IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテル コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許-電力管理回路 図1a
  • 特許-電力管理回路 図1b
  • 特許-電力管理回路 図1c
  • 特許-電力管理回路 図2
  • 特許-電力管理回路 図3
  • 特許-電力管理回路 図4
  • 特許-電力管理回路 図5
  • 特許-電力管理回路 図6
  • 特許-電力管理回路 図7
  • 特許-電力管理回路 図8
  • 特許-電力管理回路 図9
  • 特許-電力管理回路 図10
  • 特許-電力管理回路 図11
  • 特許-電力管理回路 図12
  • 特許-電力管理回路 図13
  • 特許-電力管理回路 図14
  • 特許-電力管理回路 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】電力管理回路
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3206 20190101AFI20250107BHJP
   G06F 1/3296 20190101ALI20250107BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
G06F1/3206
G06F1/3296
H02M3/00 W
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022550697
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2020042126
(87)【国際公開番号】W WO2021194542
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】16/832,012
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】レオン,パトリック カム‐シン
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター,スティーブン,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ラヴ,トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ビビカール,ヴァスデヴ
(72)【発明者】
【氏名】レーヴァルダー,フィリップ アール.
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル,プリーティ
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-507114(JP,A)
【文献】特開2015-220859(JP,A)
【文献】特開2006-333637(JP,A)
【文献】国際公開第2015/019394(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26-1/3296
H02M3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する電力管理回路であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該電力管理回路は、以下を行う回路、すなわち、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
ことを行う回路、を有
前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、
のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、
電力管理回路。
【請求項2】
前記電力状態電流閾値データは、前記第2の電力状態が前記第1の電力状態よりも電力効率が高くなる出力電流レベルに関係する、請求項1に記載の電力管理回路。
【請求項3】
前記回路は、前記決定したレギュレート電圧データに対する前記電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて、前記電力状態電流閾値データを決定する、請求項1又は2に記載の電力管理回路。
【請求項4】
当該電力管理回路は更に、前記基準データを格納するメモリを有し、前記回路は、前記メモリから前記基準データを取り出して、前記基準データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定する、請求項3に記載の電力管理回路。
【請求項5】
前記基準データは、前記決定したレギュレート電圧データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定するための所定の関数の1つ以上のパラメータの値を有し、前記回路は、前記関数と、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値と、前記決定したレギュレート電圧データとに基づいて、前記電力状態電流閾値データを決定する、請求項3に記載の電力管理回路。
【請求項6】
当該電力管理回路は、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を格納する1つ以上のレジスタを有し、前記回路は、前記1つ以上のレジスタから前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を取り出して、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値に応じて前記電力状態電流閾値データを決定する、請求項5に記載の電力管理回路。
【請求項7】
前記回路は、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づいて前記出力電流データを決定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項8】
前記電圧レギュレータから前記負荷への前記測定電流は、前記電圧レギュレータの、若しくは前記電圧レギュレータと共に集積された、電流モニタリング回路によって測定される電流、又は前記負荷の、若しくは前記負荷と共に集積された、電流モニタリング回路によって測定される電流である、請求項7に記載の電力管理回路。
【請求項9】
前記回路は、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づいて、前記レギュレート電圧データを決定する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項10】
前記回路は、以前に決定した電力状態電流閾値データを前記決定したレギュレート電圧データに応じて更新することによって、前記電力状態電流閾値データを決定する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項11】
前記電力状態電流閾値データが、前記以前に決定した電力状態電流閾値データと異なるのは、前記決定したレギュレート電圧データが、前記以前に決定した電力状態電流閾値データが依存していた、決定したレギュレート電圧データとは異なることによる、請求項10に記載の電力管理回路。
【請求項12】
前記負荷は、以下のうちのいずれか1つ以上を有し、すなわち、
コンピューティングプラットフォーム、
コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンポーネント、
1つ以上のプロセッサ、
1つ以上のプロセッサチップ、
プロセッサ又はプロセッサチップの回路、
プロセッサ又はプロセッサチップのプロセッシング回路若しくはコンピューティング回路、
マルチコアプロセッサの1つ以上のコアを有するドメインなどの、プロセッサチップの1つ以上のドメイン、
1つ以上の中央演算処理ユニットコアなどの、プロセッサチップの中央演算処理ユニットのプロセッシング回路、
1つ以上のグラフィックスプロセッサコアなどの、プロセッサチップのグラフィックスプロセッシング回路、
少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメインを更に含むマルチコアプロセッシング回路の少なくとも第1のドメインであり、中央演算処理ユニットプロセッサの1つ以上のプロセッシングコアなどの1つ以上のプロセッシングコアを含む第1のドメイン、
メモリコントローラ、
ディスプレイコントローラ、
プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路、
のうちのいずれか1つ以上を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項13】
当該電力管理回路は、それぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に提供する複数の電圧レギュレータの電力状態を制御し、前記電圧レギュレータは各々、少なくともそれぞれの第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該電力管理回路は、前記電圧レギュレータの各々に対して以下を行う回路、すなわち、
それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれの出力電流に関係するそれぞれの出力電流データを決定し、
それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれのレギュレート電圧に関係するそれぞれのレギュレート電圧データを決定し、
それぞれの電圧レギュレータがそれぞれの第1の電力状態とそれぞれの第2の電力状態との間で変化するそれぞれの出力電流レベルに関係するそれぞれの電力状態電流閾値データを決定し、該それぞれの電力状態電流閾値データは、それぞれの決定したレギュレート電圧データに依存し、
それぞれの決定した出力電流データとそれぞれの決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、それぞれの第1の電力状態からそれぞれの第2の電力状態へのそれぞれの電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせる、
ことを行う回路、を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項14】
前記負荷は、プロセッサ又はプロセッサチップを有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項15】
当該電力管理回路は、前記電圧レギュレータ及び前記負荷から分離された回路である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項16】
当該電力管理回路は前記負荷とともに集積されている、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電力管理回路。
【請求項17】
負荷と、
レギュレート電圧を前記負荷に提供するための電圧レギュレータと、
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の電力管理回路であり、当該電力管理回路は、前記電圧レギュレータの電力状態を制御し、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能である、電力管理回路と、
を有する装置。
【請求項18】
少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供されるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、実行されるときに、プロセッシング回路に、
電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定させ、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定させ、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定させ、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせ
前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、
のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、
コンピュータプログラム
【請求項19】
プロセッシング回路が実行する、レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する方法であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該方法は、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
ことを有
前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、
のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、
方法。
【請求項20】
前記決定したレギュレート電圧データに対する前記電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて、前記電力状態電流閾値データを決定する、ことを更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
マルチコアプロセッシング回路であり、
1つ以上のコアを含む第1のドメイン、及び
少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメイン、
を有するマルチコアプロセッシング回路と、
少なくとも前記第1のドメインにレギュレート電圧を提供する電圧レギュレータであり、当該電圧レギュレータを第1の電力状態から第2の電力状態へと動的に再構成する構成回路を有する電圧レギュレータと、
電力管理回路であり、
前記電圧レギュレータによって前記少なくとも第1のドメインに提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記少なくとも第1のドメインに提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態から前記第2の電力状態へと動的に再構成する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータの前記構成回路に、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態へと前記電圧レギュレータを動的に再構成させる、
電力管理回路と、
を有し、
前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、
のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、
コンピューティングプラットフォーム。
【請求項22】
前記マルチコアプロセッシング回路の前記第1及び第2のドメインはシステム・オン・チップ(SoC)によって提供される、請求項21に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項23】
少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供されるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、実行されるときに、プロセッシング回路に、
電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての前記電圧レギュレータの電力効率を、前記電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定させ、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、前記電圧レギュレータの第1の電力状態が前記電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、前記負荷への前記電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定させ、
前記レギュレート電圧に対する前記電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定させ、
前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、
前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、
のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、
コンピュータプログラム
【請求項24】
前記基準データは、前記第1の電力状態が前記第2の電力状態よりも効率的になる前記出力電流のレベルに関係する電力状態電流閾値データを、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに応じて決定するための関数の1つ以上のパラメータの値を有する、請求項23に記載のコンピュータプログラム
【請求項25】
請求項19又は20に記載の方法を実行する手段を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年3月27日に出願された、“SYSTEM, APPARATUS AND METHOD FOR DYNAMIC POWER STATE SCALING OF A VOLTAGE REGULATOR FOR A PROCESSOR”と題された米国特許出願第16/832,012号に対する優先権を主張する。
【0002】
この開示は、レギュレートされた電圧(以下、レギュレート電圧)を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力管理に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の産業界のトレンドは、より小さく、より軽く、そして、より薄いコンピュータシステムを提供することに向かっている。特に、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどを含むモバイル装置はサイズの小型化が続いている。バッテリは、十分で有用な動作時間を提供するために装置の体積のうちかなりの部分に相当し得る。コンピュータシステムの電力消費を低減させることは、動作時間を長くしたり、あるいはバッテリサイズを小さくしたりすることを可能にし得る。幹線電力で動作する装置の電力消費を低減させることも、エネルギーコンプライアンスにとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
ここに記載される実施形態は、同様の要素は同様の参照符号で参照する添付図面の図に、限定ではなく例として示される。
図1a】出力電流及びレギュレート電圧を負荷に提供する電圧レギュレータを概略的に示している。
図1b図1b及び1cは、出力電流及びレギュレート電圧を負荷に提供する電圧レギュレータを概略的に示しており、それぞれ、負荷及び電圧レギュレータが電力管理回路を有している。
図1c図1b及び1cは、出力電流及びレギュレート電圧を負荷に提供する電圧レギュレータを概略的に示しており、それぞれ、負荷及び電圧レギュレータが電力管理回路を有している。
図2】電圧レギュレータの3つの電力状態例を示す表である。
図3】電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数としての、電圧レギュレータの3つの電力状態の電力効率のプロットを示している。
図4】負荷に第1の(より高い)レギュレート電圧を提供する電圧レギュレータの3つの異なる電力状態についての電力効率対出力電流の、上側の例示プロットと、負荷に第2の(より低い)レギュレート電圧を提供する電圧レギュレータの3つの異なる電力状態についての電力効率対出力電流の、下側の例示プロットとを示している。
図5】電圧レギュレータによって負荷に提供される複数の異なるレギュレート電圧の各々について、電圧レギュレータの2つの異なる電力状態についての電力効率対出力電流の、実験的に得られたプロットを示している。
図6図5のプロットから導出された、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧の関数としての電圧レギュレータの電力状態電流閾値のプロットである。
図7】最も一致する直線関数によって推定された図6のプロットの電力状態電流閾値の誤差を示している。
図8図3のプロットと、電圧レギュレータの電力状態を正確に切り替えることによって達成することができる電力効率を示す点線とを示している。
図9】電力管理回路のブロック図である。
図10】それぞれの出力電流及びレギュレート電圧をシステム・オン・チップ上のそれぞれの負荷に提供する3つの電圧レギュレータを概略的に示している。
