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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/62 20060101AFI20250107BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H04N1/62
G06T1/00 510
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021085593
(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公開番号】P2022178644
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 薫
(72)【発明者】
【氏名】久保 昌彦
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-215512(JP,A)
【文献】特開2004-291510(JP,A)
【文献】特開2005-335073(JP,A)
【文献】特開2021-175183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/52-2/525
G03G 13/01
G03G 15/01
G06T 1/00-1/40
G06T 3/00-5/94
H04N 1/40-1/409
H04N 1/46-1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像を受け付け、
受け付けた前記画像をCMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力される蛍光発色するピンク版の量である出力ピンク量を表す複数のピンクプロファイルの情報と、前記CMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力されるマゼンタ版の量である出力マゼンタ量を表す複数のマゼンタプロファイルの情報とを、取得し、
前記CMYK変換した際のマゼンタ版の量である入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に高いものと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に低いものとが組となり、前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に低いものと、前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に高いものとが組になるように複数の組に分け、
前記複数の組から一の組の選択を受け付け、
選択された組に含まれるピンクプロファイルとマゼンタプロファイルとを用いて色変換を実行した前記画像を出力する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の組のうちの1つの組は、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が最も大きい前記マゼンタプロファイルと、前記出力ピンク量が0である前記ピンクプロファイルとの組合せである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の組のうちの1つの組は、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が最も小さい前記マゼンタプロファイルと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が、前記マゼンタプロファイルの中で前記出力マゼンタ量の増加量が最も大きい量と予め定められた差分量におさまる量である前記ピンクプロファイルとの組合せである、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記増加量が最も小さいマゼンタプロファイルは、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値未満の場合は、前記出力マゼンタ量が0である前記マゼンタプロファイルである、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の組のうちの1つの組は、前記出力マゼンタ量の増加量の大きさの順位が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に平均に近い前記マゼンタプロファイルと、前記出力ピンク量の増加量の小ささの順位が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に平均に近い前記ピンクプロファイルとの組み合わせであって、前記出力ピンク量に対する前記出力マゼンタ量の比率が前記入力マゼンタ量の増加に伴い変化する、前記マゼンタプロファイルと前記ピンクプロファイルとの組み合わせである、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記相対的に平均に近いマゼンタプロファイルと前記相対的に平均に近いマゼンタプロファイルの組み合わせは、前記出力ピンク量に対する前記出力マゼンタ量の比率が前記入力マゼンタ量の増加に伴い増加する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記相対的に平均に近いマゼンタプロファイルは、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値未満の領域の場合は前記出力ピンク量に比べて少なく、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値以上の領域の場合は前記出力ピンク量に比べて多い前記出力マゼンタ量に対応する前記マゼンタプロファイルである、
