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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20250107BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20250107BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20250107BHJP
【FI】
G06F3/12 368
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 367
H04L51/04
H04L67/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021000953
(22)【出願日】2021-01-06
(65)【公開番号】P2022106160
(43)【公開日】2022-07-19
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 悠二
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155000(JP,A)
【文献】特開2020-154769(JP,A)
【文献】特開2013-159107(JP,A)
【文献】特開2020-052582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04L 51/04
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
依頼者と前記プロセッサによって制御されるチャットボットのみが参加するトークルームに前記依頼者が投稿した印刷物と前記印刷物の代理印刷の依頼を前記ャットボットが受け付けた場合、
前記チャットボットの通信相手となる各々のユーザのうち、前記依頼者の指示に基づいて選択された前記依頼者以外の前記ユーザと前記チャットボットが参加する個別トークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する情報であって、前記印刷物に関する情報を含む依頼情報を投稿し、
前記依頼情報を投稿した前記個別トークルームを通じて前記ユーザの何れか1人から、前記依頼者の代理人として前記印刷物の代理印刷を承諾する承諾通知を受け付けた場合、前記印刷物を前記代理人の印刷物として画像形成装置に出力する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記印刷物の代理印刷を依頼する前記代理人の候補者を含む代理人候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿し、
前記代理人候補リストから前記依頼者が選択した候補者と前記チャットボットとの前記個別トークルームに前記依頼情報を投稿する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記チャットボットと通信可能な相手として予め登録されているユーザを含む前記代理人候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記依頼者が属するグループから成るグループ候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿すると共に、前記グループ候補リストから前記依頼者が選択したグループに属する前記依頼者以外の他のユーザを含む前記代理人候補リストを生成して、前記代理人候補リストを前記依頼者が参加しているトークルームに投稿し、
前記代理人候補リストから前記依頼者が選択した候補者が参加する前記個別トークルームに前記依頼情報を投稿する
請求項2項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記依頼者が属するグループのうち、前記依頼者及び前記チャットボットが共に属するグループのみを前記グループ候補リストに含める
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記依頼者が選択したグループに含まれるすべての候補者が前記印刷物の代理印刷を承諾しなかった場合、前記グループ候補リストに対して予め設定されている各グループの依頼順に従ってグループを選択して、選択したグループに対する前記代理人候補リストを新たに生成し、新たに生成した前記代理人候補リストを前記依頼者が参加しているトークルームに投稿する
請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記依頼者が選択した候補者が前記印刷物の代理印刷を承諾しなかった場合、前記代理人候補リストに対して予め設定されている各候補者の依頼順に従って前記代理人の候補者を選択し、選択した候補者が参加する前記個別トークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する
請求項2~請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記プロセッサによって制御されるチャットボットと、依頼者と、前記チャットボットの通信相手となる各々のユーザのうち、前記依頼者と異なる少なくとも1人の前記ユーザが参加するグループトークルームに前記依頼者が投稿した印刷物と前記印刷物の代理印刷の依頼を前記チャットボットが受け付けた場合、
前記グループトークルームを通じて、前記印刷物の代理印刷を依頼する情報であって、前記印刷物に関する情報を含む依頼情報を投稿し、
前記グループトークルームを通じて前記依頼者と異なる少なくとも1人の前記ユーザから、前記依頼者の代理人として前記印刷物の代理印刷を承諾する承諾通知を受け付けた場合、前記印刷物を前記代理人の印刷物として画像形成装置に出力する
情報処理装置。
【請求項9】
記プロセッサは、前記グループトークルームにおけるグループチャットに参加する他のユーザに前記印刷物の代理印刷を依頼する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記依頼情報を前記グループトークルームに投稿する代わりに、前記依頼情報を前記依頼者と異なる前記ーザの何れか1人と前記チャットボットとの個別トークルームに投稿する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記ーザの各々について、トークルームで前記ユーザを識別するための第1識別情報を記憶装置に初期登録する場合に、前記ユーザの各々から、前記画像形成装置で前記ユーザの各々を識別するための第2識別情報を取得して、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを対応付ける
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記画像形成装置が複数存在する場合、前記印刷物の出力に関する予め定められた条件に従って、前記印刷物を出力する前記画像形成装置を選択する
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記代理人から最も近い場所にある前記画像形成装置に前記印刷物を出力する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、画像の形成中でない前記画像形成装置に前記印刷物を出力する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータに、
依頼者と前記コンピュータによって制御されるチャットボットのみが参加するトークルームに前記依頼者が投稿した印刷物と前記印刷物の代理印刷の依頼を前記ャットボットが受け付けた場合、
前記チャットボットの通信相手となる各々のユーザのうち、前記依頼者の指示に基づいて選択された前記依頼者以外の前記ユーザと前記チャットボットが参加する個別トークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する情報であって、前記印刷物に関する情報を含む依頼情報を投稿し、
前記依頼情報を投稿した前記個別トークルームを通じて前記ユーザの何れか1人から、前記依頼者の代理人として前記印刷物の代理印刷を承諾する承諾通知を受け付けた場合、前記印刷物を前記代理人の印刷物として画像形成装置に出力する処理を実行させる
情報処理プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
前記コンピュータによって制御されるチャットボットと、依頼者と、前記チャットボットの通信相手となる各々のユーザのうち、前記依頼者と異なる少なくとも1人の前記ユーザが参加するグループトークルームに前記依頼者が投稿した印刷物と前記印刷物の代理印刷の依頼を前記チャットボットが受け付けた場合、
前記グループトークルームを通じて、前記印刷物の代理印刷を依頼する情報であって、前記印刷物に関する情報を含む依頼情報を投稿し、
前記グループトークルームを通じて前記依頼者と異なる少なくとも1人の前記ユーザから、前記依頼者の代理人として前記印刷物の代理印刷を承諾する承諾通知を受け付けた場合、前記印刷物を前記代理人の印刷物として画像形成装置に出力する処理を実行させる
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、端末装置、出力装置、及び一台以上の情報処理装置がネットワークを介して接続される出力システムであって、登録ユーザが操作する前記端末装置から受け付けた出力対象データの出力要求を登録する登録処理手段と、出力ユーザが操作する前記出力装置において、前記出力ユーザを代理ユーザとして設定している前記登録ユーザの情報を表示し、前記出力ユーザから前記登録ユーザの選択を受け付ける選択受付手段と、前記出力ユーザに選択された前記登録ユーザの前記出力対象データの出力要求の取得依頼を前記出力装置から受け付け、前記出力ユーザに選択された前記登録ユーザの前記出力対象データの出力要求を前記出力装置に提供する出力要求提供手段と、前記出力装置において、前記出力ユーザから前記出力対象データの出力要求の選択を受け付け、選択を受け付けた出力要求の前記出力対象データを蓄積先から取得して前記出力対象データを出力する出力処理手段と、を有する出力システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、指定した何れかの代理人に印刷して貰うのを待つ旨の設定がなされた印刷ジョブである依頼印刷ジョブの存在をユーザに通知するための通知手段と、外部端末から印刷ジョブを受信する受信手段と、前記依頼印刷ジョブを記憶するための記憶手段と、ユーザを認証するユーザ認証手段と、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷手段と、前記受信手段が外部端末から受信した印刷ジョブが前記依頼印刷ジョブの場合は、該依頼印刷ジョブを前記記憶手段に記憶してその印刷の実行を保留にし、前記ユーザ認証手段によってユーザが認証されたことを条件に、この認証されたユーザを代理人の一人とする依頼印刷ジョブが前記記憶手段に記憶されているか否かを調べ、記憶されている場合は前記依頼印刷ジョブの存在を前記通知手段により前記ユーザに通知するように制御する制御手段と、を有する印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-77859号公報
