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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】流動化装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/70 20060101AFI20250107BHJP
   B05C 19/06 20060101ALI20250107BHJP
   B65G 53/40 20060101ALI20250107BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20250107BHJP
   B05B 7/14 20060101ALN20250107BHJP
   F16K 15/14 20060101ALN20250107BHJP
【FI】
B65D88/70
B05C19/06
B65G53/40
B65G65/40 B
B05B7/14
F16K15/14 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024145036
(22)【出願日】2024-08-27
【審査請求日】2024-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517198964
【氏名又は名称】ミナギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100224650
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 晴加
(72)【発明者】
【氏名】下野 恵章
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-083639(JP,A)
【文献】特開2015-131682(JP,A)
【文献】特開2011-031963(JP,A)
【文献】特開平08-282785(JP,A)
【文献】特開2020-117635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/70
B65G 65/40
B05C 19/06
B65G 53/40
B05B 7/14
F16K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体が投入され、吐出口を有する容器の側壁の内壁面に取り付けられる流動化装置であって、
一方端部から他方端部に向かって広がる円錐台の側面形状を有すると共に、前記他方端部が前記内壁面に当接して前記内壁面との間に空間を形成する弾性体と、
前記一方端部を閉塞するように取り付けられ、前記空間を経由して前記側壁を貫通し、外部から前記空間に圧縮空気を供給する供給管とを備え、
前記弾性体は、添加材料としてステンレス粉を含み、前記圧縮空気による内圧が所定値以上になったときに前記空間から前記弾性体の外部へ前記圧縮空気を噴出させるよう構成され
前記ステンレス粉が、前記弾性体100重量%において30重量%以上70重量%以下の範囲で含有され、
前記ステンレス粉の最大粒子径は、20μm以上100μm以下の範囲である、流動化装置。
【請求項2】
前記弾性体の弾性材料は、シリコーンゴムからなり、
前記弾性体の硬度は、40度~80度である、請求項1記載の流動化装置。
【請求項3】
前記弾性体は、これに使用される前記添加材料に金属によるメッキ、及び、コーティング剤による塗装のいずれもがその表面に施されていない、かつ、弾性材料の中に防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれていない、請求項1又は請求項2記載の流動化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は流動化装置に関し、特に粉粒体を一時貯蔵するタンク等の容器に取り付けられる流動化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉粒体を一時貯蔵するタンク等の容器に取り付けられる流動化装置として、特許文献1に示すものが存在している。
【0003】
図5は特許文献1で開示された従来の流動化装置を示す概略断面図である。
【0004】
図5を参照して、流動化装置50は、圧縮空気が供給されるエアノズル51と、エアノズル51の一方端部に接続される傘状の弾性体52と、エアノズル51の他方端部に接続されるエアパルサ53とから構成されている。
【0005】
エアパルサ53は、その内部にダイヤフラム弁56が設けられており、ダイヤフラム弁56の開放により、圧縮空気を瞬間的に容器内に噴出する。
【0006】
