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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ユーザプレーン装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20250107BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20250107BHJP
   H04W 92/02 20090101ALI20250107BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20250107BHJP
【FI】
H04L7/00 990
H04W56/00
H04W92/02
H04W88/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021548307
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2019038409
(87)【国際公開番号】W WO2021059538
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】巳之口 淳
(72)【発明者】
【氏名】マティカイネン ジャリ
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110213007(CN,A)
【文献】3GPP TS 23.501 V16.2.0(2019-09)[online],[検索日 2023.11.27],2019年09月24日,p.240-244,インターネット:<https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.501/23501-g20.zip>
【文献】NOKIA,et al.,Discussion-TSCAI Granularity and Reference Time used for TSCAI,3GPP TSG-SA WG2#133 S2-1905588,2019年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H04W 56/00
H04W 92/02
H04W 88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セッション管理装置から進み方の差の報告の要求を受信する受信部と、
ある外部時間ドメインのクロックと5Gシステムクロックとの間のドリフトを検出する制御部と、
前記外部時間ドメインのクロックと前記5Gシステムクロックとの間の進み方の差と、当該外部時間ドメインの識別情報とを前記セッション管理装置に送信する送信部と
を備えるユーザプレーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおけるネットワーク装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、システム容量の更なる大容量化、データ伝送速度の更なる高速化、無線区間における更なる低遅延化等を実現するために、5GあるいはNR(New Radio)と呼ばれる無線通信方式(以下、当該無線通信方式を「5G」あるいは「NR」という。)の検討が進んでいる。5Gでは、10Gbps以上のスループットを実現しつつ無線区間の遅延を1ms以下にするという要求条件を満たすために、様々な無線技術の検討が行われている。
【0003】
5Gでは、LTE(Long Term Evolution)のネットワークアーキテクチャにおけるコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に対応する5GC(5G Core Network)、及びLTEのネットワークアーキテクチャにおけるRAN(Radio Access Network)であるE-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)に対応するNG-RAN(Next Generation Access Network)を含むネットワークアーキテクチャが検討されている。なお、NG-RANを5G-AN、RANあるいはgNBと表記する場合もある。
【0004】
近年、工場等において、多数の装置を同期制御する要求が増加しており、そのような制御を可能とする同期通信のための規格(IEEE P802.1Qcc等)が規定されている。
【0005】
5Gシステムにおいても、IEEE P802.1Qccに規定されているTSC(Time Sensitive Communication)がサポートされる(非特許文献1)。TSCにおいて、5GシステムはTSN(Time Sensitive Networking)ブリッジとして機能する。
【0006】
また、TSCトラフィック特性を記載したTSC支援情報であるTSCAI(TSC Assistance Information)がSMFからNG-RANに提供される。NG-RANであるgNBは、TSCAIにより、TSNトラフィックパターンを把握して、効率的なスケジューリング等を行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】3GPP TS 23.501 V16.1.0 (2019-06)
【文献】3GPP TS 23.502 V16.1.1 (2019-06)
【文献】3GPP TS 29.244 V16.0.0 (2019-06)
【文献】3GPP TS 29.518 V15.4.0 (2019-06)
【文献】3GPP TS 38.413 V15.4.0 (2019-07)
【文献】3GPP TS 38.415 V15.2.0 (2018-12)
【文献】3GPP TS 23.503 V16.1.0 (2019-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に記載のとおり、あるTSN時間ドメイン(TSN working domain)におけるTSN時間と5G時間との間にドリフト等が発生した場合、コアNWはNG-RANに修正したTSCAIパラメータを通知する。TSN時間ドメインを「時間ドメイン」と呼んでもよい。なお、本明細書では、TSCAIは、TSNストリーム毎に適用されることを想定している。
【0009】
5Gシステムは、複数のTSN時間ドメイン(TSN working domain)をサポートするが、上記の修正したTSCAIは、複数のTSN時間ドメインに属する複数のTSNストリームのうちの、当該TSCAIが適用されるべき特定のTSNストリームのみに適用される必要がある。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、TSC支援情報を特定のTSNストリームのみに適用することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の技術によれば、セッション管理装置から進み方の差の報告の要求を受信する受信部と、
ある外部時間ドメインのクロックと5Gシステムクロックとの間のドリフトを検出する制御部と、
前記外部時間ドメインのクロックと前記5Gシステムクロックとの間の進み方の差と、当該外部時間ドメインの識別情報とを前記セッション管理装置に送信する送信部と
を備えるユーザプレーン装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、TSC支援情報を特定のTSNストリームのみに適用することを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態における通信システムを説明するための図である。
図2】TSN Time Synchronizationのシステム構成を示す図である。
図3】TSNブリッジを示す図である。
図4】TSNブリッジにおける動作を説明するための図である。
図5】TSNブリッジにおける動作を説明するための図である。
図6】TSC Assistance Informationを示す図である。
図7】処理シーケンスを説明するための図である。
図8】仕様書(TS23.501)の変更例を示す図である。
