(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】燃焼装置およびガスタービンシステム
(51)【国際特許分類】
F23R 3/36 20060101AFI20250107BHJP
F23R 3/10 20060101ALI20250107BHJP
F23R 3/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
F23R3/36
F23R3/10
F23R3/00 D
(21)【出願番号】P 2023508891
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2022009178
(87)【国際公開番号】W WO2022202196
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2021054176
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2019年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎太朗
(72)【発明者】
【氏名】内田 正宏
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-019195(JP,A)
【文献】特開2004-138376(JP,A)
【文献】特開平11-270356(JP,A)
【文献】特開平06-066156(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03517757(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/36
F02C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に開口が設けられ、内部に燃焼室が形成されるライナと、
前記ライナの前記開口と連通する空気流路と、
前記ライナの前記開口に挿通されるアンモニア供給管と、
前記アンモニア供給管と前記空気流路との間に配置される起動用燃料供給管と、
を備え
、
前記アンモニア供給管は、前記起動用燃料供給管に挿通されている、
燃焼装置。
【請求項2】
前記起動用燃料供給管と前記空気流路との間に配置される遮熱管を備える、
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記アンモニア供給管は、内管および外管を含む二重筒構造を有し、
前記空気流路は、前記内管に対して径方向内側に配置される第1空気流路と、前記外管に対して径方向外側に配置される第2空気流路とを含み、
前記起動用燃料供給管は、前記内管と前記第1空気流路との間に配置される第1起動用燃料供給管と、前記外管と前記第2空気流路との間に配置される第2起動用燃料供給管とを含む、
請求項1または2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記第1起動用燃料供給管と前記第1空気流路との間に配置される第1遮熱管と、
前記第2起動用燃料供給管と前記第2空気流路との間に配置される第2遮熱管と、
を備える、
請求項3に記載の燃焼装置。
【請求項5】
前記起動用燃料供給管は、前記アンモニア供給管の外周面を覆う管を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の燃焼装置を備える、
ガスタービンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃焼装置およびガスタービンシステムに関する。本出願は2021年3月26日に提出された日本特許出願第2021-054176号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
燃焼器で燃料を燃焼させることによって動力を得るガスタービンシステムが利用されている。ガスタービンシステムとして、例えば、特許文献1に開示されているように、アンモニアを燃料として用いるものがある。アンモニアを燃料として用いることによって、二酸化炭素の排出が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスタービンシステムとして、アンモニアを気化器によって気化した後に燃焼器の燃焼室に供給するものがある。気化器が用いられることは、ガスタービンシステムにおける設備コストおよび起動時間の増大の要因となる。気化器を用いずに、液体のアンモニアを燃焼室に供給することが考えられる。この場合、液体のアンモニアは、アンモニア供給管を通って燃焼室に送られる。燃焼室に供給される高温の空気によってアンモニア供給管が加熱され、アンモニアの気化が生じるおそれがある。アンモニア供給管内においてアンモニアが気化すると、アンモニアの噴射量が不安定になってしまう。
【0005】
