(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】電池パック及びそれを有する車両
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20250106BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20250106BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20250106BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20250106BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20250106BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20250106BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20250106BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20250106BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20250106BHJP
H01M 50/242 20210101ALN20250106BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/204 101
H01M50/204 401H
H01M50/244 A
H01M50/249
H01M50/291
B60K1/04 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M50/242
(21)【出願番号】P 2023526522
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021105761
(87)【国際公開番号】W WO2022088753
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202011194507.7
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼亮▲穏▼
(72)【発明者】
【氏名】宋娜
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼晶
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼文会
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209544452(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102015204841(DE,A1)
【文献】中国実用新案第208393092(CN,U)
【文献】特開2017-196958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B60K 1/04
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/6556
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック(100)であって、
セル(2)と、
前記セル(2)を支持するように前記セル(2)の下方に設けられた底板(1)と、
前記セル(2)の上方に設けられた頂板(3)と、
前記底板(1)と前記頂板(3)との間に位置する梁本体部(41)と、及び前記梁本体部(41)の下端に接続されるとともに前記底板(1)の下方に配置された梁底部(42)を含む取付梁(4)と、
前記電池パック(100)を
取付対象における取付点に取り付けるための接続アセンブリ(5)であって、前記電池パック(100)を
取付対象における取付点に取り付ける場合に、前記接続アセンブリ(5)を前記取付梁(4)と結合させることにより、前記取付梁(4)に上向きの作用力を提供する、接続アセンブリ(5)と、を含
み、
前記接続アセンブリ(5)は、スリーブ(51)を含み、前記スリーブ(51)は、スリーブ部(511)と底縁部(512)を含み、
前記スリーブ部(511)は、上下方向に沿って前記取付梁(4)を貫通し、前記底縁部(512)は、前記スリーブ部(511)の下端に接続され、前記梁底部(42)の下方に配置されている、ことを特徴とする電池パック(100)。
【請求項2】
前記接続アセンブリ(5)は、複数であり、前記取付梁(4)の長さ方向に沿って間隔をおいて設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック(100)。
【請求項3】
前記スリーブ(51)は、ボス(513)を有し、
前記接続アセンブリ(5)は、
ヘッド部(521)及びロッド部(522)を含む接続部材(52)をさらに含み、前記ヘッド部(521)は、前記ロッド部(522)の下端に接続され、前記ボス(513)の下方に配置され、前記ロッド部(522)は、前記スリーブ(51)と前記頂板(3)を貫通し、前記ロッド部(522)の上端が前記頂板(3)の上方まで延びている、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック(100)。
【請求項4】
前記接続アセンブリ(5)は、第1封止部材(54)をさらに含み、前記スリーブ(51)は、接続部(514)を含み、前記接続部(514)は、前記スリーブ部(511)の上端に接続され、前記接続部(514)は、前記頂板(3)を貫通し、前記スリーブ部(511)の外径は、前記接続部(514)の外径より大きく、前記第1封止部材(54)は、前記接続部(514)の外部に嵌設されるとともに前記スリーブ部(511)と前記頂板(3)との間に介設される、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック(100)。
【請求項5】
前記接続アセンブリ(5)は、ナット(53)をさらに含み、前記頂板(3)の上方に位置する前記接続部(514)の少なくとも一部の外周面に雄ねじを有し、前記ナット(53)は、前記接続部(514)の外部に螺合される、ことを特徴とする請求項
4に記載の電池パック(100)。
【請求項6】
前記接続アセンブリ(5)は、第2封止部材(55)をさらに含み、前記第2封止部材(55)は、前記ナット(53)の頂部に位置し、前記ナット(53)の内孔を取り囲む、ことを特徴とする請求項
5に記載の電池パック(100)。
【請求項7】
前記ナット(53)の頂部に遮蔽部(531)が配置され、前記遮蔽部(531)は、環状であり、前記接続部(514)の上方に位置して、前記接続部(514)と前記ナット(53)との螺合箇所を遮蔽する、ことを特徴とする請求項
5に記載の電池パック(100)。
【請求項8】
前記接続アセンブリ(5)は、第3封止部材(56)をさらに含み、前記第3封止部材(56)は、前記ロッド部(522)の外部に嵌設され、前記ヘッド部(521)と前記ボス(513)との間に介設される、ことを特徴とする請求項
3に記載の電池パック(100)。
【請求項9】
前記梁底部(42)は、中心部(421)及び外周部(422)を含み、前記外周部(422)は、前記中心部(421)を取り囲んで設けられ、前記中心部(421)の厚さは、前記外周部(422)の厚さより大きく、前記底縁部(512)は、前記中心部(421)の下方に支持される、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック(100)。
【請求項10】
前記梁底部(42)は、遷移部(423)をさらに含み、前記遷移部(423)は、前記中心部(421)と前記外周部(422)との間に接続され、厚さが前記中心部(421)から前記外周部(422)への方向に徐々に減少し、前記中心部(421)の頂面は、前記外周部(422)の頂面と面一であり、前記中心部(421)の底面は、前記遷移部(423)の底面を介して滑らかに遷移して前記外周部(422)の底面に接続される、ことを特徴とする請求項
