IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西安奕斯偉材料科技有限公司の特許一覧 ▶ 西安奕斯偉硅片技術有限公司の特許一覧

特許7614407ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体
<>
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図1
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図2
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図3
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図4
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図5
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図6
  • 特許-ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250107BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
H01L21/304 622Y
H01L21/68 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023576176
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2022126620
(87)【国際公開番号】W WO2023066366
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】202111228898.4
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522248559
【氏名又は名称】西安奕斯偉材料科技股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】Room 1-3-029, No.1888 South Xifeng Rd., Hi-Tech Zone Xi’an, Shaanxi 710100, P.R.China
(73)【特許権者】
【識別番号】522248560
【氏名又は名称】西安奕斯偉硅片技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】XI’AN ESWIN SILICON WAFER TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1888 South Xifeng Rd., Hi-Tech Zone Xi’an, Shaanxi 710100, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】王 磊磊
(72)【発明者】
【氏名】蘭 洵
(72)【発明者】
【氏名】李 厚生
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-287181(JP,A)
【文献】特開2005-93807(JP,A)
【文献】特表2009-529248(JP,A)
【文献】特開平10-70173(JP,A)
【文献】特開2018-137270(JP,A)
【文献】特開平8-339947(JP,A)
【文献】特開2016-192462(JP,A)
【文献】特開2003-152055(JP,A)
【文献】特開2014-117782(JP,A)
【文献】米国特許第6836690(US,B1)
【文献】特開2015-195314(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0056841(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第103206916(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハV型切欠き中心の位置決め方法であって、
前記位置決め方法は、
収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することを含み、
前記収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することは、
前記V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサの下方まで回動するように前記ウエハを回転することと、
前記ラインレーザ輪郭検出センサを用いて前記V型切欠きの各エッジ点座標を収集することと、
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(XO、YO)を取得することと、を含み、
前記位置決め方法は、さらに、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することを含み、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することは、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lを取得することと、
前記距離L=0の場合又は前記距離Lが設定された範囲内にある場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあると決定することと、
距離Lが設定された範囲内にない場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にないと決定し、前記V型切欠き中心の位置決め操作を継続することと、を含み、
前記設定された範囲は、前記同心円の円心Oと前記設定された基準目盛線との間の距離L=0±0.001mmであり、
前記位置決め方法は、さらに、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することと、
