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特許7612826同軸ケーブル伝送用車載ギガビットイーサネットチップ適応のためのインピーダンス変換装置
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  • 特許-同軸ケーブル伝送用車載ギガビットイーサネットチップ適応のためのインピーダンス変換装置 図1
  • 特許-同軸ケーブル伝送用車載ギガビットイーサネットチップ適応のためのインピーダンス変換装置 図2
  • 特許-同軸ケーブル伝送用車載ギガビットイーサネットチップ適応のためのインピーダンス変換装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】同軸ケーブル伝送用車載ギガビットイーサネットチップ適応のためのインピーダンス変換装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/02 20060101AFI20250106BHJP
【FI】
H04B3/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023222080
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202310926177.3
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523479363
【氏名又は名称】裕太微(上海)電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】MOTORCOMM (SHANGHAI) ELECTRONIC TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、メン
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-517962(JP,A)
【文献】特開2018-19242(JP,A)
【文献】国際公開第2020/158723(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0254931(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0308683(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル端子が同軸ケーブルに接続され、チップ端子が車載イーサネットチップの第1の信号出力端に接続される第1のインピーダンスループと、
前記車載イーサネットチップの第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に第1のチップ抵抗器が接続され、前記第1のインピーダンスループのインピーダンス値と前記第1のチップ抵抗器の抵抗値との和が、前記同軸ケーブルの等価抵抗値に等しい、
ケーブル端子が接地され、チップ端子が前記車載イーサネットチップの第2の信号出力端に接続される第2のインピーダンスループと、を含む
ことを特徴とする、同軸ケーブル伝送に適合した車載ギガビットイーサネットチップ用のインピーダンス変換装置。
【請求項2】
前記第1のインピーダンスループは、
一端が第1の絶縁コンデンサの一端に接続され、
他端が前記第1のインピーダンスループのチップ端子として機能する第1の抵抗器を含み、
前記第1の絶縁コンデンサの他端が前記第1のインピーダンスループのケーブル端子として機能する
ことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項3】
前記第2のインピーダンスループは、
一端が第2の絶縁コンデンサの一端に接続され、
他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する第2の抵抗器を含み、
前記第2の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのケーブル端子として機能する
ことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項4】
前記第2のインピーダンスループは、
一端が前記の第2のインピーダンスループのケーブル端子として第3の抵抗器に接続される第3の絶縁コンデンサを含み、前記第3の抵抗器の他端が接地され、
前記第3の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する
ことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項5】
前記車載イーサネットチップは、
第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に接続される第1のチップ抵抗器と、
第2の信号入力端と第2の信号出力端との間に接続される第2のチップ抵抗器と、
第1の信号入力端と第2の信号出力端の間に接続され、前記第1の信号入力端と前記第2の信号出力端の間でエコーキャンセルを行う第1のハイブリッド回路と、
第2の信号入力端と第1の信号出力端の間に接続され、前記第2の信号入力端と前記第1の信号出力端の間のエコーキャンセルを行う第2のハイブリッド回路と、
