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  • 特許-容器ラベル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】容器ラベル
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20250107BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20250107BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20250107BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G09F3/00 M
G06K19/07 230
G06K19/077 224
B65D25/20 P
G09F3/00 D
G09F3/00 S
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023165893
(22)【出願日】2023-09-27
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下沢 智啓
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-95520(JP,A)
【文献】特開2020-46838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00- 3/20
G06K 19/07-19/18
B65D 23/00-25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明なシールに配置された無線タグ回路素子と、
電子レンジによる加熱時間が表示された表示部を有し、容器に貼り付けられるベースラベルと、
を備え、
前記シールは、前記表示部に貼り付けられる、
容器ラベル。
【請求項2】
前記シールと前記ベースラベルとの間に配置されるセパレータをさらに備える、
請求項1に記載の容器ラベル。
【請求項3】
前記セパレータは、所定の厚さを有する樹脂製の板状部材である、
請求項2に記載の容器ラベル。
【請求項4】
前記セパレータは、前記シールの方向に面するシール側面部、前記表示部の方向に面する表示部側面部、および、前記シール側面部と前記表示部側面部との間に配置される中空部を有する、
請求項3に記載の容器ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗において、個品管理のために無線タグを貼り付けることが検討されている。
無線タグが貼り付けられた状態のお弁当を店舗内の電子レンジで温める場合、電子レンジの電磁波による発熱で、無線タグが燃えて危険である。そのため、電子レンジの電磁波による発熱から保護するような無線タグが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アンテナおよびICチップを備え、アンテナはインピーダンスステップを備え、アンテナが電子レンジの電磁波を照射されるとき、アンテナがインピーダンスステップを備えないときよりも、ICチップに流れる電流が減少することで、電子レンジの電磁波による発熱から無線タグを保護する無線タグが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、無線タグが電子レンジに投入されてしまう可能性を低減することができる無線タグ検出装置が開示されている。当該無線タグ検出装置は、取付部と、アンテナと、送信部と、報知部と、を備え、取付部は、電子レンジに取り付けられる。アンテナは、取付部が取り付けられる電子レンジの発熱対象物が置かれる発熱室の投入口の前方の領域に向けられる。送信部は、アンテナに電磁波を送信させる。報知部は、送信部が送信した電磁波を受信した無線タグから、当該無線タグが記憶するタグ情報を受信したことを条件に、報知する。
【0005】
なお、無線タグは、RFIDタグとも呼ばれる。RFIDは、Radio Frequency Identificationの略称である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-083412号公報
【文献】特開2019-100663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された無線タグのように、電子レンジの電磁波による発熱から無線タグを保護する無線タグは、高価であり、汎用の無線タグをそのまま使えることが安価であり、望ましい。
【0008】
また、特許文献2に記載された無線タグ検出装置では、電子レンジに取り付けられる無線タグ検出装置の分だけ、電子レンジの価格が上がるという問題がある。
【0009】
本開示の目的は、容器に貼り付けられた無線タグを、電子レンジによる加熱前に容器から外す作業の必要性を高めることが可能な容器ラベルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本開示における容器ラベルは、
不透明なシールに配置された無線タグ回路素子と、
電子レンジによる加熱時間が表示された表示部を有し、容器に貼り付けられるベースラベルと、
を備え、
前記シールは、前記表示部に貼り付けられる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電子レンジによる加熱前に容器から無線タグを外す作業の必要性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施の形態における容器ラベルを示す図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、シールが外された容器ラベルを示す図である。
図4図4は、本実施の形態の変形例におけるセパレータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における容器ラベルを示す図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図1および図2に示す容器ラベル100は、無線タグ200と、ベースラベル500と、セパレータ600とを備えている。無線タグ200は、シール300と無線タグ回路素子400とを備えている。図2に示す左右方向を「長手方向」という。また、図2に示す上下方向を表裏方向、上方向を「表面側」または「シール側」といい、下方向を「裏面側」又は「ベースラベル側」という。
【0014】