前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動することと、を含み、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することは、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離L、及び前記円心Oとウエハの中心O との間の距離Dに基づいて、式θ=180L/πDに従って前記ウエハの回転角度θを決定することと、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向を判断することと、を含
ウエハV型切欠き中心の位置決め方法。
【請求項2】
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(X、Y)を取得することは、
3つの重複しない前記エッジ点を選択し、前記3つの重複しないエッジ点の座標に基づいて最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する円心Oの座標(X、Y)をフィッティングして得ることを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向を判断することは、
デカルト直角座標系XO1Y平面において、前記円心Oが基準目盛線の右側に位置する場合に前記距離L>0となり、前記円心Oが基準目盛線左側に位置する場合に前記距離L<0となるように設定するここと、
前記距離L>0の場合に前記ウエハの回転方向が反時計回りであると決定し、又は、前記距離L<0の場合に前記ウエハの回転方向が時計回りであると決定することと、を含む
請求項に記載の位置決め方法。
【請求項4】
ウエハV型切欠き中心の位置決めシステムであって、
前記位置決めシステムは、第1決定部分、判断部分、第2決定部分及び回転部分を含み、
前記第1決定部分は、収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定するように構成され、
前記収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することは、
前記V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサの下方まで回動するように前記ウエハを回転することと、
前記ラインレーザ輪郭検出センサを用いて前記V型切欠きの各エッジ点座標を収集することと、
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(X、Y)を取得することと、を含み、
前記判断部分は、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断するように構成され、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することは、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lを取得することと、
前記距離L=0の場合又は前記距離Lが設定された範囲内にある場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあると決定することと、
距離Lが設定された範囲内にない場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にないと決定し、前記V型切欠き中心の位置決め操作を継続することと、を含み、
前記設定された範囲は、前記同心円の円心Oと前記設定された基準目盛線との間の距離L=0±0.001mmであり、
前記第2決定部分は、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定するように構成され、
前記回転部分は、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動するように構成され
前記第2決定部分は、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離L、及び前記円心Oとウエハの中心O との間の距離Dに基づいて、式θ=180L/πDに従って前記ウエハの回転角度θを決定することと、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向を判断することと、を実行するように構成され
ウエハV型切欠き中心の位置決めシステム。
【請求項5】
ウエハV型切欠き中心の位置決めシステムであって、
前記位置決めシステムは、ウエハV型切欠き中心を位置決めするための位置決めバックプレート、真空吸盤、ラインレーザ輪郭検出センサ、データ処理装置及びサーボ電機を含み、
前記位置決めバックプレートには、前記真空吸盤と組み合わせた円形孔が設けられ、前記真空吸盤は、前記円形孔に嵌め込むことができ、
前記真空吸盤は、前記ウエハの裏面が前記位置決めバックプレートに密着するように前記ウエハを吸着するように構成され、
前記ラインレーザ輪郭検出センサは、前記V型切欠きのエッジデータを収集するように構成され、
前記データ処理装置は、
収集された前記ウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定するように構成され、
前記収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することは、
前記V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサの下方まで回動するように前記ウエハを回転することと、
前記ラインレーザ輪郭検出センサを用いて前記V型切欠きの各エッジ点座標を収集することと、
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(X、Y)を取得することと、を含み、
前記データ処理装置は、さらに、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断するように構成され、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することは、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lを取得することと、
前記距離L=0の場合又は前記距離Lが設定された範囲内にある場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあると決定することと、
距離Lが設定された範囲内にない場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にないと決定し、前記V型切欠き中心の位置決め操作を継続することと、を含み、