流動化装置50の使用に際しては、エアノズル51を容器の壁面57を貫通するように固定し、弾性体52を内壁面58側に配置させ、エアパルサ53を外壁面59側に配置させる。そして、エア通路54内に圧縮空気を間欠的に噴射し、圧縮空気が空間55に送られると、空間55内の圧力が高くなり、その圧力によって弾性体52は扁平となる方向に弾性変形する。その変形によって弾性体52の外周部と内壁面58との間に隙間が形成され、空間55内のエアが隙間から容器内に吹き込まれる。これによって、容器内に充填された粉粒体はエアの吹き込みによって流動化し、粉粒体の荷重で吐出口の上部がアーチ状に固まって閉塞した状態(粉粒体のブリッジ)を解消する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-34429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような従来の流動化装置では、粉粒体の種類や量によっては粉粒体が流動化されない場合があり、未だ改善の余地があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、粉粒体がより流動化しやすくなる流動化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、粉粒体が投入され、吐出口を有する容器の側壁の内壁面に取り付けられる流動化装置であって、一方端部から他方端部に向かって広がる円錐台の側面形状を有すると共に、他方端部が内壁面に当接して内壁面との間に空間を形成する弾性体と、一方端部を閉塞するように取り付けられ、空間を経由して側壁を貫通し、外部から空間に圧縮空気を供給する供給管とを備え、弾性体は、添加材料としてステンレス粉を含み、圧縮空気による内圧が所定値以上になったときに空間から弾性体の外部へ圧縮空気を噴出させるよう構成され、ステンレス粉が、弾性体100重量%において30重量%以上70重量%以下の範囲で含有され、ステンレス粉の最大粒子径は、20μm以上100μm以下の範囲であるものである。
【0011】
このように構成すると、ステンレス粉を含むことで弾性体の剛性が高くなると共に、ステンレス粉を含まない場合と比べて所定値が大きくなる。圧縮空気が噴出する時に細かく高頻度な振動が発生する部分にステンレス粉が含まれることとなる。又、弾性体の破片が粉粒体に混入した場合であっても金属探知機で容易に検出される。更に、圧縮空気による圧力に対する高い引き裂き強度を維持することができる。更に、均一に分散させることの可能なステンレス粉を容易に作成することができる。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、弾性体の弾性材料は、シリコーンゴムからなり、弾性体の硬度は、40度~80度であるものである。
【0015】
このように構成すると、引き裂きに強く、圧縮空気供給時に弾性体と供給管との取付状態を維持できるものとなる。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、弾性体は、これに使用される添加材料に金属によるメッキ、及び、コーティング剤による塗装のいずれもがその表面に施されていない、かつ、弾性材料の中に防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれていないものである。
【0019】
このように構成すると、弾性体にメッキ、コーティング剤、防錆を目的とする薬剤が用いられることがなくなる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、ステンレス粉を含むことで弾性体の剛性が高くなると共に、ステンレス粉を含まない場合と比べて所定値が大きくなるため、圧縮空気の噴出速度が上がり、粉粒体が流動しやすくなる。又、圧縮空気が噴出する時に細かく高頻度な振動が発生する部分にステンレス粉が含まれることとなるため、使用に伴って流動化装置の一部が欠けた場合であっても金属探知機で検出することができる。又、弾性体の破片が粉粒体に混入した場合であっても金属探知機で容易に検出されるため、食品等の分野に適した流動化装置となる。更に、圧縮空気による圧力に対する高い引き裂き強度を維持することができるため、圧縮空気の噴出速度が上がっても、弾性体が破損しにくくなる。更に、均一に分散させることの可能なステンレス粉を容易に作成することができるため、コスト面と品質の安定性との二点を両立することができる。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、引き裂きに強く、圧縮空気供給時に弾性体と供給管との取付状態を維持できるものとなるため、流動化装置に適したものとなる。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、弾性体にメッキ、コーティング剤、防錆を目的とする薬剤が用いられることがなくなるため、食品等の分野に適した流動化装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の実施の形態による流動化装置を用いたタンクを模式的に示す模式図である。
