(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20250107BHJP
B65D 43/06 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
B65D77/20 A
B65D43/06 200
(21)【出願番号】P 2023183789
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2022547985の分割
【原出願日】2021-02-08
【審査請求日】2023-11-24
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518253428
【氏名又は名称】スタシャー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ポール マグワイア
(72)【発明者】
【氏名】カトウシャ ガミー ノウリ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ カルピネッリ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン キン フォー アウ
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-514155(JP,A)
【文献】特表2018-510097(JP,A)
【文献】米国特許第10407217(US,B1)
【文献】中国実用新案第201325620(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2014/0270579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20-77/32
B65D 43/06
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー製の容器であって、該エラストマー製の容器は、
エラストマーからなる上側の閉鎖体およびエラストマーからなる下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記エラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されており、前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の各々は、前側の縁部と、後ろ側の縁部と、左側の縁部と、右側の縁部とを備えている、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と、
前記エラストマー製の容器を開閉するように構成された耐漏性のシールと
を備え、
前記耐漏性のシールは、
下側のプレス嵌め要素及び上側のプレス嵌め要素と、
前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、下側の圧力シールド上面と、前記内容積に直接接した下側の圧力シールド内面とを備える、下側の圧力シールドと、
前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、上側の圧力シールド下面と、前記内容積に直接接した上側の圧力シールド内面とを備える、上側の圧力シールドと
を備え、
前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部を備え、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部が水平方向に延在しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止され、
前記下側のプレス嵌め要素の上面は、前記上側のプレス嵌め要素の下面と対応し、
前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは前記エラストマー製の容器をシールするよう互いに嵌合し、
前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は、中央水平平面を画定し、該中央水平平面に沿って前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は接合し、
断面において、前記上側の圧力シールド厚さは、前記上側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に増加し、断面において、前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の下で、前記下側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に減少し、
前記下側の圧力シールドは、前記エラストマー製の容器の前記内容積の内側プロファイルに沿って、前記中央水平平面を少なくとも部分的に横切って延在する少なくとも1つの耐圧力要素を有し、前記上側の圧力シールドは前記中央水平平面を横切るようには延在しない、エラストマー製の容器。
【請求項2】
前記下側のプレス嵌め要素と前記上側のプレス嵌め要素とが組み合った際、前記下側の圧力シールド内面と前記上側の圧力シールド内面とが互いに
共線的に延びている、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項3】
前記エラストマーはシリコーンである、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項4】
前記エラストマーは、ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有する、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項5】
前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の上側で一定である、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項6】
前記シールが閉鎖されている場合、前記下側の圧力シールド上面は、前記上側の圧力シールド下面
に接触する、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの耐圧力要素は、矩形断面を有する、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項8】
前記上側の圧力シールドは、前記上側の圧力シールド内面に沿って延在する上側の長さを有し、前記下側の圧力シールドは、前記下側の圧力シールド内面に沿って延在する下側の長さを有し、
前記上側の長さは、前記下側の長さより短い、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項9】
前記シールは、
該シールが閉鎖されている場合、前記上側の圧力シールド下面と前記下側の圧力シールド上面との間の第1の接触点と、前記上側の圧力シールド下面と前記下側の圧力シールド上面との間の第2の接触点との間に間隙を有する、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項10】
前記シールが閉鎖されている場合、前記上側の圧力シールド内面および前記下側の圧力シールド内面は、前記中央水平平面に対して垂直である、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項11】
前記上側の圧力シールド下面は、前記中央水平平面に対して水平である、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項12】
前記上側のプレス嵌め要素から前方に延在するとともに、前記前側の縁部に沿って延在する上側のフラップと、前記下側のプレス嵌め要素から前方に延在するとともに、前記前側の縁部に沿って延在する下側のフラップとをさらに備える、請求項1記載のエラストマー製の容器。
【請求項13】
エラストマー製の容器であって、該エラストマー製の容器は、
ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーからなる上側の閉鎖体およびショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーからなる下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記エラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されている、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と、
前記エラストマー製の容器を開閉するように構成された、エラストマーからなるシールと、
を備え、
前記シールは、
下側のプレス嵌め要素と、上側のプレス嵌め要素と、
前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、前記内容積に直接接した下側の圧力シールド内面とを備える、下側の圧力シールドと、
前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、前記内容積に直接接した上側の圧力シールド内面とを備える、上側の圧力シールドと、
を備え、
前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部を備え、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部が水平方向に延在しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止され、
前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は、中央水平平面を画定し、該中央水平平面に沿って前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は接合し、
前記下側の圧力シールドは、前記エラストマー製の容器の前記内容積の内側プロファイルに沿って、前記中央水平平面を少なくとも部分的に横切って延在する少なくとも1つの耐圧力要素を有し、前記上側の圧力シールドは前記中央水平平面を横切るようには延在せず、
断面において、前記上側の圧力シールド厚さは、前記上側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に増加し、断面において、前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の下で、前記下側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に減少する、エラストマー製の容器。
【請求項14】
前記前記上側の圧力シールドと前記下側の圧力シールドは、互いに封止するよう接触するものの、互いに係止されない、請求項13記載のエラストマー製の容器。
【請求項15】
前記少なくとも1つの耐圧力要素は、矩形断面を有する、請求項13記載のエラストマー製の容器。
【請求項16】
前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の上側で一定である、請求項13記載のエラストマー製の容器。
【請求項17】
前記上側の圧力シールドは上側の圧力シールド下面を有し、前記下側の圧力シールドは下側の圧力シールド上面を有し、
前記シールが閉鎖されている場合、前記下側の圧力シールド上面は、前記上側の圧力シールド下面
に接触する、請求項13記載のエラストマー製の容器。
【請求項18】
エラストマー製の容器であって、該エラストマー製の容器は、
ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーからなる上側の閉鎖体およびショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーからなる下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記エラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されている、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体と、
前記エラストマー製の容器を開閉するように構成された、エラストマーからなるシールと、
を備え、
前記シールは、
下側のプレス嵌め要素と、上側のプレス嵌め要素と、
前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、下側の圧力シールド上面と、前記内容積に面した下側の圧力シールド内面とを備える、下側の圧力シールドと、
前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、上側の圧力シールド下面と、前記内容積に面した上側の圧力シールド内面とを備える、上側の圧力シールドと、
を備え、
前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部を備え、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部が水平方向に延在しており、
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止され、
前記下側のプレス嵌め要素の上面は、前記上側のプレス嵌め要素の下面に対応しており、
前記下側のプレス嵌め要素と前記上側のプレス嵌め要素とは、互いに嵌合して前記エラストマー製の容器をシールし、
前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は、中央水平平面を画定し、該中央水平平面に沿って前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体は接合し、
断面において、前記上側の圧力シールド厚さは、前記上側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に増加し、断面において、前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の下で、前記下側の圧力シールド内面の全面に沿って連続的に減少し、
前記下側の圧力シールドは、前記エラストマー製の容器の前記内容積の内側プロファイルに沿って、前記中央水平平面を少なくとも部分的に横切って延在する少なくとも1つの耐圧力要素を有し、前記上側の圧力シールドは前記中央水平平面を横切るようには延在せず、
前記下側の圧力シールド厚さは、前記中央水平平面の上側で一定であり、
前記シールが閉鎖されたときに、前記下側の圧力シールド上面は前記上側の圧力シールド下面と少なくとも部分的に接触する、エラストマー製の容器。
【請求項19】
前記少なくとも1つの耐圧力要素は、矩形断面を有する、請求項18記載のエラストマー製の容器。
【請求項20】
前記上側の圧力シールドは、前記上側の圧力シールド内面に沿って延在する上側の長さを有し、前記下側の圧力シールドは、前記下側の圧力シールド内面に沿って延在する下側の長さを有し、
前記上側の長さは、前記下側の長さより短い、請求項18記載のエラストマー製の容器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2020年2月6日に出願された米国特許出願第16/783,318号明細書の一部継続出願である2020年7月31日に出願された米国特許出願第16/945,703号明細書の優先権を主張し、これによって、両方の明細書は、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
