(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】フレーム生成方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20250107BHJP
H04N 21/435 20110101ALI20250107BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/435
(21)【出願番号】P 2021551312
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2020036928
(87)【国際公開番号】W WO2021065915
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-16
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】上松 克洋
(72)【発明者】
【氏名】松村 喜修
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092671(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122544(WO,A1)
【文献】特開2009-182751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信されたデジタル放送波に基づく第1のデジタル放送信号を復調する第1の復調ステップと、
前記第1の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第1のパケットを生成する第1のパケット生成ステップと、
前記第1の復調ステップで得られる第1の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第1の受信情報を含む付加情報と、前記第1のパケットとを含む第1の伝送用フレームを生成する第1のフレーム生成ステップとを含
み、
前記第1の受信情報は、妨害信号検出情報を少なくとも含む、
フレーム生成方法。
【請求項2】
前記第1の受信情報は、
さらに前記
デジタル放送波の信号品質および前記
第1の復調ステップで算出された前記第1のデジタル放送信号の誤り率の少なくとも1つを含む、
請求項
1に記載のフレーム生成方法。
【請求項3】
受信されたデジタル放送波に基づく第1のデジタル放送信号を復調する第1の復調ステップと、
前記第1の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第1のパケットを生成する第1のパケット生成ステップと、
前記第1の復調ステップで得られる第1の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第1の受信情報を含む付加情報と、前記第1のパケットとを含む第1の伝送用フレームを生成する第1のフレーム生成ステップとを含み、
前記第1のパケット生成ステップでは、
前記第1の伝送用フレームのデータを処理する後段のデバイスからの情報に基づいて、複数
のTS
(Transport Stream)パケットを含む前記第1のパケットを生成し、
前記第1のフレーム生成ステップでは、複数の前記TSパケットの個数を示す情報をさらに含む前記第1の伝送用フレームを生成する、
フレーム生成方法。
【請求項4】
受信されたデジタル放送波に基づく第1のデジタル放送信号を復調する第1の復調ステップと、
前記第1の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第1のパケットを生成する第1のパケット生成ステップと、
前記第1の復調ステップで得られる第1の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第1の受信情報を含む付加情報と、前記第1のパケットとを含む第1の伝送用フレームを生成する第1のフレーム生成ステップとを含み、
前記第1のデジタル放送信号とは異なる第2のデジタル放送信号を復調する第2の復調ステップをさらに含み、
前記付加情報は、前記第2の復調ステップで得られる第2の受信情報をさらに含む、
フレーム生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレーム生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、2000年代前半から、従来のアナログ放送に替わり、デジタル放送のサービスが開始されている。近年では、高解像度化等を目的として、従来よりも伝送効率が高い高度デジタル放送方式の検討が行われている。非特許文献1には、高度デジタル放送で用いられるTLV(Type Length Value)パケットのデータフォーマットが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“高度広帯域衛星デジタル放送テストストリームフォーマット仕様書”、技術資料 A-PAB TR-001 1.1版(2017年9月5日)、一般財団法人 放送サービス高度化推進協会[平成11年7月30日検索],[online],インターネット<https://www.apab.or.jp/4k-8k/pdf/A-PAB_TR-001_V1.1_170905.pdf >
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信されたデジタル放送波に基づいて伝送用フレームを生成するフレーム生成方法において、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るフレーム生成方法は、受信されたデジタル放送波に基づく第1のデジタル放送信号を復調する第1の復調ステップと、前記第1の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第1のパケットを生成する第1のパケット生成ステップと、前記第1の復調ステップで得られる第1の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第1の受信情報を含む付加情報と、前記第1のパケットとを含む第1の伝送用フレームを生成する第1のフレーム生成ステップとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、改善されたフレーム生成方法等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る受信システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係るフレーム化部の機能構成を示すブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態1に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、実施の形態1に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る受信モジュールの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る受信モジュールの効果を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1の変形例に係る受信システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1の変形例に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1の変形例に係る受信モジュールの各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図10A】
図10Aは、実施の形態2に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、実施の形態2に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。
【
図10C】
図10Cは、実施の形態2に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第3例を示す図である。
【
図10D】
図10Dは、実施の形態2に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第4例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る受信モジュールの動作を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態2の変形例1に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2の変形例2に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施の形態3に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、実施の形態3に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施の形態3に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施の形態3に係る受信モジュールの各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【
図18】
図18は、実施の形態3の変形例1に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、実施の形態3の変形例2に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20は、実施の形態3の変形例3に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、実施の形態3の変形例4に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図22】
図22は、実施の形態3の変形例4に係る受信モジュールで生成されるETHERフレームの構造の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施の形態4に係る受信モジュールの機能構成を示すブロック図である。
【
図24】
図24は、実施の形態4に係る受信モジュールの各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【
図25】
図25は、実施の形態4の変形例に係る受信システムの構成を示すブロック図である。
【
図26】
図26は、実施の形態4の変形例に係る受信モジュールの各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【
図27】
図27は、各実施の形態に係る受信モジュールの機能をソフトウェアにより実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係るフレーム生成方法は、受信されたデジタル放送波に基づく第1のデジタル放送信号を復調する第1の復調ステップと、前記第1の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第1のパケットを生成する第1のパケット生成ステップと、前記第1の復調ステップで得られる第1の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第1の受信情報を含む付加情報と、前記第1のパケットとを含む第1の伝送用フレームを生成する第1のフレーム生成ステップとを含む。
【0010】
これにより、第1の伝送用フレームには、第1のパケットと当該第1のパケットに対応する第1の受信情報とが含まれる。このような第1の伝送用フレームが出力された場合、当該第1の伝送用フレームを取得する後段デバイス(例えば、デコーダ)は、第1のパケットに加えて第1の受信情報を取得することができる。よって、本開示の一態様に係るフレーム生成方法によれば、後段デバイスにおける第1の受信情報取得のリアルタイム性を改善することができる。後段デバイスは、例えば、第1の受信情報に応じて第1パケットの処理を行うことが可能となる。
【0011】
また、例えば、前記第1の受信情報は、前記デジタル放送波の信号品質、前記第1の復調ステップで算出された前記第1のデジタル放送信号の誤り率、復調同期情報、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号、妨害信号検出情報および緊急警報放送信号の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0012】
これにより、第1の伝送用フレームが出力された場合、信号品質、誤り率、復調同期情報、TMCC信号、妨害信号検出情報および緊急警報放送信号の少なくとも1つを第1パケットと同時に後段デバイスに取得させることができる。
【0013】
また、例えば、前記第1の受信情報は、前記信号品質および前記誤り率の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0014】
これにより、第1の伝送用フレームが後段デバイスに出力された場合に、後段デバイスは、第1のパケットの取得に合わせて、当該第1のパケットに対応する信号品質および誤り率の少なくとも1つを取得することができる。つまり、後段デバイスは、第1のパケットと、当該第1のパケットに対応する信号品質および誤り率の少なくとも1つとをリアルタイムに取得することができる。よって、第1パケットの品質の判定において、第1パケットの取得と第1の受信情報の取得とのタイミングの違いによる不整合が発生することを抑制することができるので、後段デバイスにおける第1パケットの品質の判定をより精度よく行えるようになる。
【0015】
また、例えば、前記第1のパケットは、TLV(Type Length Value)パケットであってもよい。
【0016】
TLV形式の放送波は、例えば、高度BS放送の4K8K放送などに採用されている。これにより、デジタル放送波が高度デジタル放送の放送波である場合に、後段デバイスにおける第1の受信情報取得のリアルタイム性を改善させることができる。
【0017】
また、例えば、前記第1のパケットは、TS(Transport Stream)パケットであってもよい。
【0018】
TS形式の放送波は、例えば、地上デジタルテレビ放送または2Kの衛星放送などに採用されている。これにより、デジタル放送波が地上デジタルテレビ放送などの放送波である場合に、後段デバイスにおける第1の受信情報取得のリアルタイム性を改善させることができる。
【0019】
また、例えば、前記第1のパケット生成ステップでは、複数の前記TSパケットを含む前記第1のパケットを生成し、前記第1のフレーム生成ステップでは、複数の前記TSパケットの個数を示す情報をさらに含む前記第1の伝送用フレームを生成してもよい。
【0020】
これにより、複数の第1の伝送用フレームのそれぞれに含まれるTSパケットの数が異なる場合であっても、後段デバイスにTSパケットの個数を認識させることができる。よって、含まれるTSパケットの個数の制限を受けることなく、第1の伝送用フレームを生成することができる。
【0021】
また、例えば、前記第1のデジタル放送信号とは異なる第2のデジタル放送信号を復調する第2の復調ステップをさらに含み、前記付加情報は、前記第2の復調ステップで得られる第2の受信情報をさらに含んでいてもよい。
【0022】
これにより、第1パケットとは異なる第2パケットの付加情報を含む第1の伝送用フレームを、後段のデバイスに出力することができるので後段デバイスにおいて第2パケットの付加情報を用いた処理を行うことが可能となる。
【0023】
また、例えば、前記第1のフレーム生成ステップでは、前記第1の伝送用フレームにおいて、前記付加情報と前記第1のパケットとを含むIP(Internet Protocol)パケットの先頭に前記付加情報を配置しもよい。