本開示の目的は、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化を抑制することが可能な燃焼装置およびガスタービンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の燃焼装置は、端部に開口が設けられ、内部に燃焼室が形成されるライナと、ライナの開口と連通する空気流路と、ライナの開口に挿通されるアンモニア供給管と、アンモニア供給管と空気流路との間に配置される起動用燃料供給管と、を備え、アンモニア供給管は、起動用燃料供給管に挿通されている。
【0007】
起動用燃料供給管と空気流路との間に配置される遮熱管を備えてもよい。
【0008】
アンモニア供給管は、内管および外管を含む二重筒構造を有し、空気流路は、内管に対して径方向内側に配置される第1空気流路と、外管に対して径方向外側に配置される第2空気流路とを含み、起動用燃料供給管は、内管と第1空気流路との間に配置される第1起動用燃料供給管と、外管と第2空気流路との間に配置される第2起動用燃料供給管とを含んでもよい。
【0009】
第1起動用燃料供給管と第1空気流路との間に配置される第1遮熱管と、第2起動用燃料供給管と第2空気流路との間に配置される第2遮熱管と、を備えてもよい。起動用燃料供給管は、アンモニア供給管の外周面を覆う管を含んでもよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本開示のガスタービンシステムは、上記の燃焼装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係るガスタービンシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1の変形例に係るバーナを示す拡大断面図である。
【
図3】
図3は、第2の変形例に係るバーナを示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、第3の変形例に係るバーナを示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るガスタービンシステム1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、ガスタービンシステム1は、過給機11と、発電機12と、燃焼器13と、バーナ14と、アンモニアタンク15と、第1流量制御弁16と、起動用燃料タンク17と、第2流量制御弁18とを備える。
【0015】
ガスタービンシステム1のうち、燃焼器13と、バーナ14と、アンモニアタンク15と、第1流量制御弁16と、起動用燃料タンク17と、第2流量制御弁18とが、燃焼装置10に含まれる。
【0016】
過給機11は、圧縮機11aとタービン11bとを有する。圧縮機11aおよびタービン11bは、一体として回転する。圧縮機11aとタービン11bとは、シャフトによって連結されている。
【0017】
圧縮機11aは、燃焼器13と接続される吸気流路21に設けられている。吸気流路21には、燃焼器13に供給される空気が流通する。吸気流路21の上流側の端部には、空気が外部から取り込まれる不図示の吸気口が設けられる。吸気口から取り込まれた空気は、圧縮機11aを通過して、燃焼器13に送られる。圧縮機11aは、空気を圧縮して下流側に吐出する。
【0018】
タービン11bは、燃焼器13と接続される排気流路22に設けられている。排気流路22には、燃焼器13から排出された排気ガスが流通する。排気流路22の下流側の端部には、排気ガスが外部に排出される不図示の排気口が設けられる。燃焼器13から排出された排気ガスは、タービン11bを通過して、排気口に送られる。タービン11bは、排気ガスによって回されることによって、回転動力を生成する。
【0019】
発電機12は、過給機11と接続される。発電機12は、過給機11によって生成された回転動力を用いて発電する。
【0020】
燃焼器13は、ケーシング13aと、ライナ13bと、燃焼室13cとを有する。ケーシング13aは、略円筒形状を有する。ケーシング13aの内部に、ライナ13bが設けられる。ライナ13bは、略円筒形状を有する。ライナ13bは、ケーシング13aと同軸上に配置される。ライナ13bの内部には、燃焼室13cが形成されている。つまり、ライナ13bの内部空間が燃焼室13cに相当する。燃焼室13cは、略円柱形状の空間である。燃焼室13cには、排気流路22が接続されている。
【0021】
後述するように、燃焼室13cに、燃料および空気が供給される。燃焼室13c内では、主にアンモニアが燃料として用いられ、燃焼が行われる。なお、後述するように、燃焼室13cに供給される燃料として、アンモニアの他に、起動用燃料(例えば、天然ガスまたは水素等)も用いられる。起動用燃料は、ガスタービンシステム1の起動のために用いられる燃料である。燃焼室13c内での燃焼により生じた排気ガスは、排気流路22に排出される。
【0022】
