(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】空気予熱を有するエアロゾル形成基体を加熱するための装置
(51)【国際特許分類】
A24F 1/30 20060101AFI20250107BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20250107BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20250107BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/20
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2022539747
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2020061770
(87)【国際公開番号】W WO2021137067
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-11-20
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】アントノプロス ロランド
(72)【発明者】
【氏名】マータネン ティーム
(72)【発明者】
【氏名】ランディ ジョヴァンナ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/234582(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/138325(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
A24F 40/20
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を含有するように構成された内部容積を含む容器であって、前記容器が容器入口およびヘッドスペース出口を含む、容器と、
エアロゾル形成基体を受けるようにまたは前記エアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように構成されたレセプタクルと、
前記エアロゾル形成基体または前記エアロゾル形成基体を含む前記カートリッジが前記レセプタクル内に受けられる時に、前記エアロゾル形成基体を加熱するように構成された発熱体と、
前記レセプタクルと連通し、かつ前記レセプタクルの上流にあるレセプタクル入口と、
前記レセプタクルと連通し、かつ前記レセプタクルの下流にあるレセプタクル出口と、
前記レセプタクル出口と連通し、前記容器入口を介して前記容器内に延在する導管と、
周囲環境および前記レセプタクル入口と連通する空気入口チャネルであって、前記空気入口チャネルが前記導管の外表面に沿って延在する、空気入口チャネルと、を備える、シーシャ装置。
【請求項2】
前記導管の前記外表面から延在し、前記空気入口チャネルの一部分を少なくとも部分的に画定する熱交換素子を備える、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項3】
前記熱交換素子が前記導管と一体的に形成される、請求項2に記載のシーシャ装置。
【請求項4】
前記熱交換素子がフィンを備える、請求項2または3に記載のシーシャ装置。
【請求項5】
前記熱交換素子が熱伝導性材料を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項6】
前記導管が熱伝導性材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項7】
前記熱伝導性材料がアルミニウム、アルミナ、またはアルミニウム合金を含む、請求項6に記載のシーシャ装置。
【請求項8】
前記発熱体が、前記エアロゾル形成基体を燃焼させることなく、前記エアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を揮発するのに充分な程度に、前記エアロゾル形成基体を加熱するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載のシーシャ装置。
【請求項9】
前記発熱体に動作可能に結合されたコントローラをさらに備え、前記発熱体が、前記エアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を前記エアロゾル形成基体を燃焼させることなく揮発するのに充分な程度に前記エアロゾル形成基体を加熱するように、前記コントローラが、前記発熱体の加熱を制御するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項10】
前記発熱体が、前記レセプタクルの少なくとも一部分を形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項11】
使用時に、空気が、前記周囲環境から前記空気入口チャネルを通って、前記レセプタクル入口へ進み、前記レセプタクルを通って、前記レセプタクル出口から出て、前記導管を通って、前記容器へ入り、前記ヘッドスペース出口から出るように移動する、請求項1~10のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項12】
前記空気入口チャネルを通って流れる空気が、前記導管を通って流れる空気を冷却する、請求項11に記載のシーシャ装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシーシャ装置と、
前記エアロゾル形成基体と、を備える、システム。
【請求項14】
前記エアロゾル形成基体がカートリッジ内に提供されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項13または請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を加熱して基体の一つまたは複数の成分を放出する、エアロゾル発生装置およびシステムに関する。より詳細には、本開示は、エアロゾル形成基体を加熱して、基体を燃焼させることなく、一つまたは複数の成分を基体から放出する、シーシャ装置およびシステムなどのエアロゾル発生装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者による吸入の前に蒸気および煙が水盤を通過するように構成される。シーシャ装置は、一つの出口、または二人以上の消費者によって同時に装置が使用されてもよいように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、一部の人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
典型的に、従来のシーシャは基体と組み合わせて使用され、当該技術分野では、水たばこ、たばこ糖蜜、または単に糖蜜と呼ばれることもある。従来のシーシャ基体は、糖分が比較的に高い(一部の事例では、可燃性紙巻たばこなどの従来のたばこ基体で典型的に見られる約20%と比較して最高約50%)。シーシャ装置に使用されるたばこは、例えば、生成される蒸気および煙の量を増やすため、風味を変化させるため、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を加熱し、また時にたばこ基体を燃焼させて、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるために木炭ペレットなどの木炭を採用する。たばこを加熱するために木炭を使用することは、たばこまたは他の成分を全体的にまたは部分的に燃焼させる場合がある。追加的に、木炭は一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャの蒸気と混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口に至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する一つの方法は、たばこではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼副産物を除去するが、シーシャ消費者から従来のたばこ由来の体験を奪う。
