(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】乗客コンベアの照明装置、及び乗客コンベアの欄干装置
(51)【国際特許分類】
B66B 23/22 20060101AFI20250107BHJP
B66B 31/00 20060101ALI20250107BHJP
【FI】
B66B23/22 H
B66B31/00 E
(21)【出願番号】P 2024078351
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉木 景太
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-347650(JP,A)
【文献】特表2009-537420(JP,A)
【文献】特開2010-247949(JP,A)
【文献】特開2011-088705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
欄干パネルの下部において前記欄干パネルの側面に対向しているデッキの縁部と前記欄干パネルの側面との間の隙間を塞ぐ弾性変形可能な緩衝部材と、
光を発生する第1発光装置と
を備え、
前記緩衝部材は、前記第1発光装置が設けられた第1緩衝部を有している乗客コンベアの照明装置。
【請求項2】
前記第1緩衝部を構成する材料は、透光性を持つ材料であり、
前記第1発光装置は、前記第1緩衝部の内部に設けられている請求項1に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項3】
前記第1緩衝部は、一体成形によって前記第1発光装置と一体になっている請求項2に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項4】
前記第1緩衝部の内部には、収容室としての空間が形成されており、
前記第1発光装置は、前記収容室に配置されている請求項2に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項5】
前記第1緩衝部は、受け部と、前記受け部の一部に繋がっている蓋部とを有しており、
前記収容室は、前記受け部に前記蓋部が重なった状態で前記受け部と前記蓋部との間に形成されており、
前記受け部と前記蓋部との間には、前記蓋部が前記受け部に繋がったまま前記受け部及び前記蓋部の少なくともいずれかが弾性変形することにより、前記収容室から前記第1緩衝部の外部に達する隙間が開放路として生じるようになっている請求項4に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項6】
光を発生する第2発光装置を備え、
前記緩衝部材は、前記第2発光装置が設けられた第2緩衝部を有しており、
前記緩衝部材は、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部との間で前記デッキの縁部を挟むようになっており、
前記第1緩衝部は、前記デッキの上側において前記デッキの縁部に重なり、
前記第2緩衝部は、前記デッキの下側において前記デッキの縁部に重なる請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の乗客コンベアの照明装置。
【請求項7】
前記欄干パネルと、
前記デッキを有しており、前記欄干パネルの下部に設けられたデッキ装置と、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の照明装置と
を備えている乗客コンベアの欄干装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客コンベアの照明装置、及び乗客コンベアの欄干装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、欄干パネルを支持する台に光源を設けるとともに、欄干パネルの上部に凸面鏡形の反射部を設けることにより、光源からの光を反射部によって反射させるようにした乗客コンベアの照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1に開示された従来の乗客コンベアの照明装置では、欄干パネルを支持する台の構造を、光源の設置スペースを確保する専用の構造にしなければならない。従って、例えば既設又は製造途中の乗客コンベアにおいて、通常の欄干の仕様から、照明装置を設置する欄干の仕様に変更する場合、欄干パネルを支持する台の全体構造を変更する必要があるため、交換する部品点数が増加してしまう。これにより、特許文献1に開示された従来の照明装置では、乗客コンベアに照明装置を設置する作業の負担が増加してしまう。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、乗客コンベアに容易に設置することができる乗客コンベアの照明装置、及び乗客コンベアの欄干装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベアの照明装置は、欄干パネルの下部において欄干パネルの側面に対向しているデッキの縁部と欄干パネルの側面との間の隙間を塞ぐ弾性変形可能な緩衝部材と、光を発生する第1発光装置とを備え、緩衝部材は、第1発光装置が設けられた第1緩衝部を有している。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る乗客コンベアの照明装置、及び乗客コンベアの欄干装置によれば、乗客コンベアに容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る乗客コンベアとしてのエスカレーターを示す側面図である。
