(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】光電子デバイスのための統合された構造および該統合された構造を製造する方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20250107BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250107BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 338
G09F9/30 349D
G09F9/00 338
(21)【出願番号】P 2021576651
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(86)【国際出願番号】 SG2020050357
(87)【国際公開番号】W WO2020263183
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10201906072T
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508144082
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、イジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、リ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ケネス エン キアン
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラルド、ユージーン エイ.
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0189596(US,A1)
【文献】特表2012-516120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0189681(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0036074(US,A1)
【文献】国際公開第2018/175338(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H01L 25/00-25/18
H01L 27/15
H01L 33/00-33/64
H03H 3/00-3/10
H03H 9/00-9/76
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子デバイスのための統合された構造であって、前記統合された構造は、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンと、
前記CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、前記複数の光学素子は、CMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤ内に配置されて
おり、
各光学素子は、上部コンタクトレイヤと底部コンタクトレイヤとの間に配置された発光レイヤを含む、複数の光学素子と、
モノリシック統合のための、前記CMOSバックプレーンと、前記異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間に設けられた第1のボンディング誘電体と、
モノリシック統合のための、前記異なるデバイスレイヤのうちの各デバイスレイヤ間に設けられた第2のボンディング誘電体であって、前記第2のボンディング誘電体は透明である、第2のボンディング誘電体とを備え、
1または複数の前記デバイスレイヤのうちの各々について、前記ドライバ回路は、
前記デバイスレイヤにおける前記光学素子に、前記デバイスレイヤの誘電材料に形成される垂直相互接続を介して接続され、前記垂直相互接続
は、前記上部コンタクトレイヤおよび前記底部コンタクトレイヤのうちの一方の表面に接続され、前記表面は、前記CMOSバックプレーンの反対側を向く、統合された構造。
【請求項2】
前記第2のボンディング誘電体は、前記第1のボンディング誘電体と同一である、請求項1に記載の統合された構造。
【請求項3】
各デバイスレイヤは、前記各デバイスレイヤ内の第1の光学素子の下に配置された反射器を有し、前記反射器は、前記第1の光学素子の第1の動作波長範囲において反射性であるよう構成される、請求項1または2に記載の統合された構造。
【請求項4】
前記反射器は、より下層のデバイスレイヤ内の第2の光学素子の第2の動作波長範囲において透過性であるよう構成される、請求項3に記載の統合された構造。
【請求項5】
前記反射器は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、請求項3または4に記載の統合された構造。
【請求項6】
各デバイスレイヤ内の電気的相互接続金属の少なくとも一部が、前記反射器として機能する、請求項3から5のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項7】
同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各上部コンタクトは共通の上部電極に接続され、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各底部コンタクトは、前記ドライバ回路に個別に接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項8】
同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各底部コンタクトは共通の底部電極に接続され、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各上部コンタクトは、前記ドライバ回路に個別に接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項9】
前記共通の底部電極の電気的導通を遮断することなく、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子間の光学アイソレーションを達成すべく、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子間の前記共通の底部電極を通るパターニングされたマイクロトレンチを備える、請求項8に記載の統合された構造。
【請求項10】
電流拡散を向上させるべく、前記共通の底部電極上に直接的電気接触するパターニングされた金属パッド、ラインまたはネットを備える、請求項8または9に記載の統合された構造。
【請求項11】
前記光学素子からの光抽出を向上させるべく、前記光学素子の各底部レイヤ上にパターニングされたマイクロ構造を備える、請求項7から10のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項12】
前記光学素子からの光の発光方向性を増大させるべく、前記光学素子の各底部レイヤ上にパターニングされたフォトニック結晶構造を備える、請求項7から11のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項13】
異なるデバイスレイヤ内の前記光学素子のうちの少なくとも一部は、水平方向にインタレースされている、請求項1から12のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項14】
異なるデバイスレイヤ内の前記光学素子の少なくとも一部は少なくとも部分的にオーバラップされている、請求項1から13のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項15】
前記光電子デバイスは、混色を高めるため、少なくとも部分的にオーバラップするRGBマイクロ発光ダイオード、マイクロLEDをピクセル構成において有する、請求項14に記載の統合された構造。
【請求項16】
化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグおよび金属パッドから成る群のうちの1または複数を含む電気的相互接続をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項17】
光コリメーションを支援するための少なくとも1つのマイクロレンズをさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項18】
