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特許7614446無人機管理システム、無人機管理方法、データ蓄積装置、データ分析装置、災害予測装置、無人機制御装置、および情報提供装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】無人機管理システム、無人機管理方法、データ蓄積装置、データ分析装置、災害予測装置、無人機制御装置、および情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20250107BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024504765
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016613
(87)【国際公開番号】W WO2023188299
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】小西 良明
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-134663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、
前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、
前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、
前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、
前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、
を備える、無人機管理システム。
【請求項2】
前記配置部は、災害が発生した場合、前記高リスクエリアおよび前記災害発生エリアに優先的に前記無人機および救助者を配置することを決定する、請求項1に記載の無人機管理システム。
【請求項3】
前記収集部は、居住者が存在するエリアに関する居住地データを収集し、前記蓄積部は、前記居住地データを蓄積し、前記配置部は、災害が発生した場合、前記居住者が存在するエリアに、優先的に前記無人機および救助者を配置することを決定する、請求項1または2に記載の無人機管理システム。
【請求項4】
前記蓄積部は、過去に被災者が救助された救助エリアを示す情報を蓄積し、
前記配置部は、前記救助エリアに優先的に前記無人機および救助者を配置することを決定する、請求項1または2に記載の無人機管理システム。
【請求項5】
前記配置部は、前記救助者が配置されたエリアに第1の無人機を配置し、前記救助者が配置されたエリアから避難地までの退避経路に第2の無人機を配置し、前記救助者が配置されたエリア周辺の二次災害の発生が予測されるエリアに第3の無人機を配置することを決定し、
前記予測部は、前記第1の無人機により取得された映像データに基づいて災害の発生を予測し、前記第2の無人機により取得された映像データに基づいて前記退避経路における災害の発生を予測し、前記第3の無人機により取得された映像データに基づいて二次災害の発生を予測する、請求項1または2に記載の無人機管理システム。
【請求項6】
前記救助者に装着される情報提示部を備え、
前記情報提示部は、前記救助者が見ている方向に基づいて、前記第1の無人機により取得された映像データに基づく情報、前記第2の無人機により取得された映像データに基づく情報、および前記第3の無人機により取得された映像データに基づく情報を切り換えて映像または風景に重畳表示する、請求項5に記載の無人機管理システム。
【請求項7】
前記配置部は、前記高リスクエリアおよび前記災害発生エリアのそれぞれに複数の無人機に配置することを決定し、
前記複数の無人機が並列して移動しながら光センサにより地中の水分量を取得する、請求項1または2に記載の無人機管理システム。
【請求項8】
前記配置部は、前記高リスクエリア、前記災害発生エリア、または居住者が存在する居住エリアに、固定的に設置された基地局からの信号を中継する中継機能を持つ第4の無人機を配置することを決定し、
前記高リスクエリア、前記災害発生エリア、または前記居住エリアに配置された前記無人機は、前記第4の無人機を経由して前記基地局に映像データを送信する、請求項1または2に記載の無人機管理システム。
【請求項9】
無人機管理システムが、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集するステップと、
前記無人機管理システムが、前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積するステップと、
前記無人機管理システムが、前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測するステップと、
前記無人機管理システムが、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測するステップと、
前記無人機管理システムが、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定するステップと、
を含む、無人機管理方法。
【請求項10】