1つ以上の実施形態は、保存および輸送用の袋および容器の分野と、これらの袋および容器用のシールとに関する。より詳細には、限定するものではないが、1つ以上の実施形態によって、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の袋が可能となる。実施形態は、液体を含む食品の保存、輸送および調理ならびに別の用途に使用されてよい。実施形態は、耐久性を有すると共に再使用可能であってよい。本発明の実施形態は、耐漏性のシールを組み込んでいるため、容器に一体化された機構と、幾つかの実施形態では少なくとも300%および別の実施形態では少なくとも400%シールおよび容器の耐漏性を改善する圧力シールドとによって、例えば、袋の内容物がシールに圧力を加えたとき、一例として、袋が押し潰されたかまたは圧縮されたかまたは落下したときに、圧力シールドなしの耐漏性のシールを有する容器と比べて高められた封止が提供される。この大幅な改善は予想外である。なぜならば、圧力シールドは、容器全体のうち小さな割合の重量しか占めておらず、圧力シールド要素は、相互係止式の耐漏性の封止要素の部材を成していないからである。容器の1つ以上の実施形態は、例えばカラビナまたは別の装置の使用を通じて実施形態を別の物体に結合することを可能にする接続穴としても知られている外側の穴を含んでいる。
【背景技術】
【0003】
封止可能な袋および容器は、当該技術分野において十分に知られている。例えば、Ziploc(登録商標)プラスチック袋は、袋の開口内に一体化されたジッパー状の封止機構を有している。より最近の刷新によって、封止可能な袋は、より耐久性を有すると共に再使用により適するように変更されており、その幾つかは、シリコーン材料に基づいている。例えば、Munguiaの特許文献1およびLeBoeufの特許文献2の両方は、シールを備えたシリコーン製の食品保存袋を教示している。
【0004】
LeBoeufは、軌道および溝を有するシールを開示しているが、詳細には、閉鎖の追加の方法として付加的な機械的な留め具が必要となり得ることを付言している。したがって、LeBoeufが開示した容器の一体化された封止部分は、外部の留め部材を使用せずに耐漏性であることを意図していない。
【0005】
既存の封止可能な袋の制限は、一体化されたシール設計では、エラストマーの弾性的な性質に基づき比較的弱い封止力が提供されることである。プラスチック袋は弱い封止力を提供するが、それは様々な理由に因るものであり、主なものとして、シールに使用される剛性プラスチック材料が、人間の指の爪、つまり、0.1mmよりも約10倍肉薄である張出し部へと形成されるほど、シールが小さいためである。例えば、Ziploc(登録商標)袋は閉鎖可能であるが、高い耐漏性を有していない。この耐漏性の欠如は、Ziploc(登録商標)シールの比較的小さなシール領域ならびに単純な軌道および溝の形状に起因している。保存のために、また、容器が押し潰されたかまたは落下したときに、容器の内側からシールを開放する内部の力に耐えるために、張出し部を耐漏性にすべく、シールの剛性は、シールが小さくされたときには、ショアAスケールとして知られている硬さスケールの範囲外であって、十分ショアDスケール、つまり、45~85ショアDの範囲内、典型的には45~60ショアD範囲、通常では50を上回るショアDになければならない。さらに、この剛性を有するシールを製作する際の押出し欠陥によって、シールの厚さに僅かな変動が生じてしまい、これによって、許容可能な耐漏性を有する容器の歩留まりが一層低下してしまう。試しにシールを強くしようとすると、子供や高齢者あるいは身体的弱者でも袋を開閉することができるように、袋を開閉するためのスライダの使用が必要になってしまう。スライダは、通常、スライダの端部に、漏れを生じさせる開口をもたらす。こういった装置では、シールにおける分離を維持するスライダの部分の周りにシールを形成するために、つまり、スライダ部分自体を漏れに対して封止するために、余分な構造が使用されなければならない。スライダは、また、取り外された際に子供に窒息の危険性ももたらしてしまう。
【0006】
この一体化された耐漏性のシールを提供することの難点は、1946年にKoeppelによって特許文献3に教示された。Koeppelは、「この種の容器用の閉鎖体は様々な方法で形成されてきたが、袋または容器における開口が、角氷または比較的大きな氷の塊を受け入れるために十分に大きくされている場合、開口を効果的に封止することは困難である。シールを形成するために、開口の出入口の近くに、相補的なジグザグ面または舌片面または溝面を有する肉厚な部分を備えた容器を提供することによって、この難点を克服する努力がなされてきた。しかしながら、著しい力で押し合わされない限り、漏れを阻止するためには、このような構造でさえ効果的ではない」と述べている。その後、Koeppelは、袋に取り付けられる外部の機械的なクリップを使用して必要な封止力を提供する設計を教示している。この意味でKoeppelは、外部の留め具を使用するというLeBoeufと同じ解決手段に到っている。
【0007】
耐漏性のシールを備えたシリコーン製の容器を製作する別の試みは、Nouri、つまり、本発明者らのうちの1人の特許文献4としても公開されている特許文献5を含めて失敗に終わっている。特許文献5には、シールの両方の端部に取り付けられる「締付け機構」なしで構成された場合に両方の端部において漏れを生じさせやすいシールが含まれている。
【0008】
Silvermanの特許文献6は、裏返しに成形されたゴム製の容器、つまり、タバコパウチを教示している。同明細書は、シールを容器に接合するステップを排除しており、成形後に容器を裏返すことができるため、型を簡素化している。しかしながら、Silvermanのシールは、端部で先細りになっており、使用のために裏返されると、その結果、端部において封止力の完全な欠乏を招いてしまう。なぜならば、シールを先細りにしたことで、シールの端部において張出し部と窪みとが接触しない、つまり、端部においてシールが存在しないからである。したがって、Silvermanの設計には、シールを維持するために、リベット、皮革被覆および別個のジッパー、例えば外部の構造が必要となる。Silvermanのものは、また、シールの端部をリベット留めするなどの余分な製造ステップも必要としていて、外部の構造、例えばリベットを使用しない限り、耐漏性も有していない。
【0009】
外部のクリップまたは機械的な留め具を使用することによって、シールを提供することができるものの、使用者にとっては利便性がよいとは云えず、付加的な製造コストと複雑さとが必要になってしまう。
【0010】
Svecの特許文献7は、第1欄第15~18行目に教示されているように、空気密な耐湿性のシールを備えた平らなプラスチック袋を対象としている。Svecは、また、液体を保つために使用されることを意図したただ1つの実施形態も教示している。この液体を保つ実施形態は、Svecの
図7に示されており、内圧がシールをこじ開けるとき、例えば、外圧が容器に加えられたとき、つまり、押し潰されたかまたは落下したときに、液体(湿分ではない)を内側に保つことを意図したただ1つの実施形態である。Svecは、第7欄第15~31行目で続けているように、液体を保つ、つまり、容器の内側の液体が漏れないようにするために必要となる余分な重要な構造を教示している。注釈を付した
図15Aに示したように、図示のようなシール1510の橙色の部分および赤色の部分、つまり、1511および1512は、液体耐漏性を提供するために、シールに加えられた圧力を維持するために必要とされている。Svecが必要としている材料の量は、本発明の1つ以上の実施形態に関して本明細書に詳述した圧力シールドの実施形態に使用される材料の量の約2倍である。Svecの別の欠点は、シールに加えられた圧力を維持してシールを維持し、シールから漏れないようにするために必要となる容器の内容積内の位置が、食品および/または液体が閉じ込められる領域であり、この領域は清潔にしにくく、細菌のためのトラップとなる可能性がある点にある。Svecによる緑色の注釈(特許文献7には13および14として注釈が付されている)と、本出願人の先行技術と、本発明の実施形態(101および102として注釈が付してある)とは、いずれにせよ、シールよりも下側の容器の部分である。青色は液体、つまり、
図15A、
図15Bおよび
図15Cの3つの図面では1500を表している。
【0011】
図15Bは、本出願人自身の先行技術、つまり、特許文献8に開示されている。この特許文献8は、
図15Cに示したような、サイズに応じて、本発明の幾つかの実施形態では約5%に当たる過剰の全材料使用量で耐漏性を少なくとも400%高める部分1501,1502を想定していない。圧力シールド、例えば、シールと容器の内側との間の材料は、
図19A~
図19Bに関して記載したように、改めて、極めて少量の過剰の材料を圧力シールドの形態で加えることによって、耐漏性に関して、幾つかの実施形態では少なくとも300%の向上および別の実施形態では400%の向上という予想外の結果を生み出す。なお、この圧力シールドは、特許文献8では本発明者らによって想定されていなかった。
図19Aでは、左側の画像に4インチ(10.16cm)の落下高さが示してあり、右側の画像に結果的なシールの破損および漏れ、つまり、
図15Bに示した先行技術の実施形態に対する破損および漏れが示してある。
図15Cに示した本発明の実施形態は、
図19A~
図19Bにおいて右側に向かって時間が経つにつれ、例えば、
図19Bにおける画像に示したように、少なくとも16インチ(40.64cm)から落下させたときに、落下高さに関して少なくとも4倍の増加を漏れなしで提供する。このことは、
図15Bに示した先行技術の実施形態では不可能である。
【0012】
したがって、先行技術における制限をベースとして、封止力を高めるために上述のような付加的な要素を必要とせず、最小限の余剰の材料で大幅に高いレベルの耐漏性を提供し、清潔にしやすいと共に再使用可能である、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備えるエラストマー製の容器が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許出願公開第2013/0105352号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0110335号明細書
【文献】米国特許第2,500,363号明細書
【文献】国際公開第2014/163712号
【文献】米国特許出願公開第2014/0270579号明細書
【文献】米国特許第2,674,289号明細書
【文献】米国特許第2,780,261号明細書
【文献】米国特許第9,371,153号明細書
【発明の概要】
【0014】
本発明の実施形態によって、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器が可能となる。このような容器は、例えば、食料品を含む液体または固形物またはその両方を保存および輸送するために使用されてよい。本発明の実施形態は、制限するものではないが、長方形、正方形、円形、台形、円筒形、楕円形、多角形、立方体または容器の意図した使用に便利な任意の形状を含む様々な形状およびサイズであってよい。本発明の実施形態は、その材料のなかでもエラストマーを使用して、特性、例えば可撓性、耐熱性、耐微生物性および製造しやすさを提供する。成形、強化、装飾または別の任意の目的のためには、別の材料が使用されてもよい。幾つかの実施形態は、容器にエラストマーのうちの1つとしてシリコーンを使用してよい。シリコーンは、非毒性、耐粘着性、オーブンなどで加熱することができる能力、冷凍庫などで冷凍することができる能力および製造プロセスにおいて様々な形状へと成形することができる能力を含む多数の潜在的な利点を提供する。容器の1つ以上の実施形態は、例えばカラビナまたは別の装置の使用を通じて実施形態を別の物体に結合することを可能にする接続穴としても知られている外側の穴を有している。
【0015】
本発明の実施形態は、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と呼ばれる閉鎖体の2つの部材を含んでいてよい。上側の閉鎖体および下側の閉鎖体はその縁部の一部に沿って接合されて、開口を有する容器を形成してよい。開口に最も近い縁部は、本明細書では、前側の縁部と呼んでいる。前側と反対側の縁部は、後ろ側の縁部と呼んでいる。後ろ側と前側との間に延在する縁部は、左側の縁部および右側の縁部と呼んでいる。閉鎖体の部材同士の間の接合部は、エラストマーから形成されていてもよいし、別の材料から形成されていてもよい。閉鎖体を形成するためには、任意の接合技術、例えば成形、接着、テーピング、縫合、ステープル留め、溶着または別の任意の技術が使用されてよい。閉鎖体は、容器の内側の材料を保存または輸送するために設計された内容積を部分的に取り囲んでいてよい。幾つかの実施形態では、容器は、容器が空のときでさえ内容積が存在するように、十分に剛性であってよい。別の実施形態では、容器は、空のときに潰せるように設計されていてよく、これによって、物品が容器の内側にない限り、内容積は存在していない。
【0016】
実施形態は、材料の挿入および取出しのために、閉鎖体の1つ以上の縁部を完全にまたは部分的に開放させてよい。これらの開放縁部に隣接してまたは開放縁部に近接して、実施形態は、容器を開閉するために使用される容器の内側の部分を閉鎖するように設計されたシールを含んでいてよい。幾つかの実施形態では、シールは、互いに押し合わされて、閉鎖時に封止されるように設計されたプレス嵌め要素と呼ばれる2つの要素を含んでいる。プレス嵌め要素は、本明細書では、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素と呼んでいる。両方のプレス嵌め要素は、シールを提供することが必要であるかまたは好都合である容器の任意の箇所に配置されていてよい。これらのプレス嵌め要素は、要素が互いに押し合わされたときに共通の境界において合致する相補的な輪郭を有していてよい。本発明の様々な実施形態は、シールの強度に寄与するプレス嵌め要素のために設計されている。幾つかの実施形態では、シールは耐漏性のために設計されている。例えば、幾つかの実施形態は、容器が反転させられて、シールが下方に向けられている場合でさえ、1~2カップの水を容器の内側に漏れなしに保つことができるシールを提供する。
【0017】
本発明の1つ以上の実施形態では、耐漏性のシールは、境界に沿って互いに結合して容器を封止し、また、境界に沿って互いに分離して容器を開放する第1のシール部分と第2のシール部分とを含んでいる。
【0018】
1つ以上の実施形態では、シールの耐漏性は、プレス嵌め要素に十分な材料厚さを使用することによって高められる。本発明の少なくとも1つの実施形態では、第1のシール部分および第2のシール部分の厚さは、平均厚さとは対照的に最大で少なくとも1mmまたは少なくとも2mmまたは少なくとも3mmまたは3mm超である。プレス嵌め要素のより肉厚の材料は、シールの封止力を高めることができる。幾つかの実施形態では、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の両方の平均材料厚さは、プレス嵌め要素同士の間の共通の境界にわたって測定したとき、少なくとも0.25cmであり、別の実施形態では、0.5cmまでの任意の値であり、別の実施形態では、0.5cm~0.75cmの任意の値であり、別の実施形態では、1.0cmである。詳細には、シールにわたる、つまり、1つ以上の隙間を含むことがある、シールにおける最初の接触点から最後の接触点までの平均厚さを計算することにより、シールの幅が規定される。雄形のプレス嵌め要素および雌形のプレス嵌め要素の各々の部分の面積は、シールの断面にわたって格子を置き、シールの接触開始点とシールの接触終端点との間の方形の個数を数えることによって合算される。面積を幅で除算することによって、シールの平均厚さが求められる。別の実施形態は、より大きな封止のために、より肉厚の材料すら使用してよい。幾つかの実施形態は、封止強度の主要な要因として材料厚さに依存するのではなく、その代わりにまたは付加的に、高められた耐漏性を生じさせるために、プレス嵌め要素の形状を使用する。
【0019】
本発明の1つ以上の実施形態では、閉鎖体の前側の縁部は、後ろ側の縁部よりも長くてよい。例えば、容器は、前側の縁部が後ろ側の縁部よりも長い形状のほぼ台形であってよい。このような実施形態は、材料の挿入および取出しのために、より大きな開口面積の利点を提供することができる。この利点は、シールのプレス嵌め要素が肉厚の材料を使用する場合に特に有益であり得る。なぜならば、開口を左側の縁部および右側の縁部で一緒に摘まむことができるからである。
【0020】