ライナ13bは、本体部13dを有する。本体部13dは、円筒形状を有する。本体部13dの内部に、燃焼室13cが形成されている。本体部13dの端部には、連通部13eが設けられている。連通部13eは、ライナ13bの外部(具体的には、後述する空気流路23)と燃焼室13cとを連通する。連通部13eは、円筒形状を有し、本体部13dと同軸上に配置されている。連通部13eの外径は、本体部13dの外径よりも小さい。連通部13eの内径は、本体部13dの内径よりも小さい。なお、連通部13eの内径は、本体部13d側に進むにつれて小さくなっていてもよい。連通部13e内には、空気の旋回流を形成するための旋回翼等の各種部材が設けられていてもよい。連通部13eのうち本体部13d側と逆側の端部には、開口13fが設けられている。このように、開口13fは、ライナ13bの端部に設けられている。
【0023】
ケーシング13aの内面とライナ13bの外面との間には、空気流路23が形成されている。空気流路23には、吸気流路21が接続されている。空気流路23には、吸気流路21を介して圧縮機11aから空気が送られる。空気流路23は、ライナ13bの開口13fと連通している。ライナ13bの開口13fには、バーナ14が挿通されている。矢印F1により示すように、空気流路23に送られた空気は、空気流路23を通過した後、ライナ13bの開口13fを通って燃焼室13cに噴射される。具体的には、空気流路23に送られた空気は、連通部13eの内周面とバーナ14の外周面(具体的には、後述する起動用燃料供給管32の外周面)との間を通って燃焼室13cに噴射される。
【0024】
バーナ14は、アンモニア供給管31と、起動用燃料供給管32とを有する。アンモニア供給管31は、燃焼室13cにアンモニアを供給するための管である。アンモニア供給管31によって区画される空間をアンモニアが流通する。起動用燃料供給管32は、燃焼室13cに起動用燃料を供給するための管である。起動用燃料供給管32によって区画される空間を起動用燃料が流通する。
【0025】
アンモニア供給管31および起動用燃料供給管32は、円筒形状を有する。起動用燃料供給管32は、アンモニア供給管31と同軸上に、アンモニア供給管31に対して径方向外側に配置される。起動用燃料供給管32は、アンモニア供給管31の外周面を覆う。つまり、アンモニア供給管31が起動用燃料供給管32に挿通され、起動用燃料供給管32がアンモニア供給管31の外周面に対向する。ただし、起動用燃料供給管32の中心軸とアンモニア供給管31の中心軸とは、一致していなくてもよい。起動用燃料供給管32は、アンモニア供給管31と空気流路23との間に配置される。
【0026】
アンモニア供給管31および起動用燃料供給管32は、ライナ13bの開口13fに挿通されている。アンモニア供給管31および起動用燃料供給管32の先端は、例えば、軸方向において、ライナ13bの本体部13dと連通部13eとの段差部の近傍に位置する。アンモニア供給管31および起動用燃料供給管32は、ケーシング13aを貫通して、ケーシング13aの外部まで延在する。
【0027】
以下、バーナ14の径方向、バーナ14の軸方向、および、バーナ14の周方向を、単に径方向、軸方向および周方向とも呼ぶ。バーナ14における燃焼室13c側(
図1中の右側)を先端側と呼び、バーナ14における燃焼室13c側に対する逆側(
図1中の左側)を後端側と呼ぶ。
【0028】
アンモニア供給管31のうちケーシング13aより外側の部分には、アンモニアタンク15が接続されている。アンモニアタンク15には、液体のアンモニアが貯蔵されている。アンモニアタンク15とアンモニア供給管31とを接続する流路には、第1流量制御弁16が設けられている。アンモニアタンク15に貯蔵されるアンモニアは、アンモニア供給管31に供給される。第1流量制御弁16は、アンモニアタンク15からアンモニア供給管31に供給されるアンモニアの流量を制御(つまり、調整)する。
【0029】
アンモニア供給管31の先端には、噴射弁33が設けられている。矢印F2により示すように、アンモニア供給管31に供給されたアンモニアは、アンモニア供給管31の内部空間を流れる。アンモニア供給管31内を通過したアンモニアは、噴射弁33から燃焼室13c内に噴射(具体的には、噴霧)される。噴射弁33は、例えば、圧力噴射弁(つまり、噴射弁の内外の圧力差を利用して液体を微粒化するもの)または気流噴射弁(つまり、噴射対象の液体の膜を生成し、その膜と空気との剪断力を利用して液体を微粒化するもの)である。
【0030】
起動用燃料供給管32のうちケーシング13aより外側の部分には、起動用燃料タンク17が接続されている。起動用燃料タンク17には、天然ガスまたは水素等の起動用燃料が貯蔵されている。起動用燃料タンク17と起動用燃料供給管32とを接続する流路には、第2流量制御弁18が設けられている。起動用燃料タンク17に貯蔵される起動用燃料は、起動用燃料供給管32に供給される。第2流量制御弁18は、起動用燃料タンク17から起動用燃料供給管32に供給される起動用燃料の流量を制御(つまり、調整)する。
【0031】
矢印F3により示すように、起動用燃料供給管32に供給された起動用燃料は、起動用燃料供給管32の内周部と、アンモニア供給管31の外周部との間の空間内を流れる。当該空間内を通過した起動用燃料は、起動用燃料供給管32の先端と、アンモニア供給管31の先端との間の円環形状の開口から燃焼室13c内に噴射される。上記のように、起動用燃料供給管32は、アンモニア供給管31に対して径方向に離隔している。つまり、起動用燃料供給管32の内径は、アンモニア供給管31の外径よりも大きい。
