(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】表面加工方法
(51)【国際特許分類】
B24C 11/00 20060101AFI20250107BHJP
B24C 1/08 20060101ALI20250107BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20250107BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20250107BHJP
B22F 10/38 20210101ALI20250107BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20250107BHJP
C22C 14/00 20060101ALN20250107BHJP
【FI】
B24C11/00 Z
B24C11/00 C
B24C1/08
B22F1/00 R
B22F10/66
B22F10/38
B33Y10/00
C22C14/00 Z
(21)【出願番号】P 2021036443
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊哉
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111347038(CN,A)
【文献】国際公開第2019/146529(WO,A1)
【文献】特開2001-353661(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221894(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111926340(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 1/00 - 11/00
B22F 1/00
B22F 10/00 - 10/85
B33Y 10/00
C22C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層痕に由来する粗さと溶融凝固に由来する粗さとを有する金属積層造形品を準備する工程と、
前記金属積層造形品の表面を、投射材を用いてブラスト加工する工程と、
を含み、
前記ブラスト加工する工程は、前記積層痕に由来する粗さと前記溶融凝固に由来する粗さとを除去することを含み、
前記投射材は、グリット形状の第1粒度の第1投射材とグリット形状の第2粒度の第2投射材とを含む投射材であり、第1粒度は第2粒度よりも大きい、
表面加工方法。
【請求項2】
前記第1投射材及び前記第2投射材のそれぞれのビッカース硬さは、前記金属積層造形品のビッカース硬さの1.6倍以上である、請求項1に記載の表面加工方法。
【請求項3】
前記第1投射材と前記第2投射材とは同一の材質で形成される、請求項1又は2に記載の表面加工方法。
【請求項4】
前記金属積層造形品は、純チタン及びチタン合金の粉末により形成される、請求項1~3の何れか一項に記載の表面加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、付加製造された積層造形品の表面を処理する方法を開示する。この方法では、積層造形品の表面がグリット形状の投射材を用いたブラスト加工により平滑化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属粉末を溶融して製造される積層造形品の表面は、平均粗さRaが5~50μm程度となり、表面粗さが非常に大きい。このため、特許文献1記載の方法では、十分に平滑化された表面を得るために長い加工時間が必要になるおそれがある。本開示は、金属積層造形品の表面を効率的に平滑化する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る表面加工方法は、以下の工程を含む。
(1)金属積層造形品を準備する工程
(2)金属積層造形品の表面を、投射材を用いてブラスト加工する工程
ここで、投射材は、グリット形状の第1粒度の第1投射材とグリット形状の第2粒度の第2投射材とを含む投射材である。第1粒度は第2粒度よりも大きい。
【0006】
金属粉末を溶融して製造される積層造形品の表面は、積層に起因して形成される粗さ(積層痕に由来する粗さ)と、粉末材料が溶融せずに凝固することにより形成される粗さ(溶融凝固に由来する粗さ)とを有する。積層痕に由来する粗さは、溶融凝固に由来する粗さに比べて大きくなる傾向にある。このため、金属積層造形品の表面は、異なる粗さが混在した形状となる。本開示に係る表面加工方法では、第1粒度の第1投射材と第1粒度よりも小さい第2粒度の第2投射材と含む投射材が用いられる。これにより、積層痕に由来する大きい粗さが、投射材に含まれる第1投射材によって効率良く除去される。さらに、溶融凝固に由来する細かい粗さ及び第1投射材の加工痕が、投射材に含まれる第2投射材によって除去される。このように、本開示に係る表面加工方法は、第1投射材又は第2投射材のみを使ったブラスト加工と比べて、金属積層造形品の表面を効率的に平滑化できる。