隣接する光学素子間のクロストークを防ぐための1または複数の重複タングステンプラグを備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の統合された構造。
【請求項19】
光電子デバイスのための統合された構造を製造する方法であって、前記方法は、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンを設ける段階と、
前記CMOSバックプレーン上に複数の光学素子を設ける段階であって、前記複数の光学素子はCMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤ内に配置されて
おり、
各光学素子は、上部コンタクトレイヤと底部コンタクトレイヤとの間に配置された発光レイヤを含む、段階と、を備え、
モノリシック統合のための、前記CMOSバックプレーンと、前記異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間の第1のボンディング誘電体が設けられ、
モノリシック統合のための、前記異なるデバイスレイヤの各デバイスレイヤ間の第2のボンディング誘電体が設けられ、前記第2のボンディング誘電体は透明であり、
1または複数の前記デバイスレイヤのうちの各々について、前記ドライバ回路は、前記デバイスレイヤにおける前記光学素子に、前記デバイスレイヤの誘電材料に形成される垂直相互接続を介して接続され、前記垂直相互接続は、前記上部コンタクトレイヤおよび前記底部コンタクトレイヤのうちの一方の表面に接続され、前記表面は、前記CMOSバックプレーンの反対側を向く、方法。
【請求項20】
前記第2のボンディング誘電体は、前記第1のボンディング誘電体と同一である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
各デバイスレイヤに、前記各デバイスレイヤ内の第1の光学素子の下に配置された反射器を設ける段階であって、前記反射器は、前記第1の光学素子の第1の動作波長範囲において反射性であるよう構成される、段階を備える、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記反射器は、より下層のデバイスレイヤ内の第2の光学素子の第2の動作波長範囲において透過性であるよう構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記反射器は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
各デバイスレイヤ内の電気的相互接続金属を設ける段階であって、前記電気的相互接続金属の少なくとも一部が前記反射器として機能する、段階を備える、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各上部コンタクトを共通の上部電極に接続する段階と、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各底部コンタクトを、前記ドライバ回路に個別に接続する段階と、を備える、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各底部コンタクトを共通の底部電極に接続する段階と、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子の各上部コンタクトを前記ドライバ回路に個別に接続する段階と、を備える、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記共通の底部電極の電気的導通を遮断することなく、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子間の光学アイソレーションを達成すべく、同一デバイスレイヤ内の前記光学素子間の前記共通の底部電極を通るマイクロトレンチをパターニングする段階を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
電流拡散を向上させるべく、前記共通の底部電極上に直接的電気接触する金属パッド、ラインまたはネットをパターニングする段階を備える、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記光学素子からの光抽出を向上させるべく、前記光学素子の各底部レイヤ上のマイクロ構造をパターニングする段階を備える、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記光学素子からの光の発光方向性を増大させるべく、前記光学素子の各底部レイヤ上のフォトニック結晶構造をパターニングする段階を備える、請求項25から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
異なるデバイスレイヤ内の前記光学素子のうちの少なくとも一部を水平方向にインタレースする段階を備える、請求項19から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
異なるデバイスレイヤ内の前記光学素子のうちの少なくとも一部を少なくとも部分的にオーバラップさせる段階を備える、請求項19から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
混色を高めるため、RGBマイクロ発光ダイオード、マイクロLEDをピクセル構成において少なくとも部分的にオーバラップさせる段階を備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグおよび金属パッドから成る群のうちの1または複数を含む電気的相互接続を設ける段階をさらに備える、請求項19から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
光コリメーションを支援するための少なくとも1つのマイクロレンズを設ける段階をさらに備える、請求項19から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
隣接する光学素子間のクロストークを防ぐための1または複数の重複タングステンプラグを設ける段階を備える、請求項19から35のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広く、光電子デバイスの統合された構造および光電子デバイスの統合された構造を製造する方法に関し、特にCMOSバックプレーンを備えたモノリシックフルカラーアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイのためのデバイスアーキテクチャおよび該アーキテクチャを製造するためのウェハレベル製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書中の先行技術への言及および/またはその説明は、いかなる場合においても本先行技術が周知であること、または、本技術分野における一般的な知識の一部を形成するものと解釈されてはならない。
【0003】
一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、エルコス(liquid crystal on silicon:LCOS)およびアクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)を含む従来のマイクロディスプレイ技術は、今日の拡張現実(AR)およびヘッドアップディスプレイ(HUD)で明るい晴天下でイメージを見るために十分な明るくなく、あるいは、ウェアラブルデバイスで用いるために十分効率的若しくはコンパクトではない。一方で、当然のこととして半導体ベースのマイクロLEDマイクロディスプレイは、輝度、コントラスト、速度、効率性、信頼性およびコンパクト性において勝っており、今日半導体ベースのマイクロLEDマイクロディスプレイはウェアラブル電子機器および自動車用デバイスにとって非常に魅力的である。デジタルライトプロセッシング(DLP)等の他の技術は明るい可能性があるが、そのフォームファクタおよび電力効率はウェアラブルデバイスにとって理想的ではない。
【0004】
最近、AR、HUD等のようなニアアイ(near eye)および自動車用途のための、10μm未満のピッチサイズを持つ非有機マイクロLEDマイクロディスプレイに対し大きな関心が寄せられている。従来のマイクロディスプレイ技術(DLP、LCOS、有機発光ダイオード(OLED)およびLCD)と比較して、マイクロLEDマイクロディスプレイは当然に、輝度、速度、効率性、信頼性およびコンパクト性において勝っており、マイクロLEDマイクロディスプレイはウェアラブル電子機器器および自動車用デバイスにとって非常に魅力的である。