【0032】
アンモニアは、他の燃料と比べると燃焼しにくい性質(つまり、難燃性)を有する。ゆえに、ガスタービンシステム1の起動時(つまり、燃焼装置10の起動時)には、燃焼室13c内において、起動用燃料を用いて点火が行われる。具体的には、起動用燃料供給管32から燃焼室13cへ起動用燃料が供給されている状態で、図示しない点火装置によって点火が行われる。つまり、起動用燃料は、点火用の燃料として用いられる。
【0033】
その後、燃焼室13cへの起動用燃料の供給量が徐々に増加し、燃焼室13cへのアンモニアの供給を開始したとしても燃焼室13cにおける燃焼性が所定の水準以上に維持される状態となる。この状態で、アンモニア供給管31から燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始される。このように、起動用燃料は、助燃用の燃料(つまり、燃焼を補助するための燃料)としても用いられる。なお、燃焼室13cへのアンモニアの供給の開始後において、燃焼室13cへの起動用燃料の供給は、継続してもよく、停止してもよい。
【0034】
仮に、本実施形態と異なり、アンモニア供給管31と空気流路23との間に起動用燃料供給管32が配置されていない場合、アンモニア供給管31は、空気流路23を通過する高温(例えば、350℃程度)の空気に晒される。ゆえに、アンモニア供給管31が空気流路23を通過する空気によって直接的に加熱され、アンモニア供給管31内のアンモニアの気化が生じるおそれがある。アンモニア供給管31内においてアンモニアが気化すると、燃焼室13cへのアンモニアの噴射量が不安定になってしまう。さらに、アンモニア供給管31内で気化したアンモニアは、噴射弁33での圧力低下に伴い再度液化する。ゆえに、アンモニア供給管31内および噴射弁33内において、アンモニアの気化および液化が繰り返される。このような現象も、燃焼室13cへのアンモニアの噴射量が不安定になってしまう要因となる。
【0035】
上述したように、起動用燃料を用いた点火が行われた後に、燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始される。ゆえに、アンモニア供給管31の外周面が起動用燃料供給管32によって覆われていない場合、燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始されるまでの期間において、アンモニア供給管31は、空気流路23を通過する空気によって直接的に加熱され続ける。よって、特に、燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始される時点において、アンモニア供給管31内でのアンモニアの気化が生じやすくなる。
【0036】
上記で説明したように、本実施形態に係るガスタービンシステム1の燃焼装置10では、起動用燃料供給管32は、アンモニア供給管31の周面(具体的には、外周面)を覆い、アンモニア供給管31と空気流路23との間に配置される。つまり、径方向において、アンモニアの流路と空気流路23との間に、起動用燃料の流路が介在する。それにより、空気流路23を通過する空気によってアンモニア供給管31が直接的に加熱されることを抑制できる。また、アンモニア供給管31は、起動用燃料供給管32とアンモニア供給管31との間を通過する起動用燃料によって冷却される。
【0037】
燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始されるまでの期間において、起動用燃料供給管32とアンモニア供給管31との間を通過する起動用燃料によって、アンモニア供給管31が冷却されるとともに、空気流路23からアンモニア供給管31への熱移動が抑制される。燃焼室13cへのアンモニアの供給が開始した後においては、燃焼室13cへの起動用燃料の供給が停止する、または、燃焼室13cへの起動用燃料の供給量が減少するものの、アンモニア供給管31内を通過するアンモニア自身の熱容量によって、アンモニアの気化が抑制される。
【0038】
上記のように、本実施形態に係るガスタービンシステム1の燃焼装置10によれば、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化を抑制することができる。
【0039】
以下、
図2~
図4を参照して、各変形例に係るガスタービンシステムについて説明する。なお、以下で説明する各変形例に係るガスタービンシステムでは、バーナ以外の構成については、上述したガスタービンシステム1と同様なので、説明を省略する。
【0040】
図2は、第1の変形例に係るバーナ14Aを示す拡大断面図である。
図2に示すように、第1の変形例に係るガスタービンシステム1Aの燃焼装置10Aは、バーナ14Aを備える。
【0041】
バーナ14Aでは、上述したバーナ14と比較して、遮熱管41がさらに設けられる点が異なる。バーナ14Aは、アンモニア供給管31と、起動用燃料供給管32と、遮熱管41とを有する。
【0042】
