(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】電池および電力使用装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/112 20210101AFI20250107BHJP
H01M 50/148 20210101ALI20250107BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20250107BHJP
H01M 50/174 20210101ALI20250107BHJP
【FI】
H01M50/112
H01M50/148
H01M50/169
H01M50/174
(21)【出願番号】P 2022564353
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2022084136
(87)【国際公開番号】W WO2022267602
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】202121435973.X
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉暁梅
(72)【発明者】
【氏名】姚斌
(72)【発明者】
【氏名】劉江
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212209551(CN,U)
【文献】特表2014-532974(JP,A)
【文献】特開2012-064353(JP,A)
【文献】中国実用新案第209150200(CN,U)
【文献】国際公開第2019/028513(WO,A1)
【文献】中国実用新案第213212256(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111668402(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-198
H01M 50/20-298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム構造であり、角柱形状の複数の部屋を有するケーシングと、
前記複数の部屋内
の各部屋に少なくとも1つ設けられる複数の電極アセンブリと、
前記ケーシングに接続され、前記複数の部屋の同一端にある開口を封止するために使用されるエンドキャップアセンブリと、を含み、
前記ケーシングは仕切壁と前記仕切壁を囲む外周壁を含み、前記仕切壁は前記外周壁によって囲まれた空間を前記複数の部屋に仕切り、
前記エンドキャップアセンブリは、カバープレートを含み、前記カバープレートの前記ケーシングから離れる面に溶接案内溝が設けられ、前記溶接案内溝は、前記カバープレートの厚さ方向に沿った前記カバープレートへの投影が前記仕切壁の投影と重なって、前記溶接案内溝の底壁は前記仕切壁に溶接され
、
前記ケーシングは、仕切壁と前記仕切壁を囲む外周壁とを有し、前記仕切壁は、前記外周壁で囲まれた空間を前記複数の部屋に仕切り、前記仕切壁は前記外周壁と一体的に成形され、前記複数の部屋の各部屋は相対的に独立し、互いに連通しない、電池。
【請求項2】
各前記部屋内に電解液が充填され、前記複数の部屋内の電解液は互いに流通しない、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記部屋は三角柱形状、四角柱形状または六角柱形状である、請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記仕切壁の厚さは前記外周壁の厚さと等しい、請求項
1に記載の電池。
【請求項5】
前記カバープレートの前記ケーシングに向かう面に複数の突起が設けられ、前記複数の突起は前記複数の部屋に1対1で対応して挿入され、各突起の外周面は挿入した部屋の内壁に密着する、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記突起は多角形の環状突起である、請求項
5に記載の電池。
【請求項7】
前記エンドキャップアセンブリは、カバープレートと複数の電極端子を含み、前記複数の電極端子は前記カバープレートに絶縁可能に取り付けられ、前記複数の電極端子は前記複数の電極アセンブリに対応して接続される、請求項
5または
6に記載の電池。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の電池を含む、電力使用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年06月25日に出願された発明名称「電池および電力使用装置」の中国特許出願202121435973.Xの優先権を主張し、この出願のすべての内容は参照によって本文に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電池の技術分野に関し、具体的には、電池および電力使用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電池は、電気自動車、新エネルギー自動車などの新エネルギー分野で広く利用され、これは自動車産業の新しい発展潮流となっている。
【0004】
適用中、電力使用装置の性能は電池のエネルギー密度と耐用年数に大きく影響され、電池のエネルギー密度と耐用年数を如何に向上させるかは、当業者にとって常に探求されている課題である。