【文献】特開2009-66929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の働き方改革に伴い、以前よりも在宅勤務を行うユーザが増加している。在宅勤務の場合、例えばユーザのコンピュータと会社にあるコンピュータを通信回線で接続すれば、遠隔地から会社の情報にアクセスできるようになるため、ユーザの居場所に関係なく会社の業務を行うことができる。
【0006】
しかしながら、例えば資料として社内で配布するためファイルの内容を用紙に印刷しなければならない場合、印刷するファイルをメールで送信したり、ファイルサーバに格納したりして、会社にいる誰かに印刷物の代理印刷を行ってくれるよう依頼する必要がある。
【0007】
印刷物の代理印刷をしてくれる人物がすぐ見つかればよいが、相手の都合もあるため、代理印刷を行ってくれるユーザがすぐに見つからないこともある。この場合、代理印刷を依頼する依頼者は、何人ものユーザに連絡を取る必要が生じる。
【0008】
一方、代理印刷の依頼を受けたユーザにとっても、依頼者からファイルを取得し、ファイルの種別に対応したアプリケーションを起動して印刷操作を行い、画像形成装置で印刷が完了すれば依頼者に印刷が完了したことを通知する作業が発生する。
【0009】
本発明は、依頼者が依頼可能なユーザに印刷物の代理印刷を直接依頼する場合と比較して、代理印刷の依頼を受けたユーザが画像形成装置で印刷物を印刷するまでに要する、依頼者及び代理印刷の依頼を受けたユーザの作業量を低減することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、依頼者がトークルームに投稿した印刷物の代理印刷の依頼を前記プロセッサによって制御されるチャットボットが受け付けた場合、トークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する依頼情報を投稿し、前記印刷物を、前記依頼情報を投稿したトークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を承諾した代理人の印刷物として画像形成装置に出力する。
【0011】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記印刷物の代理印刷を依頼する前記代理人の候補者を含む代理人候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿し、前記代理人候補リストから前記依頼者が選択した候補者と前記チャットボットとの個別トークルームに前記依頼情報を投稿する。
【0012】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記チャットボットと通信可能な相手として予め登録されているユーザを含む前記代理人候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿する。
【0013】
第4態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記依頼者が属するグループから成るグループ候補リストを、前記依頼者が参加しているトークルームに投稿すると共に、前記グループ候補リストから前記依頼者が選択したグループに属する前記依頼者以外の他のユーザを含む前記代理人候補リストを生成して、前記代理人候補リストを前記依頼者が参加しているトークルームに投稿し、前記代理人候補リストから前記依頼者が選択した候補者が参加する前記個別トークルームに前記依頼情報を投稿する。
【0014】
第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記依頼者が属するグループのうち、前記依頼者及び前記チャットボットが共に属するグループのみを前記グループ候補リストに含める。
【0015】
第6態様に係る情報処理装置は、第4態様又は第5態様に係る情報処理装置において、前記依頼者が選択したグループに含まれるすべての候補者が前記印刷物の代理印刷を承諾しなかった場合、前記グループ候補リストに対して予め設定されている各グループの依頼順に従ってグループを選択して、選択したグループに対する前記代理人候補リストを新たに生成し、新たに生成した前記代理人候補リストを前記依頼者が参加しているトークルームに投稿する。
【0016】
第7態様に係る情報処理装置は、第2態様~第6態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記依頼者が選択した候補者が前記印刷物の代理印刷を承諾しなかった場合、前記代理人候補リストに対して予め設定されている各候補者の依頼順に従って前記代理人の候補者を選択し、選択した候補者が参加するトークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する。
【0017】
第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記依頼者が参加しているトークルームでグループチャットが行われている場合、前記プロセッサは、前記グループチャットに参加する他のユーザに前記印刷物の代理印刷を依頼する。
【0018】
第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記依頼情報を前記グループチャットが行われているトークルームに投稿する。
【0019】
第10態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記依頼情報を前記他のユーザの何れか1人と前記チャットボットとの個別トークルームに投稿する。
【0020】
第11態様に係る情報処理装置は、第1態様~第10態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記チャットボットの通信相手となるユーザの各々について、トークルームでユーザを識別するための第1識別情報を記憶装置に初期登録する場合に、ユーザの各々から、前記画像形成装置でユーザの各々を識別するための第2識別情報を取得して、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを対応付ける。
【0021】
第12態様に係る情報処理装置は、第1態様~第11態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像形成装置が複数存在する場合、前記印刷物の出力に関する予め定められた条件に従って、前記印刷物を出力する前記画像形成装置を選択する。
【0022】
第13態様に係る情報処理装置は、第12態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記代理人から最も近い場所にある前記画像形成装置に前記印刷物を出力する。
【0023】
第14態様に係る情報処理装置は、第12態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、画像の形成中でない前記画像形成装置に前記印刷物を出力する。
【0024】
第15態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、依頼者がトークルームに投稿した印刷物の代理印刷の依頼を前記コンピュータによって制御されるチャットボットが受け付けた場合、トークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を依頼する依頼情報を投稿し、前記印刷物を、前記依頼情報を投稿したトークルームを通じて前記印刷物の代理印刷を承諾した代理人の印刷物として画像形成装置に出力する処理を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
第1態様及び第15態様によれば、依頼者が依頼可能なユーザに印刷物の代理印刷を直接依頼する場合と比較して、代理印刷の依頼を受けたユーザが画像形成装置で印刷物を印刷するまでに要する、依頼者及び代理印刷の依頼を受けたユーザの作業量を低減することができる、という効果を有する。
【0026】
第2態様によれば、代理印刷の依頼者がトークルームに投稿された代理人候補リストの中から代理人の候補者を選択するだけで、候補者に対する代理印刷の依頼をチャットボットに行わせることができる、という効果を有する。
【0027】
第3態様によれば、依頼者によって選択された代理人の候補者と友達登録を行うことなく、代理印刷の依頼を行うことができる、という効果を有する。
【0028】
第4態様によれば、代理人候補リストを依頼者が選択したグループ単位で依頼者に提示することができる、という効果を有する。
【0029】
第5態様によれば、SNSにおけるセキュリティ規約に抵触することなく、グループに所属する代理人の候補者の情報をSNSサーバから取得することができる、という効果を有する。
【0030】
第6態様によれば、依頼者が選択したグループに印刷物の代理印刷を承諾する候補者がいない場合であっても、依頼者がグループ候補リストから別のグループを再選択することなく、別のグループに所属する代理人候補リストを依頼者に提示することができる、という効果を有する。
【0031】
第7態様によれば、依頼者が選択した候補者が印刷物の代理印刷を承諾しなかった場合であっても、依頼者が代理人候補リストから別の候補者を再選択することなく、別の候補者に印刷物の代理印刷を依頼することができる、という効果を有する。
【0032】
第8態様によれば、依頼者は代理印刷の依頼を複数のユーザに一度に行うことができる、という効果を有する。
【0033】
第9態様によれば、依頼者は代理人の候補を選択する必要がない、という効果を有する。
【0034】
第10態様によれば、グループチャットが行われているトークルームに依頼情報を投稿する場合と比較して、代理印刷の依頼相手が誰であるかを明確にすることができる、という効果を有する。
【0035】
第11態様によれば、代理印刷する印刷物を、代理印刷を引き受けたユーザの印刷物として画像形成装置から出力することができる、という効果を有する。
【0036】
第12態様によれば、代理印刷の依頼者又は代理人の都合に応じて、印刷物を出力する画像形成装置を選択することができる、という効果を有する。
【0037】
第13態様によれば、印刷物を出力する画像形成装置を選択できない場合と比較して、代理人が印刷物を受け取るのに要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【0038】
第14態様によれば、印刷物を出力する画像形成装置を選択できない場合と比較して、代理人が代理印刷の依頼を承諾してから印刷物が画像形成装置に出力されるまでに要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】情報通信システムの概略構成例を示す図である。
図2】チャットボットサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】チャットボットサーバの機能構成例を示すブロック図である。
