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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】リードレス圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20250107BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20250107BHJP
   G01L 13/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G01L19/00 A
G01L19/14
G01L13/00 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020034592
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2020144125
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】62/814,268
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/734,229
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513204665
【氏名又は名称】シリコン マイクロストラクチャーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON MICROSTRUCTURES, INC.
【住所又は居所原語表記】1701 McCarthy Boulevard, Milpitas, California 95035 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,クリス
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-511291(JP,A)
【文献】登録実用新案第3147537(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0055821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
H05K 1/18
H01K 1/11、3/40-3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層を備えかつ通路(210)を有する基材(200)であって、前記通路(210)は、
前記基材(200)の第1の層(234)にある第1の貫通孔(214)、
前記基材(200)の第2の貫通孔(218)、および
前記基材(200)の第2の層(236)にあり、前記第1の貫通孔(214)を前記第2の貫通孔(218)に接続する経路(211)を備える、基材(200)と、
前記第2の貫通孔(218)を覆うように前記基材(200)の前記第1の層(234)に取り付けられている、圧力センサダイ(100)と、
前記基材(200)に取り付けられている、前記圧力センサダイ(100)を覆うキャップ(300)であって、第1のポート(320)および第2のポート(330)を有する、キャップ(300)と、
を備える、圧力センサシステムであって、
前記キャップ(300)および前記基材(200)は、前記圧力センサシステム内に第1のチャンバ(312)および第2のチャンバ(314)を形成しており、前記第1のポート(320)は前記第1のチャンバ(312)内への第1の経路を提供するように前記第1のチャンバ(312)と連通しており、前記第2のポート(330)は前記第2のチャンバ(314)内への第2の経路を提供するように前記第2のチャンバ(314)と連通しており、
前記基材(200)は、前記第1のチャンバ(312)を前記第2のチャンバ(314)から分離するための隆起したリブ(230)を備える、圧力センサシステム。
【請求項2】
前記圧力センサダイ(100)は膜(110)を備え、前記第2の貫通孔(218)は前記基材(200)の頂部表面に第2の開口部(216)を画定し、前記第2の開口部(216)は前記圧力センサダイ(100)の前記膜(110)の下にある、請求項1に記載の圧力センサシステム。
【請求項3】
前記第1の貫通孔(214)は前記基材(200)の前記第1の層(234)にあり、前記基材(200)の前記頂部表面に第1の開口部(212)を画定している、請求項2に記載の圧力センサシステム。
【請求項4】
前記複数の層は、前記第1の層(234)と、前記第2の層(236)と、第3の層(238)を含み、前記第2の層(236)は前記第3の層(238)上にあり、前記第1の層(234)は前記第2の層(236)上にあり、前記第2の層(236)は接着剤を使用して前記第3の層(238)に取り付けられており、前記第1の層(234)は接着剤を使用して前記第2の層(236)に取り付けられている、請求項1に記載の圧力センサシステム。
【請求項5】
基材であって、前記基材(200)の頂部表面の第1の開口部(212)から前記基材(200)の前記頂部表面の第2の開口部(216)に至る通路(210)を備える、基材(200)と、
前記第2の開口部(216)を覆うように前記基材(200)に取り付けられている圧力センサダイ(100)と、
キャップ(300)であって、前記圧力センサダイ(100)が前記キャップ(300)および前記基材(200)によって封入されるように前記基材(200)に取り付けられている、キャップ(300)と、
を備える、圧力センサシステムであって、
前記キャップ(300)および前記基材(200)は、前記圧力センサシステム内に第1のチャンバ(312)および第2のチャンバ(314)を形成しており、前記第1の開口部(212)は前記第1のチャンバ(312)内にあり、前記第2の開口部(216)および前記圧力センサダイ(100)は前記第2のチャンバ(314)内にあり、
前記基材(200)は、前記第1のチャンバ(312)を前記第2のチャンバ(314)から分離するための隆起したリブ(230)を備える、圧力センサシステム。
【請求項6】
前記キャップ(300)は前記第1のチャンバ(312)および前記第2のチャンバ(314)へのアクセスを提供し、前記キャップ(300)は、前記第1のチャンバ(312)へのアクセスを提供するための第1のノズル(320)と、前記第2のチャンバ(314)へのアクセスを提供するための第2のノズル(330)と、を備える、請求項5に記載の圧力センサシステム。
【請求項7】
前記隆起したリブ(230)は、前記第1のチャンバ(312)および前記第2のチャンバ(314)を囲む外側部分(232)と、前記第1のチャンバ(312)を前記第2のチャンバ(314)から分離するための内側部分(231)を含む、請求項1または請求項5に記載の圧力センサシステム。
【請求項8】
圧力センサシステム用の基材(200)であって、