【発明の概要】
【0005】
本出願の目的は、従来技術における低電池エネルギー密度と短耐用年数という問題を解決するための電池および電力使用装置を提供することである。
【0006】
本出願の実施例は以下のように実現される。
【0007】
第1側面によれば、本出願の実施例は電池を提供し、この電池は、
【0008】
ハニカム構造であり、角柱形状の複数の部屋を有するケーシングと、
【0009】
前記複数の部屋内に少なくとも1つ設けられる複数の電極アセンブリとを含む。
【0010】
本出願の技術的解決手段では、複数の電極アセンブリは、複数の収容部屋を有するケーシングに直接に配置されて一体型電池を形成しているが、各電極アセンブリが別々にケースに入れて独立した電池単体を形成する従来技術と比較すると、本出願の各電極アセンブリの外部に別々にケースを設ける必要がなく、複数の電池単体が側壁を共有することに相当し、ケーシング使用材料を低減し、隣接するケーシング間の積層隙間を減少させ、ケーシングの質量が減少し、ケーシングの占有体積が少なくなり、部屋の空間を増やし、部屋内に収容された電極アセンブリおよび電解液が増加し、さらに電極アセンブリおよび電解液の電池での質量割合や空間割合が増加し、エネルギー密度を向上させる効果を達成する。そして、従来の電池のある位置が加圧されると、この位置に対応する電池単体のケースが独立して圧力を受けるため、この位置の電池単体が潰れやすく、本出願のハニカム構造のケーシングは一体的に形成され、電池のある位置が加圧されると、ケーシング全体が圧力を受け、圧力を分散させる役割を果たし、外力が電池を圧迫して電池が損傷するという問題を緩和し、電池の耐用年数を向上させることができる。
【0011】
本出願の実施例では、各前記部屋内に電解液が充填され、前記複数の部屋内の電解液は互いに流通しない。
【0012】
上記技術的解決手段では、ケーシング内の各部屋は相対的に独立しており、互いに連通せず、各部屋内の電極アセンブリが独立して充放電することができ、ある部屋内の制御不能な反応が他の部屋に影響を与えることを回避することができる。
【0013】
本出願の実施例では、前記部屋は三角柱形状、四角柱形状または六角柱形状である。
【0014】
上記技術的解決手段では、各部屋は三角柱形状、四角柱形状または六角柱形状である場合、複数の部屋はただ密接に継ぎ合わせ、他の形状による隙間がなく、体積が1つの部屋の体積の隙間よりも小さく、ケーシング質量を最大限に低減し、エネルギー密度を向上させ、各部屋が同一形状であるため、他の形状による隙間がなく、統一した加工が容易になるという効果も有する。
【0015】
本出願の実施例では、前記ケーシングは仕切壁と前記仕切壁を囲む外周壁を有し、前記仕切壁は前記外周壁で囲まれた空間を前記複数の部屋に仕切り、前記仕切壁は前記外周壁と一体的に成形される。
【0016】
上記技術的解決手段では、外周壁と仕切壁はハニカム状構造を形成し、外周壁と仕切壁が一体的に成形されるため、構造が安定であり、強度が高い。
【0017】
本出願の実施例では、前記仕切壁の厚さは前記外周壁の厚さと等しい。
【0018】
肉厚が異なると、厚さの異なる部分の耐応力能力が異なり、厚さが異なると熱伝導能力も異なり、薄い部位の耐応力能力が低く、厚い部位に熱が集中しやすく、これらに起因してケーシングの不均一変形が発生しやすく、不均一変形のケーシングは電池内部のアセンブリに不均一な圧力を与え、電池内部のアセンブリが変形や損傷しやすく、安全上リスクが発生する可能性があり、上記技術的解決手段では、仕切壁の厚さと外周壁の厚さを等しくすることによって、電池の安全上問題を効果的に緩和することができる。
【0019】
本出願の実施例では、前記電池は、
【0020】
前記ケーシングに接続され、前記複数の部屋の同一端にある開口を封止するために使用されるエンドキャップアセンブリをさらに含む。
【0021】
上記技術的解決手段では、複数の電極アセンブリはケーシングの同一端にある各開口からそれぞれ各部屋に配置され、複数の部屋の開口は同一のエンドキャップアセンブリによって同時に封止され、装着しやすい効果が達成される。
【0022】
本出願の実施例では、前記エンドキャップアセンブリはカバープレートを含み、前記カバープレートの前記ケーシングに向かう面に複数の突起が設けられ、前記複数の突起は前記複数の部屋に1対1で対応して挿入され、各突起の外周面は挿入した部屋の内壁に密着される。
【0023】
上記技術的解決手段では、複数の突起によってカバープレートとケーシングを安定して配合し、正確に位置決め、各部屋を良好に封止する効果が達成される。
【0024】
本出願の実施例では、前記突起は多角形の環状突起である。
【0025】
上記技術的解決手段では、突起の中央部をくりぬいて多角形の環状を形成することで、カバープレートの使用材料を低減し、部屋の収容体積を増加させるという効果が達成され、エネルギー密度を効果的に高める。
【0026】
本出願の実施例では、前記ケーシングは、仕切壁と前記仕切壁を囲む外周壁を含み、前記仕切壁は前記外周壁で囲まれた空間を前記複数の部屋に仕切り、前記エンドキャップアセンブリはカバープレートを含み、前記カバープレートの前記ケーシングから離れる面に溶接案内溝が設けられ、前記溶接案内溝は前記カバープレートの厚さ方向に沿った前記カバープレートへの投影が前記仕切壁の投影と重なって、前記溶接案内溝の底壁が前記仕切壁に溶接される。
【0027】
