(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】動物用排泄物回収具
(51)【国際特許分類】
A01K 23/00 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
A01K23/00 Q
(21)【出願番号】P 2024179951
(22)【出願日】2024-10-15
【審査請求日】2024-10-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】324010426
【氏名又は名称】高橋 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 輝雄
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-177775(JP,A)
【文献】特開2001-321000(JP,A)
【文献】特開2000-232832(JP,A)
【文献】登録実用新案第3197940(JP,U)
【文献】米国特許第10212920(US,B1)
【文献】米国特許第08109547(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A01K23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持可能な柄と、開口部及び底部を有した可撓性の袋が通される開放口を有し該開放口に通された当該袋の開口部を該開口部が開いた状態で保持する枠体と、上記柄の下端部に設けられるとともに上記枠体の前後方向後部を回動可能に支持しこの回動により該枠体をその開放口が上記柄側に位置する閉位置及び該柄から離間し動物から排泄される排泄物を該袋の開口部からその内部に受入れ可能な開位置の2位置に位置できるようにする支持部とを備えた動物用排泄物回収具において、
上記枠体に、上記排泄物が入れられて垂れ下がった袋の開口部と底部との間であって上記枠体の前後方向に直交する幅方向に沿う該袋の途中部分を上記枠体の前後方向後部側から前部側へ押圧して該袋の内面同士を密着させて封止するとともに、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記袋の開口部側と底部側とが上記密着させられた部分を境に折り畳まれて重畳するようにした押圧機構を設けたことを特徴とする動物用排泄物回収具。
【請求項2】
上記押圧機構を、上記枠体の前後方向に直交する幅方向に沿う軸線を有し上記途中部分を押圧する押圧棒と、該押圧棒の軸線と平行な軸線を備え上記枠体の幅方向にある両側部の少なくともいずれか一方の側部に回動可能に設けられる回転軸と、該回転軸の内端と上記押圧棒の対応する端部とを連結するとともに上記押圧棒を上記枠体の後部と前部との間で上記回転軸を中心にし自身の長さを半径とした円周に沿って移動可能にした連結棒と、上記回転軸の外端に連携され該回転軸を回転させるレバーとを備えて構成したことを特徴とする請求項1記載の動物用排泄物回収具。
【請求項3】
上記支持部を、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記枠体を該枠体に保持され上記開口部側と底部側とが折り畳まれて重畳した袋とともに収納可能な収納凹部を備えて構成したことを特徴とする請求項2記載の動物用排泄物回収具。
【請求項4】
上記枠体の後部を、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記枠体に保持され上記開口部側と底部側とが折り畳まれて重畳した袋を支承可能な大きさに形成したことを特徴とする請求項3記載の動物用排泄物回収具。
【請求項5】
上記枠体の後部の下縁に該後部に支承した袋の底部側を押える押え板を立設したことを特徴とする請求項4記載の動物用排泄物回収具。
【請求項6】
上記枠体を略矩形枠状に形成し、上記支持部を、上記枠体の閉位置において該枠体の開放口が対面する略矩形状の底板と、上記底板の上縁部に一体に立設され上記枠体の閉位置において上記枠体の前部に対面するベース壁と、上記底板の両側縁部に夫々一体に立設されるとともに上記ベース壁に夫々一体に連続形成され上記枠体の閉位置において上記枠体の両側部に夫々対面する一対の側壁と、上記ベース壁の外側に設けられ上記柄の下端が取付けられる柄取付部とを備えて構成し、上記底板,ベース壁及び側壁により上記収納凹部を形成し、上記底板の下縁部にヒンジ部を介して上記枠体を回動可能に支持したことを特徴とする請求項3記載の動物用排泄物回収具。
【請求項7】
上記押圧棒が枠体の後部に位置するとき該押圧棒を枠体に解除可能に拘束する第1拘束手段と、上記押圧棒が枠体の前部に位置し且つ枠体が閉位置にあるとき該押圧棒及び枠体を支持部に解除可能に拘束する第2拘束手段とを備えたことを特徴とする請求項6記載の動物用排泄物回収具。
【請求項8】
上記押圧機構の押圧棒,回転軸及び連結棒を磁着性金属で形成し、該押圧機構の押圧棒及び連結棒を、上記押圧棒が上記枠体の後部及び前部に位置するとき、上記枠体内に収納可能にし、