図11】コンピューティング装置のブロック図である。
図12】レギュレート電圧を負荷に提供するために電圧レギュレータの電力状態を制御する方法のフローチャートである。
図13】電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータの電力状態電流閾値の依存性を決定する方法のフローチャートである。
図14】レギュレート電圧を負荷に提供するために電圧レギュレータの電力状態を制御する方法のフローチャートである。
図15】機械読み取り可能媒体のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の例示的な例は、以下に限られないが、電圧レギュレータの電力状態を制御するための、又は電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータの電力状態電流閾値の依存性を決定するための、電力管理回路、方法、装置、手段、及び機械読み取り可能命令を含む。コンピュータプラットフォームも開示される。
【0006】
図1aは、レギュレート電圧Vreg及び出力電流Iloadを負荷2に提供する電圧レギュレータ1を概略的に示している。電圧レギュレータ1は、例えばバッテリなどの直流(DC)電源、又は例えば幹線電力などの交流(AC)電源とし得る電源4によって電力供給され得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregは、例えば、レギュレートされたDC電圧とし得る。電圧レギュレータ1は、可変のレギュレート電圧Vregを負荷2に提供し得る。例えば、負荷は、例えば複数の異なる離散的な電圧動作点などの、複数の異なる電圧動作点で動作可能であるとし得る。電圧レギュレータ1は、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を示す負荷電圧要求信号を受信し、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧に従った(例えば、それを満足する)レギュレート電圧Vregを負荷2に供給するように構成され得る。例えば、負荷2の回路又は負荷2と共に集積された回路によって、負荷電力コントローラ5(例えば負荷電力制御ユニットなど)が提供され得る(例えば、負荷2と同じチップ上、同じパッケージ内、又は同じ集積回路ダイ上に負荷電力コントローラ5が設けられ得る)。負荷電力コントローラ5は、負荷2の所望の電圧動作点を決定し得る。負荷電力コントローラ5は、決定した負荷2の所望の電圧動作点に応じて、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求されるレギュレート電圧Vregを示す負荷電圧要求信号を送信し得る。電圧レギュレータ1は、(例えば、負荷2が異なる電圧動作点で動作すべきとき)負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される調整された電圧を示す負荷電圧要求信号に応答して、又はそれに応じて、自身が負荷2に供給するレギュレート電圧Vregを調整するように構成され得る。負荷電圧要求信号は、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を示すバイナリコードとし得る電圧識別(VID)コードによって伝達し得る。負荷電圧要求信号は、例えば電力管理バスなどの電力管理通信インタフェース6を介して電圧レギュレータ1に送られ得る。
【0007】
負荷2は任意の好適な負荷とし得る。例えば、負荷2は、コンピュータプラットフォームの負荷とし得る。負荷2は、集積回路ダイ上に設けられることができ、例えば、負荷は、集積回路ダイの1つ以上の集積回路を有し得る。負荷は、以下のうちのいずれか1つ以上を有するとすることができ、すなわち、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンポーネント(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサチップ、マルチコアプロセッシング回路、例えば1つ以上のプロセッシングコアを有するドメインなどのマルチコアプロセッシング回路の少なくとも1つのドメイン、又はコンピュータプラットフォームのファン若しくはディスプレイ若しくはメモリコントローラ)、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサチップ、プロセッサ又はプロセッサチップの回路、プロセッサ又はプロセッサチップのプロセッシング回路若しくはコンピューティング回路、例えばマルチコアプロセッサの1つ以上のコアを有するドメインなどの、プロセッサチップの1つ以上のドメイン、例えば1つ以上の中央演算処理ユニットコアなどの、プロセッサチップの中央演算処理ユニットのプロセッシング回路、例えば1つ以上のグラフィックスプロセッサコアなどの、プロセッサチップのグラフィックスプロセッシング回路、少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメインを更に有するマルチコアプロセッシング回路の少なくとも第1のドメインであり、例えば中央演算処理ユニットプロセッサの1つ以上のプロセッシングコアなどの1つ以上のプロセッシングコアを含む第1のドメイン、メモリコントローラ、ディスプレイコントローラ、プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路、のうちのいずれか1つ以上を有するとすることができる。
【0008】
プロセッサチップは、設けられる場合に、例えば1つ以上の中央演算処理ユニットプロセッサ及び1つ以上のグラフィックスプロセッサなどの1つ以上のプロセッサを有した、専用の中央演算処理ユニットチップ(例えばデスクトップ型パーソナルコンピュータなどのパーソナルコンピュータ用の中央演算処理ユニットチップなど)又はシステム・オン・チップ(SoC)を有するとし得る。プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路は、例えばインターコネクト回路、アンコア又はシステムエージェント回路(例えば、上位キャッシュメモリ、インターコネクトコントローラ、オンダイメモリコントローラ、Thunderbolt(登録商標)コントローラ、のうちのいずれか1つ以上)など、プロセッサ又はプロセッサチップの1つ以上のプロセッシングコア以外の、プロセッサ又はプロセッサチップの回路を有し得る。
【0009】
電力管理回路8は、図1aに破線で示されており、何故なら、それは、負荷2の回路若しくは負荷2と共に集積された回路(例えば、負荷2と同じチップ上、同じパッケージ内、又は同じ集積回路ダイ上に設けられた回路)であってもよいし、電圧レギュレータ1の回路若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された回路(例えば、電圧レギュレータ1と同じチップ上、同じパッケージ内、又は同じ集積回路ダイ上に設けられた回路)であってもよいし、例えば組み込みコントローラの回路などの、電圧レギュレータ1及び負荷2とは分離された回路(例えば、電圧レギュレータ1及び負荷2とは異なるチップ上、異なるパッケージ内、又は異なる集積回路ダイ上に設けられた回路)であってもよいし、電圧レギュレータ1の回路若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された回路、負荷2の回路若しくは負荷2と共に集積された回路、並びに電圧レギュレータ1及び負荷2から分離された回路の任意の組み合わせ間で分散された回路であってもよいからである。
【0010】
例えば、図1bは、負荷2の、又は負荷2と共に集積された、負荷電力コントローラ5によって提供される電力管理回路8を示し、図1cは、電圧レギュレータ1の、又は電圧レギュレータ1と共に集積された、電力管理回路8である電力管理回路8を示している。前者の場合、電力管理回路8は、電力管理回路8から電圧レギュレータ1に例えば電力管理通信インタフェース6を介して送信される電力状態更新コマンドにより、電圧レギュレータ1の電力状態を制御するとし得る。後者の場合、電圧レギュレータ1の電力管理回路8が直接的に電圧レギュレータ1の電力状態を制御するとし得る。後者の場合、電圧レギュレータ1の電力管理回路8は、負荷電力コントローラ5から電圧レギュレータ1に送信される電力状態更新コマンドより優先して動作可能であるとしてもよい。
【0011】
電力管理回路8は、汎用プロセッシング回路であってもよいし、専用回路であってもよい。電力管理回路8の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの何らかの組み合わせで実装され得る。電力管理回路8は、例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能メモリや、電力管理回路8の機能を実行するために電力管理回路8のプロセッシング回路によって実行可能なコンピュータプログラム命令を格納するメモリなどの、メモリと通信するプロセッシング回路を有するとし得る。
【0012】
電圧レギュレータ1は、1つの相又は複数の相に基づいて出力電流Iload及びレギュレート電圧Vregを負荷に提供することが可能な多相の電圧レギュレータとし得る。例えば、電圧レギュレータは、並列の複数の相の各々からの出力を組み合わせてレギュレート電圧出力Vreg及び負荷電流Iloadを負荷2に提供することが可能な多相電圧レギュレータとし得る。電圧レギュレータは、連続導通モードで動作可能であるとともに、不連続導通モードで動作可能であるとし得る。例えば、電圧レギュレータ1は、レギュレート電圧Vreg及び出力電流Iloadを負荷2に提供するオン/オフサイクルを持つことができ、該オン/オフサイクルは、連続導通モードでは連続的に実行され、不連続導通モードでは不連続に実行され、不連続なオン/オフサイクルは、インダクタ電流が負になるときの電力損失を抑制するものである。電圧レギュレータ1は、不連続導通モードにおいて複数の異なるスイッチング周波数で動作可能であるとし得る。例えば、電圧レギュレータは、不連続導通モードにおいて、第1のスイッチング周波数(例えば、パルススキッピングなしの、又は第1のパルススキッピング周波数でのパルススキッピングありの、第1のスイッチング周波数)で動作可能であるとともに、第1のスイッチング周波数より低い第2のスイッチング周波数(例えば、パルススキッピングあり、又は第1のパルススキッピング周波数よりも大きい第2のパルススキッピング周波数でのパルススキッピングあり、すなわち、第2のスイッチング周波数では、より頻繁にパルスがスキップされる)で動作可能であるとし得る。
【0013】
電圧レギュレータ1は、外部の電圧レギュレータであってもよいし、内部の又は集積された電圧レギュレータであってもよい。外部の電圧レギュレータは、負荷2の外部に設けられ得るのに対し、内部の電圧レギュレータは、負荷の内部にあるか、負荷と共に集積されるかし得る。例えば、内部の電圧レギュレータは、負荷2と同じ集積回路ダイ上、又は同じチップ上、又は同じパッケージ内に設けられ得る。外部の電圧レギュレータは、負荷2の集積回路ダイ若しくはチップとは離して設けられたり、負荷2とは別のパッケージ内に設けられたりし得る。
【0014】
電圧レギュレータ1は、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であるとし得る。電圧レギュレータ1の最大出力電流容量は、これらの電力状態ごとに異なるとしてもよい。異なる電力状態では電圧レギュレータ1からの電力損失が異なるとし得る。第1の出力負荷では第1の電力状態の方が第2の電力状態よりも電力効率が高く、第1の出力負荷とは異なる第2の出力負荷では、第2の電力状態の方が第1の電力状態よりも電力効率が高いということがあり得る。
【0015】
電圧レギュレータ1の第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なるとすることができ、すなわち、電圧レギュレータが、第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、電圧レギュレータが、第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、電圧レギュレータが、第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、電圧レギュレータが、第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、電圧レギュレータが、第1及び第2の電力状態のうち他方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、電圧レギュレータの1つ以上の回路が、第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、電圧レギュレータの1つ以上の回路のうちの1つ以上が、第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、電圧レギュレータの1つ以上の回路が、第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、電圧レギュレータの1つ以上の回路のうちの1つ以上が、第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なるとすることができる。
【0016】
例えば、図2の表に示すように、電圧レギュレータ1はPS0、PS1、及びPS2という3つの異なる電力状態で動作可能であるとし得る。電力状態PS0において、電圧レギュレータ1は多相モードで動作するように構成され得る。例えば、電圧レギュレータ1は、並列の3相により出力電流Iload及びレギュレート電圧Vregを負荷2に供給するように構成されるとし得る。電力状態PS0において、電圧レギュレータ1は20Aを超える出力電流を負荷2に供給可能であるとし得る。電力状態PS0では、電圧レギュレータの全ての回路が有効にされ、電圧レギュレータは連続導通モードで動作するとし得る。電圧レギュレータ1が電力状態PS0で動作しているときに負荷2によって電圧レギュレータ1から電流が引き出されないとき、電圧レギュレータからの電力損失は2Wと4Wとの間であるとし得る。
【0017】
電力状態PS1において、電圧レギュレータ1は、連続導通モードで単相により出力電流Iload及びレギュレート電圧Vregを負荷2に供給するように構成されるとし得る。電力状態PS1では電圧レギュレータ1の1つ以上の他の相は無効にされるとし得る。電力状態PS1において、電圧レギュレータ1は最大20Aの出力電流を負荷に供給することが可能であるとし得る。電力状態PS1では、20Aが、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給されることができる出力電流の上限であるとし得る。電圧レギュレータ1が電力状態PS1で動作しているときに負荷2によって電圧レギュレータ1から電流が引き出されないとき、電圧レギュレータからの電力損失は0.5Wと2Wとの間であるとし得る。
【0018】
電力状態PS2において、電圧レギュレータ1は、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数fsw1を有する不連続導通モードで単相により出力電流Iload及びレギュレート電圧Vregを負荷2に供給するように構成されるとし得る。電力状態PS2では電圧レギュレータ1の1つ以上の他の相は無効にされるとし得る。電力状態PS2において、電圧レギュレータ1は最大5Aの出力電流を負荷に供給することが可能であるとし得る。電力状態PS2では、5Aが、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給されることができる出力電流の上限であるとし得る。電圧レギュレータ1が電力状態PS2で動作しているときに負荷2によって電圧レギュレータ1から電流が引き出されないとき、電圧レギュレータからの電力損失は40mWと160mWとの間であるとし得る。
【0019】
理解されることには、電圧レギュレータ1は、上述の3つの電力状態PS0-PS2よりも多数又は少数の電力状態を有してもよい。これまた理解されることには、電圧レギュレータ1の電力状態は、上述の電力状態PS0-PS2とは異なるように定められてもよい。
【0020】
電圧レギュレータ1は、電圧レギュレータ1の複数の異なる電力状態の各々において複数の異なるレギュレート電圧を負荷2に提供するように動作可能であるとし得る。例えば、電圧レギュレータ1は、複数の異なる電力状態の各々において同じ範囲のレギュレート電圧を負荷2に供給することが可能であるとし得る。電圧レギュレータ1は、複数の異なる電力状態の各々において複数の異なる出力電流を負荷に供給することが可能であるとし得る。
【0021】
以下の説明では、別段の記載がない限り、電力管理回路8は、(例えば、図1b、図1cに示すように)負荷電力コントローラ5によって又は電圧レギュレータ1の回路若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された回路によって設けられると仮定する。しかしながら、理解されることには、上述のように、電力管理回路8は、負荷2の回路若しくは負荷2と共に集積された回路(例えば、負荷2と同じチップ上、同じパッケージ内、又は同じ集積回路ダイ上に設けられた回路)によって設けられてもよいし、電圧レギュレータ1の回路若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された回路(例えば、電圧レギュレータ1と同じチップ上、同じパッケージ内、又は同じ集積回路ダイ上に設けられた回路)によって設けられてもよいし、例えば組み込みコントローラの回路などの、電圧レギュレータ1及び負荷2とは分離された回路(例えば、電圧レギュレータ1及び負荷2とは異なるチップ上、異なるパッケージ内、又は異なる集積回路ダイ上に設けられた回路)であってもよいし、電圧レギュレータ1の回路若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された回路、負荷2の回路若しくは負荷2と共に集積された回路、並びに電圧レギュレータ1及び負荷2から分離された回路の任意の組み合わせ間で分散された回路であってもよい。
【0022】
電力管理回路8は、例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)出力電流データを決定し、決定した出力電流データを、電圧レギュレータ1が電力状態間で変化する出力電流レベルに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)電力状態電流閾値データと比較することによって、電圧レギュレータ1を電力状態間で変化させるとし得る。例えば、決定した出力電流データは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される決定した出力電流を有するか、それで構成されるかし得る。例えば、出力電流データは、電圧レギュレータ1から負荷2への(例えば直接的に)測定した電流、又は電圧レギュレータ1から負荷2への推定又は予測した電流に基づくか、それを有するか、それで構成されるかし得る。電力状態電流閾値データは、電圧レギュレータ1が電力状態間(例えば、第1の電力状態と第2の電力状態との間)で変化する出力電流レベルに対応する電力状態電流閾値を有するか、それで構成されるかし得る。
【0023】
例えば、決定した出力電流データが、電力状態電流閾値データによって示される電力状態電流閾値以上の出力電流を示す場合に、電力管理回路8は、電圧レギュレータ1に、より低電力の状態からより高電力の状態へと電力状態を変化させるとし得る。この場合、電力状態電流閾値は、電圧レギュレータ1のより低電力の状態の上限電流であるとし得る。例えば、図2の電力状態を参照するに、電圧レギュレータ1が電力状態PS1で動作しているとき、電力状態電流閾値は20A(すなわち、PS1で動作する電圧レギュレータ1の出力電流容量の上限)であるとし得る。決定した出力電流データが、20Aという電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流を示すとき、例えば、後に必要とされる場合に電圧レギュレータが20Aを超える出力電流Iloadを負荷に供給することを可能にするために、電力管理回路8は電圧レギュレータ1にPS1からPS0へと電力状態を変化させるとし得る。
【0024】
他の一例において、決定した出力電流データが、電力状態電流閾値データによって示される電力状態電流閾値未満の、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流を示す場合に、電力管理回路8は、電圧レギュレータ1に、より高電力の状態からより低電力の状態へと電力状態を変化させるとし得る。この場合、電力状態電流閾値は、電圧レギュレータ1のより低電力の状態の上限電流であるとし得る。例えば、図2の電力状態を参照するに、電圧レギュレータ1が電力状態PS0で動作しているとき、電力状態電流閾値は20A(すなわち、PS1で動作する電圧レギュレータ1の出力電流容量の上限)であるとし得る。決定した出力電流データが、20A未満の、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流を示すとき、電圧レギュレータ1の電力効率を改善する目的で、電力管理回路8は電圧レギュレータ1にPS0からPS1へと電力状態を変化させるとし得る。