図2】この発明の実施の形態による流動化装置の正面図であって、図1で示した“A”部分を内壁面側から見た拡大正面図である。
図3図2で示した流動化装置のIII-IIIラインの概略断面図である。
図4図1で示した流動化装置の使用状態を示す概略断面図である。
図5】特許文献1で開示された従来の流動化装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1はこの発明の実施の形態による流動化装置を用いたタンクを模式的に示す模式図である。
【0027】
図1を参照して、タンク41は、原料を一時貯蔵するための上下方向に開放する容器であり、漏斗状の側壁42を有する。タンク41の上方側は原料の投入口43、下方側は吐出口44を有する。タンク41は、例えば食品工場等に設置され、投入口43から投入された粉粒体を吐出口44から吐出する。タンク41の側壁42の内壁面45には複数の流動化装置1(1a~1c)が取り付けられている。
【0028】
図2はこの発明の実施の形態による流動化装置の正面図であって、図1で示した“A”部分を内壁面側から見た拡大正面図であり、図3図2で示した流動化装置のIII-IIIラインの概略断面図である。
【0029】
図2及び図3を参照して、流動化装置1は、一方端部11から他方端部12に向かって広がる円錐台の側面形状を有する弾性体10と、一方端部11を閉塞するように取り付けられ、外部から圧縮空気を供給する供給管20とから構成されている。
【0030】
弾性体10は、上下方向に開放し、一方端部11に供給管20が挿入された状態で供給管20と一体化している。弾性体10は、側面視において一方端部11から供給管20に沿うように一定距離延びた後、供給管20から離れて斜め下方に傾斜するように他方端部12まで延びる。このように構成すると、供給管20の全周に弾性体10が当接するため、弾性体10と供給管20との取付状態が強固になる。又、弾性体10の厚みは、他方端部12において先端に向かうにつれて徐々に厚みが小さくなるように設定されている。これにより、圧縮空気によって他方端部12が振動しやすくなる。
【0031】
弾性体10の弾性材料は、シリコーンゴムからなる。又、弾性体10は、添加材料(弾性材料以外で配合する材料)としてステンレス粉を含む。弾性体10の詳細については後述する。
【0032】
供給管20は、先端21が閉塞した管であって、上述したように先端21近傍の側面と弾性体10とが一体化した状態であり、弾性体10の内面13側において取付対象側(タンク41の側壁42)側に向かって延びる。又、供給管20の側面には圧縮空気を後述する空間2に向けて流すための排出口22(22a~22d)が周方向に所定間隔で4つ形成されている。このように構成すると、圧縮空気が全方位に流されるため、弾性体10の内面13側全体に圧縮空気を均一に行き渡らせることができる。又、排出口22より供給元の供給管20の側面には螺旋状の溝(図示せず)が形成されている。このように構成すると、ワッシャー23及びナット24によって流動化装置1をタンク41の側壁42における所定の位置に固定することができる。
【0033】
次に、流動化装置1の使用方法について説明する。
【0034】
図4図1で示した流動化装置の使用状態を示す概略断面図である。
【0035】
図4を参照して、まず、タンク41の側壁42において、流動化装置1の取付箇所に対応する位置に図示しない貫通孔を形成する。次に、貫通孔が形成された部分の内壁面45側に弾性体10を配置させ、供給管20を貫通孔に挿通させる。そして、弾性体10の他方端部12が内壁面45に当接した状態となるように流動化装置1を設置する。その後、タンク41の外壁面46側から供給管20にワッシャー23及びナット24を締め、流動化装置1がタンク41に固定される。このとき、弾性体10は、他方端部12が内壁面45に対して密着した状態となるため、内壁面45と弾性体10の内面13側との間には空間2が形成される。
【0036】
次に、外部に設置された図示しないタイマーと電磁弁により、間欠的に供給管20に圧縮空気を流す。すると、図4の矢印30及び矢印31で示すように外部から空間2に圧縮空気が供給される。空間2に圧縮空気が溜まると、図4の矢印32で示すように内圧により圧縮空気が外部へ噴出しようとする。そして、内圧が所定値以上になったときに、弾性体10の他方端部12の全周が内壁面45から離れる方向に押し上げられ、図4の矢印33で示すように空間2から弾性体10の外部へ圧縮空気が噴出する。即ち、他方端部12の全方位と内壁面45との間に隙間が形成され、弾性体10の全方位から内壁面45に沿って圧縮空気が噴き込まれる。
