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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷機並びに製函機
(51)【国際特許分類】
   B41F 33/00 20060101AFI20250107BHJP
   B41F 13/00 20060101ALI20250107BHJP
   B65B 59/00 20060101ALI20250107BHJP
   B65B 61/02 20060101ALN20250107BHJP
【FI】
B41F33/00 630
B41F13/00 136
B41F13/00 614
B65B59/00
B65B61/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022561817
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2021039855
(87)【国際公開番号】W WO2022102426
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2020190300
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名達 光洋
(72)【発明者】
【氏名】秋田 和也
(72)【発明者】
【氏名】下羽坪 誠
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/005088(WO,A1)
【文献】特開2018-089933(JP,A)
【文献】特開2015-217535(JP,A)
【文献】特開2008-229910(JP,A)
【文献】特開2004-209676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0113855(US,A1)
【文献】特開2013-147027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 33/00
B41F 13/00
B41F 5/24
B41F 19/08
B41F 31/08
B65B 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを水平方向に搬送して印刷を行う印刷装置において、
印版が装着可能な印刷シリンダと、
前記印刷シリンダにおけるシート搬送方向の上流側または下流側に配置されて前記印刷シリンダに対接可能なインキ供給ロールと、
前記インキ供給ロールにインキを供給可能なインキ供給部と、
前記印刷シリンダにおける鉛直方向の上方を被覆すると共に開閉可能な第1カバーと、
前記インキ供給ロールにおける鉛直方向の上方を被覆して作業者が作業可能な足場と、
を備え、
前記第1カバーは、前記印刷シリンダの鉛直方向上側の面に形成された印刷シリンダ用作業開口部を開閉可能である
印刷装置。
【請求項2】
前記足場は、前記印刷シリンダにおける鉛直方向の上方に前記印刷シリンダ用作業開口部が設けられ、前記第1カバーは、前記印刷シリンダ用作業開口部を開閉可能である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記足場および前記第1カバーは、作業者が歩行可能な補強部が設けられる、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷シリンダにおける鉛直方向の上方とシート搬送方向の上流側および下流側を被覆するハウジングが配置され、前記ハウジングの上部に前記印刷シリンダ用作業開口部が設けられ、前記第1カバーは、前記印刷シリンダ用作業開口部を開閉可能である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記ハウジングの上部および前記第1カバーは、作業者が歩行可能な補強部が設けられる、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1カバーは、前記足場より鉛直方向の上方側に配置される、
請求項4または請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷シリンダは、前記インキ供給ロールに対接する印刷位置と、前記印刷位置から上昇して前記印刷シリンダ用作業開口部から作業可能な作業位置とに移動可能に支持される、
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記足場に対して作業者が昇降可能な階段が配置され、作業者が前記足場から前記印版を出し入れ可能な印版置き場が配置される、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1カバーは、シート搬送方向の上流側と下流側の少なくともいずれか一方から開閉可能である、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷シリンダの稼働中に前記第1カバーの開放を阻止するロック機構が設けられる、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記インキ供給部は、前記足場の下方に配置され、
前記足場は、前記インキ供給部における鉛直方向の上方に設けられるインキ供給部用作業開口部と、前記インキ供給部用作業開口部を開閉可能な第2カバーとが設けられる、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記インキ供給部は、前記インキ供給ロールに対接する印刷位置と、前記インキ供給部用作業開口部から作業可能な作業位置とに移動可能に支持される、
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の印刷装置がシート搬送方向に所定間隔を空けて複数配置され、複数の前記印刷装置の上方に前記足場が配置される、
印刷機。
【請求項14】
シートを供給する給紙部と、
前記シートに対して印刷を行う印刷部と、
前記シートに対して端部切断加工と罫線加工と溝切り加工を行う排紙部と、
前記シートを折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルディング部と、
前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部と、
を備え、
前記印刷部は、請求項13に記載の印刷機を有する、
製函機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、段ボールシートなどのシートに対して印刷を行う印刷装置、印刷装置を備える印刷機、印刷機を備える製函機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製函機は、段ボールシートを加工することで箱体(段ボール箱)を製造する。製函機は、給紙部、印刷部、排紙部、ダイカット部、フォルディング部、カウンタエゼクタ部などから構成される。給紙部は、テーブル上に積み重ねられた段ボールシートを一枚ずつ送り出して一定の速度で印刷部に送る。印刷部は、複数の印刷ユニットを有し、段ボールシートに印刷を行う。排紙部は、段ボールシートに折り線となる罫線を形成し、段ボールシートの端部を切断すると共に、フラップをなす溝や接合用の糊代片の加工を施す。ダイカット部は、段ボールシートに手穴等の打ち抜き加工を施す。フォルディング部は、段ボールシートの糊代片に糊を塗布して罫線に沿って折り畳み、糊代片を接合することで扁平状の段ボール箱を製造する。カウンタエゼクタ部は、段ボール箱を積み重ね、所定数のバッチに仕分けして排出する。
【0003】