【0025】
しかしながら、電圧レギュレータ1の異なる電力状態が他よりも電力効率が高くなる出力電流レベルは、より低電力の状態の電流制限とは異なり得ることが判明している。図3は、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給される出力電流Iloadの関数としての、図2で定義した電圧レギュレータ1の3つの電力状態(PS0-PS2)の電力効率のプロットを示している。見て取れることには、電力状態PS1の上限電流が20Aであるにもかかわらず、出力電流が14Aを超えると、電圧レギュレータ1のより高電力の状態PS0の方が、実際には、電圧レギュレータ1のより低電力の状態PS1よりも電力効率が高い。従って、電力管理回路8が電圧レギュレータ1に電力状態間で変化させる出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値は、より低電力の状態の上限電流容量とは異なる(例えば、それよりも低い)ように設定されるとし得る。例えば、電力状態電流閾値は、負荷2に供給される出力電流Iloadの関数としての、電圧レギュレータ1の異なる電力状態の電力効率の分析から導出され得る。斯くして、電圧レギュレータ1の電力効率を向上させることができる。
【0026】
更に判明していることには、電圧レギュレータ1の異なる電力状態が他よりも電力効率が高くなる出力電流レベルは、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給されるレギュレート電圧Vregに依存して変化する。これを図4の例によって示す。
【0027】
図4は、電圧レギュレータが負荷2に第1の(より高い)レギュレート電圧を提供するときの、電圧レギュレータ1の3つの異なる電力状態(PS0-PS2)についての、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給される出力電流Iloadに対する電圧レギュレータ電力効率の、上側の例示プロットを有している。図4は更に、電圧レギュレータが負荷2に第2の(より低い)レギュレート電圧を提供するときの、電圧レギュレータ1の3つの異なる電力状態(PS0-PS2)についての、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給される出力電流Iloadに対する電圧レギュレータ電力効率の、下側の例示プロットを有している。見て取れることには、電力状態PS0及びPS1のうちの一方が他方よりも効率的になる電力状態電流閾値(図4に“PS1カットオフ”として記す)が、電圧レギュレータ1から負荷2へのレギュレート電圧Vregの増加とともに上昇している。同様に、電力状態PS1及びPS2のうちの一方が他方よりも効率的になる電力状態電流閾値(図4に“PS2カットオフ”として記す)も、電圧レギュレータ1から負荷2へのレギュレート電圧Vregの増加とともに上昇している。
【0028】
従って、電力管理回路8は:電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)出力電流データを決定し;電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)レギュレート電圧データを決定し;電圧レギュレータが電圧レギュレータ1の第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは決定したレギュレート電圧データに依存し;そして、決定した出力電流データと決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態への電圧レギュレータ1の電力状態の変化を生じさせるとし得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係する決定したレギュレート電圧データに、電力状態電流閾値データが依存することにより、より正確な電力状態電流閾値データを決定して、それを介して、第1及び第2の電力状態のうちのいっそう効率的な方への電圧レギュレータ1の電力状態の変化を生じさせることができる。これは、電圧レギュレータ1がいっそう電力効率良く動作することを可能にする。理解されることには、電圧レギュレータ1は、第1及び第2の電力状態の各々において上記レギュレート電圧を提供することが可能であり得る。電圧レギュレータ1は、第1及び第2の電力状態の各々において負荷2に上記出力電流を提供することが可能であるとし得る。
【0029】
決定したレギュレート電圧データは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される決定したレギュレート電圧を有するか、それで構成されるかし得る。
【0030】
決定したレギュレート電圧データは、(例えば、負荷電力コントローラ5によって)負荷2のために電圧レギュレータ1から要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づく(例えば、それを有する又はそれから構成される)とし得る。
【0031】
例えば、(例えば、図1bに示したように)負荷2の又は負荷2と共に集積された負荷電力コントローラ5によって電力管理回路8が提供される場合、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、負荷2のために負荷電力コントローラ5によって電圧レギュレータ1から要求される電圧によって、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データを決定するとし得る。例えば、負荷電力コントローラ5は、負荷2の電圧動作点を決定し、それに基づいて、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を決定し得る。電圧動作点は、例えば負荷2のプロセッシング回路又はメモリコントローラの電圧/周波数動作点などの、負荷2の電圧/周波数動作点とし得る。負荷電力コントローラ5は、決定した負荷2のために電圧レギュレータ1から要求されるレギュレート電圧に応じた負荷電圧要求信号を電圧レギュレータ1に送信するとし得る。負荷電圧要求信号は、電圧識別(VID)コードを有し得る。VIDコードは、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求されるレギュレート電圧を示すとし得る。負荷電圧要求信号は、負荷電力コントローラ5から電圧レギュレータ1に、電力管理通信インタフェース6を介して送信され得る。
【0032】
他の一例において、例えば、(例えば、図1cに示したように)電圧レギュレータ1の又は電圧レギュレータ1と共に集積された回路によって電力管理回路8が提供される場合、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、例えば負荷電力コントローラ5から受信した負荷電圧要求などの、受信した負荷2のための電圧要求を介して、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データを決定するとし得る。例えば、レギュレート電圧データは、負荷2のために要求される電圧を有するか、それで構成されるかし得る。例えば、負荷電力コントローラ5が、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を示す負荷電圧要求信号を電力管理回路8に送信し、電力管理回路8が、負荷電力コントローラ5からの該負荷電圧要求信号を受信し得る。例えば、負荷電力コントローラ5は、負荷2の電圧(例えば、電圧/周波数)動作点を決定し、それに応じて、負荷2のための電圧を要求する負荷電圧要求信号を電力管理回路8に送信し得る。負荷電圧要求信号は、負荷2のために電圧レギュレータ1から要求されるレギュレート電圧を示す電圧識別(VID)コードを有し得る。負荷電圧要求信号は、電力管理通信インタフェース6を介して電力管理回路8によって受信され得る。
【0033】
電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを、負荷2のために電圧レギュレータ2から要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づいて決定することにより、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧を効率的に決定することができる。
【0034】
他の例において、電力管理回路8は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データを、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されている測定されたレギュレート電圧Vregに基づいて決定するとし得る。例えば、電圧レギュレータ1は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregを測定する出力電圧測定回路を有するとし得る。他の一例では、負荷電力コントローラ5が、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregを測定する電圧測定回路を有するとし得る。この測定レギュレート電圧Vregが電力管理回路8に通信されるとし得る。決定したレギュレート電圧データは測定レギュレート電圧を有する又はそれで構成されるとし得る。
【0035】
電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される決定した出力電流を有する又はそれで構成されるとし得る。
【0036】
電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される予測した出力電流に基づいて決定するとしてもよい。例えば、決定した出力電流データは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される予測出力電流を有する又はそれで構成されるとし得る。予測出力電流は、負荷電力コントローラ5によって予測された出力電流であるとし得る。予測出力電流は、予測された、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供され得る最悪の場合の出力電流であるとしてもよい。例えば、負荷2がプロセッシング回路を有する場合、予測出力電流は、負荷のプロセッシング回路の利用率が100%又は実質的に100%であるという仮定に基づくとし得る。予測出力電流は、例えば負荷2の温度及び電圧動作点などの、負荷2に関係する1つ以上の更なる変数を考慮に入れて予測されてもよい。温度は、負荷電力コントローラ5によって温度センシング回路から取得されることができ、負荷電力コントローラ5は、例えば、負荷電力コントローラ5が負荷2の電圧動作点を制御し得るので、負荷2の電圧動作点の予備知識を有することができる。
【0037】
電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が、(例えば、図1cに示したように)電圧レギュレータ1の又は電圧レギュレータ1と共に集積された回路によって提供される場合、負荷電力コントローラ5が予測出力電流レベルを、例えば電力管理通信インタフェース6を介して、電力管理回路8に通信するとし得る。
【0038】
実際のワークロードはめったに100%の利用率に達しないことに基づけば、最悪の場合の出力電流が負荷2によって電圧レギュレータ1から引き出される可能性は低いとし得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に出力される電流が不正確に予測されると、電圧レギュレータ1が、さもなければ可能であり得るものよりも低い電力効率の電力状態で動作するように制御されることがあり得る。例えば、図3を参照するに、予測された、電圧レギュレータ1によって負荷2に出力され得る最悪の場合の電流が15Aである場合、電圧レギュレータ1が電力状態PS0で動作するように電力管理回路8によって制御されることがあり得るが、電圧レギュレータ1によって負荷2に出力される実電流が実際には11Aである場合、電力状態PS1で動作する方が、電力効率が高く、それ故に好ましいことがある。
【0039】
実際のワークロードはめったに100%の利用率に達しないという事実に対処するために、決定した電力状態電流閾値データが、又は、電圧レギュレータ1によって負荷2に出力される予測電流が、又は、決定した電力状態電流閾値データと、電圧レギュレータ1によって負荷2に出力される予測電流との両方が、適切なスケーリング係数でスケーリングされるとし得る。電圧レギュレータ1の電力状態の異なるペア間での変化に関係する電力状態電流閾値データには、異なるスケーリング係数が与えられ得る。例えば、図3の例を参照するに、電圧レギュレータ1が電力状態PS1とPS0との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データは1.4の係数でスケーリング(例えば、増加)されるとし得る。電圧レギュレータ1が電力状態PS2とPS1との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データは、1.2の係数でスケーリング(例えば、増加)されるとし得る。理解されることには、電圧レギュレータ1によって負荷2に出力される予測電流を同様の係数でスケーリング(例えば、低下)することによって、あるいは、予測電流及び決定した閾値をスケーリングすることの任意の好適な組み合わせによって、同様の効果を達成してもよい。
【0040】
あるいは、電力管理回路8は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータ1から負荷2への(例えば、直接的に)測定した出力電流に基づいて決定してもよい。例えば、決定した出力電流データは、この測定電流を有する又はそれで構成されるとし得る。電圧レギュレータ1から負荷2への測定電流は、例えば、電圧レギュレータ1の若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された電流モニタリング回路、又は負荷2の若しくは負荷2と共に集積された電流モニタリング回路(例えば、電圧レギュレータ1と同じチップ上、同じパッケージ内、若しくは同じ集積回路ダイ上に設けられた電流モニタリング回路、又は負荷2と同じチップ上、同じパッケージ内、若しくは同じ集積回路ダイ上に設けられた電流モニタリング回路)などの、電流モニタリング回路によって測定された電流であるとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、測定された負荷2への電圧レギュレータ1の出力電流を電流モニタリング回路から受信することによって決定するとし得る。例えば電圧レギュレータ1の若しくは電圧レギュレータ1と共に集積された電流モニタリング回路などの、電流モニタリング回路は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流を測定し、測定した出力電流を、例えばコードなどにより、例えば電力管理通信インタフェース6などを介して、電力管理回路8に通信するとし得る。
【0041】
電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が負荷電力コントローラ5によって提供され、且つ電流モニタリング回路が、電圧レギュレータ1の又は電圧レギュレータ1と共に集積された回路である場合、電力管理回路8が測定出力電流を受信するのに僅かな遅延が存在し得る(例えば、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流は、例えば負荷の利用及び周波数に反応した結果であり得るため)。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流を測定するために、負荷2に、又は負荷2と共に集積して、電流モニタリング回路を設け、そして、測定した出力電流をそこから電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)に伝達することにより、測定出力電流が、より迅速に電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)に伝達され得る。
【0042】
電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータ1から負荷2への測定出力電流に基づいて決定することによって、より正確な出力電流データを決定することができ、それにより、電圧レギュレータ1がいっそう電力効率良く動作されることを可能にし得る。特に、負荷2がプロセッサチップの少なくとも一部を有するとき、及び電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が該プロセッサチップ上に(例えば、その負荷電力コントローラ5によって)設けられるとき、該プロセッサチップは、例えば、追加の電力管理回路を設けたり既存の電圧レギュレータ1を再構成したりする必要なく、より電力効率良く電圧レギュレータ1の電力状態を制御することができる。
【0043】
理解されることには、電力状態電流閾値データの決定の際に、電圧レギュレータ1から負荷2に提供されるレギュレート電圧が考慮されない場合であっても(例えば、電力状態電流閾値データが静的なままの場合であっても)、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータ1から負荷2への測定出力電流に基づいて決定し、該出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、電圧レギュレータ1の電力状態の変化をいつ生じさせるべきかを決定することにより、改善された電力効率を得ることができる。これまた理解されることには、電力状態電流閾値データの決定の際に、電圧レギュレータ1から負荷2に提供されるレギュレート電圧が考慮される場合にも、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータ1から負荷2への推定又は予測出力電流に基づいて決定し、該出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、電圧レギュレータ1の電力状態の変化をいつ生じさせるべきかを決定することにより、改善された電力効率を得ることができる。しかしながら、電圧レギュレータ1から負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに依存して電力状態電流閾値データが決定される場合に、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流に関係する出力電流データを電圧レギュレータ1から負荷2への測定出力電流に基づいて決定し、該出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて電圧レギュレータ1の電力状態の変化をいつ生じさせるべきかを決定することにより、電力効率のいっそう大きい改善を得ることができる。
【0044】
電力状態電流閾値データは、電圧レギュレータ1の第1の電力状態と第2の電力状態との間で電圧レギュレータ1が変化する出力電流レベルを有する又はそれで構成されるとし得る。電力状態電流閾値データは、決定したレギュレート電圧データに応じて電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)によって動的に変更可能であるとし得る。例えば、負荷2が動作している間に、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、例えば電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧の変化(例えば、負荷電圧要求における変化、又は電圧レギュレータ1によって負荷2に供給されるレギュレート電圧を測定したものにおける変化)に応答して又は応じて、決定したレギュレート電圧データに応じて、以前に決定した電力状態電流閾値データを更新するとし得る。電力状態電流閾値データが、以前に決定した電力状態電流閾値データと異なるのは、決定したレギュレート電圧データが、以前に決定した電力状態電流閾値データが依存していた、決定したレギュレート電圧データとは異なることによってであるとし得る。例えば、以前に決定した電力状態電流閾値データが依存していた決定したレギュレート電圧データは、現在の電力状態電流閾値データが依存している決定したレギュレート電圧データとは異なった(例えば、大きい又は小さい)、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧レベルに関係していたということがあり得る(例えば、負荷2からの電圧要求における変化による)。
【0045】
