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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】物流倉庫システム並びにその方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019218326
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021088427
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-10-28
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】大和田 能史
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205861(JP,A)
【文献】特開2000-351422(JP,A)
【文献】特開2019-32624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品同士の関連性から機械学習により物流共起性のある物品同士をつなぎ合わせ生成された判定モデルを用いて、データ入力部に入力された物品から推定される前記物品の物流共起性を出力することにより物品間の物流共起性に係る物流共起度を規定する物流共起度規定部と、
前記物流共起度規定部によって規定された物流共起度が閾値以上である第1の複数物品については立体自動倉庫内の互いに近接した第1の場所を保管場所とし、前記閾値に満たない第2の複数物品についてはフリーロケーション方式にて決定される第2の場所を保管場所とする保管場所決定部と、
複数の入庫物品を入庫する際に、前記保管場所決定部によって決定された第1もしくは第2の場所に前記複数の入庫物品を入庫させる入庫手段と
を備え、
前記物流共起度規定部は、
一定の時間/日数において入庫される略全物品の種類に係る情報を入力データとし、一定の時間/日数において共起的に出庫された複数物品の種類に係る情報を教師データとして用い、ある物品と別の物品との間の物流共起度を規定する学習済モデルを機械学習により生成するモデル生成手段と、
一定の時間/日数において搬入されるすべての搬入物品に係る情報を受け付ける搬入物品受付手段と、
前記搬入物品受付手段が受け付けた前記搬入物品に対して、前記モデル生成手段により生成された学習済モデルを用いて出力された値を物流共起度として規定する物流共起度出力手段と
を有し、
前記物流共起度規定部においては、前記データ入力部には季節性、地域性、行事性、宣伝性、のうちの少なくともいずれかを含む状況情報が入力され、前記データ入力部に入力された物品及び前記状況情報から推定される前記物品の物流共起性を出力することにより物品間の前記状況情報を反映させた物流共起度を規定する、物流倉庫システム。
【請求項2】
前記物流共起度規定部により規定された物流共起度に基づき物品が立体自動倉庫内に格納されることを特徴とする請求項1に記載の物流倉庫システム。
【請求項3】
複数の物品同士の関連性から機械学習により物流共起性のある物品同士をつなぎ合わせ生成された判定モデルを用いて、データ入力部に入力された物品から推定される前記物品の物流共起性を出力することにより物品間の物流共起性に係る値である物流共起度を規定し、
前記規定された物流共起度が閾値以上である第1の複数物品については立体自動倉庫内の互いに近接した第1の場所を保管場所とし、前記閾値に満たない第2の複数物品についてはフリーロケーション方式にて決定される第2の場所を保管場所とし、
複数の入庫物品が入庫した際に、前記決定された第1もしくは第2の場所に前記複数の入庫物品を入庫させる
ことを特徴とする物流倉庫システムの制御方法であって、
前記物流共起度は、
一定の時間/日数において入庫される略全物品の種類に係る情報を入力データとし、一定の時間/日数において共起的に出庫された複数物品の種類に係る情報を教師データとして用い、ある物品と別の物品との間の物流共起度を規定する学習済モデルを機械学習により生成し、
一定の時間/日数において搬入されるすべての搬入物品に係る情報を受け付け、
前記受け付けた前記搬入物品に対して、前記生成された前記学習済モデルを用いて出力された値を物流共起度として規定し、
前記データ入力部には季節性、地域性、行事性、宣伝性、のうちの少なくともいずれかを含む状況情報が入力され、前記データ入力部に入力された物品及び前記状況情報から推定される前記物品の物流共起性を出力することにより物品間の前記状況情報を反映させた物流共起度が規定される、物流倉庫システムの制御方法。
【請求項4】
前記規定された物流共起度に基づき物品が立体自動倉庫内に格納されることを特徴とする請求項に記載の物流倉庫システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば各種物流センター等における物流倉庫システム並びにその方法に係り、特に、保管棚や立体自動倉庫に収納された多種多様な物品のうち、指示された対象物品が集品箱に投入される、物流倉庫システム(物品のピッキングシステムを含む)並びにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物流センター等においては保管や仕分け等、色々な方法で物品が取り扱われている。例えば、立体自動倉庫への物品の配置は立体自動倉庫機能を有効に活用しつつスループットを最適化する観点から、物品の保管される位置について限定を与えないフリーロケーション方式により配置されるのが通常である。フリーロケーション方式の場合、立体自動倉庫中のどの保管場所にどの物品を入れるかは、自由に決められる。こうして入庫された物品を出庫するにあたっては、オーダーが出されるたびに、保管場所から対象物品を収蔵した箱(たとえば通い箱)が搬送され、かかる搬送出庫された箱から当該箱に収蔵された対象物品がピッキングされる、という形態が一般的であった。
【0003】
たとえば、特許文献1には、状況に応じてピッキングの操作手段を切替えることで、効率的なピッキング作業を行うことができるとするピッキングシステムに関する技術思想が開示されている。
【0004】
上記文献に開示される技術思想では、ピッキング作業を効率化するという課題を解決するためにピッキング操作に対して一定の工夫を施すという点が訴求されている。上記のようなフリーロケーション方式で配置されている場合に、出庫の際に1オーダーとして一体的に集積されるべき複数の対象物品は、必然的に、関連性のない互いにフリーな位置(換言すれば、互いに相対的に無関係な位置)に所在することになる。したがって、出庫1オーダーとして同時に発注される対象物品でありながら、3次元的に互いに離隔する複数位置に所在する場合も通常発生することになる。この場合、1オーダーとして集合されるべき複数物品が互いに離隔して配置されることから、該オーダー単位で連続的にピッキングステーションに向けて出庫(「順立て出庫」ともいう。)させるには、すなわち、当該離隔された複数の箱を当該オーダー分集積させるためには、それぞれの箱について、離隔している距離だけ移動させざるを得ない。移動の時間・エネルギーロスを最小化する観点からは、1オーダーとして集合されるべきものは互いに近接した位置に配置されることが望ましいのが理であるところ、各対象商品はそれぞれの保管場所に保管された後の時点で1オーダーが発注されるから、入庫の時点ではどれとどれとが1オーダーとして共に発注されるのかは判らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-52030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、1オーダーとして共に発注されるもの同士かが事前には判らないからフリーロケーションで保管庫に(入庫)格納せざるを得ず、したがって、出庫の際の移動の時間・エネルギーの最適化への取り組みはなおざりにされざるを得なかった。
【0007】
本願は、こうした従来技術上の問題点を解決することを企図してなされたものであって、立体自動倉庫において、出庫の際の移動に係る資源(時間、空間的移動、エネルギー等を含む)消費を防ぐことの可能な物流倉庫システム並びにその方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、まず、本願発明者は、共起性という概念に着想を得て、独自の物流共起性という概念を創立した。すなわち、自然言語処理の分野において、共起とは、任意の文書や文において、ある文字列とある文字列とが同時に出現することをいうものとされる。
【0009】
そこで、本発明者は、物流共起性については、オーダーに対して物品xとyとが同時的に出庫される(ピッキングされる)場合に、当該2つの物品xとyとの間には物流共起性がある、と定義した。より具体的には、物品xとyとの物流共起性を数値化した概念である物流共起度Pxyは、次の式1によって数学的に定義されるものとする。

