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特許7612877インクピンニングを有する電気流体力学的印刷ヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】インクピンニングを有する電気流体力学的印刷ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/06 20060101AFI20250106BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20250106BHJP
   B41J 2/16 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
B41J2/06
B41J2/14
B41J2/14 613
B41J2/16 509
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2023542792
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2021050671
(87)【国際公開番号】W WO2022152379
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】522019524
【氏名又は名称】スクロナ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】マルティン シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ガリカー
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-096172(JP,A)
【文献】特開平01-165452(JP,A)
【文献】特開2007-050636(JP,A)
【文献】特開2005-096333(JP,A)
【文献】特表2018-505074(JP,A)
【文献】特開2005-081672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0273833(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101497269(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気流体力学的印刷ヘッドであって、
ノズルキャリア(6)と、
前記ノズルキャリア(6)上に配置された複数のノズル(4)と、
前記ノズル(4)に対応付けられており、前記ノズル(4)の前側に配置された、複数の噴射電極(38)と、
を備え、
前記印刷ヘッドは、底層(110)、上層(112)、及び前記底層(110)と前記上層(112)との間の少なくとも1つの中間層(114)を有する少なくとも1つの多層構造(109)を備え、前記中間層(114)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間で延びる壁(116)を形成しており、
複数のキャビティ(118、120)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間の前記中間層(114)に配置されており、
前記複数のキャビティ(118)のうちの少なくとも一部は、閉キャビティである、電気流体力学的印刷ヘッド。
【請求項2】
前記複数のキャビティ(118)のうちの少なくとも一部は、繰り返しの規則的なパターンを形成している、請求項1記載の印刷ヘッド。
【請求項3】
前記壁(116)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間でハニカム構造を形成している、請求項1又は2に記載の印刷ヘッド。
【請求項4】
前記壁(116)は、前記複数のキャビティ(118)の最小直径(M)の25%未満の厚さ(M)を有する、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項5】
前記複数のキャビティ(118)の最小直径(M)は、前記中間層(114)の厚さ(t)よりも大きい、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項6】
前記壁(116)は、前記底層(110)及び前記上層(112)に対して垂直に延びている、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項7】
前記複数のキャビティ(71、71’、71’’、120)のうちの少なくとも一部は、前記ノズル(4)に配置された出口通路(5)と通じていて隣接している、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項8】
前記複数のキャビティ(71)のうちの少なくとも一部は、前記印刷ヘッドの異なる電極(38、40、42、122)間に配置されている、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項9】
前記複数のキャビティ(71’、71’’)のうちの少なくとも一部は、前記印刷ヘッドの電極(38、42、122)と、前記印刷ヘッドのインク保持部(66)との間に配置されている、請求項1~のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項10】
前記異なる電極(38、40、42、122)は、1つ以上の中実の誘電体層(124a、124b、126)によって前記複数のキャビティ118、120)のうちの1つ又は複数から分離されている、請求項8に記載の印刷ヘッド。
【請求項11】
前記電極(38、40、42、122)は、前記多層構造(109)の前記底層(110)及び/又は前記上層(112)に取り付けられている、請求項又は10のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項12】
前記電極(38、40、42、122)は、前記多層構造(109)の前記底層(110)及び/又は前記上層(112)内に埋め込まれており、前記底層(110)及び/又は上層(112)は、底側及び上側から前記電極(38、40、42、122)を覆う誘電体中実層を形成している、請求項11に記載の印刷ヘッド。
【請求項13】
前記1つ以上の中実の誘電体層(124a、124b、126)は、ポリマー層(124a、124b)及び/又は無機層(126)を備える、請求項10に記載の印刷ヘッド。
【請求項14】
前記噴射電極(38)の後ろの高さに配置されたガード電極(42)を更に備え、前記複数のキャビティ(71’)のうちの少なくとも一部は、前記噴射電極(38)のうちの少なくとも1つと、前記ガード電極(42)のうちの少なくとも1つとの間に配置されている、請求項13のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項15】
前記噴射電極(38)の前方の高さに配置された少なくとも1つの遮蔽電極(40)を更に備え、前記複数のキャビティ(71’’)のうちの少なくとも一部は、前記噴射電極(38)のうちの少なくとも1つと、前記遮蔽電極(42)との間に配置されている、請求項14のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項16】
前記ノズルキャリア(6)は少なくとも、前記多層構造(109)の前記中間層(114)を備える、請求項1~15のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項17】
前記ノズルキャリア(6)は、
-前方層(10)であって、前記ノズル(4)は、前記前方層(10)の前方側(36)に取り付けられている、前記前方層(10)と、
-前記前方層(10)の後方側に配置された裏地層(12)と、
-前記噴射電極(38)に接続されており、前記前方層(10)及び前記裏地層(12)を通って延びる、電気ビア(14)と、
-前記前方層(10)に配置されたインク供給ダクト(15、16)と、
を備え、
前記前方層(10)は少なくとも、前記中間層(114)を備える、請求項1~16のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項18】
前記ノズルキャリア(6)上で前記噴射電極(38)を支持する支持構造(8)を更に備え、前記支持構造(8)は、前記ノズル(4)間に配置された複数の支持要素(76、78)を備え、
前記支持構造(8)は少なくとも、前記多層構造(109)の前記中間層(114)を備える、請求項1~17のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項19】
前記ノズル(4)と前記支持要素(76、78)との間に配置された複数のインク保持部(66)を更に備え、前記印刷ヘッドの噴射方向(X)に沿って、前記インク保持部(66)の前方面(68)は、前記ノズル(4)の前方端(70)の後ろの高さに配置されている、請求項18に記載の印刷ヘッド。
【請求項20】
前記中間層(114)の厚さ(t)は、少なくとも1μmである、請求項1~19のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項21】
前記中間層(114)は、ポリマー層である、請求項1~20のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項22】
前記中間層(114)とは異なる材料の少なくとも1つの材料層を備える、請求項1~21のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項23】
電気流体力学的印刷ヘッドであって、
ノズルキャリア(6)と、
前記ノズルキャリア(6)上に配置された複数のノズル(4)と、
前記ノズル(4)に対応付けられており、前記ノズル(4)の前側に配置された、複数の噴射電極(38)と、
を備え、
前記印刷ヘッドは、底層(110)、上層(112)、及び前記底層(110)と前記上層(112)との間の少なくとも1つの中間層(114)を有する少なくとも1つの多層構造(109)を備え、前記中間層(114)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間で延びる壁(116)を形成しており、
複数のキャビティ(118、120)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間の前記中間層(114)に配置されており、
前記壁(116)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間でハニカム構造を形成している、電気流体力学的印刷ヘッド。
【請求項24】
請求項1~23のうちいずれか1項に記載の印刷ヘッドを製造する方法であって、
前記底層(110)の上に材料層を加えるステップと、
前記複数のキャビティ(118)を形成する前記材料層の一部を除去するステップと、
前記材料層の上方で前記上層(112)を加えるステップと、
を含む、方法。
【請求項25】
前記材料層は、フォトレジストであり、前記方法は、
マスクを通じてコリメート光で前記材料層を照射し、前記照射によって、前記材料層において照射領域及び非照射領域を定めるステップと、
前記材料層から前記照射領域又は前記非照射領域を選択的に除去するステップと、
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ラミネーションを使用して前記材料層の上方で前記上層(112)を加えるステップを含む、請求項24又は25のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記複数のキャビティ(118)の大多数は、閉キャビティである、請求項1に記載の印刷ヘッド。
【請求項28】
2つの隣接する電極(38、40、42、122)間で延びる任意の直線は、前記複数のキャビティ(71、71’、71’’)のうちの少なくとも1つを通って延びている、請求項に記載の印刷ヘッド。
【請求項29】
前記ポリマー層(124a、124)は、前記電極(122)と前記無機層(126)との間に配置されている、請求項13に記載の印刷ヘッド。
【請求項30】
前記インク供給ダクト(15、16)に通じていない閉キャビティ(118)が存在する、請求項17に記載の印刷ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気流体力学的印刷ヘッド及び当該電気流体力学的印刷ヘッドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献4は、複数のノズルを備えるノズルキャリアを有する電気流体力学的印刷ヘッドを記載している。当該電気流体力学的印刷ヘッドは、噴射方向に沿ってインクを噴射するように設計されている。ノズルは、この噴射方向に沿って延びる突起を形成している。噴射電極は、ノズルに対応付けられており、ノズルのターゲット側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6631983号明細書
【文献】国際公開第2013/000558号
【文献】国際公開第2016/120381号
【文献】国際公開第2016/169956号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって解決されるべき課題は、このタイプの特定の印刷ヘッド及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の印刷ヘッドによって解決される。
【0006】
したがって、印刷ヘッドは、少なくとも以下の要素を備え得る。
-ノズルキャリア:これは、ノズルが配置された基板である。
【0007】
-キャリア上に配置された複数のノズル。ノズルは、インクが噴射される位置を形成している。
【0008】
-ノズルに対応付けられており、ノズルの前側に配置された、複数の噴射電極:噴射電極は、例えば、当該噴射電極に対応付けられたノズルからインクを個々に噴射するために使用される。
【0009】
印刷ヘッドは、底層、上層、及び底層と上層との間の少なくとも1つの中間層を有する少なくとも1つの多層構造を備える。中間層は、底層と上層との間で延びる壁を形成している。複数のキャビティは、底層と上記上層との間の中間層に配置されている。
【0010】
当該壁は、キャビティの壁の少なくとも一部を形成し得る。
【0011】
好ましくは、キャビティの少なくとも一部、特に、キャビティの大多数は、閉キャビティであり、すなわち、それらは、特に、壁によって、並びに底層及び上層によって、全ての側面において閉じられている。本発明のこの態様は、当該キャビティが、ダクト以外の用途を有するという理解に基づいている。特に、当該キャビティは、機械的応力を低減し、及び/又は電界を形成するために使用され得る。
【0012】
一実施形態では、壁は、底層と上層との間でハニカム構造、すなわち、6角形パターンを形成している。当該構造は、機械的応力を低減することが見出されている。
【0013】
本発明の重要な態様では、キャビティの少なくとも一部は、印刷ヘッドのそれぞれ異なる電極間、又は電極と印刷ヘッドのインク保持部との間に配置されている。本文脈では、「それぞれ異なる電極」は好ましくは、印刷ヘッドの操作時に様々な電圧を伴い得る電極である。本設計は、電界の影響に対して良く耐える印刷ヘッドの能力を向上させる。
【0014】
好ましくは、それぞれ異なる電極は、1つ以上の中実の誘電体層によって1つのキャビティ又は複数のキャビティから分離されている。これらの層は、電極間の電気絶縁破壊を防ぐのに役立つ。
【0015】
電極は、多層構造の底層及び/又は上層に取り付けられてもよく、特に、ある電極は、底層に取り付けられ、他の電極は、上層に取り付けられる。
【0016】
好ましくは、電極は、底層及び/又は上層内に埋め込まれており、底層及び/又は上層は、底側及び上側から電極を覆う誘電体中実層を形成している。
【0017】
印刷ヘッドは、噴射電極の後ろの高さに配置されたガード電極を更に備え得る。本文脈では、「噴射電極の後ろの高さに」は、ガード電極が、噴射電極よりもノズルキャリアに近いことを示す。当該ガード電極は、その後ろの電界強度を低減するために、例えば、インクを保持する(留める)構造において場を低減するために使用され得る。
【0018】
この場合、所与のノズルにおいて、キャビティの少なくとも一部は、ガード電極と噴射電極との間に配置され、それによって、噴射電極とガード電極との間の電気絶縁破壊のリスクを低減し得る。
【0019】
印刷ヘッドは、噴射電極の前方の高さに配置された少なくとも1つの遮蔽電極を更に備え得る。本文脈では、「噴射電極の前方の高さに」は、噴射電極が、遮蔽電極よりもノズルキャリアに近いことを示す。当該遮蔽電極は、印刷ヘッドとターゲットとの間の電界を制御するために使用され得る。
【0020】
この場合、所与のノズルにおいて、キャビティの少なくとも一部は、噴射電極と遮蔽電極との間に配置され、それによって、噴射電極と遮蔽電極との間の電気絶縁破壊のリスクを低減し得る。
【0021】
述べられているように、印刷ヘッドは、ノズルが取り付けられたノズルキャリアを有する。一実施形態では、ノズルキャリアは、上記多層構造(又はいくつかの当該多層構造が存在する場合、そのうちの少なくとも1つ)を備え得る。
【0022】
好ましい設計では、ノズルキャリアは、少なくとも以下の部分を備える。
-前方層:ノズルは、前方層の前側に取り付けられている。
【0023】
-前方層の後側に配置された裏地層。
【0024】
噴射電極に接続された電気ビアは、前方層及び裏地層を通って延びてもよい。当該電気ビアは、噴射電極に電圧を供給する。
【0025】
加えて、インク供給ダクトは、(少なくとも)前方層に配置されている。
【0026】
この場合、前方層は、中間層(又はいくつかの当該多層構造が存在する場合、そのうちの少なくとも1つ)を備え得る。これにより、印刷ヘッドにおいて過度の機械的歪みを生成することなく厚いインクダクトを形成することができる。
【0027】
印刷ヘッドは、ノズルキャリア上で噴射電極を支持する支持構造を備えてもよく、支持構造は、ノズル間に配置された複数の支持要素を備える。この場合、支持構造は好ましくは、少なくとも多層構造の中間層(又はいくつかの当該多層構造が存在する場合、そのうちの少なくとも1つ)を備える。
【0028】
この場合、印刷ヘッドは、ノズルと支持要素との間に配置された複数のインク保持部を更に備えてもよい。インク保持部は、インクが支持要素に達して当該支持要素を濡らすのを防ぐ。噴射方向に沿って、インク保持部の前方面は、ノズルの前方端の後ろ(すなわち、ノズルキャリアに対してより近く)の高さに配置されており、すなわち、噴射方向に沿って、インク保持部は、突起に対して後方に設定されている。
【0029】
印刷ヘッドを製造する方法は好ましくは、少なくとも以下のステップを含む。
-上記底層の上に材料層を加えるステップ:この材料層は後に、中間層の少なくとも一部を形成する。当該材料は、例えば、SU8のような永続的なフォトレジストであり得る。
【0030】
-材料層の一部を除去するステップ:これは、所定位置の壁を残し、キャビティを形成する。
【0031】
-材料層の上方で上層を加えるステップ。
【0032】
本発明の以下の詳細な説明を考慮すると、本発明はより充分に理解され、上述のもの以外の目的が明らかになるであろう。当該説明は、添付図面の参照を行う。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、印刷ヘッド及びターゲットの部分断面図を示す。
図2図2は、ノズルの第1の実施形態を通る垂直断面図である。
図3図3は、図2の線A-Aに沿った水平断面図である。
図4図4は、図2の線B-Bに沿った水平断面図である。
図5図5は、図2の線C-Cに沿った水平断面図である。
図6図6は、図5の断面形状の設計に加えて、いくつかの代替的なノズル先端設計を示す。
図7図7は、図2の線D-Dに沿った水平断面図である。
図8図8は、図2の線E-Eに沿った水平断面図である。
図9図9は、ノズルの第2の実施形態を通る垂直断面図である。
図10図10は、図9の線A-Aに沿った水平断面図である。
図11図11は、ノズルの第3の実施形態を通る垂直断面図である。
図12図12は、ノズルの第4の実施形態を通る垂直断面図であり、基本的に第1の実施形態に対応しているが、ノズル支持体の設計を示す。
図13図13は、図12の線A-Aに沿った水平断面図である。
図14図14は、図12の線B-Bに沿った水平断面図である。
図15図15は、図12の線C-Cに沿った水平断面図である。
図16図16は、図12の線D-Dに沿った水平断面図である。
図17図17は、電極の配線のための可能性のある2つのビア設計を示す垂直断面である。
図18図18は、多層ハニカム構造を示す。
図19図19は、中間層の壁の設計を示す。
図20図20は、電極を囲む誘電体層の実施形態を有する電極の垂直断面図を示す。
図21図21は、インク保持部がない実施形態の垂直断面図である。
【0034】
注記:図1における噴射方向Xは下向きを指しており、ターゲットは印刷ヘッドの下方に配置されているが、垂直断面図を示す全ての他の図における噴射方向Xは上向きを指している、すなわち、図1は、噴射方向に対して平行な断面を示す全ての他の図に対して180°回転している。むしろ、それらの図における方向は、製造の進み方、すなわち、下方の層が上層の前に製造されることに基づいている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義
「前」は、印刷ヘッドがインクを噴射するように設計された方向を定める。例えば、噴射電極は、ノズルの前にある。
【0036】
「後ろ」は、反対の方向を定める。例えば、ノズルは、噴射電極の後ろに配置されている。
【0037】
「前方に」及び「後方に」は、何か他のものの前又は後ろの高さの位置を示すように理解される。
【0038】
「前方」及び「後方」は、前側及び後ろ側である。
【0039】
「所与のノズルで」という特性は好ましくは、大多数、特に、少なくとも90%のノズルについて当てはまる特性として理解される。例えば、「所与のノズルで、ガード電極は、噴射電極とインク保持部との間に配置されている」という場合、このことは好ましくは、大多数のノズル、特に、少なくとも90%のノズルについて当てはまることを意味する。例えば、それは、印刷ヘッドのエッジにおけるノズル及び/又は未使用のノズルなど、噴射電極及び/又はガード電極を有しないいくつかのノズルあり得る。
【0040】
印刷ヘッドの噴射方向Xは、「垂直」上向き方向を定める、すなわち、印刷ヘッドは、定義によって、インクを上向きに噴射するように設計されている。(もちろん、操作時、それは、重力の方向に対する任意の角度未満であってもよい。)したがって、「上方」及び「下方」などの定義は、「垂直」のこの定義を参照して理解されるべきである。
【0041】
「水平」は、垂直方向に対して垂直な任意の方向である。
【0042】
「横」は、何か他のものから水平な何かを示す。
【0043】
印刷ヘッド
図1は、印刷ヘッド1の実施形態の概略断面図を示す。それは、ターゲット2の上方に描写されており、それは、噴射方向Xに沿ってターゲットにインクを噴射するように構成されている。
【0044】
印刷ヘッドは、ノズルキャリア6の前方側に配置された複数のノズル4を備える。ノズル4は、1又は2次元アレイに配置され得る。
【0045】
印刷ヘッドは、ノズル4からインクを噴射する複数の噴射電極(図1に図示せず)と、支持構造8上に配置された任意選択的な更なる電極と、を有し、その設計は、以下でより詳細に記載される。更なる電極は、インクを、規定電気電位に設定するために、インクと電気的に接触して設けられ得る。
【0046】
ノズルキャリア6は、前方層10を備え、ノズル4は、前方層10の前方側に取り付けられており、その上で突起を形成している。それはまた、前方層10の後方側に配置された裏地層12を備える。
【0047】
前方層10の内部構造は、図1に示されていないが、以下でより詳細に記載される。それは、例えば、誘電体、特にポリマーであり得る。
【0048】
裏地層12は、例えば、絶縁半導体材料であり得るか、又はそれは、誘電体であり得る。好ましくは、裏地層12は、少なくとも部分的にガラスである。
【0049】
電気ビア14は、噴射電極に接続されており、噴射電極を電圧供給17に接続するために前方層10及び裏地層12を通って延びている。好ましくは、各ノズル4に少なくとも1つのビア14が存在する。他の電極を電圧供給17に接続するために、更なるビアが設けられ得る。
【0050】
インクダクト15、16は、インクをノズル4に供給し、(任意選択的に)ノズル4からインクを戻して再利用する。それらは部分的に、前方層10に配置されており、それらは、裏地層12の周辺領域を通って延びている。それらの設計は、以下でより詳細に記載される。
【0051】
図1は、インクの供給ダクト15及び吸引ダクト16を有する印刷ヘッドの実施形態を示す。
【0052】
インクを供給ダクト15に供給するために、吸引ダクトが存在する場合、吸引ダクト16からインクを回収するために、少なくとも1つのポンプ18及び/又は別の圧力源若しくは真空源が設けられている。
【0053】
好ましくは、印刷ヘッドは、供給ダクト15の入力、例えば貯留タンク22で第1の規定圧力p1を生成する第1の圧力制御20を備える。
【0054】
インクは、任意選択的なフィルタ24及び供給ダクト15を通ってノズル4に供給される。
【0055】
吸引ダクト16が存在する場合、吸引ダクト16は、吸引ダクト16の出口、例えば吸引タンク28で第2の規定圧力p2を生成する第2の圧力制御26を備え得る吸引システムに接続されている。吸引システムはまた、ポンプを備え得る。これは特に、上述のようなポンプ18であり得、その場合、ポンプ18は、循環ポンプとして機能する。
【0056】
好適なポンプ設計は、例えば、特許文献1に示されている。
【0057】
図1で更に示されるように、印刷ヘッドは、ノズルキャリア6の後方側に配置された、PCBなどの回路キャリア30を備え得る。
【0058】
任意選択的な介在層32は、ビア14のより密な分解能を回路キャリア30の回路の分解能に合わせるために、回路キャリア30とノズルキャリア6との間に設けられ得る。当該介在層は、例えば、半導体チップがPCBに加えられるフリップチップ設計で使用される。
【0059】
回路キャリア30は、制御回路33を支持しており、制御回路33は、例えば、電圧供給17の少なくとも一部、例えば当該電圧供給のドライバ段階を実装し得、印刷ヘッドのそれぞれの電極に電圧源を接続している。
【0060】
図示された実施形態では、インクダクト15、16は、介在層32(存在する場合)及び回路キャリア30を通って延びている。
【0061】
ビア14が、充分大きい相互間隔を有する(例えば0.4mmよりも大きい)場合、ビア14は、介在層32無しで回路キャリア30と直接的にインターフェース接続し得る。
【0062】
好ましくは、ターゲット2は、印刷ヘッド1とターゲット2との間に加速電界を生成するために電圧供給17に接続された加速電極上に配置されている。
【0063】
圧力制御20、26は、印刷ヘッドの操作というセクションで以下に記載されるように圧力を維持するために使用され得る。好ましくは、それらは、供給ダクト15及び圧力ダクト16内の圧力を別々に調整することが可能である。
【0064】
ノズル設計1
図2図8は、ノズル4及び周囲の要素の第1の実施形態を示す。(上述のように、図1とは対照的に、図2における噴射方向Xは、上向きを指している。)
【0065】
図2から分かるように、ノズル4は、ノズルキャリア6の前方側36、例えばその前方層10の前方側で突起を形成している。それは、インクがターゲット2に向けて噴射され得る出口通路5に配置されている。
【0066】
図2はまた、ノズル4に対応付けられ得る各種の電極を示す。
【0067】
噴射電極38は、ノズル4の前方側に配置されている。図2及び図7の実施形態では、それは、インクの通過のための中心開口39を有する環状である。それは、支持構造8及びノズルキャリア6を通って延びるビア14のうちの1つに接続されている。
【0068】
図3及び図4は、ビア14の可能性のある2つの実装を示す。右側で、参照番号14の下、中空の実装が示されており、ここで、ビアは、噴射方向に沿って延びて中心ダクト14cを囲む誘電体管14b内で金属コーティング14aとして形成されており、中心ダクト14cは、印刷ヘッドとターゲットとの間の領域へ/当該領域から気体を供給する換気ダクトとしても使用され得る。このタイプの構造は、例えば、
a)以下に記載されるようなハニカム構造と共に管14bを形成すること、及び
b)例えば、スパッタリングによって管14b内で金属コーティング14aを形成することによって形成され得る。
【0069】
参照番号14’の下で示される代替的な設計は、誘電体管14’b内に中実の金属コア14’aを備える。再び、管14’bは、以下に記載されるようなハニカム構造と共に形成され得、金属コア14’aは、例えば、電気メッキによって形成され得る。
【0070】
代替的なビア設計14、14’は、図17にも示されている。中空のビア設計14は、遮蔽電極40を接続するために描写されている一方、充填ビア設計14’は、(図17では見えない)噴射電極38のために描写されている。注記:金属部分のみが図17でハッチング領域として示されている一方、他の断面部分はハッチングされていない。
【0071】
通常、単一の印刷ヘッドは、1つの設計のビアを使用するだけであり、例示のためにのみ、図3図4、及び図17において2つの異なるタイプが示されている。
【0072】
図2及び図8を参照して、遮蔽電極40は、噴射電極38の前方側に離れて配置され得る、すなわち、ノズルキャリア6に対して、噴射電極38は遮蔽電極40よりも近い。好ましくは、印刷ヘッド1の前方で延びる1つの連続的な遮蔽電極40が存在するが、いくつかの当該遮蔽電極も存在し得る。
【0073】