9に記載の電池パック(100)。
【請求項11】
前記取付梁(4)の幅方向の両側にそれぞれ前記セル(2)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~
10のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項12】
前記底板(1)を取り囲んで設けられた複数の側部梁(6)を含み、前記複数の側部梁(6)と前記底板(1)は、接続されてトレイ(101)を形成し、前記複数の側部梁(6)によってフレームが囲まれ、前記セル(2)及び前記取付梁(4)はいずれも、前記フレーム内に配置される、ことを特徴とする請求項11に記載の電池パック(100)。
【請求項13】
電池パック(100)であって、
セル(2)と、
前記セル(2)を支持するように前記セル(2)の下方に設けられた底板(1)と、
前記セル(2)の上方に設けられた頂板(3)と、
前記底板(1)と前記頂板(3)との間に位置する梁本体部(41)と、及び前記梁本体部(41)の下端に接続されるとともに前記底板(1)の下方に配置された梁底部(42)を含む取付梁(4)と、
前記電池パック(100)を取付対象における取付点に取り付けるための接続アセンブリ(5)であって、前記電池パック(100)を取付対象における取付点に取り付ける場合に、前記接続アセンブリ(5)を前記取付梁(4)と結合させることにより、前記取付梁(4)に上向きの作用力を提供する、接続アセンブリ(5)と、を含み、
前記セル(2)は、前記底板(1)に接着される、ことを特徴とす
る電池パック(100)。
【請求項14】
前記頂板(3)は、冷却板であり、前記セル(2)に接着される、ことを特徴とする請求項1~
13のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項15】
前記取付梁(4)は、内部に補強リブ(44)が設けられた中空梁であり、前記補強リブ(44)は、前記取付梁(4)の長さ方向に沿って延伸し、複数本であり、上下方向に沿って前記梁本体部(41)内に間隔をおいて配置される、ことを特徴とする請求項1~
14のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項16】
電池パック(100)であって、
セル(2)と、
前記セル(2)を支持するように前記セル(2)の下方に設けられた底板(1)と、
前記セル(2)の上方に設けられた頂板(3)と、
前記底板(1)と前記頂板(3)との間に位置する梁本体部(41)と、及び前記梁本体部(41)の下端に接続されるとともに前記底板(1)の下方に配置された梁底部(42)を含む取付梁(4)と、
前記電池パック(100)を取付対象における取付点に取り付けるための接続アセンブリ(5)であって、前記電池パック(100)を取付対象における取付点に取り付ける場合に、前記接続アセンブリ(5)を前記取付梁(4)と結合させることにより、前記取付梁(4)に上向きの作用力を提供する、接続アセンブリ(5)と、を含み、
前記梁底部(42)の外縁の頂壁にザグリ溝(424)を有し、前記ザグリ溝(424)の外側面が開口し、前記底板(1)は、前記ザグリ溝(424)の内壁に当接して固定される、ことを特徴とす
る電池パック(100)。
【請求項17】
前記取付梁(4)は、梁頂部(43)をさらに含み、前記梁頂部(43)は、前記梁本体部(41)の上端に接続され、前記頂板(3)の下方に配置され、前記スリーブ部(511)は、上下方向に沿って延伸し、前記取付梁(4)を貫通し、前記スリーブ部(511)の上端は、前記梁頂部(43)の下方に支配置される、ことを特徴とする請求項
1~10のいずれか一項に記載の電池パック(100)。
【請求項18】
車体(200)と、請求項1~
17のいずれか一項に記載の電池パック(100)とを含み、前記接続アセンブリ(5)は、前記車体(200)に接続される、ことを特徴とする車両(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、「ビーワイディーカンパニーリミテッド」が2020年10月30日に提出した、名称が「電池パック及びそれを有する車両」の中国特許出願第「202011194507.7」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池パックの技術分野に関し、特に電池パック及びそれを有する車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における電池パックは、接続装置により車体に固定され、取付梁及び底板を含み、取付梁は、底板の上方に接続されるとともに接続装置に接続され、セルは、底板に支持され、この場合、セルは、底板に下向きの作用力を印加するが、底板の上方に位置する取付梁が接続装置からの上向きの作用力を受け、底板がセルからの下向きの作用力を受けるため、取付梁と底板との接続不具合という問題が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決しようとする。このため、本願は、取付梁と底板とが分離するという問題を解決することができる電池パックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、上記電池パックを有する車両をさらに提供する。
【0006】
本願の第1態様の実施例に係る電池パックは、セルと、前記セルを支持するように前記セルの下方に設けられた底板と、前記セルの上方に設けられた頂板と、前記底板と前記頂板との間に位置する梁本体部、及び前記梁本体部の下端に接続されるとともに前記底板の下方に配置された梁底部を含む取付梁と、前記電池パックを適用シーンにおける取付点に取り付け、前記取付梁と嵌合されることにより、前記電池パックを適用シーンにおける取付点に取り付ける場合に前記取付梁に上向きの作用力を提供する接続アセンブリと、を含む。
【0007】
本願の実施例に係る電池パックにおいて、取付梁が底板の上方に完全に位置するものではなく、底板の下方に位置する梁底部を含むものであり、取付梁が底板に対して力を印加する作用点は、底板の上方に位置せず、底板の下方に位置するため、底板は、セルの重力作用で、取付梁と分離することなく、取付梁により緊密に接続され、さらに取付梁による底板の支持の信頼性及び有効性を向上させ、取付梁と底板との嵌合の堅牢性及び安定性を向上させる。
【0008】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、複数であり、前記取付梁の長さ方向に沿って間隔をおいて設けられる。
【0009】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、上下方向に沿って前記取付梁に挿設されたスリーブ部と、前記スリーブ部の下端に接続されるとともに前記梁底部の下方に支持された底縁部とを含むスリーブを含む。
【0010】
本願のいくつかの例では、前記スリーブ内にボスを有し、前記接続アセンブリは、ヘッド部及びロッド部を含む接続部材をさらに含み、前記ヘッド部は、前記ロッド部の下端に接続され、前記ボスの下方に支持され、前記ロッド部は、前記スリーブと前記頂板を貫通するとともに、上端が前記頂板の上方に位置する。
【0011】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、第1封止部材をさらに含み、前記スリーブは、前記スリーブ部の上端に接続されるとともに前記頂板を貫通する接続部を含み、前記スリーブ部の外径は、前記接続部の外径より大きく、前記第1封止部材は、前記接続部の外部に嵌設されるとともに前記スリーブ部と前記頂板との間に介設される。
【0012】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、ナットをさらに含み、前記頂板の上方に位置する前記接続部の少なくとも一部の外周面に雄ねじを有し、前記ナットは、前記頂板の上方に位置し、前記接続部の外部に螺合される。