【0024】
これにより、後段デバイスは、IPパケットヘッダの読み込み前に付加情報に基づいてIPパケットヘッダ以降のデータの取り扱いを選択することができる。
【0025】
また、例えば、前記第1のフレーム生成ステップでは、前記第1の伝送用フレームにおいて、前記付加情報と前記第1のパケットとを含むIPパケットの後尾に前記付加情報を配置してもよい。
【0026】
これにより、第1の伝送用フレームにおけるプリアンブルから第1のパケットまでのフレーム構造は、規格(例えば、IEEE802.3ab)のフレーム構造に準拠することとなり、フレーム構造の変更を最小限に抑えることができる。
【0027】
また、例えば、前記第1のフレーム生成ステップは、前記IPパケットに対してCRC(Cyclic Redundancy Check)計算を行い、CRC情報を付加するCRC付加ステップを含んでいてもよい。
【0028】
これにより、付加情報も用いてCRC計算を行うので、付加情報を含むIPパケットにおける誤りを検出できる確実性が増す。
【0029】
また、例えば、前記第1の伝送用フレームは、ETHERフレームであってもよい。
【0030】
これにより、第1の伝送用フレームおよびTSパケットの両方を出力することが可能となるので、後段デバイスがTSパケット形式であるかETHER(登録商標、以下同様)パケット形式であるかに関わらず、フレーム生成方法を実行する受信モジュールと接続可能となる。よって、後段デバイスと受信モジュールとの接続における柔軟性を改善することができる。
【0031】
また、例えば、前記第1のパケットとして前記TSパケットを含む前記第1の伝送用フレームと、前記TSパケットとを選択して出力する選択ステップをさらに含んでいてもよい。
【0032】
これにより、第1の伝送用フレームとTSパケットとを出力する出力端子を共通化することができるので、フレーム生成方法を実行する受信モジュールの端子数を減らすことが可能となる。つまり、受信モジュールが大型化することを抑制することができる。よって、受信モジュールの大きさを改善することができる。
【0033】
また、例えば、前記第1のデジタル放送信号とは異なる第2のデジタル放送信号を復調する第2の復調ステップと、前記第2の復調ステップで得られるコンテンツ情報を含む第2のパケットを生成する第2のパケット生成ステップと、前記第2の復調ステップで得られる第2の受信情報であって前記コンテンツ情報以外の第2の受信情報を含む付加情報と、前記第2のパケットとを含む第2の伝送用フレームを生成する第2のフレーム生成ステップと、前記第1の伝送用フレームと前記第2の伝送用フレームとを多重する多重ステップとをさらに含み、前記第1のフレーム生成ステップでは、前記第1のパケットの出力先に関する第1出力先情報を含む前記第1の伝送用フレームを生成し、前記第2のフレーム生成ステップでは、前記第2のパケットの出力先に関する第2出力先情報であって前記第1出力先情報とは異なる第2出力先情報を含む前記第2の伝送用フレームを生成してもよい。
【0034】
これにより、第1の伝送用フレームと第2の伝送用フレームとを1つの出力端子で出力することができるので、フレーム生成方法を実行する受信モジュールの端子等の部品数を減らすことが可能となる。なお、第1の伝送用フレームと第2の伝送用フレームとが多重されたフレームが後段デバイスに出力された場合、後段デバイスは、第1出力先情報および第2出力先情報により第1の伝送用フレームと第2の伝送用フレームとを分離することが可能となる。つまり、後段デバイスでは、第1の伝送用フレームおよび第2の伝送用フレームのそれぞれに対応した処理を行うことができる。
【0035】
また、例えば、前記第1の伝送用フレームおよび前記第2の伝送用フレームのそれぞれは、ETHERフレームであり、前記第1出力先情報と前記第2出力先情報とは、前記ETHERフレームに含まれるIPパケットヘッダの送信先情報およびUDP(User Datagram Protocol)パケットヘッダの宛先ポート情報の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0036】
これにより、送信先情報および宛先ポート情報の少なくとも1つを確認するだけで、多重されたフレームから第1の伝送用フレームと第2の伝送用フレームとを分離することができる。
【0037】
また、例えば、前記第1のパケット生成ステップでは、複数の前記TSパケットを含む前記第1のパケットを生成し、複数の前記TSパケットのうち少なくとも2つの前記TSパケットは、互いに前記TSパケット内のPID(Packet ID)情報が異なっていてもよい。
【0038】
これにより、2つのTSパケットを分離するための情報を追加することなく、もともとTSパケットに含まれているPID情報を用いるだけで、後段デバイスにおいて2つのTSパケットを分離することができる。
【0039】
また、例えば、第1の伝送用フレームのデータを処理する後段デバイスからの情報に基づいて、前記第1の伝送用フレームの生成、または、前記第1の伝送用フレームの前記後段デバイスへの送出を遅延させる遅延ステップをさらに含んでいてもよい。
【0040】
これにより、1つの後段デバイスにフレーム生成方法を実行する受信モジュールが複数接続されている場合、複数の受信モジュールからの第1の伝送用フレームが衝突することを抑制することができる。
【0041】
また、本開示の一態様に係るフレーム生成装置は、受信されたデジタル放送波に基づくデジタル放送信号を復調する復調コア部と、前記復調コア部での復調処理により得られるコンテンツ情報を含むパケットを生成するパケット生成部と、前記復調コア部での復調処理により得られる受信情報であって前記コンテンツ情報以外の受信情報を含む付加情報と、前記パケットとを含む伝送用フレームを生成するフレーム生成部とを備える。
【0042】
これにより、上記のフレーム生成方法と同様の効果を奏する。
【0043】
なお、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0044】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0045】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0046】
また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0047】
また、本明細書において、一致、同じなどの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0048】
(実施の形態1)
[1-1.受信システムの構成]
まず、本実施の形態に係る受信システムの構成について、
図1~
図3Bを参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る受信システム1の機能構成を示すブロック図である。受信システム1は、デジタル放送の放送波(デジタル放送波)を受信し、受信されたデジタル放送波に基づく信号に対してデコード処理を行うシステムである。放送波は、例えば、地上デジタル放送、高度広帯域衛星デジタル放送、高度BS(Broadcasting Satellites)デジタル放送または高度広帯域CS(Communication Satellites)デジタル放送等の放送波であってもよい。
【0049】
高度広帯域衛星デジタル放送では、従来の固定長のパケット(例えば、TS(Transport Stream)パケット)に加え、可変長パケット(例えば、TLV(Type Length Value)パケット等)を伝送することが可能である。例えば、高度BS放送の4K8K放送では、TLV形式が採用されており、コンテンツストリームは、TLVパケットに格納されている。つまり、TLVパケットには、映像および音声コンテンツ情報(以下において、単にコンテンツ情報とも記載する)が含まれる。放送波は、例えば、放送局から送信される。
【0050】
また、地上デジタルテレビ放送または2Kの衛星放送では、TS形式が採用されており、コンテンツストリームは、TSパケットに格納されている。
【0051】
受信システム1は、例えば、テレビ受信機などの固定受信機に搭載されてもよいし、スマートフォン、携帯電話、又は、タブレットなどに搭載されるモバイル受信機であってもよいし、車載テレビなどの車両に搭載される受信機に搭載されてもよい。
【0052】
図1に示すように、受信システム1は、受信モジュール10と、PHY(Physical Layer)部60と、デコーダ70とを備える。受信システム1は、さらに放送波を受信するアンテナ、及び、受信した放送波から所定の信号を取り出し、取り出した信号を変換するチューナ(RF部)等を備えていてもよい。なお、アンテナ及びチューナは、図示を省略している。チューナは、例えば、アンテナで受信された放送波(アナログ信号)を受信し、受信した放送波を周波数変換したベースバンド信号又はIF(Intermediate Frequency)信号を生成し、受信モジュール10に出力する。本実施の形態では、チューナは、ベースバンド信号を生成し、受信モジュール10に出力するものとする。なお、ベースバンド信号およびIF信号は、デジタル放送信号の一例である。
【0053】
受信モジュール10は、チューナからのデジタル放送信号に基づいて、ETHER通信におけるフレームを生成し、生成したフレームをデコーダ70に出力する。受信モジュール10は、復調部20と、フレーム化部30と、受信レジスタ部40と、フレームレジスタ部50と、入力端子81と、出力端子91及び92とを有する。
【0054】
復調部20は、入力端子81に入力されたベースバンド信号に基づいて、所定のパケットを生成し、出力する。本実施の形態では、復調部20は、TLVパケットを生成する。復調部20は、コア部21と、パケット生成部22とを有する。
【0055】
コア部21は、入力端子81に入力されたベースバンド信号をアナログデジタル変換し、アナログデジタル変換されたベースバンド信号を復調する。コア部21は、アナログデジタル変換されたベースバンド信号に対して、復調処理を実行するとも言える。コア部21は、復調処理されたベースバンド信号に対してさらに誤り訂正処理を実行してもよい。また、コア部21は、復調処理において、復調されたベースバンド信号の誤り訂正前の誤り率(BER:Bit Error Ratio)を算出してもよい。コア部21は、復調コア部の一例である。
【0056】
パケット生成部22は、復調されたベースバンド信号に基づいて、TLVパケットを生成する。TLVパケットは、例えば、TLVパケット形式のデータである。
【0057】
また、復調部20は、コンテンツ情報以外の情報であって、TLVパケットに含まれない情報を、復調されたベースバンド信号に基づいて取得する。以降において、当該情報を受信情報とも記載する。受信情報は、例えば、コア部21の復調処理において取得される情報を含む。受信情報は、例えば、復調の状態を示す情報、復調同期信号、伝送を制御する伝送制御信号、放送波に組み込まれた情報等の少なくとも1つを含む。
【0058】
復調の状態を示す情報は、例えば、ベースバンド信号の信号品質情報、および、復調されたベースバンド信号の誤り訂正前の誤り率の少なくとも1つを含む。信号品質情報および誤り率は、アンテナ工事におけるアンテナの設置、屋内配線工事、または、テレビ設置のときに受信したデジタル放送波の信号レベルが十分であるか否かを確認するための情報である。また、信号品質情報および誤り率は、大雨降雨時の降雨対応放送またはテレビ受信時のアンテナレベルという受信確認の機能に用いられてもよい。
【0059】
信号品質情報は、例えば、モニタされたC/N比(Carrier to Noise Ratio):モニタ値とも記載する)に基づく情報であり、例えば、モニタ値と所定の閾値とが比較され、モニタ値が所定値以上であると「受信状態は良い」と判定され、モニタ値が所定値未満であると「受信状態は悪い」と判定された判定結果を含んでいてもよい。
【0060】
また、復調の状態を示す情報には、受信した放送波に妨害電波または信号が混入した際に検出される信号である妨害信号検出信号が含まれていてもよい。
【0061】
復調同期信号は、デコーダ70側で信号同期の有無を確認するための信号である。
【0062】
伝送制御信号は、例えば、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号を含む。TMCC信号は、伝送の変調方式等を示す情報、ストリームやパケットの形式情報などが含まれており、受信およびデコード処理において用いられる。
【0063】
放送波に組み込まれた情報は、例えば、緊急警報放送信号などが含まれる。緊急警報信号は、災害時に放送波に割り込まれた信号である。
【0064】
復調部20は、受信情報に含まれる各種情報のうち、少なくとも1つをフレーム化部30に出力し、かつ、受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを受信レジスタ部40に出力する。
【0065】
フレーム化部30は、パケット生成部22から出力される信号の伝送形式を構築する。フレーム化部30は、TLVパケットに基づいて、TLVパケットのデータフォーマットを伝送するための伝送用フレームの一例であるETHERフレームを生成する。フレーム化部30は、復調部20で求められた受信情報およびフレームレジスタ部50が記憶するレジスタ値をETHERフレーム内にカプセル化することで、ETHERフレームを生成する。つまり、フレーム化部30は、TLVパケット、受信情報およびレジスタ値(例えば、受信情報に関する情報)を含むETHERフレームを生成する。ETHERフレームに受信情報およびレジスタ値が含まれる点に特徴を有する。ETHERフレームは、例えば、ETHERフレーム形式のデータである。なお、受信情報に関する情報は、例えば、復調部20内の情報、復調部20前段のチューナ(図示しない)の情報(信号強度など)、アンテナの機器情報などを含む。
【0066】
フレーム化部30は、フレームレジスタ部50に記憶されている設定値により、宛先MAC(Media Access Control)アドレス、送信元MACアドレス、IPパケットヘッダ、UDPパケットヘッダ等のETHERフレームに必要な情報を追加した(カプセル化した)MACフレームに対して、プリアンブル、CRC(Cyclic Redundancy Check)情報を付加して出力する。なお、以降において、所定の情報(例えば、TLVパケット、受信情報およびレジスタ値)にETHERフレームに必要な情報を追加してETHERフレームを生成することを、ETHERフレーム化するとも記載する。
【0067】
なお、フレーム化部30が生成する伝送用フレームは、ETHERフレームに限定されず、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、SDIO(Secure Digital Input/Output)通信またはUSB(Universal Serial Bus)通信で用いられるフレームであってもよい。伝送用フレームは、伝送効率が高いフレーム形式であればよく、例えば、ペイロードが可変長であるフレームであってもよい。なお、高度BS放送の4K8K放送などで採用されているTLV形式の放送波を受信する場合、TLVと親和性が高いETHERフレームが用いられるとよい。
【0068】
図2は、本実施の形態に係るフレーム化部30の機能構成を示すブロック図である。
【0069】
図2に示すように、フレーム化部30は、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)印加部31と、受信情報印加部32と、CRC情報印加部33と、プリアンブル印加部34とを有する。受信モジュール10は、受信情報印加部32を有する点に構成上の特徴を有する。
【0070】
UDP/IP印加部31は、入力されたTLVパケット(ストリーム/パケット信号)に対して、UDP/IPヘッダデータの挿入を行う。UDP/IP印加部31は、入力されたTLVパケットに対して、UDP/IPヘッダデータ挿入分の遅延を行い、遅延量をカウントし、遅延量のカウント値がUDP/IPヘッダデータの対象の値であれば、フレームレジスタ部50のレジスタ値をカプセル化し、出力する。UDP/IP印加部31は、IPパケットヘッダに対応するカウント値のときにIPパケットヘッダに対応するレジスタ値をカプセル化し出力し、UDPパケットヘッダに対応するカウント値のときにUDPパケットヘッダに対応するレジスタ値をカプセル化して出力する。
