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特許7614164二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/15 20210101AFI20250107BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20250107BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/342 101
H01M50/533
H01M50/55 101
H01M50/553
H01M50/566
H01M50/586
H01M50/588
H01M50/591 101
H01M50/593
H01M10/04 W
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022212166
(22)【出願日】2022-12-28
(65)【公開番号】P2023174483
(43)【公開日】2023-12-07
【審査請求日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】202210583296.9
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221683929.5
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520145160
【氏名又は名称】瑞浦蘭鈞能源股分有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520145171
【氏名又は名称】上▲海▼瑞浦青▲創▼新能源有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼ 先▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲興▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 微
(72)【発明者】
【氏名】胡 亦▲楊▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 云▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲嬋▼
(72)【発明者】
【氏名】余 招宇
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046613(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049848(WO,A1)
【文献】特開2017-022034(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155521(WO,A1)
【文献】特開2002-324541(JP,A)
【文献】国際公開第2022/044628(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/30-50/392
H01M 50/50-50/598
H01M 10/00-10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池のトップカバー構造(1)であって、
前記トップカバー構造(1)は、
上下に貫通する下部貫通孔が開設された絶縁板(15)と、
前記絶縁板(15)の頂部に配置され、前記下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設されたトップカバープレート(11)と、
前記上部貫通孔と前記下部貫通孔とを貫通して前記トップカバープレート(11)と前記絶縁板(15)とに固定的に接続され、導電体を貫通する貫通孔が開設された導電体(12、17)と、
を備え
前記二次電池は、アダプターピース(2、3)を備え、
前記アダプターピース(2、3)には、トランスファパッドが設けられており、
前記トップカバー構造(1)が前記アダプターピース(2、3)に接続される時に、前記トランスファパッドは、前記トップカバー構造(1)における導電体の貫通孔の内部に突出していることを特徴とする二次電池のトップカバー構造(1)。
【請求項2】
前記絶縁板(15)の頂部には上方に延びるパッド(153、154)が設けられており、
前記下部貫通孔は、前記パッドに位置し、前記パッドの底部には、前記下部貫通孔に連通する下部シンクホールが設けられており、前記下部シンクホールの孔径は、前記下部貫通孔の孔径よりも大きく、
前記トップカバープレート(11)の底部には、前記パッド(153、154)を収納するとともに前記上部貫通孔を連通する上部シンクホールが設けられており、前記上部シンクホールの孔径は、前記上部貫通孔の孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項3】
前記導電体(12、17)は、
前記下部シンクホールの内部に位置し、前記下部貫通孔を介して上方に延びる下部ポール(17)と、
前記トップカバープレート(11)の頂部に位置し、前記上部貫通孔を介して下方に延びる上部ポール(12)と、
を備え、
前記下部ポールと前記上部ポールとが溶接により接合されており、
前記貫通孔は、前記上部ポール(12)の上下両端を貫通する上部ポール貫通孔と、前記下部ポール(17)の上下両端を貫通する下部ポール貫通孔を備え、
前記上部ポール貫通孔と前記下部ポール貫通孔とが互いに連通していることを特徴とする請求項2に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項4】
前記上部ポール(12)と前記トップカバープレート(11)との間に、前記上部ポールと前記トップカバープレート(11)とを絶縁する上部プラスチック(13)が設けられており、
前記上部プラスチックには、上部の直径が大きく、且つ下部の直径が小さい段階穴が設けられており、前記段階穴が前記上部貫通孔に連通し、前記上部ポールが前記段階穴の内部に位置していることを特徴とする請求項3に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項5】
前記上部ポール(12)の底部には、前記段階穴及び上部貫通穴を貫通して前記下部ポール(17)に溶接で接合された上部バンプが設けられており、
前記上部ポールの断面は、前記上部バンプの断面よりも大きく、前記上部ポールと前記上部バンプは、一体成形構造となっており、
前記下部ポール(17)の頂部には、前記下部貫通孔を貫通して前記上部ポールに溶接で接合された下部バンプが設けられており、
前記下部ポールの断面は、前記下部バンプの断面よりも大きく、前記下部ポールと前記下部バンプは、一体成形構造となっていることを特徴とする請求項4に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項6】
前記上部貫通孔内に位置する上部シールリング(14)をさらに備え、
前記上部シールリングの頂部には、前記上部ポール(12)と前記トップカバープレート(11)との間をシールする環状フランジが設けられ、前記環状フランジと前記上部シールリングとが一体成形構造となっており、
前記下部貫通孔内には下部シールリング(21)が設けられ、前記下部シールリングは前記下部ポール(17)と前記トップカバープレート(11)との間をシールすることを特徴とする請求項3に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項7】
前記絶縁板(320)の下部貫通孔(321a、321b)は、前記トップカバープレート(310)の上部貫通孔(311a、311b)と一対一に対応して互いに連通して第1貫通孔(610)を形成しており、
前記導電体は、ポール(330a、330b)を備え、
前記トップカバー構造は、上部プラスチックパート(340a、340b)と下部シールパート(350a、350b)をさらに備え、
前記ポールと、前記上部プラスチックパートと、前記下部シールパートとは、上から下に順に配置されており、
前記ポールと前記上部プラスチックパートは、前記トップカバープレートの上方に配置され、前記上部プラスチックパートは、前記ポールと前記トップカバープレートとの間に配置され、前記下部シールパートは、前記絶縁板の下部貫通孔と前記トップカバープレートの上部貫通孔とに貫通して設けられており、
前記導電体の貫通孔は、ポール貫通孔を有し、前記上部プラスチックパートは、上部プラスチック貫通孔を有し、前記下部シールパートは、下部シール貫通孔を有し、前記ポール貫通孔と、前記上部プラスチック貫通孔と、前記下部シール貫通孔とは、互いに連通して第2貫通孔(620)を形成しており、前記第2貫通孔の鉛直方向に沿う第2投影は、前記第1貫通孔の鉛直方向に沿う第1投影の内部に位置していることを特徴とする請求項1に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項8】
前記トップカバープレートは、上部シンクプラットフォーム(315a)を備え、
前記上部シンクプラットフォームは、前記トップカバープレートの上面に対して凹んでおり、前記トップカバープレートの上部貫通孔は、前記上部シンクプラットフォームに位置し、前記上部プラスチックパートは、前記上部シンクプラットフォームに位置していることを特徴とする請求項7に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項9】
前記上部プラスチックパートは、互いに接続された第1底壁(342a)および第1側壁(343a)を備え、
前記上部シンクプラットフォームは、上部シンクプラットフォーム面(316a)および上部シンクプラットフォーム壁(317a)を有し、
前記ポールは、外側壁(332a)と下面(333a)を有し、前記第1底壁が前記上部シンクプラットフォーム面と前記下面との間に挟まれ、前記第1側壁が前記上部シンクプラットフォーム壁と前記外側壁との間に挟まれていることを特徴とする請求項8に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項10】
前記下部シールパートは、互いに連結された第2底部(352a)および第2突起部(353a)を含み、
前記第2突起部は、第1外側壁(3531)および第1頂部(3532)を含み、
前記ポールは、下面を有し、前記第1頂部は、前記下面に当接しており、前記第2底部および前記第1外側壁は、いずれも前記第1貫通孔の孔壁に当接していることを特徴とする請求項7に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項11】
前記第1外側壁は、前記上部プラスチック貫通孔の孔壁にも当接していることを特徴とする請求項10に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項12】
前記トップカバープレートは、下部シンクプラットフォーム(318a)をさらに備え、
前記下部シンクプラットフォームは、前記トップカバープレートの下面に対して凹んでおり、
前記下部シンクプラットフォームは、下部シンクプラットフォーム面(3181)と下部シンクプラットフォーム壁(3182)とを有し、
前記第2底部は、第2外側壁及び第2頂部を有し、前記第2外側壁は前記下部シンクプラットフォーム壁に当接し、前記第2頂部は前記下部シンクプラットフォーム面に当接していることを特徴とする請求項10に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項13】
前記絶縁板(15)には、下部インジェクションホール(157)と通気孔(159)とが設けられ、前記下部インジェクションホール(157)の底部に噴出防止板が設けらており、
前記トップカバープレート(11)には、前記下部インジェクションホール(157)に連通する上部インジェクションホール(111)と、前記通気孔(159)に連通する爆発防止弁孔とが設けられており、
前記トップカバープレート(11)の底部には前記爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレート(24)が設けられ、前記トップカバープレート(11)の頂部には前記爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレート保護シート(23)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項14】
前記絶縁板(15)の両側には、前記絶縁板(15)の長手方向に間隔をおいて順に配置された複数のアンダーカット(158)が設けられており、前記複数のアンダーカット(158)は、前記絶縁板(15)と一体的な射出成形構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池のトップカバー構造。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のトップカバー構造(1)と、
前記トップカバー構造(1)における導電体(12、17)を接続するための前記アダプターピース(2)と、