図4】登録情報の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る代理印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る代理印刷処理における依頼処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】代理印刷の依頼先となるユーザのユーザ端末に表示されるトークルームの一例を示す図である。
図9】印刷情報の一例を示す図である。
図10】初期登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】初期登録処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図12】優先代理人候補リストを用いた第1実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図13】グループ情報の一例を示す図である。
図14】グループ候補リストを用いた第1実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図15】優先順位選択メニューを用いた第1実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図16】優先グループ候補リストを用いた第1実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図17】第2実施形態に係る代理印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18】第2実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
図19】第2実施形態に係る代理印刷処理における承諾処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20】印刷情報の他の一例を示す図である。
図21】優先代理人候補リストを用いた第2実施形態に係る代理印刷処理を行った場合のトークルームの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0041】
図1は、実施形態における情報通信システムの概略構成例を示す図である。
【0042】
情報通信システムは、ユーザ端末10、トークルームサーバ20、チャットボットサーバ30、プリンタ40、及びプリンタサーバ60を含む。ユーザ端末10、トークルームサーバ20、及びチャットボットサーバ30は、インターネット50により相互に接続されている。チャットボットサーバ30及びプリンタサーバ60、並びに、プリンタ40及びプリンタサーバ60はそれぞれLAN(Local Area Network)等の通信回線で接続されている。
【0043】
ユーザ端末10は、ユーザが使用する端末であって、デスクトップ型コンピュータ、ノートパソコン、タブレット、又はスマートフォン等のいかなる端末であってもよい。図1において、ユーザAがユーザ端末10Aを、ユーザBがユーザ端末10Bを、ユーザCがユーザ端末10Cを、ユーザDがユーザ端末10Dを使用しているものとする。なお、情報通信システムに含まれるユーザ端末10の数に制約はなく、図示しないユーザE及びユーザFといった他のユーザが使用するユーザ端末10を含んでもよい。ユーザ端末10A~10Dを含む複数のユーザ端末10を総称して、「ユーザ端末10」と呼ぶ。
【0044】
プリンタ40は、用紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成装置の一例であり、ユーザが印刷物の印刷に利用する。少なくとも1台以上のプリンタ40がプリンタサーバ60に接続される。図1の情報通信システムの例では、プリンタ40Aとプリンタ40Bがプリンタサーバ60に接続されているが、プリンタサーバ60に接続されるプリンタ40の台数に制約はない。以降では、プリンタ40A及びプリンタ40Bを含む複数のプリンタ40を総称して、「プリンタ40」と呼ぶ。
【0045】
なお、ユーザ端末10の設置場所に制約はないが、ここでは一例として、プリンタ40が設置されている会社内、及びユーザの自宅にそれぞれユーザ端末10が設置されているものとして説明する。すなわち、各々のユーザは会社に出勤して仕事をしているユーザと自宅で在宅勤務を行っているユーザに分類される。チャットボットサーバ30及びプリンタサーバ60の設置場所についても制約はなく、例えば会社内に設置してもクラウドサービスを利用してデータセンター内に設置してもよい。
【0046】
トークルームサーバ20は、トークルームを提供する。トークルームは、少なくとも1人のユーザと後述するチャットボットが参加して、チャットにより投稿したメッセージによって表される情報を共有できる仮想空間である。
【0047】
ここで、「メッセージ」とは、何らかの情報を表すデータの単位であり、「チャット」とは、コンピュータネットワーク上でリアルタイムに複数の構成員が情報を入力してやりとりを交わすこと、又はそれをするための環境を指す。「構成員」とは、実在する人物と関連付けられたユーザと、特定の規則に従って動作するソフトウェアロボットの両方を含む。また、「チャットボット」とは、トークルーム上でユーザから投稿された情報に基づいて特定の処理(以降、「特定処理」という)の実行がなされるよう制御するソフトウェアロボットである。
【0048】
ユーザは、ユーザ端末10を通じて、トークルーム内においてメッセージを投稿することが可能である。ここで「メッセージを投稿する」とは、トークルームに参加する他のユーザに対して、トークルームを通じて情報を公開する行為をいう。
【0049】
メッセージには、例えば画像や文字の他、データの集合体であるファイルも含まれる。したがって、「メッセージを投稿する」とは、ファイル、画像、及び文字によって表される各種指示や情報を入力し、トークルームで公開する行為でもある。
【0050】
トークルーム内では、ユーザ同士でメッセージによって表される情報を共有し、更に、チャットボットがユーザの情報に応答して、返答したりすることができる。また、ユーザがトークルーム内において、チャットボットに対して特定処理を実行させるための指示を与えることもできる。チャットボットは、例えば、自然言語処理により、投稿されたメッセージに含まれる指示を抽出し、特定処理を実行する。なお、トークルームでは、ユーザとチャットボットが1対1で参加したり、複数のユーザとチャットボットとが参加したりすることができる。
【0051】
以降では、1人のユーザとチャットボットだけがトークルームに参加して行うチャットを「個別チャット」と呼び、複数のユーザとチャットボットがトークルームに参加して行うチャットを「グループチャット」と呼ぶことにする。また、個別チャットが行われているトークルームを「個別トークルーム」と呼び、グループチャットが行われているトークルームを「グループトークルーム」と呼ぶことにする。トークルームは開設された数だけ複数存在しうる。
【0052】
チャットボットサーバ30は、チャットボットを管理するサーバであり、実施形態に係る情報処理装置の一例である。チャットボットは、上述の通り、トークルームに参加して、ユーザが投稿したメッセージに応答し、また、メッセージに含まれる指示に従い特定処理を実行する。
【0053】
例えば何れかのユーザがチャットボットに対して代理印刷の指示を行った場合、チャットボットは、代理印刷を依頼したユーザ(「依頼者」と呼ぶ)とは異なる別のユーザに、依頼者が指示した印刷物を依頼者に代わってプリンタ40で受け取るように依頼する。こうした印刷物の代理印刷は、チャットボットを通じてチャットボットサーバ30が行う特定処理の一例である。
【0054】
図1の情報通信システムの例では、チャットボットサーバ30にプリンタサーバ60が接続されているが、プリンタサーバ60は、インターネット50を経由して、チャットボットサーバ30に接続されてもよい。
【0055】
次に、チャットボットサーバ30のハードウェア構成について説明する。
【0056】
図2は、チャットボットサーバ30のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示すように、チャットボットサーバ30はコンピュータを用いて構成され、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ストレージ34、入力部35、表示部36、及び通信I/F(Interface)37の各構成を有する。各構成は、バス38を通じて相互に通信可能に接続されている。
【0057】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする制御部として機能する。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34から情報処理プログラムを読み出し、RAM33を作業領域として特定処理を行う情報処理プログラムを実行する。本実施形態では、ROM32に特定処理の動作を規定した情報処理プログラムが格納されているものとする。
【0058】
ROM32は、情報処理プログラムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的に情報処理プログラムを含む各種プログラム及び各種データを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0059】
入力部35は、マウス等のポインティングデバイス及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0060】
表示部36は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部36は、タッチパネル方式を採用して、入力部35として機能してもよい。通信I/F37は、インターネット50を通じて他の機器と通信するためのインタフェースであり、インターネット50でデータ通信を行うための通信プロトコルを備える。
【0061】
次に、チャットボットサーバ30の機能構成について説明する。
【0062】
図3は、チャットボットサーバ30の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、チャットボットサーバ30は、機能構成として、登録部301及び実行制御部302を有する。各機能構成は、CPU31がROM32に記憶された情報処理プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより実現される。
【0063】
登録部301は、例えばチャットボットの通信相手となるユーザの各々について、ユーザ名、チャットユーザID、及びプリントユーザIDを対応付けた情報(「登録情報2」という)の登録、削除、及び更新を行う。
【0064】
ここでユーザ名は、トークルームに表示されるユーザの名称である。
【0065】
チャットユーザIDは、トークルームに参加するユーザを一意に識別するためにチャットボットサーバ30が特定処理の内部で使用する識別情報である。ユーザ名は、トークルームサーバ20によって提供されるトークルームを利用するユーザ自らが設定した識別情報であり、チャットユーザIDは、トークルームを利用するユーザに対してトークルームサーバ20が設定した識別情報である。チャットユーザIDは、本実施形態に係る第1識別情報の一例である。