シール300は、不透明な樹脂製のシールである。シール300は、長手方向を長尺方向とする長尺状のシールである。シール300の裏側面には、粘着性を有するセパレータ600が配置されている。つまり、シール300(無線タグ200)は、セパレータ600によってベースラベル500に貼り付けられ、さらに、当該ベースラベル500を介して容器1に貼り付けられている。
【0015】
(無線タグ回路素子400)
無線タグ回路素子400は、シール300に配置されている。無線タグ回路素子400は、ループアンテナ部410と、IC回路部420と、キャパシティハット部430と、メアンダラインアンテナ部440とを有している。ループアンテナ部410は、シール300の中央部に配置されている。ループアンテナ部410は、リーダライタ(不図示)が有するアンテナと非接触で信号の送受信を行う。これにより、リーダライタは、ループアンテナ部410を介して、IC回路部420が有する記憶部からタグ情報を読み取り可能となる。
【0016】
IC回路部420は、ループアンテナ部410により受信された搬送波を整流する整流部(不図示)、ループアンテナ部410により受信された所定の情報信号を記憶する記憶部(不図示)、無線タグ回路素子400の作動を制御する制御部(不図示)と、を有している。
【0017】
キャパシティハット部430は、シール300の両端部のそれぞれに配置されている。キャパシティハット部430は、無線タグ回路素子400の駆動電源とするように、整流部により整流された搬送波のエネルギーを蓄積する。
【0018】
メアンダラインアンテナ部440は、シール300の両端部のそれぞれに配置されている。メアンダラインアンテナ部440は、一端および他端を有し、一端にループアンテナ部410が接続され、他端にキャパシティハット部430が接続されている。
【0019】
図3は、シールが外された容器ラベルを示す図である。
ベースラベル500は、粘着部(不図示)により容器1に貼り付けられる。ベースラベル500の表面側には、『商品名』、『原材料名』、『賞味期限』および『レンジ加熱目安』が表示されている(図3を参照)。
【0020】
なお、図3には、『商品名』、『原材料名』および『賞味期限』のそれぞれの項目が表示され、『商品名』、『原材料名』および『賞味期限』のそれぞれの記載内容は、省略されている。また、図3には、『レンジ加熱目安』の項目、および、『レンジ加熱目安』の記載内容である『1500W 1分』、『500W 3分』が表示されている。『レンジ加熱目安』の記載内容が表示される表示部が、本開示における「表示部」に対応し、電子レンジによる加熱時間が表示される表示部である。図2に表示部510を示す。シール300(無線タグ200)は、表示部510に貼り付けられる。図1に、「レンジ加熱目安」の項目を覆わずに、「レンジ加熱目安」の記載内容を覆うように貼り付けられるシール300(無線タグ200)を示す。
(セパレータ600)
セパレータ600は、シール300とベースラベル500との間に配置されている。セパレータ600の裏面側には粘着シール(不図示)が配置されている。当該粘着シールをベースラベル500とで表裏方向から挟むようにはくり紙(不図示)が配置されている。はくり紙は、粘着シールによってシール300(無線タグ200)がベースラベル500に貼り付けられる前に粘着シールから外される。また、粘着シールは、シール300(無線タグ200)がベースラベル500から外されるとき、ベースラベル500を損傷させない程度の粘着力を有している。
【0021】
セパレータ600は、所定の厚さを有する樹脂製の板状部材である。なお、セパレータ600の厚さや、樹脂材料の種類は、容器1に貼り付けられたシール300(無線タグ200)とリーダライタ(不図示)との間の距離(通信可能距離)の観点から、また、シール300(無線タグ200)が貼り付けられる容器1の材料(金属や、樹脂)に応じて設定され、実験や、シミュレーションにより求めることが可能である。換言すれば、セパレータ600の厚さを調整することや、樹脂材料の種類を変更することにより、通信可能距離を調整するこが可能となる。
【0022】
上記実施の形態における容器ラベル100は、不透明なシール300に配置された無線タグ回路素子400と、電子レンジによる加熱時間が表示された表示部510を有し、容器1に貼り付けられるベースラベル500と、を備え、シール300は、表示部510に貼り付けられる。
【0023】
上記構成により、無線タグ200が貼り付けられた状態の弁当などを電子レンジで加熱する前に表示部510に表示された加熱時間を確認するため、表示部510に貼り付けられているシール300(無線タグ200)を容器1から外す必要がある。これにより、電子レンジによる加熱前にシール300(無線タグ200)を容器1から外す作業の必要性を高めることが可能となる。
【0024】
(変形例)
図4は、本実施の形態の変形例におけるセパレータの断面図である。上記実施の形態におけるセパレータ600は、所定の厚さを有する樹脂製の板状部材である。本開示はこれに限らず、セパレータ600は、図4に示すように、表面側(シール側)に面するシール側面部610、裏面側(ベースラベル側)に面するベースラベル側面部620、および、シール側面部610とベースラベル側面部620との間に配置される中空部630を有してもよい。これにより、シール側面部610およびベースラベル側面部620のそれぞれの厚さや、中空部630の表裏方向の寸法を変更することにより、シール300(無線タグ200)とリーダライタ(不図示)との間の通信可能距離を調整するこが可能となる。
【0025】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本開示は、電子レンジによる加熱前に容器から無線タグを外す作業の必要性を高めることが要求される容器ラベルが貼り付けられる商品や製品に好適に利用される。
【符号の説明】
【0027】
1 容器
100 容器ラベル
200 無線タグ
300 シール
400 無線タグ回路素子
410 ループアンテナ部
420 IC回路部
430 キャパシティハット部
440 メアンダラインアンテナ部
500 ベースラベル
510 表示部
600 セパレータ
610 シール側面部
620 ベースラベル側面部
630 中空部
【要約】
【課題】容器に貼り付けられた無線タグを、電子レンジによる加熱前に容器から外す作業の必要性を高めることが可能な容器ラベルを提供する。
【解決手段】容器ラベルは、不透明なシールに配置された無線タグ回路素子と、電子レンジによる加熱時間が表示された表示部を有し、容器に貼り付けられるベースラベルと、を備え、シールは、表示部に貼り付けられる。例えば、シールとベースラベルとの間に配置されるセパレータをさらに備える。また、例えば、セパレータは、所定の厚さを有する樹脂製の板状部材である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4