1つ以上の実施形態では、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素とは、シールの部分を形成するために互いに嵌合される1つ以上の雄形の要素または雌形の要素を有する。異なる実施形態は、これらの雄形の要素および雌形の要素に好都合な任意の形状、サイズおよび個数を使用してよい。幾つかの実施形態では、上側のプレス嵌め要素もしくは下側のプレス嵌め要素またはその両方が、他方のプレス嵌め要素に設けられた対応する空洞内へと上向きまたは下向きに延在する鉛直な凸部を有していてよい。幾つかの実施形態では、鉛直な凸部のうちの1つ以上は、鉛直な凸部から水平方向に延出した1つ以上の水平な張出し部を有していてよい。これらの張出し部は、対向するプレス嵌め要素に設けられた対応する窪み内に適正に係止されるように実装されていてよい。幾つかの実施形態は、付加的な封止力を提供するために、1つの鉛直な凸部に取り付けられ、鉛直方向で互いに異なる高さに離間させられた少なくとも2つの水平な張出し部を使用する。別の実施形態は、1つの水平な張出し部しか使用しなくてもよいし、水平な張出し部を全く使用しなくてもよい。鉛直な凸部と、存在するならば、水平な張出し部との形状およびサイズは、実施形態にわたって異なっていてよい。例えば、水平な張出し部は、三角形、円形、楕円形、正方形、長方形または鉛直な凸部から水平方向に延在する任意の別の形状であってよい。幾つかの実施形態では、鉛直な凸部の高さは、少なくとも0.2cm、例えば、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の総厚さの80%、または任意の別の割合であってよく、別の実施形態では、0.4cm~0.6cmの任意の値であってよく、別の実施形態では、0.8cmであってよい。幾つかの実施形態では、水平な張出し部の幅は、少なくとも0.1cmであってもよいし、0.1cmよりも大きな任意の値、例えば0.2cm以上の任意の別の幅であってよい。
【0021】
耐漏性のシールを達成するために、本発明の1つ以上の実施形態は、実質的なサイズおよび材料厚さのプレス嵌め要素を組み込んでいてよい。このような設計には、封止要素が上側の閉鎖体および下側の閉鎖体から大幅な距離にわたって離れて延在していることがあるという課題が潜んでいる。この影響を軽減するために、本発明の1つ以上の実施形態は、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素とが、より容器の水平な平面に沿ってセンタリングされるように、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素とを互いにずらしてよい。特に1つ以上の実施形態では、上側のプレス嵌め要素もしくは下側のプレス嵌め要素またはその両方は、空洞と凸部とを有していてよい。この空洞と凸部とは、共に上側の閉鎖体と下側の閉鎖体との間の中央の水平な平面よりも上側および下側に延在している。例えば、下側のプレス嵌め要素が、中央の水平な平面よりも下側の空洞と、中央の水平な平面よりも上側に延在する鉛直な凸部とを有していてもよい。したがって、1つ以上の実施形態によって、側方の中央でより良好にアライメントまたはセンタリングされた、つまり、容器の閉鎖体の縁部でより良好にアライメントされた封止要素を有する耐漏性のシールを備えた容器が可能となる。付言しておくと、互いに接合されるにせよ、互いに一緒に成形されるにせよ、丸み付けられた側部を備えた幾つかの実施形態は、相変わらず縁部を有しているが、それらは明らかではないものの、容器の様々な側部の一番外側の点によって規定される。さらに、より肉厚のシールは、容器を保持する一方で容器の落下の機会を最小限に抑える触覚領域を提供する。したがって、シールは、1つ以上の実施形態では、シールが十分に肉厚である場合、所望の内容物を安全に保つために、シールの静摩擦係数と形状とに基づき、容器を保持するための持ち手として構成されている。
【0022】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、第1のシール部分および第2のシール部分は、少なくとも1つの対応する凸部または窪みを含んでいる。この凸部または窪みは、少なくとも1つの対応する凸部または窪みの別の部分よりも広幅である幾何学的な形状を含んでいる。シールは隙間を含んでいてもよい。この隙間は、境界全体にわたって完全に接触するか否かにかかわらず、互いに対応する、つまり、互いに嵌合される張出し部および凹部の形状が互いに異なっていてよいことを意味している。シールの最初の接触点における容器の内側から始まり、容器の外側の最も遠い点におけるシールの最後の接触点までの断面に「わたる」接触経路は、以下に規定するようなシールの境界を規定している。
【0023】
本発明の1つ以上の実施形態では、耐漏性のシールを使用することは、少なくとも2mmの高さを有する凸部または窪みを使用することと、この凸部または窪みよりも少なくとも1mm肉厚の幅を有する幾何学的な形状を使用することとを含んでいる。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によって、耐漏性のシールを使用することは、少なくとも2mmの高さを有する凸部または窪みを使用することと、この凸部または窪みよりも少なくとも2mm肉厚の幅を有する幾何学的な形状を使用することとを含んでいる。
【0025】
1つ以上の実施形態によれば、耐漏性のシールを使用することは、耐漏性のシールに設けられた少なくとも1つの対応する凸部および少なくとも1つの対応する窪みのうちの2つ以上を使用することを含んでいる。
【0026】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、耐漏性のシールから離れた容器の反対側の幅よりも大きい耐漏性のシールの近くの幅を有する容器を形成することを含んでいる。1つ以上の実施形態では、耐漏性のシールは、互いに係合する第1の側と第2の側とを含んでいる。少なくとも1つの実施形態では、第1の側は、第2の側と異なる平均厚さを含んでいる。1つ以上の実施形態では、第1の側は、第2の側と異なる材料から製作されている。少なくとも1つの実施形態では、第1の側は、第2の側と異なる硬さ値を含んでいる。
【0027】
1つ以上の実施形態によって、耐漏性のシールは、耐漏性のシールを含まない容器の残りの部分と異なる材料から製作されている。本発明の少なくとも1つの実施形態では、耐漏性のシールは、耐漏性のシールを含まない容器の残りの部分と異なる硬さ値を含んでいる。
【0028】
本発明の1つ以上の実施形態は、ショアAデュロメータスケールで70~80の硬さを有するエラストマーを容器へと形成することを含んでいる。本発明の少なくとも1つの実施形態は、ショアAデュロメータスケールで40~90または少なくとも100以下の硬さを有するエラストマーを容器へと形成することを含んでいる。
【0029】
本発明の1つ以上の実施形態では、容器を形成することは、耐漏性のシールを容器の互いに反対側の縁部に形成することを含んでいる。この互いに反対側の縁部は、この互いに反対側の縁部の間の耐漏性のシールと少なくとも同じ厚さである。少なくとも1つの実施形態によって、エラストマーを容器へと形成することは、トランスファ成形、プラスチック射出成形、液体射出成形または圧縮成形を含んでいる。
【0030】
1つ以上の実施形態は、未硬化の熱硬化性のエラストマーを使用することを含んでいる。エラストマーを容器へと形成するステップは、容器を熱硬化させることを含んでいる。
【0031】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、成形後に容器に任意の材料を取り付けることなしに、1回の成形ステップで容器を形成することを含んでいる。別の実施形態では、複数の部材が、これらの部材を互いに接合する前または容器を裏返す前に形成されてよい。1つの例は、容器の内側の部分になる容積の一部を画定する上側の閉鎖体および下側の閉鎖体の各々を別個に成形し、次いで、両方の閉鎖体を互いに接合し、次いで、容器を裏返す、つまり、裏返し後に容器の内側にシールを位置決めすることであってもよい。別の実施形態では、2つの部分は別個に形成されてよい。このことは、部材同士を、例えば接合を介して互いに結合する余分なステップを必要とする。上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とが型内で同時に成形される場合には、両方の閉鎖体は、1回のステップで同じ材料によって互いに結合される。容器は、この例では単に容器の側の指定にすぎない上側の閉鎖体および下側の閉鎖体として指定された2つの部材を相変わらず有している。したがって、「~に結合され」とは、2つの別個の部材または同時に形成され、型の内部で、つまり、成形プロセス中に結合される2つの部材から製作される容器を包括している。容器の任意の別の特徴、例えば、収容と、これに続く、容器の内部に保たれるより大きな物品に対する膨張とを容易にするためのプリーツまたは例えば容器の色または容器の特定の形状は、容器の性能に対して重要ではない。
【0032】
1つ以上の実施形態では、耐漏性のシールを結合することは、容器と耐漏性のシールとを一緒に同時成形するかまたは容器を耐漏性のシールにオーバーモールディングするかまたは耐漏性のシールを容器にオーバーモールディングすることによって耐漏性のシールを容器に接着するか、接合するかまたは取り付けて、耐漏性のシールを結合することを含んでいる。
【0033】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、耐漏性のシールの互いに反対側の端部における耐漏性のシールの互いに対向する側を接合または接着することなしに、つまり、シールの一方の側と端部における他方の側との間に隙間が存在するように、耐漏性のシールを形成することを含んでいる。裏返されたときに、2つのシール部分は隙間を排除して、耐漏性のシールを提供する。本発明の1つ以上の実施形態は、容器が直立することができるように、容器に底部を形成することを含んでいる。
【0034】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、容器の反対側の端部における耐漏性のシールの反対側で1.8mmに増加する0.6mmの厚さを有する容器を形成することを含んでいる。
【0035】
本発明の1つ以上の実施形態は、容器の反対側の端部における耐漏性のシールの反対側で1.2~2.4mmに増加する0.3~0.9mmの厚さを有する容器を形成することを含んでいる。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態では、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素は、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体の左側の縁部の一部または右側の縁部の一部まで延在していてよい。このような実施形態では、容器用の開放機構が、容器の上部でより広幅であるかまたは容器の側方で下降するシール、または前側の縁部でしか開放しない場合よりも容器をより広幅に開放することができる側方に沿った類似の設計を組み込んでいてよい。このような実施形態は、使用者が物品を容器内に挿入するかまたは物品を容器から取り出すことを一層容易にすることによって、著しい利便性を提供することができる。
【0037】
本発明の1つ以上の実施形態は、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の前側の縁部または側部から延在するフラップまたはタブを提供してよい。このようなフラップまたはタブは、容器をその封止位置から裂開すべく、容器の縁部を保持するために使用されてよい。こういったフラップは、任意の好都合なサイズまたは形状であってよく、任意の好都合な位置に配置されてよい。幾つかの実施形態では、例えば、フラップは、前側の縁部の中央に最も広幅の部分を有する弧部としてほぼ成形されていてよい。別の実施形態では、フラップは、前側の縁部の中央または別の位置から延出した単純なタブから成っていてよい。幾つかの実施形態では、下側のタブと上側のタブとがあってよく、下側のタブは上側のタブよりも長い。別の実施形態は、この配置形態を逆転させてよく、下側のタブよりも長い上側のタブを有していてよい。別の実施形態では、フラップまたはタブは等しいサイズであってよい。長い方のフラップまたはタブは、シールを裂開する際に使用者のためにレバーアームを提供してよく、これによって、使用者がシールをより容易に開放することができる。この特徴は、耐漏性のために設計された極めて強力なシールにとって特に有益であり得る。なぜならば、使用者が、容器を開放するときに封止力を克服するための機構を有していなければならないからである。1つ以上の実施形態では、開放のために、使用者が上側のフラップおよび下側のフラップの一方または両方を掴むことをより容易にするために、上側のフラップと下側のフラップとの間に隙間が存在していてよい。
【0038】
1つ以上の実施形態では、上側のプレス嵌め要素または下側のプレス嵌め要素は、鉛直な凸部を組み込んでいてよい。この凸部は、一方が凸部の前方にあり、もう一方が凸部の後方にある2つの空洞によって取り囲まれている。幾つかの実施形態では、これら2つの空洞の深さは等しくなくてよい。例えば、1つ以上の実施形態では、前方の空洞は、後ろ側の空洞よりも浅くてよい。プレス嵌め要素に対するこのような非対称の形状の潜在的な利点は、前方の縁部からシールを開放し始めるために必要となる力が、後ろ側の縁部に向かう封止力よりも小さくてよいということである。これによって、強力なシールを維持しつつ、使用者による開放を容易にすることができる。使用者が前方の空洞でシールを封切りすると、プレス嵌め要素の開放部分により提供された付加的なレバーアームを、シールの後ろ側の部分を開放し続けるために使用することができる。
【0039】
本発明の実施形態は、プレス嵌め要素のための様々な形状およびサイズを組み込んでいてよい。幾つかの実施形態では、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との間の境界の形状が、封止力に著しく寄与し得る。実施形態は、シールを改善するために、境界に対して複数回の方向変化を伴う蛇行経路を使用してよい。このような蛇行経路は、2つの潜在的な利点を提供する。1つには、蛇行経路によって、多方向へのプレス嵌め要素の動きに対する抵抗を提供することができる。もう1つには、蛇行経路によって、液体がシールから漏れ出すために進行しなければならない距離を延長し、これによって、耐漏性を改善することができる。動きに対する抵抗の方向は、境界面に対する法線ベクトルの方向によって定量化される。幾つかの実施形態では、境界経路は、上方、下方、前方および後方を含む異なる4方向に向けられた法線ベクトルを提供してよい。幾つかの実施形態は、より多くのまたはより少ない法線ベクトルを提供してよい。法線ベクトルは、平面または曲線に沿った特定のポイントにおいて平らであろうと湾曲していようと、表面に対して直交している。幾つかの実施形態では、境界面に対する法線ベクトルは、ほぼこれら4方向に向けられてよいものの、容器の前後軸線に対して垂直な鉛直平面の4象限全てのどこかに向けられてよい。全ての象限における法線ベクトルによって、プレス嵌め要素は、全ての方向において封止力を提供する。別の実施形態では、境界の蛇行経路は、方向を複数回変化させて、境界経路のそれぞれ異なる区分において複数または全ての方向に複数の法線ベクトルを提供してよい。例えば、1つ以上の実施形態では、4方向または4象限の各々に法線ベクトルを有する境界経路の少なくとも3つの異なる区分が存在していてよい。このような経路は封止力をさらに増大させる。
【0040】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、境界は、経路の始端と経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも2倍である第1のシール部分と第2のシール部分との間の接触経路を規定している。1つ以上の実施形態では、経路は、経路の始端と経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも2.5倍または経路の始端と経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも3倍または少なくとも4倍または少なくとも5倍である。シールを測定するための別のメトリクスは、シールがシールの基部またはシールの平らな部分から逸れる点で始まり、シールの各々の側方の間の接触経路に沿って、後ろ側でシールの平らな部分において当初の開始点に並ぶ点に達する、シールのための境界の経路を測定することを含んでいてよい。蛇行経路に対するこのメトリクスによって、少なくとも4、5、6、7、8、9または10超の比を得ることができる。さらに、シールはその内部に隙間を有していてよく、これによって、シールをより容易に開放することができる。隙間は、例えば、任意の凸部または空洞の各々の側で対称であってもよいし、非対称であってもよい。凸部の一方の側に隙間を含むことによって、例えば、シールを、隙間を有する側からより容易に開放することができる。