前記設定された範囲は、前記同心円の円心Oと前記設定された基準目盛線との間の距離L=0±0.001mmであり、
前記データ処理装置は、さらに、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することと、
前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて、制御信号を出力することと、を実行するように構成され、
前記サーボ電機は、前記V型切欠きが前記ラインレーザ輪郭検出センサの下方に位置するように前記ウエハを時計回り又は反時計回りに回転駆動し、及び、前記制御信号に応じて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置まで回動するように前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動するように構成され
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することは、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離L、及び前記円心Oとウエハの中心O との間の距離Dに基づいて、式θ=180L/πDに従って前記ウエハの回転角度θを決定することと、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向を判断することと、を含む
ウエハV型切欠き中心の位置決めシステム。
【請求項6】
コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体にウエハV型切欠き中心の位置決めのプログラムが記憶されており、前記ウエハV型切欠き中心の位置決めのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、請求項1からのいずれか1項に記載のウエハV型切欠き中心の位置決め方法のステップを実現する、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年10月21日に中国に提案された出願番号が202111228898.4である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体技術分野に関し、特にウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体行業では、単結晶シリコン棒の引き上げが完了し、その表面を研削した後、製品の需要に応じて、技術者は、集積回路(Integrated Circuit、IC)の工場におけるウエハの特定の結晶方向の識別と位置決めを容易にするように、単結晶シリコン棒の特定の結晶方向において、該単結晶シリコン棒からなるウエハの特定の結晶方向を判定するための平らな辺又はV型の切欠きを加工する。しかしながら、ウエハのエッジに加工された平らな辺がウエハの利用率に影響を与えるため、現在直径200mm以上のウエハは、平らな辺を用いてその特定の結晶方向を位置決めするのではなく、ウエハのエッジに深さ1.0mmから1.05mm、角度90度のV型切欠きを加工し、該V型切欠きは、V-Notch溝とも呼ばれる。
【0004】
しかしながら、現在の単結晶シリコン棒の特定の結晶方向は、X線回折計を用いて判定されており、且つ、V型切欠きの位置決め及びV型切欠きの加工中に一定の誤差が存在するため、単結晶シリコン棒又はウエハの結晶方向と、加工によって形成されるV型切欠きの中心との間にズレが生じ、実際の測定過程では、V型切欠きの結晶方向ズレ度を用いてV型切欠きの中心位置と単結晶シリコン棒又はウエハ結晶方向との間のズレ程度を判断する。V型切欠きの結晶方向ズレ度が後続の製品良率と製品性能に極めて重要な影響を与えるため、ウエハの生産中にV型切欠きの結晶方向ズレ度を正確に測定することは非常に重要である。V型切欠きの結晶方向ズレ度測定が正確でない場合、ウエハエッジ上の加工パターンとウエハの結晶方向が不整合になり、最終的に製品の電学性能に影響を与え、ひいては製品の廃棄処理にもつながることが理解できる。
【0005】
現在、従来の技術的解決手段では、V型切欠き結晶方向ズレ度の測定について、V型切欠きの中心を位置決めし、具体的には、X線回折法を用いてV型切欠きの垂直位置との結晶方向ズレ度を測定することによってV型切欠きの結晶方向ズレ度を表す。しかしながら、V型切欠き中心の位置決め過程において、V型切欠きの幅が小さく、深さが浅く、且つ、技術者が、手動で位置決めバックプレート及びウエハを取り付けてウエハのV型切欠きの中心が位置決めバックプレートの基準目盛線に整列しているかどうかを肉眼で観察し、判断する必要があるため、V型切欠きの位置決め誤差が大きく、測定したV型切欠きの結晶方向ズレ度が正確ではない。
【発明の概要】
【0006】
このような状況に鑑みて、本開示の実施例は、V型切欠きの位置決め誤差を低下し、V型切欠きの結晶方向ズレ度測定の正確性を向上し、同時に測定効率を向上し、人力コストを節約することができるウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体を提供することが望ましい。
【0007】
本開示の実施例に係る技術的解決手段は、以下のように実現する。
【0008】
第1態様では、本開示の実施例は、ウエハV型切欠き中心の位置決め方法を提供し、前記位置決め方法は、
収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することと、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することと、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することと、
前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動することと、を含む。
【0009】
第2態様では、本開示の実施例は、ウエハV型切欠き中心の位置決めシステムを提供し、前記位置決めシステムは、第1決定部分、判断部分、第2決定部分及び回転部分を含み、
前記第1決定部分は、収集されたウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定するように構成され、
前記判断部分は、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断するように構成され、