【0007】
一実施形態においては、第1投射材及び第2投射材のそれぞれのビッカース硬さは、金属積層造形品のビッカース硬さの1.6倍以上であってもよい。また、第1投射材と第2投射材とは同一の材質で形成されてもよい。金属積層造形品は、純チタン及びチタン合金の粉末により形成されてもよい。これらの方法によれば、金属積層造形品の表面を一層効率的に平滑化できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面に係る表面加工方法によれば、金属積層造形品の表面を効率的に平滑化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る表面加工方法のフローチャートである。
【
図2】表面加工方法に用いられるブラスト加工装置の一例である。
【
図3】(A)比較例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さとの関係を示すグラフである。(B)実施例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さとの関係を示すグラフである。
【
図4】(A)比較例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さ変化量との関係を示すグラフである。(B)実施例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さ変化量との関係を示すグラフである。
【
図5】(A)表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さとの関係を示す他のグラフである。(B)表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さ変化量との関係を示す他のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附す。
【0011】
(ブラスト加工方法)
図1は、実施形態に係る表面加工方法のフローチャートである。
図1に示される表面加工方法M1は、金属積層造形品をブラスト加工する方法である。金属積層造形品は、金属粉末をレーザなどで溶融し、一層ずつ形成することで得られる。
【0012】
金属粉末の材料は、一例として純チタン及びチタン合金である。金属粉末の材料は、純鉄及び鉄合金であってもよい。鉄合金は、ステンレス及びマルエージングを含んでもよい。金属粉末の材料は、純アルミニウム及びアルミニウム合金であってもよい。金属粉末の材料は、純銅及び銅合金であってもよい。金属粉末の材料は、純ニッケル及びニッケル合金であってもよい。ニッケル合金は、ニッケル基超合金を含んでもよい。金属粉末の材料は、コバルト合金であってもよい。金属粉末の材料は、純チタン及びチタン合金であってもよい。金属粉末の材料は、純マグネシウム及びマグネシウム合金であってもよい。金属粉末の材料は、超硬合金であってもよい。超硬合金は、タングステンカーバイドを含んでもよい。
【0013】
表面加工方法M1は、ブラスト加工装置で実現される。
図2は、表面加工方法に用いられるブラスト加工装置の一例である。ブラスト加工装置1は、ステージ10、駆動装置11及びノズル12を備える。ステージ10は、金属積層造形品OBを支持する。駆動装置11は、ステージ10に接続され、ステージ10を方向Sに沿って移動させる。駆動装置11は、一例としてサーボシリンダである。ノズル12は、ステージ10に対向して固定配置される。ノズル12は、ステージ10上の金属積層造形品OBの表面に投射材を空気とともに噴射する。ノズル12は、一例として直圧式のエアノズルである。ブラスト加工装置1は、駆動装置11の駆動量及びノズル12の噴射量を制御する制御部(不図示)を備える。制御部は、駆動装置11の駆動量及びノズル12の噴射量を制御することにより、金属積層造形品OBの表面の所定位置を所定時間ブラスト加工できる。
【0014】
なお、表面加工方法M1に用いられるブラスト加工装置は、
図2に示されるブラスト加工装置1に限定されない。例えば、ノズル12は、ステージ10に対して相対的に移動するように構成されてもよい。この場合、ブラスト加工装置1は駆動装置11を備えなくてもよい。ノズル12は、吸引式のエアノズルであってもよい。駆動装置11は、油圧シリンダ又はエアシリンダであってもよい。
【0015】
図1に戻り、表面加工方法M1は、準備する工程(ステップS10)及びブラスト加工する工程(ステップS12)を含む。準備する工程(ステップS10)では、ブラスト加工装置1のステージ10上に金属積層造形品OBが載置される。続いて、ブラスト加工する工程(ステップS12)では、ノズル12によって、投射材が金属積層造形品OBに空気とともに噴射される。これにより、金属積層造形品OBの表面がブラスト加工される。
【0016】
