(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20250107BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
A61H3/00 B
B25J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2022524687
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 KR2020014850
(87)【国際公開番号】W WO2021086025
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0138713
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】シム,ヨンボ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンベク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ロォ,セ-ゴン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-061663(JP,A)
【文献】特開2016-150420(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105105987(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを補助するように構成される歩行補助装置であって、当該歩行補助装置は、
股関節アクチュエータと、
前記股関節アクチュエータから動力が伝達されて第1軸を中心に回転可能であり、前記第1軸に交差する第2軸を中心に前記股関節アクチュエータに回転可能に連結される上側太ももフレームと、
前記上側太ももフレームに連結され、
前記ユーザの太ももの形状に応じて、互いに相対的な回動が可能な複数の分節フレームを含むモーションフレームと、
前記モーションフレームに連結される下側太ももフレーム
と、を含
み、
前記複数の分節フレームは、
第1分節フレームであって、前記第1分節フレームは、前記上側太ももフレーム及び前記下側太ももフレームと並ぶように設けられる、第1分節フレームと、
前記第1分節フレームの一端に回動可能に連結される第2分節フレームと、
前記第1分節フレームの他端に回動可能に連結される第3分節フレームと、
前記第2分節フレームに回動可能に連結される第4分節フレームと、
前記第3分節フレーム及び第4分節フレームに回動可能に連結される第5分節フレームと、を含み、
前記上側太ももフレームは、前記第2分節フレームに連結される、
歩行補助装置。
【請求項2】
前記モーションフレームは、一端が前記第4分節フレームに固定され、他端が前記第5分節フレームに固定される弾性体をさらに含む、請求項
1に記載
の歩行補助装置。
【請求項3】
前記モーションフレームは、
前記第2分節フレーム及び第4分節フレームの回動角度を制限するための第1ストッパと、
前記第3分節フレーム及び第5分節フレームの回動角度を制限するための第2ストッパと、
をさらに含む、請求項
2に記載
の歩行補助装置。
【請求項4】
前記第2分節フレームは前記上側太ももフレームに脱着可能であり、前記第3分節フレームは前記下側太ももフレームに脱着可能である、請求項
1に記載
の歩行補助装置。
【請求項5】
前記モーションフレームは、複数
のモーションフレームからなり、
前記複数のモーションフレームは
、互いに直列に連結される、請求項
1に記載
の歩行補助装置。
【請求項6】
前記複数のモーションフレームは、第1モーションフレーム、1つ又は複数の第2モーションフレーム、及び第3モーションフレームを含み、前記第1モーションフレーム、前記1つ又は複数の第2モーションフレーム、及び前記第3モーションフレームは、互いに直列に連結され、
前記1つ又は複数の第2モーションフレームの数は、前記ユーザの太ももの長さに応じて調整可能である、請求項5に記載の歩行補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関節の不便な老人や患者が歩行を円滑にする歩行補助装置及び軍事用などの目的でユーザの筋力を補助するための装置が開発されている。歩行補助装置の場合、装置がユーザの体の形状に適するように密着する場合、ユーザが感じる着用感が向上し、装置の体積を減少させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態に係る太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置は、股関節アクチュエータと、前記股関節アクチュエータから動力が伝達されて第1軸を中心に回転可能であり、前記第1軸に交差する第2軸を中心に前記股関節アクチュエータに回転可能に連結される上側太ももフレームと、前記上側太ももフレームに連結され、互いに相対的な回動が可能な複数の分節フレームを含むモーションフレームと、前記モーションフレームに連結される下側太ももフレームを含む。
