(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】人工知能を利用した細胞判別方法および装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20250107BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20250107BHJP
C12N 5/071 20100101ALI20250107BHJP
C12N 5/078 20100101ALI20250107BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20250107BHJP
C12Q 1/04 20060101ALI20250107BHJP
C12N 5/073 20100101ALI20250107BHJP
C12N 5/0797 20100101ALI20250107BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20250107BHJP
C12N 5/077 20100101ALN20250107BHJP
【FI】
G06T7/00 630
C12N1/00 B
C12N5/071
C12N5/078
C12M1/34 D
C12Q1/04
C12N5/073
C12N5/0797
C12N5/0783
C12N5/077
(21)【出願番号】P 2023573002
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2022016153
(87)【国際公開番号】W WO2023075310
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0142481
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0135609
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518107501
【氏名又は名称】コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145,Anam-ro,Seongbuk-gu,Seoul,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソンフェ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンジェ
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特許第5167442(JP,B2)
【文献】国際公開第2020/148964(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/261555(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/101004(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00-19/20
C12N 1/00
C12N 5/071
C12N 5/078
C12M 1/34
C12Q 1/04
C12N 5/073
C12N 5/0797
C12N 5/0783
C12N 5/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞イメージが入力される入力ステップ;および
ディープラーニングに基づく判別モデルを利用して、前記細胞イメージが多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別ステップ;を含み、
前記判別ステップは、
前記細胞イメージ内で第1特徴を抽出するステップ;
前記細胞イメージ内で第2特徴を抽出するステップ;および
抽出された前記第1特徴および前記第2特徴に基づいて、前記細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるステップ;を
含み、
前記判別モデルは、
前記細胞イメージに対して、前記第1特徴を抽出するための第1ニューラルネットワーク;
前記細胞イメージに対して、前記第2特徴を抽出するための第2ニューラルネットワーク;および
抽出された前記第1特徴および前記第2特徴に基づいて、入力された細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるための完全連結層;を含
み、
前記培養条件は、細胞特性を維持するためのメディアを含む培養条件、細胞分化を誘導するためのメディアを含む培養条件、および細胞特性を維持するためのメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含む、ことを特徴とする人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項2】
前記細胞イメージは、細胞培養後に、1時間~1時間30分、3時間~3時間30分、6時間~6時間30分、12時間~12時間30分、および24時間~24時間30分の時間帯のいずれか一つ以上で撮影装置によって獲得する、ことを特徴とする請求項1に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項3】
前記第1ニューラルネットワークは、1個の畳み込み層および1個のプーリング層に形成された浅い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現され、
前記第2ニューラルネットワークは、4個の畳み込み層で形成された深い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現される、ことを特徴とする請求項1に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項4】
前記多様な細胞種類は、幹細胞株、ヒト皮膚線維芽細胞、上皮細胞株、および兔疫細胞株のいずれか一つ以上を含む動物細胞およびヒト細胞を含み、
前記多様な培養条件は、各細胞株ごとに相異する、ことを特徴とする請求項1に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項5】
前記幹細胞株は、マウス胚芽幹細胞、マウス逆分化幹細胞、ヒト胚芽幹細胞、ヒト逆分化幹細胞、ヒト神経幹細胞、ヒト毛包幹細胞、ヒト間葉系幹細胞、およびヒト線維芽細胞のいずれか一つ以上を含み、
前記上皮細胞株は、ヒト表皮角
化(HaCaT)
細胞を含み、
前記兔疫細胞株は、T細胞を含み、
前記ヒト神経幹細胞は、ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞またはヒト脳-由来神経幹細胞を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項6】
前記マウス胚芽幹細胞は、
前記細胞特性を維持するためのメディアであるLIF(leukaemia inhibitory factor)メディアを含む培養条件、
前記細胞分化を誘導するためのメディアであるITS(Insulin-transferrin-selenium supplement)メディアを含む培養条件、および
LIFメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記マウス逆分化幹細胞の培養条件は、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン(thiazovivin)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、およびLIFメディアを含む培養条件、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、および
ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト胚芽幹細胞または前記ヒト逆分化幹細胞は、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを含む培養条件、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸およびLIFメディアを除去した培養条件、および
ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞は、
DMEM/F12、N2、B27、bFGF、EGF、チアゾビビン、バルプロ酸(Valproic acid)、パルモルファミン(Purmorphamine)、A8301、SB431542、CHIR99021、DZNep(Deazaneplanocin A)、および5-AZA(Azacitidine)を含む培養条件、
DMEM/F12、N2、B27、bFGF、およびEGFを含む培養条件、および
DMEM/F12およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト脳-由来神経幹細胞は、
基礎培地(Basal medium)、誘導神経幹細胞成長補充物(Induced neural stem cell growth supplement)および抗生剤(Antibiotics)を含む培養条件、
基礎培地および抗生剤を含む培養条件、
基礎培地、抗生剤、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト毛包幹細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件、および
DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト間葉系幹細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、NEAA、およびPen/Strepが含まれた培養条件、
DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト線維芽細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、およびNEAAが含まれた培養条件を含み、
前記
ヒト表皮角化(HaCaT
)細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件を含み、
前記T細胞は、RPMI1640メディアにPen/Strep、β-メルカプトエタノール、およびL-グルタミンが含まれた培養条件を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項7】
前記判別モデルは、
イメージ学習のためのデータセットを含み、前記データセットは、各1,000個、1,500個、2,000個の訓練イメージセット、800個の検証イメージセット、および100個のテストイメージセットを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項8】
前記判別モデルは、2,000個の訓練イメージセットを採択する、ことを特徴とする請求項6に記載の人工知能を利用した細胞判別方法。
【請求項9】
細胞イメージが入力される入力部;
ディープラーニングに基づく判別モデルを利用して、前記細胞イメージが多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別部;および
前記判別部の判別結果を使用者端末に提供する出力部;を含み、
前記判別部は、
前記細胞イメージ内で第1特徴を抽出するステップ;
前記細胞イメージ内で第2特徴を抽出するステップ;および
前記抽出された第1特徴および第2特徴に基づいて前記細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるステップ;を通じて動作され、
前記判別モデルは、
前記細胞イメージに対して、前記第1特徴を抽出するための第1ニューラルネットワーク;
前記細胞イメージに対して、前記第2特徴を抽出するための第2ニューラルネットワーク;および
抽出された前記第1特徴および前記第2特徴に基づいて、入力された細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるための完全連結層;を含
み、
前記培養条件は、細胞特性を維持するためのメディアを含む培養条件、細胞分化を誘導するためのメディアを含む培養条件、および細胞特性を維持するためのメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含むことを特徴とする人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項10】
前記細胞イメージは、細胞培養後に、1時間~1時間30分、3時間~3時間30分、6時間~6時間30分、12時間~12時間30分、および24時間~24時間30分の時間帯のいずれか一つ以上で撮影装置によって獲得する、ことを特徴とする請求項9に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項11】
前記第1ニューラルネットワークは、1個の畳み込み層および1個のプーリング層で形成された浅い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現され、
前記第2ニューラルネットワークは、4個の畳み込み層で形成された深い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現される、ことを特徴とする請求項9に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項12】
前記多様な細胞種類は、幹細胞株、ヒト皮膚線維芽細胞、上皮細胞株、および兔疫細胞株のいずれか一つ以上を含む動物細胞およびヒト細胞を含み、
前記多様な培養条件は、各細胞株ごとに相異する、ことを特徴とする請求項9に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項13】
前記幹細胞株は、マウス胚芽幹細胞、マウス逆分化幹細胞、ヒト胚芽幹細胞、ヒト逆分化幹細胞、ヒト神経幹細胞、ヒト毛包幹細胞、ヒト間葉系幹細胞、およびヒト線維芽細胞のいずれか一つ以上を含み、
前記上皮細胞株は、ヒト表皮角
化(HaCaT)
細胞を含み、
前記兔疫細胞株は、T細胞を含み、
前記ヒト神経幹細胞は、ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞またはヒト脳-由来神経幹細胞を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項14】
前記マウス胚芽幹細胞は、
前記細胞特性を維持するためのメディアであるLIF(leukaemia inhibitory factor)メディアを含む培養条件、
前記細胞分化を誘導するためのメディアであるITS(Insulin-transferrin-selenium supplement)メディアを含む培養条件、
LIFメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記マウス逆分化幹細胞の培養条件は、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン(thiazovivin)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、およびLIFメディアを含む培養条件、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、
ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト胚芽幹細胞または前記ヒト逆分化幹細胞は、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを含む培養条件、
PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、
ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞は、
DMEM/F12、N2、B27、bFGF、EGF、チアゾビビン、バルプロ酸(Valproic acid)、パルモルファミン(Purmorphamine)、A8301、SB431542、CHIR99021、DZNep(Deazaneplanocin A)および5-AZA(Azacitidine)を含む培養条件、
DMEM/F12、N2、B27、bFGF、およびEGFを含む培養条件、
DMEM/F12、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト脳-由来神経幹細胞は、
基礎培地(Basal medium)、誘導神経幹細胞成長補充物(Induced neural stem cell growth supplement)、および抗生剤(Antibiotics)を含む培養条件、
基礎培地および抗生剤を含む培養条件、
基礎培地、抗生剤、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト毛包幹細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件、
DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト間葉系幹細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、NEAA、およびPen/Strepが含まれた培養条件、
DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、
前記ヒト線維芽細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、およびNEAAが含まれた培養条件を含み、
前記
ヒト表皮角化(HaCaT
)細胞は、
DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件を含み、
前記T細胞は、RPMI1640メディアにPen/Strep、β-メルカプトエタノール、およびL-グルタミンが含まれた培養条件を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項15】
前記判別モデルは、
イメージ学習のためのデータセットを含み、前記データセットは、各1,000個、1,500個、2,000個の訓練イメージセット、800個の検証イメージセット、および100個のテストイメージセットを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【請求項16】
前記判別モデルは、2,000個の訓練イメージセットを採択する、ことを特徴とする請求項15に記載の人工知能を利用した細胞判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能を利用した細胞判別方法および装置に関し、より詳しくは、多様な種類の細胞を多様な種類の培地で培養する場合、初期に変化する細胞の微細な形態(morphology)を学習して細胞イメージのみを観察することによって、その細胞の固有特性を区別して判断することができる人工知能を利用した細胞分析方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞培養は、分子生物学を含めた生物学研究において重要な技術であり、人体疾病の診断または治療などの目的で特定細胞を培養することを意味する。最近、医薬品の生産や遺伝子の治療、再生医療、免疫療法などの分野で細胞や組職など(これらを包括して「細胞」と称する)を効率的に大量培養することが要求されている。特に幹細胞(stem cell)の場合、バイオ生命分野で最も活発に研究される主題であり、環境と刺激によって特定の機能を有する細胞に分化されるため、作用メカニズムや誘導方法を見つけるために、細胞培養過程で細胞分化過程を分析追跡することが必須的に求められている。
