IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水樹脂株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-柱状標示体 図1
  • 特許-柱状標示体 図2
  • 特許-柱状標示体 図3
  • 特許-柱状標示体 図4
  • 特許-柱状標示体 図5
  • 特許-柱状標示体 図6
  • 特許-柱状標示体 図7
  • 特許-柱状標示体 図8
  • 特許-柱状標示体 図9
  • 特許-柱状標示体 図10
  • 特許-柱状標示体 図11
  • 特許-柱状標示体 図12
  • 特許-柱状標示体 図13
  • 特許-柱状標示体 図14
  • 特許-柱状標示体 図15
  • 特許-柱状標示体 図16
  • 特許-柱状標示体 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】柱状標示体
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/608 20160101AFI20250107BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20250107BHJP
   E01F 9/627 20160101ALI20250107BHJP
   E01F 9/681 20160101ALI20250107BHJP
【FI】
E01F9/608
E01F13/02 Z
E01F9/627
E01F9/681
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021114725
(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公開番号】P2023011105
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2024-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】河俣 琴音
(72)【発明者】
【氏名】高木 一誠
(72)【発明者】
【氏名】高室 和俊
(72)【発明者】
【氏名】平野 和也
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-255273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/60~9/70
E01F 13/02
E04H 12/22
F16B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱体と、該柱体が上方から装着されて該柱体を立設支持するベースとを備え、
前記ベースは、前記柱体の突部が上方から挿入可能な第一凹部と、該第一凹部から周方向へ延びて前記突部が進入可能な第二凹部とが形成され、
前記突部が進入した第二凹部に接続する前記第一凹部には係合爪部を有する差込部材が差し込まれており、該差込部材は前記係合爪部が前記ベースの係合部に係合して取り付けられており、
前記ベースには、外側から前記係合爪部へ至る孔部が形成されていることを特徴とする柱状標示体。
【請求項2】
前記孔部の端部に前記係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の柱状標示体。
【請求項3】
前記係合爪部は、前記柱体の中央から外側へ向かう方向に沿って突出するように配置されており、
前記孔部は前記係合爪部の突出方向に対して傾斜状に穿設されていることを特徴とする請求項2に記載の柱状標示体。
【請求項4】
前記ベースは、平面視における外形が左右方向より前後方向の大きさを大きく設けた非円形形状に形成しており、前記孔部が前記ベースの左右方向に沿って穿設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の柱状標示体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車線のセンターライン標示や、車線誘導標示、交通規制誘導標示、あるいは、駐車場における車両停止位置標示等を目的として、道路や駐車場等の路面に設置される柱状標示体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