【0004】
前記複数の分節フレームは、前記上側太ももフレームに連結される上側分節フレームと、前記下側太ももフレームに連結され、前記上側分節フレームに対して回動可能な下側分節フレームを含むことができる。
【0005】
前記上側分節フレームは前記上側太ももフレームと一体に形成され、前記下側分節フレームは前記下側太ももフレームと一体に形成されることができる。
【0006】
前記上側分節フレームは前記上側太ももフレームに脱着可能に連結され、前記下側分節フレームは前記下側太ももフレームに脱着可能に連結されることができる。
【0007】
前記モーションフレームは、一端部が前記上側分節フレームに固定され、他端部が前記下側分節フレームに固定される弾性体をさらに含むことができる。
【0008】
前記モーションフレームは、前記第2軸に平行するように備えられ、前記上側分節フレーム及び下側分節フレームを連結する回動軸をさらに含み、前記弾性体の中央部は前記回動軸を取り囲むことができる。
【0009】
前記モーションフレームは、前記上側分節フレーム及び下側分節フレームの回動角度を制限するためのストッパをさらに含むことができる。
【0010】
前記ストッパは、前記上側分節フレーム及び下側分節フレームのいずれか1つの分節フレームから他の1つの分節フレームに延長形成されることができる。
【0011】
前記複数の分節フレームは、第1分節フレームと、前記第1分節フレームの一端に回動可能に連結され、前記上側太ももフレームに連結される第2分節フレームと、前記第1分節フレームの他端に回動可能に連結される第3分節フレームと、前記第2分節フレームに回動可能に連結される第4分節フレームと、前記第3分節フレーム及び第4分節フレームに回動可能に連結される第5分節フレームを含むことができる。
【0012】
前記モーションフレームは、一端が前記第4分節フレームに固定され、他端が前記第5分節フレームに固定される弾性体をさらに含むことができる。
【0013】
前記モーションフレームは、前記第2分節フレーム及び第4分節フレームの回動角度を制限するための第1ストッパと、前記第3分節フレーム及び第5分節フレームの回動角度を制限するための第2ストッパとをさらに含むことができる。
【0014】
前記第2分節フレームは前記上側太ももフレームに脱着可能であり、前記第3分節フレームは前記下側太ももフレームに脱着可能である。
【0015】
前記モーションフレームは複数に備えられ、複数のモーションフレームは互いに直列に連結されることができる。
【0016】
前記複数のモーションフレームは、第1フレーム本体と、前記第1フレーム本体に受容される第1磁石を含んでいる第1モーションフレームと、前記第1フレーム本体に回動可能に連結される第2フレーム本体と、前記第2フレーム本体に受容されて前記第1磁石と反対極性として向かい合う第2磁石を含む第2モーションフレームを含むことができる。
【0017】
前記第1フレーム本体及び第2フレーム本体は、互いに向かい合う端部に形成されているラウンドパートを備えることができる。
【0018】
一実施形態に係る太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置は、上側太ももフレームと、前記上側太ももフレームに連結され、互いに相対的な回動が可能な複数の分節フレームを含むモーションフレームと、前記モーションフレームに連結される下側太ももフレームとを含み、前記モーションフレームは、前記上側太ももフレーム及び下側太ももフレームがなしている角度を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係るユーザが歩行補助装置を着用している形状を示す図である。
【
図2】
図1と比較するとき、太ももの厚さがさらに大きいユーザが一実施形態に係る歩行補助装置を着用している形状を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る歩行補助装置の正面図である。
【
図4】一実施形態に係るモーションフレームの正面図である。
【
図5】
図4の切開線V-Vに沿って切開した断面図である。
【
図6】
図5のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【
図7】一実施形態に係るユーザが歩行補助装置を着用している形状を示す図である。
【
図8】一実施形態に係るモーションフレームの側面図である。
【
図9】
図8のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【
図10】一実施形態に係るモーションフレームの正面図である。
【
図11】
図10の切開線XI-XIに沿って切開した断面図である。
【
図12】
図11のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対するすべての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