上記枠体の後部内面に、上記押圧棒が枠体の後部に至ったとき該押圧棒が衝止して停止させられる第1ストッパを突設し、
上記枠体の前部内面に、上記押圧棒が枠体の前部に至ったとき該押圧棒が衝止して停止させられる第2ストッパを突設し、
上記第1拘束手段を、上記枠体の後部に付設され上記押圧棒を該押圧棒が上記第1ストッパに衝止した状態で磁着するマグネットで構成し、
上記第2拘束手段を、上記底板に付設され上記押圧棒を該押圧棒が上記第2ストッパに衝止した状態で磁着するマグネットで構成したことを特徴とする請求項7記載の動物用排泄物回収具。
【請求項9】
上記柄を、管状の本体と、該本体の上端部に取付けられ該本体の軸線に沿う取付部及び該取付部に連設され上記本体の軸線に交差する方向に延びる把持部を有したグリップとを備えて構成し、
上記支持部の柄取付部に対応するベース壁に第1貫通孔を形成し、
上記柄取付部を、上記第1貫通孔に対峙し第2貫通孔が形成された台板と、該台板を上記ベース壁に支持する脚体と、上記台板の外側に設けられ上記柄の下端部が嵌挿される筒状の保持体とを備えて構成し、
上記第2拘束手段による枠体の拘束を解除する拘束解除手段を備え、
該拘束解除手段を、L字状に形成されて上記第1貫通孔に遊挿され下端側が上記枠体の前部の上面に対向するとともに上端側の途中が上記ベース壁の外側に回動可能に支持され回動により上記下端側が上記底板に沿う常態位置と上記枠体の前部の上面に当接してこれを押し出す押出位置の2位置に移動可能な押出部材と、上記押出部材を常時押出位置から常態位置側に付勢するスプリングと、上記グリップの取付部に回動可能に設けられ上記グリップの把持部を把持しながら引き作動させられるトリガと、上記本体に引き通され一端が上記トリガに連携し他端が上記押出部材の上端に連携し上記トリガの引き動作により上記スプリングの付勢力に抗して上記押出部材を回動させて常態位置から押出位置に移動させるワイヤとを備えて構成したことを特徴とする請求項8記載の動物用排泄物回収具。
【請求項10】
上記枠体の前部と後部との間に架け渡され上記枠体に保持した袋の下に沿って該袋を支承する可撓性の支承シートを設け、上記押圧棒をこれが上記支承シートとともに上記袋を押圧するように該支承シートの外側に位置させたことを特徴とする
請求項2乃至9何れかに記載の動物用排泄物回収具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、ペットとしての動物の動物用排泄物回収具に係り、特に、動物が排泄する固形の排泄物を直接受けて袋内に収容する動物用排泄物回収具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の動物用排泄物回収具としては、例えば、特許文献1(実用新案登録第3096602号公報)に記載されたものが知られている。
図9に示すように、この動物用排泄物回収具Kaは、開口部Fa及び底部Fbを有しポリエチレンなどの主に樹脂製で可撓性の袋Fをその開口部Faを開いた状態で保持し、この袋F内に動物の排泄物Bを直接受けて収容するもので、把持可能な柄100と、袋Fが通される開放口(図示せず)を有しこの開放口に通された袋Fの開口部Faをこれが開いた状態で保持する枠体101と、柄100の下端部に設けられ枠体101の前後方向後部を支持する支持部102とを備えている。支持部102は、枠体101の開放口が柄100側に位置する閉位置X及び開放口が柄100から離間し動物から排泄される排泄物Bをこの袋Fの開口部Faからその内部に受入れ可能な開位置Yの2位置に位置できるよう回動可能に支持している。
【0003】
この動物用排泄物回収具Kaを使用するには、例えば、犬などのペットとの散歩の際に、動物用排泄物回収具Kaに予め袋Fを装着しておいて持ち運ぶ。そして、動物が排泄を行うときに、
図9(a)に示すように、枠体101の開放口を閉位置Xから開位置Yに移動させ、この状態で、柄100を持って動物の排泄部位の下方に袋Fの開口部Faを位置させ、動物からの排泄物Bを袋F内に受け入れて収容するようにする。排泄物Bを袋Fに収納したならば、
図9(b)に示すように、柄100を略垂直状態にして枠体101を閉位置に位置させ、持ち運ぶ。これにより、袋Fの枠体101の前部側にある部分が上に位置し、袋Fの枠体101の後部側にある部分が下に位置することから、この袋Fの枠体101の後部側にある部分の内面同士が密着するようになって閉じ、袋Fは、排泄物Bの重さにより垂れ下がって保持される。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来の動物用排泄物回収具Kaにあっては、