上記技術的解決手段では、カバープレートに溶接案内溝が形成され、溶接案内溝と仕切壁を対応すればカバープレートを正確にケーシングに被せ、装着しやすい役割を果たす。溶接案内溝は、溶接経路を案内する役割も果たし、溶接加工に便利であり、カバープレートの厚さは溶接案内溝の位置が他の位置よりも薄く、カバープレートが溶接案内溝で容易に加熱されて溶融しやすく、溶接案内溝でのカバープレート材料と対応の仕切壁が接続されて溶接シームを形成するので、溶接加工により便利であり、溶接難易度を効果的に低減することができる。
【0028】
本出願の実施例では、前記エンドキャップアセンブリはカバープレートと複数の電極端子を含み、前記複数の電極端子は前記カバープレートに絶縁可能に取り付けられ、前記複数の電極端子は前記複数の電極アセンブリに対応して接続される。
【0029】
上記技術的解決手段では、各部屋は独立した電力供給ユニットを形成し、各電力供給ユニットはそれぞれ対応の電極端子を介して電気エネルギーを独立に出力し、各電力供給ユニットは互いに影響を受けない。
【0030】
第2側面によれば、本出願の実施例は、前記電池を含む電力使用装置を提供する。
【0031】
本出願技術的解決手段の電力使用装置は、高エネルギー密度と長耐用年数の電池を含み、良好な使用性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下実施例で使用される図面を簡単に説明するが、以下の図面は本出願のいくつかの実施例のみを示すため、範囲を限定するものとして解釈するべきではなく、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0033】
【
図1】本出願の実施例で提供される車両の概略図である。
【0034】
【
図2】本出願の実施例で提供される電池の概略正面図である。
【0035】
【
図3】本出願の実施例で提供される電池の分解状態の概略正面図である。
【0036】
【
図4】本出願のいくつかの実施例で提供されるケーシングの概略上面図である。
【0037】
【
図5】本出願の別のいくつかの実施例で提供されるケーシングの概略上面図である。
【0038】
【
図6】本出願のさらに別のいくつかの実施例で提供されるケーシングの概略上面図である。
【0039】
【
図7】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の概略上面図である。
【0040】
【
図8】本出願のいくつかの実施例のカバープレートアセンブリの概略上面図である。
【0041】
【0042】
【
図10】本出願のいくつかの実施例のカバープレートアセンブリの概略底面図である。
【0043】
【0044】
【
図12】本出願の別のいくつかの実施例のカバープレートアセンブリの概略底面図である。
【0045】
【0046】
【
図14】本出願の実施例の電極端子を示す図である。
【0047】
【
図15】本出願の実施例の別の電極端子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本出願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例中の図面を参照しながら、本出願の実施例中の技術的解決手段を明らかに説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本出願中の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれる。
【0049】
特に定義しない限り、本出願で使用されるすべての技術および科学用語は、本出願の技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有し、本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的でのみ使用され、本出願を限定するものではなく、本出願の明細書と特許請求の範囲および図面で説明される「含む」、「有する」という用語およびそれらの任意の変形は非排他的な包含を含むことを意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲または上記図面中の「第1」、「第2」などの用語は異なる対象を区別するために使用され、特定の順序または優先関係を説明するものではない。
【0050】
本出願で言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例と相互に排他的である別個のまたは代替の実施例に言及しているわけでもない。本出願に記載された実施例は、他の実施例と組み合わせることができることは、明示的にも暗黙的にも、本分野の当業者には理解されたい。
【0051】
本出願の説明において、明示的に規定され限定されない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「付属」という用語は広義に理解されるべきであることに留意すべきであり、例えば、固定接続であってもよい、着脱接続であってもよい、一体接続でもよい、直接接続でも中間媒体を介して間接接続でもよい、2つの構成要素の内部通信であってもよい、などが挙げられる。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0052】
本出願で現れる「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数組」とは2組以上(2組を含む)を意味し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0053】