請求項5又は請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ピンク版は、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版に加えられることにより、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版により表される色域を拡張する色である、
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
画像を受け付け、
受け付けた前記画像をCMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力される蛍光発色するピンク版の量である出力ピンク量を表す複数のピンクプロファイルの情報と、前記CMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力されるマゼンタ版の量である出力マゼンタ量を表す複数のマゼンタプロファイルの情報とを、取得し、
前記CMYK変換した際のマゼンタ版の量である入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に高いものと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に低いものとが組となり、前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に低いものと、前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に高いものとが組になるように複数の組に分け、
前記複数の組から一の組の選択を受け付け、
選択された組に含まれるピンクプロファイルとマゼンタプロファイルとを用いて色変換を実行した前記画像を出力する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、処理対象の画像の色情報を取得する取得手段と、処理対象の画像のうち、蛍光色で形成する領域と蛍光色以外の色で形成する領域とを判別する判別手段と、を含む画像処理装置が開示されている。なお、この画像処理装置は、蛍光色で形成する領域の画像に対して予め指定された属性情報を確認する確認手段も含む。また、この画像処理装置は、前記属性情報に基づいて、前記処理対象の画像のうち、前記蛍光色で形成する領域に対応する版を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-215512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像をCMYK変換し、ユーザがモニタ上でマゼンタをピンクに置き換える場合に、ピンクの量が多いと実際にプリントされる印刷物はより明るくより鮮やかに再現されるため、ユーザによっては好まない色再現になることがあった。一方、ピンクの量を単に少なくすると色味自体が変化するという課題や、そもそもマゼンタをピンクに置き換え調整するレタッチ処理を人手で行わなければいけないという課題があった。
【0005】
本発明は、画像をCMYK変換しマゼンタをピンクに置き換える場合に、人手によるレタッチ処理を介さず、ユーザが所望する色表現を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像を受け付け、受け付けた前記画像をCMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力される蛍光発色するピンク版の量である出力ピンク量を表す複数のピンクプロファイルの情報と、前記CMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力されるマゼンタ版の量である出力マゼンタ量を表す複数のマゼンタプロファイルの情報とを、取得し、前記CMYK変換した際のマゼンタ版の量である入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に高いものと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に低いものとが組となり、前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に低いものと、前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に高いものとが組になるように複数の組に分け、前記複数の組から一の組の選択を受け付け、選択された組に含まれるピンクプロファイルとマゼンタプロファイルとを用いて色変換を実行した前記画像を出力する。
【0007】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記複数の組のうちの1つの組は、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が最も大きい前記マゼンタプロファイルと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量が0である前記ピンクプロファイルとの組合せである。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記複数の組のうちの1つの組は、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が最も小さい前記マゼンタプロファイルと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が、前記マゼンタプロファイルの中で前記出力マゼンタ量の増加量が最も大きい量と予め定められた差分量におさまる量である前記ピンクプロファイルとの組合せである。