製函機の印刷部は、搬送される段ボールシートの表面に多色刷りを行うことができる。そのため、印刷部は、複数の印刷ユニットが段ボールシートの搬送方向に直列をなして配置される。複数の印刷ユニットは、ほぼ同様の構成である。印刷ユニットは、印刷シリンダと、インキ供給ロールと、インキ供給部と、受ロールとを有する。印刷シリンダは、外周部に印版が装着され、回転可能に支持される。インキ供給ロールは、回転可能に支持され、インキ供給部のインキを印刷シリンダの印版に供給する。受ロールは、印刷シリンダの下方に配置され、印刷シリンダとの間で段ボールシートを挟持する。そのため、段ボールシートが印刷シリンダと受ロールとの間を搬送されるとき、印版のインキが段ボールシートの表面に転移されることで印刷が行われる。このような印刷部を備えた製函機としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-217535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の製函機に配置される印刷部は、複数の印刷ユニットが段ボールシートの搬送方向に沿って配置される。印刷部ユニットは、印刷シリンダと受ロールとが上下に配置され、印刷シリンダの側方にインキ供給ロールとインキ供給部が配置される。印刷ユニットは、ハウジングの内部に印刷シリンダとインキ供給ロールとインキ供給部と受ロールが収容されて構成される。印刷部は、複数の印刷ユニットの間に作業スペースを確保するための足場が設けられる。足場は、例えば、作業者が印刷シリンダに対して印版を交換するためのスペースである。印刷部は、1つの印刷ユニットに対して1つの足場を設けることから、全長が長くなってしまう。そのため、製函機の配置スペースが大きくなってしまい、印刷部の全長の短縮化が望まれている。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、装置の小型化を図る印刷装置および印刷機並びに製函機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の印刷装置は、印版が装着可能な印刷シリンダと、前記印刷シリンダにおけるシート搬送方向の上流側または下流側に配置されて前記印刷シリンダに対接可能なインキ供給ロールと、前記インキ供給ロールにインキを供給可能なインキ供給部と、前記印刷シリンダにおける鉛直方向の上方を被覆すると共に開閉可能な第1カバーと、前記インキ供給ロールにおける鉛直方向の上方を被覆して作業者が作業可能な足場と、を備える。
【0008】
また、本開示の印刷機は、前記印刷装置がシート搬送方向に所定間隔を空けて複数配置され、複数の前記印刷装置の上方に前記足場が配置される。
【0009】
また、本開示の製函機は、シートを供給する給紙部と、前記シートに対して印刷を行う印刷部と、前記シートに対して端部切断加工と罫線加工と溝切り加工を行う排紙部と、前記シートを折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルディング部と、前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部と、を備え、前記印刷部は、前記印刷機を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の印刷装置および印刷機並びに製函機によれば、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態の製函機を表す概略図である。
図2図2は、本実施形態の印刷部を表す側面図である。
図3図3は、本実施形態の印刷部を表す平面図である。
図4図4は、印刷ユニットを表す概略図である。
図5図5は、印刷ユニットにおける印版交換作業を表す概略図である。
図6図6は、印刷ユニットの第1変形例を表す概略図である。
図7図7は、印刷ユニットの第2変形例を表す概略図である。
図8図8は、足場の変形例を表す概略図である。
図9図9は、第1カバーの変形例を表す概略図である。
図10図10は、印刷ユニットの詳細を表す概略図である。
図11図11は、印刷ユニットにおけるインキ供給部を表す平面図である。
図12図12は、印刷ユニットにおけるインキ供給部を表す側面図である。
図13図13は、インキ供給部のメンテナンス作業を表す概略図である。
図14図14は、インキ供給部のメンテナンス作業を表す概略図である。
図15図15は、インキ供給部のメンテナンス作業を表す概略図である。
図16図16は、インキ供給部の第1変形例を表す側面図である。
図17図17は、インキ供給部の作動状態を表す概略図である。
図18図18は、インキ供給部の第2変形例を表す側面図である。
図19図19は、インキ供給部の作動状態を表す概略図である。
図20図20は、インキ供給部の第3変形例を表す側面図である。
図21図21は、インキ供給部の作動状態を表す概略図である。
図22図22は、インキ供給部の作動状態の変形例を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0013】
<製函機>
図1は、本実施形態の製函機を表す概略図である。以下、段ボールシートSおよび段ボール箱Bを搬送する水平方向を搬送方向Dと称し、搬送方向Dの直交する水平方向を幅方向Wと称する。
【0014】
本実施形態において、図1に示すように、製函機10は、段ボールシートSを加工することで段ボール箱(箱体)Bを製造する。製函機10は、給紙部11と、印刷部21と、排紙部31と、ダイカット部41と、フォルディング部51と、カウンタエゼクタ部61とを備える。製函機10は、給紙部11と印刷部21と排紙部31とダイカット部41とフォルディング部51とカウンタエゼクタ部61とが搬送方向Dに沿って直線状をなして配置される。
【0015】
給紙部11は、段ボールシートSを一枚ずつ送り出して一定の速度で印刷部21に送る。給紙部11は、テーブル12と、前当て13と、供給ローラ14と、吸引装置15と、フィードロール16とを有する。テーブル12は、多数枚の段ボールシートSを積み重ねて載置可能であると共に、昇降可能に支持される。前当て13は、テーブル12上に積み重ねられた段ボールシートSの前端位置を位置決めすることができ、下端部とテーブル12との間に1枚の段ボールシートSが通過可能な隙間が確保される。供給ローラ14は、テーブル12に対応して段ボールシートSの搬送方向Dに複数配置されており、テーブル12が下降したときに、積み重ねられた多数枚の段ボールシートSのうちの最下位置にある段ボールシートSを前方に送り出す。吸引装置15は、積み重ねられた段ボールシートSを下方、つまり、テーブル12や供給ローラ14側に吸引する。フィードロール16は、供給ローラ14により送り出された段ボールシートSを印刷部21に供給する。
【0016】
印刷部21は、段ボールシートSの表面に多色刷り(本実施形態では、4色刷り)を行うものである。印刷部21は、4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dが直列をなして配置され、段ボールシートSの表面に4つのインキ色を使用して印刷を行う。各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、ほぼ同様に構成され、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール(アニロックスロール)23と、インキ供給部24と、受ロール25とを有する。印刷シリンダ22は、外周部に印版26を装着可能である。
【0017】
排紙部31は、段ボールシートSに対して、罫線加工を施す機能と、切断加工を施す機能と、溝切り加工を施す機能を有する。排紙部31は、第1罫線ロール32と、第2罫線ロール33と、スリッタヘッド34と、スロッタヘッド35とを有する。第1罫線ロール32は、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向(段ボールシートSの幅方向)に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能である。第2罫線ロール33は、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能である。第1罫線ロール32と第2罫線ロール33は、段ボールシートSの裏面(下面)に罫線加工を施す。
【0018】
スリッタヘッド34およびスロッタヘッド35は、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔を空けて複数(本実施形態では、合せて5個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能である。スリッタヘッド34は、1個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の端部に対応して設けられ、段ボールシートSにおける幅方向の端部を切断する。スロッタヘッド35は、4個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の所定の位置に対応して設けられ、段ボールシートSにおける所定の位置で溝切り加工を行うと共に、糊代片加工を行う。