【0066】
ユーザとチャットボットが同じトークルームに参加してメッセージを交換するには、後述するように、互いのユーザ名及びチャットユーザIDを登録しあう初期登録が必要になる。登録部301は、チャットボットと初期登録を行ったユーザ毎のユーザ名とチャットユーザIDをトークルームサーバ20から取得する。
【0067】
一方、プリントユーザIDは、プリンタ40を使用するユーザを一意に識別するために用いられる識別情報であり、本実施形態に係る第2識別情報の一例である。
【0068】
ユーザはプリンタ40から印刷物を出力する場合、プリンタ40に自分のプリントユーザIDを入力する。これに対してプリンタ40は、プリンタサーバ60に蓄積されたプリントユーザIDと対応付けられた印刷データを取得し、取得した印刷データを記録媒体に印刷して印刷物を形成する。したがって、ユーザが他のユーザの印刷物をプリンタ40で出力するには、ユーザが他のユーザのプリントユーザIDをプリンタ40に入力する必要があるが、セキュリティの観点からユーザ毎のプリントユーザIDは公開されていない。したがって、登録部301は、チャットボットと初期登録を行ったユーザからプリントユーザIDを取得する。
【0069】
このように登録部301は、取得したユーザ名、チャットユーザID、及びプリントユーザIDをユーザ毎に対応付けて登録情報2に登録する。図4は、登録情報2の一例を示す図である。
【0070】
また、登録部301は、チャットボットサーバ30がチャットボットを通じて受け付けた印刷データをプリンタサーバ60に送信するため、プリンタサーバ60の識別情報(例えばIPアドレス)を登録する。
【0071】
こうした登録情報2及びプリンタサーバ60の識別情報はストレージ34に記憶されるが、登録部301は、インターネット50に接続された図示しない外部装置の記憶領域に記憶してもよい。
【0072】
実行制御部302は、チャットボットをトークルームに参加させ、チャットボットを制御してユーザに各種メッセージを通知すると共に、チャットボットのメッセージに対するユーザの応答や、ユーザがトークルームに投稿したメッセージの内容に従い、特定処理を実行する。
【0073】
<第1実施形態>
次に、第1実施形態に係るチャットボットサーバ30の作用について説明する。
【0074】
図5は、チャットボットサーバ30がチャットボットを通じて参加している個別トークルームに印刷データが投稿された場合に、CPU31によって実行される代理印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図6は、図5に示す代理印刷処理によって、印刷データを投稿した依頼者のユーザ端末10に表示されるトークルームの一例を示す図である。
【0075】
図5に示す代理印刷処理を規定する情報処理プログラムは、例えばチャットボットサーバ30のROM32に予め記憶されている。チャットボットサーバ30のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読み込み、代理印刷処理を実行する。
【0076】
なお、代理印刷の依頼者とチャットボットとは既に初期登録が完了しているものとする。また、代理印刷の依頼者のユーザ名は、説明の便宜上「Bさん」とする。
【0077】
図6に示すように、依頼者が印刷データの一例である「議事録.txt」と名付けられた印刷物のファイルをメッセージM10としてトークルームに投稿した場合、図5のステップS10において、CPU31は、印刷メニュー(図6のメッセージM20)をトークルームに投稿する。
【0078】
印刷メニューは、依頼者にファイルの印刷形態を選択させるメニューであり、例えば「自分で印刷する」及び「代理印刷を依頼する」の2つの選択肢を含む。
【0079】
これに対して依頼者は、印刷メニューの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0080】
ステップS20において、CPU31は、印刷メニューに対する依頼者の応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS20の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合にはステップS30に移行する。
【0081】
ステップS30において、CPU31は、受け付けた応答が依頼者によって印刷メニューの「代理印刷を依頼する」が選択された場合に受け付ける、代理印刷の依頼に対応した応答であるか否かを判定する。代理印刷の依頼に対応した応答を受け付けた場合には、ステップS40に移行する。
【0082】
なお、図6において手形のマーク8は、マーク8と重複する選択肢を依頼者が選択したことを表す。すなわち、図6の例では、メッセージM20で示される印刷メニューに対して、依頼者が「代理印刷を依頼する」を選択したことを示している。したがって、トークルームにマーク8が表示されるわけではない。
【0083】
ステップS40において、CPU31は、依頼者の代わりにファイルの代理印刷を行うユーザ(「代理人」という)の候補者を含む代理人候補リスト(図6のメッセージM30)をトークルームに投稿する。
【0084】
代理人候補リストは、依頼者に代理人の候補者を選択させるリストであり、例えば登録情報2に登録されているユーザのユーザ名が含まれる。すなわち、代理人候補リストには、チャットボットと初期登録が終了し、チャットボットがトークルームで通信可能な相手として予めストレージ34に記憶されているユーザのユーザ名が含まれる。以降では、代理人の候補者のことを単に「候補者」と呼ぶ。
【0085】
これに対して依頼者は、代理人候補リストに含まれる何れかのユーザ名を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0086】
ステップS50において、CPU31は、代理人候補リストに対する依頼者の応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS50の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合には、依頼者が候補者を選択したことになるためステップS60に移行する。
【0087】
ステップS60において、CPU31は、依頼者によって選択された候補者のユーザ名を取得し、確認メッセージ(図6のメッセージM40)をトークルームに投稿する。
【0088】
確認メッセージは、ファイルの印刷設定及び代理印刷を依頼する候補者のユーザ名を依頼者に確認させる情報であり、例えば「依頼する」、「設定変更する」、「代理人を変更する」、及び「キャンセル」の選択肢を含む。
【0089】
これに対して依頼者は、確認メッセージの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0090】
ステップS70において、CPU31は、確認メッセージに対する依頼者の応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS70の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合にはステップS80に移行する。
【0091】
ステップS80において、CPU31は、受け付けた応答が依頼者によって確認メッセージの「キャンセル」が選択された場合に受け付ける、キャンセルに対応した応答であるか否かを判定する。キャンセルに対応した応答を受け付けた場合には、依頼者によって代理印刷処理の中止が指示されたため、図5に示す代理印刷処理を終了する。
【0092】
一方、受け付けた応答がキャンセルに対応した応答でないと判定された場合にはステップS90に移行する。
【0093】
ステップS90において、CPU31は、受け付けた応答が依頼者によって確認メッセージの「依頼する」が選択された場合に受け付ける、依頼指示に対応した応答であるか否かを判定する。依頼指示に対応した応答でない場合、ステップS130に移行する。
【0094】
ステップS130において、CPU31は、受け付けた応答が依頼者によって確認メッセージの「代理人を変更する」が選択された場合に受け付ける、代理人変更に対応した応答であるか否かを判定する。代理人変更に対応した応答を受け付けた場合には、依頼者が代理人候補リストで選択した候補者を変更したいということであるから、ステップS40に移行して、代理人候補リストを再度トークルームに投稿する。
【0095】
一方、受け付けた応答が代理人変更に対応した応答ではないと判定された場合、依頼者は、確認メッセージから「設定変更する」を選択したことになる。したがって、ステップS140に移行し、ステップS140において、CPU31は、プリンタ40の印刷動作を規定する印刷属性の属性値を変更する。
【0096】
図6のメッセージM40で示される確認メッセージでは、例えば色、印刷面、及び部数の各印刷属性に対して、それぞれカラー、片面、及び1部の属性値が設定されている。依頼者は、例えば「色:白黒」というように、変更したい印刷属性と属性値をトークルームに投稿すると、CPU31は、指定された印刷属性を指定された属性値に変更してステップS60に移行し、属性値の変更が反映された確認メッセージを再度トークルームに投稿する。
【0097】
一方、ステップS90の判定処理で、受け付けた応答が依頼指示に対応した応答であると判定された場合にはステップS100に移行する。
【0098】
ステップS100において、CPU31は、依頼者が代理人候補リストから選択した候補者に対して、依頼者がトークルームに投稿したファイルの代理印刷を依頼する依頼処理を実行する。後ほど詳細に説明するように、依頼処理では候補者が依頼者からの代理印刷の依頼を承諾すれば、候補者が代理人として代理印刷に承諾したことを依頼者に知らせる承諾メッセージ(図6のメッセージM50)をトークルームに投稿する。
【0099】
CPU31は、依頼者がトークルームに投稿したファイルを、代理印刷の依頼を承諾した候補者、すなわち代理人のファイルとしてプリンタサーバ60に蓄積し、代理人がプリンタ40でファイルの内容が印刷された印刷物を受け取れば、代理印刷が完了したことを依頼者に知らせる完了メッセージ(図6のメッセージM60)をトークルームに投稿する。
【0100】
しかしながら、依頼処理では、候補者が都合により代理印刷の依頼を拒否することもありうる。したがって、依頼処理を実行した後のステップS110において、CPU31は、依頼処理において候補者が代理印刷の依頼を拒否したか否かを判定する。候補者が代理印刷の依頼を承諾した場合には、ステップS100の依頼処理で、代理人により依頼者がトークルームに投稿したファイルの代理印刷が実行されるため、図5に示す代理印刷処理を終了する。
【0101】
一方、候補者が代理印刷の依頼を拒否した場合にはステップS120に移行する。
【0102】
ステップS120において、CPU31は、依頼者が選択した候補者が代理印刷の依頼を拒否したことを示す拒否メッセージをトークルームに投稿する。これにより依頼者は、選択した候補者が代理印刷の依頼を拒否したことを、チャットボットを通じて知ることができる。
【0103】
この後、CPU31は、依頼者に新たな候補者を選択してもらうためステップS40に移行し、代理人候補リストを再度トークルームに投稿する。すなわち、CPU31は、依頼者が確認メッセージに対して「キャンセル」を選択するまで、依頼者が代理人候補リストから選択した候補者に対して代理印刷を依頼する。