【0037】
このように構成された流動化装置1にあっては、弾性体10の他方端部12の全周から圧縮空気を噴出させてタンク41の内壁面45に沿って流すことで、粉粒体の流動化を促進する。又、圧縮空気の噴出によって押し上げられた他方端部12が内壁面45に戻ろうとする動きにより、弾性体10自体に振動が発生する。その結果、圧縮空気の噴出と、それに伴って発生する振動があわさって、粉粒体の流動化を促進し、粉粒体の流出不良(粉粒体の詰まり、閉塞、ブリッジ現象、ラットホール現象等)を解消することが可能となっている。
【0038】
次に、弾性体10の詳細について説明する。
【0039】
上述したように、弾性体10は、添加材料としてステンレス粉を含む。そのため、弾性体10は、その比重がシリコーンゴムのみからなる従来の弾性体よりも大きくなると共に、剛性が高くなる。これにより、圧縮空気が弾性体10の内面13にあたった時に弾性体10が振動しにくくなり、空間2内に従来よりも多くの圧縮空気が溜まる。そして、空間2に一定程度圧縮空気が溜まるにしたがって、空間2の内圧が上昇する。そのため、圧縮空気が噴出する直前の内圧が従来に比べて大きくなる。即ち、内圧が所定値以上になったときに空間2から弾性体10の外部へ圧縮空気が噴出するが、当該所定値は、ステンレス粉を含まない場合と比べて大きくなる。その結果、圧縮空気の噴出速度が上がり、圧縮空気が従来よりも勢いよく流れるため、1回の噴出で粉粒体が流動しやすくなる。したがって、例えば比重の大きい粉粒体や流れの悪い微粉、付着性の強い粉粒体、安息角の大きい粉粒体等に対しても噴出速度の速い圧縮空気によって流動しやすくなり、好適に使用することができる。又、ステンレス粉を含まない弾性体を用いた従来の流動化装置で連続的又は間欠的に圧縮空気を送る場合に比べて圧縮空気を流す時間が短縮されるため、効率的に流動化を促進することができる。
【0040】
又、弾性体10は、圧縮空気が噴出する時に細かく高頻度な振動が発生する。そのような部分にステンレス粉が含まれることになるため、使用に伴って流動化装置の一部が欠けた場合であっても金属探知機で検出することができる。
【0041】
尚、弾性体が欠けた場合に金属探知機で検出可能に構成しようとすると、例えば鉄粉を少量含有させることを一般的に思いつきやすい。しかしながら、コスト面では鉄粉の方が有利になる場合があるが、鉄粉は錆びやすいことによる問題が生じる。即ち、鉄粉を含んだ弾性体では、錆が粉粒体に混入する虞がある。又、防錆のために鉄粉の表面に、金属によるメッキやコーティング剤の塗装を施したり、弾性材料の中に防錆剤を混ぜ込むことも可能だが、その場合にはメッキやコーティング剤等の薬剤が粉粒体に混入する虞がある。したがって、食品等の分野に使用する場合、衛生面ではステンレス粉を使用することが好ましい。
【0042】
ステンレス粉は、弾性体10の100重量%において30重量%以上70重量%以下の範囲で含有することが好ましく、50重量%以上60重量%以下の範囲で含有することがより好ましい。含有量が30重量%以上であることにより、弾性体10の破片が粉粒体に混入した場合であっても金属探知機で容易に検出されるため、食品等の分野に適した流動化装置となる。又、含有量が多すぎると、弾性体10が振動に耐えられない虞があるが、含有量が70重量%以下であれば、圧縮空気による圧力に対する高い引き裂き強度を維持することができるため、圧縮空気の噴出速度が上がっても、弾性体10が破損しにくくなる。更に、含有量が50重量%以上60重量%以下の範囲とした場合には、弾性体10の硬度が従来のステンレス粉を含まない弾性体の硬度と略同じにすることができると共に、金属探知機での検出が更に容易になり、弾性体10が少量欠けた場合であってもより確実に検出することができる。
【0043】
更に、ステンレス粉の最大粒子径は、20μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。尚、最大粒子径は、例えばふるい分け法等を用いた測定で求めることができる。最大粒子径が上記数値範囲より小さすぎると、ステンレス粉の作成にコストがかかるため、コスト面で不利になる。上記数値範囲内にすることにより、均一に分散させることの可能なステンレス粉を容易に作成することができる。したがって、最大粒子径が上記数値範囲内であれば、流動化装置を製造するにあたり、コスト面と品質の安定性との二点を両立することができる。
【0044】