【0019】
ダイカット部41は、段ボールシートSに対して手穴等の打ち抜き加工を施す。ダイカット部41は、上下一対の送り駒42と、アンビルシリンダ43およびナイフシリンダ44を有する。送り駒42は、段ボールシートSを上下から挟持して搬送するものであり、回転可能に設けられる。アンビルシリンダ43およびナイフシリンダ44は、それぞれ円形状に形成され、図示しない駆動装置により同期して回転可能である。この場合、アンビルシリンダ43は、外周部にアンビルが形成される一方、ナイフシリンダ44は、外周部における所定の位置にダイが形成される。
【0020】
フォルディング部51は、段ボールシートSを搬送方向Dに移動させながら折り畳み、幅方向の両端部を接合して扁平状の段ボール箱Bを形成する。フォルディング部51は、上搬送ベルト52と、下搬送ベルト53と、成形ベルト54とを有する。上搬送ベルト52、下搬送ベルト53、成形ベルト54は、段ボールシートSおよび段ボール箱Bを上下から挟持して搬送する。成形ベルト54は、段ボールシートSにおける幅方向の各端部を下方に折り曲げながら折り畳む。また、フォルディング部51は、糊付装置55が設けられる。糊付装置55は、グルーガンを有し、所定のタイミングで糊を吐出することで、段ボールシートSにおける所定の位置に糊付けを行う。
【0021】
カウンタエゼクタ部61は、段ボール箱Bを計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けした後、排出する。カウンタエゼクタ部61は、積み重ねられた段ボール箱を所定数のバッチに仕分けるレッジ装置62を有する。エレベータ63は、レッジ装置62の下方に昇降自在に設けられる。エレベータ63は、バッチに仕分けられた段ボール箱Bを、下流の搬送コンベア64の位置まで下降させる。なお、カウンタエゼクタ部61は、整形手段としての図示しない前当板と整角板とを有する。
【0022】
<印刷部>
本発明の印刷機は、製函機10の印刷部21に適用され、本発明の印刷装置は、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに適用される。図2は、本実施形態の印刷部を表す側面図、図3は、本実施形態の印刷部を表す平面図である。
【0023】
本実施形態において、図2および図3に示すように、印刷部21は、例えば、4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dが搬送方向Dに沿って配置される。4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、ほぼ同様に構成される。印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール23と、インキ供給部24と、受ロール25とを有する。
【0024】
印刷ユニット21A,21B,21C,21Dにおいて、印刷シリンダ22は、ハウジング101の内部に収容される。ハウジング101は、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方側に配置される天井部101aと、印刷シリンダ22における搬送方向Dの上流側および下流側に配置される縦壁部101b,101cとを有する。ハウジング101は、天井部101aに印刷シリンダ用作業開口部102が設けられる。印刷シリンダ用作業開口部102は、矩形状をなし、搬送方向Dの長さが印刷シリンダ22の直径とほぼ同様の長さであり、幅方向Wの長さが、印刷シリンダ22に装着される印版26の幅よりも長い長さである。ハウジング101は、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能な第1カバー103が設けられる。
【0025】
第1カバー103は、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方を被覆すると共に、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。すなわち、足場104A,104B,104C,104Dは、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dを構成する印刷シリンダ22の上方に印刷シリンダ用作業開口部102が設けられ、第1カバー103は、この印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。この場合、第1カバー103は、ハウジング101における搬送方向Dの上流側を支点とし、ハウジング101における搬送方向Dの下流側から上方および上流側に開放することができる。
【0026】
印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、搬送方向Dの下流側に足場104A,104B,104C,104Dが配置される。ハウジング101の天井部101aおよび第1カバー103は、足場104A,104B,104C,104Dより鉛直方向の上方側に配置される。すなわち、第1カバー103と足場104A,104B,104C,104Dとの間に段差がある。作業者は、足場104A,104B,104C,104Dから搬送方向Dにおける上流側の第1カバー103を開閉可能である。
【0027】
ハウジング101は、天井部101aに手摺105が設けられる。手摺105は、天井部101aにおける搬送方向Dの上流側で、幅方向Wの中間位置に配置される。手摺105は、印版保持ブラシ106が装着される。印版保持ブラシ106は、印版26を保持可能である。足場104Bは、例えば、幅方向Wの一方側に作業者が昇降可能な階段107が配置され、幅方向Wの他方側に印版置き場108が配置される。階段107は、作業者が床面と足場104Bとの間を移動するためのものである。印版置き場108は、使用済の印版26やこれから使用する印版26を仮置きするためのものである。
【0028】
なお、足場104Bの幅方向Wの一方側に階段107を配置したが、幅方向Wの他方側に配置してもよく、他の足場104A,104C,104Dなどに複数設けてもよい。また、足場104Bの幅方向Wの他方側に印版置き場108を配置したが、幅方向Wの一方側に配置してもよく、印版置き場108は、作業者が足場104A,104B,104C,104Dから手が届く範囲であれば、例えば、足場104A,104B,104C,104Dの幅方向Wの中間位置でもよく、また、給紙部11や排紙部31でもよい。
【0029】
<印刷ユニット>
図4は、印刷ユニットを表す概略図、図5は、印刷ユニットにおける印版交換作業を表す概略図である。印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、ほぼ同様の構成であることから、以下では、印刷ユニット21Aについて説明する。
【0030】
印刷ユニット21Aは、図4に示すように、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール23と、インキ供給部24と、受ロール25とを有する。印刷シリンダ22は、ハウジング101の内部に収容される。印刷シリンダ22は、幅方向Wに沿って配置され、軸方向の一端部と他端部が図示しない軸受を介してフレームに回転自在に支持される。印刷シリンダ22は、図示しない駆動装置により駆動回転可能である。印刷シリンダ22は、外周部に印版26が着脱可能である。
【0031】
インキ供給ロール23は、印刷シリンダ22より搬送方向Dの下流側に配置される。インキ供給ロール23は、印刷シリンダ22の印版26に対接可能である。インキ供給部24は、インキ供給ロール23より搬送方向Dの下流側に配置される。インキ供給部24は、インキチャンバを有する、内部に外部から供給されたインキが貯留可能である。インキ供給部24は、インキチャンバの開口部がインキ供給ロール23の外周面に隙間なく密着し、貯留しているインキの一部をインキ供給ロール23の外周面に供給する。インキ供給ロール23とインキ供給部24は、足場104Aの下方に配置される。受ロール25は、印刷シリンダ22の下方に配置され、印刷シリンダ22に対接可能である。
【0032】