図9】仕様書(TS23.503)の変更例を示す図である。
図10】仕様書(TS23.503)の変更例を示す図である。
図11】仕様書(TS23.503)の変更例を示す図である。
図12】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図13】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図14】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図15】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図16】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図17】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図18】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図19】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図20】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図21】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図22】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図23】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図24】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図25】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図26】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図27】仕様書(TS29.244)の変更例を示す図である。
図28】仕様書(TS23.502)の変更例を示す図である。
図29】仕様書(TS23.502)の変更例を示す図である。
図30】仕様書(TS23.502)の変更例を示す図である。
図31】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図32】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図33】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図34】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図35】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図36】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図37】仕様書(TS38.413)の変更例を示す図である。
図38】仕様書(TS38.415)の変更例を示す図である。
図39】仕様書(TS38.415)の変更例を示す図である。
図40】仕様書(TS38.415)の変更例を示す図である。
図41】本発明の実施の形態における基地局装置30の機能構成の一例を示す図である。
図42】本発明の実施の形態におけるAMF20の機能構成の一例を示す図である。
図43】本発明の実施の形態におけるSMF40の機能構成の一例を示す図である。
図44】本発明の実施の形態におけるUPF50の機能構成の一例を示す図である。
図45】本発明の実施の形態における基地局装置30、AMF20、SMF40、UPF50のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0015】
本発明の実施の形態の通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用されてよい。当該既存技術は、例えば既存のLTEあるいは既存の5Gであるが、既存のLTEあるいは既存の5Gに限られない。
【0016】
また、以下の説明では、現在のところ5Gの規格書(あるいはLTEの規格書)に記載されているノード名、信号名等を使用するが、これらと同様の機能を有するノード名、信号名等がこれらとは異なる名称で呼ばれてもよい。
【0017】
(システム構成例)
図1は、本発明の実施の形態における通信システム(通信ネットワークと呼んでもよい)を説明するための図である。図1に示されるように、当該通信システムは、UE10(ユーザ装置10あるいは端末10と呼んでもよい)、複数のネットワークノードから構成される。以下、機能ごとに1つのネットワークノードが対応するものとするが、複数の機能を1つのネットワークノードが実現してもよいし、複数のネットワークノードが1つの機能を実現してもよい。また、以下に記載する「接続」は、論理的な接続であってもよいし、物理的な接続であってもよい。
【0018】
図1において、UPF50、AMF20、SMF40はそれぞれ、通信システム(ここでは5G)のコアネットワークを構成するネットワークノード(ネットワーク装置と呼んでもよい)の例である。RAN30とUPF50との通信は当該コアネットワークを介して行われる。
【0019】
RAN(Radio Access Network)30は、無線アクセス機能を有するネットワークノードであり、UE10、AMF(Access and Mobility Management Function)20及びUPF(User plane function)50と接続される。RAN30をgNB30あるいは基地局装置30と呼んでもよい。
【0020】
AMF20は、RANインターフェースの終端、NAS(Non-Access Stratum)の終端、登録管理、接続管理、到達性管理、モビリティ管理等の機能を有するネットワークノードである。AMF20をアクセス移動管理装置と呼んでもよい。
【0021】
UPF50は、DN(Data Network)と相互接続する外部に対するPDU(Protocol Data Unit)セッションポイント、パケットのルーティング及びフォワーディング、ユーザプレーンのQoS(Quality of Service)ハンドリング等の機能を有するネットワークノードであり、ユーザデータの送受信等を行う。UPF50及びDNは、ネットワークスライスを構成する。本発明の実施の形態における通信ネットワークでは、複数のネットワークスライスが構築されている。
【0022】
なお、図1の例では、一例として、1つのUPF50が1つのネットワークスライスに対応しているが、1つのUPF50が複数のネットワークスライスを運用することとしてもよい。また、UPF50をユーザプレーン装置と呼んでもよい。
【0023】
また、UPF50は、物理的には例えば1つ又は複数のコンピュータ(サーバ等)であり、当該コンピュータのハードウェアリソース(CPU、メモリ、ハードディスク、ネットワークインターフェース等)を論理的に統合・分割してできる複数のリソースをリソースプールと見なし、当該リソースプールにそれぞれのリソースをネットワークスライスとして使用することができる。UPF50がネットワークスライスを運用するとは、例えば、ネットワークスライスとリソースとの対応付けの管理、当該リソースの起動・停止、当該リソースの動作状況の監視等を行うことである。
【0024】
AMF20は、UE10、RAN30、SMF(Session Management function)40、NSSF(Network Slice Selection Function)、NEF(Network Exposure Function)、NRF(Network Repository Function)、AUSF(Authentication Server Function)、PCF(Policy Control Function)、AF(Application Function)と接続される。AMF、SMF、NSSF、NEF、NRF、AUSF、PCF70、AF60は、各々のサービスに基づくインターフェース、Namf、Nsmf、Nnssf、Nnef、Nnrf、Nausf、Npcf、Nafを介して相互に接続されるネットワークノードである。なお、本実施の形態では、AF60は、後述するTSN AFに相当する。
