(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】管理装置、避難誘導装置、情報登録装置、避難誘導システム装置、管理方法、避難誘導方法、情報登録方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20250107BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20250107BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20250107BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20250107BHJP
H04M 3/30 20060101ALI20250107BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20250107BHJP
H04W 4/90 20180101ALI20250107BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20250107BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G08B27/00 C
G08B5/00 C
G08B21/10
G08B25/04 K
H04M3/30
H04M11/00 301
H04W4/90
H04W76/10
G08G1/00 J
(21)【出願番号】P 2020089548
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】野馬 克則
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0110373(US,A1)
【文献】特開2018-132832(JP,A)
【文献】特開2020-003416(JP,A)
【文献】特開2016-071543(JP,A)
【文献】特開2016-212635(JP,A)
【文献】特開2015-090677(JP,A)
【文献】米国特許第07619538(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0063729(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00-31/00
H04M 3/30
H04M 11/00
H04W 4/90
H04W 76/10
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期設定手段、マスター設定手段、安否確認手段、及び通信手段を含み、
前記初期設定手段は、前記通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定手段は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記安否確認手段は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完
了データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースであり、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する、管理装置。
【請求項2】
さらに、送信手段、取得手段、及び避難方向情報生成手段を含み、
前記送信手段は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得手段は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成手段は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信手段は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記避難方向情報生成手段は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性
状態データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、請求項2記載の管理装置。
【請求項4】
記憶手段、確認手段、検出データ取得手段、判定手段、通知手段、ステータス設定手段、表示処理手段、及び通信手段を含み、
前記記憶手段は、メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認手段は、前記通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得手段は、固定構造体の状態及
び特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定手段は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知手段は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定手段は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき
、避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理手段は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行し、
前記通信手段を介して、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成する、避難誘導装置。
【請求項5】
第1避難誘導装置と、第2避難誘導装置と、請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置と、を含み、
前記第1避難誘導装置は、請求項4記載の避難誘導装置であり、
前記第2避難誘導装置は、マスターの資格を有する請求項4記載の避難誘導装置であり、
前記第1避難誘導装置及び前記第2避難誘導装置は、メッシュネットワークを構成し、
前記管理装置は、前記第2避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワーク内に各種情報を送信する、避難誘導システム装置。
【請求項6】
初期設定工程、マスター設定工程、及び安否確認工程を含み、
前記初期設定工程は、通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定工程は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記安否確認工程は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完
了データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースであり、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する手段である、管理方法。
【請求項7】
記憶工程、確認工程、検出データ取得工程、判定工程、通知工程、ステータス設定工程、表示処理工程、及び通信工程を含み、
前記通信工程は、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成し、
前記記憶工程は、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認工程は、通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得工程は、固定構造体の状態及び特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定工程は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知工程は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定工程は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき
、避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理工程は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行する、避難誘導方法。
【請求項8】
コンピュータに、初期設定手順、マスター設定手順、及び安否確認手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記初期設定手順は、通信手順を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定手順は、前記通信手順を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記安否確認手順は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完
了データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースであり、
前記通信手順は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する手順である、プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、記憶手順、確認手順、検出データ取得手順、判定手順、通知手順、ステータス設定手順、表示処理手順、及び通信手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記通信手順は、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成し、
前記記憶手順は、メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記メッシュネットワークは、複数の避難誘導装置により構成され、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、
前記確認手順は、
前記通信手順を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得手順は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定手順は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知手順は、前記通信手順を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定手順は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき
、避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理手順は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、避難誘導装置、情報登録装置、避難誘導システム装置、管理方法、避難誘導方法、情報登録方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