また、実施形態の構成要素の説明において、第1,第2,A,B,(a),(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語によって該当の構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいことを理解されたい。
【0021】
いずれか一つの実施形態に含まれている構成要素と、共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。反対となる記載がない以上、いずれか一つの実施形態に記載した説明は、他の実施形態にも適用され、重複する範囲において具体的な説明は省略することにする。
【0022】
図1は、一実施形態に係るユーザが歩行補助装置を着用している形状を示す図であり、
図2は、
図1と比較するとき、太ももの厚さがさらに大きいユーザが一実施形態に係る歩行補助装置を着用している形状を示す図である。
【0023】
図1及び
図2を参照すると、太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置100は、ユーザの太ももの形状に応じて変形可能である。例えば、歩行補助装置100は、細い太ももを有するユーザが密着してもよく、相対的に太い太ももを有するユーザも密着してもよい。歩行補助装置100がユーザの太ももに密着する場合、歩行補助装置100がユーザの太ももから離隔される距離が減少し得る。ユーザは、歩行補助装置100を着用した状態で衣服を着用することができ、ユーザが感じる着用感が向上され得る。
【0024】
歩行補助装置100は、ユーザの股関節を補助することができる。歩行補助装置100は、腰着用部90、股関節アクチュエータ91、上側太ももフレーム92、モーションフレーム1、下側太ももフレーム93、及び太もも着用部94を含む。モーションフレーム1は、ユーザの太ももの形状に応じて変形されてもよい。上側太ももフレーム92は、股関節アクチュエータ91に対する角度が調節され得る。上側太ももフレーム92の角度調節と、モーションフレーム1の変形程度を通じて、歩行補助装置100はユーザの太ももに密着することができる。
【0025】
腰着用部90はユーザの腰を支持する。腰着用部90は、ユーザの腰周縁に沿って長さを調節できる。腰着用部90は股関節アクチュエータ91を支持する。腰着用部90は、股関節アクチュエータ91が股関節と並ぶように配置されてもよい。
【0026】
股関節アクチュエータ91は、ユーザの股関節を補助するための動力を生成することができる。股関節アクチュエータ91は、上側太ももフレーム92を支持する。股関節アクチュエータ91は、上側太ももフレーム92を第1軸a1を中心に回転させることができる。股関節アクチュエータ91は、太ももの伸展(extension)及び屈曲(flexion)を補助できる。
【0027】
上側太ももフレーム92は、股関節アクチュエータ91から動力が伝達されて第1軸a1を中心に回転可能であり、第1軸a1に交差する第2軸a2を中心に股関節アクチュエータ91に回転可能に連結されている。上側太ももフレーム92は、太ももの内転(adduction)又は外転(abduction)により、股関節アクチュエータ91を中心に回転することができる。上側太ももフレーム92は、太ももの内転又は外転だけでなく、ユーザの太ももの形状に応じて股関節アクチュエータ91を中心に回転することができる。例えば、太ももが相対的に太いユーザに着用される場合、上側太ももフレーム92は、股関節アクチュエータ91を中心に外側に回転してもよい。
【0028】
モーションフレーム1は、ユーザの太ももの形状に応じて変形されるための、余裕自由度を含んでもよい。モーションフレーム1は変形され、上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93がなしている角度を決定し得る。モーションフレーム1は、上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93の間に設けられてもよい。モーションフレーム1は、互いに相対的な回動が可能な複数の分節フレーム11,12を含んでもよい。複数の分節フレーム11,12は、1自由度の回動可能に連結される上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12を含んでもよい。
【0029】
例えば、太ももが相対的に太いユーザに着用された状態において、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12がなしている角度は、太ももが相対的に細いユーザに着用されている状態において、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12がなしている角度よりも小さい。
【0030】
モーションフレーム1は、股関節アクチュエータ91を中心にした上側太ももフレーム92の角度に基づいて変形され得る。例えば、太ももが相対的に太いユーザに着用された状態において、上側太ももフレーム92は、太ももによって外側にずれてもよく、下側分節フレーム12は、上側分節フレーム11に対して太ももに向かった方向に曲がる方式で、ユーザの太ももに密着することができる。
【0031】