【0005】
マイクロLEDマイクロディスプレイは周知の確立されたコア技術(III-V族半導体および相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術)に基づくものであるが、その製造には課題がある。50μmを超えるより大きなピッチサイズでは、R、G、B統合は、"ピックアンドプレース"アプローチを通して達成され得、すなわち、別個のエピタキシャルウェハ(例えば、R、G、B)からの個別のマイクロLEDがバックプレーンへと超並列的な態様で移送される。しかしながら、ピクセルサイズが20μm未満にまで縮小する場合は、このような大量移送(mass-transfer)アプローチは非実用的となる。むしろ、低コスト大量製造のために、マイクロディスプレイ全体がウェハスケールでモノリシック構造として製造される必要がある。しかしながら、窒化物ベースの青色LEDおよび緑色LED、ヒ化物ベースの赤色LED並びにシリコンベースCMOSを伴う複雑なハイブリッド統合は製造上の大きな課題を呈する。
【0006】
モノリシックR、G、B統合の課題を解決のための以前の試行の多くは、発光材料に関する革新を伴うものの、様々な実用上の限界に直面している。例えば、gloは、フルカラーマイクロディスプレイの窒化ガリウムナノワイヤマイクロLED技術を先導する。しかしながら、それらは、発光ナノワイヤ先端の小さな充填率により制限される(すなわち、光を放出するナノワイヤ材料の実際の量は、チップサイズ全体のわずかな部分のみである)ので、その輝度は、最大106nitを必要とする最先端ARアプリケーションにとっては非常に不十分である(1)。Ostendoは、異なるRGBカラーの3D異種エレクトロルミネセンス性LEDレイヤを統合すること試行するが、R、G、B発光の独立制御の達成において製造の困難性に遭遇している(2)。また、これら両方の技術は、窒化ガリウム材料プラットフォーム上で赤色発光を得ようと試みており、これが概して低効率性を有し、劣悪な演色をもたらす超ワイドスペクトルを有することも特記すべきである。他の多くの人々が色変換技術、すなわち単色青/紫マイクロLEDアレイ上での色変換量子ドットまたは量子ウェルの選択的パターニングを行って、色を緑および赤にダウンコンバートすることに取り組んでいる(3)。しかしながら、とりわけマイクロLEDが5μm未満に縮小する場合、完全な色変換のための大きな厚みの要件および側壁の光漏れがこのアプローチの共通の関心事項である。また量子ドットも、熱信頼性の課題および光化学的安定性の課題に直面しており、通常これらはオンチップ統合では実行不可能である。故に今日まで、いかにマイクロLEDマイクロディスプレイ上で色を得るかということは未解決の課題のままであり、とりわけ大量生産可能性が議論になるときにこのことが当てはまる。
【0007】
概して上記の技術はすべて大量製造に非実用的であるが、上記の技術以外にも、別の競合的な技術、すなわちモノリシックハイブリッド統合技術が存在し、当該技術は、単色マイクロLEDアレイのまずまずの製造可能性を示すのであるが、RGB統合の大きな課題を有している(4)。モノリシックハイブリッド統合技術は、ウェハレベルの金属ボンディング技術を用いて集積回路(IC)ウェハ上でR、G、Bエピタキシャル(epi)を統合し、標準の半導体プロセッシングを用いて各ボンディング後にマイクロLEDをパターニングする。R、G、BマイクロLEDアレイはインタレースされて積層されており、各マイクロLEDはCMOSバックプレーン内のドライバ回路に個別に接続される。この技術は、例えば、高温高圧の金属ボンディングプロセスに起因する収率損失、ピクセル分離中の金属汚染、ボンディング材料とのプロセス互換性、ボンディング品質のバランスを取るための金属選択、および光反射率といった一連の欠点に直面している。また、プロセスを既存の製造インフラストラクチャに移転することは、ボンディングレイヤ中のCMOS非互換性金属を含むことに起因して困難である。
【0008】
本発明の実施形態は、上記の問題の少なくとも1つを対処することを試みる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様によると、光電子デバイスのための統合された構造が提供され、前記統合された構造は、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)バックプレーンと、
前記CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、前記複数の光学素子はCMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤに配置されている、複数の光学素子と、
モノリシック統合のための、前記CMOSバックプレーンと前記異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間に設けられた第1のボンディング誘電体と、
モノリシック統合のための、前記異なるデバイスレイヤのうちの各デバイスレイヤ間に設けられた第2のボンディング誘電体とであって、前記第2のボンディング誘電体は透明である、第2のボンディング誘電体と、を備える。
【0010】
本発明の第1の態様によると、光電子デバイスのための統合された構造を製造する方法が提供され、前記方法は、
前記光電子デバイスのためのドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンを設ける段階と、
前記CMOSバックプレーン上に複数の光学素子を設ける段階であって、前記複数の光学素子はCMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤ内に配置されている、段階と、を備え、
モノリシック統合のための、前記CMOSバックプレーンと、前記異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間に第1のボンディング誘電体が設けられ、
モノリシック統合のための、前記異なるデバイスレイヤのうちの各デバイスレイヤ間の第2のボンディング誘電体が設けられ、前記第2のボンディング誘電体は透明である、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態は、当業者が図面と併せて、例示としてのみ記載された以下の説明を読むことでより良く理解され、容易に明らかとなろう。
【0012】
【
図1】例示的な実施形態による、透明な誘電ボンディング媒体を通して統合された垂直方向に積層されたR、G、BマイクロLEDを持つアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイのためのピクセル構造の形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図2】異なる実施形態による、ピクセル構造内に電気相互接続を確立するための異なる構成を示す断面模式図を示す。
【
図3】例示的な実施形態で用いるためのマイクロLEDの異なる構造を示す断面模式図を示す。
【
図4】例示的な実施形態による、水平方向にインタレースされたR、G、BマイクロLEDを持つピクセル構造の形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図5】例示的な実施形態による、透明な誘電ボンディング媒体を通して統合された垂直方向に積層されたR、G、BマイクロLEDを持つアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイのためのピクセル構造の形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図6】異なる例示的実施形態による、ピクセル構造内に電気相互接続を確立するための異なる構成を示す断面模式図を示す。
【
図7】例示的な実施形態による、水平方向にインタレースされたR、G、BマイクロLEDを持つピクセル構造の形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図8a】例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン上に統合された、積層されたR、G、BマイクロLEDレイヤを持つフルカラーマイクロLEDアレイの形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図8b】例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン上に統合された、積層されたR、G、BマイクロLEDレイヤを持つフルカラーマイクロLEDアレイの形態における光電子デバイスの統合された構造を示す断面模式図を示す。