無人機により取得された第1の映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された第1の監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより取得された前記第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された前記第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、災害時に収集された第2の映像データおよび災害時に情報源により収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおけるデータ蓄積装置であって、
前記収集部により収集した前記第1の映像データおよび前記第2の映像データ、前記第1の監視対象地域のデータおよび前記第2の監視対象地域のデータを蓄積する、データ蓄積装置。
【請求項11】
無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、災害時に収集された第2の映像データおよび災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データおよび平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおけるデータ分析装置であって、
前記無人機により平時に収集された前記第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時に収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い前記高リスクエリアを予測する、データ分析装置。
【請求項12】
無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記高リスクエリア、および災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおける災害予測装置であって、
災害時に収集された第2の映像データおよび第2の監視対象地域のデータと、平時に収集された前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する前記災害発生エリアを予測する、災害予測装置。
【請求項13】
無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、を備える無人機管理システムにおける無人機制御装置であって、
前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、
前記配置部により決定された前記無人機の配置に基づいて前記無人機を制御する制御部と、
を備える、無人機制御装置。
【請求項14】
無人機により取得された映像データ、および監視対象地域に配置されたセンサ装置を含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおける情報提供装置であって、
前記救助者に装着される情報提示部に、前記救助者が見ている方向に基づいて、前記救助者が配置されたエリアに配置された無人機により取得された映像データに基づく情報、前記救助者が配置されたエリアから避難地までの退避経路に配置された無人機により取得された映像データに基づく情報、および前記救助者が配置されたエリア周辺の二次災害の発生が予測されるエリアに配置された第3の無人機により取得された映像データに基づく情報を切り換えて映像または風景に重畳表示する、情報提供装置。
【請求項15】
無人機平時のリアルタイムにパトロールすることによりに収集された監視対象地域の第1の映像データの特徴量と、衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により平時のリアルタイムに取得された第1の監視対象地域のデータの特徴量とを抽出し、抽出した特徴量から災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、
災害時に情報源により収集された第2の監視対象地域のデータおよび災害時に無人機により収集された第2の映像データと、第1の監視対象地域のデータおよび第1の映像データとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、
前記高リスクエリア、前記災害発生エリアに無人機または救助者を配置することを決定する配置部と、
を備える、無人機管理システム。
【請求項16】
無人機管理システムが、無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより取得された監視対象地域の第1の映像データの特徴量と、衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により平時のリアルタイムに取得された第1の監視対象地域のデータの特徴量とを抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測するステップと、
前記無人機管理システムが、情報源により災害時に取得された第2の監視対象地域のデータおよび災害時に無人機により収集された第2の映像データと、前記第1の監視対象地域のデータおよび前記第1の映像データとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測するステップと、