【0009】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記増加量が最も小さいマゼンタプロファイルは、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値未満の場合は、前記出力マゼンタ量が0である前記マゼンタプロファイルである。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様から第3態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記複数の組のうちの1つの組は、前記出力マゼンタ量の増加量の大きさの順位が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に平均に近い前記マゼンタプロファイルと、前記出力ピンク量の増加量の小ささの順位が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に平均に近い前記ピンクプロファイルとの組み合わせであって、対応する前記出力マゼンタ量と対応する前記出力ピンク量との比率が、前記入力マゼンタ量の増加に伴い変化する前記マゼンタプロファイルと前記ピンクプロファイルとの組み合わせである。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記相対的に平均に近いマゼンタプロファイルは、対応する前記出力マゼンタ量が、前記入力マゼンタ量の増加に伴って、前記出力ピンク量に比較して増加する。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第5態様又は第6態様に係る情報処理装置において、前記相対的に平均に近いマゼンタプロファイルは、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値未満の領域の場合は前記出力ピンク量に比べて少なく、前記入力マゼンタ量が予め定められた閾値以上の領域の場合は前記出力ピンク量に比べて多い前記出力マゼンタ量に対応する前記マゼンタプロファイルである。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様から第7態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記ピンク版は、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版に加えられることにより、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版により表される色域を拡張する色である。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、第9態様に係る情報処理プログラムは、画像を受け付け、受け付けた前記画像をCMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力される蛍光発色するピンク版の量である出力ピンク量を表す複数のピンクプロファイルの情報と、前記CMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力されるマゼンタ版の量である出力マゼンタ量を表す複数のマゼンタプロファイルの情報とを、取得し、前記CMYK変換した際のマゼンタ版の量である入力マゼンタ量の増加に対する前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に高いものと、前記入力マゼンタ量の増加に対する前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に低いものとが組となり、前記出力マゼンタ量の増加量が前記複数のマゼンタプロファイルの中で相対的に低いものと、前記出力ピンク量の増加量が前記複数のピンクプロファイルの中で相対的に高いものとが組になるように複数の組に分け、前記複数の組から一の組の選択を受け付け、選択された組に含まれるピンクプロファイルとマゼンタプロファイルとを用いて色変換を実行した前記画像を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様及び第9態様によれば、画像をCMYK変換しマゼンタをピンクに置き換える場合に、人手によるレタッチ処理を介さず、ユーザが所望する色表現を行うことができる。
【0016】
第2態様によれば、マゼンタ版のみを出力する組合せを選択することができる。
【0017】
第3態様によれば、出力ピンク量の増加量が、マゼンタプロファイルの中で最も大きい出力マゼンタ量の増加量と予め定められた差分量におさまる量であるピンクプロファイルを含む組合せを選択することができる。
【0018】
第4態様によれば、入力マゼンタ量が予め定められた閾値未満の場合は、ピンク版のみを出力する組合せを選択することができる。
【0019】
第5態様によれば、出力マゼンタ量と出力ピンク量との比率が、入力マゼンタ量の増加に伴い変化するマゼンタプロファイルとピンクプロファイルとの組合せを選択することができる。
【0020】
第6態様によれば、入力マゼンタ量の増加に伴って、出力マゼンタ量が、出力ピンク量に比較して増加するマゼンタプロファイルを含む組合せを選択することができる。
【0021】
第7態様によれば、出力マゼンタ量が出力ピンク量に比べて多い場合と少ない場合があるマゼンタプロファイルを含む組合せを選択することができる。
【0022】
第8態様によれば、画像をCMYK変換した際のマゼンタ版に応じて出力されるピンク版が、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版に加えられることにより、これらが表す色域を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態に係る組合せ情報画面の一例を示す模式図である。
図4】実施形態に係るピンク増加量が最も低いピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量が最も高いマゼンタプロファイルの組の一例を示すグラフである。
図5】実施形態に係るピンク増加量のレベルが真ん中であるピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量のレベルが真ん中であるマゼンタプロファイルの組の一例を示すグラフである。