を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項6】
前記第1のハイブリッド回路は、
一端が第2の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第1の無響抵抗器を含み、
前記第2の無響抵抗器の他端が前記第2の信号出力端に接続される
ことを特徴とする、請求項5に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項7】
前記第2のハイブリッド回路は、
一端が第4の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第3の無響抵抗器を含み、
前記第4の無響抵抗器の他端が前記第1の信号出力端に接続される
ことを特徴とする、請求項5に記載のインピーダンス変換装置。
【請求項8】
前記車載イーサネットチップ、前記第1のインピーダンスループ及び前記第2のインピーダンスループは、同一の回路基板上に集積される
ことを特徴とする、請求項5に記載のインピーダンス変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット通信の技術分野に関し、特に、同軸ケーブル伝送に適合した車載ギガビットイーサネットチップ用のインピーダンス変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは主に映像信号の伝送とデータ信号の伝送に使用される。75Ω同軸ケーブルによるテレビ信号の伝送が代表的な用途だが、インフラが追いつかないため、中国の多くの地域ではテレビ信号の伝送に同軸ケーブルが使用されており、ギガビット光ファイバーは使用されていない。
【0003】
現在のギガビットイーサネットチップは同軸ケーブルに適応できないため、ギガビットイーサネット信号を同軸ケーブルで伝送できるように、同軸ケーブルを接続するためのインピーダンスコンバーターが必要となる。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の問題点に鑑みて、本発明は、同軸ケーブル伝送に適合した車載ギガビットイーサネットチップ用のインピーダンス変換装置を提供し、
ケーブル端子が前記同軸ケーブルに接続され、チップ端子が前記車載イーサネットチップの第1の信号出力端に接続される第1のインピーダンスループと、
前記車載イーサネットチップの第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に第1のチップ抵抗器が接続され、前記第1のインピーダンスループのインピーダンス値と前記第1のチップ抵抗器の抵抗値との和が、前記同軸ケーブルの等価抵抗値に等しい、
ケーブル端子が接地され、チップ端子が前記の車載イーサネットチップの第2の信号出力端に接続される第2のインピーダンスループと、を含む。
【0005】
好ましくは、前記第1のインピーダンスループは、
一端が第1の絶縁コンデンサの一端に接続され、他端が前記第1のインピーダンスループのチップ端子として機能する第1の抵抗器を含み、
前記第1の絶縁コンデンサの他端が前記第1のインピーダンスループのケーブル端子として機能する。
【0006】
好ましくは、前記第2のインピーダンスループは、
一端が第2の絶縁コンデンサの一端に接続され、他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する第2の抵抗器を含み、
前記第2の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのケーブル端子として機能する。
【0007】
好ましくは、前記第2のインピーダンスループは、
一端が前記第2のインピーダンスループのケーブル端子として第3の抵抗器に接続される第3の絶縁コンデンサを含み、前記第3の抵抗器の他端が接地され、
前記第3の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する。
【0008】
好ましくは、前記車載イーサネットチップは、
第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に接続される第1のチップ抵抗器と、
第2の信号入力端と第2の信号出力端との間に接続される第2のチップ抵抗器と、
第1の信号入力端と第2の信号出力端の間に接続され、前記第1の信号入力端と前記第2の信号出力端の間でエコーキャンセルを行う第1のハイブリッド回路と、
第2の信号入力端と第1の信号出力端の間に接続され、前記第2の信号入力端と前記第1の信号出力端の間のエコーキャンセルを行う第2のハイブリッド回路と、
を含む。
【0009】
好ましくは、前記第1のハイブリッド回路は、
一端が第2の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第1の無響抵抗器を含み、
前記第2の無響抵抗器の他端が前記第2の信号出力端に接続される。
【0010】
好ましくは、前記第2のハイブリッド回路は、
一端が第4の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第3の無響抵抗器を含み、
前記第4の無響抵抗器の他端が前記第1の信号出力端に接続される。
【0011】
好ましくは、前記車載イーサネットチップ、前記第1のインピーダンス回路及び前記第2のインピーダンス回路は、同一の回路基板上に集積される。
