(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ラウドスピーカ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H04R 9/02 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
H04R9/02 103Z
H04R9/02 102A
(21)【出願番号】P 2023514090
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2021102268
(87)【国際公開番号】W WO2022048258
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】202010903510.5
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ウエングワーン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ミーングワーン
(72)【発明者】
【氏名】タオ,リーン
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/126847(WO,A1)
【文献】中国実用新案第207518845(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークと、磁石と、ボイスコイルと、ダンパと
、振動板とを含むラウドスピーカであって、
前記ヨークは底部と、該底部の一方側に位置するスリーブとを含み、
前記磁石は環状であり、前記磁石は前記スリーブの外側にスリーブされ、
前記ボイスコイルは前記スリーブの外側にスリーブされ且つ前記スリーブと前記磁石との間に位置し
、前記ボイスコイルの、該振動板に面する端面は、該振動板の、前記底部に面する側に固定接続され、
前記振動板は本体及び延長部を含み、該本体は環状であり、該延長部は管状であり、該延長部は該本体の内縁から、前記底部に向かう方向に延び、前記ダンパの外縁は該延長部の内壁に固定接続され、
前記ダンパは前記スリーブに取り囲まれた領域内に位置する、ラウドスピーカ。
【請求項2】
前記ヨークはボスをさらに含み、該ボスは前記スリーブに取り囲まれた前記領域内に位置し、前記ダンパの中間部は前記ボスの、前記底部から離れた面に取り付けられている、請求項1に記載のラウドスピーカ。
【請求項3】
前記ラウドスピーカは支持管をさらに含み、該支持管は前記ダンパと前記ボイスコイルとの間に位置し且つ前記スリーブに取り囲まれた前記領域内に位置し、前記ダンパの外縁は該支持管の内壁に固定接続され、該支持管は前記ボイスコイルに固定接続されている、請求項
1に記載のラウドスピーカ。
【請求項4】
前記支持管及び前記ボイスコイルの、前記底部から離れた両端は前記振動板に固定接続されている、請求項
3に記載のラウドスピーカ。
【請求項5】
前記ラウドスピーカはダストキャップをさらに含み、該ダストキャップはスリーブ領域の上部を覆い、前記支持管及び前記ボイスコイルの両方は該ダストキャップの内壁に固定接続されている、請求項
3に記載のラウドスピーカ。
【請求項6】
前記ダストキャップの内壁は締結リングを備え、前記支持管及び前記ボイスコイルの両方は該締結リングに接続されている、請求項
5に記載のラウドスピーカ。
【請求項7】
前記ラウドスピーカはポールピースをさらに含み、該ポールピースは環状であり、該ポールピースは、前記磁石の、前記底部から離れた面を覆う、請求項
1乃至
6のいずれか一項に記載のラウドスピーカ。
【請求項8】
前記ポールピースの、前記ボイスコイルに面する縁部は、前記磁石の、前記ボイスコイルに面する縁部から突出している、請求項
7に記載のラウドスピーカ。
【請求項9】
前記ラウドスピーカはバスケットをさらに含み、該バスケットは溝を備え、該溝の溝底は取り付け穴を備え、前記ボイスコイルの少なくとも一部は、該取り付け穴を介して該溝の溝底から延びている、請求項
7に記載のラウドスピーカ。
【請求項10】
前記取り付け穴の縁部は、前記ポールピースの、前記ボイスコイルから離れた端面に取り付けられている、請求項
9に記載のラウドスピーカ。
【請求項11】
複数のダンパがあり、該複数のダンパは前記スリーブの中心軸の方向に沿って積み重ねられ、隣接する2つのダンパ毎に互いに分離されている、請求項1乃至
10のいずれか一項に記載のラウドスピーカ。
【請求項12】
前記ボスは前記スリーブの中心軸の方向に沿って複数の締結部を備え、各ダンパは1つの締結部に締結されている、請求項
2に記載のラウドスピーカ。
【請求項13】
電子装置であって、ハウジングと、請求項1乃至
12のいずれか一項に記載のラウドスピーカとを含み、前記ラウドスピーカは該ハウジングの内に位置する、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施形態は、電子装置の技術分野に関し、具体的にはラウドスピーカ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラウドスピーカは、メディアサウンドを再生するためにテレビ、ディスプレイ及びタブレットコンピュータ等の端末装置に通常配置されている。関連技術では、スピーカはバスケット、ヨーク、磁石、ボイスコイル及びダンパを含む。バスケットは溝を形成するためにある領域を取り囲む。ヨークは溝の溝底に配置される。ヨークは円柱状であり、ヨークの後端には取り付け溝が設けられている。取り付け溝には磁石が配置されている。ボイスコイルはヨークの外側にスリーブされている。ダンパは環状である。ダンパの内壁はボイスコイルに接続され、ダンパの外壁はバスケットに接続されている。使用の間、ボイスコイルに通電され、ボイスコイルがヨークの中心線の方向に振動して音を発生する。
【0003】
しかしながら、ダンパはヨークの体積及びボイスコイルの長さを制限するため、ボイスコイルを振動させる電磁駆動力が小さくなり、ラウドスピーカの感度が不十分になる。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑み、本願の実施形態は、ボイスコイルを振動させる電磁駆動力が小さいことによってスピーカの感度が不十分になるという技術的課題を解決するために、スピーカ及び電子装置を提供する。
