(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】経路情報提供装置及び経路情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20250107BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20250107BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20250107BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20250107BHJP
【FI】
G06Q10/04
G01C21/26 P
G08G1/005
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2022064548
(22)【出願日】2022-04-08
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野本 美樹
(72)【発明者】
【氏名】西山 由華
(72)【発明者】
【氏名】奥村 健一
(72)【発明者】
【氏名】富澤 亮太
(72)【発明者】
【氏名】菅野 達也
(72)【発明者】
【氏名】関 優志
(72)【発明者】
【氏名】増井 徳弘
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-163178(JP,A)
【文献】特開2010-244392(JP,A)
【文献】特開2004-045333(JP,A)
【文献】特開2022-038302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01C 21/26
G08G 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する経路情報提供装置であって、
前記グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う通信装置と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、前記1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、
前記1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、
生成された前記各メンバの移動経路と算出された前記集合時刻とを前記グループ内で共有させる共有処理と、
を実行し、
前記経路生成処理は、前記1又は複数の集合場所の1つである特定集合場所に集合不可であることを示す通知を前記グループ内の特定メンバから受け取った場合に、前記特定集合場所と比べて前記特定メンバに近い集合場所を含む代替の移動経路を生成する代替経路生成処理を含む
経路情報提供装置。
【請求項2】
複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する経路情報提供装置であって、
前記グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う通信装置と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、前記1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、
前記1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、
生成された前記各メンバの移動経路と算出された前記集合時刻とを前記グループ内で共有させる共有処理と、
を実行し、
前記共有処理は、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる集合場所の追加の要求を前記グループ内のメンバから受け付けた場合に、前記追加の要求に係る集合場所及び集合時刻を前記グループ内で共有させることを含み、
前記経路生成処理は、前記追加の要求に係る集合場所に集合不可であることを示す通知を前記グループ内の特定メンバから受け取った場合に、前記追加の要求に係る集合場所と比べて前記特定メンバに近い集合場所を含む代替の移動経路を生成する代替経路生成処理を含む
経路情報提供装置。
【請求項3】
複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する経路情報提供装置であって、
前記グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う通信装置と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、前記1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、
前記1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、