対象者を特定の場所まで誘導する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害発生時に、対象者の安全性を確保しながら、避難誘導を可能にする技術が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、災害発生時に、安全性を確保しながら、対象者の避難誘導を可能な管理装置、避難誘導装置、情報登録装置、避難誘導システム装置、管理方法、避難誘導方法、情報登録方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の管理装置は、
初期設定手段、マスター設定手段、及び通信手段を含み、
前記初期設定手段は、前記通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定手段は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する、装置である。
【0007】
本発明の避難誘導装置は、
記憶手段、確認手段、検出データ取得手段、判定手段、通知手段、ステータス設定手段、表示処理手段、及び通信手段を含み、
前記記憶手段は、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認手段は、前記通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得手段は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定手段は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知手段は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定手段は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、前記避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理手段は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行し、
前記通信手段を介して、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成する、装置である。
【0008】
本発明の情報登録装置は、
対象者が携帯可能な情報登録装置であって、
受信手段、通過情報登録手段、及び避難完了情報登録手段を含み、
前記受信手段は、避難誘導装置が発信する識別情報を受信し、
前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成し、
前記通過情報登録手段は、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録し、
前記避難完了情報登録手段は、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録する、装置である。
【0009】
本発明の避難誘導システム装置は、
第1避難誘導装置と、第2避難誘導装置と、本発明の管理装置と、を含み、
前記第1避難誘導装置は、マスターの資格がない本発明の避難誘導装置であり、
前記第2避難誘導装置は、マスターの資格がある本発明の避難誘導装置であり、
前記第1避難誘導装置及び前記第2避難誘導装置は、メッシュネットワークを構成し、
前記管理装置は、前記第2避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワーク内に各種情報を送信する、装置である。
【0010】
本発明の管理方法は、
初期設定工程、及びマスター設定工程を含み、
前記初期設定工程は、通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定工程は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定する、方法である。
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する手段である。
【0011】
本発明の避難誘導方法は、
記憶工程、確認工程、検出データ取得工程、判定工程、通知工程、ステータス設定工程、表示処理工程、及び通信工程を含み、
前記通信工程は、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成し、
前記記憶工程は、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認工程は、通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得工程は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定工程は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知工程は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定工程は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、前記避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理工程は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行する、方法である。
【0012】
本発明の情報登録方法は、
受信工程、通過情報登録工程、及び避難完了情報登録工程を含み、
前記受信工程は、避難誘導装置が発信する識別情報を受信し、
前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成し、
前記通過情報登録工程は、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録し、
前記避難完了情報登録工程は、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録する、方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、災害発生時に、安全性を確保しながら、対象者を避難誘導することができる。前記対象者は、特に制限されず、例えば、住民、通行人、避難者等の避難対象者である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の装置における処理のその他の例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1の装置における処理のその他の例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態2の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態2の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態2の装置の構成のその他の例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、変形例1の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、変形例1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態2の装置と、変形例1の装置を用いた避難誘導の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、変形例2の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、変形例2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、上位メッシュネットワークの一例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、変形例2の装置を街中に適用した一例を示す模式図である。
【
図17】
図17は、実施形態3の装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、実施形態3の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】
図19は、実施形態3の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の管理装置は、例えば、
さらに、送信手段、取得手段、及び避難方向情報生成手段を含み、
前記送信手段は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得手段は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成手段は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信手段は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の管理装置において、例えば、
前記避難方向情報生成手段は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の管理装置は、例えば、
さらに、安否確認手段を含み、
前記安否確認手段は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の避難誘導装置において、例えば、
ステータス設定手段は、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定し、及び
前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明の避難誘導装置は、例えば、
さらに、避難方向情報取得手段を含み、
前記通知手段は、さらに、前記通信手段を介して、前記設定したステータスに、前記記憶手段に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知し、
前記避難方向情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得し、
前記表示処理手段は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明の避難誘導装置は、例えば、
さらに、発信手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶し、
前記発信手段は、前記通信手段を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明の避難誘導装置は、例えば、
さらに、ステータス取得手段、地図情報取得手段、マッピング手段、及び送信手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶し、
前記ステータス取得手段は、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得し、
前記地図情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得し、
前記マッピング手段は、前記取得した地図情報上に、前記取得したステータス及び前記設定したステータスをマッピングし、
前記送信手段は、前記通信手段を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する、という態様であってもよい。前記態様の装置は、例えば、マスター装置ともいう。