Pxy=log[p(x、y)/{p(x)*p(y)}] (式1)

ここで、p(x)、p(y)は物品xとyがピッキングされる確率、p(x、y)は物品xとyが同じ集品箱に同時にピッキングされる確率である。p(x)等の確率は、一定期間の確率、たとえば{(1日当たりのxのピッキング数)/(1日当たりの全物品のピッキング数)}などで計算可能であって、3物品以上の物品集合に拡張することも可能である。また上記以外の物流共起度の計算方法、例えば後述のような機械学習により物流共起度を得ることも可能であり、これも本発明に係る技術思想に含まれる。
【0010】
次に、この物流共起度(物流共起性)という概念を用いて、上記課題を整理する。例えば、フリーロケーション方式で物品を立体自動倉庫へ収納するため、物流共起度の値が一定以上ある(もしくはある閾値以上である)物品同士を考慮して、それぞれの物品(の収蔵された箱)を保管棚へ配置するということはこれまでできなかった。同じく、物流共起性のある物品同士を例えば人為的にでも保管棚へ収納することはこれまで行われていなかった。物流共起性もしくは物流共起度という概念自体が観念されることがなかったためである。その一因として、一定値以上の物流共起度を有する物品同士には、鉛筆と消しゴムという簡単なものだけではなく、ソファーとチェーンソーというように予想外のものが含まれることが多々あることが挙げられる。つまり、物流共起性が一定以上ある(即ち、物流共起度が一定の閾値以上である)ということの根拠には、単に共に用いられるということのみならず、季節的要因、心理的要因、或いは俄かには直結しないものの遠因として物流共起性が発生するような要因等が存在し得る。以上を纏めれば、物流共起性のある物品を人為的に予測することは困難な場合があり、物流センター等においては、物流共起性のある物品同士を取り扱う基準はなかった、といえる。
【0011】
上記課題の解決には、上述した物流共起性もしくは物流共起度という概念を用いることで、物流共起性を反映させた入庫方式を採用することが解決手段となり得る点に本発明者は着眼したものである。
【0012】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る物流倉庫システムは、物品間の物流共起性に係る値である物流共起度を規定する物流共起度規定部と、前記物流共起度規定部によって規定された物流共起度が閾値以上である第1の複数物品については立体自動倉庫内の互いに近接した第1の場所を保管場所として定義し、前記閾値に満たない第2の複数物品についてはフリーロケーション方式にて決定される第2の場所を保管場所として定義する保管場所定義部と、複数の入庫物品が入庫した際に、前記保管場所定義部によって定義される第1もしくは第2の場所に前記複数の入庫物品を入庫させる入庫手段とを備える。
【0013】
この場合、物流共起度は式1によって計算させることで獲得しても、あるいは機械学習によって獲得してもよい。上記構成によれば、物流共起度が一定の閾値以上である複数の入庫物品については物流共起性の高い複数物品であるとして立体自動倉庫内の近い場所にあらかじめ配置されることとなるから、効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導き、それにより正確、迅速かつ効率的なピッキングを行うことが可能となる。
【0014】
本発明の第2の態様に係る物流倉庫システムとして、上記第1の態様において、前記物流共起度規定部は、第1の物品と第2の物品とがそれぞれ一定期間においてピッキングされる第1及び第2の確率、前記一定期間において前記第1及び第2の物品が同じ集品箱に同時にピッキングされる第3の確率を用いて計算されることにより、前記物流共起度を規定する構成をとってもよい。この構成によれば、物流共起度を物品ごとに定義することができ、具体的に効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導くことが可能となる。
【0015】
本発明の第3の態様に係る物流倉庫システムとして、上記第1の態様において、前記物流共起度規定部は、一定の時間/日数において入庫される略全物品の種類に係る情報を入力データとし、一定の時間/日数において共起的に出庫された複数物品の種類に係る情報を教師データとして用い、ある物品と別の物品との間の物流共起度を規定する学習済モデルを機械学習により生成するモデル生成手段と、一定の時間/日数において搬入されるすべての搬入物品に係る情報を受け付ける搬入物品受付手段と、前記搬入物品受付手段が受け付けた前記搬入物品に対して、前記モデル生成手段により生成された学習済モデルを用いて出力された値を物流共起度として規定する物流共起度出力手段とを有する構成をとってもよい。この構成によれば、物流共起度が必ずしも論理的に明確でない場合や容易に推論できないような物品の組に対しても、機械学習による学習結果を反映させて物流共起度を定義することができることとなるから、具体的に効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導くことが可能となる。
【0016】
なお、上記の各態様における物流物流共起性の概念は、鉛筆と消しゴム、刺身とワサビ等の固定的物流共起性に限られることはない。クリスマス等のイベント前にはケーキとシャンパンとの物流共起性が高くなったり、年末年始にはお節料理と日本酒との物流共起性が高くなったり等の変動的物流共起性、さらに、メディア等で流行になった物品同士の物流共起性が高くなったり等の突発的物流共起性も含むものである。さらに、これらのいずれの物流共起性に対しても地域変動という流動性が定義でき、この流動性を考慮にいれたそれぞれの酒類の物流共起性も本願に係る技術思想に包摂されるものである。
【0017】
本発明の第4の態様に係る物流倉庫システムとして、上記第1~第3のいずれかの態様において、前記物流共起度規定部により規定された物流共起度に基づき物品が立体自動倉庫内に格納されるようにしてもよい。このようにすれば、入庫される物品について、物流共起性の高いもの、すなわち、1オーダーとして同時的に注文・出庫される可能性の高い物品同士が(フリーロケーション方式の場合よりも)互いに近接した位置に入庫されることになるから、出庫の際の移動に係る時間/エネルギー/手間等の各資源の削減を果たすと共に、出庫に係るスループットを上げることが可能となる。
【0018】
また、上述の課題を解決するために、本発明の第5の態様に係る物流倉庫システムの制御方法は、物品間の物流共起性に係る値である物流共起度を規定し、前記規定された物流共起度が閾値以上である第1の複数物品については立体自動倉庫内の互いに近接した第1の場所を保管場所として定義し、前記閾値に満たない第2の複数物品についてはフリーロケーション方式にて決定される第2の場所を保管場所として定義し、複数の入庫物品が入庫した際に、前記保管場所定義部によって定義される第1もしくは第2の場所に前記複数の入庫物品を入庫させる。上記構成によれば、物流共起度が一定の閾値以上である複数の入庫物品については物流共起性の高い複数物品であるとして立体自動倉庫内の近い場所にあらかじめ配置するように制御するから、効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導き、それにより正確、迅速かつ効率的なピッキングを行わせることが可能となる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る物流倉庫システムの制御方法として、上記第5の態様において、前記物流共起度は、第1の物品と第2の物品とがそれぞれ一定期間においてピッキングされる第1及び第2の確率、前記一定期間において前記第1及び第2の物品が同じ集品箱に同時にピッキングされる第3の確率を用いて計算されることにより規定されるようにしてもよい。この構成によれば、物流共起度を物品ごとに定義することができ、具体的に効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導くことが可能となる。
【0020】
