(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20250107BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01L21/78 R
H01L21/78 F
H01L21/60 311Q
H01L21/78 B
H01L21/78 L
(21)【出願番号】P 2020127200
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】澤田 豊治
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-78382(JP,A)
【文献】特開2008-166353(JP,A)
【文献】特開2013-247217(JP,A)
【文献】国際公開第2007/055010(WO,A1)
【文献】特開2006-339382(JP,A)
【文献】特開2007-311575(JP,A)
【文献】特開2007-242890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回路領域と、前記複数の回路領域の間に設けられ、平面視で第1の方向に延在し、モニタパッドを備えたスクライブ領域と、を備えた半導体ウェハの前記スクライブ領域にて前記半導体ウェハを切断して、それぞれが前記回路領域を備えた複数の半導体チップに個片化する工程を有し、
前記スクライブ領域は、
基板と、
前記第1の方向に延在する第1の領域と、
前記第1の領域の、平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向の両側に位置し、前記第1の方向に延在する第2の領域と、
平面視で前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置し、前記第1の方向に延在する第3の領域と、
前記第2の領域及び前記第3の領域に設けられたモニタパッドと、
前記基板と前記モニタパッドとの間に設けられた配線層と、
を有し、
前記複数の半導体チップに個片化する工程の前に、前記第2の領域及び前記第3の領域のそれぞれにレーザ光を照射して前記モニタパッド及び前記配線層の少なくとも一部を除去して前記基板に到達する複数の溝を形成する工程を有し、
前記複数の半導体チップに個片化する工程は、前記第1の領域にて前記半導体ウェハを切断する工程を有し、
前記複数の半導体チップに個片化する工程の後に、前記複数の溝内にアンダーフィルを設ける工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記スクライブ領域はモニタパターンを有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記溝を前記基板に入り込むように形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体チップは、前記第2の領域を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法で半導体装置を製造する工程と、
前記半導体装置を配線基板にフリップチップ実装する工程と、
を有し、
前記アンダーフィルは、前記半導体装置と前記配線基板との間に充填されることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
【請求項6】
配線基板と、
前記配線基板にフリップチップ実装された半導体装置と、
前記配線基板と前記半導体装置との間に設けられたアンダーフィルと、
を有し、
前記半導体装置は、
回路領域と、
前記回路領域の側方に設けられ、平面視で第1の方向に延在するスクライブ領域と、
を有し、
前記スクライブ領域は、
基板と、
前記基板の上に形成された配線層と、
前記配線層の上に形成されたモニタパッドと、
前記モニタパッド及び前記配線層に形成され、前記基板に到達し、それぞれが前記第1の方向に延在する複数の溝と、
を有し、
前記アンダーフィルは前記複数の溝内に
もあることを特徴とする半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置の製造方法、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造の際には、半導体ウェハに複数の回路領域を設け、隣り合う回路領域の間にスクライブ領域を設ける。そして、ダイシングブレードを用いてスクライブ領域内で半導体ウェハを切断し、複数の半導体チップに個片化する。
【0003】
個片化された半導体チップは実装基板にフリップチップ実装され、実装基板と半導体チップとの間にアンダーフィルが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-129970号公報
【文献】特開2010-267795号公報
【文献】特開2011-035302号公報
【文献】特開2014-223677号公報
【文献】特開2016-134427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の半導体チップを用いて製造した半導体装置においては、半導体チップとアンダーフィルとの間に剥がれが生じることがある。
【0006】
