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特許7614112医療デバイス解放装置、システム及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】医療デバイス解放装置、システム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20250107BHJP
【FI】
A61F2/95
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021557540
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 GB2020050912
(87)【国際公開番号】W WO2020208349
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】1904922.0
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503116084
【氏名又は名称】バスクテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VASCUTEK LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】グレイム シンプソン
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/137583(WO,A1)
【文献】特開2000-262632(JP,A)
【文献】特表2013-524934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0289703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス送達装置であって、前記装置は、
前記装置の近位端部にヘッド要素を備え、
半径方向外向き且つ前記ヘッド要素の近位端部に向かって前方に突出する、前記医療デバイス送達装置の1つ以上のフック要素を備え、
前記医療デバイス送達装置の前記ヘッド要素は、前記医療デバイスを通って延在するとともに前記医療デバイスから近位に突出するように構成され、
前記ヘッド要素にある前記1つ以上のフック要素は、前記医療デバイスに連結される制御ループと係合し、
前記1つ以上のフック要素の一端部が、前記ヘッド要素の遠位端部に固定され、前記1つ以上のフック要素の他端部が近位方向に突出し、
前記ヘッド要素に取り付けられた第1の端部と、前記フック要素と係合可能な自由端部である第2の端部とを有する、前記医療デバイス送達装置の少なくとも1つの前記制御ループを備える、装置。
【請求項2】
前記1つ以上のフック要素は近位側を向いており、
前記1つ以上のフック要素の自由端部が、前記ヘッド要素の前記近位端部に向かう方向に延在している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヘッド要素が2つのフック要素を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フック要素が、前記ヘッド要素の直径方向の両側に設けられる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のフック要素が近位に延在して、前記ヘッド要素の側部から半径方向外向きに突出する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のフック要素が、前記ヘッド要素の前記遠位端部に設けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のフック要素が各々傾斜スロットの形をしており、近位端部で開き、遠位端部で閉じる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
各スロットが先細プロファイルを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ヘッド要素がヘッド本体とヘッドプレートとを備え、
前記ヘッドプレートが前記ヘッド本体の遠位端部に連結されて、前記ヘッド本体と前記ヘッドプレートとの間に前記1つ以上のフック要素を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ヘッド本体が、前記ヘッド本体の前記遠位端部で面取りされる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ヘッド要素は、前記制御ループの前記第1の端部前記ヘッド要素に取り付けるための1つ以上の取付点を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上の取付点が、前記ヘッド要素上に、且つ、前記1つ以上のフック要素よりも位に設けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上のフック要素が、展開位置と非展開位置との間で前記ヘッド要素に対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記1つ以上のフック要素が、前記展開位置と非展開位置との間で枢動可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ以上のフック要素が前記ヘッド要素に対して後退可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上のフック要素は、前記ヘッド要素の長手方向軸線周りにおける前記ヘッド要素の回転が前記1つ以上のフック要素によって係合される任意の制御ループの解放を促進するようにプロファイルされる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上のフック要素が、半径方向延在部分を有する角度付き部分を備え、