本発明の第7の態様に係る物流倉庫システムとして、上記第5の態様において、前記物流共起度は、一定の時間/日数において入庫される略全物品の種類に係る情報を入力データとし、一定の時間/日数において共起的に出庫された複数物品の種類に係る情報を教師データとして用い、ある物品と別の物品との間の物流共起度を規定する学習済モデルを機械学習により生成し、一定の時間/日数において搬入されるすべての搬入物品に係る情報を受け付け、前記受け付けた前記搬入物品に対して、前記生成された前記学習済モデルを用いて出力された値を物流共起度として規定するようにしてもよい。この構成によれば、物流共起度が必ずしも論理的に明確でない場合や容易に推論できないような物品の組に対しても、機械学習による学習結果を反映させて物流共起度を定義することができることとなるから、具体的に効率良く物流共起性の高い物品をピッキングステーションに導くことが可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様に係る物流倉庫システムとして、上記第5~第7のいずれかの態様において、前記規定された物流共起度に基づき物品が立体自動倉庫内に格納されるようにしてもよい。このようにすれば、入庫される物品について、物流共起性の高いもの、すなわち、1オーダーとして同時的に注文・出庫される可能性の高い物品同士が(フリーロケーション方式の場合よりも)互いに近接した位置に入庫されることになるから、出庫の際の移動に係る時間/エネルギー/手間等の各資源の削減を果たすと共に、出庫に係るスループットを上げることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の各態様によれば、物流共起性に基づいて立体自動化倉庫や保管棚の物品配置を行うことにより、様々なピッキングを正確、迅速かつ効率的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る物流共起性の深層学習の構成の概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るピッキング装置の要部構成を概念的に示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る保管棚の要部構成を示す立面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る仮置棚/ガイドランプ/搬送コンベヤの要部構成を示す立面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る仮置棚に設置される取出表示器の要部構成図である。
図6】本発明の一実施形態に係る保管棚に設置される仮置表示器の要部構成図である。
図7】本発明の一実施形態に係るピッキングシステム構成の概要を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る深層学習の構成の概要を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る物品入庫指示部の構成の概要を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る保管棚毎の物品収納情報のファイルレイアウトを説明する図である。
図11】本発明の一実施形態に係る物品の物流共起性のファイルレイアウトを説明する説明図である。
図12】本発明の一実施形態に係る物流共起性のある物品の保管棚への入庫を説明するフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係るピッキングシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための斜視的説明図である。
図15】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための斜視的説明図である。
図16】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための平面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための平面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫の動作を説明するための平面的説明図である。
図19】本発明の一実施形態に係るピッキングを説明するための平面的説明図である。
図20】本発明の一実施形態に係る深層学習の構成の概要を示す図である。
図21】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫への物品の配置を説明するための説明図である。
図22】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫からのピッキング部品のファイルレイアウトを説明する図である。
図23】本発明の一実施形態に係る物品の物流共起性のファイルレイアウトを説明する説明図である。
図24】本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0025】
上述したように、本願発明者は、物流センター等において扱う物品において物流共起性を考慮して扱うと効率よく作業を進めることが可能となる点を発見・着眼した。まず、ここで、本実施形態における物品の物流共起性について説明する。物流共起性は、発注者が発注した物品の集まりの中から所定の関連を有する物品同士を含む。発注者は複数であり発注者毎に関連のある物品を調べて共起する割合が所定の閾値より高いものを物流共起性があると自動で判断する。
【0026】
本実施形態では、物流共起性判断の閾値の具体的な数値について限定はしないが、各物流センター等においては実験的に物流共起性の判断基準を求めて運用する(つまり、どのように、閾値を決めても本発明の技術思想に包摂される)。即ち、たとえば、物流共起性の高い物品順に近くに配置する、という方式をとったり、制御を行ったりすることができる。こうすることにより、物流共起性の低い物品同士は互いに比較的離隔した位置に配置されることに結果的になる。このような配置を実現するためのアルゴリズムには様々なものがあり得、どのようなアルゴリズムであっても、物流共起性に基づいた配置を行うことは本発明の技術思想に含まれる。さらに、物流共起性のある物品とは、上記のような1対1で対応する2個の物品同士のみだけではなく、例えば、3個以上の物品の組み合わせであってもよい。このように任意の複数個の物品間の物流共起性を規定し、係る物流共起性についての判断に基づいて各々の物品を入庫/保管位置に配置するという態様も本発明の技術思想に含まれるものである。
【0027】
このような物流共起性を求めるのに機械学習により自動で求めることも可能である。図1は、本発明の一実施形態に係る物流共起性の深層学習の構成の概要を示す図である。図1に示すような、物流センターにおいて扱われる物品の物流共起性を判断する物品の物流共起性判定システムは、物品を、集品箱(オーダーされた物品が集まる箱)に関連付け記憶する物品記憶部A1と、物品記憶部A1に記憶された物品を受け付けるデータ入力部B1と、複数の物品同士の関連性から物流共起性のある物品同士をつなぎ合わせ判定モデルF1を生成するモデル生成部E1により生成された判定モデルF1を用いて、データ入力部B1に入力された物品から推定される物品の物流共起性を予測し出力するデータ出力部G1と、を備える。出力された情報は物品の物流共起情報記憶部D1に記憶される。ここで、判定モデルF1はたとえば教師データなしで生成されるとしてもよいし、教師データありで生成されてもよい。
【0028】
データ入力部B1には状況情報(季節、地域性、行事、宣伝、クリスマス、年末年始、お盆及び連休といった状況に係る情報のうちの少なくともいずれかが含まれる。)を集品箱に関連付けて一緒に入力しても良い。これにより、状況情報を反映させて物流共起性を有する物品を定義することもできる。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係るピッキングシステムを構成するピッキング装置の要部構成を概念的に示す平面図である。以下の説明では、ピッキングシステムに、仮置棚の説明を加えてあるが、仮置棚に入れる物品は物流共起性とは関係はない。なお、本実施形態では、仮置棚を含めてピッキングシステムについて説明しているが、仮置棚を含めたピッキングシステムに限定されるものではなく、仮置棚を含めないピッキングシステムも含まれることは当然である。いずれの種類のピッキングシステムであっても本発明の技術思想に包摂される。
【0030】