【0013】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、前記ナットの頂部に位置するとともに前記ナットの内孔を取り囲む第2封止部材をさらに含む。
【0014】
本願のいくつかの例では、前記ナットの頂部に遮蔽部を有し、前記遮蔽部は、環状であり、前記接続部の上方に位置して、前記接続部と前記ナットとの螺合箇所を遮蔽する。
【0015】
本願のいくつかの例では、前記接続アセンブリは、前記ロッド部の外部に嵌設されるとともに前記ヘッド部と前記ボスとの間に介設される第3封止部材をさらに含む。
【0016】
本願のいくつかの例では、前記梁底部は、中心部及び外周部を含み、前記外周部は、前記中心部を取り囲んで設けられ、前記中心部の厚さは、前記外周部の厚さより大きく、前記底縁部は、前記中心部の下方に支持される。
【0017】
本願のいくつかの例では、前記梁底部は、遷移部をさらに含み、前記遷移部は、前記中心部と前記外周部との間に接続され、厚さが前記中心部から前記外周部への方向に徐々に減少し、前記中心部は、頂面が前記外周部の頂面と面一であり、底面が、前記遷移部の底面を介して滑らかに遷移して前記外周部の底面に接続される。
【0018】
本願のいくつかの例では、前記梁底部の外縁の頂壁にザグリ溝を有し、前記ザグリ溝の外側面が開口し、前記底板は、前記ザグリ溝の内壁に当接して固定される。
【0019】
本願のいくつかの例では、前記取付梁の幅方向の両側にそれぞれ前記セルが設けられる。
【0020】
本願のいくつかの例では、前記電池パックは、前記底板を取り囲んで設けられた複数の側部梁を含み、前記複数の側部梁と前記底板は、接続されてトレイを形成し、前記複数の側部梁によってフレームが囲まれ、前記セル及び前記取付梁はいずれも、前記フレーム内に設けられる。
【0021】
本願のいくつかの例では、前記セルは、前記底板に接着される。
【0022】
本願のいくつかの例では、前記頂板は、冷却板であり、前記セルに接着される。
【0023】
本願のいくつかの例では、前記取付梁は、内部に補強リブが設けられた中空梁であり、前記補強リブは、前記取付梁の長さ方向に沿って延伸し、複数本であり、上下方向に沿って前記梁本体部内に間隔をおいて配置される。
【0024】
本願のいくつかの例では、前記梁底部の外縁の頂壁にザグリ溝を有し、前記ザグリ溝の外側面が開口し、前記底板は、前記ザグリ溝の内壁に当接して固定される。
【0025】
本願のいくつかの例では、前記取付梁は、前記梁本体部の上端に接続されるとともに前記頂板の下方に支持された梁頂部をさらに含み、前記スリーブ部は、上下方向に沿って延伸し、前記取付梁に挿設され、上端が前記梁頂部の下方に支持される。
【0026】
本願の第2態様の実施例に係る車両は、車体と、本願の第1態様の実施例に係る電池パックとを含み、前記接続アセンブリは、前記車体に接続される。
【発明の効果】
【0027】
本願に係る車両は、上記第1態様の実施例の電池パックを設けることにより、車両の全体的な性能を向上させる。
【0028】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願の一実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図5】本願の別の実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図7】本願の別の実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図9】本願の別の実施例に係る電池パックの断面図である。
【
図12】本願の一実施例に係る電池パックの分解図である。
【
図14】本願の一実施例に係る車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0031】
以下の開示は、本願の異なる構造を実現するために、多くの異なる実施例又は例を提供する。本願の開示を簡略化するために、以下、特定の例の部材及び設置を説明する。当然のことながら、これらは、例示的なものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。また、本願は、異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを繰り返して用いることができる。このような繰り返しは、簡略化及び明確化を目的とし、その自体は検討された様々な実施例及び/又は設置の間の関係を示さない。また、本願は、様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用性及び/又は他の材料の使用を意識することができる。
【0032】
以下、図面を参照して、本願の第1態様の実施例に係る電池パック100を説明する。
【0033】
図1に示すように、電池パック100は、底板1、セル2及び頂板3を含み、
図2に示すように、セル2は、底板1の上方に設けられ、頂板3は、セル2の上方に設けられる。つまり、頂板3は、底板1の上方に位置し、セル2は、底板1の上方と頂板3の下方との間に位置する。底板1は、セル2を支持するようにセル2の下方に設けられる。なお、本明細書に記載の「上」、「下」方位名詞は、電池パック100が適用シーンに取り付けられた場合に基づくものであり、例えば、電池パック100が車両1000の車体200に取り付けられた場合、上下方向とは、車両1000の上下方向を指し、すなわち、車両1000の頂部は、「上」であり、車両1000の底部は、「下」である。
【0034】
図2及び
図3に示すように、電池パック100は、底板1と頂板3との間に位置する梁本体部41、及び梁本体部41の下端に接続されるとともに底板1の下方に支持された梁底部42を含む取付梁4をさらに含む。なお、梁底部42が底板1の下方に支持されることは、梁底部42が底板1の下方に位置して底板1を直接的又は間接的に支持することである。なお、本願の説明において、一方が他方を「支持する」場合、一方と他方とは、接触しても、接触しなくてもよく、また、一方と他方とは、固定接続関係を有してもよく、固定接続関係を有さなくてもよい。
【0035】
図1及び
図2に示すように、電池パック100は、電池パック100を適用シーンにおける取付点に取り付ける接続アセンブリ5をさらに含み、すなわち、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を適用シーンにおける取付位置に接続し、例えば、電池パック100が車両1000に適用される場合、接続アセンブリ5は、車両1000の車体200に接続されてもよく、この場合、取付点は、車体200に位置する。しかしながら、電池パック100の適用シーンは、車両1000に限定されず、例えば、ドローン、エネルギー蓄積機器などの適用シーンであってもよい。
【0036】
図1及び
図2に示すように、接続アセンブリ5は、取付梁4と嵌合されることにより、電池パック100を適用シーンにおける取付点に取り付ける場合に取付梁4に上向きの作用力を提供する。なお、接続アセンブリ5と取付梁4との具体的な嵌合方式は、限定されず、上述した「電池パック100を適用シーンにおける取付点に取り付ける場合に取付梁4に上向きの作用力を提供する」という機能を満たす方式であればよい。例えば、接続アセンブリ5は、取付梁4に係着され、挿着され、当接し、締まり嵌めされ、螺合され、溶接されるか、又は接続部材により固定接続されてもよく、ここでは、説明を省略する。また、接続アセンブリ5と取付梁4、底板1及び頂板3との相対位置が限定されず、例えば、接続アセンブリ5は、底板1と頂板3との間に位置してもよく、底板1を下向きに貫通してもよく、頂板3を上向きに貫通してもよく、ここでは、説明を省略する。
【0037】
具体的には、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を適用シーンに接続して、電池パック100の取付を実現するか、又は電池パック100の取付安定性を向上させることができ、例えば、本願のいくつかの実施例では、電池パック100が車両1000に取り付けられた場合、接続アセンブリ5は、車体200のシャーシに接続されてもよく、この場合、電池パック100も他の取付構造により車体200に接続されると、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100の取付安定性を向上させることができ、電池パック100は、他の取付構造により車体200に接続されないと、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を吊り下げて取り付けることを実現することができる。