【0003】
細胞培養および分化実験を行う間に、研究者は細胞が本来の所望の形態や特性で培養または分化されているか否かを確認しなければならないが、人の肉眼で微細な細胞変化を完璧に把握することはほとんど不可能であり、細胞の分化過程で分化実験が成功したか否かを判断することにも限界がある。
【0004】
そこで、本発明者は、追加装備なしに細胞イメージだけで細胞の特性を決めるために鋭意努力した結果、人工知能ディープラーニングの畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、以下CNNともする)を利用して、微細な細胞変化を分析する場合、高い正確度で細胞の特性を分析することができるということを確認して、本発明を完成した。
【0005】
本背景技術の部分に記載された前記情報は、ただ本発明の背景に対する理解を向上させるためのものであり、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者において既に知られた先行技術を形成する情報を含まないこともある。
【0006】
(特許文献1)KR10-2084683 B1(人工ニューラルネットワークを利用した細胞映像分析方法および細胞映像処理装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は上記問題を解決するために案出されたもので、幹細胞などを含む多様な細胞に多様な培養条件を適用して、時間帯別に変化する細胞イメージを獲得し、ディープラーニングに基づく畳み込みニューラルネットワークを利用して事前学習および保存管理することによって、細胞の維持培養や分化を誘導する過程で、各時間帯別に細胞特性を区別して判断することができる人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法および装置を提供することを一つの目的とする。
【0008】
本発明の他の目的および長所は、以下に説明され、本発明の実施形態によって理解し得るはずである。また、本発明の目的および長所は、特許請求範囲に示した手段および組合によって実現されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達するために、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法は、細胞イメージが入力される入力ステップ;およびディープラーニングに基づく判別モデルを利用して、前記細胞イメージが多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別ステップを含み、前記判別ステップは、前記細胞イメージ内で第1特徴を抽出するステップ;前記細胞イメージ内で第2特徴を抽出するステップ;および前記抽出された第1特徴および第2特徴に基づいて、前記細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるステップ;を含み、前記判別モデルは、前記細胞イメージに対して、前記第1特徴を抽出するための第1ニューラルネットワーク;前記細胞イメージに対して、前記第2特徴を抽出するための第2ニューラルネットワーク;および抽出された前記第1特徴および前記第2特徴に基づいて入力された細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるための完全連結層;を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記細胞イメージは、細胞培養後に、1時間~1時間30分、3時間~3時間30分、6時間~6時間30分、12時間~12時間30分、および24時間~24時間30分の時間帯のいずれか一つ以上で撮影装置によって獲得することができる。
【0011】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記第1ニューラルネットワークは、1個の畳み込み層および1個のプーリング層で形成された浅い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現され、前記第2ニューラルネットワークは、4個の畳み込み層で形成された深い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現されることができる。
【0012】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記多様な細胞種類は、幹細胞株、ヒト皮膚線維芽細胞株、上皮細胞株、および兔疫細胞株のいずれか一つ以上を含む動物細胞、およびヒト細胞を含み、前記多様な培養条件は、各細胞株ごとに相異してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記幹細胞株は、マウス胚芽幹細胞、マウス逆分化幹細胞、ヒト胚芽幹細胞、ヒト逆分化幹細胞、ヒト神経幹細胞、ヒト毛包幹細胞、ヒト間葉系幹細胞、およびヒト線維芽細胞のいずれか一つ以上を含み、前記上皮細胞株は、ヒト表皮角化細胞(HaCaT)を含み、前記兔疫細胞株は、T細胞を含み、前記ヒト神経幹細胞は、ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞またはヒト脳-由来神経幹細胞を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記マウス胚芽幹細胞は、LIF(leukaemia inhibitory factor)メディアを含む培養条件、ITS(Insulin-transferrin-selenium supplement)メディアを含む培養条件、LIFメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記マウス逆分化幹細胞の培養条件は、PD0325901、SB431542、チアゾビビン(thiazovivin)、アアスコルビン酸(ascorbic acid)、およびLIFメディアを含む培養条件、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アアスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト胚芽幹細胞または前記ヒト逆分化幹細胞は、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを含む培養条件、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞は、DMEM/F12、N2、B27、bFGF、EGF、チアゾビビン、バルプロ酸(Valproic acid)、パルモルファミン(Purmorphamine)、A8301、SB431542、CHIR99021、DZNep(Deazaneplanocin A)および5-AZA(Azacitidine)を含む培養条件、DMEM/F12、N2、B27、bFGF、およびEGFを含む培養条件、DMEM/F12およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト脳-由来神経幹細胞は、基礎培地(Basal medium)、誘導神経幹細胞成長補充物(Induced neural stem cell growth supplement)、および抗生剤(Antibiotics)を含む培養条件、基礎培地および抗生剤を含む培養条件、基礎培地、抗生剤、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト毛包幹細胞は、DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件、DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト間葉系幹細胞は、DMEMメディアに10%FBS、NEAA、およびPen/Strepが含まれた培養条件、DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含み、前記ヒト線維芽細胞は、DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、およびNEAAが含まれた培養条件を含み、前記HaCaT細胞は、DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件を含み、前記T細胞は、RPMI 1640メディアにPen/Strep、β-メルカプトエタノール、およびL-グルタミンを含む培養条件を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記判別モデルは、イメージ学習のためのデータセットを含み、前記データセットは、各1,000個、1,500個、2,000個の訓練イメージセットと、800個の検証イメージセットと、100個のテストイメージセットを含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記判別モデルは、2,000個の訓練イメージセットを採択することができる。
【0017】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別装置は、細胞イメージが入力される入力部;ディープラーニングに基づく判別モデルを利用して、前記細胞イメージが多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別部;および前記判別部の判別結果を使用者端末に提供する出力部;を含み、前記判別部は、前記細胞イメージ内で第1特徴を抽出するステップ;前記細胞イメージ内で第2特徴を抽出するステップ;および前記抽出された第1特徴および第2特徴に基づいて、前記細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるステップ;を通じて動作され、前記判別モデルは、前記細胞イメージに対して、前記細胞領域を抽出するための第1ニューラルネットワーク;前記細胞イメージに対して、前記細胞膜領域を抽出するための第2ニューラルネットワーク;および前記抽出された第1特徴および第2特徴に基づいて、前記入力された細胞イメージに対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるための完全連結層;を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