例えば、電力管理回路8が(例えば、図1bに示したように)負荷電力コントローラ5によって提供される場合、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、例えば電力管理回路8から電圧レギュレータ1に電力状態更新コマンドを送信させることによって、電圧レギュレータ1の電力状態の変化を生じさせるとし得る。電力状態更新コマンドは、電圧レギュレータ1によって実施されるべき電圧レギュレータ1の電力状態を示し得る。電圧レギュレータ1は、電力管理回路8からの電力状態更新コマンドを受信し、それに応じて電圧レギュレータ1の構成を変化させて(例えば、以下のうちのいずれか1つ以上による:その相数を変更する、その1つ以上の回路を有効又は無効にする、その1つ以上の回路の電力モードを変更する、CCMモードとDCMモードとの間で変更する、DCMモードでの電圧レギュレータスイッチング周波数を変更する)、電力状態更新コマンドによって示された電力状態を実施し得る。例えば、電圧レギュレータ1は、電圧レギュレータを動的に再構成して、それによりその電力状態を変化させる構成回路を有するとし得る。電圧レギュレータ1によって受信された電力状態更新要求は、電圧レギュレータの構成回路に、1つの電力状態から異なる電力状態へと電圧レギュレータ1を動的に再構成させ得る。
【0046】
あるいは、例えば、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が、(例えば、図1cに示したように)電圧レギュレータ1の又は電圧レギュレータ1と共に集積された回路によって提供される場合、電力管理回路8は、例えば、電圧レギュレータ1に、その相数を変更する、その1つ以上の回路を有効又は無効にする、その1つ以上の回路の電力モードを変更する、CCMモードとDCMモードとの間で変更する、DCMモードでの電圧レギュレータスイッチング周波数を変更する、ことを行わせることによって、電圧レギュレータ1の構成に対する変更を直接的に引き起こすことによって、電圧レギュレータ1の電力状態の変化を生じさせるとし得る。この場合、電圧レギュレータ1は、例えば、追加の電力管理回路を設ける必要なしに、又は電圧レギュレータ1の電力状態を制御するために電圧レギュレータ1の外部の電力管理回路を再構成若しくは再プログラムする必要なしに、(例えば、より頻繁に、自身の最も電力効率の良い電力状態で動作することによって)より電力効率良く動作させることができる。さらに、この場合、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧又は出力電流に寄与するように制御され得る電圧レギュレータ1の相の組み合わせについての更なる柔軟性が提供され得る。例えば、電圧レギュレータ1は、負荷2に提供されるレギュレート電圧又は出力電流に寄与する相の任意の可能な組み合わせを選択するように動作可能であることができ、負荷電力コントローラ5は、より限られた規定電力状態のセット(例えば、この限られた規定電力状態のセットは、全ての(例えば、3つの、又はそれより多くの)相又は単相を使用する電力状態で構成され得るが、電圧レギュレータ1によって他の組み合わせの相(例えば、二相)を実施することが可能であり得る)で動作するように電圧レギュレータ1に要求するよう動作可能であることができる。電圧レギュレータ1の又はそれと共に集積された電力管理回路8は、電圧レギュレータの電力状態を設定する際に、負荷電力コントローラ5によって要求される電力状態より優先するように構成されるとしてもよい(例えば、より電力効率の高い電圧レギュレータの電力状態を実施するため)。
【0047】
電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータ1の電力状態電流閾値の依存性は、例えば、レギュレート電圧データに応じて電力状態電流閾値データを決定する際に使用するために、予め決定され得る。例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータ1の電力状態電流閾値の依存性を予め決定するために、電圧レギュレータ1の複数の電力状態の各々について(例えば、電圧レギュレータ1の2つ以上の電力状態の各々について)、電圧レギュレータ1の電力効率が、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadの関数として、及び電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregの関数として決定され得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、負荷に負荷電流Iloadを供給するのに、電圧レギュレータ1の電力状態のうちの第1の電力状態が電圧レギュレータ1の電力状態のうちの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、負荷2への電圧レギュレータ1の出力電流Iloadのレベルに関して、電力状態電流閾値が決定され得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに対する電力状態電流閾値の依存性に関して、基準データが決定され得る。そして、この基準データが、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に応じて電力状態電流閾値データを決定する際の電力管理回路8による使用のために格納され得る。
【0048】
例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータ1の電力状態電流閾値の依存性を予め決定するために、1つ以上のプロセッサを有するデータ処理回路が提供され、該データ処理回路が、電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての電圧レギュレータの電力効率を、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定し、電圧レギュレータによって負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、電力状態電流閾値を決定し、そして、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定し得る。該データ処理回路は、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数としての、及び電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧の関数としての、電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての電圧レギュレータの電力効率に関する入力電力効率データを、(例えばメモリから)取得することによって、電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての電圧レギュレータの電力効率を、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定してもよい。電圧レギュレータの電力効率に関する電力効率データは、電力状態の各々について、電圧レギュレータ1への入力電力及び電圧レギュレータ1からの出力電力を、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給される異なる出力電流及びレギュレート電圧の関数として、実験的に測定することによって取得され得る。電圧レギュレータ1の電力効率は、電力状態の各々について、負荷2への異なる出力電流及びレギュレート電圧の関数として、入力電力を出力電力と比較することによって決定され得る。該データ処理回路の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実装され得る。該データ処理回路は、例えば非一時的なコンピュータ読み取り可能メモリなどのメモリと通信するプロセッシング回路を有するとすることができ、該メモリが、該データ処理回路の機能を実行するために該データ処理回路のプロセッシング回路によって実行可能なコンピュータプログラム命令を格納する。
【0049】
基準データは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧とともに電力状態電流閾値がどのように変化するかを示すプロファイルデータを有し得る。あるいは、1つの電力状態が他の(1つ以上の)電力状態よりも効率的になる出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データ(例えば、電力状態電流閾値を有するか、それで構成され得る)を、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)レギュレート電圧データに関係付ける関数(例えば、1つ以上のパラメータを有する数学的方程式又は式)が決定され得る。例えば、基準データは、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データの関数としての、電力状態電流閾値に関係する電力状態電流閾値データに、(例えば、所定の)関数(例えば、1つ以上のパラメータを有する数学的方程式又は式)をフィッティングすることによって決定され得る。(例えば、フィッティングされる)関数は、例えば、線形関数、多項式関数、非線形関数のうちのいずれか1つ以上とし得る。基準データは、(例えば、フィッティングされた)関数の1つ以上のパラメータの値を有し得る。基準データは、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリに格納され得る。例えば、電力管理回路8のメモリに基準データを格納され得る。例えば、基準データは、電力管理回路8の1つ以上のレジスタに格納されることができ、あるいは、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能にされることができる。該(1つ以上の)レジスタは、上記基準データ(例えば、説明したように関数の1つ以上のパラメータの値を有し得る)に専用のレジスタとし得る。これは、プロセッシング回路8aと、それにアクセス可能なレジスタ8b、8cとを有する電力管理回路8を概略的に示すブロック図である図9の例に示されている。メモリ(例えば、レジスタ8b、8c)に格納される基準データは、例えば電力管理回路8を制御するためのBIOS(基本入出力システム)(例えば、電力管理回路8又は少なくとも上記メモリが、例えば負荷電力コントローラ5などの、負荷2の又は負荷2と共に集積された回路によって提供される場合に、負荷のBIOS)によってなど、ソフトウェア又はファームウェアによってプログラム可能である。
【0050】
電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータ1の電力状態電流閾値の依存性を予め決定することの例示的な一例を、図5を参照して提供する。
【0051】
図5は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される以下の複数のレギュレート電圧Vreg:0.5V、0.6V、0.7V、0.8V、1.0V、及び1.2Vの各々について、電力状態PS0及びPS1の各々についての、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadの関数としての電圧レギュレータ1の電力効率のプロットを示している。各ケースにおける太めの線は、より低電力の状態PS1についての電力効率対出力電流プロットを表し、対応する細めの線は、より高電力の状態PS0についての電力効率対出力電流プロットを表している。図4と一致して、電圧レギュレータ1の2つの電力状態PS0及びPS1のうち一方が他方よりも効率的になる電力状態電流閾値(すなわち、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される所与のレギュレート電圧において、電力状態PS0についての電力効率カーブが電力状態PS1についての電力効率カーブと交わるところ)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧が高くなるにつれて上昇する。例えば、電圧レギュレータ1が0.5Vのレギュレート電圧を負荷2に提供するとき、電力状態PS0及びPS1のうち一方が他方よりも電力効率が高くなる電力状態電流閾値は約14Aであり、電圧レギュレータ1が1.0Vのレギュレート電圧を負荷2に提供するとき、これらの電力状態のうち一方が他方よりも電力効率が高くなる電力状態電流閾値は約20Aである。
【0052】
電圧レギュレータ1から負荷2へのレギュレート電圧Vregの関数としての、電圧レギュレータ1の電力状態PS0、PS1のうち一方が他方よりも効率的になる電力状態電流閾値(図6ではI_crossとして参照する)のプロット例を図6に示す。レギュレート電圧データに応じて電力状態電流閾値データを決定する際の電力管理回路8による使用のために、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データが、例えば電力管理回路8のメモリなどの、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリに格納され得る。例えば、上述のように、基準データは、電圧レギュレータ1から負荷2へのレギュレート電圧Vregとともに電力状態電流閾値がどのように変化するかを示すプロファイルデータを有し得る。あるいは、基準データは、電圧レギュレータの電力状態を変化させる出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データに関係付ける(例えば、所定の)関数(例えば、1つ以上のパラメータを有する数学的方程式又は式)の1つ以上のパラメータの値を有し得る。上記関数の1つ以上のパラメータの値は、例えば電力管理回路の1つ以上のレジスタ内など、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能な1つ以上のレジスタに格納されるとし得る。上で説明したように、関数は、線形関数、多項式関数、非線形関数のうちのいずれか1つ以上とし得る。
【0053】
例えば、関数は、例えばy=mx+cの形態をとる(例えば、ベストフィット)直線関数(例えば、直線を表す数式又は方程式)などの、電力状態電流閾値をレギュレート電圧データに関係付ける関数とすることができ、ここで、yは電力状態電流閾値であり、xは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに基づくレギュレート電圧変数であり、mは直線関数の傾きであり、cは直線関数のy切片である。例えば、図6の例において、レギュレート電圧変数xは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される決定したレギュレート電圧とすることができ、電力状態電流閾値をレギュレート電圧データに関係付ける関数は、(例えば、ベストフィット)直線関数y=12.298x+8.0595とすることができ、ここで、yは電力状態電流閾値であり、xは、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される決定したレギュレート電圧であり、12.298は直線関数の傾きパラメータであり、8.0595は直線関数のy切片パラメータである。この関数について格納される基準データは、傾きパラメータmの値(図6の例示的な例では:12.298)及びy軸切片パラメータの値(図6の例示的な例では:8.0595)を有するとし得る。電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能な第1のレジスタ(例えば電力管理回路の第1のレジスタなど)が、予め決定された傾きパラメータmの値を格納し得る。電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能な第2のレジスタ(例えば電力管理回路の第2のレジスタなど)が、y切片パラメータcの値を格納し得る。
【0054】
図7の表は、図6の(例えば、ベストフィット)直線関数から導出される電力状態電流閾値における誤差が最小限(0.6A未満又は3.7%未満)であることを示している。しかしながら、傾きパラメータ及びy軸切片パラメータの値の記憶要件は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧につれての電力状態閾値電流の変動を示す(例えば、未加工)プロファイルデータの記憶要件よりも大幅に小さい。従って、電力状態電流閾値を決定するための関数の1つ以上のパラメータの値を格納することにより、基準データを効率的に格納することができる。
【0055】
レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの変動を表す関数は、レギュレート電圧データとともに決定された電力状態電流閾値データの変動をフィッティングするのに適した他のタイプの関数とすることができる。例えば、関数は多項式関数、非線形関数、又はその他のタイプの好適な関数としてもよい。メモリ(設けられる場合)に格納される基準データの(1つ以上の)パラメータの(1つ以上の)値は、それぞれの関数の(1つ以上の)パラメータの(1つ以上の)値であるとし得る。
【0056】
電圧レギュレータ1の電力状態の異なるペア間での電力状態電流閾値は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧の関数として、互いに異なって変化することがある。従って、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを導出して格納するプロセスは、電圧レギュレータ1の電力状態の異なるペア間での電力状態電流閾値について繰り返され得る。例えば、図4の例を参照するに、電圧レギュレータ1が電力状態PS1とPS0との間で変化する電力状態電流閾値(図4では“PS1カットオフ”として参照)についてと、電圧レギュレータ1が電力状態PS1とPS2との間で変化する電力状態電流閾値(図4では“PS2カットオフ”として参照)について、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの依存性に関する基準データを導出して格納するプロセスが実行され得る。電圧レギュレータ1の電力状態の異なるペア間での電力状態電流閾値の決定のために、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリ8に相異なる基準データが格納されるとし得る。
【0057】
従って、電圧レギュレータ1が電力状態の異なるペア間で変化する異なる電力状態電流閾値の依存性を決定するために、電圧レギュレータ1の複数の電力状態の各々について(例えば、電圧レギュレータ1の3つ以上の電力状態の各々について)の電圧レギュレータ1の電力効率が、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadの関数として、及び電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregの関数として決定され得る。電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、電圧レギュレータ1の電力状態の複数のペアの各々ごとに、当該ペアの一方の電力状態が他方よりも電力効率が高くなる、負荷2への電圧レギュレータ1の出力電流Iloadのレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定することができ、そして、電圧レギュレータが電力状態のそれぞれのペア間で変化する出力電流レベルに関係する複数の電力状態電流閾値の各々について、それぞれの電力状態電流閾値のレギュレート電圧に対する依存性に関する基準データを決定することができる。上述のように、基準データは、それぞれの電力状態電流閾値の、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する依存性に関するプロファイルデータを有し得る。あるいは、それぞれの電力状態電流閾値を、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係付ける関数(例えば、1つ以上のパラメータを有する数学的方程式又は式)が決定されてもよい。それらの関数は各々、線形関数、多項式関数、非線形関数のうちのいずれか1つ以上とし得る。基準データは、それらの関数の1つ以上のパラメータの値を有し得る。そして、基準データは、例えば、電圧レギュレータ1がいつ電力状態を変化させるかを決定するための電力管理回路8による使用などのために、例えば、電力管理回路8のメモリ(例えば、1つ以上のレジスタ)など、電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリ(例えば、1つ以上のレジスタ)などのメモリに格納され得る。
【0058】
基準データは、電圧レギュレータ1のタイプに固有であるとし得る。基準データは負荷2のタイプに固有であるとし得る。
【0059】