そのため、印刷シリンダ22とインキ供給ロール23と受ロール25が回転すると、インキ供給部24のインキがインキ供給ロール23を介して印刷シリンダ22の印版26に供給される。そして、段ボールシートSが印刷シリンダ22と受ロール25との間に挟持されて搬送されるとき、印刷シリンダ22の印版26のインキが段ボールシートSの表面に転写されることで印刷が行われる。
【0033】
印刷シリンダ22は、鉛直方向に沿って昇降可能である。印刷シリンダ22は、軸方向の一端部と他端部が軸受によりフレームに回転自在に支持される。図示しない昇降装置は、例えば、各軸受を昇降することで印刷シリンダ22を昇降する。印刷シリンダ22は、昇降装置により印刷位置と作業位置とに移動可能である。印刷シリンダ22の印刷位置は、下降してインキ供給ロール23と受ロール25に対接する位置である。印刷シリンダ22の作業位置は、印刷位置から上昇して印刷シリンダ用作業開口部102から各種の作業を可能とする位置である。作業を可能とする位置とは、例えば印刷シリンダ22の外周面の一部が、足場104Aよりも鉛直方向上部に露出する位置である。各種の作業とは、例えば、印刷シリンダ22に対する印版26の取付作業、取外作業、取付位置の調整作業、清掃作業などである。
【0034】
足場104Aは、インキ供給部用作業開口部121を開閉可能な第2カバー122が設けられる。ハウジング101と第1カバー103と第2カバー122と足場104Aは、作業者が歩行可能であると共に、上に乗って各種の作業を実施可能である。そのため、ハウジング101と第1カバー103と第2カバー122と足場104Aは、十分な強度が確保されるように補強部が設けられる。補強部は、例えば、ハウジング101および足場104Aの内面に固定される複数のフランジ部111や第1カバー103内面に固定される複数のフランジ部112や第2カバー122内面に固定される複数のフランジ部123などの補強部材である。また、ハウジング101と第1カバー103と第2カバー122と足場104Aは、十分な強度を確保するための補強部として、鉄板を用いたり、板厚を厚くしたりすることが好ましい。
【0035】
第1カバー103は、作業者の手により開閉可能である。第1カバー103は、幅方向Wに沿う支持軸113によりハウジング101に回動自在に支持される。第1カバー103を回動自在に支持する支持軸113は、印刷シリンダ22の中心より搬送方向Dの上流側に位置する。第1カバー103とハウジング101とは、その間に、例えば、ガススプリング114が装着される。ガススプリング114は、第1カバー103の開放方向に付勢力を付与すものである。そのため、第1カバー103が重量物であっても、作業者は、足場104Aからガススプリング114の付勢力に補助されることで、軽い操作力により手で第1カバー103を開放することができる。
【0036】
印刷シリンダ22は、印刷中に印刷位置に位置し、印刷が終了すると作業位置に上昇する。そして、印刷シリンダ22が作業位置にあるとき、作業者は、第1カバー103を開放し、印版26の交換作業を行う。ここで、安全性を考慮し、印刷シリンダ22の稼働中に第1カバー103の開放を阻止するロック機構が設けられる。例えば、印刷シリンダ22が印刷位置に位置するとき、ロック機構は、機械的に第1カバー103をハウジング101に係止する。また、ロック機構は、電気的に印刷シリンダ22が作業位置に位置することを検出し、第1カバー103をハウジング101に係止する。なお、第2カバー122については、後述する。
【0037】
図5に示すように、作業者は、印刷ユニット21Aの印版交換作業を行うとき、足場104Aに移動する。作業者は、足場104Aに乗って第1カバー103を開放する。印刷シリンダ22は、印刷位置から作業位置に上昇しており、作業者は、印刷シリンダ用作業開口部102を通して印刷シリンダ22にアクセス可能となる。作業者は、まず、新たに装着する印版26を印版保持ブラシ106に保持させる。次に、印刷シリンダ22に装着されている印版26を取り外し、取外した印版26を印版置き場108(図3参照)に仮置きする。そして、印版保持ブラシ106に保持された印版26を印刷シリンダ22に巻き付けて装着する。印版26が印刷シリンダ22に装着されると、作業者は、第1カバー103により印刷シリンダ用作業開口部102を閉止する。
【0038】
ここで、作業者は、印版保持ブラシ106に保持されている印版26を印刷シリンダ22に巻き付けて装着するようにしたが、この装着方法に限定されるものではない。例えば、作業者は、印版保持ブラシ106を用いず、印版26を丸めた状態で足元に載置し、足元に丸められた印版26を印刷シリンダ22に巻き付けて装着するようにしてもよい。
【0039】
図2および図3に示すように、作業者は、印刷ユニット21Aの印版交換作業が終了すると、別の印刷ユニット21Bの印版交換作業を行う。このとき、作業者は、ハウジング101および第1カバー103を足場として利用し、足場104Aから足場104Bに移動する。そして、作業者は、足場104Bに乗って印刷ユニット21Bの印版交換作業を行う。作業者は、印刷ユニット21Bの印版交換作業が終了すると、印刷ユニット21C,21Dの印版交換作業を順に行う。このとき、作業者は、ハウジング101および第1カバー103を足場として利用し、足場104Bから足場104C,104Dに順に移動して作業を行う。
【0040】
<印刷ユニットの変形例>
なお、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dの構成や印版交換作業などは、上述したものに限定されるものではない。図6は、印刷ユニットの第1変形例を表す概略図、図7は、印刷ユニットの第2変形例を表す概略図である。
【0041】
印刷ユニットの第1変形例において、図6に示すように、印刷ユニット21Aは、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール23と、インキ供給部27と、受ロール25とを有する。印刷シリンダ22とインキ供給ロール23と受ロール25は、上述したものと同様である。インキ供給部27は、インキ回収パン27aと、インキ掻き取りロール27bとを有する。インキは、インキ供給管27cから供給され、インキ供給ロール23とインキ掻き取りロール27bとの対接部の上方に貯留される。対接部に貯留されたインキは、インキ供給ロール23の外周面に付着する。インキ供給ロール23とインキ掻き取りロール27bの端部から流出したインキは、インキ回収パン27aにて回収され、再び供給される。なお、インキ供給ロール23とインキ供給部27は、足場104Aの下方に配置される。
【0042】
そのため、印刷シリンダ22とインキ供給ロール23と受ロール25が回転すると、インキ供給部27のインキがインキ供給ロール23を介して印刷シリンダ22の印版26に供給される。そして、段ボールシートSが印刷シリンダ22と受ロール25との間に挟持されて搬送されるとき、印刷シリンダ22の印版26のインキが段ボールシートSの表面に転写されることで印刷が行われる。
【0043】
印刷ユニットの第2変形例において、図2に示すように、印刷部21は、印刷ユニット21Dにおける搬送方向Dの下流側で、足場104Dの上方に検査装置が配置されることがある。検査装置は、段ボールシートSに印刷された絵柄の品質を検査するものである。足場104Dの上方に検査装置が配置されると、作業者は、足場104Dで印刷ユニット21Dにおける印版交換作業を行うと、例えば、検査装置のカメラの視界を遮ってしまうことがある。第2変形例では、作業者が印刷ユニット21Dの搬送方向Dの上流側にある足場104Cにて、この印刷ユニット21Dにおける印版交換作業を行うことができる。
【0044】
図7に示すように、印刷ユニット21Dにて、印刷シリンダ22は、ハウジング101の内部に収容される。ハウジング101は、印刷シリンダ用作業開口部102が設けられ、第1カバー103により開閉可能である。第1カバー103は、足場104Cから作業者の手により開閉可能である。第1カバー103は、幅方向Wに沿う支持軸113によりハウジング101に回動自在に装着される。第1カバー103を回動自在に支持する支持軸113は、印刷シリンダ22の中心より搬送方向Dの下流側に位置する。そのため、作業者は、足場104dから印刷ユニット21Dにおける第1カバー103を開放することができる。
【0045】
<足場の変形例>
また、足場104A,104B,104C,104Dの構成は、上述したものに限定されるものではない。図8は、足場の変形例を表す概略図である。
【0046】
