(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】状態検出システムおよび接続ケーブル
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250107BHJP
B60L 53/18 20190101ALI20250107BHJP
B60L 53/53 20190101ALI20250107BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/18
B60L53/53
(21)【出願番号】P 2022073426
(22)【出願日】2022-04-27
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生島 嘉大
(72)【発明者】
【氏名】中村 優誠
(72)【発明者】
【氏名】銭花 理香子
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0008994(US,A1)
【文献】特開2022-042344(JP,A)
【文献】特開平11-285109(JP,A)
【文献】特開2012-162176(JP,A)
【文献】特開2013-246701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/18
B60L 53/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部を備える蓄電車両と電動車両と接続ケーブルとの接続状態を検出する状態検出システムであって、
前記電動車両と前記蓄電車両とを電気的に接続可能で、かつ、前記蓄電車両同士を電気的に接続可能な接続ケーブルと、
前記接続ケーブルの接続状態を判定する判定部と、
前記電動車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、
前記蓄電車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部と、を備え、
前記判定部は、前記第1検出部および前記第2検出部の検出結果に基づき、前記接続ケーブルの接続状態を判定
し、
前記電動車両は、電動車両側端子を含み、
前記蓄電車両は、蓄電車両側端子を含み、
前記接続ケーブルは、
ケーブル部分と、
前記ケーブル部分の両端に設けられている一対のコネクタと、を含み、
前記一対のコネクタの各々は、
前記電動車両側端子と接続可能であるとともに前記蓄電車両側端子とは接続不可な第1端子と、
前記蓄電車両側端子と接続可能であるとともに前記電動車両側端子とは接続不可な第2端子と、を有し、
前記第1検出部は、前記第1端子の電気的な状態に基づき、前記電動車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出し、
前記第2検出部は、前記第2端子の電気的な状態に基づき、前記蓄電車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する、状態検出システム。
【請求項2】
前記接続ケーブルは、前記蓄電車両と外部充電器とを電気的に接続可能であり、
前記接続ケーブルと前記外部充電器との電気的な接続状態を検出する第3検出部をさらに備え、
前記判定部は、前記第3検出部の検出結果に基づき、前記接続ケーブルの接続状態を判定する、請求項
1に記載の状態検出システム。
【請求項3】
前記外部充電器は、充電器側端子を含み
、
前記一対のコネクタの各々は、前記充電器側端子と接続
可能であるとともに前記電動車両側端子および前記蓄電車両側端子の各々とは接続不可な第3端子を有し、
前記第3検出部は、前記第3端子の電気的な状態に基づき、前記外部充電器と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する、請求項
2に記載の状態検出システム。
【請求項4】
蓄電部を備える蓄電車両と電動車両とを電気的に接続可能で、かつ、前記蓄電車両同士を電気的に接続可能な接続ケーブルであって、
前記電動車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、
前記蓄電車両と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部と、
ケーブル部分と、
前記ケーブル部分の両端に設けられている一対のコネクタと、を備え
、
前記電動車両は、電動車両側端子を含み、
前記蓄電車両は、蓄電車両側端子を含み、
前記一対のコネクタの各々は、
前記電動車両側端子と接続可能であるとともに前記蓄電車両側端子とは接続不可な第1端子と、
前記蓄電車両側端子と接続可能であるとともに前記電動車両側端子とは接続不可な第2端子と、を含み、
前記第1検出部は、前記第1端子の電気的な状態に基づき、前記電動車両との電気的な接続状態を検出し、
