1枚のデジタルトレーディングカードからなる、前記第2ユーザの手札を表示するステップと、
前記第2ユーザにより入力される、前記手札からデジタルトレーディングカードを前記フィールド上に配置するための第1操作を検出するステップと、
前記第1操作に応じて前記デジタルトレーディングカードを前記手札から前記フィールドへ移動させる間に、前記第1ユーザに対し、前記デジタルトレーディングカードの表面の認識を制限した画像を出力するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第2ユーザにより入力される、前記デジタルトレーディングカードの表面を表示させるための第2操作を検出するステップと、
前記第2操作に応じて、前記制限を解除し、前記デジタルトレーディングカードの表面の画像を出力するステップと
を前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記出力するステップにおいて、前記デジタルトレーディングカードが前記フィールドにおける所定の領域に到達すると、前記制限を解除し、前記デジタルトレーディングカードの表面の画像を出力する請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
複数の他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームを、複数の前記他のユーザと、複数の前記他のユーザが使用しているデジタルトレーディングカードとを対応付けて提示するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示するステップにおいて、複数の前記他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームを、複数の前記他のユーザによるプレイよりも所定時間遅らせて表示する請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
複数の前記他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームで使用されるデジタルトレーディングカードに対する干渉を制限するステップを前記プロセッサに実行させる請求項4記載のプログラム。
【請求項7】
所定の状態を表すオブジェクトに対する前記第1ユーザの操作に応じ、前記オブジェクトと、前記デジタルトレーディングカードとをグループ化したり、又はグループ解除したりするステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
前記フィールドを表示するステップにおいて、前記フィールドにおいて、前記デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの表面が表示される第1エリアと、前記デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの裏面が表示される第2エリアとを設定する請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
前記デジタルトレーディングカードの束をシャッフルするための前記第1ユーザの操作に応じ、前記デジタルトレーディングカードの束をシャッフルするステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項10】
前記シャッフルするステップは、前記第1ユーザにより指定される態様で実施される請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記デジタルトレーディングカードゲームの戦況を戻すための前記第1ユーザの操作に応じ、前記デジタルトレーディングカードの配置を戻すステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項12】
複数の前記デジタルトレーディングカードからなるデッキを指定するための前記第1ユーザの操作に応じ、指定された前記デッキを、前記第1ユーザが前記仮想空間内において使用可能に、前記第1ユーザに提供するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項13】
前記フィールドに配置されるデジタルトレーディングカードの大きさを変更させるための前記第1ユーザの操作に応じ、前記フィールドに配置されるデジタルトレーディングカードの大きさを変更させるステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項14】
プレイするデジタルトレーディングカードゲームの選択を受け付けるステップと、
選択された前記デジタルトレーディングカードゲームにおいて使用される複数のデジタルトレーディングカードからなるデッキを指定するための前記第1ユーザの操作に応じ、指定された前記デッキを、前記第1ユーザが前記仮想空間内において使用可能に、前記第1ユーザに提供するステップと
を前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項15】
前記デジタルトレーディングカードゲームの選択を受け付けるステップにおいて、前記デジタルトレーディングカードゲームの選択を、前記フィールドの選択により受け付ける請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
プロセッサと、メモリとを備えて仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)に実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項17】
プロセッサと、メモリとを備えて仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行するHMD。
【請求項18】
仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)を備えるシステムであって、請求項1から請求項15のいずれかに係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、HMD、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、仮想のCG画像を表示させることにより、現実世界とCGの仮想世界を合わせて見ることができ、プレイボードを用いたゲームを今まで以上高い興奮度を感じることができるようにする技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、対戦型カードゲームにおいて、プレイヤーがシースルーHMD(Head Mount Display)を覗くとカード上にはカードの特性に応じたCGが浮き出ているように見える例が記載されている。しかしながら、特許文献1では、仮想空間において発生させた仮想的なカードを用いてゲームをプレイすることについては記載されていない。
【0005】
本開示の目的は、仮想空間において発生させた仮想的なカードを用いたゲームをプレイする環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備え、仮想空間でプレイされるTCGを制御するHMDに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、仮想空間内において、HMDを装着する第1ユーザと、第2ユーザとの間で実施されるTCGをプレイするフィールドを表示するステップと、仮想空間内に、少なくとも1枚のカードからなる、第2ユーザの手札を表示するステップと、第2ユーザにより入力される、手札からカードをフィールド上に配置するための第1操作を検出するステップと、第1操作に応じてカードを手札からフィールドへ移動させる間に、第1ユーザに対し、カードの表面の認識を制限した画像を出力するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、仮想空間において発生させた仮想的なカードを用いたゲームをプレイする環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】現実世界における各ユーザの例を表す図である。
【
図2】メタバース空間においてTCGの対戦を実施するフィールドの例を示す図である。
【
図3】メタバース空間においてTCGの対戦を開始しようとする局面の例を示す図である。
【
図4】メタバース空間において各ユーザがTCGの対戦を進行させている局面の例を示す図である。
【
図5】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
【
図6】
図5に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
【
図7】サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
【
図8】ユーザ情報テーブル2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図9】カードマスタテーブル2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図10】デッキ情報テーブル2023のデータ構造の例を示す図である。
【
図11】対戦情報テーブル2024のデータ構造の例を示す図である。
【
図12】第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの間でTCGの対戦を実施する際の、端末装置10A、端末装置10B、サーバ20の動作の例を説明するための図である。
【
図13】第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの間のTCGの対戦を他のユーザ(第3ユーザ)が観戦する際のサーバ20の動作の例を示すフローチャートである。
【
図14】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステムは、仮想空間上でのデジタルトレーディングカードゲーム(TCG)のプレイを制御する。ユーザは、例えば、HMD(Head Mount Display)を装着し、HMDにより表示される画像を介し、メタバース空間(仮想空間)に所定のアバターの姿で存在していると認識する。ユーザは、同じくHMDを装着し、メタバース空間に存在する他のユーザと、メタバース空間に存在するデジタルトレーディングカードを用いたゲームをプレイする。本実施形態に係るシステムは、例えば、メタバース空間上で、仮想的なカードを「並べたり」、「シャッフルしたり」、「裏表に返せたり」というような、様々なTCGに共通の操作ができる環境を提供する。TCGをプレイする例えば、2人のユーザはアバターを介し、TCGをプレイするためのフィールドにおける自由な位置に、自由なタイミングで、自由なカードを出すことが可能である。これにより、仮想的なカードのリソースデータを用意することで、ユーザは、現実空間において様々な種類のTCGをプレイするように、メタバース空間内においても同様に様々な種類のTCGをプレイすることが可能となる。
【0011】
まず、本実施形態に係るTCGの概要について説明する。次いで、本実施形態に係るプログラムについて説明する。
【0012】
<0 メタバース空間におけるTCGの概要>
図1は、現実世界における各ユーザの例を表す図である。
図2は、メタバース空間においてTCGの対戦を実施するフィールドの例を示す図である。
図3は、メタバース空間においてTCGの対戦を開始しようとする局面の例を示す図である。
図4は、メタバース空間において各ユーザがTCGの対戦を進行させている局面の例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、ユーザ5A(第1ユーザ)がHMD10Aを装着し、ユーザ5B(第2ユーザ)がHMD10Bを装着する。ユーザ5Aと、ユーザ5Bとは、HMD10A、10Bを介して提供されるメタバース空間において、メタバース空間で発生された複数のトレーディングカードを組み合わせて構築したデッキを用い、TCGの対戦を行う。ユーザ5Aと、ユーザ5Bとは、近くにいてもよいし、離れていてもよい。
【0014】
<0.1 フィールド30の構成>
図2を参照して、メタバース空間において定義されるフィールド30について説明する。
図2に示すように、メタバース空間において、ユーザ5Aのアバター6Aと、ユーザ5Bのアバター6Bとが存在している。なお、
図2~
図4では、アバター6A、6Bが存在するメタバース空間を斜め上方から俯瞰した図を表しているが、ユーザ5Aは、アバター6Aの視点から、フィールド30と、アバター6Bとを見るようになっている。また、ユーザ5Bは、アバター6Bの視点から、フィールド30と、アバター6Aとを見るようになっている。
【0015】
ユーザ5Aと、ユーザ5Bとが、TCGの対戦を選択すると、アバター6Aと、アバター6Bとの間には、TCGをプレイするためのフィールド30が定義される。フィールド30は、ユーザ5Aと、ユーザ5Bとの間の距離に応じた広さで定義されてもよいし、予め設定された広さで定義されてもよい。ユーザ5Aと、ユーザ5Bとの間に現実の机が存在する場合には、フィールド30は、その机に合わせた広さで定義されてもよい。
【0016】
フィールド30は、デッキに含まれる仮想的なカードを配置するための領域である。各ユーザは、フィールド30に山札等としてカードを配置し、山札からカードを手札に加えつつTCGの対戦を進行させる。
【0017】
フィールド30の構成について説明する。フィールド30は、例えば、カードを配置する位置が表されていてもよい。フィールド30は、例えば、山札配置部31A及び山札配置部31B(以下、「山札配置部31」と総称することもある)と、準備カード配置部32A及び準備カード配置部32B(以下、「準備カード配置部32」と総称することもある)と、勝敗条件カード配置部33A及び勝敗条件カード配置部33B(以下、「勝敗条件カード配置部33」と総称することもある)と、バトルカード配置部34A及びバトルカード配置部34B(以下、「バトルカード配置部34」と総称することもある)と、消費カード配置部35A及び消費カード配置部35B(以下、「消費カード配置部35」と総称することもある)と、を含む。フィールド30は、ユーザ毎に配置されてもよい。このとき、例えば、フィールド30は、一方のユーザと関わる領域を含む。具体的には、例えば、ユーザ5A(アバター6A)のためのフィールド30は、山札配置部31Aと、準備カード配置部32Aと、勝敗条件カード配置部33Aと、バトルカード配置部34Aと、消費カード配置部35Aとを含む。
【0018】
図4に示すように、TCGの対戦において、ユーザ5A、5Bは、それぞれアバター6A、6Bを操作し、山札からカードを手札に補充しつつ、カード同士のバトルを進行させる。
図4の例では、アバター6Aは、手札93A(
図4の例では手札に2枚のカード)を有している。アバター6Bは、手札93B(
図4の例では手札に3枚のカード)を有している。
【0019】
山札配置部31は、各アバターが使用するデッキを構成するカードのうちいずれかを、山札として配置するための領域である。山札配置部31Aは、アバター6Aがカードを山札として配置するための領域である。山札配置部31Bは、アバター6Bがカードを山札として配置するための領域である。
【0020】
図3に示すように、各アバターがTCGの対戦を開始するにあたり、各アバターは、デッキを構成するカードを混ぜ、カードの裏面を向けて山札配置部31に配置する。本実施形態において、カードの表面は、カードに特有のデザイン、テキスト等が表されている面を意味する。また、本実施形態において、裏面は、全てのカードに共通する同一のデザインが表されている面を意味する。アバター6Aは、山札配置部31Aにカードを山札91Aとして配置する。アバター6Bは、山札配置部31Bにカードを山札91Bとして配置する。
【0021】
準備カード配置部32は、対戦相手のカードと戦うことができるカードを準備するための領域である。各アバターは、準備カード配置部32に配置されているカードと、バトルカード配置部34に配置されているカードとを入れ替えつつ、バトルカード配置部34に配置されているカード同士を戦わせる。
【0022】
図3に示すように、TCGの対戦を開始する前においては、準備カード配置部32、バトルカード配置部34にはカードは配置されていない。一方、
図4に示すように、TCGの対戦が進行すると、各アバターが準備カード配置部32、バトルカード配置部34にカードを配置し、バトルカード配置部34においてカード同士を戦わせる。各アバターは山札から手札を補充しつつ、手札の中からバトルに使用するカードを準備カード配置部32、バトルカード配置部34に配置する。アバター6Aは、準備カード配置部32Aにカードを配置する。アバター6Bは、準備カード配置部32Bにカードを配置する。
【0023】
勝敗条件カード配置部33は、各アバターが勝利条件をどの程度満たしているかを示す領域である。本実施形態では、各アバターが、山札から所定枚数のカードを裏向きにして勝敗条件カード配置部33に配置する。
図3に示すように、アバター6Aは、勝敗条件カード配置部33Aにカードを配置する。アバター6Bは、勝敗条件カード配置部33Bにカードを配置する。勝敗条件カード配置部33に配置されたカードは、サイドと称されてもよい。
【0024】
バトルカード配置部34は、対戦相手のカードと戦うカードを配置するための領域である。アバター6Aは、バトルカード配置部34Aにカードを配置する。アバター6Bは、バトルカード配置部34Bにカードを配置する。本実施形態では、基本的には、バトルカード配置部34Aに配置されるカードと、バトルカード配置部34Bに配置されるカードとが、各カードに設定される体力、攻撃力、カードに示されるキャラクタの属性、弱点の属性、その他のパラメータに基づいて戦う。バトルカード配置部34に配置されているカードは、例えば、攻撃力・カードの属性・弱点等に応じたダメージが与えられ、与えられたダメージが体力から減らされていく。攻撃を受ける等によりカードに設定される体力が失われると、カードがバトルカード配置部34から退場させられ、消費カード配置部35に配置される。
【0025】
消費カード配置部35は、TCGの対戦で消費したカードを配置するための領域である。例えば、バトルで体力を失ったカード、効果を発動させたカード等が消費カード配置部35に配置される。
図4に示すように、アバター6Aは、消費カード配置部35Aに、対戦で消費したカードを、カード92Aとして配置する。アバター6Bは、消費カード配置部35Bに、対戦で消費したカードを、カード92Bとして配置する。
【0026】
消費カード配置部35に配置されたカードは、所定のカードの効果を発動させることで、山札配置部31、準備カード配置部32、手札等に配置させることが可能である。フィールド30は、消費カード配置部35の他に、対戦で消費したカードを配置するための領域をさらに有してもよい。当該領域を、例えば、第2消費カード配置部と称する。第2消費カード配置部に配置されたカードは、所定のカードの効果を発動させても、場に戻ってくることはない。なお、第2消費カード配置部に配置されたカードの枚数によって、所定の効果が発動するようにしてもよい。
【0027】
<0.2 TCGで使用するカードの種類>
本実施形態のTCGでは、カードの種類として、(i)バトルに使用することができるキャラクタカードと、(ii)キャラクタカードに関連付けて使用する行動力カード(エネルギーカード)と、(iii)対戦中に特定の効果を発揮させる効果カード(サポートカード、グッズカード、スタジアムカード等)とがある。
【0028】
(i)キャラクタカードには、アバターが山札からカードを引いて手札に加えると、準備カード配置部32又はバトルカード配置部34に配置することができるカード(「無条件カード」とも言う)と、特定の条件を満たすことにより、準備カード配置部32又はバトルカード配置部34に配置することができるカード(「条件付きカード」とも言う)とが含まれる。
【0029】
(iA)例えば、条件付きカードは、条件付きカードに関連する無条件カードを配置することを条件として、配置することができる。例えば、キャラクタの進化になぞらえて、まず無条件カードをフィールド30に配置すること等により対戦相手に提示したうえで、当該無条件カードに関連する条件付きカードをフィールド30に配置する。このような条件付きカードは、無条件カードから進化させたものとして「進化キャラクタ」とも称されることがある。また、無条件カードは、「進化キャラクタ」を配置するための元となるキャラクタともいえるため、「たねキャラクタ」とも称されることがある。
【0030】
(iB)例えば、条件付きカードは、特定のカードを消費して消費カード配置部35に移動させることにより、準備カード配置部32又はバトルカード配置部34に配置できる。具体的には、特定のカードとして、フィールド30に配置されている無条件カードを消費して(消費カード配置部35に移動させて)、条件付きカードを準備カード配置部32又はバトルカード配置部34に配置できる、としてもよい。
【0031】
例えば、条件付きカードは、フィールド30にアバターが配置した単数又は複数のキャラクタカードと引き換えに、準備カード配置部32又はバトルカード配置部34に配置できる。例えば、各キャラクタカードに、カードに示されるキャラクタの攻撃力等の個々のパラメータとは別に、キャラクタの総合的な性能を示すパラメータ(例えば、進化レベルなど)が付されている場合に、アバターが配置したキャラクタカードの進化レベルの値に対応した進化レベルを有する条件付きカードを配置してもよい。例えば、進化レベル1のキャラクタと進化レベル2のキャラクタとをフィールド30に配置した状態で、これらキャラクタのカードに重ねて(または、これらのキャラクタカードと引き換えに)、進化レベル3の条件付きカードを配置できる。
【0032】
この他にも、条件付きカードにより定められる複数のキャラクタカードと引き換えに、当該条件付きカードをバトルに参加させることができる、としてもよい。このとき、キャラクタカードとは異なる後述する補助カードを消費して、条件付きカードをバトルに参加させることとしてもよい。例えば、補助カードに示される効果として、フィールド30のバトルカード配置部34、消費カード配置部35等にある特定の無条件カードと引き換えに、特定の条件付きカードをバトルに参加させられることが定められている。
【0033】
(iC)これらカードには、上記キャラクタカード、後述する行動力カード、補助カードのうち複数を兼ねるものも含まれる。例えば、キャラクタカードとしても使用でき、補助カードとしても使用できる特殊なカードが含まれることとしてもよい。アバターは、当該特殊なカードを、キャラクタカードを配置すべき位置(例えば準備カード配置部32、バトルカード配置部34)に配置した場合は、キャラクタカードとして使用することができる。
【0034】
(ii)行動力カード(エネルギーカード)は、アバターが山札からカードを引いて手札に加えたのち、キャラクタカードと関連付けてフィールド30に配置することにより、キャラクタカードに示される所定の行動を行うことを可能とするものである。行動力カードをキャラクタカードに関連付ける操作は、例えば、アバターのターン中に行えることとしてもよい。例えば、フィールド30に配置されるキャラクタカードの近傍に行動力カードを配置することで、キャラクタカードに行動力カードを関連付けたとしてもよい。また、ターン中に行動力カードをキャラクタカードに関連付けられる回数は制限があってもよい。例えば、ユーザのターン中に1回、フィールド30に配置されるキャラクタカードのいずれかに、手札中の行動力カードを関連付けるよう配置することができる。例えば、キャラクタカードに、第1の攻撃アクションと、第2の攻撃アクションとが設定されているとする。第1の攻撃アクションは、キャラクタカードに1枚の行動力カードが関連付けられている場合に使用可能であり、第2の攻撃アクションは、1枚の行動力カードでは足りず2枚の行動力カードがキャラクタカードに関連付けられている場合に使用可能であるとしてもよい。
【0035】
キャラクタカードがバトルにより体力値が尽きる等により、バトルカード配置部34から退場することとなった場合、当該キャラクタカードに関連付けられている行動力カードを当該対戦中で使用不可とすることとしてもよい。また、当該キャラクタカードに関連付けられている行動力カードを消費カード配置部35へ移動させてもよい。
【0036】
(iii)対戦を補助する補助カードには、アバターの手札にある限り、アバターがターン中に何枚でも使用できるカード種と、ターン中に1枚だけ使用できるカード種とが含まれる。これら補助カードには、アバターが補助カードの効果を使用することを宣言することで効果を発揮させるものも含まれる。
【0037】
なお、補助カードとして、予めフィールド30の所定の位置(本実施形態では、当該所定の位置については図示していない)に、裏向きにするなどして配置したうえで、アバターが補助カードの使用を発声等により宣言することで補助カードの効果を発揮させるものも含まれる。
【0038】
<0.3 TCGの対戦ルールの概要>
以上のように、TCGの対戦で使用するフィールド30と、カードの種類とについて説明した。次に、TCGの対戦ルールについて詳細に説明する。
【0039】
本実施形態に示すTCGでは、上記のように、各アバターがバトルカード配置部34A、バトルカード配置部34Bに配置したカードに基づき攻撃または防御(バトル)を行ってTCGの対戦を進行させるものとする。TCGの対戦は、アバターがターン毎に交互に行動して進行するものとする。例えば、アバター6Aが行動した後にターンを終えると、アバター6Bのターンとなる。アバター6Bは自身のターンで行動し、行動が終了すると、アバター6Aのターンとなる。
【0040】
各アバターは、ターンが到来するごとに、山札から所定枚数のカードを引いて手札に加える。
【0041】
各アバターは、手札にあるカードのうち、対戦相手のカードへの攻撃または防御に使用するカード(キャラクタカード)の候補を準備カード配置部32に配置する。
【0042】
アバター6Aは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、アバター6Aのターン中に入れ替えることができる。また、アバター6Bは、準備カード配置部32Aに並べられたカードと、バトルカード配置部34Aに並べられたカードとを、アバター6Bのターン中に入れ替えることができる。
【0043】
勝敗条件カード配置部33Aと勝敗条件カード配置部33Bとは、上記のように、それぞれのアバターが対戦に勝利する条件に対してどの程度の進捗があるかを各ユーザに通知するための領域である。ここで、ユーザが対戦に勝利する条件としては、例えば、勝敗条件カード配置部33A又は勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードが全て回収されることとしてもよい。すなわち、勝敗条件カード配置部33A又は勝敗条件カード配置部33Bのいずれかにおいて、全てのカードが回収されたことにより、勝敗が決することとしてもよい。
【0044】
例えば、各アバターが、TCGの対戦に先立ち、山札から勝敗条件カード配置部33に所定枚数のカードを配置する。すなわち、アバター6Aは、山札91Aから所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Aに配置する。アバター6Bは、山札91Bから所定枚数のカードを抜き出して勝敗条件カード配置部33Bに配置する。アバター6Aとアバター6Bとが、バトルカード配置部34Aに配置したキャラクタカードと、バトルカード配置部34Bに配置したキャラクタカードとを対戦させ、キャラクタカードに設定される退場条件が満たされると(例えば、キャラクタカードに設定される体力値が、対戦相手のキャラクタカードに設定される攻撃力に基づき減算され、尽きた場合)、当該キャラクタカードのキャラクタが気絶したものとして、当該キャラクタカードを消費カード配置部35(「トラッシュ」ともいう)へ移動させる。体力値の減算は、例えば、所定のオブジェクトを用いて表されてもよい。アバター6Aとアバター6Bとが、バトルカード配置部34Aに配置したキャラクタカードと、バトルカード配置部34Bに配置したキャラクタカードとを対戦させる際、キャラクタカードの特性によっては、相手のキャラクタカードのキャラクタの状態を変化させることがある。状態の変化は、例えば、毒、睡眠、麻痺、やけど等である。キャラクタの状態が変化すると、アバター6A、6Bは、状態が変化したキャラクタのキャラクタカードに状態の変化を表すオブジェクトを載置する。