各種物品を保管しピッキング位置に供給するための保管棚1a~保管棚1f(保管棚は6個として描かれているがこれに限定されないことは勿論である。)と、集品箱4(図4では実際には多数の集品箱があるが説明を簡単にするため、集品箱401~414の14個の集品箱で説明する)を搬送するためのコンベヤ3と、この保管棚1a~保管棚1fから取り出した物品を一時的に仮置きしておくための仮置棚5とを少なくとも備えている。そして、保管棚1a~保管棚1iとコンベヤ3との間の空間が、作業員2がピッキングを行う作業空間Pとなる。集品箱の搬送方向Cに従って、例えば、各作業員2k、2l、2m、及び、2n・・・等のピッキング担当範囲がPk、Pl、Pm、及び、Pn・・・等として、ピッキングゾーンがZk、Zl、Zm、及び、Zn・・・等として定義され、それぞれに対応した保管棚1a~保管棚1i及び仮置棚5が配置される。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係る保管棚の要部構成を示す立面図である。保管棚1a~保管棚1iを(ピッキング作業者側)図2において正面から(即ち、図2の5の側から1の側への方向)見ると、例えば図3に示すように、ピッキングゾーン毎に4列3段の棚(例えば、101~112)に分けられて物品が保管されており、上記棚毎に取出表示器6(例えば、601~612)が設けられ、取出されるべき物品の存在する棚が指示される(即ち、その時点において取出されるべき物品が所在する棚に係る取出表示器6が強調表示もしくは点灯或いは点滅等される)と共に、状況に応じて、直接投入及び直接投入する数量の指示と、仮置きするべきか及び(仮置きするとしたら)仮置きする数量の指示とが(後述する)表示器制御部6220によってなされ、取出しの完了が表示される。この場合、仮置きを介さずに直接出庫箱に投入するようにしてもよいことは上述のとおりである。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態に係る仮置棚/ガイドランプ/搬送コンベヤの要部構成を示す立面図である。仮置棚5を図2において正面から(即ち、図2の1の側から5の側への方向)見ると、例えば図4に示すように、集品箱4(集品箱401~集品箱414)を搬送するコンベヤ3の上に、物品を投入する集品箱401~集品箱414の位置を指示するガイドランプ7を配置し、その上に仮置棚5が設けられる。ガイドランプはコンベア3の上に、コンベアに沿って複数並べて固定位置に配置されており、コンベア上の対象の集品箱の移動に合わせて(すなわち当該移動のタイミングと点灯が移動するタイミングとが略同期するように)点灯するガイドランプが切り替わることにより、集品箱の移動位置を表示するように制御されるものである。仮置棚5毎(1つの仮置棚には、例えば縦1列に対し横4列のボックスが配置されている)に各ボックスに対応し各ボックスの下に仮置表示器8が設けられている。保管棚1a~保管棚1iで仮置きの指示が出された場合に仮置きする場所が(後述する)表示器制御部6220によって指示され、仮置棚5(例えば、501~504)から集品箱401~集品箱414に投入するべき物品が仮置きされている場所と共に、投入する数量が(後述する)表示器制御部6220によって指示され、更に投入が完了した際には投入の完了が表示される。また、ガイドランプ7は、投入する先(対象)たる例えば集品箱401~集品箱414を、(後述する)表示器制御部6220の制御に基づいて指示する。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態に係る保管棚に設置される取出表示器の要部構成図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る仮置棚に設置される仮置表示器の要部構成図である。上述した取出表示器6及び仮置表示器8(例えば、801~804)の作業指示は、それぞれ、例えば、図5及び図6に示したような表示器によって行われる。これら表示器の表示動作は(後述する)表示器制御部6220によって制御される。
【0034】
まず、保管棚には、ピッキングゾーン毎に4列3段の棚に分けられて物品が保管されており、棚毎に設置された取出表示器6は、作業員2の担当範囲に物品を直接投入する対象集品箱がある場合に、その取出表示器6が配置された棚の中の物品を集品箱4に直接投入する(つまり、仮置棚を経由しないで集品箱4に直接投入する)ことを点灯表示により指示する直接投入取出表示器63と、直接投入するその棚の中の物品の数量を点灯表示により指示する直接投入取出数量表示器64と、作業員2の担当範囲にその棚の中の物品を投入する対象集品箱がない場合などに、その棚の中の物品を仮置棚5に投入すること(仮置き)を点灯表示により指示する仮置取出表示器61と、その棚の中の物品を仮置台に投入する数量を点灯表示により指示する仮置取出数量表示器62と、仮置き及び直接投入のいずれであっても取出す物品の置かれている棚の場所を点灯表示により示す取出場所表示器(ベイランプ)65と、仮置き及び直接投入のいずれであっても物品の取出しが完了した際に作業者により押圧操作されることにより点灯表示する保管棚取出完了リセットボタン66とを備えて構成される。
【0035】
次に、図6に示される、仮置棚の棚毎に設置された仮置表示器8は、取出表示器6で仮置きの指示が出された場合、その取出表示器6が配置された棚の中の物品を仮置棚5のどの棚に仮置きするのかを点灯することにより示す仮置場所表示器(ベイランプ)81と、仮置棚5のある棚の中から物品を集品箱へ投入することを点灯することにより指示する仮置投入表示器82と、仮置棚5のある棚の中から集品箱に投入する物品の数量を点灯表示する仮置投入数量表示器83と、仮置きされている物品を集品箱への投入が完了した際に作業者により押圧操作されることにより点灯表示する仮置投入完了リセットボタン84とを備えて構成される。
【0036】
上述したようなピッキング作業をシステム面から支えるピッキングシステムの構成について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るピッキングシステム構成の概要を示す図である。同図に一例として示されるように、上位情報システム6000は、例えば、データ管理コンピュータ6100とデータ制御コンピュータ6200とを備えて構成される。データ管理コンピュータ6100は、在庫管理部6110、入庫管理部6120、出庫管理部6130を備え、データ制御コンピュータ6200は、コンベヤ制御部6210、表示器制御部6220、物品補充制御部6230、集品制御部6240を備えて構成される。コンベヤ制御部6210は投入ラインを制御し、表示器制御部6220は取出表示器6、仮置表示器8、ガイドランプ7を制御する。集中ベイランプやピッキング予告表示器等を備える場合は、これらも表示制御部6220によって制御される。物品補充制御部6230は補充ライン及び保管庫を制御し、集品制御部6240は集品ライン及び保管庫を制御する。このように、上位情報システムに保存されている莫大な物品情報に基づき、コンベヤ3、上記各表示器6及び8、及び、ガイドランプ7が機能的に連動するような公知のアルゴリズムによるプログラムが(図示しない)記憶部に記憶され、(図示しない)CPU(中央演算装置)によって記憶部からかかるプログラムが読み出されて実行・制御される。
【0037】
上記の上位情報システム6000及びデータ管理コンピュータ6100並びにデータ制御コンピュータ6200等で制御された各機械等の動作等はログデータ抽出部51によりログデータとして抽出されログデータ記憶部53に保管される。ここで、ログデータとは、管理データ、制御データ等により制御される各機械の動作の履歴を含むものである。本実施形態では、ログデータは少なくとも、入庫された各物品について、物品の名称情報、物品の識別情報、入庫元情報、製造元情報、製造日時情報、これまで入庫された同じ物品の累積の入庫個数情報、これまで出庫された同じ物品の累積の出庫個数情報、現在倉庫にある同じ物品の個数情報、対象製品の現在の保管場所情報、入庫された日付・時刻情報、ピッキングされた日付・時刻情報と、同時に出荷された同じ物品の量(個数)情報、保管棚番号情報、集品箱番号情報、同じ日に同じ出荷先に出荷された他の物品の識別情報・量(個数)情報、出荷先情報等を含み、対象物品がどの保管棚1a~保管棚1iからピッキングされたかを特定できる情報を含む。さらに、ログデータの何年、何月、何日に対応する状況情報は状況情報取得部105により取得され、状況情報記憶部107に記憶される。これにより、各ログデータと各状況情報とは1対1で対応することとなる。状況情報は内的な要因である日付、地域性、外的な要因である気温、湿度、曜日、行事、宣伝、クリスマス、年末年始、お盆及び連休といった項目に係る情報のすくなくともいずれかが含まれる。
【0038】
上述したピッキングシステムは、ガイドランプ式デジタルピッキングシステムにおいて、保管棚庫から仮置棚を経由しないで集品箱に物品を直接投入する第1ピッキングプロセスと、保管棚から仮置棚を経由して集品箱に物品を投入する第2ピッキングプロセスとを、状況に応じて変換可能な制御システムを実現する一例であり、これに限定されるものではない。
【0039】
上述のような制御システムはさらに、物流共起性を予測し保管棚1a~保管棚1iへ物品を平準化して収納する機能を有する。以下に集品箱401~集品箱404に集品される物品から物流共起性が認められるべき複数物品を予測する機械学習について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る深層学習の構成の概要を示す図であり、図9は、本発明の一実施形態に係る物品入庫指示部の構成の概要を示す図である
【0040】