本開示の目的は、アンダーフィルの剥がれを抑制することができる半導体装置の製造方法、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る半導体装置の製造方法は、複数の回路領域と、前記複数の回路領域の間に設けられ、平面視で第1の方向に延在し、モニタパッドを備えたスクライブ領域と、を備えた半導体ウェハの前記スクライブ領域にて前記半導体ウェハを切断して、それぞれが前記回路領域を備えた複数の半導体チップに個片化する工程を有し、前記スクライブ領域は、基板と、前記第1の方向に延在する第1の領域と、前記第1の領域の、平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向の両側に位置し、前記第1の方向に延在する第2の領域と、平面視で前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置し、前記第1の方向に延在する第3の領域と、前記第2の領域及び前記第3の領域に設けられたモニタパッドと、前記基板と前記モニタパッドとの間に設けられた配線層と、を有し、前記複数の半導体チップに個片化する工程の前に、前記第2の領域及び前記第3の領域のそれぞれにレーザ光を照射して前記モニタパッド及び前記配線層の少なくとも一部を除去して前記基板に到達する複数の溝を形成する工程を有し、前記複数の半導体チップに個片化する工程は、前記第1の領域にて前記半導体ウェハを切断する工程を有し、前記複数の半導体チップに個片化する工程の後に、前記複数の溝内にアンダーフィルを設ける工程を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、アンダーフィルの剥がれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態で用いられる半導体ウェハを示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その1)である。
【
図3】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その2)である。
【
図4】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その3)である。
【
図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その4)である。
【
図6】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図7】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図8】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図9】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図10】第1の実施形態における個片化後の半導体装置のレイアウトを示す図である。
【
図11】半導体装置を備えた半導体パッケージを示す断面図である。
【
図12】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その1)である。
【
図13】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図(その2)である。
【
図14】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図15】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図16】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図である。
【
図17】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図18】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図19】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図20】第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図21】第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、以下の説明において、基板の表面に平行で互いに直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、基板の表面に垂直な方向をZ方向とする。また、X方向およびY方向からなる面を表す際に、平面視と呼ぶことがある。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は半導体装置の製造方法に関する。
図1は、第1の実施形態で用いられる半導体ウェハを示す図である。
図2~
図5は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図である。
図6~
図9は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図2~
図5は、
図1中の一部の領域2を拡大して示す図である。