本出願では、電池は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含み、固体電池または半固体電池などであってもよいが、本出願の実施例は特に限定されない。
【0054】
従来技術では、電池は一般に、より高い電圧及び容量を提供するために、1つ以上の電池単体を含む単一の物理的なモジュールである。電池は一般に1つまたは複数の電池単体をパッケージするための箱体を含む。箱体は、液体や他の異物が電池単体の充電または放電に影響を与えることを防止することができる。
【0055】
電池単体は電極アセンブリと電解質を含む。電解質が固体電解質である場合、電極アセンブリは正極片と負極片によって構成され、電解質が液体電解質(つまり電解液)である場合、電極アセンブリは正極片、負極片とダイヤフラムによって構成される。電池単体は主に正極片と負極片間の金属イオンの移動に依存して動作する。正極片は、正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層が正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体を正極ラグとする。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであり、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどであり得る。負極片は負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層が負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体を負極ラグとする。負極集電体の材料は銅であり、負極活物質は炭素またはケイ素などであり得る。溶断することなく大電流を流すために、正極ラグの数は複数で積層され、負極ラグの数は複数で積層される。ダイヤフラムの材質はPPまたはPEなどである。また、電極アセンブリは、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0056】
実際使用中、電池のエネルギー密度と耐用年数は非常に重要な指標である。電池の耐用年数は電池のさまざまな設計要素に関連し、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電速度などの性能パラメータなどに関連している。
【0057】
従来の電池は通常、複数の電池単体から構成され、複数の電池単体を密着状態にパッケージして電池パックを形成し、エネルギー密度を向上させ、発明者の研究によると、複数の電池単体から構成された電池は、その各電池単体のケーシングは一定の空間を占め、隣接する電池単体間に積層隙間があり、電池単体のケーシングと隣接するケーシング間の積層隙間の存在下で、電極アセンブリおよび電解液は電池に対して低い空間割合を有し、エネルギー密度が低いが、従来技術に基づいて、従来の電池は電池単体のケーシングおよび積層隙間をさらに減少してエネルギー密度を向上させることが困難である。
【0058】
また、従来電池が加圧されると、各電池単体が個別に加圧され、受圧部位の電池単体のケースが潰れやすく、電池の耐用年数に影響を及ぼす。従来技術では円筒状の複数の電池単体のケースを一体的に接続するように設計され、電池の耐圧能力の目的を実現するが、実質的にケーシングの使用材料を増加させ、増加した使用材料で隣接する電池単体間の積層隙間を充填し、隣接する電池単体のケースを一体的に接続するため、電池の総質量が増加し、電極アセンブリおよび電解液の電池に対する質量割合が減少し、電池のエネルギー密度がさらに減少する。
【0059】
これを鑑み、電池のエネルギー密度と耐用年数を向上させるために、本出願の実施例の技術的解決手段としての電池は、ケーシングと複数の電極アセンブリを含み、ケーシングはハニカム構造であり、ケーシングは角柱形状の複数の部屋を有し、複数の電極アセンブリはそれぞれ複数の部屋内に設けられ、各部屋内に少なくとも1つの電極アセンブリが設けられる。
【0060】
つまり、ケーシングの各部屋内にそれぞれ電極アセンブリと電解質を直接することで、ケーシングに独立に供電可能な複数の電力供給ユニットが形成される。角柱形状の複数の部屋は密着して積層され、隣接する部屋間に積層隙間がなく、電池の総体積が減少し、電極アセンブリおよび電解液の電池に対する空間割合が増加し、隣接する部屋は側壁を共用し、さらにケーシングの質量と体積が減少し、電池の総体積と総質量がさらに減少し、電極アセンブリおよび電解液の電池に対する空間割合と質量割合がいずれもさらに増加する。ケーシングの占用空間とケーシングの使用材料を減少することで、電池のエネルギー密度を向上させる役割を果たす。言い換えれば、電池の体積は従来技術と同じである場合、本実施例中の電池は、そのケーシングの使用材料が減少し、ケーシング間に積層隙間がなく、ケーシングの質量が減少し、ケーシングの占用体積が減少し、部屋の空間が増加し、部屋内に収容された電極アセンブリおよび電解液も増加し、電極アセンブリおよび電解液の電池に対する質量割合、空間割合が増加し、電池のエネルギー密度が増加する。
【0061】
また、ケーシングは角柱形状部屋を有するハニカム構造であるため、電池が電極アセンブリの高さ方向に沿った外力が受けると、ケーシングの各壁が共同で外力を分散し、電池の過度の局所応力による損傷を避け、電池の耐圧性が高く、電池内部のアセンブリが加圧されて安全上問題が発生しにくく、電池の耐用年数がより長くなる。