【0071】
受信情報印加部32は、UDP/IP印加部31から出力された情報(例えば、IPパケット)に、受信情報の挿入を行う。受信情報印加部32は、遅延部32aと、レジスタ部32bと、選択部32cと、カウンタ部32dとを有する。
【0072】
遅延部32aは、UDP/IP印加部31から出力されたデータに対して受信情報挿入分の遅延を行う。遅延部32aは、受信情報挿入分の遅延後に当該データを選択部32cに出力する。
【0073】
レジスタ部32bは、復調部20から出力された受信情報を記憶する。また、レジスタ部32bは、フレームレジスタ部50から出力された受信情報に関する情報(レジスタ値)を記憶してもよい。
【0074】
選択部32cは、遅延部32aおよびレジスタ部32bとCRC情報印加部33との間に接続され、遅延部32aとレジスタ部32bとの接続を選択的に切り替え、データに受信情報をカプセル化して出力する。選択部32cは、カウンタ部32dにてカウントされた遅延量が受信情報挿入の対象の値であれば、遅延部32aからレジスタ部32bに接続を切り替え、データに受信情報を印加することでカプセル化する。
【0075】
カウンタ部32dは、遅延部32aが遅延させた遅延量(例えば、遅延時間)をカウントする。
【0076】
CRC情報印加部33は、UDP/IP印加部31および受信情報印加部32でカプセル化されたデータに対してCRCを計算し、計算されたCRCを示すCRC情報をデータにカプセル化して出力する。つまり、CRC情報印加部33は、受信情報を含めてCRCを計算する。
【0077】
プリアンブル印加部34は、CRC情報印加部33から出力されたデータ(CRC情報が印加されたデータ)に対してプリアンブルデータの挿入を行う。プリアンブル印加部34は、入力されたデータに対して、プリアンブルデータ挿入分の遅延を行い、遅延量をカウントし、遅延のカウント値がプリアンブルデータの対象の値であれば、予め記憶されたプリアンブルデータをCRC情報印加部33から出力されたデータにカプセル化して出力する。
【0078】
フレーム化部30は、さらにSFD(Start Frame Delimiter)情報を印加する構成部(図示しない)を有していてもよい。プリアンブルおよびSFD情報は、イーサネット(登録商標、以下同様)通信の送受信における同期情報である。
【0079】
これにより、入力されたTLVパケットがETHERフレーム化され、フレーム化部30からは、ETHERフレーム形式の信号が出力される。なお、フレーム化部30の構成は、
図2の構成に限定されず、例えば、受信情報印加部32をUDP/IP印加部31の前段に配置してもよく、プリアンブル印加部34をCRC情報印加部33の前段に配置してもよい。つまり、フレーム化部30は、TLVパケットに受信情報をカプセル化した後、UDP/IPヘッダデータをカプセル化する構成であってもよく、受信情報が印加されたデータにプリアンブルデータをカプセル化した後、CRC情報をカプセル化する構成であってもよい。
【0080】
ここで、ETHERフレームの構造について、
図3A及び
図3Bを参照しながら説明する。
図3Aは、本実施の形態に係る受信モジュール10で生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
図3Bは、本実施の形態に係る受信モジュール10で生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。
【0081】
図3A及び
図3Bに示すように、フレーム化部30は、例えば、IEEE802.3ab(1000BASE-T GBE:Giga Bit ETHERNET)のフレーム構成に準拠し、MACフレーム内にTLVパケットのデータフォーマット(例えば、単一TLVフォーマット)を挿入し、イーサネット通信の送受信の同期信号としてのプリアンブルおよびSFD情報を付加し、受信モジュール10が受信したフレームに誤りがないかを確認するためのCRC情報を付加し、さらに、受信情報およびレジスタ値を付加することでETHERフレームを生成する。受信情報およびレジスタ値は、付加情報の一例である。なお、付加情報は、少なくとも受信情報を含んでいればよい。
【0082】
ETHERフレームのペイロードには、TLVパケットが格納される。UDPパケットには、UDPパケットヘッダとペイロードとが格納される。IPパケットには、IPパケットヘッダおよびUDPパケットに加えて、受信情報およびレジスタ値(付加情報)が格納される。つまり、IPパケットには、TLVパケットと付加情報とが格納される。
【0083】
MACフレームには、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、TypeおよびIPパケットが格納される。ETHERフレームには、プリアンブル、SFD情報およびMACフレームが格納される。
【0084】
図3Aに示すように、ETHERフレームにおいて、付加情報は、IPパケットの先頭に配置されてもよい。付加情報は、例えば、IPパケットヘッダの前段に配置されてもよい。これにより、デコーダ70は、IPパケットヘッダの読み込み前に付加情報に基づいてデータの取り扱いを選択することができる。例えば、受信情報が信号品質情報を含んでおり、かつ、信号品質が悪い場合、デコーダ70は、IPパケットヘッダ以降のフレームデータを放棄することが可能となり、処理負荷を軽減することが可能となる。
【0085】
また、
図3Bに示すように、ETHERフレームにおいて、付加情報は、IPパケットの後尾に配置されてもよい。付加情報は、例えば、TLVパケットの後段に配置されてもよい。これにより、ETHERフレームにおけるプリアンブルからTLVパケットまでのフレーム構造は、IEEE802.3abのフレーム構造に準拠することとなり、フレーム構造の変更を最小限にすることができる。つまり、デコーダ70において、プリアンブルからTLVパケットまでは、従来と同じデコード処理を行うことができる。
【0086】
なお、付加情報内における受信情報およびレジスタ値の順序は、特に限定されない。また、付加情報の挿入位置は、
図3Aおよび
図3Bに示す位置に限定されず、任意に設定可能である。付加情報の挿入位置は、SFD情報の後段(例えば、SFD情報と宛先MACアドレスとの間)であってもよいし、送信元MACの後段(例えば、送信元MACアドレスとTypeとの間)であってもよいし、それ以外であってもよい。また、IPパケットヘッダまたはUDPパケットヘッダを使用しない場合、IPパケットヘッダまたはUDPパケットヘッダの位置に付加情報が配置されてもよい。また、受信情報とレジスタ値とは、隣り合って配置されることに限定されない。また、受信情報およびレジスタ値に加えて、または、受信情報およびレジスタ値に替えて、受信モジュール10内の任意の信号が付加情報と同様に、付加情報としてETHERフレームに挿入されてもよい。また、さらに、付加情報の伝送ビット数を示すヘッダ情報がETHERフレームに挿入されてもよい。
【0087】
図1を再び参照して、受信レジスタ部40は、復調部20で取得された受信情報を記憶する記憶装置である。受信レジスタ部40は、受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを記憶する。
【0088】
フレームレジスタ部50は、ETHERフレームに挿入されるレジスタ値を記憶する記憶装置である。レジスタ値は、例えば、デコーダ70のTLVパケットに対する各種処理に用いられる。レジスタ値は、例えば、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、IPパケットヘッダ、UDPパケットヘッダ等を含む。また、レジスタ値は、受信情報に関する情報を含んでいてもよい。
【0089】
PHY部60は、ネットワーク通信のインターフェースであり、例えば、PHYチップを含んで構成される。PHY部60は、受信モジュール10からのTLVパケット(映像信号)を含むETHERフレームに対して所定の信号処理(例えば変調など)を行い、デコーダ70に出力する。
【0090】
デコーダ70は、付加情報が加えられたETHERフレームのフォーマットを予め取得しており、取得したETHERフレームにおけるTLVパケットに対して各種処理を行う。各種処理は、例えば、TLVパケットから輝度(Y)信号および色差(C)信号に分離する処理であってもよいし、その他の映像に関する各種処理であってもよい。各種処理は、ハードウェアを用いて行われてもよいし、ソフトウェアを用いて行われてもよい。デコーダ70は、受信モジュール10の後段デバイスの一例である。
【0091】
本実施の形態では、デコーダ70は、受信レジスタ部40およびフレームレジスタ部50とI2C通信により接続されており、各種データの送受信を行う。
【0092】
入力端子81、出力端子91および92のそれぞれは、1以上の端子群であり、例えば、1以上の端子ピンにより構成される。
【0093】
このように、本実施の形態に係る受信モジュール10は、受信情報およびレジスタ値が挿入されたETHERフレームを生成し、デコーダ70に向けて出力する。
【0094】
[1-2.受信モジュールの動作]
続いて、上記の受信モジュール10の受信動作について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係る受信モジュール10の動作を示すフローチャートである。
【0095】
図4に示すように、復調部20のコア部21は、アンテナにより受信された放送波に基づく信号を、入力端子81を介して取得する(S101)。放送波に基づく信号は、デジタル放送信号であり、例えば、ベースバンド信号またはIF信号などである。
【0096】
次に、コア部21は、取得した信号を復調処理する(S102)。つまり、コア部21は、受信されたデジタル放送波に基づくデジタル放送信号(第1のデジタル放送信号)を復調する。ステップS102は、第1の復調ステップの一例である。
【0097】
また、コア部21は、復調された信号に基づいて受信情報を取得する(S103)。コア部21は、例えば、信号品質を判定する、または、誤り訂正前の誤り率を算出することで受信情報を取得してもよい。受信情報は、例えば、第1の復調ステップで得られる情報である。
【0098】
次に、パケット生成部22は、コア部21により復調された信号(デジタル放送信号)からTLVパケットを生成する(S104)。パケット生成部22は、復調処理および訂正処理が施されたデジタル放送信号からTLVパケットを抽出することでTLVパケットを生成してもよい。ステップS104は、第1のパケット生成ステップの一例である。また、TLVパケットはコンテンツ情報を含む第1のパケットの一例である。
【0099】
復調部20は、受信情報をフレーム化部30および受信レジスタ部40に出力する。復調部20は、例えば、受信情報に含まれる各種情報の少なくとも1つをフレーム化部30に出力し、受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを受信レジスタ部40に出力する。
【0100】
次に、フレーム化部30は、受信情報(または付加情報)とTLVパケットとを含むETHERフレームを生成する(S105)。フレーム化部30は、例えば、ステップS103で得られる受信情報であってコンテンツ情報以外の受信情報を含む付加情報と、TLVパケットとを含むETHERフレームを生成する。フレーム化部30は、受信情報(または付加情報)とTLVパケットとを挿入したETHERフレームを生成するとも言える。フレーム化部30は、例えば、
図3Aまたは
図3Bに示すETHERフレームを生成する。なお、ステップS105で生成されるETHERフレームは、第1の伝送用フレームの一例である。また、ステップS105は、第1のフレーム生成ステップの一例である。
【0101】
なお、第1のフレーム生成ステップは、IPパケットに対してCRC計算を行い、CRC情報を付加するCRC付加ステップを含んでいてもよい。本実施の形態では、CRCの計算に付加情報も用いられる。
【0102】
次に、フレーム化部30は、生成したETHERフレームを、出力端子91を介してPHY部60に出力する(S106)。これにより、ETHERフレームは、PHY部60を介してデコーダ70に入力される。フレーム化部30は、生成したETHERフレームをデコーダ70に向けて出力するとも言える。
【0103】
[1-3.効果など]
続いて、受信情報をETHERフレームに挿入して出力することの効果について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る受信モジュール10の効果を説明するための図である。
【0104】
図5は、「A:信号品質」、「B:信号データ」、「C:I
2C通信」および「D:デコーダ判定結果」の時間遷移を示す。「A:信号品質」は、受信されたデジタル放送波の品質を示す。「B:信号データ」は、出力端子91から出力される信号データ(ETHERフレーム)の品質を示す。「C:I
2C通信」は、デコーダ70と受信モジュール10との間のI
2C通信のタイミングを示す。矢印のタイミングで、デコーダ70と受信モジュール10とが通信されたことを示す。「D:デコーダ判定結果」は、デコーダ70がI
2C通信を用いて取得した受信情報に基づいて信号品質を判定した判定結果を示す。なお、「B:信号データ」および「D:デコーダ判定結果」は、色が濃いほど信号品質が悪いことを意味する。
【0105】
ケース1では、信号品質の低下とともに信号データが劣化し、かつ、信号品質の遷移タイミングでI2C通信が行われるため、デコーダ判定結果(例えば、良好または劣化)は正しく判定される。ケース2では、信号品質がケース1より短時間に変化した場合を示しているが、信号品質の遷移タイミングでI2C通信が行われるため、ケース1と同様、デコーダ判定結果は正しく判定される。ただし、本来はすぐに良化したものが、実際よりも長く劣化していると判断されてしまう。
【0106】
ケース3では、信号品質が低下するタイミングとI2C通信が行われるタイミングとがズレており、I2C通信により信号品質の正確なデータを取得することができない。信号データの劣化が発生しているものの、デコーダ70では、I2C通信の速度が合わないので、リアルタイムの信号品質情報を取得できておらず、信号データとデコーダ判定結果との不整合が発生し得る。つまり、信号データは劣化しているのに、デコーダ70は、良好と判定することが起こり得る。
【0107】
なお、I2C通信は、パーティライン構成であり、複数のデバイスがI2Cバスに接続されているので、バスが開放されるまで、転送待ち時間が発生する。つまり、デコーダ70がI2C通信により受信レジスタ部40から受信情報を取得するタイミングには、制約が存在する。また、バスを取得しても、データの読み込みまでには、スレーブアドレスまたはアドレスの個別指定が必要になり、所望の情報を得るまでにさらに時間を要する。つまり、I2C通信では、受信情報の取得のリアルタイム性を確保することが困難である。
【0108】
また、受信モジュール10が複数の復調部20を有する場合、ダイバーシティ受信構成またはMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)のようなシステム構成が考えられる。この場合、復調部20ごとに読み出すべき情報があるため、全体として読み出し情報も増えることになり、所望の情報の読み出し周期が遅くなるので、バスの都合に合わせた読み出し値の取捨選択の必要がでてくる。
【0109】
また、出力端子92を用いた割り込み信号の読み出しを行うことも可能であるが、読み出す情報量を増やすためには受信モジュール10およびデコーダ70の端子数を増やす必要がある。端子数が増えると、受信モジュール10およびデコーダ70の大きさが大きくなる、または、基板などにおける信号配線の引き回しが複雑になる等の課題が発生する。割り込みの発生条件は、復調部20にイベントが発生したとき(例えば、同期情報が確立したとき、または、デジタル放送信号の誤り訂正が完了したとき)などである。この場合、I2C通信を使用して復調部20の受信情報の詳細を、受信レジスタ部40を介して取得する動作が行われる。