前記第2検出部は、前記第2端子の電気的な状態に基づき、前記蓄電車両との電気的な接続状態を検出する、接続ケーブル。
【請求項5】
前記蓄電車両と外部充電器とを電気的に接続可能であり、
前記外部充電器と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第3検出部をさらに備える、請求項
4に記載の接続ケーブル。
【請求項6】
前記外部充電器は、充電器側端子を含み、
前記一対のコネクタの各々は、前記充電器側端子と接続可能であるとともに前記電動車両側端子および前記蓄電車両側端子の各々とは接続不可な第3端子を有し、
前記第3検出部は、前記第3端子の電気的な状態に基づき、前記外部充電器と前記接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する、請求項5に記載の接続ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、状態検出システムおよび接続ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-246701号公報(特許文献1)には、サーバと、電気自動車と、電気自動車に離脱可能に接続されるバッテリトレーラとを備えるバッテリトレーラシステムが開示されている。バッテリトレーラは、電気自動車との接続エラー等の情報を含む接続状況情報をサーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、電気自動車は1台のバッテリトレーラのみから電力が供給されることが開示されている一方、動作中の電気自動車に複数のバッテリトレーラから電力が供給されることが考慮されていない。このため、電気自動車は十分な電力量がバッテリトレーラから供給されずに、動作中に電力不足により停止する場合があると考えられる。したがって、電気自動車(電動車両)の動作中にバッテリトレーラから電気自動車に十分な量の電力を供給することが望まれている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電動車両の動作中に蓄電車両から電動車両に十分な量の電力を供給することが可能な状態検出システムおよび接続ケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の局面に係る状態検出システムは、蓄電部を備える蓄電車両と電動車両と接続ケーブルとの接続状態を検出する状態検出システムであって、電動車両と蓄電車両とを電気的に接続可能で、かつ、蓄電車両同士を電気的に接続可能な接続ケーブルと、接続ケーブルの接続状態を判定する判定部と、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部と、を備え、判定部は、第1検出部および第2検出部の検出結果に基づき、接続ケーブルの接続状態を判定する。
【0007】
本開示の第1の局面に係る状態検出システムには、上記のように、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部とが備えられる。また、判定部は、第1検出部および第2検出部の検出結果に基づき、接続ケーブルの接続状態を判定する。これにより、判定部は、第1検出部および第2検出部の各々の検出結果に基づき、電動車両と蓄電車両とを接続する接続ケーブルの接続状態を判定することができる。また、判定部は、第2検出部の検出結果に基づき、蓄電車両同士を接続する接続ケーブルの接続状態を判定することができる。その結果、電動車両と第1の蓄電車両とを接続ケーブルにより接続し、かつ、第1の蓄電車両と第2の蓄電車両とを接続ケーブルにより接続した状態で、第1および第2の蓄電車両の各々から接続ケーブルを介して、より確実に電動車両に電力を供給することができる。これにより、電動車両の動作中に電動車両に十分な量の電力を供給することができる。
【0008】
上記第1の局面に係る状態検出システムにおいて、好ましくは、電動車両は、電動車両側端子を含み、蓄電車両は、蓄電車両側端子を含み、接続ケーブルは、ケーブル部分と、ケーブル部分の両端に設けられている一対のコネクタを含み、一対のコネクタの各々は、電動車両側端子と接続する第1端子と、蓄電車両側端子と接続する第2端子とを有し、第1検出部は、第1端子の電気的な状態に基づき、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出し、第2検出部は、第2端子の電気的な状態に基づき、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する。これにより、第1検出部は、第1端子の電気的な状態を検出することによって、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を容易に検出することができる。また、第2検出部は、第2端子の電気的な状態を検出することによって、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を容易に検出することができる。