前記アダプターピース(2)の底部に設けられた絶縁ガスケット(4)と、
を備え、前記アダプターピース(2)には、前記導電体(12、17)における貫通孔内に突出するトランスファパッドが設けられており、トランスファパートは、前記導電体(12、17)に溶接で接合されていることを特徴とする二次電池のトップカバーアセンブリ。
【請求項16】
前記二次電池は、電気コア(5)を備え、
前記電気コア(5)は、その頂部に複数のタブが設けられ、
前記アダプターピース(2、3)の数は2つであり、且つ、前記2つのアダプターピースは、前記電気コア(5)の頂部に設けられ、
前記複数のタブは、それぞれ前記2つのアダプターピース(2、3)の表面に溶接され、溶接エリアを形成しており、
前記2つのアダプターピース(2、3)の上方には、少なくとも1枚の両面保護接着剤層(42)が貼り付けられており、前記両面保護接着剤層の両面は、いずれも粘着面であり、
前記両面保護接着剤層が前記アダプターピース(2、3)の上方に貼り付けられたときに、少なくとも前記溶接エリア(412)を覆っていることを特徴とする請求項15に記載の二次電池のトップカバーアセンブリ。
【請求項17】
前記二次電池は、
請求項7~12のいずれか一項に記載のトップカバー構造(250)と、
デフレクタと、
を備え、
前記デフレクタは、前記トップカバー構造における絶縁板の下方に配置され、
前記デフレクタの上面には、デフレクタポールが設けられており、
前記デフレクタポールは、ポール主体とシャーシとを備え、
前記ポール主体は、前記シャーシ上に位置し、前記トップカバー構造における第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通するのに適当し、且つ、前記第2貫通孔の孔壁に当接していることを特徴とする二次電池のトップカバーアセンブリ。
【請求項18】
前記シャーシは、前記第1貫通孔における絶縁板の貫通孔の孔壁に当接している請求項17に記載の二次電池のトップカバーアセンブリ。
【請求項19】
電気コアアセンブリとケースをさらに備え、
前記電気コアアセンブリは、前記ケース内に設けられ、少なくとも1つの単体電気コアを有し、前記単体電気コアは、上方に突出するタブを有しており、
前記デフレクタは、前記電気コアアセンブリの上方に位置し、
前記デフレクタには、タブアセンブリパートが設けられており、
前記タブアセンブリパートは、前記タブを前記デフレクタの上面に密着させて導電的に接続するように、対応するタブをその中から貫通させて屈曲させるためのものであることを特徴とする請求項17に記載の二次電池のトップカバーアセンブリ。
【請求項20】
請求項15に記載のトップカバーアセンブリと、
電気コア(5)を収容するケース(6)を備え、
前記ケース(6)は、内部に複数の電気コア(5)が設けられ、前記電気コア(5)のタブが前記トップカバーアセンブリにおける絶縁ガスケット(4)を介してアダプターピース(2、3)に溶接で接合されていることを特徴とする二次電池。
【請求項21】
前記電気コア(5)は、その頂部に複数のタブが設けられ、
前記アダプターピースの数は2つであり、且つ、前記2つのアダプターピースは、前記電気コア(5)の頂部に設けられ、
前記複数のタブは、それぞれ前記2つのアダプターピース(2、3)の表面に溶接され、溶接エリア(412)を形成しており、
前記二次電池は、少なくとも1枚の両面保護接着剤層(42)を備え、
前記両面保護接着剤層の両面は、いずれも粘着面であり、
前記両面保護接着剤層が前記アダプターピース(2、3)の上方に貼り付けられ、少なくとも前記溶接エリアを覆っていることを特徴とする請求項20に記載の二次電池。
【請求項22】
前記両面保護接着剤層(42)は、
2層の粘着層(422)と、
前記2層の粘性層の間に配置された炭酸塩保護層(423)と、
を備えることを特徴とする請求項21に記載の二次電池。
【請求項23】
前記炭酸塩保護層は、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム層構造であることを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
【請求項24】
前記2層の粘着層は、両面の粘着層であり、前記炭酸塩保護層は、前記2層の粘性層の間に敷き詰められて接着された粉体層構造であることを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
【請求項25】
前記両面保護接着剤層は全体的なシート構造であり、2つの前記アダプターピース(2、3)上の前記溶接エリアを同時に接着して覆っており、
前記アダプターピース(2、3)には、インジェクションホール(4111)が設けられ、
前記両面保護接着剤層には、前記トップカバーアセンブリにおけるトランスファパッド(111)に対応する第1孔位(420)と、前記インジェクションホールに対応する第2孔位(421)と、が開設されていることを特徴とする請求項21に記載の二次電池。
【請求項26】
前記両面保護接着剤層は、複数枚設けられており、各前記両面保護接着剤層は、2つのアダプタシート(2、3)上の1つ以上の前記溶接エリアをそれぞれ接着して覆っていることを特徴とする請求項21に記載の二次電池。
【請求項27】
前記両面保護接着剤層は、アダプタシート(2、3)を完全に覆っており、且つ、前記両面保護接着剤層の両端は、前記絶縁ガスケットの両側縁からはみ出して、前記電気コア(5)の側壁に接着されていることを特徴とする請求項21に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、二次電池の技術分野に関するものであり、特に、二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ、及び二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、充電電池又は蓄電池ともいい、電池が放電した後に充電することで活物質を活性化させて引き続き使用することができる電池を指し、電気自動車、電動工具等の業界内でのニーズが比較的に多く、関連製品における重要な部品であり、関連製品の各性能に直接な影響を与えている。一般に、二次電池はケースと、電気コアと、トップカバーとを備えて、電気コアは、ケース内に配置され、トップカバーによってパッケージされて、トップカバーは、トップカバープレートと、トップカバープレート上に配置されたポールとを備え、ポールは、電気コアのタブに接続され、使用時は、ポールを外部用の電気機器に接続されて電力を供給しており、或いは、外部の電源に接続されて充電している。
【0003】
関連技術の中で、二次電池のトップカバー構造は通常、伝統的なリベット接合と溶接構造、及び射出成形構造で組立を行い、これらの構造は欠点がある。一つ目は、構造とプロセスフローが複雑で、材料と製作コストが比較的に高いことである。2つ目は、トップカバー構造の重量が重く、二次電池のエネルギー密度に影響している。三つ目は、トップカバー構造が二次電池の内部と外部の空間を占有しすぎて、二次電池のエネルギー密度の向上に大きな影響を与えた。
【0004】
二次電池のトップカバー構造におけるポールは通常に密閉構造であり、電池内部のタブは、先にアダプターピースと接続し、アダプターピースが更に内部でトップカバーポールと接続して、二次電池の内部と外部との接続を完成し、最後にトップカバーとケースとを溶接し、最終的に二次電池のパッケージングを完成する。ポールは密閉構造を採用しており、アダプターピースを内部でトップカバーポールに接続する必要があり、二次電池のトップカバー構造の溶接の困難性が増大し、生産効率が低下している。
【発明の概要】
【0005】
(発明の内容)
本願の解決しようとする技術課題は、二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池を提供し、関連技術においてポールが密閉構造を採用しており、アダプターピースが内部でトップカバーと接合する必要があるため、二次電池のトップカバー構造の溶接の困難性が増大し、生産効率が低下するという問題を解決する。
【0006】
上記の技術課題を解決するために、本願は、上下に貫通する下部貫通孔が開設された絶縁板と、前記絶縁板の頂部に配置され、前記下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設されたトップカバープレートと、前記上部貫通孔と前記下部貫通孔とを貫通して前記トップカバープレートと前記絶縁板とに固定的に接続され、導電体を貫通する貫通孔が開設された導電体を備えていることを特徴とする二次電池のトップカバー構造を提供する。
【0007】
好ましくは、前記二次電池は、アダプターピースを備え、アダプターピースには、トランスファパッドが設けられており、前記トップカバー構造が前記アダプターピースに接続される時に、前記トランスファパッドは、前記トップカバー構造における導電体の貫通孔内に突出している。
【0008】
好ましくは、前記絶縁板の頂部には上方に延びるパッドが設けられており、前記下部貫通孔は、前記パッドに位置し、前記パッドの底部には、前記下部貫通孔に連通する下部シンクホールが設けられており、前記下部シンクホールの孔径は、前記下部貫通孔の孔径よりも大きい。前記トップカバープレートの底部には、前記パッドを収納するとともに前記上部貫通孔を連通する上部シンクホールが設けられており、前記上部シンクホールの孔径は、前記上部貫通孔の孔径よりも大きい。
【0009】
好ましくは、前記導電体は、前記下部シンクホール内に位置し、前記下部貫通孔を介して上方に延びる下部ポールと、前記トップカバープレートの頂部に位置し、前記上部貫通孔を介して下方に延びる上部ポールとを備え、前記下部ポールと前記上部ポールとが溶接により接合されている。前記貫通孔は、前記上部ポールの上下両端を貫通する上部ポール貫通孔と、前記下部ポールの上下両端を貫通する下部ポール貫通孔を備え、前記上部ポール貫通孔と前記下部ポール貫通孔とが互いに連通している。
【0010】
好ましくは、前記上部ポールと前記トップカバープレートとの間に、前記上部ポールと前記トップカバープレートとを絶縁する上部プラスチックが設けられており、前記上部プラスチックには、上部の直径が大きく、下部の直径が小さい段階穴が設けられており、前記段階穴が前記上部貫通孔に連通し、前記上部ポールが前記段階穴の内部に位置している。
【0011】
好ましくは、前記上部ポールの底部には、前記段階穴及び前記上部貫通穴を貫通して前記下部ポールに溶接で接合された上部バンプが設けられており、前記上部ポールの断面は、前記上部バンプの断面よりも大きく、前記上部ポールと前記上部バンプは、一体成形構造となっている。前記下部ポールの頂部には、前記下部貫通孔を貫通して前記上部ポールに溶接で接合された下部バンプが設けられており、前記下部ポールの断面は、前記下部バンプの断面よりも大きく、前記下部ポールと前記下部バンプは、一体成形構造となっている。
【0012】
好ましくは、前記上部貫通孔の内部に位置する上部シールリングをさらに備え、前記上部シールリングの頂部には、前記上部ポールと前記トップカバープレートとの間を密封する環状フランジが設けられ、前記環状フランジと前記上部シールリングとが一体成形構造となっており、前記下部貫通孔内には下部シールリングが設けられ、前記下部シールリングは前記下部ポールと前記トップカバープレートとの間を密封する。
【0013】
好ましくは、前記絶縁板の下部貫通孔は、前記トップカバープレートの上部貫通孔と一対一に対応して互いに連通して第1貫通孔を形成しており、前記導電体は、ポールを備え、前記トップカバー構造は、上部プラスチックパートと下部シールパートをさらに備え、前記ポールと、前記上部プラスチックパートと、前記下部シールパートとは、上から下に順に配置されており、その中、前記ポールと前記上部プラスチックパートは、前記トップカバープレートの上方に配置され、前記上部プラスチックパートは、前記ポールと前記トップカバープレートの間に配置され、前記下部シールパートは、前記絶縁板の下部貫通孔と前記トップカバープレートの上部貫通孔とに貫通して設けられている。前記導電体の貫通孔は、ポール貫通孔を有し、前記上部プラスチックパートは、上部プラスチック貫通孔を有し、前記下部シールパートは、下部シール貫通孔を有し、前記ポール貫通孔と、前記上部プラスチック貫通孔と、前記下部シール貫通孔とは、互いに連通して第2貫通孔を形成しており、前記第2貫通孔の鉛直方向に沿う第2投影は、前記第1貫通孔の鉛直方向に沿う第1投影の内部に位置している。
【0014】
好ましくは、前記トップカバープレートは、上部シンクプラットフォームを備え、前記上部シンクプラットフォームは、前記トップカバープレートの上面に対して凹んでおり、前記トップカバープレートの上部貫通孔は、前記上部シンクプラットフォームに位置し、前記上部プラスチックパートは、前記上部シンクプラットフォームに位置している。
【0015】
好ましくは、前記上部プラスチックパートは、互いに接続された第1底壁および第1側壁を備え、前記上部シンクプラットフォームは、上部シンクプラットフォーム面および上部シンクプラットフォーム壁を有し、前記ポールは、外側壁と下面を有し、前記第1底壁が前記上部シンクプラットフォーム面と前記下面との間に挟まれ、前記第1側壁が前記上部シンクプラットフォーム壁と前記外側壁との間に挟まれている。
【0016】