前記第2決定部分は、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定するように構成され、
前記回転部分は、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動するように構成される。
【0010】
第3態様では、本開示の実施例は、ウエハV型切欠き中心の位置決めシステムを提供し、
前記位置決めシステムは、ウエハV型切欠き中心を位置決めするための位置決めバックプレート、真空吸盤、ラインレーザ輪郭検出センサ、データ処理装置及びサーボ電機を含み、
前記位置決めバックプレートには、前記真空吸盤と組み合わせた円形孔が設けられ、前記真空吸盤は、前記円形孔に嵌め込むことができ、
前記真空吸盤は、前記ウエハの裏面が前記位置決めバックプレートに密着するように前記ウエハを吸着するように構成され、
前記ラインレーザ輪郭検出センサは、前記V型切欠きエッジデータを収集するように構成され、
前記データ処理装置は、
収集された前記ウエハV型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することと、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することと、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハの回転方向と回転角度を決定することと、
前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて、制御信号を出力することと、を実行するように構成され、
前記サーボ電機は、前記V型切欠きが前記ラインレーザ輪郭検出センサの下方に位置するように前記ウエハを時計回り又は反時計回りに回転駆動し、及び、前記制御信号に応じて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置まで回動するように前記ウエハの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハを回転駆動するように構成される。
【0011】
第4態様では、本開示の実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体にウエハV型切欠き中心の位置決めのプログラムが記憶されており、前記ウエハV型切欠き中心の位置決めのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、第1態様に記載のウエハV型切欠き中心の位置決め方法のステップを実現する。
【0012】
本開示の実施例は、ウエハV型切欠き中心の位置決め方法、システム及びコンピュータ記憶媒体を提供するものであり、該位置決め方法において、収集されたV型切欠きエッジデータに基づいてV型切欠きエッジの円心を決定し、該円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいてV型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断し、V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合に該円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいてウエハの回転方向と回転角度を決定し、そして、V型切欠きが設定されたターゲット中心位置まで回動するように、ウエハの回転方向と回転角度に基づいてウエハを回転し、このように、該位置決め方法を採用すれば、位置決め誤差を低減し、測定結果の正確性を向上するとともに、人力コストを節約し、生産効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施例に係るウエハV型切欠き中心の位置決めシステムの概略図である。
図2】本開示の実施例に係るウエハV型切欠き中心の位置決めシステムの別の概略図である。
図3】本開示の実施例に係るウエハV型切欠き中心の位置決め方法のフロー概略図である。
図4】本開示の実施例に係るウエハV型切欠き形状の概略図である。
図5】本開示の実施例に係るウエハV型切欠きの別の形状の概略図である。
図6】本開示の実施例に係るウエハ回転前後のV型切欠き中心位置の比較概略図である。
図7】本開示の実施例に係る別のウエハV型切欠き中心の位置決めシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術的解決手段について明確に、完全に説明する。
【0015】
図1及び図2を参照し、本開示の実施例の技術的解決手段を実施できるウエハW V型切欠き中心の位置決めシステム1を示す。図1及び図2に示すように、前記位置決めシステム1は、ウエハW V型切欠き中心を位置決めするための位置決めバックプレート10、真空吸盤20、ラインレーザ輪郭検出センサ30、データ処理装置40及びサーボ電機50を含む。
【0016】
前記位置決めバックプレート10には、前記真空吸盤20と組み合わせた円形孔101が設けられ、前記真空吸盤20は、前記円形孔101に嵌め込むことができる。
【0017】
前記真空吸盤20は、前記ウエハWの裏面が前記位置決めバックプレート10に密着するように前記ウエハWを吸着するように構成される。
【0018】
前記ラインレーザ輪郭検出センサ30は、前記ウエハW V型切欠きのエッジデータを収集するように構成される。
【0019】
前記データ処理装置40は、
収集された前記ウエハW V型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することと、
前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することと、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向と回転角度を決定することと、
前記ウエハWの回転方向と回転角度に基づいて、制御信号を出力することと、を実行するように構成される。
【0020】
前記サーボ電機50は、前記V型切欠きが前記ラインレーザ輪郭検出センサ30の下方に位置するように前記ウエハWを時計回り又は反時計回りに回転駆動し、及び、前記制御信号に応じて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置まで回動するように前記ウエハWの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハWを回転駆動するように構成される。
【0021】
なお、図2に示すように、設定された基準目盛線は、前記V型切欠きの中心が基準目盛線と一致するかどうかを容易に判定するために、前記位置決めバックプレート10上に設けられている。
【0022】
また、具体的な実施過程では、図1及び図2に示すように、データ処理可能なデータ処理装置40をラインレーザ輪郭検出センサ30に接続することにより、エッジデータの収集やウエハWの回転駆動以外のステップ又はタスクの実行をデータ処理装置40を介して実現することができる。例えば、データ処理装置40は、具体的に、無線装置、移動や携帯電話(いわゆるスマートフォンを含む)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、ビデオゲームコンソール(ビデオディスプレイ、移動ビデオゲーム装置、移動ビデオ会議ユニットを含む)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、テレビセットトップボックス、タブレットコンピューティング装置、電子書籍リーダー、固定や移動メディアプレーヤーなどであってもよい。
【0023】
選択可能に、前記位置決めバックプレート10の底部には、前記ウエハWを時計回り又は反時計回りに回転駆動するための少なくとも一対のカムフォロア60が設けられている。
【0024】
なお、本開示の実施例において、ウエハWの時計回り回転方向は、図2における点線矢印方向に示すものであり、ウエハWの反時計回り回転方向は、時計回り回転方向と反対の方向である。
【0025】
図1及び図2に示す位置決めシステム1について、X線回折計を用いてウエハWのV型切欠き結晶方向ズレ度を測定する際に、技術者は、まずV型切欠きの中心を位置決めする必要があり、具体的な操作は、まず、V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサ30の下方に位置する場合にラインレーザ輪郭検出センサ30がV型切欠きのエッジデータを容易に収集することができるために、ウエハWにV型切欠きが加工されたエッジをラインレーザ輪郭検出センサ30に向けて配置し、続いてウエハWにV型切欠きが加工されていないエッジをカムフォロア60に接触する。
【0026】
理解できるように、前記真空吸盤20には、真空ポンプ(図示せず)と連通する気管インターフェース201が設けられており、ウエハWの取り付け作業が完了すると、真空吸盤20がウエハWを吸着固定するのを容易にするために、真空ポンプを起動して真空吸盤20とウエハWとの間に真空環境を形成する。なお、真空吸盤20とウエハWの裏面との接触表面は、位置決めバックプレート10とウエハWの裏面との接触表面に対して面一になるため、真空吸盤20がウエハWを吸着固定する際に、ウエハWの裏面と位置決めバックプレート10とが密着し、V型切欠きの中心を正確に位置決めすることができる。
【0027】
上述した位置決めシステム1に基づき、図3を参照して、本開示の実施例に係るウエハW V型切欠き中心の位置決め方法を示し、該方法は、図1及び図2に示す位置決めシステム1によるV型切欠き中心の位置決め過程に適用可能であり、前記位置決め方法は、以下のS301~S304を含む。
【0028】
S301では、収集されたウエハW V型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定する。
【0029】
S302では、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断する。
【0030】
S303では、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向と回転角度を決定する。
【0031】
S304では、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハWの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハWを回転駆動する。
【0032】
なお、本開示の実施例では、ウエハWの中心Oを原点として図2に示すようなデカルト直角座標系をしている。そのため、本開示の実施例に記載の座標は、いずれも、上記構築したデカルト直角座標系に基づくものである。
【0033】
図3に示す技術的解決手段において、収集されたV型切欠きエッジデータに基づいて、V型切欠きエッジに対応する円心を決定し、該円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいてV型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断し、V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合に該円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいてウエハWの回転方向と回転角度を決定し、そして、V型切欠きが設定されたターゲット中心位置まで回動するように、ウエハWの回転方向と回転角度に基づいてウエハWを回転し、このように、該位置決め方法を採用すれば、位置決め誤差を低減し、測定結果の正確性を向上するとともに、人力コストを節約し、生産効率を向上することができる。
【0034】
図3に示す技術的解決手段について、いくつかの例では、前記収集されたウエハW V型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定することは、
前記V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサ30(図1及び図2を参照)の下方まで回動するように前記ウエハWを回転することと、
前記ラインレーザ輪郭検出センサ30を用いて前記V型切欠きの各エッジ点座標を収集することと、
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(X、Y)を取得することと、を含む。
【0035】
なお、図4に示すように、V型切欠き底部が円弧状である場合、上記V型切欠きエッジに対応する同心円は、V型切欠きエッジ底部円弧に対応する同心円となる。一方、図5に示すように、当V型切欠きの輪郭が尖錐形である場合、上記V型切欠きエッジに対応する同心円は、V型切欠きエッジの接線円となる。
【0036】
選択可能に、上記例について、いくつかの具体的な実施形態では、前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(X、Y)を取得することは、
3つの重複しない前記エッジ点を選択し、前記3つの重複しないエッジ点の座標に基づいて最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する円心Oの座標(X、Y)をフィッティングして得ることを含む。
【0037】
理解できるように、3つの重複しないエッジ点の座標を取得すると、同心円に対応する円心座標(X、Y)をフィッティングして得ることができる。一般的には、最小二乗法を用いて円心座標をフィッティングすることができ、フィッティング用の数学方程式は、円方程式であり、該フィッティング方程式は、式(1)に示すものである。
【0038】
【数1】
【0039】
ここで、(X、Y)は、V型切欠きエッジ点の座標であり、(X、Y)は、フィッティングすべき同心円の円心座標であり、rは、フィッティングすべき同心円の半径である。
【0040】
式(1)に示すフィッティング方程式を展開した後、式(2)の形式の方程式を得る。
【0041】
【数2】
【0042】
式(2)には、3つの未知数r、X、Yがあるため、図4中の(X、Y)、(X、Y)及び(X、Y)のような既に決定された3つのエッジ点の座標に基づいて、同心円の円心Oの座標及び半径を決定することができる。
【0043】
図3に示す技術的解決手段について、いくつかの例では、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断することは、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lを取得することと、
前記距離L=0の場合又は前記距離Lが設定された範囲内にある場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあると決定することと、
距離Lが設定された範囲内にない場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にないと決定し、前記V型切欠き中心の位置決め操作を継続することと、を含み、
前記設定された範囲は、前記同心円の円心Oと前記設定された基準目盛線との間の距離L=0±0.001mmである。
【0044】
なお、図2及び図4に示すように、デカルト直角座標系のXOY平面では、基準目盛線(図4中の一点鎖線に示すもの)がY軸と平行であるため、円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lが、円心OのX軸座標値に等しいことを決定することができる。理解できるように、Lが0である場合又はLの大きさが設定された範囲内にある場合、V型切欠きの中心は、ターゲット中心位置にあり、即ち、基準目盛線と一致すると判断でき、このとき、V型切欠き中心の位置決め動作が終了し、正常なウエハW結晶方向測定動作を開始する。Lの大きさが設定された範囲外にある場合、V型切欠きの中心がターゲット中心位置まで回動して基準目盛線と一致するように、ウエハWを回転して引き続きV型切欠きの中心を位置決めする必要がある。
【0045】
もちろん、円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lについてもスケール実測を用いて得ることができる。
【0046】
図3に示す技術的解決手段について、いくつかの例では、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向と回転角度を決定することは、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離L、及び前記円心OとウエハWの中心Oとの間の距離Dに基づいて、式θ=180L/πDに従って前記ウエハWの回転角度θを決定することと、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向を判断することと、を含む。
【0047】
上記例について、いくつかの具体的な実施形態では、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向を判断することは、
デカルト直角座標系XO1Y平面において、前記円心Oが基準目盛線の右側に位置する場合に前記距離L>0となり、前記円心Oが基準目盛線左側に位置する場合に前記距離L<0となるように設定するここと、
前記距離L>0の場合に前記ウエハWの回転方向が反時計回りであると決定し、又は、前記距離L<0の場合に前記ウエハWの回転方向が時計回りであると決定することと、を含む。
【0048】
なお、由于ウエハWの直径が大きいため、本開示の実施例では、図6に示すように、近似的にLをウエハWの外径の線変位とみなす。同時に、デカルト直角座標系XOYにおいて、円心OとウエハWの中心Oとの間の距離Dは、同心円の円心OのY軸座標値である。
【0049】
また、本開示の実施例では、図4及び図5に示すXOY平面を例にして円心Oと基準目盛線の位置を設定し、XOY平面において、円心Oが基準目盛線の右側に位置する場合にL>0となり、円心Oが基準目盛線の左側に位置する場合にL<0となる。
【0050】
上記例について、具体的には、図6に示すように、V型切欠きの中心が位置I(図中点線同心円)にある場合、V型切欠きの中心がターゲット中心位置II図中2点鎖線同心円)まで回動するために、上記式θ=180L/πDを用いてウエハWの回転角度θをコンピューティングして取得することができる。理解できるように、V型切欠き中心を基準目盛線に重ね合わせる(一致する)ために、図6ではL<0のときであるため、ウエハWの回転方向が本開示の実施例で規定する時計回りであると決定することができる。つまり、サーボ電機50ウエハWを時計回りに回動角度θで回転駆動することにより、V型切欠きの中心がターゲット中心位置IIに回動し、最終的にV型切欠きの中心と基準目盛線との重ね合わせ(一致)を実現することができる。
【0051】
一方、V型切欠きの中心と基準目盛線との一致を保証するために、ウエハWをウエハWの回転角度及び回転方向に従って回転駆動した後、再びラインレーザ輪郭検出センサ30を用いてV型切欠きのエッジデータを収集し、ステップS301及びステップS302を実行することができる。
【0052】
上述した技術的解決手段と同じ発明発想に基づき、図7を参照して、本開示の実施例に係るウエハW V型切欠き中心の位置決めシステム1を示し、前記位置決めシステム1は、第1決定部分701、判断部分702、第2決定部分703及び回転部分704を含む。
【0053】
前記第1決定部分701は、収集されたウエハW V型切欠きのエッジデータに基づいて、前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心を決定するように構成される。
【0054】
前記判断部分702は、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあるかどうかを判断するように構成される。
【0055】
前記第2決定部分703は、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心と設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向と回転角度を決定するように構成される。
【0056】
前記回転部分704は、前記V型切欠きが前記設定されたターゲット中心位置まで回動するように、前記ウエハWの回転方向と回転角度に基づいて前記ウエハWを回転駆動するように構成される。
【0057】
上記方法では、第1決定部分701は、
前記V型切欠きがラインレーザ輪郭検出センサ30(図1及び図2を参照)の下方まで回動するように前記ウエハWを回転することと、
前記ラインレーザ輪郭検出センサ30を用いて前記V型切欠きの各エッジ点座標を収集することと、
前記各エッジ点座標に基づいて、最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する同心円の円心Oの座標(XO、YO)を取得することと、を実行するように構成される。
【0058】
上記方法では、第1決定部分701は、
3つの重複しない前記エッジ点を選択し、前記3つの重複しないエッジ点の座標に基づいて最小二乗法を用いて前記V型切欠きエッジに対応する円心Oの座標(XO、YO)をフィッティングして得るように構成される。
【0059】
上記方法では、判断部分702は、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離Lを取得することと、
前記距離L=0の場合又は前記距離Lが設定された範囲内にある場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にあると決定することと、
距離Lが設定された範囲内にない場合、前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にないと決定し、前記V型切欠き中心の位置決め操作を継続することと、を実行するように構成され、
前記設定された範囲は、前記同心円の円心Oと前記設定された基準目盛線との間の距離L=0±0.001mmである。
【0060】
上記方法では、第2決定部分703は、
前記V型切欠きが設定されたターゲット中心位置にない場合、前記円心Oと設定された基準目盛線との間の距離L、及び前記円心OとウエハWの中心O1との間の距離Dに基づいて、式θ=180L/πDに従って前記ウエハWの回転角度θを決定することと、
前記円心Oと設定された基準目盛線との間の位置に基づいて、前記ウエハWの回転方向を判断することと、を実行するように構成される。
【0061】
上記方法では、第2決定部分703は、
デカルト直角座標系XO1Y平面において、前記円心Oが基準目盛線の右側に位置する場合に前記距離L>0となり、前記円心Oが基準目盛線左側に位置する場合に前記距離L<0となるように設定するここと、
前記距離L>0の場合に前記ウエハWの回転方向が反時計回りであると決定し、又は、
前記距離L<0の場合に前記ウエハWの回転方向が時計回りであると決定することと、を実行するように構成される。
【0062】
理解できるように、本実施例では、「部分」は、部分回路、部分プロセッサ、部分プログラム又はソフトウェアなどであってもよく、もちろんユニットであってもよく、モジュールであっても非モジュールであってもよい。
【0063】
また、本実施例における各組成要素は、1つの処理ユニットに集積されていてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在していてもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されていてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実現してもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現してもよい。
【0064】
前記統合されたユニットは、独立した製品として販売又は使用されていないソフトウェア機能モジュールの形で実現される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納することができ、このような理解に基づいて、本実施例の技術的解決手段は、本質的に又は関連技術に貢献した部分、又は該技術的解決手段の全部又は一部をソフトウェア製品の形で表現することができ、コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどであってもよい)又はプロセッサ(processor)が本実施例で説明した方法の全部又は一部のステップを実行するようにするためのいくつかの命令を含む記憶媒体に記憶される。上記記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0065】
そのため、本実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体にウエハW V型切欠き中心の位置決めのプログラムが記憶されており、前記ウエハW V型切欠き中心の位置決めのプログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、上記技術的解決手段における前記ウエハW V型切欠き中心の位置決め方法のステップを実現する。
【0066】
なお、本開示の実施例に記載した技術的解決手段間は、衝突しない場合には、任意に組み合わせることができる。
【0067】
上記は、本開示の具体的な実施形態にすぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本開示が開示した技術範囲内において、当技術分野に精通している技術者は、容易に変更や置換を思いつくことができ、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に準じなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7