図8に示すように、印刷ユニット21Aは、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール23と、インキ供給部24と、受ロール25とを有する。印刷ユニット21Aは、上方に足場104Eが配置される。足場104Eは、印刷ユニット21Aの搬送方向Dおよび幅方向Wに沿って段差なく水平に設けられる。そして、足場104Eは、印刷ユニット21Aのハウジングとして機能する。なお、足場104Eは、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dごとに別体に設けられた複数の足場本体が直線状につながるように組み合わされて構成される。但し、足場104Eは、この構成に限定されるものではない。例えば、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに対して一体の足場104Aを設けてもよい。そして、足場104Eは、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dで、上面に段差がなく連続したフラット形状とすることが好ましい。
【0047】
足場104Eは、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能な第1カバー103が設けられる。第1カバー103は、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方を被覆すると共に、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。第1カバー103は、足場104Eにおける搬送方向Dの上流側を支点とし、足場104Eにおける搬送方向Dの下流側から上方および上流側に開放することができる。印刷シリンダ22は、鉛直方向に沿って昇降可能である。印刷シリンダ22は、昇降装置により印刷位置と作業位置とに移動可能である。
【0048】
第1カバー103と足場104Eは、作業者が歩行可能であると共に、上に乗って各種の作業を実施可能である。そのため、第1カバー103と足場104Eは、十分な強度が確保されるように補強部が設けられる。補強部は、例えば、足場104Eの内面に固定される複数のフランジ部111や第1カバー103内面に固定される複数のフランジ部112などの補強部材である。なお、第1カバー103の開閉機構は、上述した構成と同様である。また、印刷ユニット21Aの印版交換作業も、上述したものと同様である。
【0049】
<第1カバーの変形例>
さらに、第1カバー103の構成は、上述したものに限定されるものではない。図9は、第1カバーの変形例を表す概略図である。
【0050】
図9に示すように、上述した上面がフラットな足場104Eにおいて、第1カバー103は、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。第1カバー103は、搬送方向Dの上流側と下流側が幅方向Wに沿う支持軸113a,113bにより足場104Eに回動自在に支持される。この場合、第1カバー103の支持軸113a,113bは、例えば、足場104Eに設けられたフック(図示略)により係止および解除可能である。作業者が支持軸113b側から第1カバー103を上方に開放しようとすると、支持軸113b側のフックが解除され、第1カバー103は、支持軸113aを支点に上方に回動する。一方、作業者が支持軸113a側から第1カバー103を上方に開放しようとすると、支持軸113a側のフックが解除され、第1カバー103は、支持軸113bを支点に上方に回動する。
【0051】
作業者は、印刷ユニット21Aの印版交換作業を行うとき、足場104Eを移動し、印刷ユニット21Aと印刷ユニット21Bとの間に移動する。作業者は、足場104Eに乗って搬送方向Dの上流側にある印刷ユニット21Aの第1カバー103を開放する。ここで、作業者は、第1カバー103を、支持軸113aを支点として上方に開放し、印刷シリンダ用作業開口部102を通して印版交換作業を行う。作業者は、印刷ユニット21Aの印版交換作業が終了すると、第1カバー103により印刷シリンダ用作業開口部102を閉止する。
【0052】
作業者は、印刷ユニット21Aの印版交換作業に続いて、印刷ユニット21Bの印版交換作業を行うとき、振り向いて印刷ユニット21B側を向く。作業者は、足場104Eに乗ったままで搬送方向Dの下流側にある印刷ユニット21Bの第1カバー103を開放する。ここで、作業者は、第1カバー103を、支持軸113bを支点として上方に開放し、印刷シリンダ用作業開口部102を通して印版交換作業を行う。作業者は、印刷ユニット21Bの印版交換作業が終了すると、第1カバー103により印刷シリンダ用作業開口部102を閉止する。
【0053】
<インキ供給部>
ここで、インキ供給部24について詳細に説明する。図10は、印刷ユニットの詳細を表す概略図、図11は、印刷ユニットにおけるインキ供給部を表す平面図、図12は、印刷ユニットにおけるインキ供給部を表す側面図、図13から図15は、インキ供給部のメンテナンス作業を表す概略図である。
【0054】
図4および図10に示すように、印刷ユニット21Aは、印刷シリンダ22と、インキ供給ロール23と、インキ供給部24と、受ロール25とを有する。印刷シリンダ22は、ハウジング101の内部に収容される。ハウジング101は、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能な第1カバー103が設けられる。インキ供給ロール23およびインキ供給部24は、足場104Aの下方に配置される。足場104Aは、インキ供給部24の上方に設けられるインキ供給部用作業開口部121と、インキ供給部用作業開口部121を開閉可能な第2カバー122とが設けられる。第2カバー122は、作業者の手により開閉可能である。なお、図10において、フランジ部111,112,123の図示は省略している。
【0055】
インキ供給部24は、インキ供給ロール23に対接する印刷位置と、インキ供給部用作業開口部121から作業可能な作業位置とに移動可能であり、この場合、インキ供給部24は、収納位置と、作業位置の一つである露出位置とに移動可能である。ここで、収納位置とは、インキ供給部24が足場104Aの下方に配置される位置である。露出位置とは、インキ供給部24が足場104Aよりも鉛直方向の上方に移動し、インキ供給部24の少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して上方に露出する位置である。
【0056】
インキ供給部24は、インキチャンバ131と、エアシリンダ132とを有する。インキチャンバ131は、貯留しているインキをインキ供給ロール23に供給する。エアシリンダ132は、インキチャンバ131をインキ供給ロール23に密着するインキ供給位置と、インキ供給ロール23から離間する退避位置とに移動可能である。後述するが、インキ供給部24は、端部がハウジング101に回動自在に支持される。そのため、収納位置は、インキ供給部24のインキチャンバ131が水平方向、つまり、インキ供給部用作業開口部121側を向いていない位置である。そして、露出位置は、インキ供給部24が収納位置から上方に回動し、インキチャンバ131が鉛直方向の上方、つまり、インキ供給部用作業開口部121側を向く位置である。
【0057】
なお、エアシリンダ132は、インキチャンバ131をインキ供給ロール23に密着するインキ供給位置と、インキ供給ロール23から離間する退避位置とに移動可能であるだけではない。エアシリンダ132は、後述するが、インキチャンバ131を退避位置から鉛直方向の上方の保守位置に移動可能である。また、エアシリンダ132は、インキチャンバ131をインキ供給ロール23に密着させるにあたって、適正な加圧力を付与している。
【0058】
また、インキ供給部24は、インキチャンバ131を露出位置と保守位置とに移動可能である。ここで、インキチャンバ131の露出位置とは、インキ供給部24が前述の露出位置にあるとき、インキチャンバ131が前述の退避位置に維持された状態である。また、インキチャンバ131の保守位置とは、インキチャンバ131の少なくとも一部が足場104Aよりも鉛直方向の上方に配置される位置である。すなわち、保守位置とは、インキチャンバ131がインキ供給部用作業開口部121側を向き、かつ、少なくとも一部が足場104Aよりも鉛直方向の上方に配置される位置である。具体的に、インキ供給部24が上方に回動した露出位置にあるとき、エアシリンダ132を作動することで、インキチャンバ131を退避位置から鉛直方向の上方の保守位置に移動可能である。なお、エアシリンダ132は、インキチャンバ131の退避位置からインキ供給位置に移動させるときのストロークと、インキチャンバ131の露出位置から保守位置に移動させるときのストロークとを変えてもよい。この場合、インキチャンバ131の退避位置からインキ供給位置に移動させるときのストロークよりも、インキチャンバ131の露出位置から保守位置に移動させるときのストロークを長くする。これにより、インキチャンバ131の保守位置が作業者に近い位置となるので、容易にインキチャンバ131のメンテナンスなどの作業を行うことができる。