好ましくは、前記下部シールパートは、互いに連結された第2底部および第2突起部を含み、前記第2突起部は、第1外側壁および第1頂部を含み、前記ポールは、下面を有し、前記第1頂部は、前記下面に当接しており、前記第2底部および前記第1外側壁は、いずれも前記第1貫通孔の孔壁に当接している。
【0017】
好ましくは、前記第1外側壁は、前記上部プラスチック貫通孔の孔壁にも当接している。
【0018】
好ましくは、前記トップカバープレートは、下部シンクプラットフォームをさらに備え、前記下部シンクプラットフォームは、前記トップカバープレートの下面に対して凹んでおり、前記下部シンクプラットフォームは、下部シンクプラットフォーム面と下部シンクプラットフォーム壁とを有し、前記第2底部は、第2外側壁及び第2頂部を有し、前記第2外側壁は前記下部シンクプラットフォーム壁に当接し、前記第2頂部は前記下部シンクプラットフォーム面に当接している。
【0019】
好ましくは、前記上部プラスチック貫通孔の大きさは、前記ポール貫通孔の大きさ以上である。
【0020】
好ましくは、前記トップカバープレートの上部貫通孔の大きさは、前記上部プラスチック貫通孔の大きさ以上である。
【0021】
好ましくは、前記絶縁板の下部貫通孔の大きさは、前記トップカバープレート貫通孔の大きさ以上である。
【0022】
好ましくは、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の中心軸線が一致している。
【0023】
好ましくは、前記トップカバープレートは、第1延長面を有し、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の第1延長面に沿った断面形状は、正方形、長方形、滑走路形状、円形、楕円形、五角形、六角形、八角形のいずれか1つである。
【0024】
好ましくは、前記絶縁板には、下部インジェクションホールと通気孔とが設けられ、前記下部インジェクションホールの底部に噴出防止板が設けらており、前記トップカバープレートには、前記下部インジェクションホールに連通する上部インジェクションホールと、前記通気孔に連通する爆発防止弁孔とが設けられており、前記トップカバープレートの底部には前記爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレートが設けられ、前記トップカバープレートの頂部には前記爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレート保護シートが設けられている。
【0025】
好ましくは、前記絶縁板の両側には、前記絶縁板の長手方向に間隔をおいて順次に配置された複数のアンダーカットが設けられており、前記複数のアンダーカットは、前記絶縁板と一体的な射出成形構造となっている。
【0026】
本願の別の態様は、トップカバー構造と、前記トップカバー構造における導電体を接続するためのアダプターピースと、前記アダプターピースの底部に設けられた絶縁ガスケットと、を備え、前記アダプターピースには、前記導電体における貫通孔の内部に突出するトランスファパッドが設けられており、前記トランスファパートは、前記導電体に溶接で接合されていることを特徴とする二次電池のトップカバーアセンブリを提供する。
【0027】
好ましくは、前記二次電池は、電気コアを備え、前記電気コアは、その頂部に複数のタブが設けられ、その中、前記アダプターピースの数は2つであり、且つ、前記2つのアダプターピースは、前記電気コアの頂部に設けられ、前記複数のタブは、それぞれ前記2つのアダプターピースの表面に溶接され、溶接エリアを形成しており、前記2つのアダプターピースの上方には、少なくとも1枚の両面保護接着剤層が貼り付けられており、前記両面保護接着剤層の両面は、いずれも粘着面であり、且つ、前記両面保護接着剤層が前記アダプターピースの上方に貼り付けられたときに、少なくとも前記溶接エリアを覆っている。
【0028】
本願の別の態様は、前記トップカバー構造と、デフレクタとを備える二次電池において、前記デフレクタは、前記トップカバー構造における絶縁板の下方に配置され、前記デフレクタの上面には、デフレクタポールが設けられており、前記デフレクタポールは、ポール主体とシャーシとを備え、前記ポール主体は、前記シャーシ上に位置し、前記トップカバー構造における第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通するのに適当し、且つ、前記第2貫通孔の孔壁に当接していることを特徴とする二次電池のトップカバーアセンブリを提供する。
【0029】
好ましくは、前記シャーシは、前記第1貫通孔における絶縁板の貫通孔の孔壁に当接している。
【0030】
好ましくは、電気コアアセンブリとケースをさらに備え、前記電気コアアセンブリは、前記ケース内に設けられ、少なくとも1つの単体電気コアを有し、前記単体電気コアは、上方に突出するタブを有している。前記デフレクタは、前記電気コアアセンブリの上方に位置し、前記デフレクタには、タブアセンブリパートが設けられており、前記タブアセンブリパートは、前記タブを前記デフレクタの上面に密着させて導電接続するように、対応するタブをその中から貫通させて屈曲させるためのものである。
【0031】
本願の別の態様は、前記トップカバーアセンブリと、複数の電気コアを収容するケースを備える二次電池において、前記ケースは、その内部に複数の電気コアが設けられ、前記電気コアのタブが前記トップカバーアセンブリにおける絶縁ガスケットを介してアダプターピースに溶接で接合されていることを特徴とする二次電池を提供する。
【0032】
好ましくは、前記電気コアは、その頂部に複数のタブが設けられ、前記アダプターピースの数は2つであり、且つ、前記2つのアダプターピースは、前記電気コアの頂部に設けられ、前記複数のタブは、それぞれ前記2つのアダプターピースの表面に溶接され、溶接エリアを形成しており、前記二次電池は、少なくとも1枚の両面保護接着剤層を備え、前記両面保護接着剤層の両面は、いずれも粘着面であり、前記両面保護接着剤層が前記アダプターピースの上方に貼り付けられ、少なくとも前記溶接エリアを覆っている。
【0033】
好ましくは、前記両面保護接着剤層は、2層の粘着層と、前記2層の前記粘性層の間に配置された炭酸塩保護層とを備える。
【0034】
好ましくは、前記炭酸塩保護層は、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム層構造である。
【0035】
好ましくは、前記2層の粘着層は、両面の粘着層であり、前記炭酸塩保護層は、前記2層の粘性層の間に敷き詰められて接着された粉体層構造である。
【0036】
好ましくは、前記両面保護接着剤層は全シート構造であり、2つの前記アダプターピース上の前記溶接エリアを同時に接着して覆っており、その中、前記アダプターピースには、インジェクションホールが設けられ、前記両面保護接着剤層には、前記トップカバーアセンブリにおけるトランスファパッドに対応する第1孔位と、前記インジェクションホールに対応する第2孔位と、が開設られている。
【0037】
好ましくは、前記両面保護接着剤層は、複数枚設けられており、各前記両面保護接着剤層は、2つの前記アダプタシート上の1つ以上の前記溶接エリアをそれぞれ接着して覆っている。
【0038】
好ましくは、前記第1孔位の形状および大きさは、前記トランスファパッドの周縁部に一致し、前記第2孔位の形状及び大きさは、前記インジェクションホールの周縁部に一致している。
【0039】
好ましくは、前記両面保護接着剤層は、前記アダプタシートを完全に覆っており、且つ、前記両面保護接着剤層の両端は、前記ガスケットの両側縁からはみ出して、前記電気コアの側壁に接着されている。
【0040】
好ましくは、本願は、頂部に複数のタブが設けらた電気コアと、前記電気コアの頂部に設けられ、前記複数のタブがそれぞれ表面に溶接されており、溶接エリアを形成する2つアダプターピースと、両面がいずれも粘着面であり、前記アダプターピースの上方に貼り付けられ少なくとも前記溶接エリアを覆っている少なくとも1枚の両面保護接着剤層を備えていることを特徴とする二次電池を提供する。
【0041】
本願が提供する技術案がもたらす有益な効果には、以下のいくつかの方面が含まれている。
【0042】
本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造と、トップカバーアセンブリと、二次電池とを提供する。本願に係るトップカバー構造には、上下に貫通する下部貫通孔が開設された絶縁板と、絶縁板の頂部に配置され、下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設されたトップカバープレートと、上部貫通孔と下部貫通孔とを貫通してトップカバープレートと絶縁板とに固定的に接続され、導電体を貫通する貫通孔が開設された導電体と、を備えている。
【0043】
本願の二次電池トップカバーアセンブリにおけるアダプターピースには、電導体の貫通孔の内部に凹んでいるトランスファパッドが設けられており、このトランスファパッドと導電体との間にシーム溶接による溶接接続を実現することができる。本願では、従来のタブ又はアダプターピースとトップカバーポールとの貫通溶接をシーム溶接に変更し、貫通溶接の虚溶接により電池内部の接続が切断されるリスクを低減すると同時に、シーム溶接はアダプターピースと導電体との接触面積を増加させ、内部抵抗を減少させ、過電流能力を増加させ、二次電池の性能を向上させることができる。その上で、本願のトップカバー構造は、絶縁板に上下に貫通する下部貫通孔が開設され、トップカバープレートには下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上貫通孔が開設され、導電体は、上部貫通孔及び下部貫通孔を介してトップカバープレート及び絶縁板に固定的に接続され、導電体には導電体を貫通する貫通孔が開設されている。導電体は、二次電池と二次電池の内部とを外部から内部に向かって導通させることができるだけでなく、貫通孔を介して二次電池への注液や補液を容易に行うことができ、二次電池の生産効率を向上させることができ、且つ、二次電池は、貫通孔を介して二次電池へ注液や補液することで、二次電池のサイクル性能を向上させることができる。
【0044】
本願の二次電池は、先にトップカバーアセンブリとケースとのパッケージングを完了してから、導電体の貫通孔とアダプターピースのトランスファパッドとのシーム溶接により、二次電池の外側から内側へのパッケージングを完了することができ、これにより、内部のタブの組み立て構造を最適化し、タブの高さを引き上げ、さらに二次電池のエネルギー密度及び体積エネルギー密度を高めることができる。
【0045】
以下に詳述するいくつかの実施形態では、両面が粘着層である両面保護接着剤層をアダプターピースに設置しているため、両面保護接着剤層が溶接エリアに貼り付けられて覆っており、さらに、溶接エリア上に落下する可能性のある溶接スラグが溶接エリアを外れて巻芯内部に落下することを効果的に防止することができる。同時に、その反対側にも粘着層があるので、その後の加工工程では、この両面保護接着剤層に付着した溶接スラグや粉塵粒子等の異物を付着させることも可能である、巻芯への異物の侵入の可能性を効果的に低減し、溶接エリアを覆う両面保護接着剤層も二次電池の注液後に溶接エリアが電解液と接触するのを効果的に回避し、その腐蝕の速度を低減し、最終的に両面保護接着剤層による二次電池の効果的な保護を実現する。
【0046】
以下に詳述されるいくつかの実施形態では、本願のトップカバーアセンブリは、より少ない部品を含んでいる。ポールアセンブリは、ポールと、上部プラスチックパートと、下部シールパートという3つの部品のみを含み、各部品は独立して製造することができ、トップカバー構造を大幅に簡素化し、構造及び材料コストを低減している。本願のトップカバーアセンブリを採用することにより、組立を行う際にリベット締め、射出成形、溶接等の工程を採用する必要がなく、トップカバーアセンブリの生産コストと品質コストを大幅に低減することができる。溶接等の工程を採用する必要がなく、また、それによって発生する金属屑が電池内部に侵入することもないので、二次電池の短絡の危険性を回避することができる。部品が少なくて構造が簡単であるので、トップカバーアセンブリの重量を低減し、二次電池のエネルギー密度を向上させることができる。トップカバーアセンブリの鉛直方向Zの高さが相対的に低くなり、二次電池の内外の高さ空間におけるトップカバーアセンブリの占有率が減少し、二次電池の高さ方向の空間利用率が大幅に向上し、二次電池のエネルギー密度及び体積エネルギー密度が大幅に向上している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
(図面の説明)
本願の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明するが、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施形態にすぎず、本分野の当業者にとって、進歩性的な労働を払わずに、これらの図面から他の図面を得ることができることは明白である。
図1図1は、本願の実施例のトップカバー構造の構造斜視図である。
図2図2は、本願の実施例のトップカバー構造の構造爆発図である。
図3図3は、本願の実施例のトップカバー構造の構造平面図である。
図4図4は、本願の実施例のトップカバー構造の構造上面図である。