センターライン等に設置されるこの主の柱状標示柱は、車両が衝突することによって、破損や損傷することがある。このため、柱体とベースとをそれぞれ別体にて形成し、それらを分解可能に組み立てることによって、車両との衝突により破損した柱体や経年劣化した柱体を取り替えることができるようにしたものが用いられており、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両の接触などにより弾性的に曲がる可撓性を有する円筒状のポールと、該ポールが上方から装着されて該ポールを立設支持するために路面に設置されるベースとを備え、前記ポールの下端には径方向外方に突出する突部が設けられ、ベースはポールの下端部の外周面を支持する支持面を有し、該支持面にはポールの突部が上方から挿入される第一凹部と該第一凹部から周方向に伸びて前記突部が進入可能な第二凹部が形成されると共に、前記ポールの突部が前記第二凹部へ進入された前記ベースの第一凹部に、差込部材が差し込まれていることを特徴とする可撓式標示柱が、本出願人によって開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-255273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ポールの回転を阻止する差込部材をベースへねじ止めする構成が示されており、ポールの着脱の際にはこのねじを取り付ける作業や取り外す作業を行う必要があった。
【0006】
本発明は、柱体の着脱作業を容易に行うことができる柱状標示体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る柱状標示体は、柱体と、該柱体が上方から装着されて該柱体を立設支持するベースとを備え、前記ベースは、前記柱体の突部が上方から挿入可能な第一凹部と、該第一凹部から周方向へ延びて前記突部が進入可能な第二凹部とが形成され、前記突部が進入した第二凹部に接続する前記第一凹部には係合爪部を有する差込部材が差し込まれており、該差込部材は前記係合爪部が前記ベース部の係合部に係合して取り付けられており、前記ベースには、外側から前記係合爪部へ至る孔部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る柱状標示体によれば、柱体の突部をベースの第一凹部に上方から挿入させ、周方向へ延びる第二凹部へ進入させるので、前記突部が第二凹部に係止され、柱体の上方への移動が阻止される。また、前記突部を進入させた第二凹部に接続する前記ベースの第一凹部に差込部材を差し込むので、第二凹部に進入した前記突部の前記第一凹部への逆戻りが差込部材により阻止され、前記柱体が前記ベースから抜けることがなく安定的に取り付けることができる。
また、前記差込部材が係合爪部を有し、この前記係合爪部を前記ベース部の係合部に係合させて取り付けるので、差込部材の取り付け作業を容易に行うことができる。
また、前記係合爪部と係合部との係合を解除することで前記差込部材が取り外し可能となり、柱体をベースから取り外す作業を容易に行うことができる。
【0009】
また、外側から前記係合爪部へ至る孔部を前記ベースに形成し、この孔部の端部に前記係合部を設ければ、係合部と係合爪部との係合を解除する操作を前記孔部を通じて行うことができるので、柱体をベースから取り外す作業をより容易に行うことができ、好ましい。
【0010】
また、前記柱体の中央から外側へ向かう方向に沿って突出するように係合爪部を配置し、この前記係合爪部の突出方向に対し傾斜状に前記孔部を穿設させれば、孔部の内側に進入したごみなどの異物によって係合爪部が押圧されることによる係合爪部の係合の解除がなされにくくなり、差込部材をベースへ安定的に取り付けることができ、好ましい。
【0011】
また、前記ベースの平面視における外形を、左右方向より前後方向の大きさを大きく設けた非円形形状に形成すれば、より大きく形成したベースの前後方向を車両の進行方向へ向けて柱状標示体を設置させることで、車両が接触するなどして柱状標示体に前後方向への外力が加えられた場合に、前記ベースが設置面から離脱しにくくなされるので、好ましい。
また、前記孔部を前記ベースの左右方向に沿って穿設すれば、ベースの前後方向を車両の進行方向へ向けて柱状標示体を設置させることで、前記孔部の向きが車両の進行方向に対して垂直に配置される。このように孔部の向きを配置させることで、車両が接触するなどして柱状標示体に前後方向への外力が加えられた場合に、孔部の内側に進入したごみなどの異物が係合爪部へ向かって移動しにくくなされるので、異物によって係合爪部が押圧されることによる係合爪部の係合の解除がなされにくくなり、好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る柱状標示体によれば、柱体の着脱作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る柱状標示体の実施の一形態を示す図である。