【0059】
図11および図12に示すように、幅方向Wの両側に一対の支持軸141が幅方向Wに沿ってフレーム固定される。また、幅方向Wの両側に一対のベースプレート142が鉛直方向に沿って配置される。ベースプレート142は、幅方向Wに沿う支持孔143が形成され、支持孔143の位置に底付きの支持筒144が幅方向Wに沿って固定される。ベースプレート142は、幅方向Wの外側から各支持軸141が支持孔143を通して支持筒144にそれぞれ嵌合する。そのため、ベースプレート142は、幅方向Wに沿う支持軸141を中心として上下に回動自在に支持される。なお、支持筒144は、治具145を挿入可能な治具挿入筒146が固定される。
【0060】
ベースプレート142は、幅方向Wに沿って貫通する案内孔147が搬送方向Dに沿って形成される。スライドプレート148は、ベースプレート142に接近して配置され、幅方向Wに沿う案内軸149が固定される。スライドプレート148は、案内軸149がベースプレート142の案内孔147に挿入される。エアシリンダ132は、搬送方向Dに沿って配置され、基端部がベースプレート142の上部に連結軸150により連結される。エアシリンダ132は、駆動ロッド132aの先端部が鉛直方向に沿う連結部材151を介してスライドプレート148に連結される。スライドプレート148は、連結部材152を介してインキチャンバ131の長手方向(幅方向W)の端部が連結される。そのため、エアシリンダ132を駆動すると、ベースプレート142に対してスライドプレート148を案内孔147に沿って移動し、同方向にインキチャンバ131を移動することができる。
【0061】
そのため、図10に示すように、インキ供給部24が足場104Aの下方の収納位置にあるとき、インキチャンバ131は、インキ供給ロール23の外周面に密着し、インキをインキ供給ロール23に供給可能である。作業者は、インキ供給部24を定期的にメンテナンスする必要がある。メンテナンスとは、インキチャンバ131に付着したインキの清掃作業、開口部の周囲に装着されたシールブレードやドクターブレードやエンドシールの摩耗確認作業および交換作業などである。
【0062】
作業者がインキ供給部24をメンテナンスするとき、インキ供給部24を収納位置から露出位置に回動した後、インキチャンバ131を退避位置から保守位置に移動する。すなわち、図13に示すように、作業者は、足場104Aやハウジング101(図7参照)に乗り、まず、インキを洗浄して回収した後、エアシリンダ132を作動し、駆動ロッド132aを収縮することでスライドプレート148を介してインキチャンバ131を移動する。すると、インキチャンバ131は、インキ供給ロール23に密着したインキ供給位置から、インキ供給ロール23から離間する退避位置に移動する。次に、第2カバー122を手で開放する。そして、作業者は、治具145の先端部を治具挿入筒146に挿入する。
【0063】
図14に示すように、作業者は、治具145によりベースプレート142と共にインキ供給部24を収納位置から露出位置に回動する。すなわち、インキ供給部24は、角度θだけ回動することでインキ供給部24が足場104Aよりも鉛直方向の上方に移動し、インキ供給部24の少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出する。このとき、インキ供給部24のエアシリンダ132およびインキチャンバ131は、前述の退避位置を維持した状態で回動される。図15に示すように、作業者は、続いて、エアシリンダ132を作動し、駆動ロッド132aを伸長することでスライドプレート148を介してインキチャンバ131を移動する。すると、インキチャンバ131は、斜め上方の保守位置に移動する。ここで、作業者は、インキチャンバ131のメンテナンスを実施する。このとき、作業者は、必要に応じてスライドプレート148の連結部材152からインキチャンバ131を取り外して各種の作業を実行してもよい。
【0064】
上述の説明では、インキ供給部24を収納位置から露出位置に回動し、インキチャンバ131を退避位置から保守位置に移動した状態でメンテナンスを実施したが、このメンテナンス方法に限らない。作業者は、インキ供給部24を収納位置から露出位置に回動し、インキチャンバ131が退避位置に維持された状態でメンテナンスを実施してもよい。つまり、インキチャンバ131が露出位置にあるとき、メンテナンスを実施してもよい。
【0065】
従って、作業者がメンテナンス可能であれば、インキチャンバ131を退避位置から保守位置に移動させるのは、必須の構成ではない。つまり、エアシリンダ132を作動させずにメンテナンスを実施してもよい。
【0066】
インキチャンバ131のメンテナンスが終了すると、インキチャンバ131を保守位置から、エアシリンダ132を作動して駆動ロッド132aを収縮することで、スライドプレート148を介してインキチャンバ131を移動する。つまり、エアシリンダ132およびインキチャンバ131を前述の退避位置を維持した状態に戻す。次に、作業者は、インキ供給部24を露出位置から収納位置に回動する。そして、治具挿入筒146から治具145の先端部を抜き取り、第2カバー122によりインキ供給部用作業開口部121を閉止する。
【0067】
<インキ供給部の変形例>
なお、インキ供給部24は、上述した構成に限定されるものではない。図16は、インキ供給部の第1変形例を表す側面図、図17は、インキ供給部の作動状態を表す概略図、図18は、インキ供給部の第2変形例を表す側面図、図19は、インキ供給部の作動状態を表す概略図、図20は、インキ供給部の第3変形例を表す側面図、図21は、インキ供給部の作動状態を表す概略図である。
【0068】
第1変形例において、図16および図17に示すように、インキ供給部24Aは、足場104Aの下方に配置される収納位置と、足場104Aよりも鉛直方向の上方に移動して少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して上方に露出する露出位置とに移動可能である。また、インキチャンバ131は、エアシリンダ132を作動することで、露出位置(退避位置)から、少なくとも一部が足場104Aよりも鉛直方向の上方に配置される保守位置に移動可能である。なお、インキ供給部24Aの具体的な構成は、上述したインキ供給部24とほぼ同様であり、説明は省略する。
【0069】
インキ供給部24Aは、ベースプレート142の一端部がフレーム(図示略)に固定された支持軸141により上下に回動自在に支持される。ベースプレート142は、他端部に上方に突出する取手161が固定される。取手161は、足場104Aにいる作業者がインキ供給部用作業開口部121を通して保持することができる。また、連結レバー162は、一端部が支持軸141に回動自在に支持されると共にベースプレート142に固定される。ガススプリング163は、フレームに支持され、伸縮ロッド163aの先端部が連結レバー162の他端部に連結される。ガススプリング163は、ベースプレート142を介してインキ供給部24Aの上昇方向に付勢力を付与するものである。
【0070】
そのため、作業者がインキ供給部24Aをメンテナンスするとき、まず、エアシリンダ132を作動し、インキチャンバ131をインキ供給位置から退避位置に移動する。次に、第2カバー122(図10参照)を手で開放する。そして、作業者は、手で取手161を持って上方に引き上げる。すると、インキ供給部24Aは、収納位置から露出位置に回動し、足場104Aよりも上方に位置し、インキ供給部24Aの少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出する。このとき、インキ供給部24Aが重量物であっても、作業者は、足場104Aからガススプリング163の付勢力に補助されることで、軽い操作力により手でインキ供給部24Aを上昇することができる。
【0071】