【
図3】
図2の内側照明装置を示す拡大断面図である。
【
図4】実施の形態2に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。
【
図5】実施の形態3に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。
【
図6】実施の形態4に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本開示の対象は、以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、又は実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る乗客コンベアとしてのエスカレーターを示す側面図である。図において、上階と下階との間には、トラス101が設置されている。トラス101の長手方向一端部は、上階の構造物にトラス101の上端部として掛けられている。トラス101の長手方向他端部は、下階の構造物にトラス101の下端部として掛けられている。トラス101の幅方向は、トラス101の長手方向に直交する水平な方向と一致している。
【0011】
トラス101の上端部の内部には、上部機械室が設けられている。トラス101の下端部の内部には、下部機械室が設けられている。上部機械室には、上部スプロケット102と、不図示の駆動機と、後述するコンベア制御装置とが設けられている。下部機械室には、下部スプロケット103が設けられている。
【0012】
トラス101には、乗客が乗ることが可能な複数の踏段104が支持されている。複数の踏段104は、踏段チェーン105によって無端状に連結されている。踏段チェーン105は、上部スプロケット102及び下部スプロケット103に巻き掛けられている。
【0013】
駆動機は、各踏段104を循環移動させる駆動力を発生する。コンベア制御装置は、エスカレーターの運転を制御する。駆動機は、コンベア制御装置によって制御される。上部スプロケット102は、駆動機の駆動力を受けることにより回転する。各踏段104は、上部スプロケット102が回転することにより、上部機械室と下部機械室との間を循環移動する。
【0014】
トラス101上には、トラス101の幅方向において互いに対向する一対の欄干装置1が設けられている。各欄干装置1の周縁部には、無端状の移動手摺106が個別に設けられている。各移動手摺106は、駆動機の駆動力により、各踏段104と同期して各欄干装置1の周縁部を移動する。
【0015】
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。各欄干装置1は、欄干パネル2と、デッキ装置3と、内側照明装置4と、外側照明装置5とを有している。内側照明装置4及び外側照明装置5は、一対の照明装置として各欄干装置1に含まれている。
【0016】
欄干パネル2は、トラス101に立てて設けられたガラス製の透明パネルである。欄干パネル2は、トラス101の長手方向に沿って配置されている。欄干パネル2の下部は、トラス101に固定された不図示のパネル保持部によって保持されている。
【0017】
デッキ装置3は、欄干パネル2の下部に配置されている。デッキ装置3は、欄干パネル2の下部の周囲に存在する空間を覆っている。欄干パネル2の下部を保持するパネル保持部は、デッキ装置3によって覆われている。
【0018】
デッキ装置3は、スカートガード31と、内側デッキ32と、外側デッキ33とを有している。内側デッキ32及び外側デッキ33は、一対のデッキとしてデッキ装置3に含まれている。スカートガード31、内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれは、トラス101の長手方向に沿って配置されている。
【0019】
スカートガード31は、欄干パネル2からみて踏段104に近い位置に配置されている。スカートガード31は、トラス101の幅方向において踏段104の側面に対向している。スカートガード31は、不図示の取付金具を介してトラス101に取り付けられている。
【0020】
内側デッキ32は、スカートガード31の上端部と欄干パネル2との間に配置されている。内側デッキ32は、欄干パネル2の下部とスカートガード31との間に存在する空間を覆っている。これにより、欄干パネル2の下部では、欄干パネル2における一対の側面のうち、踏段104側を向いている側面に内側デッキ32の縁部が対向している。
【0021】
外側デッキ33は、欄干パネル2からみて踏段104とは反対側に配置されている。外側デッキ33は、トラス101に固定された不図示の取付金具によってトラス101に取り付けられている。外側デッキ33は、欄干パネル2の下部の周囲に存在する空間のうち、欄干パネル2からみて踏段104とは反対側に存在する空間を覆っている。これにより、欄干パネル2の下部では、欄干パネル2における一対の側面のうち、踏段104とは反対側を向いている側面に外側デッキ33の縁部が対向している。