中実の底部層(238)と、
経路(211)を有する中間層(236)であって、前記中実の底部層(238)に取り付けられている、中間層(236)と、
頂部層(234)であって、前記中間層(236)に取り付けられており、前記頂部層(234)の頂部表面から前記頂部層(234)の底部表面まで延在し前記経路(211)と位置合わせされている第1の貫通孔(214)、および、前記頂部層(234)の頂部表面から前記頂部層(234)の底部表面まで延在し前記経路(211)と位置合わせされている第2の貫通孔(218)を有する、頂部層(234)と、を備え、前記第1の貫通孔(214)、前記第2の貫通孔(218)、および前記経路(211)は、前記基材(200)を通る通路(210)を形成しており、
前記圧力センサシステム用の基材(200)は、
前記頂部層(234)に取り付けられており、第1のチャンバ(312)および第2のチャンバ(314)を少なくとも部分的に画定している、リブ層をさらに備え、
前記リブ層は、前記中実の底部層(238)、前記中間層(236)および前記頂部層(234)と同じ材料から形成されている、前記圧力センサシステム用の基材(200)。
【請求項9】
前記リブ層は、前記第1のチャンバ(312)および前記第2のチャンバ(314)を囲む外側部分(232)と、前記第1のチャンバ(312)を前記第2のチャンバ(314)から分離するための内側部分(231)を含む、請求項8に記載の圧力センサシステム用の基材(200)。
【請求項10】
前記基材(200)は、前記リブ層により少なくとも部分的に画定されている前記第1のチャンバ(312)と、前記リブ層により少なくとも部分的に画定されている前記第2のチャンバ(314)を備え、
前記第1のチャンバ(312)は、前記第1の貫通孔(214)を介して前記経路(211)と連通しており、
前記第2のチャンバ(314)は、前記第2の貫通孔(218)を介して前記経路(211)と連通している、請求項8に記載の圧力センサシステム用の基材(200)。
【請求項11】
前記リブ層は、前記リブ層の頂部表面に沿って接着層(510)が適用されるように構成されている、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の圧力センサシステム用の基材(200)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
圧力センサは、多種の製品に用途があり、ここ数年で広く行き渡った。自動車製品、工業製品、消費者向製品、医療製品、および他の産業において利用されて、圧力センサの需要は急騰しており、収まる兆しはない。
【0002】
この多数の、多岐にわたる様々な使用には、多種多様なパッケージ要件が伴う。圧力センサシステム用の様々なタイプのパッケージが開発されており、これらのうちの一部は、デュアルインラインピン(DIP)パッケージおよびスモールアウトライン集積回路(SOIC)パッケージなど、標準的なパッケージに基づいている。
【0003】
これらのパッケージには、既存の組み立て設備を利用できる。このことにより、これらのパッケージを大量生産の用途に使用することができる。しかしこれらの大量生産には、これらのパッケージのコストおよびサイズを低減しようとする強い意向が常に伴う。したがって、用途によっては、圧力センサシステムの空間効率が高いことが望ましい場合があり得る。例えば、基板スペースの消費がより少ない小型のパッケージ内に圧力センサシステムを収容するのが望ましい場合があり得る。
【0004】
圧力センサシステムは、圧力センサダイならびに他のコンポーネントを含み得る。圧力センサダイは、ホイートストンブリッジまたは他の感圧構造を支持できるダイヤフラムまたは膜を含むことができ、この場合、膜はより厚いフレーム部によって少なくとも部分的に支持される。気体または液体を膜の一方側または両側に到達させることのできるパッケージ内に、圧力センサダイを収容することができる。このことにより、絶対圧、ゲージ圧、または差圧センサの構成で圧力センサシステムを実装することが可能になる。気体または液体からの圧力により膜の形状を変化させることができ、このことにより感圧構造の変化が誘起される。次いでこの変化を測定して、膜の正味の圧力を判定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、空間効率の高い小型のパッケージ内に圧力センサダイおよび他のコンポーネントを含む圧力センサシステムであって、パッケージは気体または液体を圧力センサダイの膜のいずれかの側または両側に到達させることのできる、圧力センサシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、装着用基材として層状構造を有するパッケージを含む、圧力センサシステムが提供される。この基材は、圧力センサダイ、他のコンポーネント、および圧力センサシステムの外部の回路構成の間の電気相互接続のための、電気トレースを含むかまたは支持することができる。この基材により、パッケージ上の端子リードの必要が無くなり、この結果スペースおよびコストが節減される。圧力センサシステムパッケージは基材に取り付け可能なキャップをさらに備えることができ、このキャップにより、圧力センサダイの膜に頂面、底面、または両面のいずれかから加圧することが可能になる。異なるポートを有する様々なキャップを基材に取り付けることができる。このことは融通性をもたらし、絶対的な、ゲージの、または差分的な構成で圧力センサシステムを構成することが可能になる。
【0007】
本発明のこれらのおよび他の実施形態は、圧力センサダイ、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)および他の受動もしくは能動コンポーネントなどの、任意の必要な調整用電子部品を支持する、層状構造または基板を有する、パッケージ基材を提供し得る。この基材は、接着材を使用して1つに融合される異なるコアまたは層から構成することができる。コアまたは層は、FR4などのプリント回路基板材料、セラミック、シリコン、プラスチック、または他の材料から構成することができる。本発明のこれらのおよび他の実施形態は、3層の基材を提供し得る。基材は、中実の底部層と、層の長さの一部にわたって延びるスロットまたは経路を有する中間層と、2つの貫通孔を有する頂部層とを有し得る。これらのコアまたは層は、頂部層の2つの貫通孔が中間層のスロットまたは経路の端部の近くにくるようにして、1つに積層することができる。
スロットまたは経路は、実質的に直線状とすることができるか、または、例えば基材におけるトレースの引き回しを回避もしくは簡単にするために、湾曲させることもしくは別の形状を有することができる。2つの貫通孔の位置合わせを簡単にするために、スロットまたは経路の一方の端部または両端部を、ドッグボーン型の構成で広くすることができる。結果的に得られる基材は、圧力媒体(気体または液体など)が第1の貫通孔に入りスロットまたは経路の長さを移動し第2の貫通孔から出るのを可能にすることによって、圧力媒体を運ぶための通路を有する。基材はまた、電気トレースおよび電気パッドも有し得る。
