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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20250107BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20250107BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20250107BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q10/00
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021072060
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2022166680
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】東出 宇史
(72)【発明者】
【氏名】宇野 慶一
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-041652(JP,A)
【文献】特開2005-022556(JP,A)
【文献】特開2003-203127(JP,A)
【文献】特開2021-026695(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131825(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 10/40
G16Y 20/10
G16Y 20/20
G16Y 40/10
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
複数のエリアのそれぞれについて、
車両を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者の端末装置から、前記輸送サービスの需要として、当該輸送サービスを対応するエリア内で提供するために必要となる車両の車両タイプ、台数、又は輸送サービスの運行計画に関する情報を含む第1情報を取得すること、
前記第1情報に基づいて、前記事業者に貸し出す1台以上の車両を決定すること、
前記事業者に貸し出された前記1台以上の車両の状態を示す第2情報を取得すること、及び
前記複数のエリアについてそれぞれ取得された複数の第2情報に基づいて、車両の生産計画又は調達計画を決定すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両を用いた輸送サービスを提供するため技術が知られている。例えば特許文献1には、二次電池を搭載した自動運転可能な複数台の電動車両の運行計画を再構築する車両運行システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-013379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両を用いた輸送サービスを提供するための技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両を用いた輸送サービスを提供するための技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
複数のエリアのそれぞれについて、
車両を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者の端末装置から、前記輸送サービスの需要に関する第1情報を取得すること、
前記第1情報に基づいて、前記事業者に貸し出す1台以上の車両を決定すること、
前記事業者に貸し出された前記1台以上の車両の状態を示す第2情報を取得すること、及び
前記複数のエリアについてそれぞれ取得された複数の第2情報に基づいて、車両の生産計画又は調達計画を決定することを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、車両を用いた輸送サービスを提供するための技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理装置の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0010】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の端末装置10と、情報処理装置20と、複数の車両30と、を備える。本実施形態では、地理的に異なる複数のエリアのそれぞれについて、車両30を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者が存在する。輸送サービスは、旅客輸送サービス及び貨物輸送サービスを含んでもよい。旅客輸送サービスは、例えばカーシェアリングサービス、タクシー配車サービス、及びバス輸送サービス等であるが、これらに限られない。貨物輸送サービスは、例えばトラック輸送サービス等であるが、これに限られない。
【0011】
端末装置10は、事業者によって使用される任意の電子機器である。端末装置10は、輸送サービスを提供するための車両30の運行管理を行う。例えば、PC(Personal Computer)、サーバ、スマートフォン、若しくはタブレット端末等の汎用の電子機器、又は専用の電子機器が、端末装置10として採用可能である。本実施形態では例示的に、各事業者が1つの端末装置10を使用するものとして説明する。したがって、エリアの数、事業者の数、及び端末装置10の数は等しい。図1に示す例では、エリアA及びBの2つのエリアと、当該2つのエリアでそれぞれ輸送サービスを提供する2つの事業者と、当該2つの事業者がそれぞれ使用する2つの端末装置10と、が図示されている。
【0012】
情報処理装置20は、各車両30の管理者によって使用される任意の電子機器である。例えば、PC、サーバ、スマートフォン、若しくはタブレット端末等の汎用の電子機器、又は専用の電子機器が、情報処理装置20として採用可能である。情報処理装置20は、例えばインターネット等のネットワークを介して、各端末装置10及び各車両30と通信可能である。例えば情報処理装置20は、ネットワークを介して各車両30から車両情報を断続的に受信可能である。車両情報は、例えば車両30の故障の有無及び劣化度合い等、車両30の状態を示す任意の情報を含んでもよい。本実施形態において管理者は、車両30の生産者、又は生産者によって生産された車両30を調達して保有するレンタル事業者等であるが、これらに限られない。
【0013】
車両30は、例えばバス若しくはタクシー等の旅客車両、又はトラック等の貨物輸送車両であるが、これに限られず輸送サービスの提供に使用可能な任意の車両であってもよい。車両30は、運転者によって直接又は遠隔から運転可能であってもよい。車両30は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5等の自動運転が可能であってもよい。本実施形態において、車両30は管理者から各事業者に対して貸し出される。貸し出された車両30は、輸送サービスを提供するために事業者によって使用される。
【0014】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、車両30を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者の端末装置10から、当該輸送サービスの需要に関する第1情報を取得する。情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、第1情報に基づいて、事業者に貸し出す1台以上の車両30を決定する。情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、事業者に貸し出された1台以上の車両30の状態を示す第2情報を取得する。そして情報処理装置20は、複数のエリアについてそれぞれ取得された複数の第2情報に基づいて、車両30の生産計画又は調達計画を決定する。
【0015】
このように、本実施形態によれば、各エリアにおける輸送サービスの需要に基づいて、各エリアで輸送サービスを提供する事業者に管理者から車両30が貸し出され得る。そして、管理者が車両30の生産者である場合、貸出中の車両30の状態に基づいて、その後の車両30の生産計画が決定される。或いは、管理者が車両30のレンタル事業者である場合、貸出中の車両30の状態に基づいて、その後の車両30の調達計画が決定される。
【0016】
このため、例えば貸出中の車両30の劣化が進んだ場合、管理者にとっては、車両30を新たに生産し又は調達する計画が自動的に決定されることにより、貸出中の車両30と交換するための新たな車両30を事前に生産又は調達し得るというメリットがある。反対に、例えば貸出中の車両30の劣化が進んでいない場合、管理者にとっては、車両30の新たな生産又は調達を抑える計画が自動的に決定されることにより、不要な車両30を生産又は調達してしまう可能性が低減するというメリットがある。一方、事業者にとっては、自身が車両30を保有することなく、管理者から貸し出された車両30を使用して輸送サービスを提供でき、貸出中の車両30の状態を管理する必要がないというメリットがある。したがって、管理者及び事業者にとって上記のメリットが生じ得る点で、車両を用いた輸送サービスを提供するための技術が改善される。
【0017】
(情報処理装置の構成)
次に、情報処理装置20の構成について詳細に説明する。図1に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0018】
通信部21は、ネットワークに接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワークを介して、各端末装置10及び各車両30と通信する。
【0019】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワークから取得される情報で更新可能であってもよい。
【0020】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0021】
(情報処理装置の動作フロー)
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
【0022】
ステップS100:情報処理装置20の制御部23は、複数のエリアのそれぞれについて、車両30を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者の端末装置10から、当該輸送サービスの需要に関する第1情報を取得する。
【0023】
具体的には制御部23は、通信部21を介して各端末装置10から第1情報を受信する。第1情報は、対応するエリアにおける輸送サービスの需要に関する任意の情報を含む。例えば第1情報は、輸送サービスの需要として、当該輸送サービスを対応するエリア内で提供するために必要となる車両30の車両タイプ(例えば、乗用車、タクシー、マイクロバス、大型バス、又はトラック等)、台数、又は輸送サービスの運行計画(例えば、運行路線、運行頻度、及び時刻表等)等を示す情報を含み得るが、これらに限られない。第1情報は、例えばオペレータによって端末装置10に入力されてもよく、或いは端末装置10が輸送サービスの運行状況に基づいて自動的に決定されてもよい。
【0024】
ステップS101:制御部23は、複数のエリアのそれぞれについて、ステップS100で取得された第1情報に基づき、事業者に貸し出す1台以上の車両30を決定する。
【0025】
具体的には制御部23は、エリア毎に、事業者の端末装置10から取得した第1情報に基づいて当該事業者に貸し出す1台以上の車両30を決定する。事業者に貸し出す車両30の決定には、任意の手法が採用可能である。例えば制御部23は、第1情報に示される車両タイプ及び台数の車両30を事業者に貸し出すと決定してもよい。或いは制御部23は、第1情報に示される運行計画に基づいて、輸送サービスを提供するために必要な車両30の車両タイプ及び台数を決定し、決定された車両タイプ及び台数の車両30を事業者に貸し出すと決定してもよい。管理者は、決定された各車両30を事業者に貸し出す。事業者は、貸し出された各車両30を用いて輸送サービスを提供する。
【0026】
ステップS102:制御部23は、複数のエリアのそれぞれについて、事業者に貸し出された1台以上の車両30の状態を示す第2情報を取得する。
【0027】
具体的には制御部23は、エリア毎に、通信部21を介して各車両30から受信した車両情報を第2情報として取得する。上述したように車両情報は、例えば車両30の故障の有無及び劣化度合い等、車両30の状態を示す情報を含む。
【0028】
ステップS103:制御部23は、ステップS102で複数のエリアについてそれぞれ取得された複数の第2情報に基づいて、車両30の生産計画又は調達計画を決定する。
【0029】
具体的には制御部23は、エリア毎に、貸出中の車両30と交換するための新たな車両30を生産し又は調達するか否かを第2情報に基づいて決定する。例えば、車両30に故障があることが第2情報に示されている場合、又は車両30の劣化度合いが所定基準以上であることが第2情報に示されている場合、制御部23は、貸出中の当該車両30と交換するための新たな車両30を生産又は調達すると決定してもよい。管理者は、決定された生産計画又は調達計画に従って、新たな車両30を生産又は調達して、事業者に貸出中の車両30と交換する。事業者は、交換された車両30を用いて輸送サービスの提供を継続する。
【0030】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、車両30を用いて行う輸送サービスをエリア内で提供する事業者の端末装置10から、当該輸送サービスの需要に関する第1情報を取得する。情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、第1情報に基づいて、事業者に貸し出す1台以上の車両30を決定する。情報処理装置20は、複数のエリアのそれぞれについて、事業者に貸し出された1台以上の車両30の状態を示す第2情報を取得する。そして情報処理装置20は、複数のエリアについてそれぞれ取得された複数の第2情報に基づいて、車両30の生産計画又は調達計画を決定する。
【0031】
かかる構成によれば、各エリアにおける輸送サービスの需要に基づいて、各エリアで輸送サービスを提供する事業者に管理者から車両30が貸し出される。そして、管理者が車両30の生産者である場合、貸出中の車両30の状態に基づいて、その後の車両30の生産計画が決定される。或いは、管理者が車両30のレンタル事業者である場合、貸出中の車両30の状態に基づいて、その後の車両30の調達計画が決定される。
【0032】
このため、例えば貸出中の車両30の劣化が進んだ場合、管理者にとっては、車両30を新たに生産し又は調達する計画が自動的に決定されることにより、貸出中の車両30と交換するための新たな車両30を事前に生産又は調達し得るというメリットがある。反対に、例えば貸出中の車両30の劣化が進んでいない場合、管理者にとっては、車両30の新たな生産又は調達を抑える計画が自動的に決定されることにより、不要な車両30を生産又は調達してしまう可能性が低減するというメリットがある。一方、事業者にとっては、自身が車両30を保有することなく、管理者から貸し出された車両30を使用して輸送サービスを提供でき、貸出中の車両30の状態を管理する必要がないというメリットがある。したがって、管理者及び事業者にとって上記のメリットが生じ得る点で、車両を用いた輸送サービスを提供するための技術が改善される。
【0033】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0034】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0035】
また、上述した実施形態において、情報処理装置20の制御部23は、新たな車両30の生産計画又は調達計画に加えて、当該新たな車両30と交換する貸出中の車両30の整備計画を決定してもよい。管理者は、決定された整備計画に従って、新たな車両30との交換によって回収された車両30の整備を行ってもよい。或いは制御部23は、決定された整備計画を、例えば回収された車両30の整備業者が使用するコンピュータへ通信部21を介して送信してもよい。当該整備業者は、情報処理装置10から受信した整備計画に従って、回収された車両30の整備を行い、その後当該車両30を管理者に返却してもよい。
【0036】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 システム
10 端末装置
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 車両
図1
図2