そして、作業者は、エアシリンダ132を作動し、インキチャンバ131を退避位置から保守位置に移動する。ここで、作業者は、インキチャンバ131のメンテナンスを実施する。インキチャンバ131のメンテナンスが終了すると、インキチャンバ131を保守位置から退避位置に移動する。そして、作業者は、取手161を持ってインキ供給部24Bを露出位置から収納位置に回動し、第2カバー122によりインキ供給部用作業開口部121を閉止する。
【0072】
第2変形例において、図18および図19に示すように、インキ供給部24Bは、ベースプレート142の一端部がフレーム(図示略)に固定された支持軸141により上下に回動自在に支持される。連結レバー171は、一端部が支持軸141に回動自在に支持されると共にベースプレート142に固定される。エアシリンダ172は、フレームに支持され、駆動ロッド172aの先端部が連結レバー171の他端部に連結される。
【0073】
そのため、作業者がインキ供給部24Bをメンテナンスするとき、まず、エアシリンダ132を作動し、インキチャンバ131をインキ供給位置から退避位置に移動する。次に、第2カバー122(図10参照)を手で開放する。そして、作業者は、エアシリンダ172を作動し、駆動ロッド172aを伸長する。すると、インキ供給部24Bは、収納位置から露出位置に回動し、足場104Aよりも上方に位置し、インキ供給部24Bの少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出する。このとき、インキ供給部24Bが重量物であっても、エアシリンダ132の作動により容易にインキ供給部24Bを上昇することができる。
【0074】
第3変形例において、図20および図21に示すように、インキ供給部24Cは、一方側に鉛直方向に沿うガイドレール181がフレーム(図示略)に固定される。ベースプレート142は、一端部に上下のガイド部材182が固定される。上下のガイド部材182は、ガイドレール181に移動自在に支持される。エアシリンダ183は、フレームに支持され、駆動ロッド183aの先端部がベースプレート142の下部に連結される。
【0075】
そのため、作業者がインキ供給部24Cをメンテナンスするとき、まず、エアシリンダ132を作動し、インキチャンバ131をインキ供給位置から退避位置に移動する。次に、第2カバー122(図10参照)を手で開放する。そして、作業者は、エアシリンダ183を作動し、駆動ロッド183aを伸長する。すると、インキ供給部24Cは、収納位置から露出位置に上昇移動し、足場104Aよりも上方に位置し、インキ供給部24Cの少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出する。このとき、インキ供給部24Cが重量物であっても、エアシリンダ183の作動により容易にインキ供給部24Cを上昇することができる。なお、図示しないが、エアシリンダ132は、例えばラックとピニオンギヤなど、公知の昇降装置を設置してもよい。
【0076】
なお、図8に示すように、フラットな足場104Eを適用した場合も、足場104Eは、インキ供給部24の上方に設けられるインキ供給部用作業開口部121と、インキ供給部用作業開口部121を開閉可能な第2カバー122とが設けられる。第2カバー122は、十分な強度が確保されるように補強部としての複数のフランジ部123が固定される。
【0077】
インキ供給部24は、インキ供給ロール23に対接する印刷位置と、インキ供給部用作業開口部121から作業可能な作業位置とに移動可能であり、この場合、インキ供給部24は、収納位置と、作業位置の一つである露出位置とに移動可能である。作業者は、インキ供給部24をメンテナンスするとき、第2カバー122を開放する。続いて、インキ供給部24を収納位置から露出位置に移動し、足場104Eよりも上方に位置させ、インキ供給部24の少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出させる(図14,17,19,21参照)。そして、作業者は、インキチャンバ131(図15参照)を退避位置から保守位置に移動し、インキチャンバ131のメンテナンスを実施する。なお、インキ供給部24をインキ供給ロール23に対接する印刷位置と、インキ供給部用作業開口部121から作業可能な作業位置に移動させる構成は、上述した実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0078】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る印刷装置は、印版26が装着可能な印刷シリンダ22と、印刷シリンダ22における搬送方向Dの上流側または下流側に配置されて印刷シリンダ22に対接可能なインキ供給ロール23と、インキ供給ロール23にインキを供給可能なインキ供給部24,27と、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方を被覆すると共に開閉可能な第1カバー103と、インキ供給ロール23における鉛直方向の上方を被覆して作業者が作業可能な足場104A,104B,104C,104D,104Eとを備える。
【0079】
第1の態様に係る印刷装置によれば、印刷シリンダ22の上方を被覆する第1カバー103を設けると共に第1カバー103を開閉可能とすることで、印刷シリンダ22に対する印版26の交換作業などを容易に行うことができる。また、足場104A,104B,104C,104D,104Eの下方にインキ供給ロール23を配置することで、印刷部21の全長を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0080】
第2の態様に係る印刷装置は、足場104A,104B,104C,104D,104Eは、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方に印刷シリンダ用作業開口部102が設けられ、第1カバー103は、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。これにより、印刷シリンダ22に対する印版26の交換作業などの作業性を向上することができる。
【0081】
第3の態様に係る印刷装置は、足場104A,104B,104C,104D,104Eおよび第1カバー103は、作業者が歩行可能な補強部が設けられる。これにより、作業者は、足場104A,104B,104C,104D,104Eおよび第1カバー103の上を歩行して移動することができ、複数の印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに対して印版交換作業などの作業性を向上することができる。
【0082】
第4の態様に係る印刷装置は、印刷シリンダ22における鉛直方向の上方と搬送方向Dの上流側および下流側を被覆するハウジング101が配置され、ハウジング101の上部に印刷シリンダ用作業開口部102が設けられ、第1カバー103は、印刷シリンダ用作業開口部102を開閉可能である。これにより、ハウジング101の内部に印刷シリンダ22を配置し、ハウジング101の上部に設けられた印刷シリンダ用作業開口部102を第1カバー103により開閉可能としており、印刷シリンダ22を効率良く配置することができると共に、印刷シリンダ22に対する印版26の交換作業などの作業性を向上することができる。
【0083】
第5の態様に係る印刷装置は、ハウジング101の上部および第1カバー103は、作業者が歩行可能な補強部が設けられる。これにより、作業者は、第1カバー103の上を歩行して足場104A,104B,104C,104D間を移動することができ、複数の印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに対して印版交換作業などの作業性を向上することができる。
【0084】
第6の態様に係る印刷装置は、第1カバー103は、足場104A,104B,104C,104Dより鉛直方向の上方側に配置される。これにより、足場104A,104B,104C,104Dに乗った作業者は、足場104A,104B,104C,104Dより高い位置にある第1カバー103を開放して印版交換作業などを行うこととなり、作業性を向上することができる。
【0085】