【0041】
1つ以上の実施形態では、プレス嵌め境界の蛇行経路は、プレス嵌め要素にわたる直線前後水平方向距離よりも大幅に長くなる。このより長い経路は、液体がシールから進出する経路を延長することによって封止を改善する。例えば、幾つかの実施形態では、境界経路の長さは、境界経路の始端と終端との間の前後水平方向距離の少なくとも2倍である。別の実施形態は、より大きな距離比を有するより長い境界経路すら使用してよい。
【0042】
本発明の1つ以上の実施形態は、圧力シールド要素を、シールを有する容器の前側に組み込んでいるか、あるいは、シールを有する容器の内側に付加的に組み込んでいる。1つ以上の実施形態では、耐漏性のシールは、容器の外面に近接して位置していて、少量のエラストマー材料によって容器から分離されている。この場合、圧力シールドは容器の内側に位置している。圧力シールド要素は、容器の外側の部分に加えられた外力に基づき生じることがある内圧に曝されたとき、例えば、容器が押し潰されたかまたは落下したときに、シールを漏れなしに閉鎖状態に保つ能力を大幅に向上させる。例えば、エラストマー製の容器が液体で満たされていて、その後、落下するかまたは急速に動かされると、液体の動きによって、力の方向に応じて、容器の壁とシールとに対して外向きに著しい内圧が発生することがある。十分な外向きの圧力はシールを係合解除して、漏れを生じさせるが、しかしながら、耐漏性のシールの実施形態は圧力シールドによって、圧力シールドを使用しない実施形態よりも大幅に高い圧力で力が圧力シールドに向けられた場合でも裂開しない。本発明者らは、少量の材料を圧力シールドの形態で特定の幾何学的な割合にて、例えば、中型の容器では約5%、幾つかの実施形態では2.5%未満、容器に加えることによって、特にシール自体の係合部分に材料を加えることなしに、つまり、張出し部および対応する窪みまたは空洞を有する雄形の部分または雌形の部分に材料を加えないことによって、耐漏性が、幾つかの実施形態では少なくとも300%、別の実施形態では少なくとも400%高まるという驚くべき結果を発見した。耐漏性のシールの雄形の部分および雌形の部分が、係合時にシールを実際に維持するシールの部分であるのに対して、圧力シールドは、シールを維持する雄形の部分および雌形の部分または相互係止式の要素を有する必要はないが、シールの全体的な耐漏性を少なくとも300%さらに耐漏性にする。このことは、圧力シールド要素がシールを直接維持しない、つまり、互いに係止するために使用する耐漏性のシールのプレス嵌め要素のように、鉛直方向でずらされた張出し部と、対応する窪みとによって互いに係止しないため、非常に驚くべきことである。
【0043】
改めて、容器の内側にある圧力シールドに加えられた圧力は、先行技術のシールに設けられたプレス嵌め要素に向かって先細る代わりに、著しく大きな領域にわたって伝播される。圧力シールドと組み合わされた耐漏性のシールを有する容器の実施形態は、例えば、同一のシール部分を有する特許文献8に記載された容器を基準として、本発明者らの容器の内部から漏れる液体に対して、幾つかの実施形態では少なくとも300%さらに耐漏性であり、別の実施形態では少なくとも400%さらに耐漏性である。このことは、少量の過剰の材料が使用され、容器に使用される材料の総量に対して無視できる程度でしかないことを考慮すると、驚くべきことである。さらに、圧力シールドは、液体、食品および細菌がとどまり、除去しにくいか、あるいは、清浄化しにくい空洞を形成している先行技術の装置のようにシール自体を取り囲んでいない。さらに、圧力シールドは、内部の液体がシールに圧力を加え得る領域を有する、つまり、シールが容器の内側に効果的に存在している先行技術の装置よりも過度に少ない過剰の材料を使用している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
特許ファイルまたは出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面を含む本特許公報または本特許出願公報の写しは、請求および必要な手数料の支払いに応じて庁により提供される。
【0045】
本開示を通じて伝える思想の上記の態様、特徴および利点ならびに別の態様、特徴および利点は、以下の図面に相俟って提示する以下のより具体的な説明からより明らかとなる。
【
図1】シールが閉鎖されている本発明の実施形態の斜視図である。
【
図2】例えば、1つの構成要素から形成されている場合のまたは上側の部分の一部と下側の部分の一部とを互いに取り付ける前の、
図1に示した実施形態の上側の閉鎖体および下側の閉鎖体ならびに上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の分解図である。
【
図3】
図2の上側の閉鎖体および下側の閉鎖体ならびに上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の側面図である。
【
図4】中央の水平な平面に対して相対的な
図3に示した閉鎖体およびプレス嵌め要素の側面図である。
【
図5】例えば太線で共通の境界を示した本発明の実施形態の上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の側面図である。
【
図6】本発明の実施形態の下側のプレス嵌め要素の詳細な特徴を示す図である。
【
図7】前側の縁部が後ろ側の縁部よりも長い本発明の実施形態の平面図である。
【
図8】前側の鉛直な空洞が後ろ側の鉛直な空洞よりも浅い本発明の実施形態の上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素を示す図である。
【
図9】
図8に示した本発明の実施形態のプレス嵌め境界を、この境界に対する水平な法線ベクトルと共に示す図である。
【
図10】
図8に示した本発明の実施形態のプレス嵌め境界を、この境界に対する鉛直な法線ベクトルと共に示す図である。
【
図11】
図8に示した本発明の実施形態のプレス嵌め境界を、この境界の経路長さと共に示す図である。
【
図12】1つの構成要素から形成されている場合のまたは例えば上側の要素の少なくとも一部と下側の要素の少なくとも一部とを取り付ける前の、閉鎖体の前側の縁部から左側の縁部の一部および右側の縁部の一部まで延在するシールのプレス嵌め要素を備えた本発明の実施形態の分解図である。この実施形態には、また、シールから前方に延在する上側のフラップおよび下側フラップも示してある。
【
図14】閉鎖体の前側の縁部から左側の縁部の一部および右側の縁部の一部まで延在するシールのプレス嵌め要素と、上側のフラップおよび下側のフラップであって、フラップを掴むことを容易にするために相互間に鉛直な隙間を有するように構成された上側のフラップおよび下側のフラップとを備えた本発明の別の実施形態を示す図である。
【
図15A】容器の内部に液体を収容するために先行技術で使用されているシールを示す図である。
【
図15B】容器の内部に液体を収容するために先行技術で使用されているシールを示す図である。
【
図15C】耐漏性が大幅に改善された本発明の実施形態に基づくシールを示す図である。
【
図16A】
図15Cのシールの上側の封止要素および下側の封止要素ならびに上側の耐圧要素および下側の耐圧要素を示す図である。
【
図16B】耐圧要素に対する幾何学形状が段部を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態を示す図である。
【
図16C】耐圧要素に対する幾何学形状が傾斜部を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態を示す図である。
【
図16D】耐圧要素に対する幾何学形状が湾曲面を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態を示す図である。
【
図16E】耐圧要素に対する幾何学形状が、歯を有する傾斜部を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態を示す図である。
【
図16F】耐圧要素に対する幾何学形状が線形でない形状を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態を示す図である。
【
図17】ほぼ直角三角形である断面を有する楔状の耐圧要素を備えた本発明の実施形態を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態のための封止要素および耐圧要素に対する例示的な寸法を示す図である。
【
図19A】それぞれ
図15Bの先行技術のシールの封止性能と(例えば
図15C~
図18に示した)本発明の実施形態のシールの封止性能との対比を示す図である。左から右に時間が経つにつれ、先行技術のシールは、4インチ(10.16cm)の高さから落下させると機能不全に陥る。
【
図19B】それぞれ
図15Bの先行技術のシールの封止性能と(例えば
図15C~
図18に示した)本発明の実施形態のシールの封止性能との対比を示す図である。加えられた耐圧要素を含む本明細書に詳述したシールの実施形態は、16インチ(40.64cm)の高さから落下させても機能不全に陥らない。
【
図20】実施形態を、例えばカラビナまたは別の装置の使用を通じて別の物体に結合することを可能にする接続穴としても知られている外側の穴を含む容器の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
ここから、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器について説明する。以下の例示的な説明には、本明細書を通して説明する思想のより十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載してある。しかしながら、当業者には、本明細書に記載した思想の実施形態が、本明細書に記載した特定の詳細の全ての態様を含めることなしに実施されてよいことが明らかである。別の例では、当業者に周知の特定の態様は、本開示を解りにくくしないように詳細に説明していない。革新的な概念の例が本開示を通じて記載してあるが、特許請求の範囲および任意の等価物の全ての範囲が本発明を定義するものであることに読み手は留意されたい。
【0047】
図1には、容器のシールが閉鎖されている本発明の実施形態が斜視図で示してある。幾つかの実施形態では、容器の材料はエラストマー、例えばシリコーンもしくは別種のゴムまたはポリマーを含んでいてよい。様々な実施形態では、別種の材料が含まれていてよい。幾つかの実施形態では、容器の幾つかの部分が剛性であってよい。別の実施形態では、これらの部分が可撓性であってよい。シリコーンを含む実施形態は、耐熱性の利点を提供する。したがって、例えば、このような実施形態は、容器内に収容された食品を加熱するために、オーブン内に配置することができる。幾つかの実施形態は、再使用されるように構成されていてよい。別の実施形態は、単回使用のために構成されていてよい。本発明の1つ以上の実施形態は、ショアAデュロメータスケールで70~80の硬さを有するエラストマーを容器100(および
図1の実施形態に加えて本明細書に詳述した別の全ての実施形態)へと形成することを含む。本発明の少なくとも1つの実施形態は、ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さ、あるいは、100ショアA未満の硬さを有するエラストマーを容器へと形成することを含む。
【0048】
図1には、上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102とを備えた容器の実施形態が示してある。上側の閉鎖体101は、前側の縁部110と、後ろ側の縁部111と、左側の縁部112と、右側の縁部113とを有している。図示の実施形態では、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とは、1つの要素から形成した場合に隣接しているか、または装置を形成するために複数の構成要素を使用する実施形態では、後ろ側、左側および右側の縁部に沿ってシームを介して接合した場合に隣接している。前側の縁部同士は持続的には接合されていないが、閉鎖時に接触し、前側の縁部から前方に延在する封止要素を介して閉鎖状態に保たれる。上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とは、これら両方の閉鎖体の一体成形を使用して形成または接合されてもよいし、エラストマー要素同士を互いに接合するための様々な別の方法を介して接合されてもよい。幾つかの実施形態では、容器が液体を漏れなしに保つことができるように、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体との間の接合部が隙間なしに連続的であることが望ましい。さらに、より肉厚のシール、例えばシール110は、容器を保持する一方で容器を落下させる機会を最小限に抑えるための触覚領域を提供している。したがって、シール110は、1つ以上の実施形態では、シールが十分に肉厚である場合、所望の内容物を安全に保つために、少なくとも容器のシール部分を構成するために使用される材料の静摩擦係数とシールの形状とに基づき、例えば上側(
図1、
図12および
図14に示した場合には右側)から容器を保持するための持ち手として構成されている。
【0049】
図2には、上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102とを別個に示した
図1の分解図が示してある。したがって、図示の容器は、2つの別個の部材から形成されてもよいし、両方の部材を同時に効率よく形成する1回の成形ステップで形成されてもよい。
図2は、容器を、互いに結合する前に構成された2つの別個の部材から構成するか、あるいは、構成するように要求することを示唆するものではない。むしろ、
図2は、同時に形成されて互いに結合されているにせよ、のちに互いに結合されるにせよ、容器の2つの部分または部材を示す分解図でしかない。したがって、2つの部材を有するように記載した本発明の実施形態は、容器100を製作するために、のちに互いに取り付けられる2つの別個の部材または互いに組み合わせるように形成された2つの部材という意味で普遍的である。
図1に示したように、上側の閉鎖体101は縁部110,111,112,113を有している。上側の閉鎖体101の前側の縁部110から前方へと、上側のプレス嵌め要素231が延在している。
図2には、下側の閉鎖体102の縁部、つまり、前側の縁部210、後ろ側の縁部211、左側の縁部212および右側の縁部213も認めることができる。図示の実施形態では、容器が閉鎖された場合、下側の閉鎖体の縁部210,211,212,213は、それぞれ上側の閉鎖体の縁部110,111,112,113に接触している。別の実施形態では、上側の閉鎖体の縁部と下側の閉鎖体の縁部とは、容器が閉鎖されている場合でさえ完全に接触していなくてよく、これによって、当業者が認識しているような、開口用もしくは穴を有する別の構造用のフラップまたは取付け要素が可能となる。下側の閉鎖体102の前側の縁部には、下側のプレス嵌め要素232が取り付けられている。図示の実施形態では、プレス嵌め要素は、閉鎖体半体の前側の縁部から前方に延在している。別の実施形態では、このようなプレス嵌め要素は、それぞれ異なる方向に向けられていてよい。例えば、幾つかの実施形態では、プレス嵌め要素は、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体の前側の縁部から後方に延在していてよく、つまり、巻き戻されていてよいか、あるいは、少なくとも側方の一部に一体化されていてよい。プレス嵌め要素の特定の位置は、容器を封止するために互いに嵌合することができる限り変更されてよい。幾つかの実施形態では、プレス嵌め要素は、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体の前側の縁部から左側の縁部の一部または右側の縁部の一部まで延在していてよい。改めて、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とは、成形プロセス中にまたは別個に互いに結合されてよく、
図2は分解図ではあるが、単一の容器の2つの部材を別個に形成し、次いで、あとで互いに取り付けることを要求することの指示を意図するものではない。
【0050】
図2に示した実施形態では、上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102とは、湾曲した形状を有しており、これによって、両者が互いに接合されたとき、容器により取り囲まれた内容積が存在する。幾つかの実施形態では、閉鎖体の材料および形状は、容器が空の場合でさえ内容積が存在するように、十分剛性であってよい。別の実施形態では、材料および形状は、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とが、容器が空の場合に肉薄のプラスチック袋のごとく互いに折り畳めるように、より可撓性であってよい。本発明の実施形態は、2019年9月10日に発行された本出願人の米国特許第10,407,217号明細書またはその子供の一部継続出願、つまり、2019年9月10日に出願された米国特許出願第16/566,799号明細書に教示されたように、裏返しに形成されてもよく、この仕様は参照により本明細書に援用され、本明細書に詳述した任意または全ての実施形態を構成するか、あるいは、形成するために使用されてよい。
【0051】
図3には、
図1および
図2に示した実施形態の側面図が示してあるが、改めて、別個に示した上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102とが、別個に形成されて互いに取り付けられるにせよ、1回の成形ステップで実質的に同時に形成されるにせよ、分解された形態で示してある。この側面図は、上側のプレス嵌め要素231と下側のプレス嵌め要素232とが、容器用のシールを提供するために、互いに嵌合されるように成形されて配向されていることをより明瞭に示している。この実施形態では、下側のプレス嵌め要素232は、三角形の上部を備えた凸部を有している。この凸部は上方に延在していて、上側のプレス嵌め要素231に設けられた対応する凹部内に嵌合される。別の実施形態は、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素とに対して互いに異なる形状を使用してよい。
【0052】
図4には、
図3に対して注釈を付した図が示してある。この実施形態において前後方向軸線に沿って延在する中央の水平な平面401は、上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102とが互いに接合される平面である。この実施形態では、上側の閉鎖体101の縁部は、下側の閉鎖体102の縁部と同様に平面401上に位置している。別の実施形態では、縁部が全て共通の平面上に位置する必要がないように、それぞれ異なる形状が使用されてよい。上側のプレス嵌め要素231の部分は、この実施形態では、平面401よりも下側に延在しており、下側のプレス嵌め要素232の部分は、この実施形態では、平面401よりも上側に延在している。別の実施形態では、1つ以上のプレス嵌め要素が、中央の水平な平面の一方の側に完全に位置していてよい。
図4には、また、上側の閉鎖体101が、水平な平面401よりも上側の取り囲まれた容積の高さ402を有しており、下側の閉鎖体102が、水平な平面401よりも下側の取り囲まれた容積の高さ403を有していることも示してある。この実施形態では、上側の閉鎖体と下側の閉鎖体とは、中央の水平な平面を跨いで互いにほぼ鏡像を成している。別の実施形態は、鏡像を成さない形状または共通の水平な平面上に平らな縁部を有していない形状を含めて、別の形状を使用してよい。異なる実施形態は、閉鎖時に容器により取り囲まれた容積に対して様々なサイズおよび形状を提供してよい。
【0053】
図5には、
図4に示した実施形態の上側のプレス嵌め要素231と下側のプレス嵌め要素232との側面図の詳細、つまり、断面図が示してある。プレス嵌め要素同士は、閉鎖されて封止された場合、共通の境界501において合致する。図示の実施形態では、下側のプレス嵌め要素は、中央の鉛直な凸部を有している。この凸部はその各々の側面に溝を有している。上側のプレス嵌め要素は、凸部を受け入れるための対応する凹部を有していて、下側のプレス嵌め要素の溝内に嵌合されるように下方に延在する凸部を有している。プレス嵌め要素の材料の厚さは、シールの強度に寄与する重要な要因である。
図5に示した実施形態では、厚さは、プレス嵌め要素にわたって変化している。例えば、プレス嵌め要素の後ろ側の縁部の近くでは、下側のプレス嵌め要素は厚さ504を有しており、上側のプレス嵌め要素は厚さ502を有している。下側の凸部の中央では、下側のプレス嵌め要素は厚さ505を有しており、上側のプレス嵌め要素は厚さ503を有している。1つ以上の実施形態では、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の平均材料厚さは、両者の共通の境界501にわたって、少なくとも0.25cmであり、別の実施形態では、最大0.5cmまでの任意の値であり、別の実施形態では、0.5cm~0.75cmの任意の値であり、別の実施形態では、1.0cmである。これらの範囲またはそれを上回る材料厚さは、閉鎖体が閉鎖されて封止された場合に耐漏性のシールを形成することに寄与することができる。例えば、約0.8cmのプレス嵌め要素の平均厚さを有する1つの実施形態では、容器が逆さにされた(前側が下方に向けられた)状態に保たれ、これによって、水がシールに圧力を加える場合でさえ、シールは、1~2カップの水を漏れなしに収容するのに十分であることが実験から判った。
【0054】
幾つかの実施形態では、プレス嵌め要素の形状および寸法が、シールの耐漏性に大幅に寄与することもある。
図6には、
図5に示した実施形態の下側のプレス嵌め要素232の詳細が示してある。この実施形態では、鉛直な凸部601が下側のプレス嵌め要素から上方に延在している一方、この鉛直な凸部の各々の側方に空洞606,607がある。別の実施形態は、容器のシールが閉鎖されるときに互いに嵌合される雄形の要素および雌形の要素として構成された異なる個数および形状の凸部および空洞を有していてよい。幾つかの実施形態では、主要の鉛直な凸部、例えば凸部601は、
図6に示したように、下側のプレス嵌め要素ではなく、上側のプレス嵌め要素に位置していてよい。図示のように、鉛直な凸部は対称であるものの、シールが所定の構成の所望の耐漏性のために成形される限り、任意の非対称の形状が使用されてもよい。さらに、耐漏性のシールの実施形態をエラストマーを使用して構成することによって、図示のような幾何学形状は、張出し部に係合することができる。この張出し部は伸長し、その後、知られているプラスチック袋に設けられた典型的なプラスチック製の張出し部よりも一桁広幅である対応する窪み内に延在する。このような張出し部は、このような袋に使用されるショアD範囲内のより剛性のプラスチックでは恐らく機能しない。
【0055】
図6に示した実施形態では、鉛直な凸部601は、この鉛直な凸部から水平方向外向きに延在する2つの水平な張出し部602,603を有している。これらの張出し部は、上側のプレス嵌め要素に設けられた対応する空洞内への挿入を容易にするための三角形の傾斜した上面を有している。張出し部は、また、凸部が上側の空洞内に挿入された後の開放に対する抵抗を提供する平らな水平な下面も有している。別の実施形態は、ただ1つの水平な張出し部または2つよりも多くの水平な張出し部を備えた鉛直な凸部を有していてよい。幾つかの実施形態では、鉛直な凸部が水平な張出し部を有していなくてよく、プレス嵌め要素の形状または材料の別の特徴が十分な封止力を提供してよい。
【0056】
図6に示した実施形態では、鉛直な凸部601は、中央の水平な平面401よりも上側に延在しており、空洞606,607は、中央の水平な平面401よりも下側に延在している。プレス嵌め要素の構成要素のこの配置は、封止要素を上側の閉鎖体および下側の閉鎖体に対して相対的にセンタリングする効果を有している。このような設計は、プレス嵌め要素に比較的肉厚の材料を用いる実施形態に対して重要な利点を有することができる。なぜならば、さもないと、シールが、上側の閉鎖体または下側の閉鎖体の外面よりも著しく上側または下側に延在してしまう可能性があるからである。比較のために、極めて肉薄のプラスチック袋は、袋の1つの面よりも十分に上側に延在する凸部を有しかつ袋の同面よりも下側の対応する空洞を有していない封止要素を有していてよい。このような設計は、極めて肉薄の封止要素では許容可能であるものの、このようなシールは、より肉厚の材料を有するシールほど耐漏性でないことがある。
【0057】
図6に示した鉛直な凸部601は、空洞606,607を越える鉛直な高さ604を有しており、水平な張出し部602は、(後ろ側から前側に測定して)幅605を有している。本発明の1つ以上の実施形態では、1つ以上の鉛直な凸部は、少なくとも0.2cmの高さ604、例えば、上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素の総厚さの80%または任意の別の割合の高さを有しており、別の実施形態では、0.4cm~0.6cmの任意の値の高さを有しており、別の実施形態では、0.8cmの高さを有している。別の実施形態では、鉛直な凸部から延在する1つ以上の水平な張出し部は、少なくとも0.1cmの幅605または0.1cmよりも大きな任意の値、例えば0.2cm以上の値を含めた任意の別の幅を有している。これらの例示的な値のような寸法は、容器を耐漏性にするより高い封止力に寄与することができる。幾つかの実施形態は、これらの例示的な寸法を個々の鉛直な凸部および水平な張出し部が下回っているとしても、十分な総封止力を提供する複数の鉛直な凸部または複数の水平な張出し部を有していてよい。1つ以上の実施形態では、シールの幅は、より高い耐漏能力またはより低い耐漏能力を提供するために変更されてよい。
【0058】
図7には、上側の閉鎖体101を示した本発明の実施形態の平面図が示してある。この実施形態では、前側の縁部110の長さ701が、後ろ側の縁部111の長さ702よりも大きい。したがって、上側の閉鎖体101の縁部は、長方形ではなく、ほぼ台形を形成している。このような実施形態は、物品を容器の開口内に配置するかまたは容器から取り出すことがより容易であるという潜在的な利点を提供する。なぜならば、前側の縁部110に沿った開口がより大きいからである。このような設計は、封止要素がより大きて、より肉厚である場合に特に有利であり得る。なぜならば、より大きくて、より肉厚の封止要素は、左側の縁部および右側の縁部で一緒に摘まれる傾向にあり得るからである。
【0059】
図8には、本発明の別の実施形態の上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との詳細な側面図が示してある。この実施形態では、下側のプレス嵌め要素232は、鉛直な凸部601と、この鉛直な凸部の各々の側に設けられた空洞606,607とを有している。この基本的な構造は、
図6に示した実施形態の構造と同じである。しかしながら、
図8の実施形態では、後方の鉛直な空洞607が、前側の鉛直な空洞606の深さ802よりも大きい、中央の水平な平面401よりも下側の深さ801を有している。この非対称性は、シールを前側から開放し始めるために必要となる力の量が減じられる一方、容器の内側からシールを押圧する圧力に抵抗するために、より深い空洞が後方に維持されるという潜在的な利点を提供する。したがって、このことは、シールの耐漏性が、容器を開放するために使用者が必要とする力に影響を与えることを軽減する一方、この耐漏性に寄与している。別の実施形態は、開放力が軽減された強力なシールという同じ目的を達成するために、空洞および凸部の配置および寸法が異なる別の非対称の形状を提供してよい。
【0060】
本発明の1つ以上の実施形態は、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との間の境界に蛇行経路を部分的に使用することによって耐漏性を提供する。シールが閉鎖されている場合、シール内の隙間を通流する液体は、この蛇行経路全体を進まなければならない。
図8には、このような隙間、つまり、接触点820で始まり、シールを左側から右側に接触点821(ここから隙間が始まる)にまで進んだときの、水平な幅B1を有する第1の接触境界と、接触点822(ここで隙間が終わる)で始まり、シールを左側から右側に接触点823にまで進んだときの、水平な幅B2を有する第2の接触境界との間の水平な幅G1を有する隙間を隙間819で示してある。これによって、より長くて、より曲がりくねった経路が、シールの耐漏性を高める。異なる実施形態は、このような蛇行経路に対して様々な形状を使用してよい。
【0061】
本発明の実施形態は、多方向の力に抵抗するために、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との対向面を提供する。これらの多方向の対向面は、シールの強度とシールの耐漏性とに寄与している。1つ以上の実施形態では、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との間の対向力が、多方向に存在しているかまたは例えば4つの方向、つまり、(側面図で見たときの)上方、下方、前方および後方の各々に存在している。幾つかの実施形態では、対向力の方向は、前側の縁部に対して垂直な平面の4象限全てに存在しているものの、正確に鉛直軸線および水平軸線に沿っていなくてよい。このような実施形態は、対向力を全4方向に効率よく提供する。なぜならば、実際の力のベクトルの和が、正および負の鉛直方向および水平方向の成分を含んでいるからである。
【0062】
1つ以上の実施形態では、共通の境界の複数の区分が、各々の方向の力に対する抵抗を提供する。様々な方向の力抵抗を提供する複数の区分によって、シールの強度をさらに高めることができる。
【0063】
上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との間の対向力の方向は、上側のプレス嵌め要素と下側のプレス嵌め要素との間の共通のプレス嵌め境界に対する法線ベクトルによって表される。
図9には、
図8に示した本発明の実施形態に対するこの境界901が示してある。
図9には、この境界に対して多数の水平な法線ベクトルが示してある。法線ベクトル902,903,904,905は前側に向かって水平である。法線ベクトル906,907,908は後ろ側に向かって水平である。この実施形態では、水平方向前向きの少なくとも4つの法線ベクトルが、それぞれ境界の異なる区分に存在しており、水平方向後ろ向きの少なくとも3つの法線ベクトルが、それぞれ境界の異なる区分に存在している。
【0064】
図10には、
図9に示した実施形態に対する鉛直な法線ベクトルが示してある。この実施形態では、法線ベクトル1001,1002,1003が鉛直方向上向きであり、法線ベクトル1004,1005,1006,1007が鉛直方向下向きである。したがって、この実施形態では、鉛直方向上向きの少なくとも3つの法線ベクトルが、それぞれ境界の異なる区分に存在しており、鉛直方向下向きの少なくとも4つの法線ベクトルが、それぞれ境界の異なる区分に存在している。
【0065】
図9および
図10には、境界の少なくとも3つの異なる区分が前向き、後ろ向き、上向きおよび下向きの各々の法線ベクトルを有する本発明の例示的な実施形態が示してある。図示の実施形態は、各々の方向に力を提供するために向きを複数回変える蛇行境界を有している。本発明の別の実施形態は、所定の軸線にアライメントされている必要がなく、むしろ、正確に鉛直軸線および水平軸線に沿ってアライメントされているか否かにかかわらず、前側の縁部に対して垂直な平面の4象限に存在している4方向の各々の法線ベクトルに対して1つの区分しか提供しないか、または4方向の各々の法線ベクトルに対して3つよりも多くの区分を提供してよい。幾つかの実施形態では、水平な圧力に対するシールの耐性を高めるために、水平方向の力に対する法線ベクトルを提供するより多くの区分が存在していてよい。本発明の異なる実施形態は、この実施形態の容器の用途に見込まれる力に対して最適化された境界経路形状を使用してよい。様々な実施形態では、境界の区分は、用途に適するように平らであってもよいし、尖っていてもよいし、湾曲していてもよいし、区分されていてもよいし、これらの任意の組合せであってもよい。
【0066】
図11には、シールの一番左側の水平な長さの部分がシールの他方の半体における対応する部分に接触しているシールの蛇行経路の例示的な実施形態が示してある。この場合、長さは1.0である(図示の長さは互いに相対的なものでしかない。つまり、長さは任意の特定の単位で表現したものではない)。図示の実施形態では、蛇行境界経路の全長1103が17.5である。経路の始端と終端との間の水平方向距離1101は7.0である。したがって、経路長さは水平方向距離の約2.5倍である。あとで詳細に説明する