上述のように、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadに関係する出力電流データを決定し、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データを決定し、電圧レギュレータ1が第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、決定したレギュレート電圧データに依存し、そして、決定した出力電流データと決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態への電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせ得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに更に依存して、電力状態電流閾値データを決定してもよく、基準データは、メモリ(例えば、電力管理回路8のメモリ、又は電力管理回路8のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリなど)に格納された、予め決定された基準データとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、メモリから基準データを取り出して、それに応じて電力状態電流閾値データを決定し得る。例えば、上述のように、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、メモリ(例えば、1つ以上のレジスタ)から(例えば、予め決定された)関数(例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に電力状態電流閾値データを関係付ける数学的方程式又は式などの関数)の1つ以上のパラメータの値を取り出し、該関数の1つ以上のパラメータの取り出した値、該(例えば、予め決定された)関数、及び電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係する決定したレギュレート電圧データに応じて、電力状態電流閾値データを決定し得る。例えば、電力管理回路8のプロセッシング回路は、予め決定された関数とし得るものである直線関数(例えば、y=mx+c)と、メモリから取り出された予め決定された値とし得るものである上記直線関数のパラメータ(例えば、m及びc)の値と、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データとに基づいて、電力状態電流閾値データを決定するように構成され得る。
【0060】
上述のように、電圧レギュレータ1の電力状態の異なるペア間で電圧レギュレータ1が変化する電力状態閾値について、異なる所定の基準データが導出されて格納され得る。従って、電力管理回路8は、電圧レギュレータ1が第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)第1の電力状態電流閾値データを、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される第1のレギュレート電圧に関係する第1の決定したレギュレート電圧データと、第1の決定したレギュレート電圧データに対する第1の電力状態電流閾値データの依存性に関する第1の基準データとに応じて決定することができ、第1の基準データは、電圧レギュレータ1が第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データに固有である。電力管理回路8は更に、電圧レギュレータ1が第2の電力状態と第3の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する(例えば、それに依存する又はそれを示す)第2の電力状態電流閾値データを、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される第2のレギュレート電圧に関係する第2の決定したレギュレート電圧データと、第2の決定したレギュレート電圧データに対する第2の電力状態電流閾値データの依存性に関する第2の基準データとに応じて決定することができ、第2の基準データは、電圧レギュレータ1が第2の電力状態と第3の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データに固有である。
【0061】
例示的な例において、図8を参照するに、電圧レギュレータ1は電力状態PS2にあるとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧Vregに関係するレギュレート電圧データを決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1が、より低電力の状態PS2からより高電力の状態PS1へと変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値12を、決定したレギュレート電圧データに応じて決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1が、より低電力の状態PS2からより高電力の状態PS1へと変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値12を、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データに更に依存して決定するとし得る。該基準データは、電圧レギュレータ1が電力状態PS2とPS1との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値に固有とし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1から負荷2に提供される出力電流Iloadに関係する出力電流データを決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、決定した出力電流データを決定した電力状態電流閾値と比較するとし得る。この比較に基づいて(例えば、決定した出力電流データが、決定した電力状態電流閾値以上の出力電流を示す場合に)、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1に電力状態をPS2からPS1へと変化させるとし得る。
【0062】
同様に、電圧レギュレータ1が電力状態PS1にあるとき、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される第2のレギュレート電圧Vregに関係する第2のレギュレート電圧データを決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1が、より低電力の状態PS1からより高電力の状態PS0へと変化する出力電流レベルに関係する第2の電力状態電流閾値14を、決定した第2のレギュレート電圧データに応じて決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1が、より低電力の状態PS1からより高電力の状態PS0へと変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値12を、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データに更に依存して決定するとし得る。該基準データは、電圧レギュレータ1が電力状態PS1とPS0との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値に固有とし得る。電圧レギュレータ1が電力状態PS1とPS0との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値に固有の基準データは、電圧レギュレータ1が電力状態PS2とPS1との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値に固有の基準データとは異なり得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される第2の出力電流Iloadに関係する第2の出力電流データを決定するとし得る。電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、決定した第2の出力電流データを決定した第2の電力状態電流閾値14と比較するとし得る。この比較に基づいて(例えば、決定した第2の出力電流データが、決定した第2の電力状態電流閾値以上の出力電流を示す場合に)、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、電圧レギュレータ1に電力状態をPS1からPS0へと変化させるとし得る。
【0063】
電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供される出力電流Iloadに関係する決定した出力電流データが、該当する電力状態電流閾値(この閾値もまた、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係する決定したレギュレート電圧データに応じて決定され得る)未満の出力電流を示すとの決定に応じて、同様のやり方で、より高電力の状態(例えば、PS0又はPS1)からより低電力の状態(例えば、PS1又はPS2)へと電圧レギュレータ1に変化させるように構成され得る。
【0064】
理解されることには、上述のように、各ケースにおける電力状態電流閾値は、例えば、電圧レギュレータ1によって負荷2に供給されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値の依存性に固有の格納された基準データなどの、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に関係する決定したレギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値の依存性に関する格納された所定の基準データに更に依存して決定され得る。
【0065】
理解されることには、電圧レギュレータ1が、決定した出力電流データに対して既に適切な(例えば最も電力効率が高い)電力状態にある場合、電圧レギュレータ1の電力状態は変化されないとし得る。
【0066】
図8に太めの破線で示すように、電圧レギュレータ1は斯くして、特定の決定した出力電流データ及びレギュレート電圧データに対して最も電力効率の高い電力状態で動作されることができる。
【0067】
電力状態間の不安定な切り替えを阻止するために、例えば、それによって電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が高電力状態から低電力状態への変化を生じさせる電力状態電流閾値データとは異なる電力状態電流閾値データを提供し、それによって電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)が低電力状態から高電力状態への変化を生じさせることによって、ヒステリシスを適用してもよい。これは、例えば、低電力状態から高電力状態への変化を生じさせるための電力状態電流閾値データに対して、又は高電力状態から低電力状態への変化を生じさせるための電力状態電流閾値データに対して、公称値を加算又は減算することによって行われ得る。
【0068】
複数の電圧レギュレータが、それぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に供給するために設けられてもよく、該複数の電圧レギュレータは各々、少なくともそれぞれの第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であるとし得る。この場合、電力管理回路8(例えば、そのプロセッシング回路)は、それらの電圧レギュレータの各々について、それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれの出力電流に関係するそれぞれの出力電流データを決定し、それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれのレギュレート電圧に関係するそれぞれのレギュレート電圧データを決定し、それぞれの電圧レギュレータがそれぞれの第1及び第2の電力状態間で変化するそれぞれの出力電流レベルに関係するそれぞれの電力状態電流閾値データを決定し、該それぞれの電力状態電流閾値データは、それぞれの決定したレギュレート電圧データに依存し、そして、それぞれの決定した出力電流データとそれぞれの決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、それぞれの第1の電力状態からそれぞれの第2の電力状態へのそれぞれの電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせるとし得る。
【0069】
図10は、各々がそれぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に提供する3つの電圧レギュレータ20、22、24にバッテリ19が電力供給する例示的な例を示している。電圧レギュレータ20、22、24の負荷は各々、システム・オン・チップ26の回路である。特に、第1の電圧レギュレータ20は、システム・オン・チップ26のマルチコア中央演算処理ユニット(CPU)28にレギュレート電圧VCCCOREを提供し、第2の電圧レギュレータ22は、システム・オン・チップ26のグラフィックス処理回路にレギュレート電圧VCCGTを提供し、第3の電圧レギュレータ24は、システム・オン・チップ26のシステムエージェント回路にレギュレート電圧VCCSAを提供する。このケースでの電力管理回路8は、システム・オン・チップ26の負荷電力制御ユニット(PCU)30によって提供され得る。負荷電力制御ユニット30は、例えば負荷電圧要求信号及び電力状態更新コマンドを電圧レギュレータ20、22、24に通信するために、電力管理通信インタフェース(例えば、VIDバス)を介して電圧レギュレータ20、22、24と通信し得る。PCU30はまた、電圧レギュレータ20、22、24から対応する負荷への測定出力電流を、電力管理通信インタフェース(これは双方向とし得る)を介して受信し得る。PCU30は、電圧レギュレータ20、22、24から対応する負荷への測定出力電圧を受信し得る。システム・オン・チップ30は更に、その中央演算処理ユニットに例えばダイレクトメディアインタフェースを介して接続されたプラットフォームコントローラハブ(PCH)32を有し得る。PCHにレギュレート電圧を供給するために、あるいは、例えばPCHの入/出力コントローラなどのPCHの1つ以上のコンポーネントに1つ以上のレギュレート電圧を供給するために、1つ以上の電圧レギュレータが設けられ得る。そのような電圧レギュレータは、ここで説明されるレギュレータ1、20、22、24と同様にして動作してもよい。
【0070】
理解されることには、それぞれの電圧レギュレータ20、22、24によってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれのレギュレート電圧に関係するそれぞれのレギュレート電圧データ、それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれの出力電流に関係するそれぞれの出力電流データ、及びそれぞれの電力状態電流閾値データは、ここで開示される手法のうちのいずれかによって決定されることができる。これまた理解されることには、それぞれの電圧レギュレータの電力状態の変化は、ここに開示される手法のうちのいずれかによって生じることができる。
【0071】
これまた理解されることには、例えば、コンピュータプラットフォームの1つ以上のコンポーネント(例えば、コンピュータプラットフォームのメモリコントローラ又は1つ以上のディスプレイ)、そして特に、(例えば、多相)電圧レギュレータからの可変の電圧レベルを要求する負荷などの、他の好適な負荷にレギュレート電圧を供給するように構成された(例えば、多相)電圧レギュレータは、ここで開示される技術を使用して、より効率的に動作され得る。電圧レギュレータによって供給される負荷が負荷電力制御ユニットを欠いている例では、電圧レギュレータ1の又はそれと共に集積された回路に電力管理回路8が含められて、(例えば、負荷に提供されるレギュレート電圧を測定したものに応じて)該当する電力状態電流閾値データを決定し、そして、例えば電圧レギュレータの1つ以上の相を有効にしたり無効にしたりすることによって、又はCCMモードとDCMモードとの間で電圧レギュレータを変化させることによって(又は、例えばここに開示される他の好適な手法などの、他の好適な手法で)、例えば、電圧レギュレータ1から負荷2への出力電流に関係する決定した出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に応じて、電圧レギュレータ1の電力状態の変化を生じさせるとし得る。
【0072】
図11は、負荷2に結合されて、それにレギュレート電圧Vreg及び出力負荷電流Iloadを提供する電圧レギュレータ1と、電力管理回路8とを有する装置40を示している。前述のように、電力管理回路8は、負荷2の回路又は負荷2と共に集積された回路(例えば、負荷2と同じチップ若しくは集積回路ダイ上又は同じパッケージ内に設けられた回路)であってもよいし、電圧レギュレータ1の回路又は電圧レギュレータ1と共に集積された回路(例えば、電圧レギュレータ1と同じチップ若しくは集積回路ダイ上又は同じパッケージ内に設けられた回路)であってもよいし、電圧レギュレータ1及び負荷2とは分離された回路であってもよいし、電圧レギュレータ1の若しくはそれと共に集積された回路と、負荷2の若しくはそれと共に集積された回路と、電圧レギュレータ1及び負荷2とは別の回路との任意の組み合わせの間に分散された回路であってもよい。装置40は、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ポータブルコンピューティング装置、スマートフォン、タブレット若しくはファブレットコンピュータ、パーソナルデータアシスタント、ウェアラブルコンピューティング装置、又は他の好適なコンピューティング装置などの、コンピューティング装置を有し得る。負荷2は、以下のうちのいずれか1つ以上を有することができ、すなわち、コンピューティング装置の負荷、コンピューティング装置のコンピューティングプラットフォーム、コンピューティング装置のコンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンポーネント(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサチップ、マルチコアプロセッシング回路、例えば1つ以上のプロセッシングコアを有するドメインなどのマルチコアプロセッシング回路の少なくとも1つのドメイン、又はコンピュータプラットフォームのファン若しくはディスプレイ)、コンピューティング装置の1つ以上のプロセッサ、コンピューティング装置の1つ以上のプロセッサチップ、コンピューティング装置のプロセッサ又はプロセッサチップの回路、コンピューティング装置のプロセッサ又はプロセッサチップのプロセッシング回路若しくはコンピューティング回路、例えばコンピューティング装置のマルチコアプロセッサの1つ以上のコアを有するドメインなどの、コンピューティング装置のプロセッサチップの1つ以上のドメイン、例えばコンピューティング装置の1つ以上の中央演算処理ユニットコアなどの、コンピューティング装置のプロセッサチップの中央演算処理ユニットのプロセッシング回路、例えば1つ以上のグラフィックスプロセッサコアなどの、コンピューティング装置のプロセッサチップのグラフィックスプロセッシング回路、少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメインを更に有するコンピューティング装置のマルチコアプロセッシング回路の少なくとも第1のドメインであり、例えばコンピューティング装置の中央演算処理ユニットプロセッサの1つ以上のプロセッシングコアなどの1つ以上のプロセッシングコアを含む第1のドメイン、コンピューティング装置のメモリコントローラ、コンピューティング装置のディスプレイコントローラ、コンピューティング装置のプロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路、のうちのいずれか1つ以上を有するとすることができる。
【0073】
プロセッサチップは、設けられる場合に、例えば1つ以上の中央演算処理ユニットプロセッサ及び1つ以上のグラフィックスプロセッサなどの1つ以上のプロセッサを有した、専用の中央演算処理ユニットチップ(例えばデスクトップ型パーソナルコンピュータなどのパーソナルコンピュータ用の中央演算処理ユニットチップなど)又はシステム・オン・チップ(SoC)を有するとし得る。プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路は、例えばインターコネクト回路、アンコア又はシステムエージェント回路(例えば、上位キャッシュメモリ、インターコネクトコントローラ、オンダイメモリコントローラ、Thunderbolt(登録商標)コントローラ)など、プロセッサ又はプロセッサチップの1つ以上のプロセッシングコア以外の、プロセッサ又はプロセッサチップの回路を有し得る。
【0074】