【0009】
上記第1の局面に係る状態検出システムにおいて、好ましくは、接続ケーブルは、蓄電車両と外部充電器とを電気的に接続可能であり、接続ケーブルと外部充電器との電気的な接続状態を検出する第3検出部をさらに備え、判定部は、第3検出部の検出結果に基づき、接続ケーブルの接続状態を判定する。このように構成すれば、判定部は、第3検出部の検出結果に基づき、蓄電車両と外部充電器とを接続する接続ケーブルの接続状態を判定することができる。その結果、接続ケーブルを介して外部充電器から蓄電車両に、より確実に電力を供給することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、外部充電器は、充電器側端子を含み、接続ケーブルは、ケーブル部分と、ケーブル部分の両端に設けられている一対のコネクタを含み、一対のコネクタの各々は、充電器側端子と接続する第3端子を有し、第3検出部は、第3端子の電気的な状態に基づき、外部充電器と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する。このように構成すれば、第3検出部は、第3端子の電気的な状態を検出することによって、外部充電器と接続ケーブルとの電気的な接続状態を容易に検出することができる。
【0011】
本開示の第2の局面に係る接続ケーブルは、蓄電部を備える蓄電車両と電動車両とを電気的に接続可能で、かつ、蓄電車両同士を電気的に接続可能な接続ケーブルであって、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部と、を備える。
【0012】
本開示の第2の局面に係る接続ケーブルでは、上記のように、電動車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第1検出部と、蓄電車両と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第2検出部とが備えられる。これにより、第1検出部および第2検出部の各々の検出結果に基づいて電動車両と第1の蓄電車両との間において接続ケーブルを介した電力の授受をより確実に行うことができる。また、第2検出部の検出結果に基づいて第1の蓄電車両と第2の蓄電車両との間において接続ケーブルを介した電力の授受をより確実に行うことができる。その結果、電動車両と第1の蓄電車両とを接続ケーブルにより接続し、かつ、第1の蓄電車両と第2の蓄電車両とを接続ケーブルにより接続した状態で、第1および第2の蓄電車両の各々から接続ケーブルを介して、より確実に電動車両に電力を供給することができる。これにより、電動車両の動作中に電動車両に十分な量の電力を供給することが可能な接続ケーブルを提供することができる。
【0013】
上記第2の局面に係る接続ケーブルにおいて、好ましくは、接続ケーブルは、蓄電車両と外部充電器とを電気的に接続可能であり、外部充電器と接続ケーブルとの電気的な接続状態を検出する第3検出部を備える。これにより、第3検出部の検出結果に基づいて蓄電車両と外部充電器との間において接続ケーブルを介した電力の授受をより確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、電動車両の動作中に蓄電車両から電動車両に十分な量の電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態による状態検出システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2(A)は、外部充電器とバッテリトレーラとが接続ケーブルにより接続されている状態を示す図である。
図2(B)は、外部充電器と電動車両とが接続ケーブルにより接続されている状態を示す図である。
【
図3】
図3(A)は、コネクタの端子構造を示す図である。
図3(B)は、電動車両の端子構造を示す図である。
図3(C)は、バッテリトレーラの端子構造を示す図である。
図3(D)は、外部充電器の端子構造を示す図である。
【
図4】コネクタの各端子の状態とコネクタの状態(接続状態)との関係を示す図である。
【
図5】一実施形態の変形例による状態検出システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る状態検出システム100の構成を示す図である。
図1では、一例として、1台の電動車両10と、2台のバッテリトレーラ20とが接続されている状態における状態検出システム100が図示されている。
【0018】
図1に示すように、状態検出システム100は、複数(
図1では2本)の接続ケーブル1を含む。一方の接続ケーブル1は、電動車両10とバッテリトレーラ20とを、電気的かつ物理的に接続している。他方の接続ケーブル1は、2台のバッテリトレーラ20を電気的かつ物理的に接続している。