【0005】
本願の一実施形態は、ヨークと、磁石と、ボイスコイルと、ダンパとを含むラウドスピーカを提供する。ヨークは底部と、該底部の側部に位置するスリーブとを含む。磁石は環状であり、磁石はスリーブの外側にスリーブされている。ボイスコイルはスリーブの外側にスリーブされ且つスリーブと磁石との間に位置する。ダンパはスリーブに取り囲まれた領域内に位置する。
【0006】
上記の構成により、ダンパはスリーブに取り囲まれた領域内に位置する。ダンパの外縁はボイスコイルに接続され、ダンパの中間部はヨークに接続されている。磁石及びボイスコイルの両方はダンパの外側に位置する。磁石の体積及びボイスコイルのコイル長はダンパの影響を受けない。磁石の体積及びボイスコイルのコイル長を大きく設定できるため、ボイスコイルを振動させる電磁駆動力を大きくすることができ、ラウドスピーカの感度が改善される。
【0007】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、前記ヨークはボスをさらに含み、該ボスは前記スリーブに取り囲まれた領域内に位置する。ダンパの中間部はボスの、底部から離れた面に取り付けられている。
【0008】
このような構成では、ダンパの、底部に面する内壁はボスに接続されている。このような構成では、ボスを用いることによりダンパを底部に接続され、ダンパと底部との間の距離を大きくすることができるため、ダンパはスリーブの中心軸に垂直な面に配置することができる。
【0009】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ラウドスピーカは振動板をさらに含む。ボイスコイルの、該振動板に面する端面は、該振動板の、底部に面する側に固定接続されている。
【0010】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、振動板は本体及び延長部を含む。該本体は環状であり、該延長部は管状である。該延長部は該本体の内縁から、底部に向かう方向に延びる。ダンパの外縁は該延長部の内壁に固定接続されている。
【0011】
このような構成では、ダンパの外縁が延長部を介してボイスコイルに接続され、延長部はスリーブ内に延び得るため、ボスの高さを低減でき、スピーカの質量を減らすことができる。
【0012】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ラウドスピーカは支持管をさらに含む。該支持管はダンパとボイスコイルとの間に位置し且つスリーブに取り囲まれた領域内に位置する。ダンパの外縁は該支持管の内側壁に固定接続され、該支持管はボイスコイルに固定接続されている。
【0013】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、支持管及びボイスコイルの、底部から離れた両端は振動板に固定接続されている。そのため、振動板を用いることにより支持管とボイスコイルとが互いに固定される。
【0014】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ラウドスピーカはダストキャップをさらに含む。ダストキャップはスリーブ領域の上部を覆う。支持管及びボイスコイルの両方は該ダストキャップの内壁に固定接続されている。
【0015】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ダストキャップの内壁は締結リングを備える。支持管及び前記ボイスコイルの両方は該締結リングに接続されている。
【0016】
このような構成では、ボイスコイル及び支持管は締結リングを用いることによりダストキャップに接続されている。ダストキャップにかかる力の均一性が改善される。さらに、ボイスコイルと支持管との接続は、締結リングを用いることにより実現され得る。
【0017】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ラウドスピーカはポールピースをさらに含む。ポールピースは環状であり、該ポールピースは、磁石の、底部から離れた面を覆う。
【0018】
このような構成では、ポールピースは磁石によって生成される磁場を調整し得るため、磁石によって生成される磁力線がポールピースの内壁とスリーブとの間に集中する。したがって、コイルが位置する磁場の強度が高まり、ボイスコイルを駆動する電磁駆動力が改善され、ラウドスピーカの感度が改善される。
【0019】
上記の実施形態を含む可能性のある一部の実施形態では、ポールピースの、ボイスコイルに面する縁部は、磁石の、ボイスコイルに面する縁部から突出している。このような構成では、ポールピースとスリーブとの間の距離が磁石とスリーブとの間の距離よりも小さくなり、ポールピースの内壁とコイルとの間の距離が小さくなるため、コイルが位置する磁場の強度がさらに改善され、ボイスコイルを駆動する電磁駆動力がさらに改善される。
【0020】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ラウドスピーカはバスケットをさらに含む。バスケットは溝を備える。溝の溝底は取り付け穴を備え、ボイスコイルの少なくとも一部は、該取り付け穴を介して該溝の溝底から延びている。
【0021】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、取り付け穴の縁部は、ポールピースの、ボイスコイルから離れた端面に取り付けられている。ポールピースは、取り付け穴を用いることにより、ポールピースとバスケットとの相対位置を制限するために、取り付け穴内に延びているため、ポールピース及びバスケットの位置精度が改善される。
【0022】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、複数のダンパがある。該複数のダンパはスリーブの中心軸の方向に沿って積み重ねられ、隣接する2つのダンパ毎に互いに分離されている。そのような構成では、複数のダンパはボイスコイルの弾力性を改善し、環状間隙におけるボイスコイルの位置をさらに制限し得る。
【0023】
上記の実施形態を含み得る一部の実施形態では、ボスはスリーブの中心軸の方向に沿って複数の締結部を備え、各ダンパは1つの締結部に締結されている。そのような構成により、各ダンパはスリーブの中心軸に垂直な平面にあることができる。