生成された前記各メンバの移動経路と算出された前記集合時刻とを前記グループ内で共有させる共有処理と、
を実行し、
前記1又は複数の集合場所の1つである特定集合場所に集合不可であることを示す通知を前記グループ内の特定メンバから受け取った場合、前記プロセッサは、前記特定集合場所の集合時刻が到来した時に、前記特定メンバと前記特定集合場所に集合しているメンバとの間での情報交換に関する注意喚起のための通知を行う通知処理を実行する
経路情報提供装置。
【請求項4】
複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する経路情報提供装置であって、
前記グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う通信装置と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、前記1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、
前記1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、
生成された前記各メンバの移動経路と算出された前記集合時刻とを前記グループ内で共有させる共有処理と、
を実行し、
前記共有処理は、前記グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる集合場所の追加の要求を前記グループ内のメンバから受け付けた場合に、前記追加の要求に係る集合場所及び集合時刻を前記グループ内で共有させることを含み、
前記追加の要求に係る集合場所に集合できないことを示す通知を前記グループ内の特定メンバから受け取った場合、前記プロセッサは、前記追加の要求に係る集合場所の集合時刻が到来した時に、前記特定メンバと前記追加の要求に係る集合場所に集合しているメンバとの間での情報交換に関する注意喚起のための通知を行う通知処理を実行する
経路情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する経路情報提供装置及び経路情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地理情報提供装置を開示している。この地理情報提供装置は、利用者によって入力された所望の地域、時間帯、自己の属性、及び嗜好に基づいて、個々の利用者の要望に適した経路を提示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
旅行等を目的とする複数人(複数のメンバにより構成されるグループ)の移動に関し、次のような課題がある。例えば体力差のある家族の旅行の例では、ある1人の嗜好、興味、又は体力等の「個人の特性」を考慮して、立ち寄り場所及び時間スケジュール等の項目を決定する必要が生じる場合がある。また、グループ内のメンバのそれぞれが別々の移動経路(個人行動)を希望する場合には、複数のメンバが合流する場所(集合場所)及び(集合時刻)をメンバ間で調整して決定することに煩わしさが生じ得る。
【0005】
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、グループ内の複数のメンバの集合に関する調整の煩わしさを低減しつつ各メンバの個人の特性を考慮した移動経路を生成できるようにした経路情報提供装置及び経路情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る経路情報提供装置は、複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する。経路情報提供装置は、通信装置と、プロセッサと、を備える。通信装置は、グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う。プロセッサは、出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、生成された各メンバの移動経路と算出された集合時刻とをグループ内で共有させる共有処理と、を実行する。経路生成処理は、1又は複数の集合場所の1つである特定集合場所に集合不可であることを示す通知をグループ内の特定メンバから受け取った場合に、特定集合場所と比べて特定メンバに近い集合場所を含む代替の移動経路を生成する代替経路生成処理を含む。
【0009】
本開示の第2の態様に係る経路情報提供装置は、複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する。経路情報提供装置は、通信装置と、プロセッサと、を備える。通信装置は、グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う。プロセッサは、出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、生成された各メンバの移動経路と算出された集合時刻とをグループ内で共有させる共有処理と、を実行する。共有処理は、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる集合場所の追加の要求をグループ内のメンバから受け付けた場合に、追加の要求に係る集合場所及び集合時刻をグループ内で共有させることを含む。経路生成処理は、追加の要求に係る集合場所に集合不可であることを示す通知をグループ内の特定メンバから受け取った場合に、追加の要求に係る集合場所と比べて特定メンバに近い集合場所を含む代替の移動経路を生成する代替経路生成処理を含む。
