(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】積層型電子部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250107BHJP
H01C 7/02 20060101ALI20250107BHJP
H01C 7/04 20060101ALI20250107BHJP
H01C 7/10 20060101ALI20250107BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01G4/30 201N
H01G4/30 512
H01G4/30 517
H01G4/30 201K
H01G4/30 311F
H01C7/02
H01C7/04
H01C7/10
H01F41/04 B
(21)【出願番号】P 2023095794
(22)【出願日】2023-06-09
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0144445
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジ ヒェオン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、エウン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヨン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ウー
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン タエ
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ミ
(72)【発明者】
【氏名】カン、シム チュン
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-056752(JP,A)
【文献】特開2022-099069(JP,A)
【文献】特開昭58-196071(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163292(WO,A1)
【文献】特表2010-518651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01C 7/02
H01C 7/04
H01C 7/10
H01F 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の第1内部電極パターンが所定の間隔を挟んで形成された第1セラミックグリーンシート及び複数個の第2内部電極パターンが所定の間隔を挟んで形成された第2セラミックグリーンシートを設ける段階と、
前記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンとが交差するように、前記第1セラミックグリーンシートと前記第2セラミックグリーンシートとを第1方向に積層してセラミックグリーンシート積層本体を形成する段階と、
前記第1内部電極パターン及び前記第2内部電極パターンにおいて、大きさが大きい方向を第2方向、大きさが小さい方向を第3方向と定義するとき、前記第1内部電極パターン及び前記第2内部電極パターンの末端が前記第3方向に露出するように前記セラミックグリーンシート積層本体を切断する段階と、
接着剤が付着された弾性パッド上に前記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体を離隔し
且つそれぞれの前記第3方向の一端面を前記弾性パッドの上方に向けて配置する段階と、
前記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体の前記第3方向
の一端面にセラミック物質、光硬化剤及び光開始剤を含むマージン部グリーンシート
を付着する段階と、
前記マージン部グリーンシートにエネルギーを照射して前記光硬化剤と前記光開始剤の光硬化重合反応を発生させるエネルギー照射段階と、
前記マージン部グリーンシートが付着されて切断されたセラミックグリーンシート積層本体を焼成して、誘電体層、第1内部電極及び第2内部電極を含む本体、及びマージン部を設ける段階と、を含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体を離隔して配置する段階の後に、前記離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体をスキャンする段階と、を含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記エネルギー照射段階は、前記離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体に付着された前記マージン部のグリーンシート領域のみにエネルギーを照射する、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記マージン部グリーンシートは、キャリアフィルム上に付着され、
前記エネルギー照射段階の後に、前記マージン部グリーンシートが付着された前記キャリアフィルムを前記切断されたセラミックグリーンシート積層本体から分離する段階と、を含む、請求項3に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記光硬化剤は、エポキシ(epoxy)、アクリレート(acrylate)、ウレタン(urethane)、及びチオール(thiol)の少なくとも1つ以上のモノマー(monomer)またはオリゴマー(oligomer)を含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記光開始剤は、Benzoin methyl ether、2,2-Dimethoxy-2-phenylacetophenone、2-Hydroxy-2-methyl-phenyl-propane-1-one、α-Hydroxy-acetophenone、Bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide、2,4,6-Trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide及びBis(2,6-dichlorobenzoyl)-(4-propylphenyl)-phosphine oxideの少なくとも1つ以上を含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記光硬化剤の含有量は、前記マージン部グリーンシートに含まれたセラミック物質に対して15~26wt%を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記光開始剤の含有量は、前記光硬化剤の含有量に対して0.1~5.0wt%を満たす、請求項7に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項9】
前記エネルギー照射段階の後に、
前記切断されたセラミックグリーンシート積層本体を前記第1方向及び前記第3方向の断面を基準に前記本体の最外側の角のうち前記第1方向の角の延長線をT、前記第3方向の角の延長線をWと定義し、前記T及び前記Wがなす角度を∠WTと定義するとき、
前記∠WTは、90.0°±0.5°を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項10】
前記セラミックグリーンシート積層本体を形成する段階において、
前記セラミックグリーンシート積層本体の前記第1方向の両端面にカバー部マージンシートを付着する段階と、を含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記本体及びマージン部を設ける段階の後に、