前記半径方向延在部分が、制御ループと係合するように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ヘッド要素は、前記医療デバイスに向かって移動することにより、前記1つ以上のフック要素が医療デバイスの1つ以上のアイレットと位置合わせされるように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
医療デバイスを展開するための医療デバイス展開システムであって、前記医療デバイス展開システムは、
ヘッド要素、1つ以上のフック要素、少なくとも1つの制御ループ及び医療デバイスを有する医療デバイス送達装置を備え、
前記医療デバイス送達装置の近位端部に前記ヘッド要素が位置し
前記ヘッド要素は、前記医療デバイスを通って延在するとともに前記医療デバイスから近位に突出するように構成され、
前記ヘッド要素は、半径方向外向き且つ前記ヘッド要素の近位端部に向かって前方に突出する、前記医療デバイス送達装置の1つ以上のフック要素を有し、
前記1つ以上のフック要素は、前記医療デバイスに連結される制御ループに係合
前記1つ以上のフック要素の一端部が、前記ヘッド要素の遠位端部に固定され、前記1つ以上のフック要素の他端部が近位方向に突出し、
前記少なくとも1つの制御ループ、前記ヘッド要素に取り付けられた第1の端部と、前記フック要素と係合可能な自由端部である第2の端部とを有する、医療デバイス展開システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイス解放装置及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この点に関して、血管内ステントデバイスのような医療デバイスは、一般に、制御ループ、アイレット及び解放ワイヤを組み合わせて使用して、その送達システムに取り付けられる。図1図3に示すように、この接続は、制御スレッドの制御ループ2の自由端部をアイレット3に通し、他端部を送達システムの先端部に固定することによって達成される。次いで、制御スレッドがアイレットを通過するときに形成される、制御スレッドの開ループに解放ワイヤ4を通過させて、制御スレッドがアイレットを通って引き戻されるのを防止する。
【0003】
解放ワイヤ4を取り外すことで、制御ループ2がアイレットを通って引き戻され、医療デバイス5が送達システムから解放されて、デバイスを送達システムから自由にすることができる。
【0004】
この構成では、解放ワイヤが損傷して制御ループから取り外せない場合に問題が生じることがある。これは、使用者が追加で救済処置をするか、又は開腹術に完全に転換しなければ、患者から送達システムを取り外すことができなくなる。
【0005】
また、送達システムを取り外そうとする前に、使用者が解放ワイヤを取り外し忘れた場合にも問題が生じることがある。これは、デバイスが意図したシール領域から移動し、シールを破壊し、その過程で血管を損傷する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような既知の構成の課題を軽減することを目的とした装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、医療デバイス送達装置が提供され、装置は、装置の近位端部にヘッド要素を備え、ヘッドは、医療デバイスを通って延在するとともに医療デバイスから近位に突出するように構成され、ヘッド要素は、医療デバイスに連結される制御ループに係合するための1つ以上のフック要素を有し、1つ以上のフック要素は、ヘッド要素に対して軸線方向に固定される。
【0008】
このようにして、医療デバイスは、装置の追加の機械的操作なしに、送達システムが引き抜かれるのと同時に解放され得る。
【0009】
好ましくは、1つ以上のフック要素は前方を向いており、1つ以上のフック要素の自由端部は、ヘッド要素の近位端部に向かう方向に延在している。
【0010】
好都合には、ヘッド要素は2つのフック要素を有する。
【0011】
好ましくは、フック要素はヘッド要素の直径方向の両側に設けられる。
【0012】
好都合には、1つ以上のフック要素が近位に延在して、ヘッド要素の長手方向プロファイルから半径方向外向きに突出する。
【0013】
好ましくは、1つ以上のフック要素は、ヘッド要素の遠位端部に設けられる。
【0014】
好都合には、1つ以上のフック要素は各々傾斜スロットの形をしており、近位端部で開き、遠位端部で閉じる。
【0015】
好ましくは、各スロットは先細プロファイルを有する。
【0016】
好都合には、ヘッド要素はヘッド本体とヘッドプレートとを備え、ヘッドプレートはヘッド本体の遠位端部に連結されて、ヘッド本体とヘッドプレートとの間に当該1つ以上のフック要素を画定する。
【0017】
好ましくは、ヘッド本体は、ヘッド本体の遠位端部で面取りされて、当該1つ以上のフック要素を画定する。
【0018】
好都合には、本装置は、制御ループの端部に対する1つ以上の取付点をさらに備える。
【0019】
好ましくは、1つ以上の取付点は、1つ以上のフック要素の近位でヘッド要素上に設けられる。
【0020】
好都合には、1つ以上のフック要素は、展開位置と非展開位置との間で移動可能である。
【0021】
好ましくは、1つ以上のフック要素は、展開位置と非展開位置との間で枢動可能である。
【0022】
好都合には、1つ以上のフック要素は、装置の長手方向プロファイルと実質的に同一平面になるように格納可能である。
【0023】
好ましくは、1つ以上のフック要素は、ヘッド要素の回転が1つ以上のフック要素によって係合される任意の制御ループの解放を促進するようにプロファイルされる。
【0024】
好ましくは、1つ以上のフック要素は、半径方向延在部分を有する角度付き部分を備え、半径方向延在部分は、制御ループと係合するように構成される。
【0025】
装置は、好ましくは、当該1つ以上のフック要素を医療デバイスの1つ以上のアイレットと位置合わせするための位置合わせ手段をさらに備える。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、医療デバイスを展開するための医療デバイス展開システムが提供され、医療デバイス展開システムは、装置の近位端部にヘッド要素を有する医療デバイス送達装置を備え、ヘッドは、医療デバイスを通って延在するとともに医療デバイスから近位に突出するように構成され、ヘッド要素は、医療デバイスに連結される制御ループに係合するための1つ以上のフック要素を有し、1つ以上のフック要素は、ヘッド要素に対して軸線方向に固定される。
【0027】
本発明のさらに別の態様によれば、請求項の送達装置又は展開システムを使用して医療デバイスを展開する方法が提供され、本方法は、当該送達装置を医療デバイスの内部に通して医療デバイスの近位端部から突出させるステップと、1つ以上の制御ループを使用して、医療デバイスと送達装置の1つ以上のフック要素とを連結するステップと、装置を展開部位まで前進させるステップと、医療デバイスを部位で展開するステップと、送達装置を後退させるステップと、を含み、1つ以上の制御ループは、1つ以上のフック要素から解放され、1つ以上のフック要素は、ヘッド要素に対して軸線方向に固定される。
【0028】
好ましくは、当該1つ以上の制御ループは、送達装置のヘッド要素に取り付けられ、当該医療デバイスに設けられる1つ以上のアイレットを通過し、次いで、当該1つ以上のフック要素の周りを通ってから、1つ以上のアイレットを再び通過する。
【0029】
好都合には、1つ以上の制御ループは、医療デバイスに取り付けられ、1つ以上のフック要素の周りを通る。
【0030】
好ましくは、医療デバイスは、波状の近位端部プロファイルを有し、1つ以上の制御ループは、医療デバイスの近位ピークに取り付けられる。
【0031】
好都合には、1つ以上のフック要素を移動させて、1つ以上の制御ループを解放しやすくする。
【0032】
好ましくは、1つ以上のフック要素を後方に枢動させて、1つ以上の制御ループを解放しやすくする。
【0033】
好都合には、ヘッド要素は、ヘッド要素の長手方向軸線周りに回転して、1つ以上の制御ループを解放しやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、医療デバイスを部位に送達するための既知の構成を示す。
図2図2は、医療デバイスを部位に送達するための既知の構成を示す。
図3図3は、医療デバイスを部位に送達するための既知の配置を示す。
図4図4a~4dは、本発明の第1の実施形態を示す。
図5図5a~5eは、本発明の第2の実施形態を示す。
図6図6a~6cは、本発明の第3の実施形態を示す。
図7図7a及び図7bは、本発明の第4の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、本発明の実施形態を例として及び添付の図面を参照して説明する。
【0036】
図1~3は、上述したように、血管内デバイスのための従来の送達システムに関する。このようなシステムは、解放ワイヤが損傷している場合、又は使用者が送達システムを取り外そうとする前に解放ワイヤを取り外し忘れた場合に問題が生じることがある。
【0037】
したがって、本発明は、解放ワイヤを必要としない医療デバイス送達システムを提供しようとするものである。
【0038】
この点に関して、図4a~4dに示すように、送達装置10は、長手方向軸12の近位端部に先端部又はヘッド要素11を備える。ヘッド要素は、ヘッド要素の近位端部に向かって半径方向外向きかつ前方に突出するフック要素13を有する。フック要素は任意の適切な方法で形成することができ、本実施形態では、スロット15を形成するために、ヘッド要素の遠位端部を面取りし、そこにプレート14を連結して形成する。図示のように、プレートの端部16は、好ましくはヘッド要素11の一般的な外側長手方向プロファイルの半径方向外向きに突出している。
【0039】