図5図5は、図3のA-A方向に沿う構造断面図である。
図6図6は、図5のAにおける部分拡大図である。
図7図7は、図5のBにおける部分拡大図である。
図8図8は、本願の実施例のトップカバープレートの構造平面図である。
図9図9は、本願の実施例のトップカバープレートの構造上面図である。
図10図10は、本願の実施例の絶縁板の構造平面図である。
図11図11は、本願の実施例の絶縁板の構造上面図である。
図12図12は、図10のB-B方向に沿う構造断面図である。
図13図13は、図10のC-C方向に沿う構造断面図である。
図14図14は、図13のCにおける部分拡大図である。
図15図15は、本願の実施例の上部ポールの構造平面図である。
図16図16は、本願の実施例の上部ポールの構造断面図である。
図17図17は、本願の実施例の上部ポールの構造上面図である。
図18図18は、本願の実施例の下部ポールの構造平面図である。
図19図19は、本願の実施例の下部ポールの構造断面図である。
図20図20は、本願の実施例の下部ポールの構造上面図である。
図21図21は、本願の他の実施例のトップカバー構造の構造爆発図である。
図22図22は、本願の実施例の二次電池の構造爆発図である。
図23A図23Aは、本願の一実施例の二次電池の爆発概略図である。
図23B図23Bは、図23Aに示す二次電池の組立完了後の構造模式図である。
図24図24は、本願の一実施例の二次電池のトップカバー構造の構造模式図である。
図25図25は、図24に示した実施例の爆発概略図である。
図26図26は、図24のB2-B2’線に沿う断面図である。
図27図27は、図26の部分領域Cの拡大概略図である。
図28図28は、図24に示した二次電池のトップカバー構造の上面底面図である。
図29図29は、本願の一実施例の二次電池のアセンブリ構造の爆発図である。
図30図30は、図29に示した実施例のアセンブリ構造の組立後の断面図である。
図31図31は、図30に示した実施例のアセンブリ構造におけるフラップ後の構造模式図である。
図32図32は、図23のB2のB1-B1’線に沿う断面図である。
図33図33は、本願の一実施例の二次電池の構造模式図である。
図34図34は、図33に示した実施例における両面保護接着剤層の構造模式図である。
図35図35は、本願の一実施例の二次電池の両面保護接着剤層をそれぞれ部分的に対比した概略図である。
図36図36は、本願の一実施例の二次電池の両面保護接着剤層をそれぞれ部分的に対比した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(具体的な実施形態)
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における技術案について、添付の図面を用いて明確かつ完全に説明するが、説明された実施例が本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、本分野の当業者が進歩性的な労働を行わないことを前提として取得した他のすべての実施例は、本願の保護の範囲に属する。
【0049】
本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池を提供し、ポールが密閉構造を採用するため、二次電池の注液や補液の効率を高めることが困難であり、また、アダプターピースをトップカバーポールに内部で接合する必要があり、二次電池のトップカバー構造の溶接が困難になり、生産効率が低下するという問題を解決することができる。
【0050】
図1図4図8図12に示すように、本願の実施例の第1の態様は、二次電池のトップカバー構造を提供する。
【0051】
当該トップカバー構造1は、上下に貫通する下部貫通孔が開設された絶縁板15と、
絶縁板15の頂部に位置し、下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設されたトップカバープレート11と、上部貫通孔と下部貫通孔とを貫通してトップカバープレート11と絶縁板15とに固定的に接続され、導電体を貫通する貫通孔が開設された導電体と、を備えている。
【0052】
ここで、絶縁板15は、長方形のプラスチック板であってもよく、トップカバープレート11の下方に位置し、絶縁板15の下部貫通孔はトップカバープレート11の上部貫通孔の位置寸法と一致し、導電体は上部貫通孔及び下部貫通孔を貫通して、トップカバープレート11及び絶縁板15に固定的に接続されている。
【0053】
ここで、導電体はポールであってもよく、ポールは一体であってもよく、複数の構造を組み合わせて構成されていてもよい。本願の実施例は、導電体の具体的な形状及び組み合わせ方法については制限しない。導電体には、導電体を貫通する貫通孔が開設されており、この貫通孔により、導電体を介して二次電池と二次電池内部とを外部から内部に向かって接続して導通させることができるだけでなく、導電体の貫通孔を介して二次電池内部への注液や補液を容易に行うことができ、二次電池の生産効率を向上させることができる。
【0054】
また、本願の実施例では、貫通孔の大きさ、貫通孔の位置及び形状について具体的な制限はなく、例えば、貫通孔は楕円形、円形、滑走路形、長方形等であってもよく、液体注入及び液体補充の要求をより適切に実現するために、貫通孔の大きさを具体的な要求に応じて設定することができる。
【0055】
いくつかの実施例において、図1図4図8図12を参照して示されるように、本願の実施例の第1の態様は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1では、絶縁板15が矩形のプラスチック板であり、絶縁板15の頂部には上方に延びるパッドが設けられており、下部ポールを突出させるために下部貫通孔がパッドの頂部に設けられている。パッドの底部には、下部貫通孔に連通する下部シンクホールが設けられ、下部シンクホールの孔径は下部貫通孔の孔径よりも大きい。本願の実施例には、絶縁板15の頂部の両端にそれぞれ第1パッド153と第2パッド154との2つのパッドを備えている。
【0056】
第1パッド153の頂部には、第1下部ポール17から突出する第1下部貫通孔151が設けられ、第1パッド153の底部には、第1下部貫通孔151に連通する第1下部シンクホール155が設けられ、第1下部シンクホール155の孔径は、第1下部貫通孔151の孔径よりも大きい。第2パッド154の頂部には、第2下部ポール22から突出する第2下部貫通孔152が設けられ、第2パッド154の底部には、第2下部貫通孔152に連通する第2下部シンクホール156が設けられ、第2下部シンクホール156の孔径は、第2下部貫通孔152の孔径より大きい。第1下部貫通孔151及び第2下部貫通孔152は、長ウエスト孔であることが好ましいが、これに限定されるものではない。第1下部シンクホール155と第2下部シンクホール156は、矩形孔であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0057】
トップカバープレート11は、長方形の金属板であり、トップカバープレート11は、絶縁板15の頂部に位置して互いに密着し、トップカバープレート11の底部には、パッドを収納するとともに上部貫通孔を連通する上部シンクホールが設けられ、上部シンクホールの孔径は上部貫通孔の孔径よりも大きい。本願の実施例は、トップカバープレート11の頂部の両端にそれぞれ位置する2つの上部貫通孔を配置し、当該2つの上部貫通孔はそれぞれ第1上部貫通孔112と第2上部貫通孔113である。第1上部貫通孔112と第1下部貫通孔151とは形状及び大きさが同一であり、互いに連通しており、第2上部貫通孔113と第2下部貫通孔152とは形状及び大きさが同一であり、互いに連通している。
【0058】
上部シンクホールは、トップカバープレート11の底部の両端にそれぞれ位置し、第1上部貫通孔112の底部に位置して互いに連通している第1上部シンクホール114と、第2上部貫通孔113の底部に位置して互いに連通している第2上部シンクホール115との2つを備えている。第1上部シンクホール114は、第1のパッド153を収容するためのものであり、第1上部シンクホール114は、第1のパッド153に適合する矩形の孔であり、第1のパッド153は、第1上部シンクホール114の内部に位置する。第2上部シンクホール115は、第2パッド154を収容するためのものであり、第2上部シンクホール115は、第2パッド154に適合する矩形の孔であり、第2パッド154は、第2上部シンクホール115の部内に位置する。
【0059】
導電体は、具体的には、絶縁板15の下部シンクホールの内部に位置し、下部貫通孔を介して上方に延びる下部ポールと、トップカバープレート11の頂部に位置し、上部貫通孔を介して下方に延びる上部ポールと、を備える。下部ポールと上部ポールとが溶接により接合されて一体化されている。本願の実施例の下部ポールは、第1下部ポール17と第2下部ポール22を含み、上部ポールは、第1上部ポール12及び第2上部ポール18を含む。第1下部ポール17は、第1下部シンクホール155の内部に位置し、第1下部貫通孔151を介して上方に延在し、第1上部ポール12は、トップカバープレート11の頂部に位置し、第1上部貫通孔112を介して下方に延在している。第1上部ポール12と第1下部ポール17は、溶接により接合されて正極ポールが形成されている。
【0060】
第2下部ポール22は、第2下部シンクホール156の内部に位置し、第2下部貫通孔152を介して上方に延在し、第2上部ポール18は、トップカバープレート11の頂部に位置し、第2上部貫通孔113を介して下方に延在している。第2上部ポール18と第2下部ポール22は、溶接により接合されて負極ポールが形成されている。第1下部ポール17は、第1下部シンクホール155の内部に位置してから第1上部ポール12に溶接により接合され、第1下部ポール17の底面は絶縁板15の底面と面一であり、第2下部ポール22は、第2下部シンクホール156の内部に位置してから第2上部ポール18に溶接により接合され、第2下部ポール22の底面は絶縁板15の底面と面一である。第1下部シンクホール155及び第2下部シンクホール156は、トップカバー構造1の空間高さを低減し、二次電池の内部高さを空間的に最大限に利用することができ、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。
【0061】
本発明の実施例に係るトップカバー構造は、絶縁板15に上下に貫通する下貫通孔が開設され、トップカバープレート11に下貫通孔に連通して且つ上下に貫通する上貫通孔が開設され、上貫通孔及び下貫通孔を介してトップカバープレート11及び絶縁板15に導電体が固定されて接続され、導電体には導電体を貫通する貫通孔が開設されている。導電体は、二次電池と外部機器とを接続することができるだけでなく、貫通孔を介して二次電池内への注液や補液を容易に行うことができ、二次電池の生産効率を向上させることができる。
【0062】
本願の実施例に係るトップカバー構造1は、絶縁板15の頂部に上方に延びるパッドが設けられ、パッドの頂部に下部貫通孔が設けられ、パッドの底面に下部貫通孔に連通する下部シンクホールが設けられている。トップカバープレート11の頂部には、下部貫通孔に連通する上部貫通孔が設けられ、トップカバープレート11の底部には、パッドを収容する上部シンクホールが設けられている。下部ポールは、下部シンクホール内に位置し、下部貫通孔を介して上方に延び、上部ポールは、トップカバープレート11の頂部に位置し、上部貫通孔を介して下方に延び、下部ポールと上部ポールとは、溶接により互いに接合されている。絶縁板15のパッドをトップカバープレート11の上部シンクホールの内部に位置させることにより、下部シンクホールの内部に位置する下部ポールとトップカバープレート11の底部との距離を大幅に短縮することができ、トップカバー構造1の高さ空間を低減することができ、二次電池の内部の高さ空間を最大限に利用することができ、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。
【0063】
本願の実施例に係るトップカバー構造1は、トップカバープレート11の底部に設けられた上部シンクホールにより、下部ポールの表面からトップカバープレート11の底部までの距離を低減しており、高さ空間を低減し、二次電池の内部の高さ空間を最大限に利用することができ、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。上部ポールと下部ポールに設けた貫通孔構造により、二次電池の内部組立工程において、上部ポールと下部ポールの貫通孔を介して外側から内側に向けて溶接して接続することができ、電気コア内部構造の高さ空間の簡素化と電池エネルギー密度の向上を図ることができる。上部ポールと下部ポールの貫通孔から二次電池の内部に注液し、アルミ釘を溶接するなどして封止することにより、二次電池の組立接続を完了することができる。
【0064】
本願の実施例に係るトップカバー構造1は、上部ポールと下部ポールに設けられた貫通孔構造により、アルミ釘の溶接等により封止することができ、二次電池の組立接続が完了する。同時に、貫通孔を介して二次電池の内部への注液や補液を容易に行うことができ、従来のトップカバー構造よりも注液効率が高く、注液量も多くなる。トップカバープレート11の底部に設けた上部シンクホールを介して、絶縁板15の上部における上方に延びるパッドと下部ポールとをトップカバー構造に実装させることにより、ねじれ防止、回転防止の機能を持たせることができる。