【0025】
SMF40は、セッション管理、UEのIP(Internet Protocol)アドレス割り当て及び管理、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能、ARP(Address Resolution Protocol)プロキシ、ローミング機能等の機能を有するネットワークノードである。SMF40をセッション管理装置と呼んでもよい。
【0026】
NEFは、他のNF(Network Function)に能力及びイベントを通知する機能を有するネットワークノードである。NSSFは、UEが接続するネットワークスライスの選択、許可されるNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)の決定、設定されるNSSAIの決定、UEが接続するAMFセットの決定等の機能を有するネットワークノードである。PCF70は、ネットワークのポリシ制御を行う機能を有するネットワークノードである。AF60は、アプリケーションサーバを制御する機能を有するネットワークノードである。
【0027】
(基本的な動作について)
本実施の形態に係る通信システム(5Gシステム)は、図2(非特許文献1のFigure5.27.1-1)に示すように、TSN時間同期をサポートしている。TSN時間同期をサポートする5Gシステムは、IEEE802.1ASの"time aware system"に相当する。当該5Gシステムでは、そのエッジ部分のTSNトランスレータ(TT)のみがIEEE802.1ASの動作をサポートし、UE、gNB、UPF、NW-TT(Network-side TSN translator)、DS-TT(Device-side TSN translator)は5G GM(5G内部システムクロック)に同期する。
【0028】
図3(非特許文献1のFigure4.4.8.2-1)に示すように、5GシステムはTSNブリッジとして機能する。なお、図3には、TSNに関するアプリケーションノードであるTSN AF60が示されている。
【0029】
図4を参照して、TSNクロックの配信方法の例を説明する。TSNクロックの配信には、gPTPメッセージが使用される。gPTPメッセージには、gPTPメッセージ送出時のタイムスタンプ(precise origin timestamp)、修正フィールド(correction Field)等が含まれる。
【0030】
あるTSN時間ドメインのTSNエンドステーション等から送出されたgPTPメッセージは、UPF50が受信し、UPF50におけるNW-TTによりgPTPメッセージにイングレスタイムスタンプ(TSi)が付与される。なお、NW-TTはUPF50に内蔵される機能であってもよいし、UPF50の外にある機能であってもよい。
【0031】
当該gPTPメッセージは、UE10の通信のためのPDUセッションを用いてUE10に送信される。UE10は、受信したgPTPメッセージをDS-TTに送信し、DS-TTは、gPTPメッセージに対するイグレスタイムスタンプ(TSe)を生成し、「TSe-TSi」として、当該gPTPメッセージの5Gシステムにおける滞留時間(residence time)を算出する。DS-TTは、滞留時間をgPTPメッセージのcorrection Fieldに入れてTSNエンドステーション等に送信する。なお、DS-TTはUE10に内蔵される機能であってもよいし、UE10の外にある機能であってもよい。
【0032】
TSN時間ドメインの数に関わらずに、gPTPメッセージの送信には、1つのUPF及び1つのUEあたりに1つのPDUセッションが使用される。図5は、2つのTSN時間ドメインについてのgPTPメッセージが1つのPDUセッションで送信される場合の例を示している。gPTPメッセージには、TSN時間ドメインを識別するためのドメイン番号が含まれるので、gPTPメッセージを受信したエンドステーションは、ドメイン番号により、どのTSN時間ドメインのgPTPメッセージであるかを識別できる。
【0033】
上記のTSNクロックとタイムスタンプの配信は、TSN時間ドメイン毎にUE10とUPF50との間で実施される。UE10が1つのUPF50を介して複数のTSN時間ドメインに接続される場合、全てのTSN時間ドメインのgPTPメッセージは同一の1つのPDUセッションによりUE10に送信される。
【0034】
上記の例は、gPTPメッセージに着目した例である。実際には、gPTPメッセージに限らないパケット(例:ある一定周期で送信されるパケットの集合)がTSNストリームを形成し、TSNエンドステーションからTSNストリームが送信される。あるTSN時間ドメインには1以上のTSNストリームが属する。なお、TSNストリームをTSCストリームと呼んでもよい。
【0035】
(TSCAIについて)
例えばQoSフローの確立時等に、TSCトラフィック特性を記載したTSCAI(TSC Assistance Information)がSMF40からAMF20を経由してRAN30に提供される。本実施の形態におけるRAN30であるgNBは、TSCAIにより、TSNトラフィックパターンを把握して、効率的なスケジューリングを行うことができる。
【0036】
図6(非特許文献1のTable 5.27.2-1)にTSCAIの例を示す。図6に示すように、TSCAIは、Flow Direction、Periodicity、Burst Arrival Timeを含む。Flow Direction(フローの方向)は、対象とするTSCフロー(本実施の形態では、"TSCフロー"をTSNストリームと言い換えてもよい)がアップリンクかダウンリンクかを示す。Periodicity(周期)は、該当TSNストリームの一連のトラヒックの中での2つのバーストの間の時間間隔(期間)を示す。Burst Arrival Time(バースト到着時刻)は、アップリンクあるいはダウンリンクにおけるRAN30への一連のトラヒックの最初のデータバーストの到着時刻を示す。
【0037】
なお、本実施の形態では、Burst Arrival Time、Periodicityの基準は5Gクロック(5G時間)であり、SMF40は、Burst Arrival Time、Periodicityについて、TSNストリームの基準となっているTSNクロックから5Gクロックへのマッピングを行う。なお、このマッピングをTSN AF60が行ってもよい。
【0038】
例えば、あるTSN時間ドメインにおいて、5Gクロック(例:UPF50が備える時計)の時刻がΔTだけTSNクロック(例:TSNエンドステーションが備える時計)の時刻よりも進んでいるとする。このとき、TSNクロックでのBurst Arrival TimeがTであるとすると、SMF40は、5GクロックでのBurst Arrival TimeをT+ΔTとする。
【0039】
非特許文献1等に記載される従来技術では、あるTSN時間ドメインにおけるTSN時間(TSN時刻)と5G時間(5G時刻)との間にドリフト(例えば上記ΔTが変化したこと)が発生した場合、UPF50はオフセットをSMF40に通知し、SMF40は、オフセットに基づき修正したTSCAIパラメータをRAN30に通知する。ここでのTSCAIパラメータは例えばBurst Arrival Timeであるが、Burst Arrival Timeに限られるわけではない。また、「オフセット」とは、TSN時間と5G時間との差分(修正されたΔT)であるが、それに限られない。例えば、「オフセット」が、修正前のΔTからのずれ量であってもよい。
【0040】
UE10が1つのUPF50を介して複数のTSN時間ドメインに接続される場合、全てのTSN時間ドメインのgPTPメッセージは同一の1つのPDUセッションによりUE10に送信される。これら複数のTSN時間ドメインのそれぞれについて異なるQoSの扱いとする理由はないので、実際上は、1つのQoSフローでこれら全てのTSN時間ドメインの全てのgPTPメッセージが送信されると想定される。ここで、単一のTSN時間ドメインに属するgPTPメッセージはTSNストリームの一例になっている。gPTPメッセージに限らないパケットで形成されるTSNストリームでも、1つのQoSフローで複数のTSN時間ドメインの複数のTSNストリームが送信される場合は想定できる。