又、上述したように、弾性体10の弾性材料はシリコーンゴムからなる。そして、弾性体10の硬度(JIS K6253に準拠したデュロメータ硬さ)は、40度~80度であることが好ましい。硬度が高すぎると、引き裂き強度が低下するため、弾性体10が圧縮空気の噴出に伴って振動した時に破損しやすくなる。より具体的には、弾性体10の一方端部11においては、その近傍に位置する排出口22から流れる圧縮空気が直接あたるため、使用に伴って供給管20の取付部分がちぎれて供給管20から弾性体10が脱落しやすくなる虞がある。又、他方端部12においては、圧縮空気の噴出によって引き裂かれ、その破片が粉粒体に混入する虞がある。したがって、弾性体10の硬度が上記数値範囲内であれば、引き裂きに強く、圧縮空気供給時に弾性体10と供給管20との取付状態を維持することができるものとなるため、流動化装置に適したものとなる。
【0045】
更に、弾性体は、これに使用される添加材料に金属によるメッキ、及び、コーティング剤による塗装のいずれもがその表面に施されていない、かつ、弾性材料の中に防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれていないことが好ましい。このように構成すると、弾性体10にメッキ、コーティング剤、防錆を目的とする薬剤が用いられることがなくなるため、食品等の分野に適した流動化装置となる。
【0046】
尚、上記の実施の形態では、流動化装置が取り付けられる容器は、特定の形状や大きさを有するタンクであったが、他の形状であっても良い。又、容器はホッパーやサイロであっても良い。
【0047】
又、上記の実施の形態では、弾性体の弾性材料はシリコーンゴムであったが、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等の他の弾性材料であっても良い。
【0048】
更に、上記の実施の形態では、ステンレス粉の含有量が特定数値に設定されていたが、他の数値に設定されていても良い。
【0049】
更に、上記の実施の形態では、弾性体の硬度が特定数値に設定されていたが、他の数値に設定されていても良い。
【0050】
更に、上記の実施の形態では、ステンレス粉の最大粒子径が特定数値に設定されていたが、他の数値に設定されていても良い。
【0051】
更に、上記の実施の形態では、弾性体は、これに使用される添加材料に金属によるメッキ、及び、コーティング剤による塗装のいずれもがその表面に施されていない、かつ、弾性材料の中に防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれていないものであったが、添加材料にメッキ又はコーティング剤のいずれか、又は両方の塗装が施されていても良いし、弾性材料の中に防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれていても良い。又、添加材料に他の薬剤による塗装が施されていても良い。更に、添加材料に部分的に薬剤による塗装が施されていても良い。更に、添加材料には薬剤による塗装が施されていないが、弾性材料には防錆を目的とする薬剤が混ぜ込まれているものであっても良い。食品等以外の分野に用いる場合にはこのような条件でも好適に使用できる。
【0052】
更に、上記の実施の形態では、他方端部は、圧縮空気供給前にその全周が内壁面に当接した状態であったが、一部が当接していても良い。又、他方端部が内壁面から離れていたり、他方端部と内壁面との間に隙間が形成されたりしても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、弾性体が特定の厚みで形成されていたが、他の厚みであっても良い。
【0054】
更に、上記の実施の形態において、圧縮空気による内圧の所定値は、流動化装置1の大きさ、使用する粉粒体等の条件に応じて適宜設定可能である。
【0055】
更に、上記の実施の形態において、使用される粉粒体は特に限定されない。
【符号の説明】
【0056】
1…流動化装置
2…空間
10…弾性体
11…一方端部
12…他方端部
42…側壁
44…吐出口
45…内壁面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【要約】
【課題】 粉粒体がより流動化しやすくなる流動化装置を提供する。
【解決手段】 流動化装置1は、粉粒体が投入され、吐出口を有する容器の側壁の内壁面に取り付けられ、一方端部から他方端部に向かって広がる円錐台の側面形状を有すると共に、他方端部が内壁面に当接して内壁面との間に空間を形成する弾性体と、一方端部を閉塞するように取り付けられ、空間を経由して側壁を貫通し、外部から空間に圧縮空気を供給する供給管とを備える。弾性体は、添加材料としてステンレス粉を含み、圧縮空気による内圧が所定値以上になったときに空間から弾性体の外部へ圧縮空気を噴出させるよう構成されている。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5