モーションフレーム1は、上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93と一体に形成されたり、上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93に脱着可能に連結されてもよい。モーションフレーム1が上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93に脱着可能に連結されている場合、ユーザは、必要に応じて、モーションフレーム1を上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93の間に装着させたり、歩行補助装置100から除去することができる。例えば、モーションフレーム1が歩行補助装置100から除去される場合、下側太ももフレーム93は、直接的に上側太ももフレーム92に装着されてもよい。
【0032】
モーションフレーム1は、上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93の角度を固定するための固定部材(図示せず)を備えてもよい。
【0033】
下側太ももフレーム93は、モーションフレーム1に連結される。下側太ももフレーム93は、モーションフレーム1に一体に形成されたり、モーションフレーム1に脱着可能に連結されてもよい。
【0034】
太もも着用部94は、ユーザの太ももを支持する。太もも着用部94は、ユーザの太もも周縁に沿って長さを調節できる。
【0035】
図1を参照すると、歩行補助装置100が太ももが相対的に細いユーザに着用されていることが確認される。この場合、モーションフレーム1の上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12がなしている角度は大きく、例えば、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12は概略一直線をなしている。
【0036】
図2を参照すると、歩行補助装置100が太ももの相対的に太いユーザに着用されていることが確認される。この場合、上側太ももフレーム92は、太ももによって第2軸a2を中心に外側、言い換えれば、反時計回りにずれた状態を保持する。また、下側分節フレーム12は、上側分節フレーム11を中心に内側、言い換えれば、時計回りに回動された状態を保持し、下側太ももフレーム93はユーザの太ももに密着される。
【0037】
図3は、一実施形態に係る歩行補助装置の正面図であり、
図4は、一実施形態に係るモーションフレームの正面図であり、
図5は、
図4の切開線V-Vに沿って切開した断面図であり、
図6は、
図5のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【0038】
図3~
図6を参照すると、モーションフレーム1は、上側分節フレーム11、下側分節フレーム12、回動軸13、弾性体14、ストッパ15、上側連結部材17、ボタン18、及び下側連結部材19を含む。
【0039】
上側分節フレーム11は、上側に備えられる上側太ももフレーム92に連結される。上側分節フレーム11は、回動軸13によって下側分節フレーム12に回動可能に連結されている。上側分節フレーム11は、第1上側中空部11a及び第2上側中空部11bを備える。
【0040】
下側分節フレーム12は、下側に備えられる下側太ももフレーム93に連結されてもよい。下側分節フレーム12は、回動軸13によって上側分節フレーム11に回動可能に連結されてもよい。
【0041】
回動軸13は、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12を回動可能に連結することができる。例えば、回動軸13は、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12のいずれか1つの分節フレームを貫通し、他の1つの分節フレームに挿入されるロッド(rod)であってもよい。例えば、回動軸13は、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12のいずれか1つの分節フレームに一体形成され、他の1つの分節フレームに向かって突出形成されるロッドであってもよい。回動軸13は、上側太ももフレーム92の回動軸である第2軸a2に平行に設けられてもよい。
【0042】
回動軸13は、股関節アクチュエータ91の駆動軸である第1軸A1と90度で配置されてもよい。ここで、90度で配置されることは、股関節アクチュエータ91の駆動軸である第1軸A1に平行な仮想の補助線が回動軸13に垂直であることを意味する。このような構造により、股関節アクチュエータ91によってモーションフレーム1が変形される現像が防止され、股関節アクチュエータ91の動力が、下側太ももフレーム93に伝達される間に損失される動力を減らすことができる。
【0043】
歩行補助装置は、股関節アクチュエータ91による第1軸A1を中心にした運動、股関節アクチュエータ91に第2軸a2を中心に回動可能に連結される上側太ももフレーム92の回動運動、及び上側分節フレーム11を中心に回動可能に連結される下側分節フレーム12の回動運動を実現することができる。