【0024】
本願の一実施形態は、ハウジングと、上記のラウドスピーカとを含み、ラウドスピーカは該ハウジングの内に位置する電子装置を提供する。
【0025】
本願のこの実施形態で提供される電子装置によれば、ラウドスピーカのヨークは、底部と、底部の側部に位置するスリーブとを含む。環状の磁石はスリーブの外側にスリーブされている。ボイスコイルはスリーブにスリーブされ且つ磁石とスリーブとの間に位置する。ダンパはスリーブに取り囲まれた領域内に位置する。磁石の体積及びボイスコイルのコイル長はダンパの影響を受けない。磁石の体積及びボイスコイルのコイル長を大きく設定できるため、ボイスコイルを駆動して振動させる電磁駆動力を大きくすることができ、ラウドスピーカの感度が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の実施形態又は先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態又は先行技術を説明するための添付図面を以下で簡単に説明する。以下の説明における添付図面は本願の一部の実施形態を示すことは明らかであり、当業者は、創造的努力なしに、これらの添付図面から他の図面を依然導き出し得る。
【
図1】
図1は、本願の一実施形態に係る電子装置の概略図である。
【
図2】
図2は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカの構造の概略
図1である。
【
図3】
図3は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカの分解
図1である。
【
図4】
図4は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカの構造の概略
図2である。
【
図5】
図5は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカの構造の概略
図3である。
【
図6】
図6は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカの分解
図2である。
【
図7】
図7は、本願の一実施形態に係るラウドスピーカのヨークの構造の概略図である。
【0027】
参照番号:
1:ラウドスピーカ
2:ハウジング
10:バスケット
20:ヨーク
30ボイスコイル
40:磁石
50:ダンパ
60:振動板
70:ポールピース
101:溝
102:取り付け穴
201:スリーブ
202:底部
203:ボス
204:環状間隙
205:位置合わせ穴
206:締結部
301:コイル
302:管状体
601:本体
602:延長部
603:支持管
604:弾性包囲体
605:締結リング
606:第1の環状溝
607:第2の環状溝
608:拡散空洞
609:ダストキャップ
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の実施形態の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、本願の実施形態の添付図面を参照しながら、本願の実施形態における技術的解決策を以下で明確且つ完全に説明する。説明する実施形態は、本願の全ての実施形態というよりは一部にすぎない。当業者が本願の実施形態に基づいて創造的努力なしに得た全ての他の実施形態は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0029】
ラウドスピーカは、バスケット、ヨーク、磁石、ボイスコイル及びダンパを含む。バスケットは溝を備える。ヨークは溝の溝底に配置されている。ヨークは取り付け溝を備える。円筒状の磁石は取り付け溝に配置される。磁石と取り付け溝との間に環状間隙が配置されている。ボイスコイルは磁石の外側にスリーブされ、環状間隙内に位置する。ダンパは環状である。ダンパの内壁はボイスコイルに接続され、ダンパの外壁は溝の側壁に接続されている。使用の間、ボイスコイルが通電されるため、ボイスコイルはヨークの中心線の方向に振動して音を生成する。ボイスコイル振動の過程では、ダンパはボイスコイルに弾力性を与え得るため、ボイスコイルは往復運動を行うことができる。
【0030】
ダンパは磁石及びボイスコイルの外側にスリーブされており、ダンパは磁石の体積及びボイスコイルのコイル長を制限するため、ボイスコイルを駆動して振動させる電磁駆動力が小さくなり、ラウドスピーカの感度が不十分になる。
【0031】
この実施形態は、限定されないが、テレビ、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートコンピュータ、ウルトラモバイルパソコン(ウルトラモバイルパソコン、UMPC)、サウンドボックス、ヘッドセット等を含む電子装置を提供する。
【0032】
図1に示すように、この実施形態で提供される電子装置は、ハウジング2及びラウドスピーカ1を含む。ラウドスピーカ1はハウジング2の内部に配置され得るため、ラウドスピーカ1は電子装置の動作時にメディアサウンドを再生する。また、電子装置はハウジング2に配置されるディスプレイパネルをさらに含み得る。ディスプレイパネルは、有機発光ダイオードディスプレイパネル(LED)、液晶ディスプレイパネル(LCD)等であり得る。ディスプレイパネルが画像を表示すると、ラウドスピーカ1は対応する音を再生し得る。ディスプレイパネルは、ハウジング2の第1の面に配置され得る。これに対応して、ラウドスピーカ1は第1の面に配置され、ディスプレイパネルの両側に位置し得る。もちろん、ラウドスピーカ1は、代替的に、第1の面の反対側のハウジング2の第2の面に配置されてもよい。
【0033】
シナリオ1
【0034】
図2及び
図3を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はバスケット10及び振動板60を含み、バスケット10は溝101を形成するための所定の領域を取り囲む。振動板60はバスケット10を覆って、溝101を密閉する。振動板60は、組立用接着剤を用いることによりバスケット10に接続され得る。もちろん、振動板60は、代替的に、バスケット10にボルトにより接合されるか又はクランプにより接合され得る。また、環状の弾性包囲体604が振動板60の縁部に配置され得る。弾性包囲体604は振動板60の周囲に配置される。弾性包囲体604の内縁は振動板60の外縁に接続され、弾性包囲体604の外縁はバスケット10に接続されている。振動板60は弾性包囲体604を用いることによりバスケット10に接続されているため、振動板60が振動したときに振動板60に弾力性が提供され、振動板60が振動するのを妨げる抵抗も低減され得る。