【0022】
前記マスター装置は、例えば、さらに、前記活性状態検出手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶し、
前記活性状態検出手段は、複数の特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納し、
前記特定エリア毎の前記避難誘導装置により、上位メッシュネットワークを構成し、
複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、
前記表示処理手段は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する、という態様であってもよい。前記態様の装置は、例えば、上位マスター装置ともいう。
【0023】
本発明の避難誘導システム装置は、例えば、
さらに、本発明の情報登録装置を含む、という態様であってもよい。
【0024】
本発明の管理方法は、例えば、
さらに、送信工程、取得工程、及び避難方向情報生成工程を含み、
前記送信工程は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得工程は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成工程は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信工程は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、という態様であってもよい。
【0025】
本発明の管理方法において、例えば、
前記避難方向情報生成工程は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、という態様であってもよい。
【0026】
本発明の管理方法は、例えば、
さらに、安否確認工程を含み、
前記安否確認工程は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである、という態様であってもよい。
【0027】
本発明の避難誘導方法において、例えば、
ステータス設定工程は、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定し、及び
前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する、という態様であってもよい。
【0028】
本発明の避難誘導方法は、例えば、
さらに、避難方向情報取得工程を含み、
前記通知工程は、さらに、前記通信手段を介して、前記設定したステータスに、前記記憶工程に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知し、
前記避難方向情報取得工程は、前記通信手段を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得し、
前記表示処理工程は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する、という態様であってもよい。
【0029】
本発明の避難誘導方法は、例えば、
さらに、発信工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶し、
前記発信工程は、前記通信手段を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する、という態様であってもよい。
【0030】
本発明の避難誘導方法は、例えば、
さらに、ステータス取得工程、地図情報取得工程、マッピング工程、及び送信工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶し、
前記ステータス取得工程は、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得し、
前記地図情報取得工程は、前記通信手段を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得し、
前記マッピング工程は、前記取得した地図情報上に、前記取得したステータス及び前記設定したステータスをマッピングし、
前記送信工程は、前記通信手段を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する、という態様であってもよい。
【0031】
前記マスターの資格を記憶する態様において、例えば、
さらに、前記活性状態検出工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶し、
前記活性状態検出工程は、複数の特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納し、
前記特定エリア毎に上位マスター装置が少なくとも1つあり、
前記特定エリア毎の前記上位マスター装置により、上位メッシュネットワークを構成し、
複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、
前記表示処理工程は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する、という態様であってもよい。
【0032】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0033】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0034】
本発明において、「固定構造体」は、特に制限されず、例えば、街中に固定配置され、電力を利用可能な物体である。具体的には、例えば、電柱、街路灯、信号機、道路標識、マンホールの蓋等があげられる。前記固定構造体は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、サイネージ等の表示装置を含んでもよい。
【0035】
本発明において、「災害」は、特に制限されず、例えば、地震、台風、豪雨、寒波、雪崩、火山噴火、酷暑等の自然災害、大火事、大爆発、テロ、ストライキ、戦争、騒乱等の人為的な災害等がある。
【0036】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0037】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の管理装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、初期設定手段11、マスター設定手段12、及び通信手段13を含む。また、本装置10は、例えば、さらに、送信手段14、取得手段15、及び避難方向情報生成手段16を含んでもよい。さらに、本装置10は、例えば、安否確認手段17を含んでもよい。
【0038】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi―Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0039】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPC等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0040】
中央処理装置(中央演算装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、初期設定手段11、及びマスター設定手段12として機能する。また、中央処理装置(中央演算装置)101は、例えば、さらに、送信手段14、取得手段15、及び避難方向情報生成手段16としても機能する。さらに、中央処理装置(中央演算装置)101は、例えば、安否確認手段17としても機能する。
【0041】
バス103は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター等があげられる。本装置10は、例えば、バスに接続された通信デバイス107により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、他の装置又は機器と接続することもできる。通信デバイス107は、例えば、通信手段13として機能する。通信手段13は、後述のマスターの資格を設定した避難誘導装置(例えば、変形例1及び2記載の避難誘導装置30)を介して、前記マスターの資格を設定した避難誘導装置を含む複数の避難誘導装置により構成されるメッシュネットワークに通信可能に接続する。
【0042】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、サイネージ等が挙げられる。
【0043】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ユーザのログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0044】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。この他に、記憶装置104は、例えば、記憶媒体と、記憶媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。
【0045】
つぎに、本実施形態の管理方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の管理方法は、例えば、
図1の管理装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の管理方法は、
図1の管理装置10の使用には限定されない。
【0046】
まず、初期設定手段11により、通信手段13を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い(S11)、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定する(S12)。前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つ前記初期設定によりメッシュネットワークを構成している装置である。具体的には、例えば、実施形態2(変形例1及び2を含む)記載の避難誘導装置20、及び30である。前記初期設定情報データベースは、例えば、初期設定情報が格納されているデータベースである。前記初期設定情報は、特に制限されず、例えば、避難方向情報、識別情報、マスターの資格の有無、サブマスターの資格の有無、マスターの識別情報、サブマスターの資格の有無、前記避難誘導装置の数、初期ステータス、各ステータスに対応する色等の情報がある。前記マスター及び前記ステータスについては、後述する。
【0047】
次に、マスター設定手段12により、通信手段13を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置(例えば、変形例1及び2記載の避難誘導装置30)に対し、前記マスターに関する情報を設定し(S13)、終了する(END)。
【0048】
一方で、マスターの資格を設定しない場合は、例えば、前記工程(S11)を実行し、終了してもよい(END)。
【0049】
本装置10は、例えば、
図1に示すように、さらに、送信手段14、取得手段15、及び避難方向情報生成手段16を含んでもよい。この場合における前記管理方法の一例を、
図4のフローチャートに基づき説明する。
【0050】
図4に示す工程(S11)~(S13)は、