【0041】
上記の修正したTSCAIパラメータは、それが適用されるべき特定のTSNストリームのみに適用する必要がある。しかし、1つのQoSフローに複数のTSN時間ドメインの複数のTSNストリームが属し得ることから、従来技術では、修正したTSCAIパラメータを特定のTSNストリームのみに適用することができない。本実施の形態のように、TSCAIをTSNストリーム毎に適用する場合には、上記の課題は、修正したTSCAIパラメータのみでなく、修正前のTSCAIパラメータの通知においても生じる課題である。
【0042】
また、非特許文献1等に記載される従来技術では、あるTSN時間ドメインにおけるTSN時間と5G時間との間のドリフトを考慮しているが、進み方の差の変化を考慮していないので、Periodicityの修正ができないという課題もある。
【0043】
本実施の形態では、上記の課題を解決するために、N2上で、TSCAIの構成をQoSフロー+TSNストリーム(TSNストリームの識別情報)毎に設定可能とし、N3上では、PDU Session user planeプロトコルにおいて、TSNストリームの識別情報を設定可能としている。また、進み方の差の変化を考慮している。以下、この技術を実施例として詳細に説明する。
【0044】
(実施例)
本実施例における1つのQoSフローには、1以上のTSN時間ドメインに属する1以上のTSNストリームが含まれる。例えば、1つのQoSフローに、TSN時間ドメインAに属するTSNストリームA-1とTSNストリームA-2、及び、TSN時間ドメインBに属するTSNストリームB-1とTSNストリームB-2が含まれ得る。
【0045】
既に説明したとおり、TSCAIはTSNストリーム毎の情報である。例えば、TSNストリームA-1に対してTSCAI_A-1が提供され、TSNストリームA-2に対してTSCAI_A-2が提供される。
【0046】
SMF40は、例えばTSN AF60から取得した情報に基づいてTSCAIパラメータを決定する。SMF40は、UPF50から報告された情報(オフセット等)に基づいてTSCAIパラメータを決定することとしてもよい。
【0047】
例えば、TSN AF60は、あるTSNストリームについて、当該TSNストリームが属するTSN時間ドメイン番号と、TSN時間でのTSCAIをPCF70経由でSMF40に送信する。SMF40は、1UE1UPF毎に、TSNストリーム識別子と時間ドメイン番号との括り付け情報(対応情報)を保持し、管理している。このような前提における本実施例の処理フローの例を図7に示す。
【0048】
S101において、TSN AF60が、例えば送信されようとしているTSNストリームに関するドメイン番号と、TSN時間でのTSCAIをPCF70に送信する。S102において、PCF70は、TSN AF60から受信した当該ドメイン番号と、TSN時間でのTSCAIをPCCルールとしてSMF40に送信する。
【0049】
S103において、SMF40は、当該TSNストリームを含むTSNストリーム毎に、TSNストリーム識別子と時間ドメイン番号との対応付け(括り付け)の情報を保持(管理)する。この対応付けの管理は、「1UE・1UPF」毎に行われる。また、SMF40は、TSN時間でのTSCAIを5G時間でのTSCAIにマッピングし、当該TSCAI(5G時間)を、該当するTSNストリーム識別子に対応付けて保持(管理)する。
【0050】
S104において、SMF40はUPF50に対して、オフセット(5G時間とTSN時間との時間差)と、5G時間とTSN時間の進み方の差(以降、"進み方の差"と記述する)の報告を要求するメッセージを送信する。なお、後述するとおり、進み方の差は、「cumulative rateRatio」と呼ばれる。オフセットと進み方の差を総称して時間比較情報と呼んでもよい。
【0051】
上記のメッセージは、例えば、PDUセッション確立時のPFCP Session Establishment RequestあるいはPDUセッション修正時のPFCP Session Modification Requestであるが、これらに限られない。また、S104の要求を行わずに、UPF50が自身の判断でオフセットと進み方の差をSMF40に報告してもよい。
【0052】
なお、以下の説明では、ドリフト検知時のオフセット報告又は進み方の差の変化検知時の進み方の差の報告を説明しているが、これは例である。UPF50は、ドリフト検知、進み方の差の変化検知のいずれもない場合でも、該当のPDUセッションで検出したTSN時間ドメイン毎のオフセット、進み方の差、又はこれら両方を報告することとしてもよい。
【0053】
S105において、UPF50が、UE10についての該当PDUセッションにおいて、あるTSN時間ドメインでTSN時間と5G時間との間にドリフトを検出する。又は、S105において、UPF50が、UE10についての該当PDUセッションにおいて、あるTSN時間ドメインで進み方の差の変化を検出する。又は、S105において、UPF50が、UE10についての該当PDUセッションにおいて、あるTSN時間ドメインで、ドリフトと進み方の差の変化を検出する。
【0054】
ドリフトの検出方法はどのような方法でもよい。例えば、UPF50は、当該TSN時間ドメインのgPTPメッセージにNW-TTにより付与されるタイムスタンプとTSN送信元タイムスタンプとの差分の変動によりドリフトを検出してもよいし、TSN AF60からの情報に基づきドリフトを検出してもよいし、その他の方法でドリフトを検出してもよい。また、進み方の差の変化の検出方法もどのような方法でもよく、例えば、上記タイムスタンプに基づいて進み方の差の変化を検出してもよい。
【0055】
S106において、UPF50は、ドリフト又は進み方の差の変化(又はこれら両方)を検出したTSN時間ドメインの番号(ドメイン番号)をgPTPメッセージから取得し、当該ドメイン番号とオフセットと進み方の差を含むメッセージをSMF40に送信する。このメッセージは例えばPFCP Session Report Requestである。ドメイン番号は、該当のgPTPメッセージから抽出されるものである。なお、UPF50は、ドリフトを検知した場合にはドメイン番号とオフセットを送信し、進み方の差の変化を検知した場合には、ドメイン番号と進み方の差を送信することとしてもよい。
【0056】
当該メッセージを受信したSMF40は、オフセットと進み方の差に基づき、UPF50から受信したドメイン番号に括りつけられた、UE10についての全てのTSNストリーム(1以上のTSNストリーム)についてのTSCAIパラメータ(例:Burst Arrival Time、及びPeriodicity)を決定(この"決定"には"更新"も含まれる)し、TSNストリーム毎のTSCAIパラメータとTSNストリーム識別子を含むメッセージをAMF20に送信する(S107)。この送信は、例えばPDU session modification(非特許文献2、Figure 4.3.3.2-1)のステップ3b(Namf_Communication_N1N2MessageTransfer)により行われる。
【0057】
S108において、AMF20は、TSCAIパラメータの適用対象のTSNストリーム毎に、TSNストリーム識別子とTSCAIパラメータ(例:Burst Arrival Time,Periodicity)を含むメッセージをRAN30に送信する。この送信は、例えばPDU session modification(非特許文献2、Figure 4.3.3.2-1)のステップ4(N2 PDU Session Request)により行われる。
【0058】
図7に示すS108実行前において受信したTSCAIに基づき、RAN30の制御部が、PDUセッションにおけるあるQoSフローで、あるTSNストリームにおける、Burst Arrival Time=T、周期P、1周期当たりサイズSのデータをUE10あるいはUPF50に対して送信するように時間スロットを準備(割り当て)していたとする。このとき、図7のS108でRAN30が、当該TSNストリームに関して、Burst Arrival Time=T+ΔD、周期P+ΔPを受信したとすると、RAN30の制御部は、当該TSNストリームに関して、上記時間スロットの開始をT+ΔDにずらし、周期をP+ΔPにして時間スロットを割り当てる。