【0044】
弾性体14は、モーションフレーム1の基本形状が直線状態に保持されるよう補助することができる。弾性体14は、一端部が上側分節フレーム11に固定され、他端部が下側分節フレーム12に固定される。例えば、弾性体14の一端部は上側分節フレーム11の第1上側中空部11aに受容され、上側分節フレーム11の内壁に固定され、弾性体14の他端部は、下側分節フレーム11の第1下側中空部12aに受容され、下側分節フレーム12の内壁に固定されてもよい。弾性体14はばねであってもよい。下側分節フレーム12が上側分節フレーム11に対して回動軸13を中心に時計回りに回動する間、弾性体14が格納している弾性エネルギーは次第に増加し得る。
【0045】
弾性体14の中央部は、回動軸13を取り囲むことができる。弾性体14の端部が上側分節フレーム11及び/又は下側分節フレーム12から離脱されても、弾性体14が安定的に回動軸13に係止されることができる。
【0046】
ストッパ15は、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12の回動角度を制限する。
図6を基準にして、ストッパ15は、下側分節フレーム12が上側分節フレーム11に対して反時計回りに回動することを防止する。ストッパ15は、下側分節フレーム12が内側方向にのみ回転するよう補助できる。
【0047】
ストッパ15は、上側分節フレーム11及び下側分節フレーム12のいずれか1つの分節フレームから他の1つの分節フレームに延長形成されてもよい。
図6及び
図7において、ストッパ15が下側分節フレーム12から延びて上側分節フレーム11の第1上側中空部11aに受容されているものと示したが、これに制限されないことを明らかにする。
【0048】
上記において、モーションフレーム1が上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93と一体に形成されたり、脱着可能であることを説明した。以下では、モーションフレーム1が上側太ももフレーム92及び下側太ももフレーム93と脱着可能な実施形態を基準にして、脱着構造について具体的に説明する。
【0049】
上側連結部材17は、上側分節フレーム11を上側太ももフレーム92に連結させることができる。上側連結部材17の一部は、上側分節フレーム11に受容されてもよく、上側連結部材17の他の一部は、上側太ももフレーム92に挿入されてもよい。上側連結部材17は、連結ホール7aを備える。上側連結部材17は、第2上側中空部11bに受容され、弾性体によって支持され得る。
【0050】
ボタン18は、上側連結部材17の一側に連結され、少なくとも一部が上側分節フレーム11の外側に突出されている。ユーザは、ボタン18をプッシュして上側連結部材17を押す。
【0051】
上側太ももフレーム92は、上側連結部材17の連結ホール7aに挿入される突起(図示せず)を備えてもよい。ユーザは、ボタン18をプッシュして上側連結部材17を押した状態で、上側連結部材17を上側太ももフレーム92に挿入した後ボタン18を外す。この場合、上側連結部材17は元の位置に戻り、上側太ももフレーム92に備えられた突起は、上側連結部材17の連結ホール7aに挿入される。
【0052】
下側連結部材19は、上側太ももフレーム92の突起と同様の機能を行う突起(図示せず)を具備してもよく、下側太ももフレーム93は、上側連結部材17及びボタン18に対応する構成を備えることができる。
【0053】
モーションフレーム1を上側太ももフレーム92及び/又は下側太ももフレーム93に脱着させる構造は、これに制限されないことを明らかにする。
【0054】
図7は、一実施形態に係るユーザが歩行補助装置を着用している形状を示す図であり、
図8は、一実施形態に係るモーションフレームの側面図であり、
図9は、
図8のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【0055】
図7~
図9を参照すると、太ももの形状に応じて変形可能な歩行補助装置200は、ユーザの太ももの形状に応じて変形可能である。例えば、歩行補助装置200は、細い太ももを有するユーザに密着されてもよく、相対的に太い太ももを有するユーザにも密着されてもよい。
【0056】
歩行補助装置200は、腰着用部90、股関節アクチュエータ91、上側太ももフレーム92、モーションフレーム2、下側太ももフレーム93、及び太もも着用部94を含む。
【0057】
モーションフレーム2は、複数備えられてもよい。例えば、複数のモーションフレーム2は、互いに直列に連結されている第1モーションフレーム21、第2モーションフレーム22、及び第3モーションフレーム23を含む。複数のモーションフレーム2のそれぞれは、複数の分節フレームを含んでもよい。複数のモーションフレーム2は、互いに相対的に回動可能に連結されている。複数のモーションフレーム2の回動により歩行補助装置200は、ユーザの太ももの形状に関わらず、ユーザの太ももに密着することができる。以下、第1モーションフレーム21を基準にして複数の分節フレームに対して説明し、第1モーションフレーム21の複数の分節フレームは、第2モーションフレーム22及び/又は第3モーションフレーム23に同様に適用され得ることを明らかにする。