ブラスト加工する工程(ステップS12)において使用される投射材は、第1投射材と第2投射材とを含む投射材である。投射材は、一例として第1投射材と第2投射材とを混合して得られる。第1投射材及び第2投射材は、グリット形状を有する。グリット形状とは多角形状のことである。第1投射材及び第2投射材は、ショットを砕いて形成される。第1投射材及び第2投射材は、一例として鉄鋼グリッド、褐色アランダムグリッドである。第1投射材と第2投射材とは同一の材質で形成されてもよいし、異なる材質で形成されてもよい。この場合、異種材料を混合させる場合と比べて投射材の品質を維持しやすく取り扱いも容易となる。
【0017】
第1投射材の粒度(第1粒度)は、第2投射材の粒度(第2粒度)よりも大きい。第1投射材及び第2投射材のそれぞれのビッカース硬さは、金属積層造形品OBのビッカース硬さの1.6倍以上であってもよい。第1投射材及び第2投射材のそれぞれのビッカース硬さが金属積層造形品OBのビッカース硬さの1.6倍未満である場合、削食能力が低くなり、十分に平滑化することができない。
【0018】
(実施形態のまとめ)
表面加工方法M1では、第1粒度の第1投射材と第1粒度よりも小さい第2粒度の第2投射材と含む投射材が用いられる。これにより、積層痕に由来する金属積層造形品OBの表面の大きい粗さが、投射材に含まれる第1投射材によって効率良く除去される。さらに、溶融凝固に由来する金属積層造形品OBの表面の細かい粗さ及び第1投射材の加工痕が、投射材に含まれる第2投射材によって除去される。このように、本開示に係る表面加工方法は、第1投射材又は第2投射材のみを使ったブラスト加工と比べて、金属積層造形品OBの表面を効率的に平滑化できる。
【実施例】
【0019】
[平滑化の効率性の評価]
混合投射材の効果を評価するために、金属積層造形品をブラスト加工した。
【0020】
(金属積層造形品の準備)
最初に、被加工品である金属積層造形品を製造した。製造装置は、電子ビームを照射して金属粉末を溶融し、積層造形する装置(Arcam社製:A2X)とした。金属粉末は、チタン合金の粉末(Arcam社製Ti6Al-4V ELI powder)とした。金属積層造形品の大きさは、一辺が50mmの直方体である。ビッカース硬さは382HVであった。
【0021】
(ブラスト条件)
ブラスト加工は、
図2に示すブラスト加工装置1を用いた。ノズル12からのエア圧力は0.3MPa、噴射量は13.5kg/minとした。ステージ10を方向Sに沿って3000mm/minで移動させながらブラスト加工を行った。
【0022】
(投射材)
[実施例1]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
[実施例2]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:800HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):2.09
[実施例3]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:800HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材):2.09
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:800HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):2.09
【0023】
[比較例1]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:450HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.18
[比較例2]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:450HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.18
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
[比較例3]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:カットワイヤ、投射材硬さ:700HV、粒度:0.6mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.83
第2投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材):1.62
[比較例4]
投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:620HV、粒度:0.7mm、硬さ比率(投射材/被加工材)1.62
[比較例5]
投射材:鉄鋼グリッド、投射材硬さ:800HV、粒度:0.3mm、硬さ比率(投射材/被加工材)2.09
[比較例6]