【0104】
なお、CPU31がステップS10でトークルームに投稿した印刷メニューに対して、依頼者が「自分で印刷する」を選択したため、ステップS30の判定処理で、受け付けた応答が代理印刷の依頼に対応した応答ではないと判定された場合には、ステップS150に移行する。この場合、依頼者自らがプリンタ40まで移動し、トークルームに投稿したファイルの内容が印刷された印刷物を依頼者が受け取る通常印刷を指示したことになる。
【0105】
したがって、ステップS150において、CPU31は、依頼者がトークルームに投稿したファイルに、依頼者のプリントユーザID(この場合、“FX02”)を対応付けて、印刷情報4を生成する。その上で、CPU31は、ファイルと生成した印刷情報4をプリンタサーバ60に出力し、プリンタサーバ60に印刷情報4を蓄積する。言うまでもなく、CPU31は、現在設定されている印刷設定を依頼者に確認させ、依頼者から印刷設定の変更を受け付けるようにしてもよい。なお、印刷情報4の詳細については後ほど説明する。
【0106】
プリンタサーバ60に印刷情報4が蓄積されたことから、ステップS160において、CPU31は、蓄積完了メッセージをトークルームに投稿して図5に示す代理印刷処理を終了する。蓄積完了メッセージは、プリンタ40でトークルームに投稿したファイルの印刷が可能になったことを知らせるメッセージである。この場合、依頼者はプリンタ40まで移動し、自分のプリントユーザIDをプリンタ40に入力することで、依頼者自らがプリンタ40でファイルの内容が印刷された印刷物を受け取る。
【0107】
次に、ステップS100で実行する依頼処理の詳細について説明する。
【0108】
図7は、CPU31が図5のステップS100で実行する依頼処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図8は、図7に示す依頼処理での代理印刷の依頼先となるユーザのユーザ端末10に表示される依頼用トークルームの一例を示す図である。ここでは一例として、依頼者に選択された候補者のユーザ名を「Aさん」とする。
【0109】
まず、ステップS200において、CPU31は、依頼者とチャットボットが個別チャットを行っているトークルームではなく、依頼者が選択した候補者とチャットボットが個別チャットを行う別のトークルーム、すなわち依頼用トークルームに、依頼メッセージ(図8のメッセージM45)を投稿する。
【0110】
依頼メッセージは、依頼者からの代理印刷の依頼を引き受けるか否かを候補者に選択させるメッセージであり、依頼情報の一例である。依頼メッセージは、例えば「承諾する」及び「拒否する」の選択肢を含む。
【0111】
これに対して候補者は、依頼メッセージの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0112】
ステップS210において、CPU31は、依頼メッセージに対する候補者の応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS210の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合にはステップS220に移行する。
【0113】
ステップS220において、CPU31は、受け付けた応答が候補者によって依頼メッセージの「承諾する」が選択された場合に受け付ける、承諾に対応した応答であるか否かを判定する。承諾に対応した応答を受け付けた場合には、候補者が依頼者からの代理印刷の依頼を承諾したことになるためステップS230に移行する。候補者が依頼者からの代理印刷の依頼を承諾した時点で、候補者は依頼者の代理人となる。
【0114】
ステップS230において、CPU31は、候補者が代理人として代理印刷に承諾したことを依頼者に知らせる承諾メッセージを、依頼者とチャットボットが個別チャットを行っているトークルームに投稿する。これにより、既に説明した図6のメッセージM50が、依頼者とチャットボットが個別チャットを行っているトークルームに表示される。
【0115】
ステップS240において、CPU31は、依頼者がトークルームに投稿したファイルに、代理人のプリントユーザIDと確認メッセージによって依頼者に確認した印刷設定とを対応付けた印刷情報4を生成する。
【0116】
図9は、CPU31が生成する印刷情報4の一例を示す図である。印刷情報4は各々の印刷属性に対する属性値を含む。印刷属性には、依頼者が確認メッセージで確認した印刷設定の他、例えば印刷対象となるファイルの所有者を表すプリントユーザID及び印刷対象となるファイルのファイル名が含まれる。
【0117】
CPU31は、ファイル名によって表されるファイル(「議事録.txt」)を印刷するユーザのプリントユーザIDに、依頼者であるBさんのプリントユーザID(“FX02”)ではなく、代理人であるAさんのプリントユーザID(“FX01”)を設定する。すなわち、CPU31は、印刷対象のファイルを依頼者のファイルではなく、代理人のファイルに設定する。
【0118】
その上で、CPU31は、ファイルと印刷情報4をプリンタサーバ60に出力し、プリンタサーバ60にファイルと印刷情報4を蓄積する。
【0119】
これに伴いステップS250において、CPU31は、蓄積完了メッセージ(図8のメッセージM55)を依頼用トークルームに投稿する。
【0120】
蓄積完了メッセージによって、代理人は、ファイルの印刷準備が完了したことを確認する。ファイルの印刷準備が完了したことを確認した代理人はプリンタ40まで移動し、代理人自身のプリントユーザID(この場合“FX01”)をプリンタ40に入力することで、依頼者の代わりにファイルの内容が印刷された印刷物をプリンタ40で受け取る。
【0121】
ファイルがプリンタ40で印刷されると、プリンタサーバ60がチャットボットサーバ30に、ファイルの印刷が完了したことを知らせる応答を送信する。
【0122】
したがって、ステップS260において、CPU31は、ファイルの印刷が完了したことを知らせる応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS260の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、応答を受け付けた場合にはステップS270に移行する。
【0123】
ファイルの印刷が完了したことを受けて、ステップS270において、CPU31は、代理印刷が完了したことを依頼者に知らせる完了メッセージ(図6のメッセージM60)を、依頼者とチャットボットが個別チャットを行っているトークルームに投稿して、図7に示す依頼処理を終了する。
【0124】
一方、ステップS220の判定処理で、候補者が依頼者からの代理印刷の依頼を拒否したと判定された場合には、ステップS230~S270の処理を実行することなく、図7に示す依頼処理を終了する。この場合、CPU31は、候補者が代理印刷の依頼を拒否したことを通知するメッセージを、依頼者とチャットボットが個別チャットを行っているトークルームに投稿して、図7に示す依頼処理を終了してもよい。
【0125】
このように、図5に示した代理印刷処理によれば、チャットボットが依頼者に代わって他のユーザに代理印刷の依頼を行うため、依頼者が他のユーザに代理印刷を直接依頼する場合よりも、代理印刷の依頼に伴う煩わしさが軽減される。また、チャットボットがファイルの印刷情報4を予めプリンタサーバ60に蓄積しておいてくれるため、代理人は、例えば印刷対象のファイルをダウンロードしてプリンタサーバ60に印刷指示を行うような印刷の準備に関する操作を行うことなく、プリンタ40まで移動しさえすれば印刷物を受け取ることができる。また、ファイルが代理人の印刷物として扱われるため、ファイルをプリンタ40で印刷するために代理人が依頼者のプリントユーザIDを教えてもらうような手間が省ける上、セキュリティの観点から秘密情報である依頼者のプリントユーザIDを代理人に知られることもない。
【0126】
次に、ユーザとチャットボットとの間で行われる初期登録について説明する。
【0127】
図10は、CPU31によって実行される初期登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図11は、図10に示す初期登録処理によってチャットボットと初期登録を行うユーザのユーザ端末10に表示されるトークルームの一例を示す図である。
【0128】
初期登録処理は、ユーザとチャットボットが初めてトークルームでメッセージの交換を行う場合に実行される処理である。
【0129】
図10に示す初期登録処理も図5に示した代理印刷処理と同様に、処理内容が情報処理プログラムで規定されている。したがってチャットボットサーバ30のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読み込み、初期登録処理を実行する。
【0130】
なお、初期登録を行うトークルームはチャットボットとユーザの個別トークルームであっても、チャットボットと複数のユーザが共に参加するグループトークルームであってもどちらでもよい。また、CPU31は、初期登録を行うユーザのユーザ名及びチャットユーザIDをトークルームサーバ20から取得し、ストレージ34に記憶しているものとする。以降では一例として、ユーザ名が「Aさん」で表されるユーザを初期登録する例を用いて初期登録処理の説明を行う。
【0131】
ステップS300において、CPU31は、ユーザのプリントユーザIDの入力を促す入力メッセージ(図11のメッセージM1)を、初期登録を行うユーザが参加しているトークルームに投稿する。
【0132】
これに対して、ユーザは自分のプリントユーザIDをトークルームに投稿する(図11のメッセージM2)。ユーザがAさんであれば、Aさんは自分のプリントユーザIDである“FX01”をトークルームに投稿することになる。
【0133】
したがって、ステップS310において、CPU31は、ユーザからプリントユーザIDを受け付けたか否かを判定する。プリントユーザIDを受け付けていない場合にはステップS310の判定処理を繰り返し実行してプリントユーザIDの投稿を監視する。一方、プリントユーザIDを受け付けた場合にはステップS320に移行する。
【0134】
ステップS320において、CPU31は、ID確認メッセージ(図11のメッセージM3)を、初期登録を行うユーザが参加しているトークルームに投稿する。
【0135】
ID確認メッセージは、トークルームに投稿したプリントユーザIDをユーザに確認させる情報であり、例えばトークルームに投稿したプリントユーザIDが正しいかという質問に対して「はい」及び「いいえ」の選択肢を含む。
【0136】
これに対してユーザは、ID確認メッセージの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの質問に応答する。
【0137】
したがって、ステップS330において、CPU31は、ID確認メッセージの質問に対する依頼者の応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS330の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合にはステップS340に移行する。
【0138】