【0058】
第1モーションフレーム21は、5角形をなして連結される第1~第5分節フレーム211,212,213,214,215を含む。第1~第5分節フレーム211,212,213,214,215は、互いに隣接する分節フレームとヒンジ連結されている。第1分節フレーム211は、上側太ももフレーム92及び/又は下側太ももフレーム93と並ぶように設けられてもよい。第2分節フレーム212は、第1分節フレーム211の上端部に回動可能に連結され、第3分節フレーム213は、第1分節フレーム211の下端部に回動可能に連結されている。第4分節フレーム214は、第2分節フレーム212に回動可能に連結され、第5分節フレーム215は、第3分節フレーム213及び第4分節フレーム214に回動可能に連結されてもよい。
【0059】
第1モーションフレーム21は、一端が第4分節フレーム214に固定され、他端が第5分節フレーム215に固定される弾性体218をさらに含んでもよい。弾性体218は、第4分節フレーム214及び第5分節フレーム215の内側に備えられてもよい。第4分節フレーム214及び第5分節フレーム215の間の角度が増加する場合、弾性体218が格納している弾性エネルギーは増加し得る。
【0060】
第1モーションフレーム21は、第2分節フレーム212及び第4分節フレーム214の回動角度を制限するための第1ストッパ216と、第3分節フレーム213及び第5分節フレーム215の回動角度を制限するための第2ストッパ217をさらに含む。第1ストッパ216は、第2分節フレーム212の端部に固定され、第4分節フレーム214の外側に接触可能である。第2ストッパ217は、第3分節フレーム213の端部に固定され、第5分節フレーム215の外側に接触可能である。
【0061】
第2分節フレーム212は、上側太ももフレーム92と一体に形成されたり、上側太ももフレーム92に脱着可能に連結されてもよい。第3分節フレーム213は、下側太ももフレーム93と一体に形成されたり、下側太ももフレーム93に脱着可能に連結されてもよい。例えば、第1連結部材291は、上側太ももフレーム92に挿入されてもよい。第1連結部材291が上側太ももフレーム92に備えられ、第2連結部材292が下側太ももフレーム93に備えられることを明らかにする。
【0062】
第1モーションフレーム21は、上側太ももフレーム92と下側太ももフレーム93との間に配置されてもよいが、第1モーションフレーム21以外のモーションフレームが直列に並ぶように連結されてもよい。例えば、第1モーションフレーム21の下方に第2モーションフレーム22及び第3モーションフレーム23が並ぶように連結されてもよい。この場合、第1モーションフレーム21の下側に備えられた第2連結部材292は、第2モーションフレーム22と連結されてもよく、第2モーションフレーム22又は第3モーションフレーム23は第3連結部材293を備え、第3モーションフレーム23の下側には、下側太ももフレーム93に脱着可能に連結されるための第4連結部材294が備えられてもよい。
【0063】
第2モーションフレーム22は、5角形をなして連結される第1~第5分節フレーム221,222,223,224,225と、第1及び第2ストッパ226,227と、弾性体228を含む。第3モーションフレーム23は、5角形をなして連結される第1~第5分節フレーム231,232,233,234,235と、第1及び第2ストッパ236,237と、弾性体238を含む。
【0064】
例えば、第1モーションフレーム21の第2分節フレーム212には、上側太ももフレーム92に脱着可能に連結されるための第1連結部材291が設けられる。例えば、第1モーションフレーム21の第3分節フレーム213及び/又は第2モーションフレーム22の第2分節フレーム222には、第1モーションフレーム21及び第2モーションフレーム22を脱着可能に連結するための第2連結部材292が設けられる。例えば、第2モーションフレーム22の第3分節フレーム223及び/又は第3モーションフレーム23の第2分節フレーム232には、第2モーションフレーム22及び第3モーションフレーム23を脱着可能に連結するための第3連結部材293が設けられる。第3モーションフレーム23の第3分節フレーム233には、下側太ももフレーム93に脱着可能に連結されるための第4連結部材294が設けられる。複数のモーションフレーム21,22,23は、ユーザの選択に応じて、その個数が決定され得る。例えば、相対的に太ももの長さが長い人の場合、複数のモーションフレームの個数を増やし得る。
【0065】
図10は、一実施形態に係るモーションフレームの正面図であり、
図11は、
図10の切開線XI-XIに沿って切開した断面図であり、
図12は、
図11のモーションフレームが変形された形状を示す断面図である。
【0066】
図10~
図12を参照すると、モーションフレーム3は、複数備えられてもよい。例えば、モーションフレーム3は、互いに直列に連結される第1モーションフレーム31、第2モーションフレーム32、及び第3モーションフレーム33を含む。