【0008】
これらの圧力センサシステムパッケージは、ダイを保持し貫通孔の周囲で圧力センサと基材との間を封止する接着剤を使用して、基材の一方の貫通孔を覆うように圧力センサを装着することによって構築することができ、この場合、接着剤が基材の圧力通路を妨げることはない。次いで圧力センサを基材の表面の、基材にある、または基材によって支持されるトレースに接続することができる。これらのトレースにより、圧力センサシステムパッケージ内の他の電気コンポーネントおよび圧力センサシステムの外部の回路の間で、電気的な入力および出力を伝達することができる。コーティング、ゲル、ポッティング材、または他の物質などの保護材を、圧力センサおよび他の電気コンポーネントに適用することができる。
【0009】
1つまたは複数のポートを有するキャップを、接着またはその他の方法で基材に取り付けることができる。キャップ、基材、またはキャップおよび基材の両方の特徴を使用して、圧力センサシステムの内部を2つ以上のチャンバへと分離することができる。第1のチャンバは圧力センサダイの上方に延在し得る。別個の第2のチャンバは基材にある通路に接続することができ、この場合、通路の開口部は圧力センサダイの下にある。調整用電子部品が存在する場合、いずれかのチャンバ内に存在し得る。1つまたは複数のポートは少なくとも1つの開口部を各々有することができ、この場合、1つの開口部は分離されたチャンバの一方に繋がる。ポートの開口部はポートの頂部にあってもポートの側部にあってもよく、またはこれらの組み合わせであってもよい。
各ポートの外面は、マニホールドまたは管と嵌合して圧力源または周囲雰囲気への接続部を形成する、ノズルなどの機構を有し得る。これらのノズルは、平滑であっても、返しを有しても、または何らかの他の形態を有してもよい。ポート開口部はこの機構の中を通り、圧力が圧力センサパッケージに入るのを可能にする。基材を通してダイの背部まで圧力を導くことができるか、または、圧力はダイの頂部を覆うチャンバまで至り得る。
【0010】
電気信号を、基材の表面のまたは基材にあるトレースによって、パッケージの外部まで導くことができる。これらのトレースは、基材の頂部表面または基材の底部表面に存在し得る。基材が複数の層から形成されている場合、これらのトレースは各層の頂部表面、側面、および底部表面に存在し得る。ビアを使用して、層を通して、はんだボールまたははんだカラムを介してプリント回路基板へと接続される基材の底部上のパッドまで、電気信号を導くことができる。
【0011】
ここで本発明について、以下の添付の図面を参照して、例示により記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの一部の断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムの一部の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの図である。
図5】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの分解図である。
図6】本発明の実施形態に係る基材のより詳細な図である。
図7】本発明の実施形態に係る基材のより詳細な図である。
図8】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの透視上面図である。
図9】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの図である。
図10】本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムの図である。
図11】本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムの図である。
図12】本発明の実施形態に係る圧力センサシステム用のキャップの図である。
図13】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムのキャップの分解図である。
図14】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの一部の上面図である。
図15】本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの一部の上面透視図である。
図16】本発明の実施形態に係る基材の上面図である。
図17】本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの一部の断面図を示す。この図は、他の含まれる図と同様に、説明のために示されており、本発明の可能な実施形態または請求項のいずれを限定するものでもない。
【0014】
この例では、基材200に、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に至る通路210を形成することができる。通路210は、基材200の頂面に第1の開口部212を含み得る。この第1の開口部212は、スロットまたは経路211を介して第2の貫通孔218に接続可能な第1の貫通孔214によって画定することができる。第2の貫通孔218は、第2の開口部216を画定することができ、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に接続することができる。基材200は多層式プリント回路基板とすることができるか、または、セラミック、シリコン、プラスチック、もしくは他の材料の複数の層を使用して形成することができる。
【0015】
圧力センサダイ100は、フレーム120によって支持される膜110を含み得る。圧力センサダイ100は、1つまたは複数の抵抗器またはトランジスタ(図示せず)をさらに備え得る。これらの1つまたは複数の抵抗器またはトランジスタは、膜110の表面または近くに配置することができる。例えば、膜110の表面にまたは近くに、ホイートストンブリッジ用の抵抗器を形成することができる。
【0016】
フレーム120の底部を、基材200の頂部表面に取り付けることができる。例えば、接着剤、ダイ取り付け構造、または他の材料の組み合わせを使用して、フレーム120の底部を基材200に直接的にまたは間接的にのいずれかで取り付けることができる。この取り付けにより、測定すべき気体または液体が裏側キャビティ130に漏入または裏側キャビティ130から漏出しないように、封止部を形成することができる。この構成では、圧力センサダイ100は、膜110の頂面と第1の開口部212における基材200の頂面との圧力の間の差圧を測定することができる。