一例において、装置40は、1つ以上のコアを含む第1のドメインと、少なくともグラフィックス処理回路を含む第2のドメインと、を含むマルチコアプロセッシング回路を有するコンピューティングプラットフォームである。負荷は少なくとも第1のドメインを有するとし得る。この場合、電圧レギュレータ1は、少なくとも第1のドメインにレギュレート電圧を提供し得る。電圧レギュレータ1は、少なくとも第1のドメインに出力電流を提供し得る。電力管理回路8は、電圧レギュレータ1によって上記少なくとも第1のドメインに提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、電圧レギュレータによって上記少なくとも第1のドメインに提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、電圧レギュレータが第1の電力状態から第2の電力状態へと動的に再構成する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、決定したレギュレート電圧データに依存し、そして、決定した出力電流データと決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態へと電圧レギュレータに変化させ得る。
【0075】
図12は、レギュレート電圧を負荷(例えば負荷2など)に提供するための電圧レギュレータ(例えば電圧レギュレータ1など)の電力状態を制御する方法50のフローチャートであり、該電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能である。当該方法は、例えば電力管理回路8などの電力管理回路(例えば、そのプロセッシング回路)によって実行され得る。当該方法の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。
【0076】
当該方法は、52にて、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定することを有し得る。当該方法は、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを、例えば、電圧レギュレータによって負荷に提供される予測出力電流に基づいて、又は電圧レギュレータから負荷への測定出力電流に基づいてなど、ここに記載される手法のうちのいずれかでなど、任意の好適な手法で決定することを有し得る。
【0077】
当該方法は、54にて、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定することを有し得る。当該方法は、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを、例えば、負荷2の電圧(例えば、電圧/周波数)動作点を決定し、それに基づいて、負荷のために電圧レギュレータ1から要求される電圧を決定することによって、又は負荷2のための受信電圧要求を介して、又は電圧レギュレータから負荷への測定電圧に基づいてなど、ここに記載される手法のうちのいずれかでなど、任意の好適な手法で決定することを有し得る。
【0078】
当該方法は、56にて、電圧レギュレータが第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定することを有することができ、該電力状態電流閾値データは、決定したレギュレート電圧データに依存する。例えば、当該方法は、電圧レギュレータが第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを、決定したレギュレート電圧データと、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データとに依存して決定することを有し得る。当該方法は更に、メモリ(例えば、1つ以上のレジスタ)から基準データを取り出すことを有し得る。例えば、基準データは、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの依存性を示す所定の関数の1つ以上のパラメータの値を有し得る。この場合、当該方法は、電圧レギュレータが第1の電力状態と第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを、該関数の(1つ以上の)パラメータの(1つ以上の)値と、該関数と、決定したレギュレート電圧データとに依存して決定することを有し得る。
【0079】
当該方法は、58にて、決定した出力電流データと決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態への電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせることを有し得る。例えば、当該方法は、出力電流が電力状態電流閾値データ以上であること、又は電力状態電流閾値データ未満であることを、決定した出力電流データが示すことに基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態への電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせることを有し得る。当該方法は、電力状態更新コマンドを電圧レギュレータに送信させることによって、電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせることを有し得る。あるいは、当該方法は、電圧レギュレータの電力状態を変化させるように電圧レギュレータを(例えば、直接的に)再構成することによって、電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせることを有してもよい。
【0080】
電圧レギュレータが第1の状態と第2の状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データが、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係する決定したレギュレート電圧データに依存することにより、より正確な電力状態電流閾値データを決定して、そこで、電圧レギュレータの電力状態を第1及び第2の電力状態のうちいっそう効率的な方へと変化させることができる。これは、電圧レギュレータがいっそう電力効率良く動作することを可能にする。
【0081】
図13は、電圧レギュレータ(例えば電圧レギュレータ1など)によって負荷(例えば負荷2など)に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータの電力状態電流閾値の依存性を決定する方法60のフローチャートであり、該電圧レギュレータは、複数の異なる電力状態で動作可能である。図13の方法は、1つ以上のプロセッサを有するデータ処理回路によって実行され得る。当該方法の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。
【0082】
当該方法は、62にて、電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての電圧レギュレータの電力効率を、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定することを有し得る。
【0083】
当該方法は、64にて、電圧レギュレータによって負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、電圧レギュレータの第1の電力状態が電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、負荷への電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定することを有し得る。
【0084】
当該方法は、66にて、電圧レギュレータ1によって負荷2に提供されるレギュレート電圧に対する電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定することを有し得る。当該方法は更に、例えば電力管理回路のプロセッシング回路にアクセス可能なメモリなどのメモリに基準データを格納することを有し得る。例えば、当該方法は、電力状態電流閾値データを、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに関係付ける関数(例えば、1つ以上のパラメータを有する数式又は方程式)を決定することを有し得る。この場合、基準データは、関数の1つ以上のパラメータの値を有するとし得る。この場合、当該方法は、関数の1つ以上のパラメータの値を、例えば電力管理回路の1つ以上のレジスタなど、電力管理回路のプロセッシング回路にアクセス可能な1つ以上のレジスタなどの1つ以上のレジスタに格納することを有するとし得る。電力状態電流閾値データを決定するための関数の1つ以上のパラメータの値を格納することにより、基準データを効率的に格納することができる。
【0085】
斯くして、電圧レギュレータ1が相異なる電力状態間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを、電圧レギュレータ1によって負荷に提供されるレギュレート電圧に基づいて動的に更新するための基準データを導出することができる。従って、より電力効率良く電圧レギュレータの電力状態を制御することができ、電力節減を行うことを可能にする。
【0086】
基準データは電圧レギュレータ1のタイプに固有であるとし得る。基準データは負荷2のタイプに固有であるとし得る。基準データは、それを介して電圧レギュレータが第1の電力状態と第2の電力状態の間で変化する電力状態電流閾値データに固有であるとし得る。それを介して電圧レギュレータ1が電力状態の異なるペア間で変化する電力状態電流閾値データに対して、62-66が繰り返されるとし得る。それらの基準データが、説明したように格納されるとし得る。
【0087】
図14は、レギュレート電圧を負荷(例えば負荷2など)に提供するための電圧レギュレータ(例えば電圧レギュレータ1など)の電力状態を制御する方法70のフローチャートであり、該電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能である。当該方法は、例えば専用の中央演算処理ユニットチップ又は1つ以上のプロセッサを有するシステム・オン・チップの電力管理回路などの、プロセッサチップの電力管理回路によって実行され得る。当該方法の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。
【0088】
当該方法は、72にて、電圧レギュレータから負荷への出力電流に関係する出力電流データを決定することを有し得る。出力電流データは、電圧レギュレータから負荷への測定電流に基づき得る。例えば、電圧レギュレータから負荷への測定電流は、例えば電圧レギュレータの若しくは電圧レギュレータと共に集積された電流モニタリング回路、又は負荷の若しくは負荷と共に集積された電流モニタリング回路などの、電流モニタリング回路によって測定される電流とし得る。電圧レギュレータから負荷への出力電流に関係する出力電流データは、負荷への電圧レギュレータの出力電流を測定したものを電流モニタリング回路から受信することによって決定され得る。
【0089】
当該方法は、74にて、決定した出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、電圧レギュレータが第1の電力状態から第2の電力状態に変化することを決定することを有し得る。例えば、出力電流が、電力状態電流閾値データによって示される電力状態電流閾値以上である又はそれ未満であることを、出力電流データが示すとの決定に応じて、電圧レギュレータが第1の電力状態から第2の電力状態に変化することを決定し得る。
【0090】
当該方法は、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定することを有してもよい。当該方法は、レギュレート電圧データに応じて(及び一部の例において、レギュレート電圧データに対する電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて)電力状態電流閾値データを決定することを有してもよい。
【0091】
当該方法は、76にて、電圧レギュレータの電力状態が第1の電力状態から第2の電力状態に変化することの決定に基づいて、第1の電力状態から第2の電力状態への電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせるための電力状態更新コマンドを電圧レギュレータに送信することを有し得る。
【0092】
電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを、電圧レギュレータから負荷への測定出力電流に基づいて決定し、該出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、電圧レギュレータの電力状態の変化をいつ生じさせるべきかを決定することにより、改善された電力効率を得ることができる。このことは、電力状態電流閾値データの決定の際に、電圧レギュレータから負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データが考慮されない場合であっても当てはまる。しかしながら、理解されることには、電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを電圧レギュレータから負荷への測定出力電流に基づいて決定し、電圧レギュレータから負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに依存して電力状態電流閾値データを決定して、出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて電圧レギュレータの電力状態の変化をいつ生じさせるべきかを決定することにより、電力効率のいっそう大きい改善を得ることができる。
【0093】
本開示は、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかを実行する手段を有する装置にまで及ぶ。
【0094】
本開示は、少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供される機械読み取り可能命令であって、(例えば、プロセッシング回路によって)実行されるときに、プロセッシング回路に、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかを実行させる機械読み取り可能命令にまで及ぶ。例えば、図15はそのような機械読み取り可能媒体80を示している。
【0095】
本開示は、命令を有したコンピュータプログラムプロダクトであって、該命令が、コンピュータによってプログラムが実行されるときに、該コンピュータに、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかを実行させる、コンピュータプログラムプロダクトにまで及ぶ。
【0096】
本開示は、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかによって、レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する手段にまで及ぶ。
【0097】
本開示は、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかによって、電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する電圧レギュレータの電力状態電流閾値の依存性を決定する手段にまで及ぶ。
【0098】
本開示は、本開示にて開示された又は本開示から導出可能な方法のいずれかによって、レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御するプロセッサチップ用の手段にまで及ぶ。
【0099】
この明細書において、“A又はBのうちの少なくとも1つ”という言い回し及び“A及びBのうちの少なくとも1つ”という言い回しは、あらゆる全ての並べ替えにおいてまとめられた又は別々にされた、列挙された複数のアイテムA、Bなどのうちの任意の1つ以上を意味すると解釈されるべきである。
【0100】
機能ユニットが回路として記述される場合、回路は、指定されたプロセッシング機能を実行するためのプログラムコードによって構成された汎用プロセッサ回路であってもよい。回路はまた、プロセッシングハードウェアへの変更によって構成されてもよい。指定された機能を実行するための回路の構成は、完全にハードウェアにあってもよいし、完全にソフトウェアにあってもよいし、あるいは、ハードウェア変更及びソフトウェア実行の組み合わせを用いてもよい。プログラム命令を用いて、プロセッシング機能を実行するように汎用又は専用のプロセッサ回路の論理ゲートを構成してもよい。
【0101】
回路は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路素子(例えば、トランジスタ、抵抗、キャパシタ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセット、及びこれらに類するものを有するハードウェア回路として実装されてもよい。
【0102】
プロセッサは、汎用プロセッサ、コンピュータネットワーク上で通信されるデータを処理するネットワークプロセッサ、又は、縮小命令セットコンピュータRISC若しくは複数命令セットコンピュータCISCを含む他のタイプのプロセッサを有し得る。プロセッサは、シングルコア設計又はマルチコア設計を有し得る。マルチコアプロセッサは、同一の集積回路ダイ上に複数の異なるプロセッサコアタイプを集積してもよい。
【0103】
機械読み取り可能プログラム命令が、例えば伝送媒体などの一時的な媒体上で、あるいは、例えば記憶媒体などの非一時的な媒体上で提供され得る。このような機械読み取り可能命令(コンピュータプログラムコード)は、高水準手続き型プログラミング言語又はオブジェクト指向プログラミング言語で実装され得る。しかし、望ましい場合、(1つ以上の)プログラムはアセンブリ言語又は機械語で実装されてもよい。いずれにしても、言語は、コンパイル又は解釈された言語であってよく、ハードウェア実装と組み合わされてもよい。
【0104】
本開示の実施形態は、全てのタイプの半導体集積回路(“IC”)チップとの使用に適用可能である。それらのICチップの例は、以下に限られないが、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、及びこれらに類するものを含む。一部の実施形態において、ここに記載されたコンポーネントのうち1つ以上は、システム・オン・チップ(SOC)デバイスとして具体化され得る。SOCは、例えば、1つ以上の中央演算処理ユニット(CPU)コア、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU)コア、入力/出力インタフェース、及びメモリコントローラを含み得る。一部の実施形態において、SOC及びそのコンポーネントは、例えば単一の半導体デバイスへとパッケージされた、1つ以上の集積回路ダイ上に設けられ得る。
【0105】

以下の例は更なる実施形態に関する。
【0106】
1. レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する電力管理回路であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該電力管理回路は、以下を行う回路、すなわち、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
ことを行う回路、を有する、
電力管理回路。
【0107】
2. 少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供される機械読み取り可能命令であって、当該機械読み取り可能命令は、(例えば、プロセッシング回路によって)実行されるときに、プロセッシング回路に、
電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定させ、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定させ、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定させ、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
機械読み取り可能命令。
【0108】
3. レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する方法であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該方法は、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
ことを有する、方法。
【0109】
4. 例3の方法を実行する手段を有する装置。
【0110】
5. レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する手段であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該手段は、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、
ように構成される、手段。
【0111】
6. 前記電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに応じて動的に変更可能である、例1乃至5のいずれか一の電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0112】