図3に示す前記工程工程(S11)~(S13)と同様に処理する。
【0051】
次に、送信手段14により、通信手段13を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する(S14)。前記特定エリアの地図情報は、例えば、メモリ102や記憶装置104に予め記憶していてもよいし、後述の取得手段15が取得してもよい。
【0052】
次に、取得手段15により、通信手段13を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得する(S15)。前記ステータス付き地図情報は、例えば、変形例1記載の「マッピングした地図情報」に相当する。
【0053】
次に、避難方向情報生成手段16により、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成する(S16)。前記避難方向情報は、例えば、避難場所等の方向を示す情報である。避難方向情報生成手段16は、例えば、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成してもよい。前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである。具体的には、変形例2記載の避難誘導装置30により検出された前記活性状態が格納されている。
【0054】
そして、送信手段14により、さらに、通信手段13を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し(S17)、終了する(END)。そして、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から、前記メッシュネットワーク内の前記マスターの資格を有さない避難誘導装置に、前記避難方向情報が、それぞれ転送されることになる。すなわち、初期設定手段11が、例えば、前記初期設定として、既に前記避難方向情報を設定していた場合は、送信手段14により、前記生成した避難方向情報を送信することで、前記避難方向情報を再設定することになる。
【0055】
本装置10は、例えば、
図1に示すように、さらに、安否確認手段17を含んでもよい。この場合における前記管理方法の一例を、
図5のフローチャートに基づき説明する。
【0056】
図5に示す工程(S11)~(S17)は、
図4に示す前記工程工程(S11)~(S17)と同様に処理する。
【0057】
安否確認手段17は、例えば、前記工程(S13)の後に、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認する(S18)。前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースである。前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、具体的には、例えば、実施形態3記載の情報登録装置40である。前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである。前記工程(S18)は、例えば、前記工程(S14)~前記工程(S17)と並行して処理してもよい。また、安否確認手段17は、例えば、前記通過情報データベース内の前記通過情報と、前記避難完了情報データベース内の前記避難完了情報とを照合し、前記通過情報として記録されている前記情報登録装置の全てが、前記情報登録装置に対応する前記避難完了情報として前記避難完了情報データベースに格納されているかを確認してもよい。すなわち、安否確認手段17は、前記情報登録装置を携帯する全ての対象者の安否を確認する。前記工程(S18)は、例えば、全ての前記情報登録装置に対応する前記避難完了情報が確認されるまで、繰り返し処理を実行してもよい。そして、前記工程(S11)~前記工程(S18)の全ての工程を処理したら、終了する(END)。
【0058】
本実施形態の管理装置10によれば、例えば、前記初期設定としての避難方向情報や、前記生成した避難方向情報により、対象者の安全性を確保しながら、避難誘導することができる。また、本装置10によれば、例えば、前記対象者の安否を容易に確認することができる。
【0059】
[実施形態2]
図6は、本実施形態の避難誘導装置20の一例の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、本装置20は、記憶手段21、確認手段22、検出データ取得手段23、判定手段24、通知手段25、ステータス設定手段26、表示処理手段27、及び通信手段28を含む。本装置20は、通信手段28を介して、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成する。前記メッシュネットワークとは、ネットワーク内の装置同士が直接接続していなくても相互に通信でき、網目状の通信経路を形成するネットワークのことである。前記メッシュネットワークは、例えば、Bluetooth(登録商標)で構成される。本装置20を含む前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置である。具体的には、例えば、前記固定構造体に内蔵している装置であってもよいし、前記固定構造体の外面に取り付けられている装置であってもよい。また、本装置20は、例えば、本発明のプログラムがインストールされた固定構造体であってもよい。前記特定エリアは、特に制限されず、例えば、市町村内、商店街内、イベント会場内、デパート等の施設内等がある。前記特定エリアを、例えば、区画ともいう。前記メッシュネットワークは、例えば、本装置20により、前記特定エリアの地形、構造、市町村区画等の区画等に合わせて構成される。
【0060】
本装置20は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置20は、前記通信回線網を介して、前記外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。また、本装置20は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0061】
図7に、本装置20のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置20は、例えば、中央処理装置(CPU、GPC等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置20の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。前記ハードウエア構成の各部は、特に言及しない限り、実施形態1の説明を援用できる。
【0062】
中央処理装置(中央演算装置)101は、例えば、確認手段22、検出データ取得手段23、判定手段24、通知手段25、ステータス設定手段26、及び表示処理手段27として機能する。通信デバイス107は、例えば、通信手段28として機能する。記憶手段21は、例えば、メモリ102又は記憶装置104を使用できる。
【0063】
つぎに、本実施形態の避難誘導方法の一例を、
図8のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の避難誘導方法は、例えば、
図6の避難誘導装置20を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の避難誘導方法は、
図6の避難誘導装置20の使用には限定されない。
【0064】
予め、記憶手段21により、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶する(S20)。前記管理装置は、本装置20を含む前記複数の避難誘導装置を管理する装置であり、具体的には、例えば、前記実施形態1記載の管理装置10である。前記初期設定情報は、例えば、前述と同様である。
【0065】
まず、確認手段22により、通信手段28を介して、前記複数の避難誘導装置のうち、本装置20と近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認する(S21)。具体的には、例えば、前記他の避難誘導装置から前記被害の有無に関する情報が継続的に通知されるかを監視する。そして、前記災害による被害があるとの情報を通知された場合や、前記被害の有無に関する情報の通知が途絶えた場合に、確認手段22は、前記他の避難誘導装置における被害が「有」と確認する。一方で、前記災害による被害がないとの情報を通知された場合に、確認手段22は、前記他の避難誘導装置における被害が「無」と確認する。
【0066】
次に、検出データ取得手段23により、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得する(S22)。前記固定構造体の状態を示す検出データとしては、例えば、時間情報、データ通信ログ、セルフチェックログ、停電ログ、点灯開始時間、点灯終了時間、連続点灯時間等のデータがある。前記特定エリアの状態とは、具体的に、例えば、前記特定エリアのうち、本装置20が設置されているエリアの近辺を意味する。前記特定エリアの状態を示す検出データとしては、例えば、照度、赤外線、紫外線、傾斜、振動(加速度)、温度、湿度、水位等のデータがある。前記検出データは、例えば、各種センサ、カメラ等の検出装置や、各種監視プログラム等のプログラム等を用いて検出できる。本装置20は、例えば、さらに、前記検出装置や前記プログラムを含み、検出データ取得手段23は、前記検出装置や前記プログラムによる検出により、前記検出データを取得してもよい。また、本装置20は、例えば、前記通信回線網を介して、外部の前記検出装置や外部の前記プログラムを含む装置と通信し、検出データ取得手段23は、前記通信回線網を介して、前記検出装置や前記プログラムが検出した前記検出データを取得してもよい。
【0067】
次に、判定手段24により、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定する(S23)。具体的には、例えば、記憶手段21が、さらに、災害が発生していない時に取得した前記検出データ(以下、平常時検出データともいう)を蓄積して記憶し、判定手段24は、災害発生時に取得した前記検出データ(以下、災害発生時検出データともいう)と前記平常時検出データとを比較して、前記固定構造体の被害の有無を判定できる。より具体的には、例えば、前記災害発生時検出データと前記平常時検出データとの差異が予め設定した基準値より大きければ、前記被害を「有」と判定し、前記災害発生時検出データと前記平常時検出データとの差異が予め設定した基準値より小さければ、前記被害を「無」と判定できる。一方で、判定手段24は、例えば、検出項目毎に予め設定された閾値に基づき、前記固定構造体の被害の有無を判定してもよい。
【0068】
次に、通知手段25により、通信手段28を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知する(S24)。前記通知は、例えば、継続定期に実行する。また、例えば、前記工程(S22)~前記工程(S24)を継続的に実行してもよい。
【0069】
前記工程(S21)と、前記工程(S22)~前記工程(S24)とは、例えば、
図8に示すように並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。前記順番は、特に制限されない。
【0070】