いくつかの遮蔽電極が使用される場合、それらは、例えば、印刷ヘッドの断面において徐々にインクを偏向することを可能にする分圧器によって、例えば、電圧勾配を印加することによって異なる電位に印加され得る。
【0074】
遮蔽電極40は、印刷ヘッド1とターゲット2との間の場を制御するように設けられている。各ノズル4について、遮蔽電極40内の開口41は、インクの通過を可能にする。
【0075】
図2及び図5に示されるように、ガード電極42は、噴射電極38の後ろ側に離れて配置され得るが、ノズルキャリア6の前方に離れて配置され得る。図2及び図5に示されるように再び、それは、環状であり得る。代替的に、それはまた、いくつかのノズルにわたって延び得る。
【0076】
ノズル4の上方のガード電極42内の開口43は、インクの通過を可能にする。
【0077】
ガード電極42の機能は、以下に記載される。
【0078】
本実施形態のノズル4は、先端部分46と、シャフト部分48と、ベース部分50、52と、を備え、先端部分46は、シャフト部分48の前方に配置されており、ベース部分50、52(図2図3)は、シャフト部分48の後ろに配置されている。
【0079】
図示されたノズル設計は、(例えば、特許文献4から既知であるように)インクがノズル4の横面を濡らすことに依拠し、インクがノズル4の中心流路を通過することに依拠しないが、後者も同様に使用され得る。
【0080】
ノズル4が中心流路を有する場合、例えば、出口ダクト60がノズルの先端まで全域に延びている場合、好ましくは、ノズル4は依然、インクがノズルの上だけでなくその横の外側も濡らすように操作される。確実に、インクが全てのノズルの外側を覆うことによって、全てのノズルが、同じインク外形を噴射電極に与え、これにより、印刷ヘッド全体にわたって、より均一なインク噴射を実現することができる。
【0081】
噴射方向Xへのノズル4に沿ったインクの望ましい流れを促進するために、好ましくは、ノズル4は、その横面において、すなわち、噴射方向Xに沿って延びる面において、噴射方向Xに沿って延びる少なくとも1つの溝を有する。この溝は、ノズル4の長さの少なくとも一部に沿って延びている。
【0082】
これは、例えば、図5で分かり、ここで、先端部分46は、(4つの凹部46aが十字形のアーム間で形成された)断面形状で示され、シャフト部分48は、2つの溝48aを形成している。
【0083】
図6は、先端部分46の代替的な設計を示す。
(a)は、凸状横面を有し、且つ例えば、溝無しの円柱である、先端部分46であり、-これは、現在の好ましい設計であり、その理由は、当該設計が、噴射されるインクについて、望ましいメニスカスを生成するためであり、
(b)は、2つの横溝46aを形成した先端部分46であり、
(c)は、軸方向の管46cを形成した先端部分である。
【0084】
ベース部分50、52は、先端部分46及びシャフト部分48をノズルキャリア6に接続している。それは、インクをノズルに供給するダクトも含む。このことは、図2図3、及び図4で最もよく分かる。
【0085】
特に、図示された実施形態では、ベース部分50、52は、底のサブ層52と、上のサブ層50と、を備える。底のサブ層52は、インクをノズル4に供給する供給ダクト部分15aの端に通じる中心開口54を有する。1つ以上の径方向の横断出口ダクト56は、噴射方向Xに対して横断して、第1の環状ダクト58に向けて中心開口54から外向きに延びている。
【0086】
図2では、ダクト内のインクの流れは、矢印によって描写されている。
【0087】
上のサブ層50はまた、軸方向の出口ダクト60を形成し得、軸方向の出口ダクト60は、ノズルの先端に向けて延びており、供給ダクト部分15aをシャフト部分48の溝48a(図5)に接続し、それによって、インクを直接的に先端部分46に向けて上にガイドする。
【0088】
上のサブ層50は、ノズル4を囲む第1の環状ダクト58と整列した第2の環状ダクト62によって囲まれ得る。
【0089】
ノズル4は、インク保持部66によって囲まれており、その目的は、インクを横方向に保持するためである。環状ダクト62は、インク保持部66とノズル4との間で径方向に配置されており、それによって、ノズル4とインク保持部66との間の領域64と通じている。
【0090】
インク保持部66の前方面68(すなわち、噴射電極38に最も近い前方に向いた面)は、ノズル4の前方端70に対して噴射方向Xに沿って後方に設定されている。したがって、領域64内にインクが存在する場合、インクの面は、1点鎖線によって示されるような、ノズル4の先端に向かう上昇傾斜を形成し、インクが噴射電極38に最も近い位置に先端が確実にあるようにし、それによって、インクを送り出す規定点を形成している。
【0091】
インク保持部66の主な機能は、インクを留めること、すなわち、インクを支持構造8の垂直部分に近づけないようにすること、すなわち、インクが上がっていって、ノズルを沈め得るプールを形成するのを防ぐことである。
【0092】
この機能は、以下の特徴のうちの1つ以上の組合せによって実装される。
a)インク保持部66には、図2において太い黒線で示される、例えば、疎水性及び/又は疎油性コーティング73による疎水性及び/又は疎油性の面が設けられている。例えば、当該面は、少なくとも部分的に、疎水性及び疎油性であるテフロン(登録商標)及び/又はPTFEで形成され得る。使用されるインクの範囲に応じて、当該面はまた、疎水性(例えば、HMDS、すなわち、ビス(トリメチルシリル)アミン)のみであり得るか、又は(例えば、ポリマーベースの)疎油性のみであり得る。特に、インク66保持部の面は好ましくは、ノズル4の面よりも疎水性及び/又は疎油性である。
【0093】
b)インク保持部66は、それに最も近いノズル4から離れる方に向いたレッジ部分66aを形成しており、これにより、その周囲でインクが進むのを困難にする。換言すれば、ノズルから見ると、レッジは、外向きに延びて、「アンダーカット」66bを形成している。
【0094】
c)インク保持部66は、電界が低い領域に配置されている。強電界は、インクの表面張力を低下させる傾向にあるため、本設計は、インク保持部の周囲がインクで濡れるリスクを低減する。図示された実施形態では、ノズル4に対応付けられたガード電極42は、噴射電極38とインク保持部66との間に配置されている。本文脈では、「間」は好ましくは、ガード電極42が、噴射電極38とインク保持部66との間の空間の容積を横切る、好ましくは2分割することを意味する。
【0095】
インク保持部66が、インクを横方向に保持する、すなわち、最も近い支持要素にインクが達するのを防ぐ唯一の手段ではないことに留意されたい。代替的に、又はそれに加えて、インク吸引ダクト16は、支持要素に達し得る任意のインクを除去するために使用され得る。これは、印刷ヘッドの操作というセクションでより詳細に記載される。
【0096】
ガード電極42は、例えば、ビア14’又は14によって電圧供給17に接続されており、それは、操作中、噴射電極の(最大)電位よりもインク保持部66の(すなわち、インクの)電位に近い電位に設定され得る。特に、電圧供給17は、インク保持部66と同じ電位にガード電極42を維持するように構成され得る。これにより、インク保持部66における電界を非常に低く維持することができる。
【0097】
図2に示されるように、ガード電極42は好ましくは、ノズル4の前方端70と同じ「高さ」(垂直方向は噴射方向Xによって定められる)、例えば、噴射電極38とノズル4の前方端70との間の垂直距離dの25%の精度内で配置される。これは、依然、噴射電極38の場に対して先端を著しく露出させつつ、ノズル4の先端の下方でのインクの望ましい遮蔽を提供する。
【0098】
図2で分かるように、ガード電極42とインク保持部66との間のギャップを形成した、空気で満たされたキャビティ71が存在し、これは、インクがガード電極42に達するのを防ぐ。
【0099】
インクを領域64内で横方向に保持するために、インク保持部66は好ましくは、ノズルキャリア6の前方側36に配置されており、そこから突出している。図2図4の実施形態では、それは、ノズルキャリア6の前方面36に取り付けられた第1のリング72と、第1のリング72の前方側に取り付けられた第2のリング74と、を備える。第2のリング74は、上述のレッジ部分66aを形成している。
【0100】
インク吸引
上述のように、図1及び図2の実施形態では、吸引ダクト16は、ノズル4からインクを回収するために設けられている。これにより、所与のノズルにおいて、新鮮なインクの流れを維持することができる。
【0101】
その場合、所与のノズルにおいて、最も近いインク保持部66は好ましくは、ノズル4及び供給ダクトの端部分15aだけでなく、吸引ダクト16の端部分16aの端も囲んでいる。したがって、2つのダクトは、ノズルに向かい、そこから戻るインクの流れを制御するために使用され得る。
【0102】
供給ダクト15及び吸引ダクト16での圧力は、例えば、図2に示されるような上方の高さ64aと下方の高さ64bとの間のどこかの領域64内にインクを維持するように調整される。好ましくは、以下の「印刷ヘッドの操作」というセクションでより詳細に記載されるように、インクは、下方の高さ64bで維持される。
【0103】
インクの望ましい横方向の制限のために、各ノズル4は好ましくは、1つ以上の吸引ダクトの開口又は開口(複数)によって囲まれている。これは、例えば、(図2の環状開口62によって形成されるような)単一の環状開口であり得るか、又はそれは、環状の一連の吸引開口であり得る。この開口又はこれらの開口は、ノズルと、その隣の支持要素78との間に配置されている。
【0104】
支持構造
述べられているように、支持構造8は、それぞれ異なる電極38、40、42をノズルキャリア6に接続するために設けられている。それは、ノズルキャリア6の前方側36に配置されている。
【0105】
支持構造8は、ノズル4間に配置された複数の支持要素76、78を備える。
【0106】
インク保持部66は好ましくは、インクがこれらの支持要素76、78に達するのを防ぐように、且つインクがそれらを濡らすのを防ぐように設計されており、それによって、インクがノズルを沈める傾向を低減する。