図2図1のベース付近の正面図である。
図3図1のベース付近の側面図である。
図4図1の平面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図1の柱体をベースから取り外した状況を示す図である。
図7図6のベースを示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
図8図7のベースの斜視図である。
図9図6の柱体の下部を示す正面図である。
図10図9の斜視図である。
図11図9のA-A断面図である。
図12図6の差込部材を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は右側面図である。
図13図12のA-A断面図である。
図14図8のベースへ図10の柱体の下端を挿入させる前の状況を示す図である。
図15図14のベースへ柱体の下端を挿入させた状況を示す図である。
図16図15の柱体を回転操作した状況を示す図である。
図17図1の差込部材付近の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、Fは柱状標示体であり、1は柱体であり、2はベースであり、6は差込部材である。
本実施形態の柱状標示体Fは、柱体1をベース2の上方へ突出させるように立設させて形成させている。
前記柱体1は、ベース2の上方から着脱自在に取り付けている。
【0015】
柱体1は、円筒形の中空柱状体に形成された柱部11を備え、その開口する上端を塞ぐようにキャップ12が固定されている。
また、柱部11の外側面には照射された光を光源方向へ反射させる再帰反射性を有する反射シート14が貼着されている。反射シート14は柱部11の外側面に巻回されて貼着されており、図1に示すように柱部11には3枚の反射シート14が上下に間隔をあけて配置されている。
【0016】
柱体1は、車両の接触などにより弾性的に曲がり、その後元の状態へ復元する可撓性を有するように、柱部11を熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成しているが、これに限るものではなく、軟質ポリオレフィン、エラストマーなどを好適に用いることができる。
また、キャップ12も柱部11と同じ熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成されており、柱部11へ融着や接着などの方法によって固定されている。
【0017】
図2図1のベース2付近の正面図であり、図3図1のベース2付近の側面図であり、図4図1の平面図である。
ベース2は、平面視の形状において全体を曲面で構成した矩形状に設けており、前後方向の大きさを左右方向よりも大きな外形形状に形成している。
ベース2の中央には前記柱体1を取り付ける取付部20を設けており、扁平な略円錐台形状に形成した取付部20の外側壁には帯状の反射部材Rを巻回させて取り付けている。
【0018】
図5図4のA-A断面図であり、図6図1の柱体1をベース2から取り外した状況を示す図である。
柱体1の下端には台部4を設けている。
具体的には、台部4は、前記柱部11と別体の略円筒形状に形成して柱部11の下端に固定している。
詳細には、円筒形状に形成した柱部11の下端を、台部4の上面に同心円状に形成した環状溝41へ挿入し、融着させて固定している。
また、柱体1の中空内には、柱体1の内径より小さい外径の円筒形状に形成させた補強筒13を内装して、前記台部4に固定させている。補強筒13は、その下端を台部4の上面の環状溝41の内側に同心円状に形成した環状溝42に挿入し、融着させて固定している。
【0019】
ベース2の取付部20の内側には、柱体1の下端の台部4に対応する形状に窪む支持凹部21を設けており、支持凹部21は台部4を出入り自在に挿入可能に形成させている。
支持凹部21の内周面は、挿入させた台部4の外周面43を支持可能な支持面23に形成させており、ベース2の支持凹部21に台部4を挿入させた柱体1は、ベース2の支持面23にその下端を支持されて立設される。
また、柱体1とベース2とは、差込部材6を用いて固定させるように設けている。
【0020】
図7図6のベース2を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、図8図7のベース2の斜視図であり、図9図6の柱体1の下部を示す正面図であり、図10図9の斜視図であり、図11図9のA-A断面図であり、図14図8のベース2へ図10の柱体1の下端を挿入させる前の状況を示す図である。
図9~11に示すように、柱体1下端の台部4の外周面43には、径の外側方向へ突出する矩形形状の突部45を、台部4の下端に形成している。