図1および以下の説明では適宜、説明のために後方のバッテリトレーラ20をバッテリトレーラ20Aと記載する。なお、バッテリトレーラ20は、本開示の「蓄電車両」の一例である。
【0019】
電動車両10は、荷役搬送用の車両である。電動車両10は、バッテリ11と、バッテリコントローラ12と、端子部13(
図3(B)参照)とを含む。電動車両10は、バッテリ11の電力を用いて走行および荷役搬送等の動作を行う。バッテリコントローラ12は、バッテリ11の電力(電圧および電流)状態や温度等を管理する。端子部13には、接続ケーブル1のコネクタ2(後述)が接続される。なお、バッテリコントローラ12は、本開示の「第1検出部」の一例である。
【0020】
バッテリトレーラ20は、走行用電池パック21と、電池コントローラ22と、端子部23(
図3(C)参照)とを含む。バッテリトレーラ20は、電動車両10による荷役作業中等に、接続ケーブル1を介して走行用電池パック21の電力を電動車両10に供給する。電池コントローラ22は、走行用電池パック21の電力(電圧および電流)状態や温度等を管理する。なお、走行用電池パック21および電池コントローラ22は、それぞれ、本開示の「蓄電部」および「第2検出部」の一例である。
【0021】
端子部23には、接続ケーブル1のコネクタ2(後述)が接続される。端子部23は、バッテリトレーラ20の前方側および後方側の各々に設けられている。したがって、バッテリトレーラ20は、前方側および後方側の各々に接続ケーブル1が接続可能に構成されている。
【0022】
バッテリトレーラ20Aの走行用電池パック21Aおよび電池コントローラ22Aは、それぞれ、走行用電池パック21および電池コントローラ22と同じ構成である。バッテリトレーラ20Aは、電動車両10による荷役作業中等に、接続ケーブル1を介して走行用電池パック21Aの電力を電動車両10に供給する。なお、図示は省略するが、バッテリトレーラ20Aは、バッテリトレーラ20の端子部23と同じ構成の端子部を有している。
【0023】
バッテリトレーラ20の走行用電池パック21の容量は、電動車両10のバッテリ11の容量よりも大きい。これにより、電動車両10の動作可能時間を、走行用電池パック21の電力により容易に長くする(たとえば2倍以上にする)ことが可能である。
【0024】
接続ケーブル1は、ケーブル部分1aと、ケーブル部分1aの両端に設けられている一対のコネクタ2とを含む。ケーブル部分1aには、制御コントローラ1bが設けられている。また、一対のコネクタ2の各々には、コネクタ2の各端子(2a~2e)の電流値または電圧値等を検知するセンサ3が設けられている。なお、センサ3は、本開示の「第1検出部」、「第2検出部」、および、「第3検出部」の一例である。また、制御コントローラ1bは、本開示の「判定部」の一例である。
【0025】
接続ケーブル1は、コネクタ2が電動車両10の端子部13(
図3(B)参照)に接続されることにより、電動車両10と電気的に接続される。また、接続ケーブル1は、コネクタ2がバッテリトレーラ20の端子部23(
図3(C)参照)に接続されることにより、バッテリトレーラ20と電気的に接続される。
【0026】
また、
図2(A)に示すように、接続ケーブル1は、コネクタ2が外部充電器30に接続されることにより、外部充電器30と電気的に接続される。これにより、接続ケーブル1により、外部充電器30とバッテリトレーラ20とを電気的に接続可能である。
【0027】
また、
図2(B)に示すように、接続ケーブル1により、外部充電器30と電動車両10とを電気的に接続可能である。
【0028】
外部充電器30は、電源部31と、電源コントローラ32と、端子部33(
図3(D)参照)とを含む。外部充電器30は、電源部31の電力を用いてバッテリトレーラ20および電動車両10を充電する。電源コントローラ32は、電源部31の電力(電圧および電流)状態や温度等を管理する。端子部33には、接続ケーブル1のコネクタ2が接続される。なお、電源コントローラ32は、本開示の「第3検出部」の一例である。
【0029】
図3(A)に示すように、コネクタ2は、正極端子2aと、負極端子2bと、電動車両用端子2cと、充電器用端子2dと、トレーラ用端子2eとを含む。これらの各端子(2a~2e)は、格子状(マトリクス状)に配置されている。なお、各端子(2a~2e)の配置はこれに限られない。また、電動車両用端子2cおよび充電器用端子2dは、それぞれ、本開示の「第1端子」および「第3端子」の一例である。また、トレーラ用端子2eは、本開示の「第2端子」の一例である。また、正極端子2aおよび負極端子2bは、本開示の「第1端子」、「第2端子」、および、「第3端子」の一例である。
【0030】
正極端子2aおよび負極端子2bは、電源用の端子である。また、電動車両用端子2cは、接続ケーブル1と電動車両10とを電気的に接続するための端子である。また、トレーラ用端子2eは、接続ケーブル1とバッテリトレーラ20とを電気的に接続するための端子である。また、充電器用端子2dは、接続ケーブル1と外部充電器30とを電気的に接続するための端子である。