ステップS340において、CPU31は、ID確認メッセージに対するユーザの応答が「はい」であるか否かを判定する。応答が「いいえ」である場合には、ユーザに正しいプリントユーザIDを投稿してもらう必要があるためステップS300に移行して、入力メッセージを、初期登録を行うユーザが参加しているトークルームに再度投稿する。
【0139】
一方、応答が「はい」である場合には、ユーザが正しいプリントユーザIDを投稿したことになるため、ステップS350に移行する。
【0140】
ステップS350において、CPU31は、ユーザが正しいことを確認したプリントユーザIDを取得し、初期登録を行っているユーザのユーザ名及びチャットユーザIDと、取得したプリントユーザIDを対応付けて登録情報2に登録する。これにより、チャットボットの通信相手となるユーザが登録された登録情報2が作成される。また、CPU31は、初期登録が完了したことをユーザに知らせる登録完了メッセージ(図11のメッセージM4)を、初期登録を行うユーザが参加しているトークルームに投稿する。
【0141】
以上により、図10に示した初期設定処理を終了する。
【0142】
<第1実施形態の変形例1>
第1実施形態に示した図5の代理印刷処理では、依頼者が選択した候補者が代理印刷の依頼を拒否すると、その都度、依頼者が代理人候補リストから新たな候補者を選択し直すことになる。
【0143】
また、代理印刷の依頼に対して代理人がいつ拒否の意思を示すかわからず、拒否された場合は次の候補者に依頼しなければならないため、依頼者は何度もトークルームを確認する必要がある。
【0144】
したがって、CPU31は、代理人候補リストに含まれる各々の候補者について、予め依頼者から代理印刷を依頼する候補者の依頼順を受け付けるようにしてもよい。
【0145】
具体的には、CPU31は図5のステップS40で、図6のメッセージM30で示した代理人候補リストに代わって、図12のメッセージM30Aに示すような代理人候補リストをトークルームに投稿してもよい。
【0146】
図12の代理人候補リスト(「優先代理人候補リスト」という)は、代理印刷を依頼する候補者の依頼順、すなわち候補者の優先順位を設定するように依頼者に促す。
【0147】
依頼者は、優先代理人候補リストに含まれるユーザ名を選択する順番で候補者の優先順位を設定する。図12の優先代理人候補リストの例ではAさん、Eさん、Dさん、Cさんの順にユーザ名を選択している状況を表している。ユーザ名の横に表示された(1)~(4)の番号はユーザ名の選択順を表しており、付与されている番号が小さいほどユーザ名が先に選択され、優先順位が高いことを示す。
【0148】
この場合、CPU31は、まず優先順位が一番高いユーザ(図12の例の場合はAさん)に代理印刷の依頼を行い、依頼を拒否された場合には、依頼者に次の候補者を選択してもらうことなく、次に優先順位が高いユーザ(図12の例の場合はEさん)に代理印刷の依頼を行う。このようにしてCPU31は、優先代理人候補リストに含まれる何れかの候補者が代理印刷の依頼を承諾するまで、依頼者によって予め定められた各候補者の優先順位に従って候補者を選択し、選択した候補者とチャットボットの個別トークルームに依頼メッセージを投稿する。
【0149】
図12に示すトークルームの例では、代理印刷の依頼をAさんが拒否して(メッセージM45)、Eさんが承諾した(メッセージM50)状況を表している。
【0150】
なお、依頼者は、優先代理人候補リストに含まれるすべての候補者に対して優先順位を設定する必要はなく、必要な人数分の候補者に対して優先順位を設定してもよい。
【0151】
<第1実施形態の変形例2>
第1実施形態に示した図5の代理印刷処理では、登録情報2に登録されているユーザのユーザ名を代理人候補リストに含めて依頼者に候補者を選択させるようにしたが、登録情報2に登録されているユーザの数が多くなるにつれて、依頼者が複数のユーザの中から候補者を探す手間がかかるようになる。
【0152】
一方、トークルームには、ユーザをグループ単位に分割し、各々のグループをグループチャットのメンバーとして管理するグループ機能が備えられている。
【0153】
したがって、CPU31は、グループと各々のグループに属するユーザの対応付けを示すグループ情報6をトークルームサーバ20から取得し、代理人候補リストを投稿する前に、依頼者が属するグループのグループIDを表示したグループ候補リストを依頼者とチャットボットが個別チャットを行うトークルームに投稿してもよい。グループIDは、グループを識別する識別情報である。
【0154】
図13は、グループ情報6の一例を示す図である。図13に示すグループ情報6にはグループAとグループBが含まれ、依頼者であるBさんのチャットユーザID(“UserB”)は、グループA及びグループBに含まれていることを示している。
【0155】
図14は、グループ候補リストを用いた代理印刷処理によって依頼者のユーザ端末10に表示されるトークルームの一例を示す図である。
【0156】
CPU31は、図5のS40で代理候補リストをトークルームに投稿する前に、グループ候補リスト(図14のメッセージM22)をトークルームに投稿する。
【0157】
グループ候補リストは、代理印刷の依頼先となるグループを依頼者に選択させるリストであり、複数のグループのうち依頼者が属するグループが表示される。CPU31がトークルームサーバ20から取得したグループ情報6が図13に示したグループ情報6であれば、図14のメッセージM22で示されるグループ候補リストには、「グループA」と「グループB」が表示される。
【0158】
依頼者がグループ候補リストから何れかのグループを選択すれば、CPU31はグループ情報6を参照して、依頼者が選択したグループに属する依頼者以外の他のユーザを含む代理人候補リストを生成してトークルームに投稿する(図14のメッセージM30)。例えば依頼者がグループBを選択した場合、グループBに属する“UserA”、“UserC”、“UserD”、及び“UserE”のチャットユーザIDにそれぞれ対応したユーザ名である「Aさん」、「Cさん」、「Dさん」、及び「Eさん」が代理人候補リストの選択肢として表示される。
【0159】
このように、CPU31は、登録情報2に登録されているユーザの数が予め定めた数以上存在する場合、登録情報2に登録されているすべてのユーザを代理人候補リストに表示するのではなく、代理人候補リストに表示するユーザを、依頼者が選択したグループ単位に絞り込んで表示してもよい。
【0160】
依頼者は、グループ単位に絞り込まれたユーザの中から候補者を選択することになるため、登録情報2に登録されているすべてのユーザの中から候補者を選択する場合と比較して、短時間で候補者を選択できるようになる。
【0161】
なお、CPU31は、代理人候補リストをトークルームに投稿する代わりに、第1実施形態の変形例1で説明した優先代理人候補リストを投稿してもよい。この場合、優先代理人候補リストにおける候補者の優先順位をCPU31が設定してもよい。
【0162】
図15は、候補者の優先順位をCPU31が設定する代理印刷処理によって依頼者のユーザ端末10に表示されるトークルームの一例を示す図である。
【0163】
CPU31は、グループ候補リスト(図15のメッセージM22)に対して依頼者がグループを選択した後、候補者の優先順位選択メニュー(図15のメッセージM24)をトークルームに投稿する。
【0164】
候補者の優先順位選択メニューは、候補者の優先順位の設定方法を依頼者に選択させるメニューであり、例えば「ランダム」及び「ユーザ選択」の2つの選択肢を含む。
【0165】
これに対して依頼者は、候補者の優先順位選択メニューの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0166】
依頼者が「ユーザ選択」を選択した場合には、CPU31は、図12のメッセージM30Aに示した優先代理人候補リストをトークルームに投稿し、代理印刷を依頼する候補者の優先順位を依頼者に設定してもらう。
【0167】
一方、候補者の優先順位選択メニューに対して依頼者が「ランダム」を選択した場合、CPU31は、依頼者の意思とは関係なく、グループ候補リストから依頼者が選択したグループに含まれる各候補者に対して優先順位を無秩序に設定する。
【0168】
その上で、CPU31は、優先順位設定メッセージ(図15のメッセージM30B)をトークルームに投稿する。
【0169】
優先順位設定メッセージは、CPU31が各候補者に対して設定した優先順位を依頼者に知らせる情報であり、ユーザ名の横に優先順位を表す番号が表示される。
【0170】
CPU31が候補者の優先順位を設定することで、依頼者が候補者の優先順位を設定する操作が不要となる。
【0171】
ここではグループ候補リストでグループ単位に絞り込んだ候補者に対して、CPU31が優先順位を設定する例について説明したが、グループ候補リストでグループ単位に絞り込むことなく、代理人候補リストに含まれる各候補者に対して、CPU31が優先順位を設定してもよい。
【0172】
更に、CPU31は、無秩序に候補者の優先順位を設定するのではなく、代理人に関する統計値に基づいて候補者の優先順位を設定してもよい。代理人に関する統計値とは、候補者が代理人を引き受けてくれる度合いを表す統計値であり、例えば代理人となることを承諾した候補者毎の承諾回数や、代理人となることを承諾したユーザ毎、かつ、時間帯毎の承諾回数が含まれる。
【0173】
CPU31は代理人に関する統計値に基づき、例えば代理人となることへの承諾回数が最も多い候補者から順に高い優先順位を設定したり、代理印刷を依頼する時間帯(例えば1時間単位の時間帯)において、代理人となることへの承諾回数が最も多い候補者から順に高い優先順位を設定したりしてもよい。
【0174】
また、各々の候補者に対してプリンタ40で印刷可能な印刷枚数の上限が定められているような場合には、印刷可能な残りの印刷枚数が最も多く残っている候補者から順に高い優先順位を設定してもよい。
【0175】
なお、図15に示したトークルームに対応した代理印刷処理では、依頼者が選択したグループに含まれるすべての候補者が代理印刷の依頼を拒否した場合、その都度、依頼者がグループ候補リストから新たなグループを選択し直すことになる。
【0176】
したがって、優先代理人候補リストで予め候補者の優先順位を依頼者に設定してもらったように、代理印刷を依頼するグループの優先順位を予め依頼者に設定してもらってもよい。
【0177】
例えば図14のメッセージM22に示したグループ候補リストに代わって、図16のメッセージM22Aに示すようなグループ候補リストをトークルームに投稿してもよい。
【0178】
図16のグループ候補リスト(「優先グループ候補リスト」という)は、代理印刷を依頼するグループの依頼順、すなわちグループの優先順位を設定するように依頼者に促す。
【0179】
これにより、CPU31は、まず優先順位が一番高いグループ(図16の例の場合はグループB)に属する候補者に代理印刷の依頼を行い、グループ内のすべての候補者に依頼を拒否された場合には、依頼者に次のグループを選択してもらうことなく、次に優先順位が高いグループ(図16の例の場合はグループA)に属する候補者に代理印刷の依頼を行う。このようにしてCPU31は、優先グループ候補リストに含まれる何れかのグループに属する何れかの候補者が代理印刷の依頼を承諾するまで、依頼者によって予め定められた各グループの優先順位に従ってグループを選択し、選択したグループに属する候補者とチャットボットの個別トークルームに依頼メッセージを投稿する。