【0022】
内側照明装置4は、欄干パネル2の側面と内側デッキ32の縁部との間に配置されている。本実施の形態では、内側デッキ32の縁部に沿って複数の内側照明装置4が並んで配置されている。また、本実施の形態では、複数の内側照明装置4が内側デッキ32の全長にわたって配置されている。外側照明装置5は、欄干パネル2の側面と外側デッキ33の縁部との間に配置されている。本実施の形態では、外側デッキ33の縁部に沿って複数の外側照明装置5が並んで配置されている。また、本実施の形態では、複数の外側照明装置5が外側デッキ33の全長にわたって配置されている。
【0023】
内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれは、緩衝部材6と、第1発光装置7とを有している。外側照明装置5における緩衝部材6の構成は、内側照明装置4における緩衝部材6の構成と同様である。外側照明装置5における第1発光装置7の構成は、内側照明装置4における第1発光装置7の構成と同様である。
【0024】
緩衝部材6は、弾性変形可能な弾性部材である。本実施の形態では、緩衝部材6を構成する材料として樹脂が用いられている。第1発光装置7は、緩衝部材6に設けられている。
【0025】
内側照明装置4では、緩衝部材6が内側デッキ32の縁部に取り付けられている。内側照明装置4では、緩衝部材6が内側デッキ32の縁部に沿って配置されている。即ち、内側照明装置4では、緩衝部材6の長手方向が内側デッキ32の縁部に沿った方向となっている。内側照明装置4において、緩衝部材6は、欄干パネル2の側面と内側デッキ32の縁部との間の隙間を塞ぐパッキンとして用いられている。
【0026】
外側照明装置5では、緩衝部材6が外側デッキ33の縁部に取り付けられている。外側照明装置5では、緩衝部材6が外側デッキ33の縁部に沿って配置されている。即ち、外側照明装置5では、緩衝部材6の長手方向が外側デッキ33の縁部に沿った方向となっている。外側照明装置5において、緩衝部材6は、欄干パネル2の側面と外側デッキ33の縁部との間の隙間を塞ぐパッキンとして用いられている。
【0027】
図3は、
図2の内側照明装置4を示す拡大断面図である。内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて、緩衝部材6は、緩衝本体部61と、第1緩衝部62と、第2緩衝部63とを有している。
【0028】
緩衝本体部61、第1緩衝部62及び第2緩衝部63は、緩衝部材6の長手方向に沿って配置されている。緩衝部材6の長手方向に直交する平面における緩衝部材6の断面では、第1緩衝部62及び第2緩衝部63が緩衝本体部61からそれぞれ突出している。緩衝部材6には、緩衝部材6の長手方向に沿ったデッキ挿入溝64が緩衝本体部61、第1緩衝部62及び第2緩衝部63によって形成されている。
【0029】
内側照明装置4では、
図2及び
図3に示すように、緩衝部材6に形成されたデッキ挿入溝64に内側デッキ32の縁部が挿入されている。これにより、内側照明装置4において、緩衝部材6は、第1緩衝部62と第2緩衝部63との間で内側デッキ32の縁部を挟んでいる。
【0030】
内側照明装置4では、欄干パネル2の側面と内側デッキ32の縁部との間に緩衝本体部61が介在している。内側照明装置4では、第1緩衝部62が内側デッキ32の上側において内側デッキ32の縁部に重なっており、第2緩衝部63が内側デッキ32の下側において内側デッキ32の縁部に重なっている。
【0031】
外側照明装置5では、緩衝部材6に形成されたデッキ挿入溝64に外側デッキ33の縁部が挿入されている。これにより、外側照明装置5において、緩衝部材6は、第1緩衝部62と第2緩衝部63との間で外側デッキ33の縁部を挟んでいる。
【0032】
外側照明装置5では、欄干パネル2の側面と外側デッキ33の縁部との間に緩衝本体部61が介在している。外側照明装置5では、第1緩衝部62が外側デッキ33の上側において外側デッキ33の縁部に重なっており、第2緩衝部63が外側デッキ33の下側において外側デッキ33の縁部に重なっている。
【0033】
内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて、第1発光装置7は、緩衝部材6の第1緩衝部62に設けられている。本実施の形態では、第1発光装置7が第1緩衝部62の内部に設けられている。第1緩衝部62は、一体成形によって第1発光装置7と一体になっている。本実施の形態では、緩衝部材6の全体が同じ材料によって構成されている。第1緩衝部62を構成する材料は、透光性を持つ材料である。
【0034】
第1発光装置7は、緩衝部材6の長手方向に沿って第1緩衝部62に設けられている。本実施の形態では、緩衝部材6の全長において第1発光装置7が配置されている。第1発光装置7は、光を発生する。第1発光装置7が発生した光は、第1緩衝部62を透過して緩衝部材6の外部へ照射される。
【0035】
欄干装置1では、内側照明装置4において第1発光装置7が光を発生することにより、内側デッキ32よりも上方における照明が行われる。本実施の形態では、内側デッキ32の上方における照明が内側デッキ32の全長にわたって複数の内側照明装置4によって行われる。また、欄干装置1では、外側照明装置5において第1発光装置7が光を発生することにより、外側デッキ33よりも上方における照明が行われる。本実施の形態では、外側デッキ33よりも上方における照明が外側デッキ33の全長にわたって複数の外側照明装置5によって行われる。従って、欄干装置1は、欄干パネル2の周囲における照明を行う照明機能付きの欄干装置となっている。
【0036】
第1発光装置7は、
図3に示すように、発光素子71と、素子基板72とを有している。本実施の形態では、LED(Light Emitting Diode)が発光素子71として用いられている。発光素子71は、素子基板72に搭載されている。素子基板72には、電源に接続された不図示の給電線が接続されている。素子基板72に接続された給電線は、緩衝部材6の長手方向における緩衝部材6の端面、又は第2緩衝部63の下面から緩衝部材6の外部に出ている。
【0037】
素子基板72は、発光素子71が搭載された搭載面をデッキ挿入溝64とは反対側に向けて配置されている。これにより、第1発光装置7は、発光素子71をデッキ挿入溝64とは反対側に向けて配置されている。発光素子71は、電源から給電線及び素子基板72を介して電力を受けることにより光を発生する。
【0038】
次に、例えば、エスカレーターにおいて、照明機能を持たない欄干装置を照明機能付きの欄干装置1に改造する場合について説明する。照明機能を持たない欄干装置では、内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれの縁部と欄干パネル2の側面との間に樹脂製のパッキンのみがそれぞれ配置されている。照明機能を持たない欄干装置は、各パッキンを内側照明装置4及び外側照明装置5に交換して給電線の配線を行うことにより、照明機能付きの欄干装置1に改造される。
【0039】
このような内側照明装置4及び外側照明装置5では、内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれの縁部と欄干パネル2の側面との間の隙間が、弾性変形可能な緩衝部材6によって塞がれている。緩衝部材6は、第1発光装置7が設けられた第1緩衝部62を有している。第1発光装置7は、光を発生する。このため、内側照明装置4における緩衝部材6を弾性変形させながら、内側デッキ32の縁部と欄干パネル2の側面との間に内側照明装置4を容易に設置することができる。また、外側照明装置5における緩衝部材6を弾性変形させながら、外側デッキ33の縁部と欄干パネル2の側面との間に外側照明装置5を容易に設置することができる。これにより、エスカレーターに内側照明装置4及び外側照明装置5を容易に設置することができる。従って、欄干パネル2の周囲における照明を容易に行うことができ、欄干装置1の意匠性の向上を容易に図ることができる。また、例えば、照明機能を持たない欄干装置を照明機能付きの欄干装置1に改造する場合、照明機能を持たない欄干装置の各パッキンを内側照明装置4及び外側照明装置5に容易に交換することができる。これにより、内側照明装置4及び外側照明装置5を設置するために内側デッキ32及び外側デッキ33を照明装置設置用のデッキに交換する必要がなくなり、照明機能を持たない欄干装置を照明機能付きの欄干装置1に容易に改造することができる。
【0040】
また、第1緩衝部62を構成する材料は、透光性を持つ材料である。第1発光装置7は、第1緩衝部62の内部に設けられている。このため、第1発光装置7を第1緩衝部62によって保護することができる。これにより、例えば、第1発光装置7に対する防塵機能及び防水機能を得ることができるとともに、第1発光装置7が受ける衝撃も緩和することができる。従って、第1発光装置7の故障の発生を抑制することができ、第1発光装置7の長寿命化を図ることができる。
【0041】
また、第1緩衝部62は、一体成形によって第1発光装置7と一体になっている。これにより、第1緩衝部62による第1発光装置7の保護をさらに強化することができる。従って、第1発光装置7の故障の発生をさらに確実に抑制することができる。また、第1緩衝部62の成形と同時に第1発光装置7及び第1緩衝部62の一体化を行うことができる。これにより、内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれの製造を容易にすることができる。
【0042】
また、内側照明装置4における第1緩衝部62は、内側デッキ32の上側において内側デッキ32に重なっている。外側照明装置5における第1緩衝部62は、外側デッキ33の上側において外側デッキ33に重なっている。このため、内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおける第1発光装置7の光が、踏段104に乗っている乗客に効果的に届くようにすることができる。これにより、欄干装置1の意匠性の向上をさらに図ることができる。特に、内側照明装置4では、踏段104に乗っている乗客が第1発光装置7を直接見えるようにすることができ、内側照明装置4による照明の演出効果を高めることができる。
【0043】
また、複数の内側照明装置4は、内側デッキ32の全長にわたって配置されている。複数の外側照明装置5は、外側デッキ33の全長にわたって配置されている。このため、内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれの全長にわたって各内側照明装置4及び各外側照明装置5によって照明を行うことができる。これにより、欄干装置1の意匠性の向上をさらに図ることができる。
【0044】
また、欄干装置1では、内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて第1発光装置7が緩衝部材6の第1緩衝部62に設けられている。このため、エスカレーターに内側照明装置4及び外側照明装置5を容易に設置することができる。従って、内側照明装置4及び外側照明装置5を設置するために内側デッキ32及び外側デッキ33を照明装置設置用のデッキに交換する必要がなくなり、照明機能を持たない欄干装置を照明機能付きの欄干装置1に容易に改造することができる。
【0045】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。なお、
図4は、実施の形態1における
図3に対応する図である。本実施の形態では、外側照明装置5における緩衝部材6の構成が、内側照明装置4における緩衝部材6の構成と同様である。また、本実施の形態では、外側照明装置5における第1発光装置7の構成が、内側照明装置4における第1発光装置7の構成と同様である。
【0046】
内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて、第1緩衝部62の内部には、収容室65としての空間が形成されている。収容室65は、緩衝部材6の全長にわたって第1緩衝部62を貫通している。
【0047】
第1発光装置7は、収容室65に配置されている。収容室65の内面には、一対の収容溝66が緩衝部材6の長手方向に沿って形成されている。一対の収容溝66は、収容室65において互いに対向している。一対の収容溝66には、第1発光装置7の素子基板72の両縁部が個別に挿入されている。第1発光装置7は、一対の収容溝66に素子基板72の両縁部が挿入された状態で収容室65に保持されている。第1発光装置7は、緩衝部材6の長手方向における第1緩衝部62の端部から、素子基板72の両縁部を一対の収容溝66に案内させながら収容室65に挿入される。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0048】
このような内側照明装置4及び外側照明装置5では、収容室65としての空間が第1緩衝部62の内部に形成されている。第1発光装置7は、収容室65に配置されている。このため、収容室65において第1発光装置7の位置を調整可能にすることができる。これにより、第1発光装置7を第1緩衝部62に設けた後に第1緩衝部62に対する第1発光装置7の位置を例えば緩衝部材6の長手方向において調整することができる。従って、緩衝部材6に対する第1発光装置7の位置調整の自由度を向上させることができる。
【0049】
また、収容室65の内面には、第1発光装置7における素子基板72の両縁部が個別に挿入される一対の収容溝66が形成されている。このため、素子基板72の両縁部を一対の収容溝66に個別に挿入することにより、第1発光装置7を収容室65に保持することができる。これにより、第1緩衝部62の内部において第1発光装置7が移動したり傾いたりすることを抑制することができる。
【0050】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。なお、
図5は、実施の形態1における
図3に対応する図である。本実施の形態では、外側照明装置5における緩衝部材6及び第1発光装置7のそれぞれの構成が、内側照明装置4における緩衝部材6及び第1発光装置7のそれぞれの構成と同様である。内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて、第1緩衝部62は、受け部621と、蓋部622とを有している。
【0051】
蓋部622は、受け部621の一部に繋がっている。本実施の形態では、受け部621のうち、緩衝本体部61に対する付け根部分に蓋部622が繋がっている。受け部621及び蓋部622は、第1緩衝部62の全長にわたって緩衝部材6の長手方向に沿って配置されている。蓋部622は、受け部621に重なっている。
【0052】
収容室65は、受け部621に蓋部622が重なった状態で受け部621と蓋部622との間に形成されている。これにより、収容室65の内面のうち、一部は蓋部622によって形成されており、残りの部分は受け部621によって形成されている。
【0053】
受け部621及び蓋部622のそれぞれは、蓋部622が受け部621に繋がったまま、受け部621と蓋部622との間に隙間が生じる方向へ弾性変形可能になっている。第1緩衝部62では、蓋部622が受け部621に繋がったまま、受け部621及び蓋部622の少なくともいずれかが弾性変形することにより、受け部621と蓋部622との間に開放路623が生じる。開放路623は、収容室65から第1緩衝部62の外部に達する隙間である。
【0054】
受け部621と蓋部622との間には、留め構造部67が設けられている。留め構造部67は、受け部621に蓋部622を留めることにより、蓋部622が受け部621に重なった状態を保つ。本実施の形態では、留め構造部67が第1緩衝部62の全長にわたって緩衝部材6の長手方向に沿って設けられている。留め構造部67は、突起部671と、窪み部672とを有している。本実施の形態では、突起部671が蓋部622に設けられており、窪み部672が受け部621に設けられている。
【0055】
突起部671は、蓋部622から受け部621に向けて突出している。突起部671は、蓋部622が受け部621に重なることにより窪み部672に嵌る。蓋部622は、突起部671が窪み部672に嵌ることにより受け部621に留まる。
【0056】
突起部671は、弾性変形可能になっている。突起部671は、抜け止め部671aと、繋ぎ部671bとを有している。抜け止め部671aは、繋ぎ部671bを介して蓋部622に固定されている。緩衝部材6の長手方向に沿って突起部671を見たとき、抜け止め部671aの幅は、繋ぎ部671bの幅よりも大きくなっている。
【0057】
窪み部672は、第1空間部672aと、第2空間部672bとを有している。第1空間部672aは、受け部621の内部に形成されている。第2空間部672bは、第1空間部672aから受け部621の外面に達している。これにより、第1空間部672aは、第2空間部672bを介して受け部621の外部へ開放されている。
【0058】
緩衝部材6の長手方向に沿って窪み部672を見たとき、第1空間部672aの幅は、第2空間部672bの幅よりも大きくなっている。第1空間部672aの幅は、抜け止め部671aの幅以上となっている。第2空間部672bの幅は、繋ぎ部671bの幅以上で、かつ抜け止め部671aの幅よりも小さくなっている。
【0059】
突起部671が窪み部672に押し付けられると、抜け止め部671aは、弾性変形しながら第2空間部672bを通って第1空間部672aに挿入される。第1空間部672aに達した抜け止め部671aは、第1空間部672aにおいて弾性的に復元する。これにより、突起部671は、窪み部672に嵌る。突起部671が窪み部672に嵌っている状態では、抜け止め部671aが第1空間部672aの内面に掛かることにより、突起部671が窪み部672から抜けることが抑制されている。突起部671が窪み部672から抜かれる方向へ引かれると、抜け止め部671aが第2空間部672bを弾性変形しながら通過することにより、突起部671が窪み部672から外れる。
【0060】
第1緩衝部62では、突起部671が窪み部672から外れて受け部621と蓋部622との間に開放路623が生じることにより、収容室65に対する第1発光装置7の出し入れが開放路623を通して可能になる。他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0061】
このような内側照明装置4及び外側照明装置5では、蓋部622が受け部621の一部に繋がっている。収容室65は、受け部621に蓋部622が重なった状態で受け部621と蓋部622との間に形成されている。蓋部622が受け部621に繋がったまま受け部621及び蓋部622の少なくともいずれかが弾性変形することにより、受け部621と蓋部622との間には開放路623が生じる。このため、受け部621と蓋部622との間に生じた開放路623を通して第1発光装置7を収容室65に出し入れしやすくすることができる。これにより、例えば、第1発光装置7の交換、第1発光装置7の保守点検などの作業を容易にすることができる。
【0062】
また、受け部621と蓋部622との間には、留め構造部67が設けられている。留め構造部67は、蓋部622に設けられた突起部671と、突起部671が嵌る窪み部672とを有している。このため、蓋部622を受け部621に留めておくことができ、蓋部622と受け部621との間に開放路623が意図せず生じることを抑制することができる。これにより、塵、埃、水分などの異物が第1緩衝部62の外部から収容室65に侵入しにくくすることができ、第1発光装置7を故障しにくくすることができる。
【0063】
なお、上記実施の形態3では、留め構造部67において、突起部671が蓋部622に設けられており、窪み部672が受け部621に設けられている。しかし、留め構造部67において、突起部671を受け部621に設けるとともに、窪み部672を蓋部622に設けてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態3では、突起部671が抜け止め部671a及び繋ぎ部671bを有しており、抜け止め部671aの幅が繋ぎ部671bの幅よりも大きくなっている。しかし、突起部671が窪み部672に嵌ることにより蓋部622が受け部621に留まるのであれば、突起部671の幅は、繋ぎ部671bの幅以下であってもよい。
【0065】
また、上記実施の形態3では、留め構造部67が第1緩衝部62の全長にわたって設けられている。しかし、緩衝部材6の長手方向における第1緩衝部62の範囲の一部にのみ留め構造部67を設けてもよい。このようにしても、蓋部622を受け部621に留めておくことができる。
【0066】
また、上記実施の形態3では、受け部621と蓋部622との間に留め構造部67が設けられている。しかし、留め構造部67はなくてもよい。留め構造部67がなくても、蓋部622が受け部621に重なることにより、第1緩衝部62の内部に収容室65を形成することができ、第1発光装置7を収容室65に配置することができる。
【0067】
また、上記実施の形態2及び3では、素子基板72の両縁部が個別に挿入される一対の収容溝66が収容室65の内面に形成されている。しかし、一対の収容溝66はなくてもよい。このようにしても、収容室65に第1発光装置7を配置することができる。
【0068】
実施の形態4.