図16A~
図16Eに関して示したように、圧力シールドを使用する本発明の実施形態は、境界の幅に長さを加算して、概して分母を増加させる。
図16Aでは、圧力シールドの幅1601hが約1.0であり、したがって、上記の計算は17.5/(7.0+1.0)=2.2となる。水平方向距離に対する経路長さのこの比は、境界経路が蛇行して向きを変える程度を定量化したものであり、このことは、封止力および耐漏性に寄与している。例えば、接触領域の水平部分がより大きい場合またはシールに設けられた張出し部がより短い場合などに、本発明の幾つかの実施形態は、経路の始端と終端との間の水平方向距離の少なくとも2倍の境界経路長さを有している。例えば、別の実施形態は、経路の始端と経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも3倍または少なくとも4倍または少なくとも5倍である経路長さを有していてよい。シールを測定するための別のメトリクスは、シールがシールの基部またはシールの平らな部分から逸れる点で始まり、シールの各々の側方の間の接触経路に沿って、後ろ側でシールの平らな部分において当初の開始点に並ぶ点に達する、シールのための境界の経路を測定することを含んでいてよい。蛇行経路に対するこのメトリクスによって、少なくとも4、5、6、7、8、9または10超の比を得ることができる。図示のように、耐漏性のシールの雄形の部分としてただ1つの凸部を使用する場合、例えば、シールが、雄形の構成要素として「クリスマスツリー」形状の上側の部分を備えて形成されているにすぎない場合には、比は、A=(0.3+0.5+0.3+1.4)×2(両側が対称であるため)=5.0を基部の幅=1.1で除算することで4.5の比が得られるように計算される。このメトリクスを両方のレベルの張出し部、つまり、図示のようなシールであるものの、シールの任意のタイプの側方の部分を使用して計算する場合または側方の部分を全く使用せずに計算する場合には、比は、上記のように計算されるものの、加算するために下側の部分を使用して計算され、つまり、B=(0.5+0.7+0.2+1.0)×2(ほぼ対称であるため)=4.8である。したがって、A+B、つまり、シールの完全な「クリスマスツリー」の実施形態の全長は9.8に等しい。計算のための基礎部分として働くシールの下側の部分の幅は、図示のように1.2であり、この結果、約8の比が得られる。与えられた基部に対して経路が長ければ長いほど、そのぶんだけ比は高くなり、概して、そのぶんだけシールが耐漏性となる。圧力シールドを使用する本発明の実施形態では、このような計算は変わらない。なぜならば、このような計算が、シールの係合部分の側方に対するメトリクスを含んでいないからである。この幾何学形状は、ショアDスケールで測定された剛性を有するプラスチックのような材料を使用する場合には簡単に係合および係合解除することはできず、ショアAスケールの中間範囲内の剛性尺度を有するエラストマーは、係合に際して伸長して、張出し部を、シールの対向部分に設けられた対応する空洞内に配置することができる。具体的には、実施形態は、ショアAデュロメータスケールで70~80の硬さを有するエラストマーを使用して構成されていてよい。本発明の少なくとも1つの実施形態は、ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーを容器およびシールへと形成することを含んでいる。
【0067】
本発明の幾つかの実施形態は、シールの耐漏性を高めるために、複数の技術を使用する。例えば、
図8に示した実施形態は、水平方向距離の2倍よりも多い長さの蛇行境界経路と、上方、下方、後方および前方の4方向の各々の3つ以上の法線ベクトルとを提供する。幾つかの実施形態では、このような技術は、耐漏性をさらに高めるために、プレス嵌め要素に対する高い平均材料厚さまたは別の寸法変更もしくは材料変更と組み合わされてよい。
【0068】
本発明の1つ以上の実施形態では、シールのプレス嵌め要素は、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体の左側の縁部もしくは右側の縁部またはその両方の部分に延在していてよい。
図12には、プレス嵌め要素が、前側の縁部に加えて、左側の縁部および右側の縁部の前側の部分にも沿って位置している実施形態が示してある。
図12には、上側の閉鎖体101と下側の閉鎖体102との分解図が示してある。この実施形態では、上側のプレス嵌め要素231は、左側112の近位の部分1201と、右側113の近位の部分1202とを有している。同じく、下側のプレス嵌め要素232は、左側212の近位の部分1203と、右側213の近位の部分1204とを有している。図示の実施形態では、プレス嵌め要素は、前側の縁部と、左側の縁部および右側の縁部との間の角隅を巡って湾曲している。別の実施形態では、プレス嵌め要素は、前側の縁部から左側の縁部および右側の縁部に延在するように、角隅において直角を成していてもよいし、任意の湾曲したまたは多角形の形状を形成していてもよい。実施形態は、角隅に対して、円形、長円形、楕円形または任意の別の形状であってよい湾曲した形状を使用してよい。実施形態は、角隅に対して、方形であってよい多角形の形状を使用してもよいし、区分同士の間に任意の角度を有する複数の区分を使用してもよい。幾つかの実施形態では、プレス嵌め要素は、左側の縁部または右側の縁部のうちの一方にしか延在していなくてよい。プレス嵌め要素が左側の縁部および右側の縁部に延在する実施形態の潜在的な利点は、容器の開口がより広幅になって、物体の出し入れが容易になり得ることである。
【0069】
本発明の1つ以上の実施形態では、容器は、開口の近くに上側のフラップもしくは下側のフラップまたはその両方を含んでいてよい。これらのフラップは、例えば、容器の開閉時に容器の縁部を掴むために使用されてよい。
図12には、上側のフラップ1210と下側のフラップ1211とを備えた本発明の実施形態が示してある。幾つかの実施形態では、両方ある場合、上側のフラップと下側のフラップとの形状およびサイズは互いに異なっていてよい。このことは
図12に示してある。同図では、上側のフラップ1210が、上側の前側の縁部のほぼ中間の1/3の部分から延在する弧部を形成しているのに対して、下側フラップ1211は、下側の前側の縁部全体に沿って延在している。
【0070】
図13には、閉鎖位置で示した、
図12に示した実施形態の前側の詳細図が示してある。
図13に示したように、この実施形態では、下側のフラップ1211が上側のフラップ1210よりもさらに前方に延在している。互いに異なるサイズのフラップを使用する実施形態は、使用者がフラップのうちの一方を掴んで開放し始めることをより容易にすることによって、開放を容易にすることができる。異なる実施形態は、上側のフラップおよび下側のフラップに対して同じ形状を有する対称の設計および
図13に示したような非対称の設計を含めて、互いに異なるサイズおよび形状のフラップを使用してよい。
【0071】
図14には、開放のためにフラップを掴むことを容易にすべく、上側のフラップと下側のフラップとの間に鉛直の隙間を有する本発明の実施形態が示してある。この実施形態では、上側のフラップ1210は、下側のフラップ1211から距離1401だけ鉛直方向でずらされた湾曲した形状を有している。この形状によって、使用者が自分の指をフラップ同士の間のスペース内に挿入することがより容易になり得る。この実施形態では、下側のフラップ1211は、フラップを掴むことを補助するために、容器の前側の縁部に対して平行に延在する連続した張出し部を有している。
図14に示した実施形態では、プレス嵌め要素は、前側の縁部に加えて、左側の縁部および右側の縁部の前側の部分にも沿って位置している。上側のプレス嵌め要素231は、左側112の近位の部分1201と、右側113の近位の部分1202とを有している。同じく、下側のプレス嵌め要素は、左側の縁部および右側の縁部に延在している。この実施形態では、プレス嵌め要素は、前側の縁部と、左側の縁部および右側の縁部との間の角隅を巡って湾曲している。
【0072】
本発明の1つ以上の実施形態は、圧力シールド要素を、シールを有する容器の前側に組み込んでいるか、あるいは、シールを有する容器の内側に付加的に組み込んでいる。この要素は、容器の外側の部分に加えられた外力に基づき生じることがある内圧に曝されたとき、例えば、容器が押し潰されたかまたは落下したときに、シールを漏れなしに閉鎖状態に保つ能力を大幅に向上させる。例えば、エラストマー製の容器が液体で満たされていて、その後、落下するかまたは急速に動かされると、液体の動きによって、力の方向に応じて、容器の壁とシールとに対して外向きに著しい内圧が発生することがある。十分な外向きの圧力はシールを係合解除して、漏れを生じさせるが、しかしながら、耐漏性のシールの実施形態は圧力シールドによって、圧力シールドを使用しない実施形態よりも大幅に高い圧力で力が圧力シールドに向けられた場合でも裂開しない。本発明者らは、少量の材料を圧力シールドの形態で特定の幾何学的な割合にて、例えば、中型の容器では約5%、容器に加えることによって、特にシール自体の係合部分に材料を加えることなしに、耐漏性が少なくとも300%、幾つかの実施形態では少なくとも400%高まるという驚くべき結果を発見した。
【0073】
図15A、
図15Bおよび
図15Cには、それぞれ2つの先行技術のシールおよび耐圧要素が加えられた改良されたシールが示してある。特に
図15Aおよび
図15Bには、関連技術の部分の説明にて記載したような先行技術において公知のシールが表してある。
図15Cには、プレス嵌め封止要素1520と容器1500の液体(または別の)内容物との間に位置する付加的な圧力シールド要素1501,1502を備えた本発明の強化されたシールの例示的な実施形態が示してある。圧力シールド要素1501,1502は、本出願人の特許文献8の
図15Bに示したシール1520にも、別の先行技術のシール、例えば
図15Aのシールにも存在していない。(これら2つの要素が接し合う箇所の真下に示した)この領域の実質的に平坦な部分に加えられた圧力は、前述したような本出願人の特許文献8のシール1520に設けられたプレス嵌め要素に向かって先細る代わりに、著しく大きな領域にわたって伝播される。
図15Cに示したシールの実施形態は、容器の内部からの液体に対して、特許文献8に教示されているような
図15Bの耐漏性よりも少なくとも300%、幾つかの実施形態では400%高い耐漏性を有している。このことは、少量の過剰の材料が使用され、容器に使用される材料の総量に対して無視できる程度でしかないことを考慮すると、驚くべきことである。
【0074】
図16Aには、
図15Cに関して記載したような耐圧要素を備えたシールの例示的な実施形態の詳細が示してある。図面には、容器の前側の縁部の部分の断面図が示してあり、容器の取り囲まれた容積は、前側の縁部に沿って左側に示してあり、シールは、前側の縁部に沿って右側に示してある。図示の全ての要素は、例えばエラストマー製であってよい。シールは、上側のプレス嵌め要素231と、下側のプレス嵌め要素232と、これに加えて、上側の圧力シールド要素1501と、下側の圧力シールド要素1502とを含んでいる。シールが閉鎖されている場合、上側の圧力シールド1501は、下側の圧力シールド1502の上面1602hに接触する下面1601hを有している。1つ以上の実施形態では、これらの面1601h,1602hは比較的平らであってよく、閉鎖体の中央の水平な平面401に対してほぼ平行であってよい。
【0075】
両方の圧力シールド部分は、閉鎖体の内容積に面した内面も有している。上側の圧力シールド1501は内面1601vを有しており、下側の圧力シールド1502は内面1602vを有している。1つ以上の実施形態では、これらの内面は実質的に平らであってよく、中央の水平な平面401に対して実質的に垂直であってよい。内面は実質的に平らな表面であるので、閉鎖体の内容物に基づく圧力は、圧力シールド部分にわたって伝播され、これによって、この圧力が封止要素231,232をこじ開ける傾向が減じられている。例えば、内面1601vに加えられる圧力1611には、上側の圧力シールドに基づく反応力1621が抵抗し、内面1602vに加えられる圧力1612には、下側の圧力シールドに基づく反応力1622が抵抗する。内面1601v,1602vは、その部分が、発明者らの特許文献8の設計で
図15Bに示したように凹状でなく、また、
図15Aに示したように、液体がシールの係合部分の側方を取り囲むように進むことが可能となることでシールに圧力を加える箇所で凸状でなければ、実質的に平坦と異なる任意の形状であってよい。したがって、内面1601v,1602vは平らである必要はなく、中央の平面に対して直交しているものの、0°でない角度で接し合い、平らな表面または湾曲面であってもよい。
【0076】
図16Bには、圧力シールドに対する幾何学形状が段部1502bを含むことで僅かに異なる
図16Aの実施形態の変化形態が示してある。この実施形態では、下側の圧力シールド1502bは、中央の水平な平面401よりも上側に延在する部分を有しており、上側の圧力シールド1501bは、この部分に合致する対応する切欠きを有している。
図16Aおよび
図16Bに示した圧力シールドの形状は例示的なものである。1つ以上の実施形態は、図示のサイズおよび形状と異なるサイズおよび形状の圧力シールドを使用してよい。
【0077】
図16Cには、耐圧要素に対する幾何学形状が傾斜部1502cを含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態が示してある。1501cと1502cとの接合部は、圧力が要素231,232を互いに裂開することを阻止するようにも構成されている。
【0078】
図16Dには、耐圧要素に対する幾何学形状が圧力シールドの内部に湾曲面を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態が示してある。1501dと1502dとの接合部は、圧力が要素231,232を互いに裂開することを阻止するようにも構成されている。
【0079】
図16Eには、耐圧要素に対する幾何学形状が、歯を有する傾斜部を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態が示してある。1501eと1502eとの接合部は、圧力が要素231,232を互いに裂開することを阻止するようにも構成されている。
【0080】
図16Fには、耐圧要素に対する幾何学形状が線形でない形状を含むように変更された
図16Aの実施形態の変化形態が示してある。1501fと1502fとの接合部は、圧力が要素231,232を互いに裂開することを阻止するようにも構成されていて、圧力を耐圧要素1501f,1502fの接合部から離れる方向に逸らす。
【0081】
図17に示した実施形態では、圧力シールドは、エラストマー製の容器の前側の縁部に沿って延在するほぼ楔状のストリップである。この楔状部は、ほぼ直角三角形である断面積を有している。図示のように、上側の圧力シールド1501の断面積は直角三角形1701にほぼ等しく、下側の圧力シールド1502の断面積は直角三角形1702にほぼ等しい。図示の実施形態では、三角形1701は三角形1702よりも高いが、この三角形1702と同じ幅である。1つ以上の実施形態は、
図16B~
図16Eに示したような、三角形と異なる形状の断面を有する圧力シールドを使用してもよいし、任意の所望の相対的なサイズ(
図15Cまたは
図18参照)の三角形の断面を有する圧力シールドを使用してもよい。
【0082】
図18には、本発明の例示的な実施形態に対する寸法が示してある。上側の圧力シールド1501の内面は長さ1801を有しており、下面は幅1803を有している。下側の圧力シールド1502の内面は長さ1802を有しており、上面は幅1803を有している。上側の圧力シールド1501および下側の圧力シールド1502はほぼ三角形であるので、(水平軸線401に沿った)それらの平均厚さは、長さ1803の約半分であるかまたは約1.75ミリメートルであり、各々の圧力シールド側面の高さは、10.7mm+4.4mmまたは約15mmである。(封止要素、例えばプレス嵌め要素または圧力シールドを含まない)閉鎖体の壁は平均厚さ1804を有している。したがって、この実施形態では、2つの圧力シールドの平均厚さは、閉鎖体壁の平均厚さ1804の2.5倍よりも大きい。しかしながら、全体として、圧力シールドは、シールに加えられる比較的少量の材料を表している。三角形の断面の、長さ1803を有する水平な辺は、0.5cm未満であり、三角形の断面の、長さ1801,1802を有する鉛直な辺は、それぞれ1.5cm未満である。加えられる材料の量に関して、0.6mmの壁厚さ1804を有する図示の実施形態では、圧力シールド部分、つまり、(
図17に示した)1601vおよび1602vを形成する加えられる材料の量は、材料の量は、おおよそ、1/2×各々の三角形の幅×高さ、つまり、1/2×2.5mm×10.7mmまたは13.4mm
2および1/2×2.5mm×4.4mmまたは5.5mm
2である。2つの圧力シールド部分が合計18.9mm
2であるのに対して、耐漏性のシール自体には、図示のような断面では、90mm
2を上回る材料が存在している。例えば、175mmの高さ、50mmの深さおよび0.6mmの壁厚さを有する容器の実施形態では、断面における材料の量は、おおよそ、2×高さ+2×深さであるかまたは長さ450mmであり、これに壁厚さを乗算し、これによって、270mm
2が得られ、シールの断面と合計すると、360mm
2が得られる。したがって、合計18.9mm
2である圧力シールド部分は、容器に使用される材料の約5%の増加で少なくとも300%の耐漏性の向上を達成する。より肉厚の壁を備えた長持ちする構成の容器は、全体的により高い量の材料を有しており、したがって、2倍の厚さの壁を備えた容器のために必要となる過剰の材料の量は、2.5%未満である。
【0083】
上側のプレス嵌め要素および下側のプレス嵌め要素にも例示的な寸法が示してある。下側のプレス嵌め要素の(鉛直方向における)最大厚さは、1806で示したように長さ7.7mmであり、平均厚さは、1808で示したように少なくとも2.5mmである。上側のプレス嵌め要素の最小厚さは、1805で示したように1.4mmであり、平均厚さは、1807で示したように少なくとも2.5mmである。
【0084】
図19Aおよび
図19Bには、先行技術と比較した本発明の実施形態の例示的な性能が示してある。
図19Aには、液体で満たされていて、一番左側のフレーム1901に示したような約4インチ(約10.16cm)である高さH1から落下させた、(
図15Bに示したような)シール1520を備えた閉鎖体のビデオの2つのフレームが示してある。右側のフレームに示したように、衝突時にシール機能不全1902が生じ、液体が閉鎖体から漏れ出す。
図19Bには、液体で満たされていて、1903で示したような、
図19Aの4倍の高さである約16インチ(約40.64cm)である高さH2から落下させた、(
図15Cに示したような)シール1520と上側の圧力シールド1501および下側の圧力シールド1502とを有する閉鎖体のビデオの5つのフレームが示してある。衝突1904時には、シールと圧力シールドとが閉鎖体を閉鎖状態に保っており、液体は漏れ出さない。
【0085】
図20には、例えば、成形されたエラストマー製の容器を外部の物体に結合するための接続穴としても知られている外側の穴であってよい穴2001を有する支持部2002を備えている容器の実施形態が示してある。例えば、本発明の実施形態は、カラビナ、クリップ、ロープ、弾性的なバンド、リングまたは別の装置の使用を通じて穴2001を介して外部の物体に結合されてよい。
【0086】
定義
エラストマー - 室温で当初の長さの少なくとも2倍に繰り返し延伸させることができ、応力を即座に除去すると、勢いよくほぼ当初の長さに戻る材料のこと。
【0087】
境界 - 耐漏性のシールが閉鎖されているときの第1のシール部分と第2のシール部分との間の接触の開始点と接触の終端点との間の第1のシール部分または第2のシール部分の表面の長さのこと。隙間を有していないシール輪郭では、境界は、要素1601の表面に沿って測定されるにせよ、要素1602の表面に沿って測定されるにせよ、同じ長さである。隙間を有するシール輪郭では、経路の計算に使用される境界は、第1のシール部分または第2のシール部分の表面の長さであり、シールの幾つかの部分の間に接触が存在しない隙間を有するシールでは、雌形の部分が、概して、より大きな境界を有している。この場合、大きい方の数字または小さい方の数字を使用して、経路の長さを示すことができる。
図16A~
図16Bも参照のこと。
【0088】
耐漏性のシール - 保存および輸送中、シールを維持するために外部の構造の支援なしに、容器からの液体および固形物の漏れに抵抗するシールのこと。
【0089】
~に結合され - 単一の容器に関して、容器は、容器の全ての部材が形成され、ひいては、成形プロセス中に互いに結合される一体化用の型内で製作されてよく、この場合、結合材料は容器材料自体、つまり、エラストマーまたはプラスチックまたは熱可塑性エラストマーである。単一の容器は、また、部材を互いに結合して単一の容器を形成する前に形成された部材から製作されてもよい。いずれの場合にも、単一の容器は、全て互いに結合された複数の部材を有している。さもないと、これらの部材はばらばらになってしまう。
【0090】
対応する窪み - 凸部の形状と凹部の形状とは、例えば閉鎖されているとき、シール内に隙間がない場合には互いに同じ形状であってよく、シールが隙間を有している場合には互いに異なる形状であってよい。さらに、凸部と凹部とは、互いに異なる形状であってよく、これによって、閉鎖されているとき、シールの長さに沿って少なくとも1つの接触境界が存在している。いずれの場合にも、張出し部に対する対応する窪みは、同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。これらの要素によって、プレス嵌め要素同士を互いに、つまり、これらの対応する窪み内に嵌合される鉛直方向でずらされた張出し部を介して係止することが可能となる。
【0091】
本明細書に開示した思想を特定の実施形態およびその用途を用いて説明してきたが、当業者であれば、これに対して、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなしに、数多くの変更および変形を成すことも可能である。
【0092】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0093】
実施形態1
一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器であって、該成形されたエラストマー製の容器は、
エラストマーと、
前記エラストマーを含む上側の閉鎖体および下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体は、中央の水平な平面に位置しているかまたは中央の水平な平面よりも上側に位置しており、前記下側の閉鎖体は、前記中央の水平な平面に位置しているかまたは前記中央の水平な平面よりも下側に位置しており、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記成形されたエラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されており、前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の各々は、前記内容積への入口を提供するために動かせるように構成された前側の縁部と、該前側の縁部と反対側の後ろ側の縁部と、左側の縁部と、該左側の縁部と反対側の右側の縁部とを備え、前記上側の閉鎖体は、前記後ろ側の縁部、前記左側の縁部、前記右側の縁部および前記前側の縁部のうちの1つ以上の縁部の部分に沿って前記下側の閉鎖体に結合されている、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と、
前記エラストマーを含み、前記成形されたエラストマー製の容器を開閉するように構成された耐漏性のシールであって、該耐漏性のシールは、前記下側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の下側のプレス嵌め要素と、前記上側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の上側のプレス嵌め要素と、前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、下側の圧力シールド上面と、前記内容積に面した下側の圧力シールド内面とを備える下側の圧力シールドと、前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、上側の圧力シールド下面と、前記内容積に面した上側の圧力シールド内面とを備える上側の圧力シールドとを備え、前記下側のプレス嵌め要素の上面は、前記上側のプレス嵌め要素の下面に対応しており、これによって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記上面と前記下面とが、境界において接触しており、該境界にわたる前記下側のプレス嵌め要素の平均厚さは、少なくとも0.25cmであり、前記境界にわたる前記上側のプレス嵌め要素の平均厚さは、少なくとも0.25cmであり、前記下側の圧力シールド上面と前記上側の圧力シールド下面とは、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに接触しており、前記下側の圧力シールド内面と前記上側の圧力シールド内面とは、実質的に平らであって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記中央の水平な平面に対して実質的に垂直であり、前記下側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記上側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記耐漏性のシールは、前記成形されたエラストマー製の容器に一体化されており、前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部を備え、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部が水平方向に延在しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止され、前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは、前記成形されたエラストマー製の容器を封止するために互いに嵌合され、前記上側の圧力シールドと前記下側の圧力シールドとは、互いに接触するものの、互いに係止されない、耐漏性のシールと
を備える、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0094】
実施形態2
前記成形されたエラストマー製の容器は、前記耐漏性のシールを含めない前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の平均厚さを有する平均閉鎖体厚さを有し、該平均閉鎖体厚さは、少なくとも0.05cmであり、前記下側の圧力シールドの前記平均厚さは、前記平均閉鎖体厚さの少なくとも2.5倍であり、前記上側の圧力シールドの前記平均厚さは、前記平均閉鎖体厚さの少なくとも2.5倍である、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0095】
実施形態3
前記下側の圧力シールドは、前記エラストマーの実質的に楔状のストリップを備え、前記中央の水平な平面に対して垂直かつ前記下側の閉鎖体の前記前側の縁部に対して垂直な平面に沿った前記下側の圧力シールドの断面は、実質的に、前記下側の圧力シールドの前記上面に沿った水平な下側の辺と、前記下側の圧力シールド内面に沿って前記水平な下側の辺に対して垂直である鉛直な下側の辺とを有する直角三角形であり、前記上側の圧力シールドは、前記エラストマーの実質的に楔状のストリップを備え、前記中央の水平な平面に対して垂直かつ前記上側の閉鎖体の前記前側の縁部に対して垂直な平面に沿った前記上側の圧力シールドの断面は、実質的に、前記上側の圧力シールドの前記下面に沿った水平な上側の辺と、前記上側の圧力シールド内面に沿って前記水平な上側の辺に対して垂直である鉛直な上側の辺とを有する直角三角形である、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0096】
実施形態4
前記水平な下側の辺および前記水平な上側の辺の長さは、0.5cm以下であり、前記鉛直な下側の辺および前記鉛直な上側の辺の長さは、1.5cm以下である、実施形態3記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0097】
実施形態5
前記耐漏性のシールは、前記成形されたエラストマー製の容器を保持するように構成された持ち手として構成されており、または前記容器は、前記成形されたエラストマー製の容器を外部の物体に結合するための穴を有する支持部を備える、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0098】
実施形態6
前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記前側の縁部の幅は、前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記後ろ側の縁部の幅よりも大きい、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0099】
実施形態7
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、少なくとも1つの雄形の要素もしくは少なくとも1つの雌形の要素をさらに備え、または前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記鉛直な凸部から水平方向に延在する鉛直方向でずらされた複数の張出し部を備える、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0100】
実施形態8
前記エラストマーはシリコーンである、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0101】
実施形態9
前記エラストマーは、ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有する、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0102】
実施形態10
前記エラストマーは、ショアAデュロメータスケールで70~80の硬さを有する、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0103】
実施形態11
前記鉛直な凸部の高さは、少なくとも0.2cmであり、前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部のうちの1つの張出し部の後ろ側から前側まで測定した幅は、少なくとも0.1cmである、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0104】
実施形態12
前記下側のプレス嵌め要素の前記上面は、前記中央の水平な平面よりも下側に延在する1つ以上の空洞と、前記中央の水平な平面よりも上側に延在する1つ以上の凸部とを備える、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0105】
実施形態13
前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは、前記左側の縁部の一部もしくは前記右側の縁部の一部または前記左側の縁部および前記右側の縁部の両方の一部まで延在している、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0106】
実施形態14
前記上側のプレス嵌め要素から前方に延在する上側のフラップと、前記下側のプレス嵌め要素から前方に延在する下側のフラップとをさらに備え、前記上側のフラップもしくは前記下側のフラップまたは前記上側のフラップおよび前記下側のフラップの両方は、前記前側の縁部の前方に延在している、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0107】
実施形態15
前記上側のフラップは、前記下側のフラップよりもさらに前方に延在しており、または前記下側のフラップは、前記上側のフラップよりもさらに前方に延在している、実施形態14記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0108】