次に、ステータス設定手段26により、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、本装置20のステータスを設定する(S25)。前記ステータスは、例えば、本装置20における前記固定構造体が設置されている地点の安全性を示す標識である。具体的には、例えば、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定する。前記「安全」は、例えば、前記固定構造体を含む近辺に被害が発生しておらず、安全性が高いことを意味する。また、ステータス設定手段26は、例えば、前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する。前記「エッジ」は、例えば、前記固定構造体の近辺で被害が発生しており、前記固定構造体が、前記被害が発生している地区(他の固定構造体)との境界であることを意味する。さらに、ステータス設定手段26は、例えば、前記判定により固定構造体において被害があると判定された場合に、前記ステータスを「被害あり」に設定する。また、ステータス設定手段26は、例えば、前記監視により前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認できない場合に、前記ステータスを「不明」に設定する。前記「不明」は、例えば、前記他の避難誘導装置において被害があるとみなすことができる。前記「被害あり」及び前記「不明」の避難誘導装置が設置されている場所は、例えば、被害地区とみなす。
【0071】
そして、表示処理手段27により、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行し(S26)、終了する(END)。前記避難方向は、例えば、矢印等の記号を用いて表示される。前記避難方向情報は、例えば、前述と同様である。前記ステータスは、例えば、色(例えば、LED等の光源が発する色)や文字等を用いて表示される。前記光源は、本装置20及び前記固定構造体の少なくとも一方が含むLED等の光源を用いることができる。表示処理手段27は、例えば、本装置20が表示装置106を含む場合、表示装置106に表示するように処理してもよいし、前記固定構造体が前記表示装置を含む場合、前記表示装置に表示するように処理してもよい。
【0072】
本装置20は、例えば、
図9に示すように、さらに、避難方向情報取得手段29を含んでもよい。この場合において、中央処理装置101が、例えば、さらに、避難方向情報取得手段29として機能する。この場合において、通知手段25は、さらに、通信手段28を介して、前記設定したステータスに、記憶手段21に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知してもよい。前記通知は、例えば、マスター資格のある他の避難誘導装置(以下、マスター装置ともいう)を介して、前記管理装置に通知される。前記マスターについては、後述する。そして、避難方向情報取得手段29は、例えば、前記通知に続けて、通信手段28を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得する。前記避難方向情報は、例えば、マスター装置を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信される。すなわち、避難方向情報取得手段29は、前記マスター装置から転送された避難方向情報を取得する。そして、表示処理手段27は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する。本装置20が避難方向情報取得手段29を含む場合における避難誘導方法は、例えば、記憶手段21が、前記初期設定情報として前記避難方向を記憶している場合は、
図8に示す前記工程(S26)の後に、通知手段25による前記ステータスの通知、避難方向情報取得手段29による前記避難方向情報の取得、及び表示処理手段27による表示処理(再表示処理ともいう)を、この順で処理して、終了してもよい(END)。また、記憶手段21が、例えば、前記初期設定情報として前記避難方向を記憶していない場合は、
図8に示す前記工程(S25)の後に、通知手段25による前記ステータスの通知、避難方向情報取得手段29による前記避難方向情報の取得、及び表示処理手段27による表示処理(S26)を、この順で処理して、終了してもよい(END)。これにより、例えば、前記管理装置が、前記ステータスに基づき、より安全性が高く正確な避難方向情報を生成できるため、本装置20は、より正確な避難方向情報を表示・再表示可能である。
【0073】
本装置20は、例えば、
図9に示すように、さらに、発信手段210を含んでもよい。この場合において、中央処理装置101が、例えば、さらに、発信手段210として機能する。この場合において、記憶手段21は、
図8に示す前記工程(S20)において、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶する。そして、発信手段210は、例えば、前記工程(S20)の後に、通信手段28を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する。前記発信は、前記工程(S20)の後であればよく、例えば、前記工程(S21)~前記工程(S26)と並行して処理してもよい。これにより、例えば、後述する情報登録装置が前記識別情報を取得して、前記取得したことを外部のデータベースに登録することができるため、前記対象者が通過した経路が分かる。
【0074】
本実施形態の避難誘導装置20によれば、例えば、前記対象者が、前記固定構造体のステータス及び前記避難方向情報を確認することができるため、前記対象者を避難誘導することができる。また、本装置20によれば、屋内に限らず、屋外においても避難誘導することができる。一般的に、例えば、災害発生時にスマートフォン内の誘導アプリを起動させて、前記誘導アプリに頼って避難することは、避難開始の遅延や前記誘導アプリを立ち止まって確認する等の危険性が伴う。しかしながら、本装置20によれば、スムーズに避難誘導することができ、対象者の安全が確保できる。また、本装置20によれば、対象者が初めて訪れた土地での避難であっても、正確に避難誘導することができる。また、本装置20によれば、夜間や降雨等の視界不良時であっても、前記光源や前記表示装置(表示装置106)に前記避難方向及び前記ステータスを表示できるため、視認性が高い。
【0075】
(変形例1)
図10は、本変形例の避難誘導装置30の一例の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、本装置30は、さらに、ステータス取得手段31、地図情報取得手段32、マッピング手段33、送信手段34を含む。本変形例において、避難誘導装置30が、さらに、ステータス取得手段31、地図情報取得手段32、マッピング手段33、送信手段34を含む点を除き、前記実施形態2の避難誘導装置20と同様である。本変形例の避難誘導装置30におけるハードウエア構成は、中央演算装置101が、さらに、ステータス取得手段31、地図情報取得手段32、マッピング手段33、送信手段34を含む点を除き、
図7に示す前記実施形態2の避難誘導装置20と同様である。特に示さない限り、本変形例は、前記実施形態2の記載を援用できる。本装置30は、例えば、マスター装置ともいう。
【0076】
つぎに、本変形例の避難誘導方法の一例を、
図11のフローチャートに基づき説明する。本変形例の避難誘導方法は、例えば、
図10の避難誘導装置30を用いて、次のように実施する。なお、本変形例の避難誘導方法は、
図10の避難誘導装置30の使用には限定されない。
【0077】
予め、記憶手段21により、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶する(S20)。前記マスターの資格とは、例えば、前記メッシュネットワークにおいて、前記メッシュネットワーク外の装置と通信可能し、且つ前記メッシュネットワークの状態を把握することを前記管理装置から指名(設定)されたことを示す資格である。前記マスターの資格を記憶した場合、記憶手段21は、例えば、さらに、マスター識別番号、上位マスターの資格の有無、マスター装置の数等の初期設定情報(前記マスターに関する情報)を記憶してもよい。
【0078】
図11における工程(S21)~工程(S26)は、
図8における前記工程(S21)~前記工程(S26)と同様である。
【0079】
次に、ステータス取得手段31により、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得する(S27)。前記ステータスには、例えば、前記複数の避難誘導装置のうち前記ステータスを設定した避難誘導装置の識別情報が紐づけられている。前記工程(S27)は、前記工程(S20)の後に処理されればよく、例えば、
図11に示すように、前記工程(S20)の後に続けて、前記工程(S21)~前記工程(S25)と並行して処理してもよい。また、前記工程(S27)は、例えば、前記工程(S25)の後に続けて処理されてもよい。
【0080】
次に、地図情報取得手段32により、通信手段28を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得する(S28)。前記工程(S28)は、前記工程(S20)の後に処理されればよく、例えば、
図11に示すように、前記工程(S20)の後に続けて、前記工程(S21)~前記工程(S25)、及び前記工程(S27)と並行して処理してもよい。また、前記工程(S27)と前記工程(S28)とを順番に処理してもよい。前記順番は、特に制限されない。
【0081】
次に、マッピング手段33により、前記取得した地図情報上に、前記取得した前記複数の避難誘導装置のステータス及び前記設定した本装置30のステータスをマッピング(対応付け)する(S29)。これにより、前記メッシュネットワークの把握が可能になる。
【0082】
次に、送信手段34により、通信手段28を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する(S30)。そして、前記工程(S20)~前記工程(S30)の全ての工程を処理したら、終了する(END)。前記送信は、例えば、前記初期設定としてサブマスターの資格を記憶する他の避難誘導装置(以下、サブマスター装置ともいう)を介して、前記管理装置に送信してもよい。前記サブマスターの資格がある装置は、例えば、前記メッシュネットワークにおいて、前記メッシュネットワーク外の装置と通信可能し、且つ前記マスター資格のある避難誘導装置のバックアップとして機能することを前記管理装置から指名(設定)されたことを示す資格である。前記サブマスター装置の構成は、例えば、サブマスターの資格を記憶する以外は、本装置30と同様である。前記サブマスター装置は、例えば、本装置30のステータスが前記「被害あり」や前記「不明」である場合に、本装置30に代えて、ステータス取得手段31による前記ステータスの取得、地図情報取得手段32による前記地図情報の取得、マッピング手段33によるマッピング、送信手段34による送信を実行する。一方で、前記サブマスター装置は、例えば、本装置30のステータスが前記「安全」や前記「エッジ」である場合に、本装置30から前記マッピングした地図情報を取得し、記憶手段21により前記マッピングした地図情報を記憶し、且つ送信手段34により前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する。
【0083】
本変形例の避難誘導装置30によれば、例えば、メッシュネットワークの状態、すなわち、前記メッシュネットワークが機能しているか否かの情報、及び前記メッシュネットワークを構成している前記複数の避難誘導装置のステータスを保持可能である。そして、前記マッピングした地図情報を送信された前記管理装置は、より正確な避難方向情報を生成できる。そのため、前記避難方向情報を取得した本装置30を含む前記複数の避難誘導装置は、より安全な方向へと前記対象者を避難誘導することができる。