前記本体の前記第2方向の外側に第1及び第2外部電極ペーストを塗布する段階と、
前記第1及び第2外部電極ペーストを焼成して第1及び第2外部電極を設ける段階と、を含む、請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極を設ける段階の後に、
前記第1外部電極上に第1めっき層を形成する段階と、
前記第2外部電極上に第2めっき層を形成する段階と、を含む、請求項11に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項13】
誘電体層、及び前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含んで容量を形成する活性部を含み、前記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、
前記本体の前記第2方向の外側に配置され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、
前記活性部の前記第3方向の両端面に配置されるマージン部と、を含み、
前記本体の前記第1方向及び前記第3方向の断面を基準に、前記本体の最外側の角のうち前記第1方向の角の延長線をT、前記第3方向の角の延長線をWと定義し、前記T及び前記Wがなす角度を∠WTと定義するとき、
前記∠WTは90.0°±0.5°を満た
し、
前記マージン部は、光硬化剤及び光開始剤の光硬化重合反応によって生成された光硬化重合反応物質を用いて形成されている、積層型電子部品。
【請求項14】
前記光硬化剤は、エポキシ(epoxy)、アクリレート(acrylate)、ウレタン(urethane)、及びチオール(thiol)の少なくとも1つ以上のモノマー(monomer)またはオリゴマー(oligomer)を含む、請求項13に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記光開始剤は、Benzoin methyl ether、2,2-Dimethoxy-2-phenylacetophenone、2-Hydroxy-2-methyl-phenyl-propane-1-one、α-Hydroxy-acetophenone、Bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide、2,4,6-Trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide及びBis(2,6-dichlorobenzoyl)-(4-propylphenyl)-phosphine oxideの少なくとも1つ以上を含む、請求項14に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器など、各種電子機器が小型化、高出力化され、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化を実現するために、内部電極が本体の幅方向に露出することで、マージンのない設計により内部電極の幅方向の面積を最大化するが、このようなチップ製作後の焼成前段階でチップの幅方向の電極露出面にマージン部を別途付着して完成する方法が適用されている。
【0005】
しかしながら、マージン部を付着する過程で高い熱及び圧力が伴われ、このような熱及び圧力は積層セラミックキャパシタの変形を引き起こして、不良率を増加させるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本公開特許公報第2022-056752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、マージン部の付着時に発生し得るマージン部の不良を最小限に抑えて積層型電子部品の完成度を向上させることである。
【0008】
但し、本発明が解決しようとする様々な課題は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、複数個の第1内部電極パターンが所定の間隔を挟んで形成された第1セラミックグリーンシート及び複数個の第2内部電極パターンが所定の間隔を挟んで形成された第2セラミックグリーンシートを設ける段階と、上記第1内部電極パターンと第2内部電極パターンとが交差するように、上記第1セラミックグリーンシートと上記第2セラミックグリーンシートとを第1方向に積層してセラミックグリーンシート積層本体を形成する段階と、上記第1及び第2内部電極パターンにおいて大きさが大きい方向を第2方向、大きさが小さい方向を第3方向と定義するとき、上記第1及び第2内部電極パターンの末端が上記第3方向に露出するように上記セラミックグリーンシート積層本体を切断する段階と、接着剤が付着された弾性パッド上に上記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体を離隔して配置する段階と、上記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体の上記第3方向の少なくとも一端面にセラミック物質、光硬化剤及び光開始剤を含むマージン部グリーンシートを付着する段階と、上記マージン部グリーンシートにエネルギーを照射して上記光硬化剤と上記光開始剤の光硬化重合反応を発生させるエネルギー照射段階と、上記マージン部グリーンシートが付着されて切断されたセラミックグリーンシート積層本体を焼成して、誘電体層、第1内部電極及び第2内部電極を含む本体及びマージン部を設ける段階と、を含むことができる。
【0010】
本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含んで容量を形成する活性部を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体の上記第2方向の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、上記活性部の上記第3方向の両端面に配置されるマージン部と、を含み、上記本体の上記第1及び第3方向の断面を基準に上記本体の最外側の角のうち上記第1方向の角の延長線をT、上記第3方向の角の延長線をWと定義し、上記T及び上記Wがなす角度を∠WTと定義するとき、上記∠WTは90.0°±0.5°を満たすことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の様々な効果の一つは、マージン部の不良を最小限に抑えて積層型電子部品の完成度を向上させることができる。
【0012】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示した図面である。
【
図2】
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示した図面である。
【
図3a】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3b】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3c】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3d】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3e】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3f】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3g】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3h】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図3i】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【