【0180】
なお、CPU31は、図15に示したトークルームで、候補者の優先順位の設定方法に関する候補者の優先順位選択メニュー(図15のメッセージM24)を投稿したように、グループの優先順位の設定方法に関するグループの優先順位選択メニュー(図16のメッセージM21)をトークルームに投稿してもよい。
【0181】
グループの優先順位選択メニューは、グループの優先順位の設定方法を依頼者に選択させるメニューであり、例えば「ランダム」及び「ユーザ選択」の2つの選択肢を含む。
【0182】
これに対して依頼者は、グループの優先順位選択メニューの何れかの選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0183】
依頼者が「ユーザ選択」を選択した場合には、CPU31は、図16のメッセージM22Aに示した優先グループ候補リストをトークルームに投稿し、代理印刷を依頼するグループの優先順位を依頼者に設定してもらう。
【0184】
一方、グループの優先順位選択メニューに対して依頼者が「ランダム」を選択した場合、CPU31は、依頼者の意思とは関係なく、図13に示したグループ情報6に含まれるグループであって、かつ、依頼者が属するグループの各々に対して優先順位を無秩序に設定する。
【0185】
いずれの場合においても、CPU31は、優先順位の最も高いグループから順に選択し、グループを選択する毎に、選択したグループに属するユーザを候補者とする代理人候補リスト又は優先代理人候補リストを新たに生成する。
【0186】
なお、CPU31は、グループの優先順位を設定する場合、無秩序にグループの優先順位を設定するのではなく、グループに関する統計値に基づいてグループの優先順位を設定してもよい。グループに関する統計値とは、グループ内のユーザが代理人を引き受けてくれる度合いをグループ毎に表す統計値であり、例えば代理人となったグループ毎の延べユーザ数が含まれる。
【0187】
CPU31がトークルームサーバ20からグループ情報6を取得する場合、トークルームサーバ20の設定によっては情報のセキュリティ性能を高めるため、CPU31の制御対象であるチャットボットが属するグループのグループ情報6しか取得できないことがある。このような場合、CPU31は、依頼者が属するグループのうち、依頼者及びチャットボットが共に属するグループのグループ情報6をトークルームサーバ20から取得して、取得したグループ情報6に含まれるグループをグループ候補リスト又は優先グループ候補リストに含めればよい。
【0188】
<第2実施形態>
第1実施形態では、依頼者が、依頼者とチャットボットとが参加する個別トークルームで代理印刷を依頼する例について説明したが、第2実施形態では、依頼者と複数の他のユーザとチャットボットが参加するグループトークルームで、依頼者が代理印刷を依頼する場合の代理印刷処理について説明する。
【0189】
図17は、チャットボットサーバ30がチャットボットを通じて参加しているグループトークルームに印刷データの一例であるファイルが投稿された場合に、CPU31によって実行される代理印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図18は、図17に示す代理印刷処理によって、ファイルを投稿した依頼者のユーザ端末10に表示されるトークルームの一例を示す図である。なお、グループトークルームに参加している各ユーザとチャットボットとは既に初期登録が完了しているものとする。
【0190】
図17に示す代理印刷処理が、図5に示した第1実施形態に係る代理印刷処理(「個別トークルームにおける代理印刷処理」という)と異なる点は、ステップS40及びS50が削除された代わりにステップS145が追加されると共に、ステップS80の判定処理で否定判定となった以降の処理が変更されている。
【0191】
以降では、個別トークルームにおける代理印刷処理と異なる点を中心に、本実施形態に係る代理印刷処理について説明する。なお、依頼者が印刷データの一例であるファイルを投稿したグループトークルームのことを、以降では単に「グループトークルーム」という。
【0192】
ステップS30の判定処理によって、印刷メニュー(図18のメッセージM20A)に対する依頼者の応答が、代理印刷の依頼に対応した応答ではない場合、ステップS145に移行する。
【0193】
依頼者とチャットボットの個別トークルームでは、依頼者がファイルを投稿した場合、依頼者はファイルの代理印刷又はファイルの通常印刷の何れかをチャットボットに依頼していることになる。しかしながら、依頼者がグループトークルームにファイルを投稿した場合には、ファイルの代理印刷の依頼及びファイルの通常印刷の依頼に加えて、グループトークルームに参加している他のユーザと共有する目的でファイルを投稿していることも考えられる。したがって、CPU31がグループトークルームに投稿する印刷メニューには、「自分で印刷する」及び「代理印刷を依頼する」という選択肢の他に、「印刷しない」という選択肢も含まれる。
【0194】
ステップS145において、CPU31は、依頼者が印刷メニューで「自分で印刷する」と「印刷しない」の何れの選択肢を選択したか判定するため、印刷メニューに対する依頼者の応答が、依頼者が「自分で印刷する」を選択した場合に受け付ける通常印刷の依頼に対応した応答であるか否かを判定する。受け付けた応答が通常印刷の依頼に対応した応答であればステップS150に移行し、CPU31は、ステップS150及びS160により、既に説明した通常印刷を実行する。
【0195】
また、受け付けた応答が通常印刷の依頼に対応した応答でなければ、ファイルを印刷する必要がないため、図17に示す代理印刷処理を終了する。
【0196】
一方、ステップS30の判定処理によって、印刷メニューに対する依頼者の応答が、代理印刷の依頼に対応した応答である場合、ステップS60に移行する。
【0197】
個別トークルームにおける代理印刷処理では、代理人候補リストを個別トークルームに投稿して依頼者に候補者を選択してもらったが(図5のステップS40及び図6のメッセージM30)、CPU31は、依頼者に候補者を選択してもらうことなく、ステップS60において確認メッセージ(図18のメッセージM40A)をグループトークルームに投稿する。
【0198】
なお、CPU31は確認メッセージのような各種メッセージをグループトークルームに投稿する代わりに、指定した相手にメッセージを通知するメンション機能を用いて各種メッセージを通知してもよい。例えばステップS60の確認メッセージであれば、CPU31は、確認メッセージの通知先を依頼者に設定した上でメンション機能を利用すればよい。メンション機能におけるメッセージの通知先となる相手の指定方法は、トークルームを提供するトークルームサーバ20によって規定された仕様に従う。例えばチャットユーザIDの前に“@”を付加した「@チャットユーザID」の表記形式によって、メッセージの通知先となる相手が指定される。
【0199】
図18のメッセージM40Aで示される確認メッセージが、個別トークルームにおける代理印刷処理の確認メッセージ(図6のメッセージM40)と異なる点は、依頼者に候補者を選択してもらっていないため、図6のメッセージM40のように「Aさんに代理印刷を依頼します。」というような候補者名が表示されず、「代理人を変更する」の選択肢も存在しない点である。
【0200】
依頼者が確認メッセージの「設定変更する」を選択した場合、ステップS90の判定処理が否定判定となり、ステップS140でプリンタ40に対する印刷属性の属性値の変更が実行され、ステップS60に移行する。
【0201】
一方、依頼者が確認メッセージの「依頼する」を選択した場合、ステップS90の判定処理が肯定判定となりステップS91に移行する。
【0202】
この場合、CPU31は、グループトークルームに参加している他のユーザ全員を候補者に設定する。したがって、ステップS91において、CPU31は、グループトークルームに代理印刷を依頼する依頼メッセージ(図18のメッセージM45)を投稿する。これにより、グループトークルームに参加している他のユーザ全員に依頼メッセージが通知されることになる。
【0203】
各々のユーザ端末10でグループトークルームに参加している他のユーザが依頼メッセージを確認した場合、他のユーザの各々は、依頼メッセージの「承諾する」若しくは「拒否する」の選択肢を選択して、チャットボットの選択指示に応答する。
【0204】
ステップS92において、CPU31は、依頼メッセージに対する他の何れかのユーザの応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS92の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、何らかの応答を受け付けた場合にはステップS93に移行する。
【0205】
ステップS93において、CPU31は、受け付けた応答が承諾に対応した応答であるか否かを判定する。受け付けた応答が承諾に対応した応答ではない場合、すなわち、他の何れかのユーザが依頼メッセージに対して「拒否する」を選択した場合、ステップS94に移行する。なお、CPU31は、チャットボットを通じて何れのユーザから応答を受け付けたのかを知ることができる。
【0206】
ステップS94において、CPU31は、依頼者とチャットボットを除いてグループトークルームに参加している他のユーザ全員が、代理印刷の依頼を拒否したか否かを判定する。他のユーザ全員が依頼を拒否していない場合、ステップS92に移行し、まだ依頼メッセージの選択肢を選択していない他のユーザからの応答の有無を監視する。
【0207】
一方、ステップS94の判定処理で他のユーザ全員が依頼を拒否したと判定された場合、ステップS96に移行する。
【0208】
ステップS96において、CPU31は、グループトークルームに参加する他のユーザ全員が代理印刷の依頼を拒否したことを示す拒否メッセージをグループトークルームに投稿して、図17に示す代理印刷処理を終了する。これにより依頼者は、グループトークルームに参加する他のユーザ全員が代理印刷の依頼を拒否したことを、チャットボットを通じて知ることができる。この場合、依頼者は、別のグループや個別のユーザを選択して代理印刷の依頼を行えばよい。グループや個別のユーザの選択には、実施形態1並びに実施形態の変形例1及び変形例2で説明した代理人候補リスト、優先代理人候補リスト、グループ候補リスト、及び優先グループ候補リストを用いた選択を適用することができる。
【0209】
一方、ステップS93の判定処理で受け付けた応答が承諾に対応した応答であると判定された場合、ステップS95に移行して、CPU31は承諾処理を実行する。
【0210】
図19は承諾処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0211】
まず、図19のステップS400において、CPU31は、何れかのユーザが代理人として代理印刷に承諾したことを依頼者に知らせる承諾メッセージ(図18のメッセージM50)を、グループトークルームに投稿する。なお、CPU31は、代理印刷の依頼を承諾したユーザ、すなわち代理人のユーザ名を承諾メッセージに含めるようにすることが好ましい。
【0212】
