(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】無線LAN端末、無線LAN端末の制御方法および無線LAN端末の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/20 20090101AFI20250107BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20250107BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20250107BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250107BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20250107BHJP
【FI】
H04W48/20
H04W48/16 132
H04W76/10
H04W84/12
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2021157782
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】岩永 雄二
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-031368(JP,A)
【文献】特開2012-199921(JP,A)
【文献】特開2010-004458(JP,A)
【文献】特開2020-043514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のWAPのうちで自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線端末との接続に関する第1の接続情報を前記別の無線LAN端末から受信する接続情報受信手段と、
前記複数のWAPのうちの1つと接続し通信を行う通信手段と
、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がなかった場合に、前記通信手段が接続可能なWAPを探索するWAPスキャンを行うWAPスキャン手段と、
前記WAPスキャンの結果と前記第1の接続情報とに基づいて前記通信手段が接続するWAPを選択するWAP選択手段と、を有し、
前記WAP選択手段が、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がある場合に、通信の安定しているWAPを、前記通信手段が接続するWAPとして選択し、
前記第1の接続情報は、前記別の無線LAN端末が接続中のWAPから受信している電波の受信電波強度と前記別の無線LAN端末と接続中のWAPとの接続時間との少なくともいずれかを含み、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報があるか否かは、前記第1の接続情報に含まれる前記受信電波強度および前記接続時間の少なくともいずれかに基づく、
ことを特徴とする無線LAN端末。
【請求項2】
前記第1の接続情報が、前
記受信電波強度を含み、
前記WAP選択手段が、前記受信電波強度に基づいて前記通信手段が接続するWAPを選択する、
請求項1に記載の無線LAN端末。
【請求項3】
前記第1の接続情報が、前
記接続時間を含み、
前記WAP選択手段が、前記接続時間に基づいて前記通信手段が接続するWAPを選択する、
請求項1または2に記載の無線LAN端末。
【請求項4】
前記通信手段が接続中のWAPとの通信品質を監視する通信品質監視手段を有し、
前記WAP選択手段は、
前記通信品質が所定の閾値を下回った場合に、前記WAP選択手段が接続するWAPの再選択を行う
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線LAN端末。
【請求項5】
前記通信手段が接続しているWAPとの接続に関する第2の接続情報を自端末の周辺の前記別の無線LAN端末に向けて送信する接続情報送信手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線LAN端末。
【請求項6】
自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで前記別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信し、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がある場合に、通信の安定しているWAPを、自端末の通信手段が接続するWAPとして選択し、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がなかった場合に、前記通信手段が接続可能なWAPを探索するWAPスキャンを行い
、
前記WAPスキャンの結果と前記第1の接続情報とに基づいて前記通信手段が接続するWAPを選択
し、
前記第1の接続情報は、前記別の無線LAN端末が接続中のWAPから受信している電波の受信電波強度と前記別の無線LAN端末と接続中のWAPとの接続時間との少なくともいずれかを含み、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報があるか否かは、前記第1の接続情報に含まれる前記受信電波強度および前記接続時間の少なくともいずれかに基づく、
ことを特徴とする無線LAN端末の制御方法。
【請求項7】