【0065】
いくつかの実施例において、図2図3図6図7を参照して示されるように、本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1は、その上部ポールとトップカバープレートとの間に、上部ポールとトップカバープレート11とを絶縁する上部プラスチックが設けられている。上部プラスチックには、上部直径が大きく、且つ下部の直径が小さい段階穴が設けられており、段階穴が上部貫通孔に連通し、上部ポールが段階穴の内部に位置している。本願の実施例の上部プラスチックは、2つ設けられており、2つの上部プラスチックは、それぞれトップカバープレート11の頂部の両端に位置しており、2つの上部プラスチックは、それぞれ第1の上部プラスチック13と第2の上部プラスチック19である。第1上部プラスチック13は、第1上部貫通孔112の頂部に位置し、第2上部プラスチック19は、第2上部貫通孔113の頂部に位置している。
【0066】
第1上部プラスチック13及び第2上部プラスチック19には、上部の直径が大きくて下部の直径が小さい段階穴が設けられており、第1上部プラスチック13の段階穴は第1上部ポール12を収容して第1上部貫通孔112と連通し、第2上部プラスチック19の段階穴は第2上部ポール18を収容して第2上部貫通孔113と連通している。第1の上部プラスチック13上に位置する第1の上部ポール12は、段階穴の内部に位置し、第1の上部貫通孔112を介して第1の下部ポール17と溶接により互いに接合されている。第2の上部プラスチック19上に位置する第2の上部ポール18は、段階穴の内部に位置し、第2の上部貫通孔113を介して第2の下部ポール22と溶接により互いに接合されている。
【0067】
第1の上部プラスチック13及び第2の上部プラスチック19は、いずれも絶縁体である。第1上部プラスチック13は、第1上部ポール12とトップカバープレート11との間に安全な電気的間隙を形成するために使用されている。第2上部プラスチック19は、第2上部ポール18とトップカバープレート11との間に安全な電気的間隙を形成するために使用されている。第1上部プラスチック13の段階穴は、第1上部ポール12と絶縁板15の上面との間の距離を短くするために用いら、第2上部プラスチック19の段階穴は、第2の上部ポール18と絶縁板15の上面との間の距離を短くするために用いら、全体としてトップカバー構造1の空間高さを低減し、二次電池の内部高さを空間的に最大限に利用することができ、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができる。
【0068】
いくつかの実施例において、図5図7図15図20を参照して示されるように、本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1は、その上部ポールの底部には、段階穴及び上部貫通穴を貫通して下部ポールに溶接により接合された上部バンプが設けられている。上部ポールの断面は、上部バンプの断面よりも大きい。上部ポールと上部バンプは、一体成形構造となっている。下部ポールの頂部には、下部貫通孔を貫通して上部ポールに溶接により接合された下部バンプが設けられている。下部ポールの断面は、下部バンプの断面よりも大きい。下部ポールと下部バンプは、一体成形構造となっている。
【0069】
本願の実施例にトップカバー構造1は、上部ポールの底部に上部バンプが設けられ、下部ポールの底部に下部バンプが設けられている。上部バンプは、上部ポールとトップカバープレート11の正面との間の距離を小さくすることができ、下部ポールは、下部ポールとトップカバープレートの裏面との間の距離を小さくすることができ、トップカバー構造1の高さ方向の占有スペースを小さくすることができ、二次電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、トップカバー構造1は、上部ポールの底部に上部バンプが設けられ、下部ポールの頂部に下部バンプが設けられている。これにより、トップカバー構造を簡素化するとともに、上部ポールと下部ポールとを溶接で接合することで、トップカバー構造の設計と工程の設計を簡素化することができ、トップカバー構造のコストを低減しながら、トップカバー構造の重量を低減して電気コアのエネルギー密度を向上させることができる。
【0070】
具体的には、本願の実施例の上部ポールは、第1上部ポール12及び第2上部ポール18を含み、下部ポールは、第1下部ポール17及び第2下部ポール22を含んでいる。上部バンプは、第1上部ポール12の底面に位置する第1上部バンプ122と、第2上部ポール18の底面に位置する第2上部バンプ182とを含み、下部バンプは、第1下部ポール17の頂部に位置する第1下部バンプ172と、第2下部ポール22の頂部に位置する第2下部バンプ222とを含んでいる。
【0071】
第1上部ポール12の第1上部バンプ122は、第1上部プラスチック13の段階穴及び第1上部貫通穴112を貫通して第1下部ポール17の第1下部バンプ172に溶接で接合されている。第1下部ポール17の第1下部バンプ172は、第1下部貫通孔151を介して第1上部ポール12の第1上部バンプ122に溶接で接合されている。第2の上部ポール18の第2上部バンプ182は、第2の上部プラスチック19の段階穴および第2上部貫通孔113を介して第2下部ポール22の第2下部バンプ222に溶接で接合されている。第2下部ポール22の第2下部バンプ222は、第2下部貫通孔152を介して第2上部ポール18の第2上部バンプ182に溶接で接合されている。
【0072】
本願の実施例に係る第1上部ポール12は、第1上部バンプ122を介して第1下部ポール17に溶接で接合されている。第1下部ポール17は、第1下部バンプ172を介して第1上部ポール12に溶接で接合されている。第2上部ポール18は、第2上部バンプ182を介して第2下部ポール22に溶接で接合されている。第2下部ポール22は、第2下部バンプ222を介して第2上部ポール18に溶接で接合されている。それにより、第1の上部ポール12と第1下部ポール17との間の距離が短縮し、また、第2の上部ポール18と第2下部ポール22との間の距離が短縮しており、全体としてトップカバー構造1の空間高さを低減することができ、二次電池の内部高さを空間的に最大限に利用することができ、二次電池の体積エネルギー密度を向上させることができ、トップカバー構造1の構造設計を簡素化し、加工コストを低減することができる。
【0073】
いくつかの実施例において、図2図5図7及び図21を参照して示されるように、本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1は、上部貫通孔内に位置する上部シールリングをさらに備えている。上部シールリングの頂部には、上部ポールとトップカバープレートとの間を密封する環状フランジが設けられ、環状フランジと上部シールリングとが一体成形構造となっている。下部貫通孔の内部には下部シールリングが設けられ、下部シールリングは下部ポールとトップカバープレートとの間を密封する。本願の実施例に係る上部シールリングは、第1上部貫通孔112内に位置する第1上部シールリング14と、第2上部貫通孔113内に位置する第2上部シールリング20とを含み、下部シールリングは、第1下部貫通孔151内に位置する第1下部シールリング16と、第2下部貫通孔152内に位置する第2下部シールリング21とを含んでいる。
【0074】
第1上部シールリング14は、第1上部ポール12とトップカバープレート11との間の隙間を密封するためのものである。第1下部シールリング16は、第1下部ポール17とトップカバープレート11との間の隙間を密封するためのものである。第2上部シールリング20は、第2上部ポール18とトップカバープレート11との間の隙間を密封するためのものである。第2下部シールリング21は、第2下部ポール22とトップカバープレート11との間の隙間を密封するためのものである。それにより、電気コアの内部の電解液が上記の隙間から流出したり、二次電池の外部に揮発したりするのを防止することができる。設計を簡略化するために、トップカバー構造1は図21に示すように、第1下部シールリング16及び第2下部シールリング21を省略することができる。
【0075】
いくつかの実施例において、図2図7図15図20を参照して示されるように、本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1は、その上部ポールに上部ポールの上下両端を貫通する上部ポール貫通孔が開設され、下部ポールに下部ポールの上下両端を貫通する下部ポール貫通孔が開設され、上部ポール貫通孔と下部ポール貫通孔とが連通している。本願の実施例に係る上部ポールは、第1上部ポール12及び第2上部ポール18を含み、下部ポールは、第1下部ポール17及び第2下部ポール22を含んでいる。上部ポール貫通孔は、第1上部ポール12の上下両端を貫通する第1上部ポール貫通孔121と、第2上部ポール18の上下両端を貫通する第2上部ポール貫通孔181とを含んでいる。
【0076】
下部ポール貫通孔は、第1下部ポール17の上下両端を貫通する第1下部ポール貫通孔171と、第2下部ポール22の上下両端を貫通する第2下部ポール貫通孔221とを含んでいる。第1上部ポール貫通孔121と第1下部ポール貫通孔171とは互いに連通し、第2上部ポール貫通孔181と第2下部ポール貫通孔221とは互いに連通している。第1上部ポール貫通孔121と第1下部ポール貫通孔171との間には、正極ポールへの液体注入通路が形成され、第2上部ポール貫通孔181と第2下部ポール貫通孔221との間には、負極ポールへの液体注入通路が形成されている。正極ポールの液体注入通路及び負極ポールの液体注入通路から二次電池の内部への注液又は補液を迅速に行い、注液又は補液が完了した後にアルミ釘の溶接等により封止することで、二次電池の組立接続を完了することができ、従来のトップカバー構造より注液効率が高く、注液量も多くなる。
【0077】
また、本願の実施例では、上部ポールに上部ポールの上下両端を貫通する上部ポール貫通孔が開設され、下部ポールには下部ポールの上下両端を貫通する下部ポール貫通孔が開設されており、二次電池の内部組立接続工程において、外部から内部へ溶接で接続することにより、電気コアの内部構造の高さ空間の簡素化と電池エネルギー密度の向上を図ることができる。
【0078】
いくつかの実施例において、図3図4図10図14を参照して示されるように、本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造を提供する。トップカバー構造1は、その絶縁板15には、下部インジェクションホール157と通気孔159とが設けられ、下部インジェクションホール157の底部に噴出防止板が設けらている。トップカバープレート11には、インジェクションホール157に連通する上部インジェクションホール111と、通気孔159に連通する爆発防止弁孔とが設けられ、トップカバープレート11の底部には爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレート24が設けられ、トップカバープレート11の頂部には爆発防止弁孔を閉塞する爆発防止プレート保護シート23が設けられている。絶縁板15の両側には、絶縁板15の長手方向に間隔をおいて順次に配置された複数のアンダーカット158が設けられており、複数のアンダーカット158は、絶縁板15と一体的に形成された射出成形構造となっている。
【0079】
本願の実施例では、絶縁板15に下部インジェクションホール157が開設され、トップカバープレート11に下部インジェクションホール157に連通する上部インジェクションホール111が開設され、下部インジェクションホール157及び上部インジェクションホール111は、電解液を電気コアに注液するために用いられている。下部インジェクションホール157の底部の噴出防止板は、電気コア内の電解液の圧力が上昇して下部インジェクションホール157から上方に噴出し、二次電池の内部のポールピースに衝突するのを防止するためのものである。通気孔159は、二次電池の内部気圧が異常に上昇した場合に、速やかに通気孔159を介して爆発防止プレート24を開放して圧力を逃がすことができ、二次電池の使用上の安全性を確保することができる。複数のアンダーカット158は、アダプターピースまたは絶縁ガスケット上のアンダーカット穴に連結されることにより、二次電池の内部のアダプターピース、絶縁ガスケット4および電芯コアセルタブを固定し、タブ形状を硬化させる。
【0080】
絶縁板15の下部インジェクションホール157の底部には噴出防止板が設けられており、注液時の圧力が大きくなり、電解液が二次電池の内部のポールピースに直接に当たることを防止する。アンダーカット158は、二次電池の内部のアダプターピースまたは絶縁ガスケット4のアンダーカット穴に連結することにより、二次電池の内部のアダプターピース、絶縁ガスケット4および電芯コアセルタブを完全に固定し、タブ形状を硬化させるように設計されている。
【0081】