【
図9】例示的な実施形態による、単一のRGBピクセル内の統合された構造を示す断面模式図を示し、当該構造は、マイクロレンズ、光学アイソレーショントレンチ、冗長タングステンプラグ、LED底部上にパターニングされたマイクロ構造、nコンタクトレイヤ上の電流拡散金属パッドを含む。
【
図10】例示的な実施形態による、製造方法におけるプロセスステップを示す断面模式図を示す。
【
図11】例示的な実施形態による、製造方法におけるプロセスステップを示す断面模式図を示す。
【
図12】例示的な実施形態による、製造方法におけるプロセスステップを示す断面模式図を示す。
【
図13】例示的な実施形態による、製造方法におけるプロセスステップを示す断面模式図を示す。
【
図14】例示的な実施形態による、光電子デバイスの統合された構造を製造する方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、新しいデバイスアーキテクチャおよびその大量生産可能アプローチを提供し、色変換なしでモノリシックフルカラーマイクロLEDマイクロディスプレイを実現させる。例示的な実施形態によるデバイスは、シリコンベースのアクティブマトリクスディスプレイパックプレーン上に統合されたRマイクロLEDピクセル、GマイクロLEDピクセル、BマイクロLEDピクセルのアレイを特徴とし、各構成要素のマイクロLEDは個別に、バックプレーン内のピクセルドライバ回路に接続され、当該ピクセルドライバ回路によって制御される。各ピクセルは、垂直方向に積層されたネイティブRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDで構成され、赤色LEDが底部に、青色LEDが上部にある。RマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDは透明な誘電媒体、典型的にはロングパス反射器(例えば、分布ブラッグ反射器:DBR)と一体化されたSiO2を通してボンディングされる。当該反射器は、下にあるマイクロLEDからの長波長光を透過させ、上にあるマイクロLEDからの短波長光を反射するよう設計されている。このような垂直構造が、あらゆるモノリシックRGB統合スキームにおいて一般的に遭遇する解像度低下の課題に対し効果的に対処する一方で、マイクロLED技術で演色および混色を最適化する。例示的な実施形態による製造方法は、誘電体ウェハボンディングプロセスによるエピタキシャルレイヤの複数移送に基づくCMOS互換性ウェハレベルプロセスである。各色統合につき、まず連続的エピタキシャル薄膜が透明な誘電媒体を介してICウェハにボンディングされ、その後に、標準的な半導体プロセスを用いてマイクロLEDおよび関連付けられた電気的接続がパターニングされる。例示的な実施形態による詳細なプロセスフローが、CMOS互換性とすべく設計され、大量生産のために既存のファウンドリに容易に移送される。
【0014】
例示的な実施形態による製造アプローチは、先行技術のすべての制約を克服できる。まず、例示的な実施形態による8インチのCMOS互換性のウェハレベルプロセスがもたらされ得、これは低コストの大規模な大量生産を約束する。第2に、例示的な実施形態によるプロセスは、高度に確立された半導体プロセスおよび市販のLEDエピタキシャルウェハを使用し、このことがプロセスを既存のファウンドリに容易に移送可能にする。第3に、例示的な実施形態によると、正確なボンディング位置合わせは必要とされず、故に10000ppiもの高さのディスプレイ解像度が実際上達成可能である。
【0015】
デバイスアーキテクチャの観点では、本発明の実施形態は、大きな利点をもたらし得る。側壁非発光性再結合の増大に起因してサイズが縮小するにつれて、マイクロLEDの発光効率が低下することが知られている。このような低下は、特にサイズが10μm未満になると指数関数的となる。ディスプレイ解像度を犠牲にすることなく、同一チップ内にRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDを収容するために、現在の慣行ではマイクロLEDサイズを低減させ、それらをインタレースして配置する。そのようにすることで、輝度の大幅な低下といった結果を余儀なくされる。例示的な実施形態によるデバイス構造は、この問題を効果的に取り除くことができる。一方で、例示的な実施形態によるデバイス構造はまた最適な混色ももたらし得、統合されたマイクロオプティクス設計の課題を緩和する。
【0016】
異なる例示的実施形態によると、一般性を失うことなく、可視LED以外に、不可視LEDまたはレーザ等の他の発光装置および光検出装置もまた適用可能である。
【0017】
図1は、例示的な実施形態による、透明な誘電ボンディング媒体111-113を通して統合された、垂直方向に積層されたRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED101~103を持つアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイのピクセル構造100を示す断面模式図を示す。マイクロLED101‐103のそれぞれの底部nコンタクト121‐123は、ディスプレイバックプレーン124内のドライバ回路(不図示)に個別に接続され、マイクロLED101‐103の同一色のそれぞれの上部pコンタクト131‐133は共通電極(不図示)に接続されている。異なるデバイスレイヤの共通電極は、相互接続されてよい。
【0018】
例えばAl、Cu等から形成されてよいディスプレイバックプレーン124上の相互接続金属パッド、例えば141は、光反射器として有利に機能してよい。マイクロLED101‐103のためのピクセルドライバ回路へのそれぞれの相互接続141~143が、ディスプレイバックプレーン124内に設けられている。
【0019】
底部コンタクト121‐123は有利に反射器として機能し、底部コンタクト121‐123は、その下のマイクロLEDから発光される光に対し透過的である。底部コンタクト121-123は、ドーピングされたエピと、エピとのオーミック接触を形成する導電性材料とを有してよい。光反射器として機能する底部コンタクト121-123は、上にあるLEDから発光される光に対する高い光反射率、および、下にあるLEDから発光される光に対する高い透過率を呈することが好ましい。
【0020】
透明なボンディング誘電媒体111-113は、例えば、SiO2、SiN、ベンゾシクロブテン(BCB)等を有してよい。例えば、SiO2、スピンオンガラス、BCB等の誘電体絶縁充填物151‐153も各マイクロLED101-103のために設けられる。
【0021】
マイクロLED101-103内で、異なるバンドギャップエネルギーのそれぞれのエピ161-163が用いられ、それぞれは上部および底部におけるドーピングされたエピおよび中間にある例えば量子ウェルといった発光エピで構成される。上部マイクロLED103内のエピ163が最大バンドギャップエネルギーを有し、底部マイクロLED101におけるエピ161が最小バンドギャップエネルギーを有する。エピ161-163デバイスの各底部は、例えば164の垂直相互接続、例えば166の相互接続金属パッド、および、例えば168の電気的相互接続を介してバックプレーン124内のピクセルドライバに個別に接続され、164は例えばタングステンプラグの形態であり、166は例えばAl、Cu等から形成され、168はマイクロLED底部コンタクト、例えば123とのオーミック接触を形成する。例えば168の相互接続は、垂直/水平接続(例えば、金属、タングステン、透明な導電性酸化物)、パッシベーション、接着レイヤ等を確立する導電性材料を有する。
【0022】
マイクロLEDマイクロディスプレイの同一レイヤ内のマイクロLED101-103の各上部コンタクト131-133は、例えば170の電気的相互接続を介して共通電極(不図示)に電気的に接続され、電気的相互接続170は、マイクロLEDの上部コンタクト、例えば133とのオーミック接触を形成する。
【0023】
例えば170の相互接続は、垂直/水平接続(例えば、金属、タングステン、透明な導電性酸化物)、パッシベーション、接着等を確立する導電性材料を有する。
【0024】
図2は、例示的な実施形態による、
図2では数字200で示される、ピクセル構造100内の電気相互接続を確立するための異なる構成を示す断面模式図を示し、モノリシック統合のための例えば201の透明なボンディング誘電体を含む。また、ここでもデバイスレイヤ内に例えば203の透明な充填物が使用される。
【0025】
概して、