図9(b)に示すように、排泄物Bを袋Fに収納した後は、柄100を略垂直状態にして枠体101を閉位置Xに位置させて持ち運ぶが、袋Fが排泄物の重さにより垂れ下がるので、袋Fがぶらぶらと揺動し、持ち運びにくくなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、排泄物を袋に収納して持ち運ぶ際、袋の垂れ下がり長さを短くしてコンパクトにし、袋の揺動を可能な限り抑えて持ち運び易くした動物用排泄物回収具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明の動物用排泄物回収具は、把持可能な柄と、開口部及び底部を有した可撓性の袋が通される開放口を有し該開放口に通された当該袋の開口部を該開口部が開いた状態で保持する枠体と、上記柄の下端部に設けられるとともに上記枠体の前後方向後部を回動可能に支持しこの回動により該枠体をその開放口が上記柄側に位置する閉位置及び該柄から離間し動物から排泄される排泄物を該袋の開口部からその内部に受入れ可能な開位置の2位置に位置できるようにする支持部とを備えた動物用排泄物回収具において、
上記枠体に、上記排泄物が入れられて垂れ下がった袋の開口部と底部との間であって上記枠体の前後方向に直交する幅方向に沿う該袋の途中部分を上記枠体の前後方向後部側から前部側へ押圧して該袋の内面同士を密着させて封止するとともに、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記袋の開口部側と底部側とが上記密着させられた部分を境に折り畳まれて重畳するようにした押圧機構を設けた構成としている。
【0008】
この動物用排泄物回収具を使用するには、例えば、犬などのペットとの散歩の際に、動物用排泄物回収具の枠体に予め袋を装着しておいて持ち運ぶ。そして、動物が排泄を行うときに、枠体の開放口を閉位置から開位置に移動させ、この状態で、柄を持って動物の排泄部位の下方に袋の開口部を位置させ、動物からの排泄物を袋内に受け入れて収容するようにする。排泄物を袋に収納したならば、例えば、枠体の開位置において、あるいは、開位置から閉位置に至る過程で、あるいはまた、閉位置において、押圧機構を作動させ、袋の途中部分を枠体の前後方向後部側から前部側へ押圧して袋の内面同士を密着させて封止する。そして、最終的には、柄を略垂直状態にして枠体を閉位置に位置させる。尚、柄を略垂直状態にするタイミングや、枠体を閉位置に位置させるタイミングは、使用状況に応じて適宜に定めてよい。
【0009】
この状態においては、袋は、袋の開口部側と底部側とが密着させられた部分を境に折り畳まれて重畳するようになる。そのため、垂れ下がる袋の長さが短くなって袋がコンパクトになる。この状態で、動物用排泄物回収具を持ち運ぶ。この場合、垂れ下がる袋の長さが短くなって袋がコンパクトになっているので、袋が揺動しても、その揺動幅が小さくなり、袋の揺動が可能な限り抑えられることから、それだけ、動物用排泄物回収具を持ち運び易くなる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記押圧機構を、上記枠体の前後方向に直交する幅方向に沿う軸線を有し上記途中部分を押圧する押圧棒と、該押圧棒の軸線と平行な軸線を備え上記枠体の幅方向にある両側部の少なくともいずれか一方の側部に回動可能に設けられる回転軸と、該回転軸の内端と上記押圧棒の対応する端部とを連結するとともに上記押圧棒を上記枠体の後部と前部との間で上記回転軸を中心にし自身の長さを半径とした円周に沿って移動可能にした連結棒と、上記回転軸の外端に連携され該回転軸を回転させるレバーとを備えて構成している。
【0011】
これにより、動物からの排泄物を袋内に受け入れて収容する際は、予め、押圧機構の押圧棒を枠体の後部側に位置させておく。そして、排泄物を袋に収納したならば、例えば、枠体の開位置において、あるいは、開位置から閉位置に至る過程で、あるいはまた、閉位置において、押圧機構のレバーを操作し、押圧棒を枠体の後部から前部に向けて移動させる。この押圧棒の移動は、回転軸を中心にし連結棒の長さを半径とした円周に沿って移動するので、押圧棒が、袋の途中部分を枠体の前後方向後部側から前部側へ押圧してこの袋の内面同士を密着させて封止する。そして、最終的に、柄を略垂直状態にして枠体を閉位置に位置させると、袋の開口部側と底部側とが密着させられた部分が押圧棒により支持され、袋は、この密着した部分を境に折り畳まれて重畳するようになる。この場合、押圧棒をレバー操作により作動させるので、操作性が極めて良くなる。
【0012】
また、必要に応じ、上記支持部を、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記枠体を該枠体に保持され上記開口部側と底部側とが折り畳まれて重畳した袋とともに収納可能な収納凹部を備えて構成している。これにより、袋が収納凹部にコンパクトになって収容されるので、この収納凹部によっても揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。また、支持部を収納凹部を備えて構成したので、排泄物を含む袋を覆い隠すことができ、見栄えを良くし、外観品質を向上させることができる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記枠体の後部を、上記柄を略垂直状態にして上記枠体を閉位置に位置させたとき、上記枠体に保持され上記開口部側と底部側とが折り畳まれて重畳した袋を支承可能な大きさに形成した構成としている。これにより、袋が収納凹部に収納された際、袋は枠体の後部に支承されるので、この枠体の後部によっても揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。