図6】実施形態に係るピンク増加量が最も高いピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量が最も低いマゼンタプロファイルの組の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100は、画像出力装置10と、情報処理装置20とを含む。
【0026】
本実施形態では、画像出力装置10として、画像印刷機能及び画像送信機能等を有するデジタル複合機を適用している。しかし、画像出力装置10として、これらの機能のうち1つの機能のみを有する画像出力装置等を適用する形態としてもよい。
【0027】
次に、本実施形態に係る情報処理装置20のハードウェア構成を説明する。本実施形態では、情報処理装置20として、パーソナルコンピュータを適用している。しかし、情報処理装置20として、サーバコンピュータ等のいかなる情報処理装置を適用してもよい。本実施形態に係る情報処理装置20は、CPU21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、入力部24、表示部26、及び通信I/F部28を備えている。各構成はバスB2を介して互いに接続されている。
【0028】
記憶部23は、HDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の記憶装置によって実現される。なお、記憶媒体としての記憶部23には、情報処理プログラム23Aが記憶されている。CPU21は、情報処理プログラム23Aを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、情報処理プログラム23Aが有するプロセスを順次実行する。
【0029】
入力部24は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力された情報を受け付けるために使用される。
【0030】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部24として機能しても良い。
【0031】
通信I/F部28は、情報処理装置20が画像出力装置10等の外部装置と通信するためのインタフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格が用いられる。
【0032】
次に、図2から図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の作用を説明する。ユーザによって情報処理プログラム23Aの実行を開始する指示が入力部24を介して行われた場合に、CPU21が情報処理プログラム23Aを実行することにより、図2に示す情報処理が実行される。
【0033】
ステップ100で、CPU21は、画像を受け付けるまで待機する。以下では、本ステップでCPU21が受け付けた画像を「受付画像」という。
【0034】
ステップ102で、CPU21は、受付画像をCMYK変換し、当該変換した際のマゼンタ版の量である入力マゼンタ量を取得する。
【0035】
ステップ104で、CPU21は、入力マゼンタ量に応じて出力されるマゼンタ版の量である出力マゼンタ量を表す複数のマゼンタプロファイルの情報を、記憶部23から取得する。
【0036】
ステップ106で、CPU21は、入力マゼンタ量の増加に対する出力マゼンタ量の増加量であるマゼンタ増加量を、マゼンタプロファイル毎に導出する。
【0037】
ステップ108で、CPU21は、マゼンタプロファイル毎に、マゼンタ増加量の相対的な高さを特定する。具体的には、CPU21は、マゼンタ増加量の大きい順にレベルを付与する。
【0038】
ステップ110で、CPU21は、入力マゼンタ量に応じて出力される蛍光発色するピンク版の量である出力ピンク量を表す複数のピンクプロファイルの情報を、記憶部23から取得する。なお、上記蛍光発色するピンク版は、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版に加えられることにより、シアン版、マゼンタ版、イエロー版及びブラック版により表される色域を拡張する色である。
【0039】
ステップ112で、CPU21は、入力マゼンタ量の増加に対する出力ピンク量の増加量であるピンク増加量を、ピンクプロファイル毎に導出する。
【0040】
ステップ114で、CPU21は、ピンクプロファイル毎に、ピンク増加量の相対的な高さを特定する。具体的には、CPU21は、ピンク増加量の大きい順にレベルを付与する。
【0041】
ステップ116で、CPU21は、マゼンタプロファイルとピンクプロファイルとの組分けを実行する。具体的には、CPU21は、マゼンタ増加量がマゼンタプロファイルの中で相対的に高いものと、ピンク増加量がピンクプロファイルの中で相対的に低いものとが組になるように複数の組に分ける。また、CPU21は、マゼンタ増加量がマゼンタプロファイルの中で相対的に低いものと、ピンク増加量がピンクプロファイルの中で相対的に高いものとが組になるように複数の組に分ける。言い換えると、CPU21は、マゼンタ増加量の大きい順のレベルと、ピンク増加量の大きい順のレベルとの和が一定になるように、これらのプロファイルを組み合わせる。これらのプロファイルの組み合わせについては、図4から図6を用いて後述する。
【0042】
ステップ118で、CPU21は、予め定められたフォーマットに従う組合せ情報画面を表示部26に表示する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態に係る組合せ情報画面では、受付画像の色変換に用いる、マゼンタプロファイルとピンクプロファイルとの組合せの選択を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る組分け情報画面では、各々の組合せに含まれるマゼンタプロファイルとピンクプロファイルとを用いて、受付画像の色変換を実行した画像(図3に示す例では、組合せAから組合せC)も表示される。ユーザは、受付画像の色変換に用いる組合せを1つ選択して、入力部24を介して入力欄26Aに入力する。
【0044】
ステップ120で、CPU21は、入力部24を介して、受付画像の色変換に用いる組合せの選択を受け付けるまで待機する。