【0062】
本出願の実施例で説明される技術的解決手段は電池を使用する各種の電力使用装置、例えば携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電気自転車、電動玩具、電動工具、電気車両、船舶と航行器などに適用され、例えば、航行器は飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などを含む。
【0063】
理解できるように、本出願の実施例で説明される技術的解決手段は上記の電力使用装置に適用され、電池を使用するすべての電力使用装置にも適用され得るが、説明を簡略化するために、下記の実施例では電気車両を例にして説明する。
【0064】
例えば、
図1に示すように、本出願の実施例の車両1000を示し、車両1000は燃料自動車、ガス自動車または新エネルギー自動車であり得、新エネルギー自動車は純電自動車、ハイブリッド自動車または長距離自動車などであり得る。車両1000の内部にコントローラー100、モータ200および電池300が配置され、コントローラー100は電池300を制御してモータ200に供電する。例えば、車両1000の底部または前部または後部に電池300を配置してもよい。電池300は車両1000に電力を供給し、例えば、電池300は車両1000の操作電源として、車両1000の回路システムに用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーションおよび走行時の動作電力使用要件に用いられる。本出願の別の実施例では、電池300は車両1000の操作電源としてもよいし、車両1000の駆動電源として、ガソリンまたは天然ガスの全部または一部を代替して車両1000に駆動力を提供してもよい。
【0065】
図2は電池300の正面視場合の外部構造の概略図であり、
図3は電池300の正面視場合の分解状態の概略図であり、
図4は上面視場合のケーシング1の構造概略図である。
図2、
図3および
図4を参照すると、電池300はケーシング1、エンドキャップアセンブリ2および複数の電極アセンブリ3を含む。
【0066】
ケーシング1はハニカム構造であり、ケーシング1は複数の部屋14を有し、各部屋14の形状はすべて角柱形状であり、複数の部屋14はそれぞれ電極アセンブリ3を収容するために使用される。
【0067】
なお、電極アセンブリ3の形状は角柱形、円筒形などであり、本実施例中の電極アセンブリ3は円筒形である。電極アセンブリ3は充放電中膨張し、円筒形の電極アセンブリ3が膨張すると、その外周面は角柱形状の部屋14の内壁に完全に当接されず、電極アセンブリ3と部屋14間に残留空間があり、この残留空間は電極アセンブリ3の膨張応力を解放する作用を果たし、電極アセンブリ3内の過度の応力による損傷という問題を緩和し、電池300の性能低下を防止し、さらに電池300の供電性能と耐用年数の目的を実現する。
【0068】
各部屋14の少なくとも一端に電極アセンブリ3を配置するための開口11が設けられる。各部屋14にそれぞれ1つの開口11が設けられてもよいし、2つの開口11が設けられてもよい。各部屋14にそれぞれ1つの開口11が設けられる場合、複数の部屋14の開口11はケーシング1の同一端、つまりすべての部屋14の開口11がケーシング1の同一端に設けられてもよい。各部屋14にそれぞれ1つの開口11が設けられる場合、複数の部屋14の開口11はケーシング1の異なる端、つまり一部の部屋14の開口11がケーシング1の一端に設けられ、残りの部屋14の開口11がケーシング1の他端に設けられる。各部屋14にそれぞれ2つの開口11が設けられる場合、ケーシング1の両端の各部屋14に対応する位置にそれぞれ開口11が形成される。
【0069】
エンドキャップアセンブリ2の数は複数の部屋14の開口11の設置状況に応じて設定される。エンドキャップアセンブリ2はカバープレート21を含み、カバープレート21は複数の部屋14の開口11を封止するために使用される。いくつかの実施例では、ケーシング1は一端でのみ部屋14と連通する開口11が設けられ、エンドキャップアセンブリ2の数は1つである場合、このエンドキャップアセンブリ2はケーシング1の一端に対応し、そのカバープレート21はすべての部屋14の開口11を封止する。いくつかの実施例では、ケーシング1の両端に部屋14の開口11が設けられ、
図3に示すように、エンドキャップアセンブリ2が2つあり、2つのエンドキャップアセンブリ2はそれぞれケーシング1の両端に対応し、1つのエンドキャップアセンブリ2のカバープレート21は複数の部屋14のケーシング1の一端にある開口11を封止し、もう1つのエンドキャップアセンブリ2のカバープレート21は複数の部屋14のケーシング1の他端にある開口11を封止する。
【0070】
具体的に、ケーシング1は仕切壁13と外周壁12を含み、さらに
図4を参照すると、
図4中の破線は仕切壁13を示し、実線は外周壁12を示し、なお、本出願の図面中の破線と実線は観察のために使用される区別だけであり、ケーシング1の上面視または底面視の場合、その仕切壁13と外周壁12はいずれも視認できる状態である。外周壁12は仕切壁13の外部を囲み、仕切壁13は外周壁12で囲まれた空間を複数の角柱形状の空間に仕切り、ハニカム構造を形成し、各角柱形状の空間は1つの部屋14になる。
【0071】