【0059】
なお、「割り当てる」とは、当該時間スロットを、当該Burstデータ送信のために確保しておくことである。BurstデータがUPF50あるいはUE10から到着すると、RAN30の送信部は、確保しておいた時間スロットで、UE10あるいはUPF50に対してBurstデータを送信する。
【0060】
(仕様変更例)
次に、上記のフローに対応する仕様書(規格書)の変更例を説明する。本実施例の通信システムは、例えば、この変更後の仕様書に従って動作する。
【0061】
図8は、非特許文献1(TS38.501の抜粋)からの変更を示す。特に「In the case of change of the cumulative rateRatio between TSN time and 5G time, the UPF updates the cumulative rateRatio to SMF.」と記載のとおり、cumulative rateRatio(進み方の差)が変化した場合に、UPF50がSMF40に対してcumulative rateRatioを更新することが規定される。また、「The TSCAI is signalled to the 5G-AN per TSN stream. This applies also to the case when multiple TSN streams are forwarded via the same QoS flow in the same PDU session」と記載のとおり、TSCAIはストリーム毎に5G-ANに通知されることが規定される。
【0062】
また、「To address each individual drift and change of the cumulative rateRatio between each TSN time and 5G time when supporting multiple TSN working domains, the UPF updates the offset and the cumulative rateRatio to SMF per TSN working domain. Then the SMF identifies TSN streams belonging to each TSN working domain within the same UE and the same UPF, calculates revised TSCAIs, and triggers PDU session modification(s)」と記載のとおり、UPF50は、TSN時間ドメイン毎にオフセットとcumulative rateRatioをSMF40に対して更新し、SMF40は、同一UE・同一UPF内のTSN時間ドメイン毎に、TSN時間ドメインに属するTSNストリームを識別し、更新されたTSCAIを計算し、PDU session modification(s)を起動することが規定される。
【0063】
図9図11は、図7のS101、S102に対応する部分の仕様変更例であり、非特許文献7(TS23.503の抜粋)からの変更を示す。図9は、5.3.1 Interactions between PCF and AFの抜粋であり、「TSN AF provides burst arrival time (in reference to TSN GM), periodicity (in reference to TSN GM), flow direction, and time domain identifier needed for TSCAI determination (as described in clauses 5.27 and 5.28 of TS 23.501 [2]).」と記載のように、TSN AF60は、TSCAI determinationに必要な、burst arrival time (in reference to TSN GM), periodicity (in reference to TSN GM), flow direction, and time domain identifierを提供する。
【0064】
図10(a)は、TSN AF60からPCF70に入力されるTSN AF Parametersを示し、図10(b)は、PCF70からSMF40に提供されるTSN AF QoS containerを示す。図11は、The TSN AF containerの説明である。
【0065】
図12図27は、図7のS104、S105に対応する部分の仕様変更例であり、非特許文献3(TS29.244の抜粋)からの変更を示す。
【0066】
図12は、Reporting of the offset and the cumulative rateRatio between TSN time and 5G time to the SMFを規定する。SMF40は、PFCP Session Establishment RequestあるいはPFCP Session Modification Requestにおいて、UPF50に対して、TSN時間と5G時間との間のオフセットとcumulative rateRatioの報告の開始又は停止を要求できる。報告の要求を受けたUPF50は、PFCP Session Report procedureにより、例えば、全てのドメイン番号の、ドリフトを検知したオフセット値と変化を検知したcumulative rateRatioを、対応するドメイン番号とともにSMF40に報告する。詳細は図12に記載のとおりである。
【0067】
図13は、PFCP Session Establishment Requestの情報要素の詳細であり、Create PTRが追加されている。図14は、Create PDR IEの詳細であり、PTR IDが追加されている。図15は、Ethernet Packet Filter IE within PFCP Session Establishment Requestであり、EtherTypeが追加されたことを示している。このEtherType IEは、UPF50が、gPTPメッセージの値あるいはフィールドを検出するDPIを行う際のキーになる。図16は、Create PTR IE within PFCP Session Establishment Requestの詳細を示す。
【0068】
図17は、PFCP Session Modification Requestの情報要素を示し、Remove PTR、Create PTR、Update PTRが追加される。図18は、Update PDR IE within PFCP Session Modification Requestの詳細であり、PTR IDが追加される。図19は、Update PTR IEの詳細であり、図20は、Remove PTR IEの詳細である。
【0069】
図21は、PFCP Session Report Requestの情報要素であり、PTP Reportが追加される。図22は、PTP Report IEの詳細であり、ドメイン番号とオフセットとcumulative rateRatioのセットをTime comparison informationとして通知することが規定されている。図23図27は、Report Type、EtherType、PTR ID、PTP Reporting Triggers、Domain Number、Time Offset、Time RateRatioの詳細を示す。
【0070】
図28図30は、非特許文献2(TS23.502の抜粋)からの変更を示す。図28は、非特許文献2の4.3.2.2.1の変更であり、Figure 4.3.2.2.1-1に示す UE-requested PDU Session Establishmentのステップ10a部分の変更を示す。図28に示すとおり、SMF40が、当該PDUセッションでTSCAIを使用すると決定すると、N4 Session Establishment/Modification Requestに、オフセットのドリフト及びcumulative rateRatio変化の検知のためのルールを含める。