図6~
図9は、それぞれ
図2~
図5中のVI-VI線~IX-IX線に沿った断面図に相当する。
【0012】
第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法では、複数の回路領域と、モニタパッドを備えたスクライブ領域と、を備えた半導体ウェハを準備し、スクライブ領域にて半導体ウェハを切断して、それぞれが回路領域を備えた複数の半導体チップを形成する。
【0013】
まず、半導体ウェハの詳細について説明する。
図1及び
図2に示すように、第1の実施形態で用いられる半導体ウェハ1は、X方向及びY方向に並ぶ複数の回路領域3を有する。X方向で隣り合う回路領域3の間には、Y方向に延在するスクライブ領域4Yが設けられ、Y方向で隣り合う回路領域3の間には、X方向に延在するスクライブ領域4Xが設けられている。回路領域3とスクライブ領域4X及び4Yとの間に耐湿リング6が設けられている。
【0014】
スクライブ領域4X及び4Yには、モニタパターン(図示せず)が設けられており、モニタパターンに接続されたモニタパッド5がスクライブ領域4X及び4Yの表面に設けられている。例えば、X方向を行方向、Y方向を列方向とすると、スクライブ領域4Xでは、5行、N列(Nは自然数)の行列をなすように複数のモニタパッド5が並び、スクライブ領域4Yでは、M行(Mは自然数)、3列の行列をなすように複数のモニタパッド5が並んでいる。
【0015】
ここで、スクライブ領域4Xの構成について説明する。
図6に示すように、シリコン基板等の基板101上に第1の層間絶縁膜111が形成されている。第1の層間絶縁膜111中にビア121が形成されている。第1の層間絶縁膜111は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO
2)等の膜である。ビア121は、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)又はコバルト(Co)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)又は窒化チタン(TiN)等の下地膜とを含む。
【0016】
第1の層間絶縁膜111上に第2の層間絶縁膜112が形成されている。第2の層間絶縁膜112中に配線膜132が形成されている。第2の層間絶縁膜112は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO2)等の膜である。配線膜132は、例えば、銅(Cu)又はルテニウム(Ru)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)又は窒化タンタル(TaN)等の下地膜とを含む。なお、配線膜132の材料がルテニウム(Ru)である場合、下地膜の形成を省略してもよい。
【0017】
第2の層間絶縁膜112上に複数の第3の層間絶縁膜113が形成されている。第3の層間絶縁膜113中にビア123と配線膜133とが形成されている。配線膜133はビア123上に形成され、配線膜133及びビア123はデュアルダマシン構造を有する。ビア123は、当該ビア123の直下の配線膜132又は133に接続されている。第3の層間絶縁膜113は、例えば、酸炭化シリコン(SiOC)、酸窒化シリコン(SiON)又は酸化シリコン(SiO2)等の膜である。配線膜133及びビア123は、例えば、銅(Cu)又はルテニウム(Ru)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)又は窒化タンタル(TaN)等の下地膜とを含む。なお、配線膜133の材料がルテニウム(Ru)である場合、下地膜の形成を省略してもよい。
【0018】
複数の第3の層間絶縁膜113のうちで最上層の第3の層間絶縁膜113上に第4の層間絶縁膜114が形成されている。第4の層間絶縁膜114上に導電膜134が形成されている。第4の層間絶縁膜114にビアホール144が形成されており、導電膜134はビアホール144を介して配線膜133に接続されている。第4の層間絶縁膜114及び導電膜134上にカバー膜116が形成されている。カバー膜116には、導電膜134の一部を露出する開口部146が形成されている。開口部146は、X方向に平行な2辺と、Y方向に平行な2辺とを備えた矩形状の平面形状を有している。第4の層間絶縁膜114は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の膜である。導電膜134は、例えば、アルミニウム(Al)等の膜である。
【0019】
図6での図示を省略するが、スクライブ領域4Xにモニタパターンが設けられており、導電膜134はモニタパターンに接続されている。導電膜134の開口部146から露出した部分がモニタパッド5であり、モニタパッド5を通じてモニタパターンを用いた特性試験が行われる。
【0020】
スクライブ領域4X内では、開口部146がY方向に5個並び、モニタパッド5もY方向に5個並んでいる。スクライブ領域4X内では、5行のモニタパッド5の群がY方向に並んでいる。スクライブ領域4Xは、5行の群のうちで最も外側に位置する行と重なる2つの第1の領域10と、5行の群のうちで中央に位置する行と重なる1つの第2の領域20とを有する。第1の領域10及び第2の領域20はX方向に延在する。第1の領域10の幅は、概ね、後に照射されるレーザ光のスポット径と等しい。第2の領域20の幅は、概ね、ダイシングブレードの厚さと等しい。なお、第1の領域10の幅とレーザ光のスポット径とが異なってもよく、第2の領域20の幅とダイシングブレードの厚さとが異なっていてもよい。