図4に示す、指示された物品を投入する集品箱401~集品箱404と、集品箱401~集品箱404を搬送するコンベヤ3と、ピッキングされる各種物品を格納する保管棚1a~保管棚1f(図2)とを備えたピッキングシステムにおいて、図8に示すような、物品を、集品箱401~集品箱404に関連付け記憶する物品記憶部55と、物品記憶部55に記憶された物品を受け付けるデータ入力部57と、複数の物品同士の関連性から物流共起性のある物品同士をつなぎ合わせ判定モデル59を生成するモデル生成部73により生成された判定モデル59を用いて、データ入力部57に入力された物品から推定される物品の物流共起性を予測し出力するデータ出力部71と、を備えて構成される。出力された情報は物品の物流共起情報記憶部75に記憶される。ここで、判定モデル59は教師データなしで生成されるとしてもよいし、教師データありで生成されてもよい。
【0041】
データ入力部には状況情報取得部105により取得され状況情報記憶部107に記憶されている状況情報(季節、地域性、行事、宣伝、クリスマス、年末年始、お盆及び連休といった状況に係る情報のうちの少なくともいずれかが含まれる。)を集品箱401~集品箱404に関連付けて一緒に入力しても良い。これにより、状況情報を反映させて物流共起性を有する物品を定義することもできる。
【0042】
図8及び図9に示すように、モデル生成部73により生成される判定モデル59により予測された物流共起情報に基づき物品を保管棚に格納(入庫)する。すなわち、物品入庫指示部79は、物流共起情報記憶部75から物品の物流共起情報を読み込むと共に、物品収納情報記憶部77より保管棚毎の物品収納情報を読み込む。そして、比較的空いている保管棚へ物流的に共起する物品を平準化して入庫する指示を入庫指示情報記憶部80に対して出力する。
【0043】
物流共起性のあるものが、一人の作業員に集中して、一人の作業員は複数の物を一つの集品箱に入れる作業を行うにも拘わらず、他の作業員は一つの集品箱に一つの物を入れる作業を行うという状態が続くと、全体で効率が落ちる。このため、物流共起性のある2種類の物の場合には、そのうちの1種類を一人の作業員に、もう1種類を他の作業員の保管棚に入れておくことが好ましい。但し、蛍光イエローペンと蛍光ピンクペンなど、小さい物品で、両手で同時に別々の物品を抽出できる場合などは、一人の作業員の保管棚にいれておくようにしてもよい。また、物流共起性の判断の際には保管棚に収納される物品の種類毎の数が分かるので、数の多い物品を保管棚の作業員が取り扱い易い例えば保管棚の中心付近に保管しておき、数の少ない物品は保管棚の隅の方へ保管しておく、というようにしてもよい。このように、物流共起性を判断することにより様々な物品の取り扱いについて出庫作業を効率よく行わしめることが可能となる。モデル生成部73により生成される判定モデル59は、たとえば教師データなしのクラスタリングで生成される。
【0044】
図10は、本発明の一実施形態に係る保管棚毎の物品収納情報のファイルレイアウトを説明する図である。図10に示すように、表73は、物品記憶部55のファイルレイアウトの1例である。例えば、同一の出荷先として一つの集品箱にまとめて投入される物品名を記憶する。具体的には、集品箱401~集品箱404に関連付けピッキングされる物品名を記憶する。すなわち、集品箱401には、12月24日に、物品名としてクリスマスツリーが1個ピッキングされることが記憶されている。そのうえ、タオルが1枚ピッキングされること、パジャマが1着ピッキングされること、石鹸が2ダースピッキングされること、スリッパが12足ピッキングされること、腕時計が1個ピッキングされること、がそれぞれ記憶されている。
【0045】
集品箱402には、12月24日に、物品名としてクリスマスツリーが2個ピッキングされること、洋服が2着ピッキングされること、タオルが5枚ピッキングされること、枕が2個ピッキングされること、トイレットペーパーが5個ピッキングされること、腕時計が1個ピッキングされること、がそれぞれ記憶されている。
【0046】
集品箱403には、12月24日に、物品名として洋服が1着ピッキングされること、石鹸が1ダースピッキングされること、スリッパが5足ピッキングされること、タオル10枚ピッキングされること、腕時計が1個ピッキングされること、がそれぞれ記憶されている。
【0047】
集品箱404には、12月24日に、物品名として腕時計が1個ピッキングされること、タオルが2枚ピッキングされること、パジャマが2着ピッキングされること、トイレットペーパーが12個ピッキングされること、がそれぞれ記憶されている。
【0048】
図11は、本発明の一実施形態に係る物品の物流共起性のファイルレイアウトを説明する説明図である。図11に示すように、表75は、判定モデル59が物流共起性のある物品名を探し出し、物品入庫指示部79が、保管棚へ収納するための指示情報を記憶する物品の物流共起情報記憶部75のファイルレイアウトである。すなわち、判定モデル59が物流共起性のある物品「タオル」と「腕時計」とを指定する。また、物流共起性のある物品「石鹸」と「スリッパ」とを指定する。一方、物品入庫指示部79が物流共起性のある物品を保管棚へ入庫するように指示する。具体的には、12月24日には「タオル」と「腕時計」とを保管棚の中の互いに近接した位置に入庫するように指示する。また、12月24日に「石鹸」と「スリッパ」とを保管棚の中の互いに近接した位置に入庫するように指示する。なお、機械学習し判定モデルを構築すると、例えば、たとえば「腕時計」を購入する購買者が「タオル」の購買を同時に発注する度合いが一定以上あること(すなわち、物流共起度が一定の閾値以上あること)を機械学習によって学習し、これら物流共起度が一定の閾値以上と定義されるたとえば2つの物品について、たとえば「腕時計」のみを購入した購買者に対して「タオル」の購買をすすめる、というアクションを促すようにシステムが制御動作することも可能となる。さらに、物品の物流共起度を日付と関連付ければお盆クリスマスまたは年末年始など特別な日にはどのような共起性が現れるか予想がつくのでどの位物品を仕入れすればよいか等について予測が立てられることになる。その他、物流的な共起性と様々な属性とを相乗的に考慮して拡大された(物流)共起性として上述の思考を経て上述の処理を行えば、色々なことが予想できるようになる。
【0049】
図12は、物流共起性のある物品の保管棚への入庫(物品の補充)動作と、物流共起度が一定の閾値以上である複数物品の判定モデルの更新動作とを説明するフローチャートである。以下でいうピッキングとは、作業者が保管棚から集品箱へ物品を移動する際の出庫動作をいう。また、ここでは、シミュレーションをしているので実際の動作は行われていない。
【0050】
初めに、判定モデル59が集品箱401に集品される予定毎の物品の情報を発注オーダー情報から読み込む(ステップS501)。すなわち、12月24日に、物品名としてクリスマスツリーが1個ピッキングされることを読み込む。同様に、タオルが1枚ピッキングされることを読み込み、パジャマが1着ピッキングされることを読み込み、石鹸が2ダースピッキングされることを読み込み、スリッパが12足ピッキングされることを読み込み、腕時計が1個ピッキングされることを読み込む。
【0051】
2回目に集品箱402に集品される予定の物品の情報を読み込む。12月24日に、物品名としてクリスマスツリーが2個ピッキングされることを読み込む。同様に、洋服が2着ピッキングされることを読み込み、タオルが5枚ピッキングされることを読み込み、枕が2個ピッキングされることを読み込み、トイレットペーパーが5個ピッキングされることを読み込み、腕時計が1個ピッキングされることを読み込む。
【0052】
3回目に集品箱403は、12月24日に、物品名として洋服が1着ピッキングされることを読み込む。同様に、石鹸が1ダースピッキングされることを読み込み、スリッパが5足ピッキングされることを読み込み、タオルが10枚ピッキングされることを読み込み、腕時計が1個ピッキングされることを読み込む。
【0053】
4回目に集品箱404は、12月24日に、物品名として腕時計が1個ピッキングされることを読み込む。同様に、タオルが2枚ピッキングされることを読み込み、パジャマが2着ピッキングされることを読み込み、トイレットペーパーが12個ピッキングされることを読み込む。
【0054】
次に、判定モデル59によって、物品に物流共起性が有るか否かを判断する。物品に物流共起性がある(すなわち、物流共起度が一定以上である物品。以下同じ。)と判断した場合に処理はステップS505に進む。物品に物流共起性がないと判断した場合に処理はステップ507に進む(ステップS503)。
【0055】
判定モデル59が、物流的共起物品(すなわち、物流共起度が一定以上である物品。以下同じ。)をグループ化する(ステップS505)。グループ化とは物流共起性のある物品同士を1つにまとめるため物品の物流共起情報記憶部75に記憶することをいう。例えば、物品同士が2個の場合は1行に2個の物品を並べて記憶させる。物品同士が3個ある場合は1行に3個の物品を並べて記憶させる。グループ化されない物品同士は物流共起性が無いと判断される。
【0056】