【0071】
図29は、非特許文献2のFigure 4.3.3.2-1に示すUE or network requested PDU Session Modificationのステップ1dの変更であり、図29に記載のとおり、例えばUPF50が、ドリフト又はcumulative rateRatio変化を報告したときに、SMF requested modificationが、TSCAIの更新のためにトリガされる。
【0072】
図30は、非特許文献2のFigure 4.3.3.2-1に示すUE or network requested PDU Session Modificationのステップ2aの変更であり、SMF40が、当該PDUセッションでTSCAIを使用すると決定すると、N4 Session Establishment/Modification Requestに、ドリフト及びcumulative rateRatio変化検知のためのルールを含める。
【0073】
SMF40からAMF20へのドメイン番号、TSCAIパラメータの通知には、例えば、非特許文献2(TS23.502)のFigure 4.3.2.2.1-1(UE-requested PDU Session Establishment)のステップ11、Figure 4.3.3.2-1(UE or network requested PDU Session Modification)のステップ3b等に示されているN1N2MessageTransferが使用される。具体的には、TSNストリーム識別子、TSCAIパラメータを含むN1N2MessageTransferReqDataがSMF40からAMF20に送られる。なお、後述するように、TSNストリーム識別子、TSCAIパラメータは、1以上のTSNストリーム識別子それぞれの「TSNストリーム識別子とTSCAIパラメータの組」を有するリストとして送信される。ただし、リストの形で送ることは一例であり、リスト以外の方法で送信してもよい。
【0074】
非特許文献4(TS29.518)の6.1.6.2.18に示されるように、N1N2MessageTransferReqDataにはN2InfoContainerが含まれる。6.1.6.2.15に示すように、N2InfoContainerにはN2SmInformationが含まれる。6.1.6.2.26に示すように、N2SmInformationにはN2InfoContentが含まれる。6.1.6.2.27に示すように、 N2InfoContentにはngapDataが含まれる。
【0075】
更に、6.1.6.4.3.2に示されるように、NGAP IEのcontentであるPDU Session Resource Setup Request Transfer IEあるいはPDU Session Resource Modify Request Transfer IE等に関し、非特許文献5(TS38.413)を参照するようにという記載がある。本実施例の動作は、非特許文献4(TS29.518)に従うとともに、非特許文献5(TS38.413)から変更した仕様書に従う。
【0076】
図31図35は、非特許文献5(TS38.413の抜粋)からの変更例1を示す。図31は、AMF20とRAN30の間で実行されるPDU session resource setupの8.2.1.2 Successful Operationにおける変更部分を示している。AMF20からRAN30に送信されるPDU Session Resource Setup Requestにおいて、セットアップを要求するQoSフロー毎に、Traffic Characteristics list IEが PDU Session Resource Setup Request Transfer IE of the PDU SESSION RESOURCE SETUP REQUEST messageに含まれていれば、RAN30は、Traffic Characteristics list IEを考慮しなければならない。
【0077】
図32は、AMF20とRAN30の間で実行されるPDU session resource modifyの8.2.3.2 Successful Operationにおける変更部分を示している。AMF20からRAN30に送信されるPDU Session Resource Modify Requestにおいて、Traffic Characteristics list IEが PDU Session Resource Modify Request Transfer IE of the PDU SESSION RESOURCE MODIFY REQUEST messageに含まれていれば、RAN30は、Traffic Characteristics list IEを考慮しなければならない。
【0078】
図33は、PDU Session Resource Setup Request Transfer IEの詳細であり、Traffic Characteristicsの説明が記載される。図34は、Traffic Characteristics listのTraffic Characteristic itemが、Tsn Stream identifierとTraffic Characteristicからなることを示している。図35は、Tsn Stream identifierとTraffic Characteristicの詳細を示す。
【0079】
図36図37は、非特許文献5(TS38.413の抜粋)からの変更例2を示す。図36は、AMF20からRAN30に送信されるGBR QoS Flow Informationの中に、TSNストリーム毎のTSC Assistance informationを含むTSC Assistance information Listを含めることを示している。図37は、TSC Assistance InformationとTsn Stream identifierの詳細である。
【0080】
図38図40は、非特許文献6(TS38.415の抜粋)からの変更例を示す。図38に記載のように、本実施例では、DL PDU SESSION INFORMATION frameにTsn Stream identifier (TSI) fieldを含めることができる。RAN30は、TSIにより、受信したパケットが属するTSNストリームを識別することができる。図39は、DL PDU SESSION INFORMATION (PDU Type 0) Formatを示す。図40は、Tsn Stream identifier (TSI)の詳細を示す。
【0081】
なお、図38図40に示した修正は必須ではない。図38図40に示した修正を行わなくても、RAN30は、TSNストリーム毎のTSCAIに基づいて、TSNストリーム毎のBurst Arrival Time、Periodicity等を把握できるので、TSNストリーム毎にパケットを処理することができる。
【0082】
以上説明したとおり、本実施例によれば、時間センシティブ通信の支援情報を特定のTSNストリームのみに適用することが可能となる。
【0083】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する、RAN30に相当する基地局装置30、AMF20に相当するアクセス移動管理装置20、SMF40に相当するセッション管理装置40、及びUPF50に相当するユーザプレーン装置50の機能構成例を説明する。なお、TSN AF60、PCF70についても、図41図45に示す構成と同様の構成を有している。
【0084】
<基地局装置30>
図41は、基地局装置30の機能構成の一例を示す図である。図41に示されるように、基地局装置30は、送信部310と、受信部320と、設定部330と、制御部340とを有する。図41に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0085】
送信部310は、送信する信号を生成し、当該信号を端末側(Uu側)/コアネットワーク側に送信する機能を含む。受信部320は、端末側(Uu側)/コアネットワーク側から各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。送信部310、受信部320をそれぞれ送信機、受信機と称しても良い。