図22に示すように、本願の実施例の第2の態様は、二次電池のトップカバーアセンブリを提供する。前記トップカバーアセンブリは、上記のいずれか一項の実施例で説明したトップカバー構造1、および導電体を接続するためのアダプターピースを備えている。アダプターピースは、正極アダプターピース2と負極アダプターピース3とを備えている。正極アダプターピース2及び負極アダプターピース3の底部には、絶縁ガスケット4が設けられている。正極アダプターピース2及び負極アダプターピース3には、それぞれ、下部ポール貫通孔及び上部ポール貫通孔の内部に突出するトランスファパッドが設けられている。このトランスファパートは、下部ポール貫通孔及び上部ポール貫通孔に溶接で接合されている。従来技術におけるタブ又はアダプターピースとトップカバーポールとの貫通溶接に比べて、本願では、タブ又はアダプターピースとトップカバーポールとの貫通溶接をシーム溶接に変更し、貫通溶接の虚溶接による電池の内部の接続切断のリスクを低減すると同時に、シーム溶接は部品間の接触面積を増加させ、内部抵抗を減少させ、過電流能力を増加させ、二次電池の性能を向上させることができる。
【0082】
また、本願の実施例では、まず、トップカバーとケースとのパッケージングを完了し、そして、導電体の貫通孔とアダプターピースとの溶接により、二次電池の外側から内側へのパッケージングを完了することができ、これにより、内部のタブの組み立て構造を最適化し、タブの高さを向上させて、さらに二次電池のエネルギー密度及び体積エネルギー密度を高めることができる。本願の実施例により提供されるトップカバーアセンブリは、アダプターピースのトランスファパッドをトップカバー構造における導電体の貫通孔に嵌合させた後、アダプターピースとトップカバー構造の導電体とをトップカバー構造上で溶接することにより、ベア電気コアとアダプターピースとの組み立て後にトップカバー構造との嵌合を行うことにより、アダプターピースと導電体とのはんだ付けの困難性を低減することができる。
【0083】
図22に示すように、本願の実施例の第3の態様は、二次電池を提供する。当該二次電池は、上記のいずれか一項の実施例で説明したトップカバーアセンブリと、複数の電気コア5を収容するケース6を備えている。ケース6は、その内部に複数の電気コア5が設けられている。複数の電気コア5の正極タブが絶縁ガスケット4を介して正極アダプターピース2に溶接で接合され、複数の電気コア5の負極タブが絶縁ガスケット4を介して負極アダプターピース3に溶接で接合されている。なお、本実施例では、各二次電池に含まれる電気コアの数に具体的な制限はなく、例えば、2個、4個、6個、8個等の電気コアを含むことが可能であり、本実施例は一例であり、これに限定されるものではない。
【0084】
上記のトップカバー実装の仕組みを以下に説明する。本願の実施例は、二次電池のトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池を提供する。本願のトップカバー構造は、上下に貫通する下貫通孔が開設された絶縁板15と、絶縁板15の頂部に配置され、下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設されたトップカバープレート11と、上部貫通孔及び下部貫通孔を介してトップカバープレート11及び絶縁板15に固定的に接続された導電体とを備え、導電体には、導電体を貫通する貫通孔が開設されている。
【0085】
そのため、本願のトップカバー構造は、絶縁板15に上下に貫通する下部貫通孔が開設され、トップカバープレート11に下部貫通孔に連通するとともに上下に貫通する上部貫通孔が開設され、導電体は、上部貫通孔及び下部貫通孔を介してトップカバープレート11及び絶縁板15に固定的に接続され、導電体には導電体を貫通する貫通孔が開設されている。導電体は、二次電池と二次電池の内部とを外部から内部に向かって導通させることができるだけでなく、貫通孔を介して二次電池内への注液や補液を容易に行うことができ、二次電池の生産効率を向上させることができる。
【0086】
以上、図1図22を参照して説明した実施例に加えて、導電体に貫通孔を設けたトップカバー構造としても好適な二次電池のトップカバー構造が提案されている。以下、図23A~32を参照してさらに説明する。
【0087】
図23Aは、本願の一実施例に係る二次電池の爆発概略図であり、図23Bは、図23Aに示す二次電池の組立完了後の構造模式図である。図23Aおよび図23Bに関連して、当該二次電池200は、ケース210と、電気コアアセンブリ220と、絶縁ガスケット230と、デフレクタ240(本願の他の実施例では、アダプタピースとも言える)と、トップカバー構造250とを備えている。電気コアアセンブリ220は、ケース210の内部に配置され、絶縁ガスケット230、デフレクタ240を下から上に電気コアアセンブリ220の頂部に順次に重ね、デフレクタ240の上方にトップカバー構造250を配置し、トップカバー構造250をケース210とカバーして1つの密閉されたハウジングを形成する。ここで、デフレクタ240は、正極デフレクタ241と負極デフレクタ242という2枚を備え、正極デフレクタ241は正極デフレクタポール243aを有し、負極デフレクタ242は負極デフレクタポール243bを有している。
【0088】
図24は、本願の一実施例の二次電池のトップカバー構造の構造模式図である。図25は、図24に示した実施例の爆発概略図である。図24および図25に関連して示されるように、本実施例のトップカバー構造250は、トップカバーシート310(本願の他の実施例では、トップカバープレートとも呼ばれている)と、絶縁パート320(本願の他の実施例では、絶縁プレートとも呼ばれている)と、ポールアセンブリとを備え、トップカバーシート310にはトップカバーシート貫通孔311a、311b(本願の他の実施例では、トップカバーシートの上部貫通孔とも呼ばれている)が開設されている。絶縁パート320は、トップカバーシート310の下方に配置され、絶縁パート320には、絶縁パート貫通孔321a、321bが開設されている。絶縁パート貫通孔321a、321bは、トップカバーシート貫通孔311a、311bと一対一に対応して互いに連通して第1貫通孔を形成する。図25に示すように、トップカバー構造250は、2組のポールアセンブリを備え、上から下に順次に配置されたポール330a、330b(本願の他の実施例では、導電体とも呼ばれている)と、上部プラスチックパート340a、340b(本願の他の実施例では、第1上部プラスチック及び第2上部プラスチックとも呼ばれている)と、下部シールパート350a、350bとをそれぞれ含んでいる。ここで、ポール330a、上部プラスチックパート340a及び下部シールパート350aは、1セットのポールアセンブリであり、三者は二次電池の他のパート(例えば、図23Aのポール主体2431)を結合して二次電池の一つの正極ポールを形成する。類似するように、ポール330b、上部プラスチックパート340b及び下部シールパート350bは、1セットのポールアセンブリであり、三者は二次電池の他のパートを結合して二次電池の一つの負極ポールを形成する。形成された正極ポールと負極ポールの構造は類似しており、以下では、正極ポールを例に説明し、関連内容は負極ポールに類推することができる。
【0089】
正極ポールでは、トップカバーシート310の上方には、ポール330a及び上部プラスチックパート340aが設けられている。上部プラスチックパート340aは、ポール330aとトップカバーシート310との間に配置されている。下部シールパート350aは、絶縁パート貫通孔321aとトップカバーシート貫通孔311aとに貫通して設けられ、ポール330aは、ポール貫通孔331a(本願の他の実施例では、導電体の貫通孔とも呼ばれている)を有する。上部プラスチックパートは、上部プラスチック貫通孔341aを有し、下部シールパート350aは、下部シール貫通孔351aを有し、ポール貫通孔331a、上部プラスチック貫通孔341a及び下部シール貫通孔351aは、互いに連通して第2貫通孔を形成している。第2貫通孔の垂直方向に沿う第2投影は、第1貫通孔の垂直方向に沿う第1投影の内部に位置している。
【0090】
図23Aおよび図25に関連して示されるように、組立後に、正極デフレクタポール243aを左側の正極ポールに対応する第2貫通孔及び第1貫通孔に下から上に挿入し、負極デフレクタポスト243bを右側の負極ポールに対応する第2貫通孔及び第1貫通孔に下から上に挿入することにより、電気コアアセンブリとトップカバー上の正極ポール及び負極ポールとを導電的に接続している。
【0091】
図25に示すように、トップカバーシート310は、一定の厚みを有する長方形のシート構造である。図25は、トップカバーシート310の上面を示している。絶縁パート320も、一定の厚みを有する長方形のシート構造である。絶縁パート320とトップカバーシート310との大きさと形状とが適合している。絶縁パート320の中間位置には、爆発防止プレート324が被覆された爆発防止弁322を有し、トップカバーシート310の対応する位置には、保護プレート314が被覆されていた、一つの爆発防止孔312を有している。爆発防止弁322、爆発防止プレート324、爆発防止孔312、保護プレート314の形状及び大きさが互いに適合し、本実施例では、その形状は全て滑走路形状である。
【0092】
図25に示すように、トップカバーシート310および絶縁パート320には、それぞれインジェクションホール313、323が設けられているが、その他、トップカバーシート310および絶縁パート320は、基本的にに左右対称の構造である。すなわち、トップカバーシート貫通孔311aおよびトップカバーシート貫通孔311bは同じ構造であり、位置が対称している。絶縁パート貫通孔321aと絶縁パート貫通孔321bとは同一構造であり、位置が対称している。以下では、正極ポールに対応するトップカバーシート貫通孔311a、絶縁パート貫通孔321aを例に説明するが、トップカバーシート貫通孔311b、絶縁パート貫通孔321bに類推することができる。
【0093】
図25に示すように、ポール貫通孔331a、上部プラスチック貫通孔341a、トップカバーシート貫通孔311a、絶縁パート貫通孔321a及び下部シール貫通孔351aは、いずれも略楕円形状である。
【0094】
図26は、図24のB2-B2’線に沿う断面図である。図27は、図26の部分領域Cの拡大概要図である。図27に示すように、絶縁パート貫通孔321aとトップカバーシート貫通孔311aとが互いに連通して形成された第1貫通孔610、およびポール貫通孔331aと上部プラスチック貫通孔341aと下部シール貫通孔351aとが互いに連通して形成された第2貫通孔620が示されている。なお、図27には、第1貫通孔610及び第2貫通孔620が位置する範囲が点線枠でそれぞれ示されているが、両箇所の貫通孔の位置を厳密に制限するものではない。仮に、トップカバーシート310の表面が第1の延長面であるとすれば、第1の延長面に沿って切断面をなすことにより得られる第1貫通孔610及び第2貫通孔620の断面形状については、本願ではこれらの貫通孔の断面形状に制限はなく、正方形、長方形、滑走路形状、円形、楕円形、五角形、六角形、八角形のいずれか1つであってもよい。
【0095】
図25および図27には、鉛直方向Zが示されている。当該鉛直方向Zは、トップカバー構造の高さ方向、すなわち図23Aおよび図23Bに示す二次電池の高さ方向をも表している。図27に示すように、第2貫通孔620の鉛直方向Zに沿った第2投影部は、第1貫通孔610の鉛直方向Zに沿った第1投影部の内部に位置し、すなわち、第1貫通孔610の最小孔径が第2貫通孔620の最大孔径よりも大きく、且つ、第2貫通孔620は、第1貫通孔610の内部に位置し、第2貫通孔620の孔壁が第1貫通孔610の孔壁によって画定される境界を超えない。いくつかの実施例では、第1貫通孔610と第2貫通孔610とは同軸であり、両者の中軸線は一致しており、すなわち、両者の断面の中心点は同一点である。
【0096】
図25および図27に示すように、いくつかの実施例では、トップカバーシート310は、上部シンクプラットフォーム315aを備える。上部シンクプラットフォーム315aは、トップカバーシート310の上面に対して凹んでいる。トップカバーシート貫通孔311aは、上部シンクプラットフォーム315aに位置し、上部プラスチックパート340aは、上部シンクプラットフォーム315aに位置している。本願では、上部シンクプラットフォーム315aにおけるトップカバーシート貫通孔311aの位置は限定されておらず、図25に示す実施例では、トップカバーシート貫通孔311aは、上部シンクプラットフォーム315aの中央位置に位置している。
【0097】
図25および図27に示すように、いくつかの実施例では、上部プラスチックパート340aは、互いに接続された第1底壁342aおよび第1側壁343aを備え、上部シンクプラットフォーム315aは、上部シンクプラットフォーム面316aおよび上部シンクプラットフォーム壁317aを有し、ポール330aは、外側壁332aと下面333aを有し、第1底壁342aが上部シンクプラットフォーム面316aと下面333aとの間に挟まれ、第1側壁343aが上部シンクプラットフォーム壁317aと外側壁332aとの間に挟まれている。
【0098】
図27に示すように、ポール330aは、一定の高さを有する。上部プラスチックパート340aと嵌合したとき、トップカバーシート310の下面を基準として、ポール330aの上面は高さH1を有し、上部プラスチックパート340aは高さH1よりも小さい高さH2を有する。ポール330aの大部は、上部プラスチックパート340aにおける第1底壁342aと第1側壁343aとで囲まれて形成された空間内に位置し、この空間からは一部のみが突出しており、且つ、ポール330aの外側壁332aは第1側壁343aの内壁に隣接し、ポール330aの下面333aは第1底壁342aの上面に隣接している。なお、他の実施例では、寸法の調整により、高さH2は高さH1と等しく、或いは、高さH2は高さH1よりも小さくすることができる。すなわち、ポール330aの全体がこの空間内に位置しているので、トップカバー構造250の全体の高さを小さくすることができる。
【0099】
図27に示すように、上部シンクプラットフォーム面316aは、高さH4を有する。トップカバーシート310の下面を基準として、トップカバーシート310の上面は、H2よりも小さい高さH3を有する。第1側壁343aの下方の一部は、上部シンクプラットフォーム315aの内部に位置し、上部シンクプラットフォーム壁317aに隣接しており、残りの部分は、トップカバーシート310の上面よりも上方に位置している。第1底壁342aの下面は、全て上部シンクプラットフォーム面316aに隣接している。このような設計によれば、トップカバー構造250自体の高さをあまり高くする必要がなく、トップカバー構造250の軽量化を図ることができる。
【0100】
また、図27に示すように、X方向も示されている。X方向は、鉛直方向Zに垂直するものであり、トップカバーシート310の長さが延びる方向である。図27に示す実施例では、ポール330aの外側壁332aと内側壁334aとの間はX方向に沿った厚さT1を有し、第1側壁343aはX方向に沿った厚さT2を有し、T2はT1よりも小さい。他の実施例では、T2はT1以上であってもよい。
【0101】
図25および図27に関連して、いくつかの実施例では、下部シールパート350aは、互いに連結された第2底部352aおよび第2突起部353aを含み、第2突起部353aは、第1外側壁3531および第1頂部3532を含んでいる。ポール330aは下面333aを有し、第1頂部3532は下面333aに当接し、第2底部352aおよび第1外側壁3531は、いずれも第1貫通孔610の孔壁に当接している。図27に示すように、第2底部352aと第2突起部353aとのB-B’線に沿った断面形状はL字状であり、すなわち、第2底部352aが平面内において外方に延在して下部シールパート350aの外輪を形成している。
【0102】
いくつかの実施例では、第1外側壁3531は、上部プラスチック貫通孔341aの孔壁にも当接している。図27に示すように、第1外側壁3531は、上部プラスチック貫通孔341aの孔壁と第1貫通孔610の孔壁とに同時に当接している。
【0103】
いくつかの実施例では、トップカバーシート貫通孔311aと絶縁パート貫通孔321aとの寸法は同じではない。ここでのサイズとは、孔径のことである。図27に示すように、下部シールパート350aの第2底部352aが形成する外輪と第2突起部353aの外側壁とはその大きさが明らかに異なるので、トップカバーシート貫通孔311aの大きさは第2突起部353aの外側壁の大きさに適合し、絶縁パート貫通孔321aの大きさは第2底部352aの大きさに適合している。本実施例では、絶縁パート貫通孔321aの大きさがトップカバーシート貫通孔311aの大きさよりも大きいので、第1貫通孔610の孔壁の大きさが上から下に向かって等しくなるのではなく、変化している。
【0104】
図25および図27に示すように、いくつかの実施例では、上部プラスチック貫通孔341aの寸法は、ポール貫通孔331aの寸法以上である。第2突起部353aは一定の厚さT3を有しているので、上部プラスチック貫通孔341aの大きさとポール貫通孔331aの大きさとの寸法差は、この厚さT3に等しくなってもよい。これらの実施例では、第2貫通孔620の孔壁の大きさは、上から下にかけて同じではなく、変化している。上部プラスチックパート340aおよび下部シールパート350aは、いずれも弾性および可撓性を有する材料で形成され、いずれも圧縮性を有しているので、上部プラスチック貫通孔341aの大きさとポール貫通孔331aの大きさとの寸法差もこの厚さT3より小さくすることができ、これにより、正極デフレクタポール243aが第1貫通孔610および第2貫通孔620を貫通する際に、正極デフレクタポール243aに押されて第2突出部353aが第1貫通孔620の孔壁の方向に圧縮される。
【0105】
下部シールパート350aは弾性材料であるため、トップカバーシート貫通孔311aの大きさと上部プラスチック貫通孔341aの大きさとを同じにする必要はない。いくつかの実施例では、トップカバーシート貫通孔311aの大きさは、上部プラスチック貫通孔341aの大きさ以上である。
【0106】
図27に示す実施例では、トップカバーシート310は、下部シンクプラットフォーム318aをさらに備え、下部シンクプラットフォーム318aは、トップカバーシート310の下面に対して凹んでいる。下部シンクプラットフォーム318aは、下部シンクプラットフォーム面3181と下部シンクプラットフォーム壁3182とを有する。第2底部352aは、第2外側壁3521及び第2頂部3522を有し、第2外側壁3521は下部シンクプラットフォーム壁3182に当接し、第2頂部3522は下部シンクプラットフォーム面3181に当接している。これらの実施例によれば、L型の下部シールパート350aの第2底部352aの全部または一部が下部シンクプラットフォーム318aの内部に位置し、トップカバー構造250の高さがさらに低減される。この下部シンクプラットフォーム壁3182の大きさは、第2底部352aの外輪の大きさと等しく、絶縁パート貫通孔321aの大きさは下部シンクプラットフォーム壁3182の大きさと等しくすることができる。
【0107】
下部シンクプラットフォーム318aを設けることにより、力を受けて下部シールパート350aが膨張した後に、位置合わせが行われないことにより絶縁パート貫通孔321aとトップカバーシート貫通孔311aとに生じる間隙を十分に充填することができ、電解液の浸入による二次電池側電圧の危険性を低減することができる。
【0108】
図28は、図24に示した二次電池のトップカバー構造の上面底面図である。図28に示すように、トップカバー構造250の底部の構造、例えば絶縁パート貫通孔321a、321bと、下部シールパート350aの第2底部352aと、下部シールパート350bの第2底部352bが示されている。
【0109】
本実施例のポールアセンブリは、図2に示すトップカバー構造と比較して、下部ポールの構造を有しておらず、下部シールパート350aの大部分または全部が第1貫通孔610の内部に延在しており、Z方向の高さを大きくすることなく、全体としてトップカバー構造250の高さを低くすることができる。
【0110】
図24図28を統合すると、このトップカバー構造250を組み立てる際には、ポールアセンブリ内のポール330aを上部プラスチックパート340aの内部に配置し、上部プラスチックパート340aを上部シンクプラットフォーム315aに載置して、下部シールパート350aを第1貫通孔610及び第2貫通孔620の内部に配置された後、次の正極デフレクタポール243aを対応する第1貫通孔610及び第2貫通孔620の内部に嵌め込んだ後、正極デフレクタポール243aとポールアセンブリとを押圧力で押圧することができるので、リベット締め、射出成形、溶接等の工程を採用する必要がない。いくつかの実施例では、組立後、いくつかの構造においてシーム溶接工程を採用することができ、例えば、ポール330aが上部プラスチックパート340aに入れられた後に、ポール330aと上部プラスチックパート340aとの間にシーム溶接工程を採用して、両方のスロット間を締結して結合することができる。貫通溶接に比べて、シーム溶接の工程が比較的に簡単であり、金属屑の発生も比較的少なく、二次電池の構造強度を確保しつつ、電池の過電流能力を低下させることもない。
【0111】
いくつかの実施例では、ポールアセンブリにおけるポールを純アルミニウム材料を用いて製作することにより、ポールの高さおよび重量を低減することができる。
【0112】
本実施形態のトップカバー構造250は、図2に示したトップカバー構造と比較して、構成部品が少なく、ポールアセンブリは、ポールと、上部プラスチックパートと、下部シールパートという3つの部品のみで構成されている。各部品は独立して製造することができ、トップカバー構造を大幅に簡素化し、構造及び材料コストを低減している。本願のトップカバー構造250を採用することにより、組み立てを行う際にリベット締め、射出成形、溶接等の工程を採用する必要がなく、トップカバー構造の生産コスト及び品質コストを大幅に低減することができる。溶接などの工程を採用する必要がなく、また、それによって発生する金属屑が電池の内部に侵入することもないので、二次電池の短絡のリスクを回避することができる。部品点数が少ないので構造が簡単であり、トップカバー構造の軽量化も可能であり、二次電池のエネルギー密度を向上させることができる。トップカバー構造の鉛直方向Zにおける高さが相対的に低くなり、二次電池の内外部の高さ空間におけるトップカバー構造の占有率が減少し、二次電池の高さ方向の空間利用率が大幅に向上し、二次電池のエネルギー密度及び体積エネルギー密度が大幅に向上している。
【0113】
上記のトップカバーアセンブリが最適化された改良方法に基づいて、本願は、図23Aに示すように、二次電池を提供する。当該二次電池は、上記のトップカバー構造250に加えて、絶縁パート320の下方に配置されたデフレクタ240を備えている。前述したように、デフレクタ240は、正極デフレクタ241と負極デフレクタ242とを備えており、両者の構成は同一であり、位置が対称している。デフレクタ240の上面には、例えば正極デフレクタポール243a、負極デフレクタポール243bなどのデフレクタポールが設けられている。正極デフレクタポール243aを例として、デフレクタポールは、ポール主体2431とシャーシ2432とを備えている。ポール主体2431は、シャーシ2432上にあり、第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通し、第2貫通孔の孔壁に当接するように構成されている。
【0114】
本願の二次電池におけるトップカバー構造250は、上述したとおりであるので、これ以上言及しない。以下、図2及び図29図32を用いて本願の二次電池について説明する。
【0115】
図29は、本願の一実施例の二次電池のアセンブリ構造の爆発図である。ここでの電気コアアセンブリ220、絶縁ガスケット230及びデフレクタ240は、図23Aと同じ符号を付しており、同一の構造を示している。図29に示すように、電気コアアセンブリ220は、4つの単体電気コア221~224を含み、単体電気コア221は、上方に突出する2つのタブ221a、221bを有する。単体電気コア222は、上方に突出する2つのタブ222a、222bを有する。単体電気コア223は、上方に突出する2つのタブ223a、223bを有する。単体電気コア224は、上方に突出する2つのタブ224a、224bを有する。各単体電気コアについて、一方のタブは正極タブであり、他方のタブは負極タブである。図29に示すように、デフレクタ240にはタブアセンブリパートが設けられており、例えば、正極デフレクタ241にはタブ221a、222a、223a、224aにそれぞれ対応するタブアセンブリパート244a、245a、246a、247aが設けられている。負極デフレクタ242にはタブ221b、222b、223b、224bにそれぞれ対応するタブアセンブリパート244b、245b、246b、247bが設けられている。同様に、絶縁ガスケット230には、各極タブに対応するタブアセンブリパート孔が設けられている。
【0116】
二次電池200の組立に際しては、まず各タブを絶縁ガスケット230におけるタブアセンブリパート孔を貫通し、次にデフレクタ240におけるタブアセンブリパートを貫通している。その断面図が、図30に示すようになる。タブを折り曲げた後、図31に示すようにタブをデフレクタの上面に密着させて導電接続している。正極デフレクタ241を例として、タブ221a、222a、223a、224aは、いずれも曲げ加工された後、デフレクタ241の上面に溶接されている。
【0117】
図32は、図23のB1-B1’線に沿う断面図である。図32に示すように、二次電池200の完全な構造では、トップカバー構造250とケース210とがカバーされ、カバー空間内に電気コアアセンブリ220、絶縁ガスケット230およびデフレクタ240が封入されている。ポール主体2431の一部は、第1貫通孔と第2貫通孔とを同時に貫通し、第2貫通孔の孔壁に当接し、ポール主体2431の上面は、ポール330aの上面と面一になっている。ポール主体2431は、ポール330aから突出していない。図32に示すように、シャーシ2432の外側壁の一部または全部が第1貫通孔における絶縁パート貫通孔の孔壁に当接しており、シャーシ2432の外側壁の一部が絶縁パート貫通孔の孔壁に当接している。
【0118】
上述したトップカバー構造250の利点により、トップカバー構造250は、低減した高さを有し、二次電池200の高さ空間を節約することができる。同じ高さを持っている二次電池にとっては、本願の二次電池は、トップカバー構造250の高さを低くすることにより、二次電池の電気コアアセンブリ220の高さをより高くすることができ、二次電池のエネルギー密度及び体積エネルギー密度を向上させることができる。さらに、トップカバー構造250について上述した利点も、この二次電池の有益な効果である。