【0035】
図2及び
図3に示すように、上記の実施では、弾性包囲体604の材料はスポンジ又はゴム等の弾性材料を含み得る。また、弾性包囲体604は、弾性包囲体604の弾性をさらに改善するために波形又は円弧形であってもよい。
【0036】
本実施形態では、ラウドスピーカ1は、ヨーク20、磁石40及びボイスコイル30をさらに含む。溝101の溝底は取り付け穴102を備える。ヨーク20は、底部202と、底部202の側部に位置するスリーブ201とを含む。スリーブ201の中心軸は、溝101の溝底が位置する面に対して垂直である。スリーブ201の一部は、取り付け穴102を介して溝101内に延びる。もちろん、スリーブ201は、代替的に、溝101の外側に位置してもよい。スリーブ201の材料は、スチール又は鉄等の強磁性材料を含み得る。磁石40は環状である。磁石40はスリーブ201の外側にスリーブされている。磁石40の材料は、酸化鉄、ネオジム磁石、アルニコ等を含み得る。磁石40の内壁とスリーブ201の外壁との間に環状間隙204が形成されている。ボイスコイル30は管状である。ボイスコイル30はスリーブ201の外側にスリーブされ、ボイスコイル30は環状間隙204内に位置するため、ボイスコイル30は磁石40によって形成される磁場内に位置する。
【0037】
例えば、スリーブ201、磁石40及びボイスコイル30の中心軸は同一直線上に配置され得る。
【0038】
また、ヨーク20の底部202は板状であり得る。スリーブ201は、底部202の、振動板60に面する側に配置されている。スリーブ201及び底部202は一体構造であり得る。もちろん、スリーブ201は、例えば溶接又はボルトにより底部202に接続されてもよい。これに対応して、磁石40の一端は、底部202の、振動板60に面する側に取り付けられ、磁石40は、組立用接着剤を用いることにより底部202に接続され得る。
【0039】
ボイスコイル30の、振動板60に面する端面は、振動板60の、底部202に面する側に固定接続されて、ボイスコイル30と振動板60との接続が実施される。また、ボイスコイル30が通電されて振動すると、振動板60が駆動されて振動し、音の生成が実現される。
【0040】
ボイスコイル30は、管状体302と、管状体302の外壁に巻かれたコイル301とを含んでもよく、それに対応して、管状体302はスリーブ201にスリーブされている。管状体302の材料は、プラスチック又は絶縁紙等の絶縁材料を含み得る。あるいは、管状体302の材料は銅又はアルミニウム等の金属材料である。管状体302が金属材料でできている場合、コイル301は管状体302に絶縁接続する必要がある。管状体302の、振動板60に近い端部は振動板60に接続されている。例えば、管状体302は、組立用接着剤を用いることにより振動板60に接続され得る。もちろん、管状体302は代替的に振動板60にクランプで接合されてもよい。スピーカ1が動作する場合、コイル301は通電される。コイル301は磁石40によって形成する磁場内に位置するため、コイル301に力がかけられ、それ故に振動板60が管状体302によって駆動されて振動し、音が生成される。
【0041】
依然
図2及び
図3を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はダンパ50をさらに含む。ダンパ50は、スリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。スリーブ201は管状の空洞を取り囲む。ダンパ50は空洞内に配置されている。ダンパ50の外縁はボイスコイル30に接続され、ダンパ50の中間部はヨーク20に接続されている。ダンパ50は、動作の間に自身の弾性力を用いることにより、ボイスコイル30がスリーブ201の中心軸に平行な方向に沿って環状間隙204内で往復運動を行うことができるように特定の弾力性を有する。加えて、ダンパ50は、環状間隙204内でのボイスコイル30の位置をさらに制限し得る。例えば、ダンパ50の中心軸と、スリーブ201の中心軸とが平行に配置され得る。また、ダンパ50の中心軸とスリーブ201の中心軸とが同一直線上に配置され得る。
【0042】
上記の実施では、ヨーク20はボス203を含む。ボス203は底部202に配置され、ボス203はスリーブ201によって取り囲まれる領域内に位置する。ダンパ50の、底部202に面する内壁はボス203に接続されている。このような構成では、ダンパ50はボス203を用いることにより底部202に接続されているため、ダンパ50と底部202との間の距離を大きくでき、ダンパ50はスリーブ201の中心軸に対して垂直な面に位置することができる。
【0043】
ダンパ50は、組立用接着剤を用いることによりボス203に接続され得る。例えば、ダンパ50の中間部に穴が配置され、ボス203の一部がその穴に挿入される。これに対応して、ダンパ50の内縁は、組立用接着剤を用いることによりボス203に接続されている。もちろん、ダンパ50は、代替的に、ボス203の、底部202から離れた端部を覆い、組立用接着剤を用いることによりボス203の、底部202から離れた端部に接続されてもよい。したがって、ダンパ50とボス203との接続の強度が改善される。
【0044】
この実施形態で提供される電子装置によれば、ラウドスピーカ1のヨーク20は、底部202と、底部202の側部に位置するスリーブ201とを含む。環状磁石40は、スリーブ201の外側にスリーブされている。ボイスコイル30はスリーブ201にスリーブされ、磁石40とスリーブ201との間に位置する。ダンパ50はスリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。ダンパ50の外縁はボイスコイル30に接続され、ダンパ50の中間部はヨーク20に接続されている。磁石40及びボイスコイル30の両方はダンパ50の外側に位置する。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さはダンパ50の影響を受けない。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さを大きく設定できるため、ボイスコイル30を駆動して振動させる電磁駆動力が大きくなり、ラウドスピーカ1の感度が改善される。