投射材:カットワイヤ、投射材硬さ:700HV、粒度:0.6mm、硬さ比率(投射材/被加工材)1.83
【0024】
(表面粗さ測定)
金属積層造形品がノズル12の直下を通過したときに、パス回数のカウントを1回増加させ、そのときの金属積層造形品の表面を粗さ測定器で測定した。結果を
図3に示す。
図3の(A)は、比較例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の表面粗さ(JIS B0601に規定される算術平均粗さRa)との関係を示すグラフである。
図3の(B)実施例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さとの関係を示すグラフである。
図3の(A)に示されるように、混合した投射材(比較例1~3)に係るパス回数と平均粗さとの関係は、混合していない一般的な投射材(比較例4~6)とほぼ同様の結果となった。これに対して、
図3の(B)に示されるように、混合した投射材(実施例1~3)は、混合していない一般的な投射材(比較例4~6)と比較して、平均粗さを小さくできることが確認された。
【0025】
図4は、
図3の縦軸を平均粗さ変化量に変換した結果である。平均粗さ変化量は、加工前の平均粗さから加工後の平均粗さを減算することで算出した。
図4の(A)は、比較例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さ変化量との関係を示すグラフである。
図4の(B)は、実施例に係る表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さ変化量との関係を示すグラフである。
図4の(A)に示されるように、混合した投射材(比較例1~3)の平均粗さ変化量は、混合していない一般的な投射材(比較例4~6)とほぼ同様の結果又はやや劣る結果となった。これに対して、
図4の(B)に示されるように、混合した投射材(実施例1~3)は、混合していない一般的な投射材(比較例4~6)と比較して、平均粗さ変化量が大きくなることが確認された。特に、混合した投射材(実施例1~3)は、パス回数が少ない段階で大きな平均粗さ変化量を実現できることが確認された。
【0026】
以上、
図3,4の測定結果によって、粒度の異なるグリッド形状の投射材を混合し、投射材のそれぞれのビッカース硬さが金属積層造形品のビッカース硬さの1.6倍以上である場合、ブラスト加工が効率化することが確認された。
【0027】
(投射材の他の材料)
続いて、投射材の他の材質について検証した。金属積層造形品は、
図3及び
図4で評価した金属積層造形品と同一の手法及び条件で製造した。
【0028】
(ブラスト条件)
ブラスト加工は、
図2に示すブラスト加工装置1を用いた。ノズル12からのエア圧力は0.2MPa、噴射量は3.0kg/minとした。ステージ10を方向Sに沿って3000mm/minで移動させながらブラスト加工を行った。
【0029】
(投射材)
[実施例4]
第1投射材と第2投射材との混合投射材
第1投射材:褐色アランダムグリッド、投射材硬さ:2100HV、粒度:0.500mm、硬さ比率(投射材/被加工材):5.50
第2投射材:褐色アランダムグリッド、投射材硬さ:2100HV、粒度:0.125mm、硬さ比率(投射材/被加工材):5.50
[比較例7]
褐色アランダムグリッド、投射材硬さ:2100HV、粒度:0.500mm、硬さ比率(投射材/被加工材):5.50
[比較例8]
褐色アランダムグリッド、投射材硬さ:2100HV、粒度:0.125mm、硬さ比率(投射材/被加工材):5.50
【0030】
(表面粗さ測定)
金属積層造形品がノズル12の直下を通過したときに、パス回数のカウントを1回増加させ、そのときの金属積層造形品の表面を粗さ測定器で測定した。結果を
図5に示す。
図5の(A)は、表面加工方法のパス回数と金属積層造形品の平均粗さとの関係を示すグラフである。
図5の(A)に示されるように、混合した投射材(実施例4)は、混合していない投射材(比較例8)と比較して、平均粗さを小さくできることが確認された。一方、混合した投射材(実施例4)は、混合していない投射材(比較例7)と比較して、同程度の結果となった。金属積層造形品の表面粗さのばらつきに起因する可能性がある。一方、
図5の(B)は、
図5の(A)の縦軸を平均粗さ変化量に変換した結果である。平均粗さ変化量は、加工前の平均粗さから加工後の平均粗さを減算することで算出した。
図5の(B)に示されるように、混合した投射材(実施例4)は、混合していない一般的な投射材(比較例7、8)と比較して、平均粗さ変化量が大きくなることが確認された。特に、混合した投射材(実施例4)は、パス回数が少ない段階で大きな平均粗さ変化量を実現できることが確認された。このように、褐色アランダムグリッドを投射材として用いた場合も鉄鋼グリッドを投射材として用いた場合と同一の効果を奏することが確認された。
【符号の説明】
【0031】
M1…表面加工方法、OB…金属積層造形品、1…ブラスト加工装置、10…ステージ、11…駆動装置、12…ノズル。