全ての集品箱の物品を読み込んだか否かを判断する。すなわち、初めに集品箱401に入庫される予定の物品の情報を読み込み、2回目に集品箱402の物品の情報を読み込む。3回目に集品箱403の物品の情報を読み込み、4回目に集品箱404の物品の情報を読み込む。全ての集品箱401~集品箱404の物品の情報を読み込んだと判断した場合に処理はステップS509に進む。全ての集品箱401~集品箱404の物品の情報を読み込んでいないと判断した場合に処理はステップS501に戻る(ステップS507)。
【0057】
物品入庫指示部79が入庫する保管棚を決定する(ステップS509)。保管棚の決定は空きのある保管棚を特定して、別々の保管棚へ物流共起性のある物品を入庫する情報を生成する。
【0058】
グループ化された所定の倉庫等に保管されている物品を保管棚へ入庫する指示情報を生成する(ステップS511)。
【0059】
全てのグループの物品に入庫指示情報を生成したか否かを判断する。全てのグループに入庫指示情報を生成したと判断した場合に処理はステップS515に進む。全てのグループの物品に入庫指示情報を生成していないと判断した場合に処理はステップS511に戻る(ステップS513)。
【0060】
モデル生成部73が判定モデル59を更新する(ステップS515)。このように、判定モデルを更新することにより入庫が完了したデータも蓄積データとなり、より正確な判定モデルに更新することができる。なお、更新はデータを溜めておいて一括して更新することが好ましいが、都度行う方式であってもよい。
【0061】
上記一実施形態を用いてピッキングを行う場合の各表示器6及び8の指示と作業員2の動作の一例を、図2のZkのピッキングゾーンの作業空間Pkにいる作業員2kを中心にした一連のピッキング作業動作として説明する。図13は本発明の一実施形態に係るピッキングシステムの動作を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、ピッキングシステムに、仮置棚の説明を加えてある。本実施形態では、仮置棚を含めて、ピッキングシステムを説明しているが、仮置棚を含めたピッキングシステムに限定されるものではなく、仮置棚を含めないピッキングシステムであってもよい。
【0062】
まず、ピッキングに先立ち、作業員2kは、作業空間Pkにおいて保管棚1の方向を見て、取出表示器6は動作していないことを確認してスタートする(ステップS700)。
【0063】
作業員2kの担当範囲のピッキングゾーンZkに搬送されてくる集品箱402~406が、物品を連続して投入する対象集品箱である場合、(図示しない)直接投入モードか否かの情報が記載されている情報票の情報を読み取る(図示しない)センサ等によって、情報票の情報を読み取る(ステップS701)。直接投入モードであることが認識された場合(ステップS701のYes)、表示器制御部6220の制御によって、保管棚102~106の取出表示器602~606にピッキングオーダーとして取出場所表示器65及び保管棚取出完了リセットボタン66を点灯させると共に、直接投入することを指示する直接投入取出表示器63と直接投入する数量を指示する直接投入取出数量表示器64を順次点灯させる(ステップS720)。その点灯とともに表示器制御部6220の制御によってガイドランプ7が順次点灯する(ステップS721)ので、作業員2kはこれらの指示に則って保管棚102~106の物品を集品箱402~406に順次直接投入することができる。
【0064】
このように、物品102~106の仮置棚5を経由しない直接投入が完了すると、次に保管棚取出完了リセットボタン66が作業員2kによって順次押下され、上記と同様にシステム側で認識される(ステップS722)と、これを認識したシステム6000側では、表示器制御部6220の制御によって、直接投入取出表示器63、直接投入取出数量表示器64、取出場所表示器65、及び、保管棚取出完了リセットボタン66を順次消灯させ、物品102~106の投入作業の完了が認識される(ステップS723)。ピッキングオーダーは終了していない場合(ステップS725のNo)場合には、次のピッキング作業に進む。
【0065】
次に作業員2kの担当範囲であるピッキングゾーンZkに搬送されてくる集品箱407~409は、物品を投入する対象集品箱ではない(ステップS701のNo)が、ピッキングゾーンZm及びZnに、作業員2kが物品を投入する対象集品箱410~412がある場合には、コンピュータ6200においてそれらに投入する物品が保管されている保管棚107~109の取出表示器607~609にピッキングオーダーとして、取出場所表示器65及び保管棚取出完了リセットボタン66を点灯させると共に、表示器制御部6220が仮置きを指示する仮置取出表示器61及び仮置きする数量を指示する仮置取出数量表示器62を同時に順次点灯させる(ステップS710)。
【0066】
作業員2kは、取出表示器607~609に従って、保管棚107~109から仮置棚501~503に順次物品を移動させる。これらが例えば図示しないセンサによってシステム側で確認される(ステップS711)と、表示器制御部6220の制御によって仮置表示器801~803がどの棚に仮置きするのかを指示する仮置場所表示器81と仮置投入完了リセットボタン84が点灯する。そのため作業員2kは、その指示に従って仮置きしていくことができる。
【0067】
仮置きが完了したら、作業員2kは、取出表示器607~609の保管棚取出完了リセットボタン66を完了した順に押す。これらが例えば図示しないセンサによってシステム側で確認される(ステップS711)と、表示器制御部6220の制御によって仮置取出表示器61、仮置取出数量表示器62、取出場所表示器65、及び、保管棚取出完了リセットボタン66が順次消灯し、仮置き作業の完了が認識される(ステップS712)。
【0068】
この仮置き作業を行っている内に、作業員2kの担当範囲であるピッキングゾーンZkへ、コンベヤ制御部6210の制御によって仮置棚501~503の物品を投入する集品箱410~412が順次到着する。これが図示しないセンサ等によってシステム側で認識される(ステップS713)と、表示器制御部6220の制御によってガイドランプ7を順次点灯させる(ステップS714)。同時に、表示器制御部6220の制御によって仮置棚501~503から集品箱410~412への物品の投入を指示する仮置投入表示器82及び仮置棚501~503から集品箱410~412に投入する数量を指示する仮置投入数量表示器83を順次点灯させる。作業員2kはこの指示/表示にもとづいて集品箱410~412への物品の投入を完了させることができる。
【0069】
物品107~109の仮置棚501~503を経由した投入が完了し、その順に、仮置表示器801~803の仮置投入完了リセットボタン84が作業員2kによって押下される。これらを上記と同様にシステム側で認識し(ステップS715)、仮置場所表示器81、仮置投入表示器82、仮置投入数量表示器83、及び、仮置投入完了リセットボタン84表示器制御部6220の制御によって順次消灯させる(ステップS716)と、物品107~109の投入作業の完了が図示しないセンサ等によってシステム側で認識され、次のピッキングオーダーの指示に従う(ステップS717、S718)。
【0070】
以下に、立体自動倉庫100から指定の物品等500をピッキングし集品箱に入庫する際に、物流共起性のある物品等500同士を立体自動倉庫100の互いに近い保管場所に収納することにより物品等500の搬送をより迅速に行える点について説明する。すなわち、コンベア及びリフトの移動が少なくなり物品等500を入出庫する時間が短縮される。
【0071】
図14は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための斜視的説明図である。同図に示されるのは、保管ラックの概念図であり、その具体例としての、3段5列の保管場所22を有する保管ラック211である。
【0072】
図15は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための斜視的説明図である。同図に示されるのは、立体自動倉庫100の概念図である。具体的には、保管ラック211が格納面の背面で隣接して一組の保管ラックを形成し、それが複数配置され、倉庫全体の外側には格納面が一側である外側保管ラック211がその両側に配置されている保管倉庫部200と、コンベア及びリフトで構成される入出庫部400とを有する立体自動倉庫100を示しており、保管倉庫部200には、各保管ラック間の搬送機構のための通路23も含む。なお、本明細書において、物品等500の移動方向を、「水平方向」、「垂直方向」、並びに、「奥行き方向」・「横断方向」(「奥行き方向」と「横断方向」とは同じ意義で用いる。)を用いて説明しているが、これらは、それぞれ、図15のx方向、y方向、並びに、z方向を示している。
【0073】