遮熱管41は、円筒形状を有する。遮熱管41は、起動用燃料供給管32と同軸上に、起動用燃料供給管32に対して径方向外側に配置される。遮熱管41は、起動用燃料供給管32の外周面を覆う。つまり、起動用燃料供給管32が遮熱管41に挿通され、遮熱管41が起動用燃料供給管32の外周面に対向する。遮熱管41は、起動用燃料供給管32に対して径方向に離隔している。つまり、遮熱管41の内径は、起動用燃料供給管32の外径よりも大きい。ただし、遮熱管41の中心軸と起動用燃料供給管32の中心軸とは、一致していなくてもよい。遮熱管41は、起動用燃料供給管32と空気流路23との間に配置される。
【0043】
遮熱管41の後端は、ケーシング13aの内面に取り付けられている。ただし、遮熱管41は、起動用燃料供給管32に取り付けられていてもよい。遮熱管41は、ライナ13bの開口13fに挿通されている。遮熱管41の先端は、例えば、軸方向において、起動用燃料供給管32の先端よりも後方(
図2中の左側)に位置する。このように、遮熱管41が燃焼室13c内まで延在していないので、燃焼室13cから遮熱管41へ熱が伝わりにくくなる。ただし、遮熱管41は、ライナ13bの開口13fに挿通されていなくてもよい。この場合、遮熱管41の先端は、ライナ13bの開口13fよりも後方に位置する。
【0044】
上記で説明したように、第1の変形例に係るガスタービンシステム1Aの燃焼装置10Aでは、遮熱管41は、起動用燃料供給管32の周面(具体的には、外周面)を覆い、起動用燃料供給管32と空気流路23との間に配置される。それにより、空気流路23を通過する空気によって起動用燃料供給管32が直接的に加熱されることを抑制できる。ゆえに、空気流路23からアンモニア供給管31への熱移動がより効果的に抑制される。よって、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化をより効果的に抑制することができる。
【0045】
空気流路23からアンモニア供給管31への熱移動を効果的に抑制する観点では、熱伝導性が低い材料によって遮熱管41を形成することが好ましい。ただし、遮熱管41の材料は、強度および耐熱性等の種々の性質も加味して選択される。
【0046】
図3は、第2の変形例に係るバーナ14Bを示す拡大断面図である。
図3に示すように、第2の変形例に係るガスタービンシステム1Bの燃焼装置10Bは、バーナ14Bを備える。
【0047】
バーナ14Bでは、上述したバーナ14と比較して、アンモニア供給管131が二重筒構造を有する点が異なる。バーナ14Bは、アンモニア供給管131(具体的には、内管131aおよび外管131b)と、起動用燃料供給管132(具体的には、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132b)とを有する。
【0048】
アンモニア供給管131は、内管131aおよび外管131bを含む二重筒構造を有する。内管131aおよび外管131bは、円筒形状を有する。外管131bは、内管131aと同軸上に、内管131aに対して径方向外側に配置される。外管131bは、内管131aに対して径方向に離隔している。つまり、外管131bの内径は、内管131aの外径よりも大きい。アンモニア供給管131には、上述したアンモニア供給管31と同様に、アンモニアタンク15からアンモニアが供給される。
【0049】
アンモニア供給管131の先端には、噴射弁133が設けられている。噴射弁133は、円環形状を有する。噴射弁133は、内管131aの先端と、外管131bの先端との間の円環形状の開口に設けられている。矢印F21により示すように、アンモニア供給管131に供給されたアンモニアは、外管131bの内周部と、内管131aの外周部との間の空間内を流れる。当該空間内を通過したアンモニアは、噴射弁133から燃焼室13c内に噴射(具体的には、噴霧)される。噴射弁133は、例えば、上述した噴射弁33と同様の弁である。
【0050】
起動用燃料供給管132は、第1起動用燃料供給管132aと、第2起動用燃料供給管132bとを含む。第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132bには、上述した起動用燃料供給管32と同様に、起動用燃料タンク17から起動用燃料が供給される。
【0051】
第1起動用燃料供給管132aは、アンモニア供給管131と同軸上に、アンモニア供給管131の内管131aに対して径方向内側に配置される。第1起動用燃料供給管132aは、内管131aの内周面を覆う。つまり、第1起動用燃料供給管132aが内管131aに挿通され、第1起動用燃料供給管132aが内管131aの内周面に対向する。ただし、第1起動用燃料供給管132aの中心軸とアンモニア供給管131の中心軸とは、一致していなくてもよい。
【0052】
矢印F31により示すように、第1起動用燃料供給管132aに供給された起動用燃料は、第1起動用燃料供給管132aの外周部と、内管131aの内周部との間の空間内を流れる。当該空間内を通過した起動用燃料は、第1起動用燃料供給管132aの先端と、内管131aの先端との間の円環形状の開口から燃焼室13c内に噴射される。上記のように、第1起動用燃料供給管132aは、内管131aに対して径方向に離隔している。つまり、第1起動用燃料供給管132aの外径は、内管131aの内径よりも小さい。