【0031】
図3(B)に示すように、電動車両10の端子部13は、正極端子13aと、負極端子13bと、端子13cとを含む。正極端子13a、負極端子13b、および、端子13cは、それぞれ、コネクタ2の正極端子2a、負極端子2b、および、電動車両用端子2cと接続される。なお、正極端子13a、負極端子13b、および、端子13cは、本開示の「電動車両側端子」の一例である。
【0032】
図3(C)に示すように、バッテリトレーラ20の端子部23は、正極端子23aと、負極端子23bと、端子23eとを含む。正極端子23a、負極端子23b、および、端子23eは、それぞれ、コネクタ2の正極端子2a、負極端子2b、および、トレーラ用端子2eと接続される。なお、正極端子23a、負極端子23b、および、端子23eは、本開示の「蓄電車両側端子」の一例である。
【0033】
図3(D)に示すように、外部充電器30の端子部33は、正極端子33aと、負極端子33bと、端子33dとを含む。正極端子33a、負極端子33b、および、端子33dは、それぞれ、コネクタ2の正極端子2a、負極端子2b、および、充電器用端子2dと接続される。なお、正極端子33a、負極端子33b、および、端子33dは、本開示の「充電器側端子」の一例である。
【0034】
電動車両10のバッテリコントローラ12は、電動車両10に接続されているコネクタ2のセンサ3の検出値を取得する。バッテリコントローラ12は、取得された検出値に基づき、正極端子2a、負極端子2b、および、電動車両用端子2cの各々が導通状態(
図4の「○」参照)で、かつ、トレーラ用端子2eおよび充電器用端子2dの各々が非導通状態(
図4の「×」参照)であることを検知した場合(
図4の「電動車両接続」の欄参照)に、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されていると判定する。なお、バッテリコントローラ12は、上記以外の場合は、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと判定する。
【0035】
バッテリトレーラ20の電池コントローラ22は、バッテリトレーラ20に接続されているコネクタ2のセンサ3の検出値を取得する。電池コントローラ22は、取得された検出値に基づき、正極端子2a、負極端子2b、および、トレーラ用端子2eの各々が導通状態で、かつ、電動車両用端子2cおよび充電器用端子2dの各々が非導通状態であることを検知した場合(
図4の「バッテリトレーラ接続」の欄参照)に、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていると判定する。なお、電池コントローラ22は、上記以外の場合は、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと判定する。
【0036】
外部充電器30の電源コントローラ32は、外部充電器30に接続されているコネクタ2のセンサ3の検出値を取得する。電源コントローラ32は、取得された検出値に基づき、正極端子2a、負極端子2b、および、充電器用端子2dの各々が導通状態で、かつ、電動車両用端子2cおよびトレーラ用端子2eの各々が非導通状態であることを検知した場合(
図4の「充電器接続」の欄参照)に、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていると判定する。なお、電池コントローラ22は、上記以外の場合は、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと判定する。
【0037】
なお、バッテリコントローラ12(電池コントローラ22、電源コントローラ32)は、正極端子2a、負極端子2b、電動車両用端子2c、トレーラ用端子2e、および、充電器用端子2dの各々が非導通状態であることを検知した場合(
図4の「未接続」の欄参照)、コネクタ2が未接続であると判定する。また、バッテリコントローラ12(電池コントローラ22、電源コントローラ32)は、電動車両用端子2c、トレーラ用端子2e、および、充電器用端子2dのうち2つ以上が導通状態であることを検知した場合(
図4の「故障」の欄の上欄参照)、コネクタ2が故障していると判定する。また、バッテリコントローラ12(電池コントローラ22、電源コントローラ32)は、正極端子2aおよび負極端子2bが導通状態であるにも拘わらず、電動車両用端子2c、トレーラ用端子2e、および、充電器用端子2dの各々が非導通状態であることを検知した場合(
図4の「故障」の欄の下欄参照)、コネクタ2が故障していると判定する。バッテリコントローラ12(電池コントローラ22、電源コントローラ32)は、コネクタ2が故障している(未接続)と判定した場合に、電動車両10(バッテリトレーラ20、外部充電器30)にコネクタ2(接続ケーブル1)が故障(未接続)状態であることを通知してもよい。