図2に図示される例示的な実施形態による電気的相互接続の異なる構成は、ピクセル構造200内のいずれのデバイスレイヤにも適用可能であることに留意されたい。当該異なる構成は、組み合わせて利用されてもよく、異なるデバイスレイヤ間で同一である必要はない。これらの構成はまた、本発明の他の実施形態により本明細書に説明される他のピクセル構造にも適用可能である。
【0026】
例示的な実施形態による第1の構成において、透明な導電性酸化物202が、マイクロLEDエピ204とのオーミック接触を形成する。パッシベーションレイヤ205が、底部コンタクト207からの電気的絶縁のために設けられる。金属パッド/ライン/ネット206、208は、共通電極(不図示)に接続される電流拡散構造として機能する。この例示的な実施形態においては、透明な導電性酸化物202が金属パッド206に接続され、次に金属パッド206がタングステンプラグ210を通して金属ライン/ネット208に接続される。
【0027】
例示的な実施形態による別の構成においては、透明な導電性酸化物212は、マイクロLEDエピ214とのオーミック接触を形成する。透明な導電性酸化物212と接触する金属パッド/ライン/ネット216は、共通電極(不図示)との電気的接続を確立する。
【0028】
例示的な実施形態による別の構成においては、金属パッド218は、マイクロLEDエピ220の上表面の一部と接触して、エピ220との、および、共通電極(不図示)との電気的接続のためのオーミック接触を確立する。
【0029】
例示的な実施形態によるエピ214のための底部コンタクト相互接続のために、金属パッド/ライン222が用いられ直接相互接続を確立する。絶縁構造および接着構造は
図2には図示されていないが、それらを用いることは当業者により理解されることに留意されたい。
【0030】
例示的な実施形態によるエピ220のための底部コンタクト相互接続の別の構成においては、タングステンプラグ224が用いられて、底部コンタクト228上の金属パッド226への接触が形成される。
図2において、この構成がエピ204の底部コンタクト相互接続にも用いられる。
【0031】
図3は、例示的な実施形態による、構造100、200内のマイクロLEDの異なる構造の詳細を示す断面模式図を示す。
【0032】
概して、
図3に図示されるような、例示的な実施形態によるマイクロLEDの異なる構造は、構造100、200内の任意のデバイスレイヤに適用可能である。当該異なる構成は、組み合わせて利用されてもよく、異なるデバイスレイヤ間で同一である必要はない。これらの構成はまた、本発明の他の実施形態により本明細書に説明される他のピクセル構造にも適用可能である。
【0033】
例示的な実施形態による一構成において、マイクロLED302の底部コンタクト300は、非エピレイヤ304を含み、非エピレイヤ304は導電性であり、ドーピングされたエピ306とのオーミック接触を形成する。好ましくは、非エピレイヤ304は、マイクロLED302から発光される光に対し高い反射率を呈する。当業者に理解されるように、この構成におけるマイクロLEDエピ308は、ドーピングされたエピレイヤ306、312間に挟まれた発光エピレイヤ310を有する。
【0034】
別の例示的な実施形態による一構成においては、マイクロLED302の底部コンタクト300は非エピレイヤ314を含み、非エピレイヤ314は、例えば、DBR、透明な導電性酸化物、金属等またはこれらの組み合わせを有してよい。非エピレイヤ314は、電流拡散のために導電性であってよく、あるいは非導電性であってよい。好ましくは、非エピレイヤ314は、マイクロLED302から発光される光に対し高い反射率を呈する。当業者に理解されるように、この構成におけるマイクロLEDエピ308は、ドーピングされたエピレイヤ318、320間に挟まれた発光エピレイヤ316を有する。
【0035】
図4は、別の例示的な実施形態による、RマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED401‐403が水平方向にインタレースされたピクセル構造400を示す断面模式図を示す。この例示的な実施形態においては、下層デバイスレベルの例えば401のマイクロLEDのための相互接続金属、例えば404が、上層デバイスレベルの例えば402のマイクロLEDのための底部反射器として機能する。この例示的な実施形態においては、ここでも、例えばSiO
2、SiN、BCB等から形成される透明なボンディング誘電体、例えば407が、垂直方向に積層されたマイクロLED401‐403を統合するために用いられる。また、ここでも透明な充填物、例えば409がデバイスレイヤ内に用いられる。
【0036】
より具体的には、この例示的な実施形態において、相互接続金属、例えば404は、例えば402のマイクロLEDのための非透明な底部反射器として機能してよく、ここでマイクロLED401-403は水平方向にインタレースして配置されている。上述の通り、マイクロLED401-403が水平方向にインタレースされ、且つ、マイクロLEDの底部コンタクト例えば406が透明である場合、より下層のデバイスレイヤの相互接続金属、例えば404は、より上層のデバイスレイヤのための底部反射器として用いられてよい。例示的な実施形態により、好ましくは、例えば404の相互接続金属と、例えば408のマイクロLEDエピとの間の分離は、最適な反射条件を達成するようエンジニアリングされてよく、すなわち、光学的に検出された共振(optical detected resonance:ODR)構造として提供されてよい。例示的な実施形態において、好ましくは、マイクロLEDの3D構成および相互接続は充填率および現在の負荷能力を最大化するよう最適化される。RマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED401‐403が水平方向にインタレースされる場合、上部レイヤから底部レイヤまでの色順序は、ピクセル構造100、200について上記したようなB、G、Rである必要はない。
【0037】
異なる例示的実施形態においては、水平方向にインタレースされた構成およびオーバラップされた構成(
図1および2と比較)は、同一のマイクロLEDマイクロディスプレイ内で同時に実装されてよいことに留意されたい。
【0038】
ピクセル構造400において、ここでも底部コンタクト、例えば410は反射器として機能するよう実装されてよい。例えば、ここでも、DBR等の非エピレイヤ(
図3と比較)マイクロ構造が、底部反射および光抽出をさらに高めるように実装されてよい。随意で、透明な電流拡散レイヤ(
図2と比較)を含めてよい。共通電極(不図示)については、例示的な実施形態において、例えば412の相互接続金属パッド/ライン/ネットが設けられ、同一デバイスレイヤ内の例えば403のマイクロLEDの上部コンタクトが共通電極(不図示)に接続される。異なるデバイスレイヤの共通電極が相互接続されてよい。
【0039】
図5は、例示的な実施形態による、透明な誘電ボンディング媒体を通して統合された垂直方向に積層されたRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDを持つアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイのピクセル構造500を示す断面模式図を示す。各マイクロLED、例えば504の、上部pコンタクト、例えば502は、ディスプレイバックプレーン506内のドライバ回路(不図示)に個別に接続されている。各マイクロLED、例えば504の同一色の底部nコンタクト、例えば508は連続的で、例えば512のpコンタクト相互接続のための、例えば510の開口窓を有する。また、ここでも透明充填物、例えば513がデバイスレイヤで用いられる。
【0040】
この例示的な実施形態において、上にあるマイクロLEDエピ、例えば514は、下にあるマイクロLEDエピ、例えば516よりも大きなバンドギャップエネルギーを有する。
【0041】
この例示的な実施形態においては、ここでも、例えばSiO2、SiN、BCB等から形成される透明なボンディング誘電体、例えば518が、垂直方向に積層されたマイクロLED504、520、522を統合するために用いられる。
【0042】
この実施形態においては、底部nコンタクト、例えば508が共通電極レイヤとして実装され、共通電極レイヤは導電性であり、且つ、その下の例えば516のマイクロLEDから発光される光に対し光学的透過性である。nコンタクト、例えば508は、例えば514のマイクロLEDエピのドーピング部分と、例えば514のマイクロLEDエピとのオーミック接触を形成し、且つ、好ましくは上にある例えば504のLEDから発光される光に対し高い光反射率を、その下にある例えば520のLEDから発光される光に対し高透過率を呈する光反射器として機能する導電性材料との部分を含んでよい。この実施形態において、nコンタクト、例えば508は電気的連続性である。