【0021】
スクライブ領域4Yは、第1の領域10及び第2の領域20等の各構成要素の向きと、モニタパッド5の配列とが相違していることを除き、スクライブ領域4Xと同様の構成を有する。スクライブ領域4Y内では、開口部146がX方向に3個並び、モニタパッド5もX方向に3個並んでいる。スクライブ領域4Y内では、3列行のモニタパッド5の群がX方向に並んでいる。スクライブ領域4Yは、3行の群のうちで最も外側に位置する列と重なる2つの第1の領域10と、3行の群のうちで中央に位置する列と重なる1つの第2の領域20とを有する。第1の領域10及び第2の領域20はY方向に延在する。第1の領域10の幅は、概ね、後に照射されるレーザ光のスポット径と等しい。第2の領域20の幅は、概ね、ダイシングブレードの厚さと等しい。なお、第1の領域10の幅とレーザ光のスポット径とが異なってもよく、第2の領域20の幅とダイシングブレードの厚さとが異なっていてもよい。
【0022】
半導体ウェハ1は、このような構成を備える。
【0023】
そして、準備された半導体ウェハ1について、モニタパッド5を通じてモニタパターンを用いた特性試験が行われる。
【0024】
特性試験の後、
図3及び
図7に示すように、第1の領域10にレーザ光を照射して第1の領域10内のモニタパッド5(導電膜134)を除去する。レーザ光の照射では、更に、モニタパッド5の下方にて、配線膜133と、ビア123と、第3の層間絶縁膜113と、配線膜132と、ビア121と、第2の層間絶縁膜112と、第1の層間絶縁膜111とを除去する。この結果、基板101に到達する溝31が形成される。溝31から基板101の表面が露出する。
【0025】
次いで、
図4及び
図8に示すように、第2の領域20にレーザ光を照射して第2の領域20内のモニタパッド5(導電膜134)と、配線膜133と、ビア123と、第3の層間絶縁膜113と、配線膜132と、ビア121と、第2の層間絶縁膜112と、第1の層間絶縁膜111とを除去する。この結果、基板101に到達する溝32が第2の領域20に形成される。溝32から基板101の表面が露出する。なお、溝31の形成後に溝32を形成してもよく、溝32の形成後に溝31を形成してもよい。また、溝31と溝32とを同じ工程で形成してもよい。
【0026】
その後、
図5及び
図9に示すように、ダイシングブレード等を用いて溝32から露出している基板101を切断する。第2の領域20へのレーザ光の照射と、ダイシングブレード等を用いた基板101の切断とにより、スクライブ領域4X及び4Y内の第2の領域20にて半導体ウェハ1が切断され、それぞれが回路領域3を備えた複数の半導体装置100が形成される。すなわち、半導体ウェハ1が複数の半導体装置100に個片化される。
【0027】
半導体ウェハ1の切断の際には、第2の領域20の幅と同程度の厚さを有するダイシングブレードが用いられ、第2の領域20がダイシングブレードにより削られる。この結果、第2の領域20が消失し、複数の半導体チップが半導体装置100として得られる。
【0028】
ここで、個片化後の半導体装置100と、半導体装置100を備えた半導体パッケージとについて説明する。
図10は、第1の実施形態における個片化後の半導体装置のレイアウトを示す図である。
図11は、半導体装置を備えた半導体パッケージを示す断面図である。
図11(a)は半導体パッケージの全体を示し、
図11(b)は
図11(a)中の一部の領域61を拡大して示す。
【0029】
図10に示すように、半導体装置100は、回路領域3と、スクライブ領域4Xと、スクライブ領域4Yとを有する。半導体装置100は、外周面100Aを有しており、平面視で、スクライブ領域4X及びスクライブ領域4Yは、回路領域3と外周面100Aとの間に位置する。スクライブ領域4X及びスクライブ領域4Yのいずれにも、第1の領域10が含まれ、第1の領域10に溝31が形成されている。
図9に示すように、溝31には、例えば、ビア121、配線膜132、ビア123、配線膜133及び導電膜134が露出している。つまり、配線層に含まれる配線の一部と、モニタパッド5の一部とが溝31に露出している。
【0030】
図11に示すように、半導体パッケージ60は、下面に外部端子63が設けられた配線基板62を有し、はんだ等の導電材64を介して配線基板62に半導体装置100がフリップチップ実装されている。そして、配線基板62と半導体装置100との間に絶縁膜としてアンダーフィル65が充填されている。アンダーフィル65は、溝31内にも設けられている。アンダーフィル65は、半導体装置100の外周面100Aを覆っていてもよい。
【0031】
半導体パッケージ60において、アンダーフィル65と基板101との間の密着性は、アンダーフィル65とモニタパッド5との密着性よりも優れている。このため、第1の領域10においてモニタパッド5の全体が残存している場合と比較して半導体装置100とアンダーフィル65との剥がれを抑制することができる。
【0032】
また、基板101の切断(
図5及び
図9参照)の際に導電膜134、配線膜133、ビア123、第3の層間絶縁膜113、配線膜132又はビア121にクラックが生じるおそれがあるが、クラックが生じたとしても、クラックの伝播が溝31において止められる。このため、回路領域3をクラックから保護することができる。