【0038】
これにより、本願の実施例に係る電池パック100において、取付梁4は、底板1の下方に支持された梁底部42を含むため、底板1は、梁底部42の上方に位置し、このように、接続アセンブリ5が取付シーンにおける取付点(例えば、車体)に接続された場合、セル2及び電池パック100の他の部材の自体の重力などの作用で、接続アセンブリ5は、取付梁4に上向きの作用力を提供し、この場合、取付梁4は、梁底部42によりその上方に位置する底板1に支持力を提供することにより、取付梁4による底板1の支持の信頼性を向上させ、取付梁4と底板1との嵌合の堅牢性及び安定性を向上させ、取付梁4と底板1との分離を回避することができる。
【0039】
本願のいくつかの実施例では、セル2は、底板1に接着され、例えば、
図2に示す構造用接着剤7により接着される。これにより、セル2の重力などの下向きの作用で、セル2は、底板1に下向きの力を印加することにより、底板1と取付梁4とを圧着し、取付梁4と底板1との嵌合の信頼性を保証する。また、セル2と底板1との接着により、底板1は、セル2を確実に支持することができる。
【0040】
本願のいくつかの実施例では、頂板3は、冷却板であり、セル2に、例えば、
図2に示す熱伝導性接着剤8により接着される。これにより、頂板3によりセル2の温度を調整して、電池パック100の確実な動作を保証することができる。これにより、取付梁4により底板1に上向きの作用力を提供することにより、セル2が頂板3に対して下向きに離れ、接着不具合という問題の発生を効果的に回避することができる。
【0041】
発明者は、関連技術におけるいくつかの電池パックが取付梁を有さず、車体に接続された接続装置が頂板に直接的に固定され、セルの自重の作用で、セルは、該下向きの作用力を頂板に伝達し、この場合、接続装置は、頂板に上向きの作用力を提供するため、頂板とセルとの間の接着剤不具合を引き起こし、セルが頂板に対して脱落するという問題が発生することを発見した。該技術的課題を解決するために、関連技術における別のいくつかの電池パックには取付梁が設けられているが、取付梁は、全て底板の上方に位置し、かつ溶接又は接着の方式により、底板に固定接続され、この場合、セルは、底板に下向きの作用力を印加し、底板の上方に位置する取付梁が接続装置からの上向きの作用力を受け、底板がセルからの下向きの作用力を受けるため、取付梁と底板との接続不具合という問題が発生しやすい。
【0042】
本願の実施例に係る電池パック100において、取付梁4が底板1の上方に完全に位置するものではなく、底板1の下方に位置する梁底部42を含むものであり、取付梁4が底板1に対して力を印加する作用点は、底板1の上方に位置せず、底板1の下方に位置するため、底板1は、セル2の重力などの下向きの作用で、取付梁4と分離することなく、取付梁4により緊密に接続され、さらに取付梁4による底板1の支持の信頼性及び有効性を向上させ、取付梁4と底板1との嵌合の堅牢性及び安定性を向上させる。
【0043】
本願のいくつかの実施例では、
図2に示すように、接続アセンブリ5は、上下方向に沿って取付梁4に挿設されたスリーブ部511と、スリーブ部511の下端に接続されるとともに梁底部42の下方に支持された底縁部512とを含むスリーブ51を含む。なお、底縁部512が梁底部42の下方に支持されることは、底縁部512が梁底部42の下方に位置して取付梁4を直接的又は間接的に支持することである。
【0044】
これにより、接続アセンブリ5は、取付梁4との嵌合を容易かつ効果的に実現し、かつ取付梁4に上向きの作用力を提供することができる。また、スリーブ51は、取付梁4の下方に支持された底縁部512を含むため、接続アセンブリ5が取付梁4に上向きの作用力を提供する信頼性を向上させ、接続アセンブリ5が取付梁4に対して上向きに移動し、取付梁4から離れるという問題の発生を回避し、接続アセンブリ5の動作信頼性及び有効性を向上させることができる。
【0045】
なお、本実施例では、スリーブ51と頂板3との相対位置関係が限定されず、例えば、スリーブ51の上端は、頂板3の下方に位置してもよく、また例えば、スリーブ51の上端は、頂板3に挿設されて頂板3の上方に位置してもよい。また、本願のいくつかの実施例では、スリーブ51は、適用シーンにおける取付点に直接的に接続されて、電池パック100を適用シーンにおける取付点に取り付けることができ、例えば、スリーブ51は、締まり嵌め、螺合、溶接、又は接続部材による固定接続などの方式により適用シーンにおける取付点に接続されてもよく、この場合、以下に記載の接続部材52を省略してもよい。
【0046】
本願のいくつかの実施例では、
図2に示すように、スリーブ51内にボス513を有し、接続アセンブリ5は、ヘッド部521及びロッド部522を含む接続部材52をさらに含み、ヘッド部521は、ロッド部522の下端に接続され、ボス513の下方に支持され、ロッド部522は、スリーブ51と頂板3を貫通するとともに、上端が頂板3の上方に位置し、つまり、ロッド部522は、スリーブ51及び頂板3を上向きに貫通する。これにより、ロッド部522の上端は、車体などの取付点に接続されることにより、接続アセンブリ5と適用シーンにおける取付点との接続を容易かつ効果的に実現することができ、接続アセンブリ5は、取付梁4に上向きの作用力を提供する。
【0047】
なお、接続部材52は、具体的なタイプが限定されず、例えば、ボルト、リベット、ピンなどであってもよい。なお、ボス513の具体的な構造が限定されない。例えば、
図6に示す例では、スリーブ51内に2段階孔が形成されてもよく、2段階孔は、上部孔及び下部孔を含み、上部孔の直径は、下部孔の直径より小さく、上部孔の下端と下部孔の上端との間に形成された段差面がボス513の下面を構成する。また例えば、他の例(図面には該例が示されない)では、スリーブ51内に環状のボスが形成されてもよく、スリーブ51内に、環状のボスの上方に位置する上部孔、環状のボスの下方に位置する下部孔、及び環状のボスの内側リングで画定された環状孔が形成され、上部孔の孔径と下部孔の孔径は、いずれも環状孔の孔径より大きく、環状のボスの下端面は、ボス513の下面を構成する。
【0048】
例えば、
図2に示す例では、ロッド部522の上端が車体に接続された場合、電池パック100の自体の重力などの下向きの作用力で、ヘッド部521は、ボス513によりスリーブ51に対して上向きの作用力を提供し、スリーブ51は、底縁部512により該上向きの作用力を取付梁4の梁底部42に伝達して、取付梁4は、梁底部42により該上向きの作用力を底板1に伝達し、底板1がセル2を支持するため、セル2の重力及び取付梁4から底板1に対して提供される上向きの作用力により、底板1と取付梁4との接続箇所が圧着され、スリーブ51の電池パック100に対する作用力は、下から上へのものであり、該作用力は、電池パック100の上方から電池パック100に対して提供される上向きの持ち上げ力ではなく、電池パック100の底部から提供されるものであり、頂板3が上向きの持ち上げ力を受けないため、頂板3とセル2との間の接着剤の局所領域の応力が集中し、頂板3とセル2とが分離するという問題の発生を回避する。
【0049】
なお、接続部材52は、主に電池パック100を適用シーンにおける取付点に接続し、例えば、車体のシャーシに接続し、電池パック100と車両との接続固定を実現し、接続部材52は、スリーブ51に挿設される以外、電池パック100の他の構成部材と他の接続関係を有さなくてもよく、電池パック100は、単独出荷の場合に該接続部材52が搭載される必要がなくてもよく、接続部材52が存在するか否かは、電池パック100の封止に影響を与えないため、電池パック100の封止性と信頼性を向上させる。
【0050】
本願のいくつかの実施例では、