図4】本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法によって本体の一面にマージン部が付着された断面図を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0015】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0016】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(T)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0017】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示した図面であり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示した図面である。
【0018】
以下、
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品について詳細に説明する。但し、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明は誘電体組成物を利用する様々な電子製品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111、及び上記誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含んで容量を形成する活性部Acを含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、上記第1~第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記本体110の上記第2方向の外側に配置され、上記第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132と、上記活性部Acの上記第3方向の両端面に配置されるマージン部114、115と、を含み、上記本体110の上記第1及び第3方向の断面を基準に上記本体110の最外側の角のうち上記第1方向の角の延長線をT、上記第3方向の角の延長線をWと定義し、上記T及び上記Wがなす角度を∠WTと定義するとき、上記∠WTは90.0°±0.5°を満たすことができる。
【0020】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0021】
より具体的には、本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量を形成する活性部Acを含むことができる。
【0022】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではなく、実質的に六面体状を有することができる。
【0023】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、第1~第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。
【0024】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0025】
誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り制限されない。一般的に、ペロブスカイト(ABO3)系材料を用いることができ、セラミック物質、 例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0026】
また、誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などの粉末に本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0027】
誘電体層111の厚さtd'は、特に限定する必要はない。
【0028】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために誘電体層111の厚さtd'は0.6μm以下であることができ、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0029】
ここで、誘電体層111の厚さtd'は、第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の厚さtd'を意味することができる。
【0030】
一方、誘電体層111の厚さtd'は、誘電体層111の第1方向の大きさを意味することができる。また、誘電体層111の厚さtd'は、誘電体層111の平均厚さtd'を意味することができ、誘電体層111の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0031】
誘電体層111の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされたイメージにおいて1つの誘電体層111を第2方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定した平均値であることができる。上記等間隔の30つの地点は活性部Acで指定されることができる。また、このような平均値測定を10つの誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0032】
内部電極121、122は誘電体層111と交互に積層されることができる。
【0033】
内部電極121、122は第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122は本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0034】
より具体的には、第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3を介して露出することができ、第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体110の第3面3には第1外部電極131が配置されて第1内部電極121と連結され、本体110の第4面4には第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0035】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されずに、第2外部電極132と連結されることができる。このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
【0036】
一方、後述するマージン部114、115を付着する場合、第1内部電極121及び第2内部電極122は、本体110の第5面5及び第6面6に露出することができる。すなわち、第1内部電極121は第5面5及び第6面6に露出することができ、第2内部電極122は第5面5及び第6面6に露出することができる。
【0037】
本体110は、第1内部電極121が印刷された第1セラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷された第2セラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成して形成されることができ、これについては、後述する積層型電子部品の製造方法でより詳しく説明する。
【0038】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0039】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