7. 前記電力状態電流閾値データは、前記第2の電力状態が前記第1の電力状態よりも電力効率が高くなる出力電流レベルに関係する、例1乃至6のいずれか一の電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0113】
8. 前記回路若しくは当該手段は、前記決定したレギュレート電圧データに対する前記電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて、前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記決定したレギュレート電圧データに対する前記電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて、前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、前記決定したレギュレート電圧データに対する前記電力状態電流閾値データの依存性に関する所定の基準データに応じて、前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例1乃至7のいずれか一の電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0114】
9. 前記回路若しくは当該手段は、メモリから前記基準データを取り出して、前記基準データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、メモリから前記基準データを取り出させて、前記基準データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、メモリから前記基準データを取り出して、前記基準データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例8の電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0115】
10. 前記基準データを格納するメモリを更に有する例8又は9に従った電力管理回路、手段、又は装置。
【0116】
11. 前記基準データは、前記決定したレギュレート電圧データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定するための所定の関数の1つ以上のパラメータの値を有する、例8乃至10のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0117】
12. 前記回路若しくは当該手段は、前記関数と、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値と、前記決定したレギュレート電圧データとに基づいて、前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記関数と、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値と、前記決定したレギュレート電圧データとに基づいて、前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、前記関数と、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値と、前記決定したレギュレート電圧データとに基づいて、前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例11に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0118】
13. 前記関数は、線形関数、多項式関数、非線形関数のうちのいずれか1つ以上である、例12に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0119】
14. 前記回路若しくは当該手段は、1つ以上のレジスタから前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を取り出して、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値に応じて前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、1つ以上のレジスタから前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を取り出させて、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値に応じて前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、1つ以上のレジスタから前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を取り出して、前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値に応じて前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例11乃至13のいずれかに従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0120】
15. 前記関数の前記1つ以上のパラメータの前記値を格納する前記1つ以上のレジスタ、を更に有する例14に従った電力管理回路、手段、又は装置。
【0121】
16. 前記関数は、前記決定したレギュレート電圧データの関数としての前記電力状態電流閾値データの変動に関する線形関数であり、前記関数の前記1つ以上のパラメータは、前記線形関数についての傾きパラメータを有する、例11乃至15のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0122】
17. 前記1つ以上のパラメータは更に、前記線形関数についてのy軸切片パラメータを有する、例16に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0123】
18. 前記基準データは、例えば前記電圧レギュレータが異なる電力状態ペア間で変化する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データのうち、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する前記出力電流レベルに関係する前記電力状態電流閾値データに固有の基準データを有する、例8乃至17のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0124】
19. 前記基準データは、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する前記出力電流レベルに関係する前記電力状態電流閾値データに固有の第1の基準データであり、前記レギュレート電圧データは、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される第1のレギュレート電圧に関係する第1のレギュレート電圧データであり、前記電力状態電流閾値データは、第1の電力状態電流閾値データであり、前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータが前記第2の電力状態と第3の電力状態との間で変化する第2の出力電流レベルに関係する第2の電力状態電流閾値データを決定し、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータが前記第2の電力状態と第3の電力状態との間で変化する第2の出力電流レベルに関係する第2の電力状態電流閾値データを決定させ、又は当該方法は、前記電圧レギュレータが前記第2の電力状態と第3の電力状態との間で変化する第2の出力電流レベルに関係する第2の電力状態電流閾値データを決定することを有し、該第2の電力状態電流閾値データは、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される第2のレギュレート電圧に関係する第2の決定したレギュレート電圧データと、前記第2の決定したレギュレート電圧データに対する前記第2の電力状態電流閾値データの依存性に関する第2の基準データとに依存し、前記第2の基準データは、前記電圧レギュレータが前記第2の電力状態と前記第3の電力状態との間で変化する前記第2の出力電流レベルに関係する前記第2の電力状態電流閾値データに固有である、例8乃至18のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0125】
20. 前記第1の基準データは前記第2の基準データと異なる、例19に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0126】
21. 前記基準データは、前記電圧レギュレータの電圧レギュレータタイプに固有である、例8乃至20のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0127】
22. 前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される予測出力電流に基づいて前記出力電流データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される予測出力電流に基づいて前記出力電流データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される予測出力電流に基づいて前記出力電流データを決定することを有する、例1乃至21のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0128】
23. 前記予測出力電流は、前記負荷の動作点、前記負荷の電圧動作点、前記負荷の温度、前記負荷の所定の利用率のうちのいずれか1つ以上に基づく、例22に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0129】
24. 前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づいて前記出力電流データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づいて前記出力電流データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づいて前記出力電流データを決定することを有する、例1乃至23のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0130】
25. 前記決定した出力電流データは、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流を有する、例24に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0131】
26. 前記電圧レギュレータから前記負荷への前記測定電流は、前記電圧レギュレータの、若しくは前記電圧レギュレータと共に集積された、電流モニタリング回路によって測定される電流、又は前記負荷の、若しくは前記負荷と共に集積された、電流モニタリング回路によって測定される電流である、例24又は25に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0132】
27. 前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流を前記電流モニタリング回路から受信することによって前記出力電流データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流を前記電流モニタリング回路から受信することによって前記出力電流データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流を前記電流モニタリング回路から受信することによって前記出力電流データを決定することを有する、例26に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0133】
28. 前記回路若しくは当該手段は、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づいて、前記レギュレート電圧データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づいて、前記レギュレート電圧データを決定させる、又は当該方法は、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求された電圧又は要求されることになる電圧に基づいて、前記レギュレート電圧データを決定することを有する、例1乃至27のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0134】
29. 前記電圧は、電圧識別(VID)コードによって、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求されている又は要求されることになる、例28に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0135】
30. 前記電圧は、電力管理通信インタフェースを介して、前記負荷のために前記電圧レギュレータから要求されている又は要求されることになる、例28又は29に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0136】
31. 前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に供給されるレギュレート電圧の測定に基づいて前記レギュレート電圧データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータによって前記負荷に供給されるレギュレート電圧の測定に基づいて前記レギュレート電圧データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に供給されるレギュレート電圧の測定に基づいて前記レギュレート電圧データを決定することを有する、例1乃至30のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0137】
32. 前記回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関した、以前に決定した電力状態電流閾値データを、前記決定したレギュレート電圧データに応じて更新することによって、前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関した、以前に決定した電力状態電流閾値データを、前記決定したレギュレート電圧データに応じて更新することによって、前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態と前記第2の電力状態との間で変化する出力電流レベルに関した、以前に決定した電力状態電流閾値データを、前記決定したレギュレート電圧データに応じて更新することによって、前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例1乃至31のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0138】
33. 前記電力状態電流閾値データが、前記以前に決定した電力状態電流閾値データと異なるのは、前記決定したレギュレート電圧データが、前記以前に決定した電力状態電流閾値データが依存していた、決定したレギュレート電圧データとは異なることによる、例32に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0139】
34. 前記電圧レギュレータの前記第1及び第2の電力状態は、以下のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なり、すなわち、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態において相異なる相数で動作すること、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では不連続導通モードで動作すること、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、第1の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作し、前記電圧レギュレータが、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、前記第1の電圧レギュレータスイッチング周波数とは異なる第2の電圧レギュレータスイッチング周波数を持つ不連続導通モードで動作すること、前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、アクティブでない又は電源オフにされ、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、アクティブである又は電源オンにされること、前記電圧レギュレータの1つ以上の回路が、前記第1及び第2の電力状態のうち一方では、より低電力の状態にあり、前記電圧レギュレータの前記1つ以上の回路のうちの1つ以上が、前記第1及び第2の電力状態のうち他方では、より高電力の状態にあること、のうちのいずれか1つ以上によって互いに異なる、例1乃至33のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0140】
35. 前記電圧レギュレータは、前記第1の電力状態において一相に基づき、及び前記第2の電力状態において複数相に基づき、前記負荷に出力電流及びレギュレート電圧を提供することが可能な多相電圧レギュレータである、例1乃至34のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0141】
36. 前記回路若しくは当該手段は、電力状態更新コマンドが前記電圧レギュレータに送信されることを引き起こすことによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、電力状態更新コマンドが前記電圧レギュレータに送信されることを引き起こすことによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、又は当該方法は、電力状態更新コマンドが前記電圧レギュレータに送信されることを引き起こすことによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせることを有する、例1乃至35のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0142】
37. 前記回路若しくは当該手段は、例えば前記電圧レギュレータの相数を変化させることによってなどで、前記電圧レギュレータを(例えば、直接的に)再構成することによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、例えば前記電圧レギュレータの相数を変化させることによってなどで、前記電圧レギュレータを(例えば、直接的に)再構成することによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせる、又は当該方法は、例えば前記電圧レギュレータの相数を変化させることによってなどで、前記電圧レギュレータを(例えば、直接的に)再構成することによって、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせることを有する、例1乃至36のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0143】
38. 前記負荷は、以下のうちのいずれか1つ以上を有し、すなわち、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンポーネント、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサチップ、プロセッサ又はプロセッサチップの回路、プロセッサ又はプロセッサチップのプロセッシング回路若しくはコンピューティング回路、マルチコアプロセッサの1つ以上のコアを有するドメインなどの、プロセッサチップの1つ以上のドメイン、1つ以上の中央演算処理ユニットコアなどの、プロセッサチップの中央演算処理ユニットのプロセッシング回路、1つ以上のグラフィックスプロセッサコアなどの、プロセッサチップのグラフィックスプロセッシング回路、少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメインを更に含むマルチコアプロセッシング回路の少なくとも第1のドメインであり、中央演算処理ユニットプロセッサの1つ以上のプロセッシングコアなどの1つ以上のプロセッシングコアを含む第1のドメイン、メモリコントローラ、ディスプレイコントローラ、プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路、のうちのいずれか1つ以上を有する、例1乃至36のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0144】