【0110】
ケース4では、信号品質がよいにもかかわらず、信号データの劣化が発生している。これは、信号データの伝送路上での課題があるときに生じ得る事象である。このときも、信号データとデコーダ判定結果との不整合が生じている。デコーダ70では、ケース3と同様に通信速度による信号品質状態の劣化の見逃しが発生しているが、伝送路の劣化であるのか信号品質が悪いのかの原因の切り分けを行うことができない。ここで、信号品質と信号データとがリアルタイムに同期していれば、どちらに問題が起こっているのかを判定することが可能になる。
【0111】
従来、デコーダ70では、映像および音声コンテンツ情報以外の情報である受信情報を得るために、受信モジュール10の受信レジスタ部40に格納された受信情報をI
2C通信により取得するか、出力端子92を用いて出力された受信情報の割り込み信号をデコーダ70に入力することが行われている。しかしながら、
図5でも説明したように、そのような方法では、信号品質の正確なデータを取得すること、または、信号品質の劣化の原因の切り分けをすることが困難であるなどの課題がある。
【0112】
本実施の形態では、ETHERフレーム(信号データ)に受信情報およびレジスタ値が挿入されるので、ETHERフレームと受信情報およびレジスタ値とのリアルタイム性を確保することができる。TLV信号(TLVパケット)と受信情報およびレジスタ値とがパケットごとに同じタイミングでフレーム化され出力されるので、デコーダ70における情報取得のリアルタイム性を確保することができる。また、ETHERフレームに所望の受信情報が含まれることで、例えば、出力端子92を用いた割り込み信号の読み出しを省略することが可能となる。この場合、出力端子92を設けなくてもよくなり、受信モジュール10の部品点数の削減および小型化につながる。
【0113】
(実施の形態1の変形例)
次に、本変形例に係る受信システムについて、
図6~
図8を参照しながら説明する。まずは、本変形例に係る受信システムの構成について
図6を参照しながら説明する。
図6は、本変形例に係る受信システム1aの機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信システム1aの受信モジュール100は、主に復調部を複数(
図6の例では2つ)有する点において、実施の形態1に係る受信モジュール10と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール100の構成について実施の形態1に係る受信モジュール10との相違点を中心に説明する。
【0114】
なお、例えば、複数番組の同時視聴または同時録画などのために、複数のチャンネルを受信する場合がある。複数のチャンネルを受信するために、複数のチューナの出力のそれぞれを復調し、それぞれのチャンネルのコンテンツストリーム(TLVパケット)をデコーダ70へ出力することが行われる。以下では、複数のチャンネルの一例として、2つのチャンネルを受信するための受信モジュールの構成について説明する。
【0115】
図6に示すように、本変形例に係る受信システム1aは、受信モジュール100と、PHY部60と、デコーダ70とを備える。PHY部60およびデコーダ70の構成は、実施の形態1に係るPHY部60およびデコーダ70と同様であり説明を省略する。なお、
図6では、出力端子91に接続された一対のPHY部60およびデコーダ70を図示しているが、出力端子92にも一対のPHY部60およびデコーダ70が接続されていてもよい。
【0116】
受信モジュール100は、第1受信部110および第2受信部210を含んで構成される。第1受信部110および第2受信部210には、例えば、互いに異なるチューナを介して取得されたベースバンド信号が入力される。
【0117】
第1受信部110は、第1復調部120と、第1フレーム化部130と、第1受信レジスタ部140と、第1フレームレジスタ部150とを有する。第1復調部120(第1コア部121および第1パケット生成部122)と、第1受信レジスタ部140と、第1フレームレジスタ部150はそれぞれ、実施の形態1に係る復調部20(コア部21およびパケット生成部22)と、受信レジスタ部40と、フレームレジスタ部50のそれぞれと同じ構成であってもよく、説明を省略する。
【0118】
第1フレーム化部130は、第2受信部210の第2復調部220からの第2の受信情報を取得し、第1受信情報に加えて、第2受信情報が挿入されたETHERフレームを生成する。
図7は、本変形例に係る受信モジュール100で生成されるETHERフレームの構造の一例を示す図である。具体的には、
図7は、第1フレーム化部130で生成されるETHERフレームの構造の一例を示す図である。
【0119】
図7に示すように、第1フレーム化部130が生成するETHERフレームは、付加情報に第2受信情報が含まれる点がETHERフレームの構造上の特徴である。ETHERフレームは、付加情報として、第1復調部120からの第1受信情報、第2復調部220からの第2受信情報、第1フレームレジスタ部150からのレジスタ値および第2フレームレジスタ部250からのレジスタ値を含む。付加情報は、例えば、IPパケット中に格納される。ETHERフレームにおいて、付加情報は、IPパケットの先頭に配置されてもよいし、IPパケットの後尾に配置されてもよい。また、付加情報内における第1受信情報、第2受信情報およびレジスタ値の順序は、特に限定されない。なお、デコーダ70は、ETHERフレームにおける第1受信情報、第2受信情報およびレジスタ値の挿入位置を予め取得し記憶している。
【0120】
なお、第1受信情報および第2受信情報は、互いに同じ情報を含んで構成されてもよい。例えば、第1受信情報および第2受信情報のそれぞれは、信号品質および誤り訂正前の誤り率を含んで構成されてもよい。また、第1受信情報および第2受信情報は、互いに異なる情報を含んで構成されてもよい。
【0121】
図6を再び参照して、第2受信部210は、チューナからの信号(ベースバンド信号またはIF信号)に基づいて、第2復調部220で取得される第2受信情報および第2フレームレジスタ部250のレジスタ値が挿入されたETHERフレームを生成し、出力端子92を介して出力する。第2受信部210は、例えば、他のデコーダ70(図示しない)にETHERフレームを出力する。第2受信部210は、第2復調部220と、第2フレーム化部230と、第2受信レジスタ部240と、第2フレームレジスタ部250とを有する。第2復調部220(第2コア部221および第2パケット生成部222)と、第2フレーム化部230と、第2受信レジスタ部240と、第2フレームレジスタ部250はそれぞれ、実施の形態1に係る復調部20(コア部21およびパケット生成部22)と、フレーム化部30と、受信レジスタ部40と、フレームレジスタ部50のそれぞれと同じ構成であり、説明を省略する。なお、第2復調部220は、第2フレーム化部230および第2受信レジスタ部240に加えて、第1フレーム化部130にも第2受信情報を出力する。
【0122】
第2フレーム化部230に出力される第2受信情報は、信号品質、誤り訂正前の誤り率、復調同期情報、TMCC信号、妨害信号検出情報および緊急警報放送信号の少なくとも1つを含む。第2フレーム化部230に出力される第2受信情報は、例えば、信号品質および誤り訂正前の誤り率の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0123】
なお、
図6では、第1フレーム化部130が第1受信情報および第2受信情報を取得する例について説明したがこれに限定されず、さらに、第2フレーム化部230も第1受信情報および第2受信情報を取得してもよい。すなわち、第1フレーム化部130および第2フレーム化部230の両方が、第1受信情報および第2受信情報を取得してもよい。
【0124】
続いて、上記の受信モジュール100の受信動作について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、本変形例に係る受信モジュール100の各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
【0125】
図8に示すように、第1受信部110の第1復調部120の第1コア部121は、放送波に基づく第1信号を、入力端子81を介して取得する(S201a)。放送波に基づく第1信号は、第1のデジタル放送信号の一例であり、例えば、ベースバンド信号またはIF信号などである。
【0126】
次に、第1コア部121は、取得した第1信号を復調処理する(S202a)。また、第1コア部121は、復調処理された信号に基づいて第1受信情報を取得する(S203a)。
【0127】
第2受信部210の第2復調部220の第2コア部221は、放送波に基づく第2信号を、入力端子82を介して取得する(S201b)。放送波に基づく第2信号は、第1信号とは異なる信号である。第2信号は、例えば、ベースバンド信号またはIF信号などである。
【0128】
次に、第2コア部221は、取得した第2信号を復調処理する(S202b)。つまり、第2コア部221は、受信されたデジタル放送波に基づくデジタル放送信号(第2のデジタル放送信号)を復調する。ステップS202bは、第2の復調ステップの一例である。
【0129】
また、第2コア部221は、復調処理された信号に基づいて第2受信情報を取得する(S203b)。第2コア部221は、例えば、信号品質を判定する、または、誤り訂正前の誤り率を算出することで第2受信情報を取得してもよい。第2受信情報は、第1信号とは異なる第2信号に基づいて取得された情報であって、映像および音声コンテンツ情報以外の情報である。
【0130】
第2復調部220は、取得した第2受信情報を第2フレーム化部230、第2受信レジスタ部240および第1受信部110に出力する。第2復調部220は、第2受信情報に含まれる各種情報の少なくとも1つを第2フレーム化部230および第1受信部110に出力し、第2受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを第2受信レジスタ部240に出力する。第2フレーム化部230および第1受信部110に出力される第2受信情報は、互いに同じ情報を含んでいてもよいし、互いに異なる情報を含んでいてもよい。
【0131】
次に、第2パケット生成部222は、第2コア部221により復調された信号から第2TLVパケット(第2ストリーム)を生成する(S204b)。つまり、第2パケット生成部222は、ステップS202bで得られるコンテンツ情報を含む第2TLVパケットを生成する。ステップS204bは、第2のパケット生成ステップの一例であり、第2TLVパケットは、第2パケットの一例である。
【0132】
次に、第2フレーム化部230は、第2受信情報と第2TLVパケットとを含む第2ETHERフレームを生成する(S205b)。第2フレーム化部230は、第2受信情報と第2TLVパケットとを挿入した第2ETHERフレームを生成するとも言える。第2フレーム化部230は、例えば、
図3Aに示すようなETHERフレームを生成する。つまり、第2ETHERフレームは、第1復調部120が取得した第1受信情報を含んでいない。
【0133】
次に、第2フレーム化部230は、生成した第2ETHERフレームを、出力端子92を介して出力する(S206b)。第2フレーム化部230は、例えば、生成した第2ETHERフレームをデコーダ(図示しない)に向けて出力してもよい。
【0134】
次に、第1受信部110は、第2受信部210からの第2受信情報を取得する。
【0135】
次に、第1パケット生成部122は、第1コア部121により復調された信号から第1TLVパケット(第1ストリーム)を生成する(S204a)。
【0136】
第1復調部120は、第1受信情報を第1フレーム化部130および第1受信レジスタ部140に出力する。第1復調部120は、第1受信情報に含まれる各種情報の少なくとも1つを第1フレーム化部130に出力し、第1受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを第1受信レジスタ部140に出力する。
【0137】
次に、第1フレーム化部130は、第1受信情報と第1TLVパケットと第2受信情報とを含む第1ETHERフレームを生成する(S205a)。第1フレーム化部130は、第1受信情報と第1TLVパケットと第2受信情報とを挿入した第1ETHERフレームを生成するとも言える。第1フレーム化部130は、例えば、
図7に示すETHERフレームを生成する。
【0138】
図3Aおよび
図7に示すように、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームは、互いに付加情報の構成が異なる。
【0139】
次に、第1フレーム化部130は、生成した第1ETHERフレームを、出力端子91を介してPHY部60に出力する(S206a)。第1フレーム化部130は、生成した第1ETHERフレームをデコーダ70に向けて出力するとも言える。
【0140】
出力端子91に接続されたデコーダ70は、例えば、
図7に示すフレーム構造のETHERフレームを受信し、受信した当該ETHERフレームを処理するように予め構成されており、出力端子92に接続されたデコーダ(図示しない)は、例えば、
図3Aに示すフレーム構造のETHERフレームを受信し、受信した当該ETHERフレームを処理するように予め構成されている。
【0141】
このように、第1ETHERフレームに第2受信情報が含まれることで、デコーダ70は、表示部等を介して表示していないチャンネルの映像に対応する放送波の受信状態などの情報を取得することができる。デコーダ70は、例えば、ユーザに対して受信状態がよいチャンネルの映像への切り替えを提案することができる。デコーダ70は、各チャンネルに対応する放送波の受信状態が時間の経過とともに変化しやすい車両などにおいて、その時点において受信状態がよいチャンネルを搭乗者などに推奨することができる。受信モジュール100は、例えば、車両などの移動体に搭載されてもよい。
【0142】
(実施の形態2)
[2-1.受信システムの構成]
まず、本実施の形態に係る受信システムの構成について、
図9~
図10Dを参照しながら説明する。
図9は、本実施の形態に係る受信モジュール310の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る受信モジュール310は、主にTSパケットを含むETHERフレームを生成する点において、実施の形態1に係る受信モジュール10と相違する。以降において、本実施の形態に係る受信モジュール310の構成について実施の形態1に係る受信モジュール10との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態2以降では、特に説明がない場合、受信システムにおける受信モジュールのみを図示する。
【0143】
本実施の形態における放送波は、例えば、地上デジタルテレビ放送または2Kの衛星放送の放送波である。地上デジタルテレビ放送または2Kの衛星放送は、従来の固定長のパケット(例えば、TS(Transport Stream)パケット)を用いて行われる。本実施の形態に係る受信モジュール310を備える受信システムは、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial:統合デジタル放送サービス‐地上用)などの放送波を受信する。
【0144】
このような受信システムにおける受信モジュール310とデコーダ70との接続において、TSパケット形式で接続可能なデコーダ70とは接続可能であるが、他のフレーム形式、例えば、ETHERフレーム形式を入力とするデコーダ70とは接続ができない。
【0145】
そこで、本実施の形態では、デコーダ70がTSパケット形式で接続可能なデコーダ70であってもETHERフレーム形式で接続可能なデコーダ70であっても接続可能な受信モジュール310について説明する。
【0146】
図9に示すように、受信モジュール310は、復調部320と、フレーム化部330と、受信レジスタ部340と、フレームレジスタ部350とを有する。