【0053】
第2起動用燃料供給管132bは、アンモニア供給管131と同軸上に、アンモニア供給管131の外管131bに対して径方向外側に配置される。第2起動用燃料供給管132bは、外管131bの外周面を覆う。つまり、外管131bが第2起動用燃料供給管132bに挿通され、第2起動用燃料供給管132bが外管131bの外周面に対向する。ただし、第2起動用燃料供給管132bの中心軸とアンモニア供給管131の中心軸とは、一致していなくてもよい。
【0054】
矢印F32により示すように、第2起動用燃料供給管132bに供給された起動用燃料は、第2起動用燃料供給管132bの内周部と、外管131bの外周部との間の空間内を流れる。当該空間内を通過した起動用燃料は、第2起動用燃料供給管132bの先端と、外管131bの先端との間の円環形状の開口から燃焼室13c内に噴射される。上記のように、第2起動用燃料供給管132bは、外管131bに対して径方向に離隔している。つまり、第2起動用燃料供給管132bの内径は、外管131bの外径よりも大きい。
【0055】
空気流路123は、第1空気流路123aと、第2空気流路123bとを含む。第1空気流路123aおよび第2空気流路123bには、上述した空気流路23と同様に、吸気流路21がそれぞれ接続されている。第1空気流路123aおよび第2空気流路123bは、上述した空気流路23と同様に、ライナ13bの開口13fとそれぞれ連通している。
【0056】
第1空気流路123aは、第1起動用燃料供給管132aの内周面によって区間される。第1空気流路123aは、アンモニア供給管131の中心軸上に延在する。第1空気流路123aは、内管131aに対して径方向内側に配置される。内管131aの内周面は、第1起動用燃料供給管132aによって覆われている。つまり、第1起動用燃料供給管132aは、内管131aと第1空気流路123aとの間に配置される。矢印F11により示すように、第1空気流路123aに送られた空気は、第1空気流路123aを通過した後、第1起動用燃料供給管132aの先端から燃焼室13cに噴射される。
【0057】
第2空気流路123bは、上述した空気流路23と同様に、ケーシング13aの内面とライナ13bの外面との間に形成される。第2空気流路123bは、外管131bに対して径方向外側に配置される。外管131bの外周面は、第2起動用燃料供給管132bによって覆われている。つまり、第2起動用燃料供給管132bは、外管131bと第2空気流路123bとの間に配置される。矢印F12により示すように、第2空気流路123bに送られた空気は、第2空気流路123bを通過した後、ライナ13bの開口13fを通って燃焼室13cに噴射される。具体的には、第2空気流路123bに送られた空気は、連通部13eの内周面と第2起動用燃料供給管132bの外周面との間を通って燃焼室13cに噴射される。
【0058】
上記で説明したように、第2の変形例に係るガスタービンシステム1Bの燃焼装置10Bでは、第1起動用燃料供給管132aは、内管131aの内周面を覆い、内管131aと第1空気流路123aとの間に配置される。つまり、径方向において、アンモニアの流路と第1空気流路123aとの間に、起動用燃料の流路が介在する。それにより、第1空気流路123aを通過する空気によって内管131aが直接的に加熱されることを抑制できる。また、内管131aは、第1起動用燃料供給管132aと内管131aとの間を通過する起動用燃料によって冷却される。第2起動用燃料供給管132bは、外管131bの外周面を覆い、外管131bと第2空気流路123bとの間に配置される。つまり、径方向において、アンモニアの流路と第2空気流路123bとの間に、起動用燃料の流路が介在する。それにより、第2空気流路123bを通過する空気によって外管131bが直接的に加熱されることを抑制できる。また、外管131bは、第2起動用燃料供給管132bと外管131bとの間を通過する起動用燃料によって冷却される。
【0059】
上記のように、第2の変形例によれば、二重筒構造を有するアンモニア供給管131を備える燃焼装置10Bにおいて、空気流路123からアンモニア供給管131への熱移動が抑制される。よって、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化を抑制することができる。
【0060】
上記では、起動用燃料供給管132として、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132bが設けられる例を説明した。ただし、起動用燃料供給管132として、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132bのうちの一方のみが設けられてもよい。その場合においても、空気流路123からアンモニア供給管131への熱移動が抑制されるので、アンモニアの気化を抑制する効果が得られる。ただし、空気流路123からアンモニア供給管131への熱移動を効果的に抑制する観点では、起動用燃料供給管132として、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132bが設けられることが好ましい。