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させないように電気ヒーターを採用する他のシーシャ装置が提案されている。このような加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを生成するために十分な温度までたばこ基体を加熱し、従ってたばこの燃焼に伴う副産物を低減または除去する。しかしながら、基体の燃焼を排除することは、ユーザがシーシャ装置に期待し得ることよりも低いエアロゾル生成をもたらし得る。例えば、可視煙またはエアロゾル、総エアロゾル質量、あるいは可視煙またはエアロゾル質量の観点からのエアロゾルの生成は、加熱非燃焼式シーシャ装置では不十分であり得る。
【0007】
さらに、エアロゾル形成基体を電気的に加熱することは、エネルギー集約的プロセスであり得る。シーシャ装置がバッテリ駆動である場合、エアロゾル形成基体を加熱するために装置が使用され得る時間は限定され得る。
【0008】
エアロゾル形成基体を効率的に加熱する、シーシャ装置などのエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【0009】
また、満足のいく量のエアロゾルを生成する、加熱非燃焼式エアロゾル発生装置、例えば加熱非燃焼式シーシャ装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
本開示の様々な実施形態は、エアロゾル形成基体の加熱から生成されるエアロゾルが流れる内部を有する導管を備えるエアロゾル発生装置、および導管の外表面に対して近位に空気を流すか、または導管の外表面と接触させる空気流路を備えるエアロゾル発生装置に関する。近位流れの領域の下流、または導管との接触の下流では、空気流路は、空気をエアロゾル形成基体に向け、その後に発生したエアロゾルを出口に運ぶことができる。
【0011】
こうした構成は、有利には、導管を通って流れるエアロゾルから導管の外部の空気に熱を伝達することによって、導管の外部表面の領域で、または導管の外部表面に近位に、導管の外部に流れる空気を予熱してもよい。エアロゾル形成基体との接触前の空気の加熱は、装置のエネルギー効率を改善し得る。熱の伝達は、有利には、導管内に流れるエアロゾルを冷却し得る。導管内を流れるエアロゾルの冷却は、有利には、可視エアロゾル体積、総エアロゾル質量、または可視エアロゾル体積および総エアロゾル質量の両方を増加し得る。
【0012】
様々な実施形態において、本開示は、シーシャ装置に関する。シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を含む容器を備えてもよい。容器は、容器入口およびヘッドスペース出口を有してもよい。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を受けるか、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように構成されたレセプタクルをさらに備えてもよい。シーシャ装置はまた、エアロゾル形成基体またはカートリッジがレセプタクル内に受け入れられる時に、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された発熱体を備えてもよい。シーシャ装置は、レセプタクルと連通し、かつレセプタクルの上流にあるレセプタクル入口を備えてもよく、レセプタクルと連通し、かつレセプタクルの下流にあるレセプタクル出口を備えてもよい。シーシャ装置はまた、レセプタクル出口と連通し、容器入口を介して容器内に延在する導管を備えてもよい。シーシャ装置は、周囲環境およびレセプタクル入口と連通する空気入口チャネルを備え得る。空気入口チャネルは、導管の外部に沿って延在する。空気入口チャネルは、導管の外部に沿った経路を画定し得る。
【0013】
有利には、上述のシーシャ装置は、導管の内部と導管外部の環境との間の熱伝達を可能にし得る。シーシャ装置は、シーシャ装置の使用中に、導管を通って流れるエアロゾルまたはエアロゾル同伴空気から導管の外表面に沿って延在する空気入口チャネルを通って流れる空気への熱伝達を可能にし得る。これにより、システムに入る空気が予熱され、装置の効率が改善される。同時に、導管を流れるエアロゾルと導管の外側に沿った入口チャネルを流れる空気との間の熱伝達は、導管を流れるエアロゾルを冷却する。これにより、エアロゾル体積および総エアロゾル質量が増加する。有利なことに、ユーザは、それによって、より本格的なシーシャ体験を提供される。
【0014】
好ましくは、導管は、エアロゾルと入口チャネル内の空気との間の熱の伝達を容易にする熱伝導性材料を含む。
【0015】
シーシャ装置は、熱交換素子を備えてもよい。熱交換素子は、導管の外部から空気入口チャネル内に一方向に延在し得る。熱交換素子は、有利には、導管内のエアロゾルから空気入口チャネル内の空気への熱の伝達を容易にし得る。
【0016】
熱交換素子は、導管と一体であってもよい。熱交換素子はフィンを備えてもよい。熱交換素子は、複数のフィンを備えてもよい。熱交換素子は、導管の周囲の周りに実質的に延在し得る。熱交換素子は、導管の周りに実質的に延在する、多重フィン素子を備えてもよい。熱交換素子は、熱伝導性材料を含んでもよい。導管は熱伝導性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、熱交換素子と導管との両方が熱伝導性材料を含んでもよい。熱交換素子および導管の一方または両方が含み得る熱伝導性材料の例として、ステンレス鋼、アルミニウム、酸化アルミニウム、またはアルミニウム合金が挙げられる。
【0017】
本開示に記載されるエアロゾル発生装置およびシステムは、既存のまたは以前に説明したエアロゾル発生装置およびシステムよりもエネルギー効率が高い場合がある。例えば、空気がエアロゾル形成基体に接触する前に空気を予熱することは、エアロゾル中の基体の一つまたは複数の成分を放出するのに充分な程度まで基体を加熱するためにヒーターに適用される必要のあるエネルギーの減少をもたらし得る。具体的には、ヒーターからではなく、またはそれに加えて、エアロゾルから熱を伝達することによって空気を予熱することは、特にエネルギー効率が良い場合がある。さらに、エアロゾルの冷却は、核形成を増進し得る。増進された核形成は、増進された可視エアロゾル体積、増進された総エアロゾル質量、または増進された可視エアロゾル体積および増進された総エアロゾル質量の両方をもたらし得る。
【0018】
本明細書で使用される用語は、本明細書に別段の定義がない限り、その一般的に受け入れられる定義を有する。
【0019】
「エアロゾル」という用語は本明細書では、気体中の固体粒子もしくは液滴の懸濁物、または気体中の固体粒子と液滴との組み合わせを指すために使用される。気体は空気であってもよい。固体粒子または液滴は、一つまたは複数の揮発性風味化合物を含んでもよい。エアロゾルは、可視でも不可視でもよい。エアロゾルは、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含んでもよい。エアロゾルは、固体粒子と組み合わせて、または液滴と組み合わせて、または固体粒子と液滴の両方と組み合わせて、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含んでもよい。一部の実施形態では、エアロゾルはニコチンを含む。
【0020】
「エアロゾル形成基体」という用語は、本明細書で、エアロゾルを形成することができる一つまたは複数の揮発性化合物を放出する能力を有する材料を指すために使用される。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を揮発させ、エアロゾルを形成してもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合では、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体はカートリッジ内部に配置されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0021】
用語「上流」および「下流」は、装置のマウスピースまたは口端に負相対圧力をかけることによって装置を通して引き出されるときに、空気またはエアロゾルの方向に関連して記載される、シーシャ装置などのエアロゾル発生装置の要素の相対的位置を指す。
【0022】
「一体型の」および「一体的に形成された」という用語は本明細書において、一体品(単一の分解できないもの)に形成されている要素を説明するために使用される。一体型または一体的に形成された構成要素は、その一体品に構造的な損傷を引き起こすことなく、互いから分離可能に取り外すことができないように構成されてもよい。
【0023】
また本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「または」は一般的に、「一方、またはもう一方、または両方」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0025】
「約」という用語は本明細書では、当業者によって予想される通りの測定値の通常の変動を含むように数値と併せて使用され、かつ「およそ」と同じ意味を有すると理解される。「約」という用語は、典型的な誤差の範囲を網羅すると理解される。典型的な誤差の範囲は、例えば示された値の±5%であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、また一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0027】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0028】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、後続の用語を少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%修飾すると理解され得る。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される場合、「実質的に」と逆の意味を有する、すなわち、後続の用語を10%以下、5%以下、または2%以下だけ修飾する、と理解され得る。
【0029】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定することを意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用されてもよい。
【0030】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴の任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0031】
A:(i)容器入口およびヘッドスペース出口を備える、液体を含有するように構成された内部容積を含む容器と、(ii)エアロゾル形成基体を受けるか、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように構成されたレセプタクルと、(iii)エアロゾル形成基体またはカートリッジがレセプタクル内に受けられた時に、エアロゾル形成基体を加熱するように構成された発熱体と、(iv)レセプタクルと連通し、その上流にあるレセプタクル入口と、(v)レセプタクルと連通し、その下流にあるレセプタクル出口と、(vi)レセプタクル出口と連通し、容器入口を介して容器内に延在する導管と、(vii)周囲環境およびレセプタクル入口と連通する空気入口チャネルであって、空気入口チャネルが、導管の外表面に沿って延在する、空気入口チャネルと、を備えるシーシャ装置。空気入口チャネルは、導管の外表面に沿った経路を画定し得る。
【0032】
B:導管の外表面から延在し、空気入口チャネルの一部分を少なくとも部分的に画定する熱交換素子を備える、実施例Aによるシーシャ装置。
【0033】
C:熱交換素子が導管と一体的に形成される、実施例Bによるシーシャ装置。
【0034】
D:熱交換素子がフィンを備える、実施例BまたはCによるシーシャ装置。
【0035】
E:熱交換素子が熱伝導性材料を含む、実施例B~Dのいずれか一つに記載のシーシャ装置。
【0036】
F:導管の外表面が熱伝導性材料を含む、実施例A~Eのいずれか一つに記載のシーシャ装置。
【0037】
G:熱伝導性材料が、アルミニウム、アルミナ、またはアルミニウム合金を含む、実施例Fに記載のシーシャ装置。
【0038】
H:発熱体は、エアロゾル形成基体を燃焼させることなく、エアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を揮発するのに充分な程度に、エアロゾル形成基体を加熱するように構成される、実施例A~Gのいずれかに記載のシーシャ装置。
【0039】
I:発熱体に動作可能に結合されたコントローラをさらに備え、発熱体がエアロゾル形成基体を燃焼させることなくエアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を揮発するのに充分な程度にエアロゾル形成基体を加熱するように、コントローラが、発熱体の加熱を制御するように構成される、実施例A~Hのいずれか一つに記載のシーシャ装置。
【0040】
J:発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部分を形成する、実施例A~Iのいずれか一つに記載のシーシャ装置。
【0041】
K:使用時に、空気が、周囲環境から空気入口チャネルを通って、レセプタクル入口へ進み、レセプタクルを通って、レセプタクル出口から出て、導管を通って、容器へ入り、ヘッドスペース出口から出るように移動する、実施例A~Jのいずれか一つに記載のシーシャ装置。
【0042】
L:空気入口チャネルを通って流れる空気は、導管を通って流れる空気を冷却する、実施例Kによるシーシャ装置。
【0043】
M:(i)実施例A~Lのいずれか一つに記載のシーシャ装置、および(ii)エアロゾル形成基体を備える、システム。
【0044】
N:エアロゾル形成基体がカートリッジ内に提供されている、実施例Mによるシステム。
【0045】
O:エアロゾル形成基体がたばこを含む、実施例MまたはNに記載のシステム。
【0046】
本開示に記載されるエアロゾル発生装置およびシステムは、以前のエアロゾル発生システムおよび装置よりもより効率的に実行してもよく、以前のエアロゾル発生システムおよび装置と比較して増加されたエアロゾルを生成してもよく、またはより効率的に実行し、以前のエアロゾル発生装置およびシステムよりも多くのエアロゾルを生成してもよい。本明細書に記載される装置およびシステムは、エアロゾル形成基体を加熱することによって発生したエアロゾルから、エアロゾル形成基体の上流のチャネルなどの通路内の空気に熱を伝達するように構成される。通路は、通路内の加熱された空気がエアロゾル形成基体と接触し、生成されたエアロゾルを装置を通して出口に運ぶことができるように、エアロゾル形成基体と連通する。エアロゾル形成基体の上流の通路における空気の加熱は、改善されたエネルギー効率をもたらし得る。エアロゾルの冷却は、核形成の増加をもたらし得る。核形成の増加は、可視エアロゾル体積の増加、総エアロゾル質量の増加、または可視エアロゾル体積の増加および総エアロゾル質量の増加の両方をもたらし得る。
【0047】
可視エアロゾル体積は、任意の適切な方法で決定され得る。例えば、エアロゾルの体積または密度は、ユーザによって観察されてもよい。加えて、または代替的に、エアロゾルの密度は、光度計または光散乱を測定するように構成された計器を使用して観察され得る。
【0048】
総エアロゾル質量は、任意の適切な方法で決定され得る。例えば、エアロゾルは、装置の模擬使用中に、エアロゾル発生装置の出口で、ケンブリッジパッドなどのフィルタまたは他の適切な媒体上に収集され得る。エアロゾルにさらされる前後のパッドの質量を測定し、エアロゾルの質量を求めることができる。
【0049】
本開示の残りの部分は、シーシャ装置に関して、エアロゾル発生装置を説明する。しかしながら、本明細書に提示される教示は、任意の適切なエアロゾル発生装置に適用され得ることが理解されよう。
【0050】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように適合されたレセプタクルを含み得る。カートリッジは、エアロゾル形成基体を含むことが好ましい。
【0051】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクルの中に受容されている時にカートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を含んでもよい。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体からエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。一部の実施形態では、発熱体は電気発熱体を含む。一部の実施形態では、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、一つまたは複数の抵抗性ワイヤまたは他の抵抗素子を含んでもよい。抵抗性ワイヤは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0052】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。エアロゾルは、エアロゾル形成基体の一つまたは複数の構成要素を揮発させることによってエアロゾル形成基体から形成されてもよい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃、より好ましくは約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱してエアロゾル形成基体の一つまたは複数の成分を揮発するように構成されてもよい。
【0053】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に結合された制御電子回路を含んでもよい。制御電子回路は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子回路は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子回路は任意の適切な形態で提供されてもよく、例えばコントローラ、またはメモリおよびコントローラを含んでもよい。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)ステートマシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つまたは複数を含んでもよい。制御電子回路は、回路の一つまたは複数の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を収容するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子回路に帰属可能な機能は、ソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエアのうちの一つまたは複数として具現化されてもよい。
【0054】
電子回路はマイクロプロセッサを含んでもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0055】
一部の実施例では、制御電子回路は、発熱体の電気抵抗を監視するように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子回路は抵抗素子の温度を調節してもよい。
【0056】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサを含んでもよい。温度センサは、発熱体の温度を制御するために制御電子回路に動作可能に結合されてもよい。温度センサは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度を監視するために、レセプタクル内に受けられた時にカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分において温度を検出するように位置付けられてもよい。センサは、感知された温度に関連する信号を制御電子回路に送信してもよい。制御電子回路は、センサにおいて適切な温度を達成するために、信号に応じて発熱体の加熱を調整してもよい。
【0057】
制御電子回路は電源に動作可能に結合されてもよい。シーシャ装置は任意の適切な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能、取り外し可能および交換可能のうちの一つまたは複数であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、産業用の耐久電動工具のために使用される電池など、市販の耐久型の電池または標準的な電池である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電源であってもよい。別の方法として、組立品は、外部電力供給源に接続されてもよく、このような目的のために電気的および電子的に設計されてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される前に、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一回のシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される前に、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0058】
一実施例では、シーシャ装置は、カートリッジレセプタクルを含むエアロゾル発生要素と、発熱体と、エアロゾル出口と、空気入口とを含む。カートリッジレセプタクルは、エアロゾル形成基体を含むカートリッジを受けるように構成される。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定してもよい。
【0059】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続している空気入口チャネルを含む。使用時、カートリッジ内部のエアロゾル形成基体が加熱されると、基体中のエアロゾル形成体構成要素は気化する。カートリッジを通して空気入口チャネルから流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成成分から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0060】
空気入口チャネルは、カートリッジレセプタクルを通る一つまたは複数の開口部を含み得る。シーシャ装置の外部からの空気は、チャネルを通り、一つまたは複数の開口部を通ってカートリッジレセプタクル内に流れてもよい。チャネルが二つ以上の開口部を含む場合、チャネルは、マニホールドを含んでもよい。マニホールドは、チャネルを通って流れる空気を各開口部に向け得る。シーシャ装置は、二つ以上の空気入口チャネルを含むことが好ましい。
【0061】
カートリッジは、本体内に形成された一つまたは複数の開口部(入口、出口または入口および出口など)を含んで、空気がカートリッジを通って流れることを可能にする。カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体を横切って、またはエアロゾル形成基体を通って、またはエアロゾル形成基体を横切り、かつエアロゾル形成基体を通って流れ、エアロゾルを同伴し、そしてエアロゾル出口を経由してカートリッジおよびレセプタクルを出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置の容器に入る。
【0062】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルの上方のヘッドスペース内に出口を画定する任意の適切な容器を含んでもよい。容器は、容器中に含有された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。容器は、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。容器のハウジングは任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、容器のハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。好ましくは、容器は、消費者が容器を充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を含むシーシャ組立品の一部分から取り外し可能である。
【0063】
容器は、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つまたは複数の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には植物の浸出液と薬草の浸出液とのうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0064】
レセプタクルのエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、容器内に位置付けられた導管を通して移動してもよい。導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に結合されてもよく、また容器の液体充填レベルの下方に開口部を有してもよく、これにより、容器を通って流れるエアロゾルは、導管の開口部を通った後、液体を通って、容器のヘッドスペースの中へと入り、そして消費者への送達のために、ヘッドスペース出口を通って出る。
【0065】
ヘッドスペース出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに結合されてもよい。マウスピースは、ユーザによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザの吸煙を検出するように配設された吸煙センサ、またはユーザによって起動可能なスイッチおよび吸煙センサの両方などの起動要素を含んでもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子回路に動作可能に結合される。起動要素は、制御電子回路に無線で結合されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子回路に発熱体を起動させてもよい。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定した加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0066】
様々な実施形態では、空気入口チャネルの少なくとも一部分は、レセプタクルのエアロゾル出口から排出される空気中に同伴されたエアロゾルを搬送する導管の外表面によって画定される。導管は熱伝導性材料を含むことが好ましい。導管は任意の適切な熱伝導性材料を備えてもよい。好適な熱伝導性材料の例には、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましくは、導管は、アルミニウム、アルミナ、またはアルミニウム合金を含む。熱伝導性材料は、導管内のエアロゾルから、入口チャネル内の空気への熱の伝達を容易にし得る。
【0067】
導管の壁の厚さはまた、導管内のエアロゾルから入口チャネル内の空気への熱の伝達を容易にする導管の能力に寄与し得る。壁が薄いと、厚い壁よりも熱伝達が大きくなる傾向がある。
【0068】
空気入口チャネルは、導管の周囲の周りに部分的、実質的に、または完全に延在してもよい。空気入口チャネルは、導管の任意の適切な長さに沿って延在してもよい。当然のことながら、導管内のエアロゾルから入口チャネル内の空気への熱伝達の量は、一般に、空気入口チャネルの一部分を画定する導管の外表面の面積に比例する。
【0069】
シーシャ装置は、熱交換素子を備えてもよい。熱交換素子は、導管の外表面から延在して、空気入口チャネルの一部分を少なくとも部分的に画定し得る。熱交換素子は、有利には、導管内のエアロゾルから空気入口チャネル内の空気への熱の伝達を容易にし得る。
【0070】
熱交換素子は、熱伝導性材料を含んでもよい。好適な熱伝導性材料の例には、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびそれらの組み合わせが含まれる。好ましくは、熱交換素子は、アルミニウム、アルミナ、またはアルミニウム合金を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、熱交換素子は、導管と一体であってもよい。いくつかの実施形態では、熱交換素子は、導管とは別個の部品であってもよい。熱交換素子および導管が別個の部品から形成される場合、熱交換素子の少なくとも一部分は、好ましくは導管に接触する。
【0072】
熱交換素子はフィンを備えてもよい。熱交換素子は、複数のフィンを備えてもよい。熱交換素子は、導管の周囲の周りに実質的に延在し得る。熱交換素子は、導管の周りに実質的に延在する、多重フィン素子を備えてもよい。
【0073】
導管によって画定される空気入口チャネルの一部分の下流およびレセプタクル入口の上流の空気入口チャネルの一部分は、発熱体または発熱体と熱連通する熱伝導性材料によって形成され得る。この部分を通って流れる空気は、レセプタクル入口に入り、エアロゾル形成基体に接触する前にさらに予熱されてもよい。
【0074】
例示の目的のために、本明細書に記述されるようなシーシャ装置を使用する一つの方法が下記に、経時的な順序で提供されている。容器は、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、水で充填されてもよい。天然の果実飲料、植物成分、および薬草の浸出液のうちの一つまたは複数が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、容器上に随意に存在する場合がある充填レベルマークを越えてはならない。次いで、容器は、シーシャ装置に再び組み付けられる。カートリッジは、任意の取り外し可能な層(存在する場合)を除去することによって準備されてもよい。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジをレセプタクルの中に挿入することを可能にするように取り外されてもよいか、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再び組み立てられるか、または閉じられる。
【0075】
その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることにより、エアロゾル形成基体の気化温度以上であるが燃焼温度未満の温度にエアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルを開始してもよい。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを発生させる。ユーザは所望の通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザは、所望の長さの時間にわたって、またはエアロゾルが見えなくなるまで、もしくは送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態では、カートリッジ、またはカートリッジの区画の使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇した時に、装置は自動的に停止するように配置されてもよい。一部の実施形態では、消費者は、例えばカートリッジ中のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受信した後、装置を新しいカートリッジで再充填してもよい。シーシャ装置は、例えば、装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにされ得る。
【0076】
シーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例では、ユーザからの吸煙行為は、吸込み効果を作り出して、装置の内側に低圧を引き起こすことになり、これが外部空気を、装置の空気入口を通して、空気入口チャネルの中へと、そしてレセプタクルの中へと流れさせる。空気はその後、レセプタクル内のカートリッジを通って流れてもよく、またエアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルに同伴されるようになってもよい。同伴されたエアロゾルを有する空気はその後、レセプタクルのエアロゾル出口を出て、導管を通って容器の内側の液体へと流れる。エアロゾルはその後、液体から泡立ち、そして容器内の液体のレベルの上方のヘッドスペースの中へと入り、ヘッドスペース出口から出て、そして消費者への送達のためのホースおよびマウスピースを通って出る。外部空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザからの吸煙行為によって駆動される場合がある。
【0077】
任意の適切なシーシャカートリッジは、本開示に記述されるシーシャ装置とともに使用されてもよい。カートリッジは、空洞を画定する本体を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞内に配置されてもよい。本体は、一つまたは複数の耐熱材料を含んでもよい。本体は、耐熱性金属またはポリマーを含んでもよい。本体は熱伝導性材料を含んでもよい。例えば、本体は、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、その任意の合金、およびそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0078】
カートリッジは、任意の適切な形状のものであってもよい。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受けられるように構成された形状を有してもよい。カートリッジは、実質的に立方体の形状、円筒形状、円錐台形状、または任意の他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、概して円筒形状または円錐台形状を有することが好ましい。
【0079】
シーシャ装置は、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。装置は、伝導によって、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得る。カートリッジは、シーシャ装置の発熱体と接触できるようにする、またはシーシャ装置の発熱体からの距離を最少化するような形状にされ、かつサイズ設定されることが好ましい。有利なことに、これは、発熱体からカートリッジ内のエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供し得る。熱は、抵抗加熱によって、または誘導によって、または抵抗加熱と誘導加熱との組み合わせによってなど、任意の好適な機構によって発生し得る。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタとして機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよいか、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、サセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片など)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。
【0080】
任意の好適なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、好ましくは揮発性化合物を放出することができる基体である。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成し得る化合物を放出することができる基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。揮発性化合物は、化学反応によって、または超音波などの機械的刺激によって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されてもよい。
【0081】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はシーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に適切な消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体は糖蜜を含んでもよい。
【0082】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つまたは複数を含み得る。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つまたは複数を含有してもよい。
【0083】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど多価アルコール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど多価アルコールのエステル、およびドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0084】
エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態では、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンおよび上記のものなど一つまたは複数の他の適切なエアロゾル形成体の混合物である。
【0085】
エアロゾル形成基体は、風味剤、甘味料など他の添加物および成分を含んでもよい。一部の実施例では、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つまたは複数の糖を含む。エアロゾル形成基体は、転化糖を含むことが好ましい。転化糖は、スクロースを分割することによって得られたグルコースおよびフルクトースの混合物である。エアロゾル形成基体は、転化糖などの約1重量%~約40重量%の糖を含むことが好ましい。一部の実施例において、一つまたは複数の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0086】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は一つまたは複数の感覚促進剤を含む。適切な感覚増強剤としては、冷感剤などの風味剤および感覚剤が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0087】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的には、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0088】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置してもよい。一部の好ましい実施形態では、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されることが好ましい。
【0089】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。「熱的に安定な」という用語は本明細書において、基体が典型的に加熱される温度(例えば、約150℃~約300℃)で実質的に劣化しない材料を示すために使用される。担体は、第一の主表面上に、第二の主外表面上に、または第一の主表面と第二の主表面の両方上に基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔、もしくは任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布または繊維の束とし得る。不織布または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含んでもよい。
【0090】
カートリッジの本体は、一つまたは複数の壁を含んでもよい。一部の実施形態では、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。側壁は、底部から上部へと延びる、円筒形状または円錐台形状であってもよい。本体は、一つまたは複数の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部壁は、任意の適切な方法で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に接合されてもよい。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部壁は、任意の適切な方法で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に接合されてもよい。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の適切な方法で互いに係合するように構成された三つの別個の部品であってもよい。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、螺合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって係合するように構成されてもよい。
【0091】
本体の一つまたは複数の壁は、加熱可能な壁または表面を形成してもよい。本明細書で使用される「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかで熱が加えられてもよい壁または表面の区域を意味する。加熱可能な壁または表面は熱伝達表面として機能してもよく、この表面を通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面に伝達され得る。
【0092】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一部の実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有してもよい。本体の内径は約1.75cm以上であってもよい。カートリッジは空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、好ましくは約25cm3~約40cm3であってもよい。一部の実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は約1.5cm~約4cmであってもよい。本体は空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、好ましくは約25cm3~約40cm3であってもよい。本体は円筒形状または円錐台形状であることが好ましい。
【0093】
カートリッジ本体は、本体の一つまたは複数の壁を通る一つまたは複数の開口部または通気孔を含んでもよい。通気孔は、入口、出口、またはその両方であってもよい。通気孔は、カートリッジの底部壁に、上部壁に、側面に、またはこれらの組み合わせに配置されてもよい。
【0094】
カートリッジは、使用前に開口部または通気孔を覆うシールまたは層を含み得る。密封は、カートリッジの内容物の漏れを防止するため、および貯蔵寿命を延ばすために、開口部または通気孔を通る気流を防止するのに十分であることが好ましい。密封は、ステッカー、箔、またはこれに類するものの剥離可能なラベルを備えてもよい。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、圧着、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な方法でカートリッジに貼り付けられてもよい。密封は、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されてもよいタブを含んでもよい。
【0095】
カートリッジは、一つまたは複数の入口および一つまたは複数の出口を含み得る。カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、一つまたは複数の入口および一つまたは複数の出口は、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にする。一部の実施形態では、カートリッジの上部壁は、存在しなくてもよいか、またはカートリッジの一つまたは複数の入口を形成するために一つまたは複数の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部壁は、カートリッジの一つまたは複数の出口を形成するための一つまたは複数の開口部を画定してもよい。
【0096】
一つまたは複数の入口および出口は、カートリッジを通した好適な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および形状設定されていてもよい。一部の実施例では、入口から出口へのカートリッジを通したRTDは、約10mmのH2O~約50mmのH2Oであってもよく、約20mmのH2O~約40mmのH2Oであることが好ましい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断される時の、試料の二つの端の間の静圧の差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定してもよい。
【0097】
本体上の一つまたは複数の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、または20%以上、または25%以上を覆ってもよい。例えば、開口部が上部壁上にある場合、開口部は、上部壁の面積の少なくとも5%を覆ってもよい。本体上の一つまたは複数の開口は、開口がある壁の面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を覆ってもよい。
【0098】
本開示で説明される一つ以上の態様を図示する図面をこれから参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】
図1は、本明細書に提示される教示に従ったエアロゾル発生装置の動作原理の一実施形態を示す概略図である。
【
図2】
図2は、シーシャ装置の一実施例の概略断面図である。
【
図3】
図3は、シーシャ装置の上部部分の一実施形態の概略断面図である。
【
図4】
図4は、
図3の線A-Aにおける概略上面断面図の一実施形態である。
【0100】
図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1は、本明細書に提示される教示に従ったエアロゾル発生装置の動作原理の一実施形態を示す概略図である。
図1に示すように、周囲空気1は、エアロゾル発生装置に入り、エアロゾルからの熱が空気1に伝達されて加熱された空気2を生成する場所を通って流れる。次いで、加熱された空気2は、加熱されたエアロゾル形成基体3と接触して、加熱されたエアロゾル4内に一つまたは複数の揮発性成分を混入させてもよい。加熱されたエアロゾル4は、熱が入ってくる空気1に伝達される10場所を通過して流れ、エアロゾルを冷却して冷却されたエアロゾル5をもたらす。したがって、
図1に示すスキームは、本明細書に提示される教示に従った熱エネルギーリサイクルの概念を示す。
【0102】
図1に示す通り、空気を予熱することは、より少ないエネルギーが、基体を燃焼することなく基体の一つまたは複数の構成要素を揮発するのに充分な程度にエアロゾル形成基体を加熱するために必要とされ得るため、よりエネルギー効率の高いエアロゾル発生装置をもたらし得る。
【0103】
図1に示すようにエアロゾルを冷却すると、エアロゾルの核形成が増加する場合がある。核形成の増加は、エアロゾル生成の増加をもたらし得る。例えば、可視エアロゾル体積および総エアロゾル質量のうちの一方または両方を増加させてもよい。
【0104】
図2は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。シーシャ装置は、制御電子回路30および電源35を含む。シーシャ装置100は、液体19を収容するように構成された内部容積を画定し、また液体19に対する充填レベルの上にあるヘッドスペース出口15を画定する容器17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、この水には一つまたは複数の着色剤、一つまたは複数の風味剤、または一つまたは複数の着色剤および一つまたは複数の風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物の浸出液および薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0105】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130を含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル形成基体を含むカートリッジ200を受けるように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、発熱体160を含んでもよい。発熱体160は、レセプタクル140の少なくとも一つの表面を形成してもよい。図示した実施形態では、発熱体160は、レセプタクル140の側表面を画定する。発熱体160は、制御電子回路30および電源35に動作可能に結合される。
【0106】
エアロゾル発生要素130はまた、空気を入口137を通して装置100の中に引き出す空気入口チャネル170を含む。空気入口チャネル170の一部分は、導管190の外表面191に沿って延在する。例えば、空気入口チャネル170の少なくとも一部分は、導管190の外表面191によって画定されてもよい。加熱されたエアロゾルは、導管190の内部を通って流れる。エアロゾルからの熱は、導管190を介して入口チャネル170内の空気に伝達され得る。
【0107】
空気入口チャネル170の一部分は、空気がレセプタクル140に入る前に任意に空気をさらに加熱するために発熱体160によって任意に形成され得る。予熱された空気は、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送するため、カートリッジ200に入り、レセプタクル入口143を通ってレセプタクル140に入る。空気はエアロゾル発生要素130の出口147を出て、導管190に入る。
【0108】
導管190は、液体19のレベルよりも下の容器17の中に空気およびエアロゾルを搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、容器17のヘッドスペース出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザの口に搬送するために、ホース20をヘッドスペース出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよいか、またはその一部を形成してもよい。
【0109】
使用時における装置の例示的な空気流路は、
図2に太い矢印で図示されている。空気流路に示されるように、外部環境からの空気が、入口137を通して装置100に入ると、次に、導管190の外表面191に沿って通過し、ここで、導管190内のエアロゾルとの熱交換によって予熱され、次に、レセプタクル140の外側の周り(任意に発熱体160を通過して)、次いで、入口143でレセプタクル140に入ると、次に、レセプタクル140内のカートリッジ200内の基体を通して、基体の一つまたは複数の揮発性成分が空気中に混入されてエアロゾルを形成する。次に、エアロゾルは、レセプタクル出口147から流出し、導管190を下る。エアロゾルが導管190を下に移動すると、導管191の外表面191を通過してチャネル170を通って流れている入口137で進入するより多くの空気によって冷却され、導管190内のエアロゾルと熱を交換する。冷却されたエアロゾルは、液体充填レベル21の下の導管出口197を通って導管190から出る。次に、エアロゾルは、液体19を通して泡立ち、ヘッドスペース出口15を出て、ホース20を通して流れ、マウスピース25を出てもよい。
【0110】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよいか、または吸入センサもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意の他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路に発熱体160を起動させてもよい。
【0111】
制御電子回路30および電源35は、
図1に図示された通りの要素130の底部部分以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の適切な位置に位置し得る。
【0112】
図3は、シーシャ装置の上部115の一実施形態の概略断面図である。上部115は、容器部分(
図3には示さず)と動作可能に結合され得る。上部115は、カートリッジ200が発熱体160と接触するか、または近接するように、エアロゾル発生基体を含むカートリッジ200をレセプタクル内に挿入できるように開放され得るリッド198を含む。発熱体160は、カートリッジ200を受けるように構成されたレセプタクルの表面の一部分を形成してもよい。上部115は、上部115の基部の底部を超えてレセプタクル出口147から延在する導管190を含み、上部115が容器に結合されると、導管は、液体充填レベルの下の容器内に延在する。Oリングなどのシール197は、上部115の基部で導管190の周りに配置されてもよい。上部115は、周囲空気が空気入口チャネル170に入ることを可能にする入口137を含む。空気入口チャネル170の少なくとも一部分は、導管190の外表面によって形成される。空気入口チャネル170は、発熱体160の外表面によって任意に部分的に画定される。
【0113】
熱交換素子155は、導管190の外表面から空気入口チャネル170内に延在し、少なくともその一部を画定する。熱は、導管190を通って流れる加熱されたエアロゾルから、空気入口チャネル170を通って流れる空気に伝達され得る。熱交換素子155は、熱の伝達を促進し得る。熱交換素子155は、導管190の外表面に対して大きな表面積を有する。表面積の相対比は、熱交換効果に寄与する。熱交換は、熱エネルギーのリサイクルにより、シーシャ装置のエネルギー消費を改善する。これにより、カートリッジ200内のエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するために必要なエネルギー量の減少により、シーシャ装置のエネルギー効率が改善される。
【0114】
使用時における装置の例示的な空気流路は、
図3に太い矢印で図示されている。
【0115】
使用の間、温度および湿度に関する大気特性を有する周囲空気は、入口137内に空気入口チャネル170を通して引き込まれる。熱交換素子155を通過するとき、空気は加熱し、導管190内のエアロゾルを冷却する。空気は、空気が、エアロゾル形成基体と接触し、導管190を通して搬送される揮発性成分を混入するカートリッジ200に入る前にさらに予熱され得る、発熱体160に任意に接触する前にも予熱される。
【0116】
図4は、
図3の線A-Aにおける概略上面断面図の一実施形態である。熱交換素子155は、導管190の外表面から空気入口チャネル170内に延在し、少なくともその一部を画定する、複数のフィン157を含む。加熱されたエアロゾルが導管190の内部空洞191を通って流れると、導管190および熱交換素子155を介して入口チャネル170内の空気に熱が伝達される。熱交換素子155および導管190は、一体的に形成されてもよい。
【0117】
フィン155は、適切な任意の形状とし得る。例えば、フィンは、螺旋形状、または導管190の空洞191内のエアロゾルから空気入口チャネル170内の空気への熱伝達を容易にする任意の他の適切な形状であってもよい。熱交換素子155は、任意の適切な数のフィンを有してもよい。
【0118】
したがって、熱エネルギーを回収するように構成されたシーシャ装置を記載する。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、主張の通り本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術、化学技術、およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。