上記のように、本発明に係る人工知能を利用した細胞判別方法および装置によれば、幹細胞などを含む多様な細胞に多様な培養条件を適用して、時間帯別に変化する細胞イメージを獲得し、ディープラーニングに基づく畳み込みニューラルネットワークを利用して事前学習および保存管理することによって、細胞の維持培養や分化を誘導する過程で、各時間帯別に細胞特性を区別して判断することができるという効果を奏する。
【0019】
具体的には、次のような効果を奏することができる。
【0020】
第一に、細胞種類ごとに与えられた培養条件で培養される間に変化する細胞イメージを時間帯別に撮影しているので、今後の無人自動化細胞培養時に、細胞の特性を自動に把握して、細胞培養が本来の所望の形状や特性に培養されるか否かをモニタリングするのに活用性が非常に高いことがある。
【0021】
第二に、各研究室の研究者ごとに多様な細胞および多様な培養条件で実験を行う際において、CNN技術を活用して微細な細胞変化を感知することによって、一定で、かつ均一な細胞培養を提供し、既存の確立された細胞培養条件によって正確に細胞培養および分化実験が可能であり、これによって、今後の無人自動化細胞培養システムの構築による細胞培養に関する新しいバイオ市場を創出することができる。
【0022】
第三に、ディープラーニングに基づくモデル学習のために、Resnet50アルゴリズムを活用するので、モデル学習時間を減少させ、正確度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法を示したフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、時間帯別に獲得される細胞イメージを示した例示図である。
【
図3】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルの構造を示した例示図である。
【
図4】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決める過程を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図6】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図7】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図8】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図9】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図10】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図11】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図12】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図13】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図14】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図15】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図16】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図17】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図18】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図19】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図20】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図21】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図22】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図23】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図24】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図25】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図26】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図27】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図28】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図29】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、1,500個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図30】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図31】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図32】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図33】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図34】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図35】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図36】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図37】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図38】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図39】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図40】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図41】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図42】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図43】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図44】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図45】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図46】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図47】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
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図48】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図49】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図50】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図51】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図52】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図53】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図54】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図55】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図56】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図57】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図58】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図59】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図60】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