【0061】
図4は、第3の変形例に係るバーナ14Cを示す拡大断面図である。
図4に示すように、第3の変形例に係るガスタービンシステム1Cの燃焼装置10Cは、バーナ14Cを備える。
【0062】
バーナ14Cでは、上述したバーナ14Bと比較して、遮熱管141がさらに設けられる点が異なる。バーナ14Cは、アンモニア供給管131(具体的には、内管131aおよび外管131b)と、起動用燃料供給管132(具体的には、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132b)と、遮熱管141(具体的には、第1遮熱管141aおよび第2遮熱管141b)とを有する。
【0063】
遮熱管141は、第1遮熱管141aと、第2遮熱管141bとを含む。第1遮熱管141aおよび第2遮熱管141bは、円筒形状を有する。
【0064】
第1遮熱管141aは、第1起動用燃料供給管132aと同軸上に、第1起動用燃料供給管132aに対して径方向内側に配置される。第1遮熱管141aは、第1起動用燃料供給管132aの内周面を覆う。つまり、第1遮熱管141aが第1起動用燃料供給管132aに挿通され、第1遮熱管141aが第1起動用燃料供給管132aの内周面に対向する。第1遮熱管141aは、第1起動用燃料供給管132aに対して径方向に離隔している。つまり、第1遮熱管141aの外径は、第1起動用燃料供給管132aの内径よりも小さい。ただし、第1遮熱管141aの中心軸と第1起動用燃料供給管132aの中心軸とは、一致していなくてもよい。第1遮熱管141aは、第1起動用燃料供給管132aと第1空気流路123aとの間に配置される。つまり、第3の変形例では、第1空気流路123aは、第1遮熱管141aの内周面によって区間される。
【0065】
第1遮熱管141aは、例えば、第1起動用燃料供給管132aに取り付けられている。ただし、第1遮熱管141aは、バーナ14Cのうち第1起動用燃料供給管132a以外の部材に取り付けられていてもよい。第1遮熱管141aは、ライナ13bの開口13fに挿通されている。第1遮熱管141aの先端は、例えば、軸方向において、第1起動用燃料供給管132aの先端よりも後方(
図4中の左側)に位置する。ただし、第1遮熱管141aは、ライナ13bの開口13fに挿通されていなくてもよい。この場合、第1遮熱管141aの先端は、ライナ13bの開口13fよりも後方に位置する。
【0066】
第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bと同軸上に、第2起動用燃料供給管132bに対して径方向外側に配置される。第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bの外周面を覆う。つまり、第2起動用燃料供給管132bが第2遮熱管141bに挿通され、第2遮熱管141bが第2起動用燃料供給管132bの外周面に対向する。第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bに対して径方向に離隔している。つまり、第2遮熱管141bの内径は、第2起動用燃料供給管132bの外径よりも大きい。ただし、第2遮熱管141bの中心軸と第2起動用燃料供給管132bの中心軸とは、一致していなくてもよい。第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bと第2空気流路123bとの間に配置される。
【0067】
第2遮熱管141bの後端は、ケーシング13aの内面に取り付けられている。ただし、第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bに取り付けられていてもよい。第2遮熱管141bは、ライナ13bの開口13fに挿通されている。第2遮熱管141bの先端は、例えば、軸方向において、第2起動用燃料供給管132bの先端よりも後方(
図4中の左側)に位置する。ただし、第2遮熱管141bは、ライナ13bの開口13fに挿通されていなくてもよい。この場合、第2遮熱管141bの先端は、ライナ13bの開口13fよりも後方に位置する。
【0068】
上記で説明したように、第3の変形例に係るガスタービンシステム1Cの燃焼装置10Cでは、第1遮熱管141aは、第1起動用燃料供給管132aの内周面を覆い、第1起動用燃料供給管132aと第1空気流路123aとの間に配置される。それにより、第1空気流路123aを通過する空気によって第1起動用燃料供給管132aが直接的に加熱されることを抑制できる。ゆえに、第1空気流路123aから内管131aへの熱移動がより効果的に抑制される。第2遮熱管141bは、第2起動用燃料供給管132bの外周面を覆い、第2起動用燃料供給管132bと第2空気流路123bとの間に配置される。それにより、第2空気流路123bを通過する空気によって第2起動用燃料供給管132bが直接的に加熱されることを抑制できる。ゆえに、第2空気流路123bから外管131bへの熱移動がより効果的に抑制される。
【0069】