【0012】
上記の技術的解決策には、次のような利点や有益な効果がある。
【0013】
車載イーサネットチップと同軸ケーブルの間にインピーダンス変換装置を設けることで、同軸ケーブルもギガビットイーサネット信号伝送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、従来技術におけるツイストペアケーブルに接続された車載イーサネットチップの構造を示す図である。
【0015】
図2図2は、本発明の好ましい実施形態における同軸ケーブル伝送に適合された車載ギガビットイーサネットチップのインピーダンス変換装置の構造を示す図である。
【0016】
図3図3は、本発明の好ましい実施形態における同軸ケーブル伝送に適合された車載ギガビットイーサネットチップの別のインピーダンス変換装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面及び具体的な実施例を結合して本発明を詳細に説明する。なお、本発明は提供された実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に適合する限り、他の実施例も本発明の範囲に含まれ得る。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、従来技術に存在する上記の問題点に基づき、同軸ケーブル伝送に適応した車載ギガビットイーサネットチップ用インピーダンス変換装置を提供し、
ケーブル端子が前記同軸ケーブル4に接続され、チップ端子が前記車載イーサネットチップ3の第1の信号出力端に接続される第1のインピーダンスループ1と、
車載イーサネットチップ3の第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に第1のチップ抵抗器R11が接続され、第1のインピーダンスループ1のインピーダンス値と第1のチップ抵抗器R11の抵抗値との和が、同軸ケーブル4の等価抵抗値に等しい、
ケーブル端子が接地され、チップ端子が前記車載イーサネットチップ3の第2の信号出力端に接続される第2のインピーダンスループ2と、を含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、第1のインピーダンスループ1は、
一端が第1の絶縁コンデンサC1の一端に接続され、他端が第1のインピーダンスループ1のチップ端子として機能する第1の抵抗器R1を含み、
第1の絶縁コンデンサC1の他端が第1のインピーダンスループ1のケーブル端子として機能する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、第2のインピーダンスループ2は、
一端が第2の絶縁コンデンサC2の一端に接続され、他端が第2のインピーダンスループ2のチップ端子として機能する第2の抵抗器R2を含み、
第2の絶縁コンデンサC2の他端が第2のインピーダンスループ2のケーブル端子として機能する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、同軸ケーブル4は75Ωの抵抗値を有し、第1の抵抗器R1は25Ωの抵抗値を有し、第1の絶縁コンデンサC1は100nfであり、第2の抵抗器R2は30Ωの抵抗値を有し、第2の絶縁コンデンサC2は100nfである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、車載イーサネットチップ3は、
第1の信号入力端drvpと第1の信号出力端outpとの間に接続された第1のチップ抵抗値R11と、
第2の信号入力端drvnと第2の信号出力端outnとの間に接続された第2のチップ抵抗値R12と、
第1の信号入力端drvpと第2の信号出力端outnとの間に接続され、第1の信号入力端drvpと第2の信号出力端outnとの間でエコーキャンセルを行う第1のハイブリッド回路hybpと、
第2の信号入力端drvnと第1の信号出力端outpとの間に接続され、第2の信号入力端drvnと第1の信号出力端outpとの間のエコーキャンセルを行う第2のハイブリッド回路hybnとを含む。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、第1のハイブリッド回路hybpは、
一端が第2の無響抵抗器R22の一端に接続され、他端が第1の信号入力端drvpに接続されている第1の無響抵抗器R21を備え、
第2の無響抵抗器R22の他端は第2の信号出力端outnに接続される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、第2のハイブリッド回路hybpは、
一端が第4の無響抵抗器R24の一端に接続され、他端が第1の信号入力端drvnに接続されている第3の無響抵抗器R23を備え、
第4の無響抵抗器R24の他端は第1の信号出力端outpに接続される。
【0025】
具体的には、本実施例において、図1に示すように、従来技術におけるツイストペアケーブルに接続する車載イーサネットチップの信号伝送を行う構造を模式的に示したものである。図には3つの部分があり、左側に車載イーサネットチップ、右端にツイストペアケーブル、その間に2つの絶縁コンデンサがある。この車載イーサネットチップは、エコーキャンセル用のハイブリッド回路(混合回路)を搭載しており、全二重のギガビットイーサネット通信とツイストペアケーブルによる信号の同時送受信を可能にしている。