【0045】
加えて、電子装置の小型化の要件が徐々に高まっているため、磁石40及びボイスコイル30の両方をダンパ50の外側に配置することで、ラウドスピーカ1は堅牢な電磁駆動力及び堅牢な感度並びに低減された厚さをさらに有することができるため、超薄型化が促進される。
【0046】
依然
図2及び
図3を参照する。一部の実施形態では、振動板60は本体601及び延長部602を含む。本体601は環状であり、延長部602は管状である。延長部602は本体601の内縁から、底部202に向かう方向に延びている。ダンパ50の外縁は延長部602の内部に固定接続されている。このような構成では、ダンパ50の外縁は延長部602を用いることによりボイスコイル30に接続されている。延長部602はスリーブ201内に延び得るため、ボス203の高さを小さくすることができ、ラウドスピーカ1の質量を減らすことができる。
【0047】
例えば、延長部602の中心軸と、ボイスコイル30の中心軸とは平行に配置される。また、延長部602の中心軸と、ボイスコイル30の中心軸とは同一直線上に配置される。ダンパ50は、組立用接着剤を用いることにより延長部602の内壁に接続され得る。
【0048】
また、ダストキャップ609が本体601に配置され、ダストキャップ609は本体601の内縁を密閉し得る。
【0049】
依然
図2及び
図3を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はポールピース70をさらに含む。ポールピース70は環状である。ポールピース70は、磁石40の、底部202から離れた面を覆う。ポールピース70は、磁石40によって生成される磁場を調整し得るため、磁石40によって生成される磁力線がポールピース70の内縁とスリーブ201との間に集中する。コイル301が位置する磁場の強度が高まり、ボイスコイル30を駆動して動かす電磁駆動力が大きくなり、ラウドスピーカ1の感度がそれ故改善される。例えば、ポールピース70の材料は、鉄又はスチール等の強磁性材料を含み得る。
【0050】
ポールピース70の中心軸と、磁石40の中心軸とは平行に配置され得る。また、ポールピース70の中心軸と、磁石40の中心軸とは同一直線上に配置される。
【0051】
上記の実施では、ポールピース70の、ボイスコイル30に面する縁部は、磁石40の、ボイスコイル30に面する縁部から突出する。このような構成では、ポールピース70とスリーブ201との間の距離は磁石40とスリーブ201との間の距離よりも小さく、ポールピース70の内縁とコイル301との間の距離が小さくなるため、コイル301が位置する磁場の強度がさらに改善され、ボイスコイル30を駆動して動かす電磁駆動力がさらに改善される。例えば、ポールピース70及び磁石40の両方が環状である実施では、ポールピース70の中心軸と磁石40の中心軸とが同一直線上に配置され、ポールピース70の内径は磁石40の内径よりも小さい。
【0052】
一部の実施では、バスケット10は溝101を備える。溝101の溝底は取り付け穴102を備える。ボイスコイル30の少なくとも一部は、取り付け穴102を介して溝101の溝底から延びている。取り付け穴102の大きさは、取り付け穴102の側壁が、ポールピース70の、ボイスコイル30から離れた端面に取り付けられるように適切に設定される。つまり、取り付け穴102を用いることにより、ポールピース70は取り付け穴102内へと延びてポールピース70とバスケット10との相対位置を制限するため、ポールピース70とバスケット10との間の位置精度が改善される。
【0053】
また、ポールピース70は取り付け穴102内に延びているため、バスケット10の一部は、磁石40の、ヨーク20から離れた端部に取り付けられ、組立用接着剤を用いることによりバスケット10と、磁石40のヨーク20から離れた端部とを接続でき、バスケット10と磁石40との接続を実現する。
【0054】
この実施形態では、ヨーク20の底部202に位置合わせ穴205(図示せず)が配置され得る。位置合わせ穴205はスリーブ201によって取り囲まれた領域内に位置し、位置合わせ穴205はスリーブ201と連通する。ラウドスピーカ1を組み立てるプロセスでは、固定具を位置合わせ穴205内に延ばし、この固定具を用いることにより振動板60及びヨーク20をさらに位置決めすることにより、ラウドスピーカ1の組み立てを促進し、ラウドスピーカ1の組み立て精度が改善される。また、複数の位置合わせ穴205があってもよい。振動板60及びヨーク20の位置決めを促進するために、複数の位置合わせ穴205が配置スリーブ201の中心軸周りの間隔に配置されている。
【0055】
シナリオ2
【0056】
図4を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はバスケット10及び振動板60を含み、バスケット10は、溝101を形成するために所定の領域を囲む。振動板60はバスケット10を覆って、溝101を密封する。振動板60は、組立用接着剤を用いることによりバスケット10に接続され得る。もちろん、振動板60は、代替的に、バスケット10にボルトにより接合されるか又はクランプにより接合され得る。また、環状の弾性包囲体604が振動板60の縁部に配置され得る。弾性包囲体604は振動板60の周囲に配置される。弾性包囲体604の内縁は振動板60の外縁に接続され、弾性包囲体604の外縁はバスケット10に接続されている。振動板60は弾性包囲体604を用いることによりバスケット10に接続されているため、振動板60が振動したときに振動板60に弾力性が提供され、振動板60が振動するのを妨げる抵抗も低減され得る。
【0057】
本実施形態では、ラウドスピーカ1は、ヨーク20、磁石40及びボイスコイル30をさらに含む。溝101の溝底は取り付け穴102を備える。ヨーク20は、底部202と、底部202の側部に位置するスリーブ201とを含む。スリーブ201の中心軸は、溝101の溝底が位置する面に対して垂直である。スリーブ201の一部は、取り付け穴102を介して溝101内に延びる。もちろん、スリーブ201は、代替的に、溝101の外側に位置してもよい。磁石40は環状である。磁石40はスリーブ201の外側にスリーブされている。磁石40の内壁とスリーブ201の外壁との間に環状間隙204が形成されている。ボイスコイル30は管状である。ボイスコイル30はスリーブ201の外側にスリーブされ、ボイスコイル30は環状間隙204内に位置するため、ボイスコイル30は磁石40によって形成される磁場内に位置する。
【0058】
また、ヨーク20の底部202は板状であり得る。スリーブ201は、底部202の、振動板60に面する側に配置されている。スリーブ201及び底部202は一体構造であり得る。もちろん、スリーブ201は、例えば溶接又はボルトにより底部202に接続されてもよい。これに対応して、磁石40の一端は、底部202の、振動板60に面する側に取り付けられ、磁石40は、組立用接着剤を用いることにより底部202に接続され得る。
【0059】
ボイスコイル30の、振動板60に面する端面は、振動板60の、底部202に面する側に固定接続されて、ボイスコイル30と振動板60との接続が実施される。また、ボイスコイル30が通電されて振動すると、振動板60が駆動されて振動し、音の生成が実現される。
【0060】
ボイスコイル30は、管状体302と、管状体302の外壁に巻かれたコイル301とを含んでもよく、それに対応して、管状体302はスリーブ201にスリーブされている。管状体302の材料は、プラスチック又は絶縁紙等の絶縁材料を含み得る。あるいは、管状体302の材料は銅又はアルミニウム等の金属材料である。管状体302が金属材料でできている場合、コイル301は管状体302に絶縁接続する必要がある。管状体302の、振動板60に近い端部は振動板60に接続されている。例えば、管状体302は、組立用接着剤を用いることにより振動板60に接続され得る。もちろん、管状体302は代替的に振動板60にクランプで接合されてもよい。スピーカ1が動作する場合、コイル301は通電される。コイル301は磁石40によって形成する磁場内に位置するため、コイル301に力がかけられ、それ故に振動板60が管状体302によって駆動されて振動し、音が生成される。
【0061】
依然
図4を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はダンパ50をさらに含む。ダンパ50は、スリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。スリーブ201は管状の空洞を取り囲む。ダンパ50は空洞内に配置されている。ダンパ50の外縁はボイスコイル30に接続され、ダンパ50の中間部はヨーク20に接続されている。ダンパ50は、動作の間に自身の弾性力を用いることにより、ボイスコイル30がスリーブ201の中心軸に平行な方向に沿って環状間隙204内で往復運動を行うことができるように特定の弾力性を有する。加えて、ダンパ50は、環状間隙204内でのボイスコイル30の位置をさらに制限し得る。例えば、ダンパ50の中心軸と、スリーブ201の中心軸とが平行に配置され得る。また、ダンパ50の中心軸とスリーブ201の中心軸とが同一直線上に配置され得る。
【0062】
上記の実施では、ヨーク20はボス203を含む。ボス203は底部202に配置され、ボス203はスリーブ201によって取り囲まれる領域内に位置する。ダンパ50の、底部202に面する内壁はボス203に接続されている。このような構成では、ダンパ50はボス203を用いることにより底部202に接続されているため、ダンパ50と底部202との間の距離を大きくでき、ダンパ50はスリーブ201の中心軸に対して垂直な面に位置することができる。
【0063】
ダンパ50は、組立用接着剤を用いることによりボス203に接続され得る。例えば、ダンパ50の中間部に穴が配置され、ボス203の一部がその穴に挿入される。これに対応して、ダンパ50の内縁は、組立用接着剤を用いることによりボス203に接続されている。もちろん、ダンパ50は、代替的に、ボス203の、底部202から離れた端部を覆い、組立用接着剤を用いることによりボス203の、底部202から離れた端部に接続されてもよい。したがって、ダンパ50とボス203との接続の強度が改善される。
【0064】
この実施形態で提供される電子装置によれば、ラウドスピーカ1のヨーク20は、底部202と、底部202の側部に位置するスリーブ201とを含む。環状磁石40は、スリーブ201の外側にスリーブされている。ボイスコイル30はスリーブ201にスリーブされ、磁石40とスリーブ201との間に位置する。ダンパ50はスリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。ダンパ50の外縁はボイスコイル30に接続され、ダンパ50の中間部はヨーク20に接続されている。磁石40及びボイスコイル30の両方はダンパ50の外側に位置する。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さはダンパ50の影響を受けない。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さを大きく設定できるため、ボイスコイル30を駆動して振動させる電磁駆動力が大きくなり、ラウドスピーカ1の感度が改善される。
【0065】
加えて、電子装置の小型化の要件が徐々に高まっているため、磁石40及びボイスコイル30の両方をダンパ50の外側に配置することで、ラウドスピーカ1は堅牢な電磁駆動力及び堅牢な感度並びに低減された厚さをさらに有することができるため、超薄型化が促進される。
【0066】
依然
図4を参照する。一部の実施形態では、ラウドスピーカ1は支持管603をさらに含む。支持管603はダンパ50とボイスコイル30との間に位置し、スリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。ダンパ50の外縁は支持管603の内壁に固定接続されている。支持管603はボイスコイル30に固定接続されている。
【0067】
支持管603をボイスコイル30に直接接続して、支持管603をボイスコイル30に固定してもよい。確かに、支持管603とボイスコイル30を間接的に接続するフレームを使用して、支持管603をボイスコイル30に代替的に接続してもよい。
【0068】