【0043】
底部マイクロLED522レイヤについては、非透明金属が、光反射器として機能するオーミックnコンタクト524として実装されてよい。
【0044】
ピクセル間の光学的クロストークを防ぐべく、光学アイソレーショントレンチが、例えば508、524のコンタクトのレイヤに組み込まれてよい。電流拡散を高めるべく、例えば508、524のnコンタクトのレイヤの上部と直接接触する金属パッド、ライン、またはネットがパターニングされてよい。
【0045】
例えば502のpコンタクトは、オーミック接触、例えば512の垂直方向相互接続、水平方向相互接続、パッシベーション、接着等を含む適切な組成を持つ電気的相互接続を提供する。例えば502のpコンタクトの導電部分は、例えば金属または透明な導電性材料等の1または複数の導電性材料を含んでよい。
【0046】
図6は、例示的な実施形態による、
図6では数字600で示される、ピクセル構造500内の電気相互接続を確立するための異なる構成を示す断面模式図を示し、モノリシック統合のための例えば601の透明なボンディング誘電体を含む。また、ここでもデバイスレイヤには、例えば603の透明な充填物が使用される。
【0047】
概して、
図6に図示される電気的相互接続のための異なる構成は、ピクセル構造600内のいずれのデバイスレイヤにも適用可能であることに留意されたい。当該異なる構成は、組み合わせて利用されてもよく、異なるデバイスレイヤ間で同一である必要はない。これらの構成はまた、本発明の他の実施形態により本明細書に説明される他のピクセル構造にも適用可能である。
【0048】
例示的な実施形態による一構成において、金属または透明な導電性酸化物相互接続602が、マイクロLED604の上部コンタクトとディスプレイバックプレーン606内のドライバ回路(不図示)とを直接接続するために用いられる。
【0049】
別の例示的な実施形態による一構成においては、透明な導電性酸化物608は、マイクロLEDエピ610とのオーミック接触を形成するために用いられる。透明な導電性酸化物608と接触する金属パッド612は、タングステンプラグ614との電気的接続を確立する。
【0050】
別の例示的な実施形態による一構成においては、金属パッド616は、マイクロLEDエピ618の上表面の一部に接触し、マイクロLEDエピ618とのオーミック接触を形成する。金属パッド616が、垂直方向相互接続に用いられるタングステンプラグ620と接続される。
【0051】
図7は、例示的な実施形態による、水平方向にインタレースされたRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDを持つピクセル構造700を示す断面模式図を示す。この実施形態においては、相互接続金属パッド、例えば702は、上のレイヤ内の例えば704のマイクロLEDに対する底部反射器として機能する。ここでも、透明なボンディング誘電体、例えば703がモノリシック統合のために用いられる。また、デバイスレイヤには、例えば707の透明な充填物がここでも使用される。
【0052】
より具体的には、マイクロLED704-706が水平方向にインタレースされている場合、より下層のデバイスレイヤの相互接続金属パッド、例えば702が、上層のデバイスレイヤにある、例えば704のマイクロLEDの底部反射器として用いられてよい。好ましくは、金属パッド、例えば702と、マイクロLEDエピ、例えば708との間の分離が、最適な反射条件、すなわちODR構造を提供するものを達成するようにエンジニアリングされてよい。例示的な実施形態において、マイクロLEDの3D構成および相互接続は充填率および現在の負荷能力を最大化するよう最適化される。RマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLEDは水平方向にインタレースされる場合、上部レイヤから底部レイヤまでの色順序は、B、G、Rである必要はない。
【0053】
水平方向にインタレースされたマイクロLEDおよびオーバラップされたマイクロLED(
図5および6と比較)は、同一のマイクロLEDマイクロディスプレイ内に同時に実装されてよいことに留意されたい。この例示的な実施形態においては、RマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED704‐706は水平方向にインタレースされる場合、上部レイヤから底部レイヤまでの色順序は、B、G、Rである必要はないことに留意されたい。
【0054】
ピクセル構造700においては、ここでも、底部コンタクト、例えば710は反射器として機能するよう実装されてよい。例示的な実施形態において、例えば、DBR等の非エピレイヤ(
図3と比較)マイクロ構造がここでも、底部反射および光抽出をさらに高めるように実装されてよい。好ましくは、透明な電流拡散レイヤ(
図6と比較)が用いられる。
【0055】
図8aは、例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン804上に統合された、積層されたRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED801‐803レイヤを持つフルカラーマイクロLEDアレイ800を示す断面模式図を示す。各マイクロLED801‐803は、CMOSバックプレーン804内のピクセルドライバ回路(不図示)に個別に接続され、同一デバイスレイヤ内のマイクロLEDと共通バイアスを共有する。フルカラーマイクロLEDアレイの異なる実施形態においては、上記したような例示的な実施形態によるインタレースされたピクセル構造が用いられてよい。例示的な実施形態による、デバイスレイヤの統合に用いられるボンディング誘電体は、
図8には明示的に示されていないことに留意されたい。代わりに、ボンディング誘電体は、
図8a)中の例えば806の透明充填物と"マージ"されている。同一デバイスレイヤの例えば803のマイクロLEDの上部コンタクト、例えば808は、
図8a)中、ライン810として示される共通電極に接続される。当業者に理解されるように、対応するバイアス電圧V
bias1、V
bias2、V
bias3は、CMOSドライバ回路設計に応じて同一であっても異なっていてもよい。
【0056】
図8b)は、例示的な実施形態による、CMOSバックプレーン854上に統合された、積層されたRマイクロLED、GマイクロLED、BマイクロLED851‐853レイヤを持つフルカラーマイクロLEDアレイ850を示す断面模式図を示す。各マイクロLED851‐853は、CMOSバックプレーン854内のピクセルドライバ回路(不図示)に個別に接続され、同一デバイスレイヤ内のマイクロLEDと共通バイアスを共有する。フルカラーマイクロLEDアレイの異なる実施形態においては、上記したような例示的な実施形態によるインタレースされたピクセル構造が用いられてよい。例示的な実施形態による、デバイスレイヤの統合に用いられるボンディング誘電体は、
図8b)には明示的に示されていないことに留意されたい。代わりに、ボンディング誘電体は、
図8b)中の透明充填物、例えば856と"マージ"されている。
【0057】
マイクロLED、例えば851と同一デバイスレイヤの底部コンタクト、例えば858は、
図8b)中のライン860として示される共通電極に接続される。当業者に理解されるように、対応するバイアス電圧V
bias1、V
bias2、V
bias3は、CMOSドライバ回路設計に応じ、同一であっても異なっていてもよい。
【0058】
図9は、例示的な実施形態による、単一のRGBピクセル900内の統合された構造を示す断面模式図を示し、統合された構造は、マイクロレンズ902、光学アイソレーショントレンチ904、冗長タングステンプラグ、例えば906、マイクロLED例えば910の底部上のマイクロ構造パターンを持つ後方反射器、例えば908、および、nコンタクト、例えば914のレイヤ上の電流拡散金属パッド、例えば912を含む。様々な実施形態において、例えば、製造の複雑性および必要とされるデバイス性能に応じて、統合されたピクセル構造は必ずしもすべてを含まず、これらの特徴物の任意の組み合わせであってよい。
【0059】
例示的な実施形態による、デバイスレイヤの統合に用いられるボンディング誘電体は、
図9には明示的に示されていないことに留意されたい。代わりに、ボンディング誘電体は、
図9中の透明充填物、例えば915と"マージ"されている。
【0060】