前記無人機管理システムが、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定するステップと、
を含む、無人機管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人機管理システム、無人機管理方法、データ蓄積装置、データ分析装置、災害予測装置、無人機制御装置、および情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば災害状況を把握することを目的として無人機を利用する技術が知られている。例えば特許文献1に記載された災害活動支援システムは、災害発生時に現場に移動して災害活動を行う移動体に搭載された端末との間で情報通信することにより、移動体による災害活動を支援する。災害活動支援システムは、移動体で取得した現地情報を端末から収集し、現地情報及び地図情報に基づいて、移動体の活動地点及び現在位置から該活動地点までの移動ルートを算出し、算出結果を指示情報として端末に送信している。特許文献2に記載されたシステムは、作業員が到達困難な水道施設を点検するシステムであって、制御装置が生成した動作制御信号をドローンに送信し、ドローンが取得したデータを表示している。特許文献3に記載された情報処理装置は、複数の飛行体により撮像された複数の第1の撮像画像を合成し、合成画像の画像範囲である第1の画像範囲を変更するための操作に基づいて、複数の飛行体の飛行の制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-134663号公報
【文献】特開2021-64878号公報
【文献】特開2019-115012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自然災害時に災害を回避または低減するためには、例えば災害リスクが高いエリアに無人機および救助者を適切に配置する必要がある。しかし、特許文献1~3には、無人機および救助者を適切に配置することは記載されていない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、災害時に無人機および救助者を適切に配置することができる無人機管理システム、無人機管理方法、データ蓄積装置、データ分析装置、災害予測装置、無人機制御装置、および情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る無人機管理システムは、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える。
【0007】
第2の態様に係る無人機管理方法は、無人機管理システムが、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集するステップと、前記無人機管理システムが、前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積するステップと、前記無人機管理システムが、前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測するステップと、前記無人機管理システムが、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測するステップと、前記無人機管理システムが、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定するステップと、を含む。
【0008】
第3の態様に係るデータ蓄積装置は、無人機により取得された第1の映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された第1の監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより取得された前記第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された前記第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、災害時に収集された第2の映像データおよび災害時に情報源により収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおけるデータ蓄積装置であって、前記収集部により収集した前記第1の映像データおよび前記第2の映像データ、前記第1の監視対象地域のデータおよび前記第2の監視対象地域のデータを蓄積する。
【0009】
第4の態様に係るデータ分析装置は、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、災害時に収集された第2の映像データおよび災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データおよび平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおけるデータ分析装置であって、前記無人機により平時に収集された前記第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時に収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い前記高リスクエリアを予測する。
【0010】