一方、内部電極121、122の厚さte'は特に限定する必要はない。
【0041】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、内部電極121、122の厚さte'は0.6μm以下であることができ、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0042】
ここで、内部電極121、122の厚さte'は、内部電極121、122の第1方向の大きさを意味することができる。また、内部電極121、122の厚さte'は、内部電極121、122の平均厚さte'を意味することができ、内部電極121、122の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0043】
内部電極121、122の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされたイメージにおいて1つの内部電極121、122を第2方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定した平均値であることができる。上記等間隔の30つの地点は、活性部Acで指定されることができる。また、このような平均値測定を10つの内部電極121、122に拡張して平均値を測定すると、内部電極121、122の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0044】
一方、本体110は、活性部Acの第1方向の両端面(end-surface)に配置されたカバー部112、113を含むことができる。
【0045】
より具体的には、活性部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112及び活性部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0046】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層111または2つ以上の誘電体層111を活性部Acの上下面にそれぞれ第1方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0047】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極121、122を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。すなわち、上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック物質を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック物質を含むことができる。
【0048】
一方、カバー部112、113の厚さtc'は特に限定する必要はない。
【0049】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さtc'は100μm以下であることができ、好ましくは30μm以下であることができ、超小型製品ではより好ましく20μm以下であることができる。
【0050】
ここで、カバー部112、113の厚さtc'は、カバー部112、113の第1方向の大きさを意味することができる。また、カバー部112、113の厚さtc'は、カバー部112、113の平均厚さtc'を意味することができ、カバー部112、113の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0051】
カバー部112、113の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされたイメージにおいて1つのカバー部112、113を第3方向に等間隔の30つの地点で第1方向の大きさを測定した平均値であることができる。上記等間隔の30つの地点は、上部カバー部112で指定されることができる。また、このような平均値測定を下部カバー部113に拡張して平均値を測定すると、カバー部112、113の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0052】
一方、本体110の第3方向の両端面(end-surface)上にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0053】
より具体的には、マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部114及び第6面6に配置された第2マージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、本体110の第3方向の両端面に配置されることができる。
【0054】
または、図示されたように、マージン部114、115は、本体110の第2及び第3方向に切断した断面(cross-section)を基準に、第1及び第2内部電極121、122が第3方向に露出する両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0055】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0056】
マージン部114、115は、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極121、122が本体110の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層111または2つ以上の誘電体層111を活性部Acの第3方向の両端面に第3方向に積層して形成することもできる。
【0057】
すなわち、内部電極121、122及び誘電体層111は同時に切断して形成されることができ、内部電極121、122の第3方向の大きさ及び誘電体層111の第3方向の大きさは同一に形成されることができ、これに対するより具体的な事項は後述する。
【0058】
一方、第1及び第2マージン部114、115の幅wm'は特に限定する必要はない。
【0059】
但し、積層型電子部品100の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、第1及び第2マージン部114、115の幅wm'は100μm以下であることができ、好ましくは30μm以下であることができ、超小型製品では、より好ましくは20μm以下であることができる。
【0060】
ここで、マージン部114、115の幅wm'は、マージン部114、115の第3方向の大きさを意味することができる。また、マージン部114、115の幅は、マージン部114、115の平均幅を意味することができ、マージン部114、115の第3方向の平均大きさを意味することができる。
【0061】
マージン部114、115の第3方向の平均大きさは、本体110の第1及び第3方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされたイメージにおいて1つのマージン部114、115を第1方向に等間隔の30つの地点で第3方向の大きさを測定した平均値であることができる。上記等間隔の30つの地点は、第1マージン部114で指定されることができる。また、このような平均値測定を第2マージン部114、115に拡張して平均値を測定すると、マージン部114、115の第3方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0062】
一方、後述する本発明の他の一実施形態に係る製造方法によって付着されるマージン部114、115を含む積層型電子部品100を