【0038】
ここで、
図1に示す例では、電動車両10とバッテリトレーラ20とを接続する接続ケーブル1の制御コントローラ1bは、電動車両10のバッテリコントローラ12およびバッテリトレーラ20の電池コントローラ22の各々の上記判定結果(本開示の「検出結果」の一例)に基づき、接続ケーブル1の接続状態を判定する。具体的には、制御コントローラ1bは、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されているとバッテリコントローラ12により判定され、かつ、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていると電池コントローラ22により判定された場合に、接続ケーブル1により電動車両10とバッテリトレーラ20とが正常に接続されていると判定する。
【0039】
また、制御コントローラ1bは、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されていないとバッテリコントローラ12により判定された場合、および、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと電池コントローラ22により判定された場合の少なくとも一方において、接続ケーブル1により電動車両10とバッテリトレーラ20とが正常に接続されていないと判定する。
【0040】
また、バッテリトレーラ20同士を接続する接続ケーブル1の制御コントローラ1bは、2つのバッテリトレーラ20の各々の電池コントローラ22の上記判定結果(本開示の「検出結果」の一例)に基づき、接続ケーブル1の接続状態を判定する。具体的には、制御コントローラ1bは、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていると2つの電池コントローラ22の各々により判定された場合に、接続ケーブル1によりバッテリトレーラ20同士が正常に接続されていると判定する。
【0041】
また、制御コントローラ1bは、2つの電池コントローラ22の少なくとも一方によりバッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと判定された場合に、接続ケーブル1によりバッテリトレーラ20同士が正常に接続されていないと判定する。
【0042】
また、
図2(A)に示す例では、バッテリトレーラ20と外部充電器30とを接続する接続ケーブル1の制御コントローラ1bは、バッテリトレーラ20の電池コントローラ22および外部充電器30の電源コントローラ32の各々の上記判定結果(本開示の「検出結果」の一例)に基づき、接続ケーブル1の接続状態を判定する。具体的には、制御コントローラ1bは、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていると電池コントローラ22により判定され、かつ、外部充電器30と接続ケーブル1とが正常に接続されていると電源コントローラ32により判定された場合に、接続ケーブル1によりバッテリトレーラ20と外部充電器30とが正常に接続されていると判定する。
【0043】
また、制御コントローラ1bは、バッテリトレーラ20と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと電池コントローラ22により判定された場合、および、外部充電器30と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと電源コントローラ32により判定された場合の少なくとも一方において、接続ケーブル1によりバッテリトレーラ20と外部充電器30とが正常に接続されていないと判定する。
【0044】
また、
図2(B)に示す例では、電動車両10と外部充電器30とを接続する接続ケーブル1の制御コントローラ1bは、電動車両10のバッテリコントローラ12および外部充電器30の電源コントローラ32の各々の上記判定結果(本開示の「検出結果」の一例)に基づき、接続ケーブル1の接続状態を判定する。具体的には、制御コントローラ1bは、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されているとバッテリコントローラ12により判定され、かつ、外部充電器30と接続ケーブル1とが正常に接続されていると電源コントローラ32により判定された場合に、接続ケーブル1により電動車両10と外部充電器30とが正常に接続されていると判定する。
【0045】
また、制御コントローラ1bは、電動車両10と接続ケーブル1とが正常に接続されていないとバッテリコントローラ12により判定された場合、および、外部充電器30と接続ケーブル1とが正常に接続されていないと電源コントローラ32により判定された場合の少なくとも一方において、接続ケーブル1により電動車両10と外部充電器30とが正常に接続されていないと判定する。
【0046】