【0017】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、通路210は様々な方法で形成することができる。例えば、基材200は、互いに垂直方向に積み重ねて接着材または他の材料の介在する層によって1つに保持することのできる、様々な水平層から形成できる。これらの層のうちの1つまたは複数は、スロットまたは経路211の端部と位置合わせされそこへのアクセスを提供する第1の貫通孔214および第2の貫通孔218を形成するように位置合わせされる、垂直ビアを含み得る。1つまたは複数の層の一部のうちのいくつかまたは全てを除去して、スロットまたは経路211を形成することができる。この材料は、ルータによって、エッチングによって、または他の技法によって除去することができる。通路210のうちのいくつかまたは全てを、漏れを低減するために金属でめっきすることができる。基材200の更なる詳細を、以下の図6および7に示す。
【0018】
基材200はまた、圧力センサダイ100を基材200上または圧力センサシステム内の他の場所にある他のコンポーネントに接続できる、トレースおよびパッド(図示せず)も含み得る。調整用回路、処理用回路、または他の回路、例えばASIC530(図5に示す)を、圧力センサダイ100に、基材200上の他のコンポーネントに、またはシステム内の他の場所に、接続することができる。圧力センサダイ100を、ボンドワイヤ1420(図14に示す)または他の相互接続構造を使用して、基材200ならびに他のコンポーネントのトレースおよびパッドに接続することができる。後で図3に示すキャップ300などのキャップを、圧力センサダイ100を封入するように基材200に取り付けて、圧力センサシステムを形成することができる。
キャップ300および基材200のいずれかまたは両方によって、圧力センサシステムの内部を2つ(またはそれ以上)のチャンバ、例えば第1のチャンバ312および第2のチャンバ314(図3に示す)へと分割することができる。第1のチャンバ312内に第1の貫通孔214を配置することができ、膜110の頂部表面は第2のチャンバ314内に存在し得る。キャップのポートは、圧力センサシステムを絶対圧、ゲージ圧、または差圧センサの構成で使用できるように、チャンバのいずれかまたは両方へのアクセスを提供し得る。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムの一部の断面図を示す。この例では、基材260に、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に至る通路270を形成することができる。この通路270は、基材260の底面に第1の開口部272を含み得る。この第1の開口部272は第1の貫通孔274によって画定することができ、この貫通孔274をスロットまたは経路271を通して第2の貫通孔278に接続して、通路270を形成することができる。第2の貫通孔278は、第2の開口部276を画定することができ、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に接続することができる。
【0020】
圧力センサダイ100は、フレーム120によって支持される膜110を含み得る。圧力センサダイ100は、膜110の表面または近くに配置可能な、1つまたは複数の抵抗器またはトランジスタ(図示せず)をさらに備え得る。例えば、膜110の表面にまたは近くに、ホイートストンブリッジ用の抵抗器を形成することができる。
【0021】
フレーム120の底部を、基材260の頂部表面に取り付けることができる。例えば、接着剤、ダイ取り付け構造、または他の材料の組み合わせを使用して、フレーム120の底部を基材260に直接的にまたは間接的にのいずれかで取り付けることができる。この取り付けにより、測定すべき気体または液体が裏側キャビティ130に漏入または裏側キャビティ130から漏出しないように、封止部を形成することができる。この構成では、圧力センサダイ100は、膜110の頂面と第1の開口部272における基材260の底面との圧力の間の差圧を測定することができる。
【0022】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、通路270は様々な方法で形成することができる。例えば、基材260は、互いに垂直方向に積み重ねて接着材または他の材料の介在する層によって1つに保持することのできる、様々な水平層から形成できる。これらの層のうちの1つは、第1の貫通孔274を形成する垂直ビアを含むことができ、一方、別の層は第2の貫通孔278を形成する垂直ビアを含むことができる。1つまたは複数の層の一部のうちのいくつかまたは全てを除去して、スロットまたは経路271を形成することができる。この材料は、ルータによって、エッチングによって、または他の技法によって除去することができる。通路270のうちのいくつかまたは全てを、漏れを低減するために金属でめっきすることができる。
【0023】
基材260はまた、圧力センサダイ100を基材260上またはシステム内の他の場所にある他のコンポーネントに接続できる、トレースおよびパッド(図示せず)も含み得る。調整用回路、処理用回路、または他の回路、例えばASIC530(図5に示す)を、圧力センサダイ100に、基材260上の他のコンポーネントに、またはシステム内の他の場所に、接続することができる。圧力センサダイ100を、ボンドワイヤ1420(図14に示す)または他の相互接続構造を使用して、基材260ならびに他のコンポーネントのトレースおよびパッドに接続することができる。
【0024】
基材260は、圧力センサデバイスを2つ(またはそれ以上)のチャンバ、上の1つの基材260および下の1つの基材260へと分割することができる。チャンバには、ある圧力の気体または液体を受けるためのノズルを取り付けることができる。この場合、圧力センサダイ100によって差圧を測定することができる。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの断面図を示す。この例では、基材200に、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に至る通路210を形成することができる。この通路210は、基材200の頂面に第1の開口部212を含み得る。この開口部は、スロットまたは経路211を介して第2の貫通孔218に接続可能な第1の貫通孔214によって画定することができる。第2の貫通孔218は第2の開口部216を画定することができ、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130に接続することができる。基材200は多層式プリント回路基板とすることができるか、または、セラミック、シリコン、プラスチック、または他の材料の複数の層を使用して形成することができる。
【0026】
圧力センサダイ100は、フレーム120によって支持される膜110を含み得る。圧力センサダイ100は、1つまたは複数の抵抗器またはトランジスタ(図示せず)をさらに備え得る。これらの1つまたは複数の抵抗器またはトランジスタは、膜110の表面または近くに配置することができる。例えば、膜110の表面にまたは近くに、ホイートストンブリッジ用の抵抗器を形成することができる。
【0027】
フレーム120の底部を、基材200の頂部表面に取り付けることができる。例えば、接着剤、ダイ取り付け構造、または他の材料の組み合わせを使用して、フレーム120の底部を基材200に直接的にまたは間接的にのいずれかで取り付けることができる。この取り付けにより、測定すべき気体または液体が裏側キャビティ130に漏入または裏側キャビティ130から漏出しないように、封止部を形成することができる。この構成では、圧力センサダイ100は、膜110の頂面と第1の開口部212における基材200の頂面との圧力の間の差圧を測定することができる。
【0028】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、通路210は様々な方法で形成することができる。例えば、基材200は、互いに垂直方向に積み重ねて接着材または他の材料の介在する層によって1つに保持することのできる、様々な水平層から形成できる。これらの層のうちの1つまたは複数は、スロットまたは経路211の端部と位置合わせされそこへのアクセスを提供する第1の貫通孔214および第2の貫通孔218を形成するように位置合わせされる、垂直ビアを含み得る。1つまたは複数の層の一部のうちのいくつかまたは全てを除去して、スロットまたは経路211を形成することができる。この材料は、ルータによって、エッチングによって、または他の技法によって除去することができる。通路210のうちのいくつかまたは全てを、漏れを低減するために金属でめっきすることができる。基材200の更なる詳細を、以下の図6および7に示す。
【0029】
基材200はまた、圧力センサダイ100を基材200上またはシステム内の他の場所にある他のコンポーネントに接続できる、トレースおよびパッド(図示せず)も含み得る。調整用回路、処理用回路、または他の回路、例えばASIC530(図5に示す)を、圧力センサダイ100に、基材200上の他のコンポーネントに、またはシステム内の他の場所に、接続することができる。圧力センサダイ100を、ボンドワイヤ1420(図14に示す)または他の相互接続構造を使用して、基材200ならびに他のコンポーネントのトレースおよびパッドに接続することができる。
【0030】
キャップ300を基材200に取り付けて、圧力センサシステムを形成することができる。キャップ300を、接着剤を使用して、はんだ付けによって、または他の技法および物質を使用することによって、基材200に取り付けることができる。キャップ300および基材200のいずれかまたは両方によって、圧力センサシステムの内部を2つのチャンバへと分割することができる。この例では、キャップ300は、圧力センサシステムの内部を2つのチャンバ、具体的には第1のチャンバ312および第2のチャンバ314へと分割するための、内壁310を含み得る。第1のチャンバ312内に第1の貫通孔214を配置することができ、膜110の頂部表面は第2のチャンバ314内に存在し得る。第1のノズル320の第1のノズル開口部322を含む第1のポートは、第1のチャンバ312へのアクセスを提供することができ、第2のノズル330の第2のノズル開口部332を含む第2のポートは、第2のチャンバ314へのアクセスを提供することができる。
このことにより、圧力センサシステムを絶対圧、ゲージ圧、または差圧センサの構成で使用することが可能になり得る。調整用回路、処理用回路、または他の回路、例えばASIC530を、第1のチャンバ312および第2のチャンバ314のいずれかまたは両方の中に配置することができる。キャップ300は、プラスチック、ナイロン、アクリル、または他の材料で形成することができる。キャップ300は、インサート成形もしくは射出成形、3Dプリント、または他の技法によって形成することができる。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムを示す。この圧力センサシステムは、基材200とキャップ300とを含み得る。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320を含む第1のポートと、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330を含む第2のポートと、をさらに含み得る。第1の管またはパイプ(図示せず)を第1のノズル320を覆うように取り付けることができる。第1の管の中には、圧力を測定すべき第1の気体または液体が存在し得る。この圧力センサシステムは、第2のノズル330の第2のノズル開口部332を封止または他の方法で閉鎖することによって、絶対圧センサとして構成することができる。別法として、絶対圧センサダイ100を使用することができ、この場合、裏側キャビティ130は封止されており、真空または他の知られている圧力などの知られている圧力を有する。
この圧力センサシステムは、局所雰囲気が第2のノズル330の第2のノズル開口部332に到達することを可能にすることによって、ゲージ圧センサとして構成することができる。この圧力センサシステムは、第2のノズル330を覆うように第2の管またはパイプ(図示せず)を取り付けることによって、差圧センサとして構成することができ、この場合、第2の管内に第2の気体または液体が存在し得る。このようにして、圧力センサシステムは、第1の気体または液体と第2の気体または液体との圧力の間の差圧を測定することができる。
【0032】
この例では、第1のノズル320および第2のノズル330は、円筒形状を有するものとして示されている。本発明のこれらのおよび他の実施形態では、第1のノズル320および第2のノズル330は、返し、または他の構造もしくは特徴を含み得る。これらの返し、または他の構造もしくは特徴は、第1の管および第2の管を第1のノズル320および第2のノズル330に固着するのに有用であり得る。また、管または他の導管内に嵌合するように設計されているノズルをキャップ300とともに使用することができる一方で、他の構造を使用することができる。例えば、これらの管または他の導管は、キャップ300とともに使用可能な構造内に嵌合し得る。
【0033】
図5は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの分解図である。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320と、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330と、を含み得る。この例では、第1のノズル320および第2のノズル330は、返しを有する機構を含み得る。この圧力センサシステムは、基材200をさらに備え得る。基材200は、図6および図7に示すようないくつかの層を含み得る。基材200は、第1の貫通孔214および第2の貫通孔218を含み得る。第1の貫通孔214は、基材200にあるスロットまたは経路211(図7に示す)を介して、第2の貫通孔218に接続することができる。基材200は、リブ状部分230をさらに備え得る。リブ状部分230は、第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離することができる。
【0034】
キャップ300を、接着層またはエポキシ層510を使用して基材200に取り付けることができる。接着層またはエポキシ層510を、リブ状部分230の頂部表面に沿って適用することができる。圧力センサダイ100は、裏側キャビティ130(図3に示す)を含み得る。圧力センサダイ100を、第2の貫通孔218が裏側キャビティ130と整列されるようにして、基材200に取り付けることができる。基材200の頂部表面に、圧力センサダイ100のフレーム120(図3に示す)を直接的または間接的に取り付けることができる。ASIC530は、この圧力センサシステムに関する演算、較正、または他の機能を実効することができる。ASIC530上で適切なファームウェアおよびソフトウェアが動作し得る。ASIC530は第2のチャンバ314内に配置することができるか、またはASIC530は第1のチャンバ312内に配置することができる。
第1のチャンバ312または第2のチャンバ314のいずれかの中に、抵抗器、バイパスコンデンサなどの他のコンポーネントを含めることができる。基材200の表面のまたは基材200にある、ボンドワイヤ1420(図14に示す)およびトレース(図示せず)を介して、圧力センサダイ100およびASIC530を互いに、または圧力センサシステムの内部もしくは外部の他のコンポーネントに、取り付けることができる。
【0035】
キャップ300の底部表面(図示せず)は、リブ状部分230に対応する溝(図示せず)を含み得る。このことにより、キャップ300を基材200にさねはぎの様式で取り付けることが可能になる。キャップ300の底面は、それ以外の部分は実質的に平坦とすることができる。この場合、リブ状部分230の高さを、圧力センサダイ100およびASIC530、ならびにボンドワイヤ1420および存在し得る他のコンポーネントの高さを収容するのに、十分な高さとすることができる。別法として、キャップ300の底面は、これらのコンポーネントの高さを収容するための1つまたは複数の凹部を含み得る。これらの1つまたは複数の凹部は、第1のチャンバ312および第2のチャンバ314に対応する形状であり得るか、または他の形状を有し得る。
【0036】
図6は、本発明の実施形態に係る基材のより詳細な図である。基材200は、第1の貫通孔214と第2の貫通孔218とを有する頂部層234を含み得る。第2の層または中間層236は、第1の貫通孔214と第2の貫通孔218を接続する、スロットまたは経路211(図7に示す)を含み得る。第3のまたは底部層238は、中実の層とすることができる。リブ状部分230は、頂部層234の頂部表面に配置することができる。リブ状部分230は、外側部分232および内側部分231を含み得る。内側部分231は、第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離することができる。頂部層234、中間層236、底部層238、およびリブ状部分230は、プラスチック、セラミック、シリコン、FR4などのプリント回路基板材料、または他の材料で形成することができ、エポキシ、接着剤、または他の材料を使用して互いに積層するかまたは他の方法で取り付けることができる。
【0037】
図7は、本発明の実施形態に係る基材のより詳細な図である。基材200は、第1の貫通孔214と第2の貫通孔218とを有する頂部層234を含み得る。第2の層または中間層236は、第1の貫通孔214と第2の貫通孔218を接続する、スロットまたは経路211を含み得る。スロットまたは経路211は、実質的に直線状とすることができるか、または、例えば基材200におけるトレースの引き回しを回避もしくは簡単にするために、湾曲させることもしくは別の形状を有することができる。第1の貫通孔214と第2の貫通孔218の位置合わせを簡単にするために、スロットまたは経路211の一方の端部または両端部を、ドッグボーン型の構成で広くすることができる。第3の層または底部層238は、中実の層とすることができる。リブ状部分230は、頂部層234の頂部表面に配置することができる。
頂部層234、中間層236、底部層238、およびリブ状部分230は、プラスチック、セラミック、シリコン、FR4などのプリント回路基板材料、または他の材料で形成することができ、エポキシ、接着剤、または他の材料を使用して互いに積層するかまたは他の方法で取り付けることができる。
【0038】
頂部層234、中間層236、底部層238、およびリブ状部分230の、頂部、底部、および側部の表面に、トレース(図示せず)を形成することができる。これらのトレースは、頂部層234、中間層236、底部層238、およびリブ状部分230を通るビア(図示せず)を使用して、1つに接続することができる。パッド1410(図14に示す)およびリードレスコンタクト910(図9に示す)などのコンタクトは、基材200によって支持することができ、これらのトレースに接続することができる。
【0039】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、これらの層のうちの1つまたは複数を省略することができる。例えば、特にキャップ300の底部表面が溝を含まない場合に、リブ状部分230を省略することができる。本発明のこれらのおよび他の実施形態では、特に中間層236の別のパッケージング構造または基板構造(図示せず)が下で使用される場合に、底部層238を省略することができる。例えば中間層236のスロットまたは経路211を頂部層234の底面の溝で置き換える場合、頂部層234および中間層236を組み合わせることができ、この場合、溝は第1の貫通孔214から第2の貫通孔218まで延在する。1つまたは複数の介在する層を含めることができる。これらの層は、更なる貫通孔と、スロットまたは経路とを含み得る。例えば、第1の貫通孔214から第2の貫通孔218に至る通路は、第1の貫通孔214から第2の貫通孔218に至る通路の一部を形成するスロットまたは経路を有する、他の層を含み得る。これらの層は、通路を完成させるために必要な追加の貫通孔をさらに備え得る。
【0040】
図8は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの透視上面図を示す。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320と、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330と、を含み得る。基材200は、キャップ300とともに封止部を形成するのにおよび第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離するのに使用できる、リブ状部分230を含み得る。基材200の第1の貫通孔214は第1のチャンバ312内に配置することができ、一方、第2の貫通孔218(図7に示す)は、第2のチャンバ314内で圧力センサダイ100の下に配置することができる。ASIC530は第2のチャンバ314内に配置することができるが、ASIC530は第1のチャンバ312内に、またはこの圧力センサシステム内のもしくはこれに関連する他の場所に配置することができる。
【0041】
この圧力センサシステムは、差圧センサとして使用することができる。この構成では、第1の気体または液体を第1の管またはパイプ(図示せず)を介して第1のノズル320に適用することができる。第1の気体または液体は、第1のノズル開口部322を通って第1のチャンバ312に流入することができる。第1の気体または液体は、第1の貫通孔214、スロットまたは経路211(図7に示す)、第2の貫通孔218(図7に示す)を通って、圧力センサダイ100の裏側キャビティ130(図3に示す)に流入することができ、ここで第1の気体または液体は、膜110の底面に力を及ぼすことができる。第2の気体または液体を、第2の管またはパイプ(図示せず)を介して第2のノズル330に適用することができる。第2の気体または液体は、第2のノズル開口部332を通って第2のチャンバ314に流入することができ、ここで第2の気体または液体は、膜110の頂面に力を及ぼすことができる。
この圧力センサシステムはゲージ圧センサとして使用することもでき、この場合、第1のノズル開口部322または第2のノズル開口部332のいずれかの一方を、周囲条件に曝すことができる。この圧力センサシステムは絶対圧センサとしても使用することができ、この場合、第1のノズル開口部322または第2のノズル開口部332のいずれかの一方を封止することができ、一方、封止されていないノズル開口部には、測定すべき気体または液体を適用することができる。別法として、絶対圧センサダイ100を使用することができ、この場合、裏側キャビティ130は封止されており、真空または他の知られている圧力などの知られている圧力を有する。
【0042】
基材200は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムを採用するデバイスにおける基板または他の適切な基材にはんだ付け可能な、リードレスコンタクトを含み得る。リードレスコンタクトの使用により、デバイスにおける基板スペースを節減することができる。上記の例では、基材200は正方形形状を有するものとして示されているが、基材200は別法として、矩形のまたは他の形状を有し得る。そのような基材を採用する圧力センサシステムの例が、続く図に示されている。
【0043】
図9は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムを示す。この例では、キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320を含み得る。基材200は、リードレスコンタクト910を含み得る。リードレスコンタクト910を、基板または他の適切な基材にめっきおよびはんだ付けすることができる。
【0044】
図10は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムを示す。この例では、キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320と、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330と、を含み得る。この例では、第1のノズル320および第2のノズル330は、返しを有するものとして示されている。キャップ300を、リードレスコンタクト910を含み得る基材200に取り付けることができる。リードレスコンタクト910を、基板または他の適切な基材にめっきおよびはんだ付けすることができる。
【0045】
図11は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムを示す。この例では、キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320と、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330と、を含み得る。第1のノズル320および第2のノズル330は、円筒形状を有するものとして示されている。キャップ300を、リードレスコンタクト910を含み得る基材200に取り付けることができる。リードレスコンタクト910を、基板または他の適切な基材にめっきおよびはんだ付けすることができる。
【0046】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、キャップ300または基材200のいずれかまたは両方の一部によって、第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離することができる。図4の例では、リブ状部分230(図4に示す)は、圧力センサシステムの内部を、第1のチャンバ312および第2のチャンバ314へと少なくとも部分的に分割することができる。以下の例では、基材200は比較的平坦な表面を有することができ、内壁などのキャップ300の特徴を使用して、圧力センサシステムの内部を少なくとも部分的に分割することができる。
【0047】
図12は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステム用のキャップを示す。このキャップを、図10の圧力センサシステムにおけるキャップ300として、または、本発明のこれらのおよび他の実施形態に係る他の圧力センサシステムにおけるキャップ300として、使用することができる。キャップ300は、第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離する内壁310を含み得る。キャップ300は、第1のチャンバ312へのアクセスを提供するための第1のノズル320、ならびに、第2のチャンバ314へのアクセスを提供するための第2のノズル330を含み得る。続く図に示すように、キャップ300を、接着剤またはエポキシを使用して、実質的に平坦な基材200に取り付けることができる。
【0048】
図13は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの分解図を示す。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320、ならびに第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330を含み得る。キャップ300を、エポキシ層または接着層1300を使用して、基材200の頂部表面に取り付けることができる。圧力センサダイ100を基材200の頂部表面に固着するために、ダイ取り付け構造522を使用することができる。具体的には、第2の貫通孔218を、ダイ取り付け用構造522の開口部524および圧力センサダイ100の裏側キャビティ130(図3に示す)と位置合わせすることができる。ASIC530を基材200の頂部表面に固着するために、ダイ取り付け構造532を使用することができる。