【0147】
復調部320は、入力端子81に入力されたISDB-Tなどの放送波に基づくベースバンド信号又はIF信号を取得し、取得した信号に基づいて、所定のパケットを生成し、出力する。本実施の形態では、復調部320は、TSパケットを生成する。復調部320は、コア部321と、パケット生成部322とを有する。
【0148】
コア部321は、入力端子81に入力されたベースバンド信号をアナログデジタル変換し、アナログデジタル変換されたベースバンド信号に対して、復調処理を実行する。コア部321は、さらに誤り訂正処理を実行してもよい。
【0149】
パケット生成部322は、復調されたベースバンド信号に基づいて、TSパケットを生成する。パケット生成部322は、誤り訂正された信号を元に出力レートの調整、パラレルまたはシリアル出力形式の選択がされたTSパケットを生成して出力する。TSパケットは、例えば、TSパケット形式のデータであり、第1のパケットの一例である。
【0150】
また、復調部320は、映像および音声コンテンツ情報以外の情報であってTSパケットに含まれない受信情報を、復調されたベースバンド信号に基づいて取得する。受信情報は、例えば、コア部321の復調処理において取得される情報を含む。受信情報は、例えば、信号品質、誤り訂正前の誤り率、復調同期情報、TMCC信号、妨害信号検出情報および緊急警報放送信号の少なくとも1つを含む。受信情報は、例えば、信号品質および誤り訂正前の誤り率の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0151】
フレーム化部330は、受信情報およびTSパケットに基づいて、デコーダ70に伝送するための伝送用フレームの一例であるETHERフレームを生成する。フレーム化部330は、受信情報、TSパケットおよびフレームレジスタ部350の設定により生成されるETHERフレームに必要な各種情報を含むETHERフレームを生成する。
図10Aは、本実施の形態に係る受信モジュール310で生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
【0152】
図10Aに示すように、ETHERフレームのペイロードには、TSパケットが格納される。言い換えると、フレーム化部330は、ペイロードにTSパケットを挿入することでETHERフレームを生成するとも言える。TSパケットは、例えば、188バイトの固定長である。具体的には、TSパケットは、フレームの先頭であることを示すSYNC(同期)バイト(0x47)とその他の187バイトとで構成される。なお、TSパケットは、SYNCを除いた187バイトのみの構成であってもよい。また、実施の形態1と同様、IPパケットには受信情報およびレジスタ値(付加情報)が含まれてもよい。IPパケットには、TSパケットと付加情報とが含まれる。なお、付加情報の長さは、例えば、TSパケットと同じであってもよい。付加情報の長さは、例えば、188バイトであってもよい。
【0153】
なお、フレーム化部330が生成するETHERフレームの構造は、
図10Aに示す構造に限定されない。
図10Bは、本実施の形態に係る受信モジュール310で生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。
図10Cは、本実施の形態に係る受信モジュール310で生成されるETHERフレームの構造の第3例を示す図である。
図10Dは、本実施の形態に係る受信モジュール310で生成されるETHERフレームの構造の第4例を示す図である。
【0154】
図10Bに示すように、ETHERフレームのペイロードには、複数のTSパケットが格納されてもよい。例えば、ペイロードに格納されるTSパケットの数は予め設定されていてもよい。これにより、オーバヘッドを減らすことができ、効率的なデータ伝送が可能となる。
【0155】
また、
図10Cに示すように、ETHERフレームのIPパケットには、ETHERフレームに含まれるTSパケットの数に関する情報(インデックス情報)が含まれてもよい。これにより、フレームごとなど、状況に応じて任意のTSパケット数を送信することが可能となる。
【0156】
また、
図10Dに示すように、ETHERフレームは、TSパケットそれぞれに対する付加情報を含んでいてもよい。
【0157】
図10A~
図10Dに示すTSパケットおよび付加情報の順番は、これに限定されない。例えば、
図10Dにおいて、TSパケットと付加情報とは交互に並べられてもよい。また1つのETHERフレームに含まれるTSパケットおよび付加情報の数は同数であってもよいし、異なっていてもよい。TSパケットおよび付加情報の順番および数は、予め定められていれば、どのようであってもよい。
【0158】
なお、本実施の形態に係る受信モジュール310において、復調部320が受信情報をフレーム化部330に出力することは、必須ではない。つまり、フレーム化部330が生成するETHERフレームには、付加情報が含まれていなくてもよい。
【0159】
なお、
図10B~
図10Dに示すETHERフレームは、例えば、復調部320を複数有する受信モジュール310により生成されてもよいし、時系列で取得したベースバンド信号に基づいて生成されてもよい。
【0160】
図9を再び参照して、フレーム化部330は、出力端子91を介してETHERフレーム形式の出力が可能である。また、復調部320は、出力端子92を介してTSパケットをそのまま出力可能である。
【0161】
これにより、デコーダ70がTS形式、ETHER形式のいずれの伝送形式に対応していても、受信モジュール310と接続が可能となる。つまり、受信モジュール310とデコーダ70との接続における柔軟性を向上させることができる。
【0162】
なお、デコーダ70は、例えば、MPEG2等のデコード処理を行う。
【0163】
[2-2.受信システムの動作]
続いて、上記の受信モジュール310の受信動作について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施の形態に係る受信モジュール310の動作を示すフローチャートである。
図11は、
図10Cに示すETHERフレームを生成し出力する動作を示す。なお、ステップS102、S103およびS106の処理は、
図4に示すステップS102、S103およびS106と同様であり、説明を省略する。
【0164】
図11に示すように、復調部320のコア部321は、ISDB-Tなどの放送波に基づく信号を、入力端子81を介して取得する(S101)。
【0165】
次に、パケット生成部322は、コア部321により復調された信号からTSパケットを生成する(S301)。パケット生成部322は、例えば、時系列で取得した複数のベースバンド信号に基づいて、複数のTSパケットを生成する。
【0166】
復調部320は、受信情報をフレーム化部330および受信レジスタ部340に出力する。復調部320は、例えば、受信情報に含まれる各種情報の少なくとも1つをフレーム化部330に出力し、受信情報に含まれる各種情報のそれぞれを受信レジスタ部340に出力する。
【0167】
次に、フレーム化部330は、復調部320から複数のTSパケットを時系列で取得し、取得したTSパケットの数を示すインデックス情報を生成する(S302)。
【0168】
次に、フレーム化部330は、受信情報と複数のTSパケットとインデックス情報とを含むETHERフレームを生成する(S303)。フレーム化部330は、受信情報と複数のTSパケットとインデックス情報とを挿入したETHERフレームを生成するとも言える。フレーム化部330は、例えば、
図10Cに示すETHERフレームを生成する。
【0169】
このように、本実施の形態のステップS301では、複数のTSパケットを含む第1のパケットを生成し、ステップS303では、複数のTSパケットの個数を示す情報をさらに含む第1の伝送用フレームが生成される。
【0170】
なお、ETHERフレームに含まれるTSパケットの数が予め設定されている場合、ステップS302の処理は行われなくてもよい。
【0171】
(実施の形態2の変形例1)
本変形例に係る受信システムの構成について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、本変形例に係る受信モジュール410の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール410は、主に選択部360を有する点において、実施の形態2に係る受信モジュール310と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール410の構成について実施の形態2に係る受信モジュール310との相違点を中心に説明する。
【0172】
図12に示すように、受信モジュール410は、実施の形態2に係る受信モジュール310に加えて、復調部320およびフレーム化部330と出力端子91との間に接続される選択部360を有する。また、受信モジュール410は、1つの出力端子91を有する。
【0173】
選択部360は、パケット生成部322の出力であるTSパケット形式のデータと、フレーム化部330の出力であるETHERフレーム形式のデータとが入力され、所望の形式のデータを選択し出力端子91から出力する。選択部360は、例えば、受信モジュール410の外部からの設定により、所望のデータ形式を選択する。選択部360は、例えば、受信モジュール410と接続されたデコーダ70からの設定により、所望のデータ形式を選択してもよい。
【0174】
選択部360は、パケット生成部322およびフレーム化部330と出力端子91との間に接続される。選択部360は、パケット生成部322およびフレーム化部330の後段に接続される。
【0175】
選択部360は、例えば、スイッチング素子とスイッチング素子を制御する制御部とにより構成されてもよい。スイッチング素子は、フレーム化部330と出力端子91との接続、および、パケット生成部322と出力端子91との接続を切り替え可能に制御される。
【0176】
これにより、出力端子91を共通化することができるので、受信モジュール410の端子数を減らすことが可能となる。
【0177】
また、本変形例に係るフレーム生成方法は、TSパケットを含むETHERフレームと、TSパケットとを選択して出力する選択ステップをさらに含んでいてもよい。
【0178】
(実施の形態2の変形例2)
本変形例に係る受信システムの構成について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本変形例に係る受信モジュール510の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール510は、主に遅延調整部370を有する点において、実施の形態2に係る受信モジュール310と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール510の構成について実施の形態2に係る受信モジュール310との相違点を中心に説明する。
【0179】
図13に示すように、受信モジュール510は、実施の形態2に係る受信モジュール310に加えて、復調部320とフレーム化部330との間に接続される遅延調整部370を有する。遅延調整部370は、フレーム化部330の前段に設けられているとも言える。
【0180】
遅延調整部370は、パケット生成部322により生成されたTSパケットを、ETHERフレームの出力レートに合うように遅延させ、遅延させたTSパケットをフレーム化部330へ出力する。遅延調整部370は、例えば、複数のTSパケットを含むETHERフレームを生成する場合、複数のTSパケットを遅延させ、遅延させた複数のTSパケットをフレーム化部330へ出力する。遅延調整部370は、複数のTSパケットを連結してフレーム化部330へ出力するとも言える。
【0181】
これにより、受信モジュール510は、遅延調整部370を有するので、
図10B~
図10Dに示す複数のTSパケットを含むETHERフレームを、遅延調整部370の遅延量を調整するだけで容易に生成することができる。
【0182】
なお、受信モジュール510は、さらに実施の形態2の変形例1に係る選択部360を有していてもよい。
【0183】
なお、本変形例に係るフレーム生成方法は、TSパケットを遅延させる遅延ステップを含んでいてもよい。
【0184】
(実施の形態3)
[3-1.受信システムの構成]
まず、本実施の形態に係る受信システムの構成について、
図14~
図16を参照しながら説明する。
図14は、本実施の形態に係る受信モジュール600の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る受信モジュール600は、主に複数チャンネルを受信可能な構成を有し、かつ、出力端子91の前段に多重部660を有する点において、実施の形態1に係る受信モジュール10と相違する。以降において、本実施の形態に係る受信モジュール600の構成について実施の形態1に係る受信モジュール10との相違点を中心に説明する。
【0185】
本実施の形態では、例えば、高度BS放送(4K8K放送)であり、高度BS放送ではTLV形式が採用されており、コンテンツストリームはTLVパケットに格納されている。なお、放送は、高度BS放送に限定されず、地上デジタルテレビ放送または2Kの衛星放送などのTS形式が採用される放送であってもよい。
【0186】
図14に示すように、受信モジュール600は、第1受信部610および第2受信部710を含んで構成される。第1受信部610および第2受信部710には、例えば、互いに異なるベースバンド信号が入力される。
【0187】
第1受信部610は、第1復調部620と、第1フレーム化部630と、第1レジスタ部650とを有する。また、第1受信部610は、さらに第1復調部620が取得する受信情報を記憶する受信レジスタ部を有していてもよい。また、第1受信部610は、第1復調部620が受信情報を第1フレーム化部630に出力可能な構成であってもよい。
【0188】
第1復調部620(第1コア部621および第1パケット生成部622)と、第1レジスタ部650はそれぞれ、実施の形態1に係る復調部20(コア部21およびパケット生成部22)と、フレームレジスタ部50のそれぞれと同じ構成であってもよく、説明を省略する。第1フレーム化部630は、ペイロードに第1TLVパケットを含み、かつ、第2フレーム化部730が生成する第2ETHERフレームとIPパケットヘッダ内の送信先IPアドレスの設定(送信先IPアドレス値)およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポートの設定(宛先ポート値)の少なくとも1つが異なる第1ETHERフレームを生成する。また、第1フレーム化部630は、IPパケットに付加情報をさらに含む第1ETHERフレームを生成してもよい。
【0189】
第1ETHERフレームに含まれる送信先IPアドレス値および宛先ポート値は、第1出力先情報の一例である。なお、第1出力先情報は、送信先IPアドレス値および宛先ポート値に限定されず、第1ETHERフレームに含まれ、かつ、第1受信部610で生成されたETHERフレームであることを特定可能な情報であればよい。
【0190】
第2復調部720(第2コア部721および第2パケット生成部722)と、第2レジスタ部750はそれぞれ、第1受信部610の第1復調部620(第1コア部621および第1パケット生成部622)と、第1レジスタ部650のそれぞれと同じ構成であってもよく、説明を省略する。第2フレーム化部730は、ペイロードに第1TLVパケットと異なる第2TLVパケットを含み、かつ、第1フレーム化部630が生成する第1ETHERフレームとIPパケットヘッダ内の送信先IPアドレス値およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポート値の少なくとも1つが異なる第2ETHERフレームを生成する。また、第2フレーム化部730は、IPパケットに付加情報をさらに含む第2ETHERフレームを生成してもよい。
【0191】
第2ETHERフレームに含まれる送信先IPアドレス値および宛先ポート値は、第2出力先情報の一例である。なお、第2出力先情報は、送信先IPアドレス値および宛先ポート値に限定されず、第2ETHERフレームに含まれ、かつ、第2受信部710で生成されたETHERフレームであることを特定可能な情報であればよい。