【0045】
これにより、バトルに勝利して対戦相手のキャラクタカードを退場させたアバター6は、勝敗条件カード配置部33A又は勝敗条件カード配置部33Bに配置されたカードを手札に加える。例えば、アバター6Bが、自身のターンでアバター6Aのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Aに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。一方、アバター6Aが、自身のターンでアバター6Bのキャラクタカードに攻撃をすることによりバトルカード配置部34Bに配置されるカードを退場させた場合、勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードから所定枚数のカードを取って手札に加える。これら操作を繰り返し、アバター6Bが勝敗条件カード配置部33Bに配置されるカードを全て回収したとき、または、アバター6Aが勝敗条件カード配置部33Aに配置されるカードを全て回収したときに、回収しきったアバターを操作するユーザを、TCGの対戦に勝利したユーザと決定することとしてもよい。
【0046】
なお、対戦の勝利条件としては、この他に、バトルカード配置部34と準備カード配置部32のいずれにもキャラクタカードがない場合に敗北する、としてもよい。また、対戦の勝利条件としては、各アバターが自分のターンで山札配置部31から山札を引けない場合に敗北する、としてもよい。
【0047】
<1 システム全体の構成図>
図5は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図5に示すシステム1は、例えば、端末装置10、及びサーバ20を含む。端末装置10、及びサーバ20は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0048】
図5において、システム1が端末装置10を3台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、3台に限定されない。システム1に含まれる端末装置10は、2台以下であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0049】
図5において、システム1がサーバ20を1台含む例を示しているが、システム1に含まれるサーバ20の数は、1台に限定されない。サーバ20は、有する機能に応じ、複数のサーバから構成されていてもよい。また、サーバ20は、例えば、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0050】
図5に示す端末装置10は、例えば、メタバース空間においてTCGをプレイするユーザが操作する情報処理装置である。また、端末装置10は、例えば、メタバース空間においてプレイされるTCGを観戦するユーザが操作する情報処理装置である。端末装置10は、例えば、HMDにより実現される。HMDは、例えば、ゴーグル型をしていてもよいし、眼鏡型をしていてもよい。HMDは、例えば、ユーザの視界方向を撮影する複数のカメラを有し、当該カメラにより、ユーザの手の動き、及び、手の動きに基づくジェスチャ入力を検出する。また、HMDは、所定のボタンを有するコントローラと接続されていてもよい。HMDは、コントローラに内蔵されたセンサにより、ユーザの手の動きを検出する。また、HMDは、コントローラが有するボタンの押下により、所定の入力を検出する。
【0051】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、ボタン等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0052】
サーバ20は、例えば、メタバース空間においてプレイされるTCGを制御する情報処理装置である。
【0053】
サーバ20は、例えば、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される。
図5に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対して情報を提示するための出力装置のインタフェースとして機能する。
【0054】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成及び、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。端末装置10、及びサーバ20のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成及びコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0055】
<1.1 端末装置の構成>
図6は、
図5に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図6に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0056】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0057】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、ボタン131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0058】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0059】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0060】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、装着者の視界方向を撮影可能に複数設置されている。
【0061】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0062】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、ユーザ情報181を記憶する。
【0063】
ユーザ情報181は、例えば、ユーザに関する情報を含む。ユーザに関する情報には、例えば、ユーザID、ユーザの氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日等が含まれる。
【0064】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191、送受信部192、管理部193、表示制御部194としての機能を発揮する。
【0065】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、ボタン131等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0066】
また、操作受付部191は、カメラ160から入力される画像を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、カメラ160により撮影された撮影データを受信する。
【0067】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声情報を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタルデータに変換された音声データを受信する。
【0068】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された指示、又は取得した種々の情報をサーバ20へ送信する。また、送受信部192は、サーバ20から提供される情報を受信する。サーバ20から提供される情報は、例えば、メタバース空間において装着者であるユーザとTCGで対戦している他のユーザのプレイに関する情報等を含む。また、サーバ20から提供される情報は、例えば、メタバース空間において装着者であるユーザが観戦しているTCGの対戦に関する情報等を含む。
【0069】
管理部193は、記憶部180に記憶される、ユーザ情報181を管理する。例えば、管理部193は、ユーザに関する情報が編集されると、編集された情報をユーザ情報181に記憶する。
【0070】
表示制御部194は、ユーザに対して所定の画像を表示するため、出力装置14を制御する。例えば、表示制御部194は、メタバース空間においてプレイするTCGに関する画像、例えば、自身の手札、フィールド30、及び対戦者のアバターを表示するように、ディスプレイ141を制御する。表示制御部194は、自身の手札を、装着者からの所定の操作に応じ、現実世界のようにアバターの手の中で扇状に広げてもよいし、空間中に整列させてもよい。
【0071】
表示制御部194は、メタバース空間において、現実空間にいるかのような態様でTCGの対戦をディスプレイ141に表示させる。しかしながら、現実空間における対戦と全く同じようにデジタルトレーディングカードを表示することが最適な表示ではない。表示制御部194は、例えば、以下のような処理を実施し、メタバース空間において、最適なプレイ体験を提供できるようにプレイ中のカードを表示する。なお、表示制御部194で実施される機能のうちいずれかは、サーバ20で実施されてもよい。
【0072】
(カード表面の制限表示)
表示制御部194は、カードの表面に係る表示を制御する。具体的には、表示制御部194は、対戦相手のアバターが所持する手札について、当該手札の表面の認識を制限した画像をディスプレイ141に表示させる。表面の認識を制限した画像とは、例えば、表面が認識できないように加工した表示を意味する。表面が認識できない加工は、例えば、所定の色で塗りつぶす加工、所定の模様で塗りつぶす加工、認識できないようにエフェクトを入れる加工、表面とは無関係の画像を重畳する加工等を含む。表面の認識を制限した画像は、例えば、対戦相手の視線方向に対して常に背面が向くようにカードの向きを制御することを含んでもよい。また、表示制御部194は、対戦相手がデジタルトレーディングカードを手札からフィールド30へ移動させる間に、当該移動させるデジタルトレーディングカードについて、表面の認識を制限した画像をディスプレイ141に表示させる。
【0073】
また、表示制御部194は、例えば、対戦相手が所定の操作を行った場合、カードの表面に施した制限を解除する。所定の操作とは、例えば、所定のジェスチャ、又は所定のボタンへの入力等を含む。表示制御部194は、例えば、対戦相手が所定の操作を行った旨の通知をサーバ20から受信した場合、カードの表面に施した制限を解除してもよい。また、表示制御部194は、カードがフィールド30における所定の領域に到達すると、カードの表面に施した制限を解除する。フィールド30における所定の領域は、例えば、準備カード配置部32等である。なお、フィールド30における所定の領域は、例えば、装着者により設定されてもよい。
【0074】
表示制御部194は、装着者の手札の表面、及び装着者が手札からフィールド30へ移動させる間のカードの表面を、装着者に対して視認可能なようにしている。一方で、対戦相手のHMDでは、これらのカードの表面は、認識が制限されている。表示制御部194は、対戦相手のHMDにおいて表面の認識が制限されているカードについて、制限されていることが認識可能な表示を付していてもよい。これにより、装着者は自身の手札のカードの表面の情報を認識しながら、どのカードが対戦相手から認識されていないかを把握することが可能となる。つまり、装着者は、自分自身の視点からは手札のカードの表面の認識について制限は受けずに、対戦相手へ表面の認識が制限されている手札中のカードを把握することが可能となる。
【0075】
(フィールド30の表示)
表示制御部194は、フィールド30に載置されるカードの大きさを制御する。例えば、フィールド30の広さ、対戦相手の距離、及び、カードに記載される説明文の量等の要因により、フィールド30に載置されるカードが装着者にとって視認しづらい場合があり得る。表示制御部194は、例えば、装着者からの操作に応じ、フィールド30に載置される対戦相手のカードを大きく表示する。フィールド30の広さに制限がある場合、表示制御部194は、フィールド30に載置される装着者のカードを小さく表示しつつ、対戦相手のカードを大きく表示してもよい。
【0076】
表示制御部194は、対戦相手のカードの表示を、装着者からの指示に応じた大きさに拡大する。なお、対戦相手のカードの拡大率は、予め設定されていてもよいし、フィールド30の広さに応じて設定されてもよい。表示制御部194は、対戦相手のカードの表示を拡大するのではなく、フィールド30とともに対戦相手のカードの表示を拡大してもよい。
【0077】
また、表示制御部194は、メタバース空間において観戦しているTCGに関する画像を表示するように、ディスプレイ141を制御する。表示制御部194は、例えば、メタバース空間において、複数の他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームを、複数の他のユーザと、複数の他のユーザが使用しているデジタルトレーディングカードとを対応付けて表示する。表示制御部194は、装着者の操作によって移動されるアバターの視線に沿ってディスプレイ141に表示させる方向を変化させる。これにより、装着者は、自由視点から対戦を観戦することが可能となる。
【0078】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図7は、サーバ20の機能的な構成の例を示す図である。