【0084】
図12に、前記実施形態2の避難誘導装置20と、本変形例1の避難誘導装置30を用いた避難誘導の一例を示す。
図12において、避難誘導装置20及び30は、網目状の道路がある街中に設置されている(図中において丸にて示す)。避難誘導装置20及び30は、例えば、街路灯における避難誘導装置20及び30である。そして、
図12に示すように、表示処理手段27により、前記街路灯の照明部の光源を用いて、前記設定したステータスを前記初期設定として記憶した各ステータスに対応する色にて表示(点灯)する。また、前記街路灯は、例えば、前述のように、表示装置を含む。そして、表示処理手段27により、前記街路灯の表示装置を用いて、前記避難方向情報を矢印として表示する。前記矢印に
は、例えば、
図12に示すように、前記各ステータスに対応する色を付して表示してもよい。
【0085】
(変形例2)
前記特定エリアが複数ある場合の避難誘導装置30の形態について説明する。前記特定エリア毎に前記メッシュネットワークがあり、且つ、前記特定エリア毎に前記変形例1記載の避難誘導装置30が少なくとも1つある。避難誘導装置30以外の避難誘導装置は、例えば、前記実施形態2記載の避難誘導装置20である。そして、複数の前記特定エリア毎の避難誘導装置30により、上位メッシュネットワークを構成している。本変形例は、前記複数の前記特定エリアのうち、一つの特定エリアにおける避難誘導装置30について説明する。
【0086】
図13は、本変形例の避難誘導装置30の一例の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、本装置30は、さらに、活性状態検出手段35を含む。本変形例において、避難誘導装置30が、さらに、活性状態検出手段35を含む点を除き、前記変形例1の避難誘導装置30と同様である。本変形例の避難誘導装置30におけるハードウエア構成は、中央演算装置101が、さらに、活性状態検出手段35を含む点を除き、
図10に示す前記変形例1記載の避難誘導装置30と同様である。特に示さない限り、本変形例は、前記実施形態2及び前記変形例1の記載を援用できる。
【0087】
つぎに、本変形例の避難誘導方法の一例を、
図14のフローチャートに基づき説明する。本変形例の避難誘導方法は、例えば、
図13の避難誘導装置30を用いて、次のように実施する。なお、本変形例の避難誘導方法は、
図13の避難誘導装置30の使用には限定されない。
【0088】
予め、記憶手段21により、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶する(S20)。前記上位マスターの資格とは、例えば、前記上位メッシュネットワークの状態を把握することを前記管理装置から指名(設定)されたことを示す資格である。前記上位マスターの資格がある装置、すなわち、本変形例の避難誘導装置30を、例えば、上位マスター装置ともいう。
【0089】
図14における工程(S21)~工程(S30)は、
図11における前記工程(S21)~前記工程(S30)と同様である。具体的に、例えば、前記変形例1における「メッシュネットワーク」を「上位メッシュネットワーク」に読み替え、「複数の避難誘導装置」を「マスター資格がある複数の避難誘導装置(マスター装置)」に読み替えて処理する。これにより、前記上位メッシュネットワークの把握が可能になる。
【0090】
次に、活性状態検出手段35により、前記特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し(S31)、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納する(S32)。前記活性状態とは、例えば、前記メッシュネットワークによる通信が可能である程度を示す指標である。具体的には、例えば、前記メッシュネットワークによる通信が不可能になった場合、すなわち、前記メッシュネットワークが崩壊した場合に、前記活性状態が、「不活性」となる。そして、前記メッシュネットワークによる通信が可能である場合、例えば、前記活性状態が、「活性」となる。
【0091】
そして、複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、表示処理手段27は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する処理を実行する(S26)。
【0092】
前記工程(S31)及び前記工程(S32)は、例えば、
図14に示すように、前記工程(S29)の後に、前記工程(S30)と並行して処理してもよい。また、前記工程(S32)は、例えば、
図14に示すように、前記工程(S26)と並行して処理してもよい。そして、前記工程(S20)~前記工程(S32)の全ての工程を処理したら、終了する(END)。
【0093】
具体的に、
図15及び
図16を用いて説明する。
図15は、上位メッシュネットワークの一例を示す模式図である。
図16は、本変形例の避難誘導装置30を街中に適用した一例を示す模式図である。
図15では、1~10の特定エリアがあり、前記各特定エリア内で前記メッシュネットワークがある。そして、前記各特定エリア内の前記変形例1記載の避難誘導装置30(マスター装置)を通信回線網でつないで、上位メッシュネットワークが構成されている(
図15において上位メッシュネットワークを太線で示す)。すなわち、1~10の特定エリアを1つの特定エリアとみなす。これらマスター装置20のうち、少なくとも1つは、本変形例の避難誘導装置30(上位マスター装置)である。
図15及び
図16に示すように、前記複数の特定エリアの形状や大きさは、特定エリア毎に異なっていてもよい。前記メッシュネットワークは、前述のように、例えば、前記実施形態2記載の避難誘導装置20により、前記特定エリアの地形、構造、市町村区画等の区画等に合わせて構成される。そして、本変形例の避難誘導装置30は、例えば、
図16に示すように、特定エリアAにおける前記メッシュネットワークが不活性(通信不可)になった場合に、メッシュネットワークの活性状態が活性である特定エリアB~Gの少なくとも一つの方向へ前記対象者を誘導する。より具体的には、例えば、特定エリアAと隣接する特定エリアへの誘導を行うことが好ましい。さらに、前記隣接する特定エリアが複数ある場合は、例えば、前記隣接する特定エリアのうち、前記活性状態が高い、すなわち、前記メッシュネットワークを構成する避難誘導装置の被害が少ない特定エリアへの誘導を行うことが好ましい。
【0094】
本変形例の避難誘導装置30によれば、例えば、上位メッシュネットワークを構成することで、より広範囲な避難誘導を可能にし、前記対象者の安全を確保できる。
【0095】
[実施形態3]
図17は、本実施形態の情報登録装置40の一例の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、本装置40は、受信手段41、通過情報登録手段42、及び避難完了情報登録手段43を含む。本装置40は、前記対象者が携帯可能な装置である。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等である。また、本装置40は、例えば、本発明のプログラムがインストールされた装置であってもよい。本装置40は、前記通信回線網を介して、外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0096】
図18に、本装置40のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置40は、例えば、中央処理装置(CPU、GPC等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置40の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。前記ハードウエア構成の各部は、特に言及しない限り、実施形態1の説明を援用できる。
【0097】
中央処理装置(中央演算処理装置)101は、例えば、受信手段41、通過情報登録手段42、及び避難完了情報登録手段43として機能する。
【0098】
つぎに、本実施形態の情報登録方法の一例を、
図19のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の情報登録方法は、例えば、
図17の管理装置40を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の情報登録方法は、
図17の情報登録装置40の使用には限定されない。
【0099】
まず、受信手段41により、避難誘導装置が発信する識別情報を受信する(S41)。前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成する装置である。具体的には、例えば、前記実施形態2(変形例1及び2を含む)記載の避難誘導装置20及び30である。前記識別情報は、前述と同様に、前記避難誘導装置が前記初期設定情報として記憶している識別情報である。前記発信は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)を用いて実行されている。
【0100】
次に、通過情報登録手段42により、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録する(S42)。前記通過情報データベースは、前述と同様である。前記通過情報には、例えば、前記受信した識別情報、本装置40の識別情報、通過(受信)日時等の情報を含む。
【0101】
そして、避難完了情報登録手段43により、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録し(S43)、終了する(END)。前記避難完了情報データベースは、前述と同様である。前記避難完了情報には、例えば、前記避難完了情報の登録日時、本装置40の識別情報等の情報を含む。前記避難完了情報の登録は、例えば、本装置40がRFIDタグ等の電子タグを含む場合、前記避難場所に設置されているRFIDリーダー等の読取装置に、本装置40をかざすことで、避難完了情報登録手段43により、前記避難完了情報が自動登録される。また、前記避難完了情報の登録は、例えば、前記避難場所に設置されている二次元コードを、避難完了情報登録手段43として機能するカメラ等の読取装置により、読み取ることで、前記避難完了情報が登録される。
【0102】
本実施形態の情報登録装置40によれば、例えば、前記避難誘導装置によって対象者の安全性を確保し、且つ避難誘導しながら、前記通過情報や前記避難完了情報等の前記避難者に関する情報を各データベースに登録することができる。
【0103】
[実施形態4]
本実施形態の避難誘導システム装置は、第1避難誘導装置と、第2避難誘導装置と、前記実施形態1記載の管理装置10とを含む。前記第1避難誘導装置は、実施形態2(変形例1及び2を含まない)記載の避難誘導装置20であり、前記第2避難誘導装置は、変形例1及び2記載の避難誘導装置30である。避難誘導装置20及び避難誘導装置30は、前記メッシュネットワークを構成する。管理装置10は、避難誘導装置30を介して、前記メッシュネットワーク内に各種情報を送信する。避難誘導装置20及び避難誘導装置30の数は、特に制限されず、どちらも少なくとも1つ以上含む。
【0104】
本実施形態の避難誘導システム装置は、例えば、さらに、前記実施形態3記載の情報登録装置40を含んでもよい。情報登録装置40は、避難誘導装置20及び避難誘導装置30のうち、少なくとも1つの装置から発信される前記識別情報を取得する。