自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで前記別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信する処理と、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がある場合に、通信の安定しているWAPを、自端末の通信手段が接続するWAPとして選択する処理と、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報がなかった場合に、前記通信手段が接続可能なWAPを探索するWAPスキャンを行
う処理と、
を無線LAN端末に実行させ
、
前記WAPスキャンの結果と前記第1の接続情報とに基づいて前記通信手段が接続するWAPが選択され、
前記第1の接続情報は、前記別の無線LAN端末が接続中のWAPから受信している電波の受信電波強度と前記別の無線LAN端末と接続中のWAPとの接続時間との少なくともいずれかを含み、
前記第1の接続情報の中に、通信の安定しているWAPについての第1の接続情報があるか否かは、前記第1の接続情報に含まれる前記受信電波強度および前記接続時間の少なくともいずれかに基づく、
ことを特徴とする無線LAN端末の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN端末等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのスマートフォンやノートパソコン等の端末は、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)通信機能を備えている。以降の説明では、このような端末を無線LAN端末と称することとする。無線LAN端末は、無線アクセスポイント(WAP: Wireless Access Point)に接続し、WAPを介してインターネットに接続することができる。
【0003】
WAPが複数ある場合、無線LAN端末は、通信品質を監視し、通信品質の良いWAPを選択することができる。通信品質は、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator、受信電波強度)や通信におけるエラーレートの測定によって評価することができる。そして、多くの無線LAN端末には、接続可能なWAPを探すスキャン機能が搭載されている。このような無線LAN端末は、通信品質が所定のレベルより悪くなると、スキャンを行う。無線LAN端末は、より通信品質の高いWAPが見つけた場合、当該WAPに接続を切り替えるローミング処理を行うことができる。ここで、ローミング処理とは、接続先を1つのWAPから別のWAPに切り替える処理を指すものとする。ローミングという用語は、契約している通信事業者のサービス提供範囲外で別の通信事業者のサービスを受けることを指す場合もあるが、ここでは、単にWAPを切り替える処理も含むものとする。
【0004】
無線LANでは、一般に、複数のWAPに同じESSID(Extended Service Set Identifier)が設定される。そして、無線LAN端末は、同じESSIDを持つWAPを自動的に切り替えるローミング機能を備え得る。
【0005】
上記のようなローミング機能を備えた無線LAN端末と制御方法の例が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の技術では、無線LAN端末が、PING(Packet INternet Groper)をWAPに送信して、上位装置との通信が可能なWAPを検出し、検出されたWAPの中から最も電波の強いWAPに接続先を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
無線LAN通信は電波強度の強さに比例して接続が安定した通信が可能となるため、特許文献1に記載された方法のように、無線LAN端末が最も電波の強いWAPを選択して接続することにより、より接続が安定した通信を行うことができる。ところが、1つのWAPの周辺に他のWAPが存在しており使用するチャンネルが2つのWAPの間で重複している場合、2つのWAPの電波が干渉する。2つのWAPに電波の干渉が生じると、無線LAN端末とWAPとの接続が不安定となる。このため、無線LAN端末が最も受信電波の強いWAPを選択することが、接続が最も安定したWAPを選択することにならない場合があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる無線LAN端末等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の無線LAN端末は、複数のWAPのうちで自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線端末との接続に関する第1の接続情報を前記別の無線LAN端末から受信する接続情報受信手段と、前記複数のWAPのうちの1つと接続し通信を行う通信手段と、前記第1の接続情報に基づいて前記通信手段が接続するWAPを選択するWAP選択手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の無線LAN端末の制御方法は、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで前記別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信し、前記第1の接続情報に基づいて自端末の通信手段が接続するWAPを選択する。
【0011】
また、本発明の無線LAN端末の制御プログラムは、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで前記別の無線LAN端末が接続しているWAPと前記別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信する処理と、前記第1の接続情報に基づいて自端末の通信手段が接続するWAPを選択する処理と、を無線LAN端末に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果は、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる無線LAN端末等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態の無線LAN端末の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の無線LANシステムの一例を示す模式図である。
【
図3】第1の実施形態の無線LAN端末の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態の第1の接続情報の一例を示す表である。
【
図5】第2の実施形態の無線LAN端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態の無線LAN端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の無線LAN端末100の構成を示すブロック図である。
図2は、第1の実施形態の無線LANシステム1000の一例を示す模式図である。
図3は第1の実施形態の無線LAN端末100の動作を示すフローチャートである。また
図4は、第1の実施形態の第1の接続情報の一例を示す表である。
【0016】
図1に示すように、無線LAN端末100は、通信手段110と、通信品質監視手段120と、接続情報受信手段130と、接続情報送信手段140と、WAPスキャン手段150と、WAP選択手段160とを有している。無線LAN端末100のハードウェアとしては、例えば、無線通信装置と、プロセッサとメモリを有するマイクロコンピュータと、入出力インターフェイスと、筐体とを採用することができる。
【0017】
通信手段110は、複数のWAPのうちの1つと接続し通信を行う。この無線通信は、例えば、WiFi(登録商標)の規格に準拠して行われる。
【0018】
通信品質監視手段120は、WAPとの無線通信の通信品質を監視する。通信品質の指標には、例えば、RSSI(受信電波強度)やエラー率が含まれるようにすることができる。
【0019】
接続情報受信手段130は、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで別の無線LAN端末が接続しているWAPと別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信する。第1の接続情報は、周辺に存在する別の無線LAN端末が接続しているWAPとの接続に関する。第1の接続情報の受信は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線を用いて行われる。
【0020】
接続情報送信手段140は、ビーコン送信機能を有し、周辺に存在する別の無線LAN端末に向けて、通信手段110が接続しているWAPとの通信に関する第2の接続情報を送信する。第2の接続情報の送信は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線を用いて行うことができる。
【0021】
なお、それぞれの無線LAN端末100の情報が特定されることを防ぐために、上記の第1の接続情報および第2の接続情報に無線LAN端末の情報が含まれないようにしても良い。
【0022】
WAPスキャン手段150は、接続可能なWAPを探索するWAPスキャンを行う。
【0023】
WAP選択手段160は、接続情報受信手段130が受信した第1の接続情報に基づいて、無線LAN端末100の通信手段110が接続するWAPを選択する。
【0024】
図2は、第1の実施形態の無線LANシステムの一例を示す模式図である。
図2では、無線LAN端末100の一例である複数の無線LAN端末101、無線LAN端末102と、3台のWAP、WAP1_201、WAP2_202、WAP3_203を含む無線LANシステム1000を示している。WAP1_201とWAP2_202は例えば場所を固定されたWAPであり、WAP3_203は移動可能なWAPである。ここで、無線LAN端末101はWAP1_201に接続し、無線LAN端末102はWAP2_202に接続しているものとする。そして、WAP3_203はWAP2_202と同じチャネルを用いており、WAP2_202に接近中であるとする。この場合、WAP3_203の接近によって、WAP2_202の使用しているチャネルが電波干渉を受けて通信が不安定になる。
【0025】
また、無線LAN端末101、102は、例えばBluetooth(登録商標)を用いて、通信手段110とWAPとの接続に関する第2の接続情報を周辺の無線LAN端末100に向けて送信する。また、それぞれの無線LAN端末100は、周辺に存在する別の無線LAN端末100から、それぞれの無線LAN端末100とWAPとの接続に関する第1の接続情報を受信する。つまり、無線LAN端末101と102は、第1の接続情報と第2の接続情報を互いに送受信しあっている。
【0026】
図2のケースでは、WAP3_203からの電波干渉によって無線LAN端末102とWAP2_202との通信が不安定になっている。このことは、無線LAN端末102の通信品質監視手段によって、通信品質の低下として検出される。すると、無線LAN端末102のWAP選択手段160は、無線LAN端末101から受信した第1の接続情報に基づいて、WAP1_201の通信が安定していると判定する。そして、無線LAN端末102のWAP選択手段160は、通信が不安定なWAP2_202から、通信が安定しているWAP1_201に接続先を切り替えるローミング処理を行う。
【0027】
次に、以上の具体例で示した動作について説明する。
図3は第1の実施形態の無線LAN端末の動作を示すフローチャートである。まず、通信品質監視手段120がWAPとの通信における通信品質を監視する(S101)。ここで、通信品質に問題が無ければ(S102_No)、無線LAN端末100は、ローミングを行わずにこの動作を終了する。一方、通信品質に問題があった場合は(S102_Yes)、無線LAN端末100は、周辺の無線LAN端末から受信した第1の接続情報を参照する(S103)。そして、無線LAN端末100は、第1の接続情報の中に通信の安定しているWAPがあるか判定する(S104)。ここで、通信の安定しているWAPが見つかった場合は(S104_Yes)、無線LAN端末100は、当該WAPに接続先を切り替えるローミング処理を行う(S105)。該当するWAPが複数あった場合は、例えば、通信品質を比較して、より通信品質の高いWAPを選択することができる。一方、第1の接続情報の中に通信の安定しているWAPが無かった場合には(S104_No)、無線LAN端末100は、WAPスキャン手段150を用いて、接続可能なWAPを探索するスキャンを行う(S106)。そしてWAP選択手段160は、例えば、一番電波の強いWAPを選択する(S107)。ここで、前述の通り、電波の強いWAPの通信が安定しているとは限らないことからAに示すルートでS101に戻り、通信品質の監視を行う。
【0028】
図4は、第1の実施形態の第1の接続情報の一例を示す表である。
図4の表に示すように第1の接続情報には、WAP_No、各WAPを識別するBSSID(MACアドレス)、送信元の無線LAN端末との接続における電波強度と接続の継続時間が保持される。ここで、BSSIDは、Basic Service Set Identifierの略、MACはMedia Access Controlの略である。また、BSSIDには、WAPのMACMedia Access Controlアドレスがそのまま用いられるのが一般的である。WAP選択手段160は、第1の接続情報において接続が安定しているWAPを選択する。ここで、接続の安定しているWAPが複数ある場合は、WAP選択手段160は、例えば電波強度大きいWAP(
図4ではWAP3)を選択することができる。あるいは、WAP選択手段160は、接続時間が長い方を選択することも可能である。また、WAP選択手段160は、これらの指標を点数化して、その合計値で判定を行っても良い。
【0029】
以上、第1の実施形態の無線LAN端末等について説明した。
【0030】
本発明の第1の実施形態における無線LAN端末100は、通信手段110と、接続情報受信手段130と、WAP選択手段160とを有している。接続情報受信手段130は、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで別の無線LAN端末が接続しているとWAPと別の無線端末との接続に関する第1の接続情報を受信する。通信手段110は、複数のWAPのうちの1つと接続し通信を行う。WAP選択手段160は、第1の接続情報に基づいて、複数のWAPの中から通信手段110が接続するWAPを選択する。この構成では、WAP選択手段160が、第1の接続情報の複数のWAPの中から、別の無線LAN端末との接続が安定しているWAPを選択するため、無線LAN端末100は、通信が切断されにくいWAPを選択することができる。
【0031】
また、一態様では、第1の接続情報が、別の無線LAN端末が接続中のWAPから受信している電波の受信電波強度を含む。そしてWAP選択手段160が、この受信電波強度に基づいて通信手段110が接続するWAPを選択することができる。この構成により、無線LAN端末100は、受信電波強度が大きく接続が安定しているWAPを選択することができる。
【0032】
また一態様では、第1の接続情報が、別の無線LAN端末と接続中のWAPとの接続時間を含み、WAP選択手段160が、接続時間に基づいて通信手段110が接続するWAPを選択することができる。この構成により、通信が長時間にわたり安定しているWAPを選択することができる。
【0033】
また一態様では、無線LAN端末100の通信手段110が、接続中のWAPとの通信品質を監視する通信品質監視手段を有する。そして、WAP選択手段160は、通信品質が所定の閾値を下回った場合に、WAP選択手段160が接続するWAPの再選択を行う構成とすることができる。この構成とすることにより、現在接続中のWAPとの通信が不安定になった場合に、通信の安定しているWAPを選択し、安定した通信を行うことができる。
【0034】
また一態様では、無線LAN端末100の通信手段110が接続可能なWAPを探索するWAPスキャンを行うWAPスキャン手段150を有する。そしてWAP選択手段160が、WAPスキャンの結果と第1の接続情報とに基づいて通信手段110が接続するWAPの選択をする。このような構成とすることにより、第1の接続情報に示されたWAPと、WAPスキャンで見つかったWAPの両方の中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる。
【0035】
また一態様では、無線LAN端末100が、通信手段110が接続しているWAPとの接続に関する第2の接続情報を、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末に向けて送信する接続情報送信手段140を有する。この構成により、通信手段110が接続しているWAPとの通信に関する第2の接続情報を周辺の無線LAN端末に向けて送信することができる。
【0036】
また本発明の第1の実施形態における無線LAN端末100の制御方法は、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで別の無線LAN端末が接続しているWAPと別の無線LAN端末との接続に関する第1の接続情報を受信する。そして、受信した第1の接続情報に基づいて自端末の通信手段110が接続するWAPを選択する。この構成では、WAP選択手段160が、第1の接続情報の複数のWAPの中から、別の無線LAN端末との接続が安定しているWAPを選択する。このため、無線LAN端末の制御方法は、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる。
【0037】
また本発明の第1の実施形態における無線LAN端末100の制御プログラムは、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、別の無線LAN端末とWAPとの接続に関する第1の接続情報を受信する処理を無線LAN端末100に実行させる。ここで、第1の接続情報は、複数のWAPのうちで別の無線LAN端末が接続しているWAPと別の無線LAN端末との接続に関する情報である。そして、第1の接続情報に基づいて自端末の通信手段110が接続するWAPを選択する処理を無線LAN端末100に実行させることができる。この構成では、WAP選択手段160が、第1の接続情報の複数のWAPの中から、別の無線LAN端末との接続が安定しているWAPを選択する。このため、無線LAN端末の制御プログラムは、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択する処理を無線LAN端末100に実行させることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の無線LAN端末10の構成について説明する。
図5は、第2の実施形態の無線LAN端末10の構成を示すブロック図である。また、
図6は、第2の実施形態の無線LAN端末10の動作を示すフローチャートである。無線LAN端末10は、接続情報受信手段1と、通信手段2と、WAP選択手段3とを有する。第1の実施形態の無線LAN端末100は、本実施の形態の無線LAN端末10の一具体例である。また第1の実施形態の接続情報受信手段130、通信手段110、WAP選択手段160の各々は、本実施の形態の接続情報受信手段1、通信手段2、WAP選択手段3の一具体例である。
【0039】
接続情報受信手段1、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、複数のWAPのうちで別の無線LAN端末が接続しているとWAPと別の無線端末との接続に関する第1の接続情報を受信する。
【0040】
通信手段2は、複数のWAPのうちの1つと接続し通信を行う。
【0041】
WAP選択手段3は、受信した第1の接続情報に基づいて通信手段2が接続するWAPを選択する。この際、WAP選択手段3は、第1の接続情報において、送信元の別の無線LAN端末との接続が安定しているWAPを選択する。この構成では、WAP選択手段3が、第1の接続情報の複数のWAPの中から、別の無線LAN端末との接続が安定しているWAPを選択する。このため、無線LAN端末10は、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる。
【0042】
次に、第2の実施形態の無線LAN端末10の動作について説明する。
図6は、無線LAN端末10の動作を示すフローチャートである。まず、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、別の無線LAN端末とWAPとの接続に関する第1の接続情報を受信する(S201)。次に、受信した第1の接続情報に基づいて、複数のWAPの中から通信手段2が接続するWAPを選択する(S202)。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の無線LAN端末10では、自端末の周辺に存在する別の無線LAN端末から、第1の接続情報を受信するので、当該無線LAN端末が安定した接続を行っているWAPを把握することができる。そして、WAP選択手段3が、別の端末との通信が安定しているWAPを選択するため、無線LAN端末10は、接続が可能な複数のWAPの中から、通信が切断されにくいWAPを選択することができる。
【0044】
上述した第1乃至第2の実施形態の処理を、コンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0045】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1、130 接続情報受信手段
2、110 通信手段
3、160 WAP選択手段
10、100 無線LAN端末
120 通信品質監視手段
140 接続情報送信手段
150 WAPスキャン手段
1000 無線LANシステム