図1に示すように、接続アセンブリ5は、複数であり、取付梁4の長さ方向に沿って間隔をおいて設けられてもよい。これにより、応力を分散し、各接続部材5の受ける力を低減することにより、接続アセンブリ5の動作信頼性を向上させることができる。
【0051】
例えば、
図3に示す具体的な例では、取付梁4には、その長さ方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の取付孔40が設けられてもよく、各取付孔40はいずれも、上下方向に沿って取付梁4を貫通し、各取付孔40にそれぞれ1つの接続アセンブリ5が嵌合されることにより、複数の接続アセンブリ5が容易かつ効果的に組み立てられ、かつ各接続アセンブリ5の位置が確実で効果的であることを保証し、すなわち、取付孔40を利用する位置決め及び制限は、接続アセンブリ5の組み立て効率及び動作信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、本願のいくつかの実施例では、
図3及び
図4に示すように、重量の低減を実現するために、取付梁4を中空梁に設定することができ、かつ中空梁の内部に補強リブ44などを設けることができるため、重量の低減を実現することができるだけでなく、取付梁4の構造信頼性を保証することができる。例えば、
図3及び
図4に示す例では、補強リブ44は、取付梁4の長さ方向に沿って延伸し、複数本であり、上下方向に沿って梁本体部41内に間隔をおいて配置されてもよい。
【0053】
本願のいくつかの実施例では、
図2及び
図4に示すように、梁底部42は、中心部421及び外周部422を含み、外周部422は、中心部421を取り囲んで設けられ、中心部421の厚さは、外周部422の厚さより大きく、底縁部512は、中心部421の下方に支持される。これにより、取付梁4の重量低減の要件を満たすことができる一方で、取付梁4の主な力受け位置の構造強度及び剛性を向上させ、取付梁4が力を受けて変形するという問題の発生を回避することができる。
【0054】
本願のいくつかの実施例では、
図2及び
図4に示すように、梁底部42は、遷移部423をさらに含み、遷移部423は、中心部421と外周部422との間に接続され、厚さが中心部421から外周部422への方向に徐々に減少し、中心部421は、頂面が外周部422の頂面と面一であり、底面が、遷移部423の底面を介して滑らかに遷移して外周部422の底面に接続される。
【0055】
これにより、梁底部42の上面が実質的に平面であることを保証することにより、その上方にある複数のセル2は、並んで同一高さに設けられることを保証することができる一方で、梁底部42の断面が突然に変化し、突然変化箇所が応力集中により破断するなどの問題の発生を回避することにより、梁底部42の構造信頼性を保証することができる。
【0056】
本願のいくつかの実施例では、
図4に示すように、梁底部42の外縁の頂壁にザグリ溝424を有し、ザグリ溝424の外側面が開口し、すなわち、ザグリ溝424は、下向きに凹んで形成され、かつ梁底部42の中心から離れた側の表面が開口し、底板1は、ザグリ溝424の内壁に当接して固定される。なお、底板1がザグリ溝424の内壁に当接することは、底板1の局所がザグリ溝424の内壁に当接することを指す。底板1がザグリ溝424の内壁に固定されることは、底板1とザグリ溝424の内壁が溶接などの固定接続関係を有することを指す。
【0057】
これにより、梁底部42の外縁に、底板1に当接するザグリ溝424を設けることにより、底板1と梁底部42との溶接に役立ち、例えば、摩擦撹拌接合を用いてもよく、これにより、溶接効果が電池パック100に悪影響を与えず、例えば、梁底部42の外縁に露出した溶接シームなどが発生しないことを保証し、かつザグリ溝424を利用して組み立て及び位置決めの効果を達成することができ、すなわち、溶接の前に、ザグリ溝424を利用して梁底部42と底板1とを正確な位置に嵌合することを迅速に実現する。当然のことがなら、本願は、これに限定されず、本願の他の実施例では、梁底部42にザグリ溝424を設けなくてもよく、この場合、他の方式で底板1と梁底部42とを接続してもよく、ここでは、説明を省略する。
【0058】
本願のいくつかの実施例では、
図1及び
図3に示すように、取付梁4の幅方向の両側にそれぞれセル2が設けられ(
図1に示すF2方向は、取付梁4の幅方向である)、つまり、取付梁4の幅方向の一側に少なくとも1つのセル2が設けられ、取付梁4の幅方向の他側にも少なくとも1つのセル2が設けられる。これから分かるように、取付梁4は、電池パック100の側縁位置にあるものではないため、電池パック100の非側縁位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を保証し、電池パック100の非側縁位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができる。
【0059】
なお、取付梁4の数が限定されず、1つ又は複数であってもよく、取付梁4が1つである場合、取付梁4の幅方向の両側のセル2の数は、等しくてもよく、等しくなくてもよく、取付梁4が複数である場合、各取付梁4の横方向の両側にそれぞれセル2が設けられることにより、隣接する2つの取付梁4の間にもセル2を有する。
【0060】
本願のいくつかの実施例では、
図1及び
図3に示すように、電池パック100は、底板1を取り囲んで設けられた複数の側部梁6を含み、複数の側部梁6と底板1は、接続されてトレイ101を形成し、複数の側部梁6によってフレームが囲まれ、つまり、電池パック100は、トレイ101を含み、トレイ101は、底板1と、底板1の周縁に位置する複数の側部梁6とを含み、複数の側部梁6によってフレームが囲まれ、フレームは、底板1を取り囲んで設けられ、セル2及び取付梁4はいずれも、フレーム内に設けられる。これから分かるように、取付梁4は、電池パック100の側縁位置にあるものではないため、電池パック100の非側縁位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を保証し、電池パック100の非側縁位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができる。
【0061】
例えば、1つの具体的な例では、側部梁6は、4つであり、4つの側部梁6によって方形フレームが囲まれてもよく、底板1は、方形フレームの底部に位置し、取付梁4は、少なくとも1つであり、かつ周囲の側部梁6で画定された方形フレーム内に位置する。これから分かるように、取付梁4は、電池パック100の側縁位置にあるものではないため、電池パック100の非側縁位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を保証し、電池パック100の非側縁位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができる。当然のことながら、本願は、これに限定されず、側部梁6は、4つに限定されず、例えば、4つより多くてもよく、4つより少なくてもよく、また、側部梁6によって囲まれたフレームは、方形フレームに限定されず、例えば、他の多角形フレームであってもよい。
【0062】
いくつかの具体的な例では、取付梁4が1つである場合、底板1は、2つのサブプレートを含んでもよく、2つのサブプレートはそれぞれ、取付梁4の幅方向の両側に位置することにより、組み立てやすく、取付梁4が複数であり、かつ複数の取付梁4が第1方向に沿って間隔をおいて配列される場合、底板1は、第1方向に沿って間隔をおいて配列される複数のサブプレートを含んでもよく、かつサブプレートの数を取付梁4の数より1つ多くすることにより、各取付梁4の幅方向の両側にそれぞれ1つのサブプレートが設けられ、かつ隣接する2つの取付梁4の間に1つのサブプレートが配置されることを保証することができる。第1方向は、電池パック100の長さ方向であってもよく、電池パック100の幅方向であってもよい。
【0063】
本願のいくつかの実施例では、
図1及び
図3に示すように、取付梁4の長さ方向は、電池パック100の長さ方向であり(
図1に示すF1方向は、電池パック100の長さ方向である)、取付梁4の幅方向は、電池パック100の幅方向であり(
図1に示すF2方向は、電池パック100の幅方向である)、取付梁4は、電池パック100の幅方向の中央位置にある。なお、取付梁4の厚さ方向と電池パック100の厚さ方向はいずれも、上下方向(
図1に示すF3方向)である。これにより、取付梁4は、電池パック100の中央縦梁であるため、電池パック100の中央位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を向上させ、電池パック100の中央位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができ、また、取付梁4を中央縦梁に設定することにより、さらに電池パック100の耐振動効果及び全体の構造信頼性を向上させることができる。
【0064】
当然のことながら、本願は、これに限定されず、本願の他の実施例では、取付梁4の長さ方向は、電池パック100の幅方向であり、取付梁4の幅方向は、電池パック100の長さ方向であり、取付梁4は、電池パック100の長さ方向の中央位置にある。これにより、取付梁4は、電池パック100の中央横梁であるため、電池パック100の中央位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を向上させ、電池パック100の中央位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができ、また、取付梁4を中央横梁に設定することにより、さらに電池パック100の耐振動効果及び全体の構造信頼性を向上させることができる。
【0065】
関連技術における電池パックは、一般に電池パックの長さ方向又は幅方向の両側の側部梁上のラグにより、車両のシャーシに固定されるが、両側の固定点間の距離が遠く、電池パックが重く、走行状態で電池パックは、中間部が上下に振動しやすく、すなわち、固定点から離れるほど、振動振幅が大きくなり、振動により構造が損傷しやすく、或いは、騒音が発生しやすい。本願の実施例に係る電池パック100は、取付梁4を、電池パック100の長さ方向に沿って延伸するように電池パック100の幅方向の中央位置に設け、かつ取付梁4に取付梁4の長さ方向に沿って間隔をおいて分布した複数の接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100の中心部位が車体のシャーシに接続されて、電池パック100及び車両の強度を効果的に向上させることができ、車両が電池パック100を利用してシャーシの耐圧壊強度を向上させ、電池パック100がシャーシを利用してパック本体の振動モードを改善し、電池パック100の中間部の振動振幅が大きいという欠陥を解消する。
【0066】
なお、本願の第1態様の実施例に係る電池パック100の他の構成は、いずれも以下に記載の第2態様の実施例に係る電池パック100を参照して設けられることにより、本願の第1態様の実施例の電池パック100の性能がより優れている。例えば、本願の第1態様の実施例のいくつかの電池パック100において、接続アセンブリ5は、ナット53、第1封止部材54、第2封止部材55及び第3封止部材56などをさらに含んでもよく、ここでは、説明を省略する。また、本願の第1態様の実施例に係る電池パック100の組み立てステップについて、以下に記載の第2態様の実施例の電池パック100の組み立てステップを参照することができ、ここでは、説明を省略する。
【0067】
以下、図面を参照して、本願の第2態様の実施例に係る電池パック100を説明する。
【0068】
図5及び
図6に示すように、電池パック100は、底板1、セル2及び頂板3を含み、セル2は、底板1の上方に設けられ、頂板3は、セル2の上方に設けられる。つまり、頂板3は、底板1の上方に位置し、セル2は、底板1の上方と頂板3の下方との間に位置する。底板1は、セル2を支持するようにセル2の下方に設けられる。なお、本明細書に記載の「上」、「下」方位名詞は、電池パック100が適用シーンに取り付けられた場合に基づくものであり、例えば、電池パック100が車両1000の車体200に取り付けられた場合、上下方向とは、車両1000の上下方向を指し、すなわち、車両1000の頂部は、「上」であり、車両1000の底部は、「下」である。
【0069】
本願のいくつかの実施例では、
図5及び
図6に示すように、電池パック100は、電池パック100を適用シーンにおける取付点に取り付ける接続アセンブリ5をさらに含んでもよく、すなわち、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を適用シーンにおける取付位置に接続し、例えば、電池パック100が車両1000に適用される場合、接続アセンブリ5は、車両1000の車体200に接続されてもよく、この場合、取付点は、車体200に位置する。しかしながら、電池パック100の適用シーンは、車両1000に限定されず、例えば、ドローン、エネルギー蓄積機器などの適用シーンであってもよい。
【0070】
具体的には、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を適用シーンに接続して、電池パック100の取付を実現するか、又は電池パック100の取付安定性を向上させることができ、例えば、本願のいくつかの実施例では、電池パック100が車両1000に取り付けられた場合、接続アセンブリ5は、車体200のシャーシに接続されてもよく、この場合、電池パック100も他の取付構造により車体200に接続されると、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100の取付安定性を向上させることができ、電池パック100は、他の取付構造により車体200に接続されないと、接続アセンブリ5を設けることにより、電池パック100を吊り下げて取り付けることを実現することができる。
【0071】
図5及び
図6に示すように、接続アセンブリ5は、スリーブ51及びナット53を含み、スリーブ51は、スリーブ部511及び接続部514を含み、スリーブ部511は、上下方向に沿って延伸し(上下方向に沿って鉛直に延伸してもよく、上下方向に沿って傾斜して延伸してもよい)、かつ頂板3の下方に位置し、すなわち、スリーブ部511は、頂板3の下方に制限され、つまり、スリーブ部511は、自体構造及び/又は外部構造により制限されて、頂板3に対して頂板3を上向きに出ることができず、接続部514は、スリーブ部511の上端に接続されるとともに頂板3を貫通し、すなわち、接続部514の少なくとも一部は、頂板3の上方に位置し、理解できるように、
図8に示すように、頂板3に接続部514が貫通することができる逃げ孔30を有する。
【0072】
図6及び
図8に示すように、頂板3の上方に位置する接続部514の少なくとも一部の外周面に雄ねじを有し、ナット53は、頂板3の上方に位置し、接続部514の外部に螺合されることにより、スリーブ51の頂板3に対する下向きの移動を制限する。理解できるように、ナット53の内周面に雌ねじを有し、雌ねじと雄ねじとの螺合により、ナット53は、接続部514の外周壁に螺合することができるため、ナット53と接続部514との嵌合を容易かつ効果的に実現することができ、また、ナット53を頂板3の上方に当て止めすることにより、スリーブ51の頂板3に対する下向きの移動を回避することができる。
【0073】
これにより、本願の実施例に係る電池パック100において、接続部514の少なくとも一部が頂板3の上方に貫通するとともに、外周面に雄ねじを有するため、ナット53を取り付ける場合、可視化しやすく、ナット53の組み立てを容易、迅速かつ正確に完了することができる。
【0074】
関連技術において、スリーブ全体は、頂板の下方に位置し、雌ねじが形成され、雄ねじを有するロックボルトを、頂板の上方から下向きに挿通して、スリーブの雌ねじに螺合し、スリーブの頂板に対する下向きの移動を防止する。しかしながら、このようにしてスリーブの上端の雌ねじ孔が頂板上の逃げ孔の中心に対向することを保証しにくいため、ロックボルトを、頂板の逃げ孔を下向きに挿通した後にスリーブの上端の雌ねじ孔内に迅速かつ正確にねじ込まれにくく、組み立て効率が低く、かつスリーブの上端の雌ねじを損傷しやすく、構造不具合を引き起こす。本願の実施例に係る電池パック100において、スリーブ51が頂板3の上方に貫通する接続部514を有し、かつ接続部514の外周面に雄ねじを有するため、ナット53を取り付ける場合、可視化しやすく、ナット53の組み立てを容易、迅速かつ正確に完了することができる。
【0075】
本願のいくつかの実施例では、
図6及び
図8に示すように、接続アセンブリ5は、第1封止部材54をさらに含み、スリーブ部511の外径は、接続部514の外径より大きく、第1封止部材54は、接続部514の外部に嵌設されるとともにスリーブ部511と頂板3との間に介設され、つまり、第1封止部材54は、スリーブ部511(の上端)と頂板3との間に位置するとともに接続部514を取り囲む。これにより、第1封止部材54を設けることにより、電池パック100の封止性を向上させることができる。理解できるように、接続部514が頂板3の上方に貫通することを実現するために、電池パック100が封止されないように、頂板3に逃げ孔30を形成する必要があり、接続部514を取り囲むとともに頂板3とスリーブ部511の上端との間に位置する第1封止部材54を設けることにより、電池パック100を出荷する場合(すなわち、電池パック100が車両に取り付けられていない場合)に逃げ孔30の封止を確実に実現することができる。また、理解できるように、ナット53を締め付けると、頂板3が第1封止部材54を圧着することができるため、封止効果を保証する。
【0076】
本願のいくつかの実施例では、
図9及び
図10に示すように、ナット53の頂部に遮蔽部531を有し、遮蔽部531は、環状であり、かつ接続部514の上方に位置して、接続部514とナット53との螺合箇所を遮蔽する。これにより、遮蔽部531を利用して、ナット53と接続部514との螺合箇所、及び第1封止部材54などを遮蔽し、保護することができ、外部の水滴がナット53と接続部514との螺合箇所に入り、第1封止部材54に流入して水たまりを形成することを回避することができるため、電池パック100をより効果的に保護する。理解できるように、電池パック100の外部は、一般に塩水噴霧環境にあり、たまった水が腐食性を有し、第1封止部材54はたまった水と長期に接触すると、第1封止部材54の耐用年数を短縮し、電池パック100の封止に影響を与える。
【0077】
本願のいくつかの実施例では、
図10に示すように、スリーブ部511の外径が接続部514の外径より大きく、接続アセンブリ5が第1封止部材54をさらに含み、第1封止部材54が接続部514の外部に嵌設されるとともにスリーブ部511の上端と頂板3の底面との間に介設される場合、ナット53が頂板3に当接すると、遮蔽部531の底面と接続部514の頂面との間に隙間Sを有する。これにより、第1封止部材54の圧縮量を確保し、第1封止部材54が適切なレベルに圧縮されずに遮蔽部531の底面が接続部514の頂面に接触し、当て止めされることにより、第1封止部材54の圧縮量が小さすぎて封止レベルが不足するという問題を回避して、封止効果を向上させることができる。すなわち、ナット53を締め付けた後に、ナット53の遮蔽部531とスリーブ51の頂面との間に依然として隙間Sが保留され、目的は、ナット53の締め付け面を、ナット53の底面と頂板3の頂面とが接触する平面に保持することを確保するにより、ナット53が頂板3を圧着した後、頂板3が第1封止部材54を下向きに圧着することを確保し、頂板3とスリーブ51との間の封止を実現することである。
【0078】
本願のいくつかの実施例では、
図8及び
図10に示すように、電池パック100は、取付梁4をさらに含み、取付梁4は、いずれも底板1と頂板3との間に位置する梁本体部41及び梁頂部43を含み、梁頂部43は、梁本体部41の上端に接続されるとともに頂板3の下方に支持され、梁頂部43に嵌合孔431を有し、スリーブ部511は、上下方向に沿って延伸し、取付梁4に挿設され、上端が梁頂部43の下方に支持され、接続部514は、嵌合孔431を貫通し、第1封止部材54は、嵌合孔431に嵌合され、かつ初期厚さが梁頂部43の厚さより大きく、すなわち、組み立て時に、第1封止部材54は、一部が嵌合孔431内に位置し、他の部分が嵌合孔431の外部に位置し、正確な位置に組み立てられた後、嵌合孔431内に完全に位置するように圧縮されてもよい。これにより、第1封止部材54の圧縮量を確保し、第1封止部材54が適切なレベルに圧縮されずにスリーブ部511の頂面が梁頂部43の底面に当て止めされることにより、第1封止部材54の圧縮量が小さすぎて封止レベルが不足するという問題を回避することができ、第1封止部材54が適切なレベルに圧縮される場合、スリーブ部511の頂面が梁頂部43の底面に当て止めされることにより、第1封止部材54の圧縮量が大きすぎて第1封止部材54の永続的な変形を引き起こし、ひいては第1封止部材54の亀裂を引き起こし、封止不具合を引き起こすなどの問題を回避することができる。
【0079】
つまり、第1封止部材54が適切なレベルに圧縮されることを確保するために、第1封止部材54の自由状態の初期厚さを梁頂部43の厚さより大きくする必要があり、ナット53を締め付けて第1封止部材54を圧着した後に、第1封止部材54の力を受けた後の厚さは、梁頂部43の厚さに等しく、本願は、梁頂部43の厚さを限定することにより第1封止部材54の圧縮後の厚さに対する制御を実現することができ、第1封止部材54の圧縮量は、第1封止部材54の封止特性とは大きい関連性を有し、例えば、第1封止部材54の圧縮比率が小さすぎると、封止不具合を引き起こし、第1封止部材54の圧縮比率が大きすぎると、第1封止部材54に亀裂が発生して封止不具合を引き起こすか、又は第1封止部材54の耐用年数を短縮する。
【0080】
本願の1つの具体的な例では、第1封止部材54の圧縮量が適切であることを確保するために、ナット53をスリーブ51の接続部514に締め付け、ナット53により頂板3を下向きに押え、頂板3と取付梁4とを接触させ、取付梁4とスリーブ51とを一体に溶接し、ナット53を締め付けていない場合、スリーブ部511の上端面と第1封止部材54の底面との接合面の高さは、梁頂部43の底面より低く、これらの2つの面の高度差により第1封止部材54の圧縮量を確保し、第1封止部材54の圧縮量が大きすぎて第1封止部材54の永続的な変形を引き起こす(ひいては、第1封止部材54の亀裂を引き起こし、封止不具合を引き起こす)ことを回避し、また、第1封止部材54の圧縮量が小さすぎて封止レベルが不足するという問題を回避することができる。
【0081】
本願のいくつかの実施例では、
図10に示すように、接続アセンブリ5は、ナット53の頂部に位置するとともにナット53の内孔を取り囲む第2封止部材55をさらに含むため、電池パック100と適用シーンにおける取付点との嵌合及び封止を実現する。例えば、
図10に示す例では、ナット53が遮蔽部531を含む場合、第2封止部材55は、遮蔽部531の頂部に位置してもよい。
【0082】
また、第2封止部材55の嵌合信頼性及び有効性を向上させるために、本願のいくつかの実施例では、ナット53の頂部に溝を設けることができ、例えば、
図10に示す例では、遮蔽部531の頂壁に溝を設けることにより、第2封止部材55の一部を溝に嵌設することができ、このように、溝の深さを限定することにより第2封止部材55の圧縮量を限定することができる。
【0083】
しかしながら、関連技術における電池パックは、自体の封止のみを実現することができ、電池パックと車両のシャーシとの接続及び封止を実現することができない。車両のシャーシには、電池パックの固定孔と連通するねじ貫通孔を形成する必要があるが、シャーシにねじ貫通孔を形成すると、車体の当該箇所の封止不具合を引き起こす。本願は、電池パック100とシャーシとの接合面領域に第2封止部材55を増設することにより電池パック100の頂部とシャーシとの接続及び封止を実現する。つまり、ナット53の頂部に第2封止部材55を増設することにより、車両のシャーシと電池パック100との締め付け接合過程において、ナット53の頂部の第2封止部材55を圧縮し接合することにより、電池パック100の頂部とシャーシとの封止を実現することができる。
【0084】
本願のいくつかの実施例では、
図10に示すように、ナット53の頂面は、頂板3の頂面より高く、理解できるように、ナット53が遮蔽部531を含む場合、遮蔽部531の頂面は、ナット53の頂面となる。これにより、電池パック100が車両のシャーシに締め付けられる場合、ナット53の少なくとも一部が頂板3より高い(すなわち、頂板3から突出する)という特徴により、頂板3と車両のシャーシとの相対距離を限定し、車両のシャーシが頂板3を押えて頂板3を変形させるという問題を回避することにより、電池パック100を効果的に保護することができる。
【0085】
本願のいくつかの実施例では、
図9及び
図11に示すように、スリーブ51内にボス513を有し、接続アセンブリ5は、ヘッド部521及びロッド部522を含む接続部材52をさらに含み、ヘッド部521は、ロッド部522の下端に接続され、ボス513の下方に支持され、ロッド部522は、スリーブ51、頂板3及びナット53を上向きに貫通し、つまり、ロッド部522は、スリーブ51、頂板3及びナット53を貫通するとともに、上端がナット53の上方に位置する。これにより、ロッド部522の上端は、車体などの取付点に接続されることにより、接続アセンブリ5と適用シーンにおける取付点との接続を容易かつ効果的に実現することができ、セル2の自体の重力などの下向きの作用力で、接続アセンブリ5が取付梁4に上向きの作用力を提供することを保証することができる。なお、接続部材52は、具体的なタイプが限定されず、例えば、ボルト、リベット、ピンなどであってもよい。また、本実施例の接続部材52の他の特定及び機能について、上記第1態様の実施例の電池パック100の説明を参照することができ、ここでは、説明を省略する。
【0086】
本願のいくつかの実施例では、
図11に示すように、接続アセンブリ5は、ロッド部522の外部に嵌設されるとともにヘッド部521とボス513との間に介設される第3封止部材56をさらに含み、つまり、第3封止部材56は、ヘッド部521(の上端)とボス513(の下端)との間に位置し、かつロッド部522を取り囲む。例えば、第3封止部材56は、ボス513又はヘッド部521に嵌設されてもよい。これにより、第3封止部材56を設けることにより、接続部材52とスリーブ51との嵌合箇所の封止性を向上させ、水がスリーブ51の空洞部510から上向きに車体内部に流入することを回避することができる。
【0087】
また、第2封止部材55及び第3封止部材56を設けることにより、電池パック100と車両とを接続した後に徹底的に封止することを実現し、車両のシャーシにねじ孔を形成する場合に電池パック100に接続されると車体の封止不具合になるという状況を回避し、車両が水を走行する場合に水が車体内に浸入することを回避する。
【0088】
なお、本願の第2態様の実施例に係る電池パック100の他の構成は、いずれも上記第1態様の実施例の電池パック100を参照して設けられることにより、本願の第2態様の実施例の電池パック100の性能がより優れている。
【0089】
例えば、本願の第2態様の実施例のいくつかの電池パック100において、
図11に示すように、取付梁4は、梁本体部41の下端に接続されるとともに底板1の下方に支持された梁底部42をさらに含んでもよく、スリーブ51は、スリーブ部511の下端に接続されるとともに取付梁4の下方に支持されて、スリーブ部511を頂板3の下方に制限する底縁部512をさらに含む。これにより、取付梁4が底板1の上方に完全に位置するものではなく、底板1の下方に位置する梁底部42を含むものであるため、取付梁4が底板1に対して力を印加する作用点は、底板1の上方に位置せず、底板1の下方に位置することにより、底板1は、セル2の重力などの下向きの作用力で、取付梁4と容易に分離することなく、さらに取付梁4による底板1の支持の信頼性を向上させ、取付梁4と底板1との嵌合の堅牢性及び安定性を向上させる。
【0090】
また、スリーブ51は、取付梁4の下方に支持された底縁部512を含むため、取付梁4との嵌合を容易かつ効果的に実現することができ、接続アセンブリ5が取付梁4に上向きの作用力を提供する信頼性を向上させ、接続アセンブリ5が取付梁4に対して上向きに移動し、取付梁4から離れるという問題の発生を回避することができる。また、梁底部42及び底縁部512を設けることにより、スリーブ部511を頂板3の下方に容易かつ確実に制限することができる。当然のことながら、本願は、これに限定されず、他の方式によりスリーブ部511を頂板3の下方に制限してもよく、例えば、スリーブ部511の上端面を頂板3の底面の下方に当て止めするなどの方式を利用してもよく、ここでは、説明を省略する。
【0091】
例えば、本願の第2態様の実施例のいくつかの電池パック100において、
図12及び
図13に示すように、取付梁4の長さ方向は、電池パック100の長さ方向であり(
図12に示すF1方向は、電池パック100の長さ方向である)、取付梁4の幅方向は、電池パック100の幅方向であり(
図12に示すF2方向は、電池パック100の幅方向である)、取付梁4は、電池パック100の幅方向の中央位置にある。なお、取付梁4の厚さ方向と電池パック100の厚さ方向はいずれも、上下方向である(
図12に示すF3方向は、電池パック100の厚さ方向である)。これにより、取付梁4は、電池パック100の中央縦梁であるため、電池パック100の中央位置と適用シーンにおける取付点との接続安定性を向上させ、電池パック100の中央位置が適用シーンにおける取付点に対して振動するという問題を改善することができ、また、取付梁4を中央縦梁に設定することにより、さらに電池パック100の耐振動効果及び全体の構造信頼性を向上させることができる。
【0092】
本願の第1態様及び第2態様の実施例に係る電池パック100の他の構成及び動作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0093】
以下、本願の第2態様の実施例に係る電池パック100の組み立てステップを簡単に説明する。
【0094】
図3及び
図4に示すように、側部梁6及び底板1を含むトレイ101を用意し、まず、取付梁4をトレイ101に取り付け、次に、スリーブ51を下から上へ取付梁4と組み立て、
図2に示すように、スリーブ51の底部の底縁部512と取付梁4の梁底部42との接合面に対して、アーク溶接により底部の封止を実現するが、これに限定されず、例えば、接着剤塗布により封止を実現することができる。そして、
図8に示すように、スリーブ51の頂部に第1封止部材54を嵌設し、次に
図2に示すように、セル2の底部に構造用接着剤7を塗布した後、セル2を上から下へトレイ101内に入れて、セル2と底板1とを接着して固定し、セル2の頂部に熱伝導性接着剤8を塗布し、
図12に示すように、周囲の側部梁6の頂部に封止接着剤9を環状に塗布することにより、トレイ101と頂板3との縁部の封止を実現し、次に頂板3をセル2の頂部に組み立て、頂板3とセル2を熱伝導性接着剤8により接着し、
図13に示すように、頂板3の周囲の縁部とトレイ101の周囲の側部梁6とをリベット61で固定する。
【0095】
以下、図面を参照して、本願の第3態様の実施例に係る車両1000を説明する。
【0096】
図14に示すように、車両1000は、車体200と、本願の第1態様又は第2態様の実施例に係る電池パック100とを含み、電池パック100は、接続アセンブリ5により車体200に接続され、例えば、車体200のシャーシに接続されると理解することができる。これにより、本願の第1態様又は第2態様の実施例に係る電池パック100を設けることにより、車両1000の全体的な性能を向上させることができる。
【0097】
本願の実施例に係る車両1000の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0098】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略表現は、必ずしも同じ実施例又は例に対するものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0099】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。