39. 当該電力管理回路若しくは当該手段は、それぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に提供する複数の電圧レギュレータの電力状態を制御し、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、それぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に提供する複数の電圧レギュレータの電力状態を制御させ、又は当該方法は、それぞれのレギュレート電圧をそれぞれの負荷に提供する複数の電圧レギュレータの電力状態を制御することを有し、前記電圧レギュレータは各々、少なくともそれぞれの第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、前記電圧レギュレータの各々に対して、当該電力管理回路は以下を行う回路を有し、又は当該手段は以下を行うように構成され、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に以下を行わせ、又は当該方法は以下を行うことを有する:
それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれの出力電流に関係するそれぞれの出力電流データを決定し;
それぞれの電圧レギュレータによってそれぞれの負荷に提供されるそれぞれのレギュレート電圧に関係するそれぞれのレギュレート電圧データを決定し;
それぞれの電圧レギュレータがそれぞれの第1の電力状態とそれぞれの第2の電力状態との間で変化するそれぞれの出力電流レベルに関係するそれぞれの電力状態電流閾値データを決定し、該それぞれの電力状態電流閾値データは、それぞれの決定したレギュレート電圧データに依存し;
それぞれの決定した出力電流データとそれぞれの決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、それぞれの第1の電力状態からそれぞれの第2の電力状態へのそれぞれの電圧レギュレータの電力状態の変化を生じさせる、
例1乃至38のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0145】
40. 前記電圧レギュレータの最大出力電流容量は、前記第1の電力状態において、前記第2の電力状態における前記電圧レギュレータの最大出力電流容量とは異なる、例1乃至39のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、方法、装置、又は手段。
【0146】
41. 当該電力管理回路は、例えば専用の中央演算処理ユニットチップ又はシステム・オン・チップなどのプロセッサ又はプロセッサチップのための電力管理回路である、例1乃至40のいずれか一に従った電力管理回路。
【0147】
42. 当該電力管理回路は、電圧レギュレータのための電力管理回路である、例1乃至41のいずれか一に従った電力管理回路。
【0148】
43. 例1乃至41のいずれか一に従った電力管理回路を有するプロセッサ又はプロセッサチップ(例えば、専用の中央演算処理ユニットチップ又はシステム・オン・チップなど)。
【0149】
44. 例1乃至40又は42のいずれか一に従った電力管理回路を有する電圧レギュレータ。
【0150】
45. 負荷と、
例1乃至42のいずれか一に従った電力管理回路であり、当該電力管理回路は、レギュレート電圧を前記負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御し、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能である、電力管理回路と、
を有する装置。
【0151】
46. 前記電圧レギュレータを更に有する例45の装置。
【0152】
47. マルチコアプロセッシング回路であり、
1つ以上のコアを含む第1のドメイン、及び
少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメイン、
を有するマルチコアプロセッシング回路と、
少なくとも前記第1のドメインにレギュレート電圧を提供する電圧レギュレータであり、当該電圧レギュレータを第1の電力状態から第2の電力状態へと動的に再構成する構成回路を有する電圧レギュレータと、
電力管理回路であり、
前記電圧レギュレータによって前記少なくとも第1のドメインに提供される出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記電圧レギュレータによって前記少なくとも第1のドメインに提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データを決定し、
前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態から前記第2の電力状態へと動的に再構成する出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを決定し、該電力状態電流閾値データは、前記決定したレギュレート電圧データに依存し、
前記決定した出力電流データと前記決定した電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータの前記構成回路に、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態へと前記電圧レギュレータを動的に再構成させる、
電力管理回路と、
を有するコンピューティングプラットフォーム。
【0153】
48. 前記マルチコアプロセッシング回路の前記第1及び第2のドメインはシステム・オン・チップ(SoC)によって提供される、例47のコンピューティングプラットフォーム。
【0154】
49. 少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供される機械読み取り可能命令であって、当該機械読み取り可能命令は、(例えば、プロセッシング回路によって)実行されるときに、プロセッシング回路に、
電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての前記電圧レギュレータの電力効率を、前記電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定させ、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、前記電圧レギュレータの第1の電力状態が前記電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、前記負荷への前記電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定させ、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される前記レギュレート電圧に対する前記電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定させる、
機械読み取り可能命令。
【0155】
50. 1つ以上のプロセッサを有するデータ処理回路であって、
電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての前記電圧レギュレータの電力効率を、前記電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、前記電圧レギュレータの第1の電力状態が前記電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、前記負荷への前記電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される前記レギュレート電圧に対する前記電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定する、
データ処理回路。
【0156】
51. 電圧レギュレータの電力状態電流閾値の、前記電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する依存性を決定する方法であって、前記電圧レギュレータは複数の異なる電力状態で動作可能であり、当該方法は、
前記電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての前記電圧レギュレータの電力効率を、前記電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、前記電圧レギュレータの第1の電力状態が前記電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、前記負荷への前記電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される前記レギュレート電圧に対する前記電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定する、
ことを有する、方法。
【0157】
52. 例51の方法を実行する手段を有する装置。
【0158】
53. 電圧レギュレータの電力状態電流閾値の、前記電圧レギュレータによって負荷に提供されるレギュレート電圧に対する依存性を決定する手段であって、前記電圧レギュレータは複数の異なる電力状態で動作可能であり、当該手段は、
前記電圧レギュレータの複数の電力状態の各々についての前記電圧レギュレータの電力効率を、前記電圧レギュレータによって負荷に提供される出力電流の関数として、及び前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧の関数として決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される複数のレギュレート電圧の各々について、前記電圧レギュレータの第1の電力状態が前記電圧レギュレータの第2の電力状態よりも電力効率が高くなる、前記負荷への前記電圧レギュレータの出力電流のレベル、に関係する電力状態電流閾値を決定し、
前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供される前記レギュレート電圧に対する前記電力状態電流閾値の依存性に関する基準データを決定する、
ように構成される、手段。
【0159】
54. 前記回路若しくは当該手段は、前記基準データをメモリに格納する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記基準データをメモリに格納させる、又は当該方法は、前記基準データをメモリに格納することを有する、例49乃至53のいずれか一に従った機械読み取り可能命令、データ処理回路、方法、装置、又は手段。
【0160】
55. 前記基準データは、前記第1の電力状態が前記第2の電力状態よりも効率的になる前記出力電流レベルに関係する電力状態電流閾値データを、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに応じて決定するための関数の1つ以上のパラメータの値を有する、例49乃至54のいずれか一に従った機械読み取り可能命令、データ処理回路、方法、装置、又は手段。
【0161】
56. 前記回路若しくは当該手段は、前記関数の前記1つ以上のパラメータの値を、例えば電力管理回路の1つ以上のレジスタなどの1つ以上のレジスタに格納する、又は当該機械読み取り可能命令は前記プロセッシング回路に、前記関数の前記1つ以上のパラメータの値を、例えば電力管理回路の1つ以上のレジスタなどの1つ以上のレジスタに格納させる、又は当該方法は、前記関数の前記1つ以上のパラメータの値を、例えば電力管理回路の1つ以上のレジスタなどの1つ以上のレジスタに格納することを有する、例55に従った機械読み取り可能命令、データ処理回路、方法、装置、又は手段。
【0162】
57. 少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能な電圧レギュレータの電力状態を制御する、プロセッサチップのための電力管理回路であって、当該電力管理回路は、以下を行う回路、すなわち、
前記電圧レギュレータから負荷への出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記決定した出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータの前記電力状態が前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することを決定し、
前記電圧レギュレータの前記電力状態が前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することの前記決定に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせるための電力状態更新コマンドを前記電圧レギュレータに送信する、
ことを行う回路、を有する、
前記決定した出力電流データは、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づく、
電力管理回路。
【0163】
58. 少なくとも1つの有形の又は非有形の機械読み取り可能媒体上で提供される機械読み取り可能命令であって、当該機械読み取り可能命令は、(例えば、プロセッサチップの電力管理回路によって)実行されるときに、プロセッサチップの電力管理回路に、
電圧レギュレータから負荷への出力電流に関係する出力電流データを決定させ、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、
前記決定させた出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することを決定させ、
前記電圧レギュレータの前記電力状態が前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することの前記決定に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせるための電力状態更新コマンドを前記電圧レギュレータに送信させ、
前記決定させた出力電流データは、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づく、
機械読み取り可能命令。
【0164】
59. レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する、プロセッサチップのための手段であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該手段は、
前記電圧レギュレータから前記負荷への出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記決定した出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することを決定し、
前記電圧レギュレータの前記電力状態が前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することの前記決定に基づいて、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への前記電圧レギュレータの前記電力状態の変化を生じさせるための電力状態更新コマンドを前記電圧レギュレータに送信する、
ように構成され、
前記決定した出力電流データは、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づく、
手段。
【0165】
60. レギュレート電圧を負荷に提供するための電圧レギュレータの電力状態を制御する方法であって、前記電圧レギュレータは、少なくとも第1及び第2の相異なる電力状態で動作可能であり、当該方法は、
プロセッサチップの電力管理回路が、前記電圧レギュレータから前記負荷への出力電流に関係する出力電流データを決定し、
前記プロセッサチップの前記電力管理回路が、前記決定した出力電流データと電力状態電流閾値データとの比較に基づいて、前記電圧レギュレータが前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することを決定し、
前記電圧レギュレータの前記電力状態が前記第1の電力状態から前記第2の電力状態に変化することの前記決定に基づいて、前記プロセッサチップの前記電力管理回路が、前記第1の電力状態から前記第2の電力状態への変化を生じさせるための電力状態更新コマンドを前記電圧レギュレータに送信する、
ことを有し、
前記決定した出力電流データは、前記電圧レギュレータから前記負荷への測定電流に基づく、
方法。
【0166】
61. 例60の方法を実行する手段を有する装置。
【0167】
62. 前記プロセッサチップは、1つ以上のプロセッサを有した、専用の中央演算処理ユニットチップ又はシステム・オン・チップ(SoC)である、例57乃至61のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、手段、方法、又は装置。
【0168】
63. 当該電力管理回路、当該手段、又は当該装置は、前記プロセッサチップの電力管理回路、手段、又は装置である、例57乃至62のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、手段、方法、又は装置。
【0169】
64. 前記負荷は前記プロセッサチップの負荷を有する、例57乃至63のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、手段、方法、又は装置。
【0170】
65. 前記負荷は、以下のうちのいずれか1つ以上を有し、すなわち、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングプラットフォームの1つ以上のコンポーネント、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサチップ、プロセッサ又はプロセッサチップの回路、プロセッサ又はプロセッサチップのプロセッシング回路若しくはコンピューティング回路、マルチコアプロセッサの1つ以上のコアを有するドメインなどの、プロセッサチップの1つ以上のドメイン、1つ以上の中央演算処理ユニットコアなどの、プロセッサチップの中央演算処理ユニットのプロセッシング回路、1つ以上のグラフィックスプロセッサコアなどの、プロセッサチップのグラフィックスプロセッシング回路、少なくともグラフィックスプロセッシング回路を含む第2のドメインを更に含むマルチコアプロセッシング回路の少なくとも第1のドメインであり、中央演算処理ユニットプロセッサの1つ以上のプロセッシングコアなどの1つ以上のプロセッシングコアを含む第1のドメイン、メモリコントローラ、ディスプレイコントローラ、プロセッサ又はプロセッサチップの非コア回路、のうちのいずれか1つ以上を有する、例57乃至64のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、手段、方法、又は装置。
【0171】
66. 当該電力管理回路若しくは当該手段は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定する、又は当該機械読み取り可能命令は前記電力管理回路に、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定させる、又は当該方法は、前記電圧レギュレータによって前記負荷に提供されるレギュレート電圧に関係するレギュレート電圧データに応じて前記電力状態電流閾値データを決定することを有する、例57乃至65のいずれか一に従った電力管理回路、機械読み取り可能命令、手段、方法、又は装置。
【0172】
67. 例57、59、61又は62乃至66のいずれかの電力管理回路、手段、又は装置を有するプロセッサチップ。
【0173】
この開示に記載された任意の1つの例の1つ以上の選択されたコンポーネントを、この開示に記載された他の1つ以上の例の1つ以上の選択されたコンポーネントと組み合わせる、あるいは添付された独立請求項の1つ以上の機構と組み合わせることによって、更なる例を実現することができる。更なる例は、任意のここに記載された(1つ以上の)例の1つ以上のコンポーネントを任意のあらゆる並べ替えでまとめて及び別々に有して実現されることができる。
【0174】
任意の記載された例の2つ以上の物理的に異なるコンポーネントが、可能な場合に、代わりに、単一のコンポーネントに統合されてもよい(そのようにして形成された単一のコンポーネントによって同じ機能が実行されることを条件として)。逆に、この開示に記載された実装例の単一のコンポーネントが、適切な場合に、代わりに、同じ機能を達成するように2つ以上の異なるコンポーネントとして実装されてもよい。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15