【0192】
多重部660は、第1フレーム化部630から出力される第1ETHERフレーム(第1ETHERフレーム信号)と、第2フレーム化部730から出力される第2ETHERフレーム(第2ETHERフレーム信号)とに対して時分割多重を行う。多重部660における時分割多重の調整方法は、特に限定されない。時分割多重の調整方法は、例えば、時間的に先に入力されたETHERフレームを優先的に出力することであってもよいし、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームの一方のETHERフレームを、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームの他方のETHERフレームの有無に関わらず常に優先的に出力することであってもよい。このように、多重部660は、時分割多重を行うことで、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームを含む複数のETHERフレームを順次出力端子91から出力する。なお、調整方法は、予め設定され受信モジュール600の記憶部(図示しない)に記憶されていてもよい。
【0193】
ここで、多重部660で生成されるETHERフレームについて
図15および
図16を参照しながら説明する。
図15は、本実施の形態に係る受信モジュール600で生成されるETHERフレームの構造の第1例を示す図である。
図16は、本実施の形態に係る受信モジュール600で生成されるETHERフレームの構造の第2例を示す図である。具体的には、
図15および
図16は、多重部660により時分割多重された第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームの構造を示している。また、
図16は、IPパケットに付加情報をさらに含む第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームが多重部660により時分割多重された第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームの構造を示している。
【0194】
図15に示すように、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームは、互いに送信先IPアドレス値および宛先ポート値が異なる。
【0195】
また、
図16に示すように、第1付加情報をさらに含む第1ETHERフレームおよび第2付加情報をさらに含む第2ETHERフレームにおいても同様に、互いに送信先IPアドレス値および宛先ポート値が異なる。なお、第1付加情報および第2付加情報の挿入位置は、互いに同じ挿入位置であればETHERフレーム内のいずれの位置であってもよい。
【0196】
これにより、デコーダ70は、時分割多重されたETHERフレームのIPパケットヘッダ内の送信先IPアドレス値およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポート値の少なくとも一方を判別することにより、2つのチャンネルのTLVデータの分離が可能になる。つまり、デコーダ70は、1つのETHERフレームとして出力されたデータから第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームを分離することが可能である。よって、多重部660により複数のETHERフレームが1つのストリームとして出力されても、デコーダ70では、ETHERフレームごとに当該ETHERフレームに対応するデコード処理を行うことが可能である。
【0197】
上記のように多重部660により複数のETHERフレームを時分割多重して出力することにより、受信モジュール600の出力端子91の数を削減することができる。また、1つのETHERフレームの入力端子しか有していないデコーダ70に対して、複数のチャンネルのTLVパケットを伝送することができる。さらに、受信モジュール600とデコーダ70とを接続するために必要な部品を削減することができるので、コスト削減および実装面積の削減が可能となる。当該部品は、例えば、PHYデバイス(例えば、ETHER用PHYデバイス)、コネクタ(例えば、RJ45コネクタ)、トランス、LANケーブルなどである。
【0198】
なお、受信モジュール600が有する受信部は2つであることに限定されず、ETHERフレームの伝送レートに収まる範囲であれば、3つ以上の受信部を有していてもよい。そして、多重部660は、それぞれの受信部から出力されたETHERフレームを多重化してもよい。
【0199】
[3-2.受信システムの動作]
続いて、上記の受信モジュール600の受信動作について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、本実施の形態に係る受信モジュール600の各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図17では、第1フレーム化部630および第2フレーム化部730のそれぞれが付加情報を含むETHERを生成する場合のシーケンス図を示す。なお、
図17に示すステップS401a~S404aのそれぞれは、
図8に示すステップS201a~204aのそれぞれと同様の処理であり、
図17に示すステップS401b~S404bのそれぞれは、
図8に示すステップS201b~204bのそれぞれと同様の処理であり、説明を省略する。
【0200】
図17に示すように、第1受信部610の第1フレーム化部630は、第1受信情報と、第1TLVパケットとを含む第1ETHERフレームを生成する(S405a)。ステップS405aで生成される第1ETHERフレームは、例えば、
図16に示す第1ETHERフレームと構造が同じであり、IPパケットヘッダ内の送信先IPアドレス値(送信先情報)およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポート値(宛先ポート情報)の少なくとも1つが第2ETHERフレームと異なる。第1フレーム化部630は、生成した第1ETHERフレームを多重部660に出力する。
【0201】
ステップS405aは、第1のフレーム生成ステップの一例である。また、送信先IPアドレス値および宛先ポート値の少なくとも1つは、第1出力先情報の一例である。つまり、本実施の形態に係る第1のフレーム生成ステップでは、第1TLVパケットの出力先に関する第1出力先情報を含む第1ETHERフレームが生成される。
【0202】
また、第2受信部710の第2フレーム化部730は、第2受信情報と、第2TLVパケットとを含む第2ETHERフレームを生成する(S405b)。第2フレーム化部730は、例えば、ステップS403bで得られる第2受信情報であってコンテンツ情報以外の第2受信情報を含む付加情報と、第2TLVパケットとを含む第2ETHERフレームを生成する。第2フレーム化部730は、第2受信情報(または付加情報)と第2TLVパケットとを挿入したETHERフレームを生成するとも言える。なお、ステップS405bで生成される第2ETHERフレームは、第2の伝送用フレームの一例である。また、ステップS405bは、第2のフレーム生成ステップの一例である。
【0203】
ステップS405bで生成される第2ETHERフレームは、例えば、
図16に示す第2ETHERフレームと構造が同じであり、IPパケットヘッダ内の送信先IPアドレス値およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポート値の少なくとも1つがステップS405aで生成された第1ETHERフレームと異なる。第2フレーム化部730は、生成した第2ETHERフレームを多重部660に出力する。
【0204】
送信先IPアドレス値および宛先ポート値の少なくとも1つは、第2出力先情報の一例である。つまり、本実施の形態に係る第2のフレーム生成ステップでは、第2TLVパケットの出力先に関する第2出力先情報であって第1出力先情報とは異なる第2出力先情報を含む第2ETHERフレームが生成される。
【0205】
次に、多重部660は、予め設定された調整方法に基づいて、第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとを多重処理してデコーダ70に出力する(S406)。多重部660は、例えば、第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとに対して時分割多重処理を行う。ステップS406は、多重ステップの一例である。
【0206】
(実施の形態3の変形例1)
次に、本変形例に係る受信システムについて、
図18を参照しながら説明する。まずは、本変形例に係る受信システムの構成について
図18を参照しながら説明する。
図18は、本変形例に係る受信モジュール810の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール810は、主に2つの受信部のそれぞれがTSパケットおよび当該TSパケットをETHERフレーム化したETHERフレームを出力する点において、実施の形態3に係る受信モジュール600と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール810の構成について実施の形態3に係る受信モジュール600との相違点を中心に説明する。
【0207】
図18に示すように、受信モジュール810は、第1受信部810aと、第2受信部810bと、多重部860と、2つの入力端子81および82と、3つの出力端子91~93とを有する。第1受信部810aおよび第2受信部810bの構成は同じであってもよく、第1受信部810aの構成のみを説明する。
【0208】
第1受信部810aは、コア部821と、パケット生成部822と、フレーム化部830と、レジスタ部850とを有する。
図18に示すコア部821と、パケット生成部822と、レジスタ部850のそれぞれは、
図9に示すコア部321と、パケット生成部322と、フレームレジスタ部350のそれぞれと同じ構成であってもよく、説明を省略する。
【0209】
フレーム化部830は、ペイロードにTSパケットを含むETHERフレームを生成する。フレーム化部830は、例えば、
図15に示す第1ETHERフレームにおいて第1TLVパケットをTSパケットに置き換えたETHERフレームを生成する。
【0210】
これにより、第1受信部810aは、第1TSパケットと当該第1TSパケットがETHERフレーム化された第1ETHERフレームとを出力する。
【0211】
また、第1受信部810aは、さらにコア部821およびパケット生成部822とで構成される復調部が取得する受信情報を記憶する受信レジスタ部を有していてもよい。また、第1受信部810aは、当該復調部が受信情報をフレーム化部830に出力可能な構成であってもよい。この場合、フレーム化部830は、IPパケットに付加情報をさらに含む第1ETHERフレームを生成してもよい。つまり、第1受信部810aの構成は、
図9に示す受信モジュール310の構成と同じであってもよい。フレーム化部830は、例えば、
図16に示す第1ETHERフレームにおいて第1TLVパケットをTSパケットに置き換えた第1ETHERフレームを生成してもよい。
【0212】
第2受信部810bは、第2TSパケットと第2ETHERフレームとを出力する。
【0213】
なお、第1TSパケットおよび第2TSパケットの構造は、例えば、
図10Aに示すペイロードに挿入されているTSパケットと同じであってもよい。
【0214】
多重部860は、実施の形態3に係る多重部660と同様、第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとに対して時分割多重を行う。
【0215】
上記のように構成された受信モジュール810は、第1TSパケットと、第1ETHERフレームおよび第2ETHERフレームが時分割多重されたETHERフレームと、第2TSパケットとを出力可能である。第1TSパケットは出力端子91から出力され、時分割多重されたETHERフレームは出力端子92から出力され、第2TSパケットは出力端子93から出力される。
【0216】
これにより、受信モジュール810の出力端子の数を削減しつつ、2つのチャンネルのETHERフレームと2つのチャンネルのTSパケットとを伝送することができる。例えば、デコーダ70が1つのETHERフレームの入力端子しか有していない、または、デコーダ70がTLV形式に対応していない場合であっても、当該デコーダ70と受信モジュール810とを接続することができる。
【0217】
なお、
図13に示すような遅延調整部370を、受信モジュール810のフレーム化部830の前段に設けてもよい。さらに、遅延調整部370を、第2受信部810bのフレーム化部の前段にも設けてもよい。これにより、パケット生成部822により生成されたTSパケットは、当該遅延調整部370においてETHERフレームの出力レートに合うように遅延され、フレーム化部830に出力される。フレーム化部830は、例えば、
図10B~
図10Dに示すようなペイロードに複数のTSパケットが挿入されたETHERフレームを生成し、出力してもよい。
【0218】
(実施の形態3の変形例2)
本変形例に係る受信システムの構成について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、本変形例に係る受信モジュール910の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール910は、主に選択部870を有する点において、実施の形態3の変形例1に係る受信モジュール810と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール910の構成について実施の形態3の変形例1に係る受信モジュール810との相違点を中心に説明する。
【0219】
図19に示すように、受信モジュール910は、実施の形態3の変形例1に係る受信モジュール810に加え、選択部870を有する。また、受信モジュール910は、2つの出力端子91および92を有する。
【0220】
選択部870は、パケット生成部822の出力である第1TSパケットと、多重部860の出力である時分割多重されたETHERフレームとが入力され、所望の形式のデータを選択し出力端子91から出力する。選択部870は、例えば、受信モジュール910の外部からの設定により、所望のデータ形式を選択する。選択部870は、例えば、受信モジュール910と接続されたデコーダ70からの設定により、所望のデータ形式を選択してもよい。
【0221】
選択部870は、パケット生成部822および多重部860と出力端子91との間に接続される。選択部870は、パケット生成部822および多重部860の後段に接続される。
【0222】
選択部870の構成は、
図12に示す選択部360と同じであってもよく、説明を省略する。
【0223】
これにより、第1TSパケットおよび時分割多重されたETHERフレームが出力される出力端子を共通化することができるので、受信モジュール910の端子数を減らすことが可能となる。
【0224】
なお、選択部870の接続位置は
図19の位置に限定されず、第1受信部810aのパケット生成部822、第2受信部810bのパケット生成部および多重部860と出力端子91との間に接続されてもよい。選択部870は、第1受信部810aのパケット生成部822、第2受信部810bのパケット生成部および多重部860の後段に接続されてもよい。この場合、選択部870は、第1TSパケット形式のデータと、時分割多重されたETHERフレーム形式のデータと、第2TSパケット形式のデータとが入力され、所望の形式のデータを選択し出力端子91から出力する。これにより、
図19の場合に比べさらに受信モジュール910の端子数を減らすことが可能となる。
【0225】
(実施の形態3の変形例3)