【0107】
支持構造8は好ましくは、少なくとも1つの電極キャリア層を備える。図2の実施形態では、3つの当該層80、82、84が存在する。当該電極キャリア層の各々は、少なくとも1つの電極38、40、42を備え、上面36に対して平行に延び得る。
【0108】
通常、電極38、40、42は、その電極キャリア層80、82、84内に埋め込まれており、その前方及び後方側において少なくとも1つの誘電体サブ層80a、80b、又は82a、82b、又は84a、84bによって覆われている。
【0109】
支持要素の少なくとも一部は、図3参照のハニカム構造を形成した垂直壁76によって形成されている。当該ハニカム構造の各々は、印刷ヘッドの様々な部分で使用され、且つ以下でより詳細に記載される多層構造の一部である。
【0110】
ハニカム構造を形成した壁76に加えて又は代替的に、図示された実施形態では、支持要素は、各ノズル4の出口通路5を囲む垂直壁78を備える。壁78は、例えば円柱壁であり得るが、それはまた、例えば多角形であり得る。好ましくは、それは、ノズル4を中心としている。
【0111】
別の実施形態では、壁78はまた、省かれ得、出口通路5の周囲の壁は、ハニカム構造の壁76によって形成され得る。この場合、ハニカム構造をノズルと整列させる必要がある。
【0112】
更に別の実施形態では、いくつかのノズルが、単一の壁78によって囲まれ得る。
【0113】
ここで示される実施形態では、支持要素76及び/又は78は、電極キャリア層80、82、84の各々の間、及び最後方の電極キャリア層80aとノズルキャリア6との間に設けられている。しかしながら、それらはまた、サブセットのこれらの構造間にのみ設けられ得る。
【0114】
図2から最もよく分かるように、ノズル4とそのインク保持部66との間に配置された第1の凹部が存在し、これは、環状の第1及び第2の環状ダクト58、62によって形成されている。それは、インクプール64の少なくとも一部を受け入れるための容積を提供する。噴射方向Xに沿って、第1の凹部58、62の底は、インク保持部66の前方面68に対して後方にある(すなわち、前方面68に対するよりもノズルキャリア6に対して近い)。
【0115】
図示された実施形態では、インク保持部66と、最も近い支持要素78との間に配置された第2の凹部86が存在する。それは、レッジ部分66aについての空間を提供し、及び/又はインクが支持要素78に達するのをより困難にする。噴射方向Xに沿って、凹部86の底は、インク保持部66の前方面68に対して後方にある(すなわち、ノズルキャリア6に対して前方面68よりも近い)。
【0116】
ノズル設計2
図9及び図10は、ノズル設計の第2の実施形態を示す。それは主に、ノズルに対してインク供給ダクト15(その端部分15aが図10に示されている)のみが存在するが、吸引ダクトが存在しない点で第1のものと異なっている。
【0117】
更に、ノズル4とインク保持部66との間には凹部が存在しない。むしろ、インク保持部66は、横方向にノズル4上に配置されており、その前方面68は、ノズル4の前方端(先端)70から離れている。
【0118】
換言すれば、その前方面68は、領域64内でインクに対して上昇傾斜を形成して、ノズルを沈めるリスクを低減するために、ノズル4の前方端70に対して後方に設定されている。
【0119】
好ましくは、インク保持部66は、ノズルを沈める可能性を低くするために、ノズル4上に「低く」取り付けられる。特に、インク保持部66の前方面68は、ノズル4の前方端70に対して、ノズルキャリア6の前方サイズ36よりも近い。
【0120】
分かるように、本実施形態では、インク保持部66は、ノズル4のベース部分のサブ層52によって形成されている。
【0121】
ノズル設計3
図11は、ノズル設計の第3の実施形態を示す。それは主に、それがガード電極を有しない点で第2のものと異なっている。インク保持部66の位置における電界を低く維持するために、インク保持部66は、後方遠くに配置されている。
【0122】
特に、図11に示されるように、インク保持部66の前方面68と、ノズル4の前方端70との間の噴射方向Xに沿った距離d’は大きい。
【0123】
定量的に、dが、噴射電極38とノズル4の前方端70との間の噴射方向Xに沿った距離を示す場合、好ましくは、以下の条件が維持される:
d’>k・d
kは、少なくとも0.5、特に少なくとも1.0である。
【0124】
インク保持部が無いノズル設計
これまでに図示された実施形態では、ノズル4は、ノズルキャリア6の上面36から上に突出したインク保持部66によって囲まれていた。しかしながら、インク吸引部を使用することで、当該インク保持部を省くことができる。これは、図21に示されており、図21は、基本的に図2のものに対応するがインク保持部がない実施形態を示す。したがって、図2の実施形態のベース部分50、52を形成した層は省かれ得る。
【0125】
本実施形態では、インクは、ノズルを囲むインク吸引ダクト16の端部分16a内に吸引されることによって、ノズル4の周囲で保持される。
【0126】
一実施形態では、吸引ダクト16の単一の環状(又は、例えば、6角形若しくは他の場合には閉ループ)端部分16aは、ノズル4の周囲に配置され得る。
【0127】
別の実施形態では、密な間隔でノズル4を囲んで、複数の個々の端部分16aが設けられ、例えば、円形又は別の閉ループに沿って配置され得る。
【0128】
本実施形態では、ガード電極42は、ノズルキャリア6の面36に沿ってインクが広がる傾向を低減するため、ガード電極42は、依然有用であり得る。
【0129】
図示される実施形態では、出口ダクト60は、ノズルの上70まで全域に延びている。したがって、インクは、ノズルを通って軸方向に流れる。好ましくは、出口ダクト60の圧力は、インクがノズルからあふれ出てその横側壁に沿って下に流れるように選択される。そこから、インクは、吸引ダクト16の端部分16aに到達して取り去られる。これは、ノズル内で連続的なインク交換を提供する。
【0130】
別の実施形態では、インクは、例えば、図2図5の実施形態に示されるような溝内でノズルの外面に沿って上にガイドされ得、インクは、例えば、ノズル内の軸方向の開口を通って端部分16aから吸引され得る。
【0131】
しかしながら、任意選択的に、本セクションの設計はまた、例えば、吸引ダクト16の端部分16aを囲む(点線で示されるような)簡易のインク保持部66と組み合わされ得る。
【0132】
ノズルキャリア
図12図16は、可能性のあるノズルキャリア6の設計を示す。図13図15は、隣接するノズルが、供給ダクト及び吸引ダクトによってどのように相互接続され得るかを示すために、図12と比較して縮小したスケールであり、図16は、裏地層12の高さの印刷ヘッドの断面全体を示す、よりいっそう縮小したスケールで示されていることに留意されたい。
【0133】
これらの図は、図2のノズルを示しているが、同様のノズルキャリアが、図9及び図11の設計などの様々なノズル設計で使用され得る。
【0134】
上述のように、ノズルキャリア6は、前方層10を備え、ノズル4は、その前方側36に取り付けられており、更に、裏地層12は、前方層10の後方側に配置されている。次いで、前方層10及び裏地層12は、多層構造であり得る。
【0135】
それらは、以下でより詳細に記載される。
【0136】
前方層10は、いくつかのサブ層10a~10dで構成されており、インクをノズルに供給し、適用可能な場合、インクをノズルから供給する、ダクト15、16の少なくとも一部を形成している。
【0137】
図12の実施形態では、前方層10は、前方から後方への順に、ダクトを形成するサブ層10a、10b、10c、及び10dを備える。
【0138】
サブ層10aは、前方面36を形成しており、供給ダクト及び(必要な場合)吸引ダクトそれぞれについての開口15a、16aを備える。
【0139】
サブ層10bは、(必要な場合)吸引ダクトの水平部分16b及び供給ダクトの垂直部分15bを形成している。
【0140】
図13で最もよく分かるように、吸引ダクトの水平部分16bは、全てのノズル4又は少なくとも複数のノズル4と相互接続している。加えて、ダクト間でサブ層10bは、支持構造8のものと同様のハニカムパターンを形成した垂直壁90を備える。ハニカムパターンの領域は、垂直分離壁92によってダクト16b及び/又は15bから分離され得る。
【0141】
図13はまた、前方層10の全てを通って噴射方向Xに沿って延びるビア14、14’を示す。
【0142】
供給ダクトの垂直部分15bは、図14を参照して、サブ層10c内の供給ダクトの垂直部分15cに接続されている。
【0143】
図15に示されるように、サブ層10dは、隣接するノズルと相互接続した供給ダクトの水平部分15dを形成している。
【0144】
再び、サブ層10dは、支持構造8のものと同様のハニカムパターンを形成した垂直壁94を備え得る。ハニカムパターンの領域は、垂直分離壁96によってダクト15から分離され得る。
【0145】
図15はまた、前方層10の全てを通って噴射方向Xに沿って延びるビア14、14’を示す。
【0146】
図16は、裏地層12の高さの電気ビア14(及び14’)、供給ダクト15、並びに吸引ダクト16についての可能性のある配置を示す。インクダクト15、16の水平分配が、裏地層12の上方の前方層10において実装されるため、1つ又はいくつかの、電気ビア14の規則的なアレイの凸包96の外側に配置された、場合によっては、大きいインクダクトを通ってインクを供給することが可能であり、これは、裏地層12の設計を簡略化し、すなわち、インクダクトは、凸包96内で裏地層12を通って延びない設計である。
【0147】
サブ層10b及び/又は10d内でハニカム構造を使用する代わりに、例えば、ガラスの中実層が使用され得る。
【0148】
ハニカム多層構造