図61】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図62】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図63】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図64】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図65】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図66】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図67】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図68】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図69】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図70】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図71】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図72】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図73】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図74】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図75】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図76】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図77】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図78】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図79】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して訓練した訓練結果を示したグラフであって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果である。
【
図80】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、訓練セット(train set)の訓練正確度を比較した結果を示したグラフである。
【
図81】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図82】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図83】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図84】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図85】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図86】本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)および再現率(Recall)を示したグラフである。
【
図87】本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別装置を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で用いられる用語について簡略に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0025】
本発明で用いられる用語は、本発明での機能を考慮してなるべく現在広く用いられる一般的な用語を選択したが、これは当該分野に携わる技術者の意図または判例、新しい技術の出現などによって異なってもよい。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、対応する発明の説明部分で詳しくその意味を記載する。したがって、本発明で用いられる用語は単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0026】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。また、明細書に記載された「部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの結合で具現されてもよい。また、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されていると言う時、これは、「直接連結」されている場合だけでなく、「その中間に他の構成を挟んで」連結されている場合も含む。
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施例を詳しく説明する。しかしながら、本発明は、様々な相違する形態に具現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0028】
以下、添付図面を参考して本発明を詳しく説明する。
【0029】
本発明の一実施形態として、人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法が提供されることができる。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法を示したフローチャートであり、
図2は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、時間帯別に獲得される細胞イメージを示した例示図であり、
図3は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルの構造を示した例示図であり、
図4は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決める過程を示したフローチャートである。
【0031】
まず、
図1を参照すると、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法は、細胞イメージ10が入力される入力ステップ(S100);およびディープラーニングに基づく判別モデル100を利用して、前記細胞イメージ10が多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別ステップ(S200);を含むことができる。
【0032】
本明細書において、前記細胞イメージ10は、細胞に対して光学顕微鏡などの撮影装置を利用して獲得されたイメージを指称する。前記撮影装置を通じて細胞イメージを撮影する方式には制限がない。
【0033】
前記細胞イメージ10は、細胞培養に予め決められた時間帯別に獲得することができる。
【0034】
例えば、前記細胞イメージ10は、細胞培養後に、1時間~1時間30分、3時間~3時間30分、6時間~6時間30分、12時間~12時間30分、および24時間~24時間30分の時間帯のいずれか一つ以上で撮影装置によって獲得されることができる。
【0035】
細胞培養において、細胞株ごとに異なるが、増殖する細胞形態の変化は最初に最も大きく、これによって、24時間~25時間以内、好ましくは、24時間以内に細胞イメージを獲得することが最も良い。
【0036】
図2を参照すると、前記細胞イメージ10は、細胞培養後に、最小時間単位、すなわち1時間、3時間、6時間、12時間、および24時間の時間帯別に獲得されていることが分かる。
【0037】
参考として、
図2は、マウス胚芽幹細胞(mouse embyonic stem cell:mES)のうちB6細胞を維持用LIF(leukaemia inhibitory factor)メディアと分化用ITS(Insulin-transferrin-selenium supplement)メディアでそれぞれ培養した後、1時間、3時間、6時間、12時間、および24時間の時間帯別に獲得した細胞イメージを示している。
【0038】
本発明では、幹細胞などを含む多様な細胞に多様な培養条件を適用して、時間帯別に変化する細胞イメージを獲得しており、前記獲得した細胞イメージに対してディープラーニング技術を適用して、微細な細胞変化を分析することによって、細胞の維持培養や分化を誘導する過程で、各時間帯別に細胞特性を区別して判断することができる。
【0039】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法には、多様なディープラーニング技術が適用されてもよい。言い換えれば、ディープラーニング技術に基づいて細胞イメージを学習することによって、生成された判別モデル100を利用して、前記細胞イメージ10が多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別することができる。
【0040】
好ましくは、本発明では、多様なディープラーニング技術の中で畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に基づいて前記判別モデル100を生成することができる。
【0041】
より好ましくは、本発明では多様な畳み込みニューラルネットワーク(CNN)中で、Resnet50アルゴリズムに基づいて前記判別モデル100を生成することができる。
【0042】
図3を参照すると、前記判別モデル100は、前記細胞イメージ10に対して、第1特徴を抽出するための第1ニューラルネットワーク110、前記細胞イメージ10に対して、第2特徴を抽出するための第2ニューラルネットワーク120、および抽出された前記第1特徴および前記第2特徴に基づいて、入力された細胞イメージ10に対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるための完全連結層(Fully Connected Layer)130を含むことができる。ここで、完全連結層は、抽出された特徴情報に基づいて、細胞イメージ10に対する細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決める分類器(classifier)に対応し得る。
【0043】
ここで、前記細胞イメージ10の第1特徴は、大きい特徴、例えば細胞形態特徴であってもよく、前記細胞イメージ10の第2特徴は、小さい特徴、例えば細胞エッジ特徴であってもよい。
【0044】
また、前記第1ニューラルネットワーク110は、1個の第1畳み込み層112(Conv1)および1個のプーリング層113で形成された浅い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現され、前記第2ニューラルネットワーク120は、4個の第2乃至第5畳み込み層121、122、123、124(Conv2、Conv3、Conv4、Conv5)で形成された深い構造の畳み込みニューラルネットワークで具現されることができる。ここで、プーリング層113では畳み込み層112の出力データの大きさを縮小したり、特定データを強調するプーリング演算が行われることができる。前記プーリング層113には、最大値プーリング層(max pooling layer)および平均プーリング層(average pooling layer)が含まれることができる。
【0045】
具体的には、前記判別モデル100において、入力に用いた細胞イメージ10は、例えば、240×320ピクセル大きさであってもよい。
【0046】
前記細胞イメージ10が前記第1ニューラルネットワーク110に入力されると、畳み込み層112およびプーリング層113を通じてイメージの特徴を抽出する。この時、処理後にイメージの大きさが減少するため、イメージの大きさを維持するために、ゼロパディング(zero padding)111処理を行って、イメージの大きさを一時的に拡大した状態で後続処理を始める。例えば、前記細胞イメージ10の大きさは、ゼロパディング111処理を通じて240×320から246×236に大きくなる。これによって、畳み込み層112には、120×160×64ピクセルのイメージが入力され、以後前記第2ニューラルネットワーク120には、プーリング層113でプーリング演算によって60×80×64ピクセルのイメージが入力される。
【0047】
前記第2ニューラルネットワーク120の4個の第2乃至第5畳み込み層121、122、123、124では、1×1または3×3大きさのフィルタを利用してイメージの特徴を抽出する。
【0048】
例えば、第2畳み込み層121(Conv2)では、(1×1、64)、(3×3、64)、および(1×1、256)フィルタを通じてイメージパターンを分析し、この分析を3回繰り返す。すなわち、第2畳み込み層121(Conv2)は、9個の層を構成している。
【0049】
第3畳み込み層122(Conv3)では、(1×1、128)、(3×3、128)、および(1×1、512)フィルタを通じてイメージパターンを分析し、この分析を4回繰り返す。すなわち、第3畳み込み層122(Conv3)は、12個の層を構成している。
【0050】
第4畳み込み層123(Conv4)では、(1×1、256)、(3×3、256)、および(1×1、1024)フィルタを通じてイメージパターンを分析し、この分析を6回繰り返す。すなわち、第4畳み込み層123(Conv4)は、18個の層を構成している。
【0051】
第5畳み込み層124(Conv5)では、(1×1、512)、(3×3、512)、および(1×1、2048)フィルタを通じてイメージパターンを分析し、この分析を3回繰り返す。すなわち、第5畳み込み層124(Conv5)は、9個の層を構成している。
【0052】
したがって、前記第2ニューラルネットワーク120は、総48個の層で構成される。
【0053】
これと同様に、第1ニューラルネットワーク110は、第1畳み込み層112(Conv1)とプーリング層113の2個の層で構成される。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、判別モデルを適用して、細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決める過程を示したフローチャートである。
【0055】
図4を参照すると、前記判別ステップ(S200)は、前記細胞イメージ10内で第1特徴を抽出するステップ(S210);前記細胞イメージ10内で第2特徴を抽出するステップ(S220);および前記細胞イメージ10で抽出された第1特徴および第2特徴に基づいて、前記判別モデル100を適用して細胞種類、培養条件、および培養時間のいずれか一つ以上を決めるステップ;を含むことができる。ここで、前記細胞イメージ10の第1特徴は、大きい特徴、例えば細胞形態特徴であってもよく、前記細胞イメージ10の第2特徴は、小さい特徴、例えば細胞エッジ特徴であってもよい。
【0056】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記多様な細胞種類は、幹細胞株、ヒト皮膚線維芽細胞、上皮細胞株、および兔疫細胞株のいずれか一つ以上を含む動物細胞およびヒト細胞を含み、前記多様な培養条件は、各細胞株ごとに相違してもよい。
【0057】
前記幹細胞株は、マウス胚芽幹細胞(mouse embyonic stem cell:mES)、マウス逆分化幹細胞(mouse induced pluripotent stem cells:miPSCs)、ヒト胚芽幹細胞、ヒト逆分化幹細胞、ヒト神経幹細胞、ヒト毛包幹細胞、ヒト間葉系幹細胞、およびヒト線維芽細胞のいずれか一つ以上を含み、前記上皮細胞株は、ヒト表皮角化細胞(HaCaT)を含み、前記兔疫細胞株は、T細胞を含み、前記ヒト神経幹細胞は、ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞またはヒト脳-由来神経幹細胞を含むことができる。
【0058】
本発明において、培養条件について概略的に説明すれば次の通りである。
【0059】
前記マウス胚芽幹細胞は、LIF(leukaemia inhibitory factor)メディアを含む培養条件、ITS(Insulin-transferrin-selenium supplement)メディアを含む培養条件、およびLIFメディアを除去した培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。ここで、LIFメディアは、胚芽幹細胞特性を維持させる機能を果たし、ITSメディアは分化を誘導する機能を果たすことができる。
【0060】
前記マウス逆分化幹細胞の培養条件は、PD0325901(MEK((mitogen-activated protein kinase)inhibitor)、SB431542(TGF-β(Transforming Growth Factor-β)inhibitor)、チアゾビビン(thiazovivin)、アスコルビン酸(ascorbic acid)(AA)、およびLIFメディアを含む培養条件、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。ここで、4種の小分子化合物(small molecules)であるPD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸は、マウス逆分化幹細胞の特性および染色体の安定性を維持する機能を果たす。
【0061】
前記ヒト胚芽幹細胞または前記ヒト逆分化幹細胞は、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを含む培養条件、PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸、およびLIFメディアを除去した培養条件、ITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。ここで、4種の小分子化合物であるPD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸は、染色体の安定性を維持する機能を果たす。
【0062】
前記ヒト体細胞-由来細胞転換神経幹細胞は、DMEM/F12(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)、N2(N2 supplement)、B27(serum supplement)、bFGFF(basic fibroblast growth factor)、EGF(epidermal growth factor)、チアゾビビン、バルプロ酸(Valproic acid)、パルモルファミン(Purmorphamine)、A8301、SB431542、CHIR99021、DZNep(Deazaneplanocin A)、および5-AZA(Azacitidine)を含む培養条件、DMEM/F12、N2、B27、bFGF、およびEGFを含む培養条件、DMEM/F12、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。ここで、小分子化合物であるチアゾビビン、バルプロ酸、パルモルファミン、A8301、SB431542、CHIR99021、DZNep、および5-AZAは、染色体の安定性を維持する機能を果たす。
【0063】
前記ヒト脳-由来神経幹細胞は、基礎培地(Basal medium)、誘導神経幹細胞成長補充物(Induced neural stem cell growth supplement)、および抗生剤(Antibiotics)を含む培養条件、基礎培地および抗生剤を含む培養条件、および基礎培地、抗生剤、およびITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0064】