【0014】
この場合、上記枠体の後部の下縁に該後部に支承した袋の底部側を押える押え板を立設したことが有効である。この押え板により後部に支承した袋の底部側が押えられるので、袋が枠体から容易に抜け出る事態を防止することができる。そのため、これによっても袋の揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。
【0015】
そしてまた、必要に応じ、上記枠体を略矩形枠状に形成し、上記支持部を、上記枠体の閉位置において該枠体の開放口が対面する略矩形状の底板と、上記底板の上縁部に一体に立設され上記枠体の閉位置において上記枠体の前部に対面するベース壁と、上記底板の両側縁部に夫々一体に立設されるとともに上記ベース壁に夫々一体に連続形成され上記枠体の閉位置において上記枠体の両側部に夫々対面する一対の側壁と、上記ベース壁の外側に設けられ上記柄の下端が取付けられる柄取付部とを備えて構成し、上記底板,ベース壁及び側壁により上記収納凹部を形成し、上記底板の下縁部にヒンジ部を介して上記枠体を回動可能に支持した構成としている。枠体や支持部が略矩形枠状に形成されるので、押圧機構を設けやすくすることができ、よりコンパクトにすることができる。
【0016】
また、必要に応じ、上記押圧棒が枠体の後部に位置するとき該押圧棒を枠体に解除可能に拘束する第1拘束手段と、上記押圧棒が枠体の前部に位置し且つ枠体が閉位置にあるとき該押圧棒及び枠体を支持部に解除可能に拘束する第2拘束手段とを備えた構成としている。第1拘束手段により押圧棒を枠体の後部に拘束するので、押圧棒が動きにくくなり、袋を確実に保持することができる。また、第2拘束手段により、押圧棒及び枠体を支持部に拘束するので、これらが動きにくくなり、袋を確実に保持することができるとともに、この点でも持ち運び易くすることができる。
【0017】
この場合、上記押圧機構の押圧棒,回転軸及び連結棒を磁着性金属で形成し、該押圧機構の押圧棒及び連結棒を、上記押圧棒が上記枠体の後部及び前部に位置するとき、上記枠体内に収納可能にし、
上記枠体の後部内面に、上記押圧棒が枠体の後部に至ったとき該押圧棒が衝止して停止させられる第1ストッパを突設し、
上記枠体の前部内面に、上記押圧棒が枠体の前部に至ったとき該押圧棒が衝止して停止させられる第2ストッパを突設し、
上記第1拘束手段を、上記枠体の後部に付設され上記押圧棒を該押圧棒が上記第1ストッパに衝止した状態で磁着するマグネットで構成し、
上記第2拘束手段を、上記底板に付設され上記押圧棒を該押圧棒が上記第2ストッパに衝止した状態で磁着するマグネットで構成したことが有効である。
【0018】
これにより、第1拘束手段及び第2拘束手段をマグネットで構成したので、構造を簡易にすることができる。また、第2拘束手段は、押圧棒を磁着するだけで、第2ストッパを介して枠体も同時に拘束するので、それだけ、効率が良く、構造を簡易にすることができる。
【0019】
また、必要に応じ、上記柄を、管状の本体と、該本体の上端部に取付けられ該本体の軸線に沿う取付部及び該取付部に連設され上記本体の軸線に交差する方向に延びる把持部を有したグリップとを備えて構成し、
上記支持部の柄取付部に対応するベース壁に第1貫通孔を形成し、
上記柄取付部を、上記第1貫通孔に対峙し第2貫通孔が形成された台板と、該台板を上記ベース壁に支持する脚体と、上記台板の外側に設けられ上記柄の下端部が嵌挿される筒状の保持体とを備えて構成し、
上記第2拘束手段による枠体の拘束を解除する拘束解除手段を備え、
該拘束解除手段を、L字状に形成されて上記第1貫通孔に遊挿され下端側が上記枠体の前部の上面に対向するとともに上端側の途中が上記ベース壁の外側に回動可能に支持され回動により上記下端側が上記底板に沿う常態位置と上記枠体の前部の上面に当接してこれを押し出す押出位置の2位置に移動可能な押出部材と、上記押出部材を常時押出位置から常態位置側に付勢するスプリングと、上記グリップの取付部に回動可能に設けられ上記グリップの把持部を把持しながら引き作動させられるトリガと、上記本体に引き通され一端が上記トリガに連携し他端が上記押出部材の上端に連携し上記トリガの引き動作により上記スプリングの付勢力に抗して上記押出部材を回動させて常態位置から押出位置に移動させるワイヤとを備えて構成している。グリップを把持してのトリガ操作により拘束を解除できるので操作性を向上させることができる。
【0020】