【0067】
第1モーションフレーム31は、第1フレーム本体311と、1つ以上の第1磁石312,313を含む。
【0068】
第1フレーム本体311は、上側太ももフレーム92(
図7参照)及び第2モーションフレーム32に回動可能に連結されている。第1フレーム本体311は、上側太ももフレーム92(
図7参照)に向かい合う端部に形成される第1上側ラウンドパート311aと、第2モーションフレーム32に向かい合う端部に形成される第1下側ラウンドパート311bを含んでもよい。第1ラウンドパート311a,311bは、第1モーションフレーム31に備えられた磁石と、上側太ももフレーム92(
図7参照)及び/又は第2モーションフレーム32に備えられた磁石の間の最小距離の大きさを減少させ得る。
【0069】
1つ以上の第1磁石312,313は、第1フレーム本体311に受容されてもよい。ここで、第1磁石312,313は、第1上側磁石312及び第1下側磁石313として、2つ備えられているものと示されているが、これに制限されないことを明らかにする。例えば、第1フレーム本体311には、1つの第1磁石が備えられてもよく、3つ以上の磁石が備えられてもよい。
【0070】
例えば、第1上側磁石312は、上側太ももフレーム92に設けられている磁石(図示せず)とは互いに反対となる極性として向かい合ってもよい。上側太ももフレーム92に設けられている磁石(図示せず)と第1上側磁石312との間の引力は、第1モーションフレーム31が上側太ももフレーム92に対して一直線の状態に保持するように補助できる。また、ユーザの体の形状に応じて、上側太ももフレーム92に対する第1モーションフレーム31の角度が変更されても、前記引力は、第1モーションフレーム31がユーザの身体に密着するよう補助できる。
【0071】
第2モーションフレーム32は、第2フレーム本体321と、1つ以上の第2磁石322,323を含む。第2フレーム本体321は、第1モーションフレーム31及び第3モーションフレーム33に回動可能に連結されている。第2フレーム本体321は、第1モーションフレーム31に向かい合う端部に形成されている第2上側ラウンドパート321aと、第3モーションフレーム33に向かい合う端部に形成されている第2下側ラウンドパート321bを含んでもよい。第2ラウンドパート321a,321bは、第2モーションフレーム32に備えられた磁石と、第1モーションフレーム31及び/又は第2モーションフレーム33に備えられた磁石との間の最小距離の大きさを減少させ得る。
【0072】
1つ以上の第2磁石322,323は、第2フレーム本体321に受容されることができる。第2上側磁石322は、第1モーションフレーム31に受容された第1下側磁石313とは互いに反対となる極性として向かい合ってもよい。第2下側磁石323は、後述する第3モーションフレーム33に受容されている第3上側磁石332とは互いに反対となる極性として向かい合ってもよい。
【0073】
第1下側磁石313と第2上側磁石322との間の引力及び/又は第2下側磁石323と第3上側磁石332との間の引力は、モーションフレーム3が一直線の状態に保持するよう補助できる。また、1つ以上の第2磁石322,323は、ユーザの体の形状に応じてモーションフレーム3の角度が変更されても、モーションフレーム3がユーザの身体に密着するように補助できる。
【0074】
第3モーションフレーム33は、第3フレーム本体331と、1つ以上の第3磁石332,333を含む。
【0075】
第3フレーム本体331は、第2モーションフレーム32及び下側太ももフレーム93(
図7参照)に回動可能に連結されてもよい。第3フレーム本体331には、第3上側ラウンドパート331a及び第3下側ラウンドパート331bが備えられる。
【0076】
1つ以上の第3磁石332,333は、第3フレーム本体331に受容されることができる。例えば、第3上側磁石332は、第2下側磁石323とは互いに反対となる極性として向かい合ってもよい。下側太ももフレーム93に設けられている磁石(図示せず)と第3下側磁石333は、互いに反対となる極性として向かい合ってもよい。1つ以上の第3磁石332,333は、ユーザの体の形状に応じてモーションフレーム3の角度が変更されても、モーションフレーム3がユーザの身体に密着するように補助できる。
【0077】
以上のように、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、該当の術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の記載から様々な技術的な修正及び変形を可能である。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で行われたり、及び/又は説明された構造、装置などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わされたり、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されたりしても、適切な結果を達成することができる。