【0119】
上記で紹介した2組の貫通孔を有するトップカバーアセンブリと二次電池の実施例に基づいて、本願の実施例は、二次電池をさらに提供する。この二次電池は、導電体貫通孔を有するトップカバー構造、トップカバーアセンブリ及び二次電池において、二次電池の使用中に安全性を改善すべき二次電池テープの問題点をさらに最適化することができる。
【0120】
図33を参照して、本発明の別の態様は、二次電池を提供する。二次電池は、電気コア41と、2つのアダプターピース411と、少なくとも一枚の両面保護接着剤層42とを備える。電気コア41は、その頂部に複数のタブが設けられた。2つのアダプターピース411は、前記電気コア41の頂部に設けられ、2つの前記アダプターピース411の表面には、前記タブが溶接されており、且つ、溶接エリア412を形成する。両面保護接着剤層42は、その両面が粘着面であり、前記アダプターピース411の上方に貼り付けられ、少なくとも前記溶接エリア412を覆っている。
【0121】
このように設定すれば、両面が粘着層422である両面保護粘着層42が、アダプターピース411上に設けられており、両面保護接着剤層42は、溶接エリア412を貼り付けて被覆し、さらに、溶接エリア412上に落下する可能性のあるはんだスラグが溶接エリア412から外れて電気コア41の内部に落下することを効果的に防止することができる。同時に、その反対側にも粘着層422を有するので、その後の加工工程では、この両面保護接着剤層42は、その上に落下した溶接スラグや粉塵粒子等の異物を付着させることもでき、電気コア41内への異物の侵入の可能性を効果的に低減するとともに、溶接エリア412を覆う両面保護接着剤層42により、二次電池の注液後に溶接エリア412が電解液と接触することを効果的に回避し、その腐蝕速度を低減し、最終的に両面保護接着剤層42による二次電池の効果的な保護を実現する。
【0122】
図34を参照すると、選択的には、前記両面保護接着剤層42は、2層の粘着層422と、炭酸塩保護層423とを含み、炭酸塩保護層423は、2層の前記粘性層422の間に配置されている。
【0123】
これにより、二次電池が不測の熱暴走を起こした場合に、炭酸塩保護層23が燃焼を抑制するためガスを放出することが可能となり、二次電池の安全性をさらに向上させることができる。
【0124】
さらに、前記炭酸塩保護層423は、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム層構造である。
【0125】
選択的には、前記粘着層422は両面の粘着層422であり、前記炭酸塩保護層423は、2層の前記粘性層422の間に敷き詰められて接着された粉体層構造である。
【0126】
このように配置することにより、炭酸塩保護層423を2層の保護接着剤層に迅速かつ効率的に配置することができ、工程の難度を下げ、容易に実施することができる。
【0127】
いくつかの実施例では、両面保護接着剤層42は全シート構造であり、2つの前記アダプターピース411上の前記溶接エリア412を同時に接着して覆っている。さらに具体的には、図35および図36は、2つの異なる両面保護接着剤層の実現方法を例示的に示しており、図35は、図33と同じアダプターピースの配置形態を示しており、即ち、それぞれ貼り付けられた二枚の両面保護接着剤層431および432を有する。一方、図36では、両面保護接着剤層44の全体が貼り付けられていることを示している。
【0128】
これにより、1枚の両面保護接着剤層42で複数の溶接エリア412を同時に被覆することができ、作業の迅速化を図ることができるとともに、電気コア41の上面における両面保護接着剤層2の被覆領域を広くすることができ、異物の付着効果をより有効にすることができる。
【0129】
他のいくつかの実施形態では、前記両面保護接着剤層42は複数枚設けられており、各前記両面保護接着剤層42は、2つの前記アダプタシート411上の1つ以上の前記溶接エリア412をそれぞれ接着して覆っている。図1を参照すると、本実施例では、具体的には、2枚のアダプターピース411に対応する2枚の両面保護接着剤層42が設けられており、2枚の両面保護接着剤層2が、各アダプターピース411上の溶接エリア412に対応して覆っている。
【0130】
選択的には、アダプターピース411には、トランスファパッド4110とインジェクションホール4111とが設けられ、前記両面保護接着剤層42には、前記トランスファパッド4110に対応する第1孔位420と前記インジェクションホール111に対応する第2孔位421とが設けられている。
【0131】
さらに、前記第1孔位420の形状および大きさは、前記トランスファパッド4110の周方向に沿った形状および大きさとが一致している。前記第2孔位421は、前記インジェクションホール4111の周方向に沿った形状及び大きさとが一致している。
【0132】
このように配置することにより、両面保護接着剤層42が二次電池の通常の使用に影響を及ぼさないようにしつつ、アダプタシート411をより十分に被覆し、ひいてはアダプタシート411を保護して溶接スラグの脱落を防止することができる。
【0133】
いくつかの好ましい実施例では、前記アダプターピース411と前記電気コア41との間に、前記電気コア41の頂部を覆うガスケット410(本発明の他の実施例では、絶縁ガスケットとも呼ばれている)が設けられ、前記タブは、前記ガスケット410と前記アダプターピース411とを貫通した後、前記アダプターピース411の表面に溶接されている。
【0134】
この中、ガスケット410は、2枚のアダプタピース411の間の領域に通気孔414が設けられており、電気コア41の放熱性の向上が図られている。
【0135】
さらに、前記両面保護接着剤層42は、前記アダプタシート411を完全に覆っており、前記両面保護接着剤層42の両端は、前記ガスケット410の両側縁からはみ出して、前記電気コア41の側壁に接着されている。もちろん、アダプタシート411を完全に覆いつつ、インジェクションホール4111等の他の部材を参照して必要な孔位を確保する必要があるが、他の部材と衝突しない領域には、両面保護接着剤層42がアダプタシート4111を完全に覆うように貼り付けられている。
【0136】
ここで、ガスケット410の周縁部からはみ出した両面保護接着剤層42は、電気コア41の側壁に接着されている。具体的には、本実施例では、両面保護接着剤層42は、シート全体として設けられており、2枚のアダプターピース411に同時に被覆されている。そのガスケット410における長辺方向の長さがガスケットとは一致し、ガスケットにおける幅方向の長さがガスケット410の幅より20mm広くなり、その長さ方向の両端部をさらに電気コア41の側壁まで延在させる。両面保護接着剤層42による電気コア41の保護効果をさらに向上させることができ、ひいては二次電池の安全性を向上させることができる。
【0137】
本願の明細書においては、説明しておきたいのは、「上」、「下」などの用語で示される方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、単に、本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであって、特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示すまたは暗示するものではないので、本願を限定するものと理解することはできない。別段の明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「接続している」、「接続する」という用語は、一般的に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接、または中間媒体を介して間接的に、または2つのコンポーネントの内部の連通であることができる。本分野の当業者にとって、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0138】
なお、本明細書では、「第1」および「第2」などの関係用語は、1つのエンティティまたは動作を別のエンティティまたは動作から区別するためにのみ使用され、これらのエンティティまたは動作の間にそのような実際の関係または順序が存在することを必ずしも要求または暗示するものではない。さらに、用語「備える」、「含む」、またはその他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素も含むか、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素も含む。これ以上の制限がない場合、「1つの…を備え」という文言によって限定される要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は設備の中にさらに同一の要素が存在することを排除するものではない。
【0139】
以上は、本分野の当業者が本願を理解または実現することを可能にする、本願の具体的な実施形態にすぎない。これらの実施例の様々な修正は、本分野の当業者にとって明白であり、本明細書で定義された一般的な原理は、本明細書の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例において応用されてもよい。従って、本願は、本明細書に示されたこれらの実施形態に限定されることはなく、本明細書に記載された原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲に適合するものである。
【符号の説明】
【0140】
図1図22の符号は以下のとおりである:)
1、トップカバー構造;2、正極アダプターピース;3、負極アダプターピース;4、絶縁ガスケット;5、電気コア;6、ケース;11、トップカバープレート;12、第1上部ポール;13、第1上部プラスチック;14、第1上部シールリング、15、絶縁板;16、第1下部シールリング;17、第1下部ポール;18、第2上部ポール;19、第2上部プラスチック;20、第2上部シールリング;21、第2下部シールリング;22、第2下部ポール;23、爆発防止プレート保護シート;24、爆発防止プレート;
111、上部インジェクションホール;112、第1上部貫通孔;113、第2上部貫通孔;114、第1上部シンクホール;115、第2上部シンクホール;121、第1上部ポール貫通孔、122、第1上部バンプ;
151、第1下部貫通孔;152、第2下部貫通孔;153、第1パッド;154、第2パッド;155、第1下部シンクホール;156、第2下部シンクホール;157、下部インジェクションホール;158、アンダーカット;159、通気孔;
171、第1下部ポール貫通孔;172、第1下部バンプ;181、第2上部ポール貫通孔;182、第2上部バンプ;221、第2下部ポール貫通孔;222、第2下部バンプ。
図23A図32の符号は以下のとおりである:)
二次電池200、ケース210、電気コアアセンブリ220、絶縁ガスケット230、デフレクタ240、正極デフレクタ241、負極デフレクタ242、正極デフレクタポール243a、負極デフレクタポール243b、トップカバー構造250;
トップカバーシート310、上部シンクプラットフォーム315a、下部シンクプラットフォーム318a、トップカバーシート貫通孔311a、311b、絶縁パート320、絶縁パート貫通孔321a、321b、ポール330a、330b、ポール貫通孔331a、上部プラスチックパート340a、340b、上部プラスチック貫通孔341a、下部シール貫通孔351a、下部シールパート350a、350b;
爆発防止弁322、爆発防止プレート324、爆発防止孔312、保護プレート314、インジェクションホール313、323、第1貫通孔610、第2貫通孔620;
上部シンクプラットフォーム315a:上部シンクプラットフォーム面316a、上部シンクプラットフォーム壁317a;
下部シンクプラットフォーム318a:下部シンクプラットフォーム面3181、下部シンクプラットフォーム壁3182;
ポール330a:外側壁332a、下面333a;
上部プラスチックパート340a:第1底壁342a、第1側壁343a;
下部シールパート350a:第2底部352a、第2突起部353a、第1外側壁3531、第1頂部3532、第2外側壁3521、第2頂部3522;
正極デフレクタポール243a:ポール主体2431とシャーシ2432;
電気コアアセンブリ22:単体電気コア221~224、タブ221a,221b,222a,222b,223a,223b,224a,224b、タブアセンブリパート244a,245a,246a,247a,244b,245b,246b,247b;
図33図36の符号は以下のとおりである:)
41、巻芯;410、ガスケット;411、アダプターピース;4110、トランスファパッド;4111、インジェクションホール;412、溶接エリア;414、通気孔;
42、44、431、432、両面保護接着剤層;420、第1孔位;421、第2孔位;422、粘着層;423、炭酸塩保護層。
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