そしてまた、必要に応じ、上記枠体の前部と後部との間に架け渡され上記枠体に保持した袋の下に沿って該袋を支承する可撓性の支承シートを設け、上記押圧棒をこれが上記支承シートとともに上記袋を押圧するように該支承シートの外側に位置させた構成としている。袋を支承シートで支承するので、袋を枠体に対して確実に保持しておくことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の動物用排泄物回収具によれば、排泄物を袋に収納して持ち運ぶ際、袋の垂れ下がり長さを短くしてコンパクトにし、袋の揺動を可能な限り抑えて持ち運び易くすることができる。また、支持部を収納凹部を備えて構成した場合には、排泄物を含む袋を覆い隠すことができるので、見栄えを良くし、外観品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具をその動作とともに示す一部断面側面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具の要部を示す側面拡大断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具を示し、(a)は枠体が閉位置にある状態を示す斜視図、(b)は枠体が閉位置と開位置との中間位置にある状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具を枠体が開位置にある状態で示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具の要部を示し、(a)は枠体が閉位置にある状態を示す側面図、(b)は枠体が閉位置と開位置との中間位置にある状態を示す側面図、(c)は枠体が開位置にある状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具を袋を装着した状態で示し、(a)は枠体が閉位置にある状態を示す斜視図、(b)は枠体が閉位置と開位置との中間位置にある状態を示す斜視図、(c)は枠体が開位置にある状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具を使用して排泄物を受け取るまでの動作工程を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具を使用して排泄物を受け取った後の動作工程を示す図である。
【
図9】従来の動物用排泄物回収具の一例を示す図であり、(a)は排泄物を受け取るときの状態を示す図、(b)は排泄物を受け取った後の状態をその不具合とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具について詳細に説明する。
図1乃至
図8に示すように、本発明の実施の形態に係る動物用排泄物回収具Kは、開口部Fa及び底部Fbを有した可撓性の袋Fを用いる。袋Fとしては、例えば、スーパーマーケット等で使用されているポリエチレン等の主に樹脂製のものを用い、これに動物から排泄される排泄物Bを収容する。袋Fは、本回収具Kに合わせて適宜の大きさのものを用いる。本動物用排泄物回収具Kの基本的構成は、把持可能な柄1と、袋Fを保持する枠体10と、柄1の下端部に設けられ枠体10の前後方向後部14を回動可能に支持する支持部20とを備えてなる。
【0024】
柄1は、アルミニウム等の軽金属製で管状の本体2と、本体2の上端部に取付けられこの本体2の軸線に沿う取付部3及びこの取付部3に連設され本体2の軸線に交差する方向に延びる把持部4を有したグリップ5とを備えて構成されている。
【0025】
枠体10は、上記の開口部Fa及び底部Fbを有した可撓性の袋Fが通される開放口11を有し、この開放口11に通された袋Fの開口部Faを開口部Faが開いた状態で保持するよう枠状に構成されている。この枠体10は、例えば、硬質プラスチック製であり、略矩形枠状に形成され、袋Fの開口部Faが折り返されて保持される保持枠12と、保持枠12から延びる筒状部13とから構成されており、前後方向にある後部14、前後方向にある前部15、前後方向に直交する幅方向にある一対の側部16を備えて構成されている。また、筒状部13において、後部14は、排泄物Bが入れられて開口部Fa側と底部Fb側とが途中部分を境に折り畳まれて重畳した袋Fを支承可能な大きさに形成されている。また、この後部14の保持枠12とは反対側の下縁部には、支承した袋Fの底部Fb側を押える押え板17が立設されている。符号18は、後述する枠体10が閉位置Xに位置するとき枠体10を地面に支持可能にする脚部である。尚、袋Fの枠体10に対する保持は、保持枠12に袋Fの開口部Faを折り返して保持するようにしているが、保持枠12にクリップを設けて袋Fの開口部Faをこのクリップで止め付けるようにしても良く、適宜変更して差し支えない。
【0026】
支持部20は、例えば、硬質プラスチック製であり、柄1の下端部に設けられるとともに枠体10の前後方向後部14を回動可能に支持し、この回動により、枠体10をその開放口11が柄1側に位置する閉位置X及び柄1から離間し動物から排泄される排泄物Bを袋Fの開口部Faからその内部に受入れ可能な開位置Yの2位置に位置できるように構成されている。
【0027】
また、支持部20は、柄1を略垂直状態にして枠体10を閉位置Xに位置させたとき、枠体10をこれに保持され後述もする開口部Fa側と底部Fb側とが折り畳まれて重畳した袋Fとともに収納可能な収納凹部21を備えて構成されている。
【0028】
詳しくは、支持部20は、枠体10の閉位置Xにおいてこの枠体10の開放口11が対面する略矩形状の底板22と、底板22の上縁部に一体に立設され枠体10の閉位置Xにおいてこの枠体10の前部15に対面するベース壁23と、底板22の両側縁部に夫々一体に立設されるとともにベース壁23に夫々一体に連続形成され枠体10の閉位置Xにおいてこの枠体10の両側部16に夫々対面する一対の側壁24と、ベース壁23の外側に設けられ柄1の下端が取付けられる柄取付部30とを備えて構成されている。収納凹部21は、底板22,ベース壁23及び側壁24により形成されている。
【0029】
また、底板22の下縁部に、ヒンジ部25を介して枠体10が回動可能に支持されている。ヒンジ部25は、
図2に示すように、軸部25aと、枠体10の後部14に突出部26を介して所定間隔で一体に設けられ軸部25aが挿通される複数の一方軸受部25bと、支持部20の底板22の下縁部に所定間隔で且つ一方軸受部25bに隣接して一体に形成され軸部25aが挿通される他方軸受部25cとからなる周知の構成のものである。尚、ヒンジ部25は、市販されているヒンジ(蝶番)を用いて構成しても良く、適宜変更して差し支えない。
図2中、符号27は、突出部26が衝止し枠体10を開位置Yに停止させる開位置ストッパである。また、支持部20の底板22は枠体10を閉位置Xに停止させる閉位置ストッパとしての機能を奏する。
【0030】
更に、支持部20の柄取付部30に対応するベース壁23には、第1貫通孔31が形成されている。柄取付部30は、第1貫通孔31に対峙し第2貫通孔32が形成された台板33と、台板33をベース壁23に支持する脚体34と、台板33の外側に設けられ柄1の下端部が嵌挿される筒状の保持体35とを備えて構成されている。
【0031】
そして、枠体10には袋Fを押圧する押圧機構40が設けられている。この押圧機構40は、排泄物Bが入れられて垂れ下がった袋Fの開口部Faと底部Fbとの間であって枠体10の前後方向に直交する幅方向に沿う袋Fの途中部分を、枠体10の前後方向後部14側から前部15側へ押圧してこの袋の内面同士を密着させて封止するとともに、柄1を略垂直状態にして枠体10を閉位置Xに位置させたとき、袋Fの開口部Fa側と底部Fb側とが密着させられた部分を境に折り畳んで重畳させるものである。
【0032】
詳しくは、押圧機構40は、枠体10の前後方向に直交する幅方向に沿う軸線を有し上記の途中部分を押圧する押圧棒41と、押圧棒41の軸線と平行な軸線を備え枠体10の幅方向にある両側部16に夫々回動可能に設けられる一対の回転軸42と、各回転軸42毎に夫々設けられ回転軸42の内端と押圧棒41の対応する端部とを連結するとともに押圧棒41を枠体10の後部14と前部15との間で回転軸42を中心にし自身の長さを半径とした円周S(
図1)に沿って移動可能にした一対の連結棒43と、一対の回転軸42のうちの少なくとも何れか一方の回転軸42の外端にこの回転軸42に直交して連携されこの回転軸42を回転させるレバー44とを備えて構成されている。押圧機構40の押圧棒41,回転軸42,連結棒43及びレバー44は一本の磁着性金属からなる線材を折曲形成した一体のものである。押圧棒41は樹脂製の被覆管45で被覆されている。尚、被覆管45は、押圧棒41の後述するマグネットによる磁着作用には影響を与えない。また、押圧機構40の押圧棒41及び連結棒43は、押圧棒41が枠体10の後部14及び前部15に位置するとき、枠体10内に収納されるように形成されている。レバー44には樹脂カバー46が被覆されている。押圧棒41をレバー44の操作により作動させるので、操作性が極めて良くなる。また、枠体10や支持部20が略矩形枠状に形成されるので、押圧機構40を設けやすくすることができ、よりコンパクトにすることができる。
【0033】
また、枠体10の後部14の内面には、押圧棒41が枠体10の後部14に至ったときこの押圧棒41が衝止して停止させられる第1ストッパ47が突設されている。枠体10の前部15の内面には、押圧棒41が枠体10の前部15に至ったとき押圧棒41が衝止して停止させられる第2ストッパ48が突設されている。尚、
図1中、符号49は、支持部20の側壁24に形成され、押圧棒41が移動するとき、回転軸42が通過できるようにした切欠きである。
【0034】
更に、本動物用排泄物回収具Kにおいては、押圧棒41が枠体10の後部14に位置するときこの押圧棒41を枠体10に解除可能に拘束する第1拘束手段50と、押圧棒41が枠体10の前部15に位置し且つ枠体10が閉位置Xにあるときこの押圧棒41及び枠体10を支持部20に解除可能に拘束する第2拘束手段51とが備えられている。第1拘束手段50は、枠体10の後部14に付設され押圧棒41をこの押圧棒41が第1ストッパ47に衝止した状態で磁着するマグネットで構成されている。第2拘束手段51は、底板22に付設され押圧棒41をこの押圧棒41が第2ストッパ48に衝止した状態で磁着するマグネットで構成されている。
【0035】
これにより、第1拘束手段50及び第2拘束手段51をマグネットで構成したので、構造を簡易にすることができる。また、第2拘束手段51は、押圧棒41を磁着するだけで、第2ストッパ48を介して枠体10も同時に拘束するので、それだけ、効率が良く、構造を簡易にすることができる。
【0036】
更にまた、動物用排泄物回収具Kにおいては、第2拘束手段51による枠体10の拘束を解除する拘束解除手段60が備えられている。拘束解除手段60は、
図1及び
図2に示すように、L字状に形成され支持部20のベース壁23に形成した第1貫通孔31に遊挿されて下端側が枠体10の前部15の上面に対向し上端側の途中がベース壁23の外側に回動可能に支持され回動により下端側が底板22に沿う常態位置Raと枠体10の前部15の上面に当接してこれを押し出す押出位置Rbの2位置に移動可能な押出部材61と、押出部材61を常時押出位置Rbから常態位置Ra側に付勢するスプリング62と、グリップ5の取付部3に回動可能に設けられグリップ5の把持部4を把持しながら引き作動させられるトリガ63と、柄1の本体2に引き通され一端がトリガ63に連携し他端が押出部材61の他端に連携しトリガ63の引き動作によりスプリング62の付勢力に抗して押出部材61を常態位置Raから押出位置Rbに移動させるワイヤ64とを備えて構成されている。スプリング62は、コイルスプリングからなり、ワイヤ64の他端側に挿入されるとともに押出部材61の他端側と台板33との間に介装されている。グリップ5を把持してのトリガ63の操作により拘束を解除できるので操作性を向上させることができる。
【0037】
更に、本動物用排泄物回収具Kにおいては、枠体10の前部15と後部14との間に架け渡され枠体10に保持した袋Fの下に沿って袋Fを支承する可撓性で帯状の支承シート70が設けられている。押圧棒41は、これが支承シート70とともに袋Fを押圧するように支承シート70の外側に位置させられている。
【0038】
従って、本実施の形態に係る動物用排泄物回収具Kによれば、例えば、犬などのペットとの散歩の際に、
図3(a)及び
図6(a)に示すように、動物用排泄物回収具Kに予め袋Fを装着しておいて持ち運ぶ。袋Fとしては、例えば、スーパーマーケットなどで使用されているポリエチレンなどの樹脂製の袋Fを用いる。袋Fの装着は、
図6(c)及び
図7(c)→
図6(b)及び
図7(b)→
図6(a)及び
図7(a)と、動作工程を逆にみて、先ず、
図6(c)及び
図7(c)に示すように、枠体10を開位置Yにするとともに、押圧棒41は枠体10の後部14に位置させる。この位置においては、押圧棒41は、第1ストッパ47のマグネットに磁着してこの位置に停止保持される。この状態で、袋Fを枠体10の開放口11を通して、開口部Faを保持枠12に折り返して保持し、開口部Faが開いた状態にする。
【0039】
それから、
図6(b)及び
図7(b),
図6(a)及び
図7(a)に示すように、レバー44の操作により、押圧棒41を枠体10の後部14から移動させて前部15に位置させるとともに、枠体10を閉位置Xにする。これにより、袋Fは支承シート70ともに押圧棒41に押圧されて枠体10内に折り畳まれて収容される。この場合、押圧棒41は、第2拘束手段51のマグネットに磁着してこの位置に停止保持される。このため、枠体10及び押圧棒41が支持部20に拘束され動きにくくなり、持ち運びを容易にすることができる。
【0040】
そして、動物が排泄を行うときには、
図6(a)乃至
図6(c)、
図7(a)乃至
図7(c)に示すように、上記とは逆に、枠体10を開位置Yに移動させる。この場合、
図1及び
図2に示すように、拘束解除手段60のトリガ63を引くと、押出部材61が常態位置Raから押出位置Rbに移動し、枠体10が押され、第2拘束手段51のマグネットから押圧棒41が離間し、押圧棒41の停止保持が解除されるとともに枠体10の支持部20に対する拘束が解除される。そして、手動で、あるいは枠体10の自重により、枠体10を開位置Yに位置させる。この場合、レバー44の操作により、押圧棒41を枠体10の前部15から移動させて後部14に位置させる。押圧棒41は第1拘束手段50のマグネットに磁着し、この位置に停止保持される。これにより、袋Fは開口部Faを開けて支承シート70とともに枠体10に垂れ下がるようになる。
【0041】
この状態で、
図1,
図4及び
図7(d)に示すように、柄1を持って動物の排泄部位の下方に袋Fの開口部Faを位置させ、動物からの排泄物Bを袋F内に受け入れて収容するようにする。排泄物Bを袋Fに収納すると排泄物Bの重さにより袋Fは下方に垂れ下がるようになる。この場合、袋Fは支承シート70で支承されるので、袋Fを枠体10に確実に保持しておくことができる。
【0042】
排泄物Bを袋Fに収納したならば、
図8(a)乃至
図8(c)に示すように、例えば、枠体10の開位置Yにおいて、あるいは、開位置Yから閉位置Xに至る過程で、あるいはまた、閉位置Xにおいて、押圧機構40のレバー44の操作により、押圧棒41を枠体10の後部14から移動させて前部15に位置させる。この場合、押圧棒41は、袋Fの途中部分を枠体10の前後方向後部14側から前部15側へ押圧してこの袋の内面同士を密着させて封止する。最終的には、
図1,
図2,
図3(a),
図7(a)及び
図8(c)に示すように、柄1を略垂直状態にして枠体10を閉位置Xに位置させる。尚、柄1を略垂直状態にするタイミングや、枠体10を閉位置Xに位置させるタイミングは、使用状況に応じて適宜に定めてよい。これにより、垂れ下がった袋Fは支承シート70ともに押圧棒41に押圧され、押圧棒41は支承シート70及び袋Fを介して第2拘束手段51のマグネットに磁着してこの位置に停止保持される。
【0043】
この場合、袋Fは、押圧棒41により袋Fの開口部Fa側と底部Fb側とが密着させられた部分を境に折り畳まれて重畳するようになる。そのため、垂れ下がる袋Fの長さが短くなって袋Fがコンパクトになる。また、枠体10はこの折り畳まれて重畳した袋Fとともに収納凹部21に収納される。この状態で、動物用排泄物回収具Kを持ち運ぶ。この場合、垂れ下がる袋Fの長さが短くなって袋Fがコンパクトになっているので、袋Fが揺動しても、その揺動幅が小さくなり、袋Fの揺動が可能な限り抑えられることから、それだけ、動物用排泄物回収具Kを持ち運び易くなる。更に、押圧棒41が第2拘束手段51のマグネットに磁着するので、閉位置Xに位置させた枠体10が支持部20に拘束され、押圧棒41も停止保持されるので、袋Fが動きにくくなり、袋Fを確実に保持することができ、この点でも持ち運び易くすることができる。
【0044】
また、この場合、袋Fが収納凹部21にコンパクトになって収容されることになるので、この収納凹部21によっても揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。更に、袋Fが収納凹部21に収納された際、袋Fは、枠体10の後部14に支承されるので、この枠体10の後部14によっても揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。また、枠体10にはその後部14の保持枠12とは反対側の下縁部に押え板17が設けられているので、この押え板17により支承した袋Fの底部Fb側が押えられ、枠体10から容易に抜け出る事態が防止される。そのため、これによっても袋Fの揺動が規制され、より一層、持ち運び易くなる。また、支持部20の収納凹部21により、排泄物Bを含む袋Fを覆い隠すことができるので、見栄えが良くなり、外観品質を向上させることができる。
【0045】
その後、再び動物が排泄を行うときに本動物用排泄物回収具Kを使用するときは、上記と同様に操作して行えばよい。また、袋Fを処理するときは、
図8(d)に示すように、袋Fを枠体10から取り外せばよい。
【0046】
尚、上記実施の形態においては、支持部20を収納凹部21を備えて構成したが必ずしもこれに限定されるものではなく、ヒンジ部25を備えただけのものでもよく、適宜変更して差し支えない。また、枠体10や支持部20の形状も略矩形状のものに限定されるものでなく、円形や楕円形にするなど適宜変更して差し支えない。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
K 動物用排泄物回収具
F 袋
Fa 開口部
Fb 底部
B 排泄物
1 柄
2 本体
3 取付部
4 把持部
5 グリップ
10 枠体
11 開放口
12 保持枠
13 筒状部
14 後部
15 前部
16 側部
17 押え板
18 脚部
20 支持部
X 閉位置
Y 開位置
21 収納凹部
22 底板
23 ベース壁
24 側壁
25 ヒンジ部
25a 軸部
25b 一方軸受部
25c 他方軸受部
26 突出部
27 開位置ストッパ
30 柄取付部
31 第1貫通孔
32 第2貫通孔
33 台板
34 脚体
35 保持体
40 押圧機構
41 押圧棒
42 回転軸
43 連結棒
44 レバー
45 被覆管
46 樹脂カバー
47 第1ストッパ
48 第2ストッパ
49 切欠き
50 第1拘束手段
51 第2拘束手段
60 拘束解除手段
61 押出部材
Ra 常態位置
Rb 押出位置
62 スプリング
63 トリガ
64 ワイヤ
70 支承シート
【要約】
【課題】 排泄物を袋に収納して持ち運ぶ際、袋の垂れ下がり長さを短くしてコンパクトにし、袋の揺動を可能な限り抑えて持ち運び易くする。
【解決手段】 柄1と、袋Fをその開口部Faが開いた状態で保持する枠体10と、柄1の下端部に設けられ枠体10を閉位置X及び動物から排泄される排泄物Bを受入れ可能な開位置Yの2位置に回動可能に支持する支持部20とを備え、枠体10に、排泄物が入れられて垂れ下がった袋Fの幅方向に沿う袋Fの途中部分を枠体10の前後方向後部14側から前部15側へ押圧してこの袋の内面同士を密着させて封止するとともに、柄1を略垂直状態にして枠体10を閉位置Xに位置させたとき、袋Fの開口部Fa側と底部Fb側とが折り畳まれて重畳するようにした押圧機構40を設けた。
【選択図】
図1