上記から以下のように、ここで示される印刷ヘッドは好ましくは、1つ以上のハニカム多層構造を使用する。1つの当該多層構造109は、図18図19に示されている。それは、底層110と、上層112と、底層110と上層102との間の少なくとも1つの中間層114と、を有する。中間層114は、底層110と上層112との間で延びる壁116を形成している。これらの壁は、底層110と上層112との間の中間層114で複数のキャビティ118の壁の少なくとも一部を形成している。
【0149】
壁114は好ましくは、ハニカムパターンを形成している。
【0150】
特に、底層110若しくは上層112が、中間層114とは異なる材料である場合、及び/又はそれが、中間層114とは異なる材料である別の層の近くに若しくは隣接して配置されている場合、当該構造は、機械的応力を低減することが見出されている。
【0151】
上記の例における当該ハニカム多層構造の例は、以下の通りである。
図2図11図12において:前方層10又はサブ層10aは、「底層」110であり、支持構造8の層80は、「上層」112であり、それらの間の壁76は、「中間層」114を形成している。
【0152】
図2図11図12において:支持構造の層80は、「底層」110であり、支持構造8の層82は、「上層」112であり、それらの間の壁76は、「中間層」114を形成している。
【0153】
図2図11図12において:支持構造の層82は、「底層」110であり、支持構造8の層84は、「上層」102であり、それらの間の壁76は、「中間層」114を形成している。
【0154】
図12図13において:サブ層10cは、「底層」110であり、サブ層10aは、「上層」112であり、それらの間のサブ層10bの壁90は、「中間層」114を形成している。
【0155】
図12図15において:裏地層12は、「底層」110であり、サブ層10cは、「上層」112であり、それらの間のサブ層10dの壁94は、「中間層」114を形成している。
【0156】
最初の3つの例では、支持構造8は少なくとも、多層構造の中間層114を備える。
【0157】
最後の2つの例では、ノズルキャリア6は少なくとも、多層構造の中間層114を備える。
【0158】
中間層114の厚さt(図18参照)が比較的大きい場合、多層構造によって達成される応力低減は、特に明らかである。好ましくは、厚さtは、1μmよりも大きく、特に、10μmよりも大きい。
【0159】
好ましくは、中間層114は、例えば、構造化後のSU-8層から形成されたポリマー層である。このタイプの層は、容易に製造及び構造化され得(以下の製造情報を参照)、示されるような多層構造においてそれを使用する場合、当該材料の中実層と比較して応力を低減する。
【0160】
したがって、好ましくは、印刷ヘッドは、中間層とは異なる材料の少なくとも1つの層、特に、半導体又はガラスの層を備える。
【0161】
キャビティ118は好ましくは、閉キャビティである、すなわち、キャビティ118は、図15及び図13のインクダクト部分15b又は16dの一部も形成しておらず、キャビティ118は、周囲の雰囲気と通じてもいない。
【0162】
壁116が、規則的な繰り返しパターンを形成している場合、均一性が向上し、応力は更に減少し得る。
【0163】
好ましくは、壁116は、キャビティの最小直径Mの25%未満の厚さmを有する(図19参照)。これは、中間層において中実材料が低含有量であることにつながり、更に機械的応力を低減する。本文脈では、厚さmは、壁116の面に対して垂直な壁116の広がりである。キャビティの直径Mは、底層及び上層110、114に対して平行な方向におけるキャビティ118の広がりである。
【0164】
歪みを最適に除去するために、キャビティ118の最小直径Mは好ましくは、中間層114の厚さtよりも大きい、すなわちM>tである。中間層114を通って延びるキャビティが小さいほど、中間層において、より高い機械的応力が生成される。
【0165】
壁116は好ましくは、底層110及び上層112に対して垂直に延びている。これは、層に対して垂直に作用する力に対する機械的安定性を向上させるだけでなく、異方性材料除去技術によって、特に光活性ポリマーのフォトリソグラフィによって壁を形成することも可能にする。
【0166】
多層構造の上層及び底層は互いに平行であることに留意されたい。
【0167】
閉キャビティ118は、インクダクトと通じていない、すなわち、閉キャビティ118は、印刷ヘッドを通るインクをガイドするために使用されていない。印刷ヘッドが換気ダクトを有する場合、閉キャビティ118は、これらの換気ダクトと通じてもいない。
【0168】
閉キャビティ118は、空気で満たされ得る。代替的に、閉キャビティ118は、排気され得る。又は、閉キャビティ118は、窒素などの気体で満たされ得る。好ましくは、閉キャビティ118は、SF又はCなどの高い降伏電圧を有する気体で満たされ得る。気体は、所望の気体組成を有する作業空間内でそれぞれの製造ステップ(以下参照)を実行することによって導入され得る。
【0169】
電極設計
印刷ヘッドは、最小の構造的損傷で、操作中に生じる高電界に耐えるように設計されている。
【0170】
このために、電極38、40、42は、キャビティとの境界をなす中実の誘電体層80a、80b、82a、82b、84a、84b間に配置されている。図示された実施形態では、当該キャビティは、例えば、電極キャリア層80、82、84の下方のキャビティ71、71’、71’’によって、及び/又は壁116によって形成されたキャビティ118によって形成されている。
【0171】
キャビティの少なくとも一部は、閉キャビティであり得る(すなわち、キャビティ118のように、全てのサイドにおいて壁によって囲まれている)。
【0172】
キャビティの少なくとも一部は、開キャビティ、特に、上記の実施形態のキャビティ71、71’、71’’などの、ノズル4の出口通路5に隣接して通じるキャビティであり得る。
【0173】
当該設計では、電極の周囲の中実の誘電体層は通常、キャビティ内の気体よりも高い場に耐えることができ、より高い比誘電率εも有し、したがって、全体の破壊を防ぐ。同時に、固定された分子又は原子構造がキャビティ内に存在しないため、キャビティは、大きい電界によってもたらされる永久損傷を受けにくい。したがって、本設計は、長期間の操作中であっても電極の電界の効果に耐える印刷ヘッドの能力を向上させる。
【0174】
ここで図示される実施形態で分かるように、隣接する電極キャリア層80、82、84間で垂直に延びる中実の支持構造、例えば壁76及び78が存在する。しかしながら、好ましくは、隣接する電極間で直接的に延びる当該中実の支持構造は存在しない。換言すれば、2つの隣接する電極間で延びる任意の直線は、キャビティ71、71’、71’’、又は118のうちの少なくとも1つを通って延びている。この条件は、印刷ヘッドの隣接する電極の一部、又は特に全てが、操作時に、実質的に異なる電位、特に少なくとも100Vの電圧分異なる電位を伴う場合に満たされるべきである。
【0175】
この条件は、例えば、図7の接触リード38bの位置で、電極間で垂直に延びるように中実の支持構造を配置せず、及び/又は支持構造の部分を局所的に除去することによって満たされ得る。
【0176】
更に別の実施形態では、電界の強度は、電極間にキャビティが設けられていない位置で電気トラックを非常に狭く設計することによって低減され得る。その場合、トラックは好ましくは、壁構造76、78の高さの半分以下の幅である。例えば、壁構造が5μmの高さを有する場合、トラックは、2.5μm以下の幅になるべきである。
【0177】
好ましくは、電極と、隣の(すなわち、最も近い)支持構造との間の横のオフセットは、2つの隣接する電極のうちの少なくとも一方について、2つの隣接する電極間の垂直距離の少なくとも25%になるべきである。
【0178】
好ましくは、電極を保護する誘電体層のうちの少なくとも1つは、高い比誘電率εを有する。したがって、その中で場が弱くなっており、主要な電圧降下は、より低い誘電率の層、特にキャビティにシフトする。これにより、構造を電気絶縁破壊からよりいっそう充分に保護することができる。
【0179】
これに関連して、高い比誘電率εは好ましくは、少なくとも5である。好適な材料は、例えば、(9.5~10.5の比誘電率εを有する)Si又は(9.3~11.5のεを有する)Alである。
【0180】
好ましくは、図20に示されるように、いくつかの誘電体層は、キャビティ120と電極122との間に設けられている。(図20のキャビティ120は、例えば、上記の例のキャビティ118又は71、71’、71’’を表し、電極122は、上記の例の電極38、40、42のうちの1つ、特に噴射電極38を表す。
【0181】
図示された実施形態では、電極122は、第1の誘電体層124a、124bによって囲まれており、次いで、第1の誘電体層124a、124bは、第2の誘電体層126によって囲まれている。
【0182】
第1の誘電体層124a、124bは好ましくは、例えばパターン化SU-8(以下の製造プロセスを参照)で構成されたポリマー層である。当該ポリマー層は、例えば、2.5~3.0の低い比誘電率を有する。それは、例えば、上述の電極キャリア層80、82、84のサブ層80a、80b、82a、82b、84a、84bに対応し、少なくとも部分的に、積層技術(以下を参照)を使用して製造され得る。
【0183】
第2の誘電体層126は、第1の誘電体層124a、124bよりも高い電気絶縁破壊の閾値を有する無機層である。それは好ましくは、第1の誘電体層124a、124bよりも高い、特に2倍の比誘電率を有する。それは、例えば、上述の理由でSi又はAlであり得る。それは、2つの電極間の全ての構成要素の最高の破壊抵抗を有し、通常、電気絶縁破壊を防ぐ。
【0184】
電極122と第2の誘電体層126との間に第1の誘電体層124a、124bを配置することは、例えば、電極122のエッジにおけるピーク電界強度が第1の誘電体層内にあり、したがって、破壊を防ぐ第2の誘電体層126の能力を増大させるという利点を有する。
【0185】
したがって、好ましい実施形態では、キャビティ120の少なくとも一部は、印刷ヘッドの幾つかの異なる電極間、又は印刷ヘッドの電極と印刷ヘッドのインク保持部66との間に配置されている。
【0186】
好ましくは、異なる電極38、40、42、122は、1つ以上の中実の誘電体層124a、124b、126によってキャビティ又はキャビティ(複数)120から分離されている。
【0187】
特に、1つ以上の中実の誘電体層124a、124b、126は好ましくは、ポリマー層124a、124及び/又は無機層126を備える。好ましくは、ポリマー層124a、124は、電極122と無機層126との間に配置されている。
【0188】
印刷ヘッドの操作
操作時、すなわち印刷中、インクは、供給ダクト15によって印刷ヘッドに供給される。このインクは、ノズル4とインク保持部66との間の領域64に制限される。
【0189】
インク液滴を噴射するために、(インクの電圧に対する)所望の噴射電極における電圧を一時的に増加させる。例えば、400Vの電圧パルスが生成され得る。印刷していない間、噴射電極における電圧は、インクが噴射されていないレベルに維持される。好ましくは、それは、ゼロではないが、例えば、200Vである。
【0190】
上述のように、インク保持部66における電界は好ましくは、低く、例えば、ノズルの前方端70における電界の強度の50%未満、特に10%未満に維持される。高い電界強度はインクの表面張力を低減するため、この手順は、インクがインク保持部を濡らしてそこを横断する傾向を低減する。
【0191】
吸引ダクト16は、存在する場合、インクをノズルから回収するために使用される。好ましくは、印刷方法は、以下のステップを含む。
-ノズルキャリア6内の供給ダクト15を使用して、ノズルにインクを個々に供給するステップ、及び
-ノズルキャリア6内の吸引ダクト16を使用して、ノズルからインクを個々に吸引するステップ。
【0192】
これにより、ノズルにおいて、新鮮なインクの貯留を維持することができる。
【0193】
操作時、所与のノズルにおける吸引ダクト16の端の圧力pxは好ましくは、図2の高さ64bなどでインク保持部66にインクを近づけないように維持される。好ましくは、pxは、空気が吸引ダクト16内に吸引されるのを防ぐために低すぎるべきではない。好適な圧力は、環状ダクト62の径方向の幅wから計算され得る。w=5μm及び水の表面張力を有するインクについて、ヤング・ラプラスの式は、144ミリバール(約14.4kPa)の圧力差dpをもたらす。アルカンの表面張力を有する液体について、圧力差dpは、40ミリバール(約4kPa)である。したがって、圧力pxを、周囲の圧力よりもdp以下で低く維持することによって、面64bが維持され得、空気が吸引されない。
【0194】
環状ダクト62の代わりに、例えば、5μmの直径のいくつかの円形開口が使用される場合、dpは2倍の大きさになる。
【0195】
周囲の圧力とpxとの間の差がdp未満である場合、液体の高さは、例えば、図2の線64aに上昇する。そこにおいて、曲率は、線64bよりもはるかに低い。簡略化した例で、曲率が10倍低いと仮定すると、対応する圧力差は、(水について)14ミリバール(約1.4kPa)である。したがって、例えば、圧力pxを、大気圧よりも50ミリバール(約5kPa)低く維持することによって、インクが線64aの高さと同じくらいの高さに達するのを防ぐことができる。
【0196】
一方、所与のノズルにおける供給ダクト15の端の圧力pyは、ノズルを通る所望のインク流を維持するように調整され得る。また、上述のように、出口ダクト56及び60を通るインク流は、これらのダクトにおいて好適な直径を選択することによって調整され得る。
【0197】
更に別の実施形態では、吸引ダクト16の端部分16aにおける(周囲の圧力よりも低い)圧力差は、より低い高さ64bにおけるdpよりも大きくなるように選択され得る。したがって、空気が吸引ダクト16内に吸引される。
【0198】
その場合、吸引ダクト16を通って戻るインクが再利用されるとき、インクが再循環ポンプ18に供給される前にインク及び空気を分離するために分離デバイスが使用され得る。
【0199】
製造
本印刷ヘッドは、例えば、特許文献2~4に記載されるような、例えば半導体製造及びパッケージングから既知であるような技術を使用して製造され得る。
【0200】
好ましくは、印刷ヘッドの層の少なくとも一部、特に、図18図19のタイプのそこで使用される多層構造の中間層114は、ポリマー層である。
【0201】
当該多層構造の製造は好ましくは、以下のステップを含む。
1.底層110を設けるステップ。これは、例えば、前の製造ステップによって形成された上層であり得る。
【0202】
2.底層110の上に材料層を加えるステップ。この材料層は、中間層114を形成する。
【0203】
3.材料層の上方で上層112を加えるステップ。
【0204】
ステップ2及び3において堆積される材料層は、ラミネーション、スピンコーティング、スパッタリング、又は蒸着などの様々な技術を使用して加えられ得る。
【0205】
特に、上層112を加えるのにラミネーションが特に好ましい。ラミネーションでは、層は、シート材料として加えられ、例えば、熱及び圧力を使用して、下にある構造に接続される。これにより、容易にキャビティを架橋することができ、及び/又は張り出し構造を作ることができる。
【0206】
ステップ2の材料層は好ましくは、SU-8などのフォトレジストであり、これにより、容易に当該材料層を構造化することができる。この場合、ステップ2は、少なくとも以下のサブステップを含む。
2a:マスクを通じてコリメート光で材料層を照射し、それによって、材料層において照射領域及び非照射領域を定めるサブステップ。
【0207】
2b:ポジティブ又はネガティブのフォトレジストが使用されるかに応じて、材料層から照射領域又は非照射領域を選択的に除去するサブステップ。
【0208】
代替的に、上層112はまた、中実の材料、例えばガラスウェハから形成され得、当該材料は、例えば、接着結合、融合結合、共晶結合などによって中間層114に結合される。
【0209】
無機誘電体層126(図20)は、例えば、ポリマー誘電体層124a、124b上にそれを堆積させる原子層堆積プロセスによって製造され得る。
【0210】
注記
これまでに図示された実施形態のほとんどでは、各ノズルは、インクがノズルから流れ得る制限エリアを定めるインク保持部によって囲まれている。
【0211】
例において、各ノズルは、それ自身のインク保持部によって囲まれている。代替的に、いくつかのノズルは、共通のインク保持部によって囲まれ得る、すなわち、1つのインク保持部は、いくつかのノズルを囲み得る。
【0212】
代替的に、又はそれに加えて、支持構造8の各支持要素は、インク保持部によって囲まれ得、当該インク保持部は、支持要素の周囲でインク無エリアを定め、インクが支持要素に達するのを防ぐ。これは特に、支持要素が個々の孤立した柱を形成しているときに好ましい場合がある。
【0213】
上記で図示された実施形態で分かるように、ガード電極42は好ましくは、ノズルの軸線に近い。これは、例として、図12に示されている。
【0214】
ここで、噴射方向Xに沿って延びるノズル4の中心軸線100は、破線で示されている。x1は、ガード電極42とノズル軸線100との間の距離である。x2は、インク保持部66とノズル軸線100との間の距離である。x3は、最も近い支持要素78とノズル軸線100との間の距離であり、支持要素78は、ノズルキャリア6に隣接した要素である。
【0215】
以下の関係が好ましい。
x1<x2、特にx1<0.8・x2:ノズル軸線100に対してインク保持部66よりも近くにガード電極42を配置することによって、インク保持部66のより充分な遮蔽が達成される。
【0216】
x1<x3、特にx1<0.8・x3、特にx1<0.5・x3:再び、最も近い支持要素78を、ガード電極42よりも軸線100から更に遠くに配置することによって、支持要素も同様に遮蔽される。
【0217】
それに加えて、又は代替的に、差x2-x1は好ましくは、ガード電極42とインク保持部66との間の垂直距離d’の少なくとも50%である。
【0218】
特に、x3は、少なくとも1μm分、特に、少なくとも5μm分、x2よりも大きくなるべきである。
【0219】
したがって、単独で又は任意の組合せで以下の関係が好ましい。
-ガード電極42とノズル軸線100との間の距離x1は、インク保持部66とノズル軸線100との間の距離x2よりも小さい。
【0220】
-ガード電極42とノズル軸線100との間の距離x1は、軸線100と、ノズル軸線100に最も近い、ノズルキャリア6に隣接した支持要素78との間の距離x3よりも小さい。
【0221】
-(ガード電極42とノズル軸線100との間の距離x1と、インク保持部66とノズル軸線100との間の距離x2との間の)差x2-x1は、ガード電極42とインク保持部66との間の垂直距離の少なくとも50%である。
【0222】
-(軸線100と、ノズルキャリア6に隣接した支持要素78との間の)距離x3は、インク保持部66とノズル軸線100との間の距離x2よりも少なくとも1μm分、特に、少なくとも5μm分大きい。
【0223】
-(ガード電極42とノズル軸線100との間の距離x1と、インク保持部66とノズル軸線100との間の距離x2との間の)差x2-x1は好ましくは、ガード電極42とインク保持部66との間の垂直距離の少なくとも50%である。
【0224】
述べられているように、印刷ヘッドはまた、印刷ヘッドとターゲットとの間の領域に気体を供給し、及び/又は上記領域から気体を回収するための気体ダクトを備え得る。当該気体ダクト供給はまた、図13及び図15に示されるインクダクトと同様に、例えば、前方層10及び/又は裏地層12及び/又は介在層32において、相互接続部分などの水平部分を備え得る。
【0225】
これまでに記載された実施形態では、3つの異なる垂直高さにおける3つの電極、すなわち、噴射電極、ガード電極、及び遮蔽電極が述べられている。しかしながら、以下のような他の電極も存在し得ることに留意されたい。
-電極は、インクの電位を定めるために、ノズルキャリア6において、例えば、供給ダクト15及び/若しくは吸引ダクト16に、並びに/又はノズル及び/若しくはインク保持部に設けられ得る。当該電極は、例えば、インクを、ガード電極42と同様の又は同じ電位に維持することを可能にする。好ましくは、当該電極は、プラチナ及び/又は金である。
【0226】
-(例えば、図2の噴射電極38と遮蔽電極40との間の)更なる電極は、異なるサイズのノズルが印刷ヘッドに存在する場合に設けられ得る。これは特に、噴射電極とノズルとの間の距離が、遮蔽電極と噴射電極との間の距離よりも著しく小さいノズルについて有用である。
【0227】
本発明の現在の好ましい実施形態が図示され記載されているが、本発明は、それに限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲内において他の方法で種々、具現化及び実施され得ることを明確に理解されるべきである。
なお、本発明の実施態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
電気流体力学的印刷ヘッドであって、
ノズルキャリア(6)と、
前記ノズルキャリア(6)上に配置された複数のノズル(4)と、
前記ノズル(4)に対応付けられており、前記ノズル(4)の前側に配置された、複数の噴射電極(38)と、
を備え、
前記印刷ヘッドは、底層(110)、上層(112)、及び前記底層(110)と前記上層(112)との間の少なくとも1つの中間層(114)を有する少なくとも1つの多層構造(109)を備え、前記中間層(114)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間で延びる壁(116)を形成しており、
複数のキャビティ(118、120)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間の前記中間層(114)に配置されている、電気流体力学的印刷ヘッド。
[態様2]
前記キャビティ(118)の少なくとも一部、特に、前記キャビティ(118)の大多数は、閉キャビティである、態様1に記載の印刷ヘッド。
[態様3]
前記キャビティ(118)の少なくとも一部は、繰り返しの規則的なパターンを形成している、態様1~2のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様4]
前記壁(116)は、前記底層(110)と前記上層(112)との間でハニカム構造を形成している、態様1~3のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様5]
前記壁(116)は、前記キャビティ(118)の最小直径(M)の25%未満の厚さ(M)を有する、態様1~4のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様6]
前記キャビティ(118)の最小直径(M)は、前記中間層(114)の厚さ(t)よりも大きい、態様1~5のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様7]
前記壁(116)は、前記底層(110)及び前記上層(112)に対して垂直に延びている、態様1~6のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様8]
前記キャビティ(71、71’、71’’、120)の少なくとも一部は、前記ノズル(4)に配置された出口通路(5)と通じていて隣接している、態様1~7のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様9]
前記キャビティ(71)の少なくとも一部は、前記印刷ヘッドの異なる電極(38、40、42、122)間に配置されており、
特に、2つの隣接する電極(38、40、42、122)間で延びる任意の直線は、前記キャビティ(71、71’、71’’)のうちの少なくとも1つを通って延びている、態様1~8のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様10]
前記キャビティ(71’、71’’)の少なくとも一部は、前記印刷ヘッドの電極(38、42、122)と、前記印刷ヘッドのインク保持部(66)との間に配置されている、態様1~9のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様11]
前記異なる電極(38、40、42、122)は、1つ以上の中実の誘電体層(124a、124b、126)によって前記キャビティ又はキャビティ(複数)(118、120)から分離されている、態様9又は10のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様12]
前記電極(38、40、42、122)は、前記多層構造(109)の前記底層(110)及び/又は前記上層(112)に取り付けられている、態様10又は11のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様13]
前記電極(38、40、42、122)は、前記多層構造(109)の前記底層(110)及び/又は前記上層(112)内に埋め込まれており、前記底層(110)及び/又は上層(112)は、底側及び上側から前記電極(38、40、42、122)を覆う誘電体中実層を形成している、態様12に記載の印刷ヘッド。
[態様14]
前記1つ以上の中実の誘電体層(124a、124b、126)は、ポリマー層(124a、124b)及び/又は無機層(126)を備え、特に、前記ポリマー層(124a、124)は、前記電極(122)と前記無機層(126)との間に配置されている、態様11~13のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様15]
前記噴射電極(38)の後ろの高さに配置されたガード電極(42)を更に備え、前記キャビティ(71’)の少なくとも一部は、前記噴射電極(38)のうちの少なくとも1つと、前記ガード電極(42)のうちの少なくとも1つとの間に配置されている、態様10~14のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様16]
前記噴射電極(38)の前方の高さに配置された少なくとも1つの遮蔽電極(40)を更に備え、前記キャビティ(71’’)の少なくとも一部は、前記噴射電極(38)のうちの少なくとも1つと、前記遮蔽電極(42)との間に配置されている、態様10~15のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様17]
前記ノズルキャリア(6)は少なくとも、前記多層構造(109)の前記中間層(114)を備える、態様1~16のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様18]
前記ノズルキャリア(6)は、
-前方層(10)であって、前記ノズル(4)は、前記前方層(10)の前方側(36)に取り付けられている、前記前方層(10)と、
-前記前方層(10)の後方側に配置された裏地層(12)と、
-前記噴射電極(38)に接続されており、前記前方層(10)及び前記裏地層(12)を通って延びる、電気ビア(14)と、
-前記前方層(10)に配置されたインク供給ダクト(15、16)と、
を備え、
前記前方層(10)は少なくとも、前記中間層(114)を備え、
特に、前記インクダクト(15、16)に通じていない閉キャビティ(118)が存在する、態様1~17のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様19]
前記ノズルキャリア(6)上で前記噴射電極(38)を支持する支持構造(8)を更に備え、前記支持構造(8)は、前記ノズル(4)間に配置された複数の支持要素(76、78)を備え、
前記支持構造(8)は少なくとも、前記多層構造(109)の前記中間層(114)を備える、態様1~18のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様20]
前記ノズル(4)と前記支持要素(76、78)との間に配置された複数のインク保持部(66)を更に備え、前記印刷ヘッドの噴射方向(X)に沿って、前記インク保持部(66)の前方面(68)は、前記ノズル(4)の前方端(70)の後ろの高さに配置されている、態様19に記載の印刷ヘッド。
[態様21]
前記中間層(114)の厚さ(t)は、少なくとも1μm、特に少なくとも10μmである、態様1~20のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様22]
前記中間層(114)は、ポリマー層である、態様1~21のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様23]
前記中間層(114)とは異なる材料の少なくとも1つの材料層、特に、半導体又はガラス層を備える、態様1~22のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッド。
[態様24]
態様1~23のうちいずれかの態様に記載の印刷ヘッドを製造する方法であって、
前記底層(110)の上に材料層を加えるステップと、
前記キャビティ(118)を形成する前記材料層の一部を除去するステップと、
前記材料層の上方で前記上層(112)を加えるステップと、
を含む、方法。
[態様25]
前記材料層は、フォトレジスト、特にSU-8であり、前記方法は、
マスクを通じてコリメート光で前記材料層を照射し、前記照射によって、前記材料層において照射領域及び非照射領域を定めるステップと、
前記材料層から前記照射領域又は前記非照射領域を選択的に除去するステップと、
を含む、態様24に記載の方法。
[態様26]
ラミネーションを使用して前記材料層の上方で前記上層(112)を加えるステップを含む、態様24又は25のうちいずれかの態様に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
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図20
図21