図6は、実施の形態4に係るエスカレーターの照明装置である内側照明装置を示す断面図である。なお、
図6は、実施の形態1における
図3に対応する図である。本実施の形態では、外側照明装置5における緩衝部材6及び第1発光装置7のそれぞれの構成が、内側照明装置4における緩衝部材6及び第1発光装置7のそれぞれの構成と同様である。内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれは、緩衝部材6及び第1発光装置7に加えて、第2発光装置8を有している。
【0069】
内側照明装置4及び外側照明装置5のそれぞれにおいて、第2発光装置8は、緩衝部材6の第2緩衝部63に設けられている。本実施の形態では、第2発光装置8が第2緩衝部63の内部に設けられている。第2緩衝部63は、一体成形によって第2発光装置8と一体になっている。第2緩衝部63を構成する材料は、透光性を持つ材料である。
【0070】
第2発光装置8は、緩衝部材6の長手方向に沿って第2緩衝部63に設けられている。本実施の形態では、緩衝部材6の全長において第2発光装置8が配置されている。第2発光装置8は、光を発生する。第2発光装置8が発生した光は、第2緩衝部63を透過して緩衝部材6の外部へ照射される。
【0071】
内側照明装置4において、第2緩衝部63は、内側デッキ32の下側で内側デッキ32の縁部に重なっている。外側照明装置5において、第2緩衝部63は、外側デッキ33の下側で外側デッキ33の縁部に重なっている。
【0072】
欄干装置1では、内側照明装置4において第2発光装置8が光を発生することにより、内側デッキ32よりも下方における照明が行われる。本実施の形態では、内側デッキ32の下方における照明が内側照明装置4の全長にわたって行われる。また、欄干装置1では、外側照明装置5において第2発光装置8が光を発生することにより、外側デッキ33よりも下方における照明が行われる。本実施の形態では、外側デッキ33よりも下方における照明が外側照明装置5の全長にわたって行われる。内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれよりも下方における照明が行われることにより、トラス101の内側が照らされる。
【0073】
第2発光装置8は、発光素子81と、素子基板82とを有している。本実施の形態では、LEDが発光素子81として用いられている。発光素子81は、素子基板82に搭載されている。素子基板82には、電源に接続された不図示の給電線が接続されている。素子基板82に接続された給電線は、緩衝部材6の長手方向における緩衝部材6の端面、又は第2緩衝部63の下面から緩衝部材6の外部に出ている。
【0074】
素子基板82は、発光素子81が搭載された搭載面をデッキ挿入溝64とは反対側に向けて配置されている。これにより、第2発光装置8は、発光素子81をデッキ挿入溝64とは反対側に向けて配置されている。発光素子81は、電源から給電線及び素子基板82を介して電力を受けることにより光を発生する。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0075】
このような内側照明装置4及び外側照明装置5では、光を発生する第2発光装置8が緩衝部材6の第2緩衝部63に設けられている。内側照明装置4において、第2緩衝部63は、内側デッキ32の下側で内側デッキ32の縁部に重なる。外側照明装置5において、第2緩衝部63は、外側デッキ33の下側で外側デッキ33の縁部に重なる。このため、内側デッキ32及び外側デッキ33のそれぞれよりも下方に存在するトラス101の内側を内側照明装置4及び外側照明装置5によって照らすことができる。従って、例えば、エスカレーターの保守点検作業をトラス101の内側において行うときに、内側照明装置4及び外側照明装置5を活用することができる。
【0076】
なお、上記実施の形態4では、緩衝部材6の全長において第2発光装置8が配置されている。しかし、緩衝部材6の全長のうち、一部の範囲においてのみ、第2発光装置8を配置してもよい。
【0077】
また、上記実施の形態4では、第2発光装置8が第2緩衝部63の内部に設けられている。しかし、第2発光装置8を第2緩衝部63の外面に設けてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態4では、第2緩衝部63が一体成形によって第2発光装置8と一体になっている。しかし、実施の形態2における第1緩衝部62と同様に、第2緩衝部63の内部に収容室としての空間を形成し、第2発光装置8を第2緩衝部63の収容室に配置してもよい。
【0079】
また、上記実施の形態4において、実施の形態3における第1緩衝部62と同様に、第2緩衝部63は、受け部と、受け部に繋がっている蓋部とを有していてもよい。この場合、第2緩衝部63では、受け部に蓋部が重なった状態で受け部と蓋部との間に収容室が形成される。また、この場合、第2緩衝部63に形成された収容室に第2発光装置8が配置される。これにより、この場合、第2緩衝部63では、蓋部が受け部に繋がったまま受け部及び蓋部の少なくともいずれかが弾性変形することにより、収容室から第2緩衝部63の外部に達する隙間が開放路として受け部と蓋部との間に生じる。
【0080】
また、各上記実施の形態では、内側照明装置4及び外側照明装置5が欄干装置1に含まれている。しかし、発光装置が設けられていない緩衝部材6が外側照明装置5の代わりに欄干パネル2の側面と外側デッキ33の縁部との間に配置されていてもよい。また、発光装置が設けられていない緩衝部材6が内側照明装置4の代わりに欄干パネル2の側面と内側デッキ32の縁部との間に配置されていてもよい。これらのようにしても、内側照明装置4及び外側照明装置5のいずれかを容易に設置することができ、内側照明装置4及び外側照明装置5のいずれかによって欄干パネル2の周囲に照明を行うことができる。