図2を参照して説明したとき、本体110の第1及び第3方向の断面(cross-section)を基準に本体110の最外側の角のうち第1方向の角の延長線をT、第3方向の角の延長線をWと定義し、上記T及び上記Wがなす角度を∠WTと定義するとき、上記∠WTは90.0°±0.5°を満たすことができる。
【0063】
これは、マージン部グリーンシート付着時に発生する可能性があるマージン部グリーンシートのズレやマージン部の形成過程で発生する可能性がある外部の力やストレスによって積層型電子部品の変形が発生しなかったことを意味することができる。マージン部の製造方法に関して、より詳細な事項については後述する。
【0064】
本発明の一実施形態では、セラミック電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0065】
外部電極131、132は本体110上に配置され、内部電極121、122と連結されることができる。
【0066】
より具体的には、外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。すなわち、第1外部電極131は本体の第3面3に配置され、第1内部電極121と連結されることができ、第2外部電極132は本体の第4面4に配置され、第2内部電極122と連結されることができる。
【0067】
外部電極131、132は、金属などの電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0068】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層及び電極層上に配置されるめっき層を含むことができる。
【0069】
電極層に対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0070】
また、電極層は、本体110上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。
【0071】
また、電極層は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0072】
電極層に用いられる導電性金属は、静電容量形成のために上記内部電極と電気的に連結されることができる材質であれば、特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上を含むことができる。電極層は、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して設けられた導電性ペーストを塗布した後に焼成することで形成されることができる。
【0073】
めっき層は、実装特性を向上させる役割を果たす。
【0074】
めっき層の種類は特に限定されず、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む単一層のめっき層であることができ、複数層で形成されることができる。
【0075】
めっき層に対するより具体的な例を挙げると、めっき層は、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0076】
積層型電子部品の製造方法
図3a~
図3iは、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図及び斜視図である。
【0077】
以下、
図3a~
図3iを参照して、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法について詳細に説明する。但し、上述した積層型電子部品と重複する内容は省略する。
【0078】
本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、複数個の第1内部電極パターン221が所定の間隔を挟んで形成された第1セラミックグリーンシート及び複数個の第2内部電極パターン222が所定の間隔を挟んで形成された第2セラミックグリーンシートを設ける段階と、上記第1内部電極パターン221と第2内部電極パターン222とが交差するように、上記第1セラミックグリーンシートと上記第2セラミックグリーンシートを第1方向に積層してセラミックグリーンシート積層本体210を形成する段階と、上記第1及び第2内部電極パターン221、222において、大きさが大きい方向を第2方向、大きさが小さい方向を第3方向と定義するとき、上記第1及び第2内部電極パターン221、222の末端が上記第3方向に露出するように上記セラミックグリーンシート積層本体210を切断する段階と、接着剤320が付着された弾性パッド310上に上記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を離隔して配置する段階と、上記複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の上記第3方向の少なくとも一端面にセラミック物質、光硬化剤及び光開始剤を含むマージン部グリーンシート214、215を付着する段階と、上記マージン部グリーンシート214、215にエネルギー610を照射して上記光硬化剤と上記光開始剤の光硬化重合反応を発生させるエネルギー照射段階と、上記マージン部グリーンシート214、215が付着されて切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を焼成し、誘電体層111、第1内部電極121及び第2内部電極122を含む本体110、及びマージン部114、115を設ける段階と、を含むことができる。
【0079】
図3aに示されたように、セラミックグリーンシート211上に所定の間隔を挟んで複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221を形成する。上記複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221は互いに平行に形成されることができ、第1内部電極パターン221が形成されるセラミックグリーンシートを第1セラミックグリーンシートと定義することができる。
【0080】
セラミックグリーンシート211は、セラミック物質、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックスラリーを含むことができる。セラミック物質は、高い誘電率を有する物質として特に制限されないが、ペロブスカイト(ABO3)系材料を用いることができ、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0081】
ストライプ状の第1内部電極パターン221は、導電性金属を含む内部電極用ペーストによって形成されることができ、上記導電性金属は特に制限されるものではないが、上述した内部電極121、122のように電気導電性に優れた材料を用いることができる。
【0082】
第1内部電極パターン221は、第1セラミックグリーンシート221a上にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いて形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0083】
また、図示してはいないが、また他のセラミックグリーンシート211上に所定の間隔を挟んで複数個のストライプ状の第2内部電極パターン222を形成することができ、第2内部電極パターン222が形成されるセラミックグリーンシートを第2セラミックグリーンシートと定義することができる。
【0084】
次に、
図3bに示されたように、ストライプ状の第1内部電極パターン221とストライプ状の第2内部電極パターン222が交差積層されるように第1及び第2セラミックグリーンシートを交互に積層することができる。
【0085】