図7に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0079】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0080】
記憶部202は、例えば、ユーザ情報テーブル2021、カードマスタテーブル2022、デッキ情報テーブル2023、対戦情報テーブル2024を有する。
【0081】
ユーザ情報テーブル2021は、例えば、TCGに関するサービスに登録しているユーザに関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0082】
カードマスタテーブル2022は、例えば、ユーザが入手可能なカードに関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0083】
デッキ情報テーブル2023は、例えば、ユーザにより登録されたデッキに関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0084】
対戦情報テーブル2024は、例えば、過去に実施された対戦、又は現在実施中の対戦に関する情報を記憶するテーブルである。詳細は後述する。
【0085】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、管理モジュール2033、プレイ制御モジュール2034、観戦制御モジュール2035、提示モジュール2036としての機能を発揮する。
【0086】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。具体的には、例えば、受信制御モジュール2031は、端末装置10から送信される信号を受信する。
【0087】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。具体的には、例えば、送信制御モジュール2032は、所定の信号を端末装置10へ送信する。
【0088】
管理モジュール2033は、記憶部202に記憶されるテーブルを管理する。具体的には、例えば、管理モジュール2033は、提供される情報に基づき、ユーザ情報テーブル2021、カードマスタテーブル2022、デッキ情報テーブル2023、対戦情報テーブル2024を更新する。また、管理モジュール2033は、ユーザの操作に基づいて取得される対戦中の動作に基づき、対戦情報テーブル2024を更新する。
【0089】
プレイ制御モジュール2034は、メタバース空間におけるTCGのプレイを制御する。具体的には、例えば、プレイ制御モジュール2034は、メタバース空間において、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとが、アバター6Aとアバター6Bとを介して現実空間のような感覚でTCGがプレイできるように空間を制御する。例えば、プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aのアバター6Aと、第2ユーザ5Bのアバター6BとがTCGをプレイするフィールド30を定義し、アバター6Aとアバター6Bとが
図2~
図4で示すような対戦が可能なように空間を制御する。なお、フィールド30の外観は、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとで同じであってもよいし、異なっていてもよい。フィールド30の外観を変更する権利は、ユーザが購入可能であってもよいし、所定の特典として提供されるものであってもよいし、ユーザ自身が作成可能であってもよい。また、フィールド30の外観は、火山フィールド、海中フィールド等、対戦会場が任意に設定可能であってもよい。
【0090】
プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aからの操作に基づき、デジタルトレーディングカードをフィールド30からアバター6Aの手札に加えたり、アバター6Aの手札からフィールド30へ載置したり、フィールド30の所定の領域からフィールド30の他の領域へ移動させたりする。また、プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aからの操作に基づき、アバター6Bの手札、又はアバター6Bに係る所定の領域に載置されたカードへの干渉を制御する。
【0091】
また、プレイ制御モジュール2034は、第2ユーザ5Bからの操作に基づき、デジタルトレーディングカードをフィールド30からアバター6Bの手札に加えたり、アバター6Bの手札からフィールド30へ載置したり、フィールド30の所定の領域からフィールド30の他の領域へ移動させたりする。また、プレイ制御モジュール2034は、第2ユーザ5Bからの操作に基づき、アバター6Aの手札、又はアバター6Aに係る所定の領域に載置されたカードへの干渉を制御する。
【0092】
第1ユーザ5A、第2ユーザ5Bによる操作は、例えば、ユーザの手を動かすことによる操作、ユーザの指を動かすことによる操作、ユーザにより把持されるコントローラから所定のコマンドを入力する操作等を含む。
【0093】
プレイ制御モジュール2034は、メタバース空間において、現実空間にいるかのような態様でTCGの対戦を制御するが、現実空間における対戦と全く同じようにすることが最適な制御と言う訳ではない。プレイ制御モジュール2034は、例えば、以下のような処理を実施し、メタバース空間において、最適なプレイ体験を提供できるように種々の動作を制御する。
【0094】
(オブジェクトに係る制御)
プレイ制御モジュール2034は、オブジェクトに対するユーザからの操作に応じ、オブジェクトと、カードとの関連性を制御する。具体的には、例えば、キャラクタの体力が減算される場合、体力の減算を表すオブジェクトがキャラクタカードに付される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、体力の減算を表すオブジェクトがキャラクタカードに付された場合、当該オブジェクトとキャラクタカードとをグループ化し、一体のオブジェクトとして扱う。一体のオブジェクトとして扱われると、プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、キャラクタカードのみに接触されると、オブジェクトとキャラクタカードとを一緒に移動する。
【0095】
また、キャラクタの体力が回復される場合、体力減算を表すオブジェクトがキャラクタカードから外される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、体力減算を表すオブジェクトのみに接触されると、オブジェクトとキャラクタカードとのグループ化を解除し、オブジェクトだけが移動する。体力減算を表すオブジェクトは、それぞれが所定の数値を表す複数のオブジェクトであってもよいし、オブジェクトの表面に記載される数値を切り替え可能な単一のオブジェクトであってもよい。こうすることで、ユーザがキャラクタカードを移動させる場合、ユーザの操作により接触する対象を変えるだけで関連付けられているオブジェクトを一緒に移動する操作と、オブジェクトだけを移動することを切り替えることになり、カードとオブジェクトとをスムーズに移動することが可能となる。
【0096】
また、キャラクタの状態が変化する場合、状態の変化を表すオブジェクトがキャラクタカードに付される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、状態の変化を表すオブジェクトがキャラクタカードに付された場合、当該オブジェクトとキャラクタカードとをグループ化し、一体のオブジェクトとして扱う。こうすることで、ユーザがキャラクタカードを移動させる場合、関連付けられているオブジェクトも一緒に移動することになり、カードとオブジェクトとがバラバラになることを避けることが可能となる。
【0097】
また、キャラクタの状態が回復される場合、状態の変化を表すオブジェクトがキャラクタカードから外される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、状態の変化を表すオブジェクトのみに接触されると、オブジェクトとキャラクタカードとのグループ化を解除し、オブジェクトだけが移動する。
【0098】
また、キャラクタが所定の行動を取ることを可能にする場合、キャラクタカードに行動力カードが付される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、行動力カードがキャラクタカードに付された場合、当該行動力カードとキャラクタカードとをグループ化し、一体のオブジェクトとして扱う。こうすることで、ユーザがキャラクタカードを移動させる場合、関連付けられている行動力カードも一緒に移動することになり、カードと行動力カードとがバラバラになることを避けることが可能となる。
【0099】
また、キャラクタがバトルカード配置部34から移動したり、消費カード配置部35へ送られたりする場合、行動力カードがキャラクタカードから外される。プレイ制御モジュール2034は、ユーザの操作により、行動力カードのみに接触されると、行動力カードとキャラクタカードとのグループ化を解除する。
【0100】
(所定領域の定義)
プレイ制御モジュール2034は、フィールド30において、特殊な効果が発動する領域を定義する。具体的に、例えば、プレイ制御モジュール2034は、デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの表面が表示される領域を定義する。当該領域は、例えば、カードが表面を向いて載置される準備カード配置部32、バトルカード配置部34、消費カード配置部35である。プレイ制御モジュール2034は、アバター6により、カードが準備カード配置部32、バトルカード配置部34、又は消費カード配置部35に載置されると、アバター6からカードをひっくり返す操作がなくても、載置されたカードの表面を空間方向へ向ける。このため、ユーザは、プレイ中の動作が減ることになり、よりスムーズにプレイを楽しむことが可能となる。
【0101】
また、プレイ制御モジュール2034は、デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの裏面が表示される領域を定義する。当該領域は、例えば、カードが裏面を向いて載置される山札配置部31、勝敗条件カード配置部33である。プレイ制御モジュール2034は、アバター6により、カードが山札配置部31、又は勝敗条件カード配置部33に載置されると、アバター6からカードをひっくり返す操作がなくても、載置されたカードの裏面を空間方向へ向ける。このため、ユーザは、プレイ中の動作が減ることになり、よりスムーズにプレイを楽しむことが可能となる。
【0102】
プレイ制御モジュール2034は、フィールド30において特殊な効果が発動する領域を、予め設定された規則に基づいて設定する。具体的には、例えば、フィールド30と、当該領域とは予め関連付けられている。プレイ制御モジュール2034は、例えば、ユーザにより、TCGの種類が選択されると、選択されたTCGに応じたフィールド30を定義する。なお、TCGの種類の選択は、フィールド30の選択によりなされてもよい。フィールド30に対し、発動する効果、効果を発動させる領域が予め設定されており、プレイ制御モジュール2034は、予め設定された情報に基づき領域、及び効果を定義する。特殊な効果が発動する領域は、ユーザにより設定されてもよい。プレイ制御モジュール2034は、選択されたフィールド30に対し、ユーザから設定された領域を定義する。
【0103】
プレイ制御モジュール2034は、例えば、フィールド30における特殊な効果が発動する領域の位置を、TCG対戦の開始前に、ユーザからの指定に基づいて決定してもよい。具体的には、例えば、ユーザは、TCG対戦の開始前に、フィールド30における領域の位置を指定する。プレイ制御モジュール2034は、ユーザにより指定された位置を、特殊な効果が発動する領域として定義する。これにより、ユーザは、テンプレートのように予め設定された配置のフィールドでTCG対戦を行うことも可能であるし、自身の好みの配置のフィールドでTCG対戦を行うことも可能である。なお、領域の位置の指定については、位置的な制限があってもよい。
【0104】
(シャッフル動作)
プレイ制御モジュール2034は、アバター6に係るカード束をシャッフルする動作を制御する。具体的には、例えば、ユーザ5がデッキ、又は山札等のカード束に対してシャッフルする指示を入力した場合、プレイ制御モジュール2034は、当該カード束をシャッフルする。シャッフルする指示は、例えば、当該カード束をアバター6に持たせ、アバター6にシャッフルを模した動作をさせることを含む。また、シャッフルする指示は、例えば、フィールド30における所定の領域にカード束を載置し、所定のコマンドを入力することを含む。
【0105】
より具体的には、例えば、山札等のカード束を、1つのオブジェクトとして扱い、オブジェクト中のカードの並び順を所定の管理テーブルで管理している場合、プレイ制御モジュール2034は、シャッフルする指示が入力されると、管理テーブルにおけるカードの並び順をランダムに組み替える。また、例えば、カード束が、1枚1枚のカードオブジェクトが重なって形成される場合、プレイ制御モジュール2034は、シャッフルする指示が入力されると、仮想空間上で実際にカードの重なりの載置順を組み替える。
【0106】
プレイ制御モジュール2034は、カード束をシャッフルする際、ユーザが所望する態様のシャッフル動作を表示するように制御してもよい。シャッフル動作は、例えば、華やかなモーション等を含んでいてもよい。シャッフル動作は、ユーザが購入可能であってもよいし、所定の特典として提供されるものであってもよいし、ユーザ自身が作成可能であってもよい。プレイ制御モジュール2034は、シャッフル動作を、シャッフル動作を所望したユーザのみならず、当該ユーザの対戦相手、対戦を観戦する観客にも表示するようにしてもよい。
【0107】
(対戦の巻き戻し)
プレイ制御モジュール2034は、ユーザからの指示に応じ、対戦の状況を巻き戻す。具体的には、例えば、管理モジュール2033は、ユーザの操作に基づいて取得される対戦中の動作に基づき、対戦情報テーブル2024を更新している。プレイ制御モジュール2034は、ユーザから対戦を巻き戻す指示を受けると、フィールド30におけるカードの配置、カードに関連付けられているオブジェクト等を、対戦情報テーブル2024を参照し、所定の時間だけ巻き戻す。巻き戻す時間は、予め設定されていてもよいし、ユーザからの指示に時間が含まれていてもよい。プレイ制御モジュール2034は、所定の手数分だけ状況を巻き戻すようにしてもよい。巻き戻す手の数は、予め設定されていてもよいし、ユーザからの指示に巻き戻す手数が含まれていてもよい。
【0108】
一般的なデジタルトレーディングカードゲームでは、予め定められたルールに沿ってカードの操作の要否が決まっている。したがって、ゲーム状況によって使用できないカードは場に出すことが制限されている。本実施形態に係るメタバース空間におけるTCGでは、いつ、どこで、何のカードを使用するか、基本的に制限がない。このような制限がないことで、カード表面の画像データを用意することで、どのようなルールのTCGであってもユーザが自由にプレイすることができる。また、トレーディングカードの提供者が想定したルールとは逸脱する独自のルールで遊ぶこともできる。一方、自由度が高いため、対戦者同士が気付かないプレイ中の間違いが発生することが起こり得る。そのような場合、戦況を巻き戻すことで間違いが実際に発生したかを確認することが可能となる。また、TCGを練習する場合、プレイ中のカード回しを説明することがある。そのような場合、戦況を巻き戻すことでカード回しの意図を、練習中の対戦者へレクチャーすることが可能となる。
【0109】
(デッキの設定)
プレイ制御モジュール2034は、ユーザから操作に応じ、ユーザが対戦で使用するデッキを設定する。具体的には、例えば、メタバース空間において、所定のデッキが使用可能に載置されているとする。デッキは、例えば、内容が予め設定され、外部から内容が認識可能なデッキである。このとき、デッキは、例えば、ユーザからの指定に応じて内容を自在に変化可能である。ユーザは、デッキの内容に同意する場合、当該デッキを使用して対戦を開始する。一方、デッキの内容に同意しない場合、ユーザは、デッキの内容を指定する。例えば、ユーザは、デッキ情報テーブル2023を参照し、使用を所望するデッキのコードを入力する。プレイ制御モジュール2034は、ユーザから入力されたコードに基づき、デッキの内容を所望されたデッキの内容に入れ替える。これにより、ユーザからの要求に応じ、所望のデッキが組まれた状態で出てくるため、現実世界と同様にメタバース空間にて1枚1枚カードを選択してデッキを構築する方法に比べて、ユーザがデッキを構築する負担を軽減させることが可能となる。
【0110】
観戦制御モジュール2035は、メタバース空間におけるTCGの対戦の観戦を制御する。具体的には、例えば、観戦制御モジュール2035は、メタバース空間において実施される、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの対戦を、第3ユーザが現実空間のような感覚で観戦できるように空間を制御する。例えば、観戦制御モジュール2035は、第1ユーザ5Aのアバター6Aと、第2ユーザ5Bのアバター6BとがTCGをプレイするフィールド30を定義し、アバター6Aとアバター6Bとの間で実施される、
図2~
図4で示すような対戦を第3ユーザが観戦可能なように空間を制御する。観戦制御モジュール2035は、アバター6Aが使用するカードと、アバター6Bが使用するカードとに対し、第3ユーザが干渉できないように空間を制御している。
【0111】
具体的には、例えば、第1ユーザ5Aが使用するカード(デッキ)について、使用者として第1ユーザ5AのユーザIDが記憶される。また、第2ユーザ5Bが使用するカード(デッキ)について、使用者として第2ユーザ5BのユーザIDが記憶される。第1ユーザ5Aと第2ユーザ5BとのTCGのプレイ中に、第3ユーザがカードに触れた場合、又はカードに触れそうになった(接近した)場合、観戦制御モジュール2035は、第3ユーザのユーザIDと、カードの使用者として記憶されているユーザIDとを比較する。観戦制御モジュール2035は、カードに触れたユーザ、又はカードに接近したユーザが使用者として登録された者でない場合、そのユーザのカードへの接触、及び接近がカードに対して影響を与えないように制御する。
【0112】
観戦制御モジュール2035は、実施される対戦をリアルタイムで観戦可能としてもよいし、終了した対戦のみを観戦可能としてもよい。観戦制御モジュール2035は、リアルタイムに準じる観戦方法として、リアルタイムに対して所定の時間差を設けて対戦を観戦可能としてもよい。所定の時間差は、例えば、1、又は2のアクションを取ることが可能な時間、より具体的には数分程度を表す。また、観戦を遅延させるか否か、及び、遅延させた場合の時間差は、対戦者が対戦時、又は対戦前に設定できるようにしてもよい。
【0113】
観戦タイミングをリアルタイムから若干遅らせることで、ほぼリアルタイムでの観戦体験を観戦者に提供可能となると共に、対戦中の不正行為を抑えることが可能となる。なお、観戦制御モジュール2035は、観戦者による「通し」、及び「干渉」対策として、観戦対象の対戦を、外界から視認可能だが干渉不可能な対戦ルームのような空間内で実施させるようにしてもよい。この場合、観戦者が対戦ルーム内の視認する場合、所定時間前に行われていた第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの対戦を観戦することになる。
【0114】
提示モジュール2036は、対戦を実施するユーザに対し、メタバース空間においてTCGをプレイする画像を提示する。また、例えば、提示モジュール2036は、対戦を観戦するユーザに対し、メタバース空間においてTCGをプレイする画像を提示する。
【0115】
<2 データ構造>
図8~
図11は、サーバ20が記憶する情報のデータ構造の例を示す図である。なお、
図8~
図12は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0116】
図8は、ユーザ情報テーブル2021のデータ構造の例を示す図である。
図8に示すユーザ情報テーブル2021は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日等のカラムを有するテーブルである。ユーザ情報テーブル2021は、上記に限らず、腕前(熟練度、プレイヤレベル)、フォロワー等をカラムとして有してもよい。ユーザ情報テーブル2021は、ユーザによる対戦の戦績を記憶するカラムを有していてもよい。
【0117】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。年齢は、ユーザの年齢を記憶する項目である。住所は、ユーザが住んでいる場所を記憶する項目である。生年月日は、ユーザが生まれた日付を記憶する項目である。登録年月日は、ユーザがTCGに係るサービスの利用を開始した日付を記憶する項目である。
【0118】
ユーザ情報テーブル2021におけるレコードは、ユーザが新たに登録されると追加される。
【0119】
図9は、カードマスタテーブル2022のデータ構造の例を示す図である。
図9に示すカードマスタテーブル2022は、カードIDをキーとして、名称、種別、属性、カード情報、画像データ等のカラムを有するテーブルである。
【0120】
カードIDは、カードの種類を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。名称は、カードの名称を記憶する項目である。種別は、カードの種類を記憶する項目である。属性は、キャラクタが属する性質を記憶する項目である。カード情報は、カードの内容を説明する情報を記憶する項目である。画像データは、画像を記憶する項目である。カードの内容が同じであり、画像が異なるカードには、異なるカードIDが割り当てられていてもよい。
【0121】
カードマスタテーブル2022におけるレコードは、例えば、カードが新たに発行されると追加される。
【0122】
図10は、デッキ情報テーブル2023のデータ構造の例を示す図である。
図10に示すデッキ情報テーブル2023は、デッキコードをキーとして、名称、作成者、作成日、編成カード、対戦情報、公開等のカラムを有するテーブルである。デッキ情報テーブル2023は、これらの他に、デッキの通称名称に関する情報、代表画像、閲覧回数、TCG対戦で現在使用しているユーザのユーザID等を有していてもよい。閲覧回数は、例えば、デッキの内容を確認したユーザ数を記憶する。デッキ編成をコピーする機能をサーバ20が提供している場合、コピーしたユーザの数を参照回数として記憶してもよい。
【0123】
デッキコードは、登録されているデッキを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。デッキコードは、ユーザから公開が要求されたデッキが新規なデッキである場合、管理モジュール2033により発行される。新規なデッキとは、例えば、デッキの少なくとも一部が既存のデッキと異なるデッキを表す。また、新規なデッキとは、例えば、全く同一の構成のデッキが存在しないデッキを表すと換言可能である。
【0124】
名称は、デッキの名称を記憶する項目である。名称はユーザにより付けられる。作成者は、デッキを最初に作成したユーザのユーザIDを記憶する項目である。作成日は、デッキが最初に作成された日付を記憶する項目である。編成カードは、デッキを編成するカードを記憶する項目である。編成カードでは、例えば、デッキを編成するカードのカードIDが記憶される。対戦情報は、デッキコードにより識別されるデッキを用いて実施した対戦に関する情報を記憶する項目である。対戦情報は、例えば、以下の情報を含む。
・対戦を識別するための対戦ID
・対戦の日時
・参加した大会
・大会の結果
【0125】
公開は、デッキが他ユーザに公開されているか否かを記憶する項目である。本実施形態において、丸はデッキが他ユーザに公開されていることを表し、ばつはデッキが他ユーザに公開されていないことを表す。公開が承諾されているか否かが識別可能であれば、丸、ばつの入力に限定されない。本実施形態において、デッキが公開されていないとは、自身のみが確認可能なことを意味する。
【0126】
デッキ情報テーブル2023におけるレコードは、デッキが新たに登録されると追加される。
【0127】
図11は、対戦情報テーブル2024のデータ構造の例を示す図である。
図11に示す対戦情報テーブル2024は、対戦IDをキーとして、日時、対戦者、デッキコード、勝者、対戦ログ情報、大会情報等のカラムを有するテーブルである。対戦情報テーブル2024は、対戦中のメタバース空間における画像を記憶するカラムを有していてもよい。当該カラムには、例えば、他の領域に保存されている画像データファイルに対する参照情報(パス)が記憶される。対戦情報テーブル2024は、対戦においてユーザにより選択されたTCGの種類を記憶するカラムを有していてもよい。対戦情報テーブル2024は、種類が同一のTCGであったとしても、特殊なルールが貸されている場合、貸されているルールを記憶するカラムを有していてもよい。
【0128】
対戦IDは、対戦を一意に識別するための識別子を記憶する項目である。対戦IDは、対戦に関する新たな情報が登録されると、管理モジュール2033により発行される。日時は、対戦が行われた日時を記憶する項目である。対戦者は、対戦を行ったプレイヤーに関する情報を記憶する項目である。本実施形態では、例えば、対戦者には、対戦を行ったプレイヤー同士のユーザIDが記憶されている。対戦者として記憶される情報は、ユーザIDに限定されない。対戦者を特定可能であれば、氏名、ニックネーム等、いずれであっても構わない。
【0129】
デッキコードは、対戦に用いられたデッキを識別するコードを記憶する項目である。本実施形態では、例えば、対戦を行ったプレイヤーと、そのプレイヤーが使用したデッキのデッキコードとが関連付けられている。なお、デッキコードは必ずしも記憶されていなくてもよい。つまり、デッキコードが登録されていなくてもよい。
【0130】
勝者は、対戦の勝者を記憶する項目である。
【0131】
対戦ログ情報は、対戦中にプレイヤーが採用したプレイ行動を記憶する項目である。対戦ログ情報は、例えば、行動番号、行動者、対象カード等を含む。行動番号は、対戦者が採った行動の順序を表す番号を記憶する。例えば、最初の行動を行動番号:1とし、それ以降の行動に対して2以降の数字が付される。行動番号の付し方はこれに限定されない。経過したターンと関連付けて付すようにしてもよい。例えば、「ターン数-番号」のように表してもよいし、「ターン数-行動者-番号」のように表してもよい。このように表すことで、ターン数、及び行動者も併せて認識することが可能となる。また、所定の行動に対応して発動する行動については、対応した行動であることが把握可能な表記にしてもよい。
【0132】
行動者は、対戦中に行動したプレイヤーを記憶する。例えば、行動者には、ユーザIDが記憶される。対象カードは、プレイヤーにより行動させられたカードを記憶する。例えば、対象カードには、ユーザにより選択されて行動させられたカードのカードIDが記憶される。
【0133】
大会情報は、対戦に関する情報を記憶する項目である。例えば、大会情報には、対戦が行われた大会名、大会における対戦のラウンド数が含まれる。大会情報は、公式に開催された大会に関わらず、プライベートで開催された大会での対戦情報を含んでもよい。また、大会情報は、大会に限定されず、プライベートでの対戦での対戦情報を含んでもよい。
【0134】
対戦情報テーブル2024におけるレコードは、対戦が新たに登録されると追加される。
【0135】
<3 動作>
(TCGの対戦の実施)
メタバース空間において、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの間でTCGの対戦を実施する際の、端末装置10A、端末装置10B、サーバ20の動作について説明する。
【0136】
図12は、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの間でTCGの対戦を実施する際の、端末装置10A、端末装置10B、サーバ20の動作の例を説明するための図である。第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、例えば、