前記台部4には、周方向へ等間隔に4個の突部45を形成しており、各突部45はそれぞれ同じ形状に形成している。
【0021】
また、台部4の外周面43には、径の外側方向へ突出する板形状の蓋部44を、台部4の上端に1個形成している。
前記蓋部44は、その下面を全体に亘り平面に形成させて、前記台部4の周方向に沿って全周に亘り傘状に形成させており、外側方向への突出の大きさを前記突部45より大きく形成している。
【0022】
また、傘状に形成させた前記蓋部44には、切欠部46を1個形成している。
前記切欠部46は、蓋部44の突出部分を縁側から矩形形状に切り欠いたような形状に形成させており、前記突部45の形成位置から周方向にずれた位置に形成させている。具体的には、平面視において、前記突部45より周方向における左回り方向へずれた位置に前記切欠部46を形成させており、前記切欠部46の右回り方向側の側端46aが、前記突部45の左回り方向側の側端45aの真上に位置するように形成させている。
【0023】
図7、8に示すように、ベース2の前記取付部20の上面24は全面を平面に形成させており、この上面24の中央に前記支持凹部21を形成させている。
前記支持凹部21の支持面23には、前記上面24から下方へ向けて上下方向の溝形状に形成させた第一凹部25を設けており、この第一凹部25は支持面23の周方向へそれぞれ等間隔に4個形成させている。
前記各第一凹部25は、その溝幅の大きさを前記柱体1の台部4の突部45の横方向の大きさに対応して形成させ、その溝の窪みの大きさを、前記突部45の突出の大きさに対応して形成させている。
換言すると、各第一凹部25はその内側に前記各突部45を挿入させて上下方向に出入可能な大きさに設けており、前記柱体1の台部4を支持凹部21へ挿入させたときに、台部4の下端に形成された各突部45が前記各第一凹部25内を通るように設けている。各第一凹部25はそれぞれ同じ形状に形成させており、前記4個の各突部45のいずれをも挿入可能に形成している。
【0024】
前記各第一凹部25の下端側には、そこから周方向に伸びる溝形状の第二凹部26をそれぞれ形成させている。
各第二凹部26は、平面視において各第一凹部25から右周り方向へ伸びるように形成させている。
前記各第一凹部25と第二凹部26は、図8図14に示すように上下方向に伸びる第一凹部25と、周方向へ伸びる第二凹部26とを組み合わせて略L字形状の溝部を支持面23に形成させるように設けている。
前記各第二凹部26は、その溝の窪みの大きさを前記各突部45の突出の大きさと同じ、即ち前記各第一凹部25と同じ大きさに形成させ、上下方向の溝幅の大きさを前記各突部45の上下方向の大きさに対応して形成させ、その横方向の溝の大きさを前記各突部45の横方向の大きさに対応して形成させている。
即ち、前記柱体1の台部4を支持凹部21へ挿入させた後、柱体1を平面視右回り方向へ回転させたときに、前記各突部45が前記各第一凹部25内から各第二凹部26内へ進入して収納されるように、前記各第二凹部26を形成している。
【0025】
前記ベース2の取付部20には、上下方向の溝形状に形成させた前記第一凹部25の底面25aから外側へ至るように貫通する円形の孔部27を形成している。
孔部27は、各第一凹部25の底面25aにそれぞれ1個ずつ形成しており、取付部20に合計4個設けている。
また、各孔部27は、図7(イ)に示すように、平面視における外形において前後方向よりも小さく設けたベース2の左右方向に沿うように、その向きを配置させて穿設している。
各孔部27は、一方の開口部分が接続する前記第一凹部25の窪む方向に対して、その向きを傾斜状に配置して設けている。
具体的には、各孔部27は、支持凹部21の中心へ向かう方向に対して傾斜状に穿設しており、支持面23から径方向外側へ向かって窪むように形成した前記各第一凹部25に対して傾斜状に配置される。
【0026】
図15図14のベース2へ柱体1の下端を挿入させた状況を示す図であり、図16図15の柱体1を回転操作した状況を示す図である。
図15に示すように、各突部45を各第一凹部25へそれぞれ挿入させて、前記柱体1の台部4を支持凹部21へ差し込んだ後、図16に示すように柱体1を平面視の右回り方向へ回転させれば、各突部45は各第二凹部26内へ進入する。
詳細には、前記第二凹部26の横方向の大きさは、前記突部45の横方向の大きさに対応して形成されているので、前記各突部45がその横方向の大きさ分だけ移動するように柱体1を回転させれば、前記各突部45はそれぞれ第二凹部26内に進入してその内側に収納される。
このように各突部45をそれぞれ第二凹部26内に収納させることで、台部4が支持凹部21から上方向へ抜けることがなくなり、柱体1がベース2へ取り付けられる。
また逆に、図16の柱体1を平面視の左回り方向へ回転させれば、各突部45が逆戻ってそれぞれ第一凹部25へ進入するので、柱体1を上方向へ引き抜き、ベース2から取り外すことができる。
【0027】
また、図15に示すように、各突部45を各第一凹部25へそれぞれ挿入させて前記柱体1の台部4を支持凹部21へ差し込んだとき、台部4の蓋部44の下面がベース2の取付部20の上面24に当接し、前記蓋部44が前記ベース2の各第一凹部25の開口を塞ぐようにベース2と柱体1とを形成させている。
柱状標示体Fの使用過程で、前記開口から第一凹部25へ砂やごみなどが侵入すると、これらによって第一凹部25や台部4の外周面43などが損傷したり、ベース2から柱体1を取り外す際の障害となる恐れがあるが、蓋部44が各第一凹部25の開口を塞ぐことで、これらの問題の発生を抑制させている。
また、前記蓋部44は、前記切欠部46の形成位置を除く前記台部4の全周に亘って形成させているので、前記ベース2の支持面23と柱体1の台部4の外周面43との隙間を上方向へ開口させず、この隙間への砂やごみなどの侵入を抑制させている。
また、ベース2の前記上面24と、蓋部44の下面とは、それぞれ全体に亘って平面に形成させているので、ベース2へ挿入させた柱体1を回転させるとき、蓋部44とベース2の上面24との接触が障害となるような不具合が生じない。
【0028】
図16に示すように柱体1を回転操作し、各突部45をベース2の各第二凹部26へ収納させたとき、前記柱体1の蓋部44に形成した切欠部46が前記ベース2の第一凹部25の上方に配置される。
そして、前記切欠部46は、横方向の大きさを前記突部45と同じに形成しているので、前記突部45に対応する横幅と窪みの大きさに形成させた第一凹部25が、真上に位置する切欠部46を通じて上方へ開口する。
【0029】
図12図6の差込部材6を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は右側面図であり、図13図12のA-A断面図である。
差込部材6は、上下に長い略長方形状に形成させたピン本体61と、このピン本体61の前面61aの上端から前方へ突出する板形状の係止突部62を形成させている。
尚、係止突部62の横幅の大きさは、ピン本体61の横幅の大きさと同じ大きさに形成している。
【0030】
差込部材6のピン本体61の中央付近には、前面61aから後面61bへ至る略矩形状の穴部66の内側に配置するように係合爪部67を形成している。係合爪部67は、ピン本体61よりも厚みを小さく設けた略矩形板状の基部67aを備えており、基部67aの下端をピン本体61へ接続させ、基部67aの上部に前方へ突出する爪状部67bを形成している。
係合爪部67は、図12に示すように、基部67aが前方へ向けて折り曲げられたような略くの字形状に爪状部67bを形成しており、図13に示すように、爪状部67bがピン本体61の前面61aから前方側へ突出するように形成している。
前記係合爪部67は、爪状部67bへ前方側から力を加えたときに、基部67aが撓むように変形して爪状部67bを含む係合爪部67の全体が前記穴部66の内側に収納され、前方側からの力が除かれたときにもとの状態に復元する弾性的な変形をするように設けている。
【0031】
ピン本体61は、上下方向の大きさと、横幅の大きさと、厚みの大きさとを、それぞれベース2の第一凹部25の上下方向の溝の大きさ、溝幅の大きさ、溝の窪みの大きさに対応して形成させており、ピン本体61の前面61aを前記第一凹部25の溝の底面25aに対応した曲面形状に形成させている。
即ち、前記ピン本体61は、第一凹部25の内部に収納可能な大きさに形成させている。
また、ピン本体61の後面61bは、ベース2の支持面23に対応する曲面形状に形成させており、ピン本体61を第一凹部25内に収納させたときに、ピン本体61の後面61bが円形に窪む支持凹部21内へ突出しないように設けている。
また、前記第一凹部25は、その下部が支持凹部21の底面を貫通してベース2の下方外側へ至る貫通孔状に形成しており、ピン本体61を第一凹部25内に収納させたときに、ピン本体61の下端が前記第一凹部25の下部の孔状部分に挿入されるように設けている。
【0032】
図16に示すように、切欠部46の真下に位置して上方に開口する前記第一凹部25の内側へ上方から前記差込部材6を差し込み取り付けることで、図1に示す柱状標示体1が構成される。
前記第一凹部25内に差込部材6を取り付けることで、前記突部45がこの差込部材6に係止されて、前記突部45が前記第一凹部25へ逆戻るような柱体1の回転が規制され、ベース2へ柱体1が安定的に取り付けられる。
また、第一凹部25内の内部に収納された差込部材6によって、切欠部46の真下に位置する前記第一凹部25の開口が塞がれるので、この第一凹部25内への砂やゴミなどの侵入が防止できる。
そして、差込部材6を第一凹部25から取り外せば、柱体1を逆方向へ回転させることができる状態となり、各突部45をそれぞれ第二凹部26から第一凹部25へ進入させて、柱体1をベース2から取り外すことができる。
【0033】
第一凹部25へ差し込まれた差込部材6は、前記係合爪部67をベース2へ係合させて取り付けられる。
図17図1の差込部材6付近の縦断面図である。
差込部材6は、第一凹部25へ挿入させたときに、突出する係止突部62の下面をベース2の上面24に当接させて取り付けるように形成している。
また、前記差込部材6は、係合爪部67の爪状部67bの突出部分を、第一凹部25の底面25aに開口する前記孔部27の内側に挿入させて係合している。即ち、前記孔部27は、その内側の端が前記係合爪部67を係合させる係合部として機能する。
このように係合爪部67を係合させて差込部材6をベース2へ取り付けることで、柱状標示体Fの使用中に差込部材6がベース2から抜け落ちるような問題が生じにくくなされる。
また、差込部材6を第一凹部25へ差し込むことで、前記爪状部67bが孔部27へ係合するので、差込部材6の取り付け作業が容易となる。
ベース2に取り付けた差込部材6を取り外す際には、外側から孔部27の内側へ棒状体を挿入し、この棒状体の先端で爪状部67bの突出部分を押圧することで、爪状部67bと孔部27との係合が容易に解除され、差込部材6を上方へ抜き取ることができる。
【0034】
図1図17に示す差込部材6は、前記第一凹部25へ嵌合するようにその内側に収納させており、差込部材6の係合爪部67は第一凹部25の窪む方向へ前記爪状部67bを突出させるように配置される。換言すると、前記爪状部67bの突出方向は、前記第一凹部の窪む方向に対して傾斜状に形成された前記孔部27の向きに対して傾斜状に配置される。このように孔部27を形成することで、車両接触などによって柱状標示体Fに外力が加えられ、孔部27の内側に進入したごみなどの異物が孔部27に沿って移動し爪状部67bに接触したときに、爪状部67bの突出する方向に対し傾斜する方向へ力が加えられるような状態となり、異物の接触による係合爪部の係合の解除がなされにくくなる。上記の構成により、差込部材をベースへ安定的に取り付けることができる。
【0035】
前記柱状標示体Fは、柱体1が可撓性を有するように設けており、柱体1へ車両などが接触する状況を想定している。このため、柱状標示体Fを道路付近に設置する場合、左右方向の大きさより大きく形成したベース2の前後方向を車両の進行方向に沿って配置することで、車両接触などによって柱状標示体Fに前後方向へ向かう外力が加えられたときに、前記ベース2が路面などの設置面から離脱しにくくなされる。
また、上記のようにベース2の前後方向を車両の進行方向に沿って柱状標示体Fを配置することで、左右方向に沿って形成した前記各孔部27の向きが前記車両の進行方向に対して垂直に配置される。このように各孔部27を配置することで、車両が接触するなどして車両の進行方向である前後方向への外力が柱状標示体に加えられたときに、孔部27の内側に進入したごみなどの異物が左右方向に配置されている係合爪部67へ向かって移動しにくくなされるので、異物によって係合爪部27が押圧されることによる係合の解除がなされにくくなる。即ち、車両の接触などを要因とする差込部材6のベース2から脱離が抑制され、柱体1のベース2への取り付けがより安定する。
【0036】
尚、本発明に係る柱状標示体Fは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明に係る柱状標示体Fは、柱体1の柱部11を円筒形状に形成しているが、これに限るものではない。柱体1の一部を扁平状に設けてその表面の表示をより視認しやすいように設けてもよく、柱体1へ着脱可能に取り付けるビーム状部材によって、間隔をあけて立設させた複数の柱状標示体Fを連結させてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 柱体
11 柱部
12 キャップ
13 補強筒
14 反射シート
2 ベース
20 取付部
21 支持凹部
23 支持面
24 上面
25 第一凹部
26 第二凹部
27 孔部
4 台部
41 環状溝
42 環状溝
43 外周面
44 蓋部
45 突部
46 切欠部
6 差込部材
61 ピン本体
62 係止突部
66 孔部
67 係合爪部
67a 基部
67b 爪状部
F 柱状標示体
R 反射部材


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17