例えば、支持管603及びボイスコイル30の、底部202から離れた両端は振動板60に固定接続されているため、支持管603は、振動板60を用いることによりボイスコイル30に固定されている。なお、支持管603及びボイスコイル30を振動板60に直接接続して、支持管603及びボイスコイル30が振動板60に固定されるようにしてもよい。もちろん、支持管603及びボイスコイル30は、代替的に、別の部品を用いることにより振動板60に接続されて、支持管603及びボイスコイル30が振動板60に間接的に接続されるようにしてもよい。
【0069】
この実施形態では、ラウドスピーカ1はダストキャップ609をさらに含む。ダストキャップ609はスリーブ領域の上部を覆い、支持管603及びボイスコイル30の両方はダストキャップ609の内壁に固定接続されている。スリーブ領域はスリーブ201の外壁によって取り囲まれた円柱状の領域であり、スリーブ領域の上部は、管状領域の、底部202から離れた端部である。
【0070】
例えば、スリーブ201に面する貫通孔が振動板60に配置されている。ダストキャップ609は振動板60を覆って、貫通孔を密閉する。振動板60の外縁はバスケット10に接続されている。これに対応して、ボイスコイル30及び支持管603の両方は振動板601に接続されている。
【0071】
また、支持管603及びボイスコイル30の両方はダストキャップ609の内壁に直接接続され、支持管603及びボイスコイル30がダストキャップ609に直接接続され得る。もちろん、支持管603及びボイスコイル30は、代替的に、別の部品を用いることによりダストキャップ609の内壁に間接的に接続されてもよい。これは本実施形態では限定されない。
【0072】
上記の実施では、ダストキャップ609の、底部202に面する内壁に締結リング605が配置され、ボイスコイル30及び支持管603の両方は締結リング605に接続されている。このような構成では、ボイスコイル30及び支持管603は、締結リング605を用いることによりダストキャップ609に接続されている。ダストキャップ609にかかる力の均一性が改善される。さらに、ボイスコイル30と支持管603との接続は、締結リング605を用いることにより実現できる。
【0073】
締結リング605は、組立用接着剤を用いることによりダストキャップ609に接続され得る。もちろん、締結リング605は、代替的に、例えば、クランプ又はボルトによりダストキャップ609に接続されてもよい。この実施形態ではこれは限定されない。
【0074】
依然
図4を参照する。一部の実施では、振動板601は、環状切頭円錐形の拡散空洞608を取り囲み得る。拡散空洞608の中心軸と、スリーブ201の中心軸とは同一直線上に配置され得る。拡散空洞608の両端には中心軸の方向に開口が設けられ、面積がより小さい開口は貫通穴である。ダストキャップ609は拡散空洞608内に配置されている。ダストキャップ609は拡散空洞608の側壁に接続されている。これに対応して、貫通穴の側壁はボイスコイル30に接続されている。このような構成では、ボイスコイル30は、締結リング605を用いることにより、ダストキャップ609に、さらに振動板601に接続されている。ボイスコイル30と振動板60との接続の強度が改善されるため、ボイスコイル30が振動板60から外れるのが防止される。
【0075】
ボイスコイル30が管状体302と、管状体302に巻き付けられたコイル301とを含む実施では、管状体302の、底部202から離れた端部は締結リング605に接続され、振動板601の貫通孔の側壁は管状体302の側壁に接続される。
【0076】
上記の実施では、第1の環状溝606と第2の環状溝607とが間隔を置いて締結リング605に配置され得る。第1の環状溝606の直径は、第2の環状溝607の直径よりも小さい。これに対応して、支持管603の、ヨーク20から離れた端部は第1の環状溝606に挿入され、管状体302の、ヨーク20から離れた端部は第2の環状溝607に挿入されている。このように、支持管603と管状体302及び締結リング605との接続の強度をさらに改善できる。
【0077】
また、支持管603と締結リング605との接続が実現されるように、第1の環状溝606に組立用接着剤を配置し、その後に支持管603が第1の環状溝606に挿入される。同様に、管状体302と締結リング605との接続が実現されるように、第2の環状溝607に組立用接着剤を配置し、その後に管状体302が第2の環状溝607に挿入される。
【0078】
この実施形態で提供される電子装置によれば、ラウドスピーカ1のヨーク20は、底部202と、底部202の側部に位置するスリーブ201とを含む。環状磁石40は、スリーブ201の外側にスリーブされている。ボイスコイル30はスリーブ201にスリーブされ、磁石40とスリーブ201との間に位置する。ダンパ50はスリーブ201によって取り囲まれた領域に位置する。ダンパ50の外縁はボイスコイル30に接続され、ダンパ50の中間部はヨーク20に接続されている。磁石40及びボイスコイル30の両方はダンパ50の外側に位置する。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さはダンパ50の影響を受けない。磁石40の体積及びボイスコイル30のコイル301の長さを大きく設定できるため、ボイスコイル30を駆動して振動させる電磁駆動力が大きくなり、ラウドスピーカ1の感度が改善される。
【0079】
加えて、電子装置の小型化の要件が徐々に高まっているため、磁石40及びボイスコイル30の両方をダンパ50の外側に配置することで、ラウドスピーカ1は堅牢な電磁駆動力及び堅牢な感度並びに低減された厚さをさらに有することができるため、超薄型化が促進される。
【0080】
依然
図4を参照する。この実施形態では、ラウドスピーカ1はポールピース70をさらに含む。ポールピース70は環状である。ポールピース70は、磁石40の、底部202から離れた面を覆う。ポールピース70は磁石40によって生成される磁場を調整するため、磁石40によって生成される磁力線がポールピース70の内壁とスリーブ201との間に集中する。コイル301が位置する磁場の強度が高まり、ボイスコイル30を駆動して動かす電磁駆動力が大きくなり、ラウドスピーカ1の感度がそれ故改善される。例えば、ポールピース70の材料は鉄又はスチール等の強磁性材料を含み得る。
【0081】
また、ポールピース70の中心軸と、磁石40の中心軸とは同一直線上に配置される。さらに、ポールピース70の、ボイスコイル30に面する縁部は、磁石40の、ボイスコイルに面する縁部から突出している。そのような配置では、ポールピース70とスリーブ201との間の距離は磁石40とスリーブ201との間の距離よりも小さくなり、ポールピース70の内壁とコイル301との間の距離が小さくなるため、コイル301が位置する磁場の強度がさらに改善され、ボイスコイル30を駆動して動かす電磁駆動力がさらに改善される。
【0082】
一部の実施では、バスケット10は溝101を備える。溝101の溝底は取り付け穴102を備える。ボイスコイル30の少なくとも一部は、取り付け穴102を介して溝101の溝底から延びている。バスケット10は、組立用接着剤又はリベットを用いることにより、ポールピース70の、底部202から離れた面に接続され得る。このような構成では、バスケット10とポールピース70との間の接続面積は比較的大きくなるため、バスケット10とポールピース70との間の接続力が改善される。
【0083】
依然
図4、
図7、
図8を参照する。この実施形態では、ヨーク20の底部202に位置合わせ穴205が配置され得る。位置合わせ穴205はスリーブ201によって取り囲まれた領域内に位置し、位置合わせ穴205はスリーブ201と連通する。ラウドスピーカ1を組み立てるプロセスでは、固定具を位置合わせ穴205内に延ばし、さらに、この固定具を用いることにより振動板60及びヨーク20をさらに位置決めすることにより、ラウドスピーカ1の組み立てを促進し、ラウドスピーカ1の組み立て精度が改善される。また、複数の位置合わせ穴205があってもよい。振動板60及びヨーク20の位置決めを促進するために、複数の位置合わせ穴205が配置スリーブ201の中心軸周りの間隔に配置されている。
【0084】
シナリオ3
【0085】
図5、
図6を参照する。この実施形態とシナリオ2との相違点は、複数のダンパ50があり得る点にある。複数のダンパ50は、スリーブ201の中心軸の方向に積み重ねられている。隣接する2つのダンパ50毎に互いに分離されている。つまり、複数のダンパ50は平行に且つ間隔を空けて配置されている。このような構成では、複数のダンパ50はボイスコイル30の弾力性を改善でき、環状間隙204内でのボイスコイル30の位置をさらに制限する。
【0086】
また、ボス203は複数の締結部206を含む。複数の締結部206は、スリーブ201の中心軸の方向に沿って順次配置されている。各ダンパ50は1つの締結部206に締結されている。このような構成により、各ダンパ50は、スリーブ201の中心軸に対して垂直な平面内にあることができる。例えば、2つ、3つ、4つの締結部206等があり得る。これに対応して、ダンパ50の数は締結部206の数と同じである。
【0087】
一部の実施では、複数の締結部206のうちの底部202に近い締結部206と底部202とは一体構造であり得る。他の締結部206のうちの隣接する2つの締結部206は組立用接着剤で接続され得る。あるいは、複数の締結部206のうちの底部202に近い締結部206と底部202とは一体構造であり、底部202に近い締結部206に接続用のねじ穴が配置され得る。これに対応して、他の締結部206のそれぞれに取り付け穴が配置される。接続ボルトが締結部206の取り付け穴を順次貫通し、接続用のねじ穴と係合して締結部206同士を接続する。
【0088】
隣接する2つの締結部206のうち、底部202から離れた締結部206は、底部202に近い締結部206を完全に覆わない。つまり、底部202に近い締結部206の、底部から離れた端面に取り付け位置が確保される。ダンパ50は、ダンパ50の取り付けを促進するために、取り付け位置を覆い得る。もちろん、ダンパ50は、代替的に、隣接する2つの締結部206の間に挟まれて、ダンパ50と締結部206との接続の強度を改善し得る。
【0089】
別の実施では、複数の締結部206は一体構造であり得る。これに対応して、隣接する2つの締結部206のうち、底部202から離れた締結部206は、底部202に近い締結部206を完全には覆わないため、底部202に近い締結部206の、底部から離れた端面に取り付け位置が確保される。ダンパ50は、ダンパ50の取り付けを促進するために、取り付け位置を覆う。
【0090】
本願の説明では、「中央」、「長手」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上側」、「下側」、「前」、「後ろ」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸」、「半径」、「円周」等の用語によって示される方向又は位置関係は、添付の図面に基づき、本願の説明するための便宜上及び説明の簡略化のために用いられているに過ぎず、言及される装置又は要素が特定の向きを有する必要があること又は特定の向きで構築され、操作される必要があることを示すか又は暗示することを意図したものではなく、本願を限定するものと理解すべきでないことが理解されよう。
【0091】
なお、本願の説明で、「第1」及び「第2」という用語は、異なるコンポーネントの説明を促進するために用いられているにすぎず、順番関係若しくは相対的な重要性を示すか又は含意するものとして又は示された技術的特徴の数を暗黙に示すものとして理解すべきでない。したがって、「第1」又は「第2」によって限定される特徴は、特徴のうちの少なくとも1つを明示的又は黙示的に含み得る。
【0092】
本願において、別段規定がない限り、「取り付け」、「接続すること」、「接続」及び「締結」等の用語は広義に理解されるべきであり、例えば、別段規定がない限り、固定接続、着脱可能接続又は統合として理解され得るか又は機械的接続、電気的接続若しくは相互通信として理解され得るか又は直接接続若しくは媒体を介した間接接続又は2つの要素の内部通信又は2つの要素間の相互関係と理解され得る。当業者であれば、特定の場合に応じて、本願における用語の特定の意味を理解し得る。
【0093】
最後に、上記の実施形態は、本願を限定のではなく、本願の技術的解決策を説明することを意図したものに過ぎないことを注意すべきである。本願は、上記の実施形態を参照して詳細に説明してきたが、当業者は、本出願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態で説明した技術的解決策が依然変更され得るか又はその技術的特徴の一部又は全てが同等に置き換えられ得ることを理解すべきである。