【0045】
ステップ122で、CPU21は、ステップ120で受け付けた組合せに含まれるピンクプロファイルとマゼンタプロファイルとを用いて、受付画像の色変換を実行する。そして、CPU21は、上記色変換を実行した画像である色変換画像を画像出力装置10に出力し、本情報処理を終了する。
【0046】
次に、図4から図6を用いて、ステップ116で組分けが実行されたマゼンタプロファイル及びピンクプロファイルについて説明する。本実施形態では、マゼンタプロファイル及びピンクプロファイルが各々3種類ずつ記憶部23に記憶されている場合について説明する。さらに、本実施形態では、入力マゼンタ量の増加に対する出力量の増加量が最も大きいプロファイルをレベル3、上記増加量が2番目に大きいプロファイルをレベル2、及び上記増加量が最も小さいプロファイルをレベル1とする場合について説明する。
【0047】
なお、マゼンタプロファイル及びピンクプロファイルは、各々3種類ずつ記憶されていなくてもよい。例えば、これらのプロファイルが各々4種類ずつ記憶されていてもよい。この場合、上記増加量が最も大きいプロファイルをレベル4、上記増加量が2番目に大きいプロファイルをレベル3、上記増加量が3番目に大きいプロファイルをレベル2、及び上記増加量が最も小さいプロファイルをレベル1とする。
【0048】
図4は、ピンク増加量が最も小さいレベル1のピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量が最も大きいレベル3のマゼンタプロファイルの組を表すグラフの一例である。図4に示す例では、点線がレベル1のピンクプロファイルを表し、実線がレベル3のマゼンタプロファイルを表す。
【0049】
図4に示すように、レベル1のピンクプロファイルに対応する出力ピンク量は、入力マゼンタ量に関わらず0である。一方、レベル3のマゼンタプロファイルに対応する出力マゼンタ量は、入力マゼンタ量と同じ量である。言い換えると、レベル3のマゼンタプロファイルに対応するマゼンタ増加量は1である。
【0050】
図5は、ピンク増加量のレベルが真ん中であるレベル2のピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量のレベルが真ん中であるレベル2のマゼンタプロファイルの組を表すグラフの一例である。図5に示す例では、点線がレベル2のピンクプロファイルを表し、実線がレベル2のマゼンタプロファイルを表す。
【0051】
図5に示すように、入力マゼンタ量が予め定められた閾値(図5に示す例では、41%)で、出力マゼンタ量と出力ピンク量との比率が変化している。具体的には、入力マゼンタ量の増加に伴い、出力マゼンタ量が出力ピンク量に比較して増加している。また、出力マゼンタ量は、入力マゼンタ量が上記閾値未満の領域の場合は、出力ピンク量に比べて少なく、入力マゼンタ量が上記閾値以上の領域の場合は出力ピンク量に比べて多い。
【0052】
図6は、ピンク増加量が最も大きいレベル3のピンクプロファイル、及びマゼンタ増加量が最も小さいレベル1のマゼンタプロファイルの組を表すグラフの一例である。図6に示す例では、点線がレベル3のピンクプロファイルを表し、実線がレベル1のマゼンタプロファイルを表す。
【0053】
図6に示すように、レベル3のピンクプロファイルに対応する出力ピンク量は、入力マゼンタ量と同じ量である。言い換えると、レベル3のピンクプロファイルに対応するピンク増加量は、図4に示した、レベル3のマゼンタプロファイルに対応するマゼンタ増加量と同じで1である。しかし、上記ピンク増加量は上記マゼンタ増加量と同一でなくてもよい。具体的には、上記ピンク増加量と上記マゼンタ増加量との差分は、予め定められた差分量(例えば5)におさまる量であればよい。また、レベル1のマゼンタプロファイルに対応する出力マゼンタ量は、入力マゼンタ量が予め定められた閾値(図5に示す例では、20%)未満の領域の場合は、0である。なお、上記入力マゼンタ量の閾値は、20%より予め定められた量だけ大きい値から、20%より予め定められた量だけ小さい値の範囲内であればよい。
【0054】
また、図4から図6に示す例では、出力ピンク量及び出力マゼンタ量の上限が100%である。しかし、これらの上限量は100%より高くてもよい。
【0055】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0058】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0059】
本実施形態では、情報処理プログラム23Aが記憶部23にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る情報処理プログラム23Aを、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、本実施形態に係る情報処理プログラム23Aを、CD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、本実施形態に係る情報処理プログラム23Aを、通信I/F部28を介して外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、情報処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0061】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置20の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0062】
また、上記実施の形態で説明した情報処理プログラムの処理の流れ(図2参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
10 画像出力装置
20 情報処理装置
21 CPU
22 メモリ
23 記憶部
23A 情報処理プログラム
24 入力部
26 表示部
28 通信I/F部
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6