前記ヒト毛包幹細胞は、DMEMメディアに10%FBS(Fetal bovine serum)、Pen/Strep(Penicillin&ストレプトマイシン)、L-グルタミン(L-glutamine)、およびストレプトマイシン(streptomycin)が含まれた培養条件、DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0065】
前記ヒト間葉系幹細胞は、DMEMメディアに10%FBS(Fetal bovine serum)、NEAA(non-Essemtial Amino Acids)、およびPen/Strepが含まれた培養条件、DMEMメディアにITSメディアを含む培養条件のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0066】
前記ヒト線維芽細胞は、DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、およびNEAAが含まれた培養条件を含むことができる。
【0067】
前記HaCaT細胞は、DMEMメディアに10%FBS、Pen/Strep、L-グルタミン、およびストレプトマイシンが含まれた培養条件を含むことができる。
【0068】
前記T細胞は、RPMI(米国ロズウェルパーク記念研究所(Rosewell Park Menorial Institute))1640メディアにPen/Strep、β-メルカプトエタノール(β-mercaptoethanol)、およびL-グルタミンが含まれた培養条件を含むことができる。
【0069】
本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、前記判別モデル100は、イメージ学習のためのデータセットを含み、前記データセットは、各1,000個、1,500個、2,000個の訓練(train)イメージセット、800個の検証(validation)イメージセット、および100個のテスト(test)イメージセットを含むことができる。
【0070】
好ましくは、訓練の結果、前記判別モデル100は、2,000個の訓練イメージセットを採択することができた。
【0071】
[訓練結果]
多様な細胞種類と多様な培養条件下で、細胞培養後に最小時間単位、すなわち1時間、3時間、6時間、12時間、および24時間の時間帯別に細胞イメージを獲得し、本発明に係る判別モデル(CNNモデルともいう)を適用して、訓練正確度(accuracy)を比較した。
【0072】
前記判別モデルのデータセットとして、各1,000個、1,500個、2,000個の訓練イメージセットを異なるようにし、共通的に800個の検証イメージセットと、100個のテストイメージセットを用いた。
【0073】
[1,000個の訓練イメージセット]
マウス胚芽幹細胞のうちB6細胞(B6胚芽筋細胞という)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、その訓練結果を
図5~
図9に整理した。
【0074】
参考として、図面で、左側グラフは、訓練および検証の正確度(accuracy)および損失度(loss)(または損失値ともいう)を示している。訓練(train)の正確度と損失度(loss)は、それぞれtrain_accとtrain_lossで示し、検証(validation)の正確度と損失度は、それぞれval_accとval_lossで示している。
【0075】
また、右側混同行列(confusion matrix)は、テストイメージセットの100個のイメージを利用して正確度を示した表である。
【0076】
図5~
図9で、左側グラフを参照すると、1、3、6時間帯では、訓練および検証の正確度がほとんど1に近い値を示したが、12、24時間帯では、訓練および検証の正確度が漸次低下することが見られる。また、訓練および検証の損失度は、すべての時間帯で大体不安定に現れ、特に24時間帯では0.5以上に増加したことが見られる。
【0077】
図5~
図9で、右側混同行列を参照すると、24時間帯を除いては、大部分80%が越える正確度を見せたが、このモデルの学習結果が高い正確度を見せたとは言えない。
【0078】
上記のように、1,000個の訓練イメージセットを用いて訓練した結果、訓練正確度が高くなかった。
【0079】
[1,500個の訓練イメージセット]
マウス胚芽幹細胞のうちB6細胞(B6胚芽筋細胞という)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図10~
図14および
図15~
図19に整理した。
【0080】
また、マウス逆分化幹細胞(miPSCs-)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図20~
図24および
図25~
図29に整理した。参考に、「miPSCs-」で「-」表示は、培養条件に4種のchemicalを添加しなかったという意味である。
【0081】
上記のように、1,500個の訓練イメージセットを利用した訓練結果、B6胚芽筋細胞でメディアによる細胞区分正確度がある程度高く表れたと評価されるものの、実際の細胞培養において細胞の判別を行うことができるほどの信頼性があるのではないと見られる。
【0082】
また、逆分化幹細胞に対する訓練において、検証損失度がオーバーフィット(Overfitting)されて増加する結果が得られ、これは訓練が正常に行われなかったと見ることができる。
【0083】
これによって、2,000個の訓練イメージセットを用いて訓練を行った。
【0084】
[2,000個の訓練イメージセット]
マウス胚芽幹細胞のうちB6細胞(B6胚芽筋細胞ともいう)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図30~
図34および
図35~
図39に整理した。
【0085】
図30~
図34で、左側グラフを参照すると、全時間帯別訓練と検証の正確度がほとんど1に近く表れ、損失度もほとんど0に近く低下していることが見られる。これはモデル学習と検証が正常に行われたこを意味し、右側混同行列でも初期学習結果よりも高い正確度結果が出た。
【0086】
図35~
図39で、左側グラフを参照すると、時間帯別訓練と検証の正確度がほとんど1に近いことが見られ、損失度も0に収斂されていることが分かる。すなわち、訓練と検証過程が正常に行われたと見られ、右側混同行列では、12時間の時まで95%以上の正確度を見せ、24時間の時は細胞の大きさのため、正確度がやや低下したが、それでも90%以上の正確度を見せる。
【0087】
マウス胚芽幹細胞のうちJ1細胞(J1胚芽筋細胞ともいう)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図40~
図44および
図45~
図49に整理した。
【0088】
図40~
図44で、左側グラフを参照すると、訓練と検証の正確度が全部1に近い値が表れた。混同行列においてもLIFメディアに培養した細胞を区別する正確度は99%または100%、ITSメディアに培養した細胞を区別する正確度は97%以上が出た。
【0089】
図45~
図49で、左側グラフを参照すると、訓練と検証の正確度が1に近く表れ、混同行列においても99%以上の正確度を見せた。
【0090】
マウス逆分化幹細胞(miPSCs+Line1)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加されたメディア(LIF)とLIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図50~
図54および
図55~
図59に整理した。参考に、「miPSCs+」で「+」表示は、培養条件に4種のchemicalを添加したという意味である。
【0091】
図50~
図54を参照すると、左側グラフで訓練と検証の正確度はほとんど1に近く表れたが、検証の損失度は1時間と12時間帯を除いては、安定的に表れた。
【0092】
図55~
図59を参照すると、左側グラフで訓練と検証の正確度は大体よく表れたが、検証の損失度が1時間帯、24時間帯に不安定に表れた。細胞の破片(debris)の生成と細胞の早い増殖率による理由が最も大きいようである。誤差整列の正確度は24時間帯を除いては、96%以上に表れ、24時間帯は、上述したように、細胞の早い増殖率と破片によって、細胞形態を区別するのに限界があって低く表れたようである。
【0093】
マウス逆分化幹細胞(miPSCs+Line2)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図60~
図64および
図65~
図69に整理した。
【0094】
図60~
図64を参照すると、左側グラフで訓練と検証の正確度は1に近く表れ、1時間帯で検証損失度が若干不安であったことを除けば、すべての時間帯で損失度が0に近い値が表れた。混同行列の正確度が98%以上が表れ、ITSメディアは93%以上の正確度で、信頼できる結果が表れた。
【0095】
図65~
図69を参照すると、左側グラフで24時間帯で検証損失度が若干不安定であることを除けば、訓練と検証の正確度も1に近く表れた。混同行列においてもすべての時間帯で各メディアで培養した細胞を区別する正確度が非常に高く表れた。
【0096】
マウス逆分化幹細胞(miPSCs-)をLIFおよびITSメディアを用いて培養し、LIFが添加され、LIFが除去された(LIF-と表示する)メディアを用いて培養し、その訓練結果を
図70~
図74および
図75~
図79に整理した。
【0097】
図70~