実施形態16
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、前記鉛直な凸部と前記境界の後ろ側との間に位置する後ろ側の鉛直な空洞と、前記鉛直な凸部と前記境界の前側との間に位置する前側の鉛直な空洞とをさらに備え、前記後ろ側の鉛直な空洞の鉛直方向深さは、前記前側の鉛直な空洞の鉛直方向深さよりも大きい、実施形態1記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0109】
実施形態17
一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器であって、該成形されたエラストマー製の容器は、
エラストマーと、
前記エラストマーを含む上側の閉鎖体および下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体は、中央の水平な平面に位置しているかまたは中央の水平な平面よりも上側に位置しており、前記下側の閉鎖体は、前記中央の水平な平面に位置しているかまたは前記中央の水平な平面よりも下側に位置しており、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記成形されたエラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されており、前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の各々は、前記内容積への入口を提供するために動かせるように構成された前側の縁部と、該前側の縁部と反対側の後ろ側の縁部と、左側の縁部と、該左側の縁部と反対側の右側の縁部とを備え、前記上側の閉鎖体は、前記後ろ側の縁部、前記左側の縁部、前記右側の縁部および前記前側の縁部のうちの1つ以上の縁部の部分に沿って前記下側の閉鎖体に結合されている、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と、
前記エラストマーを含み、前記成形されたエラストマー製の容器を開閉するように構成された耐漏性のシールであって、該耐漏性のシールは、前記下側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の下側のプレス嵌め要素と、前記上側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の上側のプレス嵌め要素と、前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、下側の圧力シールド上面と、前記内容積に面した下側の圧力シールド内面とを備える下側の圧力シールドと、前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、上側の圧力シールド下面と、前記内容積に面した上側の圧力シールド内面とを備える上側の圧力シールドとを備え、前記下側のプレス嵌め要素の上面は、前記上側のプレス嵌め要素の下面に対応しており、これによって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記上面と前記下面とが、境界において接触しており、前記前側の縁部に対して垂直な平面内での前記境界の断面輪郭は、蛇行経路を有し、該蛇行経路は4つのポイントを有し、該4つのポイントでは、前記蛇行経路に対する法線ベクトルが、それぞれ上向き、下向き、前向きおよび後ろ向きを含む4方向であり、前記蛇行経路の長さは、所定の軸線上で後ろ側から前側まで測定したときの前記蛇行経路の始端と前記蛇行経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも2倍であり、前記下側の圧力シールド上面と前記上側の圧力シールド下面とは、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに接触しており、前記下側の圧力シールド内面と前記上側の圧力シールド内面とは、実質的に平らであって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記中央の水平な平面に対して実質的に垂直であり、前記下側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記上側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記耐漏性のシールは、前記成形されたエラストマー製の容器に一体化されており、前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部を備え、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部が水平方向に延在しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた1つ以上の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止され、前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは、前記成形されたエラストマー製の容器を封止するために互いに嵌合され、前記上側の圧力シールドと前記下側の圧力シールドとは、互いに接触するものの、互いに係止されない、耐漏性のシールと
を備える、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0110】
実施形態18
前記蛇行経路は、該蛇行経路に対する前記法線ベクトルが前記上向きである、前記蛇行経路のそれぞれ異なる区分における3つ以上のポイントと、前記蛇行経路に対する前記法線ベクトルが前記下向きである、前記蛇行経路のそれぞれ異なる区分における3つ以上のポイントと、前記蛇行経路に対する前記法線ベクトルが前記前向きである、前記蛇行経路のそれぞれ異なる区分における3つ以上のポイントと、前記蛇行経路に対する前記法線ベクトルが前記後ろ向きである、前記蛇行経路のそれぞれ異なる区分における3つ以上のポイントとを有する、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0111】
実施形態19
前記エラストマーはシリコーンである、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0112】
実施形態20
前記エラストマーは、ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有する、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0113】
実施形態21
前記エラストマーは、ショアAデュロメータスケールで70~80の硬さを有する、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0114】
実施形態22
前記下側のプレス嵌め要素の前記上面は、前記中央の水平な平面よりも下側に延在する1つ以上の空洞と、前記中央の水平な平面よりも上側に延在する1つ以上の凸部とを備える、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0115】
実施形態23
前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記前側の縁部の幅は、前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記後ろ側の縁部の幅よりも大きい、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0116】
実施形態24
前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは、前記左側の縁部の一部もしくは前記右側の縁部の一部または前記左側の縁部および前記右側の縁部の両方の一部まで延在している、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0117】
実施形態25
前記上側のプレス嵌め要素から前方に延在する上側のフラップと、前記下側のプレス嵌め要素から前方に延在する下側のフラップとをさらに備え、前記上側のフラップは、前記下側のフラップよりもさらに前方に延在しており、または前記下側のフラップは、前記上側のフラップよりもさらに前方に延在している、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0118】
実施形態26
前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、前記鉛直な凸部と前記境界の後ろ側との間に位置する後ろ側の鉛直な空洞と、前記鉛直な凸部と前記境界の前側との間に位置する前側の鉛直な空洞とをさらに備え、前記後ろ側の鉛直な空洞の鉛直方向深さは、前記前側の鉛直な空洞の鉛直方向深さよりも大きい、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0119】
実施形態27
前記成形されたエラストマー製の容器は、前記耐漏性のシールを含めない前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の平均厚さを有する平均閉鎖体厚さを有し、該平均閉鎖体厚さは、少なくとも0.05cmであり、前記下側の圧力シールドの前記平均厚さは、前記平均閉鎖体厚さの少なくとも2.5倍であり、前記上側の圧力シールドの前記平均厚さは、前記平均閉鎖体厚さの少なくとも2.5倍である、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0120】
実施形態28
前記下側の圧力シールドは、前記エラストマーの実質的に楔状のストリップを備え、前記中央の水平な平面に対して垂直かつ前記下側の閉鎖体の前記前側の縁部に対して垂直な平面に沿った前記下側の圧力シールドの断面は、実質的に、前記下側の圧力シールドの前記上面に沿った水平な下側の辺と、前記下側の圧力シールド内面に沿って前記水平な下側の辺に対して垂直である鉛直な下側の辺とを有する直角三角形であり、前記上側の圧力シールドは、前記エラストマーの実質的に楔状のストリップを備え、前記中央の水平な平面に対して垂直かつ前記上側の閉鎖体の前記前側の縁部に対して垂直な平面に沿った前記上側の圧力シールドの断面は、実質的に、前記上側の圧力シールドの前記下面に沿った水平な上側の辺と、前記上側の圧力シールド内面に沿って前記水平な上側の辺に対して垂直である鉛直な上側の辺とを有する直角三角形である、実施形態17記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0121】
実施形態29
前記水平な下側の辺および前記水平な上側の辺の長さは、0.5cm以下であり、前記鉛直な下側の辺および前記鉛直な上側の辺の長さは、1.5cm以下である、実施形態28記載の、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。
【0122】
実施形態30
一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器であって、該成形されたエラストマー製の容器は、
ショアAデュロメータスケールで40~90の硬さを有するエラストマーと、
前記エラストマーを含む上側の閉鎖体および下側の閉鎖体であって、前記上側の閉鎖体は、中央の水平な平面に位置しているかまたは中央の水平な平面よりも上側に位置しており、前記下側の閉鎖体は、前記中央の水平な平面に位置しているかまたは前記中央の水平な平面よりも下側に位置しており、前記上側の閉鎖体と前記下側の閉鎖体とは、前記成形されたエラストマー製の容器の内容積を提供するように構成されており、前記上側の閉鎖体および前記下側の閉鎖体の各々は、前記内容積への入口を提供するために動かせるように構成された前側の縁部と、該前側の縁部と反対側の後ろ側の縁部と、左側の縁部と、該左側の縁部と反対側の右側の縁部とを備え、前記上側の閉鎖体は、前記後ろ側の縁部、前記左側の縁部、前記右側の縁部および前記前側の縁部のうちの1つ以上の縁部の部分に沿って前記下側の閉鎖体に結合されており、前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記前側の縁部の幅は、前記左側の縁部から前記右側の縁部まで測定したときの前記後ろ側の縁部の幅よりも大きい、上側の閉鎖体および下側の閉鎖体と、
前記成形されたエラストマー製の容器を開閉するように構成された耐漏性のシールであって、前記下側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の下側のプレス嵌め要素と、前記上側の閉鎖体の前記前側の縁部に近位の上側のプレス嵌め要素と、前記下側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された下側の圧力シールドであって、下側の圧力シールド上面と、前記内容積に面した下側の圧力シールド内面とを備える下側の圧力シールドと、前記上側のプレス嵌め要素と前記内容積との間に配置された上側の圧力シールドであって、上側の圧力シールド下面と、前記内容積に面した上側の圧力シールド内面とを備える上側の圧力シールドとを備え、前記下側のプレス嵌め要素の上面は、前記上側のプレス嵌め要素の下面に対応しており、これによって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記上面と前記下面とが、境界において接触しており、該境界にわたる前記下側のプレス嵌め要素の平均厚さは、少なくとも0.25cmであり、前記境界にわたる前記上側のプレス嵌め要素の平均厚さは、少なくとも0.25cmであり、前記下側の圧力シールド上面と前記上側の圧力シールド下面とは、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに接触しており、前記下側の圧力シールド内面と前記上側の圧力シールド内面とは、実質的に平らであって、前記成形されたエラストマー製の容器が閉鎖されたときに、前記中央の水平な平面に対して実質的に垂直であり、前記下側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記上側の圧力シールドの平均厚さは、少なくとも0.15cmであり、前記前側の縁部に対して垂直な平面内での前記境界の断面輪郭は、蛇行経路を有し、該蛇行経路は4つのポイントを有し、該4つのポイントでは、前記蛇行経路に対する法線ベクトルが、それぞれ上向き、下向き、前向きおよび後ろ向きを含む4方向であり、前記蛇行経路の長さは、所定の軸線上で後ろ側から前側まで測定したときの前記蛇行経路の始端と前記蛇行経路の終端との間の水平方向距離の少なくとも2倍であり、前記下側のプレス嵌め要素の前記上面は、前記中央の水平な平面よりも下側に延在する1つ以上の空洞と、前記中央の水平な平面よりも上側に延在する1つ以上の凸部とを備え、前記耐漏性のシールは、前記成形されたエラストマー製の容器に一体化されており、前記下側のプレス嵌め要素は、前記上側のプレス嵌め要素に向かい合って位置しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方は、鉛直な凸部であって、該鉛直な凸部から、鉛直方向でずらされた複数の張出し部が水平方向に延在しており、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の一方または両方に設けられた前記鉛直方向でずらされた複数の張出し部は、前記下側のプレス嵌め要素および前記上側のプレス嵌め要素の1つ以上の対向面に設けられた対応する窪み内に適正に係止される、鉛直な凸部と、前記鉛直な凸部と前記境界の後ろ側との間に位置する後ろ側の鉛直な空洞と、前記鉛直な凸部と前記境界の前側との間に位置する前側の鉛直な空洞とを備え、前記後ろ側の鉛直な空洞の鉛直方向深さは、前記前側の鉛直な空洞の鉛直方向深さよりも大きく、前記上側のプレス嵌め要素と前記下側のプレス嵌め要素とは、前記成形されたエラストマー製の容器を封止するために互いに嵌合され、前記上側の圧力シールドと前記下側の圧力シールドとは、互いに接触するものの、互いに係止されない、耐漏性のシールと
を備える、一体化された耐漏性のシールと圧力シールドとを備える成形されたエラストマー製の容器。