第7の態様に係る印刷装置は、印刷シリンダ22は、インキ供給ロール23に対接する印刷位置と、印刷位置から上昇して印刷シリンダ用作業開口部102から作業可能な作業位置とに移動可能に支持される。これにより、印刷シリンダ22を印刷位置から上昇させることで、作業者は、この位置で印刷シリンダ22にアクセスすることができ、印版交換作業などの作業性を向上することができる。
【0086】
第8の態様に係る印刷装置は、足場104A,104B,104C,104D,104Eに対して作業者が昇降可能な階段が配置され、作業者が足場104A,104B,104C,104D,104Eから印版26を出し入れ可能な印版置き場108が配置される。これにより、作業者は、印版交換作業などの作業時に、容易に足場104A,104B,104C,104D,104Eと印版置き場108と印刷ユニット21A,21B,21C,21Dとの間を移動することができ、作業性を向上することができる。
【0087】
第9の態様に係る印刷装置は、第1カバー103は、印刷シリンダ22における搬送方向Dの上流側と下流側の少なくともいずれか一方から開閉可能である。これにより、作業者は、印刷シリンダ22に対して搬送方向Dの上流側または下流側からアクセスすることができる。
【0088】
第10の態様に係る印刷装置は、印刷シリンダ22の稼働中に第1カバー103の開放を阻止するロック機構が設けられる。これにより、安全性を向上することができる。
【0089】
第11の態様に係る印刷装置は、インキ供給部24,27は、足場104A,104B,104C,104D,104Eの下方に配置され、足場104A,104B,104C,104D,104Eは、インキ供給部24,27における鉛直方向の上方に設けられるインキ供給部用作業開口部121と、インキ供給部用作業開口部121を開閉可能な第2カバー122とが設けられる。これにより、印刷部21の全長を短くすることができると共に、作業者が第2カバー122を開放すると、インキ供給部用作業開口部121からインキ供給部24,27にアクセスすることができ、インキ供給部24,27のメンテナンスなどの作業の作業性を向上することができる。
【0090】
第12の態様に係る印刷装置は、インキ供給部24は、インキ供給ロール23に対接する印刷位置と、インキ供給部用作業開口部121から作業可能な作業位置とに移動可能に支持される。これにより、インキ供給部24を印刷位置から作業位置に移動させることで、作業者は、作業位置でインキ供給部24にアクセスすることができ、容易にインキ供給部24のメンテナンスなどの作業を行うことができる。
【0091】
第13の態様に係る印刷機は、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dが搬送方向Dに所定間隔を空けて複数配置され、複数の印刷ユニット21A,21B,21C,21Dの上方に足場104A,104B,104C,104D,104Eが配置される。これにより、印刷部21の全長を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0092】
第14の態様に係る製函機は、給紙部11と印刷部21と排紙部31とダイカット部41とフォルディング部51とカウンタエゼクタ部61とを備えている。これにより、印刷部21の全長を短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0093】
なお、上述した実施形態では、4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに対して4つの足場104A,104B,104C,104Dを設けたが、それぞれ4つに限定されるものではなく、3つ以下でも5つ以上であってもよい。また、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dと足場104A,104B,104C,104Dの数を同数としたが、印刷ユニット21A,21B,21C,21Dに対して足場104A,104B,104C,104Dの個数を少なくしたり、多くしたりしてもよい。
【0094】
また、上述した実施形態では、印刷シリンダ22における搬送方向D下流側にインキ供給ロール23を配置したが、上流側に配置してもよい。また、印刷シリンダ22を昇降可能としたが、印刷位置で印版26を交換可能としてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、第1カバー103と第2カバー122を手動により開閉可能としたが、流体圧シリンダやモータなどにより自動で開閉可能としてもよい。また、インキ供給部24を手動により開閉可能としたが、流体圧シリンダやモータなどにより自動で開閉可能としてもよい。
【0096】
また、上述した実施形態では、製函機10は、給紙部11、印刷部21、排紙部31、ダイカット部41、フォルディング部51、カウンタエゼクタ部61を備えるものとしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、印刷部21、ダイカット部41、フォルディング部51、カウンタエゼクタ部61の有無は限定されない。
【0097】
また、上述した実施形態では、インキ供給部24は、インキ供給ロール23に対接する印刷位置と、インキ供給部用作業開口部121から作業可能な作業位置とに移動可能であり、インキ供給部24は、収納位置と、作業位置の一つである露出位置とに移動可能としたが、これに限定されない。作業者がインキ供給部用作業開口部121から作業可能であれば、足場104A,104B,104C,104D,104Eよりも上方で、インキ供給部24の少なくとも一部がインキ供給部用作業開口部121を通して外部に露出する露出位置ではなく、インキ供給部24が足場よりも下方に位置していてもよい。
【0098】
図22は、インキ供給部の作動状態の変形例を表す概略図である。
【0099】
例えば、図22に示すように、インキ供給部24(インキチャンバ131)は、まず、足場よりも下方で、インキ供給ロール23に対接する印刷位置(インキチャンバ131がインキ供給ロール23に所定の加圧力にて密着するインキ供給位置)から、少なくともインキチャンバ131がインキ供給ロール23から離間する退避位置に移動する。次に、インキ供給部24を、上述した実施形態を適用し、インキチャンバ131が鉛直方向の上方、つまり、インキ供給部用作業開口部121側を向く位置に回動させる。この場合、インキチャンバ131がインキ供給部用作業開口部121側を向いた状態が、作業位置である。なお、図22にて、インキ供給部24の3つの移動位置を二点鎖線で表している。つまり、インキチャンバ131がインキ供給部用作業開口部121側に向いていれば、インキ供給部24の回動する位置は限定されない。このように、インキチャンバ131がインキ供給部用作業開口部121側に向くので、インキ供給部24が足場よりも下方に位置していても、作業者はインキ供給部用作業開口部121から作業可能である。
【符号の説明】
【0100】
10 製函機
11 給紙部
12 テーブル
13 前当て
14 供給ローラ
15 吸引装置
16 フィードロール
21 印刷部(印刷機)
21A,21B,21C,21D 印刷ユニット(印刷装置)
22 印刷シリンダ
23 インキ供給ロール
24,24A,24B,24C,27 インキ供給部
25 受ロール
26 印版
31 排紙部
32 第1罫線ロール
33 第2罫線ロール
34 スリッタヘッド
35 スロッタヘッド
41 ダイカット部
51 フォルディング部
61 カウンタエゼクタ部
101 ハウジング
101a 天井部
101b,101c 縦壁部
102 印刷シリンダ用作業開口部
103 第1カバー
104A,104B,104C,104D,104E 足場
105 手摺
106 印版保持ブラシ
107 階段
108 印版置き場
111,112,123 フランジ部(補強部)
113,113a,113b 支持軸
114 ガススプリング
121 インキ供給部用作業開口部
122 第2カバー
131 インキチャンバ
132 エアシリンダ
141 支持軸
142 ベースプレート
143 支持孔
144 支持筒
145 治具
146 治具挿入筒
147 案内孔
148 スライドプレート
149 案内軸
150 連結軸
151 連結部材
161 取手
162 連結レバー
163 ガススプリング
171 連結レバー
172 エアシリンダ
181 ガイドレール
182 ガイド部材
183 エアシリンダ
D 搬送方向(シート搬送方向)
W 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22