【0033】
なお、第2の領域20の幅がダイシングブレードの厚さと一致している必要はない。第2の領域20の全体が消失している必要はなく、ダイシングブレードを用いた基板101の切断の後に第2の領域20の一部が残存していてもよい。この場合、第2の領域20内のモニタパッド5(導電膜134)の一部が残存していてもよい。
【0034】
ビア123がシングルダマシン構造を有していてもよい。この場合、ビア123がタングステン(W)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)又はコバルト(Co)等の膜と、この膜の下に形成されたチタン(Ti)又は窒化チタン(TiN)等の下地膜とを含んでもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、主に、スクライブ領域4Xの処理の点で第1の実施形態と相違する。
図12~
図13は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図である。
図14~
図15は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図12~
図13は、
図1中の一部の領域2を拡大して示す図である。
図14~
図15は、それぞれ
図12~
図13中のXIV-XIV線~XV-XV線に沿った断面図に相当する。
【0036】
第2の実施形態では、まず、第1の実施形態と同様に、半導体ウェハ1を準備し(
図2及び
図6)、特性試験を行う。次いで、
図12及び
図14に示すように、第1の領域10にレーザ光を照射して第1の領域10内のモニタパッド5(導電膜134)を除去する。更に、第1の領域10と第2の領域20との間の第3の領域30にもレーザ光を照射して第3の領域30内のモニタパッド5(導電膜134)も除去する。スクライブ領域4Xにおいて、第3の領域30は、5行のモニタパッド5の群のうちで最も外側に位置する行と中央の行との間の行と重なり、第3の領域30はX方向に延在する。第3の領域30の幅は、概ね、照射されるレーザ光のスポット径と等しい。レーザ光の照射では、更に、モニタパッド5の下方にて、配線膜133と、ビア123と、第3の層間絶縁膜113と、配線膜132と、ビア121と、第2の層間絶縁膜112と、第1の層間絶縁膜111とを除去する。この結果、第1の領域10において基板101に到達する溝31が形成され、第3の領域30において基板101に到達する溝33が形成される。溝31及び33から基板101の表面が露出する。なお、第3の領域30の幅とレーザ光のスポット径とが異なってもよい。また、溝31,32,33の形成順は限定されず、それぞれ任意の順番で形成されてもよい。
【0037】
その後、
図13及び
図15に示すように、第1の実施形態と同様に、第2の領域20にレーザ光を照射して第2の領域20内のモニタパッド5(導電膜134)等を除去し、ダイシングブレード等を用いて溝32から露出している基板101を切断する。第2の領域20へのレーザ光の照射と、ダイシングブレード等を用いた基板101の切断とにより、スクライブ領域4X及び4Y内の第2の領域20にて半導体ウェハ1が切断され、それぞれが回路領域3を備えた複数の半導体装置200が形成される。すなわち、半導体ウェハ1が複数の半導体装置200に個片化される。
【0038】
半導体装置200を用いて半導体パッケージ60を製造した場合、アンダーフィル65は溝31内だけでなく溝32内にも設けられる。
【0039】
第2の実施形態によれば、アンダーフィル65とモニタパッド5との接触面積がより低減されるため、半導体装置200とアンダーフィル65との間により優れた密着性が得られ、半導体装置200とアンダーフィル65との剥がれを更に抑制することができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、主に、スクライブ領域4X及び4Yの処理の点で第1の実施形態等と相違する。
図16は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図である。
図17は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図16は、
図1中の一部の領域2を拡大して示す図である。
図17は、
図16中のXVI-XVI線に沿った断面図に相当する。
【0041】
第3の実施形態では、まず、第1の実施形態と同様に、半導体ウェハ1を準備し(
図2及び
図6)、特性試験を行う。次いで、
図16及び
図17に示すように、第1の領域10と、第2の領域20と、第1の領域10と第2の領域20との間の領域とにレーザ光を照射してこれらの領域内のモニタパッド5(導電膜134)と、配線膜133と、ビア123と、第3の層間絶縁膜113と、配線膜132と、ビア121と、第2の層間絶縁膜112と、第1の層間絶縁膜111とを除去する。これらの領域において基板101の表面が露出する。
【0042】
その後、第1の実施形態と同様に、ダイシングブレード等を用いて第2の領域20において基板101を切断する。第2の領域20へのレーザ光の照射と、ダイシングブレード等を用いた基板101の切断とにより、スクライブ領域4X及び4Y内の第2の領域20にて半導体ウェハ1が切断され、それぞれが回路領域3を備えた複数の半導体装置300が形成される。すなわち、半導体ウェハ1が複数の半導体装置300に個片化される。