制御コントローラ1bは、接続ケーブル1による接続が正常であると判定した場合に、接続ケーブル1による電力の授受を可能とする。具体的には、制御コントローラ1bは、接続ケーブル1による接続が正常であると判定した場合に、接続ケーブル1に設けられる図示しないリレー(システムのメインリレー)を制御することにより、電力の授受が遮断された状態を解除する。なお、制御コントローラ1bは、接続ケーブル1による接続が正常ではないと判定した場合、リレーの制御を行わずに、電力の授受が遮断された状態を維持する。
【0047】
以上のように、本実施形態においては、制御コントローラ1bは、バッテリコントローラ12および電池コントローラ22の判定結果に基づき、接続ケーブル1の接続状態を判定する。これにより、制御コントローラ1bにより、電動車両10とバッテリトレーラ20とが接続ケーブル1により正常に接続されたことが確認された状態で、接続ケーブル1を通じた電力の授受を行うことができる。また、制御コントローラ1bにより、バッテリトレーラ20同士が接続ケーブル1により正常に接続されたことが確認された状態で、接続ケーブル1を通じた電力の授受を行うことができる。その結果、電動車両10と、複数のバッテリトレーラ20とを接続ケーブル1により接続した状態で、複数のバッテリトレーラ20の各々から電動車両10に電力を供給することができる。これにより、電動車両10の走行(作業)時間を容易に長くすることができる。
【0048】
また、電動車両10とバッテリトレーラ20とを接続する接続ケーブル1と、バッテリトレーラ20同士を接続する接続ケーブル1とを共通化することができる。その結果、部品の種類数を低減することができる。
【0049】
また、上記実施形態では、センサ3の検出値を取得した各車両(充電器)のコントローラ(12、22、32)が、コネクタ2の接続が正常か否かを判定する例を示したが、本開示はこれに限られない。
図5に示すように、上記判定を行うコントローラ42aがコネクタ42に設けられいてもよい。この場合、接続ケーブル41の制御コントローラ1bは、一対のコネクタ42の各々のコントローラ42aの判定に基づき、接続ケーブル41の接続が正常か否かを判定する。なお、コントローラ42aは、本開示の「第1検出部」、「第2検出部」、および、「第3検出部」の一例である。
【0050】
また、上記実施形態では、接続ケーブル1に設けられた制御コントローラ1bが、接続ケーブル1の接続状態が正常か否かを判定する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、電動車両10のバッテリコントローラ12、バッテリトレーラ20の電池コントローラ22、および、外部充電器30の電源コントローラ32の少なくとも1つが、接続ケーブル1の接続状態が正常か否かを判定してもよい。また、接続ケーブル1、電動車両10、バッテリトレーラ20、および、外部充電器30とは別個に、接続ケーブル1の接続状態が正常か否かを判定するサーバが備えられていてもよい。この場合、上記サーバは、通信により各コネクタ2の接続状態に関する情報を取得してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、バッテリ11を管理するバッテリコントローラ12、走行用電池パック21を管理する電池コントローラ22、および、電源部31を管理する電源コントローラ32の各々が、コネクタ2の接続状態を判定(検出)する例を示したが、本開示はこれに限られない。電動車両10(バッテリトレーラ20、外部充電器30)において、バッテリコントローラ12(電池コントローラ22、電源コントローラ32)とは別個に、上記判定(検出)専用のコントローラが設けられていてもよい。
【0052】
なお、上記実施形態に記載されている構成、および、上記の各種変形例は、任意に組み合わされて実施されてもよい。
【0053】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
1、41 接続ケーブル,1a ケーブル部分,1b 制御コントローラ(判定部),2、42 コネクタ,2a 正極端子(第1端子)(第2端子)(第3端子),2b 負極端子(第1端子)(第2端子)(第3端子),2c 電動車両用端子(第1端子),2d 充電器用端子(第3端子),2e トレーラ用端子(第2端子),3 センサ(第1検出部)(第2検出部)(第3検出部),10 電動車両,13a 正極端子(電動車両側端子),13b 負極端子(電動車両側端子),13c 端子(電動車両側端子),12 バッテリコントローラ(第1検出部),20 バッテリトレーラ(蓄電車両),21 走行用電池パック(蓄電部),22 電池コントローラ(第2検出部),23a 正極端子(蓄電車両側端子),23b 負極端子(蓄電車両側端子), 23e 端子(蓄電車両側端子),32 電源コントローラ(第3検出部),33a 正極端子(充電器側端子),33b 負極端子(充電器側端子),33d 端子(充電器側端子),100 状態検出システム。