基材200は、第1の貫通孔214と、第1の貫通孔214を第2の貫通孔218に接続するための、スロットまたは経路211(図16に示す)と、をさらに含み得る。リードレスコンタクト910を使用して、圧力センサダイ100およびASIC530を、圧力センサシステムの外部のコンポーネントおよびデバイスに接続することができる。
【0049】
第1のノズル320の第1のノズル開口部322によって、第1の気体または液体を受けることができる。第1の気体または液体は、第1のチャンバ312(図12に示す)を通過して基材200の第1の貫通孔214に入ることができる。第1の気体または液体は引き続き基材200にあるスロットまたは経路211を通り、第2の貫通孔218の外に出ることができ、ここで第1の気体または液体は、膜110の底面に力を及ぼすことができる。第2のノズル330の第2のノズル開口部332によって、第2の気体または液体を受けることができる。第2の気体または液体は、第2のノズル開口部332を通って第2のチャンバ314(図12に示す)に入ることができ、ここで第2の気体または液体は、膜110の頂面に力を及ぼすことができる。前記のように、圧力センサシステムはこのようにして、差圧センサとして動作し得る。
この圧力センサシステムは、第1のノズル開口部322または第2のノズル開口部332のいずれかを周囲条件に曝すことによって、代わりにゲージ圧センサとして動作することもできる。この圧力センサシステムは、第1のノズル開口部322または第2のノズル開口部332のいずれかを封止することによって、絶対圧センサとして動作することもできる。別法として、絶対圧センサダイ100を使用することができ、この場合、裏側キャビティ130は封止されており、真空または他の知られている圧力などの知られている圧力を有する。
【0050】
図14は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの一部の上面図である。この例では、圧力センサダイ100を、ダイ取り付け用構造522を使用して、基材200の頂部表面に取り付けることができる。圧力センサダイ100は、基材200の第2の貫通孔218を覆うように配置することができる。ASIC530を、ダイ取り付け用構造532を使用して、基材200の頂部表面に取り付けることができる。ボンドワイヤ1420は、圧力センサダイ100およびASIC530のいずれかまたは両方からパッド1410までの間の電気接続を形成し得る。パッド1410は、基材200の表面のまたは基材200にあるトレース(図示せず)を使用して、リードレスコンタクト910(図10に示す)または基材200上の他のコンポーネントに接続することができる。トレースは、基材200を形成するために使用される層の頂部、底部、および側部の表面に形成することができる。
これらのトレースは、基材200の層を通るビア(図示せず)を使用して1つに接続することができる。パッド1410(図14に示す)およびリードレスコンタクト910(図9に示す)などのコンタクトは、基材200によって支持することができ、これらのトレースに接続することができる。
【0051】
図15は、本発明の実施形態に係る圧力センサシステムの上面透視図を示す。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320と、第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330と、を含み得る。キャップ300の内壁310は、第1のチャンバ312を第2のチャンバ314から分離することができる。第1の貫通孔214は、スロットまたは経路211(図16に示す)を介して基材200の第2の貫通孔218に接続することができる。圧力センサダイ100を、ダイ取り付け構造522を使用して基材200の頂部表面に取り付けることができる。ASIC530を、ダイ取り付け構造532を使用して、基材200の頂部表面に取り付けることができる。
【0052】
図16は、本発明の実施形態に係る基材の上面図である。基材200は、リードレスコンタクト910を含み得る。第1の貫通孔214は、内部のスロットまたは経路211を介して第2の貫通孔218に接続することができる。パッド1410を、基材200にあるまたは基材200の表面のトレース(図示せず)を使用して、リードレスコンタクト910に電気接続することができる。基材200は、図7に示すようなリブ状部分230をさらに備え得る。
【0053】
図17は、本発明の実施形態に係る別の圧力センサシステムを示す。キャップ300は、第1のノズル開口部322を有する第1のノズル320、ならびに第2のノズル開口部332を有する第2のノズル330を含み得る。キャップ300は基材200に取り付けることができる。ピン1720はリード1710を含むことができ、リード1710は基材200上のトレース(図示せず)に、クリップ留め、はんだ付け、または他の方法で取り付けることができる。リード1710は、基材200を挟み込み把持する、ばねタイプの構造もしくはばねタイプの構造の一部とすることができるか、または、はんだ付けもしくは他の方法で基材200上のトレースに取り付けられる。例えば、リード1710は、基材の下にありピン1720に取り付けられている同様のリード(図示せず)と一緒に、基材200上のトレースにクリップ留め、はんだ付け、または他の方法で取り付けることができる。
リード1710は、基材200の下のリードとともに、ピン1720の一部として形成することができるか、またはリード1710は、別個に形成して例えばスポット溶接もしくはレーザ溶接によってピン1720に取り付けることができるか、またはこれらの技法の組み合わせを使用することができる。このようにして、本発明の実施形態は、デュアルインラインパッケージ(DIP)の圧力センサシステムを提供し得る。
【0054】
本発明のこれらのおよび他の実施形態では、基材200および基材260は、FR4などのプリント回路基板材料、セラミック、シリコン、プラスチック、または他の材料で形成することができる。本発明のこれらのおよび他の実施形態では、基材200、基材260、およびキャップ300は、プラスチック、ナイロン、レーザ直接構造化(LDS)材料、アクリル、または他の材料もしくは材料の組み合わせで形成することができる。基材200、基材260、およびキャップ300は、インサート成形もしくは射出成形、3Dプリント、または他の技法によって形成することができる。本発明のこれらのおよび他の実施形態では、基材200および基材260の代わりに、サブアセンブリ、シリコンウエハ、プリント回路基板、または他の構造を使用することができる。これらは、セラミック、シリコン、FR4などのプリント回路基板材料、シリコン、または他の材料もしくは材料の組み合わせで形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17