【0043】
半導体装置300を用いて半導体パッケージ60を製造した場合、露出した基板101の表面の全体に接触するようにしてアンダーフィル65が設けられる。
【0044】
第3の実施形態によれば、アンダーフィル65とモニタパッド5との接触面積がより低減されるため、半導体装置300とアンダーフィル65との間により優れた密着性が得られ、半導体装置300とアンダーフィル65との剥がれを更に抑制することができる。
【0045】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、主に、スクライブ領域4Xの処理の点で第1の実施形態等と相違する。
図18は、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0046】
第4の実施形態では、
図18に示すように、第1の領域10にレーザ光を照射する際に、第1の領域10と重なるモニタパッド5の全体を除去する。モニタパッド5は、例えば、レーザ光の照射位置を調整したり、ビーム径を調整したりすることで、全体を除去することができる。他の構成は第1の実施形態と同様である。第4の実施形態により、複数の半導体装置400が得られる。
【0047】
第4の実施形態によれば、アンダーフィル65とモニタパッド5との接触面積がより低減されるため、半導体装置400とアンダーフィル65との間により優れた密着性が得られ、半導体装置400とアンダーフィル65との剥がれを更に抑制することができる。
【0048】
なお、全体を除去したモニタパッド5の下方の配線膜133、ビア123、配線膜132及びビア121の全体を除去してもよい。
【0049】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、主に、スクライブ領域4X及び4Yの処理の点で第1の実施形態等と相違する。
図19は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0050】
第5の実施形態では、溝31を形成する際に、第1の実施形態よりも高いエネルギでレーザ光を照射する。これにより、
図19に示すように、溝31が基板101に入り込む。他の構成は第1の実施形態と同様である。第5の実施形態により、複数の半導体装置500が得られる。
【0051】
第5の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、主に、スクライブ領域4X及び4Yの処理の点で第2の実施形態等と相違する。
図20は、第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0053】
第6の実施形態では、溝31を形成する際に、第1の実施形態よりも高いエネルギでレーザ光を照射する。また、溝33を形成する際に、第2の実施形態よりも高いエネルギでレーザ光を照射する。例えば、溝31を形成する際に、溝33を形成する際よりも高いエネルギでレーザ光を照射してもよい。これにより、
図20に示すように、溝31及び32が基板101に入り込む。溝31は溝32よりも深く基板101に入り込む。他の構成は第2の実施形態と同様である。第6の実施形態により、複数の半導体装置600が得られる。
【0054】
第6の実施形態によっても第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、主に、スクライブ領域4X及び4Yの処理の点で第3の実施形態等と相違する。
図21は、第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0056】
第7の実施形態では、第3の実施形態よりも高いエネルギで、第1の領域10と、第2の領域20と、第1の領域10と第2の領域20との間の領域とにレーザ光を照射してこれらの領域内のモニタパッド5(導電膜134)と、配線膜133と、ビア123と、第3の層間絶縁膜113と、配線膜132と、ビア121と、第2の層間絶縁膜112と、第1の層間絶縁膜111とを除去する。これにより、
図21に示すように、基板101の露出した表面が、第1の層間絶縁膜111等により覆われた表面よりも後退する。また、本実施形態では、特に第1の領域10において、エネルギを高くする。これにより、基板101の露出した表面に溝34が形成される。他の構成は第3の実施形態と同様である。第7の実施形態により、複数の半導体装置700が得られる。
【0057】
第7の実施形態によっても第3の実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
なお、いずれの実施形態においても、スクライブ領域4X及び4Yに設けられるモニタパッドの数は特に限定されない。
【0059】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0060】
1:半導体ウェハ
3:回路領域
4X、4Y:スクライブ領域
5:モニタパッド
100、200、300、400、500、600、700:半導体装置
10、20、30:領域
31、32、33、34:溝
60:半導体パッケージ
62:配線基板
65:アンダーフィル