【0105】
[実施形態5]
本実施形態のプログラムは、前記各実施形態に記載の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0106】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0107】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
初期設定手段、マスター設定手段、及び通信手段を含み、
前記初期設定手段は、前記通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定手段は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する、管理装置。
(付記2)
さらに、送信手段、取得手段、及び避難方向情報生成手段を含み、
前記送信手段は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得手段は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成手段は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信手段は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、付記1記載の管理装置。
(付記3)
前記避難方向情報生成手段は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、付記2記載の管理装置。
(付記4)
さらに、安否確認手段を含み、
前記安否確認手段は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである、付記1から3のいずれかに記載の管理装置。
(付記5)
記憶手段、確認手段、検出データ取得手段、判定手段、通知手段、ステータス設定手段、表示処理手段、及び通信手段を含み、
前記記憶手段は、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認手段は、前記通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得手段は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定手段は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知手段は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定手段は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、前記避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理手段は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行し、
前記通信手段を介して、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成する、避難誘導装置。
(付記6)
ステータス設定手段は、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定し、及び
前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する、付記5記載の避難誘導装置。
(付記7)
さらに、避難方向情報取得手段を含み、
前記通知手段は、さらに、前記通信手段を介して、前記設定したステータスに、前記記憶手段に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知し、
前記避難方向情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得し、
前記表示処理手段は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する、付記5または6記載の避難誘導装置。
(付記8)
さらに、発信手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶し、
前記発信手段は、前記通信手段を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する、付記5から7のいずれかに記載の避難誘導装置。
(付記9)
さらに、ステータス取得手段、地図情報取得手段、マッピング手段、及び送信手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶し、
前記ステータス取得手段は、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得し、
前記地図情報取得手段は、前記通信手段を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得し、
前記マッピング手段は、前記取得した地図情報上に、前記取得したステータス及び前記設定したステータスをマッピングし、
前記送信手段は、前記通信手段を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する、付記5から8のいずれかに記載の避難誘導装置。
(付記10)
さらに、前記活性状態検出手段を含み、
前記記憶手段は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶し、
前記活性状態検出手段は、複数の特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納し、
前記特定エリア毎の前記避難誘導装置により、上位メッシュネットワークを構成し、
複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、
前記表示処理手段は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する、付記9記載の避難誘導装置。
(付記11)
対象者が携帯可能な情報登録装置であって、
受信手段、通過情報登録手段、及び避難完了情報登録手段を含み、
前記受信手段は、避難誘導装置が発信する識別情報を受信し、
前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成し、
前記通過情報登録手段は、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録し、
前記避難完了情報登録手段は、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録する、情報登録装置。
(付記12)
第1避難誘導装置と、第2避難誘導装置と、付記1から4のいずれかに記載の管理装置と、を含み、
前記第1避難誘導装置は、付記5から8のいずれかに記載の避難誘導装置であり、
前記第2避難誘導装置は、付記9または10記載の避難誘導装置であり、
前記第1避難誘導装置及び前記第2避難誘導装置は、メッシュネットワークを構成し、
前記管理装置は、前記第2避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワーク内に各種情報を送信する、避難誘導システム装置。
(付記13)
さらに、付記11記載の情報登録装置を含む、付記12記載の避難誘導システム装置。
(付記14)
初期設定工程、及びマスター設定工程を含み、
前記初期設定工程は、通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定工程は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する手段である、管理方法。
(付記15)
さらに、送信工程、取得工程、及び避難方向情報生成工程を含み、
前記送信工程は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得工程は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成工程は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信工程は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、付記14記載の管理方法。
(付記16)
前記避難方向情報生成工程は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、付記15記載の管理方法。
(付記17)
さらに、安否確認工程を含み、
前記安否確認工程は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである、付記14から16のいずれかに記載の管理方法。
(付記18)
記憶工程、確認工程、検出データ取得工程、判定工程、通知工程、ステータス設定工程、表示処理工程、及び通信工程を含み、
前記通信工程は、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成し、
前記記憶工程は、前記メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記確認工程は、通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得工程は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定工程は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知工程は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定工程は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、前記避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理工程は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行する、避難誘導方法。
(付記19)
ステータス設定工程は、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定し、及び
前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する、付記18記載の避難誘導方法。
(付記20)
さらに、避難方向情報取得工程を含み、
前記通知工程は、さらに、前記通信手段を介して、前記設定したステータスに、前記記憶工程に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知し、
前記避難方向情報取得工程は、前記通信手段を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得し、
前記表示処理工程は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する、付記18または19記載の避難誘導方法。
(付記21)
さらに、発信工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶し、