図1で示すように、所定の距離の範囲内(例えば、コミュニケーションが取れる程度の範囲内)に存在してもよい。なお、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、メタバース空間において、アバター6Aと、アバター6Bとがコミュニケーション可能であれば、遠く離れた位置にいても構わない。第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、アバター6Aと、アバター6Bとを介してコミュニケーションを取り、TCGの対戦をすることに同意する。
【0137】
ステップS11において、端末装置10Aは、サーバ20へ対戦要求を送信し、端末装置10Bは、サーバ20へ対戦要求を送信する。具体的には、例えば、第1ユーザ5Aは、端末装置10Aを操作し、第2ユーザ5BのユーザIDを入力し、サーバ20に対し、第2ユーザ5BとのTCGの対戦を要求する。端末装置10Aは、第1ユーザ5Aからの操作に従い、サーバ20へ対戦要求を送信する。また、第2ユーザ5Bは、端末装置10Bを操作し、第1ユーザ5AのユーザIDを入力し、サーバ20に対し、第1ユーザ5AとのTCGの対戦を要求する。端末装置10Bは、第2ユーザ5Bからの操作に従い、サーバ20へ対戦要求を送信する。
図12では、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの対戦要求が同時にサーバ20へ送信されているが、厳密に同時ではなく、所定の期間内にサーバ20へ到達するようになっていればよい。
【0138】
第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、対戦要求を送信する際に、対戦するTCGの種類を選択し、選択した種類を、端末装置10A、10Bからサーバ20へ送信してもよい。対戦するTCGの種類の選択は、TCGの種類を直接選択してもよいし、TCGの種類と対応するフィールドを選択してもよい。対戦するTCGの種類の選択は、一方のユーザが指定して他方のユーザが同意する形式であってもよいし、両方のユーザが指定する形式であってもよい。また、対戦するTCGの種類の選択は、メタバース空間に載置されているTCGのデッキの選択であってもよい。このとき、例えば、メタバース空間には、複数種類のTCGについてのデッキがそれぞれ複数載置されていてもよい。
【0139】
第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとによる対戦要求の送信は、例えば、対戦を要求する所定のコマンドの入力であってもよいし、メタバース空間において所定の距離内に存在するアバター6Aとアバター6BとがTCGのデッキを手に取ることであってもよい。メタバース空間において所定の距離内に存在する等、アバター6Aとアバター6Bとの関係が把握できる場合、サーバ20は、アバターとユーザとの関係からTCGの対戦を実施する第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとを特定可能である。このような場合、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは互いのユーザIDをサーバ20へ通知しなくてもよい。
【0140】
ステップS12において、サーバ20は、TCGの対戦を実施するプレイヤーをマッチングする。具体的には、例えば、プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aから指定された第2ユーザ5BのユーザIDと、第2ユーザ5Bから指定された第1ユーザ5AのユーザIDとに基づき、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとをマッチングする。第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとをマッチングするとサーバ20は、第1ユーザ5Aへマッチング結果を送信し、第2ユーザ5Bへマッチング結果を送信する。
【0141】
サーバ20からマッチング結果が送信されると、端末装置10Aは、第1ユーザ5Aにマッチング結果を表示する。サーバ20からマッチング結果が送信されると、端末装置10Bは、第2ユーザ5Bにマッチング結果を表示する。
【0142】
ステップS13において、端末装置10Aは、第1ユーザ5Aがマッチングに同意したことをサーバ20へ送信する。また、端末装置10Bは、第2ユーザ5Bがマッチングに同意したことをサーバ20へ送信する。具体的には、例えば、第1ユーザ5Aは、端末装置10Aに表示されるマッチング結果に同意する所定のコマンドを入力する。第1ユーザ5Aは、所定のジェスチャをすることで、マッチング結果に同意してもよい。また、例えば、第2ユーザ5Bは、端末装置10Bに表示されるマッチング結果に同意する所定のコマンドを入力する。第2ユーザ5Bは、所定のジェスチャをすることで、マッチング結果に同意してもよい。
【0143】
第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、例えば、TCGの対戦を実施しない場合、マッチング結果に同意しない。第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、例えば、マッチング結果に同意しない所定のコマンドを入力してもよいし、所定のジェスチャによりマッチング結果に同意しなくてもよいし、アバターが手に持っているデッキをもとにあった場所に返却することでマッチング結果に同意しなくてもよい。
【0144】
ステップS14において、サーバ20は、対戦情報テーブル2024を更新する。具体的には、例えば、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの間でマッチングが成立すると、管理モジュール2033は、対戦情報テーブル2024において、同意された対戦に対戦IDを付与してレコードを作成し、作成したレコードの各項目に、日時、対戦者を記憶する。管理モジュール2033は、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとが使用するデッキが決まっている場合、作成したレコードにデッキコードを記憶する。
【0145】
ステップS15において、サーバ20は、TCGの対戦を開始させる。具体的には、例えば、プレイ制御モジュール2034は、TCGの対戦を実施するためのフィールド30をメタバース空間に出現させる。フィールド30は、もともとメタバース空間に存在する物体を利用して出現させてもよいし、何もない空間に出現させてもよい。例えば、プレイ制御モジュール2034は、例えば、
図2で示すようなフィールド30をメタバース空間に出現させる。プレイ制御モジュール2034は、例えば、フィールド30において、特殊な効果が発動する領域を定義する。
【0146】
プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとのマッチングが成立した後に、TCGの種類を選択させるようにしてもよい。また、プレイ制御モジュール2034は、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとのマッチングが成立した後に、対戦で使用するデッキを選択させるようにしてもよい。デッキの選択は、メタバース空間に載置されているデッキを選択してもよいし、所望のデッキIDを入力することで選択してもよい。
【0147】
メタバース空間にフィールド30が出現すると、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとは、アバター6Aと、アバター6Bとが手に持っているデッキを使用してTCGの対戦を開始する。プレイ制御モジュール2034は、アバター6Aとアバター6BとによるTCGの対戦を実行させる。端末装置10Aと、端末装置10Bとは、メタバース空間においてプレイするTCGに関する画像を、第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとにそれぞれ表示する。
【0148】
第1ユーザ5Aはアバター6Aを介し、また、第2ユーザ5Bはアバター6Bを介し、フィールド30における自由な位置に、自由なタイミングで、自由なカードを出すことが可能である。第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとは、現実世界でTCGをプレイするような自由度で、メタバース空間においてTCGをプレイ可能である。つまり、本実施形態では、一般的なデジタルトレーディングカードゲームのように、カードを出すタイミング、カードを出す位置等が規定されていない。
【0149】
端末装置10Aは、第1ユーザ5Aが視認しやすい大きさでカードを表示する。また、端末装置10Bは、第2ユーザ5Bが視認しやすい大きさでカードを表示する。カードを表示する大きさは、予め設定されていてもよいし、フィールド30の大きさ及び種類に応じて設定されてもよいし、ユーザからの指定により設定されてもよい。ユーザからの表示サイズの指定は、例えば、所定のコマンドにより指定されてもよいし、所定のジェスチャにより指定されてもよい。
【0150】
第1ユーザ5Aは、例えば、アバター6Aが手に持っているデッキをシャッフルする。第1ユーザ5Aは、デッキをシャッフルさせるための所定のコマンドを入力してもよいし、デッキをシャッフルさせるための所定のジェスチャをしてもよい。プレイ制御モジュール2034は、所定のコマンド、又は所定のジェスチャを端末装置10Aから検知すると、アバター6Aが有しているデッキをシャッフルする。また、第2ユーザ5Bは、例えば、アバター6Bが手に持っているデッキをシャッフルする。第2ユーザ5Bは、デッキをシャッフルさせるための所定のコマンドを入力してもよいし、デッキをシャッフルさせるための所定のジェスチャをしてもよい。プレイ制御モジュール2034は、所定のコマンド、又は所定のジェスチャを端末装置10Bから検知すると、アバター6Bが有しているデッキをシャッフルする。
【0151】
アバター6Aとアバター6Bとは、お互いに決定した順序に従い、山札配置部31からカードを引き、引いたカードを手札に入れる。アバター6Aとアバター6Bとは、手札から所定の領域、例えば、準備カード配置部32、バトルカード配置部34等へカードを出す。端末装置10Aは、例えば、アバター6Bが所定の領域からカードを手札に引き入れる間、アバター6Bのカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第1ユーザ5Aに表示する。また、端末装置10Aは、例えば、アバター6Bが所持する手札のカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第1ユーザ5Aに表示する。また、端末装置10Aは、例えば、アバター6Bが手札からカードを所定の領域へ出す間、アバター6Bのカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第1ユーザ5Aに表示する。端末装置10Bは、例えば、アバター6Aが所定の領域からカードを手札に引き入れる間、アバター6Aのカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第2ユーザ5Bに表示する。また、端末装置10Bは、例えば、アバター6Aが所持する手札のカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第2ユーザ5Bに表示する。また、端末装置10Bは、例えば、アバター6Aが手札からカードを所定の領域へ出す間、アバター6Aのカードに対し、カードの表面の認識を制限した画像を第2ユーザ5Bに表示する。
【0152】
端末装置10Aは、例えば、アバター6Bが出したカードがフィールド30における所定の領域、例えば、準備カード配置部32等に到達すると、アバター6Bが出したカードの表面に施した制限を解除する。端末装置10Aは、例えば、第2ユーザ5Bが所定の入力、又は所定のジェスチャをしたことをサーバ20から受信した場合、アバター6Bが出したカードの表面に施した制限を解除する。端末装置10Bは、例えば、アバター6Aが出したカードがフィールド30における所定の領域、例えば、準備カード配置部32等に到達すると、アバター6Aが出したカードの表面に施した制限を解除する。端末装置10Bは、例えば、第1ユーザ5Aが所定の入力、又は所定のジェスチャをしたことをサーバ20から受信した場合、アバター6Aが出したカードの表面に施した制限を解除する。なお、フィールド30における所定の領域は、例えば、第1ユーザ5A又は第2ユーザ5Bにより設定されてもよい。
【0153】
アバター6Aとアバター6Bとは、対戦を進め、例えば、それぞれが所定の領域にカードを出す。端末装置10A、10Bは、例えば、アバター6A又はアバター6Bにより、裏面が空間方向に向いた状態で準備カード配置部32、バトルカード配置部34、消費カード配置部35等にカードが出された場合、裏面を向いたカードを表面を向けた状態にする。端末装置10A、10Bは、例えば、アバター6A又はアバター6Bにより、裏面が空間方向に向いた状態で、準備カード配置部32、バトルカード配置部34、消費カード配置部35等以外の所定の領域にカードが出された場合、裏面を向いたカードを表面を向けた状態にする。端末装置10A、10Bは、例えば、アバター6A又はアバター6Bにより、表面が空間方向に向いた状態で山札配置部31、配置領域36等にカードが出された場合、表面を向いたカードを裏面を向けた状態にする。端末装置10A、10Bは、例えば、アバター6A又はアバター6Bにより、表面が空間方向に向いた状態で、山札配置部31、配置領域36等以外の所定の領域にカードが出された場合、表面を向いたカードを裏面を向けた状態にする。
【0154】
アバター6Aとアバター6Bとは、例えば、準備カード配置部32、又はバトルカード配置部34に載置したカードに係るキャラクタが他のカードに係るキャラクタから攻撃された場合、準備カード配置部32、又はバトルカード配置部34に載置したカードの上に、受けた攻撃に応じたオブジェクトを置く。また、アバター6Aとアバター6Bとは、例えば、準備カード配置部32、又はバトルカード配置部34に載置したカードに係るキャラクタが所定の効果を受けることで状態が変化した場合、準備カード配置部32、又はバトルカード配置部34に載置したカードの上に、状態に応じたオブジェクトを置く。プレイ制御モジュール2034は、オブジェクトがカードの上に置かれると、オブジェクトとカードとをグループ化する。カードとオブジェクトとがグループ化されると、第1ユーザ5A、及び第2ユーザ5Bは、カードを移動させることで、カードとグループ化されたオブジェクトも移動可能となる。現実世界において、カードにオブジェクトが付されている場合、オブジェクトがバラバラにならないように、カードを移動させることが難しい。メタバース空間では、現実世界を忠実に再現するのではなく、カードとオブジェクトとを一体とみなすことで、ゲーム中の負担を軽減させるようにしている。
【0155】
アバター6Aとアバター6Bとは、準備カード配置部32、又はバトルカード配置部34に載置したカードに係るキャラクタの体力が回復した場合、状態が回復した場合、又は倒れた場合、カードの上に置かれているオブジェクトを掴む。カードの上に置かれているオブジェクトがアバター6A又はアバター6Bにより掴まれると、プレイ制御モジュール2034は、カードとオブジェクトとのグループ化を解除する。プレイ制御モジュール2034は、オブジェクトをカードに対して個別に移動可能なようにする。
【0156】
管理モジュール2033は、アバター6Aとアバター6Bとにより採用された手を対戦情報テーブル2024に記憶する。
【0157】
アバター6A又はアバター6Bは、対戦中に間違いが発生したり、看過できない状況になったりした場合、対戦の状況を巻き戻すコマンドを入力したり、対戦の状況を巻き戻すジェスチャをしたりする。アバター6A又はアバター6Bは、対戦の状況を巻き戻すコマンド又はジェスチャに、状況をどれだけ巻き戻すかを含めるようにしてもよい。状況をどれだけ巻き戻すかは、例えば、「秒数」により規定されてもよいし、「手数」により規定されてもよい。状況をどれだけ巻き戻すかは、予め設定されていてもよい。アバター6A又はアバター6Bから状況を巻き戻す指示が入力されるとプレイ制御モジュール2034は、対戦情報テーブル2024の項目「対戦ログ情報」を参照し、指示に応じた分だけ状況を巻き戻す。
【0158】
プレイ制御モジュール2034は、例えば、アバター6A又はアバター6Bが所定の勝利条件を満たすと、勝利条件を満たしたアバターを勝者とし、TCGの対戦を終了させる。また、プレイ制御モジュール2034は、例えば、第1ユーザ5A又は第2ユーザ5Bから勝敗結果の入力を受け付けた場合、勝利と申告されたアバターを勝者とし、TCGの対戦を終了させるようにしてもよい。
【0159】
ステップS16において、サーバ20は、対戦情報テーブル2024を更新する。具体的には、例えば、管理モジュール2033は、対戦情報テーブル2024において、終了した対戦に対応する対戦IDにより特定されるレコードに勝者を記憶する。
【0160】
(TCGの対戦の観戦)
メタバース空間において、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの間のTCGの対戦を他のユーザが観戦する際のサーバ20の動作について説明する。
【0161】
図13は、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの間のTCGの対戦を他のユーザ(第3ユーザ)が観戦する際のサーバ20の動作の例を示すフローチャートである。
【0162】
ステップS21において、サーバ20は、第3ユーザから対戦の選択を受け付ける。具体的には、例えば、第3ユーザは、TCGの対戦を観戦したい場合、サーバ20へアクセスする。提示モジュール2036は、対戦情報テーブル2024を参照し、観戦可能な対戦に関する情報を第3ユーザが所持する端末装置10へ送信する。観戦可能な対戦は、例えば、現在実施中の対戦、又は過去に実施された対戦等を含む。観戦制御モジュール2035は、例えば、現在実施中の対戦が開始されてから所定の時間を経過すると、当該対戦を観戦可能な対戦とする。端末装置10は、第3ユーザから所望する観戦の指定を受け付け、第3ユーザから指定された観戦をサーバ20へ送信する。
【0163】
ステップS22において、サーバ20は、第3ユーザにより指定された対戦を第3ユーザに表示する。具体的には、例えば、観戦制御モジュール2035は、第3ユーザにより指定された対戦に関する情報を対戦情報テーブル2024から読み出す。観戦制御モジュール2035は、例えば、対戦を俯瞰的な自由な視点から観戦可能な3次元画像情報を対戦情報テーブル2024から読み出す。観戦制御モジュール2035は、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5BとがプレイするTCGの対戦を、第1ユーザ5Aと当該第1ユーザ5Aが使用するカードとを対応付けて第3ユーザに提示する。また、観戦制御モジュール2035は、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5BとがプレイするTCGの対戦を、第2ユーザ5Bと当該第2ユーザ5Bが使用するカードとを対応付けて第3ユーザに提示する。提示モジュール2036は、TCGの対戦の観戦に係る画像をユーザに提示する。これにより、第3ユーザは、メタバース空間において実施される、第1ユーザ5Aと第2ユーザ5Bとの対戦を、現実空間にいるかのような感覚で観戦できるようになる。
【0164】
表示制御部194は、対戦中に、対戦者の手札が見えるようにしてもよいし、見えないようカード表面を加工してもよい。第3ユーザは、所定のコマンドを入力することで、又は、所定のジェスチャをすることで、表示を設定/解除してもよい。
【0165】
観戦制御モジュール2035は、他の観戦者の存在を第3ユーザに提示してもよい。具体的には、例えば、観戦制御モジュール2035は、同じ対戦を観戦している他の観戦者の人数を第3ユーザに提示する。これにより、第3ユーザは、どのくらいのユーザがこの対戦を視聴しているかを把握することが可能となる。また、観戦制御モジュール2035は、例えば、同じ対戦を観戦している他の観戦者のアバターを第3ユーザに提示する。これにより、第3ユーザは、どのくらいのユーザがこの対戦を視聴しているかに加え、既知のユーザが含まれているか否かを把握することが可能となる。
【0166】
観戦制御モジュール2035は、アバター6Aが使用するカードと、アバター6Bが使用するカードとに対し、第3ユーザが干渉できないように空間を制御している。例えば、観戦制御モジュール2035は、第3ユーザがアバター6A、又はアバター6Bのカードに触れることはできないように制限をかけている。また、観戦制御モジュール2035は、第3ユーザが当該カードに触れられたとしても影響を与えることはできないように制限をかけている。
【0167】
観戦制御モジュール2035は、第3ユーザがフィールド30に対して所望の距離まで近づけるようにしてもよいし、近づける距離を制限してもよい。例えば、観戦制御モジュール2035は、アバター6A及びアバター6Bが対戦を実施する対戦ルームを規定し、対戦ルームまでしか第3ユーザが近づけないようにしてもよい。
【0168】
ステップS23において、サーバ20は、対戦が終了すると観戦を終了させる。具体的には、例えば、観戦制御モジュール2035は、勝者が決定すると、又は、第3ユーザから観戦中止の指示を受け付けると、観戦を終了させる。管理モジュール2033は、対戦情報テーブル2024について、対戦と関連付けられている観戦数を更新する。
【0169】
以上のように、上記実施形態では、HMD10(端末装置10)は、プロセッサと、メモリとを備え、仮想空間でプレイされるTCGを制御する。制御部190は、仮想空間(メタバース空間)内において、HMD10を装着する第1ユーザ5Aと、第2ユーザ5Bとの間で実施されるTCGをプレイするフィールド30を表示する。制御部190は、仮想空間内に、少なくとも1枚のカードからなる、第2ユーザ5Bの手札を表示する。第2ユーザ5Bにより入力される、手札からカードをフィールド30上に配置するための第1操作を検出する。制御部190は、第1操作に応じてカードを手札からフィールド30へ移動させる間に、第1ユーザ5Aに対し、カードの表面の認識を制限した画像を出力する。現実世界におけるTCGでは、手札、及び手札から場に出すカードの表面が対戦相手に見られないように、プレイヤーは、動作に注意を払うようにしている。しかしながら、メタバース空間では、動作に注意を払ったとしても、自身のカードが対戦者に開示されてしまう可能性は否定できない。そこで、制御部190は、カードの表面が対戦者に視認されそうな状況において、カードの表面の認識を制限した画像をディスプレイ141に表示するようにしている。これにより、プレイヤーは、自身のカードが対戦者に見られてしまう状況を避けることが可能となる。
【0170】
したがって、本実施形態に係るHMDによれば、仮想空間において発生させた仮想的なカードを用いたゲームをプレイする環境を提供できる。
【0171】
また、上記実施形態では、制御部190は、第2ユーザ5Bにより入力される、カードの表面を表示させるための第2操作を検出する。制御部190は、第2操作に応じて、制限を解除し、カードの表面の画像を出力する。これにより、カードの表面の認識を制限した画像を容易に解除することが可能となるため、対戦中においてカードを扱う際の労力が軽減される。
【0172】
また、上記実施形態では、制御部190は、カードがフィールド30における所定の領域に到達すると、制限を解除し、カードの表面の画像を出力する。これにより、特別な操作はせずとも、所定の領域にカードを出すと制限が解除されるため、対戦中においてカードを扱う際の労力がさらに軽減される。
【0173】
また、上記実施形態では、制御部190は、複数の他のユーザがプレイするTCGを、複数の他のユーザと、複数の他のユーザが使用しているカードとを対応付けて提示する。これにより、HMD10の装着者は、他のユーザが実施している対戦を観戦することが可能となる。
【0174】
また、上記実施形態では、制御部190は、複数の他のユーザがプレイするTCGを、複数の他のユーザによるプレイよりも所定時間遅らせてHMD10の装着者に表示する。メタバース空間におけるTCGの対戦の観戦者が、現実世界で対戦者の隣にいる可能性がある。対戦中のプレイが遅延時間なく観戦可能である場合、観戦者が一の対戦者の手札を覗き、近くにいる他の対戦者に教える行為ができてしまう。観戦タイミングをリアルタイムから遅らせることで、対戦中の不正行為を抑えることが可能となる。
【0175】
また、上記実施形態では、制御部190は、複数の他のユーザがTCGのプレイで使用するカードに対するHMD10の装着者の干渉を制限する。これにより、TCGの対戦の観戦者は、対戦中のプレイヤーが使用しているカードに干渉ができないため、観戦中の対戦が妨害等されることを抑えることが可能となる。
【0176】
また、上記実施形態では、制御部190は、所定の状態を表すオブジェクトに対する第1ユーザ5Aの操作に応じ、オブジェクトとカードとをグループ化したり、又はグループ解除したりする。これにより、カードとオブジェクトとがグループ化されている場合、第1ユーザ5Aは、カードとオブジェクトとを一緒に移動させることが容易になる。また、必要に応じて容易にグループ解除することができるため、キャラクタカードのみを移動させることも容易である。このため、対戦中においてカードを扱う際の労力がさらに軽減される。
【0177】
また、上記実施形態では、制御部190は、フィールド30において、カードを載置したら当該カードの表面が表示される第1エリアと、カードを載置したら当該カードの裏面が表示される第2エリアとを定義する。これにより、第1ユーザ5Aは、プレイ中の動作が減ることになり、よりスムーズにプレイを楽しむことが可能となる。
【0178】
また、上記実施形態では、制御部190は、カードの束をシャッフルするための第1ユーザ5Aの操作に応じ、カードの束をシャッフルする。現実世界において、デッキのシャッフルは、公平な対戦を実施する上でとても重要な要素である。各プレイヤーは対戦相手がしっかりデッキをシャッフルしたかを常に監視し、場合によっては相手のデッキを自身でシャッフルすることもあり得る。簡単な動作でデッキがシャッフルされるため、対戦中の負担が大きく軽減される。
【0179】
また、上記実施形態では、制御部190は、第1ユーザ5Aにより指定される態様でアバター6Aにシャッフルを実施される。これにより、第1ユーザ5Aは、シャッフルの態様を自身で選択可能となるため、ゲームの興趣性が向上する。
【0180】
また、上記実施形態では、制御部190は、TCGの戦況を戻すための第1ユーザ5Aの操作に応じ、カードの配置を戻す。本実施形態係るTCGでは、対戦を実施する第1ユーザ5A及び第2ユーザ5Bは、現実世界のような自由度の高いプレイが可能である。プレイヤーの操作により戦況を容易に戻せるため、初心者であってもTCGをプレイすることが可能となる。
【0181】
また、上記実施形態では、制御部190は、複数のカードからなるデッキを指定するための第1ユーザ5Aの操作に応じ、指定されたデッキを、第1ユーザ5Aが仮想空間内において使用可能に、第1ユーザ5Aに提供する。これにより、第1ユーザ5Aは、デッキを組む負担から解放されることになる。このため、TCGの対戦を実施しやすくなる。
【0182】
また、上記実施形態では、制御部190は、フィールド30に配置されるカードの大きさを変更させるための第1ユーザ5Aの操作に応じ、フィールド30に配置されるカードの大きさを変更させる。これにより、第1ユーザ5Aは、カードの視認性が高まる。このため、TCGの対戦のしやすさが向上することになる。
【0183】
また、上記実施形態では、制御部190は、プレイするTCGの選択を受け付ける。制御部190は、選択されたTCGにおいて使用される複数のカードからなるデッキを指定するための第1ユーザの操作に応じ、指定されたデッキを、第1ユーザ5Aが仮想空間内において使用可能に、第1ユーザ5Aに提供する。これにより、プレイヤーは、TCGを自由に選択することが可能となり、仮想空間において、任意のTCGをプレイすることが可能となる。
【0184】
また、上記実施形態では、制御部190は、TCGの選択を、フィールド30の選択により受け付ける。これにより、プレイヤーは、フィールド30を選択することで、TCGを選択することが可能となる。このため、プレイヤーは、直感的にTCGを選択することが可能となる。
【0185】
<変形例>
上記実施形態では、システム1がサーバ20を備える場合を例に説明した。しかしながら、システム1は、サーバ20を備えていなくてもよい。つまり、システム1は、複数の端末装置10を有してもよい。この場合、サーバ20で実施される機能は、端末装置10で実施される。
【0186】
また、上記実施形態では、端末装置10がユーザに仮想空間を提供する例を説明した。端末装置10が提供するのは仮想空間に限定されない。端末装置10は、拡張現実(AR:Augmented Reality)を提供してもよい。つまり、端末装置10は、アバターを表示せず、現実に存在する構造を生かして、TCGの対戦が可能なようにユーザに情報を提供する。端末装置10は、例えば、現実世界の構造を認識し、カードを仮想情報としてユーザに提供する。
【0187】
また、上記実施形態では、各機能を端末装置10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様で端末装置10、サーバ20、又は端末装置10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0188】
さらに、本発明は、上述した端末装置10又はサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0189】
また、上記実施形態では、プレイヤーが二人である場合を説明した。しかしながら、プレイヤーは、三人以上であっても構わない。
【0190】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図14は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ94、主記憶装置95、補助記憶装置96、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0191】
プロセッサ94とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ94は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0192】
主記憶装置95とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0193】
補助記憶装置96とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0194】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0195】
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0196】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0197】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図14に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0198】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0199】
制御部は、プロセッサ94が補助記憶装置96に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置95に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0200】
記憶部は、主記憶装置95、補助記憶装置96により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ94は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置95または補助記憶装置96に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ94に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0201】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0202】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ94に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0203】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ94に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0204】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs (Application Specific Integrated Circuits)、CPU (a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、 circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアの組合せである。
【0205】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0206】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えて、仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)に実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、仮想空間内において、HMDを装着する第1ユーザと、第2ユーザとの間で実施されるデジタルトレーディングカードゲームをプレイするフィールドを表示するステップと、仮想空間内に、少なくとも1枚のデジタルトレーディングカードからなる、第2ユーザの手札を表示するステップと、第2ユーザにより入力される、手札からデジタルトレーディングカードをフィールド上に配置するための第1操作を検出するステップと、第1操作に応じてデジタルトレーディングカードを手札からフィールドへ移動させる間に、第1ユーザに対し、デジタルトレーディングカードの表面の認識を制限した画像を出力するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
第2ユーザにより入力される、デジタルトレーディングカードの表面を表示させるための第2操作を検出するステップと、第2操作に応じて、制限を解除し、デジタルトレーディングカードの表面の画像を出力するステップとをプロセッサに実行させる(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
出力するステップにおいて、デジタルトレーディングカードがフィールドにおける所定の領域に到達すると、制限を解除し、デジタルトレーディングカードの表面の画像を出力する(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
複数の他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームを、複数の他のユーザと、複数の他のユーザが使用しているデジタルトレーディングカードとを対応付けて提示するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
表示するステップにおいて、複数の他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームを、複数の他のユーザによるプレイよりも所定時間遅らせて表示する(付記4)に記載のプログラム。
(付記6)
複数の他のユーザがプレイするデジタルトレーディングカードゲームで使用されるデジタルトレーディングカードに対する干渉を制限するステップをプロセッサに実行させる(付記4)又は(付記5)に記載のプログラム。
(付記7)
所定の状態を表すオブジェクトに対する第1ユーザの操作に応じ、オブジェクトと、デジタルトレーディングカードとをグループ化したり、又はグループ解除したりするステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
フィールドを表示するステップにおいて、フィールドにおいて、デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの表面が表示される第1エリアと、デジタルトレーディングカードを載置したら当該デジタルトレーディングカードの裏面が表示される第2エリアとを設定する(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
デジタルトレーディングカードの束をシャッフルするための第1ユーザの操作に応じ、デジタルトレーディングカードの束をシャッフルするステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
シャッフルするステップは、第1ユーザにより指定される態様で実施される(付記9)に記載のプログラム。
(付記11)
デジタルトレーディングカードゲームの戦況を戻すための第1ユーザの操作に応じ、デジタルトレーディングカードの配置を戻すステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
複数のデジタルトレーディングカードからなるデッキを指定するための第1ユーザの操作に応じ、指定されたデッキを、第1ユーザが仮想空間内において使用可能に、第1ユーザに提供するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記11)のいずれかに記載のプログラム。
(付記13)
フィールドに配置されるデジタルトレーディングカードの大きさを変更させるための第1ユーザの操作に応じ、フィールドに配置されるデジタルトレーディングカードの大きさを変更させるステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記12)のいずれかに記載のプログラム。
(付記14)
プレイするデジタルトレーディングカードゲームの選択を受け付けるステップと、選択されたデジタルトレーディングカードゲームにおいて使用される複数のデジタルトレーディングカードからなるデッキを指定するための第1ユーザの操作に応じ、指定されたデッキを、第1ユーザが仮想空間内において使用可能に、第1ユーザに提供するステップとをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記14)のいずれかに記載のプログラム。
(付記15)
デジタルトレーディングカードゲームの選択を受け付けるステップにおいて、デジタルトレーディングカードゲームの選択を、フィールドの選択により受け付ける(付記14)に記載のプログラム。
(付記16)
プロセッサと、メモリとを備え、仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)に実行される方法であって、プロセッサが、(付記1)から(付記15)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
(付記17)
プロセッサと、メモリとを備え、仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)であって、プロセッサが、(付記1)から(付記15)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行するHMD。
(付記18)
仮想空間でプレイされるデジタルトレーディングカードゲームを制御するHMD(Head Mount Display)を備えるシステムであって、(付記1)から(付記15)のいずれかに係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるシステム。
【符号の説明】
【0207】
1…システム
10…端末装置
12…通信IF
120…通信部
13…入力装置
131…ボタン
14…出力装置
141…ディスプレイ
15…メモリ
150…位置情報センサ
16…ストレージ
160…カメラ
17…音声処理部
171…マイク
172…スピーカー
180…記憶部
19…プロセッサ
190…制御部
20…サーバ
【要約】
【課題】仮想空間において発生させた仮想的なカードを用いたゲームをプレイする環境を提供する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備え、仮想空間でプレイされるTCGを制御するHMD(Head Mount Display)に実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、仮想空間内において、HMDを装着する第1ユーザと、第2ユーザとの間で実施されるTCGをプレイするフィールドを表示するステップと、仮想空間内に、少なくとも1枚のカードからなる、第2ユーザの手札を表示するステップと、第2ユーザにより入力される、手札からカードをフィールド上に配置するための第1操作を検出するステップと、第1操作に応じてカードを手札からフィールドへ移動させる間に、第1ユーザに対し、カードの表面の認識を制限した画像を出力するステップとを実行させる。
【選択図】
図4