上記のように、第3の変形例によれば、二重筒構造を有するアンモニア供給管131を備える燃焼装置10Cにおいて、燃料として用いられる液体のアンモニアの気化をより効果的に抑制することができる。
【0070】
空気流路123からアンモニア供給管131への熱移動を効果的に抑制する観点では、熱伝導性が低い材料によって遮熱管141を形成することが好ましい。ただし、遮熱管141の材料は、強度および耐熱性等の種々の性質も加味して選択される。
【0071】
上記では、遮熱管141として第1遮熱管141aおよび第2遮熱管141bが設けられる例を説明した。ただし、遮熱管141として、第1遮熱管141aおよび第2遮熱管141bのうちの一方のみが設けられてもよい。その場合においても、空気流路123を通過する空気によって起動用燃料供給管132が直接的に加熱されることが抑制されるので、アンモニアの気化を効果的に抑制する効果が得られる。ただし、空気流路123を通過する空気によって起動用燃料供給管132が直接的に加熱されることを効果的に抑制する観点では、遮熱管141として第1遮熱管141aおよび第2遮熱管141bが設けられることが好ましい。
【0072】
上記では、起動用燃料供給管132として、第1起動用燃料供給管132aおよび第2起動用燃料供給管132bが設けられる例を説明した。ただし、起動用燃料供給管132として第1起動用燃料供給管132aのみが設けられ、遮熱管141として第1遮熱管141aのみが設けられてもよい。起動用燃料供給管132として第2起動用燃料供給管132bのみが設けられ、遮熱管141として第2遮熱管141bのみが設けられてもよい。
【0073】
空気流路123を通過する空気は、バーナ14の周方向に旋回しながら燃焼室13cに向かって進む。ゆえに、空気流路123を通過する空気には、遠心力が作用する。よって、第1遮熱管141aには、第2遮熱管141bと比較して、空気が張り付きやすい。ゆえに、空気流路123を通過する空気によって起動用燃料供給管132が直接的に加熱されることを抑制する観点では、第1遮熱管141aの軸方向の長さを長くする必要性は、第2遮熱管141bの軸方向の長さを長くする必要性よりも高い。例えば、
図4の例では、第1遮熱管141aの先端は、第2遮熱管141bの先端よりも燃焼室13cに近い。それにより、第1遮熱管141aの軸方向の長さをできるだけ長くし、第1空気流路123aを通過する空気によって第1起動用燃料供給管132aが直接的に加熱されることを効果的に抑制することができる。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0075】
上記では、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1A、ガスタービンシステム1Bおよびガスタービンシステム1Cにおいて、過給機11によって生成された回転動力が発電機12を駆動させるエネルギとして利用される例を説明した。ただし、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1A、ガスタービンシステム1Bおよびガスタービンシステム1Cにおいて、過給機11によって生成された回転動力が他の用途(例えば、船舶等の移動体を駆動させる目的等)に利用されてもよい。
【0076】
上記では、燃焼装置10、燃焼装置10A、燃焼装置10Bおよび燃焼装置10Cがガスタービンシステムに用いられる例を説明した。ただし、燃焼装置10、燃焼装置10A、燃焼装置10Bおよび燃焼装置10Cは、ガスタービンシステム以外の装置(例えば、排熱等から回収されたエネルギを燃焼器での燃焼に利用する工業炉等)に用いられてもよい。
【0077】
上記では、各図面を参照して、アンモニア供給管31、起動用燃料供給管32、遮熱管41、アンモニア供給管131、起動用燃料供給管132および遮熱管141の各管について説明した。各図面において、これらの各管の肉厚、内径および外径は、軸方向の各位置で一定である。ただし、これらの各管の肉厚、内径または外径は、軸方向の各位置で一定でなくてもよい。また、これらの各管は、直線状でなくてもよい。例えば、これらの各管は、ケーシング13aの内側または外側において、屈曲していてもよい。また、
図1の例では、空気流路23は、ライナ13bの外周面とケーシング13aの内周面との間を通った後に燃焼室13cに送られる。ただし、空気流路23、123の経路はこの例(つまり、ターンフロー型)に限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1:ガスタービンシステム 1A:ガスタービンシステム 1B:ガスタービンシステム 1C:ガスタービンシステム 10:燃焼装置 10A:燃焼装置 10B:燃焼装置 10C:燃焼装置 13b:ライナ 13c:燃焼室 13f:開口 23:空気流路 31:アンモニア供給管 32:起動用燃料供給管 41:遮熱管 123:空気流路 123a:第1空気流路 123b:第2空気流路 131:アンモニア供給管 131a:内管 131b:外管 132:起動用燃料供給管 132a:第1起動用燃料供給管 132b:第2起動用燃料供給管 141:遮熱管 141a:第1遮熱管 141b:第2遮熱管