前記発信工程は、前記通信手段を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する、付記18から20のいずれかに記載の避難誘導方法。
(付記22)
さらに、ステータス取得工程、地図情報取得工程、マッピング工程、及び送信工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶し、
前記ステータス取得工程は、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得し、
前記地図情報取得工程は、前記通信手段を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得し、
前記マッピング工程は、前記取得した地図情報上に、前記取得したステータス及び前記設定したステータスをマッピングし、
前記送信工程は、前記通信手段を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する、付記18から21のいずれかに記載の避難誘導方法。
(付記23)
さらに、前記活性状態検出工程を含み、
前記記憶工程は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶し、
前記活性状態検出工程は、複数の特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納し、
前記特定エリア毎に付記9記載の避難誘導装置が少なくとも1つあり、
前記特定エリア毎の前記避難誘導装置により、上位メッシュネットワークを構成し、
複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、
前記表示処理工程は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する、付記22記載の避難誘導方法。
(付記24)
受信工程、通過情報登録工程、及び避難完了情報登録工程を含み、
前記受信工程は、避難誘導装置が発信する識別情報を受信し、
前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成し、
前記通過情報登録工程は、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録し、
前記避難完了情報登録工程は、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録する、情報登録方法。
(付記25)
コンピュータに、初期設定手順、及びマスター設定手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記初期設定手順は、通信手段を介して、初期設定情報データベースを参照して、複数の避難誘導装置に対し、初期設定を行い、且つ前記複数の避難誘導装置のうち少なくとも一つの避難誘導装置に対し、マスターの資格を設定し、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、前記初期設定によりメッシュネットワークを構成し、
前記マスター設定手順は、前記通信手段を介して、マスター設定情報データベースを参照して、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に対し、前記マスターに関する情報を設定し、
前記通信手段は、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置を介して、前記メッシュネットワークに通信可能に接続する手段である、プログラム。
(付記26)
さらに、送信手順、取得手順、及び避難方向情報生成手順を含み、
前記送信手順は、前記通信手段を介して、前記特定エリアの地図情報に前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけて、前記地図情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信し、
前記取得手順は、前記通信手段を介して、前記地図情報上に前記複数の避難誘導装置における各ステータスをマッピングしたステータス付き地図情報を、前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置から取得し、
前記避難方向情報生成手順は、前記取得したステータス付き地図情報に基づき、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記送信手順は、さらに、前記通信手段を介して、前記避難方向情報を前記マスターの資格を設定した前記避難誘導装置に送信する、付記31記載のプログラム。
(付記27)
前記避難方向情報生成手順は、さらに、メッシュネットワーク活性状態データベースを参照して、前記複数の避難誘導装置毎に、避難方向情報を生成し、
前記メッシュネットワーク活性情報データベースは、複数の特定エリアにおける各メッシュネットワークの活性状態を格納するデータベースである、付記32記載のプログラム。
(付記28)
さらに、安否確認手順を含み、
前記安否確認手順は、通過情報データベース及び避難完了データベースの少なくとも一つを参照して、対象者の安否を確認し、
前記通過情報データベースは、前記避難誘導装置が発信する識別情報を情報登録装置が受信したことを示す通過情報を格納するデータベースであり、
前記情報登録装置は、対象者が携帯可能な装置であり、
前記避難完了情報データベースは、前記情報登録装置によって、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を格納するデータベースである、付記31から33のいずれかに記載のプログラム。
(付記29)
コンピュータに、記憶手順、確認手順、検出データ取得手順、判定手順、通知手順、ステータス設定手順、表示処理手順、及び通信手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記通信手段は、他の避難誘導装置とメッシュネットワークを構成し、
前記記憶手順は、メッシュネットワーク外の管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、
前記メッシュネットワークは、複数の避難誘導装置により構成され、
前記複数の避難誘導装置は、それぞれ、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、
前記確認手順は、通信手段を介して、近接する他の固定構造体における他の避難誘導装置を監視して、前記他の避難誘導装置における被害の有無を確認し、
前記検出データ取得手順は、固定構造体の状態及び前記特定エリアの状態の少なくとも一方を示す検出データを取得し、
前記判定手順は、前記検出データから、前記固定構造体の被害の有無を判定し、
前記通知手順は、前記通信手段を介して、前記判定した固定構造体の被害の有無を前記他の避難誘導装置に通知し、
前記ステータス設定手順は、前記確認した他の避難誘導装置における被害の有無及び前記判定した固定構造体における被害の有無に基づき、前記避難誘導装置のステータスを設定し、
前記表示処理手順は、前記初期設定情報として記憶している避難方向情報及び前記ステータスを表示する処理を実行する、プログラム。
(付記30)
ステータス設定手順は、前記監視により前記他の避難誘導装置において被害がないことを確認し、且つ前記判定より固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「安全」に設定し、及び
前記監視により少なくとも一つの前記他の避難誘導装置において被害があることを確認し、且つ前記判定により固定構造体において被害がないと判定された場合に、前記ステータスを「エッジ」に設定する、付記29記載のプログラム。
(付記31)
さらに、避難方向情報取得手順を含み、
前記通知手順は、さらに、前記通信手段を介して、前記設定したステータスに、前記記憶手順に前記初期設定情報として記憶している識別情報を紐づけて、前記管理装置に通知し、
前記避難方向情報取得手順は、前記通信手段を介して、前記管理装置から前記メッシュネットワーク内に送信された避難方向情報を取得し、
前記表示処理手順は、前記取得した避難方向情報により、前記避難方向を表示する、付記29または30記載のプログラム。
(付記32)
さらに、発信手順を含み、
前記記憶手順は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として識別情報を記憶し、
前記発信手順は、前記通信手段を介して、前記設定された識別情報を前記メッシュネットワーク外に発信する、付記29から31のいずれかに記載のプログラム。
(付記33)
さらに、ステータス取得手順、地図情報取得手順、マッピング手順、及び送信手順を含み、
前記記憶手順は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報としてマスターの資格を記憶し、
前記ステータス取得手順は、前記メッシュネットワークを構成する複数の避難誘導装置から、それぞれ、前記ステータスを取得し、
前記地図情報取得手順は、前記通信手段を介して、前記複数の避難誘導装置の位置情報を紐づけた前記特定エリアの地図情報を、前記管理装置から取得し、
前記マッピング手順は、前記取得した地図情報上に、前記取得したステータス及び前記設定したステータスをマッピングし、
前記送信手順は、前記通信手段を介して、前記マッピングした地図情報を前記メッシュネットワーク外の管理装置に送信する、付記29から32のいずれかに記載のプログラム。
(付記34)
さらに、前記活性状態検出手順を含み、
前記記憶手順は、管理装置によって実行された初期設定情報を記憶し、且つ前記初期設定情報として上位マスターの資格を記憶し、
前記活性状態検出手順は、複数の特定エリア毎に前記メッシュネットワークの活性状態を検出し、前記検出した活性状態をメッシュネットワーク活性情報データベースに格納し、
前記特定エリア毎に付記5記載の避難誘導装置が少なくとも1つあり、
前記特定エリア毎の前記避難誘導装置により、上位メッシュネットワークを構成しており、
複数の前記特定エリアのメッシュネットワークのうち、少なくとも一つのメッシュネットワークが不活性になった場合に、
前記表示処理手順は、さらに、メッシュネットワークの活性状態が活性である前記特定エリアの方向を前記避難経路として表示する、付記33記載のプログラム。
(付記35)
コンピュータに、受信手順、通過情報登録手順、及び避難完了情報登録手順を含む手順を実行させるためのプログラムであって、
前記受信手順は、避難誘導装置が発信する識別情報を受信し、
前記避難誘導装置は、特定エリアに設置されている固定構造体における装置であり、且つメッシュネットワークを構成し、
前記通過情報登録手順は、前記受信したことを示す通過情報を通過情報データベースに登録し、
前記避難完了情報登録手順は、避難場所において、前記対象者の避難が完了したことを示す避難完了情報を避難完了情報データベースに登録する、プログラム。
(付記36)
付記25から35のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明によれば、災害発生時に、安全性を確保しながら、対象者を避難誘導することができ、特に、屋外での避難誘導等において有用である。
【符号の説明】
【0109】
10 管理装置
11 初期設定手段
12 マスター設定手段
13 通信手段
14 送信手段
15 取得手段
16 避難方向情報生成手段
17 安否確認手段
20、30 避難誘導装置
40 情報登録装置
101 中央演算装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス