(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2021208694
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594183299
【氏名又は名称】株式会社松尾製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100224694
【氏名又は名称】伊藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】辻 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 孝治
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大志
(72)【発明者】
【氏名】服部 啓祐
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-211715(JP,A)
【文献】特開2009-276927(JP,A)
【文献】特開2020-107035(JP,A)
【文献】特開2010-152728(JP,A)
【文献】特開2020-030486(JP,A)
【文献】特開2006-338596(JP,A)
【文献】特開2019-038510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0126765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度
について、行列をなして駐車待ちをしている一群の第1車両のうち、前記行列の先頭の第1車両の優先度を、前記一群の第1車両に含まれる第1車両の台数に基づいて決定し、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可し、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知する、情報処理装置。
【請求項2】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度について、前記複数の第1車両同士の相対的な位置関係が、互いを視認可能な位置関係であるか否かを判定し、視認可能な位置関係にある他の第1車両の台数に基づいて、前記複数の第1車両それぞれの優先度を決定し、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可し、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記駐車枠と第1車両との相対的な位置関係に基づいて、前記第1車両の優先度を決定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1
から3の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、第1車両の待機時間に基づいて、前記第1車両の優先度を決定する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から
4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両の運転者に通知する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記駐車場に存在する別の駐車枠からの第3車両の出庫を検出すると、前記駐車枠と前記別の駐車枠との相対的な位置関係
が駐車場内の交通に支障を来すかどうかを判定し、その判定結果に応じて、前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車を許可するかどうかを判定し、
前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車を許可すると判定した場合は、前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車が許可されたことを、前記別の第1車両の運転者に通知する、
情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する方法であって、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定すること
であって、行列をなして駐車待ちをしている一群の第1車両のうち、前記行列の先頭の第1車両の優先度を、前記一群の第1車両に含まれる第1車両の台数に基づいて決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む、方法。
【請求項8】
情報処理装置が実行する方法であって、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することであって、前記複数の第1車両同士の相対的な位置関係が、互いを視認可能な位置関係であるか否かを判定し、視認可能な位置関係にある他の第1車両の台数に基づいて、前記複数の第1車両それぞれの優先度を決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載の方法であって、
前記駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することは、前記駐車枠と第1車両との相対的な位置関係に基づいて、前記第1車両の優先度を決定することを含む、方法。
【請求項10】
請求項
7から9の何れか一項に記載の方法であって、
前記駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することは、第1車両の待機時間に基づいて、前記第1車両の優先度を決定することを含む、方法。
【請求項11】
請求項
7から
10の何れか一項に記載の方法であって、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両の運転者に通知することを更に含む、方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の方法であって、
前記駐車場に存在する別の駐車枠からの第3車両の出庫を検出すると、前記駐車枠と前記別の駐車枠との相対的な位置関係
が駐車場内の交通に支障を来すかどうかを判定し、その判定結果に応じて、前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車を許可するかどうかを判定することと、
前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車を許可すると判定した場合は、前記別の第1車両に前記別の駐車枠への駐車が許可されたことを、前記別の第1車両の運転者に通知することと、
を更に含む、方法。
【請求項13】
情報処理装置に、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定すること
であって、行列をなして駐車待ちをしている一群の第1車両のうち、前記行列の先頭の第1車両の優先度を、前記一群の第1車両に含まれる第1車両の台数に基づいて決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項14】
情報処理装置に、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することであって、前記複数の第1車両同士の相対的な位置関係が、互いを視認可能な位置関係であるか否かを判定し、視認可能な位置関係にある他の第1車両の台数に基づいて、前記複数の第1車両それぞれの優先度を決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載のプログラムであって、
前記駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することは、前記駐車枠と第1車両との相対的な位置関係に基づいて、前記第1車両の優先度を決定することを含む、プログラム。
【請求項16】
請求項
13から15の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することは、第1車両の待機時間に基づいて、前記第1車両の優先度を決定することを含む、プログラム。
【請求項17】
請求項
13から
16の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両の運転者に通知することを更に含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場内の交通を円滑にする技術が知られている。例えば特許文献1には、駐車場からの駐車車両の退場可能性を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駐車場内の交通を円滑にする技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、駐車場内の交通を円滑にする技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定し、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可し、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知する。
【0007】
本開示の一実施形態係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態係るプログラムは、
情報処理装置に、
駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定することと、
前記駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、前記複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に前記駐車枠への駐車を許可することと、
前記1台の第1車両に前記駐車枠への駐車が許可されたことを、前記1台の第1車両の運転者に通知することと、
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、駐車場内の交通を円滑にする技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、車両10と、情報処理装置20と、を備える。車両10及び情報処理装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン車、ディーゼル車、HEV(hybrid electric vehicle)、PHEV(plug-in hybrid electric vehicle)、BEV(battery electric vehicle)、又はFCEV(fuel cell electric vehicle)などの任意の種類の自動車である。車両10は、本実施形態では運転手によって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。車両10は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して車両10と通信可能である。情報処理装置20は、各車両10から車両情報を取得可能である。「車両情報」とは、車両10の位置(以下、「車両位置情報」ともいう。)、向き、車速、ランプ点灯状態、及びACC(アクセサリ)/IGN(イグニッション)-ON/OFFを示す情報を含むが、これに限られず、車両に関する任意の情報を含んでもよい。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定する。情報処理装置20は、駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に駐車枠への駐車を許可する。情報処理装置20は、1台の第1車両に駐車枠への駐車が許可されたことを、1台の第1車両の運転者に通知する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、駐車枠への駐車が許可されたことが1台の第1車両の運転者に通知される。従来は、例えば駐車枠の周辺で駐車待ちをしている複数の第1車両が存在する場合、当該駐車枠が空いたときに、当該駐車枠をどの第1車両が確保するかは、運転者各自の判断に委ねられていた。運転者には空いた駐車枠を先取りされるのを避ける心理が働くので、駐車動作が一斉に開始されることもあり、空いた駐車枠に対する複数の車両間のアクセス競合が生じやすかった。これに対し、本実施形態によれば、空いた駐車枠への駐車が許可されたことが1台の第1車両の運転者に明示的に通知される。このため、通知を受けた1台の第1車両の運転者は、許可された駐車枠への駐車動作を安心して開始できるようになる。したがって、駐車枠に対する複数の車両間のアクセス競合が回避される蓋然性が向上する点で、駐車場内の交通を円滑にする技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20と通信する。
【0020】
測位部12は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。
【0022】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、出力部13のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイク、又はカメラ等であるが、これらに限られない。
【0023】
記憶部15は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部15に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部16は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部16は、車両10全体の動作を制御する。
【0025】
(情報処理装置の構成)
図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して車両10と通信する。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0029】
(情報処理装置の動作フロー)
図4を参照して、第1実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
図4の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
図4の動作は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。
【0030】
ステップS100:情報処理装置20の制御部23は、駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定する。
【0031】
「第1車両」は、駐車場の場内車路上で停止又は移動しながら駐車枠が空くのを待っている車両10に相当する。制御部23は、通信部21を介して通信可能な各車両10から受信した車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、駐車場の場内車路上で停止又は移動している各車両10を、駐車場内で駐車待ちをしている第1車両として特定する。なお、駐車場内地図は、駐車場内の各駐車枠の位置と、場内車路の形状、位置、及び進行方向とを示す情報を含み得るが、これらの例に限られず、例えば駐車場内の柱及び壁の位置等、駐車場内の交通に関する任意の情報を含んでもよい。駐車場内地図は、予め記憶部22に記憶されてもよく、或いは、例えば駐車場の管理サーバから通信部21を介して受信されてもよい。「優先度」とは、各駐車枠への駐車が許可される第1車両の順番を決める値のことであり、優先度が高い第1車両から順番に当該駐車枠への駐車が許可される。制御部23は、優先度を決定するにあたり、後述する少なくとも1つの手法を用いて、1台の第1車両と1つの駐車枠の組み合わせごとに、当該駐車枠に対する当該第1車両のスコアを算出する。制御部23は、各手法で算出されたスコアの合計値である合計スコアが高いほど、当該駐車枠に対する当該第1車両の優先度を高くする。例えば、制御部23は、第1車両の合計スコアを当該第1車両の優先度とみなしてもよい。
【0032】
ここで、スコアを算出する手法の具体例について説明する。第1の手法では、制御部23は、駐車枠と第1車両との相対的な位置関係に基づいて、当該駐車枠に対する当該第1車両の第1スコアを算出する。
【0033】
例えば、制御部23は、特定された第1車両ごとに、第1車両の車両位置情報及び駐車場内地図に基づいて、当該第1車両と各駐車枠との距離を算出する。算出される距離は、第1車両と駐車枠との間の直線距離であってもよく、場内車路に沿った距離であってもよい。制御部23は、第1車両と駐車枠との距離が短いほど、当該駐車枠に対する当該第1車両の第1スコアを高くする。これにより、駐車枠からの出庫が検出された際は、当該駐車枠に近い第1車両ほど駐車が許可されやすくなるので、駐車枠あたりの出庫検出から入庫完了までの時間を短縮しやすくなる。
【0034】
また例えば、制御部23は、特定された第1車両ごとに、第1車両の各駐車枠に対する駐車しやすさを判定する。「駐車しやすさ」とは、ある駐車枠への第1車両の駐車動作が、後進動作ではなく前進動作から開始されることをいう。制御部23は、駐車枠に駐車しやすいと判定された第1車両ほど、当該駐車枠に対する当該第1車両の第1スコアを高くする。この場合、制御部23は、車両位置情報及び駐車場内地図に加えて、各第1車両の向きを示す情報を取得する。各第1車両の向きを示す情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、第1車両の向きを示す情報を当該第1車両から直接取得してもよく、或いは駐車場内地図に基づいて、第1車両が位置する場内車路の進行方向を当該第1車両の向きとして特定してもよい。一例として、ある駐車枠の周辺に2台の第1車両が駐車待ちをしている場合に、当該駐車枠が一方の第1車両の後方、他方の第1車両の前方に位置するとする。一方の第1車両では、当該駐車枠への駐車動作が後進動作から開始されるが、他方の第1車両では、当該駐車枠への駐車動作が前進動作から開始される。つまり、他方の第1車両の方が駐車しやすい状況にある。したがって、制御部23は、一方の第1車両の第1スコアを他方の第1車両に比べて低くする。これにより、駐車枠からの出庫が検出された際は、入庫動作の安全を図りながら、駐車枠あたりの出庫検出から入庫完了までの時間を短縮しやすくなる。
【0035】
第2の手法では、制御部23は、第1車両の待機時間に基づいて、当該第1車両の第2スコアを算出する。具体的には、制御部23は、ある駐車枠の周辺で駐車待ちをしている第1車両の待機時間を計測する。ここで、駐車枠の周辺で駐車待ちをしている第1車両の特定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、各第1車両から受信した車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、1台の第1車両と1つの駐車枠の組み合わせごとに、当該第1車両と当該駐車枠との距離を算出する。制御部23は、算出された距離が所定の閾値以下である場合、当該第1車両を、当該駐車枠の周辺で駐車待ちをしている第1車両として特定する。また、待機時間の計測には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、第1車両が場内車路上で停止している時間を累積した値を、当該第1車両の待機時間として計測してもよい。或いは、制御部23は、第1車両が場内車路上に位置している時間を累積した値を待機時間として計測してもよい。そして、制御部23は、計測された待機時間が長いほど第2スコアを高くする。これにより、駐車枠からの出庫が検出された際は、駐車待ちを開始した停車開始時刻の早い第1車両ほど駐車が許可されやすくなるので、運転者間の公平性を担保しやすくなる。
【0036】
第3の手法では、制御部23は、行列をなして駐車待ちをしている一群の第1車両のうち、行列の先頭の第1車両の第3スコアを、当該一群の第1車両に含まれる第1車両の台数に基づいて算出する。具体的には、制御部23は、車両位置情報及び駐車場内地図に加えて、各第1車両のランプ点灯状態及び向きを示す情報を取得して、ハザードランプを点灯させながら所定の車間距離で同じ進行方向を向いて停止している2台以上の第1車両を、行列をなして駐車待ちをしている一群の第1車両として特定する。一群の第1車両の特定には、当該例に限られず、例えば場内車路に沿った車間距離が閾値以下(例えば、2m以下)である複数の第1車両を、一群の第1車両として特定するなど、任意の手法が採用可能である。制御部23は、特定された一群の第1車両に含まれる第1車両の台数が多いほど、当該行列における先頭の第1車両の第3スコアを高くする。例えば、4台の第1車両を含む第1行列と、2台の第1車両を含む第2行列とが特定された場合、制御部23は、第1行列の先頭の第1車両のスコアを第2行列の先頭の第1車両よりも相対的に高くする。これにより、駐車枠からの出庫が検出された際は、駐車場内の交通を妨げる長い行列に属する第1車両ほど駐車が許可されやすくなるので、駐車場内における第1車両の密集を回避しやすくなる。
【0037】
第4の手法では、制御部23は、複数の第1車両同士の相対的な位置関係に基づいて、複数の第1車両それぞれの第4スコアを算出する。具体的には、制御部23は、ある1台の第1車両を視認可能な位置に存在する他の第1車両(以下、「視認可能車両」ともいう。)の台数に基づいて、当該1台の第1車両の第4スコアを算出する。ここで、ある第1車両を他の第1車両が視認可能であるか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、ある2台の第1車両A、Bの車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、当該車両間に障害物(例えば、壁、柱、又は第1車両A、B以外の車両10など)が存在せず、且つ場内車路に沿った当該車両間の距離が閾値以下(例えば、20m以下)であるという条件を満たすかどうかを判定する。第1車両A、Bが当該条件を満たすと判定された場合、制御部23は、第1車両A、Bは互いを視認可能な位置に存在すると判定し、第1車両A、Bそれぞれについて視認範囲車両の台数を1増加させる。第1車両A、Bが当該条件を満たすと判定された後に、第1車両A、Bの一方又は両方が移動するなど何らかの原因で上記条件を満たさなくなったときは、制御部23は、該当する第1車両について、視認範囲車両の台数を1減少させてもよい。制御部23は、このようにカウントされた視認範囲車両の台数が多いほど当該1台の第1車両の第4スコアを低くする。例えば、ある駐車枠の周辺で駐車待ちをしている2台の第1車両C、Dが存在し、第1車両Cの待機時間は第1車両Dより短いものとする。ここで、当該駐車枠に対する各第1車両の優先度は、上述した各手法で算出されたスコアの合計値である合計スコアに基づいて決定されるので、当該駐車枠からの出庫が検出された際に、待機時間が長い第1車両Dではなく待機時間が短い第1車両Cに対して当該駐車枠への入庫が許可される場合がある。かかる場合において、待機時間が長い第1車両Dの運転者から、待機時間が短い第1車両Cが視認可能であると、待機時間が長い第1車両Dの運転者は、駐車枠を先取りされたと感じ、不満を抱く可能性がある。したがって、制御部23は、視認範囲車両の台数が多いほど当該1台の第1車両の第4スコアを低くする。これにより、できるだけ他の第1車両の運転者に不満を抱かせないようにしつつ、駐車場内の交通を円滑にしやすくなる。
【0038】
そして、制御部23は、このように決定されたスコアの合計値である合計スコアを、第1車両ごとに算出する。制御部23は、第1手法から第4手法のうち少なくとも1つの手法を用いてスコアを決定すればよい。第1手法から第4手法の全てを用いる場合には、合計スコアは、第1スコアから第4スコアの合計値である。しかしながら、スコアの決定には、第1手法から第4手法に限られず、駐車場内の交通を円滑にしやすくする任意の手法が採用可能である。制御部23は、合計スコアの高い第1車両ほど優先度が高いものとみなす。なお制御部23は、第1車両ごとに、各駐車枠に対する当該第1車両の第1スコアから第4スコア、合計スコア、及び優先度を、記憶部22のデータベース(以下、「優先度データベース」ともいう。)に格納する。
【0039】
ステップS101:制御部23は、駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出する。第2車両の出庫が検出されない場合(ステップS101-No)、プロセスは終了する。第2車両の出庫が検出された場合(ステップS101-Yes)、プロセスはステップS102に進む。
【0040】
「第2車両」は、駐車場に存在するいずれかの駐車枠に駐車中の車両10に相当する。例えば、制御部23は、各車両10から受信した車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、駐車枠内に位置すると判定された各車両10を第2車両として特定する。
【0041】
また、第2車両の出庫の検出には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、第2車両のIGNがOFFからONに切り替わったことを検出した場合、又は第2車両の車速が0km/hを超えたことを検出した場合、当該第2車両の出庫を検出したと判定してもよい。或いは、制御部23は、例えば駐車場を運営する事業者の管理する駐車場管理システムから、当該システムによって出庫が検出された駐車枠を示す情報を受信すると、当該駐車枠からの第2車両の出庫を検出したと判定してもよい。
【0042】
ステップS102:駐車枠からの第2車両の出庫が検出された場合(ステップS101-Yes)、制御部23は、複数の第1車両のうち、ステップS100で決定された優先度が最も高い1台の第1車両に当該駐車枠への駐車を許可する。
【0043】
具体的には、制御部23は、記憶部22の優先度データベースを参照して、当該駐車枠に対する各第1車両の優先度を比較する。そして制御部23は、当該駐車枠に対する優先度が最も高い1台の第1車両に当該駐車枠への駐車を許可する。
【0044】
ステップS103:制御部23は、ステップ102で特定された優先度が最も高い1台の第1車両に駐車枠への駐車が許可されたことを、当該1台の第1車両の運転者に通知する。
【0045】
具体的には、制御部23は、ステップ102で当該駐車枠への駐車が許可された1台の第1車両へ許可情報を送信し、当該第1車両の出力部13を介して出力させることによって、駐車枠への駐車が許可されたことを当該第1車両の運転者に通知する。第1車両10の制御部16は、通信部11を介して情報処理装置20から許可情報を受信すると、出力部13を介して出力する。なお、許可情報の送信先は、第1車両に限られず、例えば第1車両と対応付けられた、運転者の端末装置又は第1車両に搭載されたナビゲーション装置であってもよい。また、許可情報は、例えば駐車枠の位置情報と、当該駐車枠への駐車が許可されたことを示すメッセージとを含み得るが、これらに限られず、例えば駐車枠番号を示す情報及び駐車枠までの推奨経路を示す情報等、駐車枠への駐車を促す任意の情報を含んでもよい。
【0046】
図5を参照して、第2実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
図5の動作は、本実施形態の一変形例に係る方法に相当する。ステップS200からS203までの処理は、第1実施形態で説明したステップS100からS103と同様であるので、説明を省略する。以下では、主に第1実施形態との差異について説明する。
【0047】
ステップS204:制御部23は、ステップ203で特定された1台の第1車両以外に、駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両が存在するかどうかを判定する。別の第1車両が存在しないと判定された場合(ステップS204-No)、プロセスは終了する。別の第1車両が存在すると判定された場合(ステップS204-Yes)、プロセスはステップS205に進む。
【0048】
具体的には、制御部23は、各第1車両から受信した車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、1台の第1車両と1つの駐車枠の組み合わせごとに、当該第1車両と当該駐車枠との距離を算出する。制御部23は、算出された距離が所定の閾値(例えば、駐車枠の中心からの距離)以下である第1車両が存在するかどうかを判定する。制御部23は、算出された距離が所定の閾値以下であると判定された第1車両を、駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両として特定する。
【0049】
ステップS205:駐車枠の周辺で駐車待ちをしている別の第1車両が存在すると判定された場合(ステップS204-Yes)、制御部23は、1台の第1車両に駐車枠への駐車が許可されたことを、当該別の第1車両の運転者に通知する。
【0050】
具体的には、制御部23は、ステップ202で1台の第1車両に駐車が許可された駐車枠の位置情報を、ステップ204で特定された別の第1車両へ送信し出力させることによって運転者に通知する。別の第1車両の運転者に対する駐車枠の位置情報の通知には、ステップS103で説明したように、任意の手法が採用可能である。
【0051】
ステップS206:制御部23は、駐車場に存在する別の駐車枠からの第3車両の出庫を検出する。第3車両の出庫が検出されない場合(ステップS206-No)、プロセスは終了する。第3車両の出庫が検出された場合(ステップS206-Yes)、プロセスはステップS207に進む。
【0052】
「第3車両」は、ステップS201の第2車両とは異なる駐車枠に駐車中の車両10に相当する。制御部23は、各車両10から受信した車両位置情報と、駐車場内地図とに基づいて、ステップS201で出庫が検出された第2車両に相当する車両10の駐車枠とは異なる駐車枠から出庫した車両10があるかどうかを判定する。制御部23は、当該異なる駐車枠から出庫したものと判定された車両10を、第3車両として特定する。
【0053】
ステップS207:第3車両の出庫が検出された場合(ステップS206-Yes)、制御部23は、当該別の第1車両に当該別の駐車枠への駐車を許可するかどうかを判定する。
【0054】
具体的には、制御部23は、駐車場内地図に基づいて、ステップS201で第2車両の出庫が検出された駐車枠に相当する第1駐車枠と、ステップS206で第3車両の出庫が検出された別の駐車枠に相当する第2駐車枠との相対的な位置関係を特定する。制御部23は、特定された相対的な位置関係が駐車場内の交通に支障を来すかどうかを判定する。制御部23は、判定結果に応じて、当該別の第1車両に当該別の駐車枠への駐車を許可するかどうかを判定する。例えば、第1駐車枠と第2駐車枠とが対向する位置に存在する場合は、安全性の観点から、第3車両は、第2車両による第1駐車枠への入庫が完了するまで第2駐車枠への駐車動作を開始することができない。つまり、第3車両において一定の待機時間が発生し、駐車場内の交通を円滑にしづらくなる。この場合、制御部23は、特定された相対的な位置関係が駐車場内の交通に支障を来すと判定する。そして、制御部23は、当該別の第1車両に当該別の駐車枠への駐車を許可しないことを決定する。一方、第1駐車枠と第2駐車枠とが、第3車両において一定の待機時間を発生させない程度に十分離れた位置に存在する場合、制御部23は、特定された相対的な位置関係が駐車場内の交通に支障を来さないと判定する。そして、制御部23は、当該別の第1車両に当該別の駐車枠への駐車を許可することを決定する。
【0055】
ステップS208:別の第1車両に別の駐車枠への駐車を許可することが決定された場合(ステップS207-Yes)、制御部23は、当該別の第1車両に当該別の駐車枠への駐車が許可されたことを、当該別の第1車両の運転者に通知する。
【0056】
具体的には、制御部23は、当該別の駐車枠の位置情報を、ステップ207で当該別の駐車枠への駐車を許可することを決定した別の第1車両へ送信し出力させることによって当該別の第1車両の運転者に通知する。
【0057】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、駐車場で駐車待ちをしている複数の第1車両それぞれの優先度を決定する。情報処理装置20は、駐車場に存在する駐車枠からの第2車両の出庫を検出すると、複数の第1車両のうち優先度が最も高い1台の第1車両に駐車枠への駐車を許可する。情報処理装置20は、1台の第1車両に駐車枠への駐車が許可されたことを、1台の第1車両の運転者に通知する。
【0058】
かかる構成によれば、駐車枠への駐車が許可されたことが1台の第1車両の運転者に通知される。つまり、空いた駐車枠への駐車が許可されたことが1台の第1車両の運転者に明示的に通知される。このため、通知を受けた1台の第1車両の運転者は、許可された駐車枠への駐車動作を安心して開始できるようになる。したがって、駐車枠に対する複数の車両間のアクセス競合が回避される蓋然性が向上する点で、駐車場内の交通を円滑にする技術が改善される。
【0059】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0060】
上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。例えば、上述した実施形態に係る情報処理装置20の構成要素が、駐車場に併設する店舗等の施設を運営する事業者の管理する第1サーバと、駐車場自体を運営する事業者の管理する第2サーバと、に分散配置された実施形態も可能である。また例えば、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を車両10に設けた実施形態も可能である。例えば、車両10に搭載されるナビゲーション装置が、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態において、一部の駐車枠について、所定の第1車両の優先度が、他の第1車両に比べて高くなるように設定してもよい。例えば、店舗入り口付近に位置する1つ以上の駐車枠について、福祉車両に該当する第1車両の優先度を、福祉車両でない第1車両に比べて高くなるように設定してもよい。このような構成によれば、算出された合計スコアの最も高い第1車両に対して空いた駐車枠への駐車を許可することが、駐車場内の交通を円滑にする観点では妥当と解される状況でも、法律又は社会通念上の理由等、他の観点では不都合が生じる場合に、優先度の決定プロセスを適宜修正して当該不都合が生じる蓋然性を低減することができる。
【0062】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 システム
10 車両
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク