(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】評価用ホルダ、評価用ユニットおよび評価システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/44 20060101AFI20250107BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250107BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250107BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
H01M10/42 P
(21)【出願番号】P 2022548276
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(86)【国際出願番号】 JP2020033996
(87)【国際公開番号】W WO2022054140
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-02-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 俊彦
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-201380(JP,A)
【文献】特開2013-177213(JP,A)
【文献】特開2009-048588(JP,A)
【文献】特開2010-186568(JP,A)
【文献】特開2000-188135(JP,A)
【文献】特開2020-119823(JP,A)
【文献】特開2019-083145(JP,A)
【文献】国際公開第2017/146174(WO,A1)
【文献】特開2008-059875(JP,A)
【文献】特開2002-360720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/613
H01M 10/6567
H01M 10/6563
H01M 10/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセルの特性評価に際して該複数のバッテリセルを一括で移載可能に保持する評価用ホルダであって、
前記複数のバッテリセルを一側方側から他側方側に並べて載置可能な底壁部と、
前記底壁部の周縁部に前記複数のバッテリセルより高く周設された周壁部と、
前記複数のバッテリセルを前記一側方側から前記他側方側に押圧する押圧機構と、を備え、
前記底壁部および前記周壁部は、液体を貯留可能な貯留部を形成し、
前記周壁部は、前記一側方側と前記他側方側とで互いに対向して配された2つの部位として第1壁部および第2壁部を含み、
前記押圧機構は、
前記第1壁部および前記第2壁部の一方側に設けられ、前記複数のバッテリセルを一方向に押圧可能に移動する移動体と、
前記移動体を前記一方向に摺動可能にガイドするガイド部材と、
を含み、
前記移動体は、前記底壁部および前記周壁部と共に前記液体を貯留可能に設けられる
ことを特徴とする評価用ホルダ。
【請求項2】
前記周壁部には、前記液体を排出可能な排液部が設けられ、
前記排液部は、前記複数のバッテリセルより高い位置であって、前記周壁部の上端縁より低い位置に設けられる
ことを特徴とする請求項
1記載の評価用ホルダ。
【請求項3】
ホルダにより一括で移載可能に保持された複数のバッテリセルについて特性評価を実行可能に構成された評価用ユニットと、
前記ホルダに前記複数のバッテリセルを保持させて前記特性評価の準備を行うための準備用ユニットと、
前記評価用ユニットと前記準備用ユニットとの間を往復移動することにより、前記複数のバッテリセルを保持する前記ホルダを搬送する搬送用ユニットと、を備える評価システムであって、
前記評価用ユニットは、
前記特性評価に際して前記ホルダを収容する評価室と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダを所定位置で支持するホルダ支持部と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダ支持部に支持される前記ホルダ内に液体を供給可能な液体供給部と、
前記評価室に隣接して設けられ、前記液体供給部に接続された液体流路部を収容する液体供給室と、を備え、
前記準備用ユニットは、前記複数のバッテリセルを支持可能な補助ホルダを前記ホルダに載置し、前記ホルダから前記補助ホルダを取り出す
ことを特徴とする評価システム。
【請求項4】
前記評価室は、仕切り部と、前記仕切り部に対して設けられた開閉部と、を含み、
前記開閉部は、前記ホルダを出し入れするためのドア部材と、該ドア部材の開閉動作を実現する開閉機構と、を含む
ことを特徴とする請求項
3記載の評価システム。
【請求項5】
ホルダにより一括で移載可能に保持された複数のバッテリセルについて特性評価を実行可能に構成された評価用ユニットであって、
前記特性評価に際して前記ホルダを収容する評価室と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダを所定位置で支持するホルダ支持部と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダ支持部に支持される前記ホルダ内に液体を供給可能な液体供給部と、
前記評価室に隣接して設けられ、前記液体供給部に接続された液体流路部を収容する液体供給室と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダに保持されている前記複数のバッテリセルに対して前記特性評価を実行する評価実行部と、
前記評価室の環境を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記評価実行部の動作を制御する制御部と、
前記評価室に気体を供給可能な気体供給部と、
前記気体供給部に気体を送出する気体送出部と、を備え、
前記気体送出部は、送出する気体の種類を切替え可能な切替え機構を含み、
前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて更に前記液体供給部から供給される前記液体の供給を制御する
ことを特徴とする評価用ユニット。
【請求項6】
ホルダにより一括で移載可能に保持された複数のバッテリセルについて特性評価を実行可能に構成された評価用ユニットであって、
前記特性評価に際して前記ホルダを収容する評価室と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダを所定位置で支持するホルダ支持部と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダ支持部に支持される前記ホルダ内に液体を供給可能な液体供給部と、
前記評価室に隣接して設けられ、前記液体供給部に接続された液体流路部を収容する液体供給室と、
複数配列されることにより相互に接続可能に構成され、隣り合う他の評価用ユニットと接続可能な接続部と、を備え、
前記接続部は、前記評価室および前記液体供給室のそれぞれを前記他の評価用ユニットの前記評価室および前記液体供給室の何れにも接続可能に構成される
ことを特徴とする評価用ユニット。
【請求項7】
ホルダにより一括で移載可能に保持された複数のバッテリセルについて特性評価を実行可能に構成された評価用ユニットであって、
前記特性評価に際して前記ホルダを収容する評価室と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダを所定位置で支持するホルダ支持部と、
前記評価室に設けられ、前記ホルダ支持部に支持される前記ホルダ内に液体を供給可能な液体供給部と、
前記評価室に隣接して設けられ、前記液体供給部に接続された液体流路部を収容する液体供給室と、
前記液体供給室に隣接し且つ前記液体供給室に対して前記評価室の反対側に設けられ、前記特性評価に際して前記ホルダを収容する第2の評価室と、
前記第2の評価室に設けられ、前記ホルダを所定位置で支持する第2のホルダ支持部と、
前記第2の評価室に設けられ、前記第2のホルダ支持部に支持される前記ホルダ内に液体を供給可能に構成された第2の液体供給部と、を備え、
前記液体供給室は、
前記第2の液体供給部に接続された第2の液体流路部と、
前記液体流路部および前記第2の液体流路部に共通に接続された第3の液体流路部と、
を更に収容する
ことを特徴とする評価用ユニット。
【請求項8】
前記評価用ユニットは複数配列され、
前記評価室を第1の評価室として、前記第1の評価室は第1列に配され、前記第2の評価室は第2列に配されており、
前記液体供給室は、前記第1の評価室に対して前記第2列側に配置され、かつ、前記第2の評価室に対して前記第1列側に配置される
ことを特徴とする請求項
7記載の評価用ユニット。
【請求項9】
前記複数のバッテリセルは、それらの相対位置を固定するための補助ホルダを介して前記ホルダに保持され、
前記準備用ユニットは、前記ホルダを移送する第1移送機構と、前記補助ホルダを移送する第2移送機構とを含む
ことを特徴とする請求項
3記載の評価システム。
【請求項10】
前記評価室に気体を供給可能な気体供給部を更に備え、
前記気体供給部は、
前記評価室内に前記気体を導入するための開口部と、
前記開口部を取り囲むと共に、前記評価室に収容されている評価対象に向かって前記気体が導かれるように前記評価室の内方に向かって延出した延出部と、
を含む
ことを特徴とする請求項
5記載の評価用ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に評価用ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子デバイス(或いは電子部品)は、多様な評価項目を含む特性評価により所定の基準を満たすことが確認された後に、対応の装置に搭載されうる。電子デバイスの一例としてはバッテリセルが挙げられる。例えば、電気自動車(Electric Vehicle(EV))が備えるバッテリユニットには、複数のバッテリセルをユニット化したものが用いられる。そのため、複数の電子デバイスの特性評価を一度に/効率的に(例えば、多様な評価項目を比較的短時間で)実現する技術が求められうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6100196号公報
【文献】特許5609694号公報
【文献】特開2000-188135号公報
【文献】特許5283527号公報
【文献】特許5834359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~5には、複数のバッテリセルを評価対象として所定の特性評価を実行する装置が記載されている。このような装置を比較的簡便に構成可能な技術が求められると共に、上記評価の安全性の向上も求められる。
【0005】
本発明は、複数のバッテリセルあるいは他の電子デバイスについての特性評価を実行可能な装置を比較的簡便に構成可能とすると共に、その安全性を向上することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は評価用ホルダに係り、前記評価用ホルダは、
複数のバッテリセルの特性評価に際して該複数のバッテリセルを一括で移載可能に保持する評価用ホルダであって、
前記複数のバッテリセルを一側方側から他側方側に並べて載置可能な底壁部と、
前記底壁部の周縁部に前記複数のバッテリセルより高く周設された周壁部と、
前記複数のバッテリセルを前記一側方側から前記他側方側に押圧する押圧機構と、を備え、
前記底壁部および前記周壁部は、液体を貯留可能な貯留部を形成し、
前記周壁部は、前記一側方側と前記他側方側とで互いに対向して配された2つの部位として第1壁部および第2壁部を含み、
前記押圧機構は、
前記第1壁部および前記第2壁部の一方側に設けられ、前記複数のバッテリセルを一方向に押圧可能に移動する移動体と、
前記移動体を前記一方向に摺動可能にガイドするガイド部材と、
を含み、
前記移動体は、前記底壁部および前記周壁部と共に前記液体を貯留可能に設けられる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記特性評価を実行可能な装置を比較的簡便に構成可能となり、また、その安全性を向上可能となる。
【0008】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】実施形態に係る評価システムの全体斜視図である。
【
図2】評価システムの一部についての斜視図である。
【
図3】評価用ホルダおよび補助ホルダについての斜視図である。
【
図4】評価用ホルダおよび補助ホルダについての斜視図である。
【
図5】評価用ホルダおよび補助ホルダについての斜視図である。
【
図6】1列分の評価用ユニットについての斜視図である。
【
図7】1列分の評価用ユニットについての斜視図である。
【
図8】評価用ユニットの内部構造を示す斜視図である。
【
図9】評価用ユニットの内部構造を示す斜視図である。
【
図10】評価用ユニットのシステム構成を示すブロック図である。
【
図11】評価用ユニットの構造を模式的に示す正面図である。
【
図12A】評価用ユニット間の接続を可能とする構造を示す模式図である。
【
図12B】評価用ユニット間の接続を可能とする構造を示す模式図である。
【
図12C】評価用ユニット間の接続を可能とする構造を示す模式図である。
【
図13】評価用ユニットを配列した場合の一例を示す模式図である。
【
図14】気体送出部の構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
(評価システムの概要について)
図1は、実施形態に係る評価システムSYの構成例を示す。
図2は、評価システムSYの一部を示す。理解の容易化のため、図中には、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す。ここでは、X方向は左右方向に対応し、Y方向は奥行き方向に対応し、また、Z方向は上下方向に対応するものとする。
【0012】
評価システムSYは、評価装置1、準備用ユニット2および搬送用ユニット3を備える。評価装置1は、複数の評価用ユニット7が配列されてなる。本実施形態では、評価装置1は、評価用ユニット7がX方向およびZ方向に(4行×4列)配列されたものが、一対、Y方向で互いに対向するように配置されて構成されるものとする。個々の評価用ユニット7の構造の詳細については後述とする。
【0013】
Z方向は列方向または積層方向(評価用ユニット7が積層される方向)と表現されてもよいし、また、X方向は行方向と表現されてもよい。Z方向に並ぶ4つの評価用ユニット7は、下方のものから順に、第1段、第2段、第3段、第4段にそれぞれ対応する。
【0014】
準備用ユニット2は、所定の特性評価のための準備を行う。本実施形態では、複数のバッテリセル5が一連の電気信号の授受により順に評価されるものとする。準備用ユニット2は、複数のバッテリセル5を評価用ホルダ6に保持させて一括で移載可能にすることにより特性評価の準備を行い、また、複数のバッテリセル5を評価用ホルダ6から取り出して次の工程の準備を行う。尚、以下の説明において、評価用ホルダ6は単にホルダ6と表現される場合がある。
【0015】
特性評価の内容の例としては、充放電時間の評価、出力電圧の経時的変化の評価、バッテリ寿命の評価等、多様な電気特性の評価が挙げられる(以下、単に「特性評価」と示す。)。また、以下の説明において、複数のバッテリセル5は評価対象5と表現される場合がある。
【0016】
複数のバッテリセル5は、それらの相対位置を固定する補助ホルダ8を介して評価用ホルダ6に保持される(
図3~
図5参照)。詳細については後述とするが、特性評価の前/後においては、複数のバッテリセル5は、補助ホルダ8により一括で移載可能となる。また、特性評価の間においては、複数のバッテリセル5は、評価用ホルダ6により補助ホルダ8と共に保持され、一括で移載可能であることに加えて特性評価の安全性を向上可能となる。
【0017】
評価用ホルダ6および補助ホルダ8の構造の詳細については後述とするが、準備用ユニット2は、マニピュレータ21、第1移送機構22aおよび第2移送機構22bを含む。マニピュレータ21は、補助ホルダ8(複数のバッテリセル5を固定する補助ホルダ8)をホルダ6に設置し、また、補助ホルダ8をホルダ6から取り出す。移送機構22aは、マニピュレータ21から受け取ったホルダ6(補助ホルダ8と共に複数のバッテリセル5を保持するホルダ6)を搬送用ユニット3まで移送し、また、搬送用ユニット3から受け取ったホルダ6をマニピュレータ21まで移送する。移送機構22bは、特性評価の前の工程の装置(不図示)から受け取った補助ホルダ8をマニピュレータ21まで移送し、また、マニピュレータ21から受け取った補助ホルダ8を次の工程の装置(不図示)に向けて移送する。
【0018】
評価装置1と準備用ユニット2との間にはレール4が敷設されており、
図2に矢印A1で示されるように、搬送用ユニット3は、このレール4に沿って摺動することにより評価装置1と準備用ユニット2との間を往復移動することができる。これにより、搬送用ユニット3は、評価装置1と準備用ユニット2との間において評価対象5を搬送する。
【0019】
図2に矢印A2で示されるように、搬送用ユニット3は、ホルダ6を昇降(Z方向に移動)させることも可能であり、これにより、Z方向に並ぶ4つの評価用ユニット7のうちの任意の1つに評価対象5を搬送させて設置することができる。尚、この観点で、Z方向は、搬送用ユニット3によるホルダ6の昇降方向とも云える。その後、評価用ユニット7において評価済となった評価対象5は、搬送用ユニット3により該評価用ユニット7から取り出されて準備用ユニット2に搬送される。
【0020】
(特性評価の評価対象について)
図3~
図5は、評価用ホルダ6および補助ホルダ8の構成例を示す。
図3は、複数のバッテリセル(評価対象)5を固定する補助ホルダ8を評価用ホルダ6に設置する前の状態を示す斜視図である。
図4は、評価用ホルダ6の一部を不図示として内部構造を示す斜視図である。
図5は、補助ホルダ8を評価用ホルダ6に設置した後の状態を示す斜視図である。尚、
図3~
図5には、評価用ユニット7に設置される際の向きに合わせて、X方向、Y方向およびZ方向が示される。
【0021】
補助ホルダ8は、一対の側壁板材81、底壁板材82、複数の仕切り部材83、及び、一対の支持部材84を備える。一対の側壁板材81は、X方向で互いに対向して配される。底壁板材82は、一対の側壁板材81を接続するように設けられる。複数の仕切り部材83は、底壁板材82上かつ一対の側壁板材81間にX方向にそれぞれが移動可能に配列され、互いに隣り合う2つの仕切り部材83の間には単一のバッテリセル5が挿抜可能に設置される。一対の支持部材84は、一対の側壁板材81に対応するように底壁板材82上に配され、個々の支持部材84は、対応の側壁板材81と、複数の仕切り部材83との間を充填するように配される。個々の支持部材84には、例えば樹脂材料等、所望の強度および所望の成形性を有する材料が用いられればよい。
【0022】
このような構成により、補助ホルダ8は、複数のバッテリセル5を支持し、それにより固定する。詳細については後述とするが、一対の側壁板材81の一方(後述の押圧機構63側)には押圧用孔811が設けられる。押圧用孔811は他方の側壁板材81にも設けられてもよい。
【0023】
評価用ホルダ6は、底壁部61、周壁部62および押圧機構63を備える。底壁部61は、複数のバッテリセル5を一側方側から他側方側に(ここではX方向に)並べて載置可能に構成され、本実施形態では、複数のバッテリセル5は補助ホルダ8を介して底壁部61に載置される。底壁部61には、補助ホルダ8の位置決めのための位置決め部611が設けられる。位置決め部611は、補助ホルダ8の底壁板材82の位置ずれを規制するように設けられ、本実施形態では、X方向の一方側への位置ずれを規制する第1規制部611aと、Y方向の位置ずれを規制する第2規制部611bとを含む。
【0024】
周壁部62は、底壁部61の周縁部に周設されており、X方向で互いに対向して配された2つの部位として第1壁部62aおよび第2壁部62bを含み、また、Y方向で互いに対向して配された2つの部位として第3壁部62cおよび第4壁部62dを含む。詳細については後述とするが、周壁部62は、上記載置された複数のバッテリセル5より高く設けられる。具体的には、周壁部62は、バッテリセル5の上端部より高い上端部となる周壁上端部62uを含む。尚、位置決め部611は、底壁部61に代替して/付随して、周壁部62に設けられてもよく、或いは、周壁部62が兼ねてもよい。
【0025】
押圧機構63は、複数のバッテリセル5を一方向(ここではX方向)に押圧可能に構成される。本実施形態においては、押圧機構63は、移動体631およびガイド部材632を含む。移動体631は、壁部62a及び62bの一方側(ここでは壁部62a側)に設けられ、複数のバッテリセル5をX方向に押し付け移動させ押圧可能に構成される。
【0026】
移動体631は、板材6311、押圧部材6312、押圧操作部6313および弾性部材6314を含む。板材6311は、壁部62a及び62bに対して平行に配される。ここで、ガイド部材632は、板材6311を挿通する棒状部材であり、移動体631をX方向に摺動可能にガイドする。また板部材6311は、ガイド部材632と係合し、摺動する摺動部材6311aを含む。押圧部材6312は、板材6311からX方向に延設され、側壁板材81に設けられた押圧用孔811を挿通可能に構成される。本実施形態においては、押圧部材6312には、所定の長さおよび径の棒状部材が用いられる。板材6311、押圧部材6312および押圧操作部6313は一体に構成され、板材6311および押圧部材6312は、マニピュレータ21(或いは作業者)による押圧操作部6313の操作により、X方向に移動可能とする。弾性部材6314は、壁部62aと板材6311との間に配置され、移動体631の一方向(ここではX方向)への移動のための付勢力を加えるように配される。本実施形態では、側壁板材81と板材6311とを近付けるように弾性部材6314は、板材6311へ付勢力を発生する。押圧操作部6313は、壁部62aの一方側から他方側に挿通され、壁部62aに移動可能に支持される。
【0027】
このような構成により、評価用ホルダ6は、補助ホルダ8に固定ないし支持された複数のバッテリセル5を保持する。例えば、準備用ユニット2においては、マニピュレータ21は、押圧操作部6313を操作して押圧部材6312を押圧用孔811に挿通するように、板材6311および押圧部材6312をX方向に移動させる。押圧操作部6313には不図示の係止部が設けられており、マニピュレータ21が、該係止部を用いて押圧操作部6313に係止することにより、押圧操作部6313の操作が可能となる。移動体631は、壁部62aを基準に弾性部材6314の反発力により板部材6311が移動することでマニピュレータ21と押圧操作部6313の係止部との係合が解除されても押圧力の付与が継続され、複数のバッテリセル5を上記押圧された状態のまま評価用ホルダ6内に保持させることができる。これにより、特性評価の間における個々のバッテリセル5の位置ずれの発生を防止可能とする。
尚、他の実施形態として、押圧操作部6313は、壁部62aと螺合可能に設けられていてもよい。即ち、押圧操作部6313は、一方向に回転することで板材6311及び棒部材6312を+X方向に移動させ、他方向に回転することで板材6311及び棒部材6312を-X方向に移動させる、ように構成されてもよい。
【0028】
補助ホルダ8は、カートリッジ、マガジン等と表現されてもよい。評価用ホルダ6は、トレイ、ケース、ハウジング等と表現されてもよい。
【0029】
図5に示されるように、本実施形態では、底壁部61および周壁部62は、所定の液体を貯留可能な貯留部60を形成するように構成される。周壁部62は、評価対象5より高く設けられるため、貯留部60に液体が所定量だけ貯留され又は充分に満たされた場合には評価対象5の全部を該液体中に漬けることができる。詳細については後述とするが、液体には、例えば水、海水、泡消火薬剤など、不燃性のものが用いられる(以下の説明において単に「液体」と示す。)。
【0030】
また、周壁部62には、液体を排出可能な排液部64が設けられる。本実施形態では、排液部64は壁部62dに設けられ、液体が所定高さまで貯留された場合には該液体は排液部64から排出される。排液部64は、評価対象5より高い位置に設けられるとよく、これにより、排液部64による液体の排出の間においても評価対象5の全部を該液体に漬けることができる。本実施形態の排液部64は、評価対象5より高い位置であって、周壁部62の上端縁より低い位置に設けられ、周壁部62の上端縁を越えて溢れ出る前に液体を所定の排液先に導く。
【0031】
ここで、
図5に示される貯留壁部62Tは、所定の厚みを有する板部材であり、押圧部材6312が挿通移動可能に押圧部材6312の外径より僅かに大きい径の開口が形成される。押圧部材6312は、貯留壁部62Tの開口を塞ぐように構成される。貯留壁部62Tは、移動体631の押圧部材6312と共に液体を貯留可能に設けられる。より詳細には、貯留部60は、底壁部61、壁部62b、62c及び62d、並びに、貯留壁部62Tで画定された領域により形成され、貯留部60に液体が貯留された場合には複数のバッテリセル5を一括で冷却可能となっている。貯留壁部62Tを壁部62aと62bとの間に配置すると共に壁部62cおよび壁部62dに亘って底壁部61に設けることで貯留部60に貯留される液体の量を少なくすることができ、貯留効率を向上することができる。尚、他の実施形態として、貯留壁部62Tは省略されてもよい。
【0032】
(評価用ユニットの構成について)
図6~
図9を参照しながら評価装置1の構成例を述べる。
図6は、評価装置1の一部(1列分)を示す斜視図である。
図7は、評価装置1の該一部についての内部構造を示す斜視図である。
図8は、第1~第2段の評価用ユニット7の内部構造についての拡大斜視図である。
図9は、第4段の評価用ユニット7の内部構造についての拡大斜視図である。評価装置1は、Z方向に積層された複数の評価用ユニット7を備える。評価用ユニット7は、第1の評価室701a、第2の評価室701b、供給室/排気室702、制御室703、及び、支持フレーム704を備える。
【0033】
また評価装置1は、積層された評価用ユニット7の内部から気体を評価用ユニット7外部に導出する気体導出部720aを備える。気体導出部720aは、Z方向に積層された複数の評価用ユニット7のうち最上段のものに設けられ、それぞれの評価用ユニット7から供給室/排気室702を介して排出されて上方に流動する気体の排出位置を、評価装置1の所定の位置に画定する。気体導出部720aは、気体を評価装置1の外部に放出する開口が形成されるフード部720a1を備える。また、気体導出部720aは、気体の流動を強制的に所定の方向に向けるための排風機構720を備える。
【0034】
評価室701a及び701bのそれぞれは、特性評価に際して評価用ホルダ6を収容可能に構成される。供給室/排気室702は、評価室701aにX方向で隣接して設けられる。評価室701bは、供給室/排気室702にX方向で隣接し、供給室/排気室702に対して評価室701aの反対側に設けられる。また、制御室703は、Y方向で供給室/排気室702と隣接する。尚、評価室701a及び701bのそれぞれは制御室703とY方向で部分的に隣り合っている。即ち、一対の評価室701a及び701bは供給室/排気室702の両側方に(評価室701aが供給室/排気室702の第一の側方に、評価室701bが供給室/排気室702の第二の側方に)位置し、制御室703は供給室/排気室702の奥側に(制御室703が供給室/排気室702の第三の側方に)位置する。
【0035】
支持フレーム704は、評価室701a及び701b、供給室/排気室702、並びに、制御室703をそれぞれ画定するように枠組みすると共にそれらに含まれる構成機器を一体に支持する。詳細については後述とするが、支持フレーム704は他の評価用ユニット7の支持フレーム704と相互に接続可能に構成され、これにより、2以上の評価用ユニット7を相互に接続可能となっている。また、評価装置1の下方部には複数の評価用ユニット7を支持する支持台705が配され、第1段(最下段)の評価用ユニット7の支持フレーム704は、支持台705に接続されて固定される。
【0036】
評価用ユニット7は、仕切り部706を備える。また、評価用ユニット7は、開閉部707をそれぞれの評価室701a及び701bに備える。仕切り部706は、支持フレーム704に支持され、支持フレーム704で画定される評価室701a及び701b、供給室/排気室702、並びに、制御室703の内部と外部との間に設けられ、評価用ユニット7本体の正面部、背面部、両側面部、上面部および底面部に設けられることでそれぞれの内部空間を形成する。具体的には、仕切り部706は、評価室701a及び701bの正面部、背面部、両側面部、上面部および底面部に配置される。また、仕切り部706は、供給室/排気室702の正面部、背面部および両側面部に配置される。また、仕切り部706は、制御室703の正面部、背面部、両側面部、上面部および底面部に配置される。
【0037】
開閉部707は、評価室701a及び701bの正面部にそれぞれ設けられる。開閉部707は、ドア部材7071および開閉機構7072を含む。ドア部材7071は、評価室701a及び701bの正面部の評価用ホルダ6の出し入れが行われる部分に開閉可能にそれぞれ設けられる。ドア部材7071は、正面部に配置される仕切部706と共にそれぞれの評価室701a及び701bの正面部を仕切る。ドア部材7071は、本実施形態では、上下動により開閉するスライド式ドアとするが、他の実施形態として、回動式ドア等、他の方式が採用されてもよい。開閉機構7072は、例えば電動モータ、レール、スライダ等を含み、ドア部材7071の開閉動作を実現する。また、ドア部材7071の開閉時の動作は、後述の評価実行部709a等の動作部と連結され、動作部の動作と連動するように設けても良い。
【0038】
評価用ユニット7は、評価室701aにおいて、第1のホルダ支持部708a、第1の評価実行部709a、第1の連通部710a、第1の気体供給部711a、第1の液体供給部712a、及び、第1の液体受け部713aを更に備える。
【0039】
ホルダ支持部708aは、評価用ホルダ6を所定位置にて支持可能に構成される。本実施形態では、ホルダ支持部708aは、評価室701a内の側壁側の支持フレーム704に左右一対で設けられ、それらの上にホルダ6を載置可能となっている。
【0040】
評価実行部709aは、ホルダ6に保持されている評価対象5に対して特性評価を実行可能に構成される。評価実行部709aは、評価室701a内において昇降可能に支持フレーム704に構成され、例えば電動モータ、レール、スライダ、テスト用プローブ、そのドライバ等を含む。評価実行部709aは、例えば、特性評価を行う場合には降下して評価実行部709aに含まれる複数の測定子が評価対象5のそれぞれの電極部分に電気接触し、所定の評価プログラムに従って測定処理が行われる。また、特性評価を行わない場合には評価実行部709aが上昇して評価対象5から評価実行部709aに含まれる複数の測定子が離間する。
【0041】
また、評価実行部709aは、ドア部材7071と連結する不図示の開閉連結部を含む。この開閉連結部とドア部材7071の一部とが連結することで評価実行部709aの下降動作と共にドア部材7071の閉動作が連動し、評価室701aの内部と外部とが仕切られることで評価が実行され、評価が完了することで評価実行部709aの上昇動作と共にドア部材707の開動作が連動し、評価室701aの内部と外部とが連通され、評価ホルダ6の搬送が可能となる。
【0042】
連通部710a、気体供給部711aおよび液体供給部712aは、評価室701a内の側方(ここでは供給室/排気室702側)において並設される。具体的には、連通部710a、気体供給部711aおよび液体供給部712aは、評価室701a内の側方(ここでは供給室/排気室702側)の支持フレーム704に支持される仕切部706を連通して設けられる。
【0043】
連通部710aは、評価室701aと供給室/排気室702とを連通するように設けられる。具体的には、連通部710aは、評価室701aの第1のホルダ支持部708aに載置された評価用ホルダ6の周壁部62の上端部より上方であって評価室701aの上部に配置される。連通部710aは、評価室701aから供給室/排気室702に気体(例えば空気)を導くように構成された導風機構、例えばファン等、を含む。また、詳細については後述とするが、供給室/排気室702は、Z方向において(上部および下部のそれぞれにおいて)開放されている。連通部710aは、評価室701aの上部に滞留する温度の高い気体を供給室/排気室702に排出することで評価室701aの温度上昇を防止する。また、連通部710aは、気体供給部711aと連携し、気体供給部711aから供給される空気より重い気体が供給される場合には、評価室701aの上部から空気を供給室/排気室702に排出することで効率よく評価室701a内の気体の置換を行うことができる。
【0044】
気体供給部711aは、評価室701aに所定の気体を供給可能に構成される。具体的には、気体供給部711aは、評価室701aの第1のホルダ支持部708aに載置された評価用ホルダ6の周壁部62の上端部より上方であって、気体供給部711aから供給される気体が評価用ホルダ6の貯留部60に貯留されるように供給される位置に配置される。詳細については後述とするが、気体供給部711aは、例えば、特性評価の間においては評価対象5に向けて冷気を供給し、また、所定の場合には消火ガス等の不燃性ガスを供給することもできる。評価室701aの第1のホルダ支持部708aに載置された評価用ホルダ6の貯留部60には、比較的比重の重い上記気体のそれぞれが貯留されることとなるため、評価用ホルダ6に載置される評価対象5は、効率よく供給された上記気体の効果を得ることができる。
【0045】
液体供給部712aは、ホルダ6内に液体を供給可能に構成される。具体的には、液体供給部712aは、評価室701aの第1のホルダ支持部708aに載置された評価用ホルダ6の周壁部62の上端部より上方であって、液体供給部712aから供給される液体が評価用ホルダ6の貯留部60に貯留されるように供給される位置に配置される。詳細については後述とするが、液体供給部712aは、所定の場合にはホルダ6内に液体を供給することができる。該液体は、貯留部60に貯留され、これにより評価用ホルダ6の貯留部60に載置された評価対象5の周囲を液体により満たすと共に液体による冷却がなされる。また、液体受け部713aは、排液部64下方となる位置に配され、ホルダ6から流出した液体を受ける。
【0046】
評価用ユニット7は、評価室701bにおいて、第2のホルダ支持部708b、第2の評価実行部709b、第2の連通部710b、第2の気体供給部711b、第2の液体供給部712b、及び、第2の液体受け部713bを更に備える。
【0047】
これら要素708b~713bは、上述の評価室701aの要素708a~713a同様の機能を有する。要素708b~713bは、要素708a~713a同様に支持フレーム704に設けられ、本実施形態では、要素708a~713aと要素708b~713bとは供給室/排気室702に対して左右対称に配される。
【0048】
評価用ユニット7は、供給室/排気室702において、気体流路部714a及び714b、並びに、液体流路部715a及び715bを更に備える。気体流路部714aは評価室701a内に配置される気体供給部711aに接続され、また、気体流路部714bは評価室701b内に配置される気体供給部711bに接続される。液体流路部715aは評価室701a内に配置される液体供給部712aに接続され、また、液体流路部715bは評価室701b内に配置される液体供給部712bに接続される。流路部714a、714b、715a及び715bには、パイプないしチューブが用いられ、また、供給部711a、711b、712a及び712bは、該パイプないしチューブの先端部を形成する。尚、供給部711a等は、それぞれが接続されるそれぞれの流路部714a等と一体の部材として設けられてもよいし、流路部714a等とは別体の部材として設けられてもよい。
【0049】
供給室/排気室702は、供給部711a、711b、712a及び712bにそれぞれ接続された上述の流路部714a、714b、715a及び715bを収容し、単に供給室と称されてもよい。或いは、供給室702は、気体流路部714a及び714bを収容するため、気体供給室と称されてもよいし、また、液体流路部715a及び715bを収容するため、液体供給室と称されてもよい。また、供給室/排気室702は、評価室701a及び701bからそれぞれ連通部710a及び710bを介して導出された気体(例えば空気)を評価用ユニット7外に排出可能とし、単に排気室もしくは排気路と称されてもよい。
【0050】