マイクロレンズ902と、LEDの透明なオーミック接触(例えばITO)例えば910との間の分離を調整すべくスペーサ916が設けられてよく、例えば908の透明な後方反射器(例えばDBR)にはマイクロ構造パターンが設けられてよい。例えば906の冗長タングステンプラグが、ピクセル間クロストークを防ぐための遮光のために設けられてよい。例えば914のnコンタクトと直接接触する例えばAlである金属パッド、例えば912が電流拡散を改善すべく設けられてよい。光学アイソレーショントレンチ、例えば904は、共通のn‐コンタクトの例えば914レイヤ中を通るようにエッチングされる。例えば904のトレンチは、各デバイスレイヤ内のすべてのマイクロLEDにわたって電気的導通を保証すべく、閉ループを形成しないセグメントをフィーチャ形成する。底部デバイスレイヤのためのマイクロパターンを持つ電流拡散、オーミック接触の後方反射器レイヤ908は、非透明の金属を含んでよいことに留意されたい。底部デバイスレイヤ内のエピ920を貫通するようエッチングされ、底部の電流拡散、オーミック接触の後方反射器レイヤ921において停止される光学アイソレーショントレンチ918が設けられてよい。
【0061】
電流拡散、オーミック接触の後方反射器レイヤ921が透明な場合、CMOSバックプレーン922のIC電極パッド924は、底部のマイクロLED926のための光反射器として機能してよい。
【0062】
図10は、一例としてのピクセル構造100、200を製造するための例示的な実施形態による製造プロセスを示す断面模式図を示す。ピクセル構造400、500、600、700、900を実現するために、同一の手順が利用されてよいことに留意されたい。同様に、フルカラーマイクロLEDアレイ800、850を実現するために同一の手順が利用されてよい。
【0063】
成長したエピ基板またはハンドルウェハであってよい基板1000上に、組み込まれた発光レイヤ(例えば、量子ウェル)、並びに、発光レイヤの上部および底部にドーピングされたコンタクトレイヤを持つエピタキシャル材料1002が設けられる。コンタクトおよび反射レイヤ1004も設けられ、コンタクトおよび反射レイヤ1004は、ドーピングされたエピ、エピとのオーミック接触を形成する導電性材料、所望の反射特性および透過特性を持つ光反射器、および、マイクロ構造(ブラッググレーディング構造若しくはフォトニック結晶構造等の周期的または非周期的)の部分を有してよい。
【0064】
R、G、B用の独立したドライバ回路を持つピクセルセット1006がCMOSドライバ回路ウェハ1008内に設けられ、相互接続用に設けられた電気パッド、例えば1010が備わっている。
【0065】
透明なボンディング誘電体1011を持つ誘電体ウェハボンディングが、基板1000(下向き)と、CMOSドライバ回路ウェハ1008(上向き)との間に用いられ、その後に基板1000の除去が行われ、構造1012が生成される。
【0066】
図11を参照すると、ドライエッチングを用いてマイクロLED、例えば1014をピクセル化し、その後に、例えば1014のマイクロLEDのエピ1016へのオーミック接触の確立が行われ、例えば1014のマイクロLEDとCMOSドライバ回路ウェハ1008内のドライバ回路との間の電気的接続、例えば1018の確立と、それと同時に行われる統合されるべき次のデバイスレイヤ内のマイクロLED(不図示)のための垂直方向相互接続、例えば1020(例えば、タングステンプラグ)の形成が含まれる。また、デバイスレイヤには、例えば1021の透明な充填物が設けられる。
【0067】
図12を参照すると、第2のエピレイヤ1022と、コンタクトおよび反射レイヤ1024とが、透明なボンディング誘電体1025を用いる誘電体ウェハボンディングを通して統合される。これは、
図10に関する基板除去を含む、CMOSドライバ回路ウェハ1008と基板1000との間の誘電体ウェハボンディングに対応する。次に、第2のデバイスレイヤのマイクロLED、例えば1026がパターニングされ、且つ、関連付けられた電気的接続およびオーミック接触が形成される。これは
図11を参照して第1のデバイスレイヤについて上記したものに対応する。
【0068】
図13を参照すると、第3のエピレイヤ1028と、コンタクトおよび反射レイヤ1030とが、透明なボンディング誘電体1031を用いる誘電体ウェハボンディングを通して統合される。ここでも、これは、
図10に関する基板除去を含む、CMOSドライバ回路ウェハ1008と基板1000との間の誘電体ウェハボンディングに対応する。次に、第3のデバイスレイヤのマイクロLED、例えば1032がパターニングされ、且つ、関連付けられた電気的接続およびオーミック接触が形成される。これは、
図11を参照して第1のデバイスレイヤについて上記したものに対応する。
【0069】
一実施形態において、光電子デバイスのための統合された構造が提供され、統合された構造は、光電子デバイスのためのドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)バックプレーンと、CMOSバックプレーン上の複数の光学素子であって、複数の光学素子はCMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤに配置されている、複数の光学素子と、モノリシック統合のための、CMOSバックプレーンと、異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間に設けられた第1のボンディング誘電体と、モノリシック統合のための、異なるデバイスレイヤのうちの各デバイスレイヤ間に設けられた第2のボンディング誘電体とであって、第2のボンディング誘電体は透明である、第2のボンディング誘電体と、を備える。
【0070】
第2のボンディング誘電体は、第1のボンディング誘電体と同一であってよい。
【0071】
各デバイスレイヤは、前記各デバイスレイヤ内の第1の光学素子の下に配置された反射器を有してよく、反射器は、第1の光学素子の第1の動作波長範囲において反射性であるよう構成される。反射器は、より下層のデバイスレイヤ内の第2の光学素子の第2の動作波長範囲において透過性であるよう構成されてよい。反射器は、分布ブラッグ反射器(distributed Bragg reflector:DBR)を有してよい。各デバイスレイヤ内の電気的相互接続金属の少なくとも一部は、反射器として機能してよい。
【0072】
同一デバイスレイヤ内の光学素子の各上部コンタクトは、共通の上部電極に接続されてよく、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各底部コンタクトは、ドライバ回路に個別に接続される。
【0073】
同一デバイスレイヤ内の光学素子の各底部コンタクトは、共通電極に接続されてよく、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各上部コンタクトは、ドライバ回路に個別に接続される。統合された構造は、共通の底部電極の電気的導通を遮断することなく、同一デバイスレイヤ内の光学素子間の光学アイソレーションを達成すべく、同一デバイスレイヤ内の光学素子間に共通の底部電極を通るようにパターニングされたマイクロトレンチを含んでよい。統合された構造は、電流拡散を向上させるべく、直接的電気接触を持つ共通の底部電極上にパターニングされた金属パッド、ラインまたはネットを有してよい。
【0074】
統合された構造は、光学素子からの光抽出を向上させるべく、光学素子の各底部レイヤ上にパターニングされたマイクロ構造を有してよい。
【0075】
統合された構造は、光学素子からの光の発光方向性を増大させるべく、光学素子の各底部レイヤ上にパターニングされたフォトニック結晶構造を有してよい。
【0076】
異なるデバイスレイヤ内の光学素子の少なくとも一部は、水平方向にインタレースされてよい。
【0077】
異なるデバイスレイヤ内の光学素子の少なくとも一部は、少なくとも部分的にオーバラップしてよい。光学デバイスは、混色を高めるべく、ピクセル構成において、少なくとも部分的にオーバラップするRGBマイクロ発光ダイオード、マイクロLEDを有してよい。
【0078】
統合された構造はさらに、化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグおよび金属パッドから成る群のうちの1または複数を含む電気的相互接続を有してよい。
【0079】
統合された構造はさらに、光コリメーションを支援するための少なくとも1つのマイクロレンズを有してよい。
【0080】
統合された構造は、隣接する光学素子間のクロストークを防ぐための1または複数の重複タングステンプラグを有してよい。
【0081】
図14は、例示的な実施形態による、光電子デバイスのための統合された構造を製造する方法を示すフローチャート1400を示す。ステップ1402において、光電子デバイスのための、ドライバ回路を有する相補型金属酸化物半導体(CMOS)バックプレーンが設けられる。ステップ1404において、複数の光学素子がCMOSバックプレーン上に設けられ、複数の光学素子は、CMOSとは異なる材料システムに基づき、且つ、異なるデバイスレイヤ内に配置される。ステップ1406において、モノリシック統合のための、CMOSバックプレーンと、異なるデバイスレイヤのうちの第1のデバイスレイヤとの間に第1のボンディング誘電体が設けられる。ステップ1408において、モノリシック統合のための、異なるデバイスレイヤのうちの各デバイスレイヤ間に第2のボンディング誘電体が設けられ、第2のボンディング誘電体は透明である。
【0082】
第2のボンディング誘電体は、第1のボンディング誘電体と同一であってよい。
【0083】
方法は、各デバイスレイヤ内に、前記各デバイスレイヤ内の第1の光学素子の下に配置される反射器を設ける段階を有してよく、反射器は、第1の光学素子の第1の動作波長範囲において反射性であるよう構成される。反射器は、より下層のデバイスレイヤ内の第2の光学素子の第2の動作波長範囲において透過性であるよう構成されてよい。反射器は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含んでよい。
【0084】
方法は、各デバイスレイヤ内に、電気的相互接続金属を設ける段階を備えてよく、電気的相互接続金属機能の少なくとも一部は、反射器として機能する。
【0085】
方法は、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各上部コンタクトを、共通の上部電極に接続する段階と、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各底部コンタクトを、ドライバ回路に個別に接続する段階とを備えてよい。
【0086】
方法は、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各底部コンタクトを、共通電極に接続する段階と、同一デバイスレイヤ内の光学素子の各上部コンタクトを、ドライバ回路に個別に接続する段階とを備えてよい。方法は、共通の底部電極の電気的導通を遮断することなく、同一デバイスレイヤ内の光学素子間の光学アイソレーションを達成すべく、同一デバイスレイヤ内の光学素子間に共通の底部電極を通るマイクロトレンチをパターニングする段階を備えてよい。方法は、電流拡散を向上させるべく、共通の底部電極上に、直接的電気接触を持つ金属パッド、ラインまたはネットをパターニングする段階を備えてよい。
【0087】
方法は、光学素子からの光抽出を向上させるべく、光学素子の各底部レイヤ上にマイクロ構造をパターニングする段階を備えてよい。
【0088】
方法は、光学素子からの光の発光方向性を増大させるべく、光学素子の各底部レイヤ上にフォトニック結晶構造をパターニングする段階を備えてよい。
【0089】
方法は、異なるデバイスレイヤ内の光学素子のうちの少なくとも一部を水平方向にインタレースする段階を備えてよい。
【0090】
方法は、異なるデバイスレイヤ内の光学素子のうちの少なくとも一部を少なくとも部分的にオーバラップさせる段階を備えてよい。
方法はさらに、混色を高めるために、ピクセル構成においてRGBマイクロ発光ダイオード、マイクロLEDを少なくとも部分的にオーバラップさせる段階を備えてよい。
【0091】
方法はさらに、化学的機械平坦化ベースのコンタクト、タングステンプラグおよび金属パッドから成る群のうちの1または複数を含む電気的相互接続を設ける段階を備えてよい。
【0092】
方法はさらに、光コリメーションを支援すべく、少なくとも1つのマイクロレンズを設ける段階を備えてよい。
【0093】
方法は、隣接する光学素子間のクロストークを防ぐための1または複数の重複タングステンプラグを設ける段階を備えてよい。
【0094】
[産業上の適用]
【0095】
例示的な実施形態によるモノリシックフルカラーアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイは、限定はされないが、特にコンパクト性、効率性、高解像度(1000ppiを超える)および高輝度(500,000nitを超える)のフルカラーマイクロディスプレイを必要とするAR適用、HUD適用について興味深い。またモノリシックフルカラーアクティブマトリクスマイクロLEDマイクロディスプレイは、拡張的な適用例と共にモバイルまたはウェアラブルビデオプロジェクタで用いられてもよい。
【0096】
システムおよび方法に係る例示の実施形態に関する上記の説明は、包括的なものを意図しておらず、あるいは、当該システムおよび方法を、開示された正確な形態に限定することを意図していない。本明細書においては、システムコンポーネントおよび方法に係る具体的な実施形態および例が、説明の目的で記載されている一方で、当業者が認識するであろう様々な均等の修正が、当該システム、コンポーネント、および方法の範囲内で可能である。本明細書に記載されたシステムおよび方法の教示は、上述のシステムおよび方法のみでなく、他の処理システムおよび方法に適用可能であってよい。
【0097】
例えば、例示的な実施形態によるデバイスアーキテクチャおよび製造アプローチは、CMOSウェハ上の異なる材料システムの光電子デバイスのハイブリッド統合を必要とする任意の他の半導体装置を含む任意の他の装置に実装されてよく、例えば、R、G、B垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser:VCSEL)を積層して白色レーザを付与する、または、ビデオ投影および3Dスキャンのために可視および赤外線(IR)LEDを統合する。また、発光デバイス以外に、本発明の実施形態はまた、焦点面アレイまたはディスプレイおよびセンサのハイブリッド統合等の光検出システムにも実装されてよい。
【0098】
上述の様々な実施形態に係る要素および動作を組み合わせて、さらなる実施形態がもたらされてよい。上記の詳細な説明に照らし、システムおよび方法に対しこれらの変更点および他の変更点がなされてよい。
【0099】
概して以降の特許請求の範囲において用いられる用語は、システムおよび方法を、明細書および特許請求の範囲において開示された具体的な実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の下において動作するすべての処理システムを含むように解釈されるべきである。従って、システムおよび方法は開示内容によって限定されることはなく、代わりに、システムおよび方法の範囲は、特許請求の範囲によって専ら決定される。
【0100】
本明細書および特許請求の範囲を通して、文脈が明確に反対の内容を必要としない限り、"comprise(備える)"、"comprising(備え)"等の文言は、排他的な意味若しくは網羅的な意味に対し包括的な意味、すなわち、"including(含む)"、"but not limited to(限定はされないが、含む)"の意味で解釈されるべきである。単一の数または複数の数を用いる文言もまた、それぞれ複数または単数を含む。また、"本明細書において"herein(ここで)"、"hereunder(以下)"、"above(上)"、"below(下)"という文言および同様の意味の文言は、本願を全体として言及しており、本願の具体的な部分を言及していない。2つ以上の項目のリストに言及する際に"or(または)"という文言が用いられる場合、その文言は、当該文言の以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、リスト内の項目のうちの任意のもの、リスト内のすべての項目、および、リスト内の項目の任意の組み合わせである。
【0101】
[参照情報]
(1)Y. Robin et al. "Insight into the performance of multi-color InGaN/GaN nanorod light emitting diodes", Scientific Reports 8, 7311 (2018)
(2)El-Ghoroury et al. "Light emitting structures with multiple uniformly populated active layers", US Patent No. US2016/0359086 (2016).
(3)H.-V. Han et al. "Resonant-enhanced full-color emission of quantum-dot-based micro LED display technology" Optics Express 23, 32504 (2015)
(4)Chong et al. "Making Semiconductor devices by stacking strata of micro LEDs", International Publication Number WO 2018/175338 (2018)