第5の態様に係る災害予測装置は、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記高リスクエリア、および災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおける災害予測装置であって、災害時に収集された第2の映像データおよび第2の監視対象地域のデータと、平時に収集された前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する前記災害発生エリアを予測する。
【0011】
第6の態様に係る無人機制御装置は、無人機により取得された映像データ、および衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、を備える無人機管理システムにおける無人機制御装置であって、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、前記配置部により決定された前記無人機の配置に基づいて前記無人機を制御する制御部と、を備える。
【0012】
第7の態様に係る情報提供装置は、無人機により取得された映像データ、および監視対象地域に配置されたセンサ装置を含む情報源により取得された監視対象地域のデータを収集する収集部と、前記収集部により収集した前記映像データ、および前記情報源により取得された監視対象地域のデータを蓄積する蓄積部と、前記無人機が平時のリアルタイムにパトロールすることにより収集された第1の映像データの特徴量、および前記情報源により平時のリアルタイムに収集された第1の監視対象地域のデータの特徴量を抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、前記無人機により災害時に収集された第2の映像データおよび前記情報源により災害時に収集された第2の監視対象地域のデータと、前記第1の映像データおよび前記第1の監視対象地域のデータとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定する配置部と、を備える、無人機管理システムにおける情報提供装置であって、前記救助者に装着される情報提示部に、前記救助者が見ている方向に基づいて、前記救助者が配置されたエリアに配置された無人機により取得された映像データに基づく情報、前記救助者が配置されたエリアから避難地までの退避経路に配置された無人機により取得された映像データに基づく情報、および前記救助者が配置されたエリア周辺の二次災害の発生が予測されるエリアに配置された第3の無人機により取得された映像データに基づく情報を切り換えて映像または風景に重畳表示する。
第8の態様に係る無人機管理システムは、無人機平時のリアルタイムにパトロールすることによりに収集された監視対象地域の第1の映像データの特徴量と、衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により平時のリアルタイムに取得された第1の監視対象地域のデータの特徴量とを抽出し、抽出した特徴量から災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部と、第8の態様に係る無人機管理システムは、災害時に情報源により収集された第2の監視対象地域のデータおよび災害時に無人機により収集された第2の映像データと、第1の監視対象地域のデータおよび第1の映像データとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測する予測部と、前記高リスクエリア、前記災害発生エリアに無人機または救助者を配置することを決定する配置部と、を備える。
第9の態様に係る無人機管理方法は、無人機管理システムが、無人機平時のリアルタイムにパトロールすることにより取得された監視対象地域の第1の映像データの特徴量と、衛星装置、気象レーダ装置、監視対象地域に配置されたセンサ装置の少なくとも一つを含む情報源により平時のリアルタイムに取得された第1の監視対象地域のデータの特徴量とを抽出し、抽出した特徴量から自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測するステップと、前記無人機管理システムが、情報源により災害時に取得された第2の監視対象地域のデータおよび災害時に無人機により収集された第2の映像データと、前記第1の監視対象地域のデータおよび前記第1の映像データとを比較することにより災害が発生する災害発生エリアを予測するステップと、前記無人機管理システムが、前記高リスクエリア、および前記災害発生エリアに前記無人機および救助者を配置することを決定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、災害時に無人機および救助者を適切に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係る無人機管理システムの一例を示すブロック図である。
図2】分析用データベースの一例を示す図である。
図3】実施の形態におけるデータ分析装置および災害予測装置の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態の無人機管理システムにおける平時の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態における平時の無人機の配置の一例を示す図である。
図6】実施の形態の無人機管理システムにおける災害時の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態における災害時の無人機の配置の一例を示す図である。
図8】実施の形態における救助者に提供する情報の一例を示す図である。
図9】実施の形態における災害時に無人機を配置する他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0016】
(無人機管理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る無人機管理システムの一例を示すブロック図である。無人機管理システムは、例えば、複数の無人機100と、データ収集システム200と、データ蓄積システム300と、データ分析装置400と、災害予測装置500と、救助者機器600と、被災者機器610とを備える。無人機管理システムに含まれる各機器は、例えばインターネット等のネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)や無線通信モジュールなどの通信インターフェース(不図示)を有する。
【0017】
無人機100は、例えば、監視対象地域を飛行して移動するドローン、または地上を走行する無人自動運転車である。無人機100は、例えばカメラ装置およびセンサを備える。無人機100は、カメラ装置により撮像した映像データ、およびセンサにより検出した信号をデータ蓄積システム300に送信する。これにより無人機100は、データ収集システム200の一部として機能する。
【0018】
データ収集システム200は、複数の情報源を含む。データ収集システム200は、情報源によって自然災害に関連する自然災害データ、および居住者が存在する居住エリアに関する居住地データを収集する収集部である。自然災害データは、洪水、火山噴火、地震・津波、油流出、海氷、土砂崩れ等の自然災害を把握するためのデータ、および自然災害を予測するためのデータである。居住地データは、監視対象地域のうち居住者がいるエリアに関するデータである。
【0019】
複数の情報源は、例えば、無人機100、衛星装置210、基地局装置212、気象レーダ装置220、監視対象地域に配置されたセンサ装置230、および基地局装置232を含む。衛星装置210により取得した衛星情報、気象レーダ装置220により取得した気象レーダ情報、センサ装置230により取得したセンサ情報のうち自然災害に関する情報は、監視対象地域における自然災害データの一例である。センサ装置230により取得したセンサ情報のうち居住者に関する情報は、監視対象地域における居住地データの一例である。無人機100により取得した情報のうち自然災害に関する情報は、監視対象地域における自然災害データの一例である。無人機100により取得したセンサ情報のうち居住者に関する情報は、監視対象地域における居住地データの一例である。
【0020】
データ蓄積システム300は、データ収集システム200により収集した映像データ、自然災害データ、および居住地データを蓄積する蓄積部である。データ蓄積システム300は、データ収集システム200により収集した映像データ、および自然災害データを蓄積するデータ蓄積装置の一例である。データ蓄積システム300は、例えば、衛星情報記憶部310と、気象レーダ情報記憶部320と、センサ情報記憶部330と、無人機情報記憶部340とを備える。各記憶部は、データ蓄積用の情報処理装置および記憶装置を含む。
【0021】
データ分析装置400は、データ蓄積システム300により蓄積された映像データの特徴量、自然災害データの特徴量、および居住地データの特徴量を抽出し、自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測する分析部である。図2は、分析用データベースの一例を示す図である。分析用データベースには、例えば、位置と、データ種別と、特徴量と、災害リスクと、居住地データと、平時における無人機100の配置と、災害時における無人機100の配置と、災害時における救助者の配置とが対応付けられて登録される。
【0022】
居住地データは、居住者の有無を表す。災害リスクは、自然災害データの特徴量から予測される情報であり、災害が発生するリスクが高いか否かを表す情報である。例えば、傾斜地付近のエリア、および河川付近のエリアは、災害リスクが高い地域と予測される。平時における無人機100の配置は、例えば、インフラ点検用の無人機100を配置することを示す情報である。平時における無人機100の配置情報は、インフラ点検用の無人機100によるパトロール経路を示す情報を含んでよい。災害時における配置は、災害時に無人機100を配置するための情報である。例えば、災害時における無人機100の配置は、災害時において、河川付近の居住地に、災害の監視用の無人機100、救助者を支援するための無人機100、および被災者を捜索するための無人機100を配置することを示す情報である。例えば、災害時における無人機100の配置は、災害時において、傾斜地に、災害監視用の無人機100を配置することを示す情報である。救助者の配置は、災害時に救助者を配置するための情報である。例えば、災害時における救助者の配置は、災害時において、河川付近の居住地に、救助者を配置することを示す情報である。例えば、災害時における救助者の配置情報は、災害時において、傾斜地に、救助者を配置する必要が無いことを示す情報である。
【0023】
図3は、実施の形態におけるデータ分析装置および災害予測装置の一例を示すブロック図である。データ分析装置400は、例えば、特徴抽出部410と、分析部420と、分析用データベース管理部430とを備える。特徴抽出部410は、データ蓄積システム300により蓄積された映像データの特徴量、自然災害データの特徴量、および居住地データの特徴量を抽出する。特徴抽出部410は、例えば平時において取得された映像データ、自然災害データ、居住地データそれぞれの特徴を抽出する。特徴抽出部410は、災害時においてリアルタイムに映像データ、自然災害データ、居住地データそれぞれの特徴を抽出し、抽出した特徴を災害予測装置500に提供する。
【0024】
分析部420は、特徴抽出部410により抽出された特徴に基づいて、災害リスクが高いエリアを決定する。分析部420は、例えば、気象データ、地上の水分量データおよび地盤変化データなどに基づいて、予測された被災地域のうち災害リスクが高くなっているエリアを決定する。具体的には、分析部420は、気象データに基づく降雨量、傾斜地の地面水分量、および地盤変化により傾斜エリアで地滑りが発生するリスクを予測する。分析部420は、例えば映像データおよびセンサ装置230により検知された情報に基づいて監視対象地域のうち居住者がいるエリアを判定してよい。
【0025】
災害予測装置500は、例えば、無人機管理装置500Aと、情報提供装置500Bとを備える。無人機管理装置500Aは、主として無人機100の配置および制御を行う情報処理装置である。無人機管理装置500Aは、例えば、インフラ点検部510と、無人機配置部520と、無人機制御部522と、災害予測部530と、退避エリア選定部532とを備える。無人機管理装置500Aは、高リスクエリアおよび災害発生エリアに基づいて無人機100および救助者の配置を決定し、無人機100の配置に基づいて無人機100を制御する無人機制御装置の一例である。
【0026】
インフラ点検部510は、データ蓄積システム300により提供された映像データ、自然災害データ、データ分析装置400により提供された特徴量に基づいて、監視対象地域におけるインフラ設備の老朽化などを点検する。インフラ設備は、例えば、河川における堤防および傾斜地における崩落防止設備などである。
【0027】
無人機配置部520は、平時において災害リスクが高い高リスクエリアに無人機100を配置することを決定する。無人機配置部520は、平時における無人機100のパトロール箇所および経路を決定する。無人機制御部522は、平時において無人機配置部520により決定された無人機100の配置およびパトロール箇所に従って無人機100を駆動させる。これにより無人機100は、モータ等の駆動部114を動作させて配置された位置に移動し、センサ110により取得した自然災害データ、およびカメラ112により取得した映像データをデータ蓄積システム300に提供することができる。
【0028】
災害予測部530は、平時における映像データおよび自然災害データの特徴と、災害時における映像データおよび自然災害データの特徴との比較に基づいて災害発生エリアを把握および予測する。退避エリア選定部532は、平時における映像データおよび自然災害データの特徴と、災害時における映像データおよび自然災害データの特徴との比較に基づいて被災者が退避可能な退避エリアを選定する。無人機配置部520は、災害予測部530により予測された災害発生エリアおよび退避エリア選定部532により選定された退避エリアに無人機100および救助者を配置することを決定してよい。これにより無人機制御部522は、災害発生エリアおよび退避エリアに移動させるように無人機100を制御する。
【0029】
情報提供装置500Bは、無人機管理装置500Aから取得した情報を提供するための情報処理装置である。情報提供装置500Bは、例えば救助者用情報提供部540と、被災者用情報提供部542とを備える。救助者用情報提供部540は、救助者機器600に、救助者に提供する情報を送信する。救助者機器600は、例えば救助者が装着したヘッドマウンドディスプレイまたはスマートフォンなどである。救助者に提供する情報は、例えば、救助者の配置を示す位置情報、配置されたエリアにおける災害状況、退避経路に関する情報、被災者の有無および位置を示す情報、配置されたエリアにおける二次災害に関する情報である。被災者用情報提供部542は、被災者機器610に、被災者に提供する情報を送信する。被災者機器610は、例えば監視対象地域に設置されたスピーカおよび表示装置である。被災者に提供する情報は、例えば、被災者機器610周辺における、災害発生エリアの状況、避難の要否、退避経路の位置、二次災害に関する情報である。
【0030】
なお、実施の形態の無人機管理システムにおいてはデータ蓄積システム300、データ分析装置400、無人機管理装置500A、情報提供装置500Bといったように複数の機能を分散させたが、これに限定されず、複数の機能を一つの装置に集約させてよく、複数の機能を実施の形態とは異なる形態で分散させてよい。
【0031】