図10は、評価用ユニット7のシステム構成を示すブロック図である。評価用ユニット7は、制御部716を更に備える。制御部716は、制御室703に配され、評価用ユニット7におけるシステムコントローラとして機能する。制御部716は、例えば不図示のモータを駆動して、開閉部707(開閉機構7072によりドア部材7071)開閉させることができる。また、制御部716は、例えば所定の制御信号を出力することにより、評価実行部709a及び/又は709bを昇降させて特性評価を行い、或いは、連通部710a及び/又は710bの導風機構(例えばファン)を駆動することもできる。付随的に、制御部716は、気体供給部711a及び/又は711bによる気体の供給を行い、或いは、液体供給部712a及び/又は712bによる液体の供給を行ってもよい。
【0051】
再び
図6~
図9を参照して、評価用ユニット7は、制御室703において、制御部716と、第3の連通部710cとを備える。制御部716は、評価ユニット7に含まれる制御機器および評価対象5の評価を行う評価機器の制御を行う。制御部716は、制御室703を画定する支持フレーム704に支持される。第3の連通部710cは、供給室/排気室702と制御部716とを接続し、それぞれの内部空間を連通する。制御部716は、不図示の送風機器が構成されており、制御室703の内部および制御部716の内部の気体が供給室/排気室702へ導出される。
【0052】
また、評価用ユニット7は、配線部材717および配線挿通部718を更に備える。配線部材717は、評価実行部709と制御部716とを電気的に接続し、付随的に、他の要素(開閉機構7072等)と制御部716とを電気的に接続する。また、配線部材717は、評価対象5の評価に必要な電力供給用の電源も含まれうる。配線部材717には、ケーブル、ワイヤハーネス等が用いられればよい。配線挿通部718は、制御室703から評価室701a、評価室701bおよび供給室/排気室702のそれぞれに、配線部材717を挿通可能に構成される。
【0053】
また、評価室701aにおいて、第1のホルダ支持部708aは、支持フレーム704に設けられる第1のホルダ支持フレーム部に設けられ、第1の評価実行部709aは、該第1の評価支持フレーム部に設けられる。また、評価室701aにおいて、第1の液体受け部713aは、支持フレーム704に設けられる第1の液体受けフレーム部に設けられる。また、評価室701aにおいて、第1の連通部710a、第1の気体供給部711aおよび第1の液体供給部712aは、評価室701aと供給室/排気室702との間に配置される仕切部706を連通するように設けられ、その仕切部706が支持フレーム704の第1の供給排出支持フレーム部に設けられる。
【0054】
また、評価室701bにおいて、第2のホルダ支持部708bは、支持フレーム704に設けられる第2のホルダ支持フレーム部に設けられ、第2の評価実行部709bは、該第2の評価支持フレーム部に設けられる。また、評価室701bにおいて、第2の液体受け部713bは、支持フレーム704に設けられる第2の液体受けフレーム部に設けられる。また、評価室701bにおいて、第2の連通部710b、第2の気体供給部711bおよび第2の液体供給部712bは、評価室701bと供給室/排気室702との間に配置される仕切部706を連通するように設けられ、その仕切部706が支持フレーム704の第2の供給排出支持フレーム部に設けられる。
【0055】
また、制御室703において、制御部716は、支持フレーム704に設けられる制御支持フレーム部に設けられる。また、制御室703において、第3の連通部710cは、制御室703bと供給室/排気室702との間に配置される仕切部706に設けられる開口に連通するように設けられ、その仕切部706が供給室/排気室702の第三の側方の支持フレーム704に設けられる。
【0056】
上述の評価用ユニット7を複数配列することにより評価装置1を組立て可能となっている。本実施形態では、評価用ユニット7を4行×4列で配列したものが一対配置されることとしたが、行及び/又は列の数は本例に限られるものではない。
【0057】
また、本実施形態では、個々の評価用ユニット7は一対の評価室701a及び701bを備えるため、単位あたりの評価室701a又は701bに着目すると、評価室701a又は701bは4行×8列で配列されることとなる。例えば、或る評価室701aが第1列に配され、それに対応する評価室701bが第2列に配されることとなる。この場合、供給室/排気室702は、評価室701aに対して第2列側に配置され且つ評価室701bに対して第1列側に配置されることとなる。同様の手順で、他の評価室701aが第K列に配され、それに対応する評価室701bが第(K+1)列に配され、それらの間に他の供給室/排気室702が配置されることとなる(ここでは、K=3、5及び7の何れかとする。列の数が更に大きい場合にはK≧3の奇数とすればよい。)。このとき、第(K-1)列の評価室701bと、第K列の評価室701aとは、供給室/排気室702を介さずに互いに隣り合うこととなる。
【0058】
図11は、評価用ユニット7の構造を模式的に示す正面図(開閉部707側から見た図)である。評価室701bについても同様であるが、評価室701aは領域91~94に分けられる。尚、ここでは領域91~94は正面視におけるエリアとして示されるが、以下の説明は、三次元空間における何れかの部分において成立すればよい。
【0059】
第1の領域91と第2の領域92とはX方向で隣接する。領域91には、気体供給部711aおよび連通部710a(並びに、ここでは不図示とするが、液体供給部712a)が配置され、供給排出エリアとして設定される。また、領域92には評価実行部709aが配置され、評価機器エリアとして設定される。
【0060】
第3の領域93は、領域91及び92とZ方向(ここでは下方)で隣接し、領域93には、評価対象5を保持するホルダ6が配置され、評価対象配置エリアとして設定される。
【0061】
第4の領域94は、領域93に対して領域91及び92の反対側(即ち領域93下方)に位置し、領域94には、ホルダ6からの液体を受ける液体受け部713aが配置され、補助エリアとして設定される。
【0062】
領域93の上方に領域91が設けられることにより、評価対象5に対する気体および液体の供給を実行可能となり、また、領域93の上方に領域92が設けられることにより、評価対象5に対して特性評価を実行可能となる。また、領域91及び92が互いに隣り合うことにより、上記2つの動作を独立して実行可能となる。また、領域93の下方に領域94が設けられることにより、即ちホルダ支持部708の下方に空間が存在することにより、搬送用ユニット3は、評価用ホルダ6を下方から支持しながら評価室701aに対して出し入れするなどの多様な形態での出し入れにも対応することが可能となる。評価室701aをそれぞれの領域91~94を専用の機能領域として設定することで評価室701aにおけるそれぞれの機器の配置を効率よく設定することができる。
【0063】
尚、液体供給部712aがホルダ6の貯留部60に向けて液体を供給可能となるように、ホルダ6は、押圧機構63が液体供給部712a側とは反対側となるように、評価室701a内に収納される。そのため、搬送用ユニット3は、搬送中のホルダ6のX方向の向きを反転可能に構成されてもよい。
【0064】
図11から分かるように、気体供給部711bについても同様であるが、気体供給部711aは、開口部7111aおよび延出部7112aを含む。開口部7111aは、評価室701a内に気体を導入可能とする。延出部7112aは、開口部7111aを取り囲むと共に、評価対象5に向かって気体が効率よく導かれるように評価対象5の近傍の評価室701a内方に向かって(ここでは、領域91から領域93に向かって)延出している。尚、気体供給部711a及び711bの形状については、液体供給部712a及び712bについても同様のことが云える。