本変形例に係る受信システムの構成について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本変形例に係る受信モジュール1010の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール1010は、主にTSパケット生成部1022aおよびストリームパケット生成部1022bの双方および選択部1070を有する点において、実施の形態3に係る受信モジュール600と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール1010の構成について実施の形態3に係る受信モジュール600との相違点を中心に説明する。
【0226】
図20に示すように、受信モジュール1010は、第1受信部1010aと、第2受信部1010bと、多重部860と、2つの入力端子81および82と、1つの出力端子91とを有する。第1受信部1010aおよび第2受信部1010bの構成は同じであってもよく、第1受信部1010aの構成のみを説明する。
【0227】
第1受信部1010aは、コア部1021と、TSパケット生成部1022aと、ストリームパケット生成部1022bと、選択部1070と、フレーム化部1030と、レジスタ部1050とを有する。
【0228】
コア部1021は、入力端子81に入力されたベースバンド信号またはIF信号をアナログデジタル変換し、アナログデジタル変換されたベースバンド信号またはIF信号に対して、復調処理を実行する。コア部21は、さらに誤り訂正処理を実行してもよい。コア部1021は、復調処理されたベースバンド信号またはIF信号をTSパケット生成部1022aおよびストリームパケット生成部1022bに出力する。
【0229】
TSパケット生成部1022aは、コア部1021から放送形式がTSパケットである信号を取得した場合、当該信号からTSパケットを生成して選択部1070に出力する。TSパケット生成部1022aは、放送形式がTSパケットであるか否かを判定してもよい。
【0230】
ストリームパケット生成部1022bは、コア部1021から放送形式がTLVパケットである信号を取得した場合、当該信号からTLVパケットを生成して選択部1070に出力する。ストリームパケット生成部1022bは、放送形式がTLVパケットであるか否かを判定してもよい。
【0231】
TSパケット生成部1022aおよびストリームパケット生成部1022bは、コア部1021および選択部1070の間に互いに並列となるように接続される。
【0232】
選択部1070は、TSパケット生成部1022aの出力であるTSパケットと、ストリームパケット生成部1022bの出力であるTLVパケットとが入力され、所望の形式のデータを選択しフレーム化部1030に出力する。選択部1070は、例えば、受信モジュール1010の外部からの設定により、所望のデータ形式を選択してもよいし、TSパケット生成部1022aまたはストリームパケット生成部1022bからデータを取得すると、取得したデータを選択し、フレーム化部1030に出力してもよい。
【0233】
選択部1070は、TSパケット生成部1022aおよびストリームパケット生成部1022bとフレーム化部1030との間に接続される。選択部1070は、TSパケット生成部1022aおよびストリームパケット生成部1022bの後段であって、かつ、フレーム化部1030の前段に接続される。
【0234】
選択部1070の構成は、
図12に示す選択部360と同じであってもよく、説明を省略する。
【0235】
フレーム化部1030は、選択部1070から出力された信号をETHERフレーム化することで、当該信号が挿入されたETHERフレームを生成する。なお、第1受信部1010aのフレーム化部1030と第2受信部1010bのフレーム化部とは、IPパケットヘッダ内の送信先IPアドレス値およびUDPパケットヘッダ内の宛先ポート値の少なくとも一方を互いに異なる値に設定する。
【0236】
多重部860は、第1受信部1010aのフレーム化部1030から出力された第1ETHERフレームと第2受信部1010bのフレーム化部から出力された第2ETHERフレームとに対して、多重化(ETHER多重化)を行う。多重部860は、時分割多重を行うことで、第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとを1つのストリームとして出力する。
【0237】
デコーダ70は、時分割多重されたETHERフレームのIPパケットヘッダの送信先IPアドレス値およびUDPパケットヘッダの宛先ポート値の少なくとも一方を判別することによって、2つのチャンネルのデータを分離可能である。デコーダ70は、例えば、第1ETHERフレームがTSパケットをETHERフレーム化したフレームであり、第2ETHERフレームがTLVパケットをETHERフレーム化したフレームである場合であっても、2つのデータを分離可能である。
【0238】
これにより、受信モジュール1010は、TSパケットをETHERフレーム化したETHERフレームと、TLVパケットをETHERフレーム化したETHERフレームとを多重部860により時分割多重することができるので、対応する放送方式への柔軟性が増す。また、受信モジュール1010は、多重部860を有するので、出力端子91の数を削減することができる。
【0239】
なお、フレーム化部1030は、受信情報を含む付加情報が挿入されたETHERフレームを生成してもよい。第1受信部1010aおよび第2受信部1010bは、付加情報を挿入可能な構成を有していてもよい。具体的には、コア部1021からフレーム化部1030に受信情報が出力されてもよい。
【0240】
なお、受信モジュール1010は、TSパケット生成部1022aと選択部1070との間に遅延調整部(例えば、
図13の遅延調整部370)を有していてもよい。
【0241】
(実施の形態3の変形例4)
本変形例に係る受信システムの構成について、
図21および
図22を参照しながら説明する。
図21は、本変形例に係る受信モジュール1110の機能構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信モジュール1110は、主に多重部1160を有する点において、実施の形態1の変形例に係る受信モジュール100と相違する。以降において、本変形例に係る受信モジュール1110の構成について実施の形態1の変形例に係る受信モジュール100との相違点を中心に説明する。
【0242】
図21に示すように、受信モジュール1110は、第1復調部1120と、フレーム化部1130と、第1受信レジスタ部1140と、フレームレジスタ部1150と、多重部1160と、第2復調部1220と、第2受信レジスタ部1240とを有する。受信モジュール1110は、例えば、入力端子81および82という2系統有するのに対しフレーム化部1130を1系統および出力端子91という1系統を有する。つまり、フレーム化部1130および出力端子の系統数は、入力端子81および82の2系統より少ない。
図21に示す第1復調部1120(第1コア部1121および第1パケット生成部1122)と、第1受信レジスタ部1140と、フレームレジスタ部1150と、第2復調部1220(第2コア部1221および第2パケット生成部1222)と、第2受信レジスタ部1240のそれぞれは、
図6に示す第1復調部120(第1コア部121および第1パケット生成部122)と、第1受信レジスタ部140と、第1フレームレジスタ部150と、第2復調部220(第2コア部221および第2パケット生成部222)と、第2受信レジスタ部240のそれぞれと同じ構成であってもよく、説明を省略する。なお、第2パケット生成部1222は、生成した第2TSパケット(第2ストリーム)を多重部1160に出力する。
【0243】
多重部1160は、第1パケット生成部1122から出力された第1TSパケット(第1ストリーム)および第2パケット生成部1222から出力された第2TSパケットが入力され、入力された第1ストリームおよび第2ストリームに対して多重処理を行う。多重部1160は、例えば、時分割多重を行う。多重処理されたTSパケットは、フレーム化部1130に出力される。
【0244】
多重部1160は、第1パケット生成部1122および第2パケット生成部1222とフレーム化部1130との間に接続される。
【0245】
フレーム化部1130は、多重処理されたTSパケットをペイロードに含み、かつ、第1受信情報、第2受信情報およびレジスタ値を含む付加情報をIPパケットに含むETHERフレームを生成する。このように生成されたETHERフレームは、例えば、
図7に示すETHERフレームにおいて、TLVパケットに替わり多重処理されたTSパケットが挿入される。
【0246】
これにより、2チャンネル(2系統)のTSパケットを1つの出力端子91にて出力することが可能となる。
【0247】
また、
図21に示す受信モジュール1110において生成されるETHERフレームの一例について、
図22を参照しながら説明する。
図22は、本変形例に係る受信モジュール1110で生成されるETHERフレームの構造の一例を示す図である。
【0248】
図22に示すように、ETHERフレームは、ペイロードに第1TSパケットおよび第2TSパケットを含んでいてもよい。例えば、第1TSパケットと第2TSパケットとが互いに異なるチャンネルにおけるTSパケットである場合、第1TSパケットと第2TSパケットとに含まれるPID(PacketID)情報は、互いに異なる。そのため、デコーダ70は、1つのETHERフレームに格納された第1TSパケットと第2TSパケットとを、PID情報を用いて認識してもよい。
【0249】
図22に示すETHERフレームの生成では、第1のパケット生成ステップにおいて、複数のTSパケットを含む第1のパケットが生成される。そして、複数のTSパケットのうち少なくとも2つのTSパケットは、互いにTSパケット内のPID情報が異なっている。
【0250】
これにより、デコーダ70は、TSパケットにもともと含まれるPID情報を用いて、複数のTSパケットを識別することが可能となる。
【0251】
また、本内容を応用すると、
図16に示すTLVパケットの箇所をTSパケットとした場合に、UDPパケットヘッダあるいはIPパケットヘッダを異なるものとして第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとを識別していたが、UDPパケットヘッダおよびIPパケットヘッダが同じであっても、TSパケット内のPIDを参照することにより第1ETHERフレームと第2ETHERフレームとを識別することが可能となるとしてもよい。
【0252】
(実施の形態4)
[4-1.受信システムの構成]
まず、本実施の形態に係る受信システムの構成について、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施の形態に係る受信モジュール1310の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る受信モジュール1310は、主に入力端子94からの制御情報に基づいて、フレーム化部1330に入力されるデータを遅延させる遅延調整部1390を有する点において、実施の形態1に係る受信モジュール10と相違する。以降において、本実施の形態に係る受信モジュール1310の構成について実施の形態1に係る受信モジュール10との相違点を中心に説明する。なお、デコーダ70は、1つの受信モジュール1310と接続されていてもよいし、複数の受信モジュールと接続されていてもよい。
【0253】
図23に示すように、受信モジュール1310は、受信部1310aと、通信制御部1380と、遅延調整部1390と、遅延調整レジスタ部1391と、入力端子81および94と、出力端子91とを有する。受信部1310aの構成は、実施の形態1の受信モジュール10と同じであってもよい。例えば、
図23に示す復調部1320(コア部1321およびパケット生成部1322)と、フレーム化部1330と、受信レジスタ部1340と、フレームレジスタ部1350のそれぞれは、
図1に示す復調部20(コア部21およびパケット生成部22)と、フレーム化部30と、受信レジスタ部40と、フレームレジスタ部50のそれぞれと同じ構成であってもよい。
【0254】
通信制御部1380は、入力端子94を介して制御情報の入力を受け付ける。制御情報は、例えば、後段のデコーダ70から出力された情報であり、ETHERフレームの生成または出力に関する情報が含まれる。制御情報には、例えば、制御対象となる受信モジュール1310の識別情報および遅延情報が含まれる。識別情報は、例えば、受信モジュール1310に固有の情報である。遅延情報は、遅延調整部1390における遅延量を示す情報である。また、制御情報には、デコーダ70におけるETHERフレームの取得状態(例えば、ETHERフレームの劣化状態)に基づく情報が含まれていてもよい。取得状態に基づく情報は、例えば、取得したETHERフレームが所定以上劣化していることを示す情報であってもよいし、ETHERフレーム同士が衝突したことを示す情報であってもよいし、当該ETHERフレームを再送することを示す情報であってもよい。
【0255】
通信制御部1380は、ETHERフレームを再送する必要がある場合、フレーム化部1330に再送することを示す再送情報を出力し、当該再送に要する時間、パケット生成部1322からフレーム化部1330へ出力されるデータを遅延させることを示す遅延情報を遅延調整部1390に出力する。
【0256】
フレーム化部1330は、再送情報を取得すると、該当するETHERフレームを再送する。遅延調整部1390は、遅延情報が示す時間、パケット生成部1322からのデータを遅延させた後、当該データをフレーム化部1330へ出力する。
【0257】
制御情報に含まれる遅延情報は、例えば、受信モジュール1310におけるETHERフレームの出力タイミングを示す情報であってもよい。この場合、通信制御部1380は、遅延調整部1390に遅延情報を出力する。また、通信制御部1380は、識別情報を遅延調整部1390に出力してもよい。
【0258】
遅延調整部1390は、識別情報と遅延調整レジスタ部1391に記憶されている識別設定値とを比較し、識別情報の値が遅延設定値と一致すれば、遅延情報に基づいてフレーム化部1330への入力に対する遅延量を制御する。遅延調整部1390から出力されるデータは、フレーム化部1330においてETHERフレーム化される。識別設定値は、受信モジュールを特定するための識別情報であり、予め設定されている。また、デコーダは、予め各受信モジュールの識別設定値を記憶している。
【0259】
上記のように本実施の形態に係る受信システムは、受信モジュール1310とデコーダ70との双方向の通信が可能に構成される。
【0260】
[4-2.受信システムの動作]
続いて、上記の受信モジュール1310の再送動作について、
図24を参照しながら説明する。
図24は、本実施の形態に係る受信モジュール1310の各構成要素の動作を示すシーケンス図である。
図24では、フレーム化部1330がETHERフレームを再送する動作について説明する。なお、フレーム化部1330におけるETHERフレームの出力タイミングを制御する場合については、実施の形態4の変形例において説明する。
【0261】
図24に示すように、通信制御部1380は、フレーム化部1330からETHERフレームが出力された後、後段デバイスからの情報を取得する(S501)。本実施の形態では、通信制御部1380は、後段デバイスの一例であるデコーダ70からETHERフレームを再送することを示す情報を取得する。
【0262】
通信制御部1380は、当該情報に基づいて、受信部1310aのフレーム化部1330に再送情報を出力し、遅延調整部1390に遅延情報を出力する。
【0263】
受信部1310aのフレーム化部1330は、再送情報に基づいて、該当するETHERフレームを再送する(S502)。遅延調整部1390は、遅延情報に基づいてTLVパケット(パケット生成部1322からのデータの一例)のフレーム化部1330への出力を遅延させる(S503)。そして、遅延調整部1390は、パケット生成部1322からのTLVパケットを、遅延情報が示す遅延量だけ遅延させた後、受信部1310aのフレーム化部1330に出力する。
【0264】