図4は、実施の形態の無人機管理システムにおける平時の動作の一例を示すフローチャートである。無人機管理システムは、まず、分析用データベースを参照して災害リスクの高い高リスクエリアに無人機100を配置しておく(ステップS100)。無人機管理システムは、無人機100が監視対象地域をパトロールする時刻が到来するまで待機する(ステップS102:NO)。パトロールする時刻は、例えば、1日に一度到来する時刻であってよい。無人機管理システムは、無人機100が監視対象地域をパトロールする時刻が到来したと判定した場合(ステップS102:YES)、無人機100によりパトロールを実施させる(ステップS104)。図5は、実施の形態における平時の無人機100の配置の一例を示す図である。無人機管理システムは、例えば、河川付近および傾斜地にインフラ点検用の無人機100(図中の四角)を配置し、居住地に居住者確認用の無人機100を配置し、退避経路付近に退避経路確認用の無人機100を配置することができる。これにより無人機管理システムは、インフラ点検のためのデータを収集することができる。また、無人機管理システムは、平時において人が居住している家屋を特定するための情報を収集することができる。
【0032】
無人機管理システムは、無人機100により取得した映像データおよび自然災害データを収集し、蓄積する(ステップS106)。また、無人機管理システムは、無人機100以外の情報源により収集したデータも蓄積する。無人機管理システムは、収集した映像データ、自然災害データ、および居住者情報を分析することで(ステップS108)、災害リスクを更新する(ステップS110)。これにより無人機管理システムは、平時においてインフラ設備の点検に用いることができる映像データ、自然災害データを分析することができる。これにより無人機管理システムは、インフラ設備の点検する作業を支援することができる。さらに、無人機管理システムは、例えば連日して降雨があったために災害リスクが変動しても、当該変動を分析用データベースに反映させることができる。
【0033】
図6は、実施の形態の無人機管理システムにおける災害時の動作の一例を示すフローチャートである。無人機管理システムは、災害が発生したか否かを判定する(ステップS200)。無人機管理システムは、外部装置から災害に関する警報を受信したことに基づいて災害の発生を判定してよく、ユーザの操作に基づいて災害の発生を判定してよい。無人機管理システムは災害が発生していないときには処理を終了し(ステップS200:NO)、災害が発生した場合にはステップS202移行の処理を行う(ステップS:200:YES)。
【0034】
無人機管理システムは、分析用データベースを参照して無人機100および救助者を配置することを決定する(ステップS202)。無人機管理システムは、救助者機器600等に救助者を配置するための情報を提供する。これにより無人機管理システムは、高リスクエリアに優先的に、無人機100を移動させるよう制御することができる。さらに、無人機管理システムは、居住エリアに、優先的に無人機100および救助者を配置することを決定することができる。
【0035】
図7は、実施の形態における災害時の無人機および救助者の配置の一例を示す図である。無人機管理システムは、例えば、河川付近および傾斜地に災害監視用の無人機100(図中の四角)を配置する。これにより無人機管理システムは、河川および傾斜地における災害の拡大および二次災害を予測するための自然災害データを収集することができる。無人機管理システムは、居住地に、救助者(図中の丸)、被災者用の無人機100、および救助者用の無人機100を配置する。これにより無人機管理システムは、救助者および被災者の周囲の災害状況を把握するための自然災害データ、および避難していない被災者を把握するためのデータを収集することができる。無人機管理システムは、退避経路付近に退避経路監視用の無人機100を配置する。これにより無人機管理システムは、退避経路における災害の拡大および二次災害を予測するための自然災害データを収集することができる。無人機管理システムは、退避エリアに、監視用の無人機100を配置する。これにより無人機管理システムは、退避エリアの災害状況および二次災害を予測するための自然災害データを収集することができる。
【0036】
無人機配置部520は、高リスクエリア、災害発生エリア、または居住エリアに複数の無人機に配置することを決定してよい。無人機制御部522は、各エリアに配置された複数の無人機100が並列して移動しながら光センサにより地中の水分量を取得することができる。これにより無人機管理システムは、災害状況についての映像データを速やかに取得してデータ蓄積システム300、データ分析装置400および災害予測装置500に提供することができる。
【0037】
データ蓄積システム300は、過去に被災者が救助された救助エリアを示す情報を蓄積してよい。これにより無人機管理システムは、ステップS202において、救助エリアに優先的に無人機100および救助者を配置することを決定することができる。
【0038】
無人機管理システムは、無人機100により取得した映像データおよび自然災害データを収集し、蓄積する(ステップS204)。無人機管理システムは、収集した映像データ、および自然災害データに基づいて災害発生エリアの把握、更新、および予測を行う(ステップS206)。無人機管理システムは、最新の災害状況および予測された災害に基づいて退避エリアおよび退避経路を選定する(ステップS208)。無人機管理システムは、最新の災害状況、予測される災害、退避エリアおよび退避経路に関する情報を救助者および被災者に提供する(ステップS210)。
【0039】
図8は、実施の形態における救助者に提供する情報の一例を示す図である。無人機管理システムは、救助者機器600に、救助者付近の災害状況情報、二次災害情報、および退避経路情報を提供してよい。救助者付近の災害状況情報は、救助者がいるエリアにおける最新の災害状況および被災者の有無などの情報を含む。救助者付近の災害状況情報は、例えば居住地に配置された無人機100により取得された映像データおよび自然災害データに基づく情報であってよい。二次災害情報は、救助者がいるエリアに対する二次被害を予測した情報を含む。二次災害情報は、例えば救助者周辺の傾斜地に配置された無人機100により取得された映像データおよび自然災害データに基づく情報であってよい。退避経路情報は、救助者がいるエリアから退避エリアまでの退避経路の災害状況を表す情報を含む。退避経路情報は、例えば退避経路および退避エリアに配置された無人機100により取得された映像データおよび自然災害データに基づく情報であってよい。救助者機器600は、救助者が見ている方向に基づいて、ヘッドマウンドディスプレイで表示している映像または救助者が見ている風景に重畳表示する情報を切り換えてよい。救助者機器600は、例えば、救助者が居住地を捜索している場合、居住地に配置された第1の無人機100により取得された映像データに基づく情報を表示する。救助者機器600は、傾斜地を見た場合、傾斜面に配置された第2の無人機により取得された映像データに基づく情報を表示する。救助者機器600は、退避経路を見た場合、退避経路に配置された第3の無人機により取得された映像データに基づく情報を表示する。
【0040】
無人機管理システムは、災害活動を終了するか否かを判定し、災害活動を終了しない場合にはステップS202からステップS210までの処理を繰り返す(ステップS212:NO)。無人機管理システムは、災害活動を終了する場合、例えば救助者に災害活動の中止または被災地からの退避を指示する情報を提供し、処理を終了する(ステップS212:YES)。
【0041】
これにより無人機管理システムは、災害時において高リスクエリア、災害予測エリア、居住地に優先的に無人機100および救助者を配置することができる。また、無人機管理システムは、映像データ、自然災害データを収集して災害の把握および予測を行い、退避エリアおよび退避経路を選定することができる。この結果、無人機管理システムによれば、災害の把握および予測、退避エリアおよび退避経路の選定を行った結果に基づいて救助者および無人機100の配置を変更することできる。災害時に居住地から収集されたに基づいて、災害発生エリアのうち被災者が存在するエリアに、優先的に無人機100および救助者を配置することを決定することができる。また、無人機管理システムによれば、災害の把握および予測に基づいて災害活動の続行または中止、および被災者からの退避などの判断を行うことができる。この結果、無人機管理システムによれば、2次災害を回避させることができる。
【0042】
図9は、実施の形態における災害時に無人機を配置する他の一例を示す図である。無人機管理システムは、図7を参照して説明したように救助者および無人機100を配置することに加えて、固定的に設置された基地局からの信号を中継する中継機能を持つ第4の無人機100および通信帯域を確保するための第4の無人機100を配置することを決定してよい。この結果、無人機管理システムによれば、映像データおよび自然災害データを収集するための通信リソースを増加させることができる。これにより被災者用の無人機100、および被災者用の無人機100は、中継機能および通信帯域確保機能を持つ無人機100を経由してデータ蓄積システム300、データ分析装置400および災害予測装置500に低遅延で映像データを送信することができる。
【0043】
以上説明したように、実施の形態の無人機管理システムによれば、無人機100により取得された映像データ、および情報源から自然災害に関連する自然災害データを収集および蓄積し、映像データの特徴量、および自然災害データの特徴量を抽出し、自然災害の発生リスクが他のエリアよりも高い高リスクエリアを予測し、災害時に収集された映像データおよび自然災害データと、平時に収集された映像データおよび自然災害データとを比較し、災害が発生する災害発生エリアを予測し、高リスクエリア、および災害発生エリアに基づいて、無人機100および救助者の配置を決定することができる。これにより無人機管理システムによれば、災害時に無人機100および救助者を適切に配置することができる。この結果、無人機管理システムによれば、平時においてリモートセンシングで検知が困難なインフラの詳細調査が可能となり、さらに、人手によるインフラの定期点検に要するコストを削減することができる。また無人機管理システムによれば、災害時において、救助活動に関わる救助者が少ない状況においても迅速に被災者の捜索および救助を開始して活動時間を短縮することができる。
【0044】
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0045】
100…無人機、110…センサ、112…カメラ、114…駆動部、200…データ収集システム、210…衛星装置、212…基地局装置、220…気象レーダ装置、230…センサ装置、232…基地局装置、300…データ蓄積システム、310…衛星情報記憶部、320…気象レーダ情報記憶部、330…センサ情報記憶部、340…無人機情報記憶部、400…データ分析装置、410…特徴抽出部、420…分析部、430…分析用データベース管理部、500…災害予測装置、500A…無人機管理装置、500B…情報提供装置、510…インフラ点検部、520…無人機配置部、522…無人機制御部、530…災害予測部、532…退避エリア選定部、540…救助者用情報提供部、542…被災者用情報提供部、600…救助者機器、610…被災者機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9