図4中の部屋14の形状は六角柱形状であり、他の実施例では、部屋14の形状は四角柱形状、三角柱形状であってもよい。
図5に示すように、部屋14の形状は四角柱形状であり、各部屋14は電極アセンブリ3の高さ方向に沿った投影は平行四角形である。
図6に示すように、部屋14の形状は三角柱形状であり、各部屋14は電極アセンブリ3の高さ方向に沿った投影は三角形である。各部屋14をすべて三角柱形状、四角柱形状または六角柱形状に設定することで、各部屋14の形状が一致し、隣接する部屋14間に他の形状の隙間が形成され、言い換えれば、仕切壁13の各部位の厚さが一致し、ケーシング1の加工がより容易になり、部屋14の体積割合が大きく、エネルギー密度が高くなる。
【0072】
仕切壁13の厚さが異なる場合、厚さが異なる部位の耐圧性が異なり、熱伝導能力も異なり、一般に、薄い部位の耐圧性が低く、厚い部位で熱が集中しやすく、不均一な変形が発生しやすく、さらに電池300の破損または熱暴走が発生しやすく、安全上リスクを生み出す可能性があり、本実施例では、仕切壁13の各部位の厚さが同じであり、仕切壁13の各部位の耐圧性が同じであり、熱伝導能力も同じであるため、電池300の安全性能を効果的に高め、さらに耐用年数を向上させることができる。
【0073】
いくつかの実施例では、外周壁12の厚さは仕切壁13の厚さと等しいため、不均一な変形と不均一な放熱という問題をさらに緩和し、電池300の安全性能と耐用年数を向上させることができる。
【0074】
いくつかの実施例では、仕切壁13と外周壁12を別々に成形し組み立て一体的に接続させ、仕切壁13と外周壁12の組立隙間を封止して、各部屋14が組立隙間を介して連通することがない。
【0075】
いくつかの実施例では、仕切壁13と外周壁12が一体的に成形され、例えば金型で射出成形され、各部屋14の側壁間に隙間がなく、連通しない目的を達成する。
【0076】
各部屋14が開口11の位置を介して連通することを防止するために、エンドキャップアセンブリ2のカバープレート21がケーシング1の端部に接続され、この端の各開口11を封止し、
図7は電池300の上面視場合の概略図であり、エンドキャップアセンブリ2の外面(つまりカバープレート21のケーシング1から離れる面、またはカバープレート21の電極アセンブリ3から離れる面)が視認できる。
【0077】
例えば、ケーシング1の端部に接着剤を塗布し、またはカバープレート21の内面(つまりカバープレート21のケーシング1に近い面、またはカバープレート21の電極アセンブリ3に近い面)に接着剤を塗布した後、カバープレート21とケーシング1を位置合わせして装着することで、接着および固定の目的を達成する。
【0078】
または、カバープレート21とケーシング1を位置合わせして装着した後、カバープレート21の仕切壁13と外周壁12に対応する部位を仕切壁13、外周壁12に熱溶接する。
【0079】
溶接を容易にするために、
図8および
図9に示すように、カバープレート21の外面に溶接案内溝211が形成され、カバープレート21をケーシング1に装着したとき、溶接案内溝211は少なくともカバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影が仕切壁13の投影と重なっている。いくつかの実施例では、溶接案内溝211は、カバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影が仕切壁13の投影と重なるだけでなく、カバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影が外周壁12の投影と重なっている。
【0080】
言い換えれば、溶接案内溝211は、仕切壁13、外周壁12のカバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影に沿って延伸し、仕切壁13、外周壁12は溶接案内溝211の底壁の背面に配置される。溶接案内溝211の底壁から加熱すると、カバープレート21と仕切壁13または外周壁12を熱溶接する。溶接案内溝211の底壁がカバープレート21の他の位置よりも厚さが薄いため、溶接案内溝211の底壁が加熱されて溶融しやすく、カバープレート21と仕切壁13、外周壁12を一体的に溶接する難易度を低減することができる。
【0081】
溶接操作のとき、溶接案内溝211は溶接経路を案内する作用も果たし、仕切壁13、外周壁12が見えない場合のブラインド溶接を回避し、さらに溶接加工の難易度をさらに低減することができる。
【0082】
いくつかの実施例では、溶接案内溝211の幅が対応する仕切壁13、外周壁12の厚さ以下であり、カバープレート21の溶融しやすい領域を低減し、溶接案内溝211の底壁が溶融して部屋14内に落下することを回避し、溶接案内溝211の底壁と仕切壁13、外周壁12の溶接をさらに確保することができる。
【0083】
外周壁12、仕切壁13とカバープレート21の共同作用下で、複数の部屋14が封止され、各部屋14は相対的に独立し、互いに連通しない。つまり、複数の部屋14内に電解液が充填されると、複数の部屋14内の電解液が互いに連通しない。これにより、ある部屋14内の反応暴走が発生すると、発生した熱やガスなどが他の部屋14に流動することがないため、反応の原料を遮断し、他の部屋14内の活物質が影響を受けて連鎖的な暴走反応が発生するのを避け、暴走反応の度合いを最小限に抑えることができ、他の部屋14がこの部屋14内の暴走反応により発生した熱や衝撃を受けて連鎖的な暴走反応が発生しても、連鎖的な暴走反応の時間も遅れ、ユーザの反応時間を増加させ、電池300の安全性能を効果的に向上させる一方、暴走反応が1つの部屋14内に抑えられるため、周囲の部屋14の影響が小さく、電池300の損傷を低程度に抑えられ、暴走反応が停止した後、暴走反応が発生した部屋14は機能を喪失しても、残りの部屋14はまだ整然と反応できるため、一定の電気エネルギーを供給でき、電池300の耐用年数を向上させることができる。
【0084】
エンドキャップアセンブリ2とケーシング1の組立精度を向上させ、
図10および
図11に示すように、
図10および
図11中の斜線部は突起212を示し、カバープレート21の内面に複数の突起212が設けられ、複数の突起212はケーシング1上の複数の部屋14に1対1で対応する。
【0085】
角柱形状の部屋14はカバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影が突起212の形状と同じであり、つまり角柱形状の複数の部屋14はカバープレート21の厚さ方向に沿ったカバープレート21への投影はいずれも多角形の投影であり、複数の突起212は多角形の突起212に設定され、多角形の投影は多角形の突起212と重なっている。
【0086】
隣接する突起212間に嵌合溝213が形成され、嵌合溝213の幅と厚さが同じであり、嵌合溝213は仕切壁13、外周壁12を収容するために使用されるため、カバープレート21の内面の嵌合溝213はカバープレート21の外面の溶接案内溝211の位置に対応しているため、カバープレート21をケーシング1に取り付ける過程中、溶接案内溝211は組立を案内する作用を果たし、カバープレート21の外面の溶接案内溝211と外周壁12、仕切壁13を対応させ、カバープレート21をケーシング1に正確に被覆させる。
【0087】
カバープレート21をケーシング1に組み立てると、複数の突起212が複数の部屋14に1対1で対応して挿入され、各突起212の外周面が挿入した部屋14の内壁に密着し、仕切壁13と外周壁12は嵌合溝213内に挿入され、仕切壁13、外周壁12の表面は嵌合溝213の内壁に密着する。複数の突起212によりカバープレート21とケーシング1を正確かつ安定的に組み立てるだけでなく、複数の部屋14を封止することもできるため、封止効果を向上させることができる。
【0088】
いくつかの実施例では、
図12および
図13に示すように、突起212の中央部をくりぬいて環状を形成し、つまり突起212は多角形の環状突起212に形成される。突起212を多角形の環状突起212に形成することにより、カバープレート21の使用材料が減少し、部屋14の内部の突起212の占有空間が減少し、部屋14は電極アセンブリ3を収容でき、電解液の体積が増加し、電池300のエネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0089】
ケーシング1の各部屋14内に少なくとも1つの電極アセンブリ3が設けられ、各部屋14内に電解液が充填され、各部屋14内にそれぞれ1つの独立した電力供給ユニットを形成する。各電力供給ユニットの独立供電を確保するために、電極アセンブリ3の両端にそれぞれラグ31が設けられ、各エンドキャップアセンブリ2は複数の電極端子22をさらに含み、複数の電極端子22は複数の部屋14に1対1で対応し、対応の部屋14内の電極アセンブリ3の一端ラグ31に接続される。なお、電解液は固体電解質に置き換えることができ、電解質の具体的なタイプは電池300の種類に準じ、本出願では特に限定されない。
【0090】
図12および
図13に示すように、複数の電極端子22はカバープレート21に絶縁状態で取り付けられ、複数の電極端子22の位置は複数の部屋14の位置に対応し、カバープレート21がケーシング1の一端に接続されて複数の部屋14の開口11を封止すると、各電極端子22は対応の部屋14内の電極アセンブリ3の一端ラグ31に接続される。ケーシング1内の複数の電力供給ユニットは電極端子22を介してそれぞれ外部に電気エネルギーを出力する。
【0091】
いくつかの実施例では、カバープレート21がケーシング1に組み立てられると、複数の電極端子22が複数のラグ31に1対1で対応して密着し、電気的な接続が達成される。
図14に示すように、
図14は、ケーシング1中の1つの部屋14内の電極アセンブリ3が電極端子22に接続される場合を概略的に示し、カバープレート21上に貫通穴214が形成され、電極端子22の通過を許容し、電極端子22がこの貫通穴214を通過してカバープレート21に取り付けられる。電極端子22の一端がケーシング1の部屋14の内部に位置し、他端がケーシング1の部屋14の外部に位置し、電極端子22の一端が電極アセンブリ3のラグ31に接触して、電気エネルギーを他端から取り出す。
【0092】
カバープレート21が導電材料からなる場合、エンドキャップアセンブリ2は第1絶縁部材23と第2絶縁部材24をさらに含み、第1絶縁部材23と第2絶縁部材24は電極端子22をカバープレート21に絶縁可能に取り付ける。第1絶縁部材23はカバープレート21の外面(つまりカバープレート21のケーシング1から離れる面、または電極アセンブリ3から離れる面)から、電極端子22とカバープレート21間の隙間を介して内側に延伸し、電極端子22とカバープレート21上の貫通穴214の穴壁を隔離する。第2絶縁部材24は電極端子22の他端とカバープレート21の内面間に配置され、電極アセンブリ3とカバープレート21の内面(つまりカバープレート21のケーシング1に近い面、または電極アセンブリ3に近い面)を隔離する。
【0093】
いくつかの実施例では、電極端子22の電極アセンブリ3に近い端の直径が拡大してプレート221を形成し、カバープレート21がケーシング1に取り付けられると、このプレート221がラグ31表面に押圧されて、電極端子22と電極アセンブリ3のラグ31を効果的に接触させ、電気的な接続を実現する。
【0094】
いくつかの実施例では、
図15に示すように、カバープレート21に複数の貫通穴214が形成され、複数の電極端子22はそれぞれ複数の貫通穴214を貫通し、カバープレート21がケーシング1に取り付けると、複数の電極端子22が複数のラグ31に1対1で対応し、貫通溶接、熱溶接などの手段によって電極端子22と対応のラグ31を接続させて電気的な接続を実現する。
【0095】
カバープレート21は導電材料からなると、エンドキャップアセンブリ2は第1絶縁部材23と第2絶縁部材24をさらに含み、第1絶縁部材23は貫通穴214の部分内壁とカバープレート21の貫通穴214に近い外面を被覆し、第2絶縁部材24はカバープレート21の内面と貫通穴214の残り部分の内壁を被覆する。第1絶縁部材23と第2絶縁部材24が接続して貫通穴214の内壁全体を被覆して、電極アセンブリ3とカバープレート21の内面を隔離し、電極端子22とカバープレート21上の貫通穴214の穴壁を隔離して、電極端子22をカバープレート21に絶縁可能に取り付けることができる。
【0096】
いくつかの実施例では、電極端子22は窪み222を有する構造であり、窪み222の位置はラグ31の位置に対応し、電極端子22に窪み222が形成されるため、電極端子22のラグ31との溶接部位の厚さを減少し、電極端子22とラグ31を容易に溶接することができる。
図15に示すように、カバープレート21がケーシング1に取り付けられると、窪み222の底壁は電極アセンブリ3のラグ31に密着し、溶融、貫通溶接などの溶接技術によって窪み222の底壁と電極アセンブリ3のラグ31を溶接させ、電気的な接続を実現する。
【0097】
いくつかの実施例では、
図15に示すように、電極端子22はストッパカバー25をさらに含む。電極端子22とラグ31が溶されると、ストッパカバー25が電極端子22の電極アセンブリ3から離れる端に接続され、つまりストッパカバー25が窪み222の開口位置に設けられ、窪み222を遮断して、電極端子22とラグ31の接続部位を保護する。このストッパカバー25は絶縁材料からなってもよいし、導電材料からなってもよい。
【0098】
選択可能に、電池300は他の構造をさらに含んでもよい。例えば、この電池300はバス部材(図示しない)をさらに含み、バス部材は複数の電極端子22間の電気的な接続、例えば並列、直列または混在接続を実現するために使用される。さらに、バス部材は溶接方式によって電極端子22に固定される。複数の電力供給ユニットの電気エネルギーはさらに導電機構を介して取り出される。選択可能に、導電機構もバス部材に含まれる。
【0099】
電池300の場合、安全上の危険は、充放電過程および適切な環境温度設計にも起因し、不要な損失を効果的に回避するために、本出願の実施例で提供される電池300はスイッチングデバイス(図示しない)をさらに含む。スイッチングデバイスとは、電池300内の温度または抵抗が一定閾値に達すると電池300の充電または放電を停止するデバイスを指す。
【0100】
スイッチングデバイスは複数あり、複数のスイッチングデバイスは1対1で対応してケーシング1の複数の部屋14内に取り付けられる。ある部屋14内の温度または抵抗が一定閾値に達すると、対応のスイッチングデバイスはこの部屋14内に形成された電力供給ユニットの充電または放電を停止する。
【0101】
本出願の実施例で提供される電池300は複数の圧力解放機構(図示しない)を含む。圧力解放機構は電池300の内部圧力または温度が所定閾値に達すると動作して内部圧力または温度を解放するためのデバイスまたは部材を指す。この閾値は設計要求に応じて設計される。前記閾値は電力供給ユニットの正極片、負極片、電解液およびダイヤフラムのうちの1つまたは複数の材料に依存している。
【0102】
圧力解放機構は複数あり、複数の圧力解放機構はいずれもカバープレート21に取り付けられ、カバープレート21がケーシング1に取り付けられると、複数の圧力解放機構はケーシング1の複数の部屋14に1対1で対応する。ある部屋14の内部圧力または温度が所定閾値に達すると、対応の圧力解放機構が作動し、この部屋14の内部圧力または温度を解放する。
【0103】
以上、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願を制限するものではなく、当業者にとっては、本出願は様々な変更や修正を加えることができる。本出願の精神および原則から逸脱することなく、加えられた任意の修正、同等置換および改善などは、すべて本出願の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1000 車両
100 コントローラー
200 モータ
300 電池
1 ケーシング
11 開口
12 外周壁
13 仕切壁
14 部屋
2 エンドキャップアセンブリ
21 カバープレート
211 溶接案内溝
212 突起
213 嵌合溝
214 貫通穴
22 電極端子
221 プレート
222 窪み
23 第1絶縁部材
24 第2絶縁部材
25 ストッパカバー
3 電極アセンブリ
31 ラグ