【0026】
図1において、ツイストペアの各信号線は50Ωであり、車載イーサネットチップの信号出力端と信号入力端の間には50Ωの抵抗が接続されており(p端とn端を含み、第1の信号出力端と第2の信号出力端をそれぞれoutpとoutnで示し、第1の信号入力端と第2の信号入力端をそれぞれdrvpとdrvnで示す)、この場合、車載イーサネットチップと相手側のインピーダンスを整合し、車載イーサネットチップ内にエコーキャンセルを目的としたハイブリッド回路(n端の第1のハイブリッド回路とp端の第2のハイブリッド回路をそれぞれhybpとhybnで示す)を設け、車載イーサネットチップが同一のツイストペアケーブル上で同時に信号の送受信を行い、ギガビットイーサネットの全二重通信を実現できるようにしたものである。
【0027】
本明細書におけるハイブリッド回路は、イーサネット通信分野における従来技術手段であり、具体的な実装原理については本明細書では繰り返さない。
【0028】
本発明が提供するインピーダンス変換装置は、同軸ケーブル4と車載イーサネットチップとの間に接続され、同軸ケーブル4もギガビットイーサネット信号伝送を実現できるようにしている。図2に示すように、インピーダンス変換装置は、チップのoutpとoutnの後に接続され、第1のインピーダンスループ1(第1の抵抗器R1と第1の絶縁コンデンサC1)と、第2のインピーダンスループ2(第2の抵抗器R2と第2の絶縁コンデンサC2)とを含み、2つのインピーダンス回路がそれぞれoutpとoutnに接続され、第1のインピーダンス回路1は同軸ケーブル4に接続され、第2のインピーダンス回路2は仮想グランドに接続され、本実施例における同軸ケーブルは75Ω同軸ケーブル4(従来の家庭用テレビによる信号伝送に使用されていた閉回路)である。
【0029】
具体的には、第1の抵抗器R1を25Ωとし、drvp-outp間に50Ωの第1のチップ抵抗器R11を接続する。このとき、第1のインピーダンスループ1では、第1のチップ抵抗器R11の抵抗値(50Ω)+第1の抵抗器R1の抵抗値(25Ω)=同軸ケーブル4の抵抗値(75Ω)となり、このとき、車載イーサネットチップと相手側(ここでは75Ωの同軸ケーブル)のインピーダンス整合を実現するが、第1のインピーダンスループ1に対応するhybp回路のエコーキャンセル効果を破壊した。
【0030】
このため、本実施例において、第2の抵抗器R2の抵抗値を30Ωと設定し、チップ内はdrvpとdrvnはそれぞれオペアンプに接続され、信号は、オペアンプからdrvpとdrvnを介して外部に送信される。オペアンプが発する信号の振幅を1と設定すると、このときdrvpの振幅は1になり、ここでoutpでの振幅は、第1の抵抗器R1と、第1のチップ抵抗器R11と同軸ケーブル4との減圧により、2/3(すなわち、100/(50+75+25))となり、dvrnとdrvpは逆数なので、振幅は-1であり、outnの振幅も同様に-3/8(すなわち、-30/(50+30))と算出でき、hybp回路は、drvpとoutnの間に接続された第1の無響抵抗器R21と第2の無響抵抗器R22を持ち、2つの無響抵抗器の抵抗比はR21=2*R22(かつ50Ωよりはるかに大きい)であり、分圧比は2:1である。本実施例における第1の無響抵抗器R21と第2の無響抵抗器R22の抵抗値は、例えば4KΩ及び2KΩを設定すると、hybpにおける信号の振幅が1*1/2+-3/8=1/8となり、hybn回路においてもdrvnとoutpの間に第3の無響抵抗器R23と第4の無響抵抗器R24が接続されており、2つの無響抵抗器の抵抗比はR23=2*R24(かつ50Ωよりはるかに大きい)であり、分圧比は2:1である。本実施例における第3の無響抵抗器R23と第4の無響抵抗器R24の抵抗値は、例えば4KΩ及び2KΩを採用して例をすると、hybp回路における信号の振幅が-1*1/2+2/3=1/6となり、このときhybnとhybpの間の信号振幅の差(すなわち、キャンセルされていない信号の振幅)はhybp-hubn=1/8-1/6=-1/48となる。-1/48とオペアンプが発する信号の振幅の1との間には、ほぼ無視できる50倍の差があることがわかるため、本発明が提供するインピーダンス変換装置を車載イーサネットチップと75Ωの同軸ケーブルの間に接続することにより、車載イーサネットチップも同軸ケーブル信号伝送に適応し、ツイストペアケーブルと同様のギガビットイーサネット信号伝送効果を実現し、よってギガビットイーサネット信号伝送技術がより多くのエリアをカバーすることを可能にする。
【0031】
異なる車載イーサネットチップや異なる同軸ケーブルの場合、最良のイーサネット通信効果を得るために、本実施例のインピーダンス変換装置における第1の抵抗器の第2の抵抗値は、hybpとhybnの信号振幅の差ができるだけ小さくなるように計算により調整する必要がある。
【0032】
具体的には、図3に示すように、第2のインピーダンスループ2内の抵抗器R2も、同軸ケーブル4に近い絶縁コンデンサC2側に接続されていてもよく、インピーダンス変換装置の内部または外部に設けられることが、本実施例において採用可能な態様である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、車載イーサネットチップ、第1のインピーダンス回路1および第2のインピーダンス回路2は、同一の回路基板上に集積されている。
【0034】
具体的には、車載イーサネットチップ、第1のインピーダンス回路1及び第2のインピーダンス回路2を同一の回路基板に集積し、イーサネット通信を実現する従来のツイストペアケーブルの回路基板に、本発明のインピーダンス変換装置を追加することにより、車載イーサネットチップの2つの信号出力端と同軸ケーブルを接続することができ、ユーザーのニーズに応じてツイストペア通信と同軸ケーブル通信を選択することができる。
【0035】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施形態および保護範囲を限定することを意図するものではなく、当業者であれば、本明細書および図面の内容を適用することによって得られるすべての等価な置き換えおよび明らかな変形が、本発明の保護範囲に含まれるべきであることを認識できるはずである。
以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ケーブル端子が同軸ケーブルに接続され、チップ端子が車載イーサネットチップの第1の信号出力端に接続される第1のインピーダンスループと、
前記車載イーサネットチップの第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に第1のチップ抵抗器が接続され、前記第1のインピーダンスループのインピーダンス値と前記第1のチップ抵抗器の抵抗値との和が、前記同軸ケーブルの等価抵抗値に等しい、
ケーブル端子が接地され、チップ端子が前記車載イーサネットチップの第2の信号出力端に接続される第2のインピーダンスループと、を含む
ことを特徴とする、同軸ケーブル伝送に適合した車載ギガビットイーサネットチップ用のインピーダンス変換装置。
[2]
前記第1のインピーダンスループは、
一端が第1の絶縁コンデンサの一端に接続され、
他端が前記第1のインピーダンスループのチップ端子として機能する第1の抵抗器を含み、
前記第1の絶縁コンデンサの他端が前記第1のインピーダンスループのケーブル端子として機能する
ことを特徴とする、[1]に記載のインピーダンス変換装置。
[3]
前記第2のインピーダンスループは、
一端が第2の絶縁コンデンサの一端に接続され、
他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する第2の抵抗器を含み、
前記第2の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのケーブル端子として機能する
ことを特徴とする、[1]に記載のインピーダンス変換装置。
[4]
前記第2のインピーダンスループは、
一端が前記の第2のインピーダンスループのケーブル端子として第3の抵抗器に接続される第3の絶縁コンデンサを含み、前記第3の抵抗器の他端が接地され、
前記第3の絶縁コンデンサの他端が前記第2のインピーダンスループのチップ端子として機能する
ことを特徴とする、[1]に記載のインピーダンス変換装置。
[5]
前記車載イーサネットチップは、
第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に接続される第1のチップ抵抗器と、
第2の信号入力端と第2の信号出力端との間に接続される第2のチップ抵抗器と、
第1の信号入力端と第2の信号出力端の間に接続され、前記第1の信号入力端と前記第2の信号出力端の間でエコーキャンセルを行う第1のハイブリッド回路と、
第2の信号入力端と第1の信号出力端の間に接続され、前記第2の信号入力端と前記第1の信号出力端の間のエコーキャンセルを行う第2のハイブリッド回路と、
を含む
ことを特徴とする、[1]に記載のインピーダンス変換装置。
[6]
前記第1のハイブリッド回路は、
一端が第2の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第1の無響抵抗器を含み、
前記第2の無響抵抗器の他端が前記第2の信号出力端に接続される
ことを特徴とする、[5]に記載のインピーダンス変換装置。
[7]
前記第2のハイブリッド回路は、
一端が第4の無響抵抗器の一端に接続され、他端が前記第1の信号入力端に接続される第3の無響抵抗器を含み、
前記第4の無響抵抗器の他端が前記第1の信号出力端に接続される
ことを特徴とする、[5]に記載のインピーダンス変換装置。
[8]
前記車載イーサネットチップ、前記第1のインピーダンス回路及び前記第2のインピーダンス回路は、同一の回路基板上に集積される
ことを特徴とする、[5]に記載のインピーダンス変換装置。
【要約】      (修正有)
【課題】同軸ケーブル伝送に適応した車載用ギガビットイーサネットチップのインピーダンス変換装置を提供する。
【解決手段】ケーブル端子が同軸ケーブルに接続され、チップ端子として機能する第1の抵抗器R1が車載用イーサネットチップ3の第1の信号出力端に接続される第1のインピーダンスループ1と、車載イーサネットチップの第1の信号入力端と第1の信号出力端との間に第1のチップ抵抗器R11が接続され、第1のインピーダンスループのインピーダンス値と第1のチップ抵抗器の抵抗値との和が、同軸ケーブル4の等価抵抗値に等しく、ケーブル端子が接地され、チップ端子として機能する第2の抵抗器R2が車載イーサネットチップの第2の信号出力端に接続される第2のインピーダンスループ2と、を含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3