図16は本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための平面図であり、立体自動倉庫100の保管倉庫部200のより詳しい構成図である。同図に示されるように、保管ラック211が格納面の背面で隣接して一組の保管ラックを形成し、それが複数配置され、倉庫全体の外側には格納面が一側である外側保管ラック211がその両側に配置されている。そして、この場合における、保管ラック211の奥行き方向(図15のz方向)の長さ(L’)と物品等500の奥行き方向の最大寸法(D)との関係は、D<L’<2Dの関係にあるのが一般的である。
【0074】
図17は本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫を説明するための平面図であり、図16に示した構成とは別の立体自動倉庫100の保管倉庫部2の一構成例である。図16の保管ラック211の長さ(L’)以上の長さ(L)を有し、保管ラック内に支柱や間仕切り等の物品等500の移動の障害となるものがない単独保管ラック212が複数配置され、倉庫全体の外側には格納面が一側である外側保管ラック211がその両側に配置されている。ここでは、単独保管ラック212の長さ(L)は、保管ラック211の略2倍の場合が示されているが、この長さに限定される訳ではなく、物品等500が複数(n個)保管される長さを有するものである。従って、本発明の単独保管ラック212においては、単独保管ラック212の長さ(L)と物品等5の奥行き方向の最大寸法(D)とは、D<L<n×Dの関係にある。
【0075】
図18は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫の動作を説明するための平面的説明図であり、図15に示した立体自動倉庫100における物品等500の流れの一例を示す概念図である。同図に示されるように、保管ラック211間の通路23を含む保管倉庫部200とコンベア及びリフトを含む入出庫部400とを備えて構成され、同一階では通路23を搬送機構300が走行して物品等500を所定の位置から所定の位置まで搬送するものである。例えば、矢印Aは入庫~保管の流れの例を示し、保管されるべき保管ラック211が第3のコンベア43と同一階にある場合、第3のコンベア43から送られる物品等500は、たとえば保管されるべき保管ラック211と同一階に位置するように移動してきた第2のコンベア42、そして、保管されるべき保管ラック211と同一階にある第1のコンベア41を経由し、搬送機構300に搭載されて所定の位置に保管される。また、矢印Bは保管~出庫の流れの例を示し、矢印Aとは逆方向に、保管されるべき保管ラック211の所定の位置に保管されていた物品等500は、搬送機構300に搭載されて第1のコンベア41に搬送され、たとえば保管されるべき保管ラック211と同一階に位置するように移動してきた第2のコンベア42、そして、保管されるべき保管ラック211と同一階にある第3のコンベア43を経由してその後工程に移動するのである。ここで、後工程は物品等から必要なものをピッキングし、その後倉庫に戻す工程と、ピッキング後の空になった集品箱をコンベアで搬出する工程を含む。ここで、入出庫部400は、複数の自動出荷装置GTPを備えている。自動出荷装置GTPについては、後で詳しく説明する。
【0076】
このような制御は図7に示す上位情報システム6000等により制御される。また、ログデータ抽出部51によりログデータも抽出できるように構成されている。
【0077】
このように、立体自動倉庫100では、搬送機構300による保管ラックの水平方向(x方向)への物品等500の自在な搬送、リフト44による保管ラックの垂直方向(y方向)への物品等500の自在な搬送、および、通路23に面した保管ラックと搬送機構300との物品等5の自在な搬送が可能である。
【0078】
図19は、本発明の一実施形態に係るピッキングを説明するための平面的説明図であり、自動出荷装置GTPを説明するための説明図である。自動出荷装置GTPは、立体自動倉庫100の保管されている物品の収納された保管箱500から必要な物品を作業員Hがピッキングして集品箱501に集品するものである。すなわち、作業員Hは、立体自動倉庫100から出庫された保管箱500から必要な物品をピッキングする。その後、ピッキングされた結果の保管箱に残存物品が存在するものは再び立体自動倉庫100に入庫され保管される。この際、物品等が物流共起性を持っていれば、上述のように互いに近接した位置に配置されているから、例えば、2回のピッキングを1回のピッキングで必要な物品を集品箱に入れることが可能となる。
【0079】
図20は、本発明の一実施形態に係る深層学習の構成の概要を示す図である。指示された保管箱500から物品等が投入される集品箱と、集品箱を搬送するコンベヤと、ピッキングされる各種物品を格納する立体自動倉庫100とを備えたピッキングシステムをたとえば前提としている。図20に示すように、本ピッキングシステムは、物品等を集品箱に関連付け記憶するピッキング情報記憶部155と、ピッキング情報記憶部155に記憶された物品を受け付けるデータ入力部157と、複数の物品等同士の関連性から物流共起性のある物品同士をつなぎ合わせ判定モデル159を生成するモデル生成部163により生成された判定モデル159を用いてデータ入力部157に入力された物品等から推定される物品等の物流共起性を予測し出力するデータ出力部161と、を備える。出力された情報は物品等についての情報は物流共起情報記憶部165に記憶される。ここで、判定モデル159は、教師データなしで生成している例を示しているが、教師データありによって生成してもよい。データ入力部157には状況情報取得部105により取得され状況情報記憶部107に記憶されている状況情報(季節、地域性、行事、宣伝、クリスマス、年末年始、お盆及び連休といった状況に係る情報のうちの少なくともいずれかが含まれる。)を集品箱a~集品箱dに関連付けて一緒に入力しても良い。これにより、状況情報を反映させて物流共起性を有する物品を定義することもできる。
【0080】
図21は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫への物品の配置を説明するための説明図である。図21に示すように、モデル生成部163により生成される判定モデル159により予測された物流共起情報に基づき物品等が立体自動倉庫100に格納される。すなわち、物品入庫指示部179は、物流共起情報記憶部165から物品等に係る物流共起情報を読み込むと共に、物品収納情報記憶部177より立体自動倉庫100の物品収納情報を読み込む。そして、立体自動倉庫100の同じ保管場所22へ物流共起性のある物品等500を入庫する指示を入庫指示情報記憶部180に対して出力する。モデル生成部163より生成される判定モデル159は教師データなしのクラスタリングで生成される。なお、教師データありに係る方式によってもよい。
【0081】
図22は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫からのピッキング部品のファイルレイアウトを説明する図である。図22に示すように、表139は、物品収納情報記憶部177のファイルレイアウトの一例である。例えば、集品箱に関連付けピッキングされる物品名に係る情報が記憶される。すなわち、集品箱aには、10月24日に、物品名として「ボールペン」が「1個」ピッキングされることが記憶されている。同様に、「鉛筆」が「2ダース」ピッキングされることが記憶され、「消しゴム」が「1個」ピッキングされることが記憶され、「クリアファイル」が「50枚」ピッキングされることが記憶され、「インクカードリッジ」が「1セット」ピッキングされることが記憶され、「USBメモリ」が「1個」ピッキングされることが記憶されている。
【0082】
集品箱bには、10月24日に、物品名として「バインダー」が「2箱」ピッキングされることが記憶されている。同様に、「鉛筆」が「1ダース」ピッキングされることが記憶され、「消しゴム」が「2個」ピッキングされることが記憶され、「インクカードリッジ」が「2セット」ピッキングされることが記憶され、「ホチキス」が「1個」ピッキングされることが記憶され、「USBメモリ」が「3個」ピッキングされることが記憶されている。
【0083】
集品箱cには、10月24日に、物品名として「インクカードリッジ」が「3セット」ピッキングされることが記憶されている。同様に、「USBメモリ」が「2個」ピッキングされることが記憶され、「万年筆」が「1本」ピッキングされることが記憶され、「用紙」が「100枚」ピッキングされることが記憶され、「封筒」が「12ダース」ピッキングされることが記憶されている。
【0084】
集品箱dには、10月24日に、物品名として「ボールペン」が「3本」ピッキングされることが記憶されている。同様に、「クリアファイル」が「50枚」ピッキングされることが記憶され、「電卓」が「2個」ピッキングされることが記憶され、「バインダー」が「1箱」ピッキングされることが記憶されている。
【0085】