【0086】
設定部330は、設定情報を記憶装置(記憶部)に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部340は、基地局装置30の制御を行う。
【0087】
例えば、受信部320は、TSC支援情報と、当該TSC支援情報が適用されるべきTSNストリームの識別情報とを含むメッセージをネットワーク装置から受信し、送信部310は、前記TSC支援情報に基づいて、データ送信を行う。
【0088】
<アクセス移動管理装置20>
図42は、アクセス移動管理装置20の機能構成の一例を示す図である。図42に示されるように、アクセス移動管理装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図42に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0089】
送信部210は、送信する信号を生成し、当該信号をネットワークに送信する機能を含む。受信部220は、各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。送信部210、受信部220をそれぞれ送信機、受信機と称しても良い。
【0090】
設定部230は、設定情報を記憶装置(記憶部)に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部240は、アクセス移動管理装置20の制御を行う。
【0091】
<セッション管理装置40>
図43は、セッション管理装置40の機能構成の一例を示す図である。図43に示されるように、セッション管理装置40は、送信部410と、受信部420と、設定部430と、制御部440とを有する。図43に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0092】
送信部410は、送信する信号を生成し、当該信号をネットワークに送信する機能を含む。受信部420は、各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。送信部410、受信部420をそれぞれ送信機、受信機と称しても良い。
【0093】
設定部430は、設定情報を記憶装置(記憶部)に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部440は、セッション管理装置40の制御を行う。
【0094】
<ユーザプレーン装置50>
図44は、ユーザプレーン装置50の機能構成の一例を示す図である。図44に示されるように、ユーザプレーン装置50は、送信部510と、受信部520と、設定部530と、制御部540とを有する。図44に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0095】
送信部510は、送信する信号を生成し、当該信号をネットワークに送信する機能を含む。受信部520は、各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。送信部510、受信部520をそれぞれ送信機、受信機と称しても良い。
【0096】
設定部530は、設定情報を記憶装置(記憶部)に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。制御部540は、ユーザプレーン装置50の制御を行う。
【0097】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図41図44)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0099】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50、TSN AF60、PCF70等は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図41は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50、TSN AF60、PCF70等のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。なお、基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等はそれぞれ仮想マシンであってもよい。
【0100】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0101】
基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0102】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の、制御部340、制御部440、制御部540等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0103】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、各装置の制御部は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0104】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0105】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0106】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0107】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0108】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0109】
また、基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0110】
(実施の形態のまとめ)
本実施の形態により、少なくとも、下記の第1項~第6項に示すセッション管理装置、ユーザプレーン装置、アクセス移動管理装置が提供される。
(第1項)
あるTSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間の時間比較情報と、当該TSN時間ドメインの識別情報とをユーザプレーン装置から受信する受信部と、
前記TSN時間ドメインに属する1以上のTSNストリーム毎に、前記時間比較情報に基づき決定されたTSC支援情報とTSNストリームの識別情報とを基地局装置に向けて送信する送信部と
を備えるセッション管理装置。
(第2項)
前記時間比較情報は、前記TSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間の時間オフセット、前記TSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間の進み方の差、又は、当該時間オフセットと当該進み方の差の両方である
第1項に記載のセッション管理装置。
(第3項)
前記ユーザプレーン装置において、前記TSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間のドリフト又は進み方の差の変化が検出された場合に、前記受信部は、前記時間比較情報と前記TSN時間ドメインの識別情報とを受信する
第1項又は第2項に記載のセッション管理装置。
(第4項)
あるTSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間のドリフト又は進み方の差の変化を検出する制御部と、
前記ドリフト又は前記進み方の差の変化が検出された場合に、前記TSN時間ドメインのTSN時間と5G時間との間の時間比較情報と、当該TSN時間ドメインの識別情報とをセッション管理装置に送信する送信部と
を備えるユーザプレーン装置。
(第5項)
TSC支援情報と、当該TSC支援情報が適用されるべきTSNストリームの識別情報とをセッション管理装置から受信する受信部と、