【0065】
(評価装置について)
図12A~12Cは、評価用ユニット7間の接続(あるいは連結)を可能とするための構造を説明するための模式図である。評価用ユニット7は、評価用ユニット7を他の評価用ユニット7に接続(あるいは連結)するための接続部(あるいは連結部)719を更に備える。接続部719は、支持フレーム704に一体に設けられてもよいし、支持フレーム704とは別体で設けられてもよい。
【0066】
接続部719は、評価室701a及び701b、並びに、供給室/排気室702のそれぞれに対して個別に設けられていてもよいし、一体に設けられていてもよい。接続部719は、評価室701および供給室/排気室702のそれぞれを、他の評価用ユニット7の評価室701および供給室/排気室702の何れにも接続可能に構成されるとよい。
【0067】
理解の容易化のため、
図12Aにおいては、接続部719のうち、評価室701aに対応する部分を接続部719aとし、評価室701bに対応する部分を接続部719bとし、供給室/排気室702に対応する部分を接続部719cとする。このとき、上述の接続部719の構成は、接続部719a、719b及び719cは相互に接続可能に構成される、と換言可能である。
【0068】
本構成によれば、評価用ユニット7を部分的に変更して接続することも可能となり、評価装置1の組立て態様を多様化することができる。例えば、本実施形態では、評価用ユニット7は一対の評価室701a及び701bを備えるものとしたが、他の実施形態として、それらの一方が省略された変形例を組み合わせることが可能となる。例えば、本実施形態において、支持フレーム704は、評価ユニット7毎に一つずつ構成されるが、例えば、評価ユニット7に含まれる支持フレーム704を互いに隣接する2つの評価ユニット7が共有しても良い。共有可能な一つの支持フレームで複数の評価ユニット7に含まれる複数の評価室、供給室/排気室および制御室を一体に支持することができる。
【0069】
図12Bに示されるように、第1変形例に係る評価用ユニット(区別のため評価用ユニット7
1とする。)は、評価室701a、供給室/排気室702および制御室703を備え、評価室701bを備えないものとする。
【0070】
図12Cに示されるように、第2変形例に係る評価用ユニット(区別のため評価用ユニット7
2とする。)は、評価室701b、供給室/排気室702および制御室703を備え、評価室701aを備えないものとする。
【0071】
このような態様によれば、評価装置1の組立てに際して、評価用ユニット7に加えて/代替して評価用ユニット71及び/又は72を配列することで、配置する場所の障害物に応じて柔軟に評価装置1を設置することも可能となる。
【0072】
他の実施形態として、複数の評価用ユニット7(付随的に71及び/又は72)を互いに異なる向きで配列することも可能となる。例えば、+Y方向側を正面側とする評価用ユニット7と、-Y方向側を正面側とする評価用ユニット7とを交互にX方向及び/又はZ方向に配列することも可能となる。
【0073】
供給室/排気室702に対応する接続部719cについては、供給室/排気室702をZ方向において外部に開放するように構成される。即ち、接続部719cは、評価室701a及び/又は701bから連通部710a及び/又は710bを介して供給室/排気室702に導かれた空気を評価用ユニット7外に排出可能となっている。
【0074】
また、供給室/排気室702の列方向となる上端部に対応する接続部719cについては、気体導出部720aの付随ユニットである排風機構720(
図9参照)を取付け可能となっている。供給室/排気室702は、Z方向において開放されているため、評価用ユニット7がZ方向に複数配列された場合、Z方向(複数の評価用ユニット7を積載方向)で隣り合う評価用ユニット7の供給室/排気室702同士が連通すると共に、その最上段の評価用ユニット7の供給室/排気室702の上端部においては排風機構720によりZ方向の気流の発生が可能となる。尚、排風機構720には、本実施形態ではフード付のファンが用いられるものとするが、他の実施形態として単にファンまたはフードのみが用いられてもよい。
【0075】
本構成によれば、X方向又はZ方向で隣り合う2つの評価用ユニット7は接続部719により適切に且つ多様な態様で相互に固定可能となる。また、Z方向で隣り合う2つの評価用ユニット7においては供給室/排気室702をZ方向で連通させることができる。よって、本構成によれば、評価用ユニット7を複数配列して評価装置1を組み立てることが比較的簡便に実現可能となる、と云える。付随的に、接続部719は、更に制御室703に対して設けられてもよい。
【0076】
図13は、
図12記載の評価用ユニット7をZ方向に配列した場合を示す模式図である。この場合、Z方向で連通することとなる複数の供給室/排気室702には、気体流路部714cおよび液体流路部715cが更に収容されるとよい。気体流路部714cは、気体流路部714a及び714bに共通に接続される。液体流路部715cは、液体流路部715a及び715bに共通に接続される。
【0077】
本構造によれば、気体の供給源および液体の供給源をそれぞれ一元化することが可能となる。本実施形態においては、
図13に示されるように、評価装置1は、気体流路部714a~714cを介して気体供給部711a及び/又は711bに気体を供給する供給源として気体送出部721を更に備える。同様に、評価装置1は、液体流路部715a~715cを介して液体供給部712a及び/又は712bに液体を供給する供給源として液体送出部722を備える。
【0078】
図14に示されるように、気体送出部721は、気体貯留部7211及び7212、並びに、切替え機構7213を含む。例えば、気体貯留部7211は、第1の気体として冷気(例えば冷却された空気)を貯留し、また、気体貯留部7212は、第2の気体として不燃性ガス(例えば消火ガス)を貯留する。切替え機構7213は、上記2種類の気体の一方を送出可能に構成され、また、該送出する気体の種類を切替え可能に構成される。切替え機構7213には例えば電磁弁等が用いられうる。
【0079】
なお、気体貯留部7211および7212を対応の気体を供給する供給源に連結可能な連結部となるように構成してもよく、その場合には、評価装置1が設置される工場などの建物に予め設置されうる気体貯留部と連結させることで対応の気体を供給するように構成してもよい。
【0080】
このような構成により、例えば、評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が基準値よりも低い第一の状態の場合(例えば、評価対象5の評価動作により評価室701a及び701b内の温度が基準温度より低い場合)、評価実行部により評価対象5の評価動作によって発熱する部分(本実施形態においては、評価実行部と評価対象5とが接触する部分)およびその周囲には、温度上昇を抑制するため気体送出部721から冷気が送出され、評価室701a及び/又は701b内に載置される評価用ホルダ6の貯留部60に載置される評価対象5及びその周囲に向けて該冷気が供給される。
【0081】