【0010】
本開示の第3の態様に係る経路情報提供装置は、複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する。経路情報提供装置は、通信装置と、プロセッサと、を備える。通信装置は、グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う。プロセッサは、出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、生成された各メンバの移動経路と算出された集合時刻とをグループ内で共有させる共有処理と、を実行する。1又は複数の集合場所の1つである特定集合場所に集合不可であることを示す通知をグループ内の特定メンバから受け取った場合、プロセッサは、特定集合場所の集合時刻が到来した時に、特定メンバと特定集合場所に集合しているメンバとの間での情報交換に関する注意喚起のための通知を行う通知処理を実行する。
【0011】
本開示の第4の態様に係る経路情報提供装置は、複数のメンバによって構成されるグループの移動を支援する。経路情報提供装置は、通信装置と、プロセッサと、を備える。通信装置は、グループ内の各メンバの通信端末と通信を行う。プロセッサは、出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所、1又は複数の希望集合場所、1又は複数の希望集合場所のそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性を含むメンバ情報に基づいて、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる1又は複数の集合場所を含む各メンバの移動経路を生成する経路生成処理と、1又は複数の集合場所のそれぞれの集合時刻を算出する時刻算出処理と、生成された各メンバの移動経路と算出された集合時刻とをグループ内で共有させる共有処理と、を実行する。共有処理は、グループの一部の複数のメンバもしくはすべてのメンバが集まる集合場所の追加の要求をグループ内のメンバから受け付けた場合に、追加の要求に係る集合場所及び集合時刻をグループ内で共有させることを含む。追加の要求に係る集合場所に集合できないことを示す通知をグループ内の特定メンバから受け取った場合、プロセッサは、追加の要求に係る集合場所の集合時刻が到来した時に、特定メンバと追加の要求に係る集合場所に集合しているメンバとの間での情報交換に関する注意喚起のための通知を行う通知処理を実行する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る経路情報提供装置及び経路情報提供方法のそれぞれによれば、グループ内の複数のメンバの集合に関する調整の煩わしさを低減しつつ、各メンバの個人の特性を考慮した移動経路を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係る経路情報提供装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態に係るグループGの移動支援に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】ステップS104におけるメンバM毎の処理の具体的な流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態に係る経路生成処理によって生成された各メンバMの移動経路の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る経路生成処理によって生成された各メンバMの移動経路の他の例を示す図である。
【
図6】実施の形態に係る代替経路生成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態に係る通知処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る技術思想が限定されるものではない。
【0016】
1.経路情報提供装置の構成
図1は、実施の形態に係る経路情報提供装置10の構成の一例を示す図である。経路情報提供装置(以下、単に「提供装置」と略する場合がある)10は、複数のメンバMによって構成されるグループGの移動を支援する。より詳細には、提供装置10は、グループG内の各メンバMの個人としての移動とグループGとしての移動との両立を支援する。ここでいう「移動」は、例えば、観光等を目的とする旅行である。