次に、受信部1310aのフレーム化部1330は、遅延調整部1390から取得したTLVパケットをETHERフレーム化することで、次のETHERフレームを生成し(S504)、生成したETHERフレームを出力する。
【0265】
これにより、デコーダ70が取得したETHERフレームが伝送歪により誤りを含んでいた、または、ETHERネット内でETHERフレームが衝突した場合などに、当該ETHERフレームを再送することで補完することができる。
【0266】
なお、受信モジュール1310は、2つ以上の入力端子を有し、TSパケットをETHERフレーム化したETHERフレームおよびTLVパケットをETHERフレーム化したETHERフレームを多重して1つのストリームとして出力可能な構成であってもよい。
【0267】
なお、本実施の形態では、TLVパケットをETHERフレーム化する例について説明したが、TSパケットをETHERフレーム化する構成であってもよい。
【0268】
なお、遅延調整部1390が配置される位置は、パケット生成部1322とフレーム化部1330との間に限定されず、例えば、フレーム化部1330と出力端子91との間であってもよいし、コア部1321とパケット生成部1322との間であってもよい。
【0269】
なお、入力端子94は、1以上の端子群であり、例えば、1以上の端子ピンにより構成される。
【0270】
(実施の形態4の変形例)
次に、本変形例に係る受信システムについて、
図25および
図26を参照しながら説明する。まずは、本変形例に係る受信システムの構成について
図25を参照しながら説明する。
図25は、本変形例に係る受信システム1bの構成を示すブロック図である。本変形例に係る受信システム1bは、1つのデコーダが複数の受信モジュールと接続されており、受信モジュールそれぞれのETHERフレームの出力タイミングが制御される点について、実施の形態4に係る受信システムと相違する。
【0271】
図25に示すように、受信システム1bは、一対の第1受信モジュール1410および第1PHY部1460と、一対の第2受信モジュール1510および第2PHY部1560と、一対の第3受信モジュール1610および第3PHY部1660と、一対の第4PHY部1760および第1デコーダ1470と、一対の第5PHY部1860および第2デコーダ1570とを有する。第1PHY部1460、第2PHY部1560および第3PHY部1660と、第4PHY部1760および第5PHY部1860とは、ネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0272】
第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のそれぞれの構成は、例えば、
図23に示す受信モジュール1310と同様であってもよい。つまり、第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のそれぞれは、デコーダからの制御情報に基づいてフレーム化部1330から出力されるETHERフレームの出力タイミングを遅延させることが可能である。また、第1受信モジュール1410は、入力端子81および94と出力端子91とを有する。第2受信モジュール1510は、入力端子82および96と出力端子95とを有する。第3受信モジュール1610は、入力端子83および98と出力端子97とを有する。
【0273】
第1PHY部1460~第5PHY部1860はそれぞれ、ネットワーク通信のインターフェースであり、例えば、PHYチップを含んで構成される。第1PHY部1460~第5PHY部1860はそれぞれ、取得したデータに対して所定の信号処理(例えば変調など)を施して出力する。
【0274】
第1デコーダ1470は、第4PHY部1760と接続される。第2デコーダ1570は、第5PHY部1860と接続される。第1デコーダ1470および第2デコーダ1570のそれぞれは、第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のそれぞれの識別設定値を予め記憶している。
【0275】
上記のように、本実施の形態に係る第1デコーダ1470および第2デコーダ1570はそれぞれ、第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のそれぞれと通信可能に接続されている。このとき、ネットワーク上における信号衝突を回避することが望まれる。そこで、本変形例では、第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のそれぞれが有する遅延調整部1390を用いて、受信モジュールの遅延量を個別に制御する。
【0276】
なお、受信システム1bが備える受信モジュールの数は3つに限定されず、4つ以上であってもよい。受信モジュールの数は、例えば、ネットワークのバス幅が最大帯域まで有効活用することが可能な数であるとよい。例えば、ネットワークのバス幅を最大帯域まで有効活用することで、例えば、
図25に示すように、複数の受信モジュールと複数のデコーダとを同時に接続することが可能となる。複数の受信モジュールを接続することで、受信モジュールごとに、異なるチャンネルまたは異なる放送方式の放送波に対する処理を行わせることができる。例えば、
図25に示すように1つのネットワーク上で、異なるチャンネルまたは異なる放送方式の放送波に基づくフレーム(例えば、ETHERフレーム)を取り扱う(例えば、存在させる)ことが可能になる。
【0277】
これにより、複数の放送ストリームを処理することができるデコーダに複数の受信モジュールを接続することができるので、デコーダのスペックを最大限に活用することが可能となる。また、受信モジュールとデコーダとの接続数に柔軟性を持たすことができるので、受信モジュールのネットワークの構築が容易になる。
【0278】
図26は、本変形例に係る受信モジュールの各構成要素の動作を示すシーケンス図である。なお、
図26では、
図25に示す第1受信モジュール1410~第3受信モジュール1610のうちの1つの受信モジュールの動作を示す。
【0279】
図26に示すように、通信制御部1380は、フレーム化部1330からETHERフレームが出力された後、後段デバイスからの情報を取得する(S601)。本変形例では、通信制御部1380は、後段デバイスの一例であるデコーダから遅延情報(例えば、ETHERフレームの出力タイミング)および当該出力タイミングでETHERフレームを出力する受信モジュールを特定するための識別情報を取得する。通信制御部1380は、当該情報を遅延調整部1390に出力する。
【0280】
遅延調整部1390は、遅延調整レジスタ部1391に記憶されている識別設定値と識別情報とを比較し、一致している場合、当該遅延情報が自モジュールに対する情報であると判定し、遅延情報に基づいて、パケット生成部1322から入力されたTLVパケットのフレーム化部1330への出力を遅延させる。遅延調整部1390は、TLVパケットのフレーム化部1330への出力をETHERフレームの出力タイミングに応じて遅延させる(S602)とも言える。ステップS602は、遅延ステップの一例である。遅延ステップでは、例えば、ETHERフレームを処理する後段デバイスからの情報に基づいて、ETHERフレームの生成が遅延される。また、遅延調整部1390がフレーム化部1330と出力端子91との間に接続されている場合、遅延ステップでは、ETHERフレームの後段デバイスへの送出が遅延される。
【0281】
次に、遅延調整部1390は、遅延情報に基づく遅延量の遅延を行った後、遅延させたTLVパケットを受信部1310aのフレーム化部1330に出力する。
【0282】
次に、受信部1310aのフレーム化部1330は、遅延調整部1390より遅延されたTLVパケットを取得し、取得したTLVパケットをETHERフレーム化したETHERフレームを生成し(S603)、生成したETHERフレームをデコーダに向けて出力する(S604)。
【0283】
各受信モジュールに対して遅延量(または出力タイミング)が異なる遅延情報が出力される。つまり、受信システム1bによれば、各受信モジュールで遅延量(または出力タイミング)を個別に制御することができる。これにより、各受信モジュールから出力されたETHERフレームがネットワーク上で衝突することを抑制することができる。
【0284】
(その他の実施の形態)
以上、各実施の形態及び変形例(以降において、実施の形態等とも記載する)について説明したが、本開示は、このような実施の形態等に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、各実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0285】
例えば、上記実施の形態等における受信モジュールを構成する各構成要素のハードウェア構成は、特に限定されないが、例えば、コンピュータで構成されてもよい。このようなハードウェア構成例について、
図27を用いて説明する。
図27は、上記の実施の形態等に係る受信モジュールの機能をソフトウェアにより実現するコンピュータ2000のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0286】
図27に示すように、コンピュータ2000は、入力装置2001と、出力装置2002と、CPU2003と、内部ストレージ2004と、RAM2005及びバス2009とを備えるコンピュータである。入力装置2001と、出力装置2002と、CPU2003と、内部ストレージ2004及びRAM2005とは、バス2009により接続される。
【0287】
入力装置2001は、コンピュータ2000に信号を入力する装置であり、信号入力端子の他、入力ボタン、タッチパッド、タッチパネルディスプレイなどといったユーザインタフェースとなる装置であってもよい。ユーザインタフェースとなる装置は、ユーザの操作を受け付ける。なお、入力装置2001は、ユーザの接触操作を受け付ける他、音声での操作、リモコン等での遠隔操作を受け付ける構成であってもよい。例えば、受信モジュールは、このような入力装置2001と接続されており、各種設定値等を取得してもよい。また、入力装置2001は、外部から各種情報が入力される入力端子81~83および94により実現されてもよい。
【0288】
出力装置2002は、コンピュータ2000からの信号を出力する装置であり、信号出力端子の他、スピーカ、ディスプレイなどといったユーザインタフェースとなる装置であってもよい。出力装置2002は、外部に生成されたフレームを出力する出力端子91~93により実現されてもよい。
【0289】
内部ストレージ2004は、フラッシュメモリなどである。また、内部ストレージ2004は、受信モジュールの各機能を実現するためのプログラム、及び、受信モジュールの機能構成を利用したアプリケーションの少なくとも一方が、予め記憶されていてもよい。
【0290】
RAM2005は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)であり、プログラム又はアプリケーションの実行に際してデータ等の記憶に利用される。
【0291】
CPU2003は、中央演算処理装置(Central Processing Unit)であり、内部ストレージ2004に記憶されたプログラム、アプリケーションをRAM2005にコピーし、そのプログラム又はアプリケーションに含まれる命令をRAM2005から順次読み出して実行する。
【0292】
各受信モジュールを構成する各構成要素のそれぞれが、上記コンピュータ2000の少なくとも一部の構成要素により実現されてもよい。
【0293】
また、実施の形態1以外の実施の形態および変形例においては、フレーム化部が生成する伝送用のフレーム(例えば、ETHERフレーム)に付加情報(例えば、受信情報)が含まれることは、必須の要件はない。
【0294】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0295】
また、上記実施の形態等のフローチャートおよびシーケンス図で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0296】
上記の受信モジュールを構成する構成要素の一部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0297】
上記の受信モジュールを構成する構成要素の一部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。上記ICカード又は上記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。上記ICカード又は上記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記ICカード又は上記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0298】
また、上記の受信モジュールを構成する構成要素の一部は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0299】
また、上記の受信モジュールを構成する構成要素の一部は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0300】
本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0301】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0302】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0303】
また、実施の形態等をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0304】
本開示は、デジタル放送波を受信する受信システムなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0305】
1、1a、1b 受信システム
10、100、310、410、510、600、810、910、1010、1110、1310 受信モジュール
20、320、1320 復調部
21、321、821、1021、1321 コア部
22、322、822、1322 パケット生成部
30、330、830、1030、1130、1330 フレーム化部
31 UDP/IP印加部
32 受信情報印加部
32a 遅延部
32b、850、1050 レジスタ部
32c、360、870、1070 選択部
32d カウンタ部
33 CRC情報印加部
34 プリアンブル印加部
40、340、1340 受信レジスタ部
50、350、1150、1350 フレームレジスタ部
60 PHY部
70 デコーダ
81~83、94、96、98 入力端子
91~93、95、97 出力端子
110、610、810a、1010a 第1受信部
120、620、1120 第1復調部
121、621、1121 第1コア部
122、622、1122 第1パケット生成部
130、630 第1フレーム化部
140、1140 第1受信レジスタ部
150 第1フレームレジスタ部
210、710、810b、1010b 第2受信部
220、720、1220 第2復調部
221、721、1221 第2コア部
222、722、1222 第2パケット生成部
230、730 第2フレーム化部
240、1240 第2受信レジスタ部
250 第2フレームレジスタ部
370、1390 遅延調整部
650 第1レジスタ部
660、860、1160 多重部
750 第2レジスタ部
1022a TSパケット生成部
1022b ストリームパケット生成部
1310a 受信部
1410 第1受信モジュール
1510 第2受信モジュール
1610 第3受信モジュール
1380 通信制御部
1391 遅延調整レジスタ部
1460 第1PHY部
1470 第1デコーダ
1560 第2PHY部
1570 第2デコーダ
1660 第3PHY部
1760 第4PHY部
1860 第5PHY部
2000 コンピュータ
2001 入力装置
2002 出力装置
2003 CPU
2004 内部ストレージ
2005 RAM
2009 バス