図74を参照すると、左側グラフで、6時間帯以後から検証損失度が大体不安定に表れ、最後の24時間帯では訓練正確度が高くても細胞破片が発生し過ぎ、細胞増殖も遅くて検証損失度が過度に大きく表れた。1時間帯の時、LIFメディアで培養した細胞正確度が79%が表れ、24時間帯の時、ITSで培養した細胞正確度は、おおよそ59%の低い正確度が表れた。24時間帯の時、細胞は細胞形態を区別しにくいほどに細胞破片が発生しすぎ、細胞も早く増殖して、検証損失度およびテストの正確度が低く表れた。
【0098】
図75~
図79を参照すると、左側グラフで、訓練および検証の正確度が大体高く表れたが、24時間帯で検証損失度が不安定である。右側混同行列でも残り他の細胞での結果のように正確度がそれほど高く表れなかった。
【0099】
上記のように、2,000個の訓練イメージセットを用いた訓練結果、1,500個の訓練イメージセットを利用した訓練で見せたオーバーフィット現象が発生せず、高い正確度を得にくいマウス逆分化幹細胞(miPSCs-)でも有意な高い正確度を得ることができた。
【0100】
このような結果は、今後の無人自動化細胞培養システムにおいて、メディア種類による細胞形態変化を高い正確度で区分することができる可能性を提供する。
【0101】
図80は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別方法において、訓練セット(train set)の訓練正確度を比較した結果を示したグラフである。
【0102】
図80を参照すると、維持目的であるLIF(leukemia inhibitory factor)メディアと分化(differentiation)目的であるITS(insulin-transferrin-selenite)メディアでの差を区別する正確度で、初期1,000枚と2,000枚の訓練セット(train set)の訓練正確度を比較すると、訓練したデータの数が多いほど、すなわち2,000枚の訓練セットで正確度がより高いことが分かる。
【0103】
図81~86は、本発明に係る各メディア条件で多様な細胞を培養する場合、細胞形態学習の精密度(Precision)と再現率(Recall)を示したグラフである。ここで、精密度はモデル学習でTureと分類した中で、実際Trueの比率であり、再現率は、実際Trueの中でモデルがTureと予測した比率である。
【0104】
図81を参照すると、LIFメディアで培養した細胞の1,000個の訓練イメージセットを利用した訓練で(上部グラフのうち左側グラフ参照)、細胞形態学習の精密度は時間が経つにつれて減少する。また、細胞形態学習の再現率は、3時間帯で最も高かったが、全体的に再現率値が高くない。分化目的のITSメディアでも同様に、精密度と再現率が3時間帯で最も高かったが(上部グラフのうち右側グラフ参照)、全体的に不安定で低い値を記録した。
【0105】
しかしながら、LIFメディアおよびITSメディアで培養した細胞の2,000個の訓練イメージセットを利用した訓練で(下部グラフ参照)、細胞形態学習の精密度と再現率は両方とも高く表れたことが分かる。
【0106】
図82を参照すると、2,000個の訓練イメージセットを利用した訓練で、LIFメディアおよびLIFを除去したメディア(LIF-)で培養した細胞の精密度と再現率両方とも高い値が表れた。また、24時間帯では精密度が細胞の増殖で細胞形態区別の制限性のため比較的低く表れたが、それでも高い精密度を見せた。
【0107】
図83を参照すると、各メディア条件で培養した細胞[J1 mESCs(mouse embryonic stem cells)細胞](マウス胚芽幹細胞J1)の形態を見て区別した精密度と再現率は、LIFメディアおよびITSメディア、LIFメディアおよびLIF(-)メディアで全時間帯で1に近く高く表れた。これは、CNNモデルがJ1 mESCs細胞(マウス胚芽幹細胞J1)も区別することができることを意味し、したがって多様な細胞でもこのアルゴリズムを適用して応用することができる。
【0108】
図84を参照すると、各メディア条件で培養した細胞(miPSCs(mouse induced pluripotent stem cells)Line1)の形態を見て区別した精密度と再現率は、LIF+4chemicals(例えば:PD0325901、SB431542、チアゾビビン、アスコルビン酸を含む)メディア、および分化のためのITSメディアでは、両方とも12時間帯で細胞の破片(debris)の生成によって、精密度と再現率が他の時間帯よりも低く表れた(上部2個のグラフ参照)。また、LIF+4chemicalsメディアおよびLIFと4chemicalsを除去したメディア(LIF(-)+4chemicals(-))で培養した細胞は、24時間帯で細胞の増殖と破片の生成によって、ひたすら細胞の形態のみをイメージに含ませるのに限界があって、精密度と再現率が他の時間帯よりも低く表れた(下部2個のグラフ参照)。しかしながら、他の時間帯では高い精密度と再現率を表している。
【0109】
図85を参照すると、各メディア条件(
図84での条件と同一)で培養した細胞(miPSCs(mouse induced pluripotent stem cells)Line2)の形態を見て区別した精密度と再現率を示しており、精密度と再現率で全時間帯にかけて大部分1に近い値を示した。
【0110】
したがって、同じ細胞でも細胞継代数(passage)によってまたは研究者によって細胞形態の差があり得るが、CNNモデルで訓練した結果によれば、細胞形態の差が微妙に違っても微細な差を区別することができ、高い正確度で一貫性のある結果を導出することができる。
【0111】
参考に、Line1とLine2は、同じ培養条件で培養したが、異なる細胞株(Line)であるという意味を有する。
【0112】
図86を参照すると、各メディア条件(
図82での条件と同一)で培養した細胞(miPSCs-)の形態を見て区別した精密度と再現率を示している。
【0113】
LIFを添加したメディアで精密度は時間帯別に低下したが、再現率では増加した(上部2個のグラフのうち左側グラフ参照)。ここで、時間が経つにつれて、細胞の破片生成によって訓練正確度が減少したように見えるが、再現率ではCNNモデルがLIFメディアで培養した細胞であると判断した中で実際に符合する比率が増加したのであるので、訓練がある程度正常に行われたと見られる。
【0114】
分化を誘導したITSメディアで培養した細胞は、逆に時間帯別に精密度が増加したが、再現率は減少した(上部2個のグラフのうち右側グラフ参照)。ITSメディアで培養した細胞形態が急激に変化して、細胞の破片もたくさん発生するため、訓練の正確度が高くても再現率が若干低く表れた。
【0115】
LIFメディアおよびLIFを除去したメディア(LIF(-))では、LIFメディアで培養した細胞の再現率が1時間帯で低く表れたことを除いては、大体高く表れ、2つのメディア条件での細胞区別は、細胞変化の差を目で区別しにくい細胞であってもCNNモデルでよく区別できたことを意味する(下部2個のグラフ参照)。
【0116】
一方、
図87は、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別装置を示したブロック図である。
【0117】
図87を参照すると、本発明の一実施形態による人工知能ディープラーニングを利用した細胞判別装置は、細胞イメージ10が入力される入力部200、ディープラーニングに基づく判別モデル100を利用して、前記細胞イメージ10が多様な細胞種類、多様な培養条件、および培養時間のうちどれに相当するかを判別する判別部300、および前記判別部300の判別結果を使用者端末20に提供する出力部400を含むことができる。
【0118】
前記入力部200を通じて入力される細胞イメージ10は、データベース210に保存されることができる。
【0119】
前記使用者端末20は、使用者が細胞判別のために用いるデバイスを指称することができる。すなわち、使用者端末20には細胞イメージ10に対して細胞を判別した結果を使用者にディスプレイやサウンド信号を通じて提供することができる機器であれば、いずれも含まれることができる。
【0120】
また、本発明の一実施形態として、前述した方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで判読可能な記録媒体が提供されることができる。
【0121】
一方、前述の方法は、コンピュータで実行可能なプログラムで作成可能であり、コンピュータ判読可能な媒体を利用して前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されることができる。また、上述した方法で用いられたデータの構造は、コンピュータ判読可能な媒体に多様な手段を通じて記録されることができる。本発明の多様な方法を実行するための実行可能なコンピュータプログラムやコードを記録する記録媒体は、搬送波(carrier waves)や信号のように一時的な対象は含むことに理解されてはならない。前記コンピュータ判読可能な媒体は、磁気記録媒体(例えば、ROM、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学読取媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含むことができる。
【0122】
上述した本発明の説明は例示のためのもので、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須特徴を変更しなくても他の具体的な形態に変形しやすいことを理解すべきである。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的で、限定的ではないことに理解すべきである。例えば、単一型に説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に、分散したことに説明されている構成要素も結合された形態に実施されてもよい。
【0123】
本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求範囲によって示され、特許請求範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれることに解釈されるべきである。