【0081】
また、各上記実施の形態では、緩衝部材6の全長において第1発光装置7が配置されている。しかし、緩衝部材6の全長のうち、一部の範囲においてのみ、第1発光装置7を配置してもよい。
【0082】
また、各上記実施の形態では、第1発光装置7が第1緩衝部62の内部に設けられている。しかし、第1発光装置7を第1緩衝部62の外面に設けてもよい。
【0083】
また、各上記実施の形態において、内側デッキ32の長手方向における場所に応じて、内側照明装置4の第1発光装置7による光の色及び明るさの少なくともいずれかを異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、内側照明装置4の第1発光装置7による光の色及び明るさの少なくともいずれかの変化によってエスカレーターにおける特定の場所を乗客に示すことができる。例えば、上階及び下階のそれぞれにおける内側照明装置4の第1発光装置7による光の明るさを、上階と下階との間の中間部における内側照明装置4の第1発光装置7による光の明るさよりも明るくしてもよい。このようにすれば、乗降口の周囲を明るく照らすことができ、上階及び下階における乗降口を乗客に示すことができる。
【0084】
また、各上記実施の形態において、外側デッキ33の長手方向における場所に応じて、外側照明装置5の第1発光装置7による光の色及び明るさの少なくともいずれかを異ならせるようにしてもよい。このようにしても、外側照明装置5の第1発光装置7による光の色及び明るさの少なくともいずれかの変化によってエスカレーターにおける特定の場所を乗客に示すことができる。
【0085】
また、各上記実施の形態において、内側照明装置4及び外側照明装置5の少なくともいずれかの第1発光装置7による光を欄干パネル2の側面に向けて照射させて、第1発光装置7による光を欄干パネル2の側面によって散乱させるようにしてもよい。このようにすれば、内側照明装置4及び外側照明装置5の少なくともいずれかによって間接照明の効果を得ることができる。
【0086】
また、各上記実施の形態では、内側照明装置4及び外側照明装置5を含む照明機能付きの欄干装置1がエスカレーターに適用されている。しかし、内側照明装置4及び外側照明装置5を含む照明機能付きの欄干装置1を乗客コンベアとしての動く歩道に適用してもよい。
【0087】
以上、上記の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【0088】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
(付記1)
欄干パネルの下部において前記欄干パネルの側面に対向しているデッキの縁部と前記欄干パネルの側面との間の隙間を塞ぐ弾性変形可能な緩衝部材と、
光を発生する第1発光装置と
を備え、
前記緩衝部材は、前記第1発光装置が設けられた第1緩衝部を有している乗客コンベアの照明装置。
(付記2)
前記第1緩衝部を構成する材料は、透光性を持つ材料であり、
前記第1発光装置は、前記第1緩衝部の内部に設けられている付記1に記載の乗客コンベアの照明装置。
(付記3)
前記第1緩衝部は、一体成形によって前記第1発光装置と一体になっている付記2に記載の乗客コンベアの照明装置。
(付記4)
前記第1緩衝部の内部には、収容室としての空間が形成されており、
前記第1発光装置は、前記収容室に配置されている付記2に記載の乗客コンベアの照明装置。
(付記5)
前記第1緩衝部は、受け部と、前記受け部の一部に繋がっている蓋部とを有しており、
前記収容室は、前記受け部に前記蓋部が重なった状態で前記受け部と前記蓋部との間に形成されており、
前記受け部と前記蓋部との間には、前記蓋部が前記受け部に繋がったまま前記受け部及び前記蓋部の少なくともいずれかが弾性変形することにより、前記収容室から前記第1緩衝部の外部に達する隙間が開放路として生じるようになっている付記4に記載の乗客コンベアの照明装置。
(付記6)
光を発生する第2発光装置を備え、
前記緩衝部材は、前記第2発光装置が設けられた第2緩衝部を有しており、
前記緩衝部材は、前記第1緩衝部と前記第2緩衝部との間で前記デッキの縁部を挟むようになっており、
前記第1緩衝部は、前記デッキの上側において前記デッキの縁部に重なり、
前記第2緩衝部は、前記デッキの下側において前記デッキの縁部に重なる付記1から付記5までのいずれか一項に記載の乗客コンベアの照明装置。
(付記7)
前記欄干パネルと、
前記デッキを有しており、前記欄干パネルの下部に設けられたデッキ装置と、
付記1から付記6までのいずれか一項に記載の照明装置と
を備えている乗客コンベアの欄干装置。
【符号の説明】
【0089】
1 欄干装置、2 欄干パネル、3 デッキ装置、4 内側照明装置(照明装置)、5 外側照明装置(照明装置)、6 緩衝部材、7 第1発光装置、8 第2発光装置、32 内側デッキ(デッキ)、33 外側デッキ(デッキ)、62 第1緩衝部、63 第2緩衝部、65 収容室、621 受け部、622 蓋部。
【要約】
【課題】乗客コンベアに容易に設置することができる乗客コンベアの照明装置、及び乗客コンベアの欄干装置を提供する。
【解決手段】乗客コンベアの照明装置において、弾性変形可能な緩衝部材6は、欄干パネル2の下部において欄干パネル2の側面に対向している内側デッキ32の縁部と欄干パネル2の側面との間の隙間を塞ぐ。第1発光装置7は、光を発生する。緩衝部材6は、第1発光装置7が設けられた第1緩衝部62を有している。
【選択図】
図2