このとき、セラミックグリーンシート211及び内部電極パターン221、222を第1方向に積層して容量を形成する部分をグリーン活性部と定義することができ、グリーン活性部の第1方向の両端面上にカバー部グリーンシート212、213を配置することができる。より具体的には、カバー部グリーンシート212、213は、グリーン活性部の第1方向の上部に配置される第1カバー部グリーンシート212及びグリーン活性部の第1方向の下部に配置される第2カバー部グリーンシート213を含むことができる。
【0086】
この後、ストライプ状の第1内部電極パターン221は第1内部電極121になることができ、ストライプ状の第2内部電極パターン222は第2内部電極122になることができる。また、第1カバー部グリーンシート212は第1カバー部112になることができ、第2カバー部グリーンシート213は第2カバー部113になることができる。
【0087】
第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdは特に限定する必要はない。
【0088】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdは1.0μm以下であることができ、好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0089】
ここで、第1及び第2セラミックグリーンシートの厚さtdは、第1及び第2セラミックグリーンシートの第1方向の大きさを意味することができる。
【0090】
第1及び第2内部電極パターンの厚さteは特に限定する必要はない。
【0091】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、第1及び第2内部電極パターンの厚さteは1.0μm以下であることができ、好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0092】
図3cは、第1及び第2セラミックグリーンシートが第1方向に積層されたセラミックグリーンシート積層本体220を示した断面図であり、
図3dは、第1及び第2セラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層本体220の概略的な斜視図である。
【0093】
図3c及び
図3dを参照すると、複数個の平行なストライプ状の第1内部電極パターン221が印刷された第1セラミックグリーンシートと複数個の平行なストライプ状の第2内部電極パターン222が印刷された第2セラミックグリーンシートは互いに交互に積層されている。
【0094】
より具体的には、第1セラミックグリーンシートに印刷されたストライプ状の第1内部電極パターン221の中央部と第2セラミックグリーンシートに印刷されたストライプ状の第2内部電極パターン222との間の間隔が重なるように積層されることができる。
【0095】
次に、
図3dに示されたように、上記セラミックグリーンシート積層本体220は複数個のストライプ状の第1内部電極パターン221及びストライプ状の第2内部電極パターン222を横切るように切断されることができる。すなわち、セラミックグリーンシート積層本体210は、互いに直交するC1-C1及びC2-C2の切断線に沿って切断されたセラミックグリーンシート積層本体210になることができる。
【0096】
より具体的には、ストライプ状の第1内部電極パターン221及びストライプ状の第2内部電極パターン222は、第2方向に切断されて一定の第3方向の大きさを有する複数個の内部電極に分割することができる。このとき、積層されたセラミックグリーンシートも内部電極パターンと共に複数個に切断されて、複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を設けることができる。一方、切断されたセラミックグリーンシートと切断された内部電極パターンの第3方向の大きさは同一であることができる。
【0097】
また、C2-C2切断線に沿って個別的な本体サイズに適合に切断することができる。すなわち、マージン部グリーンシート214a、214bを付着する前に棒状のセラミックグリーンシート積層本体210をC2-C2切断線に沿って個別的なセラミック本体サイズに切断して複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を形成することができる。
【0098】
すなわち、棒状セラミックグリーンシート積層本体210を、重なった第1内部電極の中心部と第2内部電極との間に形成された所定の間隔が同一の切断線によって切断されるように切断することができる。これにより、第1内部電極及び第2内部電極の一端は、切断面に交互に露出することができる。
【0099】
この後、
図3eに示されたように、切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を設けることができる。
【0100】
一方、積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化を実現するために、内部電極が本体の幅方向に露出することで、マージンのない設計により内部電極の幅方向の面積を最大化するが、このようなチップ製作後の焼成前段階でチップの幅方向の電極露出面にマージン部を別途付着して完成する方法が適用されている。
【0101】
従来のマージン部の形成方法によると、マージン部を積層型電子部品の幅方向の切断面に付着するために、マージン部グリーンシートを積層型電子部品に付着した後、マージン部グリーンシートに熱及び圧力を加えて積層型電子部品に圧着させ、積層型電子部品に付着しないマージン部グリーンシート部位を打ち抜いて残余マージン部グリーンシートを除去する方式を含む工程が進行されることができる。
【0102】
しかしながら、マージン部を付着する過程で伴われる高い熱と圧力、及び打ち抜き工程などは、積層型電子部品の変形を引き起こして、不良率を増加させることができる。さらに、このような従来のマージン部形成工程は手間がかかるだけでなく、積層型電子部品が高いストレス(stress)に露出するという欠点がある。積層型電子部品に加わる高いストレスは、積層型電子部品の変形、マージン部シートのズレなどの不良を引き起こし、完成度を低下させるか、生産の歩留まりを悪化させる原因として作用している。
【0103】
したがって、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、マージン部シートを付着する過程と、積層型電子部品の大きさに合わせて切断する打ち抜き工程とを一つの工程に単純化し、積層型電子部品に加えられるストレスを最小限に抑えるという利点がある。以下、本発明の一製造方法についてより詳細に説明する。
【0104】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、
図3fに示されたように、複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を形成する段階の後に、接着剤310が付着された弾性パッド320上に複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を離隔して配置する段階を含むことができる。
【0105】
このとき、複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の離隔間隔は特に制限されないが、一定の間隔を維持することが好ましい場合があり、切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の第1方向の大きさと同じまたは大きい場合に、マージン部グリーンシートの付着が容易であることができる。
【0106】
このとき、離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210をスキャンする段階を含むことができる。このとき、スキャンするスキャナ400の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、3Dレーザスキャナ(3-dimentinal laser scanner)を用いることができる。
【0107】
ここで、3Dレーザスキャナは、レーザまたはランプの光をスキャンしようとする事物に照射し、反射されて戻ってくる光を感知して事物の形態を把握する非接触式スキャナを意味することができる。3Dレーザスキャナを用いて離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の形状と配列しているデータを取得することができる。
【0108】
次に、
図3gに示されたように、複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の第3方向の少なくとも一端面にマージン部グリーンシート214a、215aを付着する段階を含むことができる。
【0109】
このとき、マージン部グリーンシート214a、215aをキャリアフィルム上に付着されて移動することができ、加熱及び加圧なしに複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の第3方向の少なくとも一端面に付着されることができる。
【0110】
マージン部グリーンシート214a、215aは、セラミック物質、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックスラリーを含むことができる。セラミック物質は、高い誘電率を有する物質として特に制限されないが、ペロブスカイト(ABO3)系材料を用いることができ、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0111】
また、マージン部グリーンシート214a、215aは、光硬化剤及び光開始剤を含むことができる。
【0112】
光硬化剤は、例えば、エポキシ(epoxy)、アクリレート(acrylate)、ウレタン(urethane)、及びチオール(thiol)の少なくとも1つ以上のモノマー(monomer)またはオリゴマー(oligomer)を含むことができるが、特にこれに制限されるものではない。
【0113】
このとき、光硬化剤の含有量は、マージン部グリーンシート214a、215aに含まれたセラミック物質に対して15~26wt%を満たすことができる。
【0114】
光硬化剤の含有量がセラミック物質に対して15wt%未満の場合、光硬化重合反応が完了されても十分な接着強度が得られず、光硬化剤の含有量がセラミック物質に対して26wt%超過である場合、過度の有機物含有量によって焼成後の積層型電子部品100の信頼性を低下させることができる。
【0115】
光開始剤は、例えば、Benzoin methyl ether、2,2-Dimethoxy-2-phenylacetophenone、2-Hydroxy-2-methyl-phenyl-propane-1-one、α-Hydroxy-acetophenone、Bis(2,6-dimethoxybenzoyl)-2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide、2,4,6-Trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide及びBis(2,6-dichlorobenzoyl)-(4-propylphenyl)-phosphine oxideの少なくとも1つ以上を含むことができるが、特にこれに制限されるものではない。
【0116】
光開始剤の含有量は、光硬化剤の含有量に対して0.1~5.0wt%を満たすことができる。
【0117】
光開始剤の含有量が光硬化剤の含有量に対して0.1wt%未満及び5.0wt%超過である場合、後述する光硬化重合反応が十分に進行しないことがあり、焼成後のマージン部114、115の機械的強度が十分ではないため、積層型電子部品100の信頼性を低下させることができる。
【0118】
次に、
図3hに示されたように、マージン部グリーンシート214a、215aにエネルギーを照射して光硬化剤と光開始剤との光硬化重合反応を発生させるエネルギー照射段階を含むことができる。
【0119】
このとき、エネルギー照射段階は、離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210に付着されたマージン部グリーンシート214a、215aの領域のみにエネルギーを照射することができる。
【0120】
光硬化剤及び光開始剤を含むマージン部グリーンシート214a、215aにエネルギー照射装置で照射されるエネルギー610を用いて光硬化重合反応を発生させる場合、短時間内で光硬化重合反応が発生することがあり、これにより、光硬化反応物質が生成されることができる。このとき、マージン部グリーンシート214、215が光硬化重合反応物質を含むことで機械的強度が向上することができる。
【0121】
このとき、エネルギー610は、例えば、約100~400nmの波長を有する紫外線(UV:Ultra Violet)を含む光エネルギーであることができ、10-3~10nmの波長を有する電子ビーム(EB:Electron beam)であることができるが、特にこれに制限されるものではない。
【0122】
一方、離隔して配置された複数個の切断されたセラミックグリーンシート積層本体210に付着されたマージン部グリーンシート214a、215a領域のみにエネルギーを照射する方法は、エネルギーを分散させて選択的に反射させるエネルギー反射装置500を用いることができる。
【0123】
より具体的には、例えば、上述した非接触式スキャナを介して取得した個別の積層型電子部品の形状の全体的な配列データをデジタルミラー装置(DMD:Digital Mirror Device)に転送する。このとき、DMDには解像度に応じて数十~数百万個以上のマイクロミラー(micro mirror)が配置されており、各マイクロミラー510は個別的に角度調節が可能である。転送されたイメージデータに基づいてマイクロミラー510の角度を調節し、DMDに入射されるエネルギーを部分的に反射して照射しようとするマージン部グリーンシート214a、215a領域にエネルギー610を加えることができる。このような方式によって積層型電子部品の第3方向の少なくとも一端面に付着されたマージン部グリーンシート214a、215a領域のみに選択的に光硬化重合反応を進行して、光硬化重合反応が進行されたマージン部グリーンシート214、215を形成することができる。
【0124】
次に、マージン部グリーンシート214a、215aが付着されたキャリアフィルム330を切断されたセラミックグリーンシート積層本体210から分離する段階を含むことができる。
【0125】
このとき、選択的に光硬化重合反応物質を含むマージン部グリーンシート214、215は切断されたセラミックグリーンシート積層本体210に付着されており、光硬化重合反応が進行されていないマージン部グリーンシート214a、215aは、キャリアフィルム330が分離されるにつれて切断されたセラミックグリーンシート積層本体210から脱着されることができる。
【0126】
本発明の一実施形態に係る
図4を参照すると、切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の一端面に光硬化重合反応が進行された第1マージン部グリーンシート214が付着されることができる。
【0127】
この後、光硬化重合反応が進行されたマージン部グリーンシート214が付着されていない切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を回転させて他端面、例えば、第6面6に第2マージン部グリーンシート215aを付着した後、上述した段階と同一の過程を経て、光硬化重合反応物質を含む第2マージン部グリーンシート215を付着することができる。
【0128】
必要に応じて、切断されたセラミックグリーンシート積層本体210の第3方向の一端面にのみマージン部グリーンシート214を付着することができ、第3方向の両端面にマージン部グリーンシート214、215を付着することができ、特にこれに制限されるものではない。
【0129】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、本段階の形態と類似した
図2を参照したとき、エネルギー照射段階後に切断されたセラミックグリーンシート積層本体を第1及び第3方向の断面を基準に本体の最外側の角のうち第1方向の角の延長線をT、第3方向の角の延長線をWと定義し、T及びWがなす角度を∠WTと定義するとき、∠WTは90.0°±0.5°を満たすことができる。
【0130】
これは、積層型電子部品に加圧または加熱してストレスを加える従来のマージン部の形成方法ではなく、本発明の一実施形態に係る製造方法による結果であることができる。
【0131】
より具体的には、Tは、本体の第1方向の角の両端点を直線で連結した仮想の線であることができ、Wは、本体の第3方向の角の両端点を直線で連結した仮想の線であることができ、∠WTは、T及びWがなす角度を意味することができる。
【0132】
次に、マージン部グリーンシート214、215が付着されて切断されたセラミックグリーンシート積層本体210を焼成して、誘電体層、第1内部電極及び第2内部電極を含む本体及びマージン部を設ける段階を含むことができる。
【0133】
本体及びマージン部を設ける段階の焼成過程において、光硬化重合反応が進行されたマージン部セラミックグリーンシート214、215の光硬化重合反応物質が除去されることができる。熱処理温度によって、一部の光硬化重合反応物質が残存することがあるが、マージン部114、115の十分な機械的強度を確保するための熱処理温度では、光硬化重合反応物質が残存しないことがある。
【0134】
このような過程により、マージン部形成過程を短縮させることができ、打ち抜きなどの不要な工程を進行しないことで積層型電子部品に加わるストレスを最小化し、不良率を顕著に減少させて完成品であるチップ(chip)の歩留まりを向上させることができる。
【0135】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法は、本体及びマージン部を設ける段階後に、本体の第2方向の外側に第1外部電極及び第2外部電極ペーストを塗布する段階を含むことができ、第1外部電極及び第2外部電極ペーストを焼成して第1外部電極131及び第2外部電極132を設けることができる。
【0136】
外部電極131、132に関する内容は、上述と同様であるため、省略する。
【0137】
また、第1外部電極及び第2外部電極を設ける段階の後に、第1外部電極上に第1めっき層を形成する段階及び第2外部電極上に第2めっき層を形成する段階を含むことができる。
【0138】
めっき層に関する内容は、上述と同様であるため、省略する。
【0139】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定する。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属するといえる。
【0140】
以下、実験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これは発明の具体的な理解を助けるためのものであり、本発明の範囲が実験例によって限定されるものではない。
【0141】
(実験例)
下記表1~表3は、従来のマージン部の製造方法でマージン部を形成した比較例及び本発明の一実施形態に係るマージン部の製造方法でマージン部を形成した各実施例と転写工程前後の数値を比較した関連データである。
【0142】
比較例における転写工程は、切断されたセラミックグリーンシート積層本体の第1内部電極と第2内部電極の末端が幅方向に露出した側面にサイドマージン部用グリーンシートを弾性体で熱及び圧力を加えて付着し、他の弾性体で再び圧力を加えて積層本体の形状と同じ形態でサイドマージン部グリーンシートを切断してサイドマージン部の形成を完了した。
【0143】
実施例における転写工程は、光硬化物質を含むサイドマージン用グリーンシートに光硬化物質と反応して光重合反応を誘導することができる波長帯の光を積層本体とサイドマージンシートが重なる領域のみに選択的に照射して、積層本体の幅方向の側面にサイドマージン用グリーンシートを付着し、光が照射されていない残りの部分は、キャリアフィルム除去と共に除去されながらサイドマージン形成を完了した。
【0144】
表1は、比較例及び実施例において転写工程前後のT大きさを測定したデータであり、表2は、比較例及び実施例において転写工程前後のW大きさを測定したデータであり、表3は、比較例及び実施例において転写工程前後の∠WT大きさを測定したデータである。
【0145】
積層型電子部品であるチップ(chip)の観察は、OLYMPUS KOREA社のOM(Optical Microscope)を用い、電動ステージ顕微鏡OMS-500×500×100(mm)、倍率は50~100倍の条件で観察した。
【0146】
ここで、Tはチップ(chip)の第1方向の両端のカバー部の外側境界を直線で連結し、高さ方向の中央部の平坦なところと一致するように直線を連結して2つの直線の距離を測定した値であり、単位はμmである。
【0147】
【0148】
上記表1を参照したとき、転写工程前後のT大きさの比較結果、従来のマージン部の製造方法に比べて本発明の一実施形態に係るマージン部の製造方法を進行したとき、実施例のT大きさの変化量がさらに小さいことが確認できる。
【0149】
Wは、チップの第3方向の両端のマージン部とカバー部の境界を直線で連結し、第3方向の中央部の平坦なところと一致するように直線を連結して2つの直線の距離を測定したものであり、単位はμmである。
【0150】
【0151】
上記表2を参照したとき、転写工程前後のW大きさの比較結果、従来のマージン部の製造方法に比べて本発明の一実施形態に係るマージン部の製造方法を進行したとき、実施例のW大きさの変化量がさらに小さいことが確認できる。
【0152】
∠WTは、上記T及びWの直線が会う位置の角度を測定したものであり、単位は°(degree)である。
【0153】
【0154】
上記表3を参照したとき、転写工程前後の∠WT大きさの比較結果、従来のマージン部の製造方法に比べて本発明の一実施形態に係るマージン部の製造方法を進行したとき、実施例の∠WT大きさの変化量がさらに小さいことが確認でき、∠90.0°±0.5°を満たすことが確認できる。
【0155】
まとめると、本発明の一実施形態に係るマージン部の製造方法を用いた場合、チップの変形率が従来のマージン部の製造方法に比べて小さいことが確認でき、積層型電子部品の完成度及び歩留まりを向上させたことが確認できる。
【0156】
また、本明細書で用いられた「一実施例」または「一実験例」という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施例は、他の一実施例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の一実施例で説明されていなくても、他の一実施例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施例に関連した説明であると理解することができる。
【0157】
本明細書で用いられた用語は、単に一実施例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0158】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
121、122 内部電極
131、132 外部電極
210 切断されたセラミックグリーンシート積層本体
211 セラミックグリーンシート
212、213 カバー部グリーンシート
214、215 マージン部グリーンシート
221、222 内部電極パターン
310 弾性パッド
320 接着剤
330 キャリアフィルム
400 スキャナ
500 エネルギー反射装置
510 マイクロミラー
610 エネルギー