前記TSC支援情報と、当該TSC支援情報が適用されるべき前記TSNストリームの識別情報とを含むメッセージを基地局装置に送信する送信部と
を備えるアクセス移動管理装置。
(第6項)
前記送信部は、1以上のTSNストリームのそれぞれに対して、TSC支援情報と、当該TSC支援情報が適用されるべきTSNストリームの識別情報とを有するリストを含むメッセージを前記基地局装置に送信する
第1項に記載のアクセス移動管理装置。
【0111】
第1項~第6項のいずれによっても、TSC支援情報を特定のTSNストリームのみに適用することを可能とする技術が提供される。
【0112】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って各装置が有するプロセッサにより動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0113】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0114】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0115】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0116】
本明細書において基地局装置30、アクセス移動管理装置20、セッション管理装置40、ユーザプレーン装置50等によって行われるとした特定動作は、場合によってはその他のノードによって行われることもある。
【0117】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0118】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0119】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0120】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0121】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0122】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0123】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0124】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0125】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0126】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0127】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0128】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0129】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0130】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0131】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0132】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0133】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0134】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0135】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0136】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0137】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0138】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0139】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0140】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0141】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0142】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0143】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0144】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0145】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザプレーン装置50に対して、無線リソース(各ユーザプレーン装置50において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0146】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0147】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0148】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0149】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0150】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0151】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0152】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0153】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0154】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0155】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0156】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0157】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0158】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0159】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0160】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0161】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0162】
20 アクセス移動管理装置
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
30 セッション管理装置
310 送信部
320 受信部
330 設定部
340 制御部
40 セッション管理装置
410 送信部
420 受信部
430 設定部
440 制御部
50 ユーザプレーン装置
510 送信部
520 受信部
530 設定部
540 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
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