図23は、本発明の一実施形態に係る物品の物流共起性のファイルレイアウトを説明する説明図である。図23に示すように、表140は、判定モデル159が物流共起性のある物品名を探し出し、物品入庫指示部179が、立体自動倉庫の互いに同じ保管場所22へ収納するための指示情報を記憶する物品の物流共起情報記憶部165のファイルレイアウトである。すなわち、判定モデル159が物流共起性のある物品「インクカードリッジ」と「USBメモリ」を指定する。また、物流共起性のある物品「鉛筆」と「消しゴム」を指定する。一方、物品入庫指示部179が物流共起性のある物品を同一の立体倉庫の互いに同じもしくは互いに近接した保管場所22へ入庫するように指示する。具体的には、10月24日には立体倉庫にインクカードリッジとUSBメモリとを互いに同じもしくは互いに近接した保管場所22に入庫するように指示する。また、10月24日に立体自動倉庫に鉛筆と消しゴムを互いに同じもしくは互いに近接した保管場所22に入庫するように指示する。なお、機械学習した判定モデルを構築すると、例えば、腕時計のみを購入した購買者に対してタオルの購買を進めることが可能となる。さらに、物品の物流共起度を日付と関連付ければお盆クリスマスまたは年末年始など特別な日にはどのような共起性が現れるか予想がつくのでどの位物品を仕入れすればよいか等について予測が立てられることになる。その他、物流的な共起性と様々な属性とを相乗的に考慮して拡大された(物流)共起性として上述の思考を経て上述の処理を行えば、色々なことが予想できるようになる。
【0086】
図24は、本発明の一実施形態に係る立体自動倉庫の動作を説明するためのフローチャートであり、より具体的には、物流共起性のある物品情報の生成と立体自動倉庫の同一もしくは互いに近接した保管場所22への入庫(物品の補充)と、物流共起性あり物品の判定モデルの更新とを説明するためのフローチャートである。また、ここでは、シミュレーションをしているので実際の動作は行われていない。
【0087】
初めに、判定モデル159が集品箱aに集品される予定毎の物品の情報を発注オーダー情報から読み込む(ステップS801)。具体的には、10月24日に、物品名としてボールペンが1個ピッキングされることを読み込む。同様に、鉛筆が2ダースピッキングされること、消しゴムが1個ピッキングされること、クリアファイルが50枚ピッキングされること、インクカードリッジが1セットされること、USBメモリが1個ピッキングされること、をそれぞれ読み込む。
【0088】
2回目に集品箱bに集品される予定の物品の情報を読み込む。具体的には、10月24日に、物品名としてバインダーが2箱ピッキングされることを読み込む。同様に、鉛筆が1ダースピッキングされること、消しゴムが2個ピッキングされること、インクカードリッジが2セットピッキングされること、ホチキスが1個ピッキングされること、USBメモリが3個ピッキングされること、をそれぞれ読み込む。
【0089】
3回目に集品箱cは、10月24日に、物品名としてインクカードリッジが3セットピッキングされることを読み込む。同様に、USBメモリが2個ピッキングされること、万年筆が1本ピッキングされること、用紙が100枚ピッキングされること、封筒が12ダースピッキングされること、をそれぞれ読み込む。
【0090】
4回目に集品箱dは、10月24日に、物品名としてボールペンが3本ピッキングされることを読み込む。同様に、クリアファイルが30枚ピッキングされること、電卓が1個ピッキングされること、バインダーが1箱ピッキングされること、をそれぞれ読み込む。
【0091】
次に、判定モデル159が、物品に物流共起性があるか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803において物品に物流共起性があると判断した場合に処理はステップS805に進む。物品に物流共起性がないと判断した場合に処理はステップ807に進む。
【0092】
次に、判定モデル159が、物流共起性があると認められる物品同士をグループ化する(ステップS805)。グループ化とは物流共起性のある物品同士を1つにまとめるため物品の物流共起情報記憶部165に記憶することをいう。例えば、物品同士が2個の場合は1行に2個の物品を並べて記憶させる。物品同士が3個ある場合は1行に3個の物品を並べて記憶させる。
【0093】
次に、全ての集品箱の物品を読み込んだか否かを判断する(ステップS807)。すなわち、初めに集品箱aに入庫される予定の物品の情報を読み込み、2回目に集品箱bの物品の情報を読み込む。3回目に集品箱cの物品の情報を読み込み、4回目に集品箱dの物品の情報を読み込む。ステップS807にて全ての集品箱a~集品箱dの物品の情報を読み込んだと判断した場合に処理はステップS809に進む。全ての集品箱a~集品箱dの物品の情報を読み込んでいないと判断した場合に処理はステップS801に戻る。
【0094】
次に、物品入庫指示部179が入庫する保管場所22を決定する(ステップS809)。保管場所22の決定は空きのある保管場所22を特定して、当該保管場所22へ物流共起性のある物品を入庫する。
【0095】
次に、自動でグループ化された所定の倉庫等に保管されている物品を保管場所22へ入庫する指示情報を生成する(ステップS811)。
【0096】
次に、全てのグループの物品等500を入庫する指示情報を生成したか否かを判断する(ステップS813)。ステップS813にて全てのグループを入庫する指示情報を生成したと判断された場合に処理はステップS815に進む。全てのグループの物品等500を入庫する指示情報を生成していないと判断した場合に処理はステップS811に戻る。
【0097】
次に、モデル生成部163が判定モデル159を更新する(ステップS815)。このように、判定モデル159を更新することにより入庫が完了したデータも蓄積データとなり、より正確な判定モデル159に更新することができる。なお、更新はデータを溜めておいて一括して更新する。これにより、共起する物品等500を保管場所22から迅速及び適正にピッキングを行える立体自動倉庫システムを提供できるという効果を奏する。なお、更新はデータを溜めておいて一括して更新する態様を説明しているが、都度更新する態様であってもよい。また、本実施形態の自動倉庫においては、例えば図18に示した1つの通路23とその通路に対面する一対の棚とを一つの保管通路空間とし、各保管通路空間にそれぞれ1つずつのGTPを設けておく。このような倉庫において、物流共起性の高い物品の組を一つの保管通路空間に入庫することにより、一つの通路内の搬送機構の動作を用いて物流共起性の高い物品の組を一つのGTPに集約することができるため、物流的に共起する物品等500を保管場所22から迅速及び適正にピッキングを行える立体自動倉庫システムを提供できるという効果を奏する。
【0098】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本願の技術思想は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形及び変更、拡大、置換等が可能である。また、上述した一実施形態に係る構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0099】
C 搬送方向
1 保管棚
101~112 Zkのピッキングゾーンに設けられた保管棚
2 作業員(・・・2k2l2n2m・・・)
3 ベルトコンベヤ
4 集品箱(・・・401~414・・・)
5 仮置棚
501~504 Zkのピッキングゾーンに設けられた仮置棚
Z 作業員の担当ピッキングゾーン(・・・ZkZlZmZn・・・)
P 作業空間(・・・PkPlPmPn・・・)
6 取出表示器
61 仮置取出表示器
62 仮置取出数量表示器
63 直接投入取出表示器
64 直接投入取出数量表示器
65 取出場所表示器(ベイランプ)
66 保管棚取出完了リセットボタン
601~612 Zkのピッキングゾーンに設けられた取出表示器
7 ガイドランプ
8 仮置表示器
51 ログデータ抽出部
53 ログデータ記憶部
55 物品記憶部
57 データ入力部
59 判定モデル(判定部)
71データ出力部
73 モデル生成部
75 物流共起性情報記憶部
81 仮置場所表示器(ベイランプ)
82 仮置投入表示器
83 仮置投入数量表示器
84 仮置投入完了リセットボタン
105 状況情報取得部
107 状況情報記憶部
109 教師データ入力部
111 判定モデル
113 教師データ出力部
114 モデル生成部
115 ログデータ解析部
116 物品量記憶部
117 データ入力部
119 データ出力部
121 ピッキング量予測情報記憶部
123 処理能力記憶部
125 整合部
127 作業指示情報出力部
129 作業指示情報記憶部
155 立体棚からのピッキング情報記憶部
157 データ入力部
159 判定モデル
161 データ出力部
163 モデル生成部
165 共起情報記憶部
801~804 Zkのピッキングゾーンに設けられた仮置表示器
図1
図2
図3
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