一方、評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が基準値よりも高くなった第二の状態の場合(例えば、評価対象5の評価動作により評価室701a及び/又は701b内の温度が基準温度より高くなった場合)には、気体送出部721から不燃性ガスが送出され、評価室701a及び/又は701b内には該不燃性ガスが供給される。このとき、切替え機構7213が動作することで第一の気体貯留部7211からの供給の開始または停止、および、第二の気体貯留部7212からの供給の開始または停止を行うことで評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態を管理することができる。
【0082】
また、評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が第一の状態の場合(例えば、評価対象5の評価動作により評価室701a及び701b内の温度が基準温度より低い場合)には、液体送出部722からの液体の送出がされない休止状態であり、評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が基準値よりも高くなった第二の状態の場合(例えば、評価対象5の評価動作により評価室701a及び/又は701b内の温度が基準温度より高くなった場合)には、液体送出部722から液体が送出される。該送出された液体は、液体流路部715a~715c、並びに、液体供給部712a及び/又は712bを介して、ホルダ6内の貯留部60に供給されて貯留される。他の実施形態として、液体送出部722は、気体送出部721の切替え機構7213同様、送出する液体の種類を切替え可能に構成されてもよい。
【0083】
このような評価装置1によれば、気体送出部721および液体送出部722の動作制御により特性評価の間、評価対象(複数のバッテリセル)5および評価実行部の昇温は冷気により抑制される一方で、評価対象5の評価中における発熱により評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が基準温度より高くなった場合には、不燃性ガス及び液体の供給により評価対象5の冷却および評価室701a及び/又は701b内の急激な温度環境状態変化を一括で抑制可能となる。気体送出部721および液体送出部722の駆動制御は、評価室701a及び701b内それぞれの環境を検出することにより実現可能である。また、気体送出部721および液体送出部722と併せて連通部710aおよび710bが活用されることで評価室701a及び/又は701b内の温度環境状態が効率よく管理することができる。
【0084】
本実施形態では、
図8及び
図9に例示されるように、評価用ユニット7は、評価室701a及び701bのそれぞれにおいて、その環境を検出可能な検出部723を更に備える。検出部723は、評価室701aの連通部710a及び701bの連通部710bの周辺となる評価室701a及び701bの上端部に設けられる。検出部723には、公知の温度センサが用いられればよく、検出部723の検出結果を示す信号は、例えば制御部716に送信され、制御部716に含まれるプログラムが処理されることで動作制御信号が気体送出部721および液体送出部722に送信される。他の実施形態として、気体送出部721および液体送出部722は、評価装置1の全体を管理制御する不図示の評価装置制御部により制御可能に電気的に接続されていてもよく、この場合、検出部723の検出結果を示す信号は、評価装置制御部に送信されればよい。
【0085】
検出部723は、好適には評価対象5の上方に設置されるとよく、本実施形態では評価室701aの連通部710a及び701bの連通部710bの周辺となる評価室701a及び701bの上端部に設置されるものとしたが、評価室701aおよび評価室701b内の環境、主に評価対象5の温度を計測可能であればよく、その設置位置は本態様に限られるものではない。例えば、検出部723は、評価実行部709a(又は709b)に設置されてもよく、複数の検出部723を設置させてもよい。
【0086】
(まとめ)
上述の実施形態によれば、複数のバッテリセル5についての特性評価を実行可能な評価装置1を比較的簡便に構成可能となると共に、その安全性を向上することが可能となる。実施形態の主な特徴は、次のとおりである:
実施形態の一側面は、複数のバッテリセル5の特性評価に際して複数のバッテリセル5を一括で移載可能に保持する評価用ホルダ6に係る。ホルダ6は、底壁部61と、周壁部62と、押圧機構63とを備える。底壁部61は、複数のバッテリセル5を一側方側から他側方側に並べて載置可能に構成される。周壁部62は、底壁部61の周縁部に複数のバッテリセル5より高く周設される。押圧機構63は、複数のバッテリセル5を一側方側から他側方側に押圧可能に構成される。ここで、底壁部61および周壁部62は、液体を貯留可能な貯留部60を形成する。上記ホルダ6によれば、複数のバッテリセル5が基準温度より高くなった場合には、該複数のバッテリセル5を一括で冷却可能となる。よって、上記特性評価を実行可能な装置を比較的簡便に構成可能となり、また、その安全性を向上可能となる。尚、液体には、不燃性のものが用いられればよく、例えば水、海水、泡消火薬剤など、の中から評価対象5に応じた最適なものが選択され、用いられればよい。
【0087】
実施形態の他の側面は、ホルダ6により一括で移載可能に保持された複数のバッテリセル5について特性評価を実行可能に構成された評価用ユニット7に係る。評価用ユニット7は、評価室701aと、ホルダ支持部708aと、液体供給部712aと、液体供給室702aとを備える。評価室701aは、特性評価に際してホルダ6を収容可能に構成される。ホルダ支持部708aは、評価室701aに設けられ、ホルダ6を所定位置で支持可能に構成される。液体供給部712aは、評価室701aに設けられ、ホルダ支持部708aに支持されるホルダ6内に液体を供給可能に構成される。液体供給室702aは、評価室701aに隣接して設けられ、液体供給部712aに接続された液体流路部715aを収容可能に構成される。上記評価用ユニット7によれば、複数のバッテリセル5または評価室701a内の温度環境状態が基準温度より高くなった場合には、該複数のバッテリセル5およびまたは評価室701a内を一括で冷却可能となる。よって、上記特性評価を実行可能な装置を比較的簡便に構成可能となり、また、評価中の安全性を向上可能となる。
【0088】
実施形態の他の側面は、評価対象5に対して所定の特性評価を実行可能に且つZ方向(第1方向)に複数配列可能に構成された評価用ユニット7に係る。評価用ユニット7は、評価室701aと、排気室702と、連通部710aとを備える。評価室701aは、特性評価に際して評価対象5を収容可能に構成される。排気室702は、X方向(第2方向)で評価室701aと隣接する。連通部710aは、評価室701aと排気室702とを連通する。ここで、排気室702は、評価用ユニット7がZ方向に複数配列された場合、Z方向で隣り合う他の排気室702と連通可能に構成される。このような構成によれば、評価用ユニット7を配列して評価装置1を組み立てる際には、互いに隣り合う評価用ユニット7間で排気室702同士が適切に接続され、評価室701a内の気体の排気を可能とするシステム構成を比較的簡便に実現可能となる。よって、上記特性評価を実行可能な装置を比較的簡便に構成可能となり、また、その安全性を向上可能となる。尚、実施形態においては、複数のバッテリセル5を評価対象5としたが、携帯端末、半導体パッケージ等、多様な電子デバイスないし電子部品が評価対象5となりうる。
【0089】
以上の説明においては、理解の容易化のため、各要素をその機能面に関連する名称で示したが、各要素は、実施形態で説明された内容を主機能として備えるものに限られるものではなく、それを補助的に備えるものであってもよい。