【0017】
「グループG」は、通信端末20をそれぞれ所持する複数(n人)のメンバM(M1~Mn)によって構成される。例えば、グループGは、複数人によって構成される1つの家族である。この例では、例えば、1つの家族を構成する複数人の1人1人がそれぞれメンバMに相当する。また、「移動」が修学旅行である例では、個々の生徒と、生徒を引率する教師のそれぞれがメンバMに相当する。なお、通信端末20を所持するメンバMの数と、旅行等の「移動」に参加する人の数とは必ずしも同じでなくてもよい。個々のメンバMは、同じ行動をする同伴者を伴っていてもよい。すなわち、あるメンバMは、メンバM本人(例えば、Aさん)とその1又は複数人の同伴者(例えば、Aさんの妻と子供)の集まりの代表者であるAさんであってもよい。
【0018】
提供装置10は、サーバーであり、グループGの移動支援に関する各種処理を実行するコンピュータである。ここでいう各種処理は、後述の「経路生成処理」、「時刻算出処理」、及び「共有処理」を含む。
【0019】
具体的には、提供装置10は、通信装置12と、プロセッサ14と、記憶装置16と、を備える。通信装置12は、無線等の通信ネットワーク1を介して通信端末20と通信を行う。
図1に示す一例では、グループGは4人のメンバM(M1~M4)によって構成されており、このため、
図1には、4台の通信端末20が例示されている。
【0020】
プロセッサ14は、上記の各種処理を実行する。記憶装置16は、各種情報を格納している。記憶装置16としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)が例示される。プロセッサ14が各種コンピュータプログラムを実行することにより、プロセッサ14による各種処理が実現される。各種プログラムは、記憶装置16に格納されている、あるいは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。なお、プロセッサ14及び記憶装置16は複数であってもよい。
【0021】
各通信端末20は、例えば、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータである。通信端末20は、プロセッサ、記憶装置及び通信装置を備えている。また、通信端末20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの信号に基づいて、当該通信端末20を所持するメンバMの位置情報を取得できる。
【0022】
2.グループGの移動支援
グループG内の複数のメンバMの集合に関する調整の煩わしさを低減しつつ各メンバMの個人の特性を考慮した移動経路を生成可能とする移動支援の実現のために、経路情報提供装置10のプロセッサ14は、「経路生成処理」、「時刻算出処理」、及び「共有処理」を実行する。
【0023】
具体的には、経路生成処理において、プロセッサ14は、メンバ情報MIに基づいて、グループGの一部の複数のメンバMもしくはすべてのメンバMが集まる1又は複数の集合場所Yを含む各メンバMの移動経路(例えば、後述の
図4又は5参照)を生成する。各メンバMのメンバ情報MIは、出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所X、1又は複数の希望集合場所Yr、1又は複数の希望集合場所Yrのそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性Cを含む。
【0024】
時刻算出処理において、プロセッサ14は、1又は複数の集合場所Yのそれぞれの集合時刻を算出する。そして、共有処理において、プロセッサ14は、生成された各メンバMの移動経路と算出された集合時刻とをグループG内で共有させる。
【0025】
図2は、実施の形態に係るグループGの移動支援に関する処理の流れを示すフローチャートである。提供装置10のユーザは、通信端末20を利用して、移動支援のための専用のアプリケーションを起動させて、氏名及びメールアドレス等の当該ユーザを特定する個人情報を入力し、アプリケーションの会員登録を行う。そして、会員登録を済ませたユーザは、通信端末20を用いてグループGの情報及びメンバ情報MIを入力(登録)することができる。入力されたグループGの情報及びメンバ情報MIは、記憶装置16のユーザ情報データベースに格納される。
【0026】
図2では、ステップS100において、プロセッサ14は、ユーザによって新たなグループGが登録されたか否かをユーザ情報データベースの情報に基づいて判定する。その結果、新たなグループGが作成(登録)された場合、処理はステップS102に進む。
【0027】
ステップS102において、プロセッサ14は、ユーザ情報データベースの情報に基づいて、グループGの各メンバMを取得(特定)する。ユーザ情報データベース内のグループGの情報は、例えば、当該グループGを構成する各メンバMを特定する個人情報(例えば、氏名)を含む。
【0028】
ステップS104において、プロセッサ14は、グループGに属するメンバM毎の処理を実行する。
図3は、ステップS104におけるメンバM毎の処理の具体的な流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えばすべてのメンバMのメンバ情報MIの入力が完了している状態において、メンバM毎に実行される。
【0029】
図3では、ステップS200~S210において、プロセッサ14は、ユーザ情報データベースの情報に基づいて、メンバMの出発地、出発時刻、1又は複数の立ち寄り場所X、1又は複数の希望集合場所Yr、1又は複数の希望集合場所Yrのそれぞれの到着時刻、及び、個人の特性Cを順に取得する。
【0030】
立ち寄り場所Xは、例えば、各種観光スポット、及び各種店舗(例えば、飲食店)を含む。集合場所Yは、例えば、各種観光スポット及び各種店舗とともに、宿泊施設及びメンバMの家を含む。
【0031】
個人の特性Cは、個人の嗜好及び興味に関する情報を含む。また、個人の特性Cは、例えば、年齢等の身体的特徴を示す情報を含んでもよい。さらに、個人の特性Cは、例えば、自動車等の車両の運転免許の所有の有無を示す情報を含んでもよい。
【0032】
また、メンバ情報MIは、1又は複数の立ち寄り場所Xの滞在希望時間の情報を含んでもよい。同様に、メンバ情報MIは、1又は複数の希望集合場所Yrの滞在希望時間の情報を含んでもよい。
【0033】
次いで、ステップS212において、プロセッサ14は、上述の「経路生成処理」を実行する。具体的には、記憶装置16には、経路生成の基礎となる様々な情報(例えば、道路交通情報及び路線情報等の各種交通情報、道路地図及び路線図等の各種地図情報、各種観光スポットに関する情報、及び各種店舗に関する情報)を記憶する経路情報データベースも格納されている。プロセッサ14は、所定の経路探索アルゴリズムを実行することによって、メンバ情報MI及び経路情報データベースの情報に基づくメンバMの移動経路を生成する。
【0034】
図4は、実施の形態に係る経路生成処理によって生成された各メンバMの移動経路の一例を示す図である。
図4は、グループGを構成するメンバMがメンバM1~M4の4人の例に対応している。
【0035】
出発地は、例えば、鉄道の駅、又は各メンバMの家である。
図4に示す一例では、メンバM1~M4の出発地は同じである。また、
図4に示すように、各メンバM1~M4の移動経路は、メンバMによって数及び場所が異なる立ち寄り場所X(例えば、X11~X13、X21、X22、X31~X33、及びX41~X43)を含んでいる。これらの立ち寄り場所Xは、各メンバMの希望(メンバ情報MI)に沿って含められている。
【0036】
さらに、各メンバM1~M4の移動経路は、上述の集合場所Yの例である集合場所Y1及びY2を含んでいる。経路生成処理において、プロセッサ14は、各メンバM1~M4のメンバ情報MIに含まれる希望集合場所Yr及びその到着時刻を基礎としつつ、当該希望集合場所Yrと各自の立ち寄り場所Xとの関係を考慮して集合場所Y1及びY2を決定する。付け加えると、メンバ情報MIは、プロセッサ14による集合場所Yの決定において立ち寄り場所Xと希望集合場所Yrのどちらを優先するかを示す情報を含んでいてもよい。そして、プロセッサ14は、当該優先に関する情報をも考慮して集合場所Yを決定してもよい。
【0037】
図4に示す移動経路の例は、経由地である集合場所Y1と、宿泊施設又は家等の最終的な目的地(最終到着地)である集合場所Y2とを含んでいる。この例に代え、集合場所Yは、1つ、又は3つ以上であってもよい。また、集合場所Yは、1又は複数の経由地のみであってもよい。すなわち、最終的な目的地は、メンバM毎に異なっていてもよい。また、集合場所Yは、最終的な目的地のみであってもよい。
【0038】
また、経路生成処理は、各メンバMの移動経路上の各区間(例えば、出発地と立ち寄り場所Xとの間、2つの立ち寄り場所Xの間、及び、立ち寄り場所Xと集合場所Yとの間)におけるメンバMの移動手段を決定する処理を含む。移動手段は、例えば、自動運転車両、電車、新幹線、バス、タクシー、船、及び飛行機等の移動体と、徒歩とを含む。また、観光地での移動の例では、移動手段は、例えば、人力車、及び、ホテルの送迎サービスによって提供される車両も含む。
【0039】
プロセッサ14は、上述のメンバ情報MIを考慮して、各メンバMの移動経路上の各区間の移動手段を決定する。この際、プロセッサ14は、複数のメンバMがある区間を同じ移動手段で移動するように移動手段を決定してもよい。より詳細には、プロセッサ14は、例えば、出発地から集合場所Yまでは各メンバMが個別の移動手段を利用して移動し、当該集合場所Yにおいて合流した複数のメンバMがその後に同じ移動手段を利用して移動するように移動手段を決定してもよい。逆に、プロセッサ14は、例えば、出発地から集合場所Yまでは複数のメンバMが同じ移動手段を利用して移動し、当該集合場所Yへの到着後は各メンバMが個別の移動手段を利用して移動するように移動手段を決定してもよい。
【0040】
また、プロセッサ14は、個人の特性Cを考慮して移動手段を次のように決定してもよい。すなわち、例えば、メンバMの身体的特徴が次のように考慮されてもよい。例えば、メンバMが高齢者の場合には、プロセッサ14は、公共交通機関(例えば、バス)及び徒歩を除外したり、徒歩の時間を短く制限したりしつつ、当該メンバMの移動手段を決定してもよい。あるいは、車椅子を使用しているメンバMの例では、プロセッサ14は、バリアフリー対応の車両を移動手段の選択肢に加えてもよい。付け加えると、プロセッサ14は、当該メンバMに対し、バリアフリー対応の店舗を立ち寄り場所Xの1つとして提示してもよい。さらに、例えば、自動車等の車両の運転免許を所有するメンバMの例では、レンタカーを移動手段の選択肢に加えてもよい。
【0041】
図5は、実施の形態に係る経路生成処理によって生成された各メンバMの移動経路の他の例を示す図である。
図5に示す移動経路の例は、以下に説明される点において
図4に示す例と相違している。すなわち、出発地(X10、X20、及びX30-X40)が、メンバM1と、メンバM2と、メンバM3及びM4との間で異なっている。また、この例は、グループGを構成する一部の複数のメンバM1及びM2のみが集まる集合場所Y3(経由地)を含んでいる。なお、経由地に代え、あるいはそれとともに、最終的な目的地が、グループGを構成する一部の複数の複数のメンバMのみが集まる集合場所Yであってもよい。また、各メンバMの出発日は必ずしも同じでなくてもよい。
【0042】
ステップS212に続くステップS214において、プロセッサ14は、上述の「時刻算出処理」を実行する。具体的には、プロセッサ14は、ステップS212において生成した1又は複数の集合場所Yのそれぞれの集合時刻を算出する。当該集合時刻は、例えば、それぞれの移動経路に沿って移動する各メンバMの集合場所Yへの到着予測時刻に基づいて決定される。集合時刻は、
図4に示す例では集合場所Y1及びY2のそれぞれに対して算出され、
図5に示す例では集合場所Y1~Y3のそれぞれに対して算出される。
【0043】
次に、ステップS216において、プロセッサ14は、ステップS212において生成された移動経路とステップS214において算出された集合時刻とを、当該移動経路を利用するメンバMに対して提示する。具体的には、当該移動経路及び集合時刻に関する通知が、当該メンバMの通信端末20に送信される。
【0044】
付け加えると、ステップS214及びS216の処理に付随して、プロセッサ14は、1又は複数の集合場所Yの滞在時間を自動的に算出し、移動経路及び集合時刻とともにメンバMに提示(通知)してもよい。同様に、プロセッサ14は、1又は複数の立ち寄り場所Xの滞在時間を自動的に算出し、移動経路及び集合時刻とともにメンバMに提示(通知)してもよい。
【0045】
次に、ステップS218において、プロセッサ14は、移動経路及び集合時刻に関する通知を受け取ったメンバMが当該移動経路及び集合時刻を承認したか否かを判定する。この判定は、例えば、通信端末20を用いる当該メンバMによって承認操作及び不承認操作のどちらがなされたかに基づいて行うことができる。
【0046】
ステップS218の判定結果がYesの場合(メンバMが移動経路及び集合時刻を承認した場合)には、
図3に示すフローチャートの処理が終了する。一方、当該判定結果がNoの場合(メンバMが移動経路及び集合時刻を承認しなかった場合)には、プロセッサ14は、当該メンバMに受け入れられる移動経路及び集合時刻を提示するために、ステップS212以降の処理を再度実行し、移動経路及び集合時刻の少なくとも一方を修正する。この修正のために、プロセッサ14は、当該修正に関する要望を示す情報をメンバMから受け取ってもよい。
【0047】
図2において、ステップS104に続くステップS106の処理は、
図3に示すフローチャートの処理においてすべてのメンバMが移動経路及び集合時刻を承認した後に実行される。ステップS106において、プロセッサ14は、上述の「共有処理」を実行する。すなわち、プロセッサ14は、生成された各メンバMの移動経路と算出された集合時刻とをグループG内で共有させる処理を実行する。
【0048】
具体的には、共有処理における情報共有のために、プロセッサ14は、例えば、各メンバMの移動経路及び集合時刻に関する情報をすべてのメンバMの通信端末20に対して送信することによって、すべてのメンバMに通知する。当該通知は、例えば、電子メール又はチャットを利用して行うことができる。より詳細には、当該情報共有のための情報は、例えば、各メンバMの移動経路及び集合時刻を記載したテキストメールとして、又は、各メンバMの移動経路及び集合時刻を表示するウェブサイトのリンクとして送信される。
【0049】
次に、ステップS108において、プロセッサ14は、グループGの移動が完了したか否かを判定する。この判定は、例えば、移動が完了したことを提供装置10に知らせるための通信端末20の所定の操作がすべてのメンバMによってなされたか否かに基づいて行うことができる。
【0050】
ステップS108の判定結果がYesの場合(グループGの移動が完了した場合)には、
図2に示すフローチャートの処理が終了する。すなわち、提供装置10による移動支援が終了する。
【0051】
一方、ステップS108の判定結果がNoの場合(グループGの移動が完了していない場合)には、プロセッサ14は、ステップS102以降の処理を繰り返し実行する。すなわち、提供装置10は、グループGの移動が完了するまで、メンバMの変更(追加又は削除等)、及び、ステップS200~S210に対応するメンバ情報MIの変更を受け付けている。そして、メンバMの変更、又はメンバ情報MIの変更がなされた場合、プロセッサ14は、当該変更に応じて、該当するメンバMの移動経路及び集合時刻を更新する。
【0052】
(集合追加時の処理)
提供装置10による支援を利用する移動の実行中に(例えば、予め設定された集合場所Yの集合時刻の到来前に)、メンバMが集合場所Yの追加を希望することが想定される。
【0053】
この点に関し、上述のように実行される
図2に示すフローチャートの処理によれば、グループGの一部の複数のメンバMもしくはすべてのメンバMが集まる集合場所Yの追加の要求をあるメンバMからメンバ情報MIの変更によって受け付けた場合、プロセッサ14は、追加の要求に係る希望集合場所Yrに基づく集合場所Yを含むように、当該追加に関係するメンバMの移動経路を更新する(ステップS212)。また、プロセッサ14は、追加の要求に係る集合場所Yの集合時刻を算出する(ステップS214)。そして、プロセッサ14は、追加の要求に係る集合場所Yを含む移動経路及び集合時刻をグループG内で共有させる(ステップS106)。
【0054】
上述のように、「共有処理」は、上記の「追加の要求」をあるメンバMからメンバ情報MIの変更によって受け付けた場合に、当該追加の要求に係る集合場所Y及び集合時刻をグループG内で共有させることを含んでいる。付け加えると、この共有のためのメンバMへの集合場所Y及び集合時刻の通知は、当該追加の要求の対象となるメンバMのみに対して行われてもよく、又は、すべてのメンバMに対して行われてもよい。
【0055】
3.効果
以上説明したように、本実施形態に係る経路情報提供装置10によれば、グループGでの旅行等の移動計画において、グループGに属する各メンバMの移動経路が、個人の嗜好等の「個人の特性」を考慮して自動的に生成される。各メンバMの移動経路には、グループGの一部の複数のメンバMもしくはすべてのメンバMが集まる1又は複数の集合場所Yが含まれる。また、当該1又は複数の集合場所Yのそれぞれの集合時刻が自動的に算出される。そして、各メンバMの移動経路及び集合時刻をグループG内で共有させる共有処理が実行される。
【0056】
上述のように、経路情報提供装置10によれば、グループG内の複数のメンバMの集合に関する調整の煩わしさを低減しつつ、各メンバMの個人の特性を考慮した移動経路を生成することが可能となる。すなわち、グループG内の各メンバMの個人としての移動と集団としての移動との両立を良好に支援することができる。
【0057】
また、上述した集合追加時の処理によれば、あるメンバMは、提供装置10による支援を利用する移動中の状況(例えば、後述の移動当日の事情)に応じて、少なくとも一部の複数のメンバMの集合を提供装置10を利用して追加的に設定し、当該追加の集合に関する情報をメンバM間で共有することが可能となる。
【0058】
4.集合不可時の処理
提供装置10による支援を利用する移動の当日の事情により、あるメンバMが、事前に設定された集合場所Yに集合時刻通りに集合できなくなることが想定される。ここでいう移動当日の事情とは、例えば、メンバMが高齢であるために、当該集合場所Yにまで徒歩で向かうのが困難となったこと、又は、立ち寄り場所Xが混雑していることである。この点に鑑み、プロセッサ14は、次のような「代替経路生成処理」及び「通知処理」の少なくとも一方を実行してもよい。
【0059】
4-1.代替経路生成処理
図6は、実施の形態に係る代替経路生成処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、提供装置10による支援を利用する移動の実行中に実行される。なお、代替経路生成処理は、上述の経路生成処理に含まれる。また、
図3に示すステップS212の処理が実行された場合と同様に、プロセッサ14は、代替経路生成処理によって代替の移動経路を生成した後に、ステップS214~S218、及びステップS106及びS108の処理を実行するものとする。
【0060】
ステップS300において、プロセッサ14は、通信端末20を操作するメンバM(説明の便宜上、「特定メンバ」と称する)から、既にグループG内で共有されている集合場所Yに集合不可であることを示す通知(連絡)を受け取ったか否かを判定する。ここでいう「既にグループG内で共有されている集合場所Y」は、提供装置10による支援を利用する移動の開始前に設定された1又は複数の集合場所Yの1つ(説明の便宜上、「特定集合場所」と称する)と、追加の要求に係る集合場所Yとを含む。また、ここでいう「通知」は、例えば、集合不可と判断したメンバM(特定メンバ)から提供装置10に対して自発的に行われる。また、提供装置10からの「追加の要求に係る集合場所Y」の提示に対してメンバM(特定メンバ)が不承認の回答を行うことが当該「通知」の他の例に相当する。なお、「特定メンバ」は、1人又は複数人であってもよい。
【0061】
ステップS300においてプロセッサ14が当該通知を受け取っている場合、処理はステップS302に進む。ステップS302において、プロセッサ14は、当該通知を行ったメンバM(特定メンバ)によって集合不可とされた集合場所(特定集合場所、又は追加の要求に係る集合場所Y)と比べて当該メンバMに近い集合場所Yを含む代替の移動経路を生成する。プロセッサ14は、上記通知を行ったメンバMから、集合可能な希望集合場所Yr及び集合時刻の少なくとも一方を受け取り、受け取った集合場所Y及び集合時刻の少なくとも一方を基礎として、代替の移動経路を生成してもよい。
【0062】
以上説明したように、代替経路生成処理によれば、移動当日の事情に起因して既にグループG内で共有されている集合場所Yへの集合が困難となったメンバMと集まり易くすることが可能となる。
【0063】
4-2.通知処理
図7は、実施の形態に係る通知処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、提供装置10による支援を利用する移動の実行中に繰り返し実行される。より詳細には、このフローチャートの処理は、集合不可であることを示す通知を行ったメンバM(特定メンバ)、及び、集合不可とされた集合場所(特定集合場所、又は追加の要求に係る集合場所Y)に集合しているメンバMの双方を対象として、メンバM毎に実行される。
【0064】
図7では、プロセッサ14は、まず、
図6と同様のステップS300の処理を実行する。その結果、ステップS300においてプロセッサ14が上記通知(集合不可であることを示す通知)を受け取っている場合、処理はステップS400に進む。
【0065】
ステップS400において、プロセッサ14は、上記通知を行ったメンバM(特定メンバ)によって集合不可とされた集合場所(特定集合場所、又は追加の要求に係る集合場所Y)の集合時刻が到来したか否かを判定する。その結果、当該集合時刻が到来した場合(ステップS400;Yes)、処理はステップS402に進む。
【0066】
ステップS402において、プロセッサ14は、
図7に示す処理の対象となるメンバMが、上記集合場所の集合時間帯にメンバM間での通話を許可しているか否かを判定する。この判定に必要な通話の許可/不許可の情報は、例えば、提供装置10による支援を利用する移動の開始前に入力されるメンバ情報MIに含まれている。
【0067】
ステップS402の判定結果がYesの場合(すなわち、メンバMが集合時間帯における通話を許可している場合)には、処理はステップS404に進む。ステップS404において、プロセッサ14は、
図7に示す処理の対象となるメンバMに対し、上記通知を行ったメンバM(特定メンバ)と上記集合場所(特定集合場所、又は追加の要求に係る集合場所Y)に集合するメンバMとの間での通話に関する注意喚起のための通知(例えば、ポップアップ通知)を行う。
【0068】
一方、ステップS402の判定結果がNoの場合(すなわち、メンバMが集合時間帯における通話を許可していない場合)には、処理はステップS406に進む。
【0069】
ステップS406において、プロセッサ14は、
図7に示す処理の対象となるメンバMが、上記集合場所の集合時間帯に他のメンバMからの通知の表示を許可しているか否かを判定する。この判定に必要な通知の表示の許可/不許可の情報は、例えば、提供装置10による支援を利用する移動の開始前に入力されるメンバ情報MIに含まれている。より詳細には、ここでいう「通知の表示」は、通信端末20の画面に表示される通知に関するものであり、離れた場所にいるメンバM同士でお互いの情報(例えば、メンバMの食事内容に関する写真等の情報)を交換するためのものである。当該通知は、例えば、チャットもしくは電子メールの送信、又は、写真等のデータファイルの相互共有を利用して行われる。
【0070】
ステップS406の判定結果がYesの場合(すなわち、メンバMが集合時間帯における通知の表示を許可している場合)には、処理はステップS408に進む。ステップS408において、プロセッサ14は、
図7に示す処理の対象となるメンバMに対し、上記通知を行ったメンバM(特定メンバ)と上記集合場所(特定集合場所、又は追加の要求に係る集合場所Y)に集合するメンバMとの間での通知の表示に関する注意喚起のための通知(例えば、ポップアップ通知)を行う。
【0071】
一方、ステップS406の判定結果がNoの場合(すなわち、メンバMが集合時間帯における通知の表示を許可していない場合)には、
図7に示すフローチャートの処理が終了する。
【0072】
以上説明したように、通知処理によれば、移動当日の事情に起因して集合が困難となったメンバM間での集合時間帯における情報交換(通話、又は通知の表示)によるリアルタイムな情報の共有を支援することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 通信ネットワーク
10 経路情報提供装置
12 通信装置
14 プロセッサ
16 記憶装置
20 通信端末