ステップS410において、CPU31は、依頼者がグループトークルームに投稿したファイルに、代理人のプリントユーザIDと確認メッセージによって依頼者に確認した印刷設定とを対応付けた印刷情報4を生成する。例えばCさんが代理人となることを承諾した場合、CPU31は、印刷情報4に含まれるプリントユーザIDに、CさんのプリントユーザIDである“FX03”を設定する(図20参照)。
【0213】
その上で、CPU31は、ファイルと生成した印刷情報4をプリンタサーバ60に出力し、プリンタサーバ60にファイルと印刷情報4を蓄積する。
【0214】
これに伴いステップS420において、CPU31は、蓄積完了メッセージ(図18のメッセージM55)をグループトークルームに投稿する。
【0215】
蓄積完了メッセージによって、代理人は、ファイルの印刷準備が完了したことを確認する。ファイルの印刷準備が完了したことを確認した代理人はプリンタ40まで移動し、代理人自身のプリントユーザID(この場合“FX03”)をプリンタ40に入力することで、依頼者の代わりにファイルの内容が印刷された印刷物をプリンタ40で受け取る。
【0216】
ファイルがプリンタ40で印刷されると、プリンタサーバ60がチャットボットサーバ30に、ファイルの印刷が完了したことを知らせる応答を送信する。
【0217】
したがって、ステップS430において、CPU31は、ファイルの印刷が完了したことを知らせる応答を受け付けたか否かを判定する。応答を受け付けていない場合にはステップS430の判定処理を繰り返し実行して応答の有無を監視する。一方、応答を受け付けた場合にはステップS440に移行する。
【0218】
ファイルの印刷が完了したことを受けて、ステップS440において、CPU31は、代理印刷が完了したことを依頼者に知らせる完了メッセージ(図18のメッセージM60)をグループトークルームに投稿して、図19に示す承諾処理を終了する。
【0219】
このように第2実施形態に係る代理印刷処理によれば、グループトークルームに参加する他のユーザの各々が候補者となるため、依頼者は候補者を選択する操作を省略することができる。なお、候補者とチャットボットの初期登録が完了していない場合には、CPU31は候補者と図10に示した初期登録処理を行ってからメッセージの交換を行うことになる。
【0220】
図17に示した代理印刷処理では、図18に示したグループトークルームのように、メッセージを用いたユーザ同士の会話の途中で、チャットボットがファイルの印刷設定を依頼者に確認させる確認メッセージや、グループトークルームに参加する他のユーザに代理印刷を依頼する依頼メッセージが投稿されるため、状況によっては、投稿されたメッセージが誰宛のメッセージなのかわかりにくくなることがある。
【0221】
したがって、CPU31は、メッセージを見てもらいたいユーザとの個別トークルームに各種メニューやメッセージを投稿してもよい。
【0222】
例えばCPU31は、図18のメッセージM40Aに示した確認メッセージを、チャットボットと依頼者との個別トークルームに投稿し、図18のメッセージM45に示した依頼メッセージを、他のユーザの各々について、チャットボットと他のユーザとの個別トークルームに投稿する。また、CPU31は、図18のメッセージM50に示した承諾メッセージを、チャットボットと依頼者との個別トークルームに投稿し、図18のメッセージM55に示した蓄積完了メッセージを、チャットボットと代理人との個別トークルームに投稿する。また、代理人による代理印刷が完了した場合、CPU31は、図18のメッセージM60に示した完了メッセージを、チャットボットと依頼者との個別トークルームに投稿する。当然のことながら、図18のメッセージM20Aに示した印刷メニューを、チャットボットと依頼者との個別トークルームに投稿してもよい。
【0223】
この場合、図18のグループトークルームには、印刷メニュー、確認メッセージ、依頼メッセージ、承諾メッセージ、蓄積完了メッセージ、及び完了メッセージが投稿されなくなる。したがって、これらのメニューやメッセージと、ユーザ同士の会話が混在してグループトークルームに投稿される場合と比較して、グループトークルームにおけるユーザ同士の会話の流れもわかりやすくなる。
【0224】
また、第2実施形態に係る代理印刷処理では、グループトークルームに参加する依頼者以外の他のユーザの各々に依頼メッセージを一斉に投稿し、最も早く代理印刷の承諾を行った候補者を代理人としたが、第1実施形態の変形例1で説明したように、CPU31は、優先代理人候補リストをグループトークルームに投稿して、グループトークルームに参加する依頼者以外の他のユーザ、すなわち代理印刷の候補者に対する優先順位を依頼者に設定してもらってもよい。
【0225】
図21は、優先代理人候補リストを用いて候補者の優先順位を設定する場合に、ファイルを投稿した依頼者のユーザ端末10に表示されるグループトークルームの一例を示す図である。
【0226】
図17のステップS30の判定処理で、印刷メニューに対する依頼者の応答が代理印刷の依頼に対応した応答であると判定された場合、CPU31は、ステップS60で確認メッセージを投稿する前に、候補者の優先順位選択メニュー(図21のメッセージM24)をグループトークルームに投稿する。
【0227】
優先順位選択メニューに対して依頼者が「ユーザ選択」を選択した場合、CPU31は、候補者の優先順位を設定するように依頼者に促す代理人候補リスト(図21のメッセージM30A)をグループトークルームに投稿する。
【0228】
この場合、依頼者によって候補者の優先順位が設定されていることから、CPU31は、図17のステップS91において、図18のメッセージM45に示した依頼メッセージの代わりに、図21のメッセージM45Aに示すような、最も高い優先順位が設定された候補者(図21の例では「Aさん」)に代理印刷を依頼する依頼メッセージをグループトークルームに投稿する。
【0229】
依頼メッセージで代理印刷を依頼した候補者が依頼を拒否した場合には、次に優先順位が高いユーザ(図21の例では「Eさん」)に宛てた依頼メッセージ(図21のメッセージM45B)をグループトークルームに投稿する。
【0230】
このようにしてCPU31は、依頼メッセージが誰に向けたメッセージであるのかを明確にしてもよい。なお、図21のメッセージM24で示される優先順位選択メニューに対して依頼者が「ランダム」を選択した場合には、CPU31は、グループトークルームに参加する依頼者以外の他のユーザの各々に対して無秩序に設定した優先順位に従い、依頼対象である何れかの候補者が代理人を承諾するまで、特定の1人の候補者に向けた依頼メッセージをグループトークルームに順次投稿する。
【0231】
当然のことながら、優先順位選択メニュー及び代理人候補リストについても、印刷メニューと同様に、チャットボットと依頼者との個別トークルームに投稿するようにしてもよい。
【0232】
なお、プリンタ40が複数存在する場合、CPU31は、ファイルの内容が印刷された印刷物をどのプリンタ40に出力すればよいかを、プリンタサーバ60に指示し、指示したプリンタ40以外では代理人が印刷物を受け取れないように制御してもよい。この場合、CPU31は、印刷物の受取先となるプリンタ40がどのプリンタ40になるのか、代理人に蓄積完了メッセージで通知する。
【0233】
具体的には、CPU31は、予めストレージ34に記憶されたプリンタ選択情報を参照して、印刷物を形成するプリンタ40を選択する。プリンタ選択情報とは、プリンタ40の選択条件を定めた情報であり、印刷物の出力に関する予め定められた条件の一例である。
【0234】
例えばプリンタ選択情報に、代理人の移動距離短縮を優先とする選択条件が設定されている場合、CPU31は、代理人からの距離が最も近い場所に設置されているプリンタ40で印刷物を出力するようにプリンタサーバ60を制御する。
【0235】
また、プリンタ選択情報に、プリンタ40での待ち時間短縮を優先とする選択条件が設定されている場合、CPU31は、複数のプリンタ40のうち、他のユーザが画像の形成中でないプリンタ40で印刷物を出力するようにプリンタサーバ60を制御する。この場合、CPU31は、プリンタ40で印刷されるのを待っている待機中の印刷データが最も少ないプリンタ40で印刷物を出力するようにプリンタサーバ60を制御してもよい。
【0236】
以上、実施形態を用いて情報通信システムにおけるチャットボットサーバ30の一態様について説明したが、開示したチャットボットサーバ30の形態は一例であり、チャットボットサーバ30の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば本開示の要旨を逸脱しない範囲で、図5及び図17に示した代理印刷処理の順序を変更してもよい。
【0237】
また、上記の実施形態では、一例として代理印刷処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、図5及び図17に示したフローチャートと同等の処理をハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、代理印刷処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0238】
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU31)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0239】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0240】
上記の実施形態では、ROM32に情報処理プログラムが記憶されている例について説明したが、情報処理プログラムの記憶先はROM32に限定されない。本開示の情報処理プログラムは、チャットボットサーバ30で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば情報処理プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM32、ストレージ34、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0241】
更に、チャットボットサーバ30は、通信I/F37を通じて、通信回線と接続された図示しない外部装置から情報処理プログラムをダウンロードし、ダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置に記憶してもよい。この場合、チャットボットサーバ30のCPU31は、図示しない外部装置からダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置から読み込んで、代理印刷処理を実行する。
【符号の説明】
【0242】
2 登録情報
4 印刷情報
6 グループ情報
8 マーク
10(10A~10D) ユーザ端末
20 トークルームサーバ
30 チャットボットサーバ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 ストレージ
35 入力部
36 表示部
37 通信I/F
38 バス
40(40A、40B) プリンタ
50 インターネット
60 プリンタサーバ
301 登録部
302 実行制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21