図示のように、ヘッド要素は、血管内ステントなどの医療デバイス17の内部を通って延在するように配置され、使用時にはヘッド要素11が医療デバイス17の近位端部から突出する。明確にするために、医療デバイスの構造は図には詳細に示していないが、符号17で示す波状の近位端部を有する拡張可能なステントデバイスを備えることができる。図4a~図4dの実施形態では、制御ループ19は、フック要素の上方、すなわちヘッド要素の近位端部に近い取付点20において、一端部がヘッド要素に取り付けられている。
【0040】
各制御ループは後方に延在し、医療デバイスに連結されるアイレット21を通過する。次いで、ループはヘッド要素に戻り、フック要素11の周りにループした後、アイレットに戻り、次いで、装置の近位端部に向かって上昇する。
【0041】
図4a~4dは、医療デバイス17に対するヘッド要素の進行を示す。図4aでは、医療デバイスは、所定の位置に固定することができる部位に対して正しい位置まで移動している。これは、デバイスが展開されている血管の内部表面に対してシールするようにデバイスを拡張することによって行うことができる。
【0042】
所定の位置に正しく固定されると、送達装置は図4b~4dに示すように後退し、デバイスの遠位端部に向かってデバイス内を後方に通る。
【0043】
アイレットがフック要素11と水平になると、制御ループはフック要素内に下方に引っ張られなくなり、したがって図4b及び図4cに示すようにフック要素から外れ始め得る。次いで、図4dにおいて、制御ループはフック要素の周囲に引っ掛からなくなり、送達装置が後退するときにアイレットを通り抜けることができる。
【0044】
ヘッド要素の設計により、取り付け方法において解放ワイヤが必要なくなり、送達システムが患者から取り外されると同時にデバイスが解放され、使用者の追加の動作を必要としない。
【0045】
上述のように、これは、制御ループの長さを長くし、ヘッド要素又は先端部の両側に1つずつ、2つのフックを制御ループと同一直線上に組み込むことによって達成することができる。デバイスを送達システムに組み立てるために、アイレットを通して制御ループを供給してから自由端部を先端部のフックに取り付ける。
【0046】
デバイスのアイレットが先端部よりも低いとき、制御ループはフックに取り付けられたままである。したがって、圧縮及び抜き放つ(unsheathing)間、デバイスは送達システムに取り付けられたままになる。しかし、先端部がアイレットよりも下方に移動するとき(例えば送達システムがデバイスから取り外されるとき)、制御ループはフックから外れ、アイレットから引き出すことができ、デバイスを送達システムから自由にする。
【0047】
このような本発明の構成は、装置を引き抜く際に別個の機械的ステップを必要としないことを意味する。装置は、ヘッド要素、すなわち送達システムの先端部を引き抜くだけで解放される。
【0048】
これに関連して、フック要素は、送達システム先端部の適所に軸線方向に固定されており、フックに対するグラフトの相対的な位置がデバイスを固定又は解放する。
【0049】
これに関連して、フック要素/スロットは、好ましくは、送達システムに一体化され、デバイスより上の高さにあり、デバイスに向かって角度が付けられてフック/スロットの「閉じた」部分がデバイスに最も近く、一端部が開いており制御ループが自由に離れるようにするべきである。制御ループは、好ましくは、一端部が(他端部を自由にして)送達システムに取り付けられ、アイレットを通ってループしてフックに取り付けられるのに十分な長さである。アイレットは、好ましくはデバイスに取り付けられている。
【0050】
本発明の第2の実施形態を図5a~5eに関連して説明する。
【0051】
この実施形態では、制御ループ30は、医療デバイスの第1のリングのピーク31に取り付けられている。デバイスを送達システムに組み立てるとき、制御ループを、先端部に設けられるフック要素32に単にラッチ留めする。この取り付け方法は、第1の実施形態に関して上述したのと同じように機能する(制御ループ取付点に対する先端部の相対的な位置によって、デバイスが送達システムに取り付けられているかどうかが決まる)。しかし、この実施形態では、デバイスに取り付けられた制御ループをその場に残すことになる。
【0052】
フック要素には、制御ループをアイレットから自由に引き出せるようにしたまま、ヘッド要素又は先端部から取り外すことができる第2の構成を設けることができる。これは、制御ループがフック要素に引っ掛かってデバイスが解放されないようなあらゆる状況で役立つ。
【0053】
図6a~図6cは、デバイスを解放するためにフック要素40を後退させることができる第3の実施形態を示す。
【0054】
図7a及び図7bの第4の実施形態に示すように、フック要素50は、ヘッド要素11の回転によっても制御ループがフックから出るようになるか、又は制御ループがフックから出やすくなるように角度を付け、又は成形することができる。
【0055】
制御ループ52は、送達システムの長さにわたって延びてもよく、制御ループ52を切断及び取り外して、デバイスを送達システムから自由にすることができる。これは、制御ループがフック要素に引っ掛かった場合のフェールセーフとして機能する。
【0056】
本発明の様々な実施形態は、より正確に展開し、より容易に製造するために、医療デバイスの上部を送達システムに繋ぐという利点を維持するが、それらは、既知の方法に関連する解放ワイヤ、上部キャップなどを取り外すなど、使用